説明

希土類ハロゲン化物ブロックの作製方法

本発明は、式AeLnf(3f+e)(この式のLnは一つ以上の希土類を表し、XはCl、Br又はIのうちから選ばれる一つ以上のハロゲン原子を表し、そしてAはK、Li、Na、Rb又はCsなどの一つ以上のアルカリを表し、eはゼロであってもよいが3f以下であり、fは1以上である)の多結晶性ハロゲン化物ブロックであり、水とオキシハロゲン化物の含有量が少ない多結晶性ハロゲン化物ブロックの作製方法に関する。該方法は、少なくとも一つのLn−X結合を有する少なくとも1種の化合物と、所望のオキシハロゲン化物含有量を得るために十分な量のNH4Xとの混合物を加熱する工程であり、結果として希土類ハロゲン化物を含む溶融物を生じさせる加熱工程を含み、この加熱工程の後には冷却工程が続き、前記加熱工程は、300℃に到達した後は、前記溶融物が得られる以前には200℃よりも低い温度に決して低下しない。結果として得られるブロックは、並外れたシンチレーション特性を備えた非常に純粋な単結晶の成長を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
希土類ハロゲン化物(以下、希土類を表すのにLnを使用する)、とりわけセリウムをドープした場合のそれは、そして特にセリウムドープのLnBr3及びセリウムドープのLnCl3は、特に放射性映像及び分光分析(陽電子放出断層撮影又はPET、ガンマ線カメラ、石油探査など)の分野向けに非常に有用なシンチレーション特性を有する。これらの特性を満足に得るためには、これらの化合物を大きな結晶の形で入手することが必要である。一般に、これらの結晶は単結晶である。特定の一部の場合には、それらは多結晶であってもよく、多結晶内の結晶の一つの寸法は1cm以上ほどである。しかし、希土類ハロゲン化物は吸湿性が高い化合物であり、加熱されると直ぐに水や空気と反応して非常に安定なオキシハロゲン化物を形成する。一般に、0.1重量%程度のオキシハロゲン化物含有量は許容できると考えられており、これらの含有量で得られる結晶は外見が十分に透明である。更に、いくつかの結晶、例えばCsI:Tlなどは、シンチレーション特性に関する限り、高い酸素含有量(例えばおよそ0.2%のCsOH)を許容する。ところで、出願人は、希土類ハロゲン化物のシンチレーション特性、特に発光効率、すなわち入射粒子のエネルギー1MeVあたりに放出されるUV−可視光子の数は、希土類ハロゲン化物結晶におけるオキシハロゲン化物の含有量をこの値より低くすることによって大幅に改善できることを見出した。
【0002】
従って、出願人は、できるだけ純粋な(特に酸素に関して)希土類ハロゲン化物が得られる製造方法、すなわち水含有量が0.1重量%よりもずっと低く、オキシハロゲン化物の含有量が0.2重量%未満、更に0.1重量%未満、又は実際に0.05重量%未満である希土類ハロゲン化物が得られる製造方法を開発することに努めた。更に、この純度を維持するのを可能にする、これらのハロゲン化物を保存(例えば数ヶ月以上)し取り扱うための手段を見出す必要があった。これは、これらの結晶(一般に単結晶)の成長が通常はバッチ方式で行われ、これにはそれらを貯蔵する段階と貯蔵庫から取り出す段階が必要であって、これらの段階で希土類ハロゲン化物が水や空気中の酸素で汚染されるからである。
【0003】
更に、希土類ハロゲン化物を(結晶、一般に単結晶を成長させる原料として)作製する装置であって、それ自身が少量の水又は酸素を導入して望ましくないオキシハロゲン化物を生成する結果にならない装置を製造することは非常に難しい。これは、どんな装置も、常にその不透過性が完全でなく、また常に少量の吸着された水を含んでいるので、この種の作製では部分的な汚染は普通であり、そして気体環境の不純物による高度の酸化が、特に300℃を超えるような高温では、一般的に予期されるからである。本発明による方法では、吸着したものであれ、吸収したものであれ、又は凝結した相のものであれ、最初から水分を含む装置を用いても、また、溶融まで至る加熱の際の雰囲気中にほどほどの量の水と酸素が存在しても、非常に純粋な希土類ハロゲン化物が結果として得られるので、本発明はこの観点からも解決策を提供する。
【0004】
出願人は、本発明に従って製造された結晶は文献で述べられている融点と実質的に異なる融点を有することも見出したが、これは本発明によって得られる結晶の高い純度(特に低いオキシハロゲン化物含有量)による効果と解釈される。例えば、本発明によって製造されるLaCl3結晶は結晶化温度が880℃であるのに対し、従来技術により公表されている値は852℃と860℃の間に広がっている。同様に、本発明によって製造されるLaBr3結晶は結晶化温度が820℃であるのに対し、従来技術により公表されている値は777℃と789℃の間である。
【0005】
本発明は、とりわけ、シンチレーション減衰時間が特に短い単結晶を作製するのを可能にする。この利点は、シンチレーションピークの可能な減衰時間が一番短い結晶を利用するのが、このようにして時間分解能が改善されるので、望ましいということである。この測定を行うためには、主ピークの光度を経時的に記録する。例えば、本発明によれば、主成分の減衰時間が40ナノ秒未満、更には30ナノ秒未満、更に20ナノ秒未満の単結晶の製造が可能である。本発明の目的上、XはCl、Br、及びIから選ばれるハロゲン原子を表す。希土類フッ化物は吸湿性でなく、化学的特性がきわめて特異的であるので、本発明は希土類フッ化物には関係しない。
【0006】
本発明によって作製された単結晶はまた、エネルギー分解能が特に低く、とりわけ5%未満であり、又は4%未満、又は更に3.5%未満でさえある。
【0007】
希土類ハロゲン化物を作製するには、次のような従来の方法を用いることができる。
1.LaX3(H2O)7の80℃での真空脱水。但し、この方法ではLaOXの含有量が高くなりすぎ、低品質の結晶が得られる。
2.500℃を超える温度での固体La23のHClガスによる塩素化。この方法は有毒ガスであるHClガスを大量に使用する必要があるため危険であり、また塩素化反応が完了したことを工業規模で確実にすることも非常に難しい。
3.気体HX中でのLaX3(H2O)7の脱水。この方法も大量のHXを用いるので危険である。
4.La23粉末と気体NH4Clの約340℃での反応。これは、塩素化反応が完了したことを工業規模で確実にすることが非常に難しい。
【0008】
文献“The ammonium−bromide route of anhydrous rare earth bromides MBr3”, Journal of Less−Common Metals, 127 (1987) 155−160には、希土類ハロゲン化物/臭化アンモニウム錯体の作製と、決して融点に達することなく希土類ハロゲン化物を生成するための20℃/h未満でのその熱分解が教示されている。このように操作することによって、ハロゲン化物は、水分の吸収とオキシハロゲン化物の生成に有利な、0.1m2/gより大きい高い比表面積を保持する。400℃よりも低い温度で作業することで材料の腐食の問題が制限され、そしてこれが従来技術でこのように低い温度を用いることが好ましいとされる一つの理由になっている。NH4Xタイプの化合物を用いる従来技術は一般に、300又は400℃を超えて加熱することはない。これより高い温度ではNH4Xが昇華によって消失し、希土類ハロゲン化物は気体環境に存在する微量の水と酸素による酸化に特に敏感になるからである。
【0009】
従来技術の文献としては、国際公開第0160944号パンフレット、国際公開第0160945号パンフレット、米国特許第6451106号明細書を挙げることもできる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記の問題を解決する。本発明は、非常に純粋な希土類ハロゲン化物、特に希土類オキシハロゲン化物の含有量が0.2重量%未満であり、又は更に0.1重量%未満、又は更に0.05重量%未満、又は更に0.02重量%未満でさえあって、水の含有量が0.1重量%未満であるものを、多結晶性ブロックの形で得るのを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による作製方法は、一方で少なくとも一つのLn−X結合を有する少なくとも1種の化合物と、他方でNH4Xの、混合物を加熱する工程であって、ここでLnは希土類を表し、XはCl、Br及びIから選ばれ、前記化合物とNH4Xはことにより、少なくとも部分的に、錯体内で結合され、当該工程の結果として所期のハロゲン化物を含む溶融相を生じさせる工程を含み、その後に、前記ハロゲン化物を含む少なくとも一つの固体ブロックが得られる冷却工程が続く。NH4Xは、オキシハロゲン化物と反応することによって酸素スカベンジャーとして働き、従って、これらのオキシ塩化物が希土類ハロゲン化物によって吸収される水と希土類ハロゲン化物との加熱中の反応によって生ずることができるとすれば、この希土類ハロゲン化物からそのオキシ塩化物を奪い取る。この精製は次の反応の原理に従って行われる。
LnOX+2NH4X → LnX3+H2O+2NH3
【0012】
本発明による方法は特に、混合物中に、又はるつぼに、又は装置に、吸着され、吸収され、又は複合化した形で存在する水が、希土類ハロゲン化物と恒久的に化合して希土類オキシハロゲン化物となることを防止するのを可能にする。従って、本発明による方法では、最初のNH4Xが用いられない同じ方法に比べてずっとオキシハロゲン化物が少ない最終ブロックが得られる。これは特に、吸着した水を除去することが難しい装置にあって、すなわち、出発混合物にオキシハロゲン化物を意図的に投入しない場合(又は非常に低い含有量、すなわち100重量ppm未満の場合)にも最終のハロゲン化物におけるオキシハロゲン化物含有量が通常高くなる(例えば、少なくとも0.2%のオキシハロゲン化物)装置にあって、またこの種の製造で普通の含有量の水及び酸素が気体環境に存在しても、認められる。
【0013】
本発明によって得られる多結晶ブロックは非常に純粋である。本発明は、単一の加熱工程において、ハロゲン化アンモニウムの存在によって得られる酸素スカベンジング作用と、希土類ハロゲン化物の溶融に直ちに進んでその比表面積を大幅に減らし、それにより貯蔵中と取り扱う際においてそれを水分にそれほど影響されないようにすることとを組み合わせている。従って、ハロゲン化物は最初の段階で精製され、そして次に第二段階で水と酸素による酸化をずっと受けにくくなるよう溶融される。この第一段階と第二段階は、一つの同じ加熱工程で実行され、このことは、混合物が300℃の温度に達したなら、その温度は所望の希土類ハロゲン化物が溶融されるより先に室温には戻らず、200℃よりも低い温度にさえも戻らない、ということを意味する。本発明によるこのブロックの作製は、不活性の又は中立の雰囲気中で(例えば、窒素又はアルゴン中で)行われるが、この雰囲気は比較的多量の水及び酸素を含むこともでき、すなわち気体雰囲気中の水と酸素の合計量が200重量ppm未満であるようなものでもよい。一般に、本発明によるブロックの製造の際には、不活性雰囲気の水含有量は10〜180重量ppmの範囲にあり、雰囲気の酸素含有量は0.5〜2重量ppmの範囲にある。
ブロックは、粉末に比べて比表面積が小さいので、空気から吸収する不純物(水分と酸素)が少なく、従って非常に高い純度状態を保ちながら貯蔵し取り扱うことができる。これらの条件下で、このブロックを用いて非常に純粋で且つ高品質である希土類ハロゲン化物の結晶(一般に単結晶)を作製することができる。
【0014】
本発明はまた、本発明によるブロックを炭素に富むるつぼで作製する方法にも関する。例えばP. Egger et al., J. Crystal Growth 200 (1999) 515−520の論文のような、従来技術によれば、ガラス状炭素のるつぼでBa21-xErxCl7(0<x<1)を成長させると、るつぼによる結晶の汚染が生じるのに対し、本発明の対象である組成物は、本発明によるブロックを製造するために、ガラス状炭素のように炭素に富むるつぼで有利に溶融させられることが分かる。
【0015】
本発明が関係する希土類Lnは元素の周期表の第三列(新しい表記による)にあるものであり、Sc、Y、La、及びCeからLuまでのランタノイドを含む。更に詳しくは、Y、La、Gd及びLuのハロゲン化物に関わっており、それらは特にCe又はPrをドープされてもよい。
【0016】
本発明によるブロック形態での製造に特に関わる希土類ハロゲン化物は、一般式AeLnf(3f+e)で表すことができ、この式のLnは一つ以上の希土類を表し、XはCl、Br又はIから選ばれる一つ以上のハロゲン原子を表し、AはK、Li、Na、Rb又はCsなどの一つ以上のアルカリ金属を表し、eとfは、
・eは3f以下であり、ゼロであってもよい、
・fは1以上である、
というような値を表す。
【0017】
本発明による方法は、Xの原子番号が小さいほど効果的である。このように、本発明による方法が最終のブロックにおけるオキシハロゲン化物含有量を減少させる効果は、Xの性質に依存して、I<Br<Clの順序で増大する。本発明による方法は、Lnのイオン半径が大きいほど効果的である。このように、本発明による方法が最終のブロックにおけるオキシハロゲン化物含有量を減少させる効果は、Lnの性質に依存して、Sc<Lu<Y<Gd<Pr<Ce<Laの順序で増大する。
【0018】
更に特に関連する希土類ハロゲン化物は、とりわけ次のものである。
・ALn27、ここで、Lnは一つ以上の希土類を表し、XはCl、Br又はIから選ばれる一つ以上のハロゲン原子を表し、AはRb及びCsなどのアルカリ金属を表す。
・LaCl3、これは特に0.1〜50重量%のCeCl3をドープされてもよい。
・LnBr3、これは特に0.1〜50重量%のCeBr3をドープされてもよい。
・LaBr3、これは特に0.1〜50重量%のCeBr3をドープされてもよい。
・GdBr3、これは特に0.1〜50重量%のCeBr3をドープされてもよい。
・LaxLn(1-x)3、これは特に0.1〜50%のCeX3をドープされてもよく、xは0から1までの範囲にあることが可能であり、LnはLaと異なる希土類であり、Xは上記のようなハロゲンである。
・LaxGd(1-x)Br3、これは特に0.1〜50%のCeBr3をドープされてもよく、xは0から1までの範囲にあることが可能である。
・LaxLu(1-x)Br3、これは特に0.1〜50%のCeBr3をドープされてもよく、xは0から1までの範囲にあることが可能である。
