説明

多層配線基板

【課題】接続端子の密着強度を十分に高めることができ、信頼性の高い多層配線基板を提供する。
【解決手段】多層配線基板10の配線積層部30において、上面31側には複数の開口部35,36を有するソルダーレジスト25が配設され、ソルダーレジスト25に接している最外層の樹脂絶縁層23にICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42が埋設されている。ICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42は、主体をなす銅層44と銅以外の2種の金属からなるめっき層46とにより構成される。銅層44の主面側外周部はソルダーレジスト25により覆われ、銅層44の主面側中央部に存在する凹所にはめっき層46が埋まり込むようにして設けられる。めっき層46の金めっき層46bが複数の開口部35,36を介して露出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同じ樹脂絶縁材料を主体とした複数の樹脂絶縁層及び複数の導体層を交互に積層して多層化した積層構造体を有する一方で、両面にビルドアップ層を順次形成していくいわゆるコア基板を製品として有しない多層配線基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータのマイクロプロセッサ等として使用される半導体集積回路素子(ICチップ)は、近年ますます高速化、高機能化しており、これに付随して端子数が増え、端子間ピッチも狭くなる傾向にある。一般的にICチップの底面には多数の端子が密集してアレイ状に配置されており、このような端子群はマザーボード側の端子群に対してフリップチップの形態で接続される。ただし、ICチップ側の端子群とマザーボード側の端子群とでは端子間ピッチに大きな差があることから、ICチップをマザーボード上に直接的に接続することは困難である。そのため、通常はICチップをICチップ搭載用配線基板上に搭載してなる半導体パッケージを作製し、その半導体パッケージをマザーボード上に搭載するという手法が採用される。
【0003】
この種のパッケージを構成するICチップ搭載用配線基板としては、コア基板の表面及び裏面にビルドアップ層を形成した多層配線基板が実用化されている。この多層配線基板においては、コア基板として、例えば、補強繊維に樹脂を含浸させた樹脂基板(ガラスエポキシ基板など)が用いられている。そして、そのコア基板の剛性を利用して、コア基板の表面及び裏面に樹脂絶縁層と導体層とを交互に積層することにより、ビルドアップ層が形成されている。つまり、この多層配線基板において、コア基板は、補強の役割を果たしており、ビルドアップ層と比べて非常に厚く形成されている。また、コア基板には、表面及び裏面に形成されたビルドアップ層間の導通を図るための配線(具体的には、スルーホール導体など)が貫通形成されている。
【0004】
ところで近年では、半導体集積回路素子の高速化に伴い、使用される信号周波数が高周波帯域となってきている。この場合、コア基板を貫通する配線が大きなインダクタンスとして寄与し、高周波信号の伝送ロスや回路誤動作の発生につながり、高速化の妨げとなってしまう。この問題を解決するために、多層配線基板を、コア基板を有さない基板とすることが提案されている(例えば特許文献1,2参照)。特許文献1,2に記載の多層配線基板は、比較的に厚いコア基板を省略することにより全体の配線長を短くしたものであるため、高周波信号の伝送ロスが低減され、半導体集積回路素子を高速で動作させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4146864号公報(図1、図4など)
【特許文献2】特開2009−141121号公報(図7など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来の配線基板における接続端子108には、内層側からニッケルめっき層109a及び金めっき層109bの2層のめっき層が形成されている(図16参照)。この接続端子108上にはんだ110を形成する場合、接続端子108の表層側に存在する金が溶融したはんだ110中に拡散してしまい、端子外面108aの外周部においてソルダーレジスト105との間に隙間が生じてしまう。この場合、ソルダーレジスト105と接続端子108とが密着しなくなるため、接続端子108の密着強度が低下してしまう。従って、このような場合には信頼性の高い配線基板とすることが困難になる。