外部電極蛍光灯用調光装置
【課題】インバータ部の2次電圧を調整するという煩雑な調整ではなく、簡単な方法でEEFLランプの照度の調整ができるようにすること。また、EEFLランプの照度の調整を調光機能により行なわせるようにして、しかも調光機能により照度を無段にて調整できるようにすること。
【解決手段】EEFLランプ10の両側に交流電源を印加して該EEFLランプ10を起動・点灯させるインバータ部31を設ける。また、交流電源を直流に変換してインバータ部31に直流電力を電源として供給するDC電源部30を設ける。前記DC電源部30に、前記インバータ部31に供給する直流電圧を可変させて前記外部電極蛍光灯10の照度を可変させる電圧可変手段であるボリュームVRを設ける。ボリュームVRを可変させることで、出力電圧Voを上下させ、インバータ部31の出力電圧を高低してEEFLランプ10の調光を行なう。
【解決手段】EEFLランプ10の両側に交流電源を印加して該EEFLランプ10を起動・点灯させるインバータ部31を設ける。また、交流電源を直流に変換してインバータ部31に直流電力を電源として供給するDC電源部30を設ける。前記DC電源部30に、前記インバータ部31に供給する直流電圧を可変させて前記外部電極蛍光灯10の照度を可変させる電圧可変手段であるボリュームVRを設ける。ボリュームVRを可変させることで、出力電圧Voを上下させ、インバータ部31の出力電圧を高低してEEFLランプ10の調光を行なう。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス管の外部に電極を設けた外部電極蛍光灯を起動・点灯させて看板や広告を行なったり、什器に陳列されている商品の照明用や室内の間接仕様用として用いられる外部電極蛍光灯用調光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図15は、従来の一般的な蛍光灯である熱陰極管(以下、HCFLランプという。Hot Cathode Flourescent Lamp )の発光原理を示す図である。このHCFLランプ1は周知のように、ガラス管2と、このガラス管2の内周面の全体にわたって塗布されている蛍光体3と、ガラス管2の両端の内部に設けられている一対のフィラメント4とで構成されている。また、ガラス管2内には不活性ガス原子や微量の水銀原子が封じ込まれている。
【0003】
このHCFLランプ1においては、ガラス管2内のフィラメント4を通電加熱して発生する熱電子放射により、ガラス管2内に封入されている不活性ガス原子や熱電子が、同様に封入されている微量の水銀原子と衝突して励起させて紫外線を発生する。この紫外線が管壁の蛍光体3を発光させる。
【0004】
これに対して冷陰極管(以下、CCFLランプという。Cold Cathode Flourescent Lamp ) では、フィラメントが無く、電極に高電圧を印加することにより放電させる方式である。
図16は、このCCFLランプ6の発光原理を示す図であり、ガラス管2の両端の内部に一対の電極7が設けられている。両端の電極7に電圧を印加することで電極7の先端で放電が行なわれ、ガラス管2内に電流が流れる。また、ガラス管2内の電極7近傍の部分(灰色で描いた部分)で陰極降下電圧が大きい。
【0005】
このCCFLランプ6は、上記HCFLランプ1よりも電極構造を小さくできて、細型でランプ寿命も長く、用途が広がっている。しかしながら、CCFLランプ6でも上述したように電極7の近傍での陰極降下電圧が大きくて発光効率という点ではHCFLランプ1より劣っている。
【0006】
図17は最近注目を浴びてきている外部電極蛍光灯(以下、EEFLランプという。External Electrode Flourescent Lamp ) の発光原理を示す図である。このEEFLランプ10は、ガラス管2内には電極を設けずに、ガラス管2の両側の外部に電極11を設けたものである。
このEEFLランプ10は、上記CCFLランプ6と同じ冷陰極管であり、発光の原理的な部分は同じである。両者の違いはCCFLランプ6の電極7がガラス管2内にあり、電子もガラス管2内を走るのに対して、EEFLランプ10では、ガラス管2の外部に電極11を設置し、ガラス管2の外側を電子が走ることである。これにより、EEFLランプ10では、陰極降下電圧が小さくなり、低消費電力で発光し、ランプの発熱も非常に小さくなるという特徴がある。
【0007】
上記CCFLランプ6は放電管の一般的な性質として、図18に示すように、電流が増えると抵抗値が小さくなるという負性抵抗特性を持っているため、複数のCCFLランプ6を並列接続して点灯させようとしても、その内の1本しか点灯しないという問題を有している。
【0008】
これに対してEEFLランプ10は、図19に示すように、正の抵抗特性を持っているため複数のEEFLランプ10を並列に接続しても点灯させることができる。しかし、EEFLランプ10は特性上、駆動に60KHz前後の高周波で、且つ1.6KV前後の高電圧の電源を要する。
【0009】
図20は上記EEFLランプ10を複数本用いて構成した看板・広告用の照明ユニット21の斜視図を示しており、この照明ユニット21は、前面を開口した箱状のケース本体22と、このケース本体21の前面開口面に配置されている透光性のパネル23とで構成されている。
そして、ケース本体22内に配置した複数本のEEFLランプ10を点灯させて、パネル23の表面に描かれているデザインや文字を内側から照明させて広告(看板)として使用される。
【0010】
この照明ユニット21は、例えば建物の壁面に設置されて使用されるものであり、図21の例では建物25のガラス戸で構成されている出入り口26の上方の壁面27にそれぞれ大きさの異なる照明ユニット21が3つ設置されている場合である。なお、この例では、左から右方にかけて大きくした照明ユニット21を設置した場合であり、各照明ユニット21に使用されているEEFLランプ10の本数が異なったり、EEFLランプ10の管径や長さが異なる場合である。
【0011】
図22は上記EEFLランプ10を起動・点灯させるためのブロック図を示し、例えば、12本のEEFLランプ10を並列に接続している場合を示している。商用電源(AC100V)が入力されて、直流の高電圧(例えば、DC100V)を出力するDC電源部30と、このDC電源部30からの直流の高電圧(直流電力)が電源として供給されて、60KHz前後の高周波で、且つ1.6KV前後の高電圧を出力するインバータ部31で構成されている。
【0012】
このEEFLランプ10は上述したように、複数本のEEFLランプ10を並列に接続して、1台のDC電源部30及びインバータ部31で点灯させることができるものである。なお、DC電源部30とインバータ部31とは、一対のリード線(電源線)32にて端子接続あるいはコネクタ接続にて接続されており、DC電源部30からリード線32を介してインバータ部31に電源(電力)が供給されている。
【0013】
また、EEFLランプ10の特徴として、管径が細く(3mm、5mm、8mmなど)、また、EEFLランプ10の長さも図23に示すように複数種類存在している。長さが短いEEFLランプ10としては、例えば460mm、次に552mmで・・・・長い物になると長さが1065mmのEEFLランプ10がある。
これらのEEFLランプ10の管径、長さ、本数の組み合わせにより、非常に多くの組み合わせからなる照明ユニット21が構成されることになる。図21に示すように、仕様の異なる照明ユニット21を並設した場合に、それぞれ明るさ(照度)が異なると、見る者に違和感を与えることになる。
【0014】
そのため、大きさの異なる照明ユニット21を並設して設置する場合には、いずれかの照明ユニット21の明るさに均一となるように調整する必要がある。そこで、従来では、かかるEEFLランプ10の管径、長さ、本数によりそれぞれDC電源部30、インバータ部31を設計して、それぞれのEEFLランプ10の組み合わせに応じてDC電源部30、インバータ部31の設計ないし調整、特に、インバータ部31の2次電圧を変える(調整する)ことで行なっていた。
【0015】
かかる場合、仕様に応じてEEFLランプ10の組み合わせが異なる多種類の機種を製造していたので、結果的に照明ユニット21が高価になったり、また、電源関係部材の在庫管理が非常に煩雑となっていた。
【0016】
また、EEFLランプ10を1本から構成される照明ユニット21の場合も上記と同様であり、EEFLランプ10が1本であっても、管径、長さが異なる照明ユニット21を並設した場合も上記と同様の問題があった。
【0017】
ところで、冷陰極管蛍光灯を調光するインバータ回路として、例えば、以下に示す特許文献1が挙げられる。
【0018】
【特許文献1】特開平11−299248号公報(特許第3369468号)
【0019】
この特許文献1によれば、圧電トランスを用いて冷陰極管蛍光灯を点灯するインバータ回路において、スイッチングトランジスタに直列接続するフライバックトランス、該トランスのフライバック電圧を入力として出力を冷陰極管蛍光灯に加える圧電トランス、該冷陰極管蛍光灯の電流に対応する帰還信号により発振周波数が調節され、その発振周波数でスイッチングトランジスタをオン、オフする周波数変調器を有しており、該周波数変調器は流出電流を制御することにより発振周波数が調節される制御端子を有し、該制御端子には帰還信号が加えられるとともに時定数の異なる複数の時定数回路が並列接続されており、第1のモードには時定数の大きい時定数回路を動作させ、第2のモードには時定数の小さい時定数回路を用いることによって点灯初頭部の時間を設定して該冷陰極管蛍光灯を調光するようにしている。
