説明

変調構成部品を取り付けるためのハウジング

【解決手段】ワイヤ格子偏光ビームスプリッター(122)及び空間光変調器(30)を出力光学経路と整列した状態で取り付けるハウジング(100)は、照明軸に沿って提供された入射照明を受け入れる開口部を持つ前部プレートを備える。変調器取り付けプレート(110)は、照明軸の経路に空間光変調器を取り付けるため前部プレートに平行に間隔を隔てられる。第1及び第2の偏光器支持プレートは前部プレート及び変調器取り付けプレートの間に延在し互いから間隔を隔てられる。第1及び第2の偏光器支持プレートの対面する内側表面の各々は、該表面の間にワイヤ格子偏光ビームスプリッターを支持するための同一平面支持特徴部を提供する。ワイヤ格子偏光ビームスプリッターは対面する内側表面の間で延在し、その表面は変調器取り付けプレート上の前記空間光変調器の表面に対して固定した角度をなし、該固定した角度は、出力光学経路に沿って出力光軸を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、デジタル画像形成装置に係り、より詳しくは、偏光構成部品及び反射式LCD空間光変調器を取り付けるためのフレーム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビジネスプレゼンテーション市場のための小型画像形成装置として最初に導入されたように、デジタルカラープロジェクターは、全体に亘る画像形成能力及び光出力能力において着実に改善された。しかし、デジタル運動画像プロジェクタが劇場で使用されるような従来の運動画像フィルムプロジェクタと競争するためには、多数の重要な技術的ハードルが残されていた。従来の運動画像プロジェクタとは異なり、高い品質のデジタル投影システムは、赤、緑及び青(RGB)色の画像データのための別個の色変調経路を提供する。デジタルカラー投影装置の設計は、個々の色チャンネルの各々に形成された画像を載せた単色光ビームが、全色画像を投影するため、適切な強度及びレジストレーションで結合されるべきことを要求する。
【0003】
図1を参照すると、米国特許公開番号2003/0133079に記載されたようにデジタル運動画像投影装置10のための簡単化された概略図が示されている。その内容は、ここで参照したことで本願に組み込まれる。各々の色チャンネル(r=赤、g=緑、b=青)は、変調光ビームを形成するための類似の構成部品を使用する。各経路内の個々の構成部品は、r、g又はbが書き添えられたラベルが適切に付けられている。しかし、以降の説明のために、色チャンネルの間の識別は、必要時においてのみ特定化するものとする。光源20は、照明リレーレンズ80を介して二色性分離器27に差し向けられた均一な照明を提供するため、光学系22を均一化することにより調整された非変調光を提供する。二色性分離器27は、白色光を、赤、緑及び青色チャンネルへと分割する。3つの色チャンネルの任意のものに続いて、光は光変調アッセンブリ38へと至り、該アッセンブリでは、リレーレンズ82が予備偏光器70を通して光を偏光ビームスプリッター24へと差し向ける。所望の偏光状態を有する光は、偏光ビームスプリッター24を通して送られ、次に、空間光変調器30により変調される。該空間光変調器30は、画素箇所のアレイに亘って入射光の偏光状態を選択的に変調する。空間的光変調器30の作用によって画像が形成される。偏光ビームスプリッター24から反射された。この画像からの変調光は、分析器72を介して、光軸O/O/Oに沿って送信され、光学折り畳みミラー31を介して、2色結合器26、典型的には、X線キューブ、フィリップスプリズム、又は、従来のシステムにおける2色表面の組み合わせへと、拡大リレーレンズ29により差し向けられる。光学色選択偏光フィルター60は、変調光経路に提供されてもよい。2色結合器26は、別個の光軸O/O/Oからの赤、緑及び青の変調画像を結合し、例えば投影スクリーン等のディスプレイ表面40に投影するため共通の光軸に沿って投影レンズ32のための結合された多色画像を形成する。
【0004】
図1の反射式液晶装置(LCD)は、デジタルプロジェクター設計で幅広く使用されている空間光変調器の一種である。この装置は、偏光光を受け取り、該入射光の偏光を変調し、出力として色付き光ビームを提供する。偏光光を得るため、例えば、マクネイルプリズム等の偏光ビームスプリッタープリズムが、典型的には、偏光器及び分析器として構成された1つ以上の偏光要素の支持と共に用いられる。
【0005】
変調光は、色画像を合成するため3つの色チャンネルの各々から組み合わされなければならないので、変調光の正確なレジストレーションが重要となる。変調光が空間光変調器30の表面から反射されるとき、各LCD表面の相対的な整列における角度誤差は、解像度においてかなりのシフトを引き起こしかねず、不満足な画像品質を与える。例えばコントラストの損失等の更なる画像品質問題は、特にビームスプリッター24を偏光させるため、偏光支持構成部品の不完全な整列の結果であり得る。その上、熱膨張効果は、レジストレーションに更なるドリフトを引き起こし、偏光構成部品の性能を劣化させ得る。熱膨張は、高い輝度がハイエンドの投影装置の用途において要求されるので、該ハイエンドの投影装置に関して特別の懸念事項となる。これと同時に、画像形成構成部品と投影レンズとの間で最小化された光学経路長さに関して、コンパクトな光学パッケージが望ましい。これらの相容れない要求は、高い輝度の投影装置の設計を複雑にする。
【0006】
