説明

導電性粒子、異方性導電フィルム、及び接合体、並びに、接続方法

【課題】高硬度を保ったまま延転性を向上して応力を抑制することができ(接続時に潰れた状態でもクラックが入りにくく)、ITO基板のみならず、IZO基板に対しても十分な導通信頼性を確保することができる導電性粒子、該導電性粒子を備える異方性導電フィルム、及び該異方性導電フィルムを備える接合体、並びに、該異方性導電フィルムを用いた接続方法の提供。
【解決手段】本発明の導電性粒子は、高分子微粒子と、前記高分子微粒子の表面に形成された導電層とを備える導電性粒子であって、前記導電層の最外殻がニッケル−パラジウム合金層であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性粒子、異方性導電フィルム、及び接合体、並びに、接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイとテープキャリアパッケージ(Tape Carrier Package:TCP)との接続、フレキシブル回路基板(Flexible Printed Circuit:FPC)とTCPとの接続、又はFPCとプリント配線板との接続といった回路部材同士の接続には、接着剤中に導電性粒子を分散させた回路接続材料(例えば、異方性導電接着剤)が使用されている。また、最近では半導体シリコンチップを基板に実装する場合、回路部材同士の接続のためにワイヤボンドを使用することなく、半導体シリコンチップをフェイスダウンして基板に直接実装する、いわゆるフリップチップ実装が行われている。このフリップチップ実装においても、回路部材同士の接続には異方性導電接着剤等の回路接続材料が使用されている。
【0003】
上述した回路接続材料は、一般に、接着剤組成物と、導電性粒子とを含有している。この導電性粒子としては、例えば、(1)ニッケル粒子の表面に、合金層を介して、Au、Ag及びPdの1種又は2種以上を含む導電性粒子(例えば、特許文献1)、(2)有機高分子からなる核体と、該核体上に形成された銅、ニッケル、ニッケル合金、銀又は銀合金からなる金属層と、金又はパラジウムからなる最外層とを備える導電性粒子(例えば、特許文献2)、(3)有機高分子からなる核体と、該核体上に形成された銅、ニッケル、ニッケル合金、銀又は銀合金からなる金属層と、金又はパラジウムからなる最外層と、最外層の表面側に設けられ、高さが50nm〜500nmのニッケル、銅、金、コバルト等で構成される突起部とを備える導電性粒子(例えば、特許文献3)、(4)樹脂微粒子と、前記樹脂微粒子の表面に形成されたニッケルからなる導電層とからなる導電性粒子であって、前記導電層は、表面に、金、銀、銅、パラジウム、亜鉛、コバルト、及び、チタンからなる群より選択される少なくとも1種の金属又は金属酸化物を芯物質とする突起を有する導電性粒子(例えば、特許文献4)などが挙げられる。ここで、導電性粒子の特性を最大限に得るためには、導電性粒子を40%〜70%圧縮して接続することが最も好ましい。なお、導電性粒子に突起を設けることは、硬く表面酸化性のない不活性な金属が低抵抗接続を得るために好ましいことである。
【0004】
しかしながら、導電性粒子の最外殻としてニッケルを用いた場合は、ニッケルの表面が酸化しやすいため、低い抵抗値を得ることができないという問題があった。
【0005】
また、導電性粒子の最外殻として硬く脆いパラジウムを用いた場合は、導電性粒子を適正値まで圧縮させて使用するとメッキのひび割れ等により、環境信頼性試験後の抵抗上昇が大きくなるという問題があった。
【0006】
また、導電性粒子の最外殻としてモース硬度がパラジウムより硬いコバルトを用いた場合は、表面活性が高く酸化しやすいと共に、ラジカル重合性バインダーと組み合わせたときに触媒作用を及ぼし、保存安定性が著しく低下してしまうという問題があった。
【0007】
また、近年、生産コストが高いITO(Indium tin oxide)に代わって、IZO(Indium zinc oxide)が電極材料として用いられるという傾向がある。
【0008】
導電性が高い金を導電性粒子の最外殻として用いた場合は、従来より電極材料として用いられてきたITO基板に対しては、導通信頼性を確保することができるものの、表面に酸化金属(不導体)が形成されており、平滑であるIZO基板に対しては、表面に形成された酸化金属(不導体)を突き破って十分に食い込ますことができずに、十分な導通信頼性を確保することができなかった。
【0009】
なお、現在のところ、高硬度を保ったまま応力を抑制することができ(接続時に潰れた状態でもクラックが入りにくく)、ITO基板のみならず、IZO基板に対しても十分な導通信頼性を確保することができる導電性粒子は見出されていない。
【0010】
【特許文献1】特開2002−25345号公報
【特許文献2】国際公開第05/002002号パンフレット
【特許文献3】特開2005−166438号公報
【特許文献4】特開2007−35573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高硬度を保ったまま延転性を向上して応力を抑制することができ(接続時に潰れた状態でもクラックが入りにくく)、ITO基板のみならず、IZO基板に対しても十分な導通信頼性を確保することができる導電性粒子、該導電性粒子を備える異方性導電フィルム、及び該異方性導電フィルムを備える接合体、並びに、該異方性導電フィルムを用いた接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決する手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 高分子微粒子と、前記高分子微粒子の表面に形成された導電層とを備える導電性粒子であって、前記導電層の最外殻がニッケル−パラジウム合金層であることを特徴とする導電性粒子である。
