説明

導電性ポリマー組成物、コンタクト、組立品、および方法

電子装置形成用に適した導電性ポリマー組成物が開示される。組成物は、約250℃未満の温度で熱硬化できる。無溶剤でもよいために、溶剤回収の懸念なく、処理や製造工程に用いることができる組成物を提供する。該組成物は、(i)脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーおよび/またはオリゴマー、または(ii)脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーおよび/またはオリゴマー、または(i)と(ii)の組み合わせ、を用いる。また、さまざまな組成物および関連する方法を用いた太陽電池などの電子組立品が記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年10月22日に出願された米国仮出願番号61/107,371の優先権を主張する。この出願の開示内容は、参照することにより、本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は低温で硬化できる導電性ポリマー組成物に関する。組成物は、太陽電池などのさまざまな電子組立品に使用できる。また、本発明は得られる組立品と関連する使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
導電性ポリマー組成物は、よく知られていて、幅広く応用されている。例えば、これらの組成物は、電子装置に導電性膜と導電性パターンを形成するために用いることができる。そのような応用の例は、太陽電池を製造する際のペーストの用途です。これらの導電性組成物から低い接触抵抗を持つ銀電極を作ることができる。しかし、結晶シリコンに基づく太陽電池の製造に用いられる銀ペーストは、硬化のために、高温、例えば700℃より大きい焼成温度、を必要とする。多くの電子装置は、そのような高温に露出すべきでないので、これは装置にとって問題である。例えば、Si:Hベースの太陽電池を製造する場合、感熱材料を劣化させないために、処理温度は250℃を超えてはいけない。したがって、多くの既知の導電性組成物は、そのような用途で用いることができない。高い導電率は、高性能を達成するために、太陽電池などの用途における別の必要条件である。したがって、例えば250℃未満のように、比較的低温度で熱硬化できる高導電性組成物を提供することは望ましい。
【0004】
電子部品を作る際に用いられるほとんどのポリマー組成物は、組成物の塗布後および/または硬化時のいずれかに、最終的に除去されなければならない溶剤を含む。溶剤除去工程は、さまざまな環境問題を引き起こし、組成物の処理および/または電子組立品に関連する総合的なコストを通常上げる。さらに、溶剤除去工程は、一般に、製造時間もしくは処理時間を増やし、生産変数を上げる、その結果、製品の欠陥率および/または品質低下をもたらす。したがって、無溶剤である導電性組成物を提供することは、特に望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明により、従来の系に付随する問題や欠点が解消される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様において、本発明は、(a)有効量の(i)脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマーまたは(ii)脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマーまたは(iii)(i)と(ii)の組み合わせ、および(b)有効量の導電性粒子、を含む導電性熱硬化性組成物を提供する。
【0007】
別の態様において、本発明は、基板上に導電層または導電性成分を形成する方法を提供する。方法は、(a)任意の反応性希釈剤、(b)(i)脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、(ii)脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、(iii)(i)と(ii)の組み合わせ、からなる(i)〜(iii)群より選択されるもの、(c)金属粒子、(d)遊離基開始剤、を含む組成物を作る工程を含む。また、この方法は、基板上の組成物を、約1〜約100μmの厚さに塗布する工程を含む。そして、この方法は、導電層を形成するために塗布された組成物を、250℃未満の温度に加熱する工程を含む。
【0008】
別の態様において、本発明は導電性ポリマー材料の薄膜を有する基板を提供する。材料は、(a)任意の反応性希釈剤、(b)(i)脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、 (ii)脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、(iii)(i)と(ii)の組み合わせ、からなる(i)〜(iii)群より選択されるもの、(c)有効量の遊離基開始剤、を含む熱硬化性組成物から形成されたポリマー・マトリクス中に分散された約70%〜約90%の金属粒子を含む。
【0009】
別の態様において、本発明は、複数の層および導電性部材を含む太陽光発電装置を提供する。導電性部材は、(a)有効量の導電性粒子、(b)有効量の(i)脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、(ii)脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、(iii)(i)と(ii)の組み合わせ、からなる(i)〜(iii)群より選択されるもの、を含む組成物から形成される。
【0010】
別の態様において、本発明は基板を含む層状組立品;基板上のインジウムスズ酸化物(ITO)などの透明導電性酸化物(TCO)層;および、透明導電性酸化物層と電気通信できる導電性部材を提供する。導電性部材は、(a)有効量の導電性粒子、(b)有効量の(i)脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーおよび/またはオリゴマー、(ii)脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、(iii)(i)と(ii)の組み合わせ、からなる(i)〜(iii)群より選択されるもの、を含む組成物から形成される。
