説明

外観検査方法及びその装置

【課題】
薄膜デバイスを対象とした自動欠陥分類機能を有する外観検査装置において、欠陥分類の条件だしを行うための欠陥種教示を短時間で実現する。
【解決手段】
本発明は、光学式あるいは電子式欠陥検出手段により取得される検査画像に基づいて、比較検査により欠陥を検出すると同時にその欠陥の特徴量を算出し、分類条件設定手段に予め設定した分類条件に従って欠陥分類を行う外観検査方法及び装置であって、前記分類条件設定手段は、予め欠陥検出手段より得られる多数の欠陥に亘る欠陥の特徴量を収集し、該収集された多数の欠陥に亘る欠陥特徴量分布に基づいて欠陥のサンプリングを行い、サンプリング欠陥のレビュー結果に基づいて欠陥分類条件を設定する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハ、TFT、ホトマスクなどの薄膜デバイスを対象とした、ランプ光もしくはレーザ光、或いは電子線などを用いて得られた対象物の画像に基づいて微細なパターン欠陥や異物等の欠陥検出および欠陥分類を行う外観検査方法および装置に関する。特に半導体ウェハの外観検査を行うのに好適な外観検査方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハ、液晶ディスプレイ、ハードディスク磁気ヘッドなどの薄膜デバイスは多数の加工工程を経て製造される。このような薄膜デバイスの製造においては、歩留まり向上及び安定化を目的として、いくつかの一連の工程毎に外観検査が実施される。外観検査ではランプ光、レーザ光または電子線などを用いて得られた画像を元にパターン欠陥あるいは異物などの欠陥を検出する。また、同時に輝度、サイズなどの欠陥の特徴量に基づいて欠陥を分類する場合もある。例えば特開2002−257533号公報(特許文献1)には、落射照明と斜方照明による散乱光強度の違いに応じて凸欠陥である異物と凹欠陥であるスクラッチを分類する検査装置が開示されている。このような欠陥分類機能を有する検査装置の欠陥分類条件を決める際にはレビューによって分類すべきクラスを教示し、特徴量とクラスの関係を導く必要がある。上記の例では分類すべきクラスとは異物あるいはスクラッチのいずれかであり、落射照明時の散乱光強度、斜方照明時の散乱光強度を特徴量とし、2次元の散布図をもとに弁別線を手動で設定している。
【0003】
【特許文献1】特開2002−257533号公報
【特許文献2】特開2004−47939号公報
【特許文献3】特開2003−59984号公報
【特許文献4】特開2004−117229号公報
【非特許文献1】第13回外観検査の自動化ワークショップ、pp. 99-104(2001年12月)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体ウェハの外観検査においては、パターンの微細化にともなって検出対象となる欠陥サイズは小さくなり、欠陥検出数は数千から数万に及ぶ。したがって、全ての欠陥をレビューすることは現実的に不可能であるため、数十から数百の欠陥をサンプリングしてレビューを行う必要がある。しかし、ランダムにサンプリングすると、欠陥発生比率が偏っている場合に同種の欠陥ばかり選択してしまい、特徴量とクラスの関係が不明となって分類条件を正しく設定できないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、欠陥発生比率が偏っている場合にも分類条件を正しく設定可能な外観検査方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、光学式あるいは電子式欠陥検出手段により取得される検査画像に基づいて、比較検査により欠陥を検出すると同時にその欠陥の特徴量を算出し、分類条件設定手段に予め設定した分類条件に従って欠陥分類を行う外観検査方法及び装置であって、前記分類条件設定手段は、予め欠陥検出手段より得られる多数の欠陥に亘る欠陥の特徴量を収集し、該収集された多数の欠陥に亘る欠陥特徴量分布に基づいて欠陥のサンプリングを行い、サンプリング欠陥のレビュー結果に基づいて欠陥分類条件を設定する構成とする。
【0007】
また、本発明は、予め分類条件を設定する分類条件設定ステップと、被対象基板を撮像して得られる検査画像を用いて欠陥を検出し、該検出された欠陥の特徴量を算出する欠陥検出ステップと、該欠陥検出ステップにおいて算出された欠陥の特徴量を用いて前記分類条件設定ステップにおいて予め設定された分類条件に従って前記欠陥を分類する欠陥分類ステップとを有する外観検査方法及びその装置であって、前記分類条件設定ステップは、被対象基板から撮像して得られた検査画像を用いて多数の欠陥を検出し、該検出された多数の欠陥の特徴量を算出し、該算出された多数の欠陥に亘る各欠陥の特徴量を収集して記憶する収集ステップと、該収集ステップにより収集された多数の欠陥に亘る各欠陥の特徴量を基に欠陥の発生分布を示す欠陥特徴量分布を作成し、該作成された欠陥特徴量分布に基づいてレビュー欠陥のサンプリングを行う欠陥サンプリングステップと、該欠陥サンプリングステップでサンプリングされた複数のレビュー欠陥についてレビューして少なくとも欠陥クラスを付与するレビューステップとを有し、前記収集ステップにおいて収集されたレビュー欠陥の特徴量に対する前記レビューステップにおいて付与されたレビュー欠陥の欠陥クラスを前記分類条件の教示データとして設定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記欠陥サンプリングステップは、前記欠陥特徴量分布として多数の欠陥に亘る所望の一次元の特徴量ヒストグラムを作成し、該作成された所望の一次元の特徴量ヒストグラムにおいて特徴量について分割した各区間からのサンプル数が、サンプルする欠陥が存在しなくなる区間を除いて略均等になるようにサンプリングすることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記欠陥サンプリングステップにおいて、前記欠陥特徴量分布として多数の欠陥に亘る所望の二次元の特徴量空間を作成し、該作成された所望の二次元の特徴量空間おいて特徴量について格子で区切り、各格子に含まれるサンプル数が、サンプルする欠陥が存在しなくなる格子を除いて略均等になるようにサンプリングすることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記欠陥サンプリングステップにおいて、前記欠陥特徴量分布として多数の欠陥に亘る複数の特徴量ヒストグラムを作成する作成ステップと、該作成ステップで作成された複数の特徴量ヒストグラムを表示する表示ステップとを含み、該表示ステップで表示された複数の特徴量ヒストグラムの中から一つの特徴量ヒストグラムを選択し、該選択された一つの特徴量ヒストグラム上において自由に設定された特徴量の区間からのサンプル数が、サンプルする欠陥が存在しなくなる区間を除いて略均等になるようにサンプリングすることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記収集ステップにおいて、収集される欠陥の特徴量は、欠陥の画像に基づく特徴量と欠陥の位置座標に基づく特徴量からなることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、予め分類条件を設定する分類条件設定ステップと、被対象基板を撮像して得られる検査画像を用いて欠陥を検出し、該検出された欠陥の特徴量及びその位置情報を算出する欠陥検出ステップと、該欠陥検出ステップにおいて算出された欠陥の特徴量及びその位置情報を用いて前記分類条件設定ステップにおいて予め設定された分類条件に従って前記欠陥を分類する欠陥分類ステップとを有する外観検査方法及びその装置であって、前記分類条件設定ステップは、被対象基板から撮像して得られた検査画像を用いて多数の欠陥を検出し、該検出された多数の欠陥の特徴量及びその位置情報を算出し、該算出された多数の欠陥に亘る各欠陥の特徴量及びその位置情報を収集して記憶する収集ステップと、該収集ステップにより収集された多数の欠陥に亘る各欠陥の位置情報を基にクラスタを抽出し、該抽出されたクラスタ以外の欠陥について前記収集ステップにより収集された多数の欠陥に亘る各欠陥の特徴量を基に欠陥の発生分布を示す欠陥特徴量分布を作成し、該作成された欠陥特徴量分布に基づいてレビュー欠陥のサンプリングを行う欠陥サンプリングステップと、該欠陥サンプリングステップでサンプリングされた複数のレビュー欠陥についてレビューして少なくとも欠陥クラスを付与するレビューステップとを有し、前記クラスタ以外の欠陥について前記収集ステップにおいて収集されたレビュー欠陥の特徴量に対する前記レビューステップにおいて付与されたレビュー欠陥の欠陥クラスを前記分類条件の教示データとして設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、欠陥の特徴量の分布に基づいて欠陥のサンプリングを行うことにより、各クラスの欠陥を発生比率にかかわらずに均等にレビューして教示することができるため、少ないレビュー点数で欠陥クラスと特徴量の関係を正確に捉え、その結果が正しい分類条件を設定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に係る外観検査方法および装置の実施の形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0015】
まず、本発明に係る外観検査方法および装置の第1の実施例について図1乃至図8を用いて詳細に説明する。
【0016】
該第1の実施例として、半導体ウェハを対象とした光学式外観検査装置の場合について説明する。図1は本発明に係る光学式外観検査装置の第1の実施例の構成を示したものである。光学式外観検査装置は、半導体ウェハなどの被対象基板11を搭載し、移動させるステージ12と、検出部13とを備えて構成される。検出部13は、被被対象基板11を照射するための光源101と、光源101から出射した光を集光する照明光学系102と、照明光学系102で集光された照明光で被対象基板11を照明し、反射して得られる光学像を結像させる対物レンズ103と、結像された光学像を明るさに応じて画像信号に変換するイメージセンサ104とにより構成される。14は画像処理部で、検出部13で検出された画像により試料であるウェハ上の欠陥候補を検出する。
【0017】
例えば、特開2002−257533号公報(特許文献1)に記載されているように、上記光源101としては、互いに異なる波長のUV光またはDUV光を出射する複数の光源で構成し、上記照明光学系102としては、上記一方の光源から出射したUV光またはDUV光を被検査物の表面に対して法線方向若しくは該法線方向に近似する高角度方向から被検査物に照射する高角度照明(落射照明)光学系と上記他方の光源から出射したUV光またはDUV光を被検査物の表面に対して斜め低角度方向から被検査物に照射する低角度照明(斜方照明)光学系とで構成し、上記イメージセンサ104としては高角度照明用と低角度照明用の複数で構成し、上記対物レンズ103と上記イメージセンサ104との間にビームスプリッタを設けて構成される。なお、高角度照射する箇所と低角度照射する箇所を対物レンズ103の視野内において異ならしめることによって、高角度照明光と低角度照明光の波長を同一にすることができる。しかし、上記各イメージセンサの受光面を上記被検査物の表面上における照射箇所の違いに対応するように設置する必要がある。
【0018】
画像処理部14は、検出部13のイメージセンサ104からの入力信号をデジタル信号に変換するAD変換部105と、AD変換されたデジタル信号に対してシェーディング補正、暗レベル補正等の画像補正を行う前処理部106と、比較対象のデジタル信号を参照画像信号として格納しておく遅延メモリ107と、検出部13で検出されたデジタル信号(検出画像信号)と遅延メモリ107に格納された参照画像信号との位置ずれ量を検出する位置ずれ検出部108と、該位置ずれ量検出部108で検出された位置ずれ量に基に位置合わせされた検出画像f(x,y)と参照画像g(x,y)の画像信号の比較を行い、差の値sub(x,y)が特定のしきい値Thより大きい部分を欠陥候補として出力する画像比較部109と、欠陥候補の位置座標や特徴量などを算出する特徴抽出部110と、特徴量に基づいて欠陥を分類する欠陥分類部111とを備えて構成される。
【0019】
全体制御部15は、特徴抽出部110で算出された欠陥候補のID(位置座標も含む)やその欠陥候補の特徴量やその欠陥候補の検査画像などを記憶する記憶装置112及びユーザからの検査パラメータの変更を受け付けたり、検出された欠陥情報を表示したりするユーザインターフェース部113を接続し、各種制御を行うCPU(図示せず)を設けて構成される。メカニカルコントローラ114は、全体制御部15からの制御指令に基づいてステージ12を駆動制御する。なお、図示していないが、画像処理部14及び検出部13等も全体制御部15からの指令により駆動制御される。
【0020】
