説明

心房細動の治療のための方法および装置

電気生理学的マッピングおよび可視化のシステムが本明細書に記載されており、そのような装置は、組織領域の可視化および組織の電気生理学的活動のマップに使用され得る。そのようなシステムは、展開カテーテルおよび拡張構成に展開可能な付属フードを含み得る。使用時に、撮像フードは、通常は血液等の不透明な体液で満たされる体内ルーメンにおいて撮像される組織の領域に接して、または隣接して配置される。生理食塩水等の半透明または透明の流体が任意の血液を置換するまで、その流体を撮像フード内に注入することができ、それによって、組織のクリアな領域を、展開カテーテル内の撮像要素を介して撮像される状態にする。カテーテルおよび/またはフードの位置を追跡することができ、フードを使用して、マップするための可視化組織の電気生理学的活動を検出することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の引用
本出願は、米国仮特許出願第60/824,421号(2006年9月1日出願)の優先権の利益を主張し、米国特許出願第11/259,498号(2005年10月25日出願)の一部継続出願であり、該米国特許出願は、米国仮特許出願第60/649,246号(2005年2月2日出願)の優先権の利益を主張する。これらの出願の各々は、参照により全体の内容が援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、概して、体内の組織の領域へのアクセス、可視化および/または治療するために使用される医療機器に関する。より具体的には、本発明は、体腔内の組織領域を直接的に可視化および/またはマニピュレートする一方でまた、可視化された組織領域の任意の電気生理的活性を検出するために用いられる、制御およびナビゲート用のデバイスのためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
身体管腔の内部領域を可視化するための従来の装置が知られている。例えば、超音波装置は、生体内から画像を生成するために使用されている。超音波は、典型的に超音波由来画像を高める造影剤の有無の両方によって使用されている。
【0004】
その他の従来の方法は、心室の内部等の身体管腔内に留置される位置センサを有するカテーテルまたはプローブを利用してきた。これらの種類の位置センサは典型的に、心臓組織表面の動き、または心臓組織内の電気的活動を判定するために使用される。十分な数の点がセンサによって標本抽出されると、心臓組織の「地図」が生成されてもよい。
【0005】
別の従来の装置は、典型的に空気が抜けた状態で経脈管的に導入され、次いで検査される組織領域に対して膨張される、膨張性バルーンを利用する。撮像は、典型的には、光ファイバ、または膨張したバルーンの膜を通して組織を観察するための電子チップ等の、その他の装置によって達成される。さらに、バルーンは概して、撮像するために膨張されなければならない。その他の従来のバルーンは、膨張したバルーンの遠位端で形成される空洞またはくぼみを利用する。この空洞またはくぼみは、検査される組織に押し付けられ、清澄液で洗浄されて、血液を通る障害物のない経路を提供する。
【0006】
しかしながら、そのような撮像バルーンには、多くの固有の不利点がある。例えば、そのようなバルーンは概して、バルーンが比較的大きなサイズに膨張されることを必要とし、それは望ましくないことに、周辺組織を置換し、組織に対する撮像システムの微細な位置決めを妨げる場合がある。さらに、そのような膨張性バルーンによって作成される作業領域は、概して窮屈でサイズが制限されている。その上、膨張したバルーンは、周辺流体の圧力変化の影響を受けやすい場合がある。例えば、膨張したバルーンを取り囲む環境が圧力変化を受けた場合、例えば、鼓動している心臓の収縮および拡張圧力周期中に、定圧変化は、膨張したバルーンの体積およびその位置決めに影響して、最適な組織撮像にとって不安定な、または望ましくない状態を引き起こす場合がある。
【0007】
したがって、これらの種類の画像診断法は概して、一部分においては心臓の自然な動きによって生成される動態作用等の因子により、管腔内構造の十分な診断および治療に有用な望ましい画像を提供することができない。さらに、体内の解剖学的構造は、画像収集プロセスを閉塞または妨害する可能性がある。また、血液等の不透明な体液の存在または動きは概して、心臓内の組織領域の生体撮像を困難にする。
【0008】
その他の外部画像診断法もまた、従来では利用される。例えば、コンピュータ断層撮影法(CT)および磁気共鳴映像法(MRI)は、心臓の内部室等の身体管腔の画像を取得するために広く使用されている、典型的な様式である。しかしながら、そのような画像診断法は、術中治療手技のためのリアルタイム撮像を提供することができない。例えば、心臓内の解剖学的目印および身体のその他の領域を特定するために、蛍光透視撮影法が広く使用されている。しかしながら、蛍光透視法は、組織の質または表面の正確な画像を提供することができず、また、可視化組織領域上で組織操作またはその他の治療手技を行うための器具類を提供することができない。また、蛍光透視法は、組織の管腔内表面を見て病状を診断するか、またはそれに何らかの形の治療を行うことが望ましいかもしれない時に、プレートまたはセンサ上に介入組織の影を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
よって、血液等の不透明な媒体を通して、心臓等の身体管腔内の組織領域のリアルタイム生体画像を提供することが可能であり、また可視化組織の治療手技のための器具を提供する、組織撮像システムが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の概要
血液等の管腔内に含有される媒体によって、不可能ではないとしても、周辺組織の可視化が困難となる、心臓等の身体管腔内の手技に利用してもよい、組織撮像および操作装置を下記で説明する。概して、そのような組織撮像および操作装置は、撮像される組織に対するか、または隣接する配置のために、内部を通して留置カテーテルおよび撮像フードが前進させられてもよい、オプションの送達カテーテルまたは鞘を備える。
【0011】
留置カテーテルは、内部を通る流体送達管腔、ならびに、組織を撮像するためにその内側に光撮像ファイバまたはアセンブリを配置してもよい、撮像管腔を画定してもよい。開口領域または区域が撮像フードによって画定されるならば、留置されると、撮像フードは、任意の数の形状、例えば、円筒形、図示されるような円錐形、半球形等に拡張してもよい。開口領域は、その内側で関心の組織領域を撮像してもよい領域である。撮像フードはまた、配置のための非外傷性接触唇または縁、または関心の組織領域に対する隣接部を画定してもよい。さらに、留置カテーテルまたは別個の操作可能カテーテルの遠位端は、プッシュプルワイヤ等の様々な制御機構を通して手動で、またはコンピュータ制御を介して、関節運動されてもよい。
【0012】
留置カテーテルはまた、様々な方法を通して、組織表面に対して安定させてもよい。例えば、カテーテルの長さに沿って位置付けられる膨張性安定化バルーンを使用してもよく、または、組織係合固着器を、下層組織の一時的係合のために、留置カテーテルを通して、またはそれに沿って通過させてもよい。
【0013】
操作中、撮像フードが留置された後、流体が開口領域を完全に満たし、開口領域内から血液を置換するまで、流体送達管腔を通して、陽圧で流体をポンプで注入してもよい。流体は、任意の生体適合性流体、例えば、生理食塩水、水、プラズマ、FluorinertTM等を備えてもよく、それは、十分に透明であり、流体を通した比較的歪曲のない可視化を可能にする。流体は、連続的または断続的にポンプで注入され、アセンブリと連通していてもよいオプションのプロセッサによる画像キャプチャを可能にしてもよい。
【0014】
血液を含有する心室内の組織表面を撮像するための模範的な変化型において、組織撮像および治療システムは、概して、それを通って画定される管腔を有するカテーテル本体と、カテーテル本体に隣接して配置される可視化要素であって、視野を有する可視化要素と、管腔と流体連通している透明流体源と、可視化要素と視野との間で、管腔から流れる透明な流体によって血液の置換を限局するように、カテーテル本体から延長可能な障壁または膜と、視野内の組織表面の中へ貫通するために、置換した血液を通って平行移動可能な貫通器具とを備えてもよい。
【0015】
撮像フードは、任意の数の構造に形成してもよく、撮像アセンブリもまた、留置カテーテルを通して留置されてもよい、任意の数の治療ツールにより利用してもよい。
【0016】
ある変化型において、さらに具体的には、組織可視化システムは、撮像フードを含む部品を備えてもよく、その場合、フードはさらに、主開口およびフードの遠位端を覆って配置される付加的なオプションの開口部を有する膜を含んでもよい。その上に撮像フードが配置される導入鞘または留置カテーテルはさらに、互いに枢動可能に接続され、かつ単一平面または複数平面内で関節運動されてもよい、複数の隣接するリンクでできた操縦可能区分を備えてもよい。留置カテーテル自体は、編組ステンレス鋼繊維で補強されて構造支持を提供する、4管腔カテーテル押出等の複数管腔押出から成ってもよい。カテーテルの近位端は、システムの操作および連接のためのハンドルに連結してもよい。
【0017】
本明細書中に記載される装置および方法は、米国特許出願第2006/0184048 A1号(該出願は、その全体が参照により本明細書に援用される)のような組織可視化カテーテルと共に道いられるシステムである。本明細書中に記載されるシステムはまた、心室の電気生理的マッピングを提供するように適合可能である。追加的および/または代替的に、フードアセンブリは、その他の能力もまた同様に提供するように様々に構成され得る。例えば、フードは、患者の身体に加えられている磁場と相互作用し、患者の身体内のフードの位置および/または向きに関する情報を提供し、かつ、可視化された組織の電気生理的マッピングを検出するように、構成され得る。このようにして、下部組織領域の可視化および可視化された組織の電気生理的活性の測定が達成され得る。
【0018】
多数のセンサコイルが、フードの上または留置カテーテルおよび/または鞘の様々なセクションに沿って配置され得る。加えて、検出された電気生理的活性の様々な実装およびマップが、可視化された画像との組み合わせで利用され得、組織の直接的な可視化とフードの位置および/または向きに関する組織内の対応する電気活性とを、ユーザに提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】鞘または送達カテーテルからの留置中の、組織画像装置の1つの変化型の側面図を示す。
【図1B】撮像および/または診断カテーテルに取着された、任意で拡張可能なフードまたは鞘を有する、図1Aの留置された組織撮像装置を示す。
【図1C】留置された画像装置の端面図を示す。
【図1D】例えば、内部を通るガイドワイヤの通過のための追加管腔がある、図1Aから1Cの装置を示す。
【図1E】例えば、内部を通るガイドワイヤの通過のための追加管腔がある、図1Aから1Cの装置を示す。
【図1F】例えば、内部を通るガイドワイヤの通過のための追加管腔がある、図1Aから1Cの装置を示す。
【図2A】撮像される組織に対して、または隣接して位置付けられた、留置された組織撮像装置の一例と、拡張可能フード内から血液を置換する、生理食塩水等の流体の流れを示す。
【図2B】撮像される組織に対して、または隣接して位置付けられた、留置された組織撮像装置の一例と、拡張可能フード内から血液を置換する、生理食塩水等の流体の流れを示す。
【図3A】プッシュプルワイヤを介して、またはコンピュータ制御によって操作されてもよい、関節運動可能撮像アセンブリを示す。
【図3B】関節運動可能送達カテーテルが撮像フード内で操縦されてもよく、または、留置カテーテル自体の遠位部が操縦されてもよい、操縦可能器具をそれぞれ示す。
【図3C】関節運動可能送達カテーテルが撮像フード内で操縦されてもよく、または、留置カテーテル自体の遠位部が操縦されてもよい、操縦可能器具をそれぞれ示す。
【図4A】軸外撮像能力を有する別の変化型の側面図および横断端面図をそれぞれ示す。
【図4B】軸外撮像能力を有する別の変化型の側面図および横断端面図をそれぞれ示す。
【図4C】軸外撮像能力を有する別の変化型の側面図および横断端面図をそれぞれ示す。
【図5】心房内の組織領域を撮像するために心臓内に経脈管的に前進させられる、組織撮像装置の例の例示的な図を示す。
【図6A】手技中に装置を安定させるための1つ以上のオプションの膨張性バルーンまたは固着器を有する、留置カテーテルを図示する。
【図6B】手技中に装置を安定させるための1つ以上のオプションの膨張性バルーンまたは固着器を有する、留置カテーテルを図示する。
【図6C】手技中に装置を安定させるための1つ以上のオプションの膨張性バルーンまたは固着器を有する、留置カテーテルを図示する。
【図7A】組織表面に対して撮像フードを一時的に安定させるための、らせん状組織貫通装置等の固着機構の変化型を図示する。
【図7B】組織表面に対して撮像フードを一時的に安定させるための、らせん状組織貫通装置等の固着機構の変化型を図示する。
【図7C】撮像フードと一体化した1つ以上の管状支持部材を有する、撮像フードを固着するステップの別の変化型を示し、各支持部材は、内側にらせん状組織固着器を前進させるための、内部を通る管腔を画定してもよい。
【図8A】画像装置とともに組織撮像装置を使用してもよい方法の1つの変化型の例示的な例を示す。
【図8B】流体送達および組織操作システムの手持ち式の変化型のさらなる図解を示す。
【図9A】複数の領域で組織のいくつかの画像を撮影する例を図示する。
【図9B】複数の領域で組織のいくつかの画像を撮影する例を図示する。
【図9C】複数の領域で組織のいくつかの画像を撮影する例を図示する。
【図10A】撮像フード内の流圧を周辺血圧に協調させることができる方法を図示するチャートを示し、撮像フード内の流圧は、血圧に協調させてもよく、または、血液からの圧力フィードバックに基づいて調節されてもよい。
【図10B】撮像フード内の流圧を周辺血圧に協調させることができる方法を図示するチャートを示し、撮像フード内の流圧は、血圧に協調させてもよく、または、血液からの圧力フィードバックに基づいて調節されてもよい。
【図11A】拡張可能フード内に撮像バルーンを有する組織撮像装置の別の変化型の側面図を示す。
【図11B】半透明または透明撮像バルーンを利用する組織撮像装置の別の変化型を示す。
