説明

外部給電装置、および、電動車両

【課題】屋外での用途に適した外部給電装置などを提供する。
【解決手段】長時間用としての使用を予定される端子を1つ含む複数の端子を有する外部給電端子部14と、高電圧バッテリ2の電力を端子箱14に供給するDC−ACインバータ12と遮断装置13と、これらを制御する制御装置11と、を備える外部給電装置1である。この外部給電装置1の制御装置11は、長時間用の電気機器U1の消費電力と使用時間とに基づいて、長時間用の電気機器U1が使用時間の間に消費する消費電力量を算出して高電圧バッテリ2の使用下限SOCを設定する使用下限SOC設定部と、高電圧バッテリ2の実測SOCと使用下限SOCとを比較し、その結果に基づいて、高電圧バッテリ2の残量に関する制御を行う給電制御部とを有するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行用のモータを備えた電動車両の外部給電に関する技術であり、より具体的には、蓄電池からの過放電を防止する外部給電装置、および、電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、走行用のモータを備えた電動車両(電気自動車)が注目されている。電気自動車は、モータに供給する電力を蓄えておく蓄電池をあわせて備えている。この蓄電池は、モータへの電力供給という主たる用途のほかに、種々の用途が考えられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、「住宅の家庭用電源から電気自動車への電力供給と、逆に電気自動車から住宅側への電力供給の双方を可能にして電力需要の平準化を実現するとともに、低コストで電気自動車側に所定の電力を確保して急な外出にも対応できるようにした電気自動車を用いた電力マネジメントシステム」が記載されている。また、特許文献2には、「災害時などにおいて商用電力の供給が停止された状態(停電状態)であっても、電源装置から継続的な給電を行わせることができる建物の電力供給システム」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−8380号公報(段落0005)
【特許文献2】特開2007−236023号公報(段落0005)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、両文献はどちらも、電気自動車から自宅への給電を想定しており、キャンプ、バーベキュー、花見などのように、屋外での用途については想定されていない。
【0006】
そこで、本発明は、屋外での用途に適した外部給電装置などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題に対して、本発明者らは鋭意研究を行い、電動車両の蓄電池からの給電を受ける外部の電気機器には、長時間にわたって使用されるものがあり、この長時間用の電気機器とそれ以外の外部電気機器とを分けて給電の制御を行うことにより前記課題が解決されることに着目し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、前記課題を解決した請求項1の発明は、蓄電池に蓄えられた電力により走行用モータを駆動する電動車両に搭載され、屋外で使用される電気機器への給電用として、長時間用としての使用を予定される長時間使用の端子を少なくとも1つ含む複数の端子を有する外部給電端子部と、蓄電池の電力を外部給電端子部に供給する外部給電回路と、給電用回路を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置が、前記長時間用の端子に接続される長時間用の電気機器の消費電力とその使用時間とに基づいて、前記蓄電池の使用下限容量を設定する外部給電装置である。この外部給電装置は、前記制御装置は、前記長時間用の端子からの電力持ち出しの有無にかかわらず、前記使用下限容量を、前記使用時間が経過するまで、前記長時間使用の電気機器の消費電力に相当する一定の傾きで下げる使用下限容量設定部を有することを特徴とする。
【0009】
この請求項1の構成によれば、長時間用の電気機器の消費電力に相当する一定の傾きで使用下限容量が下げられる。なお、使用下限容量は使用下限SOC(State Of Charge)である。
【0010】
前記課題を解決した請求項2の発明では、制御装置は、蓄電池から屋外で使用される電気機器への給電を停止する蓄電池の最低容量を設定する最低容量設定部を有することを特徴とする。
【0011】
この請求項2の構成によれば、最低容量との比較の結果、給電回路による給電の停止が判断される。
【0012】
前記課題を解決した請求項3の発明では、最低容量設定部は、電動車両の位置および最寄りの充電スタンドの位置の間の地図上の距離と、過去の電費とに基づいてその間を走行するのに必要な電力量を算出し、当該算出した電力量に基づいて蓄電池の最低容量を設定することを特徴とする。
【0013】
この請求項3の構成によれば、電動車両が最寄りの充電スタンドまで走行できる蓄電池の容量が確保される。
【0014】
前記課題を解決した請求項4の発明では、前記制御装置は、前記蓄電池から前記屋外で使用される電気機器への給電中に、前記蓄電池の実測の残容量が前記下限容量よりも低下したときは、ユーザに対して警告を行うことを特徴とする。