【0020】
これにより特許文献1では、点灯ミスをなくすことができる他に、調光の設定範囲を広くすることができ、同時に調光の精度を向上できる、としている。
【0021】
しかしながら、この特許文献1においては、後述するように本発明とは異なり、冷陰極管蛍光灯に直列に圧電トランスを接続したり、点灯、調光する回路構成が根本的に異なるものであり、また、複数の冷陰極管蛍光灯を並列に接続して、点灯、調光することができないものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は上述の問題点に鑑みて提供したものであって、少なくとも以下に上げる目的を持った外部電極蛍光灯用調光装置を提供するものである。
(1)インバータ部の2次電圧を調整するという煩雑な調整ではなく、簡単な方法でEEFLランプの照度の調整ができるようにすること。
(2)EEFLランプの照度の調整を調光機能により行なわせるようにして、しかも調光機能により照度を無段にて調整できるようにすること。
(3)複数の照明ユニットを並設しても明るさ(照度)を調整して、明るさが均一できるようにして違和感を与えないようにすること。
(4)DC電源部及びインバータ部の機種を一種類として在庫管理を容易にして、且つ低コストな外部電極蛍光灯用調光装置を提供すること。
(5)調光機能により、明るさを可変できるようにし、また、明るさにより省エネルギー化を図ることができるようにすること。
【課題を解決するための手段】
【0023】
そこで、本発明の請求項1に記載の外部電極蛍光灯用調光装置では、ガラス管2の両側の外部に電極11を設けた外部電極蛍光灯10と、
前記外部電極蛍光灯10の両側に交流電源を印加して該外部電極蛍光灯10を起動・点灯させるインバータ部31と、
交流電源を直流に変換して前記インバータ部31に直流電力を電源として供給するDC電源部30とを備え、
前記DC電源部30に、前記インバータ部31に供給する直流電圧を可変させて前記外部電極蛍光灯10の照度を可変させる電圧可変手段を設けていることを特徴としている。
【0024】
請求項2に記載の外部電極蛍光灯用調光装置では、前記外部電極蛍光灯10の管径、長さ、本数に応じて前記電圧可変手段を可変調整していることを特徴としている。
【0025】
請求項3に記載の外部電極蛍光灯用調光装置では、前記DC電源部30、インバータ部31及び該インバータ部31により起動・点灯される複数本の外部電極蛍光灯10とで照明ユニット21を構成し、
この照明ユニット21は、看板・広告用の照明用、什器53に陳列されている商品の照明用、室内56の間接照明用としていることを特徴としている。
【0026】
請求項4に記載の外部電極蛍光灯用調光装置では、前記電圧可変手段は、ボリュームVRで構成していることを特徴としている。
【0027】
請求項5に記載の外部電極蛍光灯用調光装置では、前記電圧可変手段は、予め決められている調整用抵抗R0で構成していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0028】
本発明の請求項1に記載の外部電極蛍光灯用調光装置によれば、DC電源部30に、前記インバータ部31に供給する直流電圧を可変させて前記外部電極蛍光灯10の照度を可変させる電圧可変手段を設けているので、電圧可変手段により機種の仕様に応じて容易に明るさ(照度)を均一に調整することが容易となる。これにより、複数の仕様の異なる照明ユニット21を並設しても明るさ(照度)を均一にできて、違和感を与えることもない。また、従来のように照度、外部電極蛍光灯(EEFLランプ)10の長さ、本数によりインバータ部31の2次電圧を調整する必要がなく、DC電源部30の共用化、インバータ部31の共用化が可能となり、仕様が異なる場合でも基本的には機種を単一にすることができ、結果的に低コストな照明ユニット21を提供でき、また、在庫管理も容易となる。さらには、外部電極蛍光灯10の明るさを可変させることで、周囲の明るさに対応して調整でき、広告用の照明として変化に富んだ演出を行なうことができる。また、外部電極蛍光灯10の明るさを抑えることで、省エネルギー化を図ることができる。
【0029】
請求項2に記載の外部電極蛍光灯用調光装置によれば、外部電極蛍光灯10の管径、長さ、本数に応じて前記電圧可変手段を可変調整していることで、仕様が異なる照明ユニット21を並設した場合でも、照明ユニット21間の明るさ(照度)を容易に均一に調整することができる。
【0030】
請求項3に記載の外部電極蛍光灯用調光装置によれば、DC電源部30、インバータ部31及び該インバータ部31により起動・点灯される複数本の外部電極蛍光灯10とで照明ユニット21を構成し、この照明ユニット21は、看板・広告用の照明用、什器53に陳列されている商品の照明用、室内56の間接照明用としているので、照明ユニット21をさまざまな用途に使用でき、また、仕様が異なる照明ユニット21を並設した場合でも、電圧可変手段により外部電極蛍光灯10の照度を可変して、照明ユニット21間の照度を均一に調整することができる。
【0031】
請求項4に記載の外部電極蛍光灯用調光装置によれば、電圧可変手段は、ボリュームVRで構成しているので、外部電極蛍光灯10の調光が容易にでき、さらには、ボリュームVRを可変させることで、抵抗値が無段で変化し、そのため、外部電極蛍光灯10の明るさ(照度)を無段で調光させることができる。また、照度を低くすることで、DC電源部30及びインバータ部31の消費電力を抑えることができ、省エネルギー化を図ることができる。また、周囲の明るさ(昼や夜間)に応じて看板としての照明ユニット21の明るさを調整でき、例えば、広告用の照明として変化に富んだ演出を行なうことができる。
【0032】
請求項5に記載の外部電極蛍光灯用調光装置によれば、電圧可変手段は、予め決められている調整用抵抗R0で構成しているので、照明ユニット21の仕様に応じた抵抗値の調整用抵抗R0により機種の仕様に応じて一定の明るさ(照度)の照明ユニット21を製造することができる。また、従来のように照度、外部電極蛍光灯10の長さ、本数によりインバータ部31の2次電圧を調整する必要がなく、DC電源部30の共用化、インバータ部31の共用化が可能となり、仕様が異なる場合でも基本的には機種を単一にすることができ、結果的に低コストな照明ユニット21を提供でき、また、在庫管理も容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。本発明のEEFLランプ10を調光する調光機能を持たせた照明ユニット21は、その用途して看板・広告用の照明、什器に陳列している商品の照明、室内の天井の下方に配置して室内の間接照明であり、また、単に前面を発光させるディスプレイ等である。
照明ユニット21を構成する部材としては、1本あるいは複数本のEEFLランプ10と、このEEFLランプ10を起動・点灯させるDC電源部30及びインバータ部31であり、基本的な構成は図22に示すのと同様である。また、照明ユニット21自体も従来と同様であり、この看板・広告用として用いる場合の照明ユニット21は、建物の外部や内部、柱などに単体、あるいは複数の照明ユニット21並設して設置されるものである。
【0034】
以下、照明ユニット21の内部に配置されるDC電源部30及びインバータ部31を具体的に説明する。
図1はDC電源部30の具体回路図を示し、このDC電源部30は基本的にはスイッチングレギュレータ回路であり、主に電源入力・整流回路40、出力トランスT1、MOSFETからなるスイッチング素子Q1、このスイッチング素子Q1を所定のデューティ比でオン、オフ制御すると共に、出力トランスT1の2次側の出力電圧を一定の電圧となるようにフィードバックを行なう制御用IC41、スイッチング素子Q1のカソード電流を検出して回路の温度補償と短絡保護のための保護回路42等で構成されている。
【0035】
次に、DC電源部30の動作について説明するが、一般的なスイッチングレギュレータであり、動作は周知なので詳細な説明は省略する。電源入力・整流回路40にはAC100Vが入力され、この入力された交流電源が電源入力・整流回路40にて整流される。整流された電圧V1は、抵抗R1を介して制御用IC41に電源として供給され、また出力トランスT1の1次コイルL1の一端に供給される。また、電圧V1は抵抗R2を介して制御用IC41に起動電流として入力される。
【0036】
制御用IC41は起動電流が入力されて、スイッチング素子Q1を所定のデューティ比にてオン、オフ制御をし、出力トランスT1の出力コイルLOには交流の出力電圧が発生する。この発生した交流の出力電圧はダイオードD1にて整流され、コンデンサC1にて平滑されて直流の出力電圧Voが発生する。
この出力電圧Voは、ボリュームVR、抵抗R3〜R5を介して制御用IC41にフィードバックされ、制御用IC41では、所望の電圧になるようにスイッチング素子Q1をオン、オフ制御し、これにより出力電圧Voは、一定の出力電圧となる。ここでは、例えば、端子TA1、TA2間にDC100Vの直流電圧が出力される制御が行なわれる。この動作がDC電源部30における基本的な制御動作である。