【図12A】柔軟な拡張可能または伸張性膜が撮像フード内に組み込まれ、分注される流体の量を変えてもよい、別の変化型を示す。
【図12B】撮像フードがカテーテルから部分的または選択的に留置され、可視化されている組織の領域ならびに分注した流体の量を変えてもよい、別の変化型を示す。
【図12C】撮像フードがカテーテルから部分的または選択的に留置され、可視化されている組織の領域ならびに分注した流体の量を変えてもよい、別の変化型を示す。
【図13A】治療されている身体の中への流体入力を最小限化するために、注入した流体が装置の中に引き戻されてもよい、別の変化型の模範的な側面図および断面図をそれぞれ示す。
【図13B】治療されている身体の中への流体入力を最小限化するために、注入した流体が装置の中に引き戻されてもよい、別の変化型の模範的な側面図および断面図をそれぞれ示す。
【図14A】送達および/または留置のために撮像フードを薄型に構成するための様々な構造および方法を示す。
【図14B】送達および/または留置のために撮像フードを薄型に構成するための様々な構造および方法を示す。
【図14C】送達および/または留置のために撮像フードを薄型に構成するための様々な構造および方法を示す。
【図14D】送達および/または留置のために撮像フードを薄型に構成するための様々な構造および方法を示す。
【図15A】らせん状に拡張するフレームまたは支持体を有する撮像フードを示す。
【図15B】らせん状に拡張するフレームまたは支持体を有する撮像フードを示す。
【図16A】フード膜と一体化した、その近位端で留置カテーテルに枢動可能に取着されている、1つ以上のフード支持部材を有する別の撮像フードを示す。
【図16B】フード膜と一体化した、その近位端で留置カテーテルに枢動可能に取着されている、1つ以上のフード支持部材を有する別の撮像フードを示す。
【図17A】撮像フード膜を支持する、少なくとも2つ以上の縦方向に位置付けられた支持部材を有する撮像フードのさらに別の変化型を示し、支持部材は、トルク、またはけん引力、または押す力を介して、互いに対して移動可能である。
【図17B】撮像フード膜を支持する、少なくとも2つ以上の縦方向に位置付けられた支持部材を有する撮像フードのさらに別の変化型を示し、支持部材は、トルク、またはけん引力、または押す力を介して、互いに対して移動可能である。
【図18A】留置カテーテルの遠位部には、その薄型構造において管状形状を形成する、いくつかの枢動部材があってもよい、別の変化型を示す。
【図18B】留置カテーテルの遠位部には、その薄型構造において管状形状を形成する、いくつかの枢動部材があってもよい、別の変化型を示す。
【図19A】留置カテーテルの遠位部が、柔軟性金属または高分子材料から作られ、放射状拡張式フードを形成してもよい、別の変化型を示す。
【図19B】留置カテーテルの遠位部が、柔軟性金属または高分子材料から作られ、放射状拡張式フードを形成してもよい、別の変化型を示す。
【図20A】撮像フードが、重複パターンで互いの上にある複数の重複フード部材から形成されてもよい、別の変化型を示す。
【図20B】撮像フードが、重複パターンで互いの上にある複数の重複フード部材から形成されてもよい、別の変化型を示す。
【図21A】地形が様々である組織の生体構造に対して高度に適合する拡張可能フードの別の例を示す。
【図21B】地形が様々である組織の生体構造に対して高度に適合する拡張可能フードの別の例を示す。
【図22A】組織接触を感知するか、または不整脈を検出するためにフードの接触縁または唇の周囲に配置される、多数のオプション電極を有する、拡張可能フードのさらに別の例を示す。
【図22B】膨張性接触縁が撮像フードの外周の周囲に配置されてもよい、下層組織に対して撮像フードを適合させるステップの別の変化型を示す。
【図23】再び撮像フードの中に染み出す血液の存在を検出するための振動子を搭載してもよい、システムの変化型を示す。
【図24A】様々な物理的パラメータを検出するためのセンサを搭載した撮像フードの変化型を示し、センサは、撮像フードの外面の周辺、また撮像フード内にも搭載してもよい。
【図24B】様々な物理的パラメータを検出するためのセンサを搭載した撮像フードの変化型を示し、センサは、撮像フードの外面の周辺、また撮像フード内にも搭載してもよい。
【図25A】撮像フードに、可視化される組織の照明を提供するためのフード自体にわたった1つ以上のLEDがあってもよい、変化型を示す。
【図25B】撮像フードに、可視化される組織の照明を提供するためのフード自体にわたった1つ以上のLEDがあってもよい、変化型を示す。
【図26A】その上に取り付けられた1つ以上のLEDを有する別個の照明ツールを撮像フード内で使用してもよい、別の変化型を示す。
【図26B】その上に取り付けられた1つ以上のLEDを有する別個の照明ツールを撮像フード内で使用してもよい、別の変化型を示す。
【図27】関心の組織領域を治療するために、組織撮像装置を通して治療ツールを前進させてもよい方法の一例を示す。
【図28】関心の組織領域を治療するためのらせん状治療ツールの別の例を示す。
【図29】治療ツールを拡張可能撮像バルーンとともに利用してもよい方法の変化型を示す。
【図30A】利用してもよい治療器具の代替的構造を示し、1つの変化型は、角を成す器具アームを有して示され、別の変化型は、軸外器具アームを伴って示される。
【図30B】利用してもよい治療器具の代替的構造を示し、1つの変化型は、角を成す器具アームを有して示され、別の変化型は、軸外器具アームを伴って示される。
【図31A】アブレーションプローブとともに利用してもよい、撮像システムの側面図および端面図をそれぞれ示す。
【図31B】アブレーションプローブとともに利用してもよい、撮像システムの側面図および端面図をそれぞれ示す。
【図31C】アブレーションプローブとともに利用してもよい、撮像システムの側面図および端面図をそれぞれ示す。
【図32A】下層組織の温度を調節するために撮像フードが封鎖されてもよい、アブレーションプローブを伴う撮像フードの別の変化型の側面図および端面図をそれぞれ示す。
【図32B】下層組織の温度を調節するために撮像フードが封鎖されてもよい、アブレーションプローブを伴う撮像フードの別の変化型の側面図および端面図をそれぞれ示す。
【図33A】撮像流体自体が温度を変えられて、下層組織上の様々な手技を促進してもよい、例を示す。
【図33B】撮像流体自体が温度を変えられて、下層組織上の様々な手技を促進してもよい、例を示す。
【図34A】撮像システムとともに利用してもよいレーザリング発生器の例、および心房細動を治療するために心臓の左心房内にレーザリング発生器を適用する例を示す。
【図34B】撮像システムとともに利用してもよいレーザリング発生器の例、および心房細動を治療するために心臓の左心房内にレーザリング発生器を適用する例を示す。
【図35A】送達中に留置カテーテル内に位置付けられ、次いで撮像フードを通って、任意でそれを越えて、遠位に突出されてもよい、細長い管状部材を概して備える、延長可能カニューレの例を示す。
【図35B】送達中に留置カテーテル内に位置付けられ、次いで撮像フードを通って、任意でそれを越えて、遠位に突出されてもよい、細長い管状部材を概して備える、延長可能カニューレの例を示す。
【図35C】送達中に留置カテーテル内に位置付けられ、次いで撮像フードを通って、任意でそれを越えて、遠位に突出されてもよい、細長い管状部材を概して備える、延長可能カニューレの例を示す。
【図36A】下層組織上の治療のために、内部を通して器具またはツールを通過させるための、フードと一体化した1つ以上の管状支持部材を有する、撮像フードの側面図および端面図をそれぞれ示す。
【図36B】下層組織上の治療のために、内部を通して器具またはツールを通過させるための、フードと一体化した1つ以上の管状支持部材を有する、撮像フードの側面図および端面図をそれぞれ示す。
【図37A】例えば、冠静脈洞の管腔内に一時的に位置付けられる点灯したプローブを利用して、心室内で関心の領域へと画像装置を導いてもよい方法を図示する。
【図37B】例えば、冠静脈洞の管腔内に一時的に位置付けられる点灯したプローブを利用して、心室内で関心の領域へと画像装置を導いてもよい方法を図示する。
【図38A】組織表面上の移植のための取り外し可能な円盤型部材を有する、撮像フードを示す。
【図38B】組織表面上の移植のための取り外し可能な円盤型部材を有する、撮像フードを示す。
【図39A】図38Aおよび38Bの取り外し可能な円盤を移植するための1つの方法を示す。
【図39B】図38Aおよび38Bの取り外し可能な円盤を移植するための1つの方法を示す。
【図39C】図38Aおよび38Bの取り外し可能な円盤を移植するための1つの方法を示す。
【図40A】組織接触縁に取着される留置可能な固着器アセンブリを有する撮像フードと、固着器および固着器に接続された縫合糸またはワイヤのアセンブリ図とを、それぞれ図示する。
【図40B】組織接触縁に取着される留置可能な固着器アセンブリを有する撮像フードと、固着器および固着器に接続された縫合糸またはワイヤのアセンブリ図とを、それぞれ図示する。
【図41A】開口部または創傷を閉鎖するために、図40Aおよび40Bの固着器アセンブリを留置するための1つの方法を示す。
【図41B】開口部または創傷を閉鎖するために、図40Aおよび40Bの固着器アセンブリを留置するための1つの方法を示す。
【図41C】開口部または創傷を閉鎖するために、図40Aおよび40Bの固着器アセンブリを留置するための1つの方法を示す。
【図41D】開口部または創傷を閉鎖するために、図40Aおよび40Bの固着器アセンブリを留置するための1つの方法を示す。
【図42】撮像システムが、患者の血液をろ過するための透析ユニットに流体的に連結されてもよい、別の変化型を示す。
【図43A】第1の留置可能フードと、第1のフードの遠位に位置付けられる第2の留置可能フードとを有する留置カテーテルの変化型を示し、留置カテーテルにはまた、拡張したフード間の組織を撮像するために第1および第2のフード間に位置付けられる、側面観察撮像要素があってもよい。
【図43B】第1の留置可能フードと、第1のフードの遠位に位置付けられる第2の留置可能フードとを有する留置カテーテルの変化型を示し、留置カテーテルにはまた、拡張したフード間の組織を撮像するために第1および第2のフード間に位置付けられる、側面観察撮像要素があってもよい。
【図44A】膨張していない薄型構造の側面撮像バルーンを有する留置カテーテルの側面図および端面図をそれぞれ示す。
【図44B】膨張していない薄型構造の側面撮像バルーンを有する留置カテーテルの側面図および端面図をそれぞれ示す。
【図45A】膨張したバルーンにおける可視化域を画定する、図44Aおよび44Bの膨張したバルーンの側面図、上面図、および端面図をそれぞれ示す。
【図45B】膨張したバルーンにおける可視化域を画定する、図44Aおよび44Bの膨張したバルーンの側面図、上面図、および端面図をそれぞれ示す。
【図45C】膨張したバルーンにおける可視化域を画定する、図44Aおよび44Bの膨張したバルーンの側面図、上面図、および端面図をそれぞれ示す。
【図46A】図45Aから45Cの膨張したバルーンの可視化域内の血管壁上の病変を可視化する際に使用する1つの方法の側面図および横断端面図をそれぞれ示す。
【図46B】図45Aから45Cの膨張したバルーンの可視化域内の血管壁上の病変を可視化する際に使用する1つの方法の側面図および横断端面図をそれぞれ示す。
【図47A】図47Aおよび図47Bは、フードの上でらせん状に構成された磁気支柱を有するフードの変化型の斜視図と側面図とをそれぞれ示す。
【図47B】図47Aおよび図47Bは、フードの上でらせん状に構成された磁気支柱を有するフードの変化型の斜視図と側面図とをそれぞれ示す。
【図47C】図47Cは、コンピュータおよび/またはコンソールに結合された留置カテーテルの例を示す。
【図48A】図48Aおよび図48Bは、フードの上に取り付けられた複数のセンサを有するフードアセンブリの別の変化型の斜視図と側面図とをそれぞれ示す。
【図48B】図48Aおよび図48Bは、フードの上に取り付けられた複数のセンサを有するフードアセンブリの別の変化型の斜視図と側面図とをそれぞれ示す。
【図49】図49は、コイルセンサハウジング内に配置された単一のコイルセンサの例の断面図を示す。
【図50A】図50Aおよび図50Bは、フードに沿って取り付けられた単一のトリプルセンサを有するフードアセンブリのさらに別の変化型の斜視図と側面図とをそれぞれ示す。
【図50B】図50Aおよび図50Bは、フードに沿って取り付けられた単一のトリプルセンサを有するフードアセンブリのさらに別の変化型の斜視図と側面図とをそれぞれ示す。
【図51A】図51Aおよび図51Bは、ハウジング内に配置されたコイルセンサの上面図と斜視図とをそれぞれ示す。
【図51B】図51Aおよび図51Bは、ハウジング内に配置されたコイルセンサの上面図と斜視図とをそれぞれ示す。
【図52A】図52Aおよび図52Bは、心臓内に配置されたカテーテルの部分断面図をそれぞれ示し、カテーテルに沿って取り付けられた2つの基準センサをそれぞれ有する。
【図52B】図52Aおよび図52Bは、心臓内に配置されたカテーテルの部分断面図をそれぞれ示し、カテーテルに沿って取り付けられた2つの基準センサをそれぞれ有する。
【図53A】図53Aおよび図53Bは、電気生理的マッピングシステムと共に用いられたときに、電場と相互作用するように構成されたフードアセンブリのさらに別の変化型の斜視図と側面図とをそれぞれ示す。
【図53B】図53Aおよび図53Bは、電気生理的マッピングシステムと共に用いられたときに、電場と相互作用するように構成されたフードアセンブリのさらに別の変化型の斜視図と側面図とをそれぞれ示す。
【図54A】図54Aおよび図54Bは、電場内で患者の身体の中に前進される組織可視化アセンブリを示す斜視図を示す。
【図54B】図54Aおよび図54Bは、電場内で患者の身体の中に前進される組織可視化アセンブリを示す斜視図を示す。
【図54C】図54Cは、患者の心臓の電気生理的活性のマップのコンピュータ表示である。
【図55A】図55Aおよび図55Bは、撮像要素によってキャプチャされ、組織領域の単一の合成画像にコンパイルされ得る複数の画像の例を示す。
【図55B】図55Aおよび図55Bは、撮像要素によってキャプチャされ、組織領域の単一の合成画像にコンパイルされ得る複数の画像の例を示す。
【図56A】図56Aおよび図56Bは、可視化された組織の検出された電気生理的活性を示すマップ上にオーバーレイされる合成的に可視化された組織領域を示す。