画像レジストレーションに対する熱膨張の負の影響は、当該技術分野で知られている。この問題に答えて、米国特許番号6,345,895号(マキら)は、反射式空間光変調器、偏光ビームスプリッター及び関連する偏光支持部品を支持するための取り付けベースの使用を奨励していない。意義あることには、米国特許番号6,345,895号の開示内容は、低い膨張係数を有する金属又は複合材料から形成された取り付けベースの使用から逸脱することさえ示唆している。代替例として、米国特許番号6,345,895号で提案されたアプローチは、光学経路中の構成部品が熱膨張と整合したままであるように、空間光変調器の構成部品を、ビーム分割又は色結合のため使用されるガラスプリズム構成部品に直接取り付ける。これと同じ全体的なアプローチは、米国特許番号6,375、330(ミハラキス)、6,053,616号(フジモリら)及び6,056,407号(イイヌマら)でも教えられている。
【0007】
プリズム部品への取り付けに関する一つの認知された問題は、初期整列それ自身を達成することにある。一例として、米国特許番号6,406,151号(フジモリ)は、LCD構成部品をプリズムに整列した状態で接着固定するための方法を記載している。ガラス又はプラスチックのプリズム表面への直接的な取り付けは、熱膨張効果を最小にする利点を有する一方で、接着剤を使用する溶液に関して、LCDそれ自体に対する熱分散の懸念事項を倍化させ、構成部品の取り替えをコスト高で時間を消費する処置にするなどの数多くの欠点が存在するように思われる。
【0008】
最近では、米国特許番号6,122,103号(パーキンズら)に開示されているように、高品質のワイヤ格子偏光器が可視光スペクトルで使用するため開発された。現存するワイヤ格子偏光器が、デジタルシネマ投影のため要求された高いコントラストを得るために必要とされる必要な性能特性の必ずしも全てを示すことができない一方で、これらの装置は多数の利点を持っている。これらの利点の中でも主要なものは以下の通りである。
(i) 良好な温度性能。ワイヤ格子偏光器は、上記したように、ガラスベースの偏光装置の特性である、温度応力による複屈折を示していない。
(ii) ロバストネス。格子偏光器は、予期された光強度、温度、及び、デジタルシネマ投影のため必要とされる他の環境条件にも耐えることができることが示された。
(iii) 良好な角度応答。これらの装置は、従来のガラス偏光ビームスプリッターを使用して利用可能電極アルミニウムよりも高い開口数を有効に提供し、これにより、従来の装置と比較したとき光スループットの比較的高いレベルを可能にする。
(iv) 良好な色応答。これらの装置は、様々に異なる色チャンネルの条件の下で十分に実行する。しかし、青色チャンネル内の応答は、追加の補償を必要とし得ることが明記されなければならない。
【0009】
米国特許番号6,234,634号及び6,447,120号(両方ともハンセンらに付与された)と、米国特許番号6,585,378号(クルツら)は、格子偏光ビームスプリッターを使用した画像投影装置を開示している。ワイヤ格子偏光ビームスプリッターは、特にその小さいサイズ及び重量の軽さに起因して、従来のプリズムをベースとした偏光ビームスプリッターを超える利点を提供する。ワイヤ格子偏光器及び分析器の構成部品を使用した組み合わせで光変調にとって利点が存在し得ることを認めることができる。しかし、従来技術の投影装置で用いられる、よりありふれたビームスプリッター及び偏光器に関して、ワイヤ格子構成部品は、それ自身で熱膨張効果を受け、熱効果を考慮に入れた状態で、各色チャンネル内の空間的光変調器に関して適切に整列されなければならない。
【0010】
G.H.ホーらによる「投影ディスプレイシステムにおけるワイヤ格子式偏光器の機械光学的特性」という標題のSID02ダイジェストの論文は、反射式LCD空間光偏光器を使用した画像形成装置におけるワイヤ格子偏光器の構成部品を配備するための重要な設計上の考察を与える。比較的低いパワー投影装置における機械的拘束及び熱応力により引き起こされた問題を記するとき、ホーらの論文は、ワイヤ格子偏光ビームスプリッターのための従来の取り付け技術の全体的な負の影響に焦点を当てている。顕著なことには、ホーらの開示内容は、ワイヤ格子ビームスプリッターを介して変調光を送信する反射式LCD空間光変調器を使用する画像形成システムに関する。この種のシステムにおける固有の問題は、卵子を含み、ホーらの論文で説明された技術を使用して修正することができる。ホーらの論文に記載された他の問題の中には、ワイヤ格子偏光ビームスプリッターへの熱効果により引き起こされた表面変形が存在している。低いパワーから中間パワーの投影装置に関する問題は、ホーらの論文中で焦点を当てられたように、より高いエネルギー投影設備に対してよりいっそうの問題として表明されることを理解することができる。
【0011】
ワイヤ格子偏光ビームスプリッターを取り付けるための重要な設計上の考察の中には、この構成部品の表面が空間的光変調器の表面及び分析器の表面の両方に対して正確に45度の配位に維持することがある。電子投影装置の設計で解決されなければならない関連する問題は、ワイヤ格子偏光ビームスプリッター及び投影光学経路の両方に対する空間光変調器それ自身の整列である。熱的ドリフトの負の効果無しに正確な整列を維持することは、ハイエンドの電子投影装置にとって重要な設計上の目標である。
【0012】
