説明

実験廃液の処理方法

【課題】 各種研究機関から排出される実験廃液を一元的に処理する。
【解決手段】 試験研究機関から排出された実験廃液中に含まれる化学成分を検証しつつ最終的にフェライト化処理を行って無害化する。実験廃液中に含まれる化学成分の種類に優先順位を定め、優先順位の高い順に廃液の種類を分別し、無機系廃液として分別された特定の実験廃液に対しては、前処理系処理としてフェライト処理不可能な物質を廃液中から除去、或いは中和し、次いでフェライト化処理を行う。有機系廃液として分別された実験廃液に対しては、一括噴霧燃焼方式により熱分解し、燃焼ガスを洗浄した洗煙水に含まれるダイオキシン類およびフッ素を除去し、さらに洗煙水のフェライト化処理を行う。フェライト化処理は、前記燃焼ガスを洗浄した洗煙水及び無機系廃液中に含まれる重金属イオンをマグネタイトの沈降結晶格子中に取り組んで、洗煙水及び廃液中から除去する処理である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種研究機関から排出される実験廃液を無害化処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
実験廃液とは、化学実験に使用した薬品の原液及び実験器具を一次・二次洗浄した濃厚な液体廃棄物をいう。大学を始め各研究機関での研究活動内容は多方面・多分野にわたっているため、活動内容に伴って扱われる化学物質は多種多様である。各研究機関では、教育・研究活動によって生じた実験廃液による環境汚染を防ぎ、安全に処理するための手順を規定している。
実験廃液は、大きく有機廃液と無機廃液とに分けられ、それぞれについての保管方法、処理方法は異なる。表1に実験廃液の分類を示す。
【0003】
【表1】

【0004】
実験廃液の処理には、処理操作の安全性、効率化、省力化を図るため、廃液の分別を含めた廃液の受け入れ基準、分別貯留方法が研究機関ごとに設定されている。たとえば、筑波農林団地研究所の廃液処理基準では、表1に併せて示したように廃液の種類に応じて廃液タンクのポリ容器は、容器に貼り付けるテープの色及び容器の大きさが特定されており、廃液は、種類ごとに分別されてそれぞれの容器に分別貯留される。
【0005】
実験廃液の処理に関しては、分別貯留された廃液がそれぞれの廃液ごとに固有の処理が行われるだけで、実験廃液の処理として必ずしも有効な処理が行われているわけではなく、また、各実験室から出された実験廃液は、必ずしも高精度に分別貯留されているとは限らないため、個々のポリ容器内の実験廃液ごとに、例えば生物的処理法、燃焼法、酸化法、活性炭吸着分離除去法などの処理を含めてそれぞれの廃液に固有の処理が行われれば良いというものではない。
【0006】
有機廃液および無機廃液を含めて実験廃液が最終的に下水に放流できる程度に浄化することが必要である。化学プラント設備などで発生した無機物質及び有機物質の両方を含む廃水を浄化する方法として、たとえば、特許文献1には、金属もしくは金属化合物及び有機物質を含有する廃水(但し写真処理廃液を除く)を処理する方法において、主として前記廃水を高圧下で処理して前記金属もしくは金属化合物を不溶化または難溶化する第1酸化工程、該第1酸化工程から排出される固形物含有液を解圧後導入して固液分離を行い、該固液分離工程からの固形分除去液を導入して高圧下で触媒の存在下に、主として有機物質を酸化もしくは酸化分解する第2酸化工程を行って廃水を処理する方法が記載されている。
【0007】
また、特許文献2には、(i)燃焼ガスを液接触により洗浄しながら、該廃液の燃焼を行う燃焼工程と、(ii)該燃焼工程から生じる燃焼ガスの洗浄液中の重金属を凝集、分離する凝集処理工程とを行い、該燃焼工程にアルカリ性化合物を存在させ、かつ該凝集処理工程に凝集剤を用いる廃液処理方法が記載されている。
【0008】
実験廃液に関しては、有機廃液と、無機廃液との分別はある程度の精度で大別されていると考えられ、化学プラント設備やメッキ工業設備の廃水の処理とは異なった対応が要求されてはいるが、従来、各種研究機関から排出される実験廃液は、化学物質の種類ごとに分別された実験廃液のそれぞれについて、個々に無害化処理を行うだけで、その有効処理については、未だに十分な検討が加えられていないだけでなく、特に問題であるのは、廃液の分別を含めた廃液の受け入れ基準が定められてはいるものの、現実にその基準を守って廃液が分別されているかどうかは必ずしも保証の限りではないことである。
【0009】