・Ln’xLn”(1-x)X’3(1-y)X”3y、ここでは、Ln’とLn”はLnタイプの二つの異なる希土類であり、X’とX”はXタイプの二つの異なるハロゲン、特にClとBrであり、xは0から1までの範囲、yは0から1までの範囲にあることが可能である。
・RbGd2Br7、これは特に0.1〜50重量%のCeBr3をドープされてもよい。
・RbLn2Cl7、これは特に0.1〜50重量%のCeCl3をドープされてもよい。
・RbLn2Br7、これは特に0.1〜50重量%のCeBr3をドープされてもよい。
・CsLn2Cl7、これは特に0.1〜50重量%のCeCl3をドープされてもよい。
・CsLn2Br7、これは特に0.1〜50重量%のCeBr3をドープされてもよい。
・K2LaCl5、これは特に0.1〜50重量で%のCeCl3をドープされてもよい。
・K2LaI5、これは特に0.1〜50重量%のCeI3をドープされてもよい。
【0019】
「ドーパント」あるいは「ドープされた(又はドープした)」という用語は、過半量の一つ以上の希土類を置換して半分以下の量で存在する希土類を指し、半分以下の量及び過半量の希土類はどちらも記号Lnで表される。
【0020】
このように、本発明は特に、LnがLa又はCeであり、XがCl又はBrであるブロックをもたらすことができる。
【0021】
本発明は特に、ブロックを作製する方法であって、一方で少なくとも一つのLn−X結合を有する少なくとも1種の化合物と、他方でNH4Xの、混合物を加熱する工程であって、前記化合物及びNH4Xは場合により、少なくとも部分的に、錯体内で結合され、結果として式AeLnf(3f+e)の希土類ハロゲン化物を含む溶融物を生じさせる工程を含み、この加熱工程に続いて溶融物が得られた後の冷却工程があり、そして前記加熱工程は、300℃に達した後は、前記溶融物が得られるより先に200℃よりも低い温度には決して戻らないことを特徴とする方法に関する。
【0022】
少なくとも一つのLn−X結合を有する化合物は、式ArLnsur+3s-2uの化合物であることができ、この式のA、X及びLnは上述の意味を有し、r、s及びuは、以下の条件、すなわち、
rは0から2sまでの範囲にあり、
sは1以上であり、
uは0からsまでの範囲にあり、
という条件を、累加的に満たす整数又は非整数の値を表し、この化合物は水又はNH4Xと錯体を形成してもよく形成しなくてもよい。
【0023】
少なくとも一つのLn−X結合を有する化合物において、Lnは酸化状態が3であり、そしてAが存在する場合、これは酸化状態が1である。特に、rはゼロであってもよい。特に、uはゼロであってもよい。
【0024】
好ましくは、少なくとも一つのLn−X結合を有する化合物において、Lnに結合した酸素の量は、溶解法によって得られるオキシハロゲン化物の量が100重量ppm未満であるようなものである。
【0025】
少なくとも一つのLn−X結合を有する化合物は、希土類ハロゲン化物又は水和した希土類ハロゲン化物でよい。例えば、それは式LnX3又はLnX3・(H2O)nでnが1から10までの範囲にあるもの、あるいはこれらの式の化合物のいくつかのものの混合物であることができる。
【0026】
少なくとも一つのLn−X結合を有する化合物は、希土類オキシハロゲン化物であってもよい。それは式LnXOのもの、又はこの式の化合物のいくつかのものの混合物であってもよい。出発混合物にLnXOが存在するのを避けることが好ましい。従って、好ましくは、出発混合物は100重量ppm未満のLnXOを含有する。一般に、これは、小さな比率のオキシハロゲン化物と水を含有する粉末の形の希土類ハロゲン化物である。混合物はまた、希土類オキシハロゲン化物/NH4X錯体を含んでもよい。
【0027】
混合物はまた、遊離した形か又は錯体化した形で、例えば希土類ハロゲン化物と錯体化した、水を含んでいてもよい。驚くべきことに、混合物が十分な量のNH4Xを含む限り、水の量は非常に多くてもよく、このことから本発明による最終の多結晶性ブロックでオキシハロゲン化物含有量が多くなることはない。
【0028】
混合物は、例えば20重量%まで、又はそれ以上の水を含んでもよい。それはまた、例えば16重量%未満の、又は5重量%未満の水しか含まなくてもよい。
【0029】
一方で少なくとも一つのLn−X結合を有する少なくとも1種の化合物と、他方でNH4Xの、混合物であり、これら二つの化合物が、しかるべき場合には少なくとも部分的に錯体化された形をしている混合物は、最終的なブロックが0.2重量%未満の希土類オキシハロゲン化物を含み、又は0.1重量%未満の希土類オキシハロゲン化物、又は0.05重量%未満の希土類オキシハロゲン化物、又は0.02重量%未満の希土類オキシハロゲン化物を含むのに十分なNH4Xを含有する。
【0030】
好ましくは、化合物中のLn原子はX原子、又は酸素原子、又はA原子とだけ結合している。これは特に式LnX3・(NH4X)xの錯体にあてはまり、ここでのLn原子はX原子とだけ結合している。ここでは、NH4Xに属するどの原子もLn原子と結合していないと考えられる。
【0031】
好ましくは、少なくとも、以下の二つの量、すなわち、
A)酸素と結合していないLnのモル数の1倍、好ましくは3倍に等しいNH4Xのモル数、
B)Lnに結合した酸素原子のモル数の3倍、好ましく5倍に等しいNH4Xのモル数、
の和である量のNH4Xを、混合物に導入することが好ましい。
【0032】
特に、少なくとも、以下の二つの量、すなわち、
A)酸素と結合していないLnのモル数の3倍に等しいNH4Xのモル数、
B)Lnに結合した酸素原子のモル数の5倍に等しいNH4Xのモル数、
の和である量のNH4Xを、混合物に導入することが可能である。
【0033】
NH4XをA)を計算するために数える場合、B)を計算するためには同じNH4Xを数えなくてはならず、逆の場合も同じであることは、はっきりと理解される。混合物がLnに結合した酸素を含まないならば、B)の場合のNH4Xの量自体はゼロである。
【0034】
本発明の目的上は、Lnに結合した酸素原子のモル数は、以下で説明する溶解法によって得られる式LnOXのオキシハロゲン化物のモル数と同一であると考えられる。従って、溶解法によって得られたオキシハロゲン化物の質量から、このオキシハロゲン化物は式LnOXを有すると仮定することによってLnに結合した酸素原子のモル数を計算するのは容易である。A(一般にはRb又はCs)が存在する場合、この原子は酸素と結合する傾向が非常に小さいので、その存在はNH4Xの量の計算に関与しない。
【0035】
この量を計算するためには、混合物に存在する全てのNH4X分子を、このNH4Xが例えば希土類ハロゲン化物と錯体化されていてもいなくても、考慮に入れる必要があることは明らかに理解されよう。
【0036】