【0015】
前記課題を解決した請求項5の発明は電動車両であり、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の外部給電装置を実装したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、屋外での用途に適した外部給電装置などを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る第1実施形態の全体構成を説明する図である。
【図2】第1実施形態の制御装置の機能などを示すブロック図である。
【図3】第1実施形態の長時間用電気機器情報の例を示す図である。
【図4】第1実施形態の制御装置の全体制御を示すメインフローチャートである。
【図5】図1の入力装置と表示装置の例を示すとともに、表示装置に表示される画面の例を示す図である。
【図6】図4のメインフローチャートにおける使用下限SOC設定処理を示す詳細フローチャートである。
【図7】最低SOCや使用下限SOCなどの関係を示す図であり、(a)は開始時、(b)は2時間経過時をそれぞれ示す。
【図8】本発明に係る第2実施形態として、図4のメインフローチャートにおける最低SOC算出処理を示す詳細フローチャートである。
【図9】外気温と予想エアコン消費電力との関係を示すマップである。
【図10】バッテリの使用年数と予想バッテリ劣化量(電圧降下値)の関係を示すマップである。
【図11】重量と電費降下値との関係を示すマップである。
【図12】バッテリの温度とバッテリ電圧低下係数の関係を示すマップである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明である、外部給電装置などを実施するための形態(以下「実施形態」という)について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
≪第1実施形態≫
まず、レジャーやキャンプなどのアウトドア(野外活動)に好適な外部給電装置(電動車両、外部給電方法)の実施形態を説明する。
【0020】
(全体構成)
図1は、第1実施形態の全体構成を説明する図である。まず、電動車両Vの構成を説明する。図1に示すように、外部給電装置1が搭載される電動車両Vは、高電圧バッテリ2、PDU(Power Drive Unit)3、走行モータ4、ナビ装置5(第2実施形態)などを備える一般的な電気自動車である。本実施形態の電動車両Vは、外部給電装置1を搭載している以外は一般的な構成であるので、詳細な説明を省略する。なお、電動車両Vとしては、電気自動車のほかにプラグインハイブリッド車や燃料電池車などのように、高電圧バッテリ2を搭載した車両があげられる。ちなみに、この例では、外部給電装置1は、電動車両に実装(内蔵)されている。
【0021】
図1に示す外部給電装置1は、電動車両Vの高電圧バッテリ2に蓄えられている電力を、車両外部の電気機器U(U1、U2、U2)に供給する装置として構成されている。このため、図1に示す外部給電装置1は、制御装置11、DC−ACインバータ12、遮断装置13、端子箱14、入力装置15、表示装置16、スピーカ17などを備えている。
【0022】
このうち、制御装置11は、外部給電装置1が備える各機器を統括制御する機能を有するともに、後記する図4などのフローチャートの制御を実行する機能を有する機器である。DC−ACインバータ12は、高電圧バッテリ2に蓄えられている直流電力を入力して100Vの単相交流電力に変換して出力する機能を有する機器である。遮断装置13はいわゆるブレーカであり、二次側(電気機器Uなどの側)で起こった過負荷や短絡などに対して、電路を開放して、二次側への電力供給を直ちに遮断する機能を有する機器である。端子箱14は、電気機器Uが備えるプラグが差し込まれるソケットを3つ備えている。入力装置15は、利用者の指示を制御装置11に入力する機能を有する機器である。表示装置16は、制御装置11の制御結果などを視覚的に利用者に示す機能を有する機器である。
ちなみに、本実施形態では、端子箱14が3つ備えるソケット(端子)のうち、左端のソケットが長時間用の使用が予定される長時間用ソケットであるとする。
【0023】
ナビ装置(ナビゲーション装置)5は、3つ以上のGPS衛星S(図2参照)からの電波を受信することにより自身(ナビ装置5を搭載する電動車両V)の地球上での位置(緯度・経度・高度)を算出する機能を有するとともに、後記するように、最寄りの充電スタンドまでのルート探索を行う機能などを有する機器である。
【0024】
電気機器Uは、この図1の例では、長時間用の電気機器U1が1つ、それ以外の電気機器U2が2つ示されている。長時間用の電気機器U1は、後記する図3に示されるものがあげられる。なお、いずれも100Vの単相交流電力により作動する機器である。本実施形態では、長時間用の電気機器U1は、長時間にわたり端子箱14のソケットに差し込まれた状態にされる。一方、それ以外の電気機器U2は、適宜ソケットから抜き差しして取り替えながら使用される。
【0025】
(制御装置)
