説明

微小電気機械システムにおけるアモルファス屈曲部

微小電気機械システム(100、200、300、400及び500)は、屈曲部(120)を含み、屈曲部(120)はアモルファス材料で作成される。同様に、微小電気機械システム(100、200、300、400及び500)を形成する方法は、基板(110,210)を形成することと、アモルファス屈曲部(120)を形成することとを含み、アモルファス屈曲部(120)は、基板(110,210)に結合されている。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
様々なタイプの微小電気機械システム(MEMS)が知られている。そのような装置は、スイッチ、アクチュエータ、及び光変調器を含むいくつかの機能を実行するが、これらに全く限定されない。空間光変調器(SLM)として働くMEMSは、電気的にアドレス可能、偏向可能なミラー、すなわちリフレクタで構成された画素を含む。SLMは、電気的及び/又は光学的入力に応じて入射光を変調することができる変換器である。SLMは、入射光を位相、強度、分極及び/又は方向で変調することができる。
【0002】
更に、MEMSは、ファブリーペロー光変調器として働くことができる。ファブリーペロー光変調器は、平行なミラーを有する。平行なミラーの一方を変調してミラーの間隙を変化させる。このミラーの間隙によって、装置から出される波長が決まる。
【0003】
一般に、MEMSは、通常、屈曲部やばねなどの弾性変形可能な部材によって基板に結合された偏向可能又は可動な質量部又は表面を有する。弾性変形可能部材は、一般に、反射面やミラーなどの偏向可能又は可動な質量部を中立位置に位置決めする。中立位置は、結合された基板と平行の場合もあり平行でない場合もある。弾性変形可能部材は、何か他の手段による静電引力又は斥力の選択的印加によって偏向が生じるまで、偏向可能又は可動な質量部を中立位置に維持する。SLMの状況では、ミラーや他のリフレクタがわずかに偏向しても、それに入射した光の変調が大きく変化することがある。
【0004】
可動な質量部の動きによって弾性変形可能部材が変形し、そこに位置エネルギーが蓄えられる。蓄えられた位置エネルギーは、静電力が除去された後で、偏向可能又は可動な質量部をその中立位置に戻す傾向がある。弾性変形可能部材は、屈曲モードとして知られる片持ち梁モード、ねじれモード、又はこの両方のモードの組み合わせで変形することが知られている。
【0005】
従来の弾性変形可能部材の偏向の繰り返しによって、クリープとして知られる現象が起こる。クリープは、MEMSの不適切な動作の原因となる弾性変形可能部材の弛緩又は変形である。例えば、弛緩した弾性変形可能部材は、静電力が除去されたときに偏向可能又は可動な質量部をその適切な中立位置に戻すことができず、その結果、意図しない光変調などの時間の経過によるMEMSの性能の変化又は低下が生じることがある。
【発明の開示】
【0006】
微小電気機械システムは屈曲部を有し、屈曲部は、アモルファス材料で作成される。
【0007】
同様に微小電気機械システムを形成する方法は、基板を形成し、アモルファス屈曲部を形成することを含み、このアモルファス屈曲部は基板に結合されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
添付図面は、このシステム及び方法の様々な実施形態を示し、明細書の一部である。図示した実施形態は、このシステム及び方法の単なる例でありその範囲を制限しない。このシステム及び方法の概要並びに他の特徴及び態様は、以下の詳細な説明を読み図面を参照することにより明らかになるであろう。
【0009】
図面全体にわたって、同じ参照番号は、類似しているが必ずしも同一とは限らない要素を指す。
【0010】
本明細書は、MEMS装置内で得られるクリープ経路を短縮するシステム及び方法について述べる。より具体的には、アモルファス屈曲部を有するMEMSを形成することによって、屈曲構造から結晶滑り面と結晶粒境界がなくなり、それによりクリープが生じる2つの有効経路が除去される。以下の明細書と特許請求の範囲は、MEMS装置内にアモルファス屈曲部を形成するためのシステム及び方法の例示的な実施形態を開示する。
【0011】