【図56B】図56Aおよび図56Bは、可視化された組織の検出された電気生理的活性を示すマップ上にオーバーレイされる合成的に可視化された組織領域を示す。
【図56C】図56Cおよび図56Dは、組織表面の画像と、画像上にオーバーレイされた組織の検出された電気生理的活性の組み合わせ的な可視マップとを示す。
【図56D】図56Cおよび図56Dは、組織表面の画像と、画像上にオーバーレイされた組織の検出された電気生理的活性の組み合わせ的な可視マップとを示す。
【図57A】図57Aおよび図57Bは、患者の身体内のフードの位置および/または向きを検出するための、複数のコイルセンサと共に強磁性リングを利用するフードアセンブリの例を示す。
【図57B】図57Aおよび図57Bは、患者の身体内のフードの位置および/または向きを検出するための、複数のコイルセンサと共に強磁性リングを利用するフードアセンブリの例を示す。
【図58A】図58Aは、心臓(例えば、左心房)内に配置された撮像カテーテルおよびフードの表示と共に電気生理的活性のマップを示す。
【図58B】図58Bおよび図58Cは、下部組織に対するフードの向きおよび位置と治療される組織の画像とを示す。
【図58C】図58Bおよび図58Cは、下部組織に対するフードの向きおよび位置と治療される組織の画像とを示す。
【図59】図59は、フード内に少なくとも部分的に含まれる膨張性バルーンのまわりに円周状に配置された複数のマッピング電極を有するさらに別の変化型を示す。
【図60】図60は、アセンブリの下の組織領域の電気生理的活性を撮像および検出するために利用され得るアセンブリのさらに別の変化型を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明の詳細な説明
下記で説明される組織撮像および操作装置は、それを通って動的に流れる血液で満たされている、心臓等の身体管腔内の組織領域の生体リアルタイム画像を提供することが可能であり、また、撮像された組織領域上で様々な手技を行うための血管内ツールおよび器具を提供することも可能である。そのような装置は、様々な手技、例えば、いくつかある手技の中でも特に、左心房への経中隔アクセスの促進、冠静脈洞のカニューレ挿入、弁逆流/狭窄の診断、弁形成術、心耳閉鎖、催不動脈性焦点アブレーションに利用してもよい。
【0021】
組織アクセスおよび画像装置の1つの変化型を、図1Aから1Cの詳細斜視図に示す。図1Aに示されるように、組織撮像および操作アセンブリ10は、送達カテーテルまたは鞘14を介して、薄型構造で患者の身体を通して経脈管的に送達されてもよい。心臓の左心房の流出路に位置する僧帽弁等の組織を治療する場合、概して、患者への外傷を最小限化しながら、左心房に進入またはアクセスすることが望ましい。そのようなアクセスを非手術的に達成するためには、1つの従来手法は、一般的に経中隔手技または中隔切開術と呼ばれる、手技において右心房から左心房へと心房中隔を穿刺するステップを伴う。経皮的弁修復術および置換術等の手技に対して、心臓の左心房への経中隔アクセスは、概して動脈系に経皮的に導入できるよりも大型の装置が静脈系に導入されることを可能にしてもよい。
【0022】
撮像および操作アセンブリ10が、組織を撮像するために利用される準備ができると、撮像フード12は、矢印によって示されるように、カテーテル14に対して前進させられ、カテーテル14の遠位開口部から留置されてもよい。留置されると、撮像フード12は、図1Bに示されるように、非拘束されて、留置撮像構造に拡張または開放されてもよい。撮像フード12は、例えば、高分子、プラスチック、または織物材料を含むがそれらに限定されない、種々の柔軟な、または適合する生体適合性材料から作られてもよい。織物材料の一例は、アラミドであり、本願で説明されるような用途に対して十分な完全性を維持する、薄い、例えば0.001インチ未満の材料に作ることが可能である、Kevlar(登録商標)(E.I. du Pont de Nemours,Wilmington,DE)である。さらに、撮像フード12は、種々の異なる色で、半透明または不透明の材料から作られ、周辺流体または構造、すなわち、解剖学的または機械的構造または器具からの反射光を最適化または軽減してもよい。いずれにしても、撮像フード12は、一様構造または足場で支持された構造に作られてもよく、その場合、ニチノール等の形状記憶合金、またはバネ鋼、またはプラスチック等でできている足場は、高分子、プラスチック、または織物材料で作られ、覆われてもよい。したがって、撮像フード12は、選択された容積の身体管腔または心室から血液または同類のものの置換を限局するために概して使用してもよいような、多種多様の障壁または膜構造のうちのいずれかを備えてもよい。模範的実施形態では、撮像フード12の内面13内の容積は、内面13と外面11との間のフード12の容積よりも、有意に小さくなる。
【0023】
撮像フード12は、接合部分24において、留置カテーテルまたは鞘14とは無関係に平行移動されてもよい留置カテーテル16に取着してもよい。接合部分24の取着は、任意の数の従来の方法を通して達成してもよい。留置カテーテル16は、流体送達管腔18ならびに撮像管腔20を画定してもよく、その内側で、光撮像ファイバまたはアセンブリが、組織を撮像するために配置されてもよい。開口領域または区域26が撮像フード12によって画定されるならば、留置されると、撮像フード12は、任意の数の形状、例えば、円筒形、図示されるような円錐形、半球形等に拡張してもよい。開口領域26は、その内側で関心の組織領域を撮像してもよい領域である。撮像フード12はまた、配置のための非外傷性接触唇または縁22、または関心の組織領域に対する隣接部を画定してもよい。さらに、その最大の完全留置された直径における、例えば、接触唇または縁22における撮像フード12の直径は、典型的に、留置カテーテル16の直径と比べて大きい(しかし、接触唇または縁22の直径は、留置カテーテル16以下の直径を有するように作られてもよい)。例えば、接触縁の直径は、留置カテーテル16の直径の1から5倍(または実用可能なように、それ以上)の範囲のどこにおよんでもよい。図1Cは、その留置構造における撮像フード12の端面図を示す。また、接触唇または縁22および流体送達管腔18ならびに撮像管腔20も示される。
【0024】
撮像および操作アセンブリ10は、加えて、図1Dから1Fの側面図および端面図にそれぞれ示されるように、内部を通るガイドワイヤ管腔、例えば、同心または偏心管腔を画定してもよい。留置カテーテル16は、身体管腔内で経脈管的に前進させられてもよいガイドワイヤ17を覆った、またはそれに沿ったシステムの通過を促進するための、ガイドワイヤ管腔19を画定してもよい。次いで、留置カテーテル16は、当技術分野で概して周知のように、ガイドワイヤ17を覆って前進させられてもよい。
【0025】
操作中、撮像フード12が図1Bのように留置されて、接触縁22に沿って撮像される組織領域に対して望ましく位置付けられた後、流体が開口領域26を完全に満たして開口領域26内から液体28を置換するまで、流体送達管腔18を通して、陽圧で置換流体をポンプで注入してもよい。置換流体流動は、層流化され、その除去効果を向上させ、血液が撮像フード12に再進入するのを防ぐのに役立ってもよい。あるいは、流体流動は、留置が行われる前に開始されてもよい。本願では撮像流体としても表される、置換流体は、任意の生体適合性流体、例えば、生理食塩水、水、プラズマ等を備えてもよく、それは、十分に透明であり、流体を通した比較的歪曲のない可視化を可能にする。代案として、または加えて、任意の数の治療薬剤は、液体内に懸濁されてもよく、または、開口領域26の中にポンプで注入され、後に心臓および患者身体の中に、そしてそれを通って通過される、流体自体を備えてもよい。
【0026】
図2Aおよび2Bの例で見ることができるように、留置カテーテル16は、操作されて、撮像される関心の下層組織領域、この例では左心房内の僧帽弁MVの輪Aの一部に対して、またはその付近に、留置した撮像フード12を位置付けてもよい。図2Aで見られるように、周辺血液30が撮像フード12の周囲、および撮像フード12内で画定される開口領域26内に流れると、下にある輪Aは、不透明な血液30によって妨害され、撮像管腔20を通して観察するのが困難である。次いで、図2Bに示されるように、流体28によって、血液30が少なくとも部分的に、好ましくは完全に、開口領域26内から置換されるまで、断続的または連続的に、流体送達管腔18を通して、生理食塩水等の半透明な流体28をポンプで注入してもよい。
【0027】
接触縁22は下層組織に直接接触する必要がないものの、開口領域26からの清浄な流体28の流れが維持されて、開口領域26の中に戻る血液30の有意な逆流を抑制することができるように、少なくとも好ましくは、組織の近接近に運び込まれる。接触縁22はまた、典型的に周知のように、ある軟質度のシリコーンまたはポリウレタン等の軟質エラストマ材料でできていて、接触縁22が、不均一な、または粗い下層解剖学的組織表面に適合するのに役立ってもよい。血液30が撮像フード12から置換されると、清浄な流体30を通して下層組織の画像を観察することができる。次いで、この画像は、治療手技を行うために、記録されるか、またはリアルタイム観察に利用可能となってもよい。流体28の正の流れは、連続的に維持され、下層組織の明確な観察を提供してもよい。あるいは、流体流動28が停止してもよく、血液30が撮像フード12の中に染み込む、または逆流してもよい時点である、組織の障害物のない視野が撮像および記録されるのに利用可能となるまでに限って、流体28を一時的または散発的にポンプ注入してもよい。このプロセスは、同じ組織領域において、または複数の組織領域において、何度も繰り返してもよい。
【0028】
患者の体内の様々な領域にアセンブリを望ましく位置付ける際に、多数の連接および操作制御を利用してもよい。例えば、図3Aの関節運動可能撮像アセンブリ40に示されるように、1つ以上のプッシュプルワイヤ42は、装置の遠位端部を様々な方向46に誘導して、撮像フード12を、可視化される組織の領域に隣接して望ましく位置付けるために、留置カテーテル16を通されてもよい。位置決めおよび利用されるプッシュプルワイヤ42の数に応じて、留置カテーテル16および撮像フード12は、任意の数の構造44に関節運動されてもよい。プッシュプルワイヤまたはワイヤ42は、1つ以上の制御を手動で利用して、患者の身体の外側からそれらの近位端を介して関節運動されてもよい。あるいは、留置カテーテル16は、下記でさらに説明されるように、コンピュータ制御によって関節運動されてもよい。
【0029】
加えて、または代案として、1つ以上のプッシュプルワイヤを介して関節運動されてもよく、撮像管腔および1つ以上の作動管腔を有する、関節運動可能送達カテーテル48は、留置カテーテル16を通って、そして撮像フード12の中に送達してもよい。撮像フード12内の関節運動可能送達カテーテル48の遠位部により、清浄な置換流体は、送達カテーテル48または留置カテーテル16を通してポンプで注入され、撮像フード12内の区域を清浄にしてもよい。図3Bに示されるように、関節運動可能送達カテーテル48は、撮像フード内で関節運動され、撮像フード12に隣接する組織のより良い画像を取得してもよい。さらに、関節運動可能送達カテーテル48は、関節運動されて、下記で詳細に説明されるように、留置カテーテル16を位置付けし直し、フード12内の撮像域を再清浄化する必要なく、カテーテル48に通過される器具またはツールを、撮像フード12を通して撮像される組織の特定領域に方向付けてもよい。
【0030】
あるいは、留置カテーテル16に関節運動可能送達カテーテル48を通過させるよりもむしろ、留置カテーテル16の遠位部自体は、図3Cに示されるように、撮像フード12内で関節運動可能である遠位端49を備えてもよい。有向撮像、器具送達等は、撮像フード12内で撮像される下層組織の特定領域へと、留置カテーテル16内の1つ以上の管腔を直接通して達成してもよい。
【0031】
撮像フード12内の可視化は、上記のように、留置カテーテル16を通って画定される撮像管腔20を通して達成してもよい。そのような構造において、可視化は、直線的に利用可能であり、すなわち、画像は、留置カテーテル16によって画定される縦軸に遠位に沿った区域から生成される。代案として、または加えて、図4Aに示されるように、枢動可能支持部材50を有する関節運動可能撮像アセンブリは、留置カテーテル16に接続される、取り付けられる、または通過されて、留置カテーテル16によって画定される縦軸に対して軸外の可視化を提供してもよい。支持部材50には、その遠位端で取着される、撮像要素52、例えば、CCDまたはCMOS撮像装置、または光ファイバがあってもよく、その近位端は、枢動接続54を介して留置カテーテル16に接続される。
【0032】
1つ以上の光ファイバが撮像に利用される場合、光ファイバ58は、図4Bの断面に示されるように、留置カテーテル16に通過されて、支持部材50に通されてもよい。光ファイバ58の使用は、内部を通る診断および/または治療ツールの通過のために、留置カテーテル16を通る1つ、またはいくつかの管腔56の増加した直径サイズを提供してもよい。あるいは、典型的に周知である、電化結合素子(CCD)またはCMOS撮像装置等の電子チップを、光ファイバ58の代わりに利用してもよく、その場合、電子撮像装置は、留置カテーテル16の遠位部に位置付けられてもよく、電子ワイヤは、留置カテーテル16に近位に通される。あるいは、電子撮像装置は、画像の無線伝送のために、受信機に無線で連結されてもよい。下記でさらに詳細に説明されるように、画像または手術室に対する照明を提供するために、追加光ファイバまたは発光ダイオード(LED)を使用することが可能である。図4Cの断面に示されるように、部材50が、カテーテル16の遠位部に画定されるチャネルまたは溝60内で薄型構造において位置付けられるように、支持部材50は接続54を介して枢軸の上に置かれてもよい。患者の身体を通した留置カテーテル16の血管内送達の間、支持部材50は、チャネルまたは溝60内に位置付けることが可能であり、撮像フード12もその薄型構造となる。可視化の間、撮像フード12は、その留置構造に拡張されてもよく、支持部材50は、図4Aに示されるように、フード12に隣接する組織を撮像するために、その軸外構造に留置されてもよい。軸外可視化のための支持部材50に対するその他の構造を、所望のとおりに利用してもよい。
【0033】