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、接続端子の密着強度を十分に高めることができ、信頼性の高い多層配線基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして上記課題を解決するための手段(手段1)としては、同じ樹脂絶縁材料を主体とする複数の樹脂絶縁層及び複数の導体層を交互に積層して多層化した積層構造体を有し、前記積層構造体の第1主面側には複数の第1主面側接続端子が配置され、前記積層構造体の第2主面側には複数の第2主面側接続端子が配置され、前記複数の導体層は、前記複数の樹脂絶縁層に形成され、前記第1主面側または前記第2主面側に向うに従って拡径したビア導体により接続されている多層配線基板であって、前記積層構造体の前記第1主面側または前記第2主面側には、複数の開口部を有するソルダーレジストが配設され、前記複数の第1主面側接続端子または前記複数の第2主面側接続端子は、主体をなす銅層と銅以外の1種以上の金属からなる金属層とにより構成されるとともに、前記ソルダーレジストに接している最外層の樹脂絶縁層に埋設され、前記銅層の主面側外周部は、前記ソルダーレジストにより覆われ、前記銅層の主面側中央部に存在する凹所には、前記金属層の少なくとも一部が埋まり込むようにして設けられ、前記金属層の少なくとも一部は、前記複数の開口部を介して露出していることを特徴とする多層配線基板がある。
【0009】
従って、手段1に記載の発明によると、同じ樹脂絶縁材料を主体とする複数の樹脂絶縁層及び複数の導体層を交互に積層され、コアを含まないコアレス配線基板として多層配線基板が形成されている。この多層配線基板において、積層構造体の第1主面側または第2主面側には、複数の開口部を有するソルダーレジストが配設され、第1主面側接続端子または第2主面側接続端子の主体をなす銅層の主面側外周部がソルダーレジストにより覆われる。この場合、従来のようにソルダーレジストと銅層との界面に金めっき層が介在しないので、はんだ接続時にソルダーレジストと端子外面の外周部との間に隙間が生じることがなく、接続端子の密着強度を十分に高めることができる。また、銅層の主面側中央部に存在する凹所には、金属層の少なくとも一部が埋まり込むようにして設けられているので、接続端子の厚さを薄くすることができる。
【0010】
ソルダーレジストと最外層の樹脂絶縁層との界面に存在する導体層は、最外層の樹脂絶縁層側に埋まっていることが好ましい。この場合、複数の第1主面側接続端子または複数の第2主面側接続端子と同一界面に導体層が存在することとなる。そして、導体層が各接続端子と同様に最外層の樹脂絶縁層側に埋まっているので、配線パターンなどの導体層間や各接続端子との絶縁性を十分に確保することができる。従って、各配線を比較的狭いピッチで設けることできるため、多層配線基板の高集積化を図ることができる。
【0011】
銅層の主面側中央部に存在する凹所は、入口が狭く内部が広くなっていることが好ましい。このようにすると、銅層と金属層との接触面積を増やすことができ、金属層を十分な強度で設けることができる。
【0012】
金属層は、ニッケル層と金層とを含んで構成されることが好ましい。金属層を構成するニッケル層及び金層は、例えば電解めっきや無電解めっきにて形成される。また、金属層としては、例えばニッケルめっき層と金めっき層との間にパラジウム層が設けられていてもよい。このように金属層を形成すると、接続端子のはんだ接続を確実に行うことができる。
【0013】
ソルダーレジストが積層構造体の第1主面側に配置され、第1主面側には、接続対象がICチップであるICチップ接続端子及び接続対象が受動部品でありICチップ接続端子よりも面積の大きい受動部品接続端子の2種類が、複数の第1主面側接続端子として存在していてもよい。このようにすると、ICチップ接続端子及び受動部品接続端子とソルダーレジストとの密着性を十分に高めることができる。また、ICチップ接続端子や受動部品接続端子の厚さを薄くすることができる。なお、ソルダーレジストは、ICチップが搭載される第1主面側の反対側、具体的には、母基板が接続される第2主面側に設けられてもよい。
【0014】
複数の樹脂絶縁層に形成されたビア導体は、いずれも第1主面側から第2主面側に向うに従って拡径した形状を有していてもよい。また逆に、複数の樹脂絶縁層に形成されたビア導体は、いずれも第2主面側から第1主面側に向うに従って拡径した形状を有していてもよい。このようにすると、コア基板を有さないコアレス配線基板を確実に製造することができる。
【0015】
複数の樹脂絶縁層を形成するための高分子材料の好適例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂等が挙げられる。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料、あるいは、連続多孔質PTFE等の三次元網目状フッ素系樹脂基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料等を使用してもよい。なお、本発明において、「同じ樹脂絶縁材料を主体とする複数の樹脂絶縁層」とは、例えば熱硬化性樹脂に含浸させる上記有機繊維等の添加物に違いがあったとしても、主体となる熱硬化性樹脂が同じであれば、その具体例に該当する。また、「ソルダーレジスト」とは、耐熱性被覆材料であり、はんだ付け作業の際にこの部分にはんだが付かないようにするレジストのことをいう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態における多層配線基板の概略構成を示す拡大断面図。
【図2】第1の実施の形態における多層配線基板の概略構成を示す平面図。
【図3】第1の実施の形態における多層配線基板の概略構成を示す平面図。
【図4】第1の実施の形態におけるICチップ接続端子の構成を示す拡大断面図。
