説明

形状測定装置

【課題】安価でかつ幅方向に高い分解能を有することができ、高精度に被測定物体の形状を測定可能にする。
【解決手段】被測定物体1の搬送方向に対し垂直な平面内であってその斜め上方または下方に配置されスリット状光を照射するスリット状光光源2a,2bと、被測定物体1を介しスリット状光光源2a,2bと反対側となる被測定物体1の斜め上方または下方であって、被測定物体1の表面1aまたは裏面1b上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけずれた方向から撮像する撮像部3a,3bと、撮像部3a,3bが撮像した被測定物体表面1aおよび裏面1bの撮像画像の座標を、撮像部3a,3bがスリット状光光源2a,2bからの照射線上で撮像したように変換する座標変換部4a,4bと、その座標変換された撮像画像の座標に基づいて、被測定物体1の断面厚み形状を演算する断面厚み形状演算部5とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続鋳造工程で鋳造中の鋳片等の被測定物体の断面厚み形状や、断面幅形状、凹凸形状、長さ形状等の形状を測定する形状測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、連続鋳造工程で鋳造中の鋳片等における被測定物体の断面形状を測定する断面形状測定装置として、例えば、被測定対象物の表面側等の一面側の斜め上方に光源とカメラを設けたもの(例えば、特許文献1,2参照)や、被測定対象物の真上または真下に光源等を設けたもの(例えば、特許文献3,4,5参照)等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−151609号公報
【特許文献2】特開2002−221410号公報
【特許文献3】特開2000−258130号公報
【特許文献4】特開平07−51824号公報
【特許文献5】特開2004−108961号号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1,2記載の従来の形状測定装置では、被測定対象物の表面側にのみ光源とカメラを設けていたため、表面側の形状は測定できるものの、裏面側の形状は測定できず、被測定対象物の厚さ等の形状を簡単かつ高精度に測定できない、という問題があった。
【0005】
また、特許文献3,4記載の従来の形状測定装置では、被測定対象物の真上または真下に光源等を含む距離計を設けているため、異物がその距離計に落下する可能性があり、異物の落下により、測定できない場合がある、という問題がある。
【0006】
また、特許文献5記載の従来の形状測定装置では、被測定対象物を挟むC形フレームの上下の互いに対向する腕部に光源を設けているため、被測定対象物が1000℃を超える鋳片等の場合、その近傍に設置すると、C形フレームが熱により膨張などして、厚さ測定誤差が大きくなると共に、また被測定物体の下部に設置される光源等は、異物が落下する可能性があり、異物の落下により磨耗すると厚み計測誤差となるという問題があった。また、被測定物体に接触ロールが接触するため、被測定物体に疵をつけてしまう恐れがあるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、安価でかつ幅方向に高い分解能を有することができ、高精度に被測定物体の形状を測定することができる厚み形状、長さ形状を測定することができる形状測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の実施形態は、被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め上方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の表面に対しスリット状光を照射する表面側スリット状光光源と、前記被測定物体を介し前記表面側スリットと反対側となる前記被測定物体の斜め上方であって、前記表面側スリットからのスリット状光の照射線上から前記被測定物体の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の表面上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する表面側撮像部と、前記被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め下方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の裏面に対しスリット状光を照射する裏面側スリット状光光源と、前記被測定物体を介し前記裏面側スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め下方であって、前記裏面側スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から前記被測定物体の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の裏面上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する裏面側撮像部と、前記表面側撮像部が撮像した前記被測定物体表面の撮像画像の座標と、前記裏面側撮像部が撮像した前記被測定物体裏面の撮像画像の座標とを、ぞれぞれ、前記表面側撮像部または前記裏面側撮像部が前記表面側スリット状光光源または前記裏面側スリット状光光源からの照射線上で撮像したように変換する座標変換部と、前記座標変換部によって変換された前記被測定物体表面の撮像画像の座標と、前記被測定物体裏面の撮像画像の座標とに基づいて、前記被測定物体の断面厚み形状を演算する断面厚み形状演算部と、を備えることを特徴とする形状測定装置である。
【0009】
また、本発明の他の実施形態は、被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め上方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の表面に対しスリット状光を照射する表面側スリット状光光源と、前記被測定物体を介し前記表面側スリットと反対側となる前記被測定物体の斜め上方であって、前記表面側スリットからのスリット状光の照射線上から搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の表面に照射され反射されたスリット状光を反射する表面側ミラーと、前記被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め下方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の裏面に対しスリット状光を照射する裏面側スリット状光光源と、前記被測定物体を介し前記裏面側スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め下方方であって、前記裏面側スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の裏面に照射され反射されたスリット状光を反射する裏面側ミラーと、前記表面側ミラーによって反射された前記被測定物体の表面からのスリット状光を透過または反射する一方、前記裏面側ミラーによって反射された前記被測定物体の裏面からのスリット状光を反射または透過するハーフミラーと、前記ハーフミラーを透過または反射した前記被測定物体の表面からのスリット状光と、前記ハーフミラーを反射または透過した前記被測定物体の裏面からのスリット状光とを撮像する一の撮像部と、前記一の撮像部が撮像した前記被測定物体表面撮像画像の座標および前記被測定物体裏面撮像画像の座標を、前記一の撮像部が前記表面側スリット状光光源または前記裏面側スリット状光光源からの照射線上で撮像したように変換する座標変換部と、前記座標変換部によって変換された前記被測定物体表面撮像画像の座標と、前記被測定物体裏面撮像画像の座標とに基づいて、前記被測定物体の断面厚み形状を演算する断面厚み形状演算部と、を備えることを特徴とする形状測定装置である。
【0010】
また、本発明の他の実施形態は、被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め上方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の表面に対しスリット状光を照射する表面側スリット状光光源と、前記被測定物体を介し前記表面側スリットと反対側となる前記被測定物体の斜め上方であって、前記表面側スリットからのスリット状光の照射線上から前記被測定物体の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の表面上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する表面側撮像部と、前記被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め下方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の裏面に対しスリット状光を照射する裏面側スリット状光光源と、前記被測定物体を介し前記裏面側スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め下方であって、前記裏面側スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から前記被測定物体の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の裏面上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する裏面側撮像部と、前記表面側スリット状光光源および前記裏面側スリット状光光源双方からの前記スリット状光が照射される範囲で、かつ、前記表面側撮像部および前記裏面側撮像部の撮像範囲に配置されたその厚さが既知の基準板と、前記表面側撮像部が撮像した前記被測定物体表面および前記基準板表面の撮像画像の座標と、前記裏面側撮像部が撮像した前記被測定物体裏面および前記基準板裏面の撮像画像の座標とを、ぞれぞれ、前記表面側撮像部または前記裏面側撮像部が前記表面側スリット状光光源または前記裏面側スリット状光光源からの照射線上で撮像したように変換する座標変換部と、前記座標変換部によって変換された前記基準板表面の撮像画像の座標と、前記基準板裏面の撮像画像の座標とに基づいて前記基準板の厚みを演算すると共に、演算した前記基準板の厚みと前記基準板の既知の厚みとの比率に基づいて補正値を演算する基準値演算部と、前記座標変換部によって変換された前記被測定物体表面の撮像画像の座標と、前記被測定物体裏面の撮像画像の座標とに基づいて、前記被測定物体の断面形状を演算すると共に、演算した前記被測定物体の断面形状を前記補正値によって補正する断面厚み形状演算部と、を備えることを特徴とする形状測定装置である。
【0011】
また、本発明の他の実施形態は、被測定物体と同一平面内であって前記被測定物体に当たらない位置に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の先端部に対しスリット状光を照射する先端部側スリット状光光源と、前記被測定物体を介し前記先端部側スリット状光光源と反対側であって前記被測定物体に当たらない前記被測定物体の斜め上方または斜め下方の位置に配置され、前記被測定物体の先端部に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する先端部側撮像部と、前記被測定物体と同一平面内であって前記被測定物体に当たらない位置であって、前記被測定物体の搬送方向に沿って前記先端部側スリット状光光源より後方の位置に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の後端部に対しスリット状光を照射する後端部側スリット状光光源と、前記被測定物体を介し前記後端部側スリット状光光源と反対側であって、前記被測定物体の搬送方向に沿って前記先端部側撮像部より後方、かつ、前記被測定物体に当たらない前記被測定物体の斜め上方または斜め下方の位置に配置され、前記被測定物体の後端部に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する後端部側撮像部と、前記先端部側撮像部が撮像した前記被測定物体先端部の撮像画像の座標と、前記後端部側撮像部が撮像した前記被測定物体後端部の撮像画像の座標とを、ぞれぞれ、前記先端部側撮像部または前記後端部側撮像部が前記先端部側スリット状光光源または前記後端部側スリット状光光源からの照射線上で撮像したように変換する座標変換部と、前記座標変換部によって変換された前記被測定物体先端部の撮像画像の座標と、前記被測定物体後端部の撮像画像の座標とに基づいて、前記被測定物体先端部および前記被測定物体後端部の形状を演算する先後端部形状演算部と、を備えることを特徴とする形状測定装置である。
【0012】
また、本発明の他の実施形態は、被測定物体の搬送方向に対し所定の間隔を空けて平行に配置され、搬送方向に対し垂直な方向で前記被測定物体上にセンシング信号を出力して、前記被測定物体の有無を検知する一つまたは複数台の被測定物体有無検知部と、前記被測定物体有無検知部が前記被測定物体の無し状態から有り状態を検知した時と、または前記被測定物体の有り状態から無し状態を検知した時とに、パルス信号を発生するパルス信号発生部と、前記被測定物体の上方に配置され、前記パルス信号発生部からのパルス信号に基づいて前記被測定物体の表面を照射する光源と、前記被測定物体の上方であって前記光源に重ならない位置に配置され、前記パルス信号発生部からのパルス信号に基づいて前記光源によって前記被測定物体の表面に照射された照射光を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像した前記被測定物体表面の撮像画像の座標を、前記撮像部が前記光源からの照射線上で撮像したように変換する座標変換部と、前記座標変換部によって座標が変換された前記光源がパルス点灯した時の前記撮像部の撮像結果に基づいて前記被測定物体の搬送方向の端部位置を検出し、前記被測定物体の長さ形状を演算する長さ形状演算部と、を備えることを特徴とする形状測定装置である。
【0013】
また、本発明の他の実施形態は、被測定物体の搬送方向と平行に所定間隔を空けた位置で、前記被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め上方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の表面に対しスリット状光を照射する複数の表面側スリット状光光源と、前記被測定物体を介し前記複数の表面側スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め上方であって、前記複数の表面側スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から前記被測定物体の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の表面上に照射された2つのスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する表面側撮像部と、前記表面側撮像部が撮像した前記被測定物体表面の2つの撮像画像の座標を、ぞれぞれ、前記表面側撮像部が前記2つのスリット状光光源からの照射線上で撮像したように変換する表面側座標変換部と、前記表面側座標変換部によって変換された前記被測定物体表面の2つの撮像画像の座標に基づいて、前記被測定物体表面の凹凸形状を演算する凹凸形状演算部と、を備えることを特徴とする形状測定装置である。
【0014】