つまり、分別精度は必ずしも保証されないという点である。極端な場合に、もし実験廃液中に特定の有毒物が混入しているのにも関わらず、そのような有毒物は混入していないものとして研究機関の各実験室に生じた実験廃液が分別廃棄されたときに、そのような有毒物が含まれていないものとして必要な処理が行われないまま放流されるような事態が発生することにもなりかねない。また、廃液処理のための処理剤が廃液中に投入されたときに、その処理剤と反応して有毒ガスが発生するような化学成分が廃液中に含まれていたときには、作業者は、生命に関わる危機にさらされることになる。
【特許文献1】特許公開平7−24482
【特許文献2】特許公開2002−11481
【特許文献3】特公昭51−22307号公報
【特許文献4】特開2001−79346
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
解決しようとする問題点は、各種研究機関から排出される多種多様な化学物質を含む実験廃液の処理について、分別貯留された廃液の分別精度の問題を含めて、一元的に有効な無害化処理を行う手法が確立されていないという点である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、各種研究機関から排出される多種多様な化学物質を含む実験廃液の有効処理について、有機系廃液、無機系廃液の種類ごとに分別され、それぞれの容器に分別貯留されている実験廃液に含まれている化学物質を判定しつつ一元的に無害化処理を可能としたものであり、有機系廃液は、熱分解させ、熱分解によって発生するガス及び該ガスの洗浄水(洗煙水)に含まれるダイオキシン類を除去し、無機系廃液に対しては、前処理系処理のあと、ダイオキシン類を除去した前記ガスの洗浄水とともに最終的にフェライト法によって廃液中の有害金属を除去し、各種研究機関から排出される実験廃液を無害化することを最も主要な特徴とする。本発明において、ダイオキシン類とは、ポリ塩化ダイベンゾパラダイオキシンとその同族体並びにポリ縁かダイベンゾフランとその同族体などの関連物質を含むものとする。
【発明の効果】
【0012】
本発明による実験廃液の処理方法によれば、研究機関から排出される有害な実験廃液は、有機系廃液、無機系廃液として分別の如何に関わず、実験廃液として一定の手順に従って、一元的に処理されるため、処理水は、その一部を除いて無害の固体、液体、気体の形で放流、放散、あるいは外部搬出することができ、有害物のまま排出される危険のある物質についても、固形物の形で排出されるため、後処理は容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
研究機関から排出される有害な化学物質を含む実験廃液を一元的に処理するという目的を、一定の手順に従って、実験廃液中に含まれる有害な化学物質の種類を判断しつつ無機系廃液に対しては、廃液中に含まれる化学物質に固有の前処理を行い、有機系廃液に対しては、燃焼処理後の後のダイオキシン類除去処理の洗煙水を含めて最終的にフェライト化処理を行うことによって実現した。
【実施例1】
【0014】
図1(a)は、本発明による実験廃液の処理プロセスのフローを示す図である。各研究機関の各実験室から排出される実験廃液は、前記表1に示すように、実験廃液の種類ごとに分別されている。分別収集の廃液区分を考えるとき、廃液を排出する側からすると、区分が少ないほど複雑さがなく、収集作業が楽である。処理する側からすれば、区分が多いほど異種物質の混合が減少して、処理は容易となる。この点を考慮して、本発明においては、以下のように分別基準定めている。すなわち、図1(b)において、本発明の処理方法は、液体のみを取り扱うものとし、実験廃液の分別基準として以下のように優先順位を設定している。すなわち、
【0015】
1)少なくともシアンを含有する廃液は、他にどの様な化学物質を含んでいても、シアン含有廃液として分別する。
2)水銀を含有し、シアンを含有しない廃液は、他にどの様な化学物質を含んでいても水銀含有廃液として分別する。
3)フッ素・リン酸を含み、シアン、水銀を含有しない廃液は、他にどの様な化学物質を含んでいてもフッ素・リン酸含有廃液として分別する。
4)シアン、水銀、フッ素・リン酸を含有せず、有機物であって、且つハロゲンを含む廃液は、ハロゲン廃液として分別する。
5)シアン、水銀、フッ素・リン酸を含有せず、有機物であって、且つハロゲンを含まず、難燃性と判断されたものは難燃廃液として分別する。
6)シアン、水銀、フッ素・リン酸を含有せず、有機物であって、且つハロゲンを含まず、難燃性と判断されたものを含まず、さらに水溶性のものは難燃廃液として分別する。
【0016】
7)シアン、水銀、フッ素・リン酸を含有せず、有機物であって、且つハロゲンを含まず、難燃性と判断されたものを含まず、さらに水溶性でないものは可燃不溶性廃液として分別する。
8)シアン、水銀、フッ素・リン酸、有機物を含まず硝酸を含む廃液は、硝酸含有廃液として分別する。