該導電性粒子では、導電層の最外殻がニッケル−パラジウム合金層であるので、高硬度を保ったまま応力を抑制することができ(接続時に潰れた状態でもクラックが入りにくく)、ITO基板のみならず、IZO基板に対しても十分な導通信頼性を確保することができる。
<2> ニッケル−パラジウム合金層は、厚さが5nm〜20nmである前記<1>に記載の導電性粒子である。
<3> ニッケル−パラジウム合金層が、高分子微粒子の表面にパラジウム触媒を担持させて、促進剤を用いることにより形成された前記<1>から<2>のいずれかに記載の導電性粒子である。
<4> 導電層が、高分子微粒子の表面に形成されたニッケルメッキ層を有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の導電性粒子である。
<5> 導電層は、厚さが50nm〜150nmである前記<1>から<4>のいずれかに記載の導電性粒子である。
<6> 圧縮変形40%〜70%における圧縮弾性率が100kgf/mm〜1,000kgf/mmであり、
圧縮変形回復率が10%〜70%である前記<1>から<5>のいずれかに記載の導電性粒子である。
<7> ニッケル、パラジウム、コバルト、及びクロムの少なくともいずれかを核とする突起をさらに備える前記<1>から<6>のいずれかに記載の導電性粒子である。
<8> IZO(Indium zinc oxide)基板の接続に用いられる前記<1>から<7>のいずれかに記載の導電性粒子である。
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の導電性粒子と、バインダーとを備える異方性導電フィルムであって、前記バインダーがエポキシ樹脂及びアクリレート樹脂の少なくともいずれかを含むことを特徴とする異方性導電フィルムである。
<10> フェノキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、及びウレタン樹脂の少なくともいずれかを、異方性導電性フィルムに対して10質量%〜80質量%含む前記<9>に記載の異方性導電フィルムである。
<11> 加熱により活性化する潜在性硬化剤を含む前記<10>に記載の異方性導電フィルムである。
<12> 加熱により遊離ラジカルを発生させる潜在性硬化剤を含む前記<10>に記載の異方性導電フィルムである。
<13> 硬化率が80%以上の場合、40℃以下における弾性率が0.5GPa以上であり、かつ、ガラス転移点が50℃以上である前記<9>から<12>に記載の異方性導電フィルムである。
<14> 第1の回路部材と、前記第1の回路部材に対向する第2の回路部材と、前記第1の回路部材及び前記第2の回路部材間に配設された前記<9>から<13>のいずれかに記載の異方性導電フィルムとを備え、前記第1の回路部材における電極と、前記第2の回路部材における電極とが、導電性粒子を介して接続されたことを特徴とする接合体である。
<15> 第1の回路部材及び第2の回路部材の少なくともいずれかが、IZO(Indium zinc oxide)基板である前記<14>に記載の接合体である。
<16> 前記<9>から<13>のいずれかに記載の異方性導電フィルムを用いた接続方法であって、第1の回路部材及び第2の回路部材間に前記異方性導電フィルムを配設する配設工程と、前記第1の回路部材を前記第2の回路部材に向かって押圧する押圧工程と、前記第1の回路部材における電極と、前記第2の回路部材における電極とを、導電性粒子を介して接続する接続工程とを含むことを特徴とする接続方法である。
<17> 第1の回路部材及び第2の回路部材の少なくともいずれかが、IZO(Indium zinc oxide)基板である前記<16>に記載の接続方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、前記従来における諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、高硬度を保ったまま応力を抑制することができ(接続時に潰れた状態でもクラックが入りにくく)、ITO基板のみならず、IZO基板に対しても十分な導通信頼性を確保することができる導電性粒子、該導電性粒子を備える異方性導電フィルム、及び該異方性導電フィルムを備える接合体、並びに、該異方性導電フィルムを用いた接続方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(導電性粒子)
本発明の導電性粒子は、高分子微粒子と、導電層とを少なくとも備え、必要に応じて、突起などを有する。
また、該導電性粒子は、圧縮変形40〜70%における圧縮弾性率が100kgf/mm〜1,000kgf/mmであり、圧縮変形回復率が10%〜70%であることが好ましく、ITO(Indium tin oxide)基板の接続のみならず、IZO(Indium zinc oxide)基板の接続にも好適に用いられる。
【0015】