予め、全体制御部(収集部)15は特徴抽出部110から得られる多数の欠陥に亘って各欠陥の位置座標情報およびその特徴量を収集して記憶装置112に記憶しておくことが必要となる。その結果、欠陥サンプリング部115は、全体制御部(収集部)15から得られる多数の欠陥に亘る各欠陥の位置座標情報およびその特徴量に基づいてレビュー欠陥を選択することが可能となる。更に、分類条件設定部116は、全体制御部15を介して得られる各レビュー欠陥の特徴量およびレビュー装置1103から得られる各レビュー欠陥のレビュー結果をもとに欠陥分類部111での分類条件を予め設定することができることになる。このように分類条件設定手段は、全体制御部(収集部)15を含めて欠陥サンプリング部115、分類条件設定部116及びレビュー装置1103からのレビュー結果の入力手段とから構成される。
【0021】
次に、図1に示す外観検査装置による欠陥検出方法について説明する。
【0022】
被対象基板である半導体ウェハ11は、図2に示すように同一であるはずのパターンのチップが多数、規則的に並んでいる。画像比較部109において、隣接する2つのチップの同じ位置、例えば図2の領域21とそれに隣接するチップの領域22との間で画像を比較し、両者の間に差異がある部分を欠陥として検出する。
【0023】
その作用を説明すると、全体制御部15では、被対象基板である半導体ウェハ11をステージ12により、例えば図2に示すスキャンAの方向と反対の方向へ連続的に移動させる。このステージ12の連続的な移動に同期して、検出部13のイメージセンサ104でスキャンAの方向に順次被対象基板11の光学像が検出されて、チップの像が検出部13より取り込まれる。検出部13のイメージセンサ104は入力された信号を画像処理部14に出力する。画像処理部14では、まず入力されたアナログ信号をAD変換部105でデジタル信号に変換し、前処理部106にてシェーディング補正、暗レベル補正などを行う。位置ずれ検出部108には、前処理部106から出力される検査対象チップの画像信号(検出画像信号)と、遅延メモリ107から入力される、ステージがチップ間隔分移動する時間だけ遅延された画像信号、すなわち、検査対象チップの1つ前のチップの画像信号(参照画像信号)とがセットで入力される。位置ずれ検出部108では連続的に入力される2つの画像間のステージの振動などに起因する位置ずれ量を画素単位又は画素単位以下で算出する。この時、検出画像信号、参照画像信号は連続して入力されるが、位置ずれ量の算出は特定の長さを一処理単位とし、処理単位毎に順次行う。画像比較部109では算出された位置ずれ量を用いて画像の位置合わせを行い、位置合わせされた検出画像f(x,y)と参照画像g(x,y)を比較して、その差の値sub(x,y)が特定のしきい値Thより大きい領域を欠陥候補として出力する。特徴抽出部110では、複数の欠陥候補各々について、小さいものをノイズとして削除したり、近隣の欠陥候補同士を一つの欠陥としてマージするなどの編集を行い、ウェハ内での位置や面積、サイズ、その他(濃淡値や形状等)の欠陥分類向けの特徴量を算出する。欠陥分類部111では、予め分類条件設定部116で設定された分類条件を用いて分類を行い、各欠陥のクラス情報を出力する。これらの情報は、記憶装置112に保存する。また、ユーザインターフェース部113を介して、ユーザに提示する。
【0024】
欠陥分類部111による欠陥の分類方法としては、例えば、図3に示すように、二次元の特徴量の散布図に基づいて設定した弁別線に従って分類することが考えられる。また、図4に示すように、if-then-elseで記述されたクラス決定ルールに従って分類する方法もある。この場合、決定ルールは特徴量に対するしきい値で表現される。図4の例ではまず欠陥面積に着目して100以上であれば大欠陥とし、そうでなければ欠陥の濃淡値である白黒極性に着目し、白であれば白欠陥、黒であれば黒欠陥としている。このほかにも、特徴量空間上での距離がもっとも近い教示済み欠陥のクラスへ分類する方法や、教示データに基づいて各欠陥クラスの特徴量分布を推定しておき、分類しようとする欠陥の特徴量の生起確率が最も高いクラスへ分類する方法などが考えられる。
【0025】
次に、本発明に係る、予め、全体制御部(収集部)15が特徴抽出部110から収集して記憶装置112に記憶してある多数の欠陥に亘って各欠陥の位置座標情報およびその特徴量を基に、分類条件の教示データとして設定しておくために、欠陥サンプリング部115等でのレビュー欠陥サンプリング及び分類条件設定部116等での分類条件設定等について図5乃至図7を用いて説明する。
【0026】
図5は、本発明に係る欠陥サンプリング方法を特徴量が一次元の場合を例にとって説明する図である。横軸を特徴量、縦軸を発生頻度とするヒストグラムである。欠陥の中には異物とスクラッチが含まれており、図示するような真の分布を持つとする。ただし、実際にはレビューまで異物とスクラッチを判別することはできない。図5(a)はランダムサンプリングの結果を示している。ランダムサンプリングの場合、レビュー欠陥の分布は元の発生比率を保存するので、図5に斜線で示すようになる。すなわち、もとの発生頻度に偏りがある場合、一方の欠陥(異物)ばかりレビューしてしまうことになる。
【0027】
そこで、本発明によれば、図5(b)に斜線で示すように、レビュー欠陥の分布ができる限り一様になるようにサンプリングすることにより、もう一方の欠陥(スクラッチ)をレビューすることが可能となる。以後、図5(b)に示す本サンプリング手法を特徴量空間均等サンプリングと呼ぶこととする。
【0028】
次に、本発明に係る特徴量空間均等サンプリングを実施するための処理の流れについて図6を用いて説明する。まず、例えばユーザインターフェース部113を用いて欠陥数より小さいサンプリング数すなわちレビュー数を欠陥サンプリング部115に対して入力してセットする(S61)。このとき、欠陥サンプリング部115は、該セットされたレビュー数(サンプリング数)が、特徴抽出部110で抽出されて記憶装置112に記憶された欠陥数より多い場合には全欠陥レビューすればよいので、サンプリングは不要と判断し、記憶装置112に記憶された欠陥数についての欠陥ID及びその位置座標をサンプリング情報として例えば記憶装置112にファイル出力することによって、レビュー装置1103に提供することが可能となる。次に、欠陥サンプリング部115は、特徴抽出部110で抽出される欠陥数に亘る欠陥の特徴量を基に該特徴量の分布の範囲、つまり最小値と最大値を求める(S62)。次に、欠陥サンプリング部115は、2のN乗が、上記セットされたサンプリング数よりも小さくなるような適当なNの初期値を求める(S63)。次に、欠陥サンプリング部115は、上記求められた特徴量の最小値と最大値の間を2のN乗等分割に区間(幅W)を定めてヒストグラムを計算し(S64)、このとき各区間にどの欠陥(欠陥ID)が含まれているか記憶する。次に、該記憶した各区間毎の欠陥IDを基に、各区間(幅W)から欠陥が含まれていない区間を除いて1個ずつランダムにサンプリングする(S65)。そして、残りサンプリング数が2のN乗より大きいか、小さいかの判断をし(S66)、大きい場合には、ステップS65を繰り返すことになる。以上により、残りサンプリング数が2のN乗より小さくなるまで、特徴量の分布の範囲の間(最小値と最大値の間)を2のN乗等分割した各区間(幅W)から欠陥が含まれていない区間を除いて均等にランダムにサンプリングできることになる。
