説明

導電性接着剤とその製造方法及びそれを含む電子装置

【課題】導電性接着剤、その製造方法、及び前記導電性接着剤を含む電子装置を提供すること。
【解決手段】
本発明の導電性接着剤は、導電性粒子と;Ag、Cu、Bi、Zn、In及びPbよりなる群から選ばれた一つ以上の金属とSnとがなす合金を含む低融点合金粉末と;ナノ粉末と;熱硬化性樹脂を含む第1バインダーと;ロジン化合物を含む第2バインダーと;を含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性接着剤とその製造方法及びそれを含む電子装置に係り、特に、電気伝導性及び接着力に優れ且つ製造コストが低い導電性接着剤、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
導電性接着剤は、プリント基板上に導電回路を形成する場合、液晶表示装置(LCD)やプラズマ表示パネル(PDP)などにおいて電極又は集積回路(IC)チップを形成する場合、半導体装置において素子と電極とを接着させる場合、太陽電池において電極を形成する場合など、多様な電子装置を製造する過程で広く用いられている。
【0003】
従来の導電性接着剤は、主に、金(Au)、銀(Ag)、カーボン(C)などの導電性粉末にバインダー、有機溶剤及び添加剤などを加えてペースト状に混合することにより製造された。特に、高い導電性が要求される分野の場合、金粉末、銀粉末、パラジウム粉末又はこれらの合金粉末が主に用いられていた。それらの中でも、銀粉末を含有する導電性ペーストは、導電性が良好であってプリント配線板、電子部品などの配線層(導電層)、或いは電子部品の電気回路又は電極の形成に主に使用されてきたが、これらは高温多湿の雰囲気下で電界が印加されると、電気回路又は電極にイオンマイグレーション(ion migration)現象が発生し、所望しない部分で電極又は配線が短絡してしまうという問題が発生した。また、一般に導通抵抗に優れた導電性接着剤を形成するためには導電性接着剤に対して銀粉末が70〜90重量%程度含まれなければならないので、銀粉末の価格により導電性接着剤の価格も高くなるという問題が発生した。特に、導電性接着剤が多様な電子装置に使用されることにより使用量が急激に増加し、これにより銀粉末を代替し或いは銀粉末の使用量を減らして製造コストを節減すべき必要性がさらに増加した。しかも、銀粉末の他にも、従来から使用されている金粉末やパラジウム粉末の価格も高価であるから、その使用量を減らして製造コストを節減すべき必要性が求められた。
【0004】
このために、銀粉末に比べて価格が非常に低い銅を導電性充填剤として使用しようとする試みがあった。ところが、銅が空気、水分、高熱又は他の酸化剤などに晒される場合、酸化銅(copper oxide)が形成され、これにより導電性接着剤の電気伝導度が急激に減少するという問題が発生した。
【0005】
導電性接着剤は、プリント基板上に導電回路を形成する場合、液晶表示装置(LCD)やプラズマ表示パネル(PDP)などにおいて電極又は集積回路(IC)チップを形成する場合、半導体装置において素子と電極とを接着させる場合、太陽電池において電極を形成する場合など、多様な電子装置を製造する過程で広く用いられている。
【0006】
従来の導電性接着剤は、主に、金(Au)、銀(Ag)、カーボン(C)などの導電性粉末にバインダー、有機溶剤及び添加剤などを加えてペースト状に混合することにより製造された。特に、高い導電性が要求される分野の場合、金粉末、銀粉末、パラジウム粉末又はこれらの合金粉末が主に用いられていた。それらの中でも、銀粉末を含有する導電性ペーストは、導電性が良好であってプリント配線板、電子部品などの配線層(導電層)、或いは電子部品の電気回路又は電極の形成に主に使用されてきたが、これらは、高温多湿の雰囲気下で電界が印加されると、電気回路又は電極にイオンマイグレーション(ion migration)現象が発生し、所望しない部分で電極又は配線が短絡してしまうという問題が発生した。また、一般に、導通抵抗に優れた導電性接着剤を形成するためには導電性接着剤に対して銀粉末が70〜90重量%程度含まれなければならないので、銀粉末の価格により導電性接着剤の価格も高くなるという問題が発生した。特に、導電性接着剤が多様な電子装置に使用されることにより使用量が急激に増加し、これにより銀粉末を代替し或いは銀粉末の使用量を減らして製造コストを節減すべき必要性がさらに増加した。しかも、銀粉末の他にも、従来から使用されていた金粉末、パラジウム粉末の価格も高価であるから、その使用量を減らして製造コストを節減すべき必要性が求められた。
【0007】
このために、銀粉末に比べて価格が非常に低い銅を導電性充填材として使用しようとする試みがあった。ところが、銅が空気、水分、高熱又は他の酸化剤などに晒される場合、酸化銅が形成され、これにより導電性接着剤の電気伝導度が急激に減少するという問題が発生した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の技術的課題は、導電性及び接着力に優れた導電性接着剤、その製造方法及びそれを含む装置を提供することにある。また、本発明の技術的課題は、導電性接着剤に含まれた高価な金属粉末を低価な導電性粒子で代替し或いは高価な金属粉末の使用量を減少させることにより、製造コストが低いうえに、電気伝導性及び接着力に優れた導電性接着剤及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある観点によれば、導電性粒子と;Ag、Cu、Bi、Zn、In及びPbよりなる群から選ばれた一つ以上の金属とSnとがなす合金を含む低融点合金粉末と;ナノ粉末と;熱硬化性樹脂を含む第1バインダーと;ロジン化合物を含む第2バインダーと;を含んでなる、導電性接着剤を提供する。
【0010】
この際、前記第1バインダーは、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolics)、メラミン樹脂(melamine resin)、尿素樹脂(urea resin)、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂(polyester、unsaturated polyester)、シリコン(silicon)、ポリウレタン(polyurethane)、アリル樹脂(allyl resin)、熱硬化性アクリル樹脂、フェノール−メラミン縮重合樹脂、及び尿素−メラミン縮重合樹脂よりなる群から選ばれた一つ以上の物質を含むことが好ましい。
【0011】
また、前記第2バインダーは、ガムロジン(gum rosin)、ロジンエステル(Rosin Esters)、重合ロジンエステル(Polymerized Rosin Esters)、水素添加ロジンエステル(Hydrogenated Rosin Esters)、不均化ロジンエステル(Disproportionated Rosin Esters)、二塩基酸変性ロジンエステル(Dibasic Acid Modified Rosin Esters)、フェノール変性ロジンエステル(Phenol Modified Rosin Esters)、テルペンフェノール共重合樹脂、マレイン酸変性樹脂及びアクリル変性水素添加樹脂よりなる群から選ばれた一つ以上の物質を含むことが好ましい。
【0012】
また、前記導電性接着剤は防錆剤をさらに含み、前記防錆剤はアミン系化合物又はアンモニウム系化合物を含むことが好ましい。
【0013】
また、前記ナノ粉末は、Ag、Cu、Al、Ni、膨張黒鉛、カーボンナノチューブ(CNT)、炭素、及びグラフェンよりなる群から選ばれた一つ以上の物質を含むことが好ましい。
【0014】
また、前記導電性接着剤に対し、前記導電性粒子は30〜85重量%、前記低融点合金粉末は5〜50重量%、前記ナノ粉末は3〜13重量%含まれることが好ましい。
【0015】
また、前記導電性粒子、前記低融点合金粉末及び前記ナノ粉末の粒子径は、導電性粒子≧低融点合金粉末の粒子≧ナノ粉末の粒子、或いは低融点合金粉末の粒子≧導電性粒子≧ナノ粉末の粒子であることが好ましい。
【0016】
また、低融点合金粉末はSn−Bi系、Sn−In系、Sn−Pb系、及びSn−Ag−Cu系合金であることが好ましい。
【0017】
また、前記低融点合金粉末の粒子径は0.05μm〜10μmであることが好ましい。
【0018】
また、前記導電性粒子は金属粉末からなってもよい。
【0019】
また、前記金属粉末は銅粉末のみからなることが好ましい。
【0020】
また、前記導電性粒子は、コアと、前記コアの表面に形成されるコーティング層とを含んでなってもよい。
【0021】
この際、前記コアは導電性コアであり、前記導電性コアはCu、Ag、Au、Ni及びAlよりなる群から選ばれた一つ以上の物質を含むことが好ましい。