【図5】第1の実施の形態における多層配線基板の製造方法を示す説明図。
【図6】第1の実施の形態における多層配線基板の製造方法を示す説明図。
【図7】第1の実施の形態における多層配線基板の製造方法を示す説明図。
【図8】第1の実施の形態における多層配線基板の製造方法を示す説明図。
【図9】第1の実施の形態における多層配線基板の製造方法を示す説明図。
【図10】第1の実施の形態における多層配線基板の製造方法を示す説明図。
【図11】第1の実施の形態における多層配線基板の製造方法を示す説明図。
【図12】第1の実施の形態における多層配線基板の製造方法を示す説明図。
【図13】第2の実施の形態における多層配線基板の概略構成を示す拡大断面図。
【図14】第2の実施の形態におけるICチップ接続端子の構成を示す拡大断面図。
【図15】別の実施の形態の多層配線基板の概略構成を示す拡大断面図。
【図16】従来の配線基板を示す拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1の実施の形態]
以下、本発明を多層配線基板に具体化した第1の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施の形態の多層配線基板の概略構成を示す拡大断面図である。また、図2は、上面側から見た多層配線基板の平面図であり、図3は、下面側から見た多層配線基板の平面図である。
【0018】
図1に示されるように、多層配線基板10は、コア基板を含まずに形成されたコアレス配線基板であって、同じ樹脂絶縁材料を主体とした樹脂絶縁層21,22,23と銅からなる導体層26とを交互に積層して多層化した配線積層部30(積層構造体)を有している。各樹脂絶縁層21〜23は、光硬化性を付与していない樹脂絶縁材料、具体的には熱硬化性エポキシ樹脂の硬化物を主体としたビルドアップ材を用いて形成されている。多層配線基板10において、配線積層部30の上面31側(第1主面側)には、複数の接続端子41,42(第1主面側接続端子)が配置されている。
【0019】
図1及び図2に示されるように、本実施の形態の多層配線基板10では、配線積層部30の上面31側に配置される複数の接続端子41,42として、接続対象がICチップであるICチップ接続端子41と、接続対象がチップコンデンサであるコンデンサ接続端子42とが存在している。配線積層部30の上面31側において、複数のICチップ接続端子41は、基板中央部に設けられたチップ搭載領域43にてアレイ状に配置されている。また、コンデンサ接続端子42は、ICチップ接続端子41よりも面積の大きい接続端子であり、チップ搭載領域43よりも外周側に配置されている。
【0020】
一方、図1及び図3に示されるように、配線積層部30の下面32側(第2主面側)には、接続対象がマザーボード(母基板)であるLGA(ランドグリッドアレイ)用の複数の接続端子45(第2主面側接続端子としての母基板接続端子)がアレイ状に配置されている。これら母基板接続端子45は、上面31側のICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42よりも面積の大きな接続端子である。
【0021】
樹脂絶縁層21,22,23には、それぞれビア穴33及びフィルドビア導体34が設けられている。各ビア導体34は、いずれも同一方向に(図1では上面側から下面側に向かうに従って)拡径した形状を有し、各導体層26、ICチップ接続端子41、コンデンサ接続端子42、及び母基板接続端子45を相互に電気的に接続している。
【0022】
配線積層部30の上面31側において、最外層の樹脂絶縁層23の表面はソルダーレジスト25によってほぼ全体的に覆われており、ソルダーレジスト25には、ICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42を露出させる複数の開口部35,36が形成されている。本実施の形態のソルダーレジスト25は、内層側の樹脂絶縁層21〜23と同じ樹脂絶縁材料、具体的には熱硬化性エポキシ樹脂の硬化物を主体としたビルドアップ材を用いて形成された樹脂絶縁層である。
【0023】
図1及び図4に示されるように、ICチップ接続端子41は、主体をなす銅層44と銅以外の金属からなるめっき層46(具体的には、ニッケルめっき層46a及び金めっき層46bからなる金属層)とにより構成されている。コンデンサ接続端子42も、主体をなす銅層44と銅以外の金属からなるめっき層46(ニッケルめっき層46a及び金めっき層46bからなる金属層)とにより構成されている。なお、めっき層46を構成するニッケルめっき層46aは、8μm程度の厚さであり、金めっき層46bは、0.1μm程度の厚さである。また、銅層44は25μm程度の厚さである。
【0024】
ICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42は、ソルダーレジスト25に接している最外層の樹脂絶縁層23に埋設され、銅層44の主面側外周部44aがソルダーレジスト25により覆われている。また、ICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42において、銅層44の主面側中央部44bには凹所47が存在し、その凹所47にめっき層46が埋まり込むようにして設けられている。凹所47は、入り口が狭く内部が広くなっている(図4参照)。そして、凹所47に埋まり込むめっき層46は端部が丸みを帯びた形状となっている。また、ICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42を構成するめっき層46の表面が開口部35,36を介して露出している。
【0025】
本実施の形態では、ソルダーレジスト25と樹脂絶縁層23との界面にICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42が存在しており、その同一界面に導体層26の配線パターンが形成されている。この導体層26も各接続端子41,42と同様に、最外層の樹脂絶縁層23側に埋設されている。
【0026】
また、配線積層部30の下面32側において、最外層の樹脂絶縁層21の表面はソルダーレジスト28によってほぼ全体的に覆われており、ソルダーレジスト28には、母基板接続端子45を露出させる開口部37が形成されている。ソルダーレジスト28は、光硬化性を付与した樹脂材料の硬化物を主体として構成されている。母基板接続端子45は、銅層44を主体として構成されており、開口部37の直径よりも大きな直径を有している。母基板接続端子45において、銅層44の主面側外周部がソルダーレジスト28により覆われており、開口部37にて露出する中央部には、銅以外の金属からなるめっき層48(具体的には、ニッケルめっき層48a及び金めっき層48b)が形成されている。そして、母基板接続端子45上に、図示しないはんだを介してマザーボードが接続されるようになっている。
【0027】
また、多層配線基板10において、樹脂絶縁層21とソルダーレジスト28との界面には、母基板接続端子45以外に、配線パターンを形成する導体層26が形成されている。この導体層26は、母基板接続端子45と同様にソルダーレジスト28側に埋まっている。
【0028】
上記構成の多層配線基板10は例えば以下の手順で作製される。
【0029】
先ず、十分な強度を有する支持基板(ガラスエポキシ基板など)を準備し、その支持基板上に、樹脂絶縁層21〜23及び導体層26をビルドアップして配線積層部30を形成する。
【0030】
詳述すると、図5に示されるように、支持基板50上に、エポキシ樹脂からなるシート状の絶縁樹脂基材を貼り付けて下地樹脂絶縁層51を形成することにより、支持基板50及び下地樹脂絶縁層51からなる基材52を得る。そして、基材52の下地樹脂絶縁層51の上面に、積層金属シート体54を配置する。ここで、下地樹脂絶縁層51上に積層金属シート体54を配置することにより、以降の製造工程で積層金属シート体54が下地樹脂絶縁層51から剥がれない程度の密着性が確保される。積層金属シート体54は、2枚の銅箔55,56(一対の金属箔)を剥離可能な状態で密着させてなる。具体的には、金属めっき(例えば、クロムめっき、ニッケルめっき、チタンめっき、またはこれらの複合めっき)を介して銅箔55、銅箔56が配置された積層金属シート体54が形成されている。
【0031】
次に、金属層形成工程を行う。具体的には、積層金属シート体54の上面にめっきレジスト形成用のドライフィルムをラミネートし、同ドライフィルムに対して露光及び現像を行う。その結果、各接続端子41,42に対応した箇所に開口部を有する所定のパターンのめっきレジストを形成する。そして、めっきレジストを形成した状態で選択的に電解銅めっきを行って、積層金属シート体54上に金属導体部58を形成した後、めっきレジストを剥離する(図6参照)。また、樹脂絶縁層との密着性を高めるために金属導体部58表面の粗化(CZ処理)を行う。
【0032】
その後、基材52上において、金属導体部58が形成された積層金属シート体54を包むようにシート状の樹脂絶縁層(後にソルダーレジスト25となる樹脂絶縁層)を配置し、樹脂絶縁層25を貼り付ける。この樹脂絶縁層25は、積層金属シート体54及び金属導体部58と密着するとともに、積層金属シート体54の周囲領域において下地樹脂絶縁層51と密着することで、積層金属シート体54を封止する。
【0033】
そして、図7に示されるように、例えばバフ研磨を行うことにより、金属導体部58の上端面を樹脂絶縁層25から露出させる。その後、過マンガン酸カリウム溶液などのエッチング液を用いて金属導体部58上のスミアを除去するデスミア工程を行う。デスミア工程の後、電解金めっき及び電解ニッケルめっきを行い、樹脂絶縁層25から露出している金属導体部58の上端面に、各接続端子41,42のめっき層46となるめっき部を形成する。めっき部は、金属導体部58の上端面を覆うように形成された金めっき層46bと、さらにその金めっき層46bを覆うように形成されたニッケルめっき層46aとを有し、金属導体部58の上端面から盛り上がった形状となる。
【0034】
次に、無電解銅めっきを行い、樹脂絶縁層25や金属導体部58上のめっき層46を覆う無電解めっき層59を形成する(図8参照)。その後、樹脂絶縁層25の上面にめっきレジスト形成用のドライフィルムをラミネートし、同ドライフィルムに対して露光及び現像を行う。この結果、各接続端子41,42や導体層26に対応した位置に開口部を有する所定のパターンのめっきレジストを形成する。そして、めっきレジストを形成した状態で選択的に電解銅めっきを行って、開口部内に銅層44や導体層26となる銅めっき部を形成した後、めっきレジストを剥離する。