また、本発明の他の実施形態は、被測定物体の搬送方向と平行に所定間隔を空けた位置で、前記被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め上方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の表面に対しスリット状光を照射する複数の表面側スリット状光光源と、前記被測定物体を介し前記複数の表面側スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め上方であって、前記複数の表面側スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から前記被測定物体の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の表面上に照射された2つのスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する表面側撮像部と、前記表面側撮像部が撮像した前記被測定物体表面の2つの撮像画像の座標を、ぞれぞれ、前記表面側撮像部が前記2つのスリット状光光源からの照射線上で撮像したように変換する表面側座標変換部と、前記表面側座標変換部によって変換された前記被測定物体表面の2つの撮像画像の座標に基づいて、前記被測定物体表面の凹凸形状を演算する凹凸形状演算部と、前記被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め下方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の裏面に対しスリット状光を照射する裏面側スリット状光光源と、前記被測定物体を介し前記裏面側スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め下方であって、前記裏面側スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から前記被測定物体の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の裏面上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する裏面側撮像部と、前記裏面側撮像部が撮像した前記被測定物体裏面の撮像画像の座標を、前記裏面側撮像部が前記裏面側スリット状光光源からの照射線上で撮像したように変換する裏面側座標変換部と、前記座標変換部によって変換された前記被測定物体表面の撮像画像の座標と、前記被測定物体裏面の撮像画像の座標とに基づいて、前記被測定物体の断面厚み形状を演算する断面厚み形状演算部と、を備えることを特徴とする形状測定装置である。
【0015】
また、本発明の他の実施形態は、被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め上方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の表面および一方の側面に対しスリット状光を照射する表面・一側面照射スリット状光光源と、前記被測定物体を介し前記表面・一側面照射スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め下方であって、前記表面・一側面照射スリット状光光源からのスリット状光の照射線上に配置され、前記表面・一側面照射スリット状光光源とは反対側から前記表面・一側面照射スリット状光光源からのスリット状光と連続するように前記被測定物体の裏面および他方の側面に対しスリット状光を照射する裏面・他側面照射スリット状光光源と、前記被測定物体を介し前記表面・一側面照射スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め上方であって、前記表面・一側面照射スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から前記被測定物体の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の表面および他方の側面上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する表面・他側面撮像部と、前記被測定物体を介し前記裏面・他側面照射スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め下方であって、前記裏面・他側面照射スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から前記被測定物体の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の裏面および一方の側面上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する裏面・一側面撮像部と、前記表面・他側面撮像部が撮像した前記被測定物体表面および他方の側面の撮像画像の座標を前記表面・他側面撮像部が前記表面・一側面照射スリット状光光源からの照射線上で撮像したように変換する表面・他側面座標変換部と、前記裏面・一側面撮像部が撮像した前記被測定物体裏面および一方の側面の撮像画像の座標を、前記裏面・一側面撮像部が前記裏面・他側面照射スリット状光光源からの照射線上で撮像したように変換する裏面・一側面座標変換部と、前記表面・他側面座標変換部によって座標変換された前記被測定物体表面および他方の側面の撮像画像の座標と、前記裏面・一側面座標変換部によって座標変換された前記被測定物体裏面および一方の側面の撮像画像の座標とに基づいて、前記被測定物体の断面厚み形状および断面幅形状を演算する断面厚み・断面幅形状演算部と、を備えることを特徴とする形状測定装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の形状測定装置によれば、距離計を収納するC形フレーム構造体が必要無くなるので、C形フレーム構造体の伸縮膨張やたわみにより測定精度が低下することが無く、設置スペースが狭い環境にも適用が可能である。また、被測定物体の上下に機器を配置する必要が無いので、被測定物体が高温の場合においても、被測定物体の近傍に設置する必要が無く、配置される装置の冷却の問題も無い。また、被測定物体に接触せずに測定ができるので、被測定物体の疵が発生することも無く、設置装置の磨耗が無いため装置維持も簡易である。また、装置を被測定物体の下部に設置しないので、異物が落下して測定できないという問題も解決される。従って、安価で安定測定可能でかつ高精度な形状測定装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る実施の形態1の形状測定装置の構成例を示す構成図である。
【図2】(a)〜(c)は、それぞれ、図1に示す実施の形態1の形状測定装置におけるスリット状光光源と撮像部の配置例等を示す平面図、背面図、正面図である。
【図3】本発明に係る実施の形態1の形状測定装置による撮像結果を示す説明図である。
【図4】本発明に係る実施の形態2の形状測定装置の構成例を示す構成図である。
【図5】(a)〜(c)は、それぞれ、図4に示す実施の形態2の形状測定装置50++Bにおけるスリット状光光源と撮像部の配置例等を示す平面図、背面図、正面図である。
【図6】本発明に係る実施の形態2の形状測定装置による撮像結果を示す説明図である。
【図7】本発明に係る実施の形態3の形状測定装置の構成例を示す構成図である。
【図8】(a)〜(c)は、それぞれ、図7に示す実施の形態3の形状測定装置におけるスリット状光光源と撮像部の配置例等を示す平面図、背面図、正面図である。
【図9】本発明に係る実施の形態3の形状測定装置による撮像結果を示す説明図である。
【図10】本発明に係る実施の形態4の形状測定装置の構成例を示す構成図である。
【図11】本発明に係る実施の形態4の形状測定装置による撮像結果を示す説明図である。
【図12】本発明に係る実施の形態5の形状測定装置の構成例を示す構成図である。
【図13】(a)〜(c)は、それぞれ、図12に示す実施の形態5の形状測定装置の構成例におけるスリット状光光源と撮像部の配置例等を示す平面図、背面図、正面図である。
【図14】本発明に係る実施の形態5の形状測定装置による撮像結果を示す説明図である。
【図15】本発明に係る実施の形態6の形状測定装置の構成例を示す構成図である。
【図16】(a)〜(c)は、それぞれ、図15に示す実施の形態6の形状測定装置におけるスリット状光光源と撮像部の配置例等を示す平面図、背面図、正面図である。
【図17】本発明に係る実施の形態6の形状測定装置による撮像結果を示す説明図である。
【図18】本発明に係る実施の形態7の形状測定装置の構成例を示す構成図である。
【図19】(a)〜(c)は、それぞれ、図18に示す実施の形態7の形状測定装置の他の構成例におけるスリット状光光源と撮像部の配置例等を示す平面図、背面図、正面図である。
【図20】本発明に係る施の形態7の形状測定装置による撮像結果を示す説明図である。
【図21】本発明に係る実施の形態8の形状測定装置の構成例を示す構成図である。
【図22】(a)〜(c)は、それぞれ、図21に示す実施の形態8の形状測定装置におけるスリット状光光源と撮像部の配置例等を示す平面図、背面図、正面図である。
【図23】本発明に係る実施の形態8の形状測定装置による撮像結果を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施の形態1.
次に、本発明に係る実施の形態1を図1、図2(a)〜(c)、図3に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態1の形状測定装置50Aの構成例を示す構成図である。
【0020】
図1において、形状測定装置50Aは、表面側スリット状光光源2aと、表面側撮像部3aと、裏面側スリット状光光源2bと、裏面側撮像部3bと、表面側座標変換部4aと、裏面側座標変換部4bと、断面厚み形状演算部5と、モニタ等の表示部6とを有する。なお、表面側座標変換部4aと裏面側座標変換部4bとを合体させて1台の座標変換部により構成しても良い。
【0021】
ここで、表面側スリット状光光源2aは、被測定物体1の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め上方に配置され、その平面と平行に被測定物体1の表面に対しスリット状の光(以下、スリット状光という)を照射する。
【0022】
表面側撮像部3aは、被測定物体1を介し先端部側スリット状光光源2aと反対側となる被測定物体1の斜め上方であって、先端部側スリット状光光源2aからのスリット状光の照射線上から被測定物体1の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、被測定物体1の表面上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度θa1(図2(c)参照)だけ斜め方向から撮像する。
【0023】
裏面側スリット状光光源2bは、被測定物体1の搬送方向に対し垂直な平面内であって被測定物体1の斜め下方に配置され、その平面と平行に被測定物体1の裏面に対しスリット状光を照射する。
【0024】
裏面側撮像部3bは、被測定物体1を介し裏面側スリット状光光源2bと反対側となる被測定物体1の斜め下方であって、裏面側スリット状光光源2bからのスリット状光の照射線上から被測定物体1の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、被測定物体1の裏面上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度θb1(図2(c)参照)だけ斜め方向から撮像する。
【0025】
表面側座標変換部4aは、表面側撮像部3aが撮像した被測定物体1表面の撮像画像の座標を、表面側撮像部3aが表面側スリット状光光源2aからの照射線上で撮像したように所定の角度θa1(図2(c)参照)だけ座標変換する。
【0026】
裏面側座標変換部4bは、裏面側撮像部3bが撮像した被測定物体1裏面の撮像画像の座標を、裏面側撮像部3bが裏面側スリット状光光源2bからの照射線上で撮像したように所定の角度θb1(図2(c)参照)だけ座標変換する.
断面厚み形状演算部5は,表面側座標変換部4aおよび裏面側座標変換部4bによって変換された被測定物体1表面の撮像画像の座標と、被測定物体1裏面の撮像画像の座標とに基づいて、被測定物体1の断面厚み形状を後述するように演算する。
【0027】
図2(a)〜(c)は、それぞれ、図1に示す実施の形態1の形状測定装置50Aにおける光源や撮像部等の配置例を示す平面図(上方から見た状態)、背面図(搬送方向の後方から見た状態)、正面図(搬送方向と直角方向から見た状態)である。
【0028】
図2(a)において、センターライン7は、被測定物体1の幅方向の中心で搬送方向に仮定した中心線である。また、図2(a)に示すように、スリット状光光源2a,2bと、表面側撮像部3aおよび裏面側撮像部3bとは、センターライン7を含む被測定物体1に垂直な平面を介して反対側に配置される。
【0029】
スリット状光光源2a,2bは、被測定物体の搬送方向に対し平行な直線、例えば、センターライン7と垂直な平面内に配置され、この平面内でスリット状光を被測定物体表面1aの幅方向へ照射する。そして、表面側撮像部3aおよび裏面側撮像部3bは、図2(a),図2(c)から分かるように、この平面から外れた位置に配置される。なお、スリット状光光源2a,2bと表面側撮像部3aおよび裏面側撮像部3bとは、図2(b),図2(c)に示すように、それぞれ、被測定物体1の両側に設けられている。
【0030】
図3は、本発明に係る実施の形態1の形状測定装置50Aにおける座標変換前後の撮像結果の一例を示す説明図である。
【0031】
図3において、3a1は、表面側座標変換部4aによる座標変換前の表面側撮像部3aによる被測定物体表面撮像結果例を示しており、この被測定物体表面表面撮像結果例3a1には、表面側スリット状光光源2aが照射した表面スリット状光画像3a11が含まれている。
【0032】
また、図3において、3b1は、裏面側座標変換部4bによる座標変換前の裏面側撮像部3bによる被測定物体裏面撮像結果例を示しており、この被測定物体裏面撮像結果例3b1には、裏面側スリット状光光源2bが照射した裏面スリット状光画像3b11が含まれている。
【0033】
なお、表面撮像結果例3a1および裏面撮像結果例3b1において、縦方向は、被測定物体1の厚み方向の座標を表し、斜め方向の軸は、被測定物体1の幅方向の座標を表す。
【0034】
また、図3において、4a1は、被測定物体表面撮像結果例3a1を表面側座標変換部4aによって座標変換した画座標変換結果例4a1を示しており、この画座標変換結果例4a1には、座標変換後の表面スリット状光画像4a11が含まれている。
【0035】
また、図3において、4b1は、被測定物体裏面撮像結果例3b1を裏面側座標変換部4bによって座標変換した被測定物体裏面撮像結果例4b1を示しており、この被測定物体裏面撮像結果例4b1には、座標変換後の裏面スリット状光画像4b11が含まれている。
【0036】
なお、画座標変換結果例4a1および被測定物体裏面撮像結果例4b1において、横方向は、被測定物体1の幅方向の座標を表し、縦方向は、被測定物体1の先端部側または裏面側の厚み方向の座標を示している。
【0037】
そのため、断面厚み形状演算部5は、図3に示す画座標変換結果例4a1における座標変換後の表面スリット状光画像4a11の縦方向の表面厚み方向座標と、被測定物体裏面撮像結果例4b1における座標変換後の裏面スリット状光画像4b11の縦方向の裏面厚み方向座標との差分から、被測定対象物1の幅方向の断面厚み形状を演算して、表示部6に表示することができる。
【0038】
以上説明したように、実施の形態1の形状測定装置50Aは、先端部側先端部側スリット状光光源2aおよび裏面側スリット状光光源2bおよび裏面側先端部側スリット状光光源2aおよび裏面側スリット状光光源2bと、表面側撮像部3aおよび裏面側撮像部3bとを、被測定物体1の真上または真下に配置せず、被測定物体1の斜め上方または斜め下方に配置するようにしたので、設置スペースが狭い環境においても適用できる形状測定装置を提供することができると共に、被測定物体1の下部に配置しないことにより、異物落下の影響を受けることなく、高い信頼性の形状測定装置を提供することができる。
【0039】
また、実施の形態1の形状測定装置50Aによれば、先端部側スリット状光光源2aおよび裏面側スリット状光光源2bと、表面側撮像部3aおよび裏面側撮像部3bとを、被測定物体1の真上または真下に配置しないことにより、C形フレームの如き構造物が不要となるので、被測定物体1の温度が高温の場合においても、熱による膨張伸縮の影響を受けることなく、信頼性の高い形状測定装置を提供することができる。
【0040】
また、実施の形態1の形状測定装置50Aによれば、被測定物体1に接触することなく、測定することができるので、被測定物体1に疵をつけることが無く、また、機器が磨耗したり損傷を受けたりすることが無いので、信頼性の高い形状測定装置を提供することができる。
【0041】
また、実施の形態1の形状測定装置50Aによれば、先端部側スリット状光光源2aおよび裏面側スリット状光光源2bと、表面側撮像部3aおよび裏面側撮像部3bとを有するので、被測定物体1の幅方向に高分解能な形状測定装置を提供することができる。
【0042】
実施の形態2.