【0022】
また、前記コーティング層は、Cu、Ag、Au、Ni、Al及び半田よりなる群から選ばれた、前記導電性コアとは異なる一つ以上の金属物質を含むことが好ましい。
【0023】
また、前記コアは非導電性コアであり、前記非導電性コアはガラス、セラミック及び樹脂からなる群から選択された一つ以上の物質を含むことが好ましい。
【0024】
また、前記樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグラナミン樹脂、フェノール−ホルマリン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリールフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート樹脂、フェノキシ樹脂及びシリコン樹脂よりなる群から選ばれる一つ以上の物質を含むことが好ましい。
【0025】
前記コーティング層は、Cu、Ag、Au、Ni、Al及び半田よりなる群から選ばれた一つ以上の物質を含むことが好ましい。
【0026】
また、前記コーティング層は少なくとも一つのコーティング層からなってもよい。
【0027】
また、前記導電性接着剤は、活性剤をさらに含み、前記活性剤は、コハク酸(succinic acid)、アジピン酸(adipic acid)、パルミチン酸(palmitic acid)、3−フッ化ホウ素エチルアミド錯体、ブチルアミン臭化水素酸塩、ブチルアミン塩化水素酸塩、エチルアミン臭化水素酸塩、ピリジン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、エチルアミン塩化水素酸塩、1,3−ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、2,2−ビスヒドロキシメチルプロピオン酸塩、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、ラウリン酸(Lauric acid)、及びメムテトラヒドロフタル酸無水物(Memtetrahydrophthalic anhydride)よりなる群から選ばれる少なくとも一つの活性剤であることが好ましい。
【0028】
本発明の他の観点によれば、熱硬化性樹脂とロジン化合物に、水素化ヒマシ油、シロキサンイミド、液状ポリブタジエンゴム、シリカ、及びアクリレートよりなる群から選ばれた一つ以上の物質を添加して改質する段階と、前記熱硬化性樹脂に導電性粒子と、Ag、Cu、Bi、Zn、In及びPbよりなる群から選ばれた一つ以上の金属とSnとがなす合金を含む低融点合金粉末と、ナノ粉末とを混合して混合物を形成する段階と、前記混合物を分散させる段階とを含んでなる、導電性接着剤の製造方法を提供する。
【0029】
この際、前記導電性粒子は無電解メッキ法でコーティング層が形成されてもよい。
【0030】
本発明の別の観点によれば、導電性粒子と;Ag、Cu、Bi、Zn、In及びPbよりなる群から選ばれた一つ以上の金属とSnとがなす合金を含む低融点合金粉末と;ナノ粉末と;熱硬化性樹脂を含む第1バインダーと;ロジン化合物を含む第2バインダーと;を含んでなる、電子装置を提供する。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る導電性接着剤は、低融点合金粉末と樹脂を導電性粒子の間に分散させて優れた電気伝導性及び接着力を示す。
【0032】
また、導電性粒子は、コア−シェル構造で形成し、コアに安定性を与えて費用を節減することができるという効果がある。
【0033】
また、本発明に係る導電性接着剤の製造方法は、高価な金属を低価な金属又はコア−シェル構造の導電性粒子で代替し、或いは高価な金属粉末の使用量を減少させて製造コストを低めることができる。なお、本発明に係る導電性接着剤を含む電子装置は、電気伝導性及び接着力に優れた導電性接着剤を使用することにより、電子装置の信頼度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施例に係る導電性接着剤の製造方法を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施例に係る導電性接着剤を含む半導体装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。第1、第2などの用語は多様な構成要素を区別して説明するために使用されるものに過ぎず、本発明の構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。本出願において、「含む」などの用語は、明細書上に記載された特徴又は段階又はこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするもので、一つ又はそれ以上の他の特徴又は段階又はこれらの組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。別途定義しない限り、技術的又は科学的な用語を含んでここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されるものと同一の意味を持っている。
【0036】
本発明の一実施例に係る導電性接着剤は、導電性粒子、低融点合金粉末、ナノ粉末及び熱硬化性樹脂を含む第1バインダーと、ロジン(rosin)化合物を含む第2バインダーを含むことができる。
【0037】
導電性粒子は、金属粉末、又はコアと前記コアの表面に形成されるコーティング層とを有するコア−シェル構造の粒子で形成できる。一例として、金属粉末としては銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)粉末など、又はこれらの組み合わせが使用できる。他の例として、コアは導電性コアであり、導電性コアはCu、Ag、Au、Ni及びAlよりなる群から選ばれた一つ以上の物質を含む。また、コーティング層はCu、Ag、Au、Ni、Al及び半田よりなる群から選ばれた、前記導電性コアに使用された金属とは異なる材質の金属からなる。例えば、コアとして銅(Cu)が使用され、コーティング層として金(Au)又は銀(Ag)が使用されてもよい。また、コアとしてニッケル(Ni)が使用され、コーティング層として金(Au)又は銀(Ag)が使用されてもよい。通常、コーティング層として低価な金属を使用することが好ましい。
【0038】
低融点合金粉末としては、Ag、Cu、Bi、Zn、In及びPbよりなる群から選ばれた一つ以上の金属とSnとがなす合金粉末が使用できる。低融点合金粉末の溶融点は130℃〜250℃、好ましくは138℃〜220℃、より好ましくは138℃〜180℃である。
【0039】
例えば、Sn−Bi系合金の融点は137℃〜138℃であり、Sn/Pb系合金の融点は187℃であり、Sn/In系合金の融点は148℃〜155℃である。本発明の一実施例では、Sn/Bi系合金粉末を使用することができ、特に価格が低く且つ融点が低いSn42/Bi58を使用することが好ましい。ここで、Sn42/Bi58はSn42重量%、Biは58重量%含まれた合金を意味する。また、Sn−Ag−Cu系合金も好ましく使用できる。また、Sn96.5/Ag3.0/Cu0.5又はSn98.5/Ag1.0/Cu0.5及びSn99/Ag0.3/Cu0.7も好ましく使用できる。
【0040】
ナノ粉末としてはAg、Cu、Al、Ni、膨張黒鉛、カーボンナノチューブ(CNT)、炭素、及びグラフェンのうち一つ以上の物質が使用できる。本発明において、ナノ粉末は粒子径が導電性粒子又は低融点合金粉末より小さい微細粉末を意味し、ナノ粉末は粒子径10nm〜100nmの粉末を意味する。粉末内の各粒子のサイズ間に微細な差異があるが、粉末に最も多く分布する粒子径或いは平均粒子径を粉末の粒子径として看做すことができる。
【0041】
導電性粒子、低融点合金粉末、ナノ粉末は球状、フレーク状又は針状の形状でありうる。導電性粒子、低融点合金粉末、ナノ粉末などは、一般に球状であるが、各粒子が完全な球状でない場合、その粒子径は粒子の内部を通過する最も長い線分の長さと最も短い線分の長さとの平均値で定義する。各粒子が球状に近い場合、その粒子径は球の直径値に近くなるであろう。
【0042】
導電性粒子、低融点合金粉末、ナノ粉末は、導電性充填剤の役目をし、それぞれの粒子径に対する限定はないが、それぞれの粒子径は、導電性粒子≧低融点合金粉末の粒子≧ナノ粉末の粒子、或いは低融点合金粉末の粒子≧導電性粒子≧ナノ粉末粒子の関係を持ってもよく、好ましくは導電性粒子≧低融点合金粉末の粒子≧ナノ粉末の粒子の関係を持つ。
【0043】
これは、導電性粒子より粒子径が小さい低融点合金粉末が導電性粒子の間に分散して低温(例えば、138℃)で溶融して液状化した後、導電性粒子間の空隙の間に染み込んで導電性粒子同士を結合させて電気伝導性及び接着力を向上させることができるためである。