図5は、撮像アセンブリ10を介して観察されている関心の組織領域を有する心臓Hの例示的断面図である。この例では、送達カテーテルアセンブリ70は、患者の血管系の中に経皮的に導入され、上大静脈SVCを通って、右心房RAの中に前進させられてもよい。送達カテーテルまたは鞘72は、組織、例えば、僧帽弁MVを取り囲む輪Aを観察または治療するために、心房中隔ASを通って、左心房LAの中に関節運動されてもよい。図示されるように、留置カテーテル16および撮像フード12は、送達カテーテル72から外へ前進させられ、関心の組織領域に接触または近接させられる。他の例では、送達カテーテルアセンブリ70は、そのように所望であれば、下大静脈IVCを通って前進させられてもよい。さらに、心臓Hのその他の領域、例えば、右心室RVまたは左心室LVもまた、撮像アセンブリ10によって、アクセスし、撮像または治療してもよい。
【0034】
心臓Hの領域または身体のその他の部分にアクセスする際、送達カテーテルまたは鞘14は、従来の血管内カテーテルまたは管腔内送達装置を備えてもよい。あるいは、本願で説明される撮像アセンブリとともに、ロボット制御された送達カテーテルも任意で利用してもよく、その場合、送達カテーテル14の連接および位置決めを制御するために、コンピュータ制御装置74を使用してもよい。利用してもよいロボット制御された送達カテーテルの例は、その全体において参照することにより本願に組み込まれる、「Flexible Instrument」と題された、Brockらの米国特許公報第2002/0087169 A1号でさらに詳細に説明されている。Hansen Medical,Inc.(Mountain View,CA)製造のその他のロボット制御された送達カテーテルもまた、送達カテーテル14とともに利用してもよい。
【0035】
手技の間に留置カテーテル16の安定化を促進するために、図6Aに示されるように、1つ以上の膨張性バルーンまたは固着器76を、カテーテル16の長さに沿って位置付けてもよい。例えば、心房中隔ASを横断して左心房LAの中へと経中隔到達法を利用する時に、膨張性バルーン76は、薄型からその拡張構造に膨張させ、心臓Hに対してカテーテル16の位置を一時的に固着または安定させてもよい。図6Bは、膨張した第1のバルーン78を示す一方で、図6Cはまた、第1のバルーン78の近位で膨張した第2のバルーン80も示す。そのような構造において、隔壁ASは、バルーン78、80間に押し込まれ、または挟まれて、カテーテル16および撮像フード12を一時的に安定させてもよい。単一のバルーン78または両方のバルーン78、80を使用してもよい。他の代替案は、拡張可能メッシュ部材、マレコット、またはその他任意の一時的拡張可能構造を利用してもよい。手技が完遂された後、バルーンアセンブリ76は、留置カテーテル16の除去のために、空気を抜くか、または薄型に再構成してもよい。
【0036】
撮像される組織表面に対する撮像フード12の位置をさらに安定させるため、様々な固着機構を、組織に対して撮像フード12を一時的に保持するために任意で採用してもよい。そのような固着機構は、例えば、鼓動している心臓の心室内の組織を撮像する時に、動きの影響を受けやすい組織を撮像するのに特に有用であってよい。少なくとも1つの器具管腔およびオプションの可視化管腔を有するツール送達カテーテル82は、留置カテーテル16を通って、拡張した撮像フード12の中に送達されてもよい。撮像フード12が、検査される組織表面Tに対して接触させられると、らせん状組織貫通装置84等の固着機構器は、図7Aに示されるように、ツール送達カテーテル82を通って、撮像フード12の中に通過されてもよい。
【0037】
らせん状組織係合装置84は、患者の身体の外側にあるその近位端からトルクを印加され、下層組織表面Tの中にそれ自体を一時的に固着させてもよい。組織T内に埋め込まれると、らせん状組織係合装置84は、留置カテーテル16に対して近位に引いてもよく、その間、留置カテーテル16および撮像フード12は、図7Bの矢印によって示されるように、遠位に押されて、撮像フードの接触縁または唇22を組織Tに対してそっと押し進める。組織係合装置84の位置決めは、一時的に留置カテーテル16に対して係止され、撮像フード12内での診断または治療手技中に、撮像フード12の確実な位置決めを確保してもよい。手技後、組織係合装置84は、反対方向にその近位端にトルクを印加して組織Tから固着器を除去することによって、組織から外してもよく、留置カテーテル16は、固着プロセスを反復してもよい組織の別の領域に位置付け直すか、または患者の身体から除去してもよい。組織係合装置84はまた、とりわけ、真空補助係合または把持器補助係合ツール等の、その他の既知の組織係合装置から構築されてもよい。
【0038】
らせん状固着器84が示されるものの、これは、例示的となることを目的とし、その他の種類の一時的固着器、例えば、有鉤または有刺固着器、把持器等を利用してもよい。さらに、ツール送達カテーテル82は、完全に省略してもよく、固着装置は、留置カテーテル16を通って画定される管腔を直接通って送達してもよい。
【0039】
ツール送達カテーテル82が一時的固着器撮像フード12に対して完全に省略されてもよい、別の変化型において、図7Cは、撮像フード12と一体化した、1つ以上の管状支持部材86、例えば、図示されるような4つの支持部86を有する撮像フード12を示す。管状支持部材86は、内側に位置付けられる、らせん状組織係合装置88をそれぞれ有する、内部を通る管腔を画定してもよい。拡張した撮像フード12が組織に一時的に固着される場合、らせん状組織係合装置88は、遠位に強く押し進められて、撮像フード12から延在してもよく、それぞれは、その近位端からトルクを印加されて、下層組織Tを係合してもよい。らせん状組織係合装置88のそれぞれは、留置カテーテル16の長さを通って前進させられてもよく、または、撮像フード12の送達および留置の間に、管状支持部材86内に位置付けられてもよい。撮像フード12内の手技が終了すると、組織係合装置88のそれぞれは、組織から外してもよく、撮像フード12は、組織の別の領域に位置付け直すか、または患者の身体から除去してもよい。
【0040】
流体送達システム90と、オプションのプロセッサ98および画像記録装置および/またはビューワ100とに接続される、組織撮像アセンブリの例示的な例を、図8Aに示す。流体送達システム90は概して、ポンプ92およびシステム内への流体の流量を制御するためのオプションの弁94を備えてもよい。ポンプ92に流体的に接続される、流体貯留部96は、撮像フード12を通してポンプで注入される流体を保持してもよい。オプションの中央処理装置またはプロセッサ98は、ポンプで注入した流体の流量および/または速度等の流動パラメータを制御するために、流体送達システム90と電気的に連通していてもよい。プロセッサ98はまた、撮像フード12内から受信される組織の画像を直接観察するために、画像記録装置および/またはビューワ100と電気的に連通していてもよい。画像記録装置および/またはビューワ100はまた、そのように所望であれば、画像だけでなく、観察した組織領域の場所も記録するために使用してもよい。
【0041】
任意で、流体流動および画像キャプチャを協調させるために、プロセッサ98も利用してもよい。例えば、プロセッサ98は、組織領域から血液が置換されて、明確な画像を取得するまで、貯留部96から流体流動を提供するようにプログラムしてもよい。画像が十分に明確であると判定されると、施術者によって視覚的に、またはコンピュータによってのいずれかで、組織の画像は、記録装置100によって自動的に撮影されてもよく、ポンプ92は、プロセッサ98によって自動的に停止または減速され、患者体内への流体流動を止めてもよい。流体送達および画像キャプチャのその他の変化型がもちろん可能であり、上記の構造は、限定的ではなく、例示的なものとなることを目的とするのみである。
【0042】
図8Bは、流体送達および組織操作システム110の手持ち式変化型のさらなる図解を示す。この変化型では、システム110には、患者の身体の外側から医師によって保持または操作することが可能である、筐体またはハンドルアセンブリ112があってもよい。この変化型ではシリンジとして示される流体貯留部114は、ハンドルアセンブリ112に流体的に連結され、ポンピング機構116、例えば主ネジを介して作動させることが可能である。流体貯留部114は、ハンドルアセンブリ112から分離され、1つ以上の管を介してハンドルアセンブリ112に流体的に連結される、単純な貯留部であってよい。流体流量およびその他の機構は、電子制御装置118によって測定される。
【0043】
撮像フード12の留置は、ハンドルアセンブリ112上に位置するフード留置スイッチ120によって作動されてもよい一方で、貯留部114からの流体の分注は、制御装置118に電気的に連結することが可能である、流体留置スイッチ122によって、作動されてもよい。制御装置118はまた、図に示されるように、任意でハンドルアセンブリ112と一体化した、有線または無線アンテナ124に電気的に連結されてもよい。無線アンテナ124は、モニタ128で観察するため、または後で観察するために記録するために、例えば、Bluetooth(登録商標)無線技術(Bluetooth SIG,Inc.,Bellevue,WA)、RF等を介して、撮像フード12から受信機へ撮影された画像を無線で伝送するために使用することが可能である。
【0044】
留置カテーテル16、または内部を通して留置カテーテル16を送達してもよい、送達カテーテルまたは鞘14の連接制御は、上記のように、コンピュータ制御によって達成してもよく、その場合、ハンドルアセンブリ112とともに追加制御装置を利用してもよい。手動連接の場合、ハンドルアセンブリ112は、留置カテーテル16の位置の手動操作のために、1つ以上の連接制御126を組み込んでもよい。ハンドルアセンブリ112はまた、1つ以上の器具ポート130を画定してもよく、内部を通して、多数の血管内ツールは、下記でさらに説明されるように、撮像フード12内の組織操作および治療のために通過されてもよい。その上、ある手技では、任意で流体的に吸引ポンプ132をハンドルアセンブリ112に、または留置カテーテル16に直接連結することによって、患者の身体からの排出のために、流体または破片を撮像フード12の中に吸い込んでもよい。
【0045】
上記のように、流体は、撮像フード12の中に連続的にポンプで注入され、下層組織の明確な観察を提供してもよい。あるいは、流体流動が停止してもよく、血液が撮像フード12の中に染み込む、または逆流することが可能になってもよい時点である、組織の障害物のない視野が撮像および記録されるのに利用可能となるまでに限って、流体を一時的または散発的にポンプ注入してもよい。図9Aから9Cは、複数の領域で組織のいくつかの画像を撮影する例を図示する。留置カテーテル16は、望ましく位置付けられてもよく、撮像フード12は、撮像される組織の領域、この例では、患者の心臓の左心房内の僧帽弁MVを取り囲む組織に対して、定位置に留置され、運び込まれてもよい。撮像フード12は、上記のように、任意で組織に固着され、次いで、撮像液体をフード12の中にポンプで注入することによって、清浄にされてもよい。十分に清浄となると、組織を可視化してもよく、制御電子装置118によって画像を撮影してもよい。第1の撮影した画像140は、保存され、および/または、図9Aに示されるように、医師による観察のために、モニタ128に無線124で伝送されてもよい。
【0046】
次いで、留置カテーテル16は、図9Bに示されるように、僧帽弁MVの隣接部分に位置付け直してもよく、その場合、プロセスは、反復されて、観察および/または記録のために第2の画像142を撮影してもよい。再度、留置カテーテル16は、図9Cに示されるように、組織の別の領域に位置付け直してもよく、その場合、観察および/または記録のために第3の画像144を撮影してもよい。この手技は、僧帽弁MVを取り囲む組織、またはその他任意の組織領域の包括的画像を撮影するために、必要に応じて何度でも反復してもよい。留置カテーテル16および撮像フード12が組織領域から組織領域へと位置付け直される時、ポンプは位置決めの間に停止してもよく、血液または周辺流体は、組織が撮像されるまで、撮像フード12内に進入することが可能となってもよく、その場合、上記のように撮像フード12を清浄にしてもよい。
【0047】
上記のように、血液またはその他の体液を除去するために撮像流体をポンプで内部に注入することによって、撮像フード12が清浄にされると、流体は、連続的にポンプで注入され、陽圧でフード12内に撮像流体を維持してもよく、または、様々なパラメータが検出されると、または下層組織の明確な画像が取得されるまで、フード12内への流体流動を減速または停止するために、コンピュータ制御下にてポンプで注入してもよい。制御電子装置118はまた、撮像フード12内への流体流動を様々な物理的パラメータと協調させて、撮像フード12内の明確な画像を維持するようにプログラムしてもよい。
【0048】
撮像フード12内の流圧を周辺血圧に協調させることができる方法を図示するチャート150を示す、図10Aに一例を示す。チャート150は、患者の心臓の鼓動運動による、時間Tにわたって拡張期圧152と収縮期圧154との間で変化する循環血圧156を示す。撮像フード12内の、描画160によって示される撮像流体の流圧は、血圧変化160に対応して自動的にタイミングが合ってもよいため、増加した圧力は、撮像フード12内で維持され、それは、ピーク収縮期圧158における圧力差によって図示されるように、わずかな増加ΔPによって常に血圧156よりも上である。この圧力差ΔPは、周辺血圧の圧力変化にわたって撮像フード12内で維持され、撮像フード12内の撮像流体の陽圧を維持し、下層組織の障害物のない視野を維持してもよい。一定のΔPを維持することの1つの利点は、一定の流動と、障害物のない区域の維持である。
【0049】
図10Bは、下層組織の障害物のない視野を維持するステップの別の変化型を図示するチャート162を示し、下記でさらに詳しく説明されるように、撮像フード12内の1つ以上のセンサは、撮像フード12内の圧力変化を感知し、それに対応して、撮像フード12内の撮像流体圧を増加させるように構成されてもよい。このことは、循環血圧156に対する推移した流圧160によって図示されるように、時間遅延ΔTをもたらしてもよいが、時間遅延ΔTは、下層組織の明確な画像を維持する際に無視してもよい。次の圧力波ピークが到来する時を予測することによって、かつ上記の時間遅延に等しい時間量だけ圧力波より先に圧力を増加させて、時間遅延を実質的に相殺することによって、この時間遅延を実質的に排除するために、予測ソフトウェアアルゴリズムも使用することが可能である。
【0050】
