説明

外科的手技を容易にするための方法及びシステム

【課題】手術前の外科処置プランに従って外科処置を効率よく実施するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】本発明のある種の実施形態は、関心対象ボリューム(702)内の外科処置用器具(704、910)の少なくとも一部分の位置をトラッキングする工程と、該関心対象ボリューム(702)の少なくとも一部分に対応する外科処置プラン(906、908)を認識する工程と、該外科処置用器具(704、910)の該少なくとも一部分の該位置と該外科処置プラン(906、908)との間の対応関係に基づいてフィードバックを提供する工程と、を含む外科処置を容易にするための方法(800)を提供する。一実施形態では、そのフィードバックはリアルタイムで提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施形態は全般的には、外科的手技を容易にすることに関する。具体的には、ある種の実施形態は手術前の外科処置プランに従って外科処置を効率よく実施するためのシステム及び方法を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
外科処置は関連するリスクを伴うことがある。したがって、臨床医と患者の双方にとってこうした外科処置リスクの規模と発生確率の両方を低減させることが望ましい。リスクを低減させるための一方法は、手術前プランニングを改善することであることがある。手術前プランニングが改善されると例えば、手技にかかる時間が短縮されることや、実施され得る侵襲的行為の数を減少させることができる。さらに、手術前プランニングが改善されると、外科処置用器材が通る可能性がある経路にある健全な高感受性の組織及び/または器官(例えば、血管や神経)に影響を及ぼす任意のリスクを低減させることができる。さらに、外科処置中には、患者への造影剤の投与など放射線画像の品質を向上させるためのある種の技法は利用することができない。したがって、外科医その他の臨床医はこうした技法をプランニング段階で利用して患者の解剖構造の特質をより十分に把握することがある。
【0003】
しかし、手術前プランニングには時間がかかることがある。さらに臨床医は、手術前プランニングのための容易に取得可能な情報を提供してくれるツールを有しないことがある。臨床医は患者の放射線画像にアクセスできても、その画像は臨床医によるかなりの解析を要求することがある。放射線画像の手作業の解析は時間がかかると共にコストが高くつくことがある。さらに手作業の解析では、外科処置中などリアルタイムの相互対話が可能な電子的に利用可能なプランが得られないことがある。手作業のプランは外科的手技中に電子的に監視することができない。さらに、一般に2次元のみのディスプレイ上で3次元情報が臨床医に表示されているため、手作業の解析は困難となることがある。
【0004】
手術前プランニングの改善を必要とする具体的な手技タイプの1つにアブレーション(例えば、熱的アブレーションや凍結アブレーション)と呼ばれるものがある。アブレーション(例えば、熱的アブレーションや凍結アブレーション)は腫瘍などの組織またはその一部分の任意の外科処置切除となし得る。アブレーション(例えば、熱的アブレーションや凍結アブレーション)の一形態では、取り除こうとする組織内へのアブレーション・ツールの挿入が必要である。次いである時間期間にわたってアブレーション・ツール先端で高温を実現し、これによって組織を壊死させることができる。熱的アブレーションではその組織が本質的にボイルされることがあり、一方凍結アブレーションではその組織が凍結されて壊死させられる。各先端が様々な状況下で異なる量の組織を除去できるように様々なツール先端を利用可能とさせることがある。手術前プランニング中に臨床医が様々なアブレーション・ツールのボリュメトリック効果を見積もることは困難であることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、外科的手技に関連するリスクを低減させるための方法及びシステムに対する必要性が存在する。後から外科処置設定で利用するための手術前プランを自動で提供する方法及びシステムに対する必要性が存在する。さらに、外科処置中に臨床医が手術前プランに従うのを支援する方法及びシステムに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある種の実施形態は、関心対象ボリューム内の外科処置用器具の少なくとも一部分の位置をトラッキングする工程と、関心対象ボリュームの少なくとも一部分に対応する外科処置プランを認識する工程と、外科処置用器具の少なくとも一部分の位置と外科処置プランとの間の対応関係に基づいてフィードバックを提供する工程と、を含む外科処置を容易にするための方法を提供する。一実施形態では、そのフィードバックはリアルタイムで提供される。一実施形態では、そのフィードバックは、触覚型(haptic)フィードバック、熱型フィードバック、光学式フィードバック及び音響型フィードバックのうちの少なくとも1つを含む。一実施形態では、その外科処置プランは、事前に作成した放射線画像を含む。一実施形態では、その外科処置プランは、外科処置用器具の少なくとも一部分に関する少なくとも1つの軌道を含む。一実施形態では、その外科処置プランは、少なくとも1つのアブレーションを含む。一実施形態では、その方法はさらに、関心対象ボリュームの少なくとも一部分に関する外科処置プランに対応するリアルタイム放射線画像を表示する工程を含む。一実施形態では、そのリアルタイム放射線画像は超音波画像を含む。一実施形態では、そのフィードバックは臨床医に対して提供される。
【0007】
本発明のある種の実施形態は、患者内にある外科処置用器具の少なくとも一部分の位置をトラッキングするためのトラッキング・サブシステムと、フィードバック応答を提供することが可能なフィードバック・サブシステムと、少なくともその一部をプロセッサ上で実行可能なアプリケーションであって、外科処置用器具の少なくとも一部分の位置と外科処置プランとを比較することが可能であり、外科処置用器具の少なくとも一部分の位置と外科処置プランとの間の相関関係に応答して該フィードバック・サブシステムを制御することが可能であるアプリケーションと、を備える外科処置を容易にするためのシステムを提供する。一実施形態では、その外科処置プランは、少なくとも1つの軌道及び少なくとも1つの位置を含む。一実施形態では、そのフィードバック応答は、触覚型フィードバック、熱型フィードバック、光学式フィードバック及び音響型フィードバックのうちの少なくとも1つを含む。一実施形態では、そのフィードバック応答はリアルタイムで提供される。一実施形態では、そのシステムはさらに、外科処置プランに対応するアプリケーションによって作成された患者の少なくとも一部分のリアルタイム放射線画像を含んだ表示可能出力を含む。一実施形態では、その表示可能出力はさらに、リアルタイム放射線画像と統合させた事前に作成した放射線画像を含む。一実施形態では、その表示可能出力はさらに、外科処置用器具の少なくとも一部分の位置を含む。一実施形態では、その外科処置プランはさらに、切り出しを含む。一実施形態では、その外科処置用器具はアブレーション・ツールを含む。一実施形態では、そのフィードバック応答は臨床医に対して提供される。
【0008】
本発明のある種の実施形態は、関心対象ボリューム内の外科処置用器具の少なくとも一部分の位置をトラッキングするためのトラッキング・ルーチンと、関心対象ボリュームの少なくとも一部分に対応する外科処置プランを認識するための認識ルーチンと、外科処置用器具の少なくとも一部分の位置と外科処置プランとの間の対応関係に基づいてフィードバックを提供するためのフィードバック・ルーチンと、を含んだコンピュータ向けの命令の組を含むコンピュータ読み取り可能記憶媒体を提供する。一実施形態では、そのフィードバックはリアルタイムで提供される。一実施形態では、そのフィードバックは、触覚型フィードバック、熱型フィードバック、光学式フィードバック及び音響型フィードバックのうちの少なくとも1つを含む。一実施形態では、その外科処置プランは、事前に作成した放射線画像を含む。一実施形態では、その外科処置プランは、外科処置用器具の少なくとも一部分に関する少なくとも1つの軌道を含む。一実施形態では、その外科処置プランは、少なくとも1つのアブレーションを含む。一実施形態では、その命令組はさらに、関心対象ボリュームの少なくとも一部分に関する外科処置プランに対応するリアルタイム放射線画像を表示するための表示ルーチンを含む。一実施形態では、そのリアルタイム放射線画像は超音波画像を含む。一実施形態では、そのフィードバックは臨床医に対して提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