9)シアン、水銀、フッ素・リン酸、有機物、硝酸を含まず、アルカリを含む廃液は、アルカリ含有廃液として分別する。
10)シアン、水銀、フッ素・リン酸、有機物、硝酸、アルカリを含まない廃液は、重金属含有廃液として分別する。
【0017】
以上の分別基準は、図1(b)に示す実験廃液分別表として研究機関の各実験室の実験担当者に交付され、実験担当者は、廃液排出者として自らが出した実験廃液を図1(b)の分別表に基いて分別し、それぞれの廃液を規定の容器に分別貯留する。各実験室から排出される実験廃液が、指定された分別基準に従って正規に分別されているときには、それぞれの廃液は以下の手順に従って処理される。説明の順序として、まず、有機系廃液の処理について説明し、次いで無機系廃液の処理について説明する。
【0018】
(1)有機系廃液処理の概要
有機系廃液(可燃不溶性廃液、可燃水溶性廃液、難燃性廃液、ハロゲン廃液)について、沈殿物を除去した後、可燃不溶性廃液とハロゲン廃液とを可燃液に、難燃性廃液と可燃水溶性廃液を難燃液に分類し、これら可燃液、難燃液を一括噴霧燃焼方式を用いて熱分解処理する。燃焼によって発生した燃焼ガスは、洗浄水で冷却・洗浄処理を行い、ガス中のダイオキシン類除去処理を行った後、ガスは大気中に放散させ、残存する燃焼灰は含有試験を行った上でその最終処理を処理業者に外部委託する。
【0019】
一方、ガスの洗浄によって生じた洗浄水(洗煙水)については、液中のダイオキシン類およびフッ素を除去し、無機系廃液とともに後述するフェライト化処理を行う。
【0020】
(2)無機系廃液処理の概要
無機系廃液については、廃液ごとに固有の前処理系処理を行う。特定の無機系廃液、すなわち、水銀含有廃液、シアン含有廃液、フッ素・リン酸含有廃液に対しては、前処理系処理として沈殿物を除去した後、それぞれの廃液中に含まれる水銀、シアン、フッ素・リン酸を除去し、硝酸含有廃液に対しては、沈殿物を除去した後、廃液中の硝酸を中和する。しかし、重金属含有廃液、アルカリ含有廃液については、前処理として沈殿物を除去した後、後処理系処理としてフェライト化処理を行う。フェライト化処理は、マグネタイトの沈降結晶格子中に無機系廃液中に含まれる重金属イオンを取り組んで、これら重金属を廃水中から除去する処理である。
【0021】
フェライト化反応は、概ね以下のとおりである。すなわち、2価の金属イオンM2+を含む廃液に、2価の鉄イオンを混合し、アルカリを加えると次の反応によって、混合水酸化物の沈殿が生成する。
xM2++(3−x)Fe2++6OH→MxFe(3−x)(OH)・・・(1)
この混合水酸化物を水溶液中で加熱、空気酸化を行うと、再溶解、酸化、晶析を経て最終的に次式の反応によってフェライトが生成され、その過程を経て廃液中の金属イオンもスピネルフェライトを形成する(特許文献3参照)。
Fe3−x(OH)+1/2O → MFe3−x ・・・(2)
【0022】
フェライト化処理の結果、廃水中に生成したフェライトスラッジのほか、沈降したフッ素、リン酸スラッジの最終処分を処理業者に外部委託する。沈降物を除いた処理水については、水質分析を行い、水質が排水基準内であれば、下水に放流する。
【0023】
(3)実験廃液の処理システムの構成について
図2は、本発明方法を実現するシステムの構成図である。以下に図2を参照しながら本発明による実験廃液の処理方法を説明する。本発明による実験廃液の処理方法は、前述のとおり有機系廃液処理と、無機系廃液処理とに大別される。
【0024】
(1)有機系廃液の処理システムの構成
有機系廃液処理系は、それぞれの廃液に含まれる沈殿物を除去した後の可燃液及び難燃液に対して熱分解処理と、冷却・洗浄処理と、ダイオキシン類除去処理とを順次に行う処理システムである。
(a)熱分解処理
図2において、熱分解処理は、噴霧燃焼方式を用いて行われる。噴霧燃焼方式とは、ロータリーバーナーにて廃液を噴霧しつつ廃液を熱分解させる処理である。廃液投入装置1から取り出された実験廃液を難燃性(可燃水溶性廃液、難燃性廃液、硝酸)と、可燃性(可燃不溶性廃液、ハロゲン廃液)とに区別し、難燃性廃液受槽2、可燃性廃液受槽3にそれぞれ投入される。各槽内の廃液は、個別に噴霧燃焼炉4内に導入されるようになっている。まず、噴霧燃焼炉4の側面に設置された助燃バーナー及び可燃バーナーに地下タンク5から助燃料(灯油)を供給し、助燃料の燃焼熱で炉内温度を上昇させる。
【0025】
噴霧燃焼炉4内の温度が廃液処理可能温度(850℃以上)に達したときに、可燃バーナーへの助燃料の供給を止め、燃焼カロリーの高い可燃不溶性廃液を供給して燃焼させる。可燃水溶性廃液及び難燃性廃液は、噴霧燃焼炉4の上部に設置された難燃アトマイザーを通して自動的に噴霧され、炉内の高温に触れて熱分解される。噴霧燃焼炉4内の燃焼ガスは、システムの後段に装備した誘引排風機6で強制吸引しつつ順次燃焼ガスの冷却・洗浄処理、ダイオキシン類除去処理を行う。
