説明

工作機械の機械変位補正システム

【課題】コラムなどの機械構造物の傾斜角度を直接検出することができる水準器などの傾斜角度検出器を用いた工作機械の機械変位補正システムを提供する。
【解決手段】工作機械の構造物に設置され、前記構造物の傾斜角度を検出して傾斜量データを出力する傾斜角度検出器(水準器)と、前記傾斜角度検出器から前記傾斜量データc1〜c6を入力する傾斜量データ入力部93と、前記傾斜量データ入力部で入力した前記傾斜量データc1〜c6に基づいて前記構造物の機械変位量を算出する機械変位量算出部94と、前記機械変位量算出部で算出した前記構造物の機械変位量に基づいて前記工作機械の移動軸(X軸、Y軸、Z軸)の補正量を算出する補正量算出部95とを有する補正装置92とを備えた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は工作機械の機械変位(熱変位、自重変位、レベル変位)を補正するための機械変位補正システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に工作機械の位置決め制御を行なうサーボ制御装置には、図7に示すようなフルクローズドループのフィードバック制御系が採用されている。具体的な説明は省略するが、図7に示すサーボ制御装置では、移動体1に設けられた位置検出器2からの位置フィードバック情報(即ち機械端の位置情報)と、サーボモータ3に設けられたパルスコーダ4から微分演算部5を介してフィードバックされる速度フィードバック情報とに基づいて、サーボモータ3の回転を制御することにより、移動体1の位置が位置指令に追従するように位置決め制御を行なう。なお、図7において、Kpは位置ループゲイン、Kvは速度ループ比例ゲイン、Kviは速度ループ積分ゲイン、sはラプラス演算子である。
【0003】
上記の如くフルクローズドループのフィードバック制御系では機械端の位置情報を位置フィードバック情報として使用しているが、工作機械内に有する主軸やサーボモータ3などの熱源や外気の温度変化によって工作機械の各構造物に機械変位が発生すると、工作機械の各移動軸の位置決め精度や3次元空間における工具の位置決め精度などの静的精度は悪化する。機械変位は単に熱変位によるものだけでなく、自重による撓みやレベル変位による構造物の撓みなどによっても発生する。
【0004】
また、工作機械の制御系として、図8に示すようなセミクローズドループのフィードバック制御系を採用した場合には、位置フィードバック情報としてサーボモータ3の位置情報(パルスコーダ4で検出するサーボモータ3の回転角度)を使用しているため、更に静的精度は悪化する傾向となる。なお、このような機械変位はロボットなどの制御においても同様に発生する。
【0005】
これら機械変位による静的精度の悪化、特に熱などに起因して発生する機械変位による静的精度悪化は、加工誤差増大の大きな要因の一つであり、現在でもなお大きな問題である。それら静的精度悪化の対策としては、従来より、温度センサを機械に埋め込み、その温度データを基に機械の熱変位量を簡易的な算術式を用いて推測し、その変位量分だけ機械座標などをシフトさせることによって機械変位量を補償する熱変位補正システムを、工作機械の制御系に設けることが知られている。この熱変位補正システムの具体例を図9及び図10に示す。
【0006】
図9は横形マシニングセンタの場合であり、温度センサ23−1〜23−10が、ベッド11と、コラム12と、X軸方向へ移動可能なサドル13と、主軸25が設けられZ軸方向へ移動可能なヘッド14と、Y軸方向へ移動可能なテーブル15と、テーブル15上に載置されたワークWのぞれぞれに配設されている。これらの温度センサ23−1〜23−10では、各構造物(ベッド11、コラム12、サドル13と、ヘッド14、テーブル15)及びワークWの温度を検出して、温度データ(温度検出信号)a1〜a10を出力する。
【0007】
補正装置24は、温度データ入力部16と熱変位量算出部17と補正量算出部18とを有している。温度データ入力部16では、温度センサ23−1〜23−10から温度データa1〜a10を入力する。熱変位量算出部17では、温度データ入力部16で入力した温度データa1〜a10に基づいて、熱による各構造物(ベッド11、コラム12、サドル13と、ヘッド14、テーブル15)やワークWの変位量を算出する。補正量算出部18では、熱変位量算出部17で算出した各構造物(ベッド11、コラム12、サドル13と、ヘッド14、テーブル15)やワークWの熱変位量に基づいて、各移動軸(X軸、Y軸、Z軸)における変位量を算出し、これらの変位量の逆符号の値を各移動軸(X軸、Y軸、Z軸)の補正量とし、これらの補正量を各移動軸(X軸、Y軸、Z軸)のサーボ制御装置19,20,21へ送出する。