ホーらの構成の画像形成の応用とは異なり、図1の投影装置10(本発明は、その一部分である)は、光を画像形成レンズに向けて反射させる反射式LCD空間光変調器30r、30g、30bを使用して変調光を対応する偏光ビームスプリッター24r、24g、24bに戻すように差し向ける。従来のプリズムをベースとした偏光ビームスプリッターの構成部品に代えてワイヤ格子偏光ビームスプリッターを代用するためには、ホーらにより焦点を当てられた熱的効果を考慮しなければならない。しかし、偏光ビームスプリッターの位置が変調光の経路内で反射表面としてあるので、画像形成問題上に固有の熱的影響は、ホーらの論文で説明されたシステムに対してよりもよりいっそう顕著なものとなる。即ち、偏光ビームスプリッター24r、24g、24bの代わりに使用されるワイヤ格子偏光ビームスプリッターの構成部品を用いて、収束、コントラスト、及び、一般的な波面収差は、光学設計者にとって深刻な懸念となる。これらの光学効果は、表面変形、横方向シフト、又は、傾斜及び/又は回転に起因しており、これらの全ては、熱的応力により誘起され得る。ホーらは、高い強度の照明で遭遇する問題を考察しなかったばかりではなく、反射構造で負うことになるこれらの問題も考察せず、その解答もホーらによっては考察されなかった。
【0013】
別の最近の文献として、米国特許出願公開番号2003/0117708(ケイン)は、ワイヤ格子偏光ビームスプリッターと、空間光偏光器と、不活性ガスで充填されるか又は真空状態にされた内部空間を有する投影レンズと、から構成された密封エンクロージャを開示している。米国公開番号2003/0117708で述べられた目標の中には、腐食からのワイヤ格子の保護、並びに、光学アッセンブリの取り扱いや組み立て式のパッケージングが含まれている。このアプローチは、単一の空間光変調器のみを用いている小規模な投影環境で有用であり得るが、米国公開番号2003/0117708の装置及び方法は、例えば動画劇場で使用するための商業上の使用のために設計された全色投影装置の高熱環境には適していない。その上、高品質のデジタル投影は、高品質の投影光学系を備えた、各色チャンネルのための別個の空間光変調器の使用を必要としている。適切なコントラストを提供するため、偏光ビームスプリッターのための追加の支持構成部品が、更なる偏光度の選択を提供するべく必要とされる。これらの支持偏光構成部品の偏光ビームスプリッター及び画像形成経路全体との相対的な整列は重要である。米国公開番号2003/0117708には、これらの支持構成部品を配置させたり、追加するための用意が何もなされていない。さらには、米国公開番号2003/0117708の方法は、密封エンクロージャ内での過度の拘束及び熱的封じ込めの結果として高熱環境で誘起される熱的歪及び応力複屈折に起因した解決を予想もしなければ提供もしていない。
【0014】
かくして、ワイヤ格子偏光器及び偏光ビームスプリッターは、デジタル投影装置のための利点を提供するが、熱膨張効果により与えられた整列及び複雑さの問題は、これらの構成部品から適切な性能を得るためには解決されなければならないことが見て取れる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、空間光変調器を取り付け、機械的にロバストな偏光構成部品を支持するための装置及び技術を提供し、画像品質を劣化させること無しに熱膨張を可能にすると共に光変調経路内の直線的な整列を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題に鑑みて、本発明は、ワイヤ格子偏光ビームスプリッター及び空間光変調器を出力光学経路と整列した状態で取り付けるためのハウジングを提供し、該ハウジングは、
(a) 照明軸に沿って提供された入射照明を受け入れるための開口部を有する前部プレートと、
(b) 前記照明軸の前記出力光学経路に前記空間光変調器を取り付けるため、前記前部プレートに平行に間隔を隔てられた変調器取り付けプレートと、
(c) 前記前部プレート及び前記変調器取り付けプレートの間に延在して、互いから間隔を隔てられた、第1及び第2の偏光器支持プレートと、
を備え、
前記第1及び第2の偏光器支持プレートの対面する内側表面の各々は、該内側表面の間に前記ワイヤ格子偏光ビームスプリッターを支持するための同一平面支持特徴部を提供し、
前記ワイヤ格子偏光ビームスプリッターは、前記対面する内側表面の間で該内側表面に垂直に延在し、該ワイヤ格子偏光ビームスプリッターの表面は、前記変調器取り付けプレート上の前記空間光変調器の表面に対して固定した角度をなし、該固定した角度は、前記出力光学経路に沿って出力光軸を形成する。
【0017】
本発明の特徴は、空間光変調器と単一色チャンネルのための支持偏光構成部品とのためのモジュール式ハウジングを提供することである。
本発明の利点は、変調光のための光学経路に対してワイヤ格子偏光ビームスプリッターを正確に整列させるための取り付け方法を提供することである。本発明の装置及び方法を使用したとき、一旦、ハウジングが適所に取り付けられたならば、偏光ビームスプリッターへの調整は不必要となる。空間光調整器の位置決めのための僅かな調整のみが任意の色チャンネルにおいて必要となるだけである。
【0018】
本発明の装置及び方法の更なる利点は、従来の光学製作上の許容範囲を、正確な整列ハウジングを製造するときに使用可能としたことである。
本発明の装置及び方法の更なる利点は、支持偏光構成部品の再調整を必要とすることなく単一色チャンネルのための空間光変調器の交換を可能にしたことである。単一色チャンネルのための変調偏光構成部品の完全な組が単一のユニットとしてパッケージ化されており、保守点検のための取り外しを容易にすることができる。
【0019】
本発明のなお更なる利点は、ロバストで、熱膨張効果を許容する偏光構成部品のための取り付け構成を提供することである。