【0044】
また、低融点合金粉末は、短時間で熱硬化してしまい導電性粒子の空隙の間への染み込みが十分に行われないので、導電性粒子又は低融点合金粒子より粒子径がさらに小さいナノ粉末が導電性粒子の間の残余空隙を満たすことにより、空隙に存在している湿度と酸素を外へ追い出して導電性粒子の腐食及び高分子の退化を抑制させ、接着力と電気伝導度をさらに高めることができる。
【0045】
本発明の一実施例に係る導電性接着剤において、導電性粒子の粒子径は0.05μm〜10μmであり、好ましくは0.1μmである。導電性粒子の粒子径が0.05μm以下であれば、分散性が良くなく、導電性粒子の粒子径が10μm以上であれば、空隙率が大きくなって粒子間の接点が減少し、これにより電気伝導度が低くなりうる。また、低融点合金粉末の粒子径は0.05μm〜10μm、好ましくは0.1μmであり、ナノ粉末の粒子径は10nm〜100nm、好ましくは50nmである。ナノ粉末は銅粉末、低融点粉末より粒子径が小さい。
【0046】
第1バインダーとしては熱硬化性樹脂が使用される。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolics)、メラミン樹脂(melamine resin)、尿素樹脂(urea resin)、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂(polyester、unsaturated polyester)、シリコン(silicon)、ポリウレタン(polyurethane)、アリル樹脂(allyl resin)及び熱硬化性アクリル樹脂、フェノール−メラミン縮重合樹脂、及び尿素−メラミン縮重合樹脂のうち一つ以上の物質が使用できる。熱硬化性樹脂は、強い接着力で銅粉末間の間隙を最小化して伝導度を向上させる上で最も重要な役目をする。
【0047】
第2バインダーとしてはロジン化合物が使用される。ロジン化合物としては、ガムロジン(gum rosin)、ロジンエステル(Rosin Esters)、重合ロジンエステル(Polymerized Rosin Esters)、水素添加ロジンエステル(Hydrogenated Rosin Esters)、不均化ロジンエステル(Disproportionated Rosin Esters)、二塩基酸変性ロジンエステル(Dibasic Acid Modified Rosin Esters)、フェノール変性ロジンエステル(Phenol Modified Rosin Esters)、テルペンフェノール共重合樹脂、マレイン酸変性樹脂及びアクリル変性水素添加樹脂のうち一つ以上の物質が使用できる。ロジンは、松ヤニを蒸留して得る天然樹脂であって、アビエチン酸を主成分とし、ネオアビエチン酸、レポピマール酸、ヒドロアビエチン酸、ピマール酸、デキストン酸などの樹脂酸を含有する物質を意味する。ロジン化合物は活性剤などと混合されて溶剤(flux)として使用され、低融点合金粉末の半田付けを活性化させる。また、ロジン化合物は濡れ性(wettability)を向上させる。
【0048】
本発明の一実施例に係る導電性接着剤が接触面に塗布されてから熱硬化するとき、低温(138℃〜187℃)でまず低融点合金粉末が溶融して液相に変わり、液状の低融点合金粉末は接点面と導電性粒子の空隙の間に分布しながら第1次半田付けが行われる。その後、150℃〜200℃で熱硬化性樹脂の2次硬化によって収縮が行われる。その結果、接着性が高まり、既存の伝導性接着剤より強い接着力を示すことができる。一方、低融点合金粉末が短時間溶融することにより十分な流動性を持つことができず、導電性充填剤の伝導性が低下するおそれもあるので、ナノ粉末をさらに含んでナノ粉末が導電性粒子の間に分散するようにした。その結果、ナノ粉末が導電性粒子と低温合金粉末との間の空隙を埋めながらブリッジの役目をして、抵抗が最小化され且つ電気伝導度が増加することができる。
【0049】
これに加えて、添加剤として、溶媒、硬化剤、活性剤、防錆剤(rust inhibitor)、還元剤、チキソトロープ剤及び粘増剤などが使用できる。
【0050】
溶媒としては、グリシジルエーテル類(glycidyl ethers)、グリコールエーテル類(glycol ethers)及びα−テルピネオール(alpha−Terpineol)のうち少なくとも一つの物質が使用できる。
【0051】
硬化剤としては、脂肪族アミン硬化剤(エポキシ硬化剤)、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、潜在性硬化剤などが使用できる。特に、潜在性硬化剤としては、ジシアンジアミド(dicyandiamide)、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(3−(3,4−dichlorophenyl)−1,1−dimethylurea))、2−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、アミンアダクト系化合物、ジヒドリド化合物、オニウム塩(スルホニウム塩、ホスホニウム塩など)、ビフェニルエーテルブロックカルボン酸又は多価カルボン酸の活性エステルが使用できる。潜在性硬化剤は、硬化剤の硬化を促進させる硬化促進剤であって、硬化温度を低めようとするときに添加することにより、硬化速度を調節することができる。
【0052】
活性剤としては、コハク酸(succinic acid)、アジピン酸(adipic acid)、パルミチン酸(palmitic acid)、3−フッ化ホウ素エチルアミド錯体、ブチルアミン臭化水素酸塩、ブチルアミン塩化水素酸塩、エチルアミン臭化水素酸塩、ピリジン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、エチルアミン塩化水素酸塩、1,3−ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、2,2−ビスヒドロキシメチルプロピオン酸塩、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、ラウリン酸(lauric acid)、及びメムテトラヒドロフタル酸無水物(memtetrahydrophthalic anhydride)のうち少なくとも一つの物質が使用できる。活性剤は、ロジンのアビエチン酸の機能を助けて活性化させる役目をする。ロジンの主成分であるアビエチン酸は、低融点合金粉末が溶融して容易に液状に変わるように助けてくれるもので、電子素子の基板面の銅板に形成された酸化被膜を殆ど公差なく除去(掃除)し、低融点合金粉末が電子素子の基板面によく接合されるようにする。ところが、導電性接着剤のうち、低融点合金粉末の他にも第1バインダーや銅粉末などの添加物の含量が増えてこのような機能が阻害される場合、活性剤は上述したアビエチン酸の機能を助けて活性化させる。
【0053】
防錆剤(rust inhibitor)としては、アミン系防錆剤及びアンモニウム系防錆剤のうち少なくとも一つの物質が使用できる。防錆剤は、熱硬化の際に溶剤内に在る水分、溶剤が気化しながら吸収する水分、大気中の湿度、及び金属粉末空隙の間に存在する湿度及び酸素が放出されるとき、100℃以上で徐々に気化して湿度と酸素を除去し、金属粉末の外部に錯化合物を形成して金属粉末の腐食を防止する。
【0054】
還元剤としてはヒドラジン系とアルデヒド系還元剤が使用できる。還元剤は、導電性金属が酸化するとき、これを還元させて電気伝導性の低下を防止する役目をする。ヒドラジン系還元剤は、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、硫酸ヒドラジン、炭酸ヒドラジン及びヒドラジンヒドロクロリドを含む。
【0055】
アルデヒド系還元剤は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド及びプロピオンアルデヒドを含む。
【0056】
チキソトロープ剤は、印刷性を向上させるためのもので、湿潤性、濡れ性、揺変性を上昇させて、接着剤が柔らかく塗布され且つ迅速に固まるようにすることができる。チキソトロープ剤としては、水添カストワックス、ポリアミドワックス、ポリオレフィンワックス、ダイマー酸、モノマー酸、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリアミンアミドカルボン酸塩、カルナウバワックス(carnauba wax)、コロイド状シリカ、ベントナイト系粘土が使用できる。粘増剤は、粘度を高めるために使用する物質であって、エチルセルロース(ethyl cellulose)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydropropyl cellulose)が使用できる。一方、低電圧用接着剤と高電圧用接着剤の場合、要求される抵抗値が互いに異なる。例えば、低電圧用導電性接着剤は半導体チップボンディングに使用され、100mΩ〜1000mΩの面抵抗が要求され、主に接着力を重要視し、高電圧用導電性接着剤は50mΩ未満の面抵抗が要求され、接着力より電気的特性を重要視する。これを調節するために導電性粒子、低融点合金粉末及びナノ粉末の含量を適切に調節することができる。