【0008】
X軸のサーボ制御装置19では、偏差演算部22において、補正量算出部18で算出したX軸の補正量(=“−X軸の変位量”)をX軸位置指令に加算することによりX軸位置指令を補正し、この補正後のX軸位置指令とX軸の位置フィードバック情報との偏差を演算する。Y軸のサーボ制御装置20では、偏差演算部22において、補正量算出部18で算出したY軸の補正量(=“−Y軸の変位量”)をY軸位置指令に加算することによりY軸位置指令を補正し、この補正後のY軸位置指令とY軸の位置フィードバック情報との偏差を演算する。Z軸のサーボ制御装置21では、偏差演算部22において、補正量算出部18で算出したZ軸の補正量(=“−Z軸の変位量”)をZ軸位置指令に加算することによりZ軸位置指令を補正し、この補正後のZ軸位置指令とZ軸の位置フィードバック情報との偏差を演算する。
【0009】
図10は門形マシニングセンタの場合であり、温度センサ45−1〜45−8が、ベッド31と、門形のコラム32と、主軸36が内蔵されているラム35と、テーブル37と、テーブル37に載置されたワークWのぞれぞれに配設されている。これらの温度センサ45−1〜45−8では、各構造物(ベッド31と、コラム32、ラム35と、テーブル37)及びワークWの温度を検出して、温度データ(温度検出信号)b1〜b8を出力する。なお、テーブル37はX軸方向へ移動可能であり、サドル34はクロスレール33に沿ってY軸方向へ移動可能であり、ラム35(主軸36)はZ軸方向へ移動可能である。
【0010】
補正装置46は、温度データ入力部38と熱変位量算出部39と補正量算出部40とを有している。温度データ入力部38では、温度センサ45−1〜45−8から温度データb1〜b8を入力する。熱変位量算出部39では、温度データ入力部38で入力した温度データb1〜b8に基づいて、熱による各構造物(ベッド31と、コラム32、ラム35、テーブル37)及びワークWの変位量を算出する。補正量算出部40では、熱変位量算出部39で算出した各構造物(ベッド31と、コラム32、ラム35、テーブル37)やワークWの熱変位量に基づいて、各移動軸(X軸、Y軸、Z軸)における変位量を算出し、これらの変位量の逆符号の値を各移動軸(X軸、Y軸、Z軸)の補正量とし、これらの補正量を各移動軸(X軸、Y軸、Z軸)のサーボ制御装置41,42,43へ送出する。
【0011】
X軸のサーボ制御装置41では、偏差演算部44において、補正量算出部40で算出したX軸の補正量(=“−X軸の変位量”)をX軸位置指令に加算することによりX軸位置指令を補正し、この補正後のX軸位置指令とX軸の位置フィードバック情報との偏差を演算する。Y軸のサーボ制御装置42では、偏差演算部44において、補正量算出部40で算出したY軸の補正量(=“−Y軸の変位量”)をY軸位置指令に加算することによりY軸位置指令を補正し、この補正後のY軸位置指令とY軸の位置フィードバック情報との偏差を演算する。Z軸のサーボ制御装置43では、偏差演算部44において、補正量算出部40で算出したZ軸の補正量(=“−Z軸の変位量”)をZ軸位置指令に加算することによりZ軸位置指令を補正し、この補正後のZ軸位置指令とZ軸の位置フィードバック情報との偏差を演算する。
【0012】
このような温度センサを用いた熱変位補正システムに関連する先行技術文献としては、下記の特許文献1〜5がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平10−6183号公報
【特許文献2】特開2006−281420号公報
【特許文献3】特開2006−15461号公報
【特許文献4】特開2007−15094号公報
【特許文献5】特開2008−183653号公報
【特許文献6】特開2007−175818号公報
【特許文献7】特開平11−226846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、機械の熱変位量の推測に使用する温度センサの個数は無制限ではないため、機械の熱変位量を完全に把握するのは困難である。また、従来の方法では温度センサの検出値から機械の熱変位モード及び熱変位量を推定して求めているため、熱変位を完全に補償することはできない.