次に、本発明に係る実施の形態2の形状測定装置50Bを、図4、図5(a)〜(c)、図6に基づいて説明する。
【0043】
図4は、本発明に係る実施の形態2の形状測定装置50Bの構成例を示す構成図である。
【0044】
図4において、実施形態2の形状測定装置50Bは、表面側スリット状光光源2aと、裏面側スリット状光光源2bと、表面側ミラー8aと、裏面側ミラー8bと、1台の撮像部3と、1台の座標変換部4と、断面厚み形状演算部5と、モニタ等の表示部6とを有する。
【0045】
ここで、表面側スリット状光光源2aおよび裏面側スリット状光光源2bは、実施の形態1の形状測定装置50Aと同様に、それぞれ、被測定物体1の搬送方向に対し垂直な平面内であって被測定物体1の斜め上方または斜め下方に配置され、その平面と平行に被測定物体1の表面1aまたは裏面1bに対しスリット状光を照射するものである。
【0046】
表面側ミラー8aは、被測定物体1を介し先端部側スリット状光光源2aと反対側となる被測定物体1の斜め上方であって、先端部側スリット状光光源2aからのスリット状光の照射線上から搬送方向あるいはそれとは反対方向に所定の角度θa2(図5(c)参照)だけずれた位置に配置され、被測定物体1の表面1aに照射され反射されたスリット状光を反射するものである。
【0047】
裏面側ミラー8bは、被測定物体1を介し裏面側スリット状光光源2bと反対側となる被測定物体1の斜め下方方であって、裏面側スリット状光光源2bからのスリット状光の照射線上から搬送方向あるいはそれとは反対方向に所定の角度θb2(図5(c)参照)だけずれた位置に配置され、被測定物体1の裏面1bに照射され反射されたスリット状光を反射するものである。
【0048】
ハーフミラー9は、表面側ミラー8aによって反射された被測定物体1の表面1aからのスリット状光を透過する一方、裏面側ミラー8bによって反射された被測定物体1の裏面1bからのスリット状光を反射するものである。
【0049】
撮像部3は、ハーフミラー9を透過した被測定物体1の表面1aからのスリット状光と、ハーフミラー9を反射した被測定物体1の裏面1bからのスリット状光とを撮像するものである。
【0050】
座標変換部5は、一の撮像部3が撮像した被測定物体表面1aの撮像画像の座標および被測定物体裏面1bの撮像画像の座標を、一の撮像部3が表面側スリット状光光源2aまたは裏面側スリット状光光源2bからの照射線上で撮像したように所定の角度θa2,θb2だけ座標変換するものである。
【0051】
断面厚み形状演算部6は、座標変換部5によって変換された被測定物体表面1aの撮像画像の座標と、被測定物体裏面1bの撮像画像の座標とに基づいて、被測定物体1の断面厚み形状を演算するものである。
【0052】
次に動作を説明する。
【0053】
図4に示す実施の形態2の形状測定装置50Bにおいて、2台の先端部側および裏面側スリット状光光源2a,2bは、実施の形態1の形状測定装置50Aと同様に、被測定物体1の表面1aおよび裏面1bにスリット状光を照射する。
【0054】
被測定物体1の表面1a上に照射されたスリット状光は、表面側ミラー8aにて反射され、ハーフミラー9を透過して、撮像部3の撮像素子上に結像する。また、被測定物体1の裏面上に照射されたスリット状光も、同様に、裏面側ミラー8aにて反射され、ハーフミラー9を反射して、被測定物体1表面のスリット状光と同一の表面側撮像部3aおよび裏面側撮像部3bの撮像素子上に結像する。
【0055】
座標変換部4は、撮像素子上に結像された被測定物体1の表面1a上のスリット状光の像と、被測定物体1bの裏面1b上のスリット状光の像の座標とを、被測定物体1の測定範囲の座標に変換する。
【0056】
断面厚み形状演算部5は、座標変換部4における座標変換結果から被測定物体1の断面形状を演算し、表示部6は、断面厚み形状演算部5からの断面形状演算結果を表示する。
【0057】
図5(a)〜(c)は、それぞれ、図4に示す実施の形態2の形状測定装置50Bにおける光源や撮像部等の配置例を示す平面図(上方から見た状態)、背面図(搬送方向の後方から見た状態)、正面図(搬送方向と直角方向から見た状態)である。
【0058】
図5(a)において、センターライン7は被測定物体1の幅方向の中心で搬送方向に仮定した中心線である。図5(a)に示すように、スリット状光光源2a,2bと、表面側撮像部3aおよび裏面側撮像部3bは、センターライン7を含む被測定物体1に垂直な平面を介して反対側に配置される。また、図5(b),(c)に示すように、表面側ミラー8aは表面側撮像部3aに配置される一方、裏面側ミラー8bは裏面側撮像部3b側に配置され、ハーフミラー9はほぼ被測定物体1と平行に設けられる。
【0059】
先端部側および裏面側のスリット状光光源2a,2bは、被測定物体の搬送方向に対し平行な直線(例えばセンターライン7)と垂直な平面内に配置され、この平面内でスリット状光を被測定物体表面の幅方向へ照射する。そして、表面側撮像部3aおよび裏面側撮像部3bは、図5(a),図5(c)から分かるように、この平面から外れた位置に配置される。
【0060】
図6は、本発明に係る実施の形態2の形状測定装置50Bにおける座標変換前後の撮像結果の一例を示す説明図である。
【0061】
図6において、3abは、実施の形態2の形状測定装置50Bにおける座標変換部4の座標変換前の被測定物体表面裏面撮像結果例を示しており、横方向は、被測定物体1の表面1aの厚み方向の座標を表し、斜め軸方向は、被測定物体1の表面1aの幅方向の座標を表している。そして、この被測定物体表面裏面撮像結果例3abにおいて、3ab1は、座標変換部4による座標変換前の被測定物体1の表面1aのスリット状光画像を示しており、3ab2は、座標変換部4による座標変換前の被測定物体1の裏面1bのスリット状光画像を示している。
【0062】
また、図6において、4abは、図6(a)に示す座標変換後の被測定物体表面裏面撮像結果例を示しており、横方向は、被測定物体1の裏面1bの幅方向を表し、縦方向は、被測定物体1の表面1aの厚み方向を表している。そして、この座標変換後の被測定物体表面裏面撮像結果例4abにおいて、4ab1は、座標変換部4による座標変換後の被測定物体1の表面1aのスリット状光画像を示しており、4ab2は、座標変換部4による座標変換後の被測定物体1の裏面1bのスリット状光画像を示している。
【0063】
そのため、断面厚み形状演算部5は、図6に示す座標変換結果例4abにおける座標変換後の被測定物体1の表面1aの表面スリット状光画像4ab1の表面厚み方向座標と、座標変換後の被測定物体1の裏面1bの表面スリット状光画像4ab2の表面厚み方向座標との差分から、被測定物体1の幅方向の断面厚み形状を演算し、その演算結果等を表示部6に表示することができる。
【0064】
以上説明したように、実施の形態2の形状測定装置50Bは、2台の先端部側スリット状光光源2aおよび裏面側スリット状光光源2bと、表面側ミラー8aと、裏面側ミラー8bと、ハーフミラー9と、1台の表面側撮像部3aおよび裏面側撮像部3bとを有しており、1台の撮像部3に先端部側および裏面側の2つのスリット像を結像するように構成されているので、実施の形態1の形状測定装置50Aと同様に、設置スペースが狭い環境においても適用できる形状測定装置を提供することができると共に、異物落下の影響を受けることなく、高い信頼性の形状測定装置を提供することができ、またC形フレームの如き構造物が必要となり、被測定物体1の温度が高温の場合においても、熱による膨張伸縮の影響を受けることなく、さらに、被測定物体1に疵をつけることが無く、また、機器が磨耗したり損傷を受けたりすることが無いので、信頼性の高い形状測定装置を提供することができる。
【0065】
特に、実施の形態2の形状測定装置50Bによれば、表面側ミラー8aと、裏面側ミラー8bと、ハーフミラー9とを用いることにより、1台の撮像部3および座標変換部4で済ますようにしたので、実施の形態1の形状測定装置50Aの例に比べ、撮像部3および座標変換部4の台数を削減することが可能となり、より安価で調整が容易な形状測定装置を提供することができる。
【0066】
実施の形態3.