【0026】
(b)冷却・洗浄処理
噴霧燃焼炉4内の燃焼ガスは、熱交換ダクトを通して冷却塔7内に送り込まれ、循環水槽8内で冷却水の給水を受けて冷却され、さらにスクラバー塔9にてアルカリ洗浄された後、冷却器10aにて凝縮し、ついでデミスター10bに送り込まれ、ガス中に含まれる水分が除去される。
【0027】
(c)ダイオキシン類除去処理
燃焼ガス中のダイオキシン類除去処理は、デミスター10bの後段に接続された燃焼ガス処理用のダイオキシン類除去装置11内に燃焼ガスを導入して行う。使用するダイオキシン類除去装置11の種類は必ずしも限定されるものではないが、この実施例においては、図3に示すようなハニカム状の活性炭12の積層を用いている。
【0028】
このハニカム状の活性炭12は、Ti、Cr,Mn、Fe,Co,Ni,Cu,V,Mo又はWの中から選ばれた少なくとも1種以上の金属を含む金属化合物を担持させたもので、燃焼ガスに含まれるダイオキシン類を高い除去率で除去することができることが特許文献4に強調されている。製品としては、例えば日本エンバイロケミカルズ株式会社製の活性炭フィルターエレメント(ハニカムカーボ白鷺)がある。デミスターを経由して水分が除去された燃焼ガスは、ダイオキシン類除去装置のハニカム状の活性炭12に接触し、ガス中に含まれるダイオキシン類を活性炭に吸着させ、ダイオキシン類が除去された燃焼ガスをミキシングチャンバー13内に送り込む。
【0029】
ミキシングチャンバー13は、冷却器10aで冷やされて低温(約40℃)となった燃焼ガスに熱風を混合して加温し、燃焼ガス中の水蒸気の白煙の発生を低減させるものである。ミキシングチャンバー13の熱風は、噴霧燃焼炉4内の高温ガスの温度で熱交換した外気を熱風発生炉14に取り込み、熱風発生炉14でさらに加温することによって発生させるものである。燃焼ガスを約250℃に加熱することによって、白煙の発生をほぼなくすことができる。
【0030】
ミキシングチャンバー13内の燃焼ガスは誘引排風機6によって強制吸引され、煙突16から外気中に放出されるが、放出に先立って、モニタリング装置17によって、燃焼ガス中の煤塵、HCl、HF,SO,NO、CO、CO、Oの含有量が監視され、含有量の数値に問題があれば、投入廃液の種類、投入量の調整によってこれを制御する。
【0031】
(d)洗浄水及び燃焼灰の処理
燃焼ガスの冷却・洗浄処理に使用されたアルカリ洗浄水(洗煙水)は、循環水槽8に回収される。回収されたアルカリ洗浄水は、ダイオキシン類含有の虞があるため、数段に渡って洗煙水用ダイオキシン類除去処理装置11a、11b・・を通して洗浄水中のダイオキシン類を吸着処理したあと、洗浄廃水受槽18に受け入れる。洗浄廃水受槽18内に受入れられた洗煙水のフッ素処理として塩化カルシウム及び苛性ソーダを作用させて洗煙水中のフッ素を除去する。洗煙水は、次いで後述する重金属系受槽24内に送り込んで、無機系廃液とともに、フェライト化処理に備える。一方、噴霧燃焼炉4内に発生した燃焼灰は固形廃棄物として処理業者に外部委託する。
【0032】
(2)無機系廃液処理システムの構成
無機系廃液処理系は、これを大別して前処理系処理と、後処理系処理としてフェライト化処理とを順次行う処理システムである。
(a)前処理系処理
前処理系処理は、無機系廃液の種類によって固有の処理を行う。すなわち、水銀含有廃液、シアン含有廃液、フッ素・リン酸含有廃液に対しては、分別された廃液の種類ごとに沈殿物を除去し、水銀処理、シアン処理、フッ素・リン酸処理を個別に行い、硝酸含有廃液に対しては硝酸の中和処理を行う。重金属含有廃液、アルカリ含有廃液に対しては、沈殿物を除去する以外に格別の処理は不要である。
【0033】
1)水銀処理
水銀処理は、水銀含有廃液中の水銀のみを吸着除去する処理である。処理に際しては、水銀廃液投入槽19内の廃液を廃液受槽20から酸化分解槽21内に順次移し、酸化分解槽21内には、ボイラー15に発生させた蒸気を送り込み、酸化分解槽21内の廃液を70℃に加温して過マンガン酸カリを加え、攪拌しつつ廃液中に含まれる有機物を酸化分解し、吸着塔22内の水銀吸着樹脂に通水することによって廃液中の無機水銀、有機水銀を含めて廃液中から吸着除去する。水銀が除去された廃液は、一旦チェック槽23に貯め、水銀の除去程度をチェックし、水銀含有量が規準以下であることを確認した後、重金属系受槽24に貯めてフェライト化処理に備える。
【0034】
2)シアン処理