ここで、導電性粒子の圧縮変形40〜70%における圧縮弾性率が100kgf/mmより小さいと、弱い力で潰れ過ぎてしまうため、接続時の圧力制御が困難となる。また、小さい力で容易に破壊されやすく、原型(球体)を留めることができず、接続信頼性を保てなくなる。
一方、導電性粒子の圧縮変形40〜70%における圧縮弾性率が1,000kgf/mmを超えると、導電性粒子が硬過ぎて潰すことができず、良好な接続信頼性を保つことができなくなる。
【0016】
−高分子微粒子−
高分子微粒子を構成する有機高分子としては、アクリレート樹脂、スチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリブタジエン樹脂等が挙げられる。また、前記有機高分子は、上記の樹脂を構成するモノマーに基づく繰り返し単位のうちの少なくとも2種以上を任意に組み合わせた構造を有する共重合体でもよいが、ベンゾグアナミン、アクリル酸エステル、ジアリルフタレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジビニルベンゼン及びスチレンからなる群より選ばれる少なくとも2種以上を共重合させて得られる共重合体が好ましく、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジビニルベンゼン、及びスチレンを組合せて得られる共重合体がより好ましい。
【0017】
この中で、ベンゾグアミン等は、分子中に剛直な構造を有し、その架橋点間距離も短いため、共重合体中において、このような分子の含有率を高くするほど、硬い導電性粒子が得られる。また、有機高分子の架橋度を高くすることによっても、硬い導電性粒子が得られる。
【0018】
一方、アクリル酸エステル、ジアリルフタレート等においては、架橋点間距離が長くなるため、共重合体中のこのような分子に基づく繰り返し単位の含有率を高くするほど、柔らかい導電性粒子が得られる。また、有機高分子の架橋度を低くすることによっても、柔らかい導電性粒子が得られる。
【0019】
−導電層−
前記導電層としては、高分子微粒子の表面に形成され、最外殻がニッケル−パラジウム合金層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記高分子微粒子の表面にニッケルメッキ層が形成されているものが好ましい。なお、厚さは、50nm〜150nmであることが好ましい。
前記導電層を50nmより薄くしようとすると、接続後に十分な電気特性が得られ難い。また、前記導電層を150nmより厚くしようとすると、凝集粒子が多く発生し、ショート発生率が高くなり、好ましくない。
【0020】
−−ニッケル−パラジウム合金層−−
前記ニッケル−パラジウム合金層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、厚さが、3nm〜150nmであることが好ましく、5nm〜20nmであることがより好ましい。
【0021】
また、前記ニッケル−パラジウム合金層の厚みは、できる限り均一であることが好ましい。前記ニッケル−パラジウム合金層を3nmより薄くしようとすると、前記ニッケル−パラジウム合金層がメッキされていない部分ができてしまうため好ましくない。また、前記ニッケル−パラジウム合金層を150nmより厚くしようとすると、粒子同士がくっ付いて凝集する割合が高くなり好ましくない。
ここで、前記ニッケル−パラジウム合金層の厚さの測定方法は、まず、エポキシ接着剤に導電性粒子を分散させて、研磨機(丸本ストルアス社製)で粒子断面を削りだす。SEM(キーエンス社製、品番VE−8800)にて測定する。
【0022】
また、前記ニッケル−パラジウム合金層は、例えば、高分子微粒子の表面にパラジウム触媒を担持させて、促進剤(例えば、MK−370(ムロマチテクノス社製))を用いることにより形成される。
【0023】
前記ニッケル−パラジウム合金層の形成は、無電解メッキで行われ、イオン化傾向の差を利用した置換メッキや、還元剤を用いた化学還元メッキなどのいずれの手法をも用いることができる。
前記ニッケル−パラジウム合金層におけるニッケルとパラジウムとの合金比率は、接続する基材(第1の回路部材、第2の回路部材)の種類によって、硬度、導電性、及びイオン化傾向差などを考慮にいれて、金属塩の配合比率を変えてメッキすることで任意に設計可能である。
【0024】
−−ニッケルメッキ層−−
前記ニッケルメッキ層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、厚さが30nm〜150nmであることが好ましく、30nm〜147nmであることがより好ましい。
前記ニッケルメッキ層を30nmより薄くしようとすると、高分子微粒子との密着性が低下し、剥離し易くなる。また、前記ニッケル−パラジウム合金層を150nmより厚くしようとすると、凝集体が多く発生し、ショート発生率が高くなり好ましくない。
【0025】
−突起−
前記突起としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニッケル、パラジウム、コバルト、及びクロムの少なくともいずれかを核とするものが挙げられる。
【0026】
−圧縮弾性率−
前記圧縮弾性率(K値(kgf/mm))は、20℃雰囲気下で微小圧縮試験機(PCT−200島津製作所製)を用いて測定し、下記式で求めることができる。
K=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2