次に、本発明に係る実施の形態3の形状測定装置50Cを、図7、図8(a)〜(c)、図9に基づいて説明する。
【0067】
図7は、本発明に係る実施の形態3の形状測定装置50Cの構成例を示す構成図である。
【0068】
図7において、実施の形態3の形状測定装置50Cは、表面側スリット状光光源2aと、表面側撮像部3aと、裏面側スリット状光光源2bと、裏面側撮像部3bと、表面側座標変換部4aと、裏面側座標変換部4bと、断面厚み形状演算部5と、モニタ等の表示部6と、基準板10と、基準値演算部11とを有する。なお、表面側座標変換部4aと裏面側座標変換部4bとを合体させて1台の座標変換部により構成しても良い。つまり、実施の形態3の形状測定装置50Cは、実施の形態1の形状測定装置50Aに対し、基準板10と、基準値演算部11とを追加したものである。そのため、図1に示す実施の形態1の形状測定装置50Aの構成と、同じ構成には、同一符号を付して説明を省略する。なお、このことは、他の実施の形態でも同様である。
【0069】
ここで、基準板10は、表面側スリット状光光源2aおよび裏面側スリット状光光源2b双方からのスリット状光が照射される範囲で、かつ、先端部側撮像部2aおよび裏面側撮像部2bの撮像範囲に配置されるもので、その厚さ等の形状が既知のものである。
【0070】
基準値演算部11は、表面側座標変換部4aによって変換された基準板表面10aの撮像画像の座標と、基準板裏面10bの撮像画像の座標とに基づいて,基準板10の厚みを演算すると共に、演算した基準板10の厚みと、基準板10の既知の厚みとの比率に基づいて補正値を演算するものである。
【0071】
次に動作を説明する。
【0072】
実施の形態3の形状測定装置50Cでは、基準板10は、2台の表面側スリット状光光源2aおよび裏面側スリット状光光源2bの照射範囲で、かつ、2台の先端部側撮像部2aおよび裏面側撮像部2bの撮像範囲に配置されているので、2台の表面側スリット状光光源2aおよび裏面側スリット状光光源2bは、それぞれ、被測定物体1の表面1aまたは裏面1bと、基準板10の表面10aまたは裏面10bにスリット状光を照射する。
【0073】
そして、表面側撮像部3aおよび裏面側撮像部3bは、それぞれ、被測定物体1の表面1aまたは裏面1bと、基準板10の表面10aまたは裏面10bとに照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する。
【0074】
次に、表面側座標変換部4aは、表面側撮像部3aが撮像した被測定物体表面1aおよび基準板表面10aの撮像画像の座標を、ぞれぞれ、表面側撮像部3aが表面側スリット状光光源2aからの照射線上で撮像したように所定の角度θa1(図8(c)参照)だけ座標変換する。
【0075】
また、裏面側座標変換部4bは、裏面側撮像部3bが撮像した被測定物体裏面1bおよび基準板裏面10bの撮像画像の座標を、ぞれぞれ、裏面側撮像部3bが裏面側スリット状光光源2bからの照射線上で撮像したように所定の角度θb1(図2(c)参照)だけ座標変換する。
【0076】
基準値演算部11は、表面側座標変換部4aおよび裏面側座標変換部4bによって変換された基準板表面10aの撮像画像の座標と、基準板裏面10bの撮像画像の座標とに基づいて,基準板10の厚みを演算すると共に、演算した基準板10の厚みと基準板10の既知の厚みとの比率に基づいて補正値を演算する。
【0077】
断面厚み形状演算部5は、表面側座標変換部4aおよび裏面側座標変換部4bによって変換された被測定物体表面1aの撮像画像の座標と、被測定物体裏面1bの撮像画像の座標とに基づいて、被測定物体1の断面形状を演算すると共に、演算した被測定物体1の断面形状を,基準値演算部11からの補正値によって補正する。
【0078】
そして、表示部6は、断面厚み形状演算部5からの断面形状演算結果を表示する。
【0079】
図8(a)〜(c)は、それぞれ、図7に示す実施の形態3の形状測定装置50Cにおける光源や撮像部等の配置例を示す平面図(上方から見た状態)、背面図(搬送方向の後方から見た状態)、正面図(搬送方向と直角方向から見た状態)である。
【0080】
図8(a)において、センターライン7は、被測定物体1の幅方向の中心で搬送方向に仮定した中心線である。また、図8(a)に示すように、スリット状光光源2a,2bと、表面側撮像部3aおよび裏面側撮像部3bとは、センターライン7を含む被測定物体1に垂直な平面を介して反対側に配置される。なお、図8(b),図8(c)に示すように、スリット状光光源2a,2bと表面側撮像部3aおよび裏面側撮像部3bとは、それぞれ、被測定物体1の両側に設けられる一方、基準板10は、表面側スリット状光光源2aおよび裏面側スリット状光光源2b双方からのスリット状光が照射される範囲で、かつ、先端部側撮像部2aおよび裏面側撮像部2bの撮像範囲であって、表面側スリット状光光源2aおよび裏面側スリット状光光源2b双方からの照射方向に対し所定の角度θa1,θb1だけ傾斜した位置に配置されている。
【0081】
図9は、本発明に係る実施の形態3の形状測定装置50Cにおける座標変換前後の撮像結果の一例を示す説明図である。
【0082】
つまり、図9において、3a3は、表面側座標変換部4aによる座標変換前の表面側撮像部3aによる被測定物体1による被測定物体表面及び基準板表面撮像結果例を示しており、3b3は、裏面側座標変換部4bによる座標変換前の裏面側撮像部3bによる被測定物体裏面及び基準板裏面撮像結果例を示している。
【0083】
そして、これら被測定物体表面及び基準板表面撮像結果例3a3および被測定物体表面及び基準板表面撮像結果例3b3において、横方向は、被測定物体1の表面または裏面の厚み方向の座標を表し、斜め方向の軸は、被測定物体1の幅方向の座標を表している。
【0084】
また、図3に示す実施の形態1の表面撮像結果例3a1および裏面撮像結果例3b1とは異なり、図9に示す実施の形態3の被測定物体表面及び基準板表面撮像結果例3a3および被測定物体表面及び基準板表面撮像結果例3b3では、それぞれ、表面スリット状光画像3a31および裏面スリット状光画像3b31以外に、さらに、座標変換前の基準板表面スリット状光画像3a32および基準板裏面スリット状光画像3b32が含まれている。
【0085】
また、図9において、4a3は、表面側座標変換部4aによる座標変換後の被測定物体表面及び基準板表面撮像結果例を示しており、4b3は、裏面側座標変換部4bによる座標変換後の被測定物体裏面及び基準板裏面撮像結果例を示している。そして、これら座標変換後の被測定物体表面及び基準板表面撮像結果例4a3および被測定物体裏面及び基準板裏面撮像結果例4b3において、横方向は、被測定物体1の幅方向の座標を表し、縦方向は、被測定物体1の先端部側または裏面側の厚み方向の座標を示している。そして、図3に示す実施の形態1の座標変換後の被測定物体表面撮像結果例4a1および被測定物体裏面撮像結果例4b1とは異なり、図9に示す被測定物体表面及び基準板表面撮像結果例4a3および被測定物体裏面及び基準板裏面撮像結果例4b3では、それぞれ、座標変換後の表面スリット状光画像4a31および裏面スリット状光画像4b31以外に、さらに、座標変換後の基準板表面スリット状光画像4a32および基準板裏面スリット状光画像4b32が含まれている。
【0086】
そのため、基準値演算部11は、図9に示す座標変換後の基準板表面スリット状光画像4a32の座標と、基準板裏面スリット状光画像4b32の座標との差分等に基づいて,基準板10の厚みを演算すると共に、演算した基準板10の厚みと基準板10の既知の厚みとの比率に基づいて表面スリット状光画像4a31および裏面スリット状光画像4b31を補正するための補正値を演算する。
【0087】
そして、断面厚み形状演算部5は、座標変換後の表面スリット状光画像4a31の座標と、裏面スリット状光画像4b31の座標との差分等に基づいて、被測定物体1の断面厚み形状を演算すると共に、演算した被測定物体1の断面形状を基準値演算部11からの補正値によって補正し、表示部6が断面厚み形状演算部5からの断面形状演算結果を表示する。
【0088】
以上説明したように、実施の形態3の形状測定装置50Cは、実施の形態1,2の形状測定装置50A,50Bと同様に、先端部側スリット状光光源2aおよび裏面側スリット状光光源2bと、表面側撮像部3aおよび裏面側撮像部3bとを、被測定物体1の真上または真下に配置していないので、設置スペースが狭い環境においても適用できる形状測定装置を提供することができると共に、異物落下の影響を受けることなく、高い信頼性の形状測定装置を提供することができ、またC形フレームの如き構造物が必要となり、被測定物体1の温度が高温の場合においても、熱による膨張伸縮の影響を受けることなく、さらに、被測定物体1に疵をつけることが無く、また、機器が磨耗したり損傷を受けたりすることが無いので、信頼性の高い形状測定装置を提供することができる。
【0089】
特に、実施形態3の形状測定装置50Cは、基準板10と、基準値演算部11とを有し、基準板10は、表面側スリット状光光源2aおよび裏面側スリット状光光源2b双方からのスリット状光が照射される範囲で、かつ、先端部側撮像部2aおよび裏面側撮像部2bの撮像範囲に配置するようにしたので、基準板10による測定結果に基づいて補正をする際に、従来装置のような基準板移動機構等が不要となり、この点でも、安価な形状測定装置を提供することができる。
【0090】
また、従来装置では、基準板移動機構を用いた補正動作を、被測定物体1の測定中に実行することはできないが、本実施形態3の形状測定装置50Cでは、被測定物体1を測定中でも、断面厚み形状演算部5は、演算した被測定物体1の断面形状を基準板10による測定結果に基づいて補正動作を実行できるので、補正の精度が向上し、高精度な形状測定装置を提供することができる。
【0091】
また、実施形態3の形状測定装置50Cによれば、基準板移動機構が不要となるので、基準板移動機構が故障することもなくなり、操業行為を中断することないので、他設備に悪影響を及ぼさない形状測定装置を提供することができる。
【0092】
実施の形態4.
次に、本発明に係る実施の形態4の形状測定装置50Dについて、図10、図11(a)〜(c)に基づいて説明する。
【0093】
図10は,本発明に係る実施の形態4の形状測定装置50Dの構成例を示す構成図である。
【0094】
図10において、実施形態4の形状測定装置50Dは、複数台(ここでは、例えば、説明の便宜上、3台とする)の被測定物体有無検知部14a〜14cと、パルス信号発生部15と、光源18と、撮像部3と、座標変換部4と、長さ形状演算部16と、モニタ等の表示部6とを有する。なお、裏面側に、複数台の被測定物体有無検知部14a〜14cや、光源18、撮像部3等を設けるようにしても勿論よい。
【0095】
ここで、図10において、L0は、光源18と被測定物体有無検知部14aとの距離であり、L2は、被測定物体有無検知部14aと被測定物体有無検知部14bとの距離、L1は、被測定物体有無検知部14bと被測定物体有無検知部14cとの距離で、それぞれ、既知の値として、長さ演算部16に記憶されている。
【0096】
被測定物体有無検知部14a〜14cは、被測定物体1の搬送方向に対し所定の間隔を空けて平行に配置されるもので、搬送方向に対し垂直な方向で被測定物体1の表面1a上にセンシング信号を出力して、被測定物体有無検知部14a〜14cの真下を被測定物体1が通過するか否かを検知するものである。
【0097】
パルス信号発生部15は、被測定物体有無検知部14a〜14cそれぞれが被測定物体1が真下を通過する際、被測定物体1の無し状態から有り状態を検知した時と、または被測定物体1の有り状態から無し状態を検知した時とに、パルス信号を発生して駆動信号として、被測定物体有無検知部14a〜14cおよび光源18に対し送信するものである。
【0098】
光源18は、被測定物体1の上方に配置され、パルス信号発生部15からのパルス信号に基づいて被測定物体1の表面1aを照射するものである。
【0099】
撮像部3は、被測定物体1の上方であって光源18に重ならない位置に配置され、パルス信号発生部15からのパルス信号に基づいて、光源18によって被測定物体1の表面1aに照射された照射光を撮像するものである。
【0100】
座標変換部4は、撮像部3が撮像した被測定物体表面1aの撮像画像の座標を、撮像部3が光源18からの照射線上で撮像したように変換するものである。
【0101】
長さ形状演算部16は、座標変換部4によって座標が変換された光源2がパルス点灯した時の撮像部3の撮像結果に基づいて、被測定物体1の搬送方向の端部位置を検出し、被測定物体1の長さ形状を演算するものである。
【0102】
次に動作を説明する。
【0103】
図10に示すように、実施の形態4の形状測定装置50Dでは、被測定物体有無検知部14a〜14cは、それぞれの検知範囲に被測定物体1が進入すると、これを検知してパルス信号発生部15に信号を送信する。なお、被測定物体有無検知部14a〜14cそれぞれからの検知範囲から被測定物体1が通り過ぎた場合も、これを検知してパルス信号発生部15に信号を送信する。
【0104】
すると、パルス信号発生部15は、被測定物体有無検知部14a〜14cそれぞれからの検知信号を受信して、光源18および撮像部3に対し、所定の時間だけ点灯および撮影させるためのパルス信号を送信する。
【0105】
光源18は、パルス信号発生部15からのパルス信号を受けて、被測定物体1を所定の時間照射する一方、撮像部3は、パルス信号発生部15からのパルス信号を受けて、被測定物体1に照射された光を撮像する。
【0106】
そして、座標変換部4は、撮像部3の撮像結果を、撮像部3が撮像部3からの照射線上から撮影したように、搬送方向の長さと、搬送方向とは垂直方向である幅方向の長さの座標を座標変換する。
【0107】
長さ形状演算部16は、座標変換部4によって座標変換された撮像結果から被測定物体1の長さ形状を演算し、表示部6は、その長さ形状の演算結果を表示する。
【0108】
図11は、実施の形態4の形状測定装置50Dによる撮像結果の一例を示す説明図である。
【0109】
図11において、17aは、被測定物体有無検知部14aが被測定物体1の無し状態から有り状態を検知し、パルス信号発生部15からパルス信号が発生した時点における撮像部3が撮像した被測定物体1の撮像画像例を示しており、被測定物体1の先端部画像17a1が含まれている。
【0110】
また、図11において、17bは、被測定物体有無検知部14bが被測定物体1の無し状態から有り状態を検知し、パルス信号発生部15からパルス信号が発生した時点における撮像部3が撮像した被測定物体1の撮像画像例を示しており、被測定物体1の中央部画像17b1が含まれている。
【0111】
また、図11において、17cは、被測定物体有無検知部14cが被測定物体1の無し状態から有り状態を検知し、パルス信号発生部15からパルス信号が発生した時点における撮像部3が撮像した被測定物体1の撮像画像例を示しており、被測定物体1の後端部画像17c1が含まれている。
【0112】
なお、図10の場合と同様に、図11において、L0は、光源18または撮像部3と、被測定物体有無検知部14aとの距離、L1は、被測定物体有無検知部14bと被測定物体有無検知部14cとの距離、L2は、被測定物体有無検知部14aと被測定物体有無検知部14bとの距離で、これらL0,L1、L2の距離は、既知の値として、長さ演算部16に記憶されている。そして、さらに、図11において、Lxは、被測定物体有無検知部14cが被測定物体1の無し状態から有り状態を検知したパルス点灯発生時の撮像画像例17cにおける、被測定対象物1の後端部位置と、撮像部3の視野の直下における被測定物体1の位置との距離として演算される。
【0113】
その結果、長さ形状演算部16は、撮像部3が撮像した被測定物体1の撮像画像例17a〜17cに基づいて、被測定物体1の搬送方向における基準長さLを、L0+L1+L2±Lxとして演算することができる。
【0114】
また、長さ形状演算部16は、この被測定物体1の搬送方向における基準長さLを基準として、搬送方向とは垂直方向となる被測定物体1の幅方向の長さや、被測定物体1の傾きを、被測定物体1の先端部のパルス点灯発生時撮像画像例17aや、後端部のパルス点灯発生時撮像画像例17cとにおける幅などから演算することができる。
【0115】
以上説明したように、実施形態4の形状測定装置50Dは、撮像部3が撮像したパルス点灯発生時撮像画像例17aとパルス点灯発生時撮像画像例17cの先端部画像と後端部画像から被測定物体1の形状を演算し、その基準位置から被測定物体1の長さを演算することによって、被測定物体1が斜行して、被測定物体1の先端部または後端部の形状が矩形では無い場合でも、正確な被測定物体1の長さを測定する形状測定装置を提供することができる。
【0116】
また、実施形態4の形状測定装置50Dによれば、被測定物体1の幅方向の長さ形状を測定する形状測定装置を供給することができる。
【0117】
実施の形態5.