【0057】
本発明の一実施例に係る導電性接着剤では、導電性粒子が30〜85重量%、低融点合金粉末が5〜50重量%、ナノ粉末が3〜13重量%含まれることが好ましく、第1バインダー、第2バインダー及び添加剤を含む有機合成物は7〜15重量%含まれることが好ましい。ところが、これは一実施例に過ぎず、本発明の権利範囲を限定するものではない。
【0058】
本発明の他の実施例に係る導電性接着剤は、導電性粒子のコアが非伝導性コアから構成されてもよい。非導電性コアは、ガラス、セラミック及び樹脂よりなる群から選ばれた一つ以上の物質を含むことができる。本発明に係る非導電性コアを使用する場合、製造コストを低めながら同等水準以上の品質を維持することができる。導電性充填剤として導電性粒子、低融点合金粉末及びナノ粉末を含み、この際、使用できる樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール−ホルマリン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリールフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート樹脂、フェノキシ樹脂及びシリコン樹脂が例示できる。
【0059】
その他、導電性樹脂のコーティング層、低融点合金粉末、第1バインダー、第2バインダー、及びその他の添加剤は上述した実施例と類似又は同一に含むことができ、ナノ粉末は必要に応じて添加又は省略してもよい。
【0060】
非導電性コアを使用する場合、導電性コアを使用するときより費用をさらに節減することができるうえ、弾性力に優れるという利点がある。
【0061】
本発明の別の実施例に係る導電性接着剤は、導電性コアにコーティング層が多重に形成される。コーティング層は、例えば、樹脂をコアとして使用し、第1コーティング層としてニッケルを使用し、第1コーティングの表面にさらに第2コーティング層として銅を使用することができる。或いは、樹脂をコアとして使用し、第1コーティング層としてニッケルを使用し、第1コーティングの表面にさらに第2コーティング層として銅を使用し、第2コーティング層の表面に第3コーティング層として半田を使用することができる。
【0062】
コーティング層を多重に形成する場合、より安定性のある導電性粒子を形成することができる。例えば、コアを樹脂とし且つ銅を第1コーティング層として使用する場合、樹脂と銅との接合性をより強化させるために樹脂に表面処理を施す方法とは異なり、樹脂との親和力があるニッケルを第1コーティング層として選択し、ニッケルより低融点合金粉末との親和力がある銅を第2コーティング層として使用することができる。
【0063】
また、樹脂との親和力があるニッケルを第1コーティング層として選択し、ニッケルより低融点合金粉末との親和力がある銅を第2コーティング層として使用し、第2コーティング層の表面にさらに半田を第3コーティング層としてさらに形成することができる。
【0064】
導電性接着剤の製造及び物性の評価
次に、下記の実施例及び比較例を参照して本発明の導電性接着剤について詳細に説明する。本発明はこれらの例に限定又は制限されるものではない。
【0065】
実施例1:携帯電話ビルドアップ積層基板用導電性接着剤の製造
グリシジルエーテル又はグリコールエーテル類のうち分子量150以上、沸点200℃以上の物質69.58重量%を溶媒として使用し、第1バインダーとしてのEEW(epoxy equivalent weight)170〜190(g/eq)のフェノールノボラックエポキシ(Phenol Novolac Epoxy Rosen)10.40重量%と第2バインダーとしての水素添加ロジン(水添ロジン)5.30重量%を100℃未満で攪拌させて溶解させた後、酸無水物系硬化剤としての3又は4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物(3 or 4−methyl−1,2,3,6−tetrahydrophthalic anhydride)5重量%及び潜在性硬化剤としてのジシアンジアミド1.15重量%を80℃以上で攪拌させて溶解させる。その後、活性剤としてエチルアミン臭化水素酸塩0.10重量%、ブチルアミン塩化水素酸塩0.17重量%及びアジピン酸3.80重量%を100℃で加温、攪拌して溶解させることにより、溶剤(flux)を製造する。前記製造された溶剤に、安定化剤としてトリエタノールアミン(TEA)1.5重量%、防錆剤としてアゾール系気化性防錆剤0.5重量%、還元剤としてヒドラジン0.5重量%を添加し、80℃で加温させながら攪拌して溶解させた後、チキソトロープ剤と粘増剤として水添カストワックス1.5重量%とポリエステル変性ポリジメチルシロキサン0.5重量%を添加して粘度を調節することにより、合成物を製造した。
【0066】
前記完成した合成物100gに、銅をコアとし且つ銀をコーティング層として構成した導電性粒子(1〜10μm)513.33g及びSnBi粉末220g(1〜10μm)を混合し、攪拌脱泡した後、3本ロールミル(ロールの間隙5μm未満)で分散させて導電性接着剤を製造した。
【0067】
実施例2:携帯電話ビルドアップ積層基板用導電性接着剤の製造
樹脂をコアとし且つ金をコーティング層として構成した導電性粒子を使用し、Sn−In粉末を使用したこと以外は、実施例1と同様にして導電性接着剤を製造した。
【0068】
実施例3:携帯電話ビルドアップ積層基板用導電性接着剤の製造
樹脂をコアとし且つニッケルを第1コーティング層、銅を第2コーティング層として使用し、Sn−Pb粉末を使用したこと以外は、実施例1と同様にして導電性接着剤を製造した。
【0069】
実施例4:ICチップボンディング用導電性接着剤の製造
グリシジルエーテル又はグリコールエーテル類のうち分子量150以上、沸点200℃以上の物質69.58重量%を溶媒として使用し、第1バインダーとしてのEEW170〜190(g/eq)のフェノールノボラックエポキシ10.40重量%及び第2バインダーとしての水素添加ロジン(水添ロジン)5.30重量%を100℃未満で攪拌させて溶解させた後、酸無水物系硬化剤としての3又は4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物(3 or 4−methyl−1,2,3,6−tetrahydrophthalic anhydride)5重量%及び潜在性硬化剤としてのジシアンジアミド(dicyandiamide)1.15重量%を80℃以上で攪拌させながら溶解させる。その後、活性剤としてエチルアミン臭化水素酸塩0.10重量%、ブチルアミン塩化水素酸塩0.17重量%及びアジピン酸3.80重量%を100℃で加温、攪拌して溶解させることにより、溶剤(flux)を製造する。前記製造された溶剤に安定化剤としてトリエタノールアミン(TEA)1.5重量%、防錆剤としてアゾール系気化性防錆剤0.5重量%、還元剤としてヒドラジン0.5重量%を添加し、80℃で加温させながら攪拌して溶解させた後、チキソトロープ剤と粘増剤として水添カストワックス1.5重量%とポリエステル変性ポリジメチルシロキサン0.5重量%を添加して粘度を調節することにより、合成物を製造した。
【0070】
前記完成した合成物100gに、銅をコアとし且つ銀をコーティング層として構成した導電性粒子(1〜3μm)513.33g及びSnBi粉末220g(1〜5μm)を混合し、攪拌脱泡した後、3本ロールミル(ロールの間隙5μm未満)で分散させて導電性接着剤を製造した。
【0071】
実施例5:ICチップボンディング用導電性接着剤の製造
樹脂をコアとし且つ金をコーティング層として構成した導電性粒子を使用し、Sn−In粉末を使用したこと以外は、実施例4と同様にして導電性接着剤を製造した。
【0072】
実施例6:ICチップボンディング用導電性接着剤の製造
樹脂をコアとし且つニッケルを第1コーティング層、銅を第2コーティング層として使用し、Sn−Pb粉末を使用したこと以外は、実施例4と同様にして導電性接着剤を製造した。
【0073】
実施例7:EMI用導電性接着剤の製造