図2は、制御装置11の機能などを示すブロック図である。制御装置11は、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、各種の入出力インタフェイス、電源回路などを備える(いずれも図示は省略)。この制御装置11は、ソフトウェア構成として、図2に示すように、入出力制御部11a、使用下限SOC設定部11b、最低SOC設定部11c、給電制御部11dと記憶部11eを備える。これらのブロック(各部)は、ハードディスクやフラッシュデバイスなどの記憶装置から該当するプログラムやデータがRAM上に読み出されて配備され、CPUにより実行・利用されるものとする。
【0026】
このうち、入出力制御部11aは、DC−ACインバータ12、遮断装置13、入力装置15、表示装置16、スピーカ17などとの信号やデータの授受に関する制御を行う機能に加え、バッテリECU2aやナビ装置5との信号やデータの授受に関する制御を行う機能を有する。また、入出力制御部11aは、入力装置15や表示装置16を介した利用者とのユーザインタフェイスに関する制御(ユーザインタフェイス制御)を行う機能を有する。なお、この入出力制御部11aの具体的な機能は、後記する動作説明において詳細に説明する。
【0027】
また、使用下限SOC設定部11bは、ユーザに高電圧バッテリ2のSOCの低下を通知するか否かを判定する使用下限値(使用下限SOC)を設定する機能を有する。ここで使用下限SOC(使用下限容量)は、長時間用の電気機器U1の消費電力(W)と使用予定時間(h)により定めるが、後記する最低SOC(最低容量)よりは高い値をとる。なお、この使用下限SOC設定部11bの具体的な機能も、後記する動作説明において詳細に説明する。ちなみに、使用下限SOC設定部11bは、長時間用の端子(長時間使用の電気機器U1が接続されている端子)からの電力持ち出しの有無にかかわらず、換言すると、長時間使用の電気機器U1が実際に電力を消費しているか否かにかかわらず、長時間使用の電力機器の消費電力に相当する一定の傾きで、使用下限SOCを下げてゆく。
【0028】
最低SOC設定部11cは、高電圧バッテリ2からの電流の取り出し(放電)を禁止する判定値となる最低SOCを設定する機能を有する。最低SOCは、ナビ装置5との協調制御により自動で設定される場合と、ユーザの意思による手動で設定される場合とがある。この最低SOC設定部11cの具体的な機能も、後記する動作説明において詳細に説明する。
【0029】
給電制御部11dは、バッテリECU2aから取得される高電圧バッテリ2のSOC(以下「実測SOC」という)と前記した最低SOCとを比較し、実測SOCが最低SOC以下になった場合には(以下になった時点で)、遮断装置13を制御して外部給電を停止する機能を有する。また、給電制御部11dは、実測SOCと使用下限SOCとを比較し、実測SOCが使用下限SOC以下になった場合に(以下になった時点で)、スピーカ17を制御してユーザに対して所定のメッセージを通知する機能を有する。この給電制御部11dの具体的な機能も、後記する動作説明において詳細に説明する。
【0030】
記憶部11eには、各種情報やデータやプログラムのほか、最低SOCを設定するのに必要となる当該電動車両Vの過去の走行履歴に基づく電費情報11e1や、使用下限SOCを設定するのに必要となる電気機器の消費電力などに関する長時間用電気機器情報11e3やメッセージデータ11e3、マップ類11e4(第2実施形態)などを記憶している。
【0031】
図3は、長時間用電気機器情報11e2の一例のテーブルを示す図である。図3に示すように、長時間用電気機器情報11e2には、電気機器の種別、電気機器名、消費電力が記憶されている。長時間用の電気機器U1としては、図3のテーブルに示される赤外線ヒータなどがあげられる。ちなみに、外部給電装置1の端子箱14のソケットには、長時間用の電気機器U1ばかりでなく、短時間用の電気機器U2のコンセントも差し込まれる。短時間用の電気機器U2としては、IHヒータ(約1800W)、ホットプレート(1300W)、炊飯器1.2kW、電気ドリル(500W)、掃除機(500W)・・・があげられる。長時間用かそれ以外かは、例えば2時間以上連続使用するか否かを境界にすることができる。
【0032】
(高電圧バッテリ)
電動車両Vが搭載する高電圧バッテリ2について説明する。高電圧バッテリ2は、例えば角型のリチウムイオン二次電池(単電池)が、複数直列に(適宜並列に)接続されて、図示しない電池ボックスに収められた組電池であり、出力電圧は数百Vである。高電圧バッテリ2のエネルギ容量(Wh)については、市販の電気自動車と同様に数十kWhであるものとする。
【0033】
本実施形態では、高電圧バッテリ2(電池)については、放電容量、エネルギ容量、SOCとの用語を用い、電気機器Uについては、消費電力、消費電力量との用語を用いるが、これらの用語について説明する。
【0034】
まず、高電圧バッテリ2について、「放電容量」は、満充電の状態から放電ができなくなるまでの電圧(放電終止電圧)に至るまでに電池(高電圧バッテリ2)から取り出すことができる電気量で示され、単位はAh(アンペア時)である。放電容量が500Ahである電池からは、100Aの電流を5時間取り出すことができる。また、「エネルギ容量」は、電池が蓄えている電力量を示し、単位はWh(ワット時)である。エネルギ容量が30000Wh(=30kWh)である電池からは、30kWの電力を1時間取り出せる。整理すると、放電容量とエネルギ容量は下記の式の関係がある。