本明細書及び添付した特許請求の範囲に使用されるとき、「微小電気機械システム」又は「MEMS」という用語は、広義には、通常1つ又は複数の半導体チップ上に構成することができ且つ集積回路(IC)バッチ処理技術を使用して製造することができる任意の極めて小さい(微小)機械装置を指すものとする。MEMSは、広義には、センサ、アクチュエータ、センサとアクチュエータの組み合わせ、光変調器、又は処理又は制御のための付加回路として分類することができる。本明細書及び添付した特許請求の範囲では、MEMSという用語は、前述の分類のいずれかを指すものとする。
【0012】
更に、本明細書及び添付した特許請求の範囲で使用されるとき、「結晶」という用語は、いくつかの結晶滑り面又は結晶粒境界の原因となるいくつかの繰り返し構造パターンで特徴付けられた、金属と合金の従来の構造として理解されるものとする。「結晶滑り面」は、三次元的な原子又は分子の繰り返し配列の間に転位運動が生じる結晶面であり、これはしばしば構造部材のクリープの原因になる。同様に、「結晶粒境界」という用語は、多結晶金属又はセラミック中に異なる結晶学的配向を有する2つの隣接した結晶を分ける界面を指す。
【0013】
更に、「アモルファス」という用語は、本質的に非晶質の原子構造を有する任意の固体材料を指すと理解されたい。アモルファス原子構造を有する材料は、結晶滑り面と結晶粒境界が実質的になく、それにより類似の結晶材料と比べて材料特性が強化される。
【0014】
以下の明細書では、説明のため、MEMS装置内にアモルファス屈曲部を形成するためのシステムと方法を完全に理解できるように多数の特定の詳細を説明する。しかしながら、当業者には、この方法が、そのような特定の詳細なしに実施できることは明らかであろう。本明細書において「一実施形態」又は「ある実施形態」について言及するとき、その実施形態と関連して説明する特定の特徴、構造又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれるものとする。明細書の様々な場所に現れる「一実施形態」という句は、必ずしも全て同じ実施形態を指すとは限らない。
【0015】
次に図面を参照すると、図1〜図5は、従来クリープによる影響を受けてきた1つ又は複数の屈曲部の使用を含むいくつかのMEMS構造を示す。従って、このシステム及び方法は、図1〜図5に示したMEMS構造に組み込むことができる。図と以下の詳細な説明は、光変調MEMSについて述べているが、このシステム及び方法は、クリープが生じやすい任意のMEMS構成に組み込むことができる。
【0016】
図1は、1つの例示的な実施形態による蛇行屈曲MEMS(100)を示す平面図である。図1に示したように、例示的な蛇行屈曲MEMS(100)は、蛇行形状で作成された複数のアモルファス屈曲部(120)の第1の端に結合された基板(110)を有する。アモルファス屈曲部(120)はそれぞれ第2の端で、ステッピングモータプラットホーム(130)に結合されている。図1に示した例示的な実施形態によれば、ステッピングモータプラットホーム(130)は、アモルファス屈曲部(120)によって基板(110)の上に懸架されている。更に、図1に示したアモルファス屈曲部(120)は、ステッピングモータプラットホーム(130)の制御された平面内運動を可能にする。換言すると、図1に示したアモルファス屈曲部(120)は、ステッピングモータプラットホーム(130)を、基板(110)と平行な面に沿って選択的に並進させることができる。1つ又は複数のアモルファス屈曲部(120)にクリープが生じると、ステッパモータプラットホーム(130)の平面外運動が起こる場合がある。更に、1つ又は複数のアモルファス屈曲部(120)におけるクリープは、ステッピングモータプラットホーム(130)が平面内の元の位置に戻るのを妨げることがある。
【0017】