本発明の上記及び他の目的、特徴並びに利点は、本発明の実施例が示され、説明された、図面と関連付けて次の詳細な説明を読むとき、当業者に明らかとなろう。
【0020】
本明細書は、本発明の特定事項を特に指摘し明白に請求している請求の範囲で締めくくられるが、本発明は、添付図面と関連付けられたとき次の説明からより良く理解されると考えられる。
【実施例】
【0021】
本説明、特に、本発明に係る装置の一部を形成する構成要素、又は、より直接的に協働する構成要素に関する。詳細に示されず又は詳細に説明されていない要素は、当業者に周知された様々な形態を取り得ることが理解されるべきである。
【0022】
図2及び図3を参照すると、空間光変調器30、並びに、単一の色変調チャンネル、好ましい実施例では青チャンネルのためのその支持偏光構成部品を投影装置10内部のシャシ壁104に取り付けるためのハウジング100の斜視図が示されている。単色照明Iが、方向転換ミラー31に差し向けられ、該ミラーは、照明Iを拡大リレーレンズ82と、リングボア102を通して、ハウジング100内へと反射させる。光軸Oに沿った出力変調光は、図1を参照して説明されたように、縮小リレーレンズ28を通して指し向けられ、 結合投影光学系へと至る。変調器マウント106は、ハウジング100の一部として取り付けられている。
【0023】
図4を参照すると、ハウジング100の内部構成部品及び全体的構成を示すため分析器72が取り外された状態の斜視前面図が示されている。変調器取り付け部106は、変調器取り付けプレート110に取り付けられている。変調器取り付けプレート110に嵌合されているものは、頂部プレート112及びベースプレート120であり、これらは、変調器取り付けプレート110及びリングボア102を分離している。ハウジング100内には、ワイヤ格子偏光ビームスプリッター122が、空間光変調器30の表面に対して固定された斜め角度で配置されている。レジストレーション凹部118は、ベースプレート120のエッジに沿って形成され、分析器72の底部エッジのための座席を提供している。前段偏光器70がリングボア102により提供された凹部108内に取り付けられ、例えばRTV式接着剤等の可撓性のある従順な接着剤を使用して適所に軽く固定されている。
【0024】
図7を参照すると、変調器取り付けプレート110が取り外された状態のハウジング100の斜視図が示されている。頂部プレート112、ベースプレート120及びリングボア102からなるハウジング100の一部分は、例えば鋳造等により、単一のユニットとして製作されている。ハウジング100が如何なる態様で製作されようとも、ベースプレート120及び頂部プレート112の対面する表面上の対応する支持特徴部は、ワイヤ格子偏光ビームスプリッター122と分析器72とをこれらの表面の間に最小の拘束状態でレジストレーションするため互いに整列されていなければならない。ワイヤ格子偏光ビームスプリッター122は、ベースプレート120及び頂部プレート112上の同一平面のレジストレーション表面124及び124’に対して各々適合されている。ワイヤ格子偏光ビームスプリッター122の底部エッジは、ビームスプリッターの座席ベース部128の頂上に着座している。一実施例では、同一平面のレジストレーション表面124及び124’は、頂部プレート112及びベースプレート120の組み立てに続いて、リングボア102へと機械加工することにより、同一平面であるように整列される。エッジ案内部126及び126’は、ハウジング100内にあるとき偏光ビームスプリッター122のエッジと同一直線上にあるように同じ作業で同様に機械加工される。
【0025】
同様に、支持分析器72に対して、ベースプレート120上のレジストレーション凹部118は、その後側表面が、頂部プレート112の側部表面116と同一平面となるように整列される。スロット114は、頂部プレート112及びベースプレート120に設けられ、偏光ビームスプリッターの1つ又は両方の表面に亘って、周囲空気又は専用に流された空気の空気流れ109を最大にし、隣接する偏光及び変調の構成部品に追加の冷却を提供する。さらには、偏光ビームスプリッターを冷却することは、偏光ビームスプリッター及び/又はその取り付け部の微分熱膨張を防止するという追加の利点を持つことができる。この微分熱膨張は、偏光ビームスプリッターをその通常の位置から回転させ、かくして収束(スクリーン位置)誤差を惹起するおそれがある。
【0026】
ベースプレート120及び頂部プレート112は、機械加工され又は鋳造された金属構成部品のための従来の接合法を使用して変調器取り付けプレート120及びリングボア102内に嵌合させることができる。図4に示されるようにハウジング100の外側シェルを形成するため、ピン及び戻り止めを、これらの構成部品の整列のため使用することができる。当該構成部品は、単一のモジュール式構成部品としてハウジング100を形成するため一緒に螺合される。均一の熱膨張のために、ベースプレート120、頂部プレート112、変調器取り付けプレート110及びリングボア102の製作のため、同様の材料が使用される。好ましい実施例では、ベースプレート120、頂部プレート112、変調器取り付けプレート110及びリングボア102がアルミニウムから作られている。代替例として、低い熱膨張係数を有する他の材料、例えばインバー又は他の種類のステンレス鋼を使用することができる。
【0027】