混合物は、少なくとも一つのLn−X結合を有する化合物とNH4Xの錯体を含むことができる。この錯体は、例えば、次の原理による湿式化学反応によって作製することができる。その原理とは、以下のとおりである。すなわち、希土類の塩、例えば希土類酸化物又は水和した希土類ハロゲン化物を、最初に対応する水素酸(すなわち、塩化物を得たい場合はHCl、臭化物を得たい場合はHBr)に溶解させる。この段階で、Aを含むハロゲン化物が所望される場合は、AX(Aは一般にRb又はCsである)を添加する。好ましくは、溶液が得られるように、ハロゲン化アンモニウム溶液に希土類ハロゲン化物1モルあたり1〜4モルのハロゲン化アンモニウムを加える。最終的に希土類Lnのハロゲン化物に別の希土類Ln’、例えばセリウムをドープした(実際はLn’のハロゲン化物をドープした)ものを得たい場合、必要なことは、水素酸への溶解の際に、所望の比率のLn’を導入することだけである(例えば、最終的に10%のCeX3がドープされた無水LnX3を得ようとする場合、LaX3(H2O)7から得られた溶液に10%のCeX3(H2O)7を導入する)。次に、溶液をオーブンで、又はいずれかの適当な手段により、乾燥させる。式LnX3・(NH4X)x(この式のx=3.5)の、得られた塩は、安定であり、シールされた容器に貯蔵できる。
【0037】
一方で少なくとも一つのLn−X結合を有する少なくとも1種の化合物と、他方でNH4Xの、混合物は、次に熱処理にかけられる。この熱処理のためには、混合物は一般にるつぼに入れられ、そしてそれは白金、グラファイトなどの炭素、又はモリブデン、又はタンタル、又は窒化ホウ素、又はシリカで製作することができる。るつぼはまた、熱分解炭素をコーティングしたグラファイトで製作しても、又は炭化ケイ素をコーティングしたグラファイトで製作しても、又は窒化ホウ素をコーティングしたグラファイトで製作してもよい。好ましくは、溶融のためには、ブロックを型から取り出して冷たくするのを可能にするるつぼが用いられる。本発明によるブロックを製造するには、少なくとも20重量%の炭素を含む材料で作られたるつぼを用いることが好ましい。そのような材料は、例えば、炭素又はグラファイト、又は不定形炭素(又はガラス質炭素)、又は熱分解炭素(同様にガラス質炭素)をコーティングしたグラファイト、又は炭化ケイ素をコーティングしたグラファイト、又は窒化ホウ素(場合により熱分解性)をコーティングしたグラファイトでよい。従って、るつぼは、熱分解炭素の層でコーティングすることができる。材料は、一方でグラファイトの基材と、そして他方でコーティングを含むことができ、このコーティングは熱分解炭素、又は炭化ケイ素、又は窒化ケイ素(場合により熱分解性)から作ることが可能である。コーティングは、特にグラファイトの細孔を塞ぐのに役立つ。
【0038】
次に、るつぼをシールされた炉に入れ、その雰囲気を不活性にするためにそれをパージし、例えば低真空下でパージし、そして次に乾燥窒素の流れでフラッシュする。次いで、炉の温度を徐々に少なくとも400℃まで上げる。錯体からの水が除去され、次にNH4Xが昇華して、炉の冷たい下流部分に析出する。混合物を周囲空気から保護すること、そして特に300℃より高い、好ましくは200℃より高い、完全に不活性の雰囲気中に置くことが重要である。このような理由から、装置への空気取り込み口はNH4Xが析出する箇所を過ぎたところに配置して、精製中の混合物に空気が戻ってくることができないようにしている。
【0039】
一般にNH4Xは混合物中に過剰に存在していることから、プログラムされた温度が着実に上昇するとしても、混合物の実際の温度は一般にNH4Xが除去される温度に対応して温度の保持期間を示す。NH4Xの場合、この温度保持期間は300℃と400℃の間にある。これは、NH4Xが最初に遊離した形である場合だけでなく、錯体化されている場合にもあてはまる。加熱される物質は、この温度保持期間の後ではずっと少しのNH4Xを含有しているので、混合物は気体環境中に存在する不純物(水と酸素の存在)によって容易に酸化され、温度が高いほどそうなると予想することができよう(この段階で、加熱される物質の温度は一般に300℃を超える)。出願人は、これがそうではなく、希土類ハロゲン化物の酸化を制御することが可能であることを発見した。
【0040】
NH4Xが放出される温度保持期間の後に、温度は、所望の希土類ハロゲン化物を溶融させるに十分な温度(例えば、LaCl3の場合880℃)まで急速に上昇させなければならない。一般に300℃と400℃の間の、NH4Xが放出される温度保持期間の後には、出発物質に比べて既に転化されている(NH4Xが失われているので)混合物を、50℃/hを超える速度で、更に100℃/hを超える速度でも、更に150℃/hを超える速度でも、更に200℃/hを超える速度でさえも、加熱することができる。一般には、装置の材料を耐熱衝撃性に応じて保護することが通常必要であることから、加熱速度は600℃/h未満である。加熱された物質が溶融したなら、少なくとも1時間、一般には1時間と6時間の間、温度を融点よりも高い温度に維持することが好ましい。
【0041】
混合物の加熱に関しては、これがいったん300℃を超える温度になったなら、所望の希土類ハロゲン化物が融点に到達するより以前には、その温度を室温まで、更には200℃よりも低い温度までさえも、戻さない。溶融したハロゲン化物を含む溶融物が得られる以前には、一瞬の間でも温度を低下させることなく、単一の加熱工程で溶融するまで、混合物を加熱することが好ましい。全加熱工程(室温から溶融に至るまで)は一般に10時間未満、又は6時間未満、又は4時間未満行うことができる。
【0042】
その後、溶融物は急速に冷却させることができる。こうして無水希土類ハロゲン化物のブロックが回収され、これは0.1重量%未満の水、そして0.2重量%未満の希土類オキシハロゲン化物、又は0.1重量%未満の希土類オキシハロゲン化物、又は0.05重量%未満の希土類オキシハロゲン化物、又は0.02重量%未満の希土類オキシハロゲン化物を含む。このブロックは取り扱いと貯蔵が容易である。一般に、ユニットあたり少なくとも1gのブロック、又は実際にユニットあたり少なくとも10g、又は実際にユニットあたり少なくとも50g、又は実際にユニットあたり少なくとも500gのブロックを、製造することができる。これらのブロックは一般に、かさ密度が理論密度の少なくとも75%、又は実際に少なくとも80%、又は実際に少なくとも85%であり、理論密度とは多孔性が少しもない同じ物質に対応するそれであると理解される。本発明によるブロックは、多結晶性であり、多数の粒子を含み、その各々が小さな単結晶である。一般に一つのブロックは少なくとも100個の粒子を、また少なくとも1000個の粒子さえも含む。ブロックのどの粒子もブロックの全質量の10%を超えることはない。
【0043】
炉の冷たい下流部分で凝縮したハロゲン化アンモニウムは、例えば本発明による方法において、少なくとも部分的に再利用することができる。
【0044】
希土類ハロゲン化物中のオキシハロゲン化物の含有量を測定するためには、オキシハロゲン化物は水に不溶性であるのに対しハロゲン化物は可溶性であるので、水(例えば室温の)を用いてそれらを分離するだけでよい。オキシハロゲン化物は、ろ過によって、例えばポリプロピレン(PP)フィルターで濾過して回収し、その後120℃で乾燥させることができる。ハロゲン化物がA(一般にRb又はCs)を含んでいる場合、Aはオキシハロゲン化物を形成しないので、この方法はAXの溶解を招く。「溶解方法」又は「不溶物の方法」と呼ばれるこの方法は、ハロゲン化物中にAが存在してさえも、式LnXOのオキシハロゲン化物の含有量を決定する結果に至る。
【0045】