図1に示した平面内運動するMEMSと対照的に、図2は、1つの例示的な実施形態による平面外運動を提供する単純なポスト屈曲MEMS(200)を含む空間光変調器(SLM)の構成要素を示す側面図である。図2に示した例示的な実施形態に示したように、ポスト屈曲MEMS(200)は、アモルファス屈曲部(120)の第1の端(122)が垂直方向に結合された基板(210)を含む。更に、アモルファス屈曲部(120)の第2の端(124)は、後で光変調器(230)に結合され、それにより最初に光変調器(230)は基板(210)に対して平行に位置決めされる。1つの例示的な実施形態によれば、いくつかの制御電極(図示せず)は、アモルファス屈曲部(120)のまわりの光変調器(230)を平面外運動させる静電力を生成し、それによりアモルファス屈曲部が変形しそこにエネルギーが蓄積される。静電力が除去されたとき、アモルファス屈曲部(120)に蓄えられたエネルギーは、光変調器(230)を基板(210)と平行なその中立位置に戻す。アモルファス屈曲部(120)にクリープが生じると、光変調器(230)の適切な位置決めが妨げられることによって、図2に示した空間光変調器(SLM)の不適切な動作又は障害が生じることがある。
【0018】
図3は、1つの例示的な実施形態によるねじれ屈曲MEMS(300)を含むSLMを示す上面図である。図2と同じように、図3に示したねじれ屈曲MEMS(300)は、光変調器(230)の両側で複数のアモルファス屈曲部(120)に結合された光変調器(230)を含む。光変調器は、各アモルファス屈曲部(120)の第2の端(124)に結合されている。各アモルファス屈曲部(120)の第1の端(122)は、アンカーポスト(310)に結合されている。図3に示した例示的な構成では、いくつかの制御電極(図示せず)によって静電力が生成されたとき、アモルファス屈曲部(120)のねじれ屈曲部によって光変調器(230)を平面から選択的に傾けることができる。光変調器(230)のこの平面外の傾きは、アモルファス屈曲部(120)が光変調器(230)に繋がっている部分のまわりに生じる。従って、光変調器(230)の傾きを制御可能に変化させて、光変調器に入射する光を変調することができる。光変調は本質的に敏感なので、クリープはSLMの適切な働きにとって特に有害になる。クリープがSLMの屈曲部(120)に生じると、画素の画像の位置がずれる場合がある。
【0019】
図4Aと図4Bはそれぞれ、ファブリーペロー光変調器として働くことができるピンホイール屈曲MEMS(400)を含むSLMの上面図と部分切除側面図を示す。図4Bに示したように、ファブリーペロー光変調器として機能するピンホイール屈曲MEMS(400)は、基板(210)に結合された反射率のより高い固定ミラー(410)を有する反射装置である。低反射率の光変調器(230)は、基板(210)から突き出ている複数のアンカーポスト(310)によって固定ミラー(410)の近くに懸架されている。更に、複数のアモルファス屈曲部(120)は、図4Aに示したようなピンホイール構成で、低反射率光変調器(230)をアンカーポスト(310)に結合する。
【0020】
動作の際、図4Cに示したように、光変調器(230)に入射した光線(450)は、前の光変調器で部分反射し、その後で後ろの固定ミラー(410)で反射される。光線(450)は、その後、キャビティ(420)内ではね返る。キャビティ(420)内での各々の往復によって、低反射率の上側の光変調器を少し透過することになる。いくつかの制御電極(図示せず)によって光変調器(230)の静電偏向を実行して、キャビティ(420)寸法を選択的に変化させることができる。キャビティ(420)のこの選択的な変化は、また、キャビティから出ることができる波長を変化させ、その結果、反射した光線(450)の一部が選択的に打ち消される。キャビティ(420)寸法の高度な制御が必要なので、ピンホイール屈曲MEMS(400)のアモルファス屈曲部(120)内のクリープは、表示画像の色を不適当にずらすことによって、ファブリーペロー光変調器の適切又は全体的な機能を妨げることがある。
【0021】
図5は、1つの例示的な実施形態による片持ち屈曲MEMS(500)を含む振動片センサを示す側面図である。図5に示したように、試験質量部(530)が、続いて基板(210)に結合されている片持ちアモルファス屈曲部(120)に結合される。試験質量部(530)は、加速度測定装置などの測定装置又は機械で使用され、量を測定するための基準質量として働く所定のテスト質量である。前に示した例示的な実施形態と同じように、アモルファス屈曲部(120)にクリープが生じると、試験質量部(530)の適切な位置決めが妨げられる。