【0029】
次に、ステップS66において小さくなったと判断された場合には、Nを1減少させてサンプリングする区間の幅を2倍(2W)にする(S67)。次に、残りサンプル数が0であるか否かの判断をし(S68)、0でない場合には、ステップS64に戻り、2倍幅(2W)で等分割してヒストグラムを再計算し(S64)、このとき各区間(幅2W)に残りの欠陥においてどの欠陥(欠陥ID)が含まれているか記憶する。なお、該ヒストグラムの再計算は、元のヒストグラムの2区間分を1区間にするだけなので容易にできる。次に、該記憶した各区間(幅2W)毎の残りの欠陥IDを基に、各区間(幅2W)から残りの欠陥が含まれていない区間を除いて1個ずつランダムにサンプリングする(S65)。そして、残りサンプリング数が2のN−1乗より大きいか、小さいかの判断をし(S66)、大きい場合には、ステップS65を繰り返すことになる。小さい場合には、Nを更に1減少させてサンプリングする区間の幅を4倍(4W)にし(S67)、残りサンプル数が0になるまでS64〜S67を繰り返すことになる。そして、残りサンプル数が0になった時点でサンプリングが終了する。以上により、残りサンプリング数が0になるまで、特徴量の分布の範囲の間を等分割する幅を2倍、4倍と広げて残りの欠陥が含まれていない区間を除いてほぼ均等にランダムにサンプリングできることになる。当然、S65において2巡目以降はまだサンプリングされていない欠陥を対象とする。
【0030】
なお、上記分類条件設定における欠陥サンプリング部115は、欠陥特徴量分布として複数の一次元の特徴量ヒストグラムを作成し、該作成された複数の一次元の特徴量ヒストグラムをユーザインターフェース部113に表示し、該表示された複数の一次元の特徴量のヒストグラムの中から所望の一次元の特徴量のヒストグラムを選択するように構成される。
【0031】
また、特徴抽出部110で抽出される欠陥数に亘る欠陥の特徴量が二次元の場合、図7に示すような散布図を考え、格子に区切ってそれぞれに入る欠陥を調べておく。2×2、4×4、8×8、16×16・・・と2のN乗の分割にしておけば一次元の時と同様の処理により、各格子に含まれるレビュー欠陥の数(サンプリング数)を、サンプルする欠陥が存在しなくなる格子を除いてほぼ均等にすることができる。ステップS65の前に、各スケール(2で分割された各区間又は各格子)で既サンプリング欠陥をカウントし調整するステップを設けるとなお良い。
【0032】
また、特徴抽出部110で抽出される欠陥数に亘る欠陥の特徴量が三次元以上の場合も多次元の格子を定義して同様の処理を行うことは可能だが、格子数が増加して計算が煩雑になるため、K−L(Karhunen-Loeve)展開、自己組織化マップなどの多変量解析の手法を用いて二次元に次元削減してから同様の処理を行う。また、二つの特徴量の全ての組合せで散布図を表示し、その中から選択するようにしてもよい。即ち、上記分類条件設定における欠陥サンプリング部115は、上記欠陥特徴量分布として複数の特徴量散布図を作成し、該作成された複数の特徴量散布図をユーザインターフェース部113に表示し、該表示された複数の特徴量散布図の中から前記所望の二次元の特徴量空間を選択するようにしてもよい。また、前記所望の二次元の特徴量空間は、三次元以上の特徴量空間を二次元に圧縮変換したものであっても良い。
【0033】
また、上述したように、全ての特徴量をヒストグラムで表示し、その中から一つを選択して一次元の場合の特徴量空間均等サンプリングを実施してもよい。
【0034】
いずれの方法においても、欠陥サンプリング部115は、検査終了後、ユーザインターフェース部113からの指示により、例えば全体制御部15から入力されるサンプリング数と欠陥IDに対応付けされた特徴量データを基に、レビュー欠陥のサンプリングを実施し、例えば記憶装置112にレビューすべき欠陥の欠陥IDとその位置座標をサンプリング情報としてファイル出力する。その結果、欠陥サンプリング部115は、記憶装置112に格納されたレビュー欠陥IDとその位置座標をサンプリング情報としてレビュー装置1103に提供できることになる。なお、全自動の場合は、全体制御部15は、検査レシピに基づいて、欠陥サンプリング部115に対して予めサンプリングモードを設定しておくことにより、欠陥サンプリング部115は検査終了直後にサンプリングを実施しても良い。
【0035】
次に、分類条件設定部116による、例えば全体制御部15を介しての欠陥分類部111に対する分類条件設定方法について説明する。分類条件設定部116は、欠陥サンプリング部115から提供されるサンプリング情報に従ってレビュー装置1103から対応するウェハをレビューして得られる欠陥クラス情報が存在する状態で、ユーザインターフェース部113からの指示により分類条件設定を実施する。上記欠陥クラス情報が存在しない場合は分類条件設定を実施しない。分類条件設定方法は、欠陥分類方法によって異なる。なお、分類条件設定部116は、レビュー装置1103からレビューした結果である欠陥ID、欠陥クラス情報及びレビュー欠陥画像等を受け取ることになる。
【0036】
例えば、図3に示すように、二次元の特徴量空間に設定した弁別線に従って分類する場合、分類条件設定部116は、レビュー装置1103から得られた欠陥IDの欠陥クラス情報と、特徴抽出部110で抽出された欠陥IDの特徴量情報等とを用いて散布図を全体制御部15を介してユーザインターフェース部113に表示し、例えば傾き1の直線をデフォルト表示する。カーソルキーで傾き及び切片を調整し弁別線を決定し、記憶装置112に保存する。
【0037】
