説明

外用洗浄剤,口腔洗浄製品及び口腔洗浄兼用飲食製品

【課題】 歯科治療の抗生物質副作用,患者ストレスを解消して,抗生物質に代替使用可能な洗浄剤乃至デンタルリンスを提供する。
【解決手段】 オトギリソウ科マンゴスチン果実の外果皮を粉末としてエタノール水溶液の溶媒中に浸漬攪拌して得られる抽出液又はその希釈液を用いて,可及的高濃度でインプラント手術等歯科治療の外用洗浄剤とし,また術後や口内炎治療用のデンタルリンスとする。抽出液又はその希釈液のキサントン誘導体が有効なフィブリンネット形成促進作用を呈することによって,抗生物質使用による治療より早期にして且つその副作用なく,歯肉等の侵襲箇所を修復し,炎症患部を治癒する顕著な効果が得られる。また洗浄はシリンジの滴下により,またデンタルリンスはうがいによるから,患部接触を回避して,歯科治療に伴う患者の痛みを解消できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,外科治療や歯科治療に用いる外用洗浄剤,口腔小手術後に用いる口腔洗浄製品及び口腔洗浄機能を有する口腔洗浄兼用飲食品に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば抜歯,インプラント手術等の歯科治療に際して,一般にその外科処置或いは術後に鎮痛剤,消炎剤,抗菌剤を,3〜5日間程度,1日3回投与するものとされており,これによって患者に抗生物質による胃痛,下痢等の副作用やアレルギー反応等を引き起こす原因となる上,手術時にはその侵襲の大小に拘らず,患部に対して抗生剤,消毒剤を塗布するものとされるから,同じく患者に傷口刺激の激しい痛みを強いることになり,歯科医療におけるこれら患者のストレスを解消する必要がある。
【0003】
一方,オトギリソウ科マンゴスチンは,マレーシアを原産地とする常緑の高木であるところ,その果実には,特にその外果皮に,抗酸化作用,抗炎症作用,抗アレルギー作用,抗菌作用,殺菌作用,抗ウイルス作用,抗癌作用,ナチュラルキラー細胞(NK細胞)上昇による免疫賦活性作用等の各種生理活性があることが知られ乃至指摘されるとともに該外果皮には人体に対する毒性がないことが知られている。
【0004】
このマンゴスチンの外果皮の有する活性を用いた抗う蝕剤,歯周病剤乃至これを用いた飲食製品等が提案されており,これによれば,例えばマンゴスチン外果皮の乾燥粉末1kgを,10リットルの水に浸漬して40℃で24時間加温攪拌し,また乾燥粉末1kgを,10リットルの40%エタノール水に浸漬して40℃で4時間同様に加温攪拌して抽出液を得るものとされる。該抽出液は,例えばその0.2wt%を,エタノール30wt%,香料1wt%,銅クロロフィリンナトリウム0.1wt%,サッカリン0.05wt%,塩酸クロルヘキシジン0.01wt%,水68.64wt%に添加して含そう剤とする如くに,各種製品に比較的微量の0.01乃至0.2wt%を添加して使用するものとされる。
【0005】
【特許文献1】特開2001−247469号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この場合,マンゴスチン外果皮の抽出液に,う蝕,歯周病の原因菌に対する抗菌作用,う蝕原因菌が産生する酵素や歯周病原因菌のコラーゲン分解酵素に対する阻害活性があることから,含そう剤として使用することによってこれらう蝕,歯周病の予防に有効であるものと一応認められる。しかし乍ら,例えば進行したう蝕には上記抜歯やインプラント手術等の歯科治療を施す必要があるが,該含そう剤を用いても,該含そう剤によってその外科処置や術後の患者ストレスを有効に防止し又は解消することはできない。