【0015】
また、一方で機械の熱変位を極力素直な熱変位モードとすることを目的として、上記特許文献6に記載の発明などが提案されている。しかし,外気温度の変化などによる機械の熱変位を完全に素直な熱変位モードにすること(コラムなどの反り、倒れなどを排除し、伸縮モードのみとすること)は困難であり、外気温度の変化などによるコラムなどの反りや、倒れを完全に排除することは困難である。
【0016】
従って本発明は上記の事情に鑑み、コラムなどの機械構造物の傾斜角度を直接検出することができる水準器などの傾斜角度検出器を用いた工作機械の機械変位補正システムを提供することを課題とする。
【0017】
なお、上記特許文献7では水準器を使用した発明が提案されているが、この発明は水準器と圧電アクチュエータを組合せた姿勢制御装置に関するものであり、機械変位を補正するシステムではなく、本発明の目的とは異なる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決する第1発明の工作機械の機械変位補正システムは、工作機械の機械変位を補正する機械変位補正システムであって、
前記工作機械の構造物に設置され、前記構造物の傾斜角度を検出して傾斜量データを出力する傾斜角度検出器と、
前記傾斜角度検出器から前記傾斜量データを入力する傾斜量データ入力部と、前記傾斜量データ入力部で入力した前記傾斜量データに基づいて前記構造物の機械変位量を算出する機械変位量算出部と、前記機械変位量算出部で算出した前記構造物の機械変位量に基づいて前記工作機械の移動軸の補正量を算出する補正量算出部とを有する補正装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、第2発明の工作機械の機械変位補正システムは、工作機械の機械変位を補正する機械変位補正システムであって、
前記工作機械の構造物に設置され、前記構造物の傾斜角度を検出して傾斜量データを出力する傾斜角度検出器と
前記工作機械の構造物又はワークに設置され、前記構造物又は前記ワークの温度を検出して温度データを出力する温度センサと、
前記傾斜角度検出器から前記傾斜量データを入力する傾斜量データ入力部と、前記傾斜量データ入力部で入力した前記傾斜量データに基づいて前記構造物の機械変位量を算出する機械変位量算出部と、前記機械変位量算出部で算出した前記構造物の機械変位量に基づいて前記工作機械の移動軸の第1の補正量を算出する第1の補正量算出部と、前記温度センサから前記温度データを入力する温度データ入力部と、前記温度データ入力部で入力した前記温度データに基づいて前記構造物又は前記ワークの熱変位量を算出する熱変位量算出部と、前記熱変位量算出部で算出した前記構造物又は前記ワークの熱変位量に基づいて前記移動軸の第2の補正量を算出する第2の補正量算出部と、前記第1の補正量算出部で算出した前記第1の補正量と前記第2の補正量算出部で算出した前記第2の補正量を加算する補正量加算部とを有する補正装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
第1発明の工作機械の機械変位補正システムによれば、反り、倒れなどの機械変位(熱変位、自重変位又はレベル変位、或いは、熱変位、自重変位、レベル変位の混成)によって工作機械の構造物が傾斜したとき、この構造物の傾斜量(傾斜角度)を、直接、傾斜角度検出器(例えば水準器)によって把握することができる。このため、この傾斜角度検出器で直接把握した構造物の傾斜量データに基づいて構造物の機械変位量を算出することにより、当該機械変位量を精度良く推定することができ、当該機械変位量に基づいて精度の良い移動軸の補正量を得ることができる。従って、高精度の補償システムを実現可能である。
【0021】
第2発明の工作機械の機械変位補正システムによれば、上記第1発明と同様に、反り、倒れなどの機械変位(熱変位、自重変位又はレベル変位、或いは、熱変位、自重変位、レベル変位の混成)によって工作機械の構造物が傾斜したとき、この構造物の傾斜量(傾斜角度)を、直接、傾斜角度検出器(例えば水準器)によって把握することができるため、この傾斜角度検出器で直接把握した構造物の傾斜量データに基づいて構造物の機械変位量を算出することにより、当該機械変位量を精度良く推定することができ、当該機械変位量に基づいて精度の良い移動軸の第1の補正量を得ることができる。
しかも、第2発明では、この移動軸の第1の補正量に対して、温度センサの温度データに基づいて求めた移動軸の第2の補正量を加算することにより、反りや倒れなどの機械変位だけでなく、熱による構造物やワークの伸びなどの熱変位にも対応することができるため、より精度の良い移動軸の補正量を得ることができる。従って、より高精度の補償システムを実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態例1に係る水準器を用いた機械変位補正システムに関する図であって、前記水準器の配置を示す工作機械(門形マシニングセンタ)の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態例1に係る水準器を用いた機械変位補正システムに関する図であって、補正装置側の構成を示す図である。