また、図4に示すように、if-then-elseで記述されたクラス決定ルールに従って分類する場合、分類条件設定部116は、特徴抽出部110で抽出される全ての特徴量について、図8に示すような異なる欠陥クラス(必要に応じてレビュー装置1103から取得してもよい。)を異なる色で表したヒストグラムを全体制御部15を介してユーザインターフェース部113に表示する。ユーザは表示されたヒストグラムを見ながら手動でクラス決定ルールを記述してユーザインターフェース部113から例えば全体制御部15に入力し、全体制御部15は記述されたクラス決定ルールを分類条件として分類条件設定部116に提供する。また、特徴量の選択、欠陥クラス名の選択、ヒストグラム上の境界線の移動によるしきい値の設定、以上または以下の選択をボタン操作で行えるユーザインターフェース部113を構成しておき、ユーザの入力に従って分類条件設定部116はクラス決定ルールを分類条件として作成する。また、分類条件設定部116は、特徴抽出部110で抽出される欠陥IDの位置座標、その特徴量情報及び欠陥画像等と、レビュー装置1103から得られる欠陥ID、欠陥クラス情報及びレビュー欠陥画像等とを基に、例えば、特開2004−47939号公報(特許文献2)に記載された決定木アルゴリズムを用いて自動でクラス決定ルールを分類条件として作成することも可能である。
【0038】
また、学習型の分類手法を用いる場合は、その手法に合わせて、分類条件設定部116は、レビュー装置1103から得られる欠陥のクラス情報と特徴抽出部110で抽出される欠陥の特徴量情報とを教示サンプルとして学習を行い、分類条件を記憶装置112にファイル出力する。ここで、教示サンプルに基づいて欠陥クラスの分布を推定する場合、図5(b)に示すように、真の分布と異なる分布が求められる。このことが分類性能に悪影響を与えると考えられる場合には、教示サンプルに、(教示サンプルの属する特徴量区間に存在する欠陥数/同区間で教示した数)で重み付けをしてから学習を行うことにより、悪影響を回避することができる。
【実施例2】
【0039】
次に、本発明に係る外観検査方法および装置の第2の実施例について図9を用いて説明する。第2の実施例において、第1の実施例と相違する点は、欠陥サンプリング部115による処理方法が異なる点である。第1の実施例では全自動及び半自動で特徴量空間の区間設定を行ったが、本第2の実施例では手動で区間設定を行う。以下、その方法について説明する。
【0040】
欠陥サンプリング部115は、検査終了後のユーザインターフェース部113からの指示により、特徴抽出部110で抽出して記憶装置112に記憶された欠陥IDに対応付けされた各欠陥の特徴量データを入力する。次に、欠陥サンプリング部115は、各欠陥の特徴量のヒストグラムを作成し、ユーザインターフェース部113に表示する。図9には、欠陥の特徴量が3つの場合の表示画面の例を示す。901a、901b、901cはそれぞれ欠陥の特徴量α、β、γのヒストグラムであり、横軸に特徴量、縦軸に発生頻度を示す。902a、902b、902cは各欠陥の特徴量の選択状態を表すチェックボタンであり、一つだけ選択可能とする。ユーザはボタンのクリックによりいずれかの欠陥の特徴量を選択する。図の例では欠陥の特徴量βが選択されているが、このように分布が複数の山に分かれているものを選択するとよい。欠陥の特徴量が選択されると、対応する領域数入力ボックス903bが活性化する。デフォルトで2が設定され、ヒストグラムを二等分する位置に境界線904が表示される。領域数入力ボックス903bの入力が変化すると表示される境界線904の数も変化する。ユーザは境界線904をドラッグして移動することにより自由に欠陥の特徴量区間を定める。サンプル数入力ボックス905にサンプル数(レビュー数であるサンプリング数)を入力し、OKボタン906を押すことにより、欠陥サンプリング部115は、各区間のサンプル数が、サンプルする欠陥が存在しなくなる区間を除いて略均等になるようにレビュー欠陥のサンプリングを実施し、欠陥IDを例えば記憶装置112にファイル出力する。即ち、上記分類条件設定における欠陥サンプリング部115は、上記欠陥特徴量分布として多数の欠陥に亘る複数の特徴量ヒストグラムを作成し、該作成された複数の特徴量ヒストグラムをユーザインターフェース部113に表示し、該表示された複数の特徴量ヒストグラムの中から一つの特徴量ヒストグラムを選択し、該選択された一つの特徴量ヒストグラム上において自由に設定された特徴量の区間からのサンプル数が、サンプルする欠陥が存在しなくなる区間を除いて略均等になるようにサンプリングすることになる。そして、サンプリングを実施しないで終了したい時にはキャンセルボタン907を押す。
【0041】
外観検査装置において特徴抽出部110で抽出される欠陥の特徴量データだけでなく欠陥の検査画像を記憶装置112に記憶する場合、欠陥サンプリング部115における各区間のサンプル数が、サンプルする欠陥が存在しなくなる区間を除いて略均等になるようなレビュー欠陥のサンプリングにおいて、欠陥の検査画像を利用してユーザの判断を支援することが可能となる。その場合、チェックボタン902によっていずれかの欠陥の特徴量が選択された時、欠陥の検査画像を欠陥の特徴量の値でソートして表示する。なお、欠陥の検査画像を表示する際、ヒストグラム上に示された境界線904による区間の分割もわかるようにしておく。
【実施例3】
【0042】
次に、本発明に係る外観検査方法および装置の第3の実施例について図10を用いて説明する。第3の実施例において、第1及び第2の実施例と相違する点は、欠陥サンプリング部115による処理方法が異なる点である。第1及び第2の実施例では、検出される画像情報に基づく欠陥の特徴量に基づいてサンプリングを実施したが、本第3の実施例では欠陥の位置情報を上記欠陥の特徴量と併せて利用してサンプリングを実施する。
【0043】
まず、第3の実施例の第1の方法について説明する。該第1の方法において、上記欠陥の特徴量と併せて利用する欠陥の位置情報は、検査終了後に全欠陥の座標をもとに、例えば「欠陥点サンプリング技術を利用した外観検査手法」、第13回外観検査の自動化ワークショップ、pp. 99-104(2001年12月)(非特許文献1)、に記載された方法で算出する隣接欠陥との最短距離や局所欠陥密度などである。そして、第1の方法は、該隣接欠陥との最短距離や局所欠陥密度等の欠陥の位置情報を、上記画像情報に基づく欠陥の特徴量と併せて欠陥の特徴量次元を増加させてサンプリングに用いる方法である。
【0044】
次に、第3の実施例の第2の方法について説明する。該第2の方法は、分類条件設定部116による処理方法も第1及び第2の実施例とは異なることになる。
【0045】