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので,その解決課題とするところは,上記各種生理活性作用を有するマンゴスチン果実の外果皮を活用することにより,歯科治療における抗生物質の副作用を含めて患者のストレスを解消し得る外用洗浄剤を提供するにあり,また歯科治療における口腔小手術後に用いる口腔洗浄製品を提供するにあり,更に口腔洗浄機能を有する口腔洗浄兼用飲食品を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に沿って鋭意検討したところ,本発明者は,マンゴスチン果実の外果皮から抽出した抽出液乃至その希釈液に,上記各種生理活性に加えて,外果皮のキサントン誘導体に起因するフィブリンネット形成促進作用が認められること,該フィブリンネット形成促進作用は,特に抽出液をそのまま使用し又は希釈するとしてもその希釈液の少ない比較的高濃度のものを使用することによって傷口を早期に治癒する好ましい治療効果を呈すること,例えば比較的小侵襲の抜歯やインプラント手術の如き口腔内小手術にあって,傷口に対してシリンジによる外用洗浄を施すことによって,患者にストレスを与えることなく,抗生物質,消毒剤の塗布に代替使用して有効且つ適切な治療をなし得ること,該抽出液乃至その希釈液をデンタルリンスとして,術後に1日数回程度うがいによる外用洗浄を行うことにより,同じく抗生物質の投与を行うことなく,早期に顕著な治療効果が得られ,術後の患者ストレスを解消できること,人体に対して口腔内に使用することによるその余の影響や問題を生じることがなく,むしろ生理活性による有効性を活用できること,従ってマンゴスチン果実の外果皮の抽出液乃至その希釈液は,出血を伴う患部の洗浄を含めて外用洗浄液として広く使用可能であるとの知見を得た。
【0009】
本発明はかかる知見に基づいてなされたもので,即ち請求項1に記載の発明を,オトギリソウ科マンゴスチンの果実の外果皮から抽出してキサントン誘導体によるフィブリンネット形成促進作用を有する抽出液又はその希釈液からなることを特徴とする外用洗浄液としたものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,そのフィブリンネット形成促進作用は,上記歯科治療に限ることなく,外科治療にも有効であることから,これを,上記抽出液又はその希釈液を,外科治療用又は歯科治療用としてなることを特徴とする請求項1に記載の外用洗浄液としたものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は,同じく上記に加えて,外用洗浄液として用いるに,特に侵襲が小さな,歯科治療に一般の抜歯やインプラント手術の如くに口腔内の小手術に好適であることから,これを,上記抽出液又はその希釈液を,抜歯,インプラント手術等の口腔内小手術の歯科治療用としてなることを特徴とする請求項2に記載の外用洗浄液としたものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は,同じく上記に加えて,上記術後や,例えば口内炎等の疾病のデンタルリンスとして,更には歯磨剤としてその治療効果を発揮することから,これを,オトギリソウ科マンゴスチンの果実の外果皮から抽出してキサントン誘導体を含有する抽出液又はその希釈液を有効成分とするデンタルリンス又は歯磨剤としてなることを特徴とする口腔洗浄製品としたものである。
【0013】
請求項5に記載の発明は,同じく上記に加えて,上記抽出液乃至その希釈液のキサントン誘導体には,上記フィブリンネット形成促進作用とともにその殺菌作用に起因するとみられる顕著な口臭除去作用が認められるとともに毒性の問題はなく,従って該抽出液乃至その希釈液を有効成分とする各種の清涼飲料水,加工食品,健康食品等の,これを内用する飲食品とすることにより,これらフィブリンネット形成促進作用,口臭除去作用を含めて上記各種生理活性を有するものとすることができるから,これを,オトギリソウ科マンゴスチンの果実の外果皮から抽出してキサントン誘導体を含有する抽出液又はその希釈液を有効成分とすることによって口腔洗浄作用を有する飲食物としてなることを特徴とする口腔洗浄兼用飲食製品としたものである。