上述した要約、並びに本出願のある種の実施形態に関する以下の詳細な説明は、添付の図面と共に読むことによってさらに十分な理解が得られよう。本発明の例証を目的として、図面ではある特定の実施形態を示している。しかし、本発明は添付の図面に示した配置や手段に限定するものではないことを理解すべきである。さらに、幾つかの図は、1つまたは複数の実施形態による本発明の方法及びシステムに関連する種類のディスプレイ及び/または出力の表示としていることがある。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態による外科処置プランニングを実行するためのシステム100を表している。システム100は、1つまたは複数の通信リンク104を介して画像処理サブシステム116及び/または記憶装置114と通信可能にリンクさせた画像作成サブシステム102を含むことがある。記憶装置114などの1つまたは複数の構成要素は例えば、システム100から省略されることがある。1つまたは複数の構成要素は例えば、様々な形態で統合されることや、様々な形態で複数の構成要素にわたって分散させることがある。
【0011】
画像作成サブシステム102は、患者の関心対象ボリュームに対応する2次元、3次元及び/または4次元データを作成することが可能な任意の放射線学システムとすることができる。患者の関心対象ボリュームは、組織、器官、体液、病巣(例えば、腫瘍、膿瘍、嚢腫、など)及び/またはその他を含むことがある。画像処理サブシステム102の幾つかのタイプには、例えばコンピュータ断層(CT)、磁気共鳴イメージング(MRI)、X線、陽電子放出断層(PET)、トモシンセシス(tomosynthesis)及び/またはその他が含まれる。CTなどの撮像モダリティは例えば、患者に対して造影剤を投与することによって強調させることがある。画像作成サブシステム102は、通信リンク104を介して記憶装置114及び/または画像処理サブシステム116に伝達され得る画像に対応した1つまたは複数のデータ組を作成することがある。
【0012】
記憶装置114は、画像作成サブシステム102によって作成されたデータ組(複数のこともある)を保存することが可能である。記憶装置114は例えば、PACS記憶装置、光学媒体記憶装置、磁気媒体記憶装置、半導体記憶装置、長期記憶装置、短期記憶装置及び/またはその他などのディジタル式記憶装置とすることがある。記憶装置114は例えば、画像作成サブシステム102や画像処理サブシステム116と一体化させることがある。記憶装置114は例えば、ローカルに配置させることや、リモートに配置させることがある。記憶装置114は例えば、永続的とすることや、一時的とすることがある。
【0013】
画像処理サブシステム116はさらに、メモリ106、プロセッサ108、ユーザインタフェース110及び/またはディスプレイ112を含むことがある。画像処理サブシステム116の様々な構成要素は通信可能にリンクさせることがある。例えばプロセッサ108とメモリ106など構成要素のうちの幾つかを一体化させることがある。画像処理サブシステム116は患者の関心対象ボリュームに対応するデータを受け取ることがある。データは例えばメモリ106内に保存されることがある。画像処理サブシステム116は例えば、コンピュータ、PACSワークステーション、Advantage(商標)ワークステーション、及び/またはその他を含むことがある。
【0014】
メモリ106は、例えばハードディスク、フレキシブルディスク、CD、CD−ROM、DVD、コンパクト記憶装置、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ、読み取り専用メモリ、電気的消去可能でプログラム可能な読み取り専用メモリ及び/またはその他のメモリなどのコンピュータ読み取り可能なメモリとすることがある。メモリ106は、例えば複数のメモリを含むことがある。メモリ106は例えば、データを一時的に保存できることや、永続的に保存できることがある。メモリ106は、例えばプロセッサ108による読み取りが可能な命令の組の保存を可能とさせることがある。メモリ106はさらに、例えば画像作成サブシステム102によって作成されたデータの保存を可能とさせることがある。メモリ106はまた、例えばプロセッサ108によって作成されたデータの保存を可能とさせることがある。
【0015】
プロセッサ108は中央処理ユニット、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ及び/またはその他とすることがある。プロセッサ108は例えば、複数のプロセッサを含むことがある。プロセッサ108は一体化させた1つの構成要素とすることや、例えば様々な箇所に分散させることがある。プロセッサ108は例えば、あるアプリケーションの実行を可能とさせることがある。プロセッサ108は例えば、本発明による方法200などの方法の実行を可能とさせることがある。プロセッサ108は例えば、ユーザインタフェース110からの入力情報を受け取ること、並びにディスプレイ112による表示が可能な出力を作成することを可能とさせることがある。
【0016】
ユーザインタフェース110は、例えばユーザから画像処理サブシステム116への情報の伝達が可能な任意のデバイス(複数のこともある)を含むことがある。ユーザインタフェース110は、マウス、キーボード及び/またはユーザの指令を受け取ることが可能な別の任意のデバイスを含むことがある。例えばユーザインタフェース110は、例えば音声認識、運動トラッキング及び/またはアイ(eye)トラッキング機能を含むことがある。ユーザインタフェース110は、例えばディスプレイ112などの別の構成要素に組み入れられることがある。一例として、ユーザインタフェース110は、例えば接触応答性のディスプレイ112を含むことがある。ユーザインタフェース110を介してユーザに対して例えば、プロセッサ108上で実行させるアプリケーションと対話することを可能にさせることがある。ユーザインタフェース110を介してユーザに対して例えばメモリ106内に保存可能なデータ組との対話を可能にさせることがある。ユーザインタフェース110を介してユーザに対して例えば、ディスプレイ112上で表示可能な画像と対話することを可能にさせることがある。
【0017】
ディスプレイ112は、ユーザへの視覚的情報の伝達が可能な任意のデバイスとすることがある。例えば、ディスプレイ112は、陰極線管、液晶ダイオード・ディスプレイ、発光ダイオード・ディスプレイ、プロジェクター及び/またはその他を含むことがある。ディスプレイ112は、例えば画像処理サブシステム116によって作成された放射線画像及びデータの表示を可能とさせることがある。ディスプレイは2次元的とすることがあるが、シェーディング、色付け及び/またはその他を通じて3次元情報の指示を可能とさせることもある。
【0018】
図2は、本発明の一実施形態による外科処置プランニングを実行するための方法200の流れ図を表している。方法200の工程は例えば図示したのとは別の順序で実行されることがある。方法200の少なくとも幾つかの工程は例えば、同時または実質的に同時に実行されることがある。さらに、方法200の幾つかの工程は例えば省略されることがある。本方法の工程は例えばコンピュータ読み取り可能な媒体上にある命令の組を実行するコンピュータ及び/または別のプロセッサ(図1のプロセッサ108など)によって実行されることがある。さらに、方法200の幾つかの工程は、以下に記載する方法600の同様の工程との置き換え、並びにその逆の置き換えを行うことができる。
【0019】
工程202では、患者の関心対象ボリュームの描出を含んだデータがディスプレイに提供される。例えばデータは、ディスプレイ(例えば、ディスプレイ112)上への表示のために提供されることがある。例えばデータは、放射線撮像(例えば、画像作成サブシステム102)により作成されることがあり、また患者内の関心対象ボリュームを表す情報を含むことがある。データは例えば、2次元、3次元及び/または4次元情報を包含することがある。データは、例えばアキシャル像、コロナル像、サジタル像及び/または斜方向像など、関心対象ボリュームに関する1つまたは複数の像を含むことがある。データは例えば、臨床医が2次元、3次元及び/または4次元で外科的手技をプランニングするかつ/または視覚化するのに役立てることがある。例えばデータは、介入する放射線医など介入する臨床医が介入的手技をプランニングするのに役立つことがある。
【0020】