即ち、第2の方法は、まず、欠陥サンプリング部115において、特徴抽出部110で抽出された欠陥の位置座標を基に、特開2003−59984号公報(特許文献3)又は特開2004−117229号公報(特許文献4)に示された方法を用いて、欠陥の分布状態を解析して、図10(a)(b)(c)にそれぞれ示すウェハマップに見られるような密集欠陥、線状欠陥、円弧状欠陥を検出する。密集欠陥は欠陥間の距離が所定のしきい値以下のものをつなげてグルーピングしたものである。線状欠陥は直線状に高密度に分布する欠陥、円弧状欠陥は円弧状に高密度に分布する欠陥である。これら特徴的な分布を総称してクラスタと呼ぶ。クラスタを構成する欠陥は同種の欠陥であるとみなしてもよいことが経験的にわかっている。そこで、欠陥サンプリング部115は各クラスタから少数の欠陥をサンプリングし、レビュー欠陥IDとその位置座標をレビュー装置1103に提供し、レビュー装置1103ではその欠陥をレビューする。また、欠陥サンプリング部115はクラスタを構成していない欠陥については、第1の実施例または第2の実施例で説明した方法でサンプリングする。このとき、クラスタを構成する欠陥はヒストグラムの計算に含めないでおく。
【0046】
そして、分類条件設定部116では、クラスタを構成する欠陥は全て同じクラスの欠陥であるとみなしてレビューしていないサンプルも教示データとして用いる。あるいはクラスタを構成する欠陥は特殊なクラスとして除外し、レビューしたサンプルも教示サンプルとしない。その他の点は第1及び第2の実施例と同様である。
【実施例4】
【0047】
次に、本発明に係る外観検査方法および装置の第4の実施例について図11及び図12を用いて説明する。第1乃至第3の実施例では、外観検査装置に欠陥サンプリング部115および分類条件設定部116を含めた構成としたが、本第4の実施例はこれらの手段を分類条件設定装置として別に構成する。図11に、その場合のシステム構成を示す。外観検査装置1101、分類条件設定装置(外観検査装置1101の特徴抽出部110から得られる多数の欠陥に亘って各欠陥の位置座標情報およびその特徴量を収集して記憶装置に記憶しておく収集部を有する分類条件設定手段)1102、レビュー装置1103からなる。矢印はデータ入出力を表している。分類条件設定装置1102は収集部(図示せず)、欠陥サンプリング部115および分類条件設定部116からなる。欠陥サンプリング部115は、外観検査装置1101から出力される欠陥IDと対応する位置座標及び特徴量データ、必須ではないが検査画像を入力して記憶する収集部(図示せず)を有する。第1乃至第3の実施例のいずれかと同様の方法でレビュー欠陥のサンプリングを行い、レビュー欠陥の欠陥IDと位置座標を出力する。レビュー装置1103は、レビュー欠陥の位置座標に従ってレビューを行い、欠陥自動分類を行って欠陥IDに対応付けて欠陥クラスとレビュー画像を出力する。分類条件設定部116は、レビュー欠陥の欠陥クラスを入力手段(バスやインターネット等により構成される。)による入力とし、対応する特徴量データと併せて教示サンプルとして学習を行い、分類条件を外観検査装置1101の欠陥分類部111に対して出力する。
【0048】
分類条件設定部116は、レビュー画像を入力して手動で分類する構成とすることもできる。本構成によれば、レビュー装置1103では画像を取得するのみで分類を行わない場合でも分類条件設定が可能となる。図12は、レビュー画像を表示し手動分類するための欠陥教示GUIである。ウェハマップ表示ウィンドウ1201、ダイマップ表示ウィンドウ1202にはそれぞれウェハ上またはダイ上の欠陥位置を表すマップを表示される。検査画像表示ウィンドウ1203には、欠陥クラス毎に欠陥ID順に検査画像が表示される。全ての欠陥が重複なくいずれかのクラスまたは未分類の欄に表示される。画像のドラッグアンドドロップによって、対応する欠陥の欠陥クラスを教示することができる。検査情報詳細表示ウィンドウ1204には、選択された欠陥の検査装置による欠陥画像1205、参照画像1206、レビュー装置による欠陥画像1207、参照画像1208、特徴量一覧1209が表示される。欠陥の選択は、ウェハマップ上での欠陥点のクリック、ダイマップ上での欠陥点のクリック、検査画像表示ウィンドウ1203上での検査画像のクリックのいずれかによってなされる。この方法によれば、レビューしていない欠陥についても検査画像に基づいて欠陥クラスを教示することが可能である。判別できなければ、未分類の欄に残しておけばよい。したがって教示サンプル数を増やすことができ、その結果正しい分類条件設定が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、半導体ウェハ、TFT、ホトマスクなどの薄膜デバイスを対象とした、自動欠陥分類機能を有する外観検査装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る外観検査装置の概略構成の一実施例を示す図である。
【図2】本発明に係る被対象基板となる半導体ウェハの平面図である。
【図3】本発明に係る外観検査装置における、分類方法の一実施例を説明する図である。
【図4】本発明に係る外観検査装置における、分類方法の別の実施例を説明する図である。
【図5】本発明に係る欠陥サンプリング方法について特徴量が一次元の実施例の場合を説明する図である。
【図6】本発明に係る欠陥サンプリング方法の第1の実施例の処理フローを表す図である。
【図7】本発明に係る欠陥サンプリング方法について特徴量が二次元の実施例の場合を説明する図である。
【図8】本発明に係る、ある特徴量の欠陥クラス別のヒストグラムの実施例を示す図である。
【図9】本発明に係る欠陥サンプリング方法において、特徴量区間を手動で設定するGUIの実施例を示す図である。
【図10】本発明に係る特徴的な分布を含むウェハマップの実施例を示す図である。
【図11】本発明に係る分類条件設定装置を含むシステム構成の一実施例を示す図である。
【図12】本発明に係るレビュー画像を入力して手動で分類するGUIの実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