F:導電性粒子の40〜70%圧縮変形における各荷重値(N)
S:導電性粒子の40〜70%圧縮変形における各圧縮変位(mm)
R:導電性粒子の半径(mm)
【0027】
−圧縮変形回復率−
前記圧縮変形回復率とは、微小圧縮試験機にて導電性粒子を反転荷重値9.8mNまで圧縮した後、逆に荷重を減らしていくときの、荷重値と圧縮変位との関係を測定して得られる値であり、荷重を除く際の終点を原点荷重値0.98mN、負荷及び除負荷における圧縮速度0.2842mN/秒として測定され、反転の点までの変位(L1)と反転の点から原点荷重値を取る点までの変位(L2)との比(L2/L1)を百分率にて表した値である。
【0028】
前記圧縮変形回復率は、少しでもあればよいが、10%より小さいと接続時の熱変化や使用時の環境変化によるバインダーの緩みに追従できなくなり、接続信頼性を保てない。一方、70%を超えると、熱変化及び環境変化によるバインダーの緩みよりも大きな反発力を生むことになり、接続信頼性を悪化させる原因となって好ましくない。
【0029】
以下、本発明の導電性微粒子を図1〜図3を用いて説明する。導電性粒子10としては、(1)高分子微粒子12と、高分子微粒子12の表面に形成されたニッケル−パラジウム合金層からなる導電層11とを有するもの(図1)、(2)高分子微粒子12と、高分子微粒子12の表面に形成されたニッケル層11b及びニッケル層11bの表面に形成されたニッケル−パラジウム合金層11aからなる導電層11とを有するもの(図2)、及び、(3)突起13をさらに有するもの(図3及び図4)などが挙げられる。
【0030】
(異方性導電フィルム)
本発明の異方性導電フィルムは、本発明の導電性粒子と、バインダーとを少なくとも備え、必要に応じて、潜在性硬化剤、常温で固形である樹脂などを有する。
一般的に、異方性導電膜は、導電性粒子を40〜70%変形させて接続することで、高い接続信頼性を得ることができる。
該異方性導電フィルムは、硬化率が80%以上の場合、40℃以下における弾性率が0.5GPa以上であり、かつ、ガラス転移点が50℃以上であることが好ましい。
弾性率が0.5GPa未満であると、端子間に挟まれ変形した導電性粒子を押さえ込むことができず、抵抗値が上昇し接続信頼性が悪化する。また、ガラス転移点が50℃未満であると、電子部品駆動時に発生する熱等により、異方性導電フィルムが軟化するため、導電性粒子を押さえ込むことができなくなり、接続不良を引き起こす。
【0031】
−バインダー−
前記バインダーとしては、エポキシ樹脂及びアクリレート樹脂の少なくともいずれかである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0032】
−−エポキシ樹脂−−
前記エポキシ樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラッ
ク型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上
を併用してもよい。
【0033】
−−アクリレート樹脂−−
前記アクリレート樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エポキシアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、テトラメチレングリコールテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記アクリレートをメタクリレートにしたものが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0034】
−−潜在性硬化剤−−
前記潜在性硬化剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱により活性化する潜在性硬化剤、加熱により遊離ラジカルを発生させる潜在性硬化剤などが挙げられる。
前記加熱により活性化する潜在性硬化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミン、イミダゾール等のアニオン系硬化剤やスルホニウム塩などのカチオン系硬化剤などが挙げられる。
前記加熱により遊離ラジカルを発生させる潜在性硬化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機過酸化物やアゾ化合物などが挙げられる。
【0035】
−−常温で固形である樹脂−−
前記常温で固形である樹脂としては、フェノキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、及びウレタン樹脂などが挙げられ、異方性導電フィルムに対して10質量%〜80質量%含むことが好ましい。
前記樹脂が異方性導電フィルムに対して10質量%未満であると、膜性に欠け、リール状の製品にしたときにブロッキング現象を引き起こす。また、前記樹脂が異方性導電フィルムに対して80質量%を超えると、フィルムのタックが低下して回路部材に貼り付かなくなる。
【0036】
(接合体)
本発明の接合体は、第1の回路部材と、前記第1の回路部材に対向する第2の回路部材と、前記第1の回路部材及び前記第2の回路部材間に配設された本発明の異方性導電フィルムとを備え、前記第1の回路部材における電極と、前記第2の回路部材における電極とが、導電性粒子を介して接続されている。
【0037】