一旦図3を見ると、本発明の一実施形態による切り出しを含む画像300の一例を表している。データは例えば、放射線撮像システムからのデータ及び追加的なデータを含むことがある。一実施形態では、データは放射線画像300内に表示された生物学的構造に関する切り出し304を含む。切り出し304は例えば、様々な生物学的構造を指示する形状または形態を含むことがある。例えば、切り出し304は、腫瘍などの病巣に関する輪郭形態を含むことがある。切り出し304は例えば、血管及び/または神経などの器官やその他の組織を指示する形態を含むことがある。
【0021】
放射線画像データ300は、切り出し304に適した一部分を含んだ患者の解剖構造を包含することがある。さらに、関心対象ボリューム302の内部に切り出し304が表示される。切り出し304は例えば図1に示したプロセッサ108などのプロセッサ上で動作するアプリケーションにより作成されることがある。切り出し304は、例えば器官、組織及び/または病巣(例えば、腫瘍、嚢腫、その他)など様々な生物学的構造の形態を示すことがある。患者に対して例えば造影剤などの撮像強調剤を投与することによって、画像作成中の切り出し304の処理が容易となることがある。
【0022】
切り出し304は例えば、ピクセル及び/またはボクセルの変動する強度特性に基づいて形成されることがある。ピクセル及び/またはボクセルの強度特性に基づいて、例えば様々な組織、体液及び/または器官タイプが特定されることがある。骨などの組織タイプは例えば、ピクセル及び/またはボクセルに対して骨に関連付けされたレンジ域内の強度特性を有させることがある。神経などの別の組織タイプは例えば、ピクセル及び/またはボクセルに対して神経に関連付けされたレンジ域内の強度特性を有させることがある。様々な解剖構造に関連付けされた強度特性を変更するために、例えば撮像前の患者への造影剤の投与など様々な技法が利用されることがある。造影剤は、様々な解剖構造の強度特性の区別を容易にできるように強度特性を変更するために有用である。換言すると、関連付けされた強度特性に基づくと例えば、造影剤を用いない場合の患者の画像と比べて、造影剤を用いた場合に患者の画像内の様々な解剖構造を区別することがより容易になることがある。
【0023】
ピクセル及び/またはボクセルに関連付けされた予想強度特性に基づくと、画像の様々な部分のフィルタ処理が可能となり得る。例えば、ある種の解剖構造部分が切り出し対象でない場合、その部分をフィルタ処理することがある。例えば、筋肉組織、骨、血管、神経及び/またはその他がフィルタ処理され、例えば腫瘍などの病巣を残すことがある。別法として、関連付けされた強度特性に基づいた切り出しのために、例えば解剖構造部分が選択されることがある。関連付けされた強度特性に基づいた切り出しのために、例えば血管が選択されることがある。
【0024】
選択が終わると、例えば解剖構造の一部分が切り出されることがある。切り出し304を形成するような例えばエッジ検出など、切り出しのための様々な技法が使用されることがある。切り出し304は例えば、2次元、3次元及び/または4次元で実行されることがある。切り出し304は例えば、2次元的、3次元的及び/または4次元的とすることがある。例えば、切り出し304に伴って追加の処理及び相互対話が実行されることがある。この切り出し304は例えば、メモリ(例えば、メモリ106など)内に別のデータ組として保存可能とすることや、放射線画像データと一体化及び/または関連付けすることがある。
【0025】
図2に戻ると、工程204では、データ組(例えば、放射線画像データ302や切り出し304)と連係して使用するための対話式ツールが提供される。対話式ツールは、ユーザの対話の相手方となり得る1つまたは複数のツールとすることがある。例えば、ユーザインタフェース(ユーザインタフェース110など)を介してユーザが対話式ツールを選択することがある。
【0026】
一旦図4を見ると、本出願の一実施形態によるデータ及び対話式ツール406を表示しているアプリケーション表示400の一例を表している。対話式ツール406の選択は例えば、アイコン、メニュー、フロート式メニュー、コンテキストメニュー及び/またはその他を通じて提供されることがある。対話式ツール406は例えば、多種多様なツールを含むことがある。対話式ツール406は例えば、ユーザにより選択可能な1つまたは複数のツールを含むことがある。対話式ツール406は例えば、選択用の1つまたは複数のツール先端を有することがある。ツール先端は、多種多様なサイズ、形状、直径及び/またはその他を有することがある。ツール先端は、3次元ボリュームに対してある特定の方式で影響を及ぼすことがある。対話式ツール406はさらに、ツール温度、ツール吸引(suction)、ツールの作動時間及び/またはその他などの別の編集可能パラメータを有することがある。一実施形態では、その対話式ツール406は多種多様なツール先端を備えたアブレーション・ツールである。各ツール先端は周囲の解剖構造に様々な方式で影響を及ぼすことがある。
【0027】
図2に戻ると、工程206では、対話式ツール(ツール406など)に指令するユーザとデータ組(放射線画像データ302や402及び/または切り出し304や404など)との間の相互対話が許可される。ユーザは例えば、対話式ツール及びデータ組と2次元、3次元及び/または4次元で対話することがある。ユーザは例えば、位置対話式ツールを位置決めすること及び/または対話式ツールを作動することが可能である。対話式ツールがアブレーション・ツールである場合、ユーザは例えば、放射線画像データ(例えば、302/402)及び/または切り出し(例えば、304/404)の内部にツール先端を位置決めすることが可能である。満足な位置になった後に、次いでユーザは例えばアブレーション・ツールを作動させ、これによりツール先端によって熱が提供されるようなシミュレーションを生じさせることがある。
【0028】
アプリケーションは、例えばユーザの相互対話を記録し、この相互対話を外科処置プランニング解析や外科処置プランの一部としてメモリ内に保存することが可能である。ユーザは例えば、相互対話の追加や除去、さもなければ修正によって外科処置プランニング解析や外科処置プランを編集することが可能である。外科処置プランニング解析または外科処置プランは例えば、別のデータ組として後で使用するためにメモリ内に保存可能とさせることや、元になる放射線画像及び/または切り出しと一体化及び/または関連付けされることがある。
【0029】
例えば相互対話は、ベクトルベースの軌道として保存されることがある。軌道は、介入する放射線医などのユーザが、大きな解剖構造を避けながらアブレーション・ツールなどの対話式ツールを挿入するための効率のよい経路を視覚化するのに役立つことがある。この軌道は、例えばリアルタイムでかつ/または別の方式でユーザに戻すように表示されることがある。
【0030】
工程208では、ユーザ相互対話に基づいた予測が形成される。予測は例えば、対話式ツールのタイプ(例えば、アブレーション・ツール)、対話式ツール用のツール先端のタイプ、相互対話の性質、対話式ツール及び/またはツール先端の加熱、その解剖構造領域を基準としたツールの位置、その解剖構造領域を基準としたツールの角度、ツールの作動時間、対話領域の解剖構造のタイプ、及び/またはその他に基づくことがある。例えば、アブレーション型ツールは、あるタイプの解剖構造を別のタイプの解剖構造と比べてより迅速かつ効果的に焼解させることがある。例えば、アブレーション型ツールのツール先端がより大きいと、解剖構造のより大きな領域を焼解させることがある。アプリケーションはこれら様々なファクターの一部またはすべてを認識すること、並びにこれに応じて患者の解剖構造が提示した相互対話にどのように応答するかを予測することが可能である。さらにアプリケーションは、メモリ内に予測を保存することが可能である。さらに予測は、ユーザに戻すように表示可能とさせることがある。予測フィードバックは例えば、ユーザに対してリアルタイムで表示されることがある。アプリケーションは予測を、例えば外科処置プランニング解析または外科処置プランの一部として記録し保存することや、例えば別のデータ組として保存することがある。ユーザは例えば、予測の追加や除去さもなければ修正によって、外科処置プランニング解析または外科処置プランを編集することが可能である。
【0031】
一旦図5を見ると、本発明の一実施形態による予測形成500の一例を表している。切り出し502が表示されている。この切り出し502は例えば、腫瘍の切り出しとすることがある。さらに、ユーザ相互対話に基づいた多数の様々な予測504が表示される。各予測504は、アブレーション・ツールなどの対話式ツールとのユーザ相互対話から得られることがある。対話式ツールは、例えば多種多様なツール先端を有することがあり、したがって例えば多種多様な予測504が得られることになる。予測504はユーザに対して表示され、さらに例えば外科処置プランニング解析または外科処置プランとして保存されることがある。