・放電容量(Ah)=規定放電電流(A)×放電終止電圧までの連続放電時間(h)
・エネルギ容量(Wh)=放電容量(Ah)×放電終止電圧までの平均電圧(V)
【0035】
「SOC」は電池の残量を%で示す指標であるが、ここでは、満充電のときをSOC=100%とし、満充電の状態からその電池のエネルギ容量(Wh)分の電力量(Wh)を放電したときをSOC=0%とする。ただし、電池の健全性を維持するため、放電終止電圧まで(SOCが0%になるまで)放電されることは、通常行われない。
【0036】
次に、電気機器Uについて、その「消費電力」はWで示され、また、「消費電力量」はWhで示される。つまり、1000Wの消費電力の電気機器Uを1時間使用したときの消費電力量は1000Whであり、5時間使用したときの消費電力量は5000Whである。例えば30kWhのエネルギ容量の電池(高電圧バッテリ2)と1000W(つまり1kW)の消費電力の電気機器Uとを接続し、その電気機器Uを3時間使用したとすると、電気機器Uの消費電力量は3kWhになる。この3kWhという消費電力量は、エネルギ容量が30kWhである電池のSOCを、例えば70%から60%へというように、SOCの%の値を10低減させる分に相当する。
【0037】
(第1実施形態の動作)
次に、図4〜図7を参照して、第1実施形態の外部給電装置1の動作を説明する。図4は、制御装置の全体制御を示すメインフローチャートである。なお、動作の説明の前提として、電動車両Vは、アウトドア用品が積み込まれ、ユーザの運転によりキャンプ地に向かい、そこで、電気機器Uに給電するものとする。
【0038】
まず、ユーザは、電気機器Uなどを電動車両Vから降ろしてキャンプの準備をする。ちなみに、電気機器Uのうち、長時間用の電気機器U1は電気ヒータであるとする。ユーザは、電動車両Vの端子箱14を塞ぐ図示しないリッド(蓋)をあけて電気機器Uへの給電の準備をする。また、ユーザは、図示しない操作スイッチを操作することで、外部給電装置1をONにする。これにより、図4のメインフローチャートによる処理が開始される。
【0039】
図4のステップS2では、ユーザによる希望SOCが入力されたか否かを判定する。希望SOCは、ユーザとして、高電圧バッテリ2に確保しておきたいSOCの値である。希望SOCが入力装置15を介して入力された場合は(S2→Yes)、入力された希望SOCを最低SOCとして設定する(S6)。一方、最低SOCが入力されない場合は(S2→No)、最低SOC設定部11cが最低SOCを算出する(S4)。最低SOCの算出の仕方については、図8〜図12を参照して後で(第2実施形態で)詳しく説明する。
【0040】
最低SOCが算出されると、その値をそのまま最低SOCとして設定する(S6)。最低SOCは、その値よりもSOCが低下した場合に、外部給電を停止するというように(後記するS26参照)、外部給電を継続するか否かを判定する基準値になる。つまり、最低SOCは、電動車両Vの高電圧バッテリ2に確保しておきたいSOC(電力量(kWh)もしくはエネルギ容量(kWh))を設定するものである。なお、ステップS4で算出される最低SOCは、後記するように最寄りの充電スタンドまで走行できるSOCの値とされる。一方、ユーザが入力した希望SOCに基づく最低SOCは、ユーザの思惑などにより、様々に設定される。
ちなみに、最低SOCは、実測SOCよりも高い値とすることはできないものとし、仮に、ユーザによる希望SOCの入力値が実測SOCよりも高い値の場合は、制御装置11は、表示装置16に表示する画面を介して、希望SOC(つまり最低SOC)の再入力を促すものとする。
【0041】
最低SOCを設定すると(S6)、本実施形態では、給電制御部11dが遮断装置13をONにして外部給電開始を可能にする(S8)。なお、この時点で端子箱14のソケットに電気機器Uのプラグが差し込まれ、電気機器Uの図示しないスイッチがONにされれば、外部給電装置1はDC−ACインバータ12を作動させて、AC100Vの単相交流電力の給電を開始する。
【0042】
ステップS10では、長時間用ソケットに電気機器Uのプラグが差し込まれているか否かを判定する。この判定は、長時間用ソケットにマイクロスイッチなどを備えることで、実行可能である。差し込まれていない場合は(S10→No)、長時間用ソケット以外のソケットにより給電が行われていることがあり得ることから、実測SOCが最低SOC以下になったか否かを判定する(S12)。前記のとおり、最低SOCは、高電圧バッテリ2に確保しておきたい電力量を示すSOCの値である。実測SOCが最低SOC以下になった場合(S12→Yes)は、ステップS26により外部給電を停止する。つまり、給電制御部11dが遮断装置13をOFFにし、高電圧バッテリ2からの更なる外部への給電を停止する(S26)。一方、ステップS12がNoの場合は、遮断装置13をOFFにしないで、ONのままにしておく。これにより、外部給電が行われている場合は、そのまま給電が継続される。
【0043】
