説明

塗装表面欠陥検査方法及び塗装表面欠陥検査装置

【課題】 塗装表面欠陥検査方法及び塗装表面欠陥検査装置に関し、表面塗装状態の検査を1回の画像撮像により簡便に且つ高効率に行う。
【解決手段】 縞状明パターンと縞状暗パターンとが交互に配列された明暗パターンの照射光を、1回の照射時間内に前記明暗パターンの切り替えと照射輝度の変調を行って検査対象物の塗装表面に照射する工程と、前記塗装表面からの反射光を撮像装置により画像として取得する工程と、前記取得した画像における輝度情報から前記塗装表面の内部の異物や混入物の影響と前記塗装表面の凹凸欠陥とを区別する画像処理工程とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装表面欠陥検査方法及び塗装表面欠陥検査装置に関するものであり、例えば、携帯電話等の射出成形により作成された樹脂部品の表面塗装状態の検査を簡便に行うための手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の射出成形により作成された樹脂成型品の塗装面は、主に顔料等を含んだベース層と艶を出すためのクリア層からなる。クリア層上の凹凸欠陥は、透明であるために通常の明視野照明では検出が難しく、例えば、白黒、あるいは色相の異なるパターン照明で対象を照射し、撮影画像において凹凸欠陥部を顕在化する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図10は、従来の塗装表面欠陥検査方法の概念的構成図であり、明暗パターン照明光源51により検査対象物60を照射して、その反射光をCCDカメラ54で撮像し、その撮像画像から欠陥を検査する。例えば、ベース層61上にクリア層62を設けた検査対象物60に異物63が含まれていた場合、異物63に対応する凸欠陥64がクリア層62の表面に形成される。
【0004】
明暗パターン照明光源51からの明照射光52と暗照射光53とは正反射してCCDカメラ54に入射して明暗縞パターンとして撮像される。この時、図に示すように、明照射光52が凸欠陥64に入射する凸面鏡での反射と同様に反射して、平坦面における正反射方向とは異なった方向に反射し、例えば、本来、暗縞パターン部の反射位置に反射する。
【0005】
図11は、撮像した明暗縞パターンの模式図であり、パターン明部56とパターン暗部57とが交互に並んだ明暗縞パターン55のパターン暗部57の一つに輝点58が現れる。この輝点58が凸欠陥64からの反射光を現わしている。
【0006】
或いは、左右反対方向から明照明光と暗照明光とを同時に照射して、ライン状の明暗パターンを撮像して、欠陥部の形状に応じた輝度情報から凹凸を判定することも提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、明暗パターン光源からの明暗パターン光を照射し、ラインカメラで撮像して欠陥を判定することも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平04−231853号公報
【特許文献2】特開平05−209733号公報
【特許文献3】特開2009−264800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、メタリック系の塗装の場合、ベース層には顔料の他にアルミフレーク、マイカフレークなど燐片状の光輝材を含む。この光輝材は、配向状態によってパターン照明からの光を反射するため、上述の各提案では、パターン暗部において光輝材と凹凸欠陥との区別がつかない場合があるので、この事情を図12及び図13を参照して説明する。
【0009】
図12は反射状況の説明図であり、図12(a)に示すように、凸欠陥64と光輝材65からの反射光は、平坦面における正反射方向とは異なった方向に反射される。図12(b)は撮像画像の模式図であり、凸欠陥64からの反射光は、パターン暗部57では輝点58となり、パターン明部56では、反射光の欠損した暗点59となる。
【0010】