本発明によるブロックは、既知の技術、例えばブリッジマン成長、Kyropoulos成長、チョクラルスキー成長、又は勾配凝固法を利用する成長などを使用して結晶(一般に単結晶)を成長させるための原料として用いることができる。これらの単結晶は非常に純粋であり、シンチレーション材料として利用できる。この結晶の製造は、不活性雰囲気(例えば、窒素又はアルゴン)中で行われるが、この雰囲気は比較的大量の水と酸素を、すなわち気体雰囲気中の水と酸素の質量の合計が200重量ppm未満であるといったように、含んでいることがある。一般に、結晶(一般に単結晶)を成長させる間は、不活性雰囲気の水分含有量は10から180重量ppmまでの範囲にあり、雰囲気の酸素含有量は0.5から2重量ppmまでの範囲にある。
【0046】
原料として用いられるブロックの表面積は小さく、そしてまたこの表面積は温度が融点まで上昇する際に増加するので、最終的な単結晶は非常に純粋で且つ並外れたシンチレーション効率を有する。従って、本発明はまた、式AeLnf(3f+e)(この式の記号の意味は上記の通り)の単結晶に関し、この単結晶は0.2重量%未満、更に0.1重量%未満、又は実際に0.05重量%未満、又は実際に0.02重量%未満の希土類オキシハロゲン化物を含む。これは特に、LnがLa、Gd、Y、Lu及びCeから選ばれ、そしてXがCl及びBrから選ばれる場合にあてはまる。より詳しく言えば、下記の単結晶を挙げることができる。
・一般組成式Ln1-xCexBr3のもので、LnがLa、Gd、Y及びLuの群のランタノイド又はランタノイドの混合物から選ばれ、特にLa及びGdの群のランタノイド又はランタノイドの混合物から選ばれ、xはLnをセリウムで置換したモル置換度であり、xが0.01モル%以上で且つ厳密に100モル%未満であるもの。
・一般組成式Ln1-xCexCl3のもので、LnがY、La、Gd及びLuの群のランタノイド又はランタノイドの混合物から選ばれ、特にLa、Gd及びLuの群の元素又は元素の混合物から選ばれ、xはLnをセリウムで置換したモル置換度であり、xが1モル%以上で且つ厳密に100モル%未満であるもの。
【0047】
上述の成長方法は大きな単結晶、すなわち大きさが少なくとも1cm3のもの、又は実際に少なくとも10cm3、更に少なくとも200cm3のものさえ、もたらすことができ。この単結晶は、所望の用途に適当な大きさにその後切断することができる。
【0048】
本発明による単結晶は、純度が高いので、発光効率が特に高い。この発光効率を測定する一つの方法は、それを600重量ppmのヨウ化TlをドープしたNaI結晶のものと比較して測定することであり、この結晶の622keVでのエネルギー分解能は6.8%、集積時間は1μsであり、放射性源は622keVの137Csである。結晶(NaI又は希土類ハロゲン化物)と光電子増倍管との結合は、320nmに至るまで透明であるシリコーングリースによって行われる。もちろん、光電子増倍管に向けられたNaIの出口面は研磨される。これらの測定条件下で、本発明は、いずれの場合にも本発明によらない結晶で得られる発光効率より高い、Tl−NaI結晶の発光効率の少なくとも90%の発光効率を得るのを可能にする。
【0049】
この結晶又は単結晶は特に、白金又はグラファイト、あるいは熱分解炭素でコーティングされたグラファイトで製作されたるるつぼでもって作ることができる。
【実施例】
【0050】
以下の例では、エネルギー分解能を次のようにして測定した。すなわち、10×10×5mmの試験片を単結晶から切り出す。大きな10×10mmの面の一つ以外の試験片の全ての面を切断したままにし、光電子増倍管(PMT)と結合する面を研磨する。PMTに結合する面を除き、結晶を何層かのPTFE(テフロン(登録商標))テープで包む。結晶は、露点が−40℃よりも低いグローブボックスで作製する。
【0051】
(例1)−無水LaCl3
433gのLa2CO3を、2450mlの水で希釈された1380mlの37%HClに溶解させた。497gのNH4Clを加えた。次に、100℃に加熱して水と過剰なHClを蒸発させてLaCl3・(NH4Cl)3.5錯体を得た。これは、カール・フィッシャー測定を使用して、0.7重量%の水を含んでいた。このLaCl3・(NH4Cl)3.5錯体は、La−Cl結合を含んでいるので、実際に少なくとも一つのLn−X結合を有する化合物であった。それはまた、それ自身本発明の意味における混合物であって、一方においてLn−X結合を有する化合物を含み、他方においてNH4X(この場合NH4Cl)を含む混合物であった。更に、この混合物中において、NH4Xの量は、NH4Xのモル数の酸素に結合していないLnのモル数に対する比が3.5であるようなものであって、これは本発明による好ましい比に対応する。更に、Lnに結合した酸素の場合に導入されるNH4Xを我々の計算に含めることは、出発混合物がこのタイプの結合を含んでいないので必要がなかった。
【0052】
室温から950℃まで200℃/hの速度で加熱して、熱分解炭素でコーティングされたグラファイト製のるつぼ中でNH4Clの昇華と一緒に200gの錯体を分解し、溶融させた。このるつぼ自体は、窒素が流れるシールされたシリカチューブに入れた。この窒素雰囲気には、約50重量ppmの水、及び1重量ppmと2重量ppmの間の酸素が含まれていた。最終ブロックにおけるオキシハロゲン化物含有量は、溶解法によって測定して、0.01重量%であった。水の含有量は0.1重量%(用いた方法の検出限界)未満であった。得られたブロックの質量は651gであった。
【0053】
(例2(比較例))−無水LaCl3
手順は例1の場合と全く同様であったが、但し、錯体の代わりにオキシ塩化物含有量が0.02%未満である無水LaCl3の粉末を使用し、粒子の大きさはミリメートル未満であり、水の含有量はカール・フィッシャー法で検出できなかった。
最終ブロックのオキシ塩化物含有量は、溶解法で測定して0.23重量%であった。水の含有量は0.1重量%未満であった。
【0054】
(例3)−無水LaBr3:Ce
300gのLa23を、2330mlの水で希釈した630mlの47%HBrに溶解させた。682gのNH4Brを加えた。得られた溶液をPPでろ過した。次に、溶液を10リットルのフラスコ中の回転蒸発器でもって乾燥させた。得られた式LaBr3・(NH4Br)3.5の錯体は、カール・フィッシャー法を使って測定して0.23重量%の水を含んでいた。次に、この錯体の142.6gを取り出して0.5重量%の(NH4Br)3.5CeBr3をドープし、これをグラファイトのるつぼで窒素を流しながら200℃/hで加熱した。温度を4時間30分860℃で保持した。窒素雰囲気には、約50重量ppmの水、及び1重量ppmと2重量ppmの間の酸素が含まれていた。溶融ペレットは76.61gで、わずか0.035%のオキシ臭化物LaOBrを含んでいた(不溶物の方法で測定)。水の含有量も0.1%未満であった。
【0055】
このブロックの静水圧密度(hydrostatic density)は、ヘキサンに浸漬して測定して約4.92g/cm3、すなわち理論密度の87%であり、良好な高密度化を示した。
【0056】