【0011】
別の態様において、本発明はシリコン基板を含む層状組立品;シリコン基板上のアルミニウム層;および、アルミニウム層と電気通信できる導電性部材を提供する。導電性部材は、(a)有効量の導電性粒子、(b)有効量の(i)脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーおよび/またはオリゴマー、(ii)脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、(iii)(i)と(ii)の組み合わせ、からなる(i)〜(iii)群より選択されるもの、を含む組成物から形成される。
【0012】
本発明から逸脱することなく、本発明は、その他及び異なる実施形態が可能であり、いくつかの詳細事項においては、様々な点において変更可能であることが理解されるであろう。すなわち、本記載事項は、限定的ではなく、例示的なものとして解される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明にかかる組成物から作られたコンタクトを有する代表的な好ましい実施形態の層状組立品の概略断面図である。
【図2】本発明にかかる組成物から作られた付着タブを有する別の代表的な好ましい実施形態の層状組立品の概略断面図である。
【図3】本発明にかかる組成物から作られた上下のバスバーを用いた代表的な好ましい太陽電池の概略斜視図である。
【図4】本発明にかかる組成物から作られた下部にバスバーを有する別の代表的な好ましい実施形態の層状組立品の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、例えば処理温度が250℃を超えてはいけない場合のように、非常に多くの用途で用いることができる、導電性かつ低温熱硬化性ポリマー組成物を提供する。本発明のあるバージョンでは、組成物は無溶剤である。また、本発明は、本発明の組成物を用いて導電性フィルム、回路、配線、コンタクトなどを作る方法を提供する。そして、本発明は、本発明の組成物および方法を用いて作られた装置、製品および/または塗布された基板を含む。
【0015】
ほとんどの場合、硬化前に、本発明の組成物は、1つ以上のエポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマーと、1つ以上の任意の反応性希釈剤と、導電性粒子と、1つ以上の遊離基開始剤を含む。本発明のある態様では、本発明でさらに詳細に説明されるように、特定のエポキシ化されたアクリレートまたはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー類が、エポキシ化されたアクリレートオリゴマー成分として用いられる。そして、本発明の別の態様では、エポキシ化されたアクリレートオリゴマーの特定の組み合わせは、エポキシ化されたアクリレートオリゴマー成分として用いられる。
【0016】
本発明で使われる「エポキシ化されたアクリレートまたはメタクリレートのモノマー/オリゴマー」という用語は、エポキシ樹脂および1つ以上のアクリレート/メタクリレート(または、アクリル酸またはメタクリル酸)から形成されたモノマーまたはオリゴマーを指す。したがって、用語「エポキシ化されたアクリレートオリゴマー」は、さまざまな物質(例えば、芳香族の二官能性エポキシ化されたアクリレートおよびメタクリレート、ノボラックエポキシ化されたアクリレートおよびメタクリレート、アクリル化油エポキシ化されたアクリレートおよびメタクリレート、脂肪族エポキシ化されたアクリレートおよびメタクリレート、そして、アクリレートおよび/またはメタクリレートを含む特殊エポキシオリゴマーだが、これに限らない)を含む。モノマーおよび/またはオリゴマーは、排他的にアクリレートまたは排他的にメタクリレートを含んでも、または、アクリレートとメタクリレートの両方を含んでもよい。芳香族の二官能性エポキシアクリレートの例は、ビスフェノールAジグリシジルエーテル系のエポキシアクリレートです。好ましくは、本発明に記載された好ましい実施形態の組成物に用いられたエポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのオリゴマーは、少しの遊離エポキシ基もない。しかし、当然のことながら、用いたエポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのオリゴマーが、ある割合の未反応エポキシ基を含むかもしれない。好ましくは、未反応エポキシ基の割合は、30%未満であり、より好ましくは10%未満である。
【0017】
本発明で用いられている用語「オリゴマー」は、一般に、約250〜約20,000、好ましくは約500〜約10,000の数平均分子量を有するポリマーまたはそれに相当する構造を指す。
【0018】
本発明に記載されるエポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートは、通常10以下の官能性を有し、1〜8が好ましく、2〜6が最も好ましい。
【0019】
本発明の好ましい実施形態の組成物は、1つ以上の脂肪酸を含む特定のエポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのオリゴマーを含む。したがって、これらの脂肪酸を含むオリゴマーは、本発明において「脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートまたはメタクリレートのオリゴマー」と呼ばれている。脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートオリゴマーは、エポキシ樹脂と、アクリレートおよび/またはメタクリレート(または、アクリル酸および/またはメタクリル酸)および1つ以上の脂肪酸の混合物を反応させることによって、通常作られる。脂肪酸基はアクリレート基および/またはメタクリレート基を置換する。最も望ましいエポキシ化されたアクリレートまたはメタクリレートのオリゴマーは、2〜6の官能性を有する脂肪酸変性アクリレートまたはメタクリレートのエポキシオリゴマーである。脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートは、モノマーの形であるか、オリゴマーを形成するために選択的に重合されるか、モノマーとオリゴマーの組み合わせであることができる。好ましい実施形態のある任意のバージョンでは、脂肪酸変性エポキシジアクリレートオリゴマーおよびエポキシトリアクリレートオリゴマーの組み合わせが用いられている。この特定の組み合わせが著しく高レベルの導電率を提供することが見出された。無溶剤組成物と溶剤含有組成物はいずれも、特定の脂肪酸変性エポキシアクリレートを用いることで高い導電率を示す。