【0037】
図2は上記DC電源部30から直流電圧を電源として供給されるインバータ部31の具体回路図を示し、このインバータ部31は、スイッチング素子Q2、Q3のプッシュプル方式のインバータ回路である。端子TA3、TA4にDC電源部30からの直流電圧が印加され、この直流電圧の正極がチョークコイルCH1を介して出力トランスT2の1次側のコイルに接続されると共に、チョークコイルCH2を介して出力トランスT3の1次側に接続されている。
また、直流電源の正極は起動抵抗R10、抵抗R11を介してスイッチング素子Q2のベースに接続されていると共に、抵抗R12を介して他方のスイッチング素子Q3のベースに接続されている。
【0038】
スイッチング素子Q2のコレクタは出力トランスT2の1次側のコイルに接続され、スイッチング素子Q3のコレクタは出力トランスT3の1次側のコイルに接続されている。出力トランスT2の2次側のコイルの一端は、出力トランスT3の一端と接続され、出力トランスT2の他端と出力トランスT3の他端との間にサイン波の交流電力が出力されるようになっている。
インバータ部31の出力側の端子TA5、TA6と、図22に示すようにEEFLランプ10の電極11とがそれぞれ接続される形となる。
【0039】
DC電源部30からの直流電圧がインバータ部31に供給され、スイッチング素子Q2、Q3のベースに抵抗R10、R11、R12を介してベース電流が流れ、スイッチング素子Q2、Q3のhFEのバラツキで、hFEの大きい方のスイッチング素子が先にオンして発振を開始する。
そして、EEFLランプ10の両側の電極11間に60KHzの高周波で、1.6KV前後の高電圧が印加されて、EEFLランプ10が起動・点灯されることになる。
【0040】
ここで、インバータ部31の電源電圧として、DC電源部30からDC100Vが供給された場合、インバータ部31の出力トランスT2、T3のサイン波の出力電圧は約1.6KVであり、DC電源部30からの電源電圧を低くすると、インバータ部31の出力電圧が低下し、逆にDC電源部30の電源電圧を高くするとインバータ部31の出力電圧は大きくなる。
このインバータ部31の出力電圧を調整することで、EEFLランプ10の照度を調整することができる。すなわち、DC電源部30からインバータ部31に印加される電源電圧を調整することで、EEFLランプ10を調光することができる。
【0041】
次に、DC電源部30からの出力電圧Voを変化させる場合の制御動作について説明する。図3において、出力トランスT1の出力電圧Voは、ボリュームVRと抵抗R3との分圧電圧が検出電圧として制御用IC41にフィードバックされ、この検出電圧と制御用IC41の内部の基準電圧とが比較されて、制御用IC41は出力電圧Voとなるようにスイッチング素子Q1をオン、オフするデューティ比を制御している。
【0042】
今、ボリュームVRを可変させて抵抗値を小さくすると、ボリュームVRと抵抗R3との接続点であるA点の電圧(電位)が上昇して、出力電圧Voの値が見かけ上高くなる。出力電圧Voの値が高くなると、制御用IC41は出力電圧Voの値が低くなる方向に調整する。すなわち、制御用IC41はデューティ比を小さくしてスイッチング素子Q1をオン、オフ制御を行ない、見かけ上の出力電圧Voとなるように制御が行なわれる。
これにより、出力トランスT1の出力電圧Voは、Voの値より低い電圧が出力されることになる。そして、ボリュームVRを可変させて、さらに抵抗値を低くすると、出力電圧Voは一層低い直流電圧を出力するように制御される。
【0043】
また、ボリュームVRを可変させて抵抗値を高くすると、上記とは反対の制御が行なわれて、出力電圧VoをVoの値より高い直流電圧が出力されることになる。
【0044】
複数種類の照明ユニット21に用いるEEFLランプ10の管径、長さ、本数は予め決められており、これらの機種に応じた照明ユニット21の照度を均一にするべく、また、管ランプ両端に印加する高電圧の電圧バラツキが生じても、ボリュームVRを可変調整することで、機種の仕様が異なる場合でも容易に照度を調整することができる。さらには、ボリュームVRを可変させることで、抵抗値が無段で変化し、そのため、EEFLランプ10の明るさ(照度)を無段で調光させることができる。
【0045】
また、EEFLランプ10の管径、長さ、本数が予め決められている照明ユニット21では、機種に応じてボリュームVRの抵抗値から、図4に示すように、その抵抗値に合った抵抗R0をボリュームVRの代わりに接続するようにしておくことで、いちいちインバータ部31の2次電圧を調整することなく、仕様に応じた一定の照度の照明ユニット21を容易に製作することができる。
【0046】
なお、ボリュームVRまたは調整用抵抗R0の両端に接続される箇所からリード線を導出、あるいは端子構造としておき、ボリュームVRまたは調整用抵抗R0以外の部分を製造しておき、ボリュームVRまたは調整用抵抗R0は後付けする構成としておく。
これにより、DC電源部30はボリュームVRまたは調整用抵抗R0を除いた1機種として、製造、在庫管理が可能となり、照明ユニット21の機種の仕様に応じてボリュームVRまたは予め決められている調整用抵抗R0を外付けで後付けするだけで良いことになる。また、インバータ部31自体の回路部分は調整する必要がないので、照明ユニット21の機種の仕様に関係なく製造、在庫管理が可能となる。
【0047】
図5はEEFLランプ10の照度の調整用のボリュームVRをリード線35を介して外付けした場合を示し、このボリュームVRを照明ユニット21のケース本体22の内部、あるいはケース本体22に外部から調整可能としたものである。
ボリュームVRを外から可変させることで、照明ユニット21の設置後にEEFLランプ10の照度を調光あるいは均一な照度に調整をすることができる。
【0048】
また、ボリュームVRはDC電源部30に配置して一体的に設けるようにしても良く、かかる場合には機種の仕様に応じてEEFLランプ10の照度が均一になるように容易に調整することができる。
【0049】
ところで、照明ユニット21のDC電源部30及びインバータ部31は、図6に示すように、そのケース内にプリント基板を納装し、その上から樹脂51を充填してモールドしてしまうようになっている。従来では、照明ユニット21を並設した場合の照度を均一に調整する場合、DC電源部30の固まった樹脂51を掘っていってDC電源部30の出力側の抵抗を外してボリュームVRを接続していた。
そして、このボリュームVRを可変させて、その抵抗値を可変させることで、インバータ部31に供給する電圧値を調整し、インバータ部31の出力電圧を可変させることで、EEFLランプ10の照度の均一の調整を行なっていた。かかる照度の均一の調整作業は、大変手間と時間のかかる作業である。
【0050】
本発明では、図6に示すように、DC電源部30の樹脂51部分から、予めリード線35を導出しておき、このリード線35にボリュームVRを接続するようにしている。これにより、DC電源部30を加工することなく、予め導出されているリード線35にボリュームVRを接続するだけで済むことになる。
【0051】
図7は、ボリュームVRの代わりに予め実験結果により仕様に応じた抵抗値の調整用抵抗R0を用いた図5に対応した図であり、また、図8は図6に対応した図である。調整用抵抗R0を接続する場合でも、DC電源部30の樹脂51から導出されているリード線35に調整用抵抗R0を接続するだけで済む。
【0052】
図9は、仕様の異なる2台の照明ユニット21を並設した場合を示し、左側の照明ユニット21はEEFLランプ10を6本用いており、右側の照明ユニット21は長さが同じであるEEFLランプ10を9本用いている。左右の照明ユニット21には、DC電源部30にそれぞれボリュームVRを接続しており、このボリュームVRは内部に設けて調整可能としたり、外部から調整ができるように配置されている。
そして、所望の明るさ(照度)で、且つ2台の照明ユニット21の照度が均一となるように、どちらか、あるいは両方の照明ユニット21のボリュームVRを可変して照度を調整する。これにより、仕様の異なる照明ユニット21を並設しても、ボリュームVRを調整することで、並設されている照明ユニット21の明るさ(照度)を均一に調整することが可能となる。
【0053】
図10は、図9の場合と同様に仕様の異なる2台の照明ユニット21を並設した場合を示し、左側の照明ユニット21はEEFLランプ10を6本用いており、右側の照明ユニット21は長さが異なる(長い)EEFLランプ10を9本用いている場合である。
かかる場合でも、上記と同様に仕様の異なる照明ユニット21を並設しても、ボリュームVRを調整することで、並設されている照明ユニット21の明るさ(照度)を均一に調整することが可能となる。
【0054】
なお、本発明の照明ユニット21は、単に看板・広告用として用いられるだけではなく、図11に示すように、什器53に陳列される商品の照明用としても用いられる。この什器53は、複数段の棚54が設けられていて、各棚54の下面の先端側にはEEFLランプ10が配置されている。このEEFLランプ10からの光が棚54の上に陳列されている商品、例えば化粧品に照射されて、商品を見易くしている。