【0014】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として,上記課題解決の手段としたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以上のとおりに構成したから,上記各種生理活性作用を有するマンゴスチン果実の外果皮を活用することにより,その抽出液又はその希釈液のキサントン誘導体に起因するフィブリンネット形成促進作用による治療効果を有して,歯科治療における抗生物質,消毒剤の塗布に代替使用して有効且つ適切な治療をなし得て,その副作用を含めて患者のストレスを解消し得る外用洗浄剤を提供することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,そのフィブリンネット形成促進作用は,上記歯科治療に限ることなく,外科治療にも有効であることから,これらに広く使用可能な外用洗浄剤とすることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は,同じく上記に加えて,特に侵襲が小さな,歯科治療に一般の抜歯やインプラント手術の如くに口腔内の小手術に好適な外用洗浄剤とすることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は,同じく上記に加えて,抽出液又はその希釈液を有効成分とすることにより,同じく抗生物質の投与を行うことなく,早期に顕著な治療効果が得られ,術後の患者ストレスを解消できる口腔内小手術後や口内炎等の疾病のデンタルリンス又は歯磨剤の口腔洗浄製品を提供することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は,同じく上記に加えて,上記抽出液乃至その希釈液を有効成分とすることにより,フィブリンネット形成促進作用,口臭除去作用を含めて上記各種生理活性を有する各種の清涼飲料水や各種の加工食品,健康食品等の口腔洗浄兼用飲食製品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下本発明を更に具体的に説明すれば,本発明の外用洗浄剤は,オトギリソウ科マンゴスチンの果実の外果皮から抽出してキサントン誘導体によるフィブリンネット形成促進作用を有する抽出液又はその希釈液からなるものとしてあり,本例にあって該抽出液又はその希釈液は,これを,外科治療用又は歯科治療用とする一方,本例にあっては抜歯,インプラント手術等の口腔内小手術の歯科治療用としたものとしてあり,また口腔洗浄製品は,同様の抽出液又はその希釈液を有効成分とするデンタルリンス又は歯磨剤としたものとしてある。
【0021】
即ちオトギリソウ科マンゴスチン果実の外果皮は,マンゴスチン果実の子房壁が発達したペリカープであり,その抽出液は,該外果皮の粉砕物又は粉末を用いて抽出処理を施すことによってその含有成分を溶媒に抽出した溶媒又は必要に応じてこれに濾過処理を施すことによって残渣物を除去した濾液によるものである。
【0022】
この抽出液は,マンゴスチンの外果皮に由来するキサントン誘導体を抽出成分とすることによって,該キサントン誘導体によるフィブリンネット形成促進作用を有するものとなり,後述のとおり該抽出液又はその希釈液による出血部位に対する治癒作用を呈するものとなる。
【0023】
抽出処理は,本例にあって抽出液又はその希釈液を歯科治療用のものとすることによって口腔に使用するものであるから,水,エタノール,エタノール水溶液の如くに飲用の安全性を確保した溶媒を用いて,例えば常温乃至50℃以下の加温下で攪拌を施しながら,これを行うものとしてある。
【0024】
このとき外果皮の含有成分の抽出は,上記フィブリンネット形成促進作用を有効に発揮する外用洗浄剤とするためには,その抽出液濃度を可及的に高くするのがよく,例えば果皮の粉末を75〜95wt%,その余の25〜5wt%を溶媒として,その抽出処理を行うのが好ましい。有効な抽出のために,溶媒は,これを,例えばエタノール水溶液とするとともにその密度を50〜90%程度としたものとするのが好ましい。
【0025】
抽出処理は,上記攪拌を伴うものとすることによって,単に浸漬処理を施したものに比して抽出を有効且つ確実に行うことができ,攪拌は,抽出容器に攪拌機をセットして抽出処理の間,その運転を継続するように行えばよい。
【0026】
外用洗浄剤は,上記重量比によって得られた抽出液を濾過した濾液をそのまま使用するか,必要に応じてこれを水で希釈して使用するものとしてあり,該外用洗浄剤は,上記歯科治療にあって,例えば侵襲の小さな上記抜歯,インプラント手術等の口腔内小手術の傷口治療に使用することができる。例えばインプラント手術の場合,該外用洗浄剤は,これをシリンジに注入し,インプラント植立用の歯肉除去やインプラント埋込等のインプラント手術乃至その後の数日間手術部位に対して,例えば滴下するように供給すればよく,これによって従来の歯科治療に際して塗布した抗生物質,消毒剤に代替することができ,例えば歯肉除去後の傷口への接触を回避して,傷口を刺激することなく,即ち患者にストレスを与えることなく,患部治療をなし得る。