バインダーとしてEEW190〜220(g/eq)の高性能エポキシ樹脂33.38重量%を水素添加し、硬化剤としてジアンジアミド3重量%を水添カストワックス5重量%で改質したものを加えて、80℃未満で溶媒に溶解させた。溶媒としてグリシジルエーテル又はグリコールエーテル類のうち分子量150以上、沸点200℃以上の物質48.47重量%を用いた。硬化促進剤として3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(3−(3,4−dichlrophenyl)−1,1−dimethyurea)を1.15重量%添加し、分散剤としてポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Polyoxyethyelen Sorbitan Monooleate)を1.00重量%添加した後、80℃未満で攪拌させながら溶解させる。その後、安定化剤としてトリエタノールアミン(TEA)2.5重量%、防錆剤としてアゾール系気化性防錆剤1.50重量%、還元剤としてヒドラジン1.00重量%を添加し、100℃で加温させながら攪拌して溶解させる。その後、チキソトロープ剤と増粘剤としてポリエステル変性ポリジメチルシロキサン1.5重量%とポリエステル変性ポリジメチルシロキサン1.5重量%を添加して粘度を調節することにより、合成物を製造した。
【0074】
前記完成した合成物100gに、充填剤として、銅をコアとし且つ銀をコーティング層として構成した導電性粒子(1〜3μm)723.33gと銀ナノ粉末(0.1μm)70gとを混合して添加し、攪拌脱泡した後、3本ロールミル(ロール間隙5μm)で分散させて導電性接着剤を製造した。
【0075】
実施例8:EMI用導電性接着剤の製造
樹脂をコアとし且つ金をコーティング層として構成した導電性粒子を使用し、Sn−In粉末を使用したこと以外は、実施例7と同様にして導電性接着剤を製造した。
【0076】
実施例9:EMI用導電性接着剤の製造
樹脂をコアとし且つニッケルを第1コーティング層、銅を第2コーティング層として使用し、Sn−Pb粉末を使用したこと以外は、実施例7と同様にして導電性接着剤を製造した。
【0077】
実施例10:スルーホール充填用導電性接着剤の製造
グリシジルエーテル又はグリコールエーテル類のうち分子量150以上、沸点200℃以上の物質47.68重量%を溶媒として使用し、第1バインダーとしてのEEW184〜190(g/eq)のビスフェノールAのジグリシジルエーテル(diglycidyl ether of bisphenol−A)13.38重量%と第2バインダーとしての水素添加ロジン(水添ロジン)10.39重量%を100℃未満で攪拌しながら溶解させた後、第3バインダー兼硬化剤としてのフェノール−メラミン縮重合樹脂10.00重量%に酸無水物系硬化剤としての3または4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物(3 or 4−methyl−1,2,3,6−tetrahydrophthalic anhydride)5重量%と硬化促進剤としての3次アミン系硬化剤2,4,6−トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール(2,4,6−tris(dimethylaminomethyl)phenol)1.15重量%を100℃未満で攪拌させながら溶解させる。その後、活性剤としてエチルアミン臭化水素酸塩0.15重量%、ブチルアミン塩化水素酸塩0.25重量%及びアジピン酸(adipic acid)4.50重量%を100℃未満で加温、攪拌しながら溶解させることにより、溶剤を製造する。前記製造された溶剤に安定化剤としてトリエタノールアミン(TEA)2.5重量%、防錆剤としてアゾール系気化性防錆剤0.5重量%、還元剤としてヒドラジン0.5重量%を添加し、150℃で加温させながら攪拌して溶解させた後、チキソトロープ剤と増粘剤として水添カストワックス2.5重量%とポリエステル変性ポリジメチルシロキサン1.5重量%を添加して粘度を調節することにより、合成物を製造した。前記完成した合成物100gに、充填剤として、銅をコアとし且つ銀をコーティング層として構成した導電性粒子(1〜3μm)373.33gとSnBi粉末350g(1〜5μm)と銀ナノ粉末(0.1μm)70gを混合して添加し、攪拌脱泡した後、3本ロールミル(ロール間隙5μm)で分散させて導電性接着剤を製造した。
【0078】
実施例11:スルーホール充填用導電性接着剤の製造
樹脂をコアとし且つ金をコーティング層として構成した導電性粒子を使用し、Sn−In粉末を使用したこと以外は、実施例4と同様にして導電性接着剤を製造した。
【0079】
実施例12:スルーホール充填用導電性接着剤の製造
樹脂をコアとし且つニッケルを第1コーティング層、銅を第2コーティング層として使用し、Sn−Pb粉末を使用したこと以外は、実施例4と同様にして導電性接着剤を製造した。
【0080】
実施例13:ICチップボンディング用導電性接着剤の製造
グリシジルエーテル又はグリコールエーテル類のうち分子量150以上、沸点200℃以上の物質69.58重量%を溶媒として使用し、第1バインダーとしてのEEW(epoxy equivalent weight)170〜190(g/eq)のフェノールノボラックエポキシ(Phenol Novolac Epoxy Rosen)10.40重量%及び第2バインダーとしての水素添加ロジン(水添ロジン)5.30重量%を100℃未満で攪拌させながら溶解させた後、酸無水物系硬化剤としての3又は4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物(3 or 4−methyl−1,2,3,6−tetrahydrophthalic anhydride)5重量%と潜在性硬化剤としてのジシアンジアミド(dicyandiamide)1.15重量%を80℃以上で攪拌させながら溶解させる。その後、活性剤としてエチルアミン臭化水素酸塩0.10重量%、ブチルアミン塩化水素酸塩0.17重量%及びアジピン酸3.80重量%を100℃で加温、攪拌して溶解させることにより、溶剤(flux)を製造する。前記製造された溶剤に安定化剤としてトリエタノールアミン(TEA)1.5重量%、防錆剤としてアゾール系気化性防錆剤0.5重量%、還元剤としてヒドラジン0.5重量%を添加し、80℃で加温させながら攪拌して溶解させた後、チキソトロープ剤と粘増剤として水添カストワックス1.5重量%とポリエステル変性ポリジメチルシロキサン0.5重量%を添加して粘度を調節することにより、合成物を製造した。
【0081】
前記完成した合成物100gに銅粉末(1〜3μm)513.33g及びSnBi粉末220g(1〜5μm)を混合し、攪拌脱泡した後、3本ロールミル(ロールの間隙5μm未満)で分散させて導電性接着剤を製造した。
【0082】
実施例14:スルーホール充填用導電性接着剤の製造
グリシジルエーテル又はグリコールエーテル類のうち分子量150以上、沸点200℃以上の物質47.68重量%を溶媒として使用し、第1バインダーとしてのEEW184〜190(g/eq)のビスフェノールAのジグリシジルエーテル(diglycidyl ether of bisphenol−A)13.38重量%と第2バインダーとしての水素添加ロジン(水添ロジン)10.39重量%を100℃未満で攪拌しながら溶解させた後、第3バインダー兼硬化剤としてのフェノール−メラミン縮重合樹脂10.00重量%に酸無水物系硬化剤としての3または4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物(3 or 4−methyl−1,2,3,6−tetrahydrophthalic anhydride)5重量%と硬化促進剤としての3次アミン系硬化剤2,4,6−トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール(2,4,6−tris(dimethylaminomethyl)phenol)1.15重量%を100℃未満で攪拌させながら溶解させる。その後、活性剤としてエチルアミン臭化水素酸塩0.15重量%、ブチルアミン塩化水素酸塩0.25重量%及びアジピン酸4.50重量%を100℃未満で加温、攪拌しながら溶解させることにより、溶剤を製造する。前記製造された溶剤に安定化剤としてトリエタノールアミン(TEA)2.5重量%、防錆剤としてアゾール系気化性防錆剤0.5重量%及び還元剤としてヒドラジン0.5重量%を添加し、150℃で加温させながら攪拌して溶解させた後、チキソトロープ剤と増粘剤として水添カストワックス2.5重量%とポリエステル変性ポリジメチルシロキサン1.5重量%を添加して粘度を調節することにより、合成物を製造した。前記完成した合成物100gに、充填剤として、銅粉末(1〜3μm)373.33gとSnBi粉末350g(1〜5μm)と銀ナノ粉末(0.1μm)70gとを混合して添加し、攪拌脱泡した後、3本ロールミル(ロール間隙5μm)で分散させて導電性接着剤を製造した。
【0083】