−第1の回路部材−
前記第1の回路部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、FPC基板、PWB基板が挙げられる。
【0038】
−第2の回路部材−
前記第2の回路部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、FPC基板、COF基板、TCP基板、PWB基板、IC基板、パネル等が挙げられる。
【0039】
第1の回路部材及び第2の回路部材の少なくともいずれかがIZO(Indium zinc oxide)基板(IZO配線が形成された基板)であることが好ましい。
IZO配線は、幅広い温度範囲(室温〜350℃)で成膜が可能で、安定して非晶成膜の形成が可能である。
そのため、IZO配線は、ITO配線よりも、図5及び図6に示す写真のように、成膜面の平滑性が高く、膜内において均一で高い導電性が得られ、また、Glass基板への負荷が低減されるだけでなく、工程も簡略化され安価に製造が可能となる。
また、図5及び図6より、IZO配線は非晶質で表面が平滑であるのに対して、ITO配線は結晶質で表面粗度が高いことが判る。
IZO配線は、稜共有したIn八面体構造の連なりが多い非晶構造であり、それが優れた導電性の原因であると考えられている。
【0040】
(接続方法)
本発明の接続方法は、配設工程と、押圧工程と、接続工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択した、その他の工程を含む。
【0041】
−配設工程−
前記配設工程は、第1の回路部材及び第2の回路部材間に、本発明の異方性導電フィルムを配設する工程である。
前記第1の回路部材及び前記第2の回路部材の少なくともいずれかが、IZO(Indium zinc oxide)基板であることが好ましい。
【0042】
−押圧工程−
前記押圧工程は、前記第1の回路部材を前記第2の回路部材に向かって押圧する工程である。
【0043】
−接続工程−
前記接続工程は、第1の回路部材における電極と、第2の回路部材における電極とを、導電性粒子を介して接続する工程である。
【0044】
−その他の工程−
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【実施例】
【0045】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0046】
(比較例1)
<導電性粒子A1の作製>
−基材粒子(樹脂粒子)の作製−
ジビニルベンゼン、スチレンモノマー、ブチルメタクリレートの混合溶液に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを投入して高速で均一撹拌しながら加熱をおこない重合反応を行うことで微粒子分散液を得た。この微粒子分散液をろ過し減圧乾燥することで、微粒子の凝集体であるブロック体を得た。さらに、このブロック体を粉砕することで、それぞれ架橋密度の異なる平均粒子径3.8μmの基材粒子(樹脂粒子)を作製した。
【0047】
−ニッケルメッキ−
前記作製された樹脂粒子の表面に、パラジウム触媒(ムロマチテクノス社製、商品名:MK−2605)を担持させて、促進剤(ムロマチテクノス社製、商品名:MK−370)にて活性化させた樹脂粒子を、60℃に加温した硫酸ニッケル水溶液、次亜燐酸ナトリウム水溶液、及び酒石酸ナトリウム水溶液の混合液中に投入して無電解メッキ前工程を行った。20分間攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認した。次に、硫酸ニッケル、次亜リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、メッキ安定剤の混合溶液を添加し、pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するまで無電解メッキ後工程を行った。続いて、メッキ液を濾過し、濾過物を水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥してニッケルメッキされた導電性粒子を作製した。
【0048】
−金メッキ−
塩化金酸ナトリウムとイオン交換水との混合溶液に、ニッケルメッキされた導電性粒子を投入して混合した後、チオ硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、及び、リン酸水素アンモニウムを投入しメッキ液を調製した。得られたメッキ液にヒドロキシルアミンを投入後、アンモニアを用いてpHを10に合わせ、浴温を65℃にし、20分程度反応させることにより、最外殻が金メッキされた(最外層が金層である)導電性粒子A1を作製した。
【0049】
<導電性粒子A1の評価>
−圧縮弾性率(K値)及び圧縮変形回復率の測定−
作製した導電性粒子A1を、微小圧縮試験機(PCT−200島津製作所製)を用いて、50%圧縮変形における圧縮弾性率(K値)と、圧縮変形回復率とを測定した。20℃雰囲気下で測定を行い、圧縮弾性率測定は、圧縮速度0.2gf/secで各圧縮率における値を読み取った。圧縮変形回復率は、圧縮速度0.2gf/sec、原点加重値0.1gf、反転加重値1.0gfで行った。結果を表1に示す。
【0050】
−メッキ厚の測定−