次に、実施の形態5の形状測定装置50Eについて、図12、図13(a)〜(c)、図14に基づいて説明する。
【0118】
実施の形態4の形状測定装置50Dでは、図11に示すような被測定物体1の先端部のパルス点灯発生時撮像画像例17aおよび後端部のパルス点灯発生時撮像画像例17bの形状を演算するために、光源18と、撮像部3とを用いた場合について述べたが、この実施の形態5の形状測定装置50Eでは、光源18と撮像部3の代わりに、図12、図13(a)〜(c)、図14に示すように、先端部側スリット状光光源2cと、後端部側スリット状光光源2dと、先端部側撮像部3cと、後端部側撮像部3dとを設けたことを特徴としている。
【0119】
図12は、実施形態5の被測定物体1の先端部または後端部の形状を測定する形状測定装置50Eの構成図である。
【0120】
図12において、実施の形態5の形状測定装置50Eは、先端部側スリット状光光源2cと、後端部側スリット状光光源2dと、先端部側撮像部3cと、後端部側撮像部3dと、先端部側座標変換部4cと、後端部側座標変換部4dと、先端部側形状演算部13cと、後端部側形状演算部13dと、表示部6とを有する。なお、先端部側座標変換部4cと後端部側座標変換部4dは、1台の座標変換部により構成しても良いし、同様に、先端部側形状演算部13cと後端部側形状演算部13dも、1台の形状演算部により構成するようにしても勿論良い。
【0121】
ここで、先端部側スリット状光光源2cは、被測定物体1と同一平面内であって被測定物体1に当たらない位置に配置され、その平面と平行に被測定物体1の先端部1cに対しスリット状光を照射するものである。
【0122】
後端部側スリット状光光源2dは、被測定物体1と同一平面内であって被測定物体1に当たらない位置であって、被測定物体1の搬送方向に沿って先端部側スリット状光光源2cより後方の位置に配置され、その平面と平行に被測定物体1の後端部1dに対しスリット状光を照射するものである。
【0123】
先端部側撮像部3cは、被測定物体1を介し先端部側スリット状光光源2cと反対側であって被測定物体1に当たらない被測定物体1の斜め上方または斜め下方の位置に配置され、被測定物体1の先端部に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度θ5(図3(b)参照)だけ斜め方向から撮像するものである。
【0124】
後端部側撮像部3dは、被測定物体1を介し後端部側スリット状光光源2dと反対側であって、被測定物体1の搬送方向に沿って先端部側撮像部3cより後方、かつ、被測定物体1に当たらない被測定物体1の斜め上方または斜め下方の位置に配置され、被測定物体1の後端部1dに照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度角度θ5(図3(b)参照)だけ斜め方向から撮像する後端部側撮像部と、
先端部側座標変換部4cは、先端部側撮像部3cが撮像した被測定物体先端部1cの撮像画像の座標を、先端部側撮像部3cが先端部側スリット状光光源2cからの照射線上で撮像したように所定の角度角度θ5(図3(b)参照)だけ座標変換するものである。
【0125】
後端部側座標変換部4dは、後端部側撮像部3dが撮像した被測定物体後端部1dの撮像画像の座標を、後端部側撮像部3dが後端部側スリット状光光源2dからの照射線上で撮像したように所定の角度角度θ5(図3(b)参照)だけ座標変換するものである。
【0126】
先端部側形状演算部13cは、先端部側座標変換部4cによって座標変換された被測定物体先端部1cの撮像画像の座標に基づいて、前記被測定物体先端部の形状を演算するものである。
【0127】
後端部側形状演算部13dは、後端部側座標変換部4dによって座標変換された被測定物体後端部1dの撮像画像の座標に基づいて、被測定物体後端部1dの形状を演算するものである。
【0128】
図13(a)〜(c)は、それぞれ、実施の形態5の形状測定装置50Eにおける光源や撮像部等の配置例を示す平面図(上方から見た状態)、背面図(搬送方向の後方から見た状態)、正面図(搬送方向と直角方向から見た状態)である。
【0129】
次に動作を説明すると、実施の形態5の形状測定装置50Eでは、図12、図13(a)〜(c)、図14に示すように、先端部側スリット状光光源2cおよび後端部側スリット状光光源2dが、それぞれ、被測定物体1の先端部側面1cまたは後端部側面1dに照射する。先端部側スリット状光光源2cおよび後端部側スリット状光光源2dは、被測定物体11の先端部側面1cまたは後端部側面1dに照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度θ5だけ斜め方向から撮像する。
【0130】
図14(a)〜(d)は、それぞれ、実施の形態5の形状測定装置50Eにおける座標変換前後の撮像結果の一例を示す説明図である。
【0131】
つまり、図14において、3c1は、先端部側座標変換部4cによる座標変換前の表面側撮像部3aによる被測定物体先端側面撮像結果例を示しており、この座標変換前の被測定物体先端側面撮像結果例3c1には、被測定物体1の先端側面1cに照射された先端側面スリット状光画像3c11が含まれている。
【0132】
また、3d1は、後端部側座標変換部4dによる座標変換後の後端側側撮像部3dによる被測定物体後端側面撮像結果例を示しており、この座標変換後の被測定物体後端側面撮像結果例3d1には、被測定物体1の後端側面1dに照射された後端側面スリット状光画像3d11が含まれている。
【0133】
また、4c1は、被測定物体先端側面撮像結果例3c1を先端部側座標変換部4cによって所定の角度θ5だけ座標変換した被測定物体先端側面撮像結果例4c1を示しており、この座標変換前の被測定物体先端側面撮像結果例4c1には、座標変換後の先端側面スリット状光画像4c11が含まれている。
【0134】
また、4d1は、被測定物体後端側面撮像結果例3d1を後端部側座標変換部4dによって所定の角度θ5だけ座標変換した被測定物体後端側面撮像結果例4d1を示しており、この座標変換後の被測定物体後端側面撮像結果例4d1には、座標変換後の後端側面スリット状光画像4d11が含まれている。
【0135】
そして、先端部側形状演算部13cと後端部側形状演算部13dとは、それぞれ、先端部側座標変換部4cによって所定の角度θ5だけ座標変換した座標変換後の被測定物体先端側面撮像結果例4c1と、端部側座標変換部4dによって所定の角度θ5だけ座標変換した座標変換後の被測定物体後端側面撮像結果例4d1とから、被測定物体1の先端部または後端部の異形長さを演算することができ、その結果を、表示部6に表示することができる。
【0136】
従って、実施の形態5の形状測定装置50Eによっても、図12、図13(a)〜(c)、図14に示すように、先端部側スリット状光光源2cと、後端部側スリット状光光源2dと、先端部側撮像部3cと、後端部側撮像部3dと、先端部側座標変換部4cと、後端部側座標変換部4dと、先端部側形状演算部13cと、後端部側形状演算部13dとを用いたことにより、被測定物体1の先端部または後端部の異形長さ等を正確に求めることができる。
【0137】
実施の形態6.