実施例15:EMI用導電性接着剤の製造
バインダーとしてEEW190〜220(g/eq)の高性能エポキシ樹脂33.38重量%を水添カストワックス5重量%に改質した後、グリシジルエーテル又はグリコールエーテル類のうち分子量150以上、沸点200℃以上の物質48.47重量%を溶媒として用いて80℃未満で溶解させた後、硬化剤としてジシアンジアミド(dicyandiamide)を3重量%添加し、硬化促進剤として3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(3−(3,4−dichlropheyl)−1,1−dimethylurea)を1.15重量%添加し、分散剤としてポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Polyoxyethylene Sorbitan Monooleate)を1.00重量%添加した後、80℃未満で攪拌させながら溶解させる。その後、安定化剤としてトリエタノールアミン(TEA)2.5重量%、防錆剤としてアゾール系気化性防錆剤1.50重量%、還元剤としてヒドラジン1.00重量%を添加し、100℃で加温させながら攪拌して溶解させる。その後、チキソトロープ剤と増粘剤としてポリエステル変性ポリジメチルシロキサン1.5重量%とポリエステル変性ポリジメチルシロキサン1.5重量%を添加して粘度を調節することにより、合成物を製造した。
前記完成した合成物100gに、充填剤として銅粉末(1〜3μm)723.33gと銀ナノ粉末(0.1μm)70gとを混合して添加し、攪拌脱泡した後、3本ロールミル(ロール間隙5μm)で分散させて導電性接着剤を製造した。
【0084】
実施例16:携帯電話ビルドアップ積層基板用導電性接着剤の製造
グリシジルエーテル又はグリコールエーテル類のうち分子量150以上、沸点200℃以上の物質69.58重量%を溶媒として使用し、第1バインダーとしてEEW(epoxy equivalent weight)170〜190(g/eq)のフェノールノボラックエポキシ(Phenol Novolac Epoxy Rosen)10.40重量%と第2バインダーとしての水素添加ロジン(水添ロジン)5.30重量%を100℃未満で攪拌させて溶解させた後、酸無水物系硬化剤としての3又は4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物(3 or 4−methyl−1,2,3,6−tetrahydrophthalic anhydride)5重量%と潜在性硬化剤としてのジシアンジアミド(dicyandiamide)1.15重量%を80℃以上で攪拌させて溶解させる。その後、活性剤としてエチルアミン臭化水素酸塩0.10重量%、ブチルアミン塩化水素酸塩0.17重量%及びアジピン酸3.80重量%を100℃で加温、攪拌して溶解させることにより、溶剤(flux)を製造する。前記製造された溶剤に安定化剤としてトリエタノールアミン(TEA)1.5重量%、防錆剤としてアゾール系気化性防錆剤0.5重量%、還元剤としてヒドラジン0.5重量%を添加し、80℃で加温させながら攪拌して溶解させた後、チキソトロープ剤と粘増剤として水添カストワックス1.5重量%とポリエステル変性ポリジメチルシロキサン0.5重量%を添加して粘度を調節することにより、合成物を製造した。
【0085】
前記完成した合成物に銅粉末、SnBi粉末及び銀ナノ粉末を混合し、攪拌脱泡した後、3本ロールミル(ロールの間隙5μm未満)で分散させて導電性接着剤を製造した。
【0086】
実施例17:携帯電話ビルドアップ積層基板用導電性接着剤の製造
Sn−In粉末を使用したこと以外は、実施例16と同様にして導電性接着剤を製造した。
【0087】
比較例1:従来の導電性接着剤
市販の銀伝導性接着剤(DNP社製、製品名:MS−100)を準備した。
【0088】
比較例2:従来の導電性接着剤
市販の銀伝導性接着剤(ABLEBOND社製、製品名:3230)を準備した。
【0089】
比較例3:従来の導電性接着剤
市販の銀伝導性接着剤(Ablestik社製、製品名:ABLEBOND 8390)を準備した。
【0090】
比較例4:従来の導電性接着剤
市販の銀伝導性接着剤(三井社製、製品名:MSP−812B)を準備した。
【0091】
実験例1:伝導性接着剤の評価(携帯電話ビルドアップ積層基板用)
比較例1の接着剤と実施例1の接着剤を携帯電話用積層基板上に開口部150μmのスクリーン実装機を用いて塗布し、硬化器を用いて75℃で1分間仮硬化させた後、同様の方法で基板に5回積層印刷した後、65℃で500秒(8分20秒)1次硬化させ、165℃で1000秒(16分40秒)2次硬化させた。その後、粘度、接合強度、面抵抗、硬度を測定し、低温高温衝撃試験(TC)、恒温恒湿バイアス試験(THB、Temperature Humidity bias test)などで抵抗の変化があるか否かを測定した。表1は試験項目と試験結果を示す。表1を参照すると、実施例1の接着剤は粘度、接合強度、面抵抗、硬度、低温高温衝撃試験(TC)、恒温恒湿バイアス試験(THB)の結果で要求基準を満足させる或いは要求基準に近接した特性を示すことが分かる。特に、実施例1の接着剤は粘度及び接合強度において比較例1の接着剤より優れた特性を示す。
【0092】
【表1】

【0093】
表1を参照すると、実施例1の接着剤は、粘度、接合強度、面抵抗、硬度、低温高温衝撃試験(TC)、恒温恒湿バイアス試験(THB)の結果で要求基準を満足する或いは要求基準に近接した特性を示すことが分かる。特に、実施例1の接着剤は粘度及び接合強度で比較例1の接着剤より優れた特性を示す。
【0094】
実験例2:伝導性接着剤の評価(ICチップボンディング用)
比較例2の接着剤と実施例4のICチップ上にディスペンサー型実装機を用いて塗布した後、オーブンを用いて175℃で15分間硬化させた。その後、粘度、接合強度、面抵抗及び硬度を測定し、低温高温衝撃試験(TC)、恒温恒湿バイアス試験(THB)などで抵抗の変化があるか否かを測定した。表2は試験項目と試験結果を示す。表2を参照すると、実施例2の接着剤は粘度、接合強度、面抵抗、硬度、低温高温衝撃試験(TC)、恒温恒湿バイアス試験(THB)、熱重量分析法(TGA)の結果で要求基準を満足する或いは要求基準に近接した特性を示すことが分かる。特に、実施例2の接着剤は粘度及び接合強度で比較例2の接着剤より優れた特性を示す。
【0095】
【表2】

【0096】
実験例3:伝導性接着剤の評価(EMI用)
実施例7で製造した伝導性接着剤の物性を評価した結果、粘度400Kcps(ブルックフィールド25度、10PPM)、チキソトロープ性6.8cp及び面抵抗850mΩを示し、これはEMI用として使用することができる。
【0097】
実験例4:伝導性接着剤の評価(ICチップボンディング)
比較例3の接着剤と実施例13の接着剤をICチップ上にディスペンサー型実装機を用いて塗布した後、オーブンを用いて175℃で15分間硬化させた。その後、粘度、接合強度、面抵抗及び硬度を測定し、低温高温衝撃試験(TC)、恒温恒湿バイアス試験(THB)などで抵抗の変化があるか否かを測定した。表3は試験項目と試験結果を示す。表3を参照すると、実施例13の接着剤は粘度、接合強度、面抵抗、硬度、低温高温衝撃試験(TC)、恒温恒湿バイアス試験(THB)の結果で要求基準を満足する或いは要求基準に近接した特性を示すことが分かる。特に、実施例13の接着剤は粘度及び接合強度において比較例3の接着剤より優れた特性を示す。
【0098】
【表3】

【0099】
実験例5:伝導性接着剤の評価(スルーホール充填用)
比較例4の接着剤と実施例14の接着剤をプリント基板(PCB)上にメタルマスクを用いてスクリーン方式で塗布した後、オーブンで硬化させた。その後、粘度、接合強度、面抵抗及び硬度を測定し、熱衝撃試験冷熱循環(TC)試験、恒温恒湿バイアス試験(THB)などで抵抗の変化があるか否かを測定した。表4は試験項目と試験結果を示す。表4を参照すると、実施例14の接着剤は粘度、接合強度、面抵抗、硬度、TC実験、恒温恒湿バイアス試験(THB)の結果で要求基準を満足する或いは要求基準に近接した特性を示すことが分かる。特に、実施例14の接着剤は粘度及び接合強度において比較例4の接着剤より優れた特性を示す。
【0100】
【表4】

【0101】
実験例6:伝導性接着剤の評価(EMI用)
実施例15で製造した伝導性接着剤の物性を評価した結果、粘度400Kcps(ブルックフィールド25度、10PPm)、チキソトロープ性6.8cp及び面抵抗850mΩを示し、これはEMI用として使用することができる。
【0102】
実験例7:伝導性接着剤の評価(PCB Stack Via用)