【0032】
図2に戻り、図示した例では、方法200は以下の方式で実行されることがある。患者は、アブレーション(例えば、熱的アブレーションや凍結アブレーション)を介した除去を要する腫瘍を有している。工程202では、アプリケーションは腫瘍を含んだ患者の解剖構造のデータ、並びに対応する腫瘍の切り出しを表示する。患者のCT画像は、患者に造影剤が受け入れられた後に3次元で事前に作成されたものである。この画像は記憶装置(記憶装置114など)に転送され、アプリケーションを実行するプロセッサ(プロセッサ108など)によって取り出されたものである。このアプリケーションは、非腫瘍解剖構造部分をフィルタ処理する撮像プロトコルによって、ボクセルの対応する強度特性に基づいて腫瘍を切り出すことができている。次いで、腫瘍組織に対してエッジ検出アルゴリズムを用いて形状が当てはめられる。この切り出しはアプリケーションを介してユーザに対して表示される。
【0033】
工程204では、ユーザに対して対話式メニューを介して多種多様なツール先端を備えた対話式アブレーション・ツールが提供される。ツール先端はサイズ及び形状が様々な範囲に及ぶ。ユーザは、一度に1つのツール先端を選択することがある。ユーザはユーザインタフェース(ユーザインタフェース110など)を介してツール先端を選択する。
【0034】
工程206では、ユーザは、アブレーション・ツール及び選択したツール先端を用いて放射線画像データ及び腫瘍の切り出しと対話する。ユーザは、ユーザインタフェース(ユーザインタフェース110など)を介して画像及び切り出しと対話する。ユーザがアプリケーション内のデータと対話すると、その相互対話は外科処置プランニング解析または外科処置プランの一部として記録される。アブレーション・ツールが非腫瘍解剖構造内を横切って腫瘍に到達すると、その相互対話が記録される。アブレーション・ツール先端が腫瘍の領域に入った後、ユーザはさらに、アブレーション・ツール先端を加熱させるように指示することによってデータと対話する。ユーザは例えば、ツール先端の加熱を、例えばマウス操作デバイスのクリックによって指示することがある。
【0035】
工程208では、工程206の相互対話に基づいた予測を形成させる。この具体例では、アプリケーションは、そのデータと対話しているユーザにできるだけ多くのリアルタイム・フィードバックを提供するように設計されている。したがって、相互対話が終わるごとに、予測が作成されてユーザにリアルタイムで表示が戻される。したがって、先端が高温でない間にアブレーション・ツールが非腫瘍組織内を横切る度ごどに、その相互対話によって非腫瘍組織がどのように影響されたかに関する予測結果が(ツール先端のサイズ及び形状、並びに周囲の解剖構造に基づいて)計算されると共に、ユーザにリアルタイムで表示が戻される。腫瘍の領域内部でアブレーション・ツールを加熱させる度ごとに、予測が(ツール先端サイズ、ツール先端形状、ツール先端温度、ツール先端の加熱時間及び腫瘍のタイプに基づいて)計算されると共に、ユーザにリアルタイムで表示が戻される。次いでユーザは、例えば臨床目的に従った予測の追加、削除及び/または修正によって記録の際にその予測を編集することがある。相互対話に基づいた予測の組は外科処置プランニング解析または外科処置プランとして保存可能であり、これは後の時点(例えば外科処置中や外科処置の直前など)で取り出すことができる。
【0036】
図6は、本発明の一実施形態による自動化外科処置プランニングを実行するための方法600を表している。方法600の工程は例えば図示したのとは別の順序で実行されることがある。方法600の少なくとも幾つかの工程は例えば、その一部が同時に実行されることがある。さらに、方法600の幾つかの工程は例えば省略されることがある。本方法の工程は例えば、コンピュータ読み取り可能な媒体上にある命令の組を実行するコンピュータ及び/または別のプロセッサ(図1のプロセッサ108など)によって実行されることがある。さらに、方法200の幾つかの工程は、方法600の同様の工程で置き換えること、またこの反対に置き換えることができる。
【0037】
工程602では患者の関心対象ボリュームの描出を含んだデータ組がディスプレイに提供される。工程602は例えば、工程202と同様とすることがある。
【0038】
工程604では、データ組と対話するためのツールが自動的に選択される。多くの点において、工程604は工程204と同様とすることがある。しかし、多種多様なファクターに基づいて、例えばアプリケーションによってツールが自動選択されることがある。例えば、腫瘍がアブレーション(例えば、熱的アブレーションや凍結アブレーション)を介した除去を要する場合、腫瘍を実質的に除去するのに必要なアブレーションの回数が最小限となるようにアブレーション・ツール先端のサイズ及び形状が選択されることがある。別の例では、腫瘍組織内への計画進入経路に沿った非腫瘍組織に対する潜在的な影響に基づいて、ツール先端のサイズ及び形状が自動的に選択されることがある。ユーザは対話式ツールの自動選択を無効にさせることや、さもなければ例えば対話式ツールの自動選択で使用される規則を手直しすることが可能である。
【0039】
工程606では、選択されたツールがデータ組と自動で対話する。多くの点において、工程606は工程206と同様とすることがある。しかし、例えば多種多様なファクターに基づいてアプリケーションを介して、ツールがデータ組と自動で対話することがある。例えば、腫瘍がアブレーション(例えば、熱的アブレーションや凍結アブレーション)を介した除去を要する場合、腫瘍のある具体的な領域内への効率のよい経路に沿った非組織解剖構造を通過するようにアブレーション・ツールをガイドすることがある。適所に来た後で、効率に基づいて自動的に計算した持続時間にわたってそのツールを自動的に作動状態とさせることがある。ユーザは、対話式ツールの自動選択を無効にさせることが可能であり、さもなければ例えば対話式ツールの自動選択で使用される規則を手直しすることが可能である。例えばユーザは、自動化アルゴリズム(複数のこともある)に別のファクターの決定を許可しながら、ツール先端サイズ及び/またはツール先端温度などのある種のパラメータを抑制することが可能である。相互対話はメモリ内に保存されること、及び/または外科処置プランニング解析または外科処置プランの一部として保存されることがある。相互対話は例えば、相互対話の追加や除去、さもなければ修正によってユーザ及び/または自動プランニング・アルゴリズムによってさらに編集されることがある。
【0040】
工程608では、相互対話に基づいて予測が形成される。工程608は例えば、工程208と同様とすることがある。方法600は工程604及び/または606まで自動的にループバックし、例えばある具体的な自動化プランニング及び予測処理が完了するまで継続することがある。予測は、メモリ内に保存されること、及び/または外科処置プランニング解析または外科処置プランの一部として保存されることがある。予測は例えば、予測の追加、除去及び/または修正によってユーザ及び/または自動プランニング・アルゴリズムによってさらに編集されることがある。
【0041】
図示した例では、方法600は次の方式で実行されることがある。患者は、アブレーション(例えば、熱的アブレーションや凍結アブレーション)を介した除去を要する腫瘍を有している。工程602では、アプリケーションは腫瘍を含んだ患者の解剖構造のデータ、並びに対応する腫瘍の切り出しを表示する。患者のCT画像は、患者に造影剤が入れられた後に3次元で事前に作成されたものである。この画像は記憶装置(記憶装置114など)に転送され、アプリケーションを実行するプロセッサ(プロセッサ108など)によって取り出されたものである。このアプリケーションは、ボクセルの対応する強度特性に基づいて非腫瘍解剖構造部分をフィルタ処理する撮像プロトコルによって腫瘍を切り出すことができている。次いで、腫瘍組織に対してエッジ検出アルゴリズムを用いて形状が当てはめられる。この切り出しはアプリケーションを介してユーザに対して表示される。
【0042】
工程604では、本システムは、腫瘍(例えば、切り出し)の認知サイズに基づいて腫瘍を効率よく除去できるアブレーション・ツール先端を自動で選択する。ユーザはツール先端の選択の確認を求められ、次いでユーザは対話式ツールの自動選択を確認する。この例では、アブレーション・ツールのすべての相互対話について同じサイズのツール先端及び形状が使用されることになる。
【0043】