次に、本発明に係る実施の形態6の形状測定装置50Fを,図15、図16(a)〜(c)、図17に基づいて説明する。
【0138】
図15は、本発明の実施の形態6の形状測定装置50Fの構成例を示す構成図である。
【0139】
図15において、実施の形態6の形状測定装置50Fは、2つの表面側スリット状光光源2a1,2a2と、1台の表面側撮像部3aと、1台の表面側座標変換部4aと、凹凸形状演算部12と、表示部6とを有する。なお、被測定物体1の裏面側に同様のスリット状光光源や撮像部等を構成するようにしても勿論よい。
【0140】
ここで、2つの表面側スリット状光光源2a1,2a2は、それぞれ、被測定物体1の搬送方向に対し垂直な平面内であって被測定物体1の斜め上方に搬送方向に初手間隔を空けて配置され、その平面と平行に被測定物体1の表面1aに対し2本のスリット状光2a1L,2a2Lを照射するものである。
【0141】
表面側撮像部3aは、被測定物体1を介し2つの表面側スリット状光光源2a1,2a2と反対側となる被測定物体1の斜め上方であって、2つの表面側スリット状光光源2a1,2a2からのスリット状光2a1L,2a2Lの照射方向に対し所定の角度θa6(図16(c)参照)だけ被測定物体1の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、被測定物体1の表面上1aに照射された2つのスリット状光2a11,2a21をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像するものである。
【0142】
表面側座標変換部4aは、表面側撮像部3aが撮像した被測定物体表面1aの2つの撮像画像の座標を、ぞれぞれ、表面側撮像部3aが2つの表面側スリット状光光源2a1,2a2からの照射線上で撮像したように所定の角度θa6(図16(c)参照)だけ座標変換するものである。
【0143】
凹凸形状演算部12は、表面側座標変換部4aによって変換された被測定物体表面1aの2つの撮像画像の座標に基づいて、被測定物体表面1aの凹凸形状を演算するものである。
【0144】
表示部6は、凹凸形状演算部12によって演算された凹凸形状演算結果を表示するものである。
【0145】
図16(a)は、図15に示す実施の形態6の形状測定装置50Fにおける光源や撮像部等の配置例を示す平面図(上方から見た状態)である。図16(b)は、図15に示す実施の形態6の形状測定装置50Fの背面図(搬送方向の後方から見た状態)である。図16(c)は、図15に示す実施の形態6の形状測定装置50Fの正面図(搬送方向と直角方向から見た状態)である。
【0146】
図16(a)において、センターライン7は被測定物体1の幅方向の中心で搬送方向に仮定した中心線である。図16(a)において、二つのスリット状光光源2a,2bと、表面側撮像部3aは、センターライン7を含む被測定物体1に垂直な平面を介して反対側に配置される。
【0147】
2つの表面側スリット状光光源2a1,2a2は、被測定物体1の搬送方向に対し平行な直線(例えばセンターライン7)と垂直な平面内に配置され、この平面内で二つのスリット状光を所定の搬送方向に間隔を置いて平行に、被測定物体表面の幅方向へ照射する。そして、表面側撮像部3aは、図16(a),図16(c)から分かるように、この平面から外れた位置であって、2つの表面側スリット状光光源2a1,2a2からの照射線に対し所定の角度θa6(図16(c)参照)だけはずれた位置に配置される。
【0148】
図17は、本発明に係る実施の形態6の形状測定装置50Fによる撮像結果と座標変換結果の一例を示す説明図である。
【0149】
つまり、図17において、3a6は、座標変換部4による座標変換前の撮像部3による被測定物体表面撮像結果例を示し、この座標変換前の被測定物体表面撮像結果例3a6の横方向は、被測定物体1の凹凸高さ方向の座標を表し、その斜め軸方向は、被測定物体1の幅方向の座標を表している。そして、この座標変換前の被測定物体表面撮像結果例3a6には、2つの表面側スリット状光光源2a1,2a2が照射した座標変換前の表面スリット状光画像3a61,3a62が含まれている
また、図17において、4a6は、被測定物体表面撮像結果例3a6を座標変換部4によって座標変換した座標変換後の被測定物体表面撮像結果例を示しており、この座標変換後の被測定物体表面撮像結果例4a6の横方向は,被測定物体1の幅方向の座標を表し、その縦方向は被測定物体1の凹凸高さ方向の座標を表している。そして、この座標変換後の被測定物体表面撮像結果例4a6には、座標変換後の表面スリット状光画像4a61,4a62が含まれている
凹凸形状演算部12は、一定周期毎に、座標変換後の被測定物体表面撮像結果4a6内の表面スリット状光画像4a61,4a62の座標を基に、次のようにして被測定物体1の凹凸形状を演算する。
【0150】
ここで、凹凸形状演算部12における被測定物体1の凹凸形状の演算方法を説明すると、一定周期時間をΔt、幅方向座標をwi、搬送方向座標fiとすると、被測定物体1の凹凸形状分布は、h(t,w,f)の関数で表される。
【0151】
例えば、時刻t1における被測定物体表面撮像結果4a6内の表面スリット状光画像4a61は、h(t1,w,f1)、被測定物体表面撮像結果4a6内のリット状光の撮像結果4a62は、h(t1,w,f1+Δf)で表される。
【0152】
ここで,wは幅方向の任意の位置とする。被測定物体表面撮像結果4a6内の部分凹凸形状をΔHとすると、部分凹凸形状ΔHは、
ΔH(w,f1)=h(t1,w,f1+Δf)−h(t1,w,f1)
ΔH(w,f2)=h(t2,w,f2+Δf)−h(t2,w,f2)
ΔH(w,fn)=h(tn,w,fn+Δf)−h(tn,w,fn)
というように、時刻tに対し無関係に、被測定物体の幅方向座標wと搬送方向座標fnにおける被測定物体1の部分凹凸形状ΔHが求まる。
【0153】
そして、ΔHを搬送方向に積算していくと、H(w,fn)が得られ、振動に影響しない凹凸形状が得られる。
【0154】
以上説明したように、実施形態6の形状測定装置50Fは、2つの表面側スリット状光光源2a1,2a2と、1台の表面側撮像部3aと、1台の表面側座標変換部4aと、凹凸形状演算部12と、表示部6とを有するので、上述のようにして振動に影響しない凹凸形状を得ることが可能となり、安価な凹凸形状測定装置を提供することができる。
【0155】
実施の形態7.
次に、本発明に係る実施の形態7の形状測定装置50Gを、図18、図19(a)〜(c)、図20に基づいて説明する。
【0156】
図18は、本発明に係る実施の形態7の形状測定装置50Gの構成例を示す構成図である。
【0157】
図18において、実施の形態7の形状測定装置50Gは、2つの表面側スリット状光光源2a1,2a2と、表面側撮像部3aと、表面側座標変換部4aと、裏面側スリット状光光源2bと、裏面側撮像部3bと、裏面側座標変換部4bと、断面厚み形状演算部5と、凹凸形状演算部12と、表示部6とを有する。つまり、実施の形態7の形状測定装置50Gは、図1に示す実施の形態1の形状測定装置50Aと、図15に示す実施形態6の形状測定装置50Fとを合体したものである。
【0158】
つまり、2つの表面側スリット状光光源2a1,2a2は、被測定物体1の表面1aの所定の間隔を置いて2箇所、スリット状光2a1L,2a2Lを照射する一方、裏面側スリット状光光源2bは、被測定物体1の裏面1bにスリット状光2bLを照射するものである。
【0159】
表面側撮像部3aおよび裏面側撮像部3bは、被測定物体1の表面1aおよび裏面1bに照射された3つのスリット状光2a1L,2a2L,2bLを、その照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像するものである。
【0160】
表面側座標変換部4aと、裏面側座標変換部4bとは、それぞれ、そららの撮像素子上の座標を、所定の角度θa7、θb7(図19(c)参照)だけ座標変換して、被測定物体1の測定範囲の座標に変換するものである。
【0161】
断面厚み形状演算部5は、座標変換部4における座標変換結果から被測定物体1の断面形状を演算するものである。
【0162】
凹凸形状演算部12は、前記座標演算結果から凹凸形状を演算するものである。
【0163】
表示部6は、凹凸形状演算部12からの凹凸演算結果と、断面厚み形状演算部5からの断面形状演算結果とを表示するものである。
【0164】
図19(a)は、図18に示す実施の形態7の形状測定装置50Gにおける光源や撮像部等の配置例を示す平面図(上方から見た状態)である。図19(b)は、図18に示す実施の形態7の形状測定装置50Gの背面図(搬送方向の後方から見た状態)である。図19(c)は、図18に示す実施の形態7の形状測定装置50Gの正面図(搬送方向と直角方向から見た状態)である。
【0165】
図19(a)において、センターライン7は被測定物体1の幅方向の中心で搬送方向に仮定した中心線である。また、図19(a)に示すように、2つの表面側スリット状光光源2a1,2a2と表面側撮像部3aは、センターライン7を含む被測定物体1に垂直な平面を介して反対側に配置される。なお、裏面側スリット状光光源2bと裏面側撮像部3bも、同様にセンターライン7を含む被測定物体1に垂直な平面を介して反対側に配置される。
【0166】
そして、2つの表面側スリット状光光源2a1,2a2と、裏面側スリット状光光源2bとは、それぞれ、被測定物体1の搬送方向に対し平行な直線(例えばセンターライン7)と垂直な平面内で、スリット状光2a1L,2a2L,2bLを、被測定物体1の表面1aまたは裏面1bの幅方向へ照射する。そして、表面側撮像部3aと、裏面側撮像部3bとは、図19(a),図19(c)から分かるように、この平面から外れた位置に配置され、2つの表面側スリット状光光源2a1,2a2と、裏面側スリット状光光源2bからの照射方向に対し、所定の角度だけ傾斜した角度から被測定物体1の表面1aまたは裏面1bに照射されたスリット状光を撮像する。
【0167】
図20は、本発明に係る実施の形態7の形状測定装置50Gによる撮像結果の一例を示す説明図である。
【0168】
実施の形態7の形状測定装置50Gは、図1に示す実施の形態1の形状測定装置50Aと、図15に示す実施形態6の形状測定装置50Fとを合体したものであるので、図20に示す座標変換前後の被測定物体表面撮像結果例3a6,4a6は、図17に示す実施の形態6の形状測定装置50Fによる座標変換前後の被測定物体表面撮像結果例3a6,4a6と同じである。
【0169】
つまり、図20において、3a6は、座標変換前の撮像部3による被測定物体表面撮像結果例を示し、この被測定物体表面撮像結果例3a6の横方向は、被測定物体1の凹凸高さ方向び座標を表し、その斜め軸方向は、被測定物体1の幅方向の座標を表している。そして、この座標変換前の被測定物体表面撮像結果例3a6には、2つの表面側スリット状光光源2a1,2a2が照射した表面スリット状光画像3a61,3a62が含まれている
また、図20において、4a6は、座標変換前の被測定物体表面撮像結果例3a6を座標変換部4によって座標変換した座標変換後の被測定物体表面撮像結果例を示しており、この被測定物体表面撮像結果例4a6の横方向は,被測定物体1の幅方向の座標を表し、その縦方向は被測定物体1の凹凸高さ方向の座標を表している。そして、この座標変換後の被測定物体表面撮像結果例4a6には、2つの表面側スリット状光光源2a1,2a2が照射した表面スリット状光画像4a61,4a62が含まれている。
【0170】
また、図20において、3b1は、裏面側座標変換部4bによる座標変換前の裏面側撮像部3bによる被測定物体裏面撮像結果例を示しており、この座標変換前の裏面撮像結果例3b1には、裏面側スリット状光光源2bが照射した裏面スリット状光画像3b11が含まれている。
【0171】
また、図20において、4b1は、被測定物体裏面撮像結果例3b1を裏面側座標変換部4bによって座標変換した座標変換後の被測定物体裏面撮像結果例を示しており、この座標変換後の被測定物体裏面撮像結果例4b1には、座標変換された裏面スリット状光画像4b11が含まれている。
【0172】
そのため、この実施の形態7の形状測定装置50Gでは、凹凸形状演算部12は、実施の形態6の形状測定装置50Fの凹凸形状演算部12と同様に、被測定物体表面撮像結果4a6内の部分凹凸形状をΔHとして、ΔHを搬送方向に積算していくことにより、H(w,fn)を得て、振動に影響しない被測定物体1の凹凸形状を得て、表示部6に表示する。その一方、断面厚み形状演算部5は、実施の形態1の形状測定装置50Aの断面厚み形状演算部5と同様に、被測定物体1の幅方向の断面厚み形状を演算して、表示部6に表示する。
【0173】
以上説明したように、実施形態7の形状測定装置50Gは、図1に示す実施の形態1の形状測定装置50Aと、図15に示す実施形態6の形状測定装置50Fとを合体したもので、2つの表面側スリット状光光源2a1,2a2と、表面側撮像部3aと、表面側座標変換部4aと、裏面側スリット状光光源2bと、裏面側撮像部3bと、裏面側座標変換部4bと、断面厚み形状演算部5と、凹凸形状演算部12と、表示部6とを有するので、被測定物体1の表面1a側においては、前記の実施の形態6の凹凸形状測定装置50Fと同様に動作する一方、被測定物体1の裏面1b側においては、前記の実施の形態1の凹凸形状測定装置50Aと同様に動作する。そのため、図1に示す実施の形態1の形状測定装置50Aと、図15に示す実施形態6の形状測定装置50Fと同様の効果が得られる。
【0174】
実施の形態8.