照明システム(図2及び図3で示されたように軸I)との正確な整列は重要ではない。非変調光の経路内の整列のため可能となる許容範囲が存在している。有利には、ハウジング100は、更なる手動整列が不必要となるように、可能となる許容範囲内に照明軸Iへの自動センターリングを提供する。図3に戻って参照すると、リレーレンズ82の鏡筒は、それ自体、シャシ壁104に固定されているリングボア102内への嵌合によって、この自動センターリングを提供する。
(偏光構成部品の整列)
図5を参照すると、頂部プレート112及びリングボア102が取り外された状態で、分析器72が適所に示された状態で、偏光及び変調の構成部品の斜視図が示されている。図5は、変調器取り付けプレート110及びベースプレート120の構成の詳細を示している。図7に関して記載されたように、ベースプレート120は、同一平面のレジストレーション表面124を有し、空間光変調器30に関して必要とされた固定角度でワイヤ格子偏光ビームスプリッター122を着座させるための位置設定基準を提供する。好ましい実施例では、この固定した角度は45度である。図7に最も明瞭に示された、ビームスプリッター座席ベース部128は、図5に示されたようにy方向におけるワイヤ格子偏光ビームスプリッター122の整列のための垂直位置設定基準を提供する。同一平面のレジストレーション表面124は、z方向におけるワイヤ格子偏光ビームスプリッター122の整列のための位置設定基準を提供する。ベースプレート120内のエッジ案内部126は、同一平面レジストレーション表面124に沿って、即ち図5に示されたようにx方向にワイヤ格子偏光ビームスプリッター122の水平整列のための位置設定基準点として機能している。図7に示されるように、頂部プレート112の対応するエッジ案内部126’は、ベースプレート120内のエッジ案内部126と整列され、ベースプレート120及び頂部プレート122の間に延在する偏光ビームスプリッター122の一エッジの水平方向(x方向)の整列のための一対の位置設定基準点を提供する。
【0028】
ハウジング100の設計では、偏光構成部品の熱膨張は、制御された方向、対向する位置設定基準の点又は面で可能とされる。エッジ案内部126及び同一平面レジストレーション表面124の使用は、エッジ案内部126の近傍の接触コーナー点から外側へのワイヤ格子偏光ビームスプリッター122の熱膨張を可能にする。ワイヤ格子偏光ビームスプリッター122のその底部エッジ近傍の表面は、ベースプレート120上の同一平面レジストレーション表面124に着座されている。ワイヤ格子偏光ビームスプリッター122の頂部エッジは、この頂部エッジに沿って熱膨張が許された状態で、頂部プレート112の同一平面レジストレーション表面124’の表面に寄りかかっている。ワイヤ格子偏光ビームスプリッター122の底部エッジを着座するベース128に対して安定化するため、並びに、ワイヤ格子偏光ビームスプリッター122の頂部エッジを頂部プレート112の同一平面レジストレーション表面124’の表面に対して安定化させるため例えばRTV式接着剤等、可撓性のある従順な少量の接着剤を使用することができる。同様に、図7に示されるように、レジストレーション凹部118に対して着座された分析器72は、側部表面116に可撓的に接着されたその頂部エッジのところで膨張することができる。熱膨張のための許容範囲を許し、且つ、予測可能な方向(図5に示されるようにx及びy)でのみ膨張を可能にさせることによって、ハウジング100の設計は、熱効果に起因した、ワイヤ格子偏光ビームスプリッター122及び分析器72の曲がり又は他の歪みを最小にする。
【0029】
図4、5及び7に示されるようなハウジング100の製作は、色チャンネルのための投影光学系に対する偏光変調構成部品の初期の適切な位置決めを可能にし、即ち、3つの偏光構成部品(前段偏光器70、ワイヤ格子偏光ビームスプリッター122及び分析器72)並びに空間光変調器30の初期整列を提供する。勿論、現在の製作技術を使用して約0.5度以内の正確さで、これらの構成部品の正確な偏光軸とのワイヤ格子偏光構成部品のエッジの整列に関連した、小さな許容範囲が残されている。
【0030】
従来の光学許容範囲及び機械加工のプラクティスを、ハウジング100の製作で用いることができる。有利には、ハウジング100は、3つの偏光構成部品を、必要とされる精度で組み立てることを可能にし、一旦これらの構成部品が適所に設定されたならば更なる調整を必要としない。ハウジング100は、シャシ壁104に対して取り付けることができる。出力光学経路(例えば図3又は5ではO)に対する正確な整列は、変調器取り付けプレート110上の空間光変調器30の相対的位置を調整することにより得られる。この最終精度の整列は、典型的には数ミクロンのオーダーのマイナーな調整であり、一旦、投影装置10の組み立てが完了したならば、なすことができる。
【0031】
必要とされる正確さで画像レジストレーションを提供するため、次の整列が特に重要となる。
(i) 図5に示されるように、ワイヤ格子偏光ビームスプリッター122の出力光軸Oに対する整列
(ii) 空間光変調器30に対するワイヤ格子偏光ビームスプリッター122の整列
(iii) ワイヤ格子偏光ビームスプリッター122及び出力光軸Oに対する分析器72の整列
かくして、本発明の装置及び方法によれば、上記整列(i)及び(iii)は、図2に示されるように、ハウジング100内に構成部品を組み付け、ハウジング100をシャシ壁104に取り付けることにより達成される。上記整列(ii)は、空間光変調器30が変調器取り付けプレート110に対して位置決めされ、適所で調整されることを必要とする。この構成によれば、元の場所での唯一の調整、即ち、空間光変調器30の調整が、各色チャンネル内で光変調アッセンブリ38の構成部品の光学的整列のために必要とされる。
【0032】