【図3】傾斜による機械変位量の計算例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態例2に係る水準器を用いた機械変位補正システムに関する図であって、前記水準器の配置を示す工作機械(門形マシニングセンタ)の斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態例2に係る水準器を用いた機械変位補正システムに関する図であって、補正装置側の構成を示す図である。である。
【図6】温度変化による熱変位量の計算例を示す図である。
【図7】フルクローズドループのサーボ制御装置(フィードバック制御系)の構成を示すブロック図である。
【図8】セミクローズドループのサーボ制御装置(フィードバック制御系)の構成を示すブロック図である。
【図9】従来の温度センサを用いた熱変位補正システムの構成例を示す図である。
【図10】従来の温度センサを用いた熱変位補正システムの他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
<実施の形態例1>
図1〜図3に基づき、本発明の実施の形態例1に係る水準器を用いた機械変位補正システムについて説明する。
【0025】
図1に示すように、工作機械(図示例では門形マシニングセンタ)は、ベッド51と、テーブル52と、コラム53と、クロスレール54と、サドル56と、主軸58が内蔵されているラム57とを有している。
【0026】
ベッド51上にはテーブル52が設置され、テーブル52上にはワークWが載置されている。テーブル52は、送り機構(図1では図示省略:図2参照)により、水平なX軸方向に移動可能になっている。コラム53は水平部53Aと、水平部53Aの両側の脚部53Bとを有して成る門形のものであり、ベッド51を跨ぐように配設されている。クロスレール54は、コラム53の前側に設けられており、コラム53の前面53aに設けられたガイドレール55に沿って、送り機構(図示省略)により、鉛直なW軸方向に移動可能になっている。サドル56は、クロスレール54の前側に設けられており、クロスレール54に沿って、送り機構(図1では図示省略:図2参照)により、水平なY軸方向に移動可能になっている。ラム57は、サドル56内に設けられ、送り機構(図1では図示省略:図2参照)により、鉛直なZ軸方向に移動可能になっている。なお、X,Y,Z軸は互いに直交している。
【0027】
そして、この工作機械にはデジタル水準器61−1〜61−6が設置されている。水準器61−1,61−2は、コラム53の上面53bの両端部に設置されており、コラム53の機械変位によって生じるコラム53の傾斜の角度を検出して、傾斜量データ(傾斜角度検出信号)c1,c2を補正装置92(図2参照:詳細後述)へ出力する。
前記機械変位には熱変位、自重変位、レベル変位などによるものがある。熱変位は主軸58やサーボモータ(図1では図示省略:図2参照)などの熱源や外気の温度変化によってコラム53など構造物の前後や左右に温度差が生じることにより、構造物に生じる反りなどの機械変位である。自重変位は構造物の自重によって生じる構造物の反りや倒れなどの機械変位である。レベル変位はベッド51を敷設しているレベル(基礎)の変化によって生じる構造物の反りや倒れなどの機械変位である。従って、機械変位によってコラム53などの構造物が傾斜する場合としては、熱変位によって傾斜する場合と、自重変位によって傾斜する場合と、レベル変位によって傾斜する場合と、熱変位と自重変位とレベル変位の混成によって傾斜する場合とがある。
【0028】
水準器61−3は、コラム53の側面53cの中間の高さ位置に設置されており、コラム53の機械変位によって生じるコラム53の傾斜の角度を検出して、傾斜量データ(傾斜角度検出信号)c3を補正装置92へ出力する。水準器61−4,61−5は、クロスレール54の上面54aの両端部に設置されており、クロスレール54の機械変位によって生じるクロスレール54の傾斜の角度を検出して、傾斜量データ(傾斜角度検出信号)c4,c5を補正装置92へ出力する。水準器61−6は、サドル56の上面56aに設置されており、サドル56の機械変位によって生じるサドル56の傾斜の角度を検出して、傾斜量データ(傾斜角度検出信号)c6を補正装置92へ出力する。
【0029】
図2に示すように、補正装置92はパーソナルコンピュータなどを用いたものであり、傾斜量データ入力部93と機械変位量算出部94と補正量算出部95とを有している。
【0030】
傾斜量データ入力部93では、水準器61−1〜61−6から出力される各構造物(コラム53、クロスレール54、サドル56)の傾斜量データc1〜c6を入力する。
【0031】
機械変位量算出部94では、傾斜量データ入力部93で入力した各構造物(コラム53、クロスレール54、サドル56)の傾斜量データ(傾斜角度検出値)に基づいて、傾斜による各構造物(コラム53、クロスレール54、サドル56)の機械変位量を算出する。