一方、光輝材65からの反射光は、パターン暗部57及びパターン明部56のいずれにおいても輝点66になる。したがって、輝点に関しては、凸欠陥64か光輝材65かは区別できなくなる。なお、パターン明部56においてはパターン明部56の明度が高いので光輝材からの反射光は輝点として認識できなくなる。
【0011】
この様な問題を解決するためには、明暗が反転したパターンをそれぞれ撮影し、検出部の変化の様子から凹凸欠陥と区別させる方法が考えられる。図12(c)は反転パターンでの撮像画像の模式図であり、図12(b)の撮像画像と対比すると、凹凸欠陥による輝点及び暗点は輝度階調が反転して現れるが、光輝材による輝点は反転せず、一方の画像のみに現れる。
【0012】
しかしながら、明暗パターンとその反転パターンによる2回の撮影が必要になるため、撮影時間や画像取り込み時間を考えると、検査時間が長くなり効率が悪いという問題がある。
【0013】
なお、上述の特許文献2と特許文献3を組み合わせて、明暗パターン照明における明部の輝度を中間照射光67を含む3段階に周期的に変調することが考えられる。図13(a)は装置構成を示す概念図である。しかしながら、この構成では、図13(b)及び図13(c)に示すように、パターンと検査面の位置に応じて正反射光の輝度が変化するだけであり、パターン暗部において凹凸欠陥と光輝材は同じ挙動を示すため、輝度情報からこれらを区別することはできない。なお、図13(b)は撮影画像例であり、図13(c)は輝度プロファイルである。
【0014】
したがって、本発明は、表面塗装状態の検査を1回の画像撮像により簡便に且つ高効率に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
開示する一観点からは、縞状明パターンと縞状暗パターンとが交互に配列された明暗パターンの照射光を、1回の照射時間内に前記明暗パターンの切り替えと照射輝度の変調を行って検査対象物の塗装表面に照射する工程と、前記塗装表面からの反射光を撮像装置で画像として取得する工程と、前記取得した画像における輝度情報から前記塗装表面の内部の異物や混入物の影響と前記塗装表面の凹凸欠陥とを区別する画像処理工程とを有することを特徴とする塗装表面欠陥検査方法が提供される。
【0016】
また、開示する別の観点からは、縞状明パターンと縞状暗パターンとが交互に配列された明暗パターンの照射光を検査対象物の塗装表面に照射する照明光源と、前記塗装表面からの反射光を画像として撮像する撮像装置と、前記照射光源を1回の露光時間内に前記明暗パターンの反転切り替えと照射輝度の変調を行なう切り替え手段とを有することを特徴とする塗装表面欠陥検査装置が提供される。
【発明の効果】
【0017】
開示の塗装表面欠陥検査方法及び塗装表面欠陥検査装置によれば、表面塗装状態の検査を1回の画像撮像により簡便に且つ高効率に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態の塗装表面欠陥検査方法の概念的構成図である。
【図2】撮像画像の模式図である。
【図3】本発明の実施の形態による撮像画像及び輝度プロファイルの説明図である。
【図4】本発明の実施例1の塗装表面欠陥検査方法のフローチャートである。
【図5】本発明の実施例1における明暗パターン照明光源による一回の露光における照射パターンと照射タイミングの説明図である。
【図6】撮像画像と輝度プロファイルの説明図である。
【図7】輝度閾値処理の説明図である。
【図8】基準パターン画像、差分処理画像及びXOR処理画像の模式図である。
【図9】本発明の実施例2における明暗パターン照明光源による一回の露光における照射パターンと照射タイミングの説明図である。
【図10】従来の塗装表面欠陥検査方法の概念的構成図である。
【図11】撮像した明暗縞パターンの模式図である。
【図12】反射状況の説明図である。
【図13】従来技術を組み合わせた場合の構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、図1乃至図3を参照して、本発明の実施の形態の塗装表面欠陥検査方法を説明する。図1は、本発明の実施の形態の塗装表面欠陥検査方法の概念的構成図であり、縞状の明照射部2と縞状の暗照射部3を交互に配列した明暗パターン照明光源1、撮像装置4、露光時間制御装置5、輝度変調装置6、照射パターン制御装置7及びパーソナルコンピュータ8を備えている。