【0020】
さまざまな脂肪酸が、好ましい脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートオリゴマーで用いることができる。例えば、脂肪酸基の炭化水素鎖の長さは、炭素数10〜30とさまざまであり、通常12〜18の範囲である。脂肪酸は、飽和脂肪酸もしくは不飽和脂肪酸のどちらも用いることができる。また、ダイマー脂肪酸を、脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートまたはメタクリレートのオリゴマーに組み込むことができることも考えられる。
【0021】
好ましくは、脂肪酸変性ジアクリレートエポキシオリゴマーはRahn USAからGenomer 2259の名称で市販されている。他の好ましい市販の脂肪酸変性ジアクリレートエポキシオリゴマーの例は、Genomer 2255を含むが、これに限定されず、Rahn USAより入手可能である。Genomer 2255および2259は、変性ビスフェノールAエポキシアクリレートである。Genomer 2255は、Genomer 2259より変性の度合いが少ない。Genomer 2259は2の平均官能性を有するラウリン酸変性エポキシアクリレートであると考えられている。エポキシジアクリレートオリゴマーは、導電率の増加をもたらすどんな量でも使用することができる。つまり「有効濃度」で使用することができる。脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマーの有効濃度は、通常約0.1%〜約30%の濃度である(他の明示がない限り、本発明で示されるすべての割合は、硬化前の組成物に基づく重量%である)。
【0022】
好ましい市販のエポキシオリゴマーのさらなる例は、CN113D70とCN2101を含むが、これらに限定されない。これらは、いずれもSartomer社より入手可能である。CN113D70は、脂肪酸変性3官能性エポキシアクリレートであり、30%のSR9020(プロポキシル化グリセロールトリアクリレート)を有する変性エポキシノボラックアクリレートであると考えられている。CN113D70のガラス転移点(Tg)は51℃である。CN2101は、脂肪酸変性エポキシアクリレートである。CN2101のガラス転移点(Tg)は63℃である。CN2101は、エポキシアクリレートオリゴマーおよびアクリル酸エステルの混合物として供給される。
【0023】
任意のエポキシトリアクリレートオリゴマーは脂肪族化合物であり、好ましくはSartomer社より入手可能なCN133である。CN133は、トリメチロールプロパノールおよび/またはグリセロールグリシジルエーテル型エポキシアクリレートであると考えられている。CN133のガラス転移点(Tg)は60℃である。それは、主に硬化速度を増すために用いられる。エポキシトリアクリレートオリゴマーは、用いるなら、好ましくは約0.1%〜約25%の濃度で用いられる。
【0024】
脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレート(前に述べたように、モノマーおよび/またはオリゴマーのみ、または混合物)に加えて、もしくはその代わりに、本発明には、脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートの混入を含む。一緒に用いる場合、脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートは、脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートにほぼどんな割合でも用いることができる。脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートまたはメタクリレートは、1つ以上の多価アルコールと、ポリカルボン酸、アクリル酸および/またはメタクリル酸、脂肪酸の混合物を反応させることによって、作られる。脂肪酸は、上記の通りである。アクリル酸および/またはメタクリル酸は、当業者に知られている。そして、ポリカルボン酸は、一般に、2つ以上のカルボン酸基を含む化合物である。ポリカルボン酸の例は、2つの−COOH基を有するジカルボン酸である。一般に、ポリカルボキシル成分の官能性は2〜10であり、好ましくは2〜6である。多価アルコール成分は、当業者に知られているほぼどんな多価アルコールでも選択できる。脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマーの有効濃度は、通常約0.1%〜約30%の濃度である。前に述べたように、本発明の組成物は、脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマーと、脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマーの組み合わせを用いてもよい。これらの種類の脂肪酸変性成分の組み合わせを使用する場合、それらの総濃度は約0.1%〜約30%である。
【0025】
脂肪酸変性ポリエステルアクリレートは、例えばRahn USAが提供している名称Genomer 3611などのように商業的に得ることができる。Genomer 3611は、ステアレート末端基を有する6官能性ポリエステルアクリレートであると考えられている。
【0026】
また、本発明の組成物は、有効量の反応性希釈剤を任意に含んでもよい。ジアクリレートエポキシオリゴマーとトリアクリレートエポキシオリゴマーの前記の組み合わせを用いる場合、そのような反応性希釈剤の例は、ヘキサンジオールジアクリレートである。ヘキサンジオールジアクリレートは、Rahn USA社から名称Miramer M200として入手可能である。他の反応性希釈剤を使用してもよい。有効量の例は、約1%〜約10%の濃度であり、より好ましくは約2%〜約8%であり、最も好ましくは約4%〜約7%の濃度である。しかし、当然のことながら、ある用途において、もし、例えば、硬化前に、得られる組成物の粘度が、その後の処理および塗布工程において、適切で相性が良ければ、反応性希釈剤の使用は必須でない。