図6は、ワイヤ格子偏光ビームスプリッター122を通って伝達され、該ビームスプリッターから反射された代表的な光円錐を示す斜視図を表している。
照明経路Iに対する前段偏光器70の整列は、リングボア102内のその取り付けにより提供され、ハウジング100が完全に組み立てられたとき、十分に許容範囲に収まっている。
(空間光変調器30に対する整列)
図1に戻って参照すると、空間光変調器30のための整列の問題をより容易に理解することができる。各色チャンネルO/O/Oは、出力光軸Oに対する正確な整列のため、二色性結合器26に対して整列されなければならない。ハウジング100を使用して、各空間的光変調器30の変調器取り付けプレート110上の最初に取り付けられるときの位置は、既に、理に適った整列許容誤差範囲にあり、典型的には、数画素範囲に収まっている。例えば光学整列分野の当業者に知られているような投影画像ターゲットを使用した、各空間的光変調器30の僅かな調整は、投影装置10内で最終的な整列を可能にする。この整列が達成されたとき、各空間的光変調器30を、光学機械分野で周知された接着剤及び技術を使用して適所にはめ込むことができる。
【0033】
ハウジング100の設備に関する2次的な設計上の考察は、画像コントラストを低下させ得る光の漏れを最小にすることに関連する。図5を参照すると、照明経路Iからの迷光Sは、空間光変調器30に完全に伝達されるのではなく、ワイヤ格子偏光ビームスプリッター122の表面から反射し得る。この望ましくない反射迷光Sの経路における任意種類の反射表面は、出力軸Oの方向にワイヤ格子偏光ビームスプリッター122を通ってこの光の一部を反射し、これによってコントラストを低下させ得る。かくして、可能な迷反射光Sの経路内に非反射性の材料を使用することが推奨される。一実施例では、光吸収材料が迷光Sの経路内に設けられる。
【0034】
「頂部」及び「底部」の表示は、一実施例におけるハウジング100のレイアウト及びその構成部品に言及している。ハウジング100の角度を形成した配位は、本発明の範囲内で変更することができる。整列のための同一平面の位置設定基準表面は、例えばピン又は他の位置決め特徴を使用して頂部プレート112及びベースプレート120に設けられた適切に配置された取り付け点の配列により提供することができる。分析器72及び前段偏光器70の構成部品は、それ自体でワイヤ格子偏光構成部品であるか又は他の種類の従来の平面偏光装置であってもよい。分析器72は、例えばポリマーベースの偏光器であってもよい。
【0035】
熱膨張を補償するため偏光器の構成部品をガラスプリズムの構成部品に取り付ける、電子画像投影システムにおける従来の取り付けアプローチとは異なり、本発明のハウジング100は、これらの構成部品を互いに対して必要とされる位置関係に維持する別個の構成を提供する。米国特許番号6,345,895号が、金属ベース上で変調偏光構成部品を支持することを奨励していない一方で、本発明は、ベースプレート120を、これらの構成部品のための主要な支持構造部として用いているハウジング100を提供する。偏光構成部品の互いに対して及び空間光変調器に対して必要とされる整列を得るため多数のセッティング及び調整を必要とする従来技術の解決法とは異なり、本発明のハウジング100は、色チャンネルの変調偏光構成部品を色結合光学系と整列させるために空間光変調器30のごく僅かな調整しか必要としないように、これらの構成部品の位置を維持する。これと同時に、ハウジング100の設計は、単に標準的な光学的許容範囲しか用いずに製作及びマッチング技術を使用してこの正確な整列を提供する。構成部品を結合プリズムに取り付ける装置とは異なり、本発明のハウジング100は、各色チャンネルが、独立に組み立てられ、調整され、保守点検されることを可能にし、投影装置10の単一の色チャンネルの調整の影響を全体として最小にする。多数のシート金属構成部品を備える従来技術の解決法とは異なり、本発明のハウジング100は、高いエネルギーの投影システムに適した、偏光変調構成部品を取り付けるための単一の頑健なフレームを提供する。
【0036】
かくして、上記で提供されたものは、熱的にロバストで、直線的な整列技術を可能にする構成で、偏光構成部品及び反射式LCD空間光変調器を取り付けるための装置及び方法である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、反射式LCD空間光変調器を使用した投影装置のための構成部品の全体的構成を示す概略的ブロック図である。
【図2】図2は、光学経路内の他の構成部品と関連して、本発明のハウジングの構成部品を示す斜視図である。
【図3】図3は、図2に示された詳細部品を取り付けること無く本発明のハウジングの構成部品を拡大して示した斜視図である。
【図4】図4は、本発明のハウジングの内部の構成部品を、分析器を取り外した状態で示した斜視図である。
【図5】図5は、頂部カバープレートを取り外した状態で、変調及び偏光のための本発明のハウジングの内部構成部品を示した斜視図である。
【図6】図6は、頂部カバープレートが取り外され、代表的な光円錐が照明及び変調光のために示された状態で、本発明のハウジングの内部構成部品を示した斜視図である。
【図7】図7は、空間光変調器の取り付けのため使用される取り付けプレートから分離されたキー支持構造部を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
10 投影装置
20 光源
22 均一光学系
24 偏光ビームスプリッター
24r 偏光ビームスプリッター、赤
24g 偏光ビームスプリッター、緑