【0022】
前述のように、図1から図5に示したMEMS構造は、アモルファス屈曲部(120)を有する。従来の屈曲部の代わりにアモルファス屈曲部(120)を使用することにより、屈曲部内にクリープが生じる可能性が減少し、それにより、屈曲部の中立位置がずれる可能性が減少し、光変調器の性能が維持される。
【0023】
応力で生じる空孔拡散、転移運動、粒界拡散、及び粒界滑りを含む、クリープ現象の原因となるいくつかのメカニズムが明らかになっている。アモルファス材料の屈曲部を形成すると、クリープ現象の原因となる結晶構造がなくなり、それにより前述のクリープ現象によって伝わる屈曲部クリープが最小になる。
【0024】
図6は、MEMS屈曲部がアモルファス材料からなる、MEMSを形成するための例示的な方法を示す。図6は、1つの例示的な方法を示しているが、ステップは、単なる例示であり、MEMSの実際の製造において、ステップのいくつかは、当該技術分野で知られているように重複してもよく、組み合わされてもよく、順番が変更されてもよい。図6に示した例示的な実施形態によれば、方法は、最初に、電極を含む下にある基板を形成する(ステップ600)。基板を形成した後で、基板上にアンカーポストや他の支持体を形成することができる(ステップ610)。次に、アモルファス屈曲部を形成し(ステップ620)、その後で任意の光変調器及び/又はモータプラットホームを形成することができる(ステップ630)。形成した後で、不必要な材料を除去して(ステップ640)、所望のMEMS構造の形成を完了することができる。前述の方法の更なる詳細は、後で説明する。
【0025】
図6に示したように、例示的な方法は、最初に、電極を含む基板を形成する(ステップ600)。基板と電極の形成は、シリコン基板上に熱酸化物層を成長させ且つ/又は熱酸化物層上にアルミニウム合金又はアルミニウム銅合金(Al−Cu)をスパッタ堆積させ、その後でパターン及びプラズマエッチングして電極を画定する工程を含むが、これらの限定されない既知の形成方法のいずれかに従って実行することができる。
【0026】
次に、図6に示した例示的な実施形態により、アンカーポスト及び/又は支持体が形成される(ステップ610)。1つの例示的な実施形態によれば、アンカーポスト及び/又は支持体は、アルミニウム合金又はアルミニウム銅合金(Al−Cu)のスパッタリングを含むがこれらに限定されない、当該技術分野で現在既知の任意の数の付着方法を使用して形成することができる。更に、ポスト及び/又は支持体の形成を、フォトレジスト及び/又は任意の数の犠牲支持材料の使用によって支援することができる。
【0027】
アンカーポスト及び/又は支持体を形成した後で、アモルファス屈曲部を形成してもよい(ステップ620)。第1の例示的な実施形態によれば、アモルファス屈曲部は、1%と99%との間の原子百分率のアルミニウムを含むタンタルアルミニウム(TaAl)合金のスパッタ堆積によって形成される。1つの例示的な実施形態によれば、タンタルアルミニウム(TaAl)合金は、35%と65%との間の原子百分率のタンタルを含む。アモルファス状態は、X線又は電子ビーム回折で識別できない構造を有する急冷した液相と似た材料の混合物である。
【0028】
代替として、アモルファス屈曲部は、いくつかのアモルファス金属合金又は金属ガラス合金と付着方法とによって形成することができる。アモルファス屈曲部を形成するために使用できる現在知られている付着方法には、同時スパッタリング、反応性スパッタリング、反応性同時スパッタリング、蒸着、パルスレーザ蒸着、イオンビーム法、電子ビーム法、化学蒸着法(CVD)、プラズマ加速化学蒸着法(PECVD)、及び原子層堆積(ALD)などの物理蒸着法(PVD)があるがこれらに限定されない。更に、アモルファス屈曲部を形成するために使用できるアモルファス薄膜には、ジルコニウムバナジウム鉄合金(ZrVFe)、ジルコニウムバナジウムチタン合金(ZrVTi)、コバルト金合金(CoAu)、又は金シリコン合金(AuSi)、並びにLiquidmetal Technologiesによって製造されているLIQUIDMETAL[登録商標]として商業的に知られているバルク凝固アモルファス合金などがあるがこれらに限定されない。
【0029】