【0035】
さらに、エッチングを行い、樹脂絶縁層25の表面において無電解めっき層59の露出箇所を部分的に除去する。この結果、各接続端子41,42を構成する銅層44がめっき層46を包み込むように形成されるとともに導体層26が形成される(銅層形成工程)。
【0036】
銅層形成工程後、ビルドアップ工程を行う。ビルドアップ工程では、先ず銅層44及び導体層26が形成された樹脂絶縁層25の上面にシート状の樹脂絶縁層23を配置し、樹脂絶縁層23を貼り付ける(図9参照)。そして、例えばエキシマレーザーやUVレーザーやCOレーザーなどを用いてレーザー加工を施すことによって樹脂絶縁層23の所定の位置(接続端子41の上部の位置)にビア穴33を形成する。次いで、過マンガン酸カリウム溶液などのエッチング液を用いて各ビア穴33内のスミアを除去するデスミア工程を行う。なお、デスミア工程としては、エッチング液を用いた処理以外に、例えばOプラズマによるプラズマアッシングの処理を行ってもよい。
【0037】
デスミア工程の後、従来公知の手法に従って無電解銅めっき及び電解銅めっきを行うことで、各ビア穴33内にビア導体34を形成する。さらに、従来公知の手法(例えばセミアディティブ法)によってエッチングを行うことで、樹脂絶縁層23上に導体層26をパターン形成する。
【0038】
また、他の樹脂絶縁層22,21及び導体層26についても、上述した樹脂絶縁層23及び導体層26と同様の手法によって形成し、樹脂絶縁層23上に積層していく。そして、最外層の樹脂絶縁層21上に母基板接続端子45や導体層26を形成する(図10参照)。
【0039】
さらに、最外層の樹脂絶縁層21上に感光性エポキシ樹脂を塗布して硬化させることにより、ソルダーレジスト28を形成する。そして、所定のマスクを配置した状態で露光及び現像を行い、ソルダーレジスト28に開口部37をパターニングする。この結果、母基板接続端子45における中央部がソルダーレジスト28の開口部37から露出される。また、導体層26の表面はソルダーレジスト28によって被覆される。その後、開口部37から露出している母基板接続端子45の表面に対し、無電解ニッケルめっき、無電解金めっきを順次施す。これにより、ニッケルめっき層48a及び金めっき層48bからなるめっき層48を母基板接続端子45の表面に形成する(図11参照)。
【0040】
上述したビルドアップ工程によって、基材52上に積層金属シート体54、樹脂絶縁層21〜23,25及び導体層26を積層した配線積層体60を形成する。なお図11に示されるように、配線積層体60において積層金属シート体54上に位置する領域が、多層配線基板10の配線積層部30となる部分である。
【0041】
ビルドアップ工程後、配線積層体60をダイシング装置(図示略)により切断し、配線積層部30の周囲領域を除去する。この際、図11に示すように、配線積層部30とその周囲部64との境界(図11では矢印で示す境界)において、配線積層部30の下方にある基材52(支持基板50及び下地樹脂絶縁層51)ごと切断する。この切断によって、樹脂絶縁層25にて封止されていた積層金属シート体54の外縁部が露出した状態となる。つまり、周囲部64の除去によって、下地樹脂絶縁層51と樹脂絶縁層25との密着部分が失われる。この結果、配線積層部30と基材52とは積層金属シート体54のみを介して連結した状態となる。
【0042】
ここで、図12に示されるように、積層金属シート体54における一対の銅箔55,56の界面にて剥離することで、配線積層部30から基材52を除去して配線積層部30(樹脂絶縁層25)の下面上にある銅箔55を露出させる。さらに、配線積層部30の下面側において、露出した銅箔55及び金属導体部58をエッチング除去する(基材除去工程)。
【0043】
具体的には、配線積層部30の上面において、エッチングレジスト形成用のドライフィルムをラミネートし、同ドライフィルムに対して露光及び現像を行うことにより、表面全体を覆うエッチングレジストを形成する。この状態で、配線積層部30に対してエッチングを行うことで、銅箔55を全体的に除去するとともに、金属導体部58を除去する。また、エッチング後に、配線積層部30の上面に形成したエッチングレジストを除去する。この結果、樹脂絶縁層25に開口部35,36が形成されるとともに、各開口部35,36を介してICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42の表面(めっき層46の表面)が露出される。なおこのとき、各接続端子41,42のめっき層46(具体的には、表層側にある金めっき層46b)は、銅よりもエッチングレートが低いため、エッチングストップ層として機能し、開口部35,36の内層側に残る。
【0044】
以上の工程を経ることで図1の多層配線基板10を製造する。
【0045】
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0046】