【0020】
明暗パターン照明光源1は、例えば、液晶表示装置、LEDアレイ、或いは、周期的な縞状光透過パターンを有する遮光部材を備えた白色光源からなる。明暗パターン照明光源1のサイズは、検査対象物10のサイズにより異なるが、例えば、検査対象物1は携帯電話である場合には、30cm×30cm程度のサイズとし、縞状の明照射部2と縞状の暗照射部3の幅は、1cm〜3cm程度とする。なお、パターン暗部の輝度は0、即ち、無発光でも良い。また、LEDアレイの場合には白色LEDを用いることが望ましいが、白色に限られるものではない。
【0021】
明暗パターン照明光源1は、輝度変調装置6により1回の露光時間中で照射輝度が変調されるとともに、照射パターン制御装置7により明暗縞パターンの明暗が反転される。撮像装置4は、例えば、CCDカメラ或いはCMOSカメラなどの固体撮像装置からなり、露光制御装置により露光時間が制御される。
【0022】
明暗パターン照明光源1により、1回の照射時間内に明暗縞パターンの切り替えと照射輝度の変調を行って検査対象物10の塗装表面を照射して、その反射光を撮像装置4で多重露光して撮像し、その撮像画像から欠陥を検査する。この時、アルミフレーク、マイカフレーク等の光輝材12を含むベース層11上に塗装によりクリア層13を設けた検査対象物10に異物14が含まれていた場合、異物14に対応する凸欠陥15がクリア層13の表面に形成される。
【0023】
明暗パターン照明光源1からの明照射光と暗照射光とを撮像装置4で撮像して明暗縞パターン画像を取得する。この時、明照射光が凸欠陥15に入射する凸面鏡での反射と同様に反射して、平坦面における正反射方向とは異なった方向に反射する。また、光輝材12に入射した光も反射されて輝点として観察される。
【0024】
図2は撮像画像の模式図であり、図2(b)は図2(a)の反転パターンの撮像画像である。図2(a)に示すように、凸欠陥15からの反射光は、パターン暗部22では輝点24となり、パターン明部21では、反射光の欠損した暗点23となる。光輝材12からの反射光は、パターン暗部22及びパターン明部21のいずれにおいても輝点25になる。なお、パターン明部21においてはパターン明部21の明度により光輝材12からの反射光は輝点として認識できなくなる。
【0025】
図2(b)に示す反転パターンでの撮像画像は、図2(a)の撮像画像と対比すると、凹凸欠陥による輝点及び暗点は輝度階調が反転して現れるが、光輝材による輝点は反転せず、各画像のパターン暗部にのみに現れる。
【0026】
図2(c)は、図2(a)と図2(b)とを同じ照射時間で且つ同じ照射輝度とした場合の重ね合わせ画像、即ち、多重露光画像であり、凸欠陥15に起因する輝点24と暗点23とは互いに打ち消しあって消失する。一方、光輝材12に起因する輝点25は打ち消しあわないので多重露光画像に現れる。なお、図2(d)は撮像画像の輝度プロファイルである。
【0027】
したがって、凸欠陥15に起因する輝点24と暗点23とが打ち消しあって消失しないように、1回の露光時間内で各パターン間で撮像装置で撮像した積算輝度の比がそれぞれ異なるように照射時間と照射輝度の少なくとも一方を変調させる必要がある。
【0028】
例えば、1回の露光時間内に切り替えるパターンの照射時間を同じにして、照射輝度が異なるように変調させても良いし、逆に、1回の露光時間内に切り替えるパターンの照射輝度を同じにして、照射時間が異なるように変調させても良い。或いは、照射時間と照射輝度の両方を変調させても良い。
【0029】
図3は、本発明の実施の形態による撮像画像及び輝度プロファイルである。図3(a)に示すように、凸欠陥に起因する輝点及び暗点は互いに相殺されるが、撮像装置で撮像した積算輝度の比が異なるので、輝度は低下するものの、輝点26及び暗点27として現れる。
【0030】
一方、光輝材12に起因する輝点28,29は輝度は低下するものの、凸欠陥に起因する輝点26及び暗点27に比べて輝度値が大きくなり、撮影画像上で強調される。したがって、撮像画像における輝点及び暗点の輝度の比較から凸欠陥15の存在を光輝材と区別して目視的に検出することができる。