次に、本発明に係る実施の形態8の形状測定装置50Hを、図21、図22(a)〜(b)、図23に基づいて説明する。
【0175】
図21は、本発明に係る実施の形態8の形状測定装置50Hの構成例を示す構成図である。
【0176】
図21において、この実施の形態8の形状測定装置50Hにおいて、表面・一側面照射スリット状光光源2eと、裏面・他側面照射スリット状光光源2fと、表面・他側面撮像部3fと、裏面・一側面撮像部3eと、表面・他側面座標変換部4fと、裏面・一側面座標変換部4eと、断面厚み形状演算部5と、断面幅形状演算部20と、表示部6とを有する。なお、表面・他側面座標変換部4fと裏面・一側面座標変換部4eとを合体させて1台の座標変換部により構成しても良いし、また、断面厚み形状演算部5と断面幅形状演算部20とを合体させて1台の断面厚み・断面幅形状演算部により構成するようにしても勿論よい。
【0177】
ここで、表面・一側面照射スリット状光光源2eは、被測定物体1の搬送方向に対し垂直な平面内であって被測定物体1の斜め上方に配置され、その平面と平行に被測定物体1の表面1aおよび一方の側面1eに対しスリット状光を照射するものである。
【0178】
裏面・他側面照射スリット状光光源2fは、被測定物体1を介し表面・一側面照射スリット状光光源2eと反対側となる被測定物体1の斜め下方であって、表面・一側面照射スリット状光光源2eからのスリット状光の照射線上に配置され、表面・一側面照射スリット状光光源2eとは反対側から表面・一側面照射スリット状光光源2eからのスリット状光と連続するように被測定物体1の裏面1bおよび他方の側面1fに対しスリット状光を照射するものである。
【0179】
表面・他側面撮像部3fは、被測定物体1を介し表面・一側面照射スリット状光光源2eと反対側となる被測定物体1の斜め上方であって、表面・一側面照射スリット状光光源2eからのスリット状光の照射線上から被測定物体1の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、被測定物体1の表面1aおよび他方の側面1f上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度所定の角度θf8(図22(c)参照)だけ斜め方向からものである。
【0180】
裏面・一側面撮像部3eは、被測定物体1を介し裏面・他側面照射スリット状光光源2fと反対側となる被測定物体1の斜め下方であって、裏面・他側面照射スリット状光光源2fからのスリット状光の照射線上から被測定物体1の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、被測定物体1の裏面1bおよび一方の側面上1eに照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ所定の角度θe8(図22(c)参照)だけ斜め方向から撮像するものである。
【0181】
表面・他側面座標変換部4fは、表面・他側面撮像部3fが撮像した被測定物体1の表面1aおよび他方の側面1fの撮像画像の座標を、表面・他側面撮像部3fが表面・一側面照射スリット状光光源2eからの照射線上で撮像したように所定の角度θf8(図22(c)参照)だけ座標変換するものである。
【0182】
裏面・一側面座標変換部4eは、裏面・一側面撮像部3eが撮像した被測定物体1の裏面1bおよび一方の側面1eの撮像画像の座標を、裏面・一側面撮像部3eが裏面・他側面照射スリット状光光源2fからの照射線上で撮像したように所定の角度θe8(図22(c)参照)だけ座標変換するものである。
【0183】
断面厚み形状演算部5は、実施の形態1の形状測定装置50Aの断面厚み形状演算部5と同様に、座標変換部4によって変換された被測定物体1の表面1aの撮像画像の座標と、被測定物体1の裏面1bの撮像画像の座標とに基づいて、被測定物体1の断面厚み形状を演算するものである。
【0184】
断面幅形状演算部20は、座標変換部4によって変換された被測定物体1の他方の側面1fの撮像画像の座標と、一方の側面1eの撮像画像の座標とに基づいて、被測定物体1の断面幅形状を演算するものである。
【0185】
次に、動作を説明する。
【0186】
この実施の形態8の形状測定装置50Hでは、表面・一側面照射スリット状光光源2eと、裏面・他側面照射スリット状光光源2fとは、それぞれ、被測定物体1の表面1aおよび一方の側面1eと、被測定物体1の裏面1bおよび他方の側面1fに対しスリット状光を照射する。
【0187】
すると、表面・他側面撮像部3fと、裏面・一側面撮像部3eは、それぞれ、被測定物体1の表面1aおよび他方の側面1f、または被測定物体1の表面1aおよび一方の側面1e上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度θf8,θe8(図22(c)参照)だけ斜め方向から撮像する。
【0188】
そして、表面・他側面座標変換部4fは、表面・他側面撮像部3fが撮像した被測定物体1の表面1aの撮像画像の座標を所定の角度θf8(図22(c)参照)だけ座標変換する一方、裏面・一側面座標変換部4eは、裏面・一側面撮像部3eが撮像した被測定物体1の裏面1bおよび一方の側面1eの撮像画像の座標を所定の角度θe8(図22(c)参照)だけ座標変換する。
【0189】
断面厚み形状演算部5は、座標変換部4によって変換された被測定物体1の表面1aの撮像画像の座標と、被測定物体1の裏面1bの撮像画像の座標とに基づいて、被測定物体1の断面厚み形状演算し、その演算結果を表示部6に出力する一方、断面幅形状演算部20は、座標変換部4によって変換された被測定物体1の他方の側面1fの撮像画像の座標と、一方の側面1eの撮像画像の座標とに基づいて、被測定物体1の断面幅形状を演算して、その演算結果を表示部6に出力する
図22(a)は、図21に示す実施の形態8の形状測定装置50Hにおける光源や撮像部等の配置例を示す平面図(上方から見た状態)である。図22(b)は、図21に示す実施の形態8の形状測定装置50Hの背面図(搬送方向の後方から見た状態)である。図22(c)は、図21に示す実施の形態8の形状測定装置50Hの正面図(搬送方向と直角方向から見た状態)である。
【0190】
図22(a)において、センターライン7は被測定物体1の幅方向の中心で搬送方向に仮定した中心線である。図22(a)において、表面・一側面照射スリット状光光源2eと、裏面・他側面照射スリット状光光源2fと、表面・他側面撮像部3fと、裏面・一側面撮像部3eとは、センターライン7を含む被測定物体1に垂直な平面を介して反対側に配置される。
【0191】
表面・一側面照射スリット状光光源2eと、裏面・他側面照射スリット状光光源2fは、それぞれ、被測定物体1の搬送方向に対し平行な直線(例えばセンターライン7)と垂直な平面内に配置され、この平面内でスリット状光を被測定物体表面の幅方向へ照射する。そして、表面・他側面撮像部3fと、裏面・一側面撮像部3eは、図22(a),図22(c)から分かるように、この平面から外れた位置であって、それぞれ、表面・一側面照射スリット状光光源2eと、裏面・他側面照射スリット状光光源2fの照射方向に対し、所定の角度θf8,θe8だけ傾斜した位置に配置される。
【0192】
図23は、本発明に係る実施の形態8の形状測定装置50Hを示す撮像結果の一例を示す説明図である。
【0193】
図23において、3f1は、座標変換部4による座標変換前の表面・他側面撮像部3fの撮像結果例を示しており、この撮像結果例3f1には、被測定物体1の表面1aに照射された表面スリット状光画像3f11と、被測定物体1の他側面1fに照射された他側面スリット状光画像3f12とが含まれている。
【0194】
また、3e1は、座標変換部4による座標変換前の裏面・一側面撮像部3eの撮像結果例を示しており、この撮像結果例3e1には、被測定物体1の裏面1bに照射された裏面スリット状光画像3e11と、被測定物体1の一側面1eに照射された他側面スリット状光画像3e12とが含まれている。
【0195】
また、4f1は、図3における撮像結果例4a1と同様に、被測定物体表面撮像結果例3f1における表面スリット状光画像3f11部分を表面・他側面座標変換部4fによって座標変換した画座標変換結果例を示しており、この画座標変換結果例4f1には、水平方向に座標変換された表面スリット状光画像4f11が含まれている。なお、この画座標変換結果例4f1において、横方向は、被測定物体1の幅方向の座標を表し、縦方向は,被測定物体1の表面厚み方向の座標を表している。
【0196】
また、4e1は、図3における撮像結果例4b1と同様に、被測定物体裏面撮像結果例3e1における裏面スリット状光画像3e11部分を裏面・一側面座標変換部4eによって座標変換した画座標変換結果例を示しており、この画座標変換結果例4e1には、水平方向に座標変換された裏面スリット状光画像4e11が含まれている。なお、この画座標変換結果例4e1において、横方向は、被測定物体1の幅方向の座標を表し、縦方向は,被測定物体1の裏面厚み方向の座標を表している。
【0197】
また、4f2は、被測定物体表面撮像結果例3f1における他側面スリット状光画像3f12部分を表面・他側面座標変換部4fによって座標変換した画座標変換結果例を示しており、この画座標変換結果例4f2には、水平方向に座標変換された他側面スリット状光画像4f12が含まれている。なお、この画座標変換結果例4f2において、横方向は、被測定物体1の幅方向の座標を表し、縦方向は,被測定物体1の厚み方向の座標を表している。
【0198】
また、4e2は、被測定物体裏面撮像結果例3e1における一側面スリット状光画像3e12部分を裏面・一側面座標変換部4eによって座標変換した画座標変換結果例を示しており、この画座標変換結果例4e2には、水平方向に座標変換された一側面スリット状光画像4e12が含まれている。なお、この画座標変換結果例4e2において、横方向は、被測定物体1の幅方向の座標を表し、縦方向は,被測定物体1の厚み方向の座標を表している。
【0199】
そのため、断面厚み形状演算部5は、図23に示す画座標変換結果例4f1における表面スリット状光画像4f1と、画座標変換結果例4e1における裏面スリット状光画像4e11の縦方向の厚み方向座標の差分等から被測定物体1の断面厚み形状等を演算することができる。
【0200】
また、断面幅形状演算部20は、図23に示す画座標変換結果例4f2における他側面スリット状光画像4f12と、画座標変換結果例4e2における一側面スリット状光画像4e12の横方向の幅方向座標の差分等から被測定物体1の断面幅形状等を演算することができる。
【0201】
以上説明したように、実施形態8の形状測定装置50Hは、表面・一側面照射スリット状光光源2eと、裏面・他側面照射スリット状光光源2fと、表面・他側面撮像部3fと、裏面・一側面撮像部3eと、表面・他側面座標変換部4fと、裏面・一側面座標変換部4eと、断面厚み形状演算部5と、断面幅形状演算部20と、表示部6とを有するので、安価な断面形状測定装置と、被測定物体1の側面形状と幅形状測定装置の複合機能を提供することができる。
【0202】
なお、本発明は、上述の各実施の形態1〜8の形状測定装置50A〜50Hに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0203】
50A〜50H 形状測定装置
1 被測定物体
1a 被測定物体表面
1b 被測定物体裏面
1c 被測定物体先端側面
1d 被測定物体後端側面
2a、2a1,2a2 表面側スリット状光光源
2b 裏面側スリット状光光源
2c 先端部側スリット状光光源
2d 後端部側スリット状光光源
3 撮像部
3a 表面側撮像部
3b 裏面側撮像部
3c 先端部側撮像部
3d 後端部側撮像部
3e 裏面・一側面撮像部
3f 表面・他側面撮像部
4a 表面側座標変換部
4b 裏面側座標変換部
4c 先端部側座標変換部
4d 後端部側座標変換部
4e 裏面・一側面座標変換部
4f 表面・他側面座標変換部
5 断面厚み形状演算部
6 表示部
7 センターライン
8a 表面側ミラー
8b 裏面側ミラー
9 ハーフミラー
10 基準板
10a 基準板表面
10b 基準板裏面
11 基準値演算部
12 凹凸形状演算部
13a 先端部側形状演算部
13b 後端部側形状演算部
14a〜14c 被測定物体有無検知部
15 パルス信号発生部
16 長さ形状演算部
18 光源
19 基準線
20 断面幅形状演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め上方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の表面に対しスリット状光を照射する表面側スリット状光光源と、
前記被測定物体を介し前記表面側スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め上方であって、前記表面側スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から前記被測定物体の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の表面上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する表面側撮像部と、
前記被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め下方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の裏面に対しスリット状光を照射する裏面側スリット状光光源と、
前記被測定物体を介し前記裏面側スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め下方であって、前記裏面側スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から前記被測定物体の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の裏面上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する裏面側撮像部と、
前記表面側撮像部が撮像した前記被測定物体表面の撮像画像の座標と、前記裏面側撮像部が撮像した前記被測定物体裏面の撮像画像の座標とを、ぞれぞれ、前記表面側撮像部または前記裏面側撮像部が前記表面側スリット状光光源または前記裏面側スリット状光光源からの照射線上で撮像したように変換する座標変換部と、
前記座標変換部によって変換された前記被測定物体表面の撮像画像の座標と、前記被測定物体裏面の撮像画像の座標とに基づいて、前記被測定物体の断面厚み形状を演算する断面厚み形状演算部と、
を備えることを特徴とする形状測定装置。
【請求項2】
被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め上方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の表面に対しスリット状光を照射する表面側スリット状光光源と、
前記被測定物体を介し前記表面側スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め上方であって、前記表面側スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の表面に照射され反射されたスリット状光を反射する表面側ミラーと、