更に、図6に示した例示的な方法に従って形成されるアモルファス屈曲部は、複数の結晶膜を単一又は複数層のスタックで付着させ、このスタックを焼きなまししてアモルファス材料を形成することよって形成されてもよい。アモルファス材料は、ニッケルジルコニウム(NiZr)系とシリコンチタン(Si−Ti)系の場合のように、固相反応によって結晶膜から形成されてもよい。
【0030】
アモルファス屈曲部を形成した(ステップ620)後で、その上に、光変調器、試験質量部、モータプラットホーム、又はアモルファス屈曲部と相互作用するように構成された別の所望の構成要素を形成することができる(ステップ630)。
【0031】
所望の構成要素をすべて形成した後で、図6に示した例示的な方法は、引き続き不必要な材料を除去する(ステップ640)。形成工程全体にわたって、いくつかの離型剤、防腐剤、スペーサ及び/又は保護層を使用することができる。これらの材料は、得られた構造から、化学溶解、エッチング、熱除去などを含むがこれらに限定されない任意の数の既知の方法を使用して除去することができる。
【0032】
結論として、このシステム及び方法は、MEMS装置内にできるクリープ経路を減少させる。より具体的には、アモルファス屈曲部を有するMEMSを形成することによって、屈曲構造から結晶滑り面と結晶粒境界が除去され、それによりクリープが生じるための2つの有効経路が除去される。このようにMEMS屈曲部に影響を及ぼすクリープが生じる可能性が少なくなるので、多くのMEMS応用例の信頼性と精度が改善される。
【0033】
以上の説明は、単にこのシステムと方法の例示的な実施形態を示し説明するために示された。これは、網羅的でもなく、システム及び方法を開示した厳密な形態に制限するものでもない。以上の教示を鑑みて多くの修正及び変形が可能である。システム及び方法の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】1つの例示的な実施形態による蛇行屈曲MEMSを示す平面図である。
【図2】1つの例示的な実施形態による単純なポスト屈曲MEMSを含むSLMの構成要素を示す側面図である。
【図3】1つの例示的な実施形態によるねじれ屈曲MEMSを含むSLMを示す平面図である。
【図4A】1つの例示的な実施形態によるピンホイール屈曲MEMSを含むSLMの図である。
【図4B】1つの例示的な実施形態によるピンホイール屈曲MEMSを含むSLMの図である。
【図4C】1つの例示的な実施形態によるピンホイール屈曲MEMSを含むSLMの図である。
【図5】1つの例示的な実施形態による片持ち屈曲MEMSを含む振動片センサを示す側面図である。
【図6】1つの例示的な実施形態によるアモルファス屈曲部材を形成する方法を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈曲部(120)を備え、
前記屈曲部(120)がアモルファス材料で作成されることを特徴とする微小電気機械システム(100,200,300,400,500)。
【請求項2】
光変調器(230)をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の微小電気機械システム(100,200,300,400,500)。
【請求項3】
前記光変調器(230)はファブリーペロー光変調器から成ることを特徴とする請求項2に記載の微小電気機械システム(100,200,300,400,500)。
【請求項4】
前記アモルファス材料は、アモルファス金属、アモルファス金属合金、又は複数のアモルファス金属合金層のうちの1つから成ることを特徴とする請求項1に記載の微小電気機械システム(100,200,300,400,500)。
【請求項5】
前記アモルファス材料は、タンタルアルミニウム合金(TaAl)を含むことを特徴とする請求項1に記載の微小電気機械システム(100,200,300,400,500)。
【請求項6】
前記タンタルアルミニウム合金は、1と99との間の原子百分率のアルミニウムを含むことを特徴とする請求項5に記載の微小電気機械システム(100,200,300,400,500)。
【請求項7】
前記タンタルアルミニウム合金は、35と65との間の原子百分率のタンタルを含むことを特徴とする請求項5に記載の微小電気機械システム(100,200,300,400,500)。