【0032】
図3に基づき、コラム53の機械変位量の算出例について説明する。図3(a)において、Hはコラム53の高さ[m]、Lはコラム53の幅[m]、θはコラム53の傾斜角度[radiun]である。そして、コラム53の機械変位量δは下記の(1)式によって算出する。
【数1】

(1)式の導出について図3(b)に示す。反りや倒れなどにより、図3(b)に示すような円弧状の機械変位がコラム53に生じた場合、円弧の半径をRとすると、この半径Rと、コラム変位量δと、コラム高さHの関係は下記の(2)式のようになる。そして、この(2)式を下記の(3)式、(4)式、(5)式のように変形することにより、(1)式が導かれる。
【数2】

【0033】
なお、(1)式で用いるコラム傾斜角度θには、2つの水準器61−1,61−2の傾斜角度検出値(傾斜量データc1,c2)の平均値を用いてもよく、何れか一方を用いてもよい。また、コラム53の中間の高さ位置におけるコラム変位量δを算出する場合には、コラム傾斜角度θとして、水準器61−3の傾斜角度検出値(傾斜量データc3)を用いる。クロスレール54の変位量δを算出する場合には、クロスレール傾斜角度θとして、2つの水準器61−4,61−5の傾斜角度検出値(傾斜量データc4,c5)の平均値を用いてもよく、何れか一方を用いてもよい。サドル54の変位量δを算出する場合には、サドル傾斜角度θとして、水準器61−6の傾斜角度検出値(傾斜量データc6)を用いる。
【0034】
図2に示すように、補正量算出部95では、機械変位量算出部94で算出した各構造物(コラム53、クロスレール54、サドル56)の機械変位量に基づいて、各移動軸(X軸、Y軸、Z軸)における変位量を算出し、これらの変位量の逆符号の値を各移動軸(X軸、Y軸、Z軸)の補正量とし、これらの補正量を各移動軸(X軸、Y軸、Z軸)のサーボ制御装置81,82,83へ送出する。即ち、X軸の補正量(=“−X軸の変位量”)はX軸のサーボ制御装置81へ送り、Y軸の補正量(=“−Y軸の変位量”)はY軸のサーボ制御装置82へ送り、Z軸の補正量(=“−Z軸の変位量”)はZ軸のサーボ制御装置83へ送る。なお、構造物の機械変位量に基づいて移動軸の変位量を算出するには、(1)式などの理論式を用いて算出してもよいが、例えば、予め試験やシミュレーションなどによって求めた構造物の機械変位量と移動軸の変位量との関係を表す計算式やテーブルデータなどを用いてもよい。
【0035】
図2に示すように、X軸の送り機構71はサーボモータ74、減速ギヤ75、ボールスクリュー76(ネジ部76a,ナット部76b)などから構成されている。
サーボモータ74は、減速ギヤ75を介してボールスクリュー76のネジ部76aに連結されている。ボールスクリュー76のネジ部76aとナット部76bは互いに螺合しており、ナット部76bは移動体であるテーブル52に取り付けられている。また、テーブル52には位置検出器77が取り付けられ、サーボモータ74にはパルスコーダ78が取り付けられている。
【0036】
従って、サーボモータ74の回転力が減速ギヤ75を介してボールスクリュー76のネジ部76aへ伝達され、ネジ部76aが矢印Aの如く回転すると、ナット部76bとともにテーブル52がX軸方向へ移動する。このときテーブル52の移動位置が位置検出器77によって検出され、この位置検出信号がX軸のサーボ制御装置81へ送れられる(位置フィードバック)。また、サーボモータ74の回転角度がパルスコーダ78によって検出され、この回転角度検出信号が、サーボ制御装置81の微分演算部91を介して、サーボ制御装置81へ送られる(速度フィードバック)。
【0037】
サーボ制御装置81は偏差演算部84、乗算部85、偏差演算部86、比例演算部87、積分演算部88、加算部89、電流制御部90、微分演算部91を有している。
偏差演算部84では、数値制御装置(図示省略)から送られてきたX軸位置指令に対して、補正装置92(補正量算出部95)から送られてきたX軸の補正量(=“−X軸の変位量”)を加算することにより、前記X軸位置指令を補正し、この補正後のX軸位置指令と、位置検出器77からの位置フィードバック情報であるテーブル52の位置との差を演算することにより、位置偏差d1を求める。
【0038】
乗算部85では、位置偏差d1に対して位置ループゲインKpを乗算することにより、速度指令d2を求める。微分演算部91では、パルスコーダ78によって検出されたサーボモータ74の回転角度を時間で微分することにより、サーボモータ74の回転速度を求める。偏差演算部86では、速度指令d2と、微分演算部86で求めたサーボモータ74の回転速度との差を演算することにより、速度偏差d3を求める。比例演算部87では、速度偏差d3に対して速度ループ比例ゲインKvを乗算することにより、比例値d4を求める。積分演算部88では、速度偏差d3に対して速度ループ積分ゲインKviを乗算し、且つ、この乗算値を積分することにより、積分値d5を求める。加算部89では、比例値d4と積分値d5とを加算してトルク指令d6を求める。電流制御部90では、サーボモータ74のトルクがトルク指令d6に追従するようにサーボモータ74へ供給する電流を制御する。