前記被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め下方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の裏面に対しスリット状光を照射する裏面側スリット状光光源と、
前記被測定物体を介し前記裏面側スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め下方方であって、前記裏面側スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の裏面に照射され反射されたスリット状光を反射する裏面側ミラーと、
前記表面側ミラーによって反射された前記被測定物体の表面からのスリット状光を透過または反射する一方、前記裏面側ミラーによって反射された前記被測定物体の裏面からのスリット状光を反射または透過するハーフミラーと、
前記ハーフミラーを透過または反射した前記被測定物体の表面からのスリット状光と、前記ハーフミラーを反射または透過した前記被測定物体の裏面からのスリット状光とを撮像する一の撮像部と、
前記一の撮像部が撮像した前記被測定物体表面撮像画像の座標および前記被測定物体裏面撮像画像の座標を、前記一の撮像部が前記表面側スリット状光光源または前記裏面側スリット状光光源からの照射線上で撮像したように変換する座標変換部と、
前記座標変換部によって変換された前記被測定物体表面撮像画像の座標と、前記被測定物体裏面撮像画像の座標とに基づいて、前記被測定物体の断面厚み形状を演算する断面厚み形状演算部と、
を備えることを特徴とする形状測定装置。
【請求項3】
被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め上方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の表面に対しスリット状光を照射する表面側スリット状光光源と、
前記被測定物体を介し前記表面側スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め上方であって、前記表面側スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から前記被測定物体の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の表面上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する表面側撮像部と、
前記被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め下方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の裏面に対しスリット状光を照射する裏面側スリット状光光源と、
前記被測定物体を介し前記裏面側スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め下方であって、前記裏面側スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から前記被測定物体の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の裏面上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する裏面側撮像部と、
前記表面側スリット状光光源および前記裏面側スリット状光光源双方からの前記スリット状光が照射される範囲で、かつ、前記表面側撮像部および前記裏面側撮像部の撮像範囲に配置されたその厚さが既知の基準板と、
前記表面側撮像部が撮像した前記被測定物体表面および前記基準板表面の撮像画像の座標と、前記裏面側撮像部が撮像した前記被測定物体裏面および前記基準板裏面の撮像画像の座標とを、ぞれぞれ、前記表面側撮像部または前記裏面側撮像部が前記表面側スリット状光光源または前記裏面側スリット状光光源からの照射線上で撮像したように変換する座標変換部と、
前記座標変換部によって変換された前記基準板表面の撮像画像の座標と、前記基準板裏面の撮像画像の座標とに基づいて前記基準板の厚みを演算すると共に、演算した前記基準板の厚みと前記基準板の既知の厚みとの比率に基づいて補正値を演算する基準値演算部と、
前記座標変換部によって変換された前記被測定物体表面の撮像画像の座標と、前記被測定物体裏面の撮像画像の座標とに基づいて、前記被測定物体の断面形状を演算すると共に、演算した前記被測定物体の断面形状を前記補正値によって補正する断面厚み形状演算部と、
を備えることを特徴とする形状測定装置。
【請求項4】
被測定物体の搬送方向に対し所定の間隔を空けて平行に配置され、搬送方向に対し垂直な方向で前記被測定物体上にセンシング信号を出力して、前記被測定物体の有無を検知する一つまたは複数台の被測定物体有無検知部と、
前記被測定物体有無検知部が前記被測定物体の無し状態から有り状態を検知した時と、または前記被測定物体の有り状態から無し状態を検知した時とに、パルス信号を発生するパルス信号発生部と、
前記被測定物体の上方に配置され、前記パルス信号発生部からのパルス信号に基づいて前記被測定物体の表面を照射する光源と、
前記被測定物体の上方であって前記光源に重ならない位置に配置され、前記パルス信号発生部からのパルス信号に基づいて前記光源によって前記被測定物体の表面に照射された照射光を撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した前記被測定物体表面の撮像画像の座標を、前記撮像部が前記光源からの照射線上で撮像したように変換する座標変換部と、
前記座標変換部によって座標が変換された前記光源がパルス点灯した時の前記撮像部の撮像結果に基づいて前記被測定物体の搬送方向の端部位置を検出し、前記被測定物体の長さ形状を演算する長さ形状演算部と、
を備えることを特徴とする形状測定装置。
【請求項5】
被測定物体と同一平面内であって前記被測定物体に当たらない位置に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の先端部に対しスリット状光を照射する先端部側スリット状光光源と、
前記被測定物体を介し前記先端部側スリット状光光源と反対側であって前記被測定物体に当たらない前記被測定物体の斜め上方または斜め下方の位置に配置され、前記被測定物体の先端部に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する先端部側撮像部と、
前記被測定物体と同一平面内であって前記被測定物体に当たらない位置であって、前記被測定物体の搬送方向に沿って前記先端部側スリット状光光源より後方の位置に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の後端部に対しスリット状光を照射する後端部側スリット状光光源と、
前記被測定物体を介し前記後端部側スリット状光光源と反対側であって、前記被測定物体の搬送方向に沿って前記先端部側撮像部より後方、かつ、前記被測定物体に当たらない前記被測定物体の斜め上方または斜め下方の位置に配置され、前記被測定物体の後端部に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する後端部側撮像部と、
前記先端部側撮像部が撮像した前記被測定物体先端部の撮像画像の座標と、前記後端部側撮像部が撮像した前記被測定物体後端部の撮像画像の座標とを、ぞれぞれ、前記先端部側撮像部または前記後端部側撮像部が前記先端部側スリット状光光源または前記後端部側スリット状光光源からの照射線上で撮像したように変換する座標変換部と、
前記座標変換部によって変換された前記被測定物体先端部の撮像画像の座標と、前記被測定物体後端部の撮像画像の座標とに基づいて、前記被測定物体先端部および前記被測定物体後端部の形状を演算する先後端部形状演算部と、
を備えることを特徴とする形状測定装置。
【請求項6】
被測定物体の搬送方向と平行に所定間隔を空けた位置で、前記被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め上方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の表面に対しスリット状光を照射する複数の表面側スリット状光光源と、
前記被測定物体を介し前記複数の表面側スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め上方であって、前記複数の表面側スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から前記被測定物体の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の表面上に照射された2つのスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する表面側撮像部と、
前記表面側撮像部が撮像した前記被測定物体表面の2つの撮像画像の座標を、ぞれぞれ、前記表面側撮像部が前記2つのスリット状光光源からの照射線上で撮像したように変換する表面側座標変換部と、
前記表面側座標変換部によって変換された前記被測定物体表面の2つの撮像画像の座標に基づいて、前記被測定物体表面の凹凸形状を演算する凹凸形状演算部と、
を備えることを特徴とする形状測定装置。
【請求項7】
被測定物体の搬送方向と平行に所定間隔を空けた位置で、前記被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め上方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の表面に対しスリット状光を照射する複数の表面側スリット状光光源と、
前記被測定物体を介し前記複数の表面側スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め上方であって、前記複数の表面側スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から前記被測定物体の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の表面上に照射された2つのスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する表面側撮像部と、
前記表面側撮像部が撮像した前記被測定物体表面の2つの撮像画像の座標を、ぞれぞれ、前記表面側撮像部が前記2つのスリット状光光源からの照射線上で撮像したように変換する表面側座標変換部と、
前記表面側座標変換部によって変換された前記被測定物体表面の2つの撮像画像の座標に基づいて、前記被測定物体表面の凹凸形状を演算する凹凸形状演算部と、
前記被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め下方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の裏面に対しスリット状光を照射する裏面側スリット状光光源と、
前記被測定物体を介し前記裏面側スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め下方であって、前記裏面側スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から前記被測定物体の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の裏面上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する裏面側撮像部と、
前記裏面側撮像部が撮像した前記被測定物体裏面の撮像画像の座標を、前記裏面側撮像部が前記裏面側スリット状光光源からの照射線上で撮像したように変換する裏面側座標変換部と、
前記座標変換部によって変換された前記被測定物体表面の撮像画像の座標と、前記被測定物体裏面の撮像画像の座標とに基づいて、前記被測定物体の断面厚み形状を演算する断面厚み形状演算部と、
を備えることを特徴とする形状測定装置。
【請求項8】
被測定物体の搬送方向に対し垂直な平面内であって前記被測定物体の斜め上方に配置され、その平面と平行に前記被測定物体の表面および一方の側面に対しスリット状光を照射する表面・一側面照射スリット状光光源と、
前記被測定物体を介し前記表面・一側面照射スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め下方であって、前記表面・一側面照射スリット状光光源からのスリット状光の照射線上に配置され、前記表面・一側面照射スリット状光光源とは反対側から前記表面・一側面照射スリット状光光源からのスリット状光と連続するように前記被測定物体の裏面および他方の側面に対しスリット状光を照射する裏面・他側面照射スリット状光光源と、
前記被測定物体を介し前記表面・一側面照射スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め上方であって、前記表面・一側面照射スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から前記被測定物体の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の表面および他方の側面上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する表面・他側面撮像部と、
前記被測定物体を介し前記裏面・他側面照射スリット状光光源と反対側となる前記被測定物体の斜め下方であって、前記裏面・他側面照射スリット状光光源からのスリット状光の照射線上から前記被測定物体の搬送方向あるいはそれとは反対方向にずれた位置に配置され、前記被測定物体の裏面および一方の側面上に照射されたスリット状光をその照射方向に対し所定の角度だけ斜め方向から撮像する裏面・一側面撮像部と、
前記表面・他側面撮像部が撮像した前記被測定物体表面および他方の側面の撮像画像の座標を前記表面・他側面撮像部が前記表面・一側面照射スリット状光光源からの照射線上で撮像したように変換する表面・他側面座標変換部と、
前記裏面・一側面撮像部が撮像した前記被測定物体裏面および一方の側面の撮像画像の座標を、前記裏面・一側面撮像部が前記裏面・他側面照射スリット状光光源からの照射線上で撮像したように変換する裏面・一側面座標変換部と、
前記表面・他側面座標変換部によって座標変換された前記被測定物体表面および他方の側面の撮像画像の座標と、前記裏面・一側面座標変換部によって座標変換された前記被測定物体裏面および一方の側面の撮像画像の座標とに基づいて、前記被測定物体の断面厚み形状および断面幅形状を演算する断面厚み・断面幅形状演算部と、
を備えることを特徴とする形状測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−251816(P2012−251816A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123265(P2011−123265)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】