11…被対象基板(半導体ウェハ)、12…ステージ、13…検出部、14…画像処理部、15…全体制御部(収集部)、101…光源、102…照明光学系、103…対物レンズ、104…イメージセンサ、105…AD変換部、106…前処理部、107…遅延メモリ、108…位置ずれ検出部、109…画像比較部、110…特徴抽出部、111…欠陥分類部、112…記憶装置、113…ユーザインターフェース部、114…メカニカルコントローラ、115…欠陥サンプリング部、116…分類条件設定部、901(901a、901b、901c)…ヒストグラム、902(902a、902b、902c)…チェックボックス、903(903a、903b、903c)…領域数入力ボックス、904…境界線、905…サンプル数入力ボックス、906…OKボタン、907…キャンセルボタン、1101…外観検査装置、1102…分類条件設定装置、1103…レビュー装置、1201…ウェハマップ表示ウィンドウ、1202…ダイマップ表示ウィンドウ、1203…検査画像表示ウィンドウ、1204…検査情報詳細表示ウィンドウ、1205…検査装置による欠陥画像、1206…検査装置による参照画像、1207…レビュー装置による欠陥画像、1208…レビュー装置による参照画像、1209…特徴量一覧。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め分類条件を設定する分類条件設定ステップと、被対象基板を撮像して得られる検査画像を用いて欠陥を検出し、該検出された欠陥の特徴量を算出する欠陥検出ステップと、該欠陥検出ステップにおいて算出された欠陥の特徴量を用いて前記分類条件設定ステップにおいて予め設定された分類条件に従って前記欠陥を分類する欠陥分類ステップとを有する外観検査方法であって、
前記分類条件設定ステップは、
被対象基板から撮像して得られた検査画像を用いて多数の欠陥を検出し、該検出された多数の欠陥の特徴量を算出し、該算出された多数の欠陥に亘る各欠陥の特徴量を収集して記憶する収集ステップと、
該収集ステップにより収集された多数の欠陥に亘る各欠陥の特徴量を基に欠陥の発生分布を示す欠陥特徴量分布を作成し、該作成された欠陥特徴量分布に基づいてレビュー欠陥のサンプリングを行う欠陥サンプリングステップと、
該欠陥サンプリングステップでサンプリングされた複数のレビュー欠陥についてレビューして少なくとも欠陥クラスを付与するレビューステップとを有し、
前記収集ステップにおいて収集されたレビュー欠陥の特徴量に対する前記レビューステップにおいて付与されたレビュー欠陥の欠陥クラスを前記分類条件の教示データとして設定することを特徴とする外観検査方法。
【請求項2】
前記欠陥サンプリングステップは、前記欠陥特徴量分布として多数の欠陥に亘る所望の一次元の特徴量ヒストグラムを作成し、該作成された所望の一次元の特徴量ヒストグラムにおいて特徴量について分割した各区間からのサンプル数が、サンプルする欠陥が存在しなくなる区間を除いて略均等になるようにサンプリングすることを特徴とする請求項1記載の外観検査方法。
【請求項3】
前記欠陥サンプリングステップは、前記欠陥特徴量分布として複数の一次元の特徴量ヒストグラムを作成する作成ステップと、該作成ステップで作成された複数の一次元の特徴量ヒストグラムを表示する表示ステップと、該表示ステップで表示された複数の一次元の特徴量のヒストグラムの中から前記所望の一次元の特徴量のヒストグラムを選択する選択ステップとを含むことを特徴とする請求項2記載の外観検査方法。
【請求項4】
前記欠陥サンプリングステップは、前記欠陥特徴量分布として多数の欠陥に亘る所望の二次元の特徴量空間を作成し、該作成された所望の二次元の特徴量空間おいて特徴量について格子で区切り、各格子に含まれるサンプル数が、サンプルする欠陥が存在しなくなる格子を除いて略均等になるようにサンプリングすることを特徴とする請求項1記載の外観検査方法。
【請求項5】
前記欠陥サンプリングステップは、前記欠陥特徴量分布として複数の特徴量散布図を作成する作成ステップと、該作成ステップで作成された複数の特徴量散布図を表示する表示ステップと、該表示ステップで表示された複数の特徴量散布図の中から前記所望の二次元の特徴量空間を選択する選択ステップとを含むことを特徴とする請求項4記載の外観検査方法。
【請求項6】
前記所望の二次元の特徴量空間は、三次元以上の特徴量空間を二次元に圧縮変換したものであることを特徴とする請求項4記載の外観検査方法。
【請求項7】
前記欠陥サンプリングステップは、前記欠陥特徴量分布として多数の欠陥に亘る複数の特徴量ヒストグラムを作成する作成ステップと、該作成ステップで作成された複数の特徴量ヒストグラムを表示する表示ステップとを含み、該表示ステップで表示された複数の特徴量ヒストグラムの中から一つの特徴量ヒストグラムを選択し、該選択された一つの特徴量ヒストグラム上において自由に設定された特徴量の区間からのサンプル数が、サンプルする欠陥が存在しなくなる区間を除いて略均等になるようにサンプリングすることを特徴とする請求項1記載の外観検査方法。
【請求項8】
前記収集ステップにおいて、収集される欠陥の特徴量は、欠陥の画像に基づく特徴量と欠陥の位置座標に基づく特徴量からなることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一つに記載の外観検査方法。
【請求項9】
予め分類条件を設定する分類条件設定ステップと、被対象基板を撮像して得られる検査画像を用いて欠陥を検出し、該検出された欠陥の特徴量及びその位置情報を算出する欠陥検出ステップと、該欠陥検出ステップにおいて算出された欠陥の特徴量及びその位置情報を用いて前記分類条件設定ステップにおいて予め設定された分類条件に従って前記欠陥を分類する欠陥分類ステップとを有する外観検査方法であって、
前記分類条件設定ステップは、
被対象基板から撮像して得られた検査画像を用いて多数の欠陥を検出し、該検出された多数の欠陥の特徴量及びその位置情報を算出し、該算出された多数の欠陥に亘る各欠陥の特徴量及びその位置情報を収集して記憶する収集ステップと、
該収集ステップにより収集された多数の欠陥に亘る各欠陥の位置情報を基にクラスタを抽出し、該抽出されたクラスタ以外の欠陥について前記収集ステップにより収集された多数の欠陥に亘る各欠陥の特徴量を基に欠陥の発生分布を示す欠陥特徴量分布を作成し、該作成された欠陥特徴量分布に基づいてレビュー欠陥のサンプリングを行う欠陥サンプリングステップと、
該欠陥サンプリングステップでサンプリングされた複数のレビュー欠陥についてレビューして少なくとも欠陥クラスを付与するレビューステップとを有し、
前記クラスタ以外の欠陥について前記収集ステップにおいて収集されたレビュー欠陥の特徴量に対する前記レビューステップにおいて付与されたレビュー欠陥の欠陥クラスを前記分類条件の教示データとして設定することを特徴とする外観検査方法。
【請求項10】