なお、1台のDC電源部30とインバータ部31にてそれぞれのEEFLランプ10を並列に接続して一括して起動・点灯するようにしても良く、また、各EEFLランプ10にそれぞれDC電源部30とインバータ部31を接続して、EEFLランプ10を起動・点灯するようにしても良い。
【0055】
また、図12は照明ユニット21を間接照明用として用いた場合を示している。室内56の壁面57と天井面58の隅部に断面を略L型とした仕切り部材59が配設されており、この仕切り部材59の上方で、室内56の下方からは直接見えない箇所にEEFLランプ10を配置している。
EEFLランプ10からの光は仕切り部材59により直接室内56には直接照射されず、EEFLランプ10からの光は矢印に示すように天井面58にて反射して室内56に照射される。
【0056】
図13は、棚54の数が異なる什器53を2台並設した場合を示しており、左側の什器53は棚54が5段であり、右側の什器53の棚54は4段とした場合である。左側の什器53のEEFLランプ10の本数は5本であり、右側の什器53のEEFLランプ10の本数は4本である。そして、左右の什器53には1台のDC電源部30とインバータ部31がそれぞれ設けられている。
EEFLランプ10の本数が異なる場合で、左右の什器53の明るさ(照度)を均一にする場合には、それぞれのDC電源部30に設けているボリュームVRを可変させることで、左右の什器53の明るさ(照度)を均一に調整することができる。
【0057】
図14は複数のEEFLランプ10からなる照明ユニット21を間接照明用として用いた場合を示している。室内56の天井面58の寸法の長い辺には、5本のEEFLランプ10からなる照明ユニット21を配置し、短い辺には3本のEEFLランプ10からなる照明ユニット21を配置した場合である。
5本のEEFLランプ10を用いた照明ユニット21と、3本のEEFLランプ10を用いた照明ユニット21の明るさ(照度)は異なるため、照明ユニット21に設けたボリュームVRを可変させることで、各照明ユニット21間の照度を均一にすることができる。
【0058】
なお、並設した照明ユニット21間の明るさ(照度)の調整は、ボリュームVRだけでなく、予め実験をしておき、照度が均一となる抵抗値を分析して、ボリュームVRの代わりに調整用抵抗R0を接続しておくようにしても良い。
【0059】
このように本実施形態では、照明ユニット21のEEFLランプ10の調光用としてボリュームVRを設けた場合では、照度を低くすることで、DC電源部30及びインバータ部31の消費電力を抑えることができ、省エネルギー化を図ることができる。また、周囲の明るさ(昼や夜間)に応じて看板としての照明ユニット21の場合では、明るさを調整でき、広告用の照明として変化に富んだ演出を行なうことができる。
さらには、照明ユニット21を間接照明用として用いる場合において、ボリュームVRを室内の壁面に配設しておき、このボリュームVRにより間接照明の場合でも、調光が可能となる。
【0060】
また、EEFLランプ10の管径、長さ、本数等の仕様が異なる照明ユニット21を並設した場合、ボリュームVRあるいは調整用抵抗R0により機種の仕様に応じて容易に明るさ(照度)を均一に調整することができ、照明ユニット21間の明るさ(照度)を均一にすることができる。これにより、仕様の異なる複数の照明ユニット21を並設しても明るさ(照度)を均一にできて、違和感を与えることもない。
なお、同一の仕様の照明ユニット21の場合でも、EEFLランプ10の製造のバラツキにより明るさ(照度)が異なった場合に、ボリュームVRを可変させることで、照明ユニット21を並設した場合の照明ユニット21間の照度を均一にすることができる。
【0061】
また、従来のように照度、EEFLランプ10の長さ、本数によりインバータ部31の2次電圧を調整する必要がなく、DC電源部30の共用化、インバータ部31の共用化が可能となり、仕様が異なる場合でも基本的には機種を単一にすることができ、結果的に低コストな照明ユニット21を提供でき、また、在庫管理も容易となる。
【0062】
また、1台のDC電源部30とインバータ部31とに複数本のEEFLランプ10が接続されている場合でも、EEFLランプ10の照度の均一さの調整や調光機能を付与することができる。
【0063】
なお、上記の実施形態では、EEFLランプ10の本数を複数本としてインバータ部31の並列に接続した構成について説明したが、複数本のEEFLランプ10に限らず、1本のEEFLランプ10を用いる場合にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態におけるDC電源部の具体回路図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるインバータ部の具体回路図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるEEFLランプの調光を行なう場合の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるEEFLランプの調光を行なう場合の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるボリュームを設けた場合のブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるDC電源部等に樹脂モールドした状態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態における調整用抵抗を設けた場合のブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態におけるDC電源部等に樹脂モールドした状態を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態における仕様の異なる照明ユニットを並設した場合を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における仕様の異なる照明ユニットを並設した場合を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における照明ユニットを什器に用いた場合を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態における照明ユニットを間接照明に用いた場合を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態における棚数が異なる什器に照明ユニットを用いた場合を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態におけるEEFLランプの数が異なる照明ユニットを間接照明に用いた場合の図である。
【図15】HCFLランプの発光原理を示す図である。
【図16】CCFLランプの発光原理を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態におけるEEFLランプ(外部電極蛍光灯)の発光原理を示す図である。
【図18】CCFLランプの特性を示す図である。
【図19】CCFLランプ及びEEFLランプの特性を示す図である。
【図20】広告用照明装置の斜視図である。
【図21】広告用照明装置の設置状態を示す図である。
【図22】従来例の広告用照明装置のブロック図である。
【図23】EEFLランプの複数の長さを示す図である。
【符号の説明】
【0065】
10 EEFLランプ(外部電極蛍光灯)
11 電極
21 照明ユニット
30 DC電源部
31 インバータ部
53 什器
56 室内
VR ボリューム
R0 調整用抵抗
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス管の外部に電極を設けた外部電極蛍光灯を起動・点灯させて看板や広告を行なったり、什器に陳列されている商品の照明用や室内の間接仕様用として用いられる外部電極蛍光灯用調光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図15は、従来の一般的な蛍光灯である熱陰極管(以下、HCFLランプという。Hot Cathode Flourescent Lamp )の発光原理を示す図である。このHCFLランプ1は周知のように、ガラス管2と、このガラス管2の内周面の全体にわたって塗布されている蛍光体3と、ガラス管2の両端の内部に設けられている一対のフィラメント4とで構成されている。また、ガラス管2内には不活性ガス原子や微量の水銀原子が封じ込まれている。
【0003】
このHCFLランプ1においては、ガラス管2内のフィラメント4を通電加熱して発生する熱電子放射により、ガラス管2内に封入されている不活性ガス原子や熱電子が、同様に封入されている微量の水銀原子と衝突して励起させて紫外線を発生する。この紫外線が管壁の蛍光体3を発光させる。
【0004】
これに対して冷陰極管(以下、CCFLランプという。Cold Cathode Flourescent Lamp ) では、フィラメントが無く、電極に高電圧を印加することにより放電させる方式である。