次に、溶融したこのブロックを、ブリッジマン炉内のグラファイトるつぼ中での窒素の流れの下での成長のために使用した。窒素雰囲気には、約50重量ppmの水、及び1重量ppmと2重量ppmの間の酸素が含まれていた。得られた結晶は透明で、白色のオキシ臭化物の混入もなく、気泡もなかった。この結晶のオキシ臭化物の含有量は0.05重量%であった。この結晶の質量の80%より多くがシンチレータとして使用するのに適していた。
【0057】
(例4)−湿潤錯体からの無水LaBr3
カール・フィッシャー法で測定して14.7重量%の水を含むように湿らせたことを除いて、先の例のように作製した錯体LaBr3・(NH4Br)3.5を用いた。この混合物(錯体+水)の124gを取り出し、グラファイトるつぼ中で窒素を流しながら200℃/hで860℃まで加熱した。温度を4時間30分860℃で保持した。窒素雰囲気には、約50重量ppmの水、及び1重量ppmと2重量ppmの間の酸素が含まれていた。溶融ペレットは64.1gで、わずか0.034重量%のオキシ臭化物を含んでいた(不溶物の方法で測定)。水の含有量は0.1重量%未満であった。
【0058】
(例6)−無水GdBr3
271.2gのGd23を、430gの水で希釈した796gの48%HBrに溶解させた。次に661.2gのNH4Brと855gの水を加えた。得られた溶液をPPでろ過した。次に、溶液を10リットルのフラスコ中の回転蒸発器でもって乾燥させた。1164gの錯体(NH4Br)4.5GdBr3が得られた。得られた錯体はカール・フィッシャー法で測定して6.3%の水を含んでいた。次に、この錯体の254.7gを取り出して、グラファイトのるつぼ中にて窒素を流しながら200℃/hで加熱した。温度を1時間30分815℃で保持した。窒素雰囲気には、約50重量ppmの水、及び1重量ppmと2重量ppmの間の酸素が含まれていた。焼結されたが未溶融のペレットは104.9gであった。従って、周囲条件に戻されたのは微粉の固体であった。上記焼結されたペレットの92.7gを炉に再び入れて、これをグラファイトるつぼ中にて窒素を流しながら200℃/hで加熱した。温度を1時間30分840℃で保持した。窒素雰囲気には、約50重量ppmの水、及び1重量ppmと2重量ppmの酸素が含まれていた。溶融したペレットは92.7gであり、0.65重量%のGdOBr(不溶物の方法で測定)を含んでいて、それによりブロックを溶融の前に室温に戻すことをしてはならないことが実証された。
【0059】
(例7)−無水GdBr3
先の例によって作製された錯体(NH4Br)4.5GdBr3をこのテストのために使用した。得られた錯体は、カール・フィッシャー法で測定して6.3重量%の水を含んでいた。次に、この錯体の245.7gを取り出して、グラファイトるつぼ中にて窒素を流しながら200℃/hで840℃まで加熱した。温度を1時間30分840℃で保持した。窒素雰囲気には、約50重量ppmの水、及び1重量ppmと2重量ppmの間の酸素が含まれていた。溶融したペレットは105.3gであり、わずか0.038重量%のオキシ臭化物GdOBrを含んでいた(不溶物の方法で測定)。この結果は、ガドリニウムが重い(いわゆるイットリウム型)希土類であり、その臭化物は非常に水和に敏感であることによる更なる例である。
【0060】
(例8(比較例))−LaCl3粉末からの単結晶
例2で用いたものと同じバッチの無水LaCl3粉末を、グラファイトるつぼ中にて窒素を流しながらのブリッジマン炉での成長のために使用した。窒素雰囲気には、約50重量ppmの水、及び1重量ppmと2重量ppmの間の酸素が含まれていた。得られた結晶には、多数の白色のオキシ塩化物の混入があり、また気泡が引っ張り軸に沿ってフィラメントの形になって認められた。この結晶のオキシ塩化物含有量は0.25重量%であった。この結晶の質量の約90%はシンチレータとして使用するのに不適当であった。
【0061】
(例9)−無水RbGd2Cl7
138.2gのRb2CO3を、165gの水で希釈した242gの37%HClに溶解させた。得られた溶液をPPでろ過した。次に、433.8gのGd23を、482gの水で希釈した750gの37%HClに溶解させた。完全に溶解後、上記のろ過したルビジウム溶液を加えた。最後に、576.2gのNH4Clと881gの水を加えた。得られた溶液をPPでろ過した。pHは−0.32であり、溶液の密度は1.24であった。次に、溶液を10リットルのフラスコ中の回転蒸発器でもって乾燥させた。その結果1227gの(NH4Cl)9RbGd2Cl7が得られた。次に、この錯体の142.6gを取り出し、グラファイトのるつぼ中にて窒素を流しながら200℃/hで660℃まで加熱した。温度を4時間30分660℃で保持した。窒素雰囲気には、約50重量ppmの水、及び1重量ppmと2重量ppmの間の酸素が含まれていた。溶融したペレットには、わずか0.05重量%未満のGdOClが含まれていた(不溶物の方法で測定)。
【0062】
(例10)−LaOBrからの合成
次の混合物、すなわち、0.5874gのLaOBr、1.3585gのNH4Br(すなわち5.5モル)、及び10.0678gの(NH4Br)3.5LaBr3錯体、の混合物を、ガラス状炭素のるつぼ中で作った。この混合物を200℃/hの速度で830℃まで加熱して、この温度で2時間保持した。窒素雰囲気には、約50重量ppmの水、及び1重量ppmと2重量ppmの間の酸素が含まれていた。最終ブロックにおける不溶物の含有量は0.19重量%であった。
【0063】
(例11)−LaCl3単結晶
CeCl3を10重量%含むLaCl3の1kgのブロックを使用し、これは本発明に従って製造されて、LaOCl含有量が0.05重量%未満であった。このブロックを、グラファイトるつぼ中でのブリッジマンタイプの成長のために使用した。窒素雰囲気には、約50重量ppmの水、及び1重量ppmと2重量ppmの間の酸素が含まれていた。得られた結晶は非常に透明であった。不溶物の方法で測定したそのオキシ塩化物含有量は0.05%未満であった。次に、10×10×5mmの寸法の試験片をこの結晶から切り出し、そしてその発光効率を以下のプロトコル、すなわち、
光電子増倍管: Hamamatsu R−1306
基準: NaI結晶、直径50mm、長さ50mm
集積時間: 1μs
放射線源: 137Cs、622keV
を使ってNaI:Tl(NaIに600重量ppmのTlヨウ化物をドープしたもの)の試験片と比較した。
【0064】
LaCl3結晶からの光の放射はNaI基準結晶のそれの93%であった。そのエネルギー分解能は3.6%であった。発光の減衰時間の主成分は27ナノ秒であった。
【0065】
(例12(比較例))−LaCl3単結晶
1kgの市販のLaCl3とCeCl3の粉末(例2のLaOX及び水含有量)を使用した。CeCl3の質量は、これら二つの粉末の混合物の質量の10%に相当した。それらをグラファイトるつぼで溶融させて、Kyropoulos(KC 01)タイプの成長を行わせた。窒素雰囲気には、約50重量ppmの水、及び1重量ppmと2重量ppmの間の酸素が含まれていた。得られた結晶はわずかに乳白色であった。その不溶物の含有量は0.1重量%であった。次に、この結晶から10×10×5mmの試験片を切り出し、その発光効率を先の例と同じプロトコルを使ってNaI:Tlと比較した。LaCl3結晶からの光の放射はNaI基準結晶のそれの83%であった。そのエネルギー分解能は3.9%であった。
【0066】
(例13(比較例))−LaCl3単結晶