【0027】
また、本発明の組成物は、例えばSigma Aldrichから入手可能な2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)-3-ヘキシンのような1つ以上の遊離基開始剤を含む。過酸化ジクミル、過酸化ジベンゾイル、1,1-ジ(t-アミルペルオキシ)シクロヘキサン、類似物質、それらの組み合わせなどの、その他の遊離基開始剤を使用してもよい。当然のことながら、本発明またはその好ましい実施形態は、これらの特定の遊離基開始剤に全く限定されない。組成物の成分と相性が良いものとして選択されたほぼどんな有機過酸化物および硬化条件を使用できると考えられる。そのうえ、ある用途において、ハロゲン分子および/またはアゾ化合物などのような他の種類の遊離基開始剤を使用できるかもしれないことも考えられる。選択された遊離基開始剤は、系のポリマー化を開始するための一般に有効な濃度で使用される。そのような濃度は、通常約0.01%〜約2%であり、好ましくは0.3%である。
【0028】
また、組成物は、導電性粒子、好ましくは金属粒子を含む。さまざまな金属を使用してもよいが、素晴らしい特性を考慮して、銀が好ましい。金属粒子は、薄片や粒子などのさまざまな異なる形状であることができる。多くの用途において、薄片は好まれる。本発明の組成物における金属薄片の濃度は、組成物の最終用途での必要条件により異なるかもしれないが、通常、有効量は約70%〜約90%であり、最も好ましくは約80%である。
【0029】
前に述べたように、さまざまな導電性金属が本発明の組成物に使用できる。導電性材料は、好ましくは、約0.1μm〜約20μmの範囲内の大きさを持つ、銀、金、パラジウム、ニッケル、それらの組み合わせなどのような導電性微粒子材料から選択される。好ましい実施形態において、例えば最大約20μmの長さで、約2μm以下の厚さの薄片のような、細長い形状の導電性微粒子が使用されている。これらの微粒子の伸長は、それらのアスペクト比(最長軸に沿った粒子の寸法の、横軸または直交軸に沿った粒子の寸法に対する比)によって示される。本発明に従ったポリマー組成物の導電率は、一般に、導電性微粒子のアスペクト比とともに増加する。本発明で使用された実例となる導電性金属材料は、例えば、Ferro社またはDegussa Metz Metalurgical社から入手可能な銀薄片がある。
【0030】
さまざまな他の添加剤、成分および/または薬剤が、加える、または別の方法で本発明の組成物に混入させることができる。例えば、さまざまな湿潤剤、消泡剤、および粘度調整添加剤を加えることができる。例えば、ウォリンフォード、コネティカット州のBYK USAから市販されているBYK(登録商標) 321が、湿潤剤として使用できる。BYK(登録商標) 321は、ポリエーテル変性メチルアルキルポリシロキサン共重合体であると考えられている。
【0031】
本発明の組成物は、好ましくは遊離基開始剤および反応性希釈剤を併用することにより作られ、次に、前に述べたように、好ましくはエポキシジアクリレートオリゴマーとエポキシトリアクリレートオリゴマーであるエポキシアクリレートオリゴマーを添加する。中間混合物は、均一な樹脂混合物を得るまで十分に混ぜられる。好ましくは銀薄片である導電性金属微粒子が加えられ、次に、さらに混合され、任意で撹拌される。
【0032】
本発明の組成物を用いる、例えば塗装基板、層状アレイ、または装置は、所望の領域および所望の厚さに組成物を塗布し、その後組成物を硬化することにより調製できる。組成物の塗布は、非常に多くの種類を選ぶことができるが、スクリーン印刷が好ましい。当業者によってわかるように、さまざまなパターンが、コンタクト、配線、回路および/または他の導電性領域などを形成するために塗布できる。
【0033】
膜厚または塗り厚は、変わることがあるが、約1〜約100μmが典型的であり、約10〜約70μmが好ましく、約15〜約50μmが多くの用途において最も好ましい。
【0034】
前に述べたように、好ましい実施形態の組成物は、250℃未満などの比較的低い温度で熱硬化性を有する。典型的な硬化パラメータは、約140℃〜200℃で、約5秒〜約20分、好ましくは約10分の時間で用いる。60分以上もの長い硬化時間を利用することもできると考えられる。硬化および加熱は、好ましくは空気中で行われる。しかし、多くの用途において、硬化は不活性ガス雰囲気下で行われてもよいと考えられる。
【0035】
また、本発明の組成物は、前述の開始剤の代わりに紫外線硬化剤を有効量混入することで、紫外線放射への暴露で硬化できると考えられる。
【0036】
ある用途において、本発明および好ましい実施形態の組成物は、無溶剤状態で提供および使用できる。前に述べたように、溶剤および特に炭化水素系溶剤は、関連した溶剤除去、回収設備、回収操作のために望ましくないことがある。したがって、一般に、組成物が無溶剤であることが好ましい。しかし、本発明は、エチレングリコールエーテルやエチレングリコールアセテートなどの溶剤含有組成物または、溶剤と混合またはその他の方法で組み合わせられる組成物を含む。
【0037】
また、本発明は、本願記載の本発明の組成物を用いる太陽電池などの太陽光発電装置などの電気組立品を提供する。本発明で用いられる「太陽光発電装置」という用語は、光を電気(好ましくは直流(dc)電流)に変換する装置を指す。層状組立品、特に太陽電池とともに、導電性コンタクト、バスバー、パッド、付着タブ、および同様の部品を作るために、組成物を使用することができる。
【0038】
太陽電池は、一般に、太陽光を有用な電気エネルギーに変換するシリコン(Si)などの半導体材料で作られている。太陽電池は、一般に、適したリン原料からP型Siウエハーの中へリン(P)を拡散させることにより、必須であるPN接合が形成されているSiの薄いウエハーで作られている。太陽光が入射するシリコンウエハーの側面は、一般に、入射太陽光の反射の損失を防ぐために、反射防止膜(ARC)で被覆されていて、その結果、太陽電池の効率を高めている。フロントコンタクトとして知られる二次元電極グリッドパターンは、接続をシリコンのN側へ作り、反対側にあるアルミニウム(Al)の被覆(バックコンタクト)は、接続をシリコンのP側へ作る。これらのコンタクトは、PN接合から外部機器までの電気的な経路である。