撮像フード12内の流圧の変動は、一部分においては撮像フード12の性質により、達成されてもよい。組織を撮像するために従来利用されている、膨張性バルーンは、周辺血圧変化の影響を受けてもよい。一方で、撮像フード12は、その内側に一定の容積を保持し、構造的に周辺血圧変化の変化を受けず、よって、その内側の圧力増加を可能にする。フード12が作られている材料もまた、圧力がこのフード12内で変調される方法に貢献してもよい。高デュロメータポリウレタンまたはナイロン等の、より硬いフード材料は、留置された時の開いたフードの維持を促進してもよい。一方で、低デュロメータPVCまたはポリウレタン等の、比較的より低いデュロメータ、またはより軟質である材料は、周辺流圧で分解してもよく、留置または拡張したフードを十分に維持しなくてもよい。
【0051】
ここで撮像フードを参照すると、撮像フード174内に追加撮像バルーン172を備える別の変化型を示す図11Aに示されるように、組織撮像アセンブリの他の変化型を利用してもよい。この変化型では、透明な皮を有する拡張可能バルーン172が、撮像フード174内に位置付けられてもよい。バルーン172は、それを通した可視化を可能にする十分な半透明性を有する、任意の伸張性生体適合性材料でできていてもよい。撮像フード174が関心の組織領域に対して留置されると、血液が十分に置換されるまでバルーン172が拡張されるまで、生理食塩水、または、あまり好ましくないがガス等の流体でバルーン172を満たしてもよい。よって、バルーン172は、観察される組織領域に近接して、または接触して拡張させてもよい。バルーン172はまた、造影剤で満たされ、蛍光透視法で観察されることを可能にして、その位置決めを補助することも可能である。次いで、バルーン172と、留置カテーテル170の一部に沿ってバルーン172の近位に位置付けられてもよい1つ以上のオプションの流体ポート176を介して、撮像フード174の中にポンプで注入されてもよい、任意の追加流体とを通して、組織領域を観察するために、留置カテーテル170内に位置付けられる撮像装置、例えば光ファイバを利用してもよい。あるいは、バルーン172は、その中に含有される流体の浸潤または通過を可能にして、撮像フード174内から血液を退出および置換させる、その表面にわたる1つ以上の穴を画定してもよい。
【0052】
図11Bは、バルーン180を単独で利用してもよい、別の代替案を示す。留置カテーテル178に取着されるバルーン180は、生理食塩水または造影剤等の流体で満たしてもよく、好ましくは、撮像される組織領域と直接接触することを可能にされる。
【0053】
図12Aは、上記のように、留置カテーテル16が撮像フード12を組み込み、撮像フード12内に追加柔軟膜182を含む、別の代替案を示す。柔軟膜182は、カテーテル16の遠位端において、かつ任意で接触縁22において取着されてもよい。上記のように、撮像フード12を利用してもよく、生体内で、または患者体内にカテーテル16を配置して撮像フード12内の容積を減少させる前に、膜182をカテーテル16から留置してもよい。容積は、減少または最小限化されて可視化のために分注される流体の量を減少するか、または、可視化される組織の面積に応じて、単純に減少されてもよい。
【0054】
図12Bおよび12Cは、図示されるように、撮像フード186を留置カテーテル184内で近位に引き込むか、またはカテーテル186から遠位に留置して、撮像フード186の容積、よって分注した流体の体積を変動させてもよい、さらに別の代替案を示す。撮像フード186は、図12Bでは、例えば、輪状管腔188等の、カテーテル184内の円周に画定した管腔から部分的に留置されているものとして、見ることができる。下層組織は、部分的にのみ留置される撮像フード186で可視化されてもよい。あるいは、図12Cに示されるように、輪状管腔188から外へフード186´を遠位に強く押し進めることによって、撮像フード186´を完全に留置してもよい。この拡張構造において、フード186´が円周方向に拡張されるにつれて、可視化される組織の面積が増加されてもよい。
【0055】
図13Aおよび13Bは、組織可視化の間に、患者の心臓またはその他の身体管腔の中に注入される液体の量を最小限化するために、流体吸引システムを利用してもよい、撮像アセンブリのさらに別の変化型の斜視図および横断側面図をそれぞれ示す。この変化型における留置カテーテル190は、留置カテーテル190と一体化しているか、または独立して平行移動可能であってもよい、内部管状部材196を画定してもよい。部材196を通って画定される流体送達管腔198は、その接触唇領域にわたって1つ以上の開口チャネル194もまた画定してもよい、撮像フード192に流体的に接続されてもよい。よって、流体送達管腔198を通ってポンプで注入される流体は、開口領域202を満たして、その内側のあらゆる血液またはその他の流体または物体を置換してもよい。清浄な流体は、開口領域202の外へ押し出されると、すぐに、1つ以上のチャネル194を通って、留置カテーテル190の中に戻って吸い込まれる、または引き込まれてもよい。管状部材196はまた、任意のツールまたは可視化装置の通過のために、1つ以上の追加作動チャネル200を画定してもよい。
【0056】
本願で説明される例において撮像フードを留置する際に、撮像フードは、図14Aから14Dの例に示されるように、送達カテーテル内で薄型送達に対して位置付けられ、または構成されると、任意の数の構造を呈してもよい。これらの例は、例示的となることを目的とし、範囲を制限することを目的としない。図14Aは、複数のひだに沿ってフード212を折曲することによって、撮像フード212がカテーテル210内で圧縮されてもよい、一例を示す。フード212はまた、超弾性または形状記憶材料または合金、例えば、ニチノール、Elgiloy、形状記憶高分子、電気活性高分子、またはバネ鋼でできている、足場またはフレーム214を備えてもよい。形状記憶材料は、カテーテル210の拘束から、矢印の方向に強く押し進められると、撮像フード212をその拡張構造に拡張または留置するように作用してもよい。
【0057】
図14Bは、折曲された重複構造から、撮像フード216をカテーテル210より拡張または留置してもよい、別の例を示す。フレームまたは足場214もまた、この例で利用してもよい。図14Cは、留置のために、撮像フード218をそれ自体の上に丸める、反転させる、または裏返してもよい、さらに別の例を示す。さらに別の例では、図14Dは、フード220が薄型形状に単純に圧縮されることを可能にする極度に柔軟な材料から、撮像フード220が作られていてもよい、構造を示す。この薄型圧縮形状から、フード220を単純に解放することによって、特に、形状記憶または超弾性材料、例えば、ニチノールの足場またはフレームがその構成において利用される場合に、その留置構造に拡張されることを可能にしてもよい。
【0058】
らせん状に拡張するフレームまたは支持体230を図示する図15Aおよび15Bに、撮像フードを拡張するステップの別の変化型を示す。図15Aに示される、その制約された薄型構造において、らせん状フレーム230は、撮像フード12の膜と一体化していてもよい。図15Bに示されるように、自由に拡張できると、らせん状フレーム230は、円錐または先細の形状に拡張してもよい。らせん状フレーム230は、あるいは、加熱によって活性化されるニチノールで作られ、電流の印加時にそれが拡張することを可能にしてもよい。
【0059】
図16Aおよび16Bは、撮像フード12が、フード膜と一体化した1つ以上のフード支持部材232を備えてもよい、さらに別の変化型を示す。これらの縦方向に取着された支持部材232は、それらの近位端において、留置カテーテル16に枢動可能に取着されてもよい。1つ以上の引張ワイヤ234は、留置カテーテル16の長さに通され、留置カテーテル16中に画定される1つ以上の開口238を通って、引張ワイヤの取着点236における対応する支持部材232との取着の中へと、撮像フード12へ近位に延在してもよい。支持部材232は、プラスチック、またはステンレス鋼等の金属から作られてもよい。あるいは、支持部材232は、引張ワイヤの使用または必要性なしで、その留置構造に自己拡張してもよい、ニチノール等の超弾性または形状記憶合金でできていてもよい。熱エネルギーまたは電気エネルギーの印加時に拡張する、加熱によって活性化されるニチノールもまた、利用してもよい。別の代替案では、支持部材232は、例えば、PETバルーンを利用して、膨張性管腔として構築してもよい。図16Aに示されるその薄型送達構造から、1つ以上の引張ワイヤ234は、患者の身体の外側にあるそれらの近位端から引っ張られて、対応する支持部材232を図16Bに示されるような留置構造に引き、撮像フード12を拡張してもよい。撮像フード12をその薄型に戻して再構成するためには、留置カテーテル16を拘束カテーテルの中に近位に引いてもよく、または、引張ワイヤ234を単純に遠位に押して、撮像フード12を分解させてもよい。
【0060】
図17Aおよび17Bは、撮像フード膜を支持する、少なくとも2つ以上の縦方向に位置付けられた支持部材242を有する、撮像フード240のさらに別の変化型を示す。支持部材242はそれぞれ、間で対角線上に延在し、支持部材242に枢動可能に取着される、交差支持部材244を有する。交差支持部材244のそれぞれは、互いに枢動可能に取着されてもよく、そこで支持部材242間で交差する。ジャックまたはネジ部材246は、この交差点において各交差支持部材244に連結されてもよく、トルク印加可能ワイヤ248等のトルク印加部材は、各ジャックまたはネジ部材246に連結され、留置カテーテル16を通って患者の身体の外側へと近位に延在してもよい。患者の身体の外側から、トルク印加可能ワイヤ248は、トルクを印加されて、ジャックまたはネジ部材246を回転させてもよく、次にそれは、交差支持部材244を互いに対して角を成すように強く促し、それにより、支持部材242を互いから離すように強く促す。よって、撮像フード240は、図17Aに示されるその薄型から、図17Bに示されるその拡張外形へと推移され、ワイヤ248にトルクを印加することによって、その薄型に戻ってもよい。
【0061】
図18Aおよび18Bは、撮像フードおよびその留置のさらに別の変化型を示す。図示されるように、留置カテーテル16の遠位部には、いくつかの枢動部材250、例えば、図18Aに示されるように、その薄型構造において管状形状を形成する2つから4つの区分があってもよい。留置カテーテル16の周囲を放射状に枢動されると、枢動部材250は、図18Bに示されるように、枢動部材250の中間に広がる伸張性または拡張式膜252を有する留置構造に開いてもよい。枢動部材250が円錐形に完全に広げられると、枢動部材250および膜252が撮像フードとして使用するための円錐形を形成するように、伸張性膜252は、様々な方法、例えば接着剤を通して、枢動部材250に取着されてもよい。伸張性膜252は、メッシュまたはPTFE等の多孔質材料で、またはポリウレタン、PVC、ナイロン等の半透明または透明高分子でできていてもよい。
【0062】
図19Aおよび19Bは、留置カテーテル16の遠位部が、柔軟性金属または高分子材料から作られ、放射状拡張式フード254を形成してもよい、さらに別の変化型を示す。図19Aに示されるように、複数のスロット256は、留置カテーテル16の遠位部にわたって均一なパターンで形成されてもよい。スロット256は、上記の方法のいずれかを利用して、遠位部が放射状に開くように強く促されると、図19Bに示されるように、開口部に拡張するスロット256のそれぞれによって、放射状に拡張した円錐状フード254を形成することができるようなパターンで、形成されてもよい。フード254を撮像フードとして利用できるように、伸張性膜258は、フード254の外部表面または内部表面の上に横たわって流体不浸透性フード254を形成してもよい。あるいは、伸張性膜258は、代案として、各開口部258中に形成されて、流体不浸透性フード254を形成してもよい。撮像手技が完了すると、フード254は、その薄型構造に引っ込めてもよい。
【0063】
撮像フードのさらに別の構造は、図20Aおよび20Bで見ることができ、その場合、撮像フードは、重複パターンで互いの上に横たわる複数の重複フード部材260から形成されてもよい。拡張されると、フード部材260のそれぞれは、図20Bに示されるように、円錐状撮像フードを形成するように、留置カテーテル16に対して放射状に外側へ延在してもよい。隣接するフード部材260は、重複接合部分262に沿って互いに重複し、撮像フード内に流体保持表面を形成してもよい。さらに、フード部材260は、十分に強く、任意で関心の組織領域から周辺組織を引っ込める、任意の数の生体適合性材料、例えば、ニチノール、ステンレス鋼、重合体等でできていてもよい。
【0064】
撮像フードを通常の配向で組織表面に対して接触させることが概して望ましいものの、撮像フードは、代案として、鋭角で組織表面に接触するように構成されてもよい。組織に対するそのような接触のために構成される撮像フードはまた、予測不可能または不均一な解剖学的地形を有する組織表面に対する接触に、特に適していてもよい。例えば、図21Aの変化型に示されるように、留置カテーテル270には、特に柔軟となるように構成されている撮像フード272があってもよい。この変化型では、撮像フード272は、例えば、ひだのある表面を利用することによって、折曲または分解するように構成されている1つ以上の区分274から成ってもよい。よって、図21Bに示されるように、撮像フード272が不均一な組織表面Tに対して接触させられると、区分274は、組織に密接して適合することが可能である。これらの区分274は、例えば、心臓の中の小柱、または様々な身体管腔の内側で見られる不均一な生体構造との適合を可能にするために、アコーディオン型構成を利用することによって、個別に折り畳み可能であってもよい。
【0065】
さらに別の代替案では、図22Aは、撮像フード282が留置カテーテル280に取着されている、さらに別の変化型を示す。接触唇または縁284は、接触縁284の周囲で円周方向に位置付けられる、1つ以上の電気接点286を備えてもよい。電気接点286は、組織に接触し、例えば、血液と組織との間の差動インピーダンスを測定することによって、組織接触が達成されたかどうかを肯定的に示すように構成されてもよい。あるいは、プロセッサ、例えば、接点286と電気的に連通しているプロセッサ98は、どの種類の組織が電気接点286と接触しているかを判定するように構成されてもよい。さらに別の代替案では、プロセッサ98は、心臓組織を電気的にマッピングし、後に、下記のように、検出されてもよい不整脈を治療する目的で、下層組織、例えば副伝導路で発生していてもよい電気活性を測定するように構成されてもよい。