(1)本実施の形態の多層配線基板10では、配線積層部30の上面31に複数の開口部35,36を有するソルダーレジスト25が配設され、ソルダーレジスト25と接している最外層の樹脂絶縁層23に複数のICチップ接続端子41と複数のコンデンサ接続端子42とが埋設されている。各接続端子41,42は、主体をなす銅層44と銅以外の2種類の金属からなるめっき層46とにより構成され、銅層44の主面側外周部44aは、ソルダーレジスト25により覆われている。このように構成すると、ソルダーレジスト25と銅層44との界面に金めっき層が介在しないので、従来のようにはんだ接続時にソルダーレジスト25と端子外周部との間に隙間が生じることがなく、ソルダーレジスト25と各接続端子41,42との密着強度を十分に高めることができる。また、銅層44の主面側中央部44bに存在する凹所47には、めっき層46が埋まり込むようにして設けられているので、接続端子41,42の厚さを薄くすることができる。さらに、接続端子41,42において銅層44の表面からめっき層46が突出していないので、ソルダーレジスト25の開口部35,36の深さを十分に確保することができる。この場合、銅層44の表面からめっき層46が突出する場合と比較して、ソルダーレジスト25の厚さを薄くすることができ、多層配線基板10の薄型化が可能となる。
【0047】
(2)本実施の形態の多層配線基板10では、ソルダーレジスト25と最外層の樹脂絶縁層23との界面には、複数のICチップ接続端子41と複数のコンデンサ接続端子42が存在するとともに、配線パターンを形成する導体層26が存在している。この導体層26は、各接続端子41,42と同様に樹脂絶縁層23側に埋まっている。このようにすると、配線パターンを形成する導体層26間や接続端子41,42との絶縁性を十分に確保することができる。従って、各配線を比較的狭いピッチで設けることできるため、多層配線基板10の高集積化を図ることができる。
【0048】
(3)本実施の形態では、銅層44の主面側中央部44bに存在する凹所47は、入口が狭く内部が広くなっている。この場合、銅層44とめっき層46との接触面積を増やすことができ、めっき層46を十分な強度で設けることができる。従って、各接続端子41,42の強度を高めることができ、多層配線基板10の信頼性を向上させることができる。
【0049】
(4)本実施の形態の多層配線基板10では、配線積層部30の下面32に複数の開口部37を有するソルダーレジスト28が配設され、ソルダーレジスト28の各開口部37に対応する位置に複数の母基板接続端子45が設けられている。この母基板接続端子45においても、主体をなす銅層44の主面側外周部がソルダーレジスト28により覆われている。母基板接続端子45においても、ソルダーレジスト28と銅層44との界面に金めっき層が介在していない。従って、はんだ接続時において、ソルダーレジスト28と端子外周部との間に隙間が生じることがなく、接続端子45の密着強度を十分に高めることができる。
[第2の実施の形態]
【0050】
次に、本実施の形態を具体化した第2の実施の形態を図面に基づき説明する。図13に示されるように、本実施の形態の多層配線基板10Aは、配線積層部30の上面31側に形成されるICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42のめっき層46の構造、及びその製造方法が上記第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0051】
図13及び図14に示されるように、ICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42において、めっき層46の一部が銅層44に埋まり込むようにして設けられている。本実施の形態においても、めっき層46は、ニッケルめっき層46aと金めっき層46bとにより構成されており、ニッケルめっき層46aの一部が銅層44の主面側中央部44bに形成された凹所47内に設けられている。また、開口部35,36において、銅層44の凹所47から突出したニッケルめっき層46aの表面に金めっき層46bが設けられている。なお、多層配線基板10Aにおいて、ICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42以外の構成(母基板接続端子45、導体層26、樹脂絶縁層21〜23等)は、上記第1の実施の形態の多層配線基板10と同じである。
【0052】
本実施の形態の多層配線基板10Aは以下の手順で作製される。
【0053】
先ず、第1の実施の形態と同様の工程を行い、図7に示されるように、基材52上において金属導体部58が形成された積層金属シート体54を包むようにシート状の樹脂絶縁層25を配置した後、バフ研磨を行って金属導体部58の上端面を樹脂絶縁層25から露出させる。その後、電解ニッケルめっきを行い、樹脂絶縁層25から露出している金属導体部58の上端面に、ニッケルめっき層46aを形成する。
【0054】