【0039】
図1は、本発明にかかる好ましい実施形態の組立品10を示す。組立品10は、(ジ)セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)などの半導体材料層40を含み、該半導体材料層40は、例えば硫化カドミウム(CdS)フォトレジスタ層であってもよい光電子層などである上層30と、モリブデンなどの金属から形成されるバックコンタクトであってもよい下層50と、の間で配置している。上層30に配置されるものは、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)または、その他の当業者に知られている適切な材料から形成されてもよい透明導電性酸化物(TCO)層20である。TCO層の最上部の表面は、上面22を定義する。1以上の電気コンタクト60またはその他の導電性成分が層状組立品に配置される。コンタクト60は、本願記載の本発明の組成物から形成される。
【0040】
図2は、本発明にかかる別の好ましい実施形態の組立品110を示す。組立品110は、例えば、ガラスから形成されてもよい、透明または実質的に透明な上部基板120を含む。1以上の透明導体層130は、好ましくは、上部基板120とアモルファスシリコン層140の間に置かれる。アモルファスシリコン層140とバックコンタクト層160の間に配置されているのは、微結晶シリコン層150である。付着タブ170などの1以上の電気部品は、バックコンタクト160と電気通信できるタブ170などの組立品110に組み込むことができる。付着タブ170は、本願記載の本発明の組成物から形成される。
【0041】
図3は、本発明にかかるさらに別の好ましい実施形態の組立品210を示す。組立品210は、一般に太陽電池の形であって、例えばn型半導体材料である中間層240を含む。中間層240の1つの表面上に配置されているのは、例えば薄いアモルファスシリコン層であってもよいp型/i型材料層230である。中間層240の反対の表面上に配置されているのは、例えば薄いアモルファスシリコン層であってもよいi型/n型材料層250である。層230上に配置されているのは、前側電極層220である。そして、層250上に配置されているのは、後側電極層260である。組立品210は、さらに前側電極220上に配置されたバスバー270などの1以上の導電性部品を含む。組立品210は、さらに後側電極260上に配置されたバスバー280などの1以上の導電性部品を含んでもよい。さまざまな導電性部品(例えば、バスバー270および280)は、本発明に記載された組成物から形成される。組立品210の厚さは比較的薄い。例えば、層220、230、240、250、260の全厚さは約100μm〜約400μmであり、通常約200μmである。
【0042】
図4は、本発明にかかる別の好ましい実施形態の組立品310を示す。組立品310は、例えば、n-エミッタ材料層330と平行に配置したp型シリコン材料の中間層340を含む多結晶および単結晶シリコン電池の形であってもよい。窒化ケイ素材料の最上層320およびアルミニウムなどの形成されたバックコンタクト層を構成する最下層350は、例えばセル310に含められる。1以上のコンタクト360は、層320の上面もしくは前面に沿って提供される。そして、1以上の導電性バスバー370は、下層もしくはリアコンタクト層350に沿って提供される。バスバー370は、本発明の組成物から形成される。コンタクト360も、本発明の組成物から形成できると考えられる。
【0043】
本発明の組成物は、アモルファスまたは結晶シリコンを含む太陽光発電装置および/またはCIGS材料を含む太陽光発電装置とともに特に使用できる。また、本発明の組成物は、結晶シリコン太陽電池中のアルミニウム導体層の上で、後部導体として使用できる。加えて、本発明の組成物は、(i)基板上のITOなどの透明導体や、(ii)シリコン基板上のアルミニウム、の上に低い電気抵抗を持つコンタクトを形成するために使用できる。
【0044】
また、本発明は、選択的に本願記載の本発明の組成物を硬化することにより、特定の、もしくは所望の導電率特性を実現するための戦略を提供する。すなわち、1以上の指定硬化プロファイルに従って、コンタクト、バスバー、タブなどの電気部品を、特定の導電率水準を持って作ることができる。好ましい実施形態の組成物の調製後、組成物は、結果として生じる硬化組成物の所望の抵抗率特性を実現するために、望ましい温度および時間で硬化される。一般に、より高い温度で加熱することにより、硬化量が増え、得られる硬化組成物の抵抗率は減少する。特定の理論に縛られることは望んでいないが、硬化時間の増加は、減少した抵抗率の値を有する硬化組成物を製造できると考えられる。しかし、本発明でさらに詳細に説明されるように、硬化温度(および硬化量)が上げるにつれて、得られる硬化組成物の抵抗率は最小値に達すると考えられている。
【0045】
本発明の組成物を用いることにより、著しく低い接触抵抗率を示す導電性部材と共に、さまざまな層状組立品を形成することができる。例えば、好ましい実施形態の組成物から形成された電気コンタクトを有する層状組立品は、硬化後に20Ω・cm2未満、好ましくは5Ω・cm2未満、最も好ましくは2Ω・cm2未満の抵抗率を示す導電性コンタクトを調製することができる。
【0046】
組成物や、太陽電池、コンタクト、関連する部品などの電気組立品や、方法に関するさらなる詳細および説明は、米国特許出願番号11/145,538として2005年6月3日に出願され、米国2006/0289055として公開されたものと、米国特許出願番号10/988,208として2004年11月11日に出願され、米国2006/0102228として公開されたものによって与えられる。
【実施例】
【0047】
さらに本発明の特徴を評価するために、一連の研究が行われた。試験例1〜4に記載される組成物は、本発明に記載されているように調製され、以下の表1で説明される。試験例1の組成物はコントロールであるが、試験例2〜4の組成物は、代表的な好ましい実施形態の組成物である。これらの4つの組成(重量%)は、以下の通りである。
【0048】
【表1】

【0049】
ヘキサンジオールジアクリレートは、商標名Miramer M200で、Rahn AGが提供している反応性希釈剤である。
【0050】
Genomer 2259は、Rahn AGが提供していて、2官能性のアクリレートを有する脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートオリゴマーである。