刊行物IEEE Transactions on Nuclear Science: “Scintillation properties of LaCl3 crystals: Fast, efficient and High Energy resolution scintillators”の教示に従って、シリカるつぼ中でのブリッジマンタイプの成長により、結晶を製造した。CeCl3の質量は、結晶成長の前の混合物の質量の10%に相当した。次に、この結晶から10×10×5mmの試験片を切り出して、その発光効率を先の二つの例と同じプロトコルを使ってNaI:Tlと比較した。LaCl3結晶からの光の放射はNaI基準結晶のそれの87%であった。そのエネルギー分解能は4.2%であった。
【0067】
(例14)−LaBr3単結晶
0.5重量%のCeBr3をドープされたLaBr3の1kgのブロックを3つ使用した。各ブロックは、本発明に従って、LaOBr含有量が0.05重量%未満になるように製造された。その後、このブロックを、グラファイトるつぼ中でのチョクラルスキータイプの成長用に使用した。窒素雰囲気には、約50重量ppmの水、及び1重量ppmと2重量ppmの間の酸素が含まれていた。得られた結晶は非常に透明であった。このブロックのオキシ塩化物の含有量は不溶物の方法で測定することができなかった。次に、この結晶から10×10×5mmの試験片を切り出して、その発光効率を以下のプロトコル、すなわち、
・光電子増倍管: Hamamatsu R−1306
・基準: NaI:Tl結晶(NaIに600重量ppmのTlヨウ化物をドープしたもの)、直径50mm、長さ50mm
・この基準結晶のエネルギー分解能は137Cs線で6.8%であった。
・測定した結晶はテフロン(登録商標)でくるみ、シリコーンオイル(EDM フルード200)を使って光電子増倍管(PMT)に結合された。
・集積時間: 1μs
・放射線源: 137Cs、622keV
に従ってNaI:Tl試験片と比較した。
【0068】
LaBr3結晶からの光の放射はNaI基準結晶のそれの147%であった。そのエネルギー分解能は4.2%であった。発光の減衰時間の主成分は39ナノ秒であった。
【0069】
(例15(比較例))−LaBr3単結晶
刊行物“Applied Physics Letters of 03 September 2001 (Vol. 79, No. 10)”の教示に従ってシリカるつぼ中でのブリッジマンタイプの成長で得られた結晶を、先の試験と比較した。この結晶も0.5重量%のCeBr3を含んでいた。次に、この結晶から10×10×5mmの試験片を切り出して、その発光効率を先の例と同じプロトコルを使用してNaI:Tl試験片と比較した。この結晶はわずかに乳白色であった。
【0070】
このLaBr3結晶からの光の放射はNaI基準結晶のそれの102%であった。発光の減衰時間の主成分は38ナノ秒であった。
【0071】
(例16)−LaCl3単結晶
5重量%のCeCl3をドープされたLaCl3の1kgのブロックを3つ使用した。各ブロックは、本発明に従って、LaOCL含有量が0.05重量%未満になるように製造された。その後、このブロックを、グラファイトるつぼ中でのブリッジマンタイプの成長用に使用した。窒素雰囲気には、約50重量ppmの水、及び1重量ppmと2重量ppmの間の酸素が含まれていた。得られた結晶は非常に透明であった。このブロックのオキシ塩化物の含有量は不溶物の方法で測定することができなかった。それは0.05重量%未満であった。次に、この結晶から10×10×5mmの試験片を切り出して、その発光効率を以下のプロトコル、すなわち、
・光電子増倍管: Hamamatsu R−1306
・基準: NaI:Tl結晶(NaIに600重量ppmのTlヨウ化物をドープしたもの)、直径50mm、長さ50mm
・この結晶のエネルギー分解能は137Cs線で6.8%であった。
・測定した結晶はテフロン(登録商標)でくるみ、シリコーンオイル(EDM フルード200)を使って光電子増倍管(PMT)に結合された。
・集積時間: 1μs
・放射線源: 137Cs、622keV
に従ってNaI:Tl試験片と比較した。
【0072】
LaCl3結晶からの光の放射はNaI基準結晶のそれの98%であった。そのエネルギー分解能は4.6%であった。発光の減衰時間の主成分は28ナノ秒であった。
【0073】
(例17)−無水LaCl3
この例は、ブロックを白金るつぼで作製したことを除いて、例1と同様であった。最終的なブロックはるつぼにはりついて、熱分解炭素でコーティングしたグラファイトるつぼの場合よりも型から取り出すのがずっと難しかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも10gの式AeLnf(3f+e)のハロゲン化物(この式のLnは一つ以上の希土類を表し、XはCl、Br又はIから選ばれる一つ以上のハロゲン原子を表し、そしてAはK、Li、Na、Rb又はCsなどの一つ以上のアルカリ金属を表し、eはゼロであってもよいが3f以下であり、fは1以上である)の多結晶性ブロックであり、0.1重量%未満の水及び0.2重量%未満の希土類オキシハロゲン化物を含む多結晶性ブロックを作製する方法であって、一方で少なくとも一つのLn−X結合を有する少なくとも1種の化合物と、他方で所望のオキシハロゲン化物含有量を得るために十分な量のNH4Xの、混合物を加熱する工程であって、前記化合物とNH4Xは場合により、少なくとも一部分が錯体中において結合され、当該工程の結果として式AeLnf(3f+e)の希土類ハロゲン化物を含む溶融物を生じさせる工程を含み、この加熱工程の後に、該溶融物が得られた後で冷却する工程が続き、そして前記加熱工程が、300℃に到達した後は、前記溶融物が得られる以前には200℃よりも低い温度に決して戻らないことを特徴とする多結晶性ブロック作製方法。
【請求項2】
少なくとも一つのLn−X結合を有する化合物が式ArLnsur+3s-2uのものであり、この式のA、X及びLnは上記の意味を有し、r、s及びuは、累加的に以下の条件、すなわち、
rは0から2sまでの範囲にあり、
sは1以上であり、
uは0からsまでの範囲にある、
という条件を満たす整数又は非整数の値を表し、該化合物は水又はNH4Xと錯体を形成してもよく形成しなくてもよいことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該化合物のLn原子がX又は酸素又はA原子と結合していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
該加熱する工程が溶融物が得られる以前には温度を下げずに行われることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
該加熱工程が気相中のNH4Xの除去による温度保持(temperature hold)を含むことを特徴とする、請求項1〜4の1項に記載の方法。
【請求項6】
該加熱工程が、前記温度保持後に、50℃/hを超える温度上昇速度で行われることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