【0027】
本発明者は,46歳女子の了解を得て,インプラント手術後及びその後7日間を予定して3日間,該外用洗浄液のシリンジによる洗浄を行う臨床試験を行ったところ,手術の翌日から3日間は,疼痛,腫張が僅かに見られる一方,翌日に発赤が顕著に見られたが,2日目には僅かに見られる程度になり,4日目には疼痛,腫張,発赤ともに全く見られなくなる結果となり,本人から副作用と見られる症状が全く生じなかったことを確認した。通常インプラント手術に抗生物質を投与した場合,疼痛が2〜3日残り,腫張,発赤が全く見られなくなるには,手術後5日〜7日間を要するが,該外用洗浄液が患者ストレスなく顕著な治療効果を発揮することが確認された。
【0028】
外用洗浄液は,更に口腔内小手術の傷口治療に加えて,例えば歯科医療分野にあって,口内炎等の疾病に対しても,抗生物質や消毒剤に代替して使用することが可能であり,更に外科治療分野においても,部分切開等の小手術や怪我,火傷等の治療に同様に使用することが可能である。
【0029】
一方,口腔洗浄製品は,同じく抽出液の濾液をそのまま使用するか,必要に応じてこれを水で希釈し,或いは香料等の添加物を添加してデンタルリンスとし,また研磨剤,湿潤剤等の歯磨ベースに対して,例えば重量比20〜50wt%程度を添加して歯磨剤として,特に術後の傷口治療や上記口内炎等の疾病治療に用いるものとしてあり,このように使用することによって,同じく従来の歯科治療における上記抜歯,インプラント手術後の鎮痛剤,消炎剤,抗菌剤等の抗生物質の投与を行うことを回避して,特に抗生物質による各種副作用やこれによる患者のストレスを解消し,有効な患部治療をなし得る。
【0030】
デンタルリンスとして使用するとき,例えば3食の食事後及び就寝前の4回/1日,口腔内に3分間含んで,口腔全体に馴染ませるようにうがいを行うようにすればよく,該デンタルリンスは,口腔内小手術後や口内炎の治療等において,顕著な治療効果を発揮することができる。
【0031】
本発明者は,36歳〜50歳の男女7名の口内炎(1名は口内炎及び口角炎)について,それぞれその了解を得て,同様に7日間を予定して,上記4回/1日のうがいを行う臨床試験を行い,毎日結果を観察した(口角炎の男子にはシリンジの洗浄を併用した)。初日の疼痛,腫張,発赤は,48歳男子がいずれも僅かに見られる程度であり,疼痛は2日目に全く見られなくなり,腫張,発赤は4日目まで僅かに見られる状態が継続し,5日目に全く見られなくなった。40歳男子は,いずれも顕著に見られたが,疼痛は2日目に僅かとなり,3日目に全く見られなくなり,腫張,発赤は2日目にはなお顕著であったが,3日目から5日目にいずれも僅かになり,6日目に全く見られなくなった。50歳男子は,いずれも顕著に見られたが,疼痛は2日目に全く見られなくなり,腫張は2日目から3日目に僅かに見られたが,4日目に全く見られなくなり,また発赤は2日目から4日目に僅かに見られたが,5日目に全く見られなくなった。45歳女子は,いずれも顕著に見られたが,疼痛及び腫張は2日目に僅かとなり,3日目には全く見られなくなり,発赤は2日目から3日目に僅かに見られたが,4日目に全く見られなくなった。36歳男子は,いずれも顕著に見られたが,疼痛は2日目に僅かとなる一方,3日目に顕著となったが,4日目には全く見られなくなり,腫張は2日目は顕著であったが,3日目から4日目に僅かとなり,4日目には全く見られなくなり,発赤は,2日目から5日目に僅かとなり,6日目に全く見られなくなった。46歳男子は,いずれも顕著に見られたが,疼痛は2日目に僅かとなり,3日目に全く見られなくなり,腫張は2日目と3日目に僅かとなり,4日目には全く見られなくなり,発赤は2日目にも顕著であったが,3日目から5日目に僅かとなり,6日目に全く見られなくなった。48歳女子は,いずれも顕著に見られたが,疼痛は2日目に僅かとなり,3日目には全く見られなくなり,腫張は2日目から4日目に僅かに見られたが,5日目に全く見られなくなり,発赤は2日目〜5日目に僅かに見られたが,6日目に全く見られなくなった。個人差が幾分みられるが,口内炎(及び口角炎)は,同じく疼痛が2〜3日残り,腫張,発赤が全く見られなくなる期間は,手術後5日〜7日間であるが,概ね疼痛は3日目には全く見られなくなり,腫張は3日目〜5日目には全く見られなくなり,発赤は,3日目〜6日目に全く見られなくなる傾向を示し,該デンタルリンスが患者ストレスなく顕著な治療効果を発揮することが確認された。