図16は、このCCFLランプ6の発光原理を示す図であり、ガラス管2の両端の内部に一対の電極7が設けられている。両端の電極7に電圧を印加することで電極7の先端で放電が行なわれ、ガラス管2内に電流が流れる。また、ガラス管2内の電極7近傍の部分(灰色で描いた部分)で陰極降下電圧が大きい。
【0005】
このCCFLランプ6は、上記HCFLランプ1よりも電極構造を小さくできて、細型でランプ寿命も長く、用途が広がっている。しかしながら、CCFLランプ6でも上述したように電極7の近傍での陰極降下電圧が大きくて発光効率という点ではHCFLランプ1より劣っている。
【0006】
図17は最近注目を浴びてきている外部電極蛍光灯(以下、EEFLランプという。External Electrode Flourescent Lamp ) の発光原理を示す図である。このEEFLランプ10は、ガラス管2内には電極を設けずに、ガラス管2の両側の外部に電極11を設けたものである。
このEEFLランプ10は、上記CCFLランプ6と同じ冷陰極管であり、発光の原理的な部分は同じである。両者の違いはCCFLランプ6の電極7がガラス管2内にあり、電子もガラス管2内を走るのに対して、EEFLランプ10では、ガラス管2の外部に電極11を設置し、ガラス管2の外側を電子が走ることである。これにより、EEFLランプ10では、陰極降下電圧が小さくなり、低消費電力で発光し、ランプの発熱も非常に小さくなるという特徴がある。
【0007】
上記CCFLランプ6は放電管の一般的な性質として、図18に示すように、電流が増えると抵抗値が小さくなるという負性抵抗特性を持っているため、複数のCCFLランプ6を並列接続して点灯させようとしても、その内の1本しか点灯しないという問題を有している。
【0008】
これに対してEEFLランプ10は、図19に示すように、正の抵抗特性を持っているため複数のEEFLランプ10を並列に接続しても点灯させることができる。しかし、EEFLランプ10は特性上、駆動に60KHz前後の高周波で、且つ1.6KV前後の高電圧の電源を要する。
【0009】
図20は上記EEFLランプ10を複数本用いて構成した看板・広告用の照明ユニット21の斜視図を示しており、この照明ユニット21は、前面を開口した箱状のケース本体22と、このケース本体21の前面開口面に配置されている透光性のパネル23とで構成されている。
そして、ケース本体22内に配置した複数本のEEFLランプ10を点灯させて、パネル23の表面に描かれているデザインや文字を内側から照明させて広告(看板)として使用される。
【0010】
この照明ユニット21は、例えば建物の壁面に設置されて使用されるものであり、図21の例では建物25のガラス戸で構成されている出入り口26の上方の壁面27にそれぞれ大きさの異なる照明ユニット21が3つ設置されている場合である。なお、この例では、左から右方にかけて大きくした照明ユニット21を設置した場合であり、各照明ユニット21に使用されているEEFLランプ10の本数が異なったり、EEFLランプ10の管径や長さが異なる場合である。
【0011】
図22は上記EEFLランプ10を起動・点灯させるためのブロック図を示し、例えば、12本のEEFLランプ10を並列に接続している場合を示している。商用電源(AC100V)が入力されて、直流の高電圧(例えば、DC100V)を出力するDC電源部30と、このDC電源部30からの直流の高電圧(直流電力)が電源として供給されて、60KHz前後の高周波で、且つ1.6KV前後の高電圧を出力するインバータ部31で構成されている。
【0012】
このEEFLランプ10は上述したように、複数本のEEFLランプ10を並列に接続して、1台のDC電源部30及びインバータ部31で点灯させることができるものである。なお、DC電源部30とインバータ部31とは、一対のリード線(電源線)32にて端子接続あるいはコネクタ接続にて接続されており、DC電源部30からリード線32を介してインバータ部31に電源(電力)が供給されている。
【0013】
また、EEFLランプ10の特徴として、管径が細く(3mm、5mm、8mmなど)、また、EEFLランプ10の長さも図23に示すように複数種類存在している。長さが短いEEFLランプ10としては、例えば460mm、次に552mmで・・・・長い物になると長さが1065mmのEEFLランプ10がある。
これらのEEFLランプ10の管径、長さ、本数の組み合わせにより、非常に多くの組み合わせからなる照明ユニット21が構成されることになる。図21に示すように、仕様の異なる照明ユニット21を並設した場合に、それぞれ明るさ(照度)が異なると、見る者に違和感を与えることになる。
【0014】
そのため、大きさの異なる照明ユニット21を並設して設置する場合には、いずれかの照明ユニット21の明るさに均一となるように調整する必要がある。そこで、従来では、かかるEEFLランプ10の管径、長さ、本数によりそれぞれDC電源部30、インバータ部31を設計して、それぞれのEEFLランプ10の組み合わせに応じてDC電源部30、インバータ部31の設計ないし調整、特に、インバータ部31の2次電圧を変える(調整する)ことで行なっていた。
【0015】
かかる場合、仕様に応じてEEFLランプ10の組み合わせが異なる多種類の機種を製造していたので、結果的に照明ユニット21が高価になったり、また、電源関係部材の在庫管理が非常に煩雑となっていた。
【0016】
また、EEFLランプ10を1本から構成される照明ユニット21の場合も上記と同様であり、EEFLランプ10が1本であっても、管径、長さが異なる照明ユニット21を並設した場合も上記と同様の問題があった。
【0017】
ところで、冷陰極管蛍光灯を調光するインバータ回路として、例えば、以下に示す特許文献1が挙げられる。
【0018】
【特許文献1】特開平11−299248号公報(特許第3369468号)
【0019】
この特許文献1によれば、圧電トランスを用いて冷陰極管蛍光灯を点灯するインバータ回路において、スイッチングトランジスタに直列接続するフライバックトランス、該トランスのフライバック電圧を入力として出力を冷陰極管蛍光灯に加える圧電トランス、該冷陰極管蛍光灯の電流に対応する帰還信号により発振周波数が調節され、その発振周波数でスイッチングトランジスタをオン、オフする周波数変調器を有しており、該周波数変調器は流出電流を制御することにより発振周波数が調節される制御端子を有し、該制御端子には帰還信号が加えられるとともに時定数の異なる複数の時定数回路が並列接続されており、第1のモードには時定数の大きい時定数回路を動作させ、第2のモードには時定数の小さい時定数回路を用いることによって点灯初頭部の時間を設定して該冷陰極管蛍光灯を調光するようにしている。
【0020】
これにより特許文献1では、点灯ミスをなくすことができる他に、調光の設定範囲を広くすることができ、同時に調光の精度を向上できる、としている。
【0021】
しかしながら、この特許文献1においては、後述するように本発明とは異なり、冷陰極管蛍光灯に直列に圧電トランスを接続したり、点灯、調光する回路構成が根本的に異なるものであり、また、複数の冷陰極管蛍光灯を並列に接続して、点灯、調光することができないものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は上述の問題点に鑑みて提供したものであって、少なくとも以下に上げる目的を持った外部電極蛍光灯用調光装置を提供するものである。
(1)インバータ部の2次電圧を調整するという煩雑な調整ではなく、簡単な方法でEEFLランプの照度の調整ができるようにすること。
(2)EEFLランプの照度の調整を調光機能により行なわせるようにして、しかも調光機能により照度を無段にて調整できるようにすること。
(3)複数の照明ユニットを並設しても明るさ(照度)を調整して、明るさが均一できるようにして違和感を与えないようにすること。
(4)DC電源部及びインバータ部の機種を一種類として在庫管理を容易にして、且つ低コストな外部電極蛍光灯用調光装置を提供すること。
(5)調光機能により、明るさを可変できるようにし、また、明るさにより省エネルギー化を図ることができるようにすること。
【課題を解決するための手段】
【0023】
そこで、本発明の請求項1に記載の外部電極蛍光灯用調光装置では、ガラス管2の両側の外部に電極11を設けた外部電極蛍光灯10と、
前記外部電極蛍光灯10の両側に交流電源を印加して該外部電極蛍光灯10を起動・点灯させるインバータ部31と、
交流電源を直流に変換して前記インバータ部31に直流電力を電源として供給するDC電源部30とを備え、
前記DC電源部30に、前記インバータ部31に供給する直流電圧を可変させて前記外部電極蛍光灯10の照度を可変させる電圧可変手段を設けていることを特徴としている。
【0024】
請求項2に記載の外部電極蛍光灯用調光装置では、前記外部電極蛍光灯10の管径、長さ、本数に応じて前記電圧可変手段を可変調整していることを特徴としている。
【0025】
請求項3に記載の外部電極蛍光灯用調光装置では、前記DC電源部30、インバータ部31及び該インバータ部31により起動・点灯される複数本の外部電極蛍光灯10とで照明ユニット21を構成し、