ステップS10で長時間用ソケットへの差し込みを検知したときは(S10→Yes)、入出力制御部11aは、図5に示す入力画面を表示装置16に表示し、ユーザに入力装置15を介した電気機器U1の種類とその消費電力を入力させる(S14)。図5では、種別として「赤外線ヒータ 1000W」と表示されているが、この内容は、プルダウンメニュにより、図3の長時間用電気機器情報11e2に登録されているものが、入力装置15の操作に応じて順次表示され、ユーザが選択できるようになっている。この点は、終了年月日、終了時刻についても同じである。図5の画面上では、終了年月日は「2010年6月25日」、終了時刻は「1時00分」である。つまり、ユーザは、赤外線ヒータを、6月24日の18時00分から翌日の1時(25時)00分まで、連続7時間使う予定でいる。入力が完了しない場合は(S16→No)入力を待ち、入力が完了すると(S16→Yes)、ステップS18に移行する。
【0044】
ステップS18は使用下限SOCを設定するステップであるが、これは、いわば、長時間用の電気機器U1の連続7時間使用分の電力量(kWh)を仮想的に確保するものである。この使用下限SOCの設定には、ステップS14・S16で入力した種別(消費電力)と使用終了時刻(連続使用時間)が用いられ、長時間用の電気機器U1の使用終了時刻に向けて値が小さくなるように(カウントダウンするように)設定される。
【0045】
即ち、図6のフローチャートに示すように、「使用下限SOC設定」では、まず、使用する電気機器U1の消費電力の算出が行われる(S12A)。この消費電力の算出は、この例では、ステップS16で入力される電気機器U1の消費電力をそのまま消費電力とするものである。例えば、図5の入力画面で1000Wとあれば、ステップS12Aでは1000Wがそのままの消費電力の値として算出される。次に、長時間用の電気機器U1の連続使用時間を算出する(S12B)。連続使用時間は、現在時刻−終了時刻であり、時々刻々小さな値になって、現在時刻が終了時刻になったときにその値は0になる。つまり、連続使用時間は、設定した終了時刻までの残り時間である。
【0046】
ステップS12Bに続いて、長時間用の電気機器U1の予想消費電力量を算出する(ステップS12C)。ここでは、ステップS12Aでの消費電力(W)にステップS12Bでの連続使用時間(残り時間)を掛け合わせることで、終了時刻になるまでの残り時間で電気機器U1がどれだけの電力量(kWh)を消費するかを算出(予想)する。続いて、ステップS12Cで算出した予想消費電力量をSOCに換算する(S12D)。換算の仕方は既に説明したとおりであり、例えば30kWhのエネルギ容量の高電圧バッテリ2に対して、予想消費電力が3kWhであれば、換算されたSOCの値は10%になる。もちろんこの値も、時間の経過とともに小さな値になる。
【0047】
最後に、使用下限SOCの算出とその設定を行う(S12E)。使用下限SOCは、ステップS6で設定された最低SOCにステップS12Eで換算したSOCを足し合わせることで算出され、その算出された値が使用下限SOCとして設定される。なお、αは適宜設定される値であり、0よりも大きな値をとるが、ここでは0であるとする。
制御装置11は、ステップS12Eが終了すると、メインルーチンである図4のメインフローチャートに処理を戻す。
【0048】
図6のフローチャートで使用下限SOCを設定した後は、バッテリECU2aから取得される実測SOCが使用下限SOC以下になったか否かを判定する(S20)。これは、長時間用の電気機器U1に仮想的に確保したSOC(電力量)が、高電圧バッテリ2から消費(放電)されてしまったか否かを判定するものである。
【0049】
実測SOCが使用下限SOC以下ではない場合は(S20→No)、再度、使用下限SOCを設定する(S18)。ちなみに、ステップS18では、長時間用の電気機器U1が実際に電力を消費しているか否かは関係ない(長時間用の端子からの電力持ち出しの有無は関係ない)。つまり、電気機器U1がスイッチOFFの場合は、その間の消費電力量はないが、これはいわば節電であり、節電された電力量は短時間用の電気機器U2の給電に回すことができる。なお、このようにしても、長時間用の電気機器U1が消費する分の電力量は確保される。
【0050】
ステップS20において、実測SOCが使用下限SOC以下になった場合は(S20→Yes)、高電圧バッテリ2からの放電が予定よりも多いためであるので、このことをユーザに通知して注意を喚起する(S22)。通知は、入出力制御部11aがメッセージデータ11e3を読み出すなどして、スピーカ17を介しての音声により屋外のユーザに対して行う。これにより、ユーザは、外部給電されている電気機器UのスイッチをOFFにしたり、出力を強から弱へと変えたりして、電力消費(高電圧バッテリ2からの放電)を抑えることができる。
【0051】
次に、ステップS24で、実測SOCが最低SOC以下であるか否かを判定する。実測SOCが最低SOC以下になった場合(S24→Yes)は、高電圧バッテリ2に最低SOCを確保するという趣旨から、給電制御部11dが遮断装置13をOFFにして外部給電を停止し(S26)、メインフローチャートの処理を終了する。
【0052】