【0032】
即ち,出血部位では,血管の収縮,血小板による血液の凝固,体内形成の細い綿状のフィブリン(繊維素)による血小板の編込みによるネット形成によって,傷口の修復が行われるところ,例えば上記口内炎では,粘膜表皮が破壊されクレーター状乃至円形に形成された患部に,大量のフィブリンネットが形成され,特に2日目から疼痛がなくなるとともに腫張や発赤が薄くなって消滅するに至る。これは抽出液におけるキサントン誘導体が,フィブリンの形成を量的に増大することによってネット形成を促進増加し,傷口の修復に寄与することによって患部治療効果を発揮するに至るからと見られる。
【0033】
抽出液又は希釈液は,これを有効成分とすることによって口腔洗浄作用を有する口腔洗浄兼用飲食製品とすることができる。即ち,抽出液又はその希釈液のキサントン誘導体には,フィブリンネット形成促進作用とともに顕著な口臭除去作用が認められる一方,毒性の問題はないから,これらフィブリンネット形成促進作用,口臭除去作用等の生理活性作用を活かした飲食製品を供給することができる。例えば緑茶飲料,ジュース,ヨーグルト,チョコレート,キャンディ,サプリメント,惣菜,弁当等の各種飲料や食品に,抽出液又はその希釈液を添加すればよく,このとき,例えば口臭除去作用を重視する飲食製品にあっては,添加量をある程度多く,例えば重量比5〜10wt%程度を添加することによって,口腔洗浄作用を兼用具備した飲食製品を得られる。
【0034】
更に抽出液又は希釈液の上記生理活性作用を活用して,例えば,石鹸,顔面パック,洗顔クリーム,シャンプー等の化粧品類,入浴剤等,上記以外の各種工場加工製品を提供することが可能であり,抽出液又はその希釈剤は,それぞれの用途,例えば抗菌,殺菌,フィブリンネット形成促進等の製品用途に応じて定めればよい。
【0035】
本発明の実施に当って,マンゴスチンの外果皮の抽出液又はその希釈液の濃度,抽出方法,用途,これによる外用洗浄液,抽出液又はその希釈液を有効成分とする口腔洗浄製品,口腔洗浄兼用飲食製品の各具体的組成等は,上記発明の要旨に反しない限り様々な形態とすることが可能であり,上記に例示的に説明したものに殊更限定する必要はない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オトギリソウ科マンゴスチンの果実の外果皮から抽出してキサントン誘導体によるフィブリンネット形成促進作用を有する抽出液又はその希釈液からなることを特徴とする外用洗浄液。
【請求項2】
上記抽出液又はその希釈液を,外科治療用又は歯科治療用としてなることを特徴とする請求項1に記載の外用洗浄液。
【請求項3】
上記抽出液又はその希釈液を,抜歯,インプラント手術等の口腔内小手術の歯科治療用としてなることを特徴とする請求項2に記載の外用洗浄液。
【請求項4】
オトギリソウ科マンゴスチンの果実の外果皮から抽出してキサントン誘導体を含有する抽出液又はその希釈液を有効成分とするデンタルリンス又は歯磨剤としてなることを特徴とする口腔洗浄製品。
【請求項5】
オトギリソウ科マンゴスチンの果実の外果皮から抽出してキサントン誘導体を含有する抽出液又はその希釈液を有効成分とすることによって口腔洗浄作用を有する飲食物としてなることを特徴とする口腔洗浄兼用飲食製品。

【公開番号】特開2009−203193(P2009−203193A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−47657(P2008−47657)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(506360712)
【Fターム(参考)】