【0039】
従って、このX軸のサーボ制御装置81では、X軸のサーボモータ74の回転速度が速度指令d2に追従し、テーブル52のX軸方向の移動位置が補正後のX軸位置指令に追従するように制御する。
【0040】
なお、Y軸とZ軸の送り機構72,73及びサーボ制御装置82,83の構成については、X軸の送り機構71及びサーボ制御装置81の構成と同様であるため(同様の構成部分に同一の符号を付している)、詳細な説明は省略する。
Y軸のサーボ制御装置82では、偏差演算部84において、数値制御装置から送られてきたY軸位置指令に対して、補正装置92(補正量算出部95)から送られてきたY軸の補正量(=“−Y軸の変位量”)を加算することにより、前記Y軸位置指令を補正して、補正後のY軸位置指令を求める。そして、サーボ制御装置82では、Y軸のサーボモータ74の回転速度が速度指令d2に追従し、サドル56のY軸方向の移動位置が補正後のY軸位置指令に追従するように制御する。
Z軸のサーボ制御装置83では、偏差演算部84において、数値制御装置から送られてきたZ軸位置指令に対して、補正装置92(補正量算出部95)から送られてきたZ軸の補正量(=“−Z軸の変位量”)を加算することにより、前記Z軸位置指令を補正して、補正後のZ軸位置指令を求める。そして、このサーボ制御装置83では、Z軸のサーボモータ74の回転速度が、速度指令d2に追従し、ラム57(主軸58)のZ軸方向の移動位置が、補正後のZ軸位置指令に追従するように制御する。
【0041】
以上のことから、本実施の形態例1の工作機械の機械変位補正システムによれば、反り、倒れなどの機械変位(熱変位又は自重変位、或いは、熱変位及び自重変位)によって工作機械の構造物(コラム53、クロスレール54、サドル56)が傾斜したとき、この構造物の傾斜量(傾斜角度)を、直接、水準器61−1〜61−6によって把握することができる。このため、この水準器61−1〜61−6で直接把握した構造物(コラム53、クロスレール54、サドル56)の傾斜量データc1〜c6に基づいて構造物(コラム53、クロスレール54、サドル56)の機械変位量を算出することにより、当該機械変位量を精度良く推定することができ、当該機械変位量に基づいて精度の良い移動軸(X軸、Y軸、Z軸)の補正量を得ることができる。従って、高精度の補償システムを実現可能である。
【0042】
<実施の形態例2>
図4〜図6に基づき、本発明の実施の形態例2に係る水準器を用いた機械変位補正システムについて説明する。なお、本実施の形態例2の機械変位補正システムにおいて、上記実施の形態例1の機械変位補正システム(図1,図2参照)と同様の部分については、同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
【0043】
図4に示すように、本実施の形態例2では、工作機械(門形マシニングセンタ)に対して、上記実施の形態例1と同様にデジタル水準器61−1〜61−6を設置するだけでなく、温度センサ101−1〜101−8も設置している。
【0044】
温度センサ101−1,101−2は、コラム53の側面53cの上部と下部に設置されており、コラム53の温度を検出して、温度データ(温度検出信号)e1,e2を補正装置92(図5参照:詳細後述)へ出力する。温度センサ101−3,101−4は、ラム57の上部と下部に設置されており、ラム57の温度を検出して、温度データ(温度検出信号)e3,e4を補正装置92へ出力する。温度センサ101−5は、テーブル52に設置されており、テーブル53の温度を検出して、温度データ(温度検出信号)e5を補正装置92へ出力する。温度センサ101−6は、ワークWに設置されており、ワークWの温度を検出して、温度データ(温度検出信号)e6を補正装置92へ出力する。温度センサ101−7,101−8は、ベッド51の前部と後部に設置されており、ベッド51の温度を検出して、温度データ(温度検出信号)e7,e8を補正装置92へ出力する。
【0045】
図5に示すように、本実施の形態例2の補正装置92は、上記実施の形態例1と同様に傾斜量データ入力部93と機械変位量算出部94と補正量算出部95(第1の補正量算出部)とを有しているだけでなく、温度データ入力部103と熱変位量算出部104と補正量算出部105(第2の補正量算出部)と補正量加算部106も有している。
【0046】
温度データ入力部103では、温度センサ101−1〜101−8から出力される各構造物(コラム53、ラム57、テーブル52、ベッド51)及びワークWの温度データe1〜e8を入力する。
【0047】
熱変位量算出部104では、温度データ入力部103で入力した各構造物(コラム53、ラム57、テーブル52、ベッド51)及びワークWの温度データ(温度検出値)に基づいて、各構造物(コラム53、ラム57、テーブル52、ベッド51)やワークWの熱変位量を算出する。