シアン処理は、シアン含有廃液中のシアンを分解する処理である。シアンの分解方法としては、アルカリ塩素法を用いた例を示している。処理に際しては、シアン廃液投入槽25内の廃液をシアン分解槽26中に移し、シアン分解槽26内で次亜塩素酸ナトリウムを加えてシアンを分解(一次分解、二次分解)し、残存シアンをシアン吸着塔27内のシアン吸着樹脂に吸着させ、シアンが除去された廃液は、チェック槽28に貯め、シアンの除去程度をチェックし、シアン含有量が規準以下であることを確認した後、重金属系受槽24に貯めて後のフェライト化処理に備える。
【0035】
3)フッ素・リン酸処理
フッ素・リン酸処理は、フッ素・リン酸含有廃液中のフッ素・リン酸を除去する処理である。処理に際しては、フッ素・リン酸廃液投入槽29内の廃液をフッ素・リン酸処理槽30中に移し、処理槽30内に塩化カルシウムを加え、さらに苛性ソーダを加えて廃液を中性又はアルカリ性に調整することにより、水に不溶性のフッ化カルシウム、リン酸カルシウムの水酸化物を生成させ、ついで、脱水機31にかけて生成物と、廃液とを固液分離する。固体成分が除かれた廃液はろ過水槽32でろ過し、フッ素吸着塔33を通して残存するフッ素を吸着除去し、チェック槽34に貯め、フッ素とリン酸との除去程度をチェックし、重金属系受槽24に貯めて後のフェライト化処理に備える。
【0036】
4)硝酸中和処理
硝酸の除去に際しては、2001年に硝酸性窒素などの排水基準が追加されたため、以下の硝酸中和処理が必要になった。硝酸中和処理は、処理槽内で廃液中に苛性ソーダを加え、廃液のpHを強酸から中性に調整する。中和調整された硝酸含有廃液は、難燃性廃液の希釈液として使用し、噴霧焼却炉内に噴霧し、燃焼分解させる。
【0037】
(3)フェライト化処理
フェライト化処理は、前記前処理系処理で処理された水銀廃液、シアン廃液、フッ素・リン酸廃液および洗煙水ダイオキシン類除去処理において処理された廃液中に含まれる重金属をフェライトの結晶構造中に取り込んで無害化する処理である。フェライト化処理は(a)有機物の分解処理〜(f)固液分離処理の手順によって行い、後処理として(g)中和処理、(h)高度排水処理を行う。
【0038】
(a)有機物の分解処理
前記前処理系処理で処理された水銀廃液、シアン廃液、フッ素・リン酸廃液および重金属含有廃液、アルカリ含有廃液と、有機系廃液の処理における洗煙水ダイオキシン類除去処理において処理された廃液とを重金属系受槽24に集め、ついで、溶解調整槽35に移して廃液を攪拌混合しつつ、その混合液に対し、まず、混合液のpHを酸性領域に調整し、ついで過マンガン酸カリウムを加え、廃液中に含まれ、フェライト化反応の妨害物質となる有機物を分解する。
【0039】
(b)第一鉄塩投入並びに攪拌処理
廃液中に含まれる有機物を分解後、引き続いて廃液中に硫酸第一鉄を添加してこれを溶解させる。その添加量は、廃液500l(リットル)に対してFeSO・7HO25kgである。
【0040】
(c)pH調整処理
第一鉄塩を溶解させた廃液を次に反応塔36内に移し、反応塔36内で、廃液中に苛性ソーダを加えて廃液のpHを9〜10に調整する。
(d)昇温処理
pHを9〜10に調整した廃液に、ボイラー15に発生させた蒸気を吹き込み、廃液の液温を65℃まで昇温する。
【0041】
(e)酸化反応処理
昇温された廃液にブロア37から空気を吹き込み、廃液を酸化反応を進行させる。
(f)固液分離処理
空気の吹込みによって、廃液の酸化反応が進み、フェライトが生成し、これが液中に沈降する。液中に沈殿したフェライトを含む廃液を次に脱水機38に移して固液分離し、廃液中からスラッジを除去する。
(g)中和処理
スラッジを除去した上澄み液は、活性炭塔39を経由して中和槽40内に導入する。上澄み液は、アルカリ領域のため、排水基準の範囲内のレベルに中和する。
【0042】
(h)高度排水処理
中和された上澄み液は、キレート樹脂塔41内に通水して水中に残存する有害物質を吸着除去し、処理水をモニタリング槽42内で水質分析を行い、その水質が排水規準値以下であることを確認し、処理水貯槽43から下水道へ放流する。
【0043】
なお、無機系廃液・有機系廃液は、いずれも投入槽に投入する前に、60から150メッシュのふるいにかけて、廃液中の沈殿物(固形物)などを分離してから、処理を行なっている。水銀含有廃液の沈殿物(固形物)を除く他の沈殿物(固形物)は、噴霧焼却炉に設置してある自動投入装置より、焼却炉内に投入され、焼却処理される。また、沈殿物(固形物)の他に、有害物が付着しているウエスやフィルター等も同様に焼却処理される。ちなみに、自動投入装置は、投入物を投入装置にセットすると、全自動で動作する。投入口は、二重扉になっており、投入する際に焼却炉内部の空気が外部に漏れない密閉方式になっている。また、投入方法は、エアープッシャーによる押出し式である。
【0044】