次に、無電解銅めっきを行い、樹脂絶縁層20や金属導体部58上のニッケルめっき層46aを覆う無電解めっき層59を形成する。その後、樹脂絶縁層25の上面にめっきレジスト形成用のドライフィルムをラミネートし、同ドライフィルムに対して露光及び現像を行うことで、各接続端子41,42や導体層26に対応した位置に開口部を有する所定のパターンのめっきレジストを形成する。そして、めっきレジストを形成した状態で選択的に電解銅めっきを行って、銅層44や導体層26となる銅めっき部を形成した後、めっきレジストを剥離する。
【0055】
さらに、エッチングを行い、樹脂絶縁層25の表面において無電解めっき層59の露出箇所を部分的に除去する。この結果、各接続端子41,42を構成する銅層44がニッケルめっき層46aを包み込むように形成されるとともに導体層26が形成される(銅層形成工程)。
【0056】
その後、上記第1の実施の形態と同様にビルドアップ工程を行うことで、基材52上に積層金属シート体54、樹脂絶縁層21〜23,25及び導体層26を積層した配線積層体60を形成する。さらに、配線積層体60をダイシング装置により切断し、配線積層部30の周囲領域を除去する。
【0057】
そして、積層金属シート体54における一対の銅箔55,56の界面にて剥離することで、配線積層部30から基材52を除去して配線積層部30(樹脂絶縁層25)の下面上にある銅箔55を露出させる。さらに、配線積層部30の下面側において、露出した銅箔55及び金属導体部58をエッチング除去する。この結果、樹脂絶縁層25に開口部35,36が形成されるとともに、各開口部35,36を介してニッケルめっき層46aの表面が露出される。なおこのとき、ニッケルめっき層46aは、銅よりもエッチングレートが低いため、エッチングストップ層として機能し、開口部35,36の内層側に残る。
【0058】
その後、樹脂絶縁層21上に感光性エポキシ樹脂を塗布して硬化させることにより、ソルダーレジスト28を形成する。そして、所定のマスクを配置した状態で露光及び現像を行い、ソルダーレジスト28に開口部37をパターニングする。この結果、母基板接続端子45における中央部がソルダーレジスト28の開口部37から露出される。また、導体層26の表面はソルダーレジスト28によって被覆される。
【0059】
その後、開口部35から露出しているICチップ接続端子41のニッケルめっき層46aの表面、開口部36から露出しているコンデンサ接続端子42のニッケルめっき層46aの表面、及び開口部37から露出している母基板接続端子45の表面に対し、無電解ニッケルめっき、無電解金めっきを順次施す。ここで、ICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42では、銅層44の凹所47内のニッケルめっき層46aに対して無電解ニッケルめっきが施される。この結果、開口部35,36内において銅層44の凹所47から突出するようニッケルめっき層46aが形成され、さらにそのニッケルめっき層46aを覆うように金めっき層46bが形成される。また、母基板接続端子45では、開口部37内にて露出した中央部表面にニッケルめっき層48a及び金めっき層48bが形成される。以上の工程を経ることで図13の多層配線基板10Aを製造する。
【0060】
本実施の形態の多層配線基板10Aにおいても、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、多層配線基板10Aでは、各接続端子41,42のめっき層46が開口部35,36側に出っ張った形状となっているので、めっき層46とソルダーレジスト25との密着面積が増し、接続端子41,42とソルダーレジスト25との境界部分に加わる応力を抑えることができる。
【0061】
なお、本発明の各実施の形態は以下のように変更してもよい。
【0062】
・上記各実施の形態では、ICチップ接続端子41やコンデンサ接続端子42が形成される上面31(第1主面)側から樹脂絶縁層21〜23及び導体層26を積層して多層配線基板10,10Aを製造したが、これに限定されるものではない。母基板接続端子45が形成される下面32(第2主面)側から樹脂絶縁層21〜23及び導体層26を積層して多層配線基板を製造してもよい。図15には、下面32(第2主面)側から積層した多層配線基板10Bを示している。
【0063】
図15の多層配線基板10Bは、同じ樹脂絶縁材料を主体とした樹脂絶縁層20,21,22,23,24と銅からなる導体層26とを交互に積層して多層化した配線積層部30A(積層構造体)を有している。多層配線基板10Bにおいて、配線積層部30Aの下面32を覆う樹脂絶縁層20と上面31を覆う樹脂絶縁層24とがソルダーレジストとして機能する。樹脂絶縁層20には、母基板接続端子45を露出させる複数の開口部37が形成され、樹脂絶縁層24には、ICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42を露出させる複数の開口部35,36が形成されている。配線積層部30AのICチップ接続端子41及びコンデンサ接続端子42において、開口部35,36から露出する表面にめっき層46(ニッケルめっき層46a及び金めっき層46b)が形成されている。
【0064】
さらに、配線積層部30Aの母基板接続端子45において、主体をなす銅層44の主面側中央部44bには凹所47が存在し、その凹所47にめっき層48(ニッケルめっき層48a及び金めっき層48b)が埋まり込むようにして設けられている。また、配線積層部30Aにおいて、複数の樹脂絶縁層20〜24に形成される複数の導体層26は、下面32側から上面31側に向かうに従って拡径したビア導体34により互いに接続されている。