工程606では、アプリケーションは、放射線画像データ、並びにアブレーション・ツール及び選択したツール先端を用いた腫瘍の切り出しと自動で対話する。アプリケーションがデータと対話すると、その相互対話は外科処置プランニング解析または外科処置プランの一部として記録される。アブレーション・ツールが非腫瘍解剖構造を横切って腫瘍に到達すると、その自動相互対話が記録される。アブレーション・ツール先端が腫瘍の領域に入った後、アプリケーションはさらに、ある指定の持続時間及び温度にわたってアブレーション・ツール先端を加熱させるように指示することによってデータと対話する。
【0044】
工程608では、工程606で実施した自動相互対話に基づいて予測が形成される。例えば、ツールが画像データ内を通過する度ごと、かつアブレーション・ツールが腫瘍の領域の内部で加熱を受ける度ごとに、(ツール先端サイズ、ツール先端形状、ツール先端温度、ツール先端の加熱時間、及び腫瘍のタイプに基づいて)予測が計算される。この例では、腫瘍が実質的にアブレーションされ終わるまで、ディスプレイは事実上更新されない。したがって、腫瘍ボリューム(例えば、切り出し)がアブレーションされ終わるまで、方法600は工程606にループバックして追加の反復が実施される。すべての反復を実施し終わった後、計算されかつ記録された予測のすべてを指示するようにディスプレイが更新される。次いでユーザは、例えば臨床目的に従った予測の追加、削除及び/または修正によって、記録後の予測を編集することがある。例えばユーザは、例えば方法200の後続の反復を実施することがある。相互対話に基づいた予測の組は外科処置プランニング解析または外科処置プランとして保存可能であり、これは後の時点(例えば外科処置中や外科処置の直前など)で取り出すことができる。
【0045】
一実施形態では、画像処理サブシステム116は、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD、CD−ROM、DVD、コンパクト記憶装置、フラッシュ・メモリ及び/またはその他のメモリ(例えば、メモリ106)などのコンピュータ読み取り可能な媒体を含む。この媒体は、メモリ106、プロセッサ108、記憶装置114内にあること、及び/または別のシステム内にあることがある。この媒体は、コンピュータやその他のプロセッサによって実行が可能な命令の組を含むことがある。上に記載した提供、表示、相互対話、選択、自動化及び予測の各機能は、コンピュータ読み取り可能な媒体上の命令として実現させることができる。例えばこの命令組は、患者の関心対象ボリュームの描出を含んだデータ組の表示を提供する提供ルーチンを含むことがある。さらにこの命令組は、データ組と連係して使用するための対話式ツールを提供する提供ルーチンを含むことがある。さらにこの命令組は、対話式ツール並びにデータ組の一部分との相互対話を許可する許可ルーチンを含むことがある。一実施形態では、ユーザとの相互対話が許可される。別の実施形態、相互対話が自動で進行することが許可される。さらにこの命令組は、少なくともその一部でその相互対話に基づいてデータ組の一部分に対する影響の予測を形成する形成ルーチンを含むことがある。一実施形態では、その命令組は、複数のツールタイプから対話式ツールを選択するための選択ルーチンを含むことがある。一実施形態では、そのツールは自動で選択されることがある。
【0046】
プランニング処理が完了した後、臨床医は例えば、1つまたは複数の軌道を含んだ外科処置プラン及び/またはアブレーションなどのその他の外科処置行為を得ることがある。外科処置プランは例えば、外科処置の実施において臨床医を支援するために外科処置中に使用されることがある。例えば、外科処置プランは、臨床医による外科処置中の観察のために手術室内において表示されることがある。
【0047】
図7は、本発明の一実施形態による外科処置を容易にするためのシステム700を表している。システム700は、関心対象ボリューム702を含むことがある。外科処置用器具704は関心対象ボリューム内にある。外科処置用器具の位置は、トラッキング・サブシステム706を介してトラッキングされることがある。関心対象ボリューム702(ツール704を含む)の放射線画像は放射線撮像サブシステム714を用いて作成されることがある。トラッキング・サブシステム706及び放射線学サブシステム714は、データを処理サブシステム710に出力し、この処理サブシステム710がさらにフィードバック・サブシステム712を制御することがある。放射線撮像システム714などの1つまたは複数の構成要素は例えば、システム700から省略されることがある。1つまたは複数の構成要素は様々な形態で統合されることや、例えば様々な形態で複数の構成要素にわたって分散させることがある。
【0048】
関心対象ボリューム702は例えば、患者の関心対象ボリュームを含むことがある。関心対象ボリューム702は例えば、外科的手技の目標である解剖構造を包含することがある。外科医及び/または介入する放射線医は例えば、システム700を用いて外科的手技を実行することがある。関心対象ボリューム702は例えば、同様に別の解剖構造を含むことがある。この関心対象ボリュームは、少なくともその一部で外科処置プランニング(例えば、方法200及び/または600)中に使用した関心対象ボリュームに対応することがある。関心対象ボリューム704は例えば、外科処置用器具704のトラッキングの改善のためあるいは別の目的のために別の構成要素(例えば、トラッキング・サブシステム706及び放射線撮像システム714)を基準としてある具体的な方式で方向調整されることがある。
【0049】
外科処置用器具704は例えば外科的手技中に関心対象ボリューム内で使用するための任意の器具とすることができる。外科処置用器具704は例えば、アブレーション・ツールを含むことがある。外科処置用器具704は例えば関心対象ボリューム702内に位置決めされることがある。外科処置用器具704は、臨床医(例えば、外科医や介入する放射線医)によって位置決めされることや、自動化(例えば、自動式スコープ、ロボットシステム及び/またはその他)によって位置決めされることがある。外科処置用器具704は例えば、先端部分を含むことがある。この先端部分は例えば、アブレーション(例えば、熱的アブレーションや凍結アブレーション)など関心対象ボリューム702の内部における外科処置行為を行うための先端を有することがある。この先端部分は例えば交換可能とすることがある。外科処置用器具704は例えば、対話部分を含むことがある。この対話部分は例えば、外科処置用器具704のうちの臨床医がそれを介して外科処置用器具704と対話するための任意の部分とすることがある。対話部分は例えば、外科処置用器具704のハンドルや、スコープの制御部分を含むことがある。外科処置用器具704はフィードバック・サブシステム712と統合されること、及び/またはフィードバック・サブシステム712と連絡することがある(これについては後でさらに検討することにする)。外科処置用器具704の少なくとも一部分(例えば、先端部分)は例えば、トラッキング・サブシステム706によってトラッキングされることがある。例えば特定の金属及び/またはワイヤレス送信器/有線式送信器など、トラッキングを容易にし得るツール先端材料及び/またはデバイス内に含めることが有用となり得る。外科処置用器具704の全体をトラッキング可能とさせることや、器具704の一部分だけ(例えば、先端)がトラッキングされることがある。外科処置用器具704(あるいは、その一部分)は例えば、方法200及び600のコンテキストで検討した対話式ツールと実質的に対応することがある。
【0050】
トラッキング・サブシステム706は例えば、外科処置用器具704の位置のトラッキングが可能な任意のサブシステムを含むことがある。トラッキング・サブシステム706は、電磁式トラッキング・サブシステム、光学式トラッキング・サブシステム、ワイヤレス受信器、有線式受信器及び/またはその他を含むことがある。トラッキング・サブシステム706は例えば、外科処置用器具704の位置を2次元、3次元及び/または4次元でトラッキングすることがある。トラッキング・サブシステム706は例えば、器具704の位置をリアルタイムでトラッキングすることがある。トラッキング・サブシステム706は例えば、処理サブシステム710及び/またはディスプレイなどの別のシステムと一緒に使用するための出力を提供することがある。トラッキング・サブシステム706は放射線撮像サブシステム714などの別のシステムと統合させることがある。トラッキング・サブシステム706は例えば、トラッキング並びにトラッキング・データの別のデータとの連係を容易にするための標識及び/またはマーカーを使用することがある。
【0051】