一方、実測SOCが最低SOC以下になっていない場合(S24→No)は、処理をステップS18に戻して、再度、使用下限SOCを設定する。前記のとおり、使用下限SOCは、外部給電装置1に接続された電気機器Uが実際に電力を消費している・消費していないにかかわらず、終了時刻に向けて長時間用の電気機器U1の消費電力分だけ毎回小さくなるように計算・設定される。ここで、一旦ステップS20で、実測SOCが使用下限SOC以下になっても(S20→Yes)、ステップS22の通知でユーザが電気機器Uのスイッチを切ったり出力を低下させたりして節電すれば、つまり、長時間用の電力機器U1の設定上の消費電力量(kWh)よりも実際に節電した分の消費電力量(kWh)の方が大きければ(高電圧バッテリ2からの持ち出し分が少なければ)、今回のステップS20はNoになる(実測SOC>使用下限SOC)。
【0053】
補足すると、仮に、終了時刻の25時の2時間前である23時の時点で、一旦ステップS20がYesになっても(実測SOC≦使用下限SOC)、その時点での実測SOCが最低SOC以下になっていなければ(つまりS24→Noであれば)、ユーザが自身の意思で電気機器Uのスイッチを一旦切ったり出力を低下させたりすることで、新たに計算・設定された使用下限SOCと実測SOCとを比較する次回のS20においては、実測SOC>使用下限SOC(つまりS20→No)とすることができる。
【0054】
ちなみに、外部給電の開始時での実測SOCが使用下限SOCを超える状況で(実測SOC>使用下限SOC)、長時間用の電気機器U1のみに対して給電を行う場合、ステップS20がYes(実測SOC≦使用下限SOC)になること、つまり、ステップS20がYesになってステップS22の通知が行われることはないといえる。
なお、ステップS22は、「蓄電池の残容量と使用下限容量とを比較し、その結果に基づいて、蓄電池の残量に関する制御を行う」ということである。
【0055】
次に、図7を参照して、最低SOCや使用下限SOCなどを補足説明する。図7は、最低SOCや使用下限SOCなどの関係を示す図であり、(a)は開始時、(b)は2時間経過時をそれぞれ示す。
【0056】
図7(a)に示すように、外部給電を開始した18時00分の時点においては、電動車両Vの実測SOCは80%である(あったとする)。また、最低SOCは30%に設定されたとする。使用下限SOCについて、本実施形態では1000Wの赤外線ヒータを7時間(25時まで)使用するので、予想消費電力量は7000Wh(=7Kwh)であり、これをSOCに換算すると約23%である。つまり、使用下限SOCは53%になる(α=0とする)。すると、ユーザは、27%のSOCに相当する電力を長時間用の電気機器U1以外の短時間用の電気機器U2(ホットプレートなど)に対して自由に給電することができることになる(自由使用)。なお、前記のとおり、本実施形態の高電圧バッテリ2のエネルギ容量は30kWhであるとする。また、図7の上側の横棒で示す「実測SOC」は文字通り実測値であるが、下側の横棒で示す「最低SOC」、「予想消費電力量から換算したSOC」、「使用下限SOC」、「自由使用」は計算値(見込み値)である。
【0057】
2時間経過時の、図7(b)では、実測SOCは62%である(あったとする)。つまり、2時間の間に、SOCにして18%(=80%−62%)に相当する電力量が高電圧バッテリ2から放電された。長時間用の電気機器U1は、あと5時間使用されるので、5kWhの予想消費電力量となる。これをSOCに換算すると17%である。つまり、使用下限SOCは、47%になる。
【0058】
換言すると、長時間用の電気機器U1は、2時間の間に、2kWhの電力量を消費しているが、この値はSOCに換算すると、6〜7%になる。ちなみに、長時間用の電気機器U1のスイッチが途中にOFFされても、その消費電力量は2kWhである。一方、自由使用のSOCは計算上15%になる。仮に、長時間用の電気機器U1がスイッチOFFされることなく、かつ、出力が弱められることなく使用されていたとすると、長時間用ではない電気機器U2(ホットプレートや炊飯器など)に、12%(=27%−15%)のSOCに相当する電力が供給されたことになる。つまり、ホットプレートや炊飯器などが、3.6kWhの電力量を2時間の間に消費したことになる。
なお、長時間用の電気機器U1以外の短時間用の電気機器U2は、端子箱14のソケットを抜き差しして、適宜取り替えながら使用される。
【0059】
(第1実施形態の効果など)
以上説明した第1実施形態によれば、使用下限SOCの設定により、長時間用の電気機器U1を、設定した終了時刻まで連続使用することができる。また、「最低SOC設定」で、例えば、最寄りの充電スタンドや自宅まで走行する電力量が高電圧バッテリ2に確保できる。つまり、高電圧バッテリ2からの過放電を防止することができる。これにより、屋外での用途に適した外部給電装置1とすることができる。
【0060】
≪第2実施形態≫
次に、第1実施形態における「最低SOC設定」の具体例を図8〜図12を参照して説明する。
【0061】