比較例3の接着剤と実施例16、17の接着剤を携帯電話用積層基板上に開口部150μmのスクリーン実装機を用いて塗布し、硬化器を用いて75℃で1分間仮硬化させた後、同様の方法で基板に5回積層印刷し、その後、65℃で500秒(8分20秒)1次硬化させ、165℃で1000秒(16分40秒)2次硬化させた。その後、PPG(ガラス繊維にエポキシ樹脂が含浸された絶縁体)を敷き、その上に繰り返して4層基板を積層し、この4層基板2枚で8層両面基板を製作した後、200℃で80分間予熱とラミネートを行い、プリントされたバンプがPPGを貫通して電極が接続された8層基板を製作し、その後、全体及び個別バンプに対して熱衝撃試験冷熱循環(TC:−65℃〜150℃、500サイクル)、恒温恒湿バイアス試験(THB:85℃85%500時間)、リフロー試験(250℃)、はんだ浸漬試験(SDT:260℃20秒5回)などで抵抗の変化があるか否かを測定した。表5は銀試験項目と試験結果を示す。表5を参照すると、実施例16、17の接着剤は熱衝撃試験冷熱循環(TC:−65℃〜150℃、500サイクル)、恒温恒湿バイアス試験(THB:85℃85%500時間)、リフロー試験(250℃)、はんだ浸漬試験(SDT:260℃20秒5回)の結果で却って抵抗値が低くなる特性を示すことが分かる。
【0103】
【表5】

【0104】
一方、前述した実験例において、THB検査は導電性インクでプリントされた基板を恒温恒湿器(85℃、湿度85%)に入れて100時間〜500時間維持しながら初期の抵抗と評価後の抵抗を測定した。
【0105】
TC検査は導電性インクでプリントされた基板を低温(−65℃)から高温(+150℃)へ移動させて熱衝撃を500サイクル行い、初期の抵抗と評価後の抵抗を測定した。
リフロー検査は、導電性インクでプリントされた基板をリフローオーブンに入れて半田溶融温度以上(245℃又は260℃)で加熱して初期の抵抗と評価後の抵抗を測定した。
【0106】
SDT(Solder dipping test)検査は、導電性インクでプリントされた基板を耐熱性テープで包み、260℃又は288℃にセットされた半田液に浸漬させた後、初期の抵抗と評価後の抵抗を測定した。
【0107】
導電性接着剤の製造方法
次に、図1を参照して、本発明の一実施例に係る導電性接着剤の製造方法について説明する。図1は本発明の一実施例に係る導電性接着剤の製造方法を示す概略ブロック図である。図1を参照すると、本発明の一実施例に係る導電性接着剤の製造方法は、溶剤、バインダー及び添加剤を混合する段階(S11)、充填剤を混合・攪拌させた後、脱泡する段階(S12)、前記混合物を3本ロールミルで分散させ、脱泡する段階(S13)、及び製造した導電性接着剤を出庫検査及び包装する段階(S14)を含む。
【0108】
前記S11段階では、熱硬化性樹脂とロジンを溶媒に溶解させながら改質剤、チキソトロープ剤、活性剤、防錆剤などを添加して有機合成物を作った後、温度を常温以下に下げて熟成させる。特に、熱硬化性樹脂とロジン化合物は、強靭性が弱いため強い衝撃によって接合面が破れて部品が短絡するおそれがあるので、水素化ヒマシ油、シロキサンイミド、液状ポリブタジンゴム、シリカ、及びアクリレートのうち少なくとも一つの物質を添加して改質することが好ましい。前記S12工程では、充填剤としての導電性粒子、低融点合金粉末、ナノ粉末を入れ、攪拌器で混合した後、脱泡する。その後、前記S13工程では、攪拌器で混合した物質を3本ロールミルで分散させる。最後に、前記S14工程では、製造された導電性接着剤の性能をテストし、出庫検査を済ませた後、包装する。
【0109】
本発明の一実施例に係る導電性接着剤の製造方法において、導電性粒子は、金属粉末、又はコアとコアの表面に形成されるコーティング層を含む粒子であり、粒子径は0.05μm〜10μmであることが好ましい。
【0110】
本発明において、コアにコーティング層を形成する方法は、限定されず、電気メッキ、無電解メッキ、気相反応法が使用できる。但し、メッキ層が緻密である、均一な厚さを形成する、遊離金属(free metal)が生成されない、費用が低い無電解メッキ法が好ましく使用できる。
【0111】
例えば、銅をコアとし且つ銀をコーティング層として形成する場合、粒子径5〜40μmの99重量%Cu粉末(99%、ChangSung)を提供し、銅(Cu)粉末の酸化層を除去するために3M濃度のH2SO4で20分間攪拌させながら酸洗浄する。
【0112】
次に、洗浄された銅粉末と、硝酸銀(AgNO3)とAgNO3還元のための還元剤(例えば、ヒドロキノン[C6H4(OH)2])を混合してパルプ密度(Pulp density)4〜16%のAgNO3水溶液で製造する。
【0113】
その後、製造されたAgNO3水溶液とNH4OH水溶液を1:1の割合で混合した溶液を添加して20分間攪拌させる。
【0114】
次いで、反応済みの粉末は蒸留水とエタノールを用いて数回洗浄し、乾燥機で24時間(60℃)乾燥させて製造する。
【0115】
低融点合金粉末の粒子径は0.05μm〜10μmであることが好ましく、低融点合金粉末としてはSn/Bi、Sn/In及びSn/Pbのうち一つ以上の物質が使用される。本発明の一実施例に係る導電性接着剤の製造方法ではSn42/Bi58合金粉末が使用できる。ナノ粉末としてはAg、Cu、Al、Ni、膨張黒鉛、カーボンナノチューブ(CNT)、炭素、及びグラフェンよりなる群から選ばれた少なくとも一つの物質が使用でき、ナノ粉末の粒子径は10nm〜100nmであることが好ましい。
【0116】
本発明の一実施例に係る導電性接着剤の製造方法において、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolics)、メラミン樹脂(melamine resin)、尿素樹脂(urea resin)、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂(polyester、unsaturated polyester)、シリコン(silicon)、ポリウレタン(polyurethane)、アリル樹脂(allyl resin)、熱硬化性アクリル樹脂、フェノール−メラミン縮重合樹脂、及び尿素−メラミン縮重合樹脂のうち一つ以上の物質が使用できる。また、ロジン化合物として、ガムロジン(gum rosin)、ロジンエステル(Rosin Esters)、重合ロジンエステル(Polymerized Rosin Esters)、水素添加ロジンエステル(Hydrogenated Rosin Esters)、不均化ロジンエステル(Disproportionated Rosin Esters)、二塩基酸変性ロジンエステル(Dibasic Acid Modified Rosin Esters)、フェノール変性ロジンエステル(Phenol Modified Rosin Esters)、テルペンフェノール共重合樹脂、マレイン酸変性樹脂及びアクリル変性水素添加樹脂よりなる群から選ばれた一つ以上の物質が使用できる。
【0117】
その他、本発明の一実施例に係る導電性接着剤の製造方法は、必要に応じて多価アルコール系溶媒、硬化剤、活性剤、防錆剤、還元剤、チキソトロープ剤、粘増剤などを共に又はそれぞれ添加する段階をさらに含むことができる。
【0118】
電子装置
上述したように製造された導電性接着剤は、半導体スルーホールの接合(bonding)、プラズマ表示パネル電極の形成、電極上への半導体素子の形成、液晶表示装置上への駆動チップの形成、太陽電池電極の形成、インジウムスズ酸化物(ITO)電極の代替、プリント基板用接合など多様な電子装置で使用できる。図2は本発明の一実施例に係る導電性接着剤を含む半導体装置を示す断面図である。図2を参照すると、本発明の一実施例に係る半導体装置100は、基板110、基板110上に形成された電極120、導電性接着剤130及び半導体素子140を含む。本発明の一実施例に係る半導体装置100において、導電性接着剤130は、電極120と半導体素子140とを接着させ、電気的に接続して半導体装置100の機能発揮を可能にする。導電性接着剤130を接合面としての電極120上に塗布した後、硬化させて電極120と半導体素子140とを接合させることができる。塗布方法としては、主にスクリーン印刷、スプレー、浸漬、ディスペンサーなどの方法が使用できる。半導体装置を例として説明したが、本発明の権利範囲は半導体装置にのみ限定されるものではなく、本発明に係る導電性接着剤を含む電子装置に該当する。
【0119】
以上、本発明について好適な実施例を中心として考察した。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形に具現できることを理解することができるであろう。よって、開示された実施例は限定的観点ではなく、説明的観点で考慮されるべきである。本発明の範囲は前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にある全ての差異点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性粒子と;