24b 偏光ビームスプリッター、青
26 二色性結合器
27 二色性分離器
28 拡大リレーレンズ
28r 拡大リレーレンズ、赤
28g 拡大リレーレンズ、緑
28b 拡大リレーレンズ、青
30 空間光変調器
30r 空間光変調器、赤
30g 空間光変調器、緑
30b 空間光変調器、青
31 折り畳みミラー
32 投影レンズ
38 光変調アッセンブリ
38r 光変調アッセンブリ、赤
38g 光変調アッセンブリ、緑
38b 光変調アッセンブリ、青
40 ディスプレイ表面
60 色検知偏光フィルター
60r 色検知偏光フィルター、赤
60g 色検知偏光フィルター、緑
60b 色検知偏光フィルター、青
70 前段偏光器
72 分析器
80 照明リレーレンズ
82 リレーレンズ
100 ハウジング
102 リングボア
104 シャシ壁
106 取り付けマウント
108 凹部
109 空気の流れ
110 変調器取り付けプレート
112 頂部プレート
114 スロット
116 側部表面
118 レジストレーション凹部
120 ベースプレート
122 ワイヤ格子偏光ビームスプリッター
124 同一平面レジストレーション表面
124’ 同一平面レジストレーション表面
126 エッジ案内部
126’ エッジ案内部
128 ビームスプリッター座席ベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤ格子偏光ビームスプリッター及び空間光変調器を出力光学経路と整列した状態で取り付けるためのハウジングであって、
(a) 照明軸に沿って提供された入射照明を受け入れるための開口部を有する前部プレートと、
(b) 前記照明軸の前記出力光学経路に前記空間光変調器を取り付けるため、前記前部プレートに平行に間隔を隔てられた変調器取り付けプレートと、
(c) 前記前部プレート及び前記変調器取り付けプレートの間に延在して、互いから間隔を隔てられた、第1及び第2の偏光器支持プレートと、
を備え、
前記第1及び第2の偏光器支持プレートの対面する内側表面の各々は、該内側表面の間に前記ワイヤ格子偏光ビームスプリッターを支持するための同一平面支持特徴部を提供し、
前記ワイヤ格子偏光ビームスプリッターは、前記対面する内側表面の間で該内側表面に垂直に延在し、該ワイヤ格子偏光ビームスプリッターの表面は、前記変調器取り付けプレート上の前記空間光変調器の表面に対して固定した角度をなし、該固定した角度は、前記出力光学経路に沿って出力光軸を形成する、ハウジング。
【請求項2】
前記第1及び第2の偏光器支持プレートは、前記ワイヤ格子偏光ビームスプリッターのエッジをレジストレーションするための一対の同一平面上の第1及び第2のエッジ支持要素を更に提供する、請求項1に記載のハウジング。
【請求項3】
前記第1の偏光器支持プレートは、分析器の表面を支持して該分析器のエッジを整列させるための第1の分析器着座特徴部を更に備え、
前記第1の分析器着座特徴部は、前記第2の偏光器支持プレート上の対応する第2の分析器着座特徴部と同一平面上にあり、
これによって、前記第1及び第2の偏光器支持プレートは、前記出力光学経路内で該第1及び第2の偏光器支持プレートの間に延在した分析器のための支持を提供する、請求項1に記載のハウジング。
【請求項4】
前記支持プレートは、偏光変調構成部品に亘る周囲の空気流れ又は強制的に流された空気流れのための適切な排気手段を提供する、請求項1に記載のハウジング。
【請求項5】
前記空間光変調器は、反射式液晶空間光変調器である、請求項1に記載のハウジング。
【請求項6】
前記前部プレートは、前段偏光器を収容するための凹部を更に備える、請求項1に記載のハウジング。
【請求項7】
前記前部プレートの前記開口部は、リングボアである、請求項1に記載のハウジング。
【請求項8】
前記変調器取り付けプレート上の前記空間光変調器の表面に対する前記ワイヤ格子偏光ビームスプリッターの表面の前記固定した角度は、斜めの角度である、請求項1に記載のハウジング。
【請求項9】
前記同一平面上の支持特徴部は、機械加工された表面及び位置決めピンからなるグループから選択される、請求項1に記載のハウジング。
【請求項10】
前記分析器は、ワイヤ格子偏光構成部品を備える、請求項3に記載のハウジング。
【請求項11】
前記分析器は、ポリマーベースの偏光器を備える、請求項3に記載のハウジング。
【請求項12】
ワイヤ格子偏光ビームスプリッター及び空間光変調器を出力光学経路と整列した状態で取り付けるためのハウジングであって、
(a) 前段偏光器構成部品を通って照明軸に沿って提供された入射照明を受け入れるための開口部を有する前部プレートと、
(b) 前記照明軸の前記経路に前記空間光変調器を取り付けるため、前記前部プレートに平行に間隔を隔てられた変調器取り付けプレートと、
(c) 前記前部プレート及び前記変調器取り付けプレートの間に延在して、互いから間隔を隔てられた、第1及び第2の偏光器支持プレートと、
を備え、
前記第1及び第2の偏光器支持プレートの対面する内側表面の各々は、該内側表面の間に前記ワイヤ格子偏光ビームスプリッターを支持するための同一平面支持特徴部を提供し、
前記第1及び第2の偏光器支持プレートは、前記ワイヤ格子偏光ビームスプリッターのエッジをレジストレーションするための一対の同一平面上の第1及び第2のエッジ支持要素を更に提供し、
前記第1及び第2の偏光器支持プレートは、前記出力光学経路に分析器を取り付けるための同一平面の支持特徴部を更に備え、