【0066】
撮像フード282と下層組織との間の接触を確保するステップの別の変化型は、図22Bで見ることができる。この変化型には、撮像フード282の円周の周囲に膨張性接触縁288があってもよい。撮像フード282が、不均一な、または様々な生体構造を有する組織表面に対して配置される場合、膨張性接触縁288は、膨張管腔289を通して、流体またはガスで膨張されてもよい。膨張した円周表面288は、組織表面に対して適合させ、フード282内の撮像流体の保持を促進することによって、フード縁にわたる連続的接触を提供してもよい。
【0067】
撮像フードのほかに、撮像および操作システムとともに様々な器具類を利用してもよい。例えば、撮像フード12内の区域から不透明な血液が除去され、清浄な流体を通して下層組織が可視化された後、血液は、撮像フード12の中に再び染み込んで、視界を妨害する場合がある。障害物のない撮像域を自動的に維持するための1つの方法は、振動子、例えば、図23に示されるように、撮像フード12内で留置カテーテルの遠位端に位置付けられる超音波振動子290を利用してもよい。振動子290は、エネルギーパルス292を撮像フード12の中に送信し、撮像フード12内の破片または血液から反射される後方散乱エネルギー294を検出するのを待機する。後方散乱エネルギーが検出された場合、ポンプは自動的に作動されて、破片または血液が検出されなくなるまで、さらなる流体を撮像フードの中に分注してもよい。
【0068】
あるいは、図24Aに示されるように、1つ以上のセンサ300は、撮像フード12自体に位置付けられ、多数の異なるパラメータを検出してもよい。例えば、センサ300は、周辺血液中の酸素の存在、血液および/または撮像流体の圧力、撮像フード内の流体の色等を検出するように構成されてもよい。流体の色は、血液からの後方反射を検出するために反射型センサを利用することによって、撮像フード12内の血液の存在を検出するのに特に有用であってもよい。撮像フード12内に存在していてもよい血液からのいずれの反射光も、留置カテーテル16を通って、制御電子装置118内の赤色フィルタへと光学的または電気的に伝送されてもよい。検出されてもよい、いずれの赤色も、血液の存在を示して、医師への信号を誘発するか、またはポンプを自動的に作動させ、さらなる流体を撮像フード12の中に分注して血液を除去してもよい。
【0069】
フード12内の血液の存在を検出するための代替的な方法は、撮像フード12内の撮像流体を通る透過光を検出するステップを含んでもよい。例えば、LEDまたは光ファイバを利用する、白色光源が、撮像フード12の内側で照射された場合、血液の存在は、赤色をこの流体に染み通させてもよい。検出される赤色の程度または強度は、撮像フード12内に存在する血液の量に対応してもよい。赤色センサは、1つの変化型では、単純に、フォトトランジスタを備えることが可能であり、その上にはどれだけの赤色光が検出されたかを確証することが可能な赤色透過フィルタがあり、それは次に撮像フード12内の血液の存在を示すことが可能である。血液が検出されると、システムは、さらなる清浄化流体をポンプで通し、清浄化流体の圧力および流動レベルの閉ループフィードバック制御を可能にしてもよい。
【0070】
任意の数のセンサは、撮像フード12の外部302に沿って、または撮像フード12の内部304内に位置付けられ、撮像フード12の外部だけでなく、撮像フード12内のパラメータも検出してもよい。図24Bに示されるような構造は、図10Aおよび10Bについて上記のように、血圧等の物理的パラメータに基づいて、障害物のない撮像域を自動的に維持するのに特に有用であってもよい。
【0071】
センサのほかに、撮像フード12内に照明を提供するために、1つ以上の発光ダイオード(LED)を利用してもよい。照明は、留置カテーテル16に通される光ファイバによって提供されてもよいが、撮像フード12にわたるLEDの使用は、照明を提供するための追加光ファイバの必要性を排除してもよい。1つ以上のLEDに接続される電線は、フード12を通して、または覆って、そして外部表面に沿って通されるか、または留置カテーテル16内で押し出されてもよい。1つ以上のLEDは、図25Aに示されるように、撮像フード12の周囲の円周パターン306で、または図25Bに示されるように、撮像フード12に沿った直線縦方向パターン308で位置付けられてもよい。らせん状または渦巻きパターン等のその他のパターンも利用してもよい。あるいは、LEDは、撮像フード12の一部を形成する支持部材に沿って位置付けられてもよい。
【0072】
撮像フード12内の照明に対する別の代替案では、図26Aに示されるように、別個の照明ツール310を利用してもよい。そのようなツールの例は、送達部材312の遠位端に枢動可能に接続される316、運搬部材314を有する、柔軟性血管内送達部材312を備えてもよい。1つ以上のLED318は、運搬部材314に沿って取り付けられてもよい。使用中、送達部材312は、運搬部材314が撮像フード12内に位置付けられるまで、留置カテーテル16を通して前進させられてもよい。撮像フード12内に入ると、図26Bに示されるように、運搬部材314は、任意の数の方向に枢動されて、撮像フード12内の照明を促進または最適化してもよい。
【0073】
照明にLEDを利用する際、撮像フード12に沿って、または別個の器具に沿って位置付けられていても、LEDは、単一のLED色、例えば、白色光を備えてもよい。あるいは、撮像されている組織または流体の様々な照明を提供するために、他の色、例えば、赤、青、黄色等のLEDを、独占的に、または白色LEDと組み合わせて、利用してもよい。あるいは、組織表面下の撮像を可能にするか、またはシステム誘導、診断、または治療に使用するための組織の蛍光発光を引き起こすために、赤外線または紫外線光源を採用してもよい。
【0074】
可視化プラットフォームを提供するほかに、撮像アセンブリはまた、可視化されている組織を治療するための治療プラットフォームを提供するために利用してもよい。図27に示されるように、留置カテーテル320には、上記のような撮像フード322、および流体送達管腔324および撮像管腔326があってもよい。この変化型では、針328等の治療ツールは、流体送達管腔324を通して、または別の作動管腔中で送達され、可視化された組織を治療するために開口領域332を通って前進させられてもよい。この場合、針328は、内部を通して薬剤を送達するための1つ、またはいくつかのポート330を画定してもよい。よって、組織の適切な領域が撮像されて場所を特定されると、針328は、前進させられて下層組織の中に貫通されてもよく、そこで治療薬は、ポート330を通して送達されてもよい。あるいは、針328は、関心の下層組織領域を焼灼するために、電源334、例えば、無線周波数、マイクロ波等と電気的に連通していてもよい。
【0075】
図28は、留置カテーテル340には、上記のような、それに取着される撮像フード342があってもよいが、治療ツール344はらせん状組織貫通装置344の構造である、別の代替案を示す。下層組織に対して撮像フードを安定させる際に使用するために、図7Aおよび7Bでも図示および説明されるように、らせん状組織貫通装置344はまた、様々な治療手技に対して組織を操作するために利用してもよい。らせん状部分346はまた、それを通した治療薬の送達のための1つ、またはいくつかのポートを画定してもよい。
【0076】
さらに別の代替案では、図29は、例えば、生理食塩水356で満たされた拡張可能撮像バルーン352を有する、留置カテーテル350を示す。治療ツール344は、上記のように、バルーン352に対して平行移動可能であってもよい。ツールの貫通部分346がバルーン352を引き裂くのを防ぐために、停止部354をバルーン352上に形成して、停止部354を過ぎて部分346が近位に通過するのを防いでもよい。
【0077】
撮像フード12内の組織操作で使用するために留置カテーテル16を通して送達されてもよいツールに対する、代替的な構造を図30Aおよび30Bに示す。図30Aは、組織把持器等の角を成す器具360の1つの変化型を示し、それは、留置カテーテル16を通した血管内送達のための細長いシャフトを有するように構成されてもよく、撮像フード12の中に留置されると、遠位端がその細長いシャフトに対して角を成してもよい。細長いシャフトは、例えば、少なくとも部分的に形状記憶合金でできている細長いシャフトによって、または、例えば引張ワイヤを引っ張ることによって作動されると、自動的にそれ自体が角度を成すように構成されてもよい。図30Bは、その遠位部を撮像フード12内で軸外構造に再構成するように構成されている器具362に対する別の構造を示す。いずれにしても、器具360、362は、留置カテーテル16の中に近位に引き込んで戻すと、薄型形状に再構成されてもよい。
【0078】
撮像システムとともに利用してもよい、その他の器具またはツールを図31Aから31Cの側面図および端面図に示す。図31Aは、薄型形状から湾曲外形に再構成されてもよい遠位先端部372を有する、プローブ370を示す。先端部372は、無線周波数エネルギー、マイクロ波エネルギー、超音波エネルギー、レーザエネルギー、または冷凍アブレーションでさえも利用する、アブレーションプローブとして構成されてもよい。あるいは、先端部372には、下層組織を通して伝送される電気信号を検出またはマッピングするために、その上にいくつかの電極があってもよい。
【0079】
下層組織のアブレーションに利用される先端部372の場合、細長い部材376の上に位置付けられる熱電対またはサーミスタ374等の追加温度センサは、接触し、焼灼した組織の温度を監視するために、遠位先端部372に隣接して撮像フード12の中に前進させられてもよい。図31Bは、組織に接触するために、単純に垂直構造に角度を成してもよい、遠位先端部372に対する1つの構造の端面図における例を示す。図31Cは、先端部が、増加した組織接触のために湾曲先端部378に再構成されてもよい、別の例を示す。
【0080】
図32Aおよび32Bは、封鎖底部を有する撮像フード12とともに利用される、アブレーションツールの別の変化型を示す。この変化型では、遠位先端部382を有する冷凍アブレーションプローブ380等のアブレーションプローブは、図32Bの端面図に示されるように、先端部382が透明膜または封鎖384の遠位に配置されるように、撮像フード12を通って位置付けられてもよい。プローブ380のシャフトは、膜384を通って画定される開口部386を通過してもよい。使用中、清浄な流体は、上記のように、撮像フード12の中にポンプで注入されてもよく、遠位先端部382は、焼灼される組織領域に対して配置されてもよく、撮像フード12および膜384は、焼灼した組織の上に、または隣接して位置付けられる。冷凍アブレーションの場合、冷凍アブレーション手技中に膜384によって接触される組織を加温することができるように、撮像流体は、撮像フード12の中に分注する前に加温されてもよい。例えば、無線周波数エネルギーを利用する熱アブレーションの場合、アブレーション手技中に膜384によって接触され、アブレーションプローブに隣接する組織が、同様に冷却されるように、撮像フード12の中に分注される流体は、冷却されてもよい。
【0081】
上記のいずれの例でも、撮像流体は、その温度を変動して、組織上で行われる様々な手技を促進してもよい。他の場合では、撮像流体自体を変えて、様々な手技を促進してもよい。例えば、図33Aに示されるように、留置カテーテル16および撮像フード12は、尿394で満たされた膀胱等の中空人体器官内で、膀胱壁上の病変または腫瘍392に向かって、前進させられてもよい。撮像フード12は、病変392の全体を覆って、または病変の一部を覆って配置されてもよい。組織壁390に対して固定されると、冷凍流体、すなわち、例えば水または血液の凍結温度以下に冷却された流体は、器具または組織の表面上の氷の生成を回避しながら、図33Bに示されるように、撮像フード12の中にポンプで注入されて、病変390を冷凍焼灼してもよい。
【0082】
冷凍流体が撮像フード12から出て、器官の中に漏出すると、流体は、患者の身体によって自然に加温され、最終的に除去されてもよい。冷凍流体は、それを通した下層組織の可視化を可能にする、無色で半透明の流体であってもよい。そのような流体の例は、無色および無臭のペルフルオロ液体である、FluorinertTM(3M,St.Paul,MN)である。FluorinertTM等の液体の使用は、撮像フード12内または外側の氷の形成がない、冷凍アブレーション手技を可能にする。あるいは、冷凍アブレーションを利用するよりもむしろ、撮像フード12内の病変392を焼灼するためにFluorinertTM液体を高温に加熱することによって、温熱治療も達成してもよい。さらに、FluorinertTMは、心臓内等の、身体の様々な他の部分で利用してもよい。
【0083】
図34Aは、撮像システムとともに利用してもよい器具の別の変化型を示す。この変化型では、レーザリング発生器400を、留置カテーテル16を通して、そして部分的に撮像フード12の中に通過させてもよい。レーザリング発生器400は、典型的に心房細動の治療において肺静脈の周辺に伝導ブロックを発生させるためのレーザエネルギー402の円環を生成するために、典型的に使用される。リング402の直径が、撮像フード12の直径内に含有され、撮像されている組織の直接上での組織アブレーションを可能にするように、レーザエネルギー402の円環を発生させてもよい。心房細動を引き起こす信号は典型的に、左心房の中への肺静脈の入口領域から発生し、治療は時折、アブレーションエネルギーを心房内の肺静脈口に送達するステップを含んでもよい。組織の焼灼した領域は、心房細動の衝撃を阻害する環状瘢痕を生成してもよい。
【0084】
心臓の組織を焼灼するためにレーザエネルギーを使用する時、下層組織を焼灼しながら、表面の上にある組織の完全性および健康を維持することが、概して望ましいこともある。このことは、例えば、撮像流体を、患者の体温以下であるが血液の凝固点以上である温度(例えば、2℃から35℃)に冷却することによって、達成してもよい。よって、冷却した撮像流体は、冷却した流体温度に表面組織を維持してもよい一方で、より深い下層組織は、患者の体温にとどまる。レーザエネルギー(または、無線周波数エネルギー、マイクロ波エネルギー、超音波エネルギー等のその他の種類のエネルギー)が組織を照射すると、冷却した組織表面ならびにより深い下層組織の両方が、均一に温度を上昇させる。体温に維持された、より深い下層組織は、十分に高く、下層組織を破壊する温度まで上昇する。その一方で、冷却した表面組織の温度も上昇するが、体温に近い、またはわずかにそれ以上の温度までに過ぎない。