作製した導電性粒子A1をエポキシ接着剤に分散させて硬化させた後、研磨機(丸本ストルアス社製)で粒子断面を削りだしたものをSEM(キーエンス社製、品番VE−8800)にて観察し測定を行った。結果を表1に示す。
【0051】
<異方性導電フィルムの作製>
熱硬化性バインダーとして、マイクロカプセル型アミン系硬化剤(旭化成ケミカルズ社製、商品名ノバキュアHX3941HP)を50部、液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名EP828)を14部、フェノキシ樹脂(東都化成社製、商品名YP50)を35部、シランカップリング剤(信越化学社製、商品名KBE403)を1部に、前記作製された導電性粒子A1を体積比率10%になるように分散させて、シリコン処理された剥離PETフィルム上に厚み20μmになるように塗布して、シート状の異方性導電フィルムを作製した。
【0052】
<IZO配線の実装体(接合体)A1の作製>
IZO配線の実装体A1の作製を行った。評価基材として、COF(ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社評価用COF、50μmP、Cu8μmt−Snメッキ、38μmt−S’perflex基材)と、IZOベタガラス(ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社評価用ITOベタガラス、IZOメッキ厚300nm、ガラス厚0.7mm)との接続を以下のように行った。まず、IZOベタガラス上に、1.5mm幅にスリットされた異方性導電フィルムを、圧着機ツール幅1.5mm、緩衝材70μm厚テフロン(登録商標)を用いて、仮圧着条件80℃−1MPa−2secで仮貼りし、剥離PETフィルムを剥がし、続いて、COFを、同圧着機で、仮固定条件80℃−0.5MPa−0.5secで仮固定をおこない、最後に、本圧着として、圧着機1.5mm幅ツール、緩衝材70μm厚テフロン(登録商標)を用いて、圧着条件190℃−3MPa−10sec、で圧着を行い、実装体(接合体)を完成させた。
【0053】
<ITO配線の実装体A1の作製>
IZO配線の実装体A1の作製において、IZOベタガラスをITOベタガラス(ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社評価用ITOベタガラス、ITOメッキ厚300nm、ガラス厚0.7mm)に変えた以外は、IZO配線の実装体A1の作製と同様に、ITO配線の実装体A1を作製した。
【0054】
<実装体A1の接続抵抗測定>
作製したIZO配線の実装体A1及びITO配線の実装体A1について、4端子法を用いて電流1mAを流したときの接続抵抗の測定を行った。結果を表2に示す。
【0055】
(比較例2)
比較例1において、金メッキを行う代わりに、以下に示すパラジウムメッキを行った以外は、比較例1と同様にして、導電性粒子A2の作製、導電性粒子A2の評価、異方性導電フィルムの作製、IZO配線の実装体A2の作製、ITO配線の実装体A2の作製、及び実装体A2の接続抵抗測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
【0056】
<パラジウムメッキ>
テトラクロロパラジウム、エチレンジアミン、アミノピリジン、次亜リン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、及びイオン交換水を含む混合溶液中に、ニッケルメッキされた導電性粒子を投入して混合した後、アンモニアを用いてpHを7.5に合わせ、浴温を60℃にし、20分程度反応させることにより、最外層がパラジウムメッキされた導電性粒子A2を作製した。
【0057】
(実施例1)
比較例1で作製した樹脂粒子の表面に、パラジウム触媒(ムロマチテクノス社製、商品名:MK−2605)を担持させて、促進剤(ムロマチテクノス社製、商品名:MK−370)にて活性化させた樹脂粒子を、浴温60℃でアンモニアによってpHが8になるよう調整された塩化パラジウム、塩化ニッケル、エチレンジアミン、チオジグエリコール酸、次亜燐酸ナトリウムの混合溶液に投入し、最外殻にニッケル−パラジウム合金メッキを施した(最外層がニッケル−パラジウム合金層である)導電性粒子A3を作製し、さらに、比較例1と同様にして、導電性粒子A3の評価、異方性導電フィルムの作製、IZO配線の実装体A3の作製、ITO配線の実装体A3の作製、及び実装体A3の接続抵抗測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
【0058】
(実施例2)
比較例1において、金メッキを行う代わりに、以下に示すニッケル−パラジウム合金メッキを行った以外は、比較例1と同様にして、導電性粒子A4の作製、導電性粒子A4の評価、異方性導電フィルムの作製、IZO配線の実装体A4の作製、ITO配線の実装体A4の作製、及び実装体A4の接続抵抗測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
【0059】
<ニッケル−パラジウム合金メッキ>
塩化パラジウム、塩化ニッケル、エチレンジアミン、チオジグエリコール酸、及び次亜燐酸ナトリウムの混合溶液中に、ニッケルメッキされた導電性粒子を投入して混合した後、アンモニアを用いてpHを8に合わせ、浴温を60℃にし、最外殻にニッケル−パラジウム合金メッキを施した(最外層がニッケル−パラジウム合金層である)導電性粒子A4を作製した。
【0060】
(実施例3)