この照明ユニット21は、看板・広告用の照明用、什器53に陳列されている商品の照明用、室内56の間接照明用としていることを特徴としている。
【0026】
請求項4に記載の外部電極蛍光灯用調光装置では、前記電圧可変手段は、ボリュームVRで構成していることを特徴としている。
【0027】
請求項5に記載の外部電極蛍光灯用調光装置では、前記電圧可変手段は、予め決められている調整用抵抗R0で構成していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0028】
本発明の請求項1に記載の外部電極蛍光灯用調光装置によれば、DC電源部30に、前記インバータ部31に供給する直流電圧を可変させて前記外部電極蛍光灯10の照度を可変させる電圧可変手段を設けているので、電圧可変手段により機種の仕様に応じて容易に明るさ(照度)を均一に調整することが容易となる。これにより、複数の仕様の異なる照明ユニット21を並設しても明るさ(照度)を均一にできて、違和感を与えることもない。また、従来のように照度、外部電極蛍光灯(EEFLランプ)10の長さ、本数によりインバータ部31の2次電圧を調整する必要がなく、DC電源部30の共用化、インバータ部31の共用化が可能となり、仕様が異なる場合でも基本的には機種を単一にすることができ、結果的に低コストな照明ユニット21を提供でき、また、在庫管理も容易となる。さらには、外部電極蛍光灯10の明るさを可変させることで、周囲の明るさに対応して調整でき、広告用の照明として変化に富んだ演出を行なうことができる。また、外部電極蛍光灯10の明るさを抑えることで、省エネルギー化を図ることができる。
【0029】
請求項2に記載の外部電極蛍光灯用調光装置によれば、外部電極蛍光灯10の管径、長さ、本数に応じて前記電圧可変手段を可変調整していることで、仕様が異なる照明ユニット21を並設した場合でも、照明ユニット21間の明るさ(照度)を容易に均一に調整することができる。
【0030】
請求項3に記載の外部電極蛍光灯用調光装置によれば、DC電源部30、インバータ部31及び該インバータ部31により起動・点灯される複数本の外部電極蛍光灯10とで照明ユニット21を構成し、この照明ユニット21は、看板・広告用の照明用、什器53に陳列されている商品の照明用、室内56の間接照明用としているので、照明ユニット21をさまざまな用途に使用でき、また、仕様が異なる照明ユニット21を並設した場合でも、電圧可変手段により外部電極蛍光灯10の照度を可変して、照明ユニット21間の照度を均一に調整することができる。
【0031】
請求項4に記載の外部電極蛍光灯用調光装置によれば、電圧可変手段は、ボリュームVRで構成しているので、外部電極蛍光灯10の調光が容易にでき、さらには、ボリュームVRを可変させることで、抵抗値が無段で変化し、そのため、外部電極蛍光灯10の明るさ(照度)を無段で調光させることができる。また、照度を低くすることで、DC電源部30及びインバータ部31の消費電力を抑えることができ、省エネルギー化を図ることができる。また、周囲の明るさ(昼や夜間)に応じて看板としての照明ユニット21の明るさを調整でき、例えば、広告用の照明として変化に富んだ演出を行なうことができる。
【0032】
請求項5に記載の外部電極蛍光灯用調光装置によれば、電圧可変手段は、予め決められている調整用抵抗R0で構成しているので、照明ユニット21の仕様に応じた抵抗値の調整用抵抗R0により機種の仕様に応じて一定の明るさ(照度)の照明ユニット21を製造することができる。また、従来のように照度、外部電極蛍光灯10の長さ、本数によりインバータ部31の2次電圧を調整する必要がなく、DC電源部30の共用化、インバータ部31の共用化が可能となり、仕様が異なる場合でも基本的には機種を単一にすることができ、結果的に低コストな照明ユニット21を提供でき、また、在庫管理も容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。本発明のEEFLランプ10を調光する調光機能を持たせた照明ユニット21は、その用途して看板・広告用の照明、什器に陳列している商品の照明、室内の天井の下方に配置して室内の間接照明であり、また、単に前面を発光させるディスプレイ等である。
照明ユニット21を構成する部材としては、1本あるいは複数本のEEFLランプ10と、このEEFLランプ10を起動・点灯させるDC電源部30及びインバータ部31であり、基本的な構成は図22に示すのと同様である。また、照明ユニット21自体も従来と同様であり、この看板・広告用として用いる場合の照明ユニット21は、建物の外部や内部、柱などに単体、あるいは複数の照明ユニット21並設して設置されるものである。
【0034】
以下、照明ユニット21の内部に配置されるDC電源部30及びインバータ部31を具体的に説明する。
図1はDC電源部30の具体回路図を示し、このDC電源部30は基本的にはスイッチングレギュレータ回路であり、主に電源入力・整流回路40、出力トランスT1、MOSFETからなるスイッチング素子Q1、このスイッチング素子Q1を所定のデューティ比でオン、オフ制御すると共に、出力トランスT1の2次側の出力電圧を一定の電圧となるようにフィードバックを行なう制御用IC41、スイッチング素子Q1のカソード電流を検出して回路の温度補償と短絡保護のための保護回路42等で構成されている。
【0035】
次に、DC電源部30の動作について説明するが、一般的なスイッチングレギュレータであり、動作は周知なので詳細な説明は省略する。電源入力・整流回路40にはAC100Vが入力され、この入力された交流電源が電源入力・整流回路40にて整流される。整流された電圧V1は、抵抗R1を介して制御用IC41に電源として供給され、また出力トランスT1の1次コイルL1の一端に供給される。また、電圧V1は抵抗R2を介して制御用IC41に起動電流として入力される。
【0036】
制御用IC41は起動電流が入力されて、スイッチング素子Q1を所定のデューティ比にてオン、オフ制御をし、出力トランスT1の出力コイルLOには交流の出力電圧が発生する。この発生した交流の出力電圧はダイオードD1にて整流され、コンデンサC1にて平滑されて直流の出力電圧Voが発生する。
この出力電圧Voは、ボリュームVR、抵抗R3〜R5を介して制御用IC41にフィードバックされ、制御用IC41では、所望の電圧になるようにスイッチング素子Q1をオン、オフ制御し、これにより出力電圧Voは、一定の出力電圧となる。ここでは、例えば、端子TA1、TA2間にDC100Vの直流電圧が出力される制御が行なわれる。この動作がDC電源部30における基本的な制御動作である。
【0037】
図2は上記DC電源部30から直流電圧を電源として供給されるインバータ部31の具体回路図を示し、このインバータ部31は、スイッチング素子Q2、Q3のプッシュプル方式のインバータ回路である。端子TA3、TA4にDC電源部30からの直流電圧が印加され、この直流電圧の正極がチョークコイルCH1を介して出力トランスT2の1次側のコイルに接続されると共に、チョークコイルCH2を介して出力トランスT3の1次側に接続されている。
また、直流電源の正極は起動抵抗R10、抵抗R11を介してスイッチング素子Q2のベースに接続されていると共に、抵抗R12を介して他方のスイッチング素子Q3のベースに接続されている。
【0038】
スイッチング素子Q2のコレクタは出力トランスT2の1次側のコイルに接続され、スイッチング素子Q3のコレクタは出力トランスT3の1次側のコイルに接続されている。出力トランスT2の2次側のコイルの一端は、出力トランスT3の一端と接続され、出力トランスT2の他端と出力トランスT3の他端との間にサイン波の交流電力が出力されるようになっている。
インバータ部31の出力側の端子TA5、TA6と、図22に示すようにEEFLランプ10の電極11とがそれぞれ接続される形となる。
【0039】
DC電源部30からの直流電圧がインバータ部31に供給され、スイッチング素子Q2、Q3のベースに抵抗R10、R11、R12を介してベース電流が流れ、スイッチング素子Q2、Q3のhFEのバラツキで、hFEの大きい方のスイッチング素子が先にオンして発振を開始する。
そして、EEFLランプ10の両側の電極11間に60KHzの高周波で、1.6KV前後の高電圧が印加されて、EEFLランプ10が起動・点灯されることになる。
【0040】
ここで、インバータ部31の電源電圧として、DC電源部30からDC100Vが供給された場合、インバータ部31の出力トランスT2、T3のサイン波の出力電圧は約1.6KVであり、DC電源部30からの電源電圧を低くすると、インバータ部31の出力電圧が低下し、逆にDC電源部30の電源電圧を高くするとインバータ部31の出力電圧は大きくなる。
このインバータ部31の出力電圧を調整することで、EEFLランプ10の照度を調整することができる。すなわち、DC電源部30からインバータ部31に印加される電源電圧を調整することで、EEFLランプ10を調光することができる。
【0041】
次に、DC電源部30からの出力電圧Voを変化させる場合の制御動作について説明する。図3において、出力トランスT1の出力電圧Voは、ボリュームVRと抵抗R3との分圧電圧が検出電圧として制御用IC41にフィードバックされ、この検出電圧と制御用IC41の内部の基準電圧とが比較されて、制御用IC41は出力電圧Voとなるようにスイッチング素子Q1をオン、オフするデューティ比を制御している。