【0085】
したがって、図34Bに示されるように、治療の一例は、心房中隔ASを横断して、患者の心臓Hの左心房LAの中に留置カテーテル16を通過させるステップを含んでもよい。左心房LAにアクセスする他の方法もまた、利用してもよい。撮像フード12およびレーザリング発生器400は、肺静脈PVの入口部OTのうちの1つ以上に隣接して、またはそれを覆って位置付けられてもよく、レーザ発生器400は、レーザエネルギー402の円環で入口部OTの周辺の組織を焼灼して伝導ブロックを作成してもよい。入口部OTの周辺の組織のうちの1つ以上が焼灼されると、撮像フード12は、患者の心臓Hから除去するために、薄型に再構成されてもよい。
【0086】
入口部OTの中または周辺の組織を治療する困難の1つは、入口部OTを通る血液の動的流体流動である。動態作用により、入口部OTのカニューレ挿入または進入が困難となる。よって、撮像システムとともに利用可能な器具またはツールの別の変化型は、図35Aに示されるような、それを通って画定されるカニューレ管腔412を有する延長可能カニューレ410である。延長可能カニューレ410は概して、図35Bに示されるように、送達中に留置カテーテル16内に位置付けられ、次いで、撮像フード12を通って、任意でそれを越えて遠位に突出されてもよい、細長い管状部材を備えてもよい。
【0087】
使用中に、撮像フード12が、組織に対して、例えば、図35Cに示されるように、肺静脈PVの入口部OTの外側に望ましく位置付けられると、延長可能カニューレ410は、上記のように、任意で撮像フード12を通して組織を撮像しながら、留置カテーテル16から遠位に突出されてもよい。延長可能カニューレ410は、その遠位端が少なくとも部分的に入口部OTの中に延在するまで、遠位に突出されてもよい。入口部OTの中に入ると、器具またはエネルギーアブレーション装置は、入口部OT内の治療のために、カニューレ管腔412を通って、そしてそこから出て、延長されてもよい。手技の完了時に、カニューレ410は、近位に引っ込めて、患者の身体から除去してもよい。延長可能カニューレ410はまた、その遠位端または付近に膨張性閉塞バルーンを含んで、PVから外に出る血流を遮断し、組織領域の明確な視界を維持してもよい。あるいは、延長可能カニューレ410は、閉塞バルーンを越えて、内部を通る管腔を画定し、カニューレ410を通る血液を撮像フードの近位から退出するように誘導することによって、通常は肺静脈PVから退出する血液の少なくとも一部を迂回してもよい。
【0088】
ツールまたは器具の使用のさらに別の変化型は、図36Aおよび36Bの側面図および端面図で見ることができる。この変化型では、撮像フード12には、フード12と一体化した1つ以上の管状支持部材420があってもよい。管状支持部材420のそれぞれは、それを通って1つ以上の器具またはツールが下層組織上の治療のために送達されてもよい、アクセス管腔422を画定してもよい。1つの特定の例を、図7Cについて図示および説明する。
【0089】
システムを使用するため、または使用を促進するために、様々な方法および器具を利用してもよい。例えば、1つの方法は、患者の心臓の中への装置の初期送達および配置を促進するステップを含んでもよい。心室内で、例えば僧帽弁MVに撮像アセンブリを最初に誘導する際、図37Aおよび37Bで示されるように、別個の誘導プローブ430を利用してもよい。誘導プローブ430は、例えば、内部を通して遠位先端部分432を照射するために光源434を使用してもよい、光ファイバを備えてもよい。先端が僧帽弁MVに隣接して位置付けられるまで、先端部分432は、例えば冠静脈洞CSを通して、心臓の中に前進させられてもよい。先端432は、図37Aに示されるように照射してもよく、次いで、僧帽弁MVに向かって心房内から目に見える照射した先端432に向かって、撮像アセンブリ10を誘導してもよい。
【0090】
上記の装置および方法のほかに、様々な他の手技を促進するために、撮像システムを利用してもよい。ここで図38Aおよび38Bを参照して、装置の撮像フードを特に利用してもよい。この例では、折り畳み可能膜または円盤型部材440を、撮像フード12の接触縁または唇の周辺に一時的に固定してもよい。血管内送達中に、撮像フード12および取着された部材440は両方とも分解構造であり、送達のための薄型を維持してもよい。留置時に、撮像フード12および部材440の両方は、その拡張構造に広がってもよい。
【0091】
円盤型部材440は、用途に応じて、種々の材料から成ってもよい。例えば、部材440は、下層組織の中への薬物のゆっくりとした注入のための、組織表面に対する移植のための薬剤溶出製剤442を注入された、多孔質高分子材料から作られてもよい。あるいは、部材440は、移植、および流体漏出を防ぐための創傷または空洞を覆う閉鎖のために、無孔質材料、例えば、金属または重合体から作られてもよい。さらに別の代替案では、部材440は、拡張状態の撮像フード12に固定されている膨張性材料でできていてもよい。組織表面または創傷に移植または固定されると、拡張した部材440は、撮像フード12から解放されてもよい。解放時に、拡張した部材440は、取着された下層組織に接近して、例えば、創傷または開口部を閉鎖しながら、より小さいサイズに収縮してもよい。
【0092】
組織表面に円盤型部材440を固定するための1つの方法は、部材440の表面に取着されている複数の組織固着器444、例えば、とげ、フック、突起等を含んでもよい。取着のその他の方法は、接着剤、縫合等を含んでもよい。使用中に、図39Aから39Cに示されるように、撮像フード12は、拡張構造で留置されてもよく、それに取着される部材440は、遠位に突出する複数の組織固着器444を伴う。組織固着器444は、図39Bに示されるように、固着器444が組織中に固定されて部材440が組織に対して直接位置付けられるまで、図39Aに示されるように、治療される組織領域446の中へと強く押し進められてもよい。引張ワイヤは、作動されて、撮像フード12から部材440を解放してもよく、留置カテーテル16は、近位に引っ込められて、部材440を組織446に対して固定されたままにしてもよい。
【0093】
組織操作および治療の別の変化型は、組織接触縁22に取着される留置可能固着器アセンブリ450を有する撮像フード12を図示する、図40Aの変化型において見ることができる。図40Bは、明確にするために、撮像フード12から外された固着器アセンブリ450を図示する。固着器アセンブリ450は、複数の不連続組織固着器456、例えば、とげ、フック、突起等を有するものとしてみなしてもよく、それぞれには、固着器456の近位端における縫合保持端、例えば、小穴または開口部458がある。縫合部材またはワイヤ452は、開口部458を通して、かつ縫合またはワイヤ452上で一定方向に摺動し、固着器456のそれぞれを互いに向かって接近させるように構成されてもよい、帯要素454を通して、各固着器456に摺動的に接続されてもよい。固着器456のそれぞれは、種々の方法を通して、撮像フード12に一時的に取着されてもよい。例えば、引張ワイヤまたは留保ワイヤは、撮像フード12の円周の周囲の受入リング内で、固着器のそれぞれを保持してもよい。固着器456が解放されると、引張ワイヤまたは留保ワイヤは、患者の身体の外側で、その近位端から引っ張られ、それにより、撮像フード12から固着器456を解放してもよい。
【0094】
開口部または創傷460、例えば、卵円孔開存(PFO)の閉鎖について、固着器アセンブリ450の使用の一例を図41Aから41Dに示す。留置カテーテル16および撮像フード12は、例えば患者心臓の中に、経脈管的に送達されてもよい。撮像フード12がその拡張構造に留置されると、撮像フード12は、図41Aに示されるように、開口部または創傷460に隣接して位置付けられてもよい。拡張した撮像フード12上に位置付けられる固着器アセンブリ450により、留置カテーテル16は、図41Bに示されるように、撮像フード12の接触縁および固着器アセンブリ450を、組織開口部460を取り囲む領域の中に強く押し進めるように方向付けられてもよい。固着器アセンブリ450が周辺組織内に固定されると、固着器を撮像フード12から解放し、図41Cに示されるように、固着器からたなびく固着器アセンブリ450および縫合部材452を残してもよい。縫合またはワイヤ部材452は、図41Dに示されるように、患者の外側から近位に引き、巾着方式で互いに向かって固着器アセンブリ450の固着器を接近させて組織開口部462を閉じることによって、しっかりと締めてもよい。帯要素454もまた、縫合またはワイヤ部材452上で遠位に押して、接近した固着器アセンブリ450が緩む、または広がることを防いでもよい。
【0095】
留置カテーテル16の中に血液472を引き込むために、留置カテーテル16および留置した撮像フード12を患者の体内に位置付けてもよい、代替的使用の別の例を、図42に示す。引き込んだ血液472をろ過するために、引き込んだ血液472は、患者の身体の外部に位置する透析ユニット470を通してポンプで注入されてもよく、ろ過した血液は、再導入されて患者の体内に戻ってもよい。
【0096】
さらに別の変化型を、第1の留置可能フード482と、第1のフード482の遠位に位置付けられる第2の留置可能フード484とを有する、留置カテーテル480の変化型を示す、図43Aおよび43Bに示す。留置カテーテル480にはまた、留置カテーテル480の長さに沿った、第1および第2のフード482、484間に位置付けられる、側面観察撮像要素486があってもよい。使用中に、そのような装置は、血管VSの管腔488を通して導入されてもよく、その場合、一方または両方のフード482、484は、拡張されて、血管VSの周辺壁にそっと接触してもよい。フード482、484が拡張されると、図43Bに示されるように、清浄な撮像流体は、フード482、484間で画定される空間においてポンプで注入されて、いずれの血液も置換し、撮像空間490を作成してもよい。フード482、484の中間の清浄流体を伴って、フード482、484間に含有される周辺組織表面を観察するために、撮像要素486を使用してもよい。加えて、血管壁上で治療手技を行うために、留置カテーテル480を通して、かつカテーテル480に沿って画定される1つ以上の開口部を通して、その他の器具またはツールを通過させてもよい。
【0097】
器具の側面の組織を撮像するために使用してもよい留置カテーテル500の別の変化型は、図44Aから45Bで見ることができる。図44Aおよび44Bは、膨張していない薄型構造の側面撮像バルーン502を有する留置カテーテル500の側面図および端面図を示す。側面撮像要素504は、バルーン502が配置されるカテーテル500の遠位部内に位置付けられてもよい。バルーン502は、膨張されると、放射状に拡張して周辺組織に接触してもよいが、撮像要素504が位置する場合、図45Aから45Bの側面図、上面図、および端面図にそれぞれ示されるように、可視化域506が、バルーン502によって作成されてもよい。障害物がなく、バルーン502によって妨げられていない区域506内の領域の画像が可視化要素504に提供されるように、可視化域506は、単純に、膨張したバルーン502内で画定される空洞またはチャネルであってもよい。
【0098】
使用中、留置カテーテル500は、可視化および/または治療される病変または腫瘍508に向かって、血管腔488を通って経脈管的に前進させられてもよい。病変508に到達すると、病変508が可視化域506内に含有されるように、留置カテーテル500は、病変508に隣接して位置付けられてもよく、バルーン502は、膨張させてもよい。バルーン502が完全に膨張されて、血管壁に対して接触すると、図46Aおよび46Bの側面図および端面図にそれぞれ示されるように、清浄な流体を、留置カテーテル500を通して可視化域506の中にポンプで注入して、区域506からあらゆる血液または不透明な流体を置換してもよい。次いで、留置カテーテル500を通して、そして区域506の中に任意の数の器具を通過させることによって、病変508を視覚的に検査および治療してもよい。
【0099】
追加的および/または代替的に、フードアセンブリは、その他の能力も同様に提供するように様々に構成され得る。例えば、図47Aおよび図47Bの斜視図と側面図とのそれぞれにおいて、フード12は、フード12の上にらせん状に構成された磁気支柱512を含み得、可撓性のフード12と長手方向の支持支柱514との壁に対するさらなる構造的な支持を提供するのみならず、強磁性または電磁気コイル512としても機能し、患者の身体に加えられる磁場と相互作用する。患者の身体内のフード12の位置を提供するための、そして電気生理的マッピングを検出するための、そのような磁場の使用は、上述のような撮像要素510(例えば、CCD、CMOS、光ファイバ撮像装置)によって提供される直接的な生体内での可視化との組み合わせで利用され得る。このようにして、下部組織領域の直接的な可視化と可視化された組織の電気生理的マッピングの測定とが、達成され得る。
【0100】
フード12上のらせん状の電磁コイル512は、磁場を検出するための受信アンテナとして用いられ得る。コイル512は、患者の身体の外部に配置された複数の(例えば、少なくとも3つの交流の)磁場放射体によって生成された強い磁場の下に配置されたときに、誘導電流を生成し得る。そのような電流信号は、米国特許第6,690,963号(その全体は、参照により本明細書中に援用される)に記載されているように、コイル512から信号処理回路に送信されるときに検出され、カテーテルの位置とフードの偏向角とを追跡するために処理され得る。
【0101】
あるいは、強磁性コイル512としてのらせん状支柱512は、コイル512を介して例えば交流回路に電流を通し、電磁波を誘導することによって、送信アンテナとして用いられ得る。この構成において、いくつかの磁場センサが、患者の身体の外部に配置され得る。フード12の方向における動きおよび変化は、生成された磁場における変化をもたらし、磁場センサにおける電磁流を誘導する。米国特許第5,713,946号(その全体は、参照により本明細書中に援用される)に開示されているように、これらの電流信号は、信号処理回路に送信されたときに、カテーテル16の位置とフード12の偏向角とを決定するために用いられ得る。
【0102】