比較例1で作製した樹脂粒子を脱イオン水中に3分間分散させた後、ニッケルスラリー(100nm)を投入し、攪拌することでニッケルスラリーを付着させた基材粒子を得た。さらに、比較例1のニッケルメッキの無電解メッキの前工程及び後工程と同様の処理を行い、ニッケル突起の付いた導電性粒子を作製した。さらに、実施例2におけるニッケル−パラジウム合金メッキを施して、導電性粒子A5を作製し、さらに、比較例1と同様にして、導電性粒子A5の評価、異方性導電フィルムの作製、IZO配線の実装体A5の作製、ITO配線の実装体A5の作製、及び実装体A5の接続抵抗測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
【0061】
(実施例4〜12)
実施例3において、表1に示すような圧縮弾性率、圧縮変形回復率となるように、ジビニルベンゼン、スチレンモノマー、ブチルメタクリレートの混合比を変えた以外は、実施例3と同様にして、導電性粒子A6〜A14の作製、導電性粒子A6〜A14の評価、異方性導電フィルムの作製、IZO配線の実装体A6〜A14の作製、ITO配線の実装体A6〜A14の作製、及び実装体A6〜A14の接続抵抗測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
【0062】
(比較例3)
実施例6において、ニッケル−パラジウム合金メッキにおける塩化ニッケルを硫酸銅に代え、最外殻に銅−パラジウム合金メッキを施した(最外層が銅−パラジウム合金層である)こと以外は、実施例6と同様にして、導電性粒子A15の作製、導電性粒子A15の評価、異方性導電フィルムの作製、IZO配線の実装体A15の作製、ITO配線の実装体A15の作製、及び実装体A15の接続抵抗測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
【0063】
(比較例4)
実施例6において、ニッケル−パラジウム合金メッキにおける塩化ニッケルをシアン化金カリウムに代え、最外殻に金−パラジウム合金メッキを施した(最外層が金−パラジウム合金層である)こと以外は、実施例6と同様にして、導電性粒子A16の作製、導電性粒子A16の評価、異方性導電フィルムの作製、IZO配線の実装体A16の作製、ITO配線の実装体A16の作製、及び実装体A16の接続抵抗測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
【0064】
【表1】

【0065】
【表2】

【0066】
比較例1の金メッキ粒子は、ITO配線に対する初期における抵抗値が低く、ITO配線に対する信頼性試験(85℃/85%/500hr)後における抵抗値も低いが、IZO配線に対する初期における抵抗値が高く、IZO配線に対する信頼性試験(85℃/85%/500hr)後における抵抗値がさらに上昇することが判った。
比較例1において、信頼性試験(85℃/85%/500hr)後における抵抗値が高いのは、金メッキは軟らかく、IZO配線に潜り込むことができないためであると考えられる。
また、比較例2のパラジウムメッキ粒子は、ITO配線に対する初期における抵抗値が低く、ITO配線に対する信頼性試験(85℃/85%/500hr)後における抵抗値も低く、IZO配線に対する初期における抵抗値は低いものの、IZO配線に対する信頼性試験(85℃/85%/500hr)後における抵抗値が高いことが判った。さらに、パラジウムメッキの割れ具合をSEMで観察したところ、無数のメッキヒビ割れを生じているのが確認された。
比較例2において、信頼性試験(85℃/85%/500hr)後における抵抗値が高いのは、パラジウムメッキは硬く脆いために、無数のメッキひび割れを生じるためであると考えられる。
また、比較例3の銅−パラジウムメッキ粒子は、ITO配線に対する初期における抵抗値が低く、ITO配線に対する信頼性試験(85℃/85%/500hr)後における抵抗値も低いが、IZO配線に対する初期における抵抗値が高く、IZO配線に対する信頼性試験(85℃/85%/500hr)後における抵抗値がさらに上昇することが判った。
また、比較例4の金−パラジウムメッキ粒子は、ITO配線に対する初期における抵抗値が低く、ITO配線に対する信頼性試験(85℃/85%/500hr)後における抵抗値も低いが、IZO配線に対する初期における抵抗値が高く、IZO配線に対する信頼性試験(85℃/85%/500hr)後における抵抗値がさらに上昇することが判った。
これに対し、実施例1〜3、5、6、8、10、及び12のニッケルパラジウムメッキ粒子は、ITO配線に対する初期における抵抗値、ITO配線に対する信頼性試験(85℃/85%/500hr)後における抵抗値、IZO配線に対する初期における抵抗値、及びIZO配線に対する信頼性試験(85℃/85%/500hr)後における抵抗値のいずれも低い抵抗値を示した。
以上より、パラジウム合金メッキにすることにより、硬さと延転性を両立でき、IZO配線に対する抵抗値を低くすることができることが判った。
実施例4の圧縮弾性率が70kgf/mmと低い導電性粒子は、IZO配線に対する信頼性試験(85℃/85%/500hr)後における抵抗値が実施例1〜3、5、6,8、10、及び12の導電性粒子よりも高かった。
実施例7の圧縮弾性率が1,100kgf/mmと高い導電性粒子は、IZO配線に対する初期における抵抗値が実施例1〜3、5、6、8、10、及び12の導電性粒子よりも高く、信頼性試験(85℃/85%/500hr)後の抵抗値も他の実施例の導電性粒子よりも高かった。