【0051】
CN133は、Sartomer社が提供していて、3官能性のアクリレートを有するエポキシアクリレートオリゴマーである。
【0052】
2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)-3-ヘキシンは、Sigma Aldrichから入手可能な遊離基開始剤である。
【0053】
銀薄片9Alは、Ferro社が提供している。
【0054】
まず、過酸化物をヘキサンジオールジアクリレートに入れ、混合し、その後、Genomer 2259およびCN133を添加した。前駆組成物は、均一な樹脂混合物が得られるまで十分に混合した。Agを樹脂混合物に加え、その後混合および撹拌した。
【0055】
比抵抗測定のための試料調製は、以下の通りであった。ペーストは、15〜30μmの膜厚でガラス基板上にスクリーン印刷され、その後、空気中で10分間、200℃で硬化した。組成物1、2、3、4の抵抗率は、以下の表2の通りである。
【0056】
【表2】

【0057】
試験例1、2、3は、組成物の残りの割合を保ちながら、CN133とGenomer 2259の重量%を変化させた。試験例1のように、Genomer 2259がなく、CN133だけの場合、抵抗率は18.1である。試験例2のように、CN133の半分をGenomer 2259に置換すると、抵抗率は半分未満まで下がる。試験例3のように、CN133とGenomer 2259を完全な置換は、まだ同様の低い抵抗率を示している。
【0058】
試験例2と比べて、試験例4は同じ成分を持っているが、より低いGenomer 2259とCN133の比を有する。同様の低い抵抗率がまた観測される。試験例1〜4の抵抗率の結果は、Genomer 2259などの脂肪酸変性アクリレートが、導電率をかなり促進することを示す。
【0059】
別の一連の研究が、まださらに本発明の特徴に近づくために行われた。試験例5〜6で記載される組成物は、本発明によって調製され、以下の表3で説明される。これらの組成(重量%)は、以下の通りである。
【0060】
【表3】

【0061】
試験例5と6は、脂肪酸変性度合いの増加に応じて、導電率の改善を示している。Genomer 2259は脂肪酸が変性されているが、その一方、Genomer 2263は脂肪酸が変性されていない。Genomer 2263は、ビスフェノールAジグリシジルエーテル系のエポキシジアクリレートである。
【0062】
試験例7と8で説明される組成物は、また、本発明によって調製され、以下の表4で説明される。
【0063】
【表4】

【0064】
これらの組成物は、Genomerの名称で入手可能なものと異なる脂肪酸変性エポキシアクリレートを用いた。試験例7と8の組成物に用いられた脂肪酸変性エポキシアクリレートは、CN113D70とCN2101である。
【0065】
脂肪酸変性エポキシアクリレートのCN113D70とCN2101もまた、改良した導電率を示した。
【0066】
試験例9〜13に記載される組成物が、本発明によって調製され、以下の表5で説明される。
【0067】
【表5】

【0068】
これらの組成物は、溶剤(試験例9)、モノマー(試験例10、11、12)、湿潤剤、接着促進剤(試験例13)のような他の成分も、上記の系に、導電率への悪影響が全くなく添加できることを示している。Luperox 531M80は、オークビル、オンタリオ州のArkema Canada社から入手可能な重合開始剤である。
【0069】
2つの組成物が基板上に堆積され、電気コンタクトが形成された。以下の表6に示すように、接触抵抗率が測定された。接触抵抗率は、伝送線路(TLM)法により測定された。具体的に言うと、試験例12の組成物は、アルミニウム表面上に堆積され、コンタクトが形成された。そして、試験例9の組成物は、インジウムスズ酸化物(ITO)表面上に堆積され、コンタクトが形成された。
【0070】
【表6】

【0071】
試験例14と15に記載される組成物が、本発明によって調製され、以下の表7に説明される。
【0072】
【表7】

【0073】
銀薄片80と銀薄片1はFerro社から得られる。
【0074】
これらの例は、高い導電率が、9Alに限らず他の銀薄片(試験例14、15)で維持できることを明らかにしている。
【0075】
本発明の別の重要な特徴は、試験例1〜4のように、組成物が無溶剤で作ることができ、高い導電率を提供できるということである。
【0076】
本発明は、感熱基板を含む用途にとって有益な、250℃未満の硬化温度を可能にさせている。優れた導電率は、高性能を実現できるため、薄膜太陽電池などの用途で非常に望ましい。
【0077】
さらに別の一連の調査では、得られる硬化組成物の電気抵抗率への硬化温度の影響が分析された。このレビューでは、試験例3の組成物に基づいたいくつかの試料が、3つの異なる硬化プロファイルを受け、硬化後に、各サンプルの抵抗率が測定された。結果は、以下の表8に説明される。
【0078】
【表8】

【0079】
これらの結果は、好ましい実施形態の組成物を、250℃未満の低温で硬化することにより、比較的低い電気抵抗率を持つ組成物が得られることを示している。特定の理論に縛られることは望んでいないが、組成物の抵抗率は、一般に、組成物が硬化量の関数であると考えられている。したがって、より高い硬化温度を用いることは、低い抵抗率をもたらすかもしれないが、当然のことながら、低い抵抗率は、より高い硬化温度を用いることにより生じる、より多い硬化量の結果である。加えて、当然のことながら、より高い硬化温度が使用されるにつれて、硬化組成物の抵抗率は、最終的に最小の抵抗率値に達する。表8で示される結果は、本発明の組成物が比較的低い温度、すなわち250℃未満で硬化できること、さらに一貫した低い抵抗率特性を与えられることを明らかにしている。
【0080】
さらに別の一連の研究において、組成物は調製され、比較的低い抵抗率を有する導電性材料を形成するために硬化させた。試験例16では、排他的に脂肪酸変性ポリエステルアクリレートを用いて、組成物は形成された。試験例17では、脂肪酸変性ポリエステルアクリレートおよび脂肪酸変性エポキシアクリレートの組み合わせを用いて、組成物は形成された。硬化後の組成物および結果として生じる抵抗率は、以下の表9に説明される。
【0081】
【表9】

【0082】