無機系廃液及び有機系廃液に生じた沈殿物については、図1に示すように水銀含有廃液から発生した沈殿物を除き、他の無機系廃液及び有機系廃液から発生した沈殿物は、有機系廃液の処理として行う可燃液と難燃液とともに噴射燃焼炉4に投入して熱分解処理する。熱分解処理によって生成された燃焼灰及び水銀含有廃液から生じた沈殿物は、各処理によって生成された前記スラッジとともに処理業者に外部委託する。
【0045】
本発明は、各種試験研究機関から排出される有害な実験廃液のうち、有機系廃液に対しては、一括噴霧燃焼方式を用いて熱分解処理を行い、無機系廃液に対しては前処理系処理を行うものの、後処理系処理として、有機系廃液を燃焼させた後のガスの洗煙水を含めて前処理系処理後の無機系廃液と一緒にフェライト化処理を行うものであり、これによって、各種試験研究機関から排出される多様な実験廃液を一元的に無害化処理を行うものである。
【0046】
実験廃液を発生源処理(原点処理)の理念に従い、実験廃液を的確に処理するには、その廃液の内容物を一番良く知っている実験室の担当者である排出者自身が、発生の都度、廃液の処理に直接関与することが理想的な処理である。しかし、現実的には、排出者自身が分別収集だけを担当し、廃液は、一時貯留を経て一箇所に集められ、そこで一括処理されるため、処理は実験室の担当者の手をはなれ、研究機関の管理者に任されることになる。
【0047】
実験廃液の排出者と実験廃液を処理する管理者とが連携して分別し、収集する行為が重要な意味を持っている。とはいえ、適正に処理するには、実験廃液が排出される段階で正しく分別することが何よりも重要である。
【0048】
各研究機関から排出された実験廃液が、予め定められた分別基準に従って正しく分別されている場合には、上記手順にしたがって処理できる。しかしながら、現実には設定された分別処理方法に従って正しく分別されないままに規定以外の容器内に貯留されたり、誤って分別されることがあって、その分別精度は必ずしも保証されていないという事態が予想される。本発明においては、分別精度が保証されていない実験廃液の処理を含めて、以下の手順で廃液の種類を判断しつつ一元的に処理する。
【0049】
図1を参照しながら図4のフローに従ってその手順を説明する。本発明は、要するに、図1(b)に示す実験廃液分類表に記載の手順に従って検証しつつ処理を行う。
(4)廃液を判断しつつ処理する手順
a)研究機関の各実験室から排出され、前述の排出基準に従い、専用の容器内に分別貯留された廃液について、有機系廃液、無機系廃液の区別に関わらず、まず、廃液中にシアンが含まれているかどうかを判断する(ステップS1)。
【0050】
シアンは、フェライト化処理に際し、酸性条件のもとでは、揮発して危険である。もし、判断した実験廃液中にシアンが含まれていれば、これをシアン含有廃液として前述のシアン廃液処理を行う(ステップS2)。
b)シアン廃液処理(ステップS2)を行った後の処理水について、他の化学成分が含まれているかどうかを判断する。ステップS2の処理後の処理水にシアン以外に他の化学物質が含まれていなければ、その処理水をフェライト化処理する。逆に処理水中に他の化学成分が含まれている場合に、まず、第1に水銀が含まれているかどうかを判断する(ステップS3)。
【0051】
水銀は、フェライト化できない。もし、判断したシアン廃液処理後の処理水に水銀が含まれていれば、これを水銀含有廃液として前述の水銀廃液処理を行う(ステップS4)。ステップS4の処理後の処理水中にもし、水銀以外に他の化学物質が含まれていなければ、その処理水を後述するフェライト化処理に移す。
【0052】
c)水銀廃液処理(ステップS4)を行った後の処理水について、次にフッ素・リン酸が含まれているかどうかを判断する(ステップS5)。フッ素・リン酸は、フェライト化を妨げる成分である。もし、水銀廃液処理後の処理水中にフッ素・リン酸が含まれていれば、これをフッ素・リン酸含有廃液として前述のフッ素・リン酸廃液処理を行う(ステップS6)。ステップS6の処理後の処理水中にもし、フッ素・リン酸以外に他の化学物質が含まれていなければ、その処理水をフェライト化処理に移す。
【0053】
d)フッ素・リン酸廃液処理(ステップS6)を行った後の処理水について、次に有機物が含まれているかどうかを判断する(ステップS7)。もし、処理水中に中に有機物が含まれていれば、これを有機物系廃液と認定し、次にその有機系廃液中にハロゲンが含有されているかどうかを判断する(ステップS8)。もし、中にハロゲンが含まれていれば、これをハロゲン廃液と認定し、これを可燃液として扱って熱分解処理し(ステップS9)、熱分解によって発生した気体の冷却・洗浄水については、図1(a)に示す要領で冷却・洗浄ならびにダイオキシン処理、フッ素処理を順次に行い、その洗煙水をフェライト化処理に移す。一方、熱分解によって発生した気体は、ダイオキシン処理後、放散する。