【0031】
図3(b)が撮像画像の輝度プロファイルであり、パターン明部の輝度値をスライスレベルに設定して閾値処理を施すと、光輝材12に起因する輝点28,29のみを自動的に選択的に取り出すことができる。
【0032】
このように、本発明の実施の形態においては、照射輝度もしくは照射時間をパターン切り替え前後で変調させた多重露光画像を用いているので、一回の撮像により、撮像画像における輝度情報から光輝材と凹凸欠陥とを区別することが可能となる。
【実施例1】
【0033】
以上を前提として、次に、図4乃至図8を参照して、本発明の実施例1の塗装表面欠陥検査方法を説明する。図4は、本発明の実施例1の塗装表面欠陥検査方法のフローチャートであり、まず、検査対象物の表面の画像を取得する。
【0034】
図5は、明暗パターン照明光源による一回の露光における照射パターンと照射タイミングの説明図である。図5(a)は露光タイミングと照射タイミングの説明図であり、1回の露光時間をtとして、この一回の露光時間t内で、第1照射パターンをtだけ照射したのち、第2照射パターンに切り替えてtだけ露光する。例えば、ここでは、t=30ミリ秒とし、t=t=t/2とする。
【0035】
図5(b)は、第1照射パターンのパターン図と照明輝度Lの説明図であり、図5(c)は、第2照射パターンのパターン図と照明輝度Lの説明図である。ここでは、パターン暗部とパターン明部のそれぞれのパターンの幅dを1cmとし、L=1000〔cd/m〕、L=2000〔cd/m〕とする。
【0036】
図6は、撮像画像と輝度プロファイルの説明図であり、図6(a)は取得した撮像画像であり、図6(b)は、撮像画像の水平方向の中心部の輝度プロファイルである。
【0037】
次いで、撮像画像に対して光輝材を取り出すための輝度閾値処理を施す。図7は、輝度閾値処理の説明図であり、図7(a)はパターン明部の輝度値Lより若干大きな値、例えば、1.1Lを閾値とした輝度閾値処理の説明図であり、閾値より高輝度の部分を白表示し、低輝度の部分を黒表示する。図7(b)は輝度閾値処理画像であり、光輝材に起因する輝点のみが取り出された画像となる。
【0038】
一方、事前に凹凸のない標準試料を用いて、図5に示した一回の露光における照射パターンと照射タイミングで標準試料を照射して、撮像カメラで基準パターン画像を取得する。図8(a)は、基準パターン画像である。
【0039】
次いで、図6(a)に示した撮像画像と図8(a)に示す基準パターン画像の差分処理を行って欠陥候補を抽出する。図8(b)は、差分処理後の画像であり、凹欠陥に起因する輝点と光輝材に起因する輝点とが欠陥候補として表わされる。
【0040】
次いで、図7(b)に示した輝度閾値処理画像と図8(a)に示した差分処理画像にXOR(排他的論理和)処理を施すことによって、欠陥候補から光輝材に起因する輝点を除去して、凸欠陥に起因する輝点のみを取り出す。図8(c)はXOR処理画像である。
【0041】
次いで、図8(c)に示したXOR処理画像を用いて欠陥部判定を行い、XOR処理画像に輝点がある場合には、NGとし、輝点が見られない場合にはOKとする。なお、図8(c)のXOR処理画像は欠陥部がある場合を示している。
【0042】
このように、本発明の実施例1においては、第1照射パターンのパターン明部の輝度と第2照射パターンのパターン明部の輝度が互いに異なるように設定して、照射時間を等しくして、1回の露光で多重露光した画像を取得している。この場合、第1照射パターンと第2照射パターンとの間で撮像装置で撮像した積算輝度の比がそれぞれ異なるので、1回の露光のみで、凸欠陥と光輝材に区別が可能になり、表面塗装状態の検査をより簡便に且つ高効率に行うことが可能になる。
【実施例2】
【0043】
次に、図9を参照して、本発明の実施例2の塗装表面欠陥検査方法を説明するが、明暗パターン照明光源による一回の露光における照射パターンと照射タイミングが異なるだけで、フローチャートは実施例1と同様である。したがって、明暗パターン照明光源による一回の露光における照射パターンと照射タイミングのみを説明する。