【請求項8】
前記アモルファス材料には結晶滑り面と結晶粒境界とが実質的にないことを特徴とする請求項1に記載の微小電気機械システム(100,200,300,400,500)。
【請求項9】
前記屈曲部(120)は、アモルファス薄膜をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の微小電気機械システム(100,200,300,400,500)。
【請求項10】
前記アモルファス薄膜は、ジルコニウムバナジウム鉄合金(ZrVFe)、ジルコニウムバナジウムチタン合金(ZrVTi)、コバルト金合金(CoAu)、又は金シリコン合金(AuSi)のうちの1つを含むことを特徴とする請求項9に記載の微小電気機械システム(100,200,300,400,500)。
【請求項11】
前記アモルファス薄膜は、バルク凝固アモルファス合金を含むことを特徴とする請求項9に記載の微小電気機械システム(100,200,300,400,500)。
【請求項12】
前記アモルファス材料は、予め焼きなましされた結晶膜を含むことを特徴とする請求項1に記載の微小電気機械システム(100,200,300,400,500)。
【請求項13】
前記屈曲部(120)は、蛇行屈曲部、ポスト屈曲部、ねじれ屈曲部、又はピンホイール屈曲部のうちの1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の微小電気機械システム(100,200,300,400,500)。
【請求項14】
前記屈曲部(120)は、光変調器(230)に結合されていることを特徴とする請求項1に記載の微小電気機械システム(100,200,300,400,500)。
【請求項15】
前記屈曲部(120)は、突出支持体にさらに結合されることを特徴とする請求項14に記載の微小電気機械システム(100,200,300,400,500)。
【請求項16】
基板(110,210)と、
前記基板(110,210)に結合された屈曲部(120)と、
前記屈曲部(120)に結合された光変調器(230)とを含み、
前記屈曲部(120)は、結晶滑り面と結晶粒境界とが実質的にないアモルファス材料であることを特徴とする微小電気機械システム(100,200,300,400,500)。
【請求項17】
前記アモルファス材料は、アモルファス金属、アモルファス金属合金、複数のアモルファス金属合金層、又は複数のアモルファス金属層のうちの1つから成ることを特徴とする請求項16に記載の微小電気機械システム(100,200,300,400,500)。
【請求項18】
アモルファス材料から成る屈曲部(120)であって、
前記屈曲部(120)が、微小電気機械システム(100,200,300,400,500)と関連付けられるように構成されることを特徴とする屈曲部(120)。
【請求項19】
基板(110,210)を形成することと、
アモルファス屈曲部(120)を形成することであって、前記アモルファス屈曲部(120)が前記基板(110,210)に結合されている、アモルファス屈曲部(120)を形成することとを含むことを特徴とする微小電気機械システム(100,200,300,400,500)を形成する方法。
【請求項20】
前記アモルファス屈曲部(120)を形成することが、
前記基板(110,210)上に複数の結晶膜を付着することと、
前記結晶膜を焼きなましして、前記結晶膜内に固相反応を引き起こすこととを含み、
前記固相反応によって前記結晶膜がアモルファス構造になることを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−516282(P2008−516282A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535684(P2007−535684)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/030778
【国際公開番号】WO2006/041585
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】