【0054】
e)ステップS8において、処理水中にハロゲンが含まれていなければ、ついで難燃性かどうかを判断し(ステップS10)、廃液が難燃性であると判断されたときには、これを難燃液として熱分解処理を行い(ステップS11)、さらに冷却・洗浄ならびにダイオキシン処理、フッ素処理を順次に行い、その洗煙水をフェライト化処理に移す。
f)ステップS10において、廃液が難燃性ではないと判断されたときには、次に水溶性かどうかを判断し(ステップS12)、水溶性と判断されたときには、これを難燃液として熱分解処理を行い(ステップS13)、さらに冷却・洗浄ならびにダイオキシン処理、フッ素処理を順次に行い、その洗煙水をフェライト化処理に移す。
【0055】
g)ステップS12において、廃液が水に混ざらないときには、可燃液として熱分解処理し(ステップS14)、さらに冷却・洗浄ならびにダイオキシン処理、フッ素処理を順次に行い、その洗煙水をフェライト化処理に移す。
h)一方、ステップS7において、廃液中に有機物が含まれないと判断されて時には、次に廃液中に硝酸が含まれているかどうかを判断し(ステップS15)、廃液中に硝酸が含まれているときには、硝酸中和処理し(ステップS16)、さらに熱分解処理(ステップS17)した後、さらに冷却・洗浄ならびにダイオキシン処理、フッ素処理を順次に行い、その洗煙水をフェライト化処理に移す。
i)ステップS15において、廃液中に硝酸が含有されていないときには、アルカリ廃液、重金属含有廃液を加え、前記各ステップで生成した処理水、洗煙水とともにフェライト化処理し(ステップS18)、その処理水が排出基準を満たしているかどうかを判断し、排出基準を満たしているかどうかを判定し(ステップS19)、排出基準を満たしていれば、放流し、排出基準を満たしていなければ再処理を行う。
【0056】
(5)実験廃液の分類について、
実験廃液中に含まれる化学物質の分類について、最も大事な事は、廃液の中にどのような化学物質が含まれているかを知ることであるが、単に廃液の中に含まれる化学物質を特定しただけでは十分ではない。本発明においては、前述のように単に廃液の中に含まれる化学物質を特定するだけでなく、化学物質毎の区分の他に処理に優先順位を決め、優先順位が高い区分で、分類が決まる。例えば、優先順位の上の位置にあるシアンと下の位置にある有機物とが混合した廃液があれば、それは優先順位の高いシアン廃液として先に処理するのである。
【0057】
(6)実験廃液中に含まれる化学成分の検証について、
研究機関の各実験室から出された廃液中にどのような化学成分が含まれているかどうかの判断は、客観的な化学的な分析によるのが正確であるが、この様な検証を行うまでもなく、実験廃液中にどのような化学成分が含まれているかを最もよく知っているのは、実験担当者である廃液排出者本人である。廃液の排出者本人が、実験廃液を、指定された分別基準に従って正規に分別貯留していれば、化学的分析は不要である。すなわち、各実験室から出された廃液について、実験担当者の申請に基づいて分別貯留された容器のテープ、容量による表示に基づいて図4に示すフローの優先順位にしたがって各化学成分の含有の判断を行い、それぞれの化学成分含有廃液に固有の処理を経て、最終的にフェライト処理を行うことが最終の目標である。実験者、管理者が互いに協力することによって、莫大なエネルギーを消費することなく、発生源処理(原点処理)の理念を実現することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
自然科学の研究・開発および医療の検査等に使用される化学物質には人の健康や生活環境に被害を生じる恐れのあるものが多く、保管管理の徹底や研究課程で発生した実験廃棄物の回収・無害化処理は環境保全上から、すべての研究機関が積極的に取り組まなければならない課題である。その対応に関しては、自らが発した廃棄物は自らが処理をすることがもっとも望ましい。本発明によれば、研究機関の施設に本発明のシステムを構築することによって、実験廃液を一括処理し、無害化し、環境保全の責務を果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1(a)】本発明方法の概念図である。
【図1(b)】本発明の処理において、化学物質含有廃液の分類の基礎となる実験廃液分別表である。
【図2】本発明方法を適用したシステムの構成図である。
【図3】ダイオキシン類の除去に用いるハニカム状活性炭を示す図である。
【図4】本発明による廃液中に含まれる化学成分を検証しつつ廃液処理を行う手順のフローを示す図である。
【符号の説明】
【0060】
1 廃液投入装置
2 難燃性廃液受槽
3 可燃性廃液受槽
4 噴霧燃焼炉