放射線撮像サブシステム714は、関心対象ボリュームの少なくとも一部分702に関する放射線画像を作成すること及び/または提供することがある。放射線撮像サブシステム714はさらに、器具704に関する画像を作成すること及び/または提供することがある。放射線撮像サブシステム714は例えば、その全体または一部がトラッキング・サブシステム706と統合されることがある。例えば切り出しその他の特定アルゴリズムによって、放射線画像内で(例えば、2次元、3次元または4次元で)器具704の位置がトラッキングされることがある。放射線撮像サブシステム714は、CTや超音波を含むことがある。例えば、放射線撮像サブシステム714は、外科処置中に関心対象ボリュームのリアルタイム画像を作成できる4次元超音波撮像システムを含むことがある。放射線撮像サブシステム706は例えば、撮像並びに撮像データの別のデータとの連係を容易にするための標識及び/またはマーカーを使用することがある。
【0052】
処理サブシステム710は例えば、図1に示した画像処理サブシステム116などの画像処理サブシステムを含むことがある。処理サブシステム710は例えば、コンピュータ、プロセッサ、ワークステーション及び/またはその他(PACSやAdvantage(商標)ワークステーションなど)を含むことがある。処理サブシステム710は例えば、コンピュータ読み取り可能な媒体上にある命令の組によるアプリケーションの実行が可能なプロセッサ(プロセッサ108など)有することがある。処理サブシステム710は例えば、トラッキング・サブシステム706及び/または放射線撮像サブシステム714からのデータの受け取りを可能とさせることがある。さらに、処理サブシステム710は例えば、外科処置プラン(方法200及び/または600で作成された外科処置プランなど)の認識を可能とさせることがある。処理サブシステム710は例えば、事前に作成した外科処置プランのアップロード及び/または受け取り、並びにそのメモリ(メモリ106など)内への保存を可能とさせることがある。処理サブシステム710は例えば、外科処置プランを認識すること、並びにこのプランに基づいた追加の処理タスクを実行することが可能なアプリケーションを有することがある。処理サブシステムは、その全体または一部でシステム700内の別の構成要素(例えば、放射線撮像サブシステム714及び/またはトラッキング・サブシステム706)と統合可能とすることがある。
【0053】
処理サブシステム710は、少なくとも4つのタイプのデータ(例えば、トラッキング・サブシステム706のデータ、放射線撮像サブシステム714のデータ、以前の放射線学データ、及び/または外科処置プランのデータ)の受け取り及び/またはこれによる処理実行を可能とさせることがある。以前の放射線学データは例えば、外科処置プランと統合されることがある。具体的には、トラッキング・データと外科処置プラン・データは例えば、自動式で及び/またはユーザ関与によって連係させることがある。トラッキング・データと外科処置プラン・データは、例えば外科処置用器具704の位置が外科処置プランの位置にマッピングされる及び/または相関されるようにしてマッピングを受けることがある。さらに、4次元超音波データなどの放射線学撮像データは例えば、外科的手技中における関心対象ボリュームに対するリアルタイム撮像を改善するために、さらに別の様々なデータ組とのマッピング及び/または相関を行うことがある。
【0054】
様々なデータ(トラッキング、外科処置プラン、リアルタイム放射線画像)は例えば、処理サブシステム710によって表示可能な形式で提供されることがある。これらのデータタイプは例えば、重複させることや、さもなければ相関させたまたは対応させた状態で指示されることがある。これらのデータタイプは例えば、統合されることや、単独のフレームとして表示されることがある。これらのデータタイプは例えば、融合されることや、概念上分離可能とすることがある。
【0055】
処理サブシステム710は例えば、器具704の位置を外科処置プランと比較し、器具704が適正な位置にあるか否かを判定することができる。トラッキングを受けた器具704の位置とプラン上の位置の間の対応関係及び/または外科処置プランニング中の実質的に同様の器具704の軌道に基づいて、処理サブシステム710は例えば、フィードバック・サブシステム712を制御することができる。例えば、外科処置プラン・データ対放射線撮像サブシステム714のデータ、並びにトラッキング・サブシステム706のデータ対放射線撮像サブシステム714のデータなど、別の比較方法も可能である。器具の期待位置を基準として器具704の位置を示した比較によって、例えば処理サブシステム710によるフィードバック・サブシステム712の制御を得ることができる。処理サブシステム710がフィードバック・サブシステムを制御する際の方式及び規則は例えば、構成可能(例えば、フィードバックのタイプ、フィードバックの持続時間、誤差のマージン、その他)とすることがある。
【0056】
フィードバック・サブシステム712は、手技を実施している臨床医及び/またはデバイス(例えば、ロボット)に感覚情報を伝達することが可能な任意のデバイス(複数のこともある)を含むことがある。フィードバック・サブシステム712は、その全体または一部が、例えば器具704及び/または処理サブシステム710などシステム700の別の部分に統合されることがある。フィードバック・サブシステム712は、臨床医に感覚情報を伝達することが可能な例えば触覚型フィードバックや押力(force)フィードバックを含むことがある。触覚型フィードバックは、振動(複数のこともある)を生じさせることや、さもなければ臨床医にフィードバックの存在を知らせる運動を生じさせることがある。フィードバックのタイプは例えば、非プラン型の運動と関連付けさせることがある。器具704がプランされた軌道及び/または位置上にあるか否かに基づいて、例えば振動、音響型信号、光学式信号及び/またはその他が伝達されることがある。触覚型フィードバック・デバイスは例えば、ハンドル及び/または制御部分など、器具704の一部分に組み入れられることがある。臨床医(例えば、外科処置を実施する者)は例えば、耳(複数のこともある)、眼(複数のこともある)及び/または身体の任意の部分(例えば、足)を介してフィードバックを受け取ることがある。フィードバック・サブシステム712は例えば、有線接続、光学式接続、赤外線接続またはワイヤレス接続によって連絡することがある。フィードバックのタイプは、臨床医及び/または設計選好に基づいて構成されることがある。様々なフィードバックは例えば、正、負及び/または中立の状態で提供されることがある。例えば信号が存在しないことを、フィードバックの1つの形態とすることがある。例えば臨床医は、例えば「便りのないのは良い便り(no news is good news)」的な設計法をより好むことがある。さらに、フィードバックは例えば、外科処置用器具などの外科処置ツールの有効化及び/または無効化を必要とすることがある。外科処置用器具は例えば、適正に位置決めされたときにだけ機能することがある。
【0057】
図8は、本発明の一実施形態による外科処置を容易にするための方法800の流れ図を表している。方法800の工程は例えば、図示したのとは別の順序で実行されることがある。方法800の少なくとも幾つかの工程は例えば、同時または実質的に同時に実行されることがある。さらに、方法800の幾つかの工程(工程808など)は例えば省略されることがある。本方法の工程は例えば、コンピュータ読み取り可能な媒体上にある命令の組を実行するコンピュータ及び/または別のプロセッサ(図1のプロセッサ108など)によって実行されることがある。
【0058】
工程802では、関心対象ボリューム(例えば、702)内の外科処置用器具(例えば、図7に示した704)の位置がトラッキングされることがある。例えば、外科処置用器具をトラッキングするためにトラッキング・サブシステム(例えば、706)が利用されることがある。別の例では、放射線撮像サブシステム(例えば、714)は器具の位置情報を提供することがある。さらに、例えば外科処置用器具の位置情報を提供するために複数のシステムの組み合わせ(例えば、トラッキング・サブシステムと放射線撮像サブシステム)が使用されることがある。位置は例えば、外科処置用器具全体に対応することや、その一部分(例えば、先端)だけに対応することがある。この位置は例えば、2次元、3次元及び/または4次元でトラッキング可能とすることがある。トラッキングは例えば、データの連係及び/またはマッピングを容易にするために標識及び/またはマーカーを利用することがある。標識は、トラッキング・データに対するコンテキスト型解析を可能とするように基準位置を指示することがある。トラッキングは例えば、ワイヤレス、有線式、光学式、超音波及び/またはその他の技法を利用することがある。例えば、トラッキングは器具の位置を計測するために器具からの電磁式信号の受信を利用することがある。トラッキング・データはリアルタイムで作成されることがあり、また例えば離散的データ組(複数のこともある)として保存可能させること、及び/または別のデータと統合させることがある。