【0044】
図9は、明暗パターン照明光源による一回の露光における照射パターンと照射タイミングの説明図である。図9(a)は露光タイミングと照射タイミングの説明図であり、1回の露光時間をtとして、この一回の露光時間t内で、第1照射パターンをtだけ照射したのち、第2照射パターンに切り替えてtだけ露光する。例えば、ここでは、t=30ミリ秒とし、t+t=t、且つ、t<tとする。
【0045】
図9(b)は、第1照射パターンのパターン図と照明輝度Lの説明図であり、図9(c)は、第2照射パターンのパターン図と照明輝度Lの説明図である。ここでは、パターン暗部とパターン明部のそれぞれのパターンの幅dを1cmとし、L=L=1500〔cd/m〕とする。
【0046】
このような明暗パターン照明光源による一回の露光における照射パターンと照射タイミングで照射を行って、図6(a)と同様の画像を取得する。以降は、上記の実施例1と同様に、撮像画像と基準パターン画像の差分処理を行って欠陥候補を抽出する。
【0047】
次いで、輝度閾値処理画像と差分処理画像にXOR(排他的論理和)処理を施すことによって、欠陥候補から光輝材に起因する輝点を除去して、凸欠陥に起因する輝点のみを取り出す。このXOR処理画像を用いて欠陥部判定を行い、XOR処理画像に輝点がある場合には、NGとし、輝点が見られない場合にはOKとする。
【0048】
このように、本発明の実施例2においては、第1照射パターンと第2照射パターンのパターン明部の輝度が同じになるように設定して、照射時間が互いに異なるように設定して1回の露光で多重露光した画像を取得している。この場合も、第1照射パターンと第2照射パターンとの間で撮像装置で撮像した積算輝度の比がそれぞれ異なるので、1回の露光のみで、凸欠陥と光輝材に区別が可能になり、表面塗装状態の検査をより簡便に且つ高効率に行うことが可能になる。
【0049】
ここで、実施例1及び実施例2を含む本発明の実施の形態に関して、以下の付記を付す。(付記1)
縞状明パターンと縞状暗パターンとが交互に配列された明暗パターンの照射光を、1回の照射時間内に前記明暗パターンの切り替えと照射輝度の変調を行って検査対象物の塗装表面に照射する工程と、
前記塗装表面からの反射光を撮像装置で画像として取得する工程と、
前記取得した画像における輝度情報から前記塗装表面の内部の異物や混入物の影響と前記塗装表面の凹凸欠陥とを区別する画像処理工程と
を有することを特徴とする塗装表面欠陥検査方法。
(付記2)
前記1回の露光時間内に前記明暗パターンの反転切り替えと照射輝度の変調を行って検査対象物の塗装表面に照射する工程において、
前記1回の露光時間内に反転切り替えるパターンの照射時間と照射輝度を、前記切り替え前の明暗パターンと切り替え後の明暗パターンとの間で前記撮像装置により撮像した積算輝度の比がそれぞれ異なるように前記照射時間と照射輝度の少なくとも一方を変調させることを特徴とする付記1に記載の塗装表面欠陥検査方法。
(付記3)
前記1回の露光時間内に前記明暗パターンの反転切り替えと照射輝度の変調を行って検査対象物の塗装表面に照射する工程において、
前記1回の露光時間内に切り替えるパターンの照射時間を同じにして、照射輝度が異なるように変調させることを特徴とする付記2に記載の塗装表面欠陥検査方法。
(付記4)
前記1回の露光時間内に前記明暗パターンの反転切り替えと照射輝度の変調を行って検査対象物の塗装表面に照射する工程において、
前記1回の露光時間内に切り替えるパターンの照射輝度を同じにして、照射時間が異なるように変調させることを特徴とする付記2に記載の塗装表面欠陥検査方法。
(付記5)
前記取得した画像における輝度情報から前記塗装表面の内部の異物や混入物の影響と前記塗装表面の凹凸欠陥とを区別する画像処理工程において、
前記画像の輝度情報に閾値処理を施して前記塗装表面の内部の異物や混入物の情報のみを取り出して混入物情報を取得する工程と、
前記画像の輝度情報から前記塗装表面の内部の異物や混入物の影響と前記塗装表面の凹凸欠陥の情報を取り出して欠陥候補情報を取得する工程と、
前記混入物情報と前記欠陥公報情報とを差分処理して欠陥情報を取得する工程と