5 地下タンク
6 誘引排風機
7 冷却塔
8 循環水槽
9 スクラバー塔
10a 冷却器
10b デミスター
11 ダイオキシン類除去装置
11a,11b 洗煙水用ダイオキシン類除去処理装置
12 ハニカム状の活性炭
13 ミキシングチャンバー
14 熱風発生炉
15 ボイラー
16 煙突
17 モニタリング装置
18 洗浄廃水受槽
19 水銀廃液投入槽
20 廃液受槽
21 酸化分解槽
22 吸着塔
23 チェック槽
24 重金属系受槽
25 シアン廃液投入槽
26 シアン分解槽
27 シアン吸着塔
28 チェック槽
29 フッ素・リン酸廃液投入槽
30 フッ素・リン酸処理槽
31 脱水機
32 ろ過水槽
33 フッ素吸着塔
34 チェック槽
35 溶解調整槽
36 反応塔
37 ブロア
38 脱水機
39 活性炭塔
40 中和槽
41 キレート樹脂塔
42 モニタリング槽
43 処理水貯槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験研究機関から排出された実験廃液中に含まれる化学成分を検証しつつ最終的にフェライト化処理を行って無害化する実験廃液の処理方法であって、
検証すべき化学成分に優先順位を定め、優先順位の高い化学成分を含む実験廃液を順に分別し、無機系廃液として分別された特定の実験廃液に対しては、前処理系処理としてフェライト処理不可能な物質を廃液中から除去、或いは中和し、次いでフェライト化処理を行い、
有機系廃液として分別された実験廃液に対しては、一括噴霧燃焼方式により熱分解し、燃焼ガスを洗浄した洗煙水に含まれるダイオキシン類およびフッ素を除去し、さらに洗煙水のフェライト化処理を行い、
フェライト化処理は、前記燃焼ガスを洗浄した洗煙水及び無機系廃液中に含まれる重金属イオンをマグネタイトの沈降結晶格子中に取り組んで、洗煙水及び廃液中から除去する処理であることを特徴とする実験廃液の処理方法。
【請求項2】
実験廃液中に含まれる化学成分を検証するに際して、シアン、水銀、フッ素・リン酸、有機物、硝酸の順に優先順位を定め、それぞれの化学成分が含まれた実験廃液の内、シアン含有廃液、水銀含有廃液、フッ素・リン酸含有廃液に対しては、前処理系処理として沈殿物を除去した後、それぞれの廃液に含まれる水銀、シアン、フッ素・リン酸を除去し、硝酸含有廃液に対しては前処理系処理として沈殿物を除去した後、硝酸に対しては中和した後に熱分解処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の実験廃液の処理方法。
【請求項3】
実験廃液中に含まれる化学成分を、シアン、水銀、フッ素・リン酸、有機物、硝酸の順に検証した後、さらに重金属含有廃液、アルカリ含有廃液として分別された廃液に対しては、沈殿物を除去したのち、フェライト化処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の実験廃液の処理方法。
【請求項4】
実験廃液中に含まれる化学成分のうち、有機物を含有する廃液に対しては、更に、ハロゲン、水又は難燃物質の含有、水との混合の有無を判別し、ハロゲンを含有するか又は水溶性の有機物を含有する廃液を可燃液、難燃性有機物を含む廃液を難燃液としてそれぞれ熱分解処理を行い、フェライト化処理は、その洗浄水について行うことを特徴とする請求項2に記載の実験廃液の処理方法。
【請求項5】
試験研究機関から排出された実験廃液中に含まれる化学成分の検証は、化学的分析法によるものであることを特徴とする請求項1に記載の実験廃液の処理方法。
【請求項6】
試験研究機関から排出された実験廃液中に含まれる化学成分の検証は、実験廃液の排出者の申請によるものであることを特徴とする請求項1に記載の実験廃液の処理方法。
【請求項7】
試験研究機関から排出された実験廃液中に含まれる化学成分の検証は、実験廃液の排出者に提供された実験廃液の分別基準に設定された優先順位に従って行うことを特徴とする請求項1に記載の実験廃液の処理方法。

【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−49225(P2008−49225A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−225362(P2006−225362)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【特許番号】特許第3956236号(P3956236)
【特許公報発行日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(390013262)NECファシリティーズ株式会社 (15)
【Fターム(参考)】