該加熱工程が、前記温度保持後に、100℃/hを超える温度上昇速度で行われることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
該加熱工程が、前記温度保持後に、150℃/hを超える温度上昇速度で行われることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
該加熱工程が続く時間が10時間未満であることを特徴とする、請求項1〜8の1項に記載の方法。
【請求項10】
該加熱工程が続く時間が6時間未満であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
該加熱工程が続く時間が4時間未満であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
該加熱工程が不活性気体雰囲気中で行われ、その水と酸素の含有量が、該気体雰囲気中の水と酸素の質量の和が200重量ppm未満であるようなものであることを特徴とする、請求項1〜11の1項に記載の方法。
【請求項13】
該不活性雰囲気の水含有量が10〜180重量ppmの範囲にあり、該雰囲気の酸素含有量が0.5〜2重量ppmの範囲にあることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
NH4Xの量が、少なくとも、次の二つの量、すなわち、
A)酸素と結合していないLnのモル数の1倍に等しいNH4Xのモル数、
B)Lnと結合している酸素原子のモル数の3倍に等しいNH4Xのモル数、
の和であることを特徴とする、請求項1〜13の1項に記載の方法。
【請求項15】
NH4Xの量が、少なくとも、次の二つの量、すなわち、
A)酸素と結合していないLnのモル数の3倍に等しいNH4Xのモル数、
B)Lnと結合している酸素原子のモル数の5倍に等しいNH4Xのモル数、
の和であることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
該加熱工程が少なくとも20重量%の炭素を含む材料製のるつぼで行われることを特徴とする、請求項1〜15の1項に記載の方法。
【請求項17】
該るつぼが炭素又はガラス状炭素又はグラファイト製であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
該るつぼが熱分解炭素の層でコーティングされていることを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
式AeLnf(3f+e)(この式のLnは一つ以上の希土類を表し、XはCl、Br又はIから選ばれる一つ以上のハロゲン原子を表し、そしてAはK、Li、Na、Rb又はCsなどの一つ以上のアルカリ金属を表し、eとfは、
・eはゼロであってもよいが3f以下であり、
・fは1以上である、
ような値を表す)のハロゲン化物であり、0.1重量%未満の水と0.2重量%未満の希土類オキシハロゲン化物を含むハロゲン化物の少なくとも1gの多結晶性ブロック。
【請求項20】
0.1重量%未満の希土類オキシハロゲン化物を含むことを特徴とする、請求項19に記載のブロック。
【請求項21】
0.05重量%未満の希土類オキシハロゲン化物を含むことを特徴とする、請求項20に記載のブロック。
【請求項22】
0.02重量%未満の希土類オキシハロゲン化物を含むことを特徴とする、請求項21に記載のブロック。
【請求項23】
重量が少なくとも10gであることを特徴とする、請求項19〜22の1項に記載のブロック。
【請求項24】
重量が少なくとも50gであることを特徴とする、請求項23に記載のブロック。
【請求項25】
かさ密度が多孔性でない同じ物質に対応する理論密度の少なくとも75%であることを特徴とする、請求項19〜24の1項に記載のブロック。
【請求項26】
LnがLa又はCeであり、XがCl又はBrであることを特徴とする、請求項19〜25の1項に記載のブロック。
【請求項27】
いずれの粒子もブロック全体の質量の10%以下に相当することを特徴とする、請求項19〜26の1項に記載のブロック。
【請求項28】
該ブロックが請求項19〜27に記載のものの一つであることを特徴とする、請求項1〜18の1項に記載の方法。
【請求項29】
請求項1〜18及び28の1項に記載の方法によって得ることができるブロック。
【請求項30】
請求項19〜27及び29の1項に記載の少なくとも一つのブロックの溶融を含む結晶作製方法。
【請求項31】
該結晶が単結晶であることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
請求項19〜27及び29の1項に記載のブロックを溶融することによって得られた単結晶。
【請求項33】
式AeLnf(3f+e)(この式のLnは一つ以上の希土類を表し、XはCl、Br又はIから選ばれる一つ以上のハロゲン原子を表し、そしてAはK、Li、Na、Rb又はCsなどの一つ以上のアルカリ金属を表し、eとfは、
・eはゼロであってもよいが3f以下であり、
・fは1以上である、
ような値を表す)の単結晶であり、0.1重量%未満の希土類オキシハロゲン化物を含む単結晶。
【請求項34】
オキシハロゲン化物含有量が0.05重量%未満であることを特徴とする、請求項33に記載の単結晶。
【請求項35】
オキシハロゲン化物含有量が0.02重量%未満であることを特徴とする、請求項34に記載の単結晶。
【請求項36】
LnがLa、Gd、Y、Lu及びCeから選ばれ、XがCl及びBrから選ばれることを特徴とする、請求項33〜35の1項に記載の単結晶。
【請求項37】
少なくとも10cm3の体積であることを特徴とする、請求項33〜36の1項に記載の単結晶。
【請求項38】
発光効率が、600重量ppmのTlヨウ化物をドープしたNaI結晶のそれの少なくとも90%であり、622keVでのエネルギー分解能が6.8%、集積時間が1μs、放射線源が622keVの137Csであることを特徴とする、請求項33〜37の1項に記載の単結晶。
【請求項39】
エネルギー分解能が5%未満であることを特徴とする、請求項33〜38の1項に記載の単結晶。
【請求項40】
エネルギー分解能が4%未満であることを特徴とする、請求項39に記載の単結晶。
【請求項41】
エネルギー分解能が3.5%未満であることを特徴とする、請求項40に記載の単結晶。
【請求項42】
主成分が減衰する時間が40ナノ秒未満であることを特徴とする、請求項33〜41の1項に記載の単結晶。
【請求項43】
主成分が減衰する時間が30ナノ秒未満であることを特徴とする、請求項42に記載の単結晶。
【請求項44】
主成分が減衰する時間が20ナノ秒未満であることを特徴とする、請求項43に記載の単結晶。

【公表番号】特表2006−508227(P2006−508227A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−556400(P2004−556400)
【出願日】平成15年11月13日(2003.11.13)
【国際出願番号】PCT/FR2003/003356
【国際公開番号】WO2004/050792
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(504455713)
【Fターム(参考)】