実施例9の圧縮変形回復率が5%と低い導電性粒子は、IZO配線に対する信頼性試験(85℃/85%/500hr)後における抵抗値が実施例1〜3、5、6、8、10、及び12の導電性粒子よりも高かった。
実施例11の圧縮変形回復率が80%と高い導電性粒子は、IZO配線に対する信頼性試験(85℃/85%/500hr)後における抵抗値が実施例1〜3、5、6,8、10、及び12の導電性粒子よりも高かった。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は、本発明の導電性微粒子の断面図である(その1)。
【図2】図2は、本発明の導電性微粒子の断面図である(その2)。
【図3】図3は、本発明の導電性微粒子の断面図である(その3)。
【図4】図4は、本発明の導電性粒子(突起有)のSEM写真である。
【図5】図5は、IZO配線の断面のTEM写真である。
【図6】図6は、ITO配線の断面のTEM写真である。
【符号の説明】
【0068】
10 導電性粒子
11 導電層
11a ニッケル−パラジウム合金層
11b ニッケル層
12 高分子微粒子
13 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子微粒子と、前記高分子微粒子の表面に形成された導電層とを備える導電性粒子であって、前記導電層の最外殻がニッケル−パラジウム合金層であることを特徴とする導電性粒子。
【請求項2】
ニッケル−パラジウム合金層は、厚さが5nm〜20nmである請求項1に記載の導電性粒子。
【請求項3】
ニッケル−パラジウム合金層が、高分子微粒子の表面にパラジウム触媒を担持させて、促進剤を用いることにより形成された請求項1から2のいずれかに記載の導電性粒子。
【請求項4】
導電層が、高分子微粒子の表面に形成されたニッケルメッキ層を有する請求項1から3のいずれかに記載の導電性粒子。
【請求項5】
導電層は、厚さが50nm〜150nmである請求項1から4のいずれかに記載の導電性粒子。
【請求項6】
圧縮変形40%〜70%における圧縮弾性率が100kgf/mm〜1,000kgf/mmであり、
圧縮変形回復率が10%〜70%である請求項1から5のいずれかに記載の導電性粒子。
【請求項7】
ニッケル、パラジウム、コバルト、及びクロムの少なくともいずれかを核とする突起をさらに備える請求項1から6のいずれかに記載の導電性粒子。
【請求項8】
IZO(Indium zinc oxide)基板の接続に用いられる請求項1から7のいずれかに記載の導電性粒子。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の導電性粒子と、バインダーとを備える異方性導電フィルムであって、前記バインダーがエポキシ樹脂及びアクリレート樹脂の少なくともいずれかを含むことを特徴とする異方性導電フィルム。
【請求項10】
フェノキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、及びウレタン樹脂の少なくともいずれかを、異方性導電フィルムに対して10質量%〜80質量%含む請求項9に記載の異方性導電フィルム。
【請求項11】
加熱により活性化する潜在性硬化剤を含む請求項10に記載の異方性導電フィルム。
【請求項12】
加熱により遊離ラジカルを発生させる潜在性硬化剤を含む請求項10に記載の異方性導電フィルム。
【請求項13】
硬化率が80%以上の場合、40℃以下における弾性率が0.5GPa以上であり、かつ、ガラス転移点が50℃以上である請求項9から12に記載の異方性導電フィルム。
【請求項14】
第1の回路部材と、前記第1の回路部材に対向する第2の回路部材と、前記第1の回路部材及び前記第2の回路部材間に配設された請求項9から13のいずれかに記載の異方性導電フィルムとを備え、前記第1の回路部材における電極と、前記第2の回路部材における電極とが、導電性粒子を介して接続されたことを特徴とする接合体。
【請求項15】
第1の回路部材及び第2の回路部材の少なくともいずれかが、IZO(Indium zinc oxide)基板である請求項14に記載の接合体。
【請求項16】
請求項9から13のいずれかに記載の異方性導電フィルムを用いた接続方法であって、
第1の回路部材及び第2の回路部材間に前記異方性導電フィルムを配設する配設工程と、
前記第1の回路部材を前記第2の回路部材に向かって押圧する押圧工程と、
前記第1の回路部材における電極と、前記第2の回路部材における電極とを、導電性粒子を介して接続する接続工程とを含むことを特徴とする接続方法。
【請求項17】
第1の回路部材及び第2の回路部材の少なくともいずれかが、IZO(Indium zinc oxide)基板である請求項16に記載の接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−27569(P2010−27569A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−191098(P2008−191098)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(000108410)ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 (595)
【Fターム(参考)】