【0048】
図6に基づき、コラム53、ラム57などに相当する物体107の熱変位量の算出例について説明すると、物体107の熱変位量(熱による伸び量)δは下記の(6)式によって算出する。図6及び(6)式において、Lは物体107の有効長[m]、ΔTは物体107の温度変化[℃](=T−T0)、βは物体107の線膨張係数[m/℃*m](物体107の1[m]当たりの1[℃]変化時の変位量)である。また、Tは物体107の温度[℃]、T0は物体107の基準温度[℃]である。
σ=ΔT*L*β ・・・(6)
【0049】
物体107の温度Tには、温度センサ101−1〜101−8から入力した温度データe1〜e8を用いる。物体107の基準温度は熱変位量算出部104に予め設定しておく。なお、コラム53の熱変位量を算出するための温度データには、2つの温度センサ101−1,101−2の温度検出値(温度データe1,a2)の平均値を用いてもよく、何れか一方を用いてもよい。ラム57の熱変位量を算出するための温度データには、2つの温度センサ101−3,101−4の温度検出値(温度データe3,e4)の平均値を用いてもよく、何れか一方を用いてもよい。テーブル52の熱変位量を算出するための温度データには、温度センサ101−5の温度検出値(温度データe5)を用いる。ワークWの熱変位量を算出のための温度データには、温度センサ101−6の温度検出値(温度データe6)を用いる。ベッド51の熱変位量を算出のための温度データには、2つの温度センサ101−7,101−8の温度検出値(温度データe7,e8)の平均値を用いてもよく、何れか一方を用いてもよい。
【0050】
図5に示すように、補正量算出部105では、熱変位量算出部104で算出した各構造物(コラム53、ラム57、テーブル52、ベッド51)やワークWの熱変位量に基づいて、各移動軸(X軸、Y軸、Z軸)における変位量を算出し、これらの変位量の逆符号の値を各移動軸(X軸、Y軸、Z軸)の補正量とする。即ち、X軸の補正量(=“−X軸の変位量”)と、Y軸の補正量(=“−Y軸の変位量”)と、Z軸の補正量(=“−Z軸の変位量”)とを求める。なお、構造物の熱変位量から移動軸の変位量を算出するには、(6)式などの理論式を用いて算出してもよいが、例えば、予め試験やシミュレーションなどによって求めた構造物の熱変位量と移動軸の変位量との関係を表す計算式やテーブルデータなどを用いてもよい。
【0051】
補正量加算部106では、補正量算出部95で算出した各移動軸(X軸、Y軸、Z軸)の補正量(第1の補正量)と、補正量算出部105で算出した各移動軸(X軸、Y軸、Z軸)の補正量(第2の補正量)とを加算し、この加算値を各移動軸(X軸、Y軸、Z軸)のサーボ制御装置81,82,83へそれぞれ送出する。
即ち、X軸のサーボ制御装置81へ送られるX軸の補正量は、第1の補正量算出部95で算出したX軸の第1の補正量と、第2の補正量算出部105で算出したX軸の第2の補正量との加算値である。Y軸のサーボ制御装置82へ送れられるY軸の補正量は、第1の補正量算出部95で算出したY軸の第1の補正量と、第2の補正量算出部105で算出したY軸の第2の補正量との加算値である。Z軸のサーボ制御装置83へ送られるZ軸の補正量は、第1の補正量算出部95で算出したZ軸の第1の補正量と、第2の補正量算出部105で算出したZ軸の第2の補正量との加算値である。
【0052】
X軸のサーボ制御装置81の偏差演算部84では、数値制御装置(図示省略)から送られてきたX軸位置指令に対して、補正装置92(補正量加算部106)から送られてきたX軸の補正量(=“−X軸の変位量”)を加算することにより、前記X軸位置指令を補正し、この補正後のX軸位置指令と、位置検出器77からの位置フィードバック情報であるテーブル52の位置との差を演算することにより、位置偏差d1を求める。
Y軸のサーボ制御装置82の偏差演算部84では、数値制御装置から送られてきたY軸位置指令に対して、補正装置92(補正量加算部106)から送られてきたY軸の補正量(=“−Y軸の変位量”)を加算することにより、前記Y軸位置指令を補正し、この補正後のX軸位置指令と、位置検出器77からの位置フィードバック情報であるサドル56の位置との差を演算することにより、位置偏差d1を求める。
Z軸のサーボ制御装置83の偏差演算部84では、数値制御装置から送られてきたZ軸位置指令に対して、補正装置92(補正量加算部106)から送られてきたZ軸の補正量(=“−Z軸の変位量”)を加算することにより、前記Z軸位置指令を補正し、この補正後のZ軸位置指令と、位置検出器77からの位置フィードバック情報であるラム57(主軸58)の位置との差を演算することにより、位置偏差d1を求める。
【0053】