【0042】
今、ボリュームVRを可変させて抵抗値を小さくすると、ボリュームVRと抵抗R3との接続点であるA点の電圧(電位)が上昇して、出力電圧Voの値が見かけ上高くなる。出力電圧Voの値が高くなると、制御用IC41は出力電圧Voの値が低くなる方向に調整する。すなわち、制御用IC41はデューティ比を小さくしてスイッチング素子Q1をオン、オフ制御を行ない、見かけ上の出力電圧Voとなるように制御が行なわれる。
これにより、出力トランスT1の出力電圧Voは、Voの値より低い電圧が出力されることになる。そして、ボリュームVRを可変させて、さらに抵抗値を低くすると、出力電圧Voは一層低い直流電圧を出力するように制御される。
【0043】
また、ボリュームVRを可変させて抵抗値を高くすると、上記とは反対の制御が行なわれて、出力電圧VoをVoの値より高い直流電圧が出力されることになる。
【0044】
複数種類の照明ユニット21に用いるEEFLランプ10の管径、長さ、本数は予め決められており、これらの機種に応じた照明ユニット21の照度を均一にするべく、また、管ランプ両端に印加する高電圧の電圧バラツキが生じても、ボリュームVRを可変調整することで、機種の仕様が異なる場合でも容易に照度を調整することができる。さらには、ボリュームVRを可変させることで、抵抗値が無段で変化し、そのため、EEFLランプ10の明るさ(照度)を無段で調光させることができる。
【0045】
また、EEFLランプ10の管径、長さ、本数が予め決められている照明ユニット21では、機種に応じてボリュームVRの抵抗値から、図4に示すように、その抵抗値に合った抵抗R0をボリュームVRの代わりに接続するようにしておくことで、いちいちインバータ部31の2次電圧を調整することなく、仕様に応じた一定の照度の照明ユニット21を容易に製作することができる。
【0046】
なお、ボリュームVRまたは調整用抵抗R0の両端に接続される箇所からリード線を導出、あるいは端子構造としておき、ボリュームVRまたは調整用抵抗R0以外の部分を製造しておき、ボリュームVRまたは調整用抵抗R0は後付けする構成としておく。
これにより、DC電源部30はボリュームVRまたは調整用抵抗R0を除いた1機種として、製造、在庫管理が可能となり、照明ユニット21の機種の仕様に応じてボリュームVRまたは予め決められている調整用抵抗R0を外付けで後付けするだけで良いことになる。また、インバータ部31自体の回路部分は調整する必要がないので、照明ユニット21の機種の仕様に関係なく製造、在庫管理が可能となる。
【0047】
図5はEEFLランプ10の照度の調整用のボリュームVRをリード線35を介して外付けした場合を示し、このボリュームVRを照明ユニット21のケース本体22の内部、あるいはケース本体22に外部から調整可能としたものである。
ボリュームVRを外から可変させることで、照明ユニット21の設置後にEEFLランプ10の照度を調光あるいは均一な照度に調整をすることができる。
【0048】
また、ボリュームVRはDC電源部30に配置して一体的に設けるようにしても良く、かかる場合には機種の仕様に応じてEEFLランプ10の照度が均一になるように容易に調整することができる。
【0049】
ところで、照明ユニット21のDC電源部30及びインバータ部31は、図6に示すように、そのケース内にプリント基板を納装し、その上から樹脂51を充填してモールドしてしまうようになっている。従来では、照明ユニット21を並設した場合の照度を均一に調整する場合、DC電源部30の固まった樹脂51を掘っていってDC電源部30の出力側の抵抗を外してボリュームVRを接続していた。
そして、このボリュームVRを可変させて、その抵抗値を可変させることで、インバータ部31に供給する電圧値を調整し、インバータ部31の出力電圧を可変させることで、EEFLランプ10の照度の均一の調整を行なっていた。かかる照度の均一の調整作業は、大変手間と時間のかかる作業である。
【0050】
本発明では、図6に示すように、DC電源部30の樹脂51部分から、予めリード線35を導出しておき、このリード線35にボリュームVRを接続するようにしている。これにより、DC電源部30を加工することなく、予め導出されているリード線35にボリュームVRを接続するだけで済むことになる。
【0051】
図7は、ボリュームVRの代わりに予め実験結果により仕様に応じた抵抗値の調整用抵抗R0を用いた図5に対応した図であり、また、図8は図6に対応した図である。調整用抵抗R0を接続する場合でも、DC電源部30の樹脂51から導出されているリード線35に調整用抵抗R0を接続するだけで済む。
【0052】
図9は、仕様の異なる2台の照明ユニット21を並設した場合を示し、左側の照明ユニット21はEEFLランプ10を6本用いており、右側の照明ユニット21は長さが同じであるEEFLランプ10を9本用いている。左右の照明ユニット21には、DC電源部30にそれぞれボリュームVRを接続しており、このボリュームVRは内部に設けて調整可能としたり、外部から調整ができるように配置されている。
そして、所望の明るさ(照度)で、且つ2台の照明ユニット21の照度が均一となるように、どちらか、あるいは両方の照明ユニット21のボリュームVRを可変して照度を調整する。これにより、仕様の異なる照明ユニット21を並設しても、ボリュームVRを調整することで、並設されている照明ユニット21の明るさ(照度)を均一に調整することが可能となる。
【0053】
図10は、図9の場合と同様に仕様の異なる2台の照明ユニット21を並設した場合を示し、左側の照明ユニット21はEEFLランプ10を6本用いており、右側の照明ユニット21は長さが異なる(長い)EEFLランプ10を9本用いている場合である。
かかる場合でも、上記と同様に仕様の異なる照明ユニット21を並設しても、ボリュームVRを調整することで、並設されている照明ユニット21の明るさ(照度)を均一に調整することが可能となる。
【0054】
なお、本発明の照明ユニット21は、単に看板・広告用として用いられるだけではなく、図11に示すように、什器53に陳列される商品の照明用としても用いられる。この什器53は、複数段の棚54が設けられていて、各棚54の下面の先端側にはEEFLランプ10が配置されている。このEEFLランプ10からの光が棚54の上に陳列されている商品、例えば化粧品に照射されて、商品を見易くしている。
なお、1台のDC電源部30とインバータ部31にてそれぞれのEEFLランプ10を並列に接続して一括して起動・点灯するようにしても良く、また、各EEFLランプ10にそれぞれDC電源部30とインバータ部31を接続して、EEFLランプ10を起動・点灯するようにしても良い。
【0055】
また、図12は照明ユニット21を間接照明用として用いた場合を示している。室内56の壁面57と天井面58の隅部に断面を略L型とした仕切り部材59が配設されており、この仕切り部材59の上方で、室内56の下方からは直接見えない箇所にEEFLランプ10を配置している。
EEFLランプ10からの光は仕切り部材59により直接室内56には直接照射されず、EEFLランプ10からの光は矢印に示すように天井面58にて反射して室内56に照射される。
【0056】
図13は、棚54の数が異なる什器53を2台並設した場合を示しており、左側の什器53は棚54が5段であり、右側の什器53の棚54は4段とした場合である。左側の什器53のEEFLランプ10の本数は5本であり、右側の什器53のEEFLランプ10の本数は4本である。そして、左右の什器53には1台のDC電源部30とインバータ部31がそれぞれ設けられている。
EEFLランプ10の本数が異なる場合で、左右の什器53の明るさ(照度)を均一にする場合には、それぞれのDC電源部30に設けているボリュームVRを可変させることで、左右の什器53の明るさ(照度)を均一に調整することができる。
【0057】
図14は複数のEEFLランプ10からなる照明ユニット21を間接照明用として用いた場合を示している。室内56の天井面58の寸法の長い辺には、5本のEEFLランプ10からなる照明ユニット21を配置し、短い辺には3本のEEFLランプ10からなる照明ユニット21を配置した場合である。
5本のEEFLランプ10を用いた照明ユニット21と、3本のEEFLランプ10を用いた照明ユニット21の明るさ(照度)は異なるため、照明ユニット21に設けたボリュームVRを可変させることで、各照明ユニット21間の照度を均一にすることができる。
【0058】
なお、並設した照明ユニット21間の明るさ(照度)の調整は、ボリュームVRだけでなく、予め実験をしておき、照度が均一となる抵抗値を分析して、ボリュームVRの代わりに調整用抵抗R0を接続しておくようにしても良い。
【0059】
このように本実施形態では、照明ユニット21のEEFLランプ10の調光用としてボリュームVRを設けた場合では、照度を低くすることで、DC電源部30及びインバータ部31の消費電力を抑えることができ、省エネルギー化を図ることができる。また、周囲の明るさ(昼や夜間)に応じて看板としての照明ユニット21の場合では、明るさを調整でき、広告用の照明として変化に富んだ演出を行なうことができる。