【0059】
工程804では、関心対象ボリューム(例えば、702)の少なくとも一部分に対応する外科処置プランが認識されることがある。例えば、外科処置プランは外科処置プランの少なくとも一部分のロード及び/またはアップロードが可能な処理サブシステム(例えば、710)によって認識されることがある。外科処置プランは例えば、方法200及び/または600などの方法によって作成済みであることがある。外科処置プランは、プラン済みのアブレーション位置(例えば、熱型や凍結アブレーション)などの外科処置用器具及び/またはその他の行為に関する軌道情報を含むことがある。外科処置プランはさらに、例えば腫瘍の切り出しなど病巣に関する情報を含むこともある。外科処置プランは、外科処置前に作成された画像データなどの放射線画像データを含むことがある。画像データは例えば、関心対象ボリューム内で造影剤を用いて作成されることがある。プランは例えば、2次元的、3次元的及び/または4次元的とすることがある。プランは例えば、方法800と関連させて使用するために別のデータタイプと連係させること、及び/またはマッピングさせることがある。プランは例えば、工程802でトラッキングした位置データと連係させることがある。
【0060】
工程806では、器具の位置と外科処置プランの間の対応関係に基づいてフィードバックが提供されることがある。例えば、器具の位置がその器具のプラン済みの軌道に対応しないことがある。例えば、器具の位置がその器具のプラン済みの位置に対応しないことがある。さらに、器具のタイプが例えば、プランの関連部分でその器具に対応しないことがある。例えば、位置とプランの間の対応関係のタイプに基づいてフィードバックが提供されることがある。例えばフィードバック・サブシステム712を介してフィードバックが提供されることがある。フィードバックは例えば、処理サブシステム710を通じて制御されることがある。例えば信号が存在しないことをフィードバックの1つの形態とすることがある。例えば臨床医は、例えば「便りのないのは良い便り」的な設計法をより好むことがある。さらに、フィードバックは例えば、外科処置用器具などの外科処置ツールの有効化及び/または無効化を必要とすることがある。外科処置用器具は例えば、適正に位置決めされたときにだけ機能することがある。
【0061】
フィードバックは例えば、臨床医及び/または自動化デバイス(例えば、ロボット)に位置情報を指示することを可能とさせることがある。フィードバックは例えば、触覚型、音響型、光学式、感覚式及び/またはその他とすることがある。例えば、フィードバックは、外科処置用器具をガイドしている臨床医に対して送られる振動を含むことがある。例えばプランと行為及び/または器具の位置との間に正の相関関係が存在する場合に、例えば正のフィードバック(例えば、外科処置プランに対応する行為及び/または位置に関連付けされた任意のフィードバック情報)が指示されることがある。例えばプランと行為及び/または器具の位置との間に負の相関関係が存在する場合に負のフィードバックが提供されることがある。臨床医及び/または自動化デバイス(例えば、ロボット)は、例えばこのフィードバック情報に応答して補正処置を取ることができる。臨床医及び/または自動化デバイスは例えば、正フィードバックを受け取ると補正処置なしである具体的な相互対話を継続することがある。フィードバックは例えば、リアルタイムでユーザに提供されることがある。
【0062】
工程808では、例えばトラッキング及び/または外科処置プラン・データを含んだ関心対象ボリュームのリアルタイム放射線画像が表示されることがある。リアルタイム放射線画像は例えば、CTや超音波により作成されることがある。リアルタイム画像(4次元超音波画像など)は例えば、以前の放射線画像(3次元再構成画像など)と融合させることがある。外科処置中には造影剤を利用できないことがあるが、造影剤を用いた以前の画像と造影剤を用いないリアルタイム画像との融合によってある種の表示機能(例えば、病巣その他の解剖構造の認識能力など)が強化されることがある。様々なデータタイプを単一の画像に融合させることや、単独のペイン(pane)として表示されること、あるいは様々な形態で統合させることがある。ユーザは例えば(例えば、回転、ピクセル調整、その他)で画像と対話することができる。外科処置プラン・データは例えば、軌道データと位置データを含むことがあり、また例えば、関心対象ボリュームのリアルタイム画像を伴うコンテキストで表示されることがある。表示させる様々なデータタイプを相関させるように標識及び/またはマーカーが利用されることがある。ユーザは様々な像の表示データ(例えば、アキシャル、コロナル、サジタル、斜方向、その他)を選択することができる。フィードバック情報は例えば、ディスプレイ内に組み込まれることがある。その器具が外科処置プランに一致しているか否かに基づいて、例えばトラッキングされる器具の色が変更されることがある。
【0063】
図9は、本発明の一実施形態による外科処置プラン及び関心対象ボリュームの3次元リアルタイム画像を含む合成表示の一例900を表している。関心対象ボリューム902は例えば、以前の3次元CTスキャン(造影剤を患者内に入れて撮像)と融合させたリアルタイム超音波データを含むことがある。以前の3次元CTスキャンは、3次元再構成スキャンとすることがある。関心対象ボリューム902では、例えば切り出された腫瘍などの切り出しされた構造904を含むことがある。例えば切り出しは、例えば方法200及び/または600に従って以前の撮像及び/または処理の間に実施済みのことがある。軌道906及び位置908を含む外科処置プランは例えば、リアルタイム画像上にマッピングされることがある。外科処置プランはブール代数和その他によって画像上にマッピングされることがある。位置908は、小さい方のリングとし得る先端位置と、例えばこの先端を先端位置に付けた状態でツールを作動させたときのアブレーションの予測結果と、を含む。表示はさらに、例えばアブレーション・ツールの先端などの外科処置用器具910を含む。
【0064】
方法800の図示した例は以下のようにして実行されることがある。介入する放射線医が、患者の関心対象ボリューム内の腫瘍に対して外科処置アブレーション(熱型アブレーションと凍結アブレーションのいずれか)を実行する。放射線医は、アブレーション・ツールをガイドしてアブレーションを実行する。工程802では、電磁式トラッキング・サブシステムによって、放射線医が患者の関心対象ボリューム内でアブレーション・ツールをガイドするのに従ってその位置がトラッキングされる。本システムは、ツール先端の位置を4次元(時間の経過を追った3次元)でトラッキングする。さらに、本システムはツールを実質的にリアルタイムでトラッキングする。工程804では、処理サブシステムは、方法200及び600に従って事前に作成しておいた外科処置プランを認識する。このプランは、アブレーション・ツールが従うと推定される軌道を有する。さらに、このプランは、腫瘍組織を焼却及び/または凍結するためにアブレーション・ツールを作動させる箇所を有する。このプランはさらに、患者の関心対象ボリュームに関する事前に作成した3次元放射線画像を有する。事前に作成されたこの画像は、関心対象ボリューム内に入れた造影剤の支援を得てCTスキャンにより作成されたものである。処理サブシステムは、外科処置プランを認識しこのプランに基づいた処理を実行するように設計されている。
【0065】
工程806では、処理サブシステムは器具の位置をプランと比較する。アブレーション・ツールの位置及び軌道が外科処置プランに対応していれば、ツールは適正に機能し信号が全く提供されない。信号が無いことは、ツールがプランどおりに位置決めされかつ機能していることを臨床医に示している。しかし、放射線医がその外科処置プランから逸れると、プランに従っていないことを示す振動が放射線医に対して提供される。この振動は、放射線医が手をアブレーション・ツールに当てている点における微妙な振動である。この振動は放射線医に注意喚起するのに十分であるが、アブレーション・ツールを移動させてしまうほど強くはない。放射線医は、リアルタイムの状況(例えば、緊急)に基づいてプランを無効にするような選択をすることや、フィードバックに基づいて補正処置を実施する(例えば、外科処置プランとの対応がより大きくなるようにツールを位置決めし直す)ように選択することがある。