前記ワイヤ格子偏光ビームスプリッターは、前記対面する内側表面の間で該内側表面に垂直に延在し、該ワイヤ格子偏光ビームスプリッターの表面は、前記変調器取り付けプレート上の前記空間光変調器の表面に対して固定した角度をなし、該固定した角度は、前記出力光学経路に沿って出力光軸を形成する、ハウジング。
【請求項13】
前記空間光変調器は、反射式液晶空間光変調器である、請求項12に記載のハウジング。
【請求項14】
前記前部プレートの前記開口部は、リングボアである、請求項12に記載のハウジング。
【請求項15】
前記変調器取り付けプレート上の前記空間光変調器の表面に対する前記ワイヤ格子偏光ビームスプリッターの表面の前記固定した角度は、斜めの角度である、請求項12に記載のハウジング。
【請求項16】
前記同一平面上の支持特徴部は、機械加工された表面及び位置決めピンからなるグループから選択される、請求項12に記載のハウジング。
【請求項17】
前記分析器は、ワイヤ格子偏光構成部品を備える、請求項12に記載のハウジング。
【請求項18】
前記分析器構成部品は、ワイヤ格子偏光構成部品を備える、請求項12に記載のハウジング。
【請求項19】
前記前段偏光器は、ポリマーベースの偏光器を備える、請求項12に記載のハウジング。
【請求項20】
ワイヤ格子偏光ビームスプリッター及び空間光変調器を出力光学経路と整列した状態で取り付けるためのハウジングであって、
(a) 照明軸に沿って提供された入射照明を受け入れるための開口部を有する前部プレートと、
(b) 前記照明軸の前記経路に前記空間光変調器を取り付けるための変調器取り付け手段と、
(c) 前記前部プレートから延在して、互いから間隔を隔てられた、第1及び第2の偏光器支持プレートと、
を備え、
前記第1及び第2の偏光器支持プレートの対面する内側表面の各々は、該内側表面の間に前記ワイヤ格子偏光ビームスプリッターを支持するための同一平面支持特徴部を提供し、
前記ワイヤ格子偏光ビームスプリッターは、前記対面する内側表面の間で該内側表面に垂直に延在し、該ワイヤ格子偏光ビームスプリッターの表面は、前記空間光変調器の表面に対して固定した角度をなし、該固定した角度は、前記空間光変調器からの光の反射によって、前記出力光学経路に沿って出力光軸を形成する、ハウジング。
【請求項21】
ワイヤ格子偏光ビームスプリッター及び空間光変調器を出力光学経路と整列した状態で取り付けるための方法であって、
(a) 照明軸に沿って入射照明を差し向ける工程と、
(b) 前記照明軸の前記経路に前記空間光変調器を取り付ける工程と、
(c) 前記ワイヤ格子偏光ビームスプリッターを、互いから間隔を隔てられた第1及び第2の偏光器支持プレートの間に延在させる工程であって、
(i)前記第1及び第2の偏光器支持プレートの対面する内側表面の各々は、該内側表面の間に延在されたワイヤ格子偏光ビームスプリッターを支持するための同一平面支持特徴部を提供し、
(ii)前記第1及び第2の偏光器支持プレートの前記内側表面は、前記ワイヤ格子偏光ビームスプリッターの第1のエッジをレジストレーションするための第1のエッジ位置設定基準及び該ワイヤ格子偏光ビームスプリッターの第2のエッジをレジストレーションするための第2のエッジ位置設定基準の第1の点を形成し、該第2のエッジは、前記第1のエッジに垂直に隣接し、前記第2のエッジは、前記第1及び第2の偏光器支持プレートの間に延在し、
(iii)前記第2の偏光器支持プレートの前記内側表面は、前記第2のエッジ位置設定基準の第2の点を形成する、前記工程と、
を備え、
これによって前記ワイヤ格子偏光ビームスプリッターは、前記内側表面に垂直に支持され、該ワイヤ格子偏光ビームスプリッターの表面は、前記空間光変調器の表面に対して固定した角度をなし、該固定した角度は、前記出力光学経路に沿って出力光軸を形成する、方法。
【請求項22】
前記ワイヤ格子偏光ビームスプリッターを前記第1及び第2の偏光器支持プレートの間に延在させる前記工程は、前記第2の偏光器支持プレートの前記内側表面に対する該ワイヤ格子偏光ビームスプリッターの接点で可撓性接着剤を塗布する工程を更に備える、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1及び第2の偏光器支持プレートの同一平面支持特徴部の間に分析器を延在させる工程を更に備える、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記出力光軸の整列のため前記空間光変調器の位置を調整する工程を更に備える、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記空間光変調器を取り付ける前記工程は、該空間光変調器を取り付けプレートに取り付ける工程を更に備え、該取り付けプレートは、前記第1及び第2の偏光器支持プレートに取り付けられている、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記固定した角度は、斜めの角度である、請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−502436(P2007−502436A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521091(P2006−521091)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/021570
【国際公開番号】WO2005/011290
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(501218636)モックステック・インコーポレーテッド (16)
【Fターム(参考)】