以上のことから、本実施の形態例2の工作機械の機械変位補正システムによれば、上記実施の形態例1と同様に、反り、倒れなどの機械変位(熱変位又は自重変位、或いは、熱変位及び自重変位)によって工作機械の構造物(コラム53、クロスレール54、サドル56)が傾斜したとき、この構造物の傾斜量(傾斜角度)を、直接、水準器61−1〜61−6によって把握することができるため、この水準器61−1〜61−6で直接把握した構造物(コラム53、クロスレール54、サドル56)の傾斜量データc1〜c6に基づいて構造物(コラム53、クロスレール54、サドル56)の機械変位量を算出することにより、当該機械変位量を精度良く推定することができ、当該機械変位量に基づいて精度の良い移動軸(X軸、Y軸、Z軸)の第1の補正量を得ることができる。
しかも、本実施の形態例2では、この移動軸(X軸、Y軸、Z軸)の第1の補正量に対して、温度センサ101−1〜101−8の温度データe1〜e8に基づいて求めた移動軸(X軸、Y軸、Z軸)の第2の補正量を加算することにより、反りや倒れなどの機械変位だけでなく、熱による構造物(コラム53、ラム57、テーブル52、ベッド51)やワークWの伸びなどの熱変位にも対応することができるため、より精度の良い移動軸(X軸、Y軸、Z軸)の補正量を得ることができる。従って、より高精度の補償システムを実現可能である。
【0054】
なお、上記実施の形態例1,2では水準器を用いたが、必ずしもこれに限定するものではなく、工作機械の構造物の傾斜角度を直接検出可能なものであれば、水準器以外の傾斜角度検出器であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は工作機械の機械変位補正システムに関するものであり、工作機械のコラムなどに生じる機械変位(熱変位、自重変位、レベル変位)を補正する場合に適用して有用なものである。
【符号の説明】
【0056】
51 ベッド
52 テーブル
53 コラム
53A 水平部
53B 脚部
53a 前面
53b 上面
53c 側面
54 クロスレール
54a 上面
55 ガイドレール
56 サドル
56a 上面
57 ラム
58 主軸
61−1〜61−6 水準器
71,72,73 送り機構
74 サーボモータ
75 減速ギヤ
76 ボールスクリュー
76a ネジ部
76b ナット部
77 位置検出器
78 パルスコーダ
81,82,83 サーボ制御装置
84 偏差演算部
85 乗算部
86 偏差演算部
87 比例演算部
88 積分演算部
89 加算部
90 電流制御部
91 微分演算部
92 補正装置
93 傾斜量データ入力部
94 機械変位量算出部
95 補正量算出部
101−1〜101−8 温度センサ
103 温度データ入力部
104 熱変位量算出部
105 補正量算出部
106 補正量加算部
c1〜c6 傾斜量データ(傾斜角度検出信号)
e1〜e8 温度データ(温度検出信号)
W ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械の機械変位を補正する機械変位補正システムであって、
前記工作機械の構造物に設置され、前記構造物の傾斜角度を検出して傾斜量データを出力する傾斜角度検出器と、
前記傾斜角度検出器から前記傾斜量データを入力する傾斜量データ入力部と、前記傾斜量データ入力部で入力した前記傾斜量データに基づいて前記構造物の機械変位量を算出する機械変位量算出部と、前記機械変位量算出部で算出した前記構造物の機械変位量に基づいて前記工作機械の移動軸の補正量を算出する補正量算出部とを有する補正装置と、
を備えたことを特徴とする工作機械の機械変位補正システム。
【請求項2】
工作機械の機械変位を補正する機械変位補正システムであって、
前記工作機械の構造物に設置され、前記構造物の傾斜角度を検出して傾斜量データを出力する傾斜角度検出器と
前記工作機械の構造物又はワークに設置され、前記構造物又は前記ワークの温度を検出して温度データを出力する温度センサと、
前記傾斜角度検出器から前記傾斜量データを入力する傾斜量データ入力部と、前記傾斜量データ入力部で入力した前記傾斜量データに基づいて前記構造物の機械変位量を算出する機械変位量算出部と、前記機械変位量算出部で算出した前記構造物の機械変位量に基づいて前記工作機械の移動軸の第1の補正量を算出する第1の補正量算出部と、前記温度センサから前記温度データを入力する温度データ入力部と、前記温度データ入力部で入力した前記温度データに基づいて前記構造物又は前記ワークの熱変位量を算出する熱変位量算出部と、前記熱変位量算出部で算出した前記構造物又は前記ワークの熱変位量に基づいて前記移動軸の第2の補正量を算出する第2の補正量算出部と、前記第1の補正量算出部で算出した前記第1の補正量と前記第2の補正量算出部で算出した前記第2の補正量を加算する補正量加算部とを有する補正装置と、
を備えたことを特徴とする工作機械の機械変位補正システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−140098(P2011−140098A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2631(P2010−2631)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】