Ag、Cu、Bi、Zn、In及びPbよりなる群から選ばれた一つ以上の金属とSnとがなす合金を含む低融点合金粉末と;
ナノ粉末と;
熱硬化性樹脂を含む第1バインダーと;
ロジン化合物を含む第2バインダーと;を含んでなる、導電性接着剤。
【請求項2】
前記第1バインダーは、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolics)、メラミン樹脂(melamine resin)、尿素樹脂(urea resin)、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂(polyester、unsaturated polyester)、シリコン(silicon)、ポリウレタン(polyurethane)、アリル樹脂(allyl resin)、熱硬化性アクリル樹脂、フェノール−メラミン縮重合樹脂、及び尿素−メラミン縮重合樹脂よりなる群から選ばれた一つ以上の物質を含むことを特徴とする、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項3】
前記第2バインダーは、ガムロジン(gum rosin)、ロジンエステル(Rosin Esters)、重合ロジンエステル(Polymerized Rosin Esters)、水素添加ロジンエステル(Hydrogenated Rosin Esters)、不均化ロジンエステル(Disproportionated Rosin Esters)、二塩基酸変性ロジンエステル(Dibasic Acid Modified Rosin Esters)、フェノール変性ロジンエステル(Phenol Modified Rosin Esters)、テルペンフェノール共重合樹脂、マレイン酸変性樹脂、及びアクリル変性水素添加樹脂よりなる群から選ばれた一つ以上の物質を含むことを特徴とする、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項4】
前記導電性接着剤は防錆剤をさらに含み、前記防錆剤はアミン系化合物又はアンモニウム系化合物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項5】
前記ナノ粉末は、Ag、Cu、Al、Ni、膨張黒鉛、カーボンナノチューブ(CNT)、炭素、及びグラフェンよりなる群から選ばれた一つ以上の物質を含むことを特徴とする、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項6】
前記導電性接着剤に対し、前記導電性粒子は30〜85重量%、前記低融点合金粉末は5〜50重量%、前記ナノ粉末は3〜13重量%含まれることを特徴とする、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項7】
前記導電性粒子、前記低融点合金粉末及び前記ナノ粉末の粒子径は、導電性粒子≧低融点合金粉末の粒子≧ナノ粉末の粒子、或いは低融点合金粉末の粒子≧導電性粒子≧ナノ粉末の粒子であることを特徴とする、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項8】
前記低融点合金粉末はSn−Bi系、Sn−In系、Sn−Pb系、及びSn−Ag−Cu系合金であることを特徴とする、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項9】
前記低融点合金粉末の粒子径は0.05μm〜10μmであることを特徴とする、請求項8に記載の導電性接着剤。
【請求項10】
前記導電性粒子は金属粉末からなることを特徴とする、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項11】
前記金属粉末は銅粉末のみからなることを特徴とする、請求項10に記載の導電性接着剤。
【請求項12】
前記導電性粒子はコアと、前記コアの表面に形成されるコーティング層を含むことを特徴とする、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項13】
前記コアは導電性コアであり、前記導電性コアはCu、Ag、Au、Ni及びAlよりなる群から選ばれた一つ以上の物質を含むことを特徴とする、請求項12に記載の導電性接着剤。
【請求項14】
前記コーティング層は、Cu、Ag、Au、Ni、Al及び半田よりなる群から選ばれた、前記導電性コアとは異なる一つ以上の金属物質を含むことを特徴とする、請求項13に記載の導電性接着剤。
【請求項15】
前記コアは非導電性コアであり、前記非導電性コアはガラス、セラミック及び樹脂からなる群から選ばれた一つ以上の物質を含むことを特徴とする、請求項12に記載の導電性接着剤。
【請求項16】
前記樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール−ホルマリン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリールフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート樹脂、フェノキシ樹脂及びシリコン樹脂よりなる群から選ばれる一つ以上の物質を含むことを特徴とする、請求項15に記載の導電性接着剤。
【請求項17】
前記コーティング層は、Cu、Ag、Au、Ni、Al及び半田よりなる群から選ばれた一つ以上の物質を含むことを特徴とする、請求項15に記載の導電性接着剤。
【請求項18】
前記コーティング層は少なくとも一つのコーティング層からなることを特徴とする、請求項12に記載の導電性接着剤。
【請求項19】
前記導電性接着剤は、活性剤をさらに含み、前記活性剤は、コハク酸(succinic acid)、アジピン酸(adipic acid)、パルミチン酸(palmitic acid)、3−フッ化ホウ素エチルアミド錯体、ブチルアミン臭化水素酸塩、ブチルアミン塩化水素酸塩、エチルアミン臭化水素酸塩、ピリジン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、エチルアミン塩化水素酸塩、1,3−ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、2,2−ビスヒドロキシメチルプロピオン酸塩、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、ラウリン酸(Lauric acid)、及びメムテトラヒドロフタル酸無水物(Memtetrahydrophthalic anhydride)よりなる群から選ばれる少なくとも一つの活性剤であることを特徴とする、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項20】
熱硬化性樹脂とロジン化合物に水素化ヒマシ油、シロキサンイミド、液状ポリブタジエン、シリカ及びアクリレートよりなる群から選ばれた一つ以上の物質を添加して改質する段階と、
前記熱硬化性樹脂に導電性粒子と、Ag、Cu、Bi、Zn、In及びPbよりなる群から選ばれた一つ以上の金属とSnとがなす合金を含む低融点合金粉末と、ナノ粉末とを混合して混合物を形成する段階と、
前記混合物を分散させる段階とを含んでなる、導電性接着剤の製造方法。
【請求項21】
前記導電性粒子は無電解メッキ法でコーティング層が形成されることを特徴とする、請求項20に記載の導電性接着剤の製造方法。
【請求項22】
導電性粒子と;
Ag、Cu、Bi、Zn、In及びPbよりなる群から選ばれた一つ以上の金属とSnとがなす合金を含む低融点合金粉末と;
ナノ粉末と;
熱硬化性樹脂を含む第1バインダーと;
ロジン化合物を含む第2バインダーと;を含んでなる、電子装置。


【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−510220(P2013−510220A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537790(P2012−537790)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【国際出願番号】PCT/KR2010/001113
【国際公開番号】WO2011/055887
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(512117476)ドクサンテコピア カンパニーリミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】DUK SAN TEKOPIA CO.LTD
【Fターム(参考)】