を有することを特徴とする付記1乃至付記4のいずれか1に記載の塗装表面欠陥検査方法。
(付記6)
縞状明パターンと縞状暗パターンとが交互に配列された明暗パターンの照射光を検査対象物の塗装表面に照射する照明光源と、
前記塗装表面からの反射光を画像として撮像する撮像装置と、
前記照射光源を1回の露光時間内に前記明暗パターンの反転切り替えと照射輝度の変調を行なう切り替え手段と
を有することを特徴とする塗装表面欠陥検査装置。
(付記7)
前記画像の輝度情報に閾値処理を施して前記塗装表面の内部の異物や混入物の情報のみを取り出する混入物情報取得手段と、
前記画像の輝度情報から前記塗装表面の内部の異物や混入物の影響と前記塗装表面の凹凸欠陥の情報を取り出す欠陥候補情報取得手段と
を有することを特徴とする付記6に記載の塗装表面欠陥検査装置。
【符号の説明】
【0050】
1 明暗パターン照明光源
2 明照射部
3 暗照射部
4 撮像装置
5 露光時間制御装置
6 輝度変調装置
7 照射パターン制御装置
8 パーソナルコンピュータ
10 検査対象物
11 ベース層
12 光輝材
13 クリア層
14 異物
15 凸欠陥
21 パターン明部
22 パターン暗部
23,27 暗点
24,25,26,28,29 輝点
51 明暗パターン照明光源
52 明照射光
53 暗照射光
54 CCDカメラ
55 明暗縞パターン
56 パターン明部
57 パターン暗部
58,66 輝点
59 暗点
60 検査対象物
61 ベース層
62 クリア層
63 異物
64 凸欠陥
65 光輝材
67 中間照射光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縞状明パターンと縞状暗パターンとが交互に配列された明暗パターンの照射光を、1回の照射時間内に前記明暗パターンの切り替えと照射輝度の変調を行って検査対象物の塗装表面に照射する工程と、
前記塗装表面からの反射光を撮像装置で画像として取得する工程と、
前記取得した画像における輝度情報から前記塗装表面の内部の異物や混入物の影響と前記塗装表面の凹凸欠陥とを区別する画像処理工程と
を有することを特徴とする塗装表面欠陥検査方法。
【請求項2】
前記1回の露光時間内に前記明暗パターンの反転切り替えと照射輝度の変調を行って検査対象物の塗装表面に照射する工程において、
前記1回の露光時間内に反転切り替えるパターンの照射時間と照射輝度を、前記切り替え前の明暗パターンと切り替え後の明暗パターンとの間で前記撮像装置により撮像した積算輝度の比がそれぞれ異なるように前記照射時間と照射輝度の少なくとも一方を変調させることを特徴とする請求項1に記載の塗装表面欠陥検査方法。
【請求項3】
前記1回の露光時間内に前記明暗パターンの反転切り替えと照射輝度の変調を行って検査対象物の塗装表面に照射する工程において、
前記1回の露光時間内に切り替えるパターンの照射時間を同じにして、照射輝度が異なるように変調させることを特徴とする請求項2に記載の塗装表面欠陥検査方法。
【請求項4】
前記1回の露光時間内に前記明暗パターンの反転切り替えと照射輝度の変調を行って検査対象物の塗装表面に照射する工程において、
前記1回の露光時間内に切り替えるパターンの照射輝度を同じにして、照射時間が異なるように変調させることを特徴とする請求項2に記載の塗装表面欠陥検査方法。
【請求項5】
縞状明パターンと縞状暗パターンとが交互に配列された明暗パターンの照射光を検査対象物の塗装表面に照射する照明光源と、
前記塗装表面からの反射光を画像として撮像する撮像装置と、
前記照射光源を1回の露光時間内に前記明暗パターンの反転切り替えと照射輝度の変調を行なう切り替え手段と
を有することを特徴とする塗装表面欠陥検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−83239(P2012−83239A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230251(P2010−230251)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】