【0065】
図15の多層配線基板10Bにおいても、ソルダーレジストとなる樹脂絶縁層20と母基板接続端子45の銅層44と間に金めっき層が介在していないので、樹脂絶縁層20と母基板接続端子45との密着強度を十分に確保することができる。また、母基板接続端子45において、銅層44の凹所47にめっき層48が埋まり込むようにして設けられているので、母基板接続端子45の厚さを薄くすることができる。
【0066】
・上記各実施の形態では、各接続端子41,42,45を被覆するめっき層46,48は、ニッケル−金めっき層であったが、銅以外のめっき層であればよく、例えば、ニッケル−パラジウム−金めっき層などの他のめっき層に変更してもよい。
【0067】
次に、前述した各実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0068】
(1)手段1の多層配線基板において、前記複数の樹脂絶縁層に形成された前記ビア導体は、いずれも前記第1主面側から前記第2主面側に向うに従って拡径した形状を有することを特徴とする多層配線基板。
【0069】
(2)手段1の多層配線基板において、前記ソルダーレジストと前記最外層の樹脂絶縁層とは同じ樹脂絶縁材料を主体として構成されることを特徴とする多層配線基板。
【0070】
(3)手段1の多層配線基板において、前記ソルダーレジストと最外層の樹脂絶縁層との界面には、複数の第1主面側接続端子または複数の第2主面側接続端子が存在するとともに、それら接続端子と同一の界面に導体層が存在していることを特徴とする多層配線基板。
【0071】
(4)手段1乃至4のいずれかの多層配線基板において、前記ソルダーレジストが前記積層構造体の前記第1主面側に配置され、前記第1主面側には、接続対象がICチップであるICチップ接続端子及び接続対象が受動部品であり前記ICチップ接続端子よりも面積の大きい受動部品接続端子の2種類が、前記複数の第1主面側接続端子として存在していることを特徴とする多層配線基板。
【符号の説明】
【0072】
10,10A,10B…多層配線基板
20…ソルダーレジストとしての樹脂絶縁層
21〜23…樹脂絶縁層
25…ソルダーレジスト
26…導体層
30,30A…積層構造体としての配線積層部
31…第1主面としての上面
32…第2主面としての下面
34…ビア導体
35,36,37…開口部
41…第1主面側接続端子としてのICチップ接続端子
42…第1主面側接続端子としてのコンデンサ接続端子
44…銅層
44a…主面側外周部
44b…主面側中央部
45…第2主面側接続端子としての母基板接続端子
46,48…金属層としてのめっき層
46a,48a…ニッケル層としてのニッケルめっき層
46,48…金層としての金めっき層
47…凹所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ樹脂絶縁材料を主体とする複数の樹脂絶縁層及び複数の導体層を交互に積層して多層化した積層構造体を有し、前記積層構造体の第1主面側には複数の第1主面側接続端子が配置され、前記積層構造体の第2主面側には複数の第2主面側接続端子が配置され、前記複数の導体層は、前記複数の樹脂絶縁層に形成され、前記第1主面側または前記第2主面側に向うに従って拡径したビア導体により接続されている多層配線基板であって、
前記積層構造体の前記第1主面側または前記第2主面側には、複数の開口部を有するソルダーレジストが配設され、
前記複数の第1主面側接続端子または前記複数の第2主面側接続端子は、主体をなす銅層と銅以外の1種以上の金属からなる金属層とにより構成されるとともに、前記ソルダーレジストに接している最外層の樹脂絶縁層に埋設され、
前記銅層の主面側外周部は、前記ソルダーレジストにより覆われ、
前記銅層の主面側中央部に存在する凹所には、前記金属層の少なくとも一部が埋まり込むようにして設けられ、
前記金属層の少なくとも一部は、前記複数の開口部を介して露出している
ことを特徴とする多層配線基板。
【請求項2】
前記ソルダーレジストと前記最外層の樹脂絶縁層との界面に存在する前記導体層は、前記最外層の樹脂絶縁層側に埋設されていることを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板。
【請求項3】
前記凹所は、入口が狭く内部が広くなっていることを特徴とする請求項1または2に記載の多層配線基板。
【請求項4】
前記金属層は、ニッケル層と金層とを含んで構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多層配線基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−205036(P2011−205036A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73436(P2010−73436)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】