さらには、照明ユニット21を間接照明用として用いる場合において、ボリュームVRを室内の壁面に配設しておき、このボリュームVRにより間接照明の場合でも、調光が可能となる。
【0060】
また、EEFLランプ10の管径、長さ、本数等の仕様が異なる照明ユニット21を並設した場合、ボリュームVRあるいは調整用抵抗R0により機種の仕様に応じて容易に明るさ(照度)を均一に調整することができ、照明ユニット21間の明るさ(照度)を均一にすることができる。これにより、仕様の異なる複数の照明ユニット21を並設しても明るさ(照度)を均一にできて、違和感を与えることもない。
なお、同一の仕様の照明ユニット21の場合でも、EEFLランプ10の製造のバラツキにより明るさ(照度)が異なった場合に、ボリュームVRを可変させることで、照明ユニット21を並設した場合の照明ユニット21間の照度を均一にすることができる。
【0061】
また、従来のように照度、EEFLランプ10の長さ、本数によりインバータ部31の2次電圧を調整する必要がなく、DC電源部30の共用化、インバータ部31の共用化が可能となり、仕様が異なる場合でも基本的には機種を単一にすることができ、結果的に低コストな照明ユニット21を提供でき、また、在庫管理も容易となる。
【0062】
また、1台のDC電源部30とインバータ部31とに複数本のEEFLランプ10が接続されている場合でも、EEFLランプ10の照度の均一さの調整や調光機能を付与することができる。
【0063】
なお、上記の実施形態では、EEFLランプ10の本数を複数本としてインバータ部31の並列に接続した構成について説明したが、複数本のEEFLランプ10に限らず、1本のEEFLランプ10を用いる場合にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態におけるDC電源部の具体回路図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるインバータ部の具体回路図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるEEFLランプの調光を行なう場合の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるEEFLランプの調光を行なう場合の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるボリュームを設けた場合のブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるDC電源部等に樹脂モールドした状態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態における調整用抵抗を設けた場合のブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態におけるDC電源部等に樹脂モールドした状態を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態における仕様の異なる照明ユニットを並設した場合を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における仕様の異なる照明ユニットを並設した場合を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における照明ユニットを什器に用いた場合を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態における照明ユニットを間接照明に用いた場合を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態における棚数が異なる什器に照明ユニットを用いた場合を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態におけるEEFLランプの数が異なる照明ユニットを間接照明に用いた場合の図である。
【図15】HCFLランプの発光原理を示す図である。
【図16】CCFLランプの発光原理を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態におけるEEFLランプ(外部電極蛍光灯)の発光原理を示す図である。
【図18】CCFLランプの特性を示す図である。
【図19】CCFLランプ及びEEFLランプの特性を示す図である。
【図20】広告用照明装置の斜視図である。
【図21】広告用照明装置の設置状態を示す図である。
【図22】従来例の広告用照明装置のブロック図である。
【図23】EEFLランプの複数の長さを示す図である。
【符号の説明】
【0065】
10 EEFLランプ(外部電極蛍光灯)
11 電極
21 照明ユニット
30 DC電源部
31 インバータ部
53 什器
56 室内
VR ボリューム
R0 調整用抵抗
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス管(2)の両側の外部に電極(11)を設けた外部電極蛍光灯(10)と、
前記外部電極蛍光灯(10)の両側に交流電源を印加して該外部電極蛍光灯(10)を起動・点灯させるインバータ部(31)と、
交流電源を直流に変換して前記インバータ部(31)に直流電力を電源として供給するDC電源部(30)とを備え、
前記DC電源部(30)に、前記インバータ部(31)に供給する直流電圧を可変させて前記外部電極蛍光灯(10)の照度を可変させる電圧可変手段を設けていることを特徴とする外部電極蛍光灯用調光装置。
【請求項2】
前記外部電極蛍光灯(10)の管径、長さ、本数に応じて前記電圧可変手段を可変調整していることを特徴とする請求項1に記載の外部電極蛍光灯用調光装置。
【請求項3】
前記DC電源部(30)、インバータ部(31)及び該インバータ部(31)により起動・点灯される複数本の外部電極蛍光灯(10)とで照明ユニット(21)を構成し、
この照明ユニット(21)は、看板・広告用の照明用、什器(53)に陳列されている商品の照明用、室内(56)の間接照明用としていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の外部電極蛍光灯用調光装置。
【請求項4】
前記電圧可変手段は、ボリューム(VR)で構成していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の外部電極蛍光灯用調光装置。
【請求項5】
前記電圧可変手段は、予め決められている調整用抵抗(R0)で構成していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の外部電極蛍光灯用調光装置。
【請求項1】
ガラス管(2)の両側の外部に電極(11)を設けた外部電極蛍光灯(10)と、
前記外部電極蛍光灯(10)の両側に交流電源を印加して該外部電極蛍光灯(10)を起動・点灯させるインバータ部(31)と、
交流電源を直流に変換して前記インバータ部(31)に直流電力を電源として供給するDC電源部(30)とを備え、
前記DC電源部(30)に、前記インバータ部(31)に供給する直流電圧を可変させて前記外部電極蛍光灯(10)の照度を可変させる電圧可変手段を設けていることを特徴とする外部電極蛍光灯用調光装置。
【請求項2】
前記外部電極蛍光灯(10)の管径、長さ、本数に応じて前記電圧可変手段を可変調整していることを特徴とする請求項1に記載の外部電極蛍光灯用調光装置。
【請求項3】
前記DC電源部(30)、インバータ部(31)及び該インバータ部(31)により起動・点灯される複数本の外部電極蛍光灯(10)とで照明ユニット(21)を構成し、
この照明ユニット(21)は、看板・広告用の照明用、什器(53)に陳列されている商品の照明用、室内(56)の間接照明用としていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の外部電極蛍光灯用調光装置。
【請求項4】
前記電圧可変手段は、ボリューム(VR)で構成していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の外部電極蛍光灯用調光装置。
【請求項5】
前記電圧可変手段は、予め決められている調整用抵抗(R0)で構成していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の外部電極蛍光灯用調光装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2009−170123(P2009−170123A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−3899(P2008−3899)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(591124640)FKK株式会社 (22)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(591124640)FKK株式会社 (22)
【Fターム(参考)】
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