図4のメインフローチャートのステップS4においては、図8に示すフローチャートの制御が実行される。先ず、図8のステップS4Aにおいては、最低SOC設定部11cが自動設定を行うか否かを判定する。この判定では、電動車両Vがナビ装置5を搭載しているか否かによって、搭載している場合は自動設定を行うと判定し(S4A→Yes)、搭載していない場合は自動設定を行わないと判定する(S4A→No)。なお、電動車両Vがナビ装置5を搭載しているか否かは、IGON時などのCAN(Controller Area Network)通信などにより、相手の機器の存在を互いに確認しあっているので、把握しているものとする。
【0062】
S4Aにおいて、自動設定しない場合(S4A→No)は、ステップS4Hに移行する。一方、自動設定する場合(S4A→Yes)は、最寄りの充電スタンドまでの距離(RangM)を算出する(S4B)。この場合、最低SOC設定部11cがナビ装置5に対して、距離算出要求を行い、ナビ装置5が現在位置の検出やルート探索を行い、最寄りの充電スタンドまでの距離(RangM)を算出するものとする。次に、最寄り充電スタンドまでの標高差による予想エネルギ収支(IncW)を算出する(S4C)。これは、最低SOC設定部11cが、ナビ装置5に対して、標高差の取得要求を行い、ナビ装置5から得られた標高差から予想エネルギ収支を算出するものとする。なお、標高差があるほど、エネルギ収支は悪化する。
【0063】
次に、図9のマップを参照して、外気温から予想エアコン消費電力(AccW)を算出する(S4D)。これは、図示しない外気温センサから取得される外気温と、図9のマップを用いて算出する。ちなみに、外気温が高いときには冷房の負荷がかかり、外気温が低いときには暖房の負荷がかかるので、エアコンの負荷が増えることになる。なお、電動車両Vは、エンジンを搭載した旧来の車両のような大きな熱源(エンジン)がないので、暖房にも高電圧バッテリ2の電力をそれなりに使用することになる。
【0064】
次に、図10のマップを参照して、高電圧バッテリ2の使用年数から電圧降下値を(DownV)を算出する(S4E)。なお、使用年数は、バッテリECU2aから取得することができる。
【0065】
次に、図11のマップを参照して、電動車両Vの乗員数から重量による電費降下値(DwonW)を算出する(S4F)。なお、乗員数は、電動車両Vがサスペンションのストロークセンサを備えるものであれば、この値を取得することで乗員数を算出することができる。
【0066】
次に、図12を参照して、現在の高電圧バッテリ2の温度からバッテリ電圧低下係数(kt)を算出する(S4G)。なお、高電圧バッテリ2の温度も、バッテリECU2aから取得することができる。高電圧バッテリ2の使用年数や温度は、バッテリECU2aにとって、重要な管理項目である。
【0067】
ステップS4Hでは、平均電費(AveW)を、記憶部11eの電費情報11e1を読み出すことで取得する。
【0068】
ステップS4Iでは、自動設定中か否かを判定する。自動設定中でなければ(S4I→No)、ステップS4Hで取得した平均電費と、現時点における実測SOC(バッテリ残)から走行可能距離を、表示装置16を介してユーザに通知し、ユーザに最低SOCの入力を促す(S4K)。なお、ここでの走行可能距離は、外部給電をする前の値である。
ちなみに、ステップS2の希望SOCは、残りの走行距離とは関係なしに入力される。
【0069】
一方、自動設定中の場合(S4I→Yes)は、各パラメータから所定の計算式により最低SOCを算出する(S4J)。この最低SOCは、最寄りの充電スタンドまで走行可能な電力量を高電圧バッテリ2に確保するための値として使用される。
【0070】
以上説明した第2実施形態によれば、ナビ装置5との協調制御により、最寄りの充電スタンドまでの電力量を高電圧バッテリ2に確保したうえで、外部給電を行うことができるので、屋外での用途により適した外部給電装置1とすることができる。
【0071】
≪その他≫
以上説明した実施形態は、一例であり、幅広く変形実施することができる。例えば、電動車両Vのルーフなどに太陽電池パネルを取付けて、外部給電を行うようにしてもよい。
また、ソケットに差し込まれた電気機器Uが何であり消費電力はどのくらいであるかを、ICタグや、電力線搬送などの技術を利用して自動判別可能にするようにしてもよい。この場合、制御装置11が、ICタグや電力線搬送により電気機器Uから得られた情報により、ソケットに差し込まれた電気機器Uが長時間用の電気機器U1であることが分かれば、自動的に図4のメインフローチャートを起動することができ、かつ、ステップS14・S16における種別(消費電力)のユーザによる入力を省略することができる。
【0072】
また、ステップS14・S16における長時間用の電気機器U1は1台のみの使用を想定したが、1台に限らず、長時間用の電気機器U1を2台、3台と使用することも可能であり、この場合は、1台目についての種別(消費電力)と終了時刻、2台目についての種別(消費電力)と終了時刻というように、複数台設定することすることも可能である。なお、長時間用ソケットにテーブルタップを差し込んでタコ足的な配線にして、1つの長時間用ソケットから、赤外線ストーブや照明に給電することもできる。また、端子箱14のソケットの数は3つに限られるものではない。また、電気魔法瓶のように、湯沸し時と保温時とで、消費電力が異なるものについては(図3参照)、これを考慮して使用下限SOCを設定するようにすることができる。ちなみに、湯沸しは15分程度で完了する。
【0073】