本発明がまた、溶剤なしで非常に高い導電性を有する組成物を提供するという事実は、より環境に優しい製造工程の機会を提供する。さまざまな溶剤蒸発がないため、本発明は、より高品質の製品の製造を可能にさせる。本発明はまた、溶剤蒸発の必要がなくなることにより、サイクル時間を減らすかもしれない。しかし、当然のことながら、本発明は溶剤含有組成物も含む。
【0083】
本発明に適用してもよい公知の導電性ポリマー組成物のさらなる態様と詳細が、米国特許4,999,136、5,514,729、6,071,437、6,713,000、7,157,507、7,323,499、特許公報2008/0114089、2008/0178930に明らかにされる。
【0084】
本技術の将来的な応用および発展により、多くのその他利点が得られることは紛れもなく明らかであろう。
【0085】
本発明で述べたすべての特許、公開された出願、記事は、そのまま参照することにより本願に含まれる。
【0086】
上述の通り、本発明は、従来の技術に伴う多くの問題を解決するものである。しかし、当然のことながら、本発明の特徴を説明するために本願に記載及び例示された、詳細、物質、及び処方における様々な変更が、添付された請求項に示された本発明の原則及び範囲から逸脱することなく、当業者によってなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量の導電性粒子と、
有効量の(i)脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、(ii)脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、(iii)(i)と(ii)の組み合わせ、からなる(i)〜(iii)群より選択されるもの、
を含むことを特徴とする導電性熱硬化性組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物において、さらに有効量の反応性希釈剤を含むことを特徴とする組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物において、さらに有効量の遊離基開始剤を含むことを特徴とする組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の組成物において、脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマーを約0.1%〜約30%の濃度で用いることを特徴とする組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の組成物において、脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマーを約0.1%〜約30%の濃度で用いることを特徴とする組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の組成物において、(i)脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマーと、(ii)脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマーと、の組み合わせを、約0.1%〜約30%の濃度で用いることを特徴とする組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の組成物において、さらにエポキシトリアクリレートオリゴマーを含むことを特徴とする組成物。
【請求項8】
請求項7に記載の組成物において、エポキシトリアクリレートオリゴマーが脂肪族であることを特徴とする組成物。
【請求項9】
エポキシトリアクリレートオリゴマーを約0.1%〜約25%の濃度で用いることを特徴とする請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
請求項2に記載の組成物において、反応性希釈剤がヘキサンジオールジアクリレートであることを特徴とする組成物。
【請求項11】
請求項10に記載の組成物において、ヘキサンジオールジアクリレートを約1%〜約10%の濃度で用いることを特徴とする組成物。
【請求項12】
請求項10に記載の組成物において、ヘキサンジオールジアクリレートを約4%〜約7%の濃度で用いることを特徴とする組成物。
【請求項13】
請求項3に記載の組成物において、遊離基開始剤が(i)2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)-3-ヘキシン、(ii)過酸化ジクミル、およびそれらの組み合わせ、からなる群から選択されることを特徴とする組成物。
【請求項14】
請求項3に記載の組成物において、遊離基開始剤が約0.01%〜約2%の濃度であることを特徴とする組成物。
【請求項15】
請求項3に記載の組成物において、遊離基開始剤が約0.3%の濃度であることを特徴とする組成物。
【請求項16】
請求項1に記載の組成物において、導電性粒子が金属粒子であり、銀、金、パラジウム、ニッケル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする組成物。
【請求項17】
請求項16に記載の組成物において、金属粒子が銀であることを特徴とする組成物。
【請求項18】
請求項16に記載の組成物において、金属粒子を約70%〜約90%の濃度で用いることを特徴とする組成物。
【請求項19】
請求項18に記載の組成物において、金属粒子を約80%の濃度で用いることを特徴とする組成物。
【請求項20】
請求項1に記載の組成物において、組成物が無溶剤であることを特徴とする組成物。
【請求項21】
基板上に導電層を形成する方法であって、
方法は、
(a)任意の反応性希釈剤、(b)(i)脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、(ii)脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、(iii)(i)と(ii)の組み合わせ、からなる(i)〜(iii)群より選択されるもの、(c)金属粒子、(d)遊離基開始剤、を含む組成物を作る工程と、
該組成物を、基板上に約1〜約100μmの厚さで塗布する工程と、