予め分類条件を設定する分類条件設定ステップと、被対象基板を撮像して得られる検査画像を用いて欠陥を検出し、該検出された欠陥の特徴量及びその位置情報を算出する欠陥検出ステップと、該欠陥検出ステップにおいて算出された欠陥の特徴量及びその位置情報を用いて前記分類条件設定ステップにおいて予め設定された分類条件に従って前記欠陥を分類する欠陥分類ステップとを有する外観検査方法であって、
前記分類条件設定ステップは、
被対象基板から撮像して得られた検査画像を用いて多数の欠陥を検出し、該検出された多数の欠陥の特徴量及びその位置情報を算出し、該算出された多数の欠陥に亘る各欠陥の特徴量及びその位置情報を収集して記憶する収集ステップと、
該収集ステップにより収集された多数の欠陥に亘る各欠陥の位置情報を基にクラスタを抽出し、該抽出されたクラスタについては少数の欠陥について確認のためサンプリングを行い、クラスタ以外の欠陥については前記収集ステップにより収集された多数の欠陥に亘る各欠陥の特徴量を基に欠陥の発生分布を示す欠陥特徴量分布を作成し、該作成された欠陥特徴量分布に基づいてレビュー欠陥のサンプリングを行う欠陥サンプリングステップと、
該欠陥サンプリングステップでサンプリングされたクラスタ欠陥についてレビューして確認した欠陥クラスを付与し、前記欠陥サンプリングステップでサンプリングされた複数のレビュー欠陥についてレビューして少なくとも欠陥クラスを付与するレビューステップとを有し、
クラスタ欠陥については前記レビューステップで確認した欠陥クラスを前記分類条件の教示データとして設定し、前記クラスタ以外の欠陥については前記収集ステップにおいて収集されたレビュー欠陥の特徴量に対する前記レビューステップにおいて付与されたレビュー欠陥の欠陥クラスを前記分類条件の教示データとして設定することを特徴とする外観検査方法。
【請求項11】
予め分類条件を設定する分類条件設定手段と、被対象基板を撮像して得られる検査画像を用いて欠陥を検出し、該検出された欠陥の特徴量を算出する欠陥検出手段と、該欠陥検出手段において算出された欠陥の特徴量を用いて前記分類条件設定手段において予め設定された分類条件に従って前記欠陥を分類する欠陥分類部とを備えた外観検査装置であって、
前記分類条件設定手段は、
前記欠陥検出手段により被対象基板から撮像して得られた検査画像を用いて多数の欠陥を検出し、該検出された多数の欠陥の特徴量を算出し、該算出された多数の欠陥に亘る各欠陥の特徴量を収集して記憶する収集部と、
該収集部により収集された多数の欠陥に亘る各欠陥の特徴量を基に欠陥の発生分布を示す欠陥特徴量分布を作成し、該作成された欠陥特徴量分布に基づいてレビュー欠陥のサンプリングを行う欠陥サンプリング部と、
該欠陥サンプリング部でサンプリングされた複数のレビュー欠陥についてレビュー装置でレビューして付与された少なくとも欠陥クラスが入力される入力手段と、
前記収集部において収集されたレビュー欠陥の特徴量に対する前記入力手段で入力されたレビュー欠陥の欠陥クラスを前記分類条件の教示データとして設定する分類条件設定部とを有することを特徴とする外観検査装置。
【請求項12】
予め分類条件を設定する分類条件設定手段と、被対象基板を撮像して得られる検査画像を用いて欠陥を検出し、該検出された欠陥の特徴量及びその位置情報を算出する欠陥検出手段と、該欠陥検出手段において算出された欠陥の特徴量及びその位置情報を用いて前記分類条件設定手段において予め設定された分類条件に従って前記欠陥を分類する欠陥分類部とを備えた外観検査装置であって、
前記分類条件設定手段は、
被対象基板から撮像して得られた検査画像を用いて多数の欠陥を検出し、該検出された多数の欠陥の特徴量及びその位置情報を算出し、該算出された多数の欠陥に亘る各欠陥の特徴量及びその位置情報を収集して記憶する収集部と、
該収集部により収集された多数の欠陥に亘る各欠陥の位置情報を基にクラスタを抽出し、該抽出されたクラスタ以外の欠陥について前記収集部により収集された多数の欠陥に亘る各欠陥の特徴量を基に欠陥の発生分布を示す欠陥特徴量分布を作成し、該作成された欠陥特徴量分布に基づいてレビュー欠陥のサンプリングを行う欠陥サンプリング部と、
該欠陥サンプリング部でサンプリングされた複数のレビュー欠陥についてレビュー装置でレビューして付与された少なくとも欠陥クラスを入力する入力手段と、
前記クラスタ以外の欠陥について前記収集部において収集されたレビュー欠陥の特徴量に対する前記入力手段で入力されたレビュー欠陥の欠陥クラスを前記分類条件の教示データとして設定する分類条件設定部とを有することを特徴とする外観検査装置。
【請求項13】
外観検査装置から得られる多数の欠陥に亘る各欠陥の特徴量を収集して記憶する収集部と、
該収集部により収集された多数の欠陥に亘る各欠陥の特徴量を基に欠陥の発生分布を示す欠陥特徴量分布を作成し、該作成された欠陥特徴量分布に基づいてレビュー欠陥のサンプリングを行う欠陥サンプリング部と、
該欠陥サンプリング部でサンプリングされた複数のレビュー欠陥についてレビュー装置でレビューして付与された少なくとも欠陥クラスが入力される入力手段と、
前記収集部において収集されたレビュー欠陥の特徴量に対する前記入力手段で入力されたレビュー欠陥の欠陥クラスを前記分類条件の教示データとして設定する分類条件設定部とを備えたことを特徴とする分類条件設定装置。
【請求項14】
外観検査装置から得られる多数の欠陥に亘る各欠陥の特徴量及びその検査画像を収集して記憶する収集部と、
該収集部により収集された多数の欠陥に亘る各欠陥の特徴量を基に欠陥の発生分布を示す欠陥特徴量分布を作成し、該作成された欠陥特徴量分布に基づいてレビュー欠陥のサンプリングを行う欠陥サンプリング部と、
該欠陥サンプリング部でサンプリングされた複数のレビュー欠陥についてレビュー装置でレビューして得られたレビュー画像が入力される入力手段と、
前記収集部において収集された複数のレビュー欠陥の検査画像と前記入力手段で入力された複数のレビュー欠陥のレビュー画像との画像の一覧をモニタ上に表示し、該表示された画像の一覧に対して欠陥クラスを教示する欠陥クラス教示手段と、
前記収集部において収集されたレビュー欠陥の特徴量に対する前記欠陥クラス教示手段で教示されたレビュー欠陥の欠陥クラスを前記分類条件の教示データとして設定する分類条件設定部とを備えたことを特徴とする分類条件設定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−266872(P2006−266872A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−85381(P2005−85381)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】