また、終了時刻を設定する例を説明したが、開始時刻も設定するようにしてもよい。ちなみに、18時00分のときに20時00分から27時(翌日の3時)まで使用すると設定した場合、18時〜20時まではずっと7時間分の消費電力量に相当するSOCと最低SOCを加算した値が使用下限SOCとして算出され続け(つまり残り時間は7時間のままとされ)、20時以降から残り時間が減算される。そして、その減算された残り時間に相当するSOCと最低SOCとを加算した値が使用下限SOCとして、毎回算出される。
また、これから8時間使用というように、使用時間だけを設定するようにしてもよい。
【0074】
また、長時間用ソケットを定めたが、特に長時間用ソケットを定める必要はない。また、端子箱14を、高電圧バッテリ2の充電用のソケットと共用することもできる。
また、前記した実施形態では、実測SOC≦使用下限SOCの場合、高電圧バッテリ2のSOCの低下をユーザに通知し、ユーザに節電を促すこととしたが、能動的に電気機器U(U1および/またはU2)への給電の停止や制限を、一時的に(例えば実測SOC>使用下限SOCになるまで)行う制御を実行してもよい。
【0075】
また、ナビ装置5を外部給電装置1と別体としたが、外部給電装置1とナビ装置5を一体化することも可能である。また、入力装置15と表示装置16を、携帯電話やゲーム機などとすることも可能である。この場合は、例えば有線通信や無線通信が利用される。
また、外部給電装置1を電動車両Vに内蔵(実装)する例を示したが、外付けにすることも可能である。つまり、ユーザは、電気機器Uなどのアウトドア用品とともに、外部給電装置1を電動車両Vに搭載して、目的地にて、外部給電装置1を電動車両Vの充電用(給電用)ソケットにセットすることで外部給電装置1を使用することができる。ちなみに、請求項の「電動車両に搭載され」は、「電動車両に内蔵(実装)され」に限定されるものではない。また、緊急時の家庭用の給電などに適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、今後ますます普及する電気自動車を便利なものとする技術、特にアウトドアライフでの利用を便利なものとする技術として、大いなる利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0077】
V 車両(電動車両)
1 外部給電装置
11 制御装置
11b 使用下限SOC設定部(使用下限容量設定部)
11c 最低容量設定部(最低SOC設定部)
11d 給電制御部(制御部)
12 DC−ACインバータ(外部給電回路)
13 遮断装置(外部給電回路)
14 端子箱(外部給電端子部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池に蓄えられた電力により走行用モータを駆動する電動車両に搭載され、
屋外で使用される電気機器への給電用として、長時間用としての使用を予定される長時間用の端子を少なくとも1つ含む複数の端子を有する外部給電端子部と、
前記蓄電池の電力を前記外部給電端子部に供給する外部給電回路と、
前記給電用回路を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置が、前記長時間用の端子に接続される長時間用の電気機器の消費電力とその使用時間とに基づいて、前記蓄電池の使用下限容量を設定する外部給電装置であって、
前記制御装置は、前記長時間用の端子からの電力持ち出しの有無にかかわらず、前記使用下限容量を、前記使用時間が経過するまで、前記長時間使用の電気機器の消費電力に相当する一定の傾きで下げる使用下限容量設定部を有する
ことを特徴とする外部給電装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記蓄電池から前記屋外で使用される電気機器への給電を停止する蓄電池の最低容量を設定する最低容量設定部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の外部給電装置。
【請求項3】
前記最低容量設定部は、電動車両の位置および最寄りの充電スタンドの位置の間の地図上の距離と、過去の電費とに基づいてその間を走行するのに必要な電力量を算出し、当該算出した電力量に基づいて前記蓄電池の最低容量を設定すること
を特徴とする請求項2に記載の外部給電装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記蓄電池から前記屋外で使用される電気機器への給電中に、前記蓄電池の実測の残容量が前記下限容量よりも低下したときは、ユーザに対して警告を行う
ことを特徴とする外部給電装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の外部給電装置を実装したことを特徴とする電動車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−16197(P2012−16197A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151399(P2010−151399)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】