導電層を形成するために、塗布された組成物を250℃未満の温度まで加熱する工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法において、組成物が約10〜約70μmの厚さで基板に塗布されることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、組成物が約15〜約50μmの厚さで基板に塗布されることを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項21に記載の方法において、加熱が200℃で行われることを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項21に記載の方法において、加熱が5秒〜20分行われることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項21に記載の方法において、組成物がさらに(e)エポキシトリアクリレートオリゴマーを含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、エポキシトリアクリレートオリゴマーが脂肪族であることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項21に記載の方法において、組成物が無溶剤であることを特徴とする方法。
【請求項29】
導電性ポリマー材料の薄膜を有する基板であって、
該材料が、
(a)任意の反応性希釈剤、(b)(i)脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、(ii)脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、(iii)(i)と(ii)の組み合わせ、からなる(i)〜(iii)群より選択されるもの、(c)有効量の遊離基開始剤、を含む組成物を熱硬化することにより形成されたポリマー・マトリクス中に分散した約70%〜約90%の金属粒子を含むことを特徴とする基板。
【請求項30】
請求項29に記載の基板において、層の厚さが約1〜約100μmであることを特徴とする基板。
【請求項31】
請求項29に記載の基板において、層の厚さが約15〜約70μmであることを特徴とする基板。
【請求項32】
請求項29に記載の基板において、金属粒子が銀薄片であることを特徴とする基板。
【請求項33】
請求項29に記載の基板において、組成物がさらに(iv)エポキシトリアクリレートオリゴマーを含むことを特徴とする基板。
【請求項34】
請求項33に記載の基板において、エポキシトリアクリレートオリゴマーが脂肪族であることを特徴とする基板。
【請求項35】
請求項29に記載の基板において、組成物が無溶剤であることを特徴とする基板。
【請求項36】
複数の層および導電性部材を含み、
該導電性部材は、(a)有効量の導電性粒子、(b)有効量の(i)脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、(ii)脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、(iii)(i)と(ii)の組み合わせ、からなる(i)〜(iii)群より選択されるもの、を含む組成物から形成されることを特徴とする太陽光発電装置。
【請求項37】
請求項36に記載の装置において、複数の層がアモルファスシリコン層を含むことを特徴とする装置。
【請求項38】
請求項36に記載の装置において、複数の層が結晶シリコン層を含むことを特徴とする装置。
【請求項39】
請求項36に記載の装置において、複数の層が(ジ)セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)層を含むことを特徴とする装置。
【請求項40】
請求項36に記載の装置において、複数の層がアルミニウム層および結晶シリコン材料層を含むことを特徴とする装置。
【請求項41】
基板と、
基板上の透明導電性酸化物層と、
透明導電性酸化物層と電気通信できる導電性部材と、を含み、
該導電性部材は、(a)有効量の導電性粒子、(b)有効量の(i)脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、(ii)脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、(iii)(i)と(ii)の組み合わせ、からなる(i)〜(iii)群より選択されるもの、を含む組成物から形成されることを特徴とする層状組立品。
【請求項42】
請求項41に記載の層状組立品において、透明導電性酸化物がインジウムスズ酸化物(ITO)であることを特徴とする層状組立品。
【請求項43】
請求項41に記載の層状組立品において、導電性部材が20Ω・cm2未満の接触抵抗率を示すことを特徴とする層状組立品。
【請求項44】
シリコン基板と、
シリコン基板上のアルミニウム層と、
アルミニウム層と電気通信できる導電性部材と、を含み、
該導電性部材は、(a)有効量の導電性粒子、(b)有効量の(i)脂肪酸変性エポキシ化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーおよび/またはオリゴマー、(ii)脂肪酸変性ポリエステル化されたアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーまたはオリゴマー、(iii)(i)と(ii)の組み合わせ、からなる(i)〜(iii)群より選択されるもの、を含む組成物から形成されることを特徴とする層状組立品。
【請求項45】
請求項44に記載の層状組立品において、導電性部材が20Ω・cm2未満の接触抵抗率を示すことを特徴とする層状組立品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−506484(P2012−506484A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533327(P2011−533327)
【出願日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/061659
【国際公開番号】WO2010/048387
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(503468695)フエロ コーポレーション (26)
【Fターム(参考)】