【0066】
工程808では、リアルタイム超音波4次元画像が外科医に対して表示される。超音波画像は、外科処置前にCTスキャンを用いて作成された同じボリュームに関する3次元画像と融合させてある。この以前の画像は造影剤を用いて作成してある。2枚の画像の融合によってディスプレイにおける解剖学的な視認性が高くなる。さらに、軌道及びアブレーション・ツール位置を有する外科処置プランが表示される。さらに、アブレーション・ツールの目下の位置も表示される。この具体例では、単一の3次元画像内にすべてのデータがリアルタイムで一緒に表示される。しかしこのアプリケーションは、アキシャル像、コロナル像、サジタル像、及び/または斜方向像を含む様々な2次元像を同時に表示させることも可能である。
【0067】
図7を見ると一実施形態では、処理サブシステム710及び/またはトラッキング・サブシステム706は、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD、CD−ROM、DVD、コンパクト記憶装置、フラッシュ・メモリ及び/またはその他のメモリ(例えば、メモリ106)などのコンピュータ読み取り可能な媒体を含む。この媒体は、メモリ106、プロセッサ108、記憶装置114内、及び/または単独のシステム内に存在することがある。この媒体は、コンピュータやその他のプロセッサによる実行が可能な命令の組を含むことがある。上に記載したトラッキング、フィードバック及び処理の機能は、コンピュータ読み取り可能な媒体上の命令として実現させることがある。例えば、この命令組は、関心対象ボリューム内の外科処置用器具の少なくとも一部分の位置をトラッキングするためのトラッキング・ルーチンを含むことがある。さらにこの命令組は、関心対象ボリュームの少なくとも一部分に対応する外科処置プランを認識する認識ルーチン提供ルーチンを含むことがある。さらにこの命令組は、前記外科処置用器具の前記少なくとも一部分の前記位置と前記外科処置プランとの間の対応関係に基づいてフィードバックを提供するためのフィードバック・ルーチンを含むことがある。一実施形態では、フィードバックはリアルタイムで提供される。別の実施形態では、さらにこの命令組は、関心対象ボリュームの少なくとも一部分に関する外科処置プランに対応するリアルタイム放射線画像を表示するための表示ルーチンを含むことがある。
【0068】
したがって、本出願の実施形態によって、外科的手技に関連するリスクを低減させるための方法及びシステムが提供される。さらに、本出願の実施形態によって、後から外科処置設定で利用するための手術前プランを自動で提供する方法及びシステムが提供される。さらに、本出願の実施形態によって、外科処置中に臨床医が手術前プランに従うのを支援する方法及びシステムが提供される。
【0069】
本発明に関してある種の実施形態を参照しながら記載してきたが、本発明の趣旨を逸脱することなく様々な変更が可能であると共に、等価物による置換が可能であることは当業者であれば理解するであろう。さらに、多くの修正形態により、本発明の趣旨を逸脱することなく具体的な状況や材料を本発明の教示に適応させることができる。例えば、ソフトウェア、ハードウェア、あるいはこれらを混合したものによって機能を実現することができる。したがって、開示した特定の実施形態に本発明を限定しようという意図ではなく、本発明は添付の特許請求の範囲の域内に入るすべての実施形態を包含するように意図している。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態による外科処置プランニングを実行するためのシステムの図である。
【図2】本発明の一実施形態による外科処置プランニングを実行するための方法を表した図である。
【図3】本発明の一実施形態による切り出しの一例を表した図である。
【図4】本出願の一実施形態によるデータ及び対話式ツールを表示しているアプリケーション表示の一例を表した図である。
【図5】本発明の一実施形態による予測形成の一例を表した図である。
【図6】本発明の一実施形態による自動式外科処置プランニングを実行するための方法を表した図である。
【図7】本発明の一実施形態による外科処置を容易にするためのシステムの図である。
【図8】本発明の一実施形態による外科処置を容易にするための方法の流れ図である。
【図9】本発明の一実施形態による外科処置プラン及び関心対象ボリュームの3次元リアルタイム画像を含んだ合成表示の一例を表した図である。
【符号の説明】
【0071】
100 外科処置を容易にするためのシステム
108 プロセッサ
700 外科処置を容易にするためのシステム
702 関心対象ボリューム
704 外科処置用器具
706 トラッキング・サブシステム
710 プロセッサ
712 フィードバック・サブシステム
800 外科処置を容易にするための方法
902 リアルタイム放射線画像
906 外科処置プラン
906 軌道
908 外科処置プラン
910 外科処置用器具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科処置を容易にするための方法(800)であって、
関心対象ボリューム(702)内の外科処置用器具(704、910)の少なくとも一部分の位置をトラッキングする工程と、
前記関心対象ボリューム(702)の少なくとも一部分に対応する外科処置プラン(906、908)を認識する工程と、
前記外科処置用器具(704、910)の前記少なくとも一部分の前記位置と前記外科処置プラン(906、908)との間の対応関係に基づいてフィードバックを提供する工程と、
を含む方法。
【請求項2】
前記フィードバックはリアルタイムで提供される、請求項1に記載の方法(800)。
【請求項3】
前記フィードバックは、触覚型フィードバック、熱型フィードバック、光学式フィードバック及び音響型フィードバックのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法(800)。
【請求項4】
前記外科処置プラン(906、908)は前記外科処置用器具(704、910)の前記少なくとも一部分に関する少なくとも1つの軌道(906)を含む、請求項1に記載の方法(800)。
【請求項5】
前記外科処置プラン(906、908)は少なくとも1つのアブレーションを含む、請求項1に記載の方法(800)。
【請求項6】
外科処置を容易にするためのシステム(100、700)であって、
患者内で外科処置用器具(704、910)の少なくとも一部分の位置をトラッキングするためのトラッキング・サブシステム(706)(100、700)と、
フィードバック応答を提供することが可能なフィードバック・サブシステム(712)(100、700)と、
少なくともその一部をプロセッサ(108、710)上で実行可能なアプリケーションであって、前記外科処置用器具(704、910)の前記少なくとも一部分の前記位置と外科処置プラン(906、908)とを比較することが可能であり、前記外科処置用器具(704、910)の前記少なくとも一部分の前記位置と前記外科処置プラン(906、908)との間の相関関係に応答して前記フィードバック・サブシステム(712)(100、700)を制御することが可能であるアプリケーションと、
を備えるシステム(100、700)。
【請求項7】
前記外科処置プラン(906、908)は少なくとも1つの軌道(906)と少なくとも1つの位置を含む、請求項6に記載のシステム(100、700)。
【請求項8】
前記フィードバック応答は、触覚型フィードバック、熱型フィードバック、光学式フィードバック及び音響型フィードバックのうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のシステム(100、700)。
【請求項9】
前記フィードバック応答はリアルタイムで提供される、請求項6に記載のシステム(100、700)。
【請求項10】
さらに、前記アプリケーションによって作成された表示可能出力を備えており、該表示可能出力は前記患者の少なくとも一部分のリアルタイム放射線画像(902)を含んでおり、該リアルタイム放射線画像(902)は前記外科処置プラン(906、908)に対応している、請求項6に記載のシステム(100、700)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−144180(P2007−144180A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−316596(P2006−316596)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】