可視化カテーテルの位置は、利用可能な撮像方法およびデバイス(例えば、蛍光透視法、エコー、MRT等)から心室の画像上に、しかるべくマッピングされ得る。したがって、組織可視化カテーテルのこの変化型は、オペレータが心室に対するカテーテルの正確な位置を可能にする一方で、直接的な生体内の可視化の下で様々な治療法の組織治療を実行し、同時に蛍光透視法と患者への有害な放射との必要性を排除および/または低減する、プラットフォームを提供し得る。
【0103】
上記で引用された米国特許第6,690,963号に開示されているように、放射体の数とセンサの数との積は、カテーテル16の位置および向きに関して測定される自由度の数と等しいか、それよりも大きい。したがって、6つの自由度(例えば、平行移動における3つの自由度、回転における3つの自由度)の全てに沿ってカテーテルを正確に配置するために、少なくとも2つの磁場コイルセンサが取り付けられ得る。
【0104】
磁気支柱512の使用に加えて、アセンブリは、評価されるべき下部組織に接触するために、フード12の周囲に配置された1つ以上の電極511をオプションとして組み込み得る。図47Aおよび図47Bは、フード12の外周のまわりに均一に配置された4つの電極511の使用を示しているが、必要に応じて、そして図22Aにおいて示され、上述されているように、4つより少ないまたは4つよりも多い電極が組み込まれ得る。1つ以上の電極511が組織に接触し得、組織を通過する電気生理的信号を検出し得る。これらの信号は、撮像された組織領域から可視的かつ電気生理的なマップが形成され得るように、記録され、処理され、撮像要素510によって記録された組織の画像上にオーバーレイされ得る。さらに、電極511は、様々な生体適合性の導電材料(例えば、ステンレス鋼、プラチナ等)から製造され得る。
【0105】
図47Cは、ケーブル518を介してコンピュータおよび/またはコンソールに結合された留置カテーテル16の例を示す。コンソールは、らせん状支柱512によって生成された信号を含むフードアセンブリから受信された信号を受信、増幅、フィルタリングすることにより、フード12の位置および向きならびに心臓Hの電気的特性を計算する信号処理回路519を含み得る。加えて、らせん状支柱512は、患者の近くに配置された電磁場生成コイル515によって生成される外的に適用される磁場に応答して、信号を生成し得る。電磁場生成コイル515は、ケーブル516を介して駆動回路517に連結され、駆動回路は、生成コイル515の動作を制御するコンピュータに連結される。フード12上のセンサは、アセンブリが心室の電気的活性をマッピングし、心臓周期における単一の時点における心室の幾何学的形状を描写し得るように、心臓周期と同期し得る。電気生理的な技術のさらなる詳細は、米国特許第6,892,091号(その全体は、参照により本明細書中に援用される)に示され、記載されている。
【0106】
図48Aおよび図48Bは、この例においては、フード12の上に取り付けられた単一のコイルを各々が有する6つのセンサを有するフードアセンブリのさらに別の変形型の斜視図と側面図とをそれぞれ示す。組織可視化カテーテルの位置および/または向きを取得するために、3つの単一コイルセンサの1つのセットが、それぞれ第1の(X)軸、第2の(Y)軸、第3の(Z)軸に沿ってフード12に沿って配置され得るが、3つの単一コイルセンサの第2のセットもまた、冗長セットとして、または磁場放射体として機能するように取り付けられ得る。
【0107】
例えば、第1の対のコイルセンサ520、522は、第1のコイルセンサ520、522が同じ方向(例えば、第1の(X)軸)に向くように、フード12の外周に沿って、互いに対して反対側に配置され得る。第2の対のコイルセンサ524、526もまた、フード12の外周に沿って、互いに対して反対側の端部に配置され得、第1の対のセンサ520、522に対して直角に向けられ得る。同様に、第2のコイルセンサ524、526は、同じ方向(例えば、第2の(Y)軸)に向けられ得る。最後に、第3の対のコイルセンサ528、530は、コイルセンサの両方が例えば第3の(Z)軸に沿って向けられるように、フード12の長手軸に沿って、互いに対して反対側に向けられ得る。さらに、フード12はまた、オプションとして、評価されるべき下部組織に接触するために、フード12の外周に沿って、1つ以上の電極511を組み込み得る。図49は、コイルセンサハウジング532内に配置された単一のコイルセンサ534の例の部分断面図を示す。コイル534の長手軸は、コイル534の長さに沿って延び得、相対的な軸または向きに沿って横たわり得る。
【0108】
図50Aおよび図50Bは、フード12に沿って、フード12の長手軸からずれて、撮像要素510に隣接してまたは撮像要素510の近くに取り付けられた、単一のトリプルセンサ540を有するフードアセンブリのさらに別の変形型を示す。フードの周囲に配置された、いくつかのセンサを利用する代わりに、単一のセンサハウジング542が、それぞれ図51Aの上面図よび図51Bの斜視図のそれぞれに示されているように、その中に少なくとも3つのコイルを組み込み得る。示されているように、第1のコイルセンサ544は、ハウジング542内で第1の(X)軸に沿って配置され得る。同様に、第2のコイルセンサ546は、第2の(Y)軸に沿って配置され得、第3のコイルセンサ548は、第3の(Z)軸に沿って配置され得、各々はハウジング542内に配置され得る。さらに、フード12はまた、下部組織と接触するために、フード12の外周にまわりに配置された1つ以上の電極511を組み込み得る。ハウジング542はまた、チャネル550を画定し得、このチャネルは、軸がほぼフード12に対して整列されるようにフード12に沿って支持支柱に取り付けるために、コイルセンサに対して向けられる。上記で引用された米国特許第6,690,963号に開示されているように、基準フレームに対するカテーテルの遠位端の位置および向きの定量的な測定が、利用され得る。したがって、少なくとも2つの異なる磁場を(例えば、交流電流を介して)生成する少なくとも2つの基準センサは、少なくとも2つの別個のカテーテルデバイスを用いて、心室の公知の位置に配置され得る。
【0109】
基準センサを利用する一例は、図52Aの部分断面図に示されており、この図は、患者の心臓Hの左心房LA内に配置される拡張されたフード12を有する留置カテーテル16を示す。示されているように、2個の基準センサが、留置カテーテル16に取り付けられ得、2つ以上の追加的なカテーテルの必要性を排除する。第1の基準センサ560は、留置カテーテル16の部分に取り付けられ得、これは、心房中隔に沿ってまたは心房中隔に隣接して配置される。したがって、中隔は、第1の基準点として指定され得る。第2の基準センサ562は、カテーテル16の部分に取り付けられ得、これは、例えば下大静脈IVCを介して、カテーテル16が最初に右心房RAに入る場所に沿ってまたはその場所に隣接して配置される。したがって、下大静脈IVCは、フード12の遠位端に対する第2の基準点として指定され得る。
【0110】
あるいは、留置カテーテル16に沿って基準センサを組み込む代わりに、これらは、図52Bの部分断面図に示されているように、外部の鞘14に沿って組み込まれ得る。同様に、第1の基準センサ564は、鞘14の遠位端に沿ってまたは鞘14の遠位端に隣接して配置され得、留置中に心房中隔に沿って配置され得、第2のセンサ566は、下大静脈IVCに沿って配置され得る。これらの解剖学的ランドマークに配置された基準センサを用いて、留置カテーテル16および/またはフード12の位置は、測定を介して決定され得る。
【0111】
図53Aおよび図53Bは、米国特許第6,939,309号(St Jude Medical)に詳細が記載されている電気生理的マッピングシステムと共に用いられたときに、身体内でのカテーテルの位置および/または向きを決定するために、電場と相互作用するように構成された、フードアセンブリのさらに別の変形型の側面図と斜視図とをそれぞれ示す。示されているように、複数の電極センサ570が、フードの遠位端の周りの外周に取り付けられ得る。さらなる電極572が、フード12の1つ以上の支柱に沿って配置され得る。上述のように、フード12のまわりに配置されたオプションの1つ以上の電極511もまた、示されている。アセンブリは、図54Aおよび図54Bに示されているように、患者の身体の上に配置された導電パッドの1つ以上の対によって誘導される電場内にあり得る心室の中に前進させられ得る。電場が例えば心臓H内に誘導されるように、多数のこれらの電極パッド582、584が、身体の上に配置され得る。複数の電極センサを有する組織撮像アセンブリ580は、患者の心臓の中に導入され得、この中では、フード12上の個々の電極センサ570、572は、周囲の心臓組織の異なる壁厚に起因する電場における変化、心筋組織内の電気的活性、および/またはカテーテル16およびフード12の動きを検出するように構成され得る。アセンブリ580から放射された信号584は、図54Cに示されているような、患者の心臓の電気生理的活性マップ586のコンピュータ表示を計算するために、上述のように検出および処理され得る。米国特許第6,939,309号または米国特許第6,990,370号(各々は、参照により本明細書中に援用される)に開示されているように、これらの電気信号は、電気生理的マップ586を計算するために、組織可視化カテーテルから信号プロセッサにリレーされ得る。
【0112】
したがって、組織可視化カテーテルのこの変化型は、心室に対するカテーテルの位置をオペレータが決定することを可能にする一方で、直接的な生体内の可視化の下で様々な治療法の組織治療を実行し、同時に蛍光透視法のようなその他の有害な器具の必要性を排除および/または低減する、プラットフォームを提供し得る。
【0113】
心臓の電気生理的活性のマップにオーバーレイされ得る心室の内部(例えば、左心房LA)の可視マップを形成する際に、本明細書中に記載されているような可視化カテーテルを利用した心臓組織の複数の画像がキャプチャされ得、合成画像にコンパイルされ得る。詳細は、米国特許出願第11/775,819号(2007年7月10日出願)に示され、記載されており、該特許出願の全体の内容は、参照により本明細書中に援用される。図55Aには、心房室内の第1の位置における撮像要素510によって撮影され得る第1の記録画像590(矢印「A」によって表されている)が示されている。第2の記録画像592(矢印「B」によって表されている)は同様に、第1の位置に隣接する第2の位置において撮影され得る。同様に、第3の記録画像594(矢印「C」によって表されている)は、第2の位置に隣接する第3の位置において撮影され得る。
【0114】
個々のキャプチャされた画像590、592、594は、組織可視化カテーテルが心臓カテーテル内にある間に、例えばBluetooth(R)(BLUETOOTH SIG,INC,Bellevue,WA)のような無線技術、または、その他の無線または有線プロトコルを介して、外部のプロセッサに送信され得る。プロセッサは、撮像要素510の関節運動(articulation)の軌跡を監視することによって撮影される写真を処理し、患者の心室の2次元または3次元の可視マップを処理し得ると同時に、図55Bに概略的に示されているように複数の画像を単一のパノラマ画像596へと組み合わせるために、任意の公知の撮像ソフトウェアを利用するカテーテルによって写真が撮影され得る。その後オペレータは、可視化カテーテルが依然として患者の心室内にあるときに、この可視マップを用いることにより、心室内で治療法的な処置を実行し得る。生成された心室のパノラマ画像596はまた、心室内のカテーテルの位置を追跡することが可能な従来のカテーテルと共に用いられ得る。
【0115】
図56Aに示されているように、図56Bに示されているような合成の可視化されキャプチャされた画像600は、電気生理的マップ586上にマッピングまたはオーバーレイされ得、ユーザが心臓Hの生体内画像およびその対応する電気生理的活性を直接的に見ることを可能にする。そのような組み合わされた可視的および電気生理的なマップ586は、心房細動のような治療条件に対し、例えば組織アブレーション治療の間に、臨床医によって利用され得る。下部組織(例えば、1つ以上の肺静脈の周辺)を治療するために用いられ得るアブレーションプローブ612の一例は、図57Aに示されている。例えば心房細動を治療する際のそのようなアブレーション器具の使用は、米国特許出願第11/775,819号(2007年7月10日出願)においてさらに詳細に示され、記載されており、該出願の全体は、参照により本明細書中に援用される。
【0116】
図56Cに示されているように、フード12内の透明な液体を介して見た、撮像要素510によってキャプチャされた組織表面の可視画像602が見られ得る。図56Dは、検出された電気生理的活性604が組織の画像602上に可視的に直接オーバーレイされることにより、電位図情報と組み合わされた実際の生体内組織の可視マップをユーザに提供し得る方法の一例を示す。したがって、治療条件(例えば、心房細動)に対して組織をアブレーションすることは、臨床医または外科医が組織をアブレーションしながらも、一方で、領域を可視化し、同時に電気生理的活性および/または組織治療の結果として生じるこの活性における変化をリアルタイムに検出することができるように、容易化され得る。可視画像602上の電気生理的活性604を処理およびオーバーレイする際に、組織(またはアブレーションされる組織)の境界が、可視的に識別され、電位図情報が、この画像上にオーバーレイされ得る。
【0117】
図57Aは、上述のように、複数のコイルセンサ(例えば、コイルセンサ528、530)と共にフード12の外周のまわりに配置された強磁性リング610を有するフードアセンブリをさらに示しており、これは、患者の身体内のフード12の位置および/または向きを検出するために利用され得る。さらに、強磁性リング610は、患者の身体の外部の磁場の下で、磁場をマニピュレートすることによって体内のフード12の位置を指示および制御するように、指示され得る。強磁性リング610の使用および強磁性リング610の利用のためのシステムの詳細は、米国特許出願第11/___,___(2007年8月___日出願)(代理人管理番号第VYMD−N−Z010.00−US)に示され、記載されており、該出願は、その全体が参照により本明細書中に援用される。
【0118】
代替的な変化型は、部分断面図を図示する図57Bに示され、フード12は、上記で引用された米国特許出願第11/___,___(代理人管理番号第VYMD−N−Z010.00−US)に示され、記載されているシステムを利用することによってロボット工学的に(robotically)制御され得る。
【0119】
組織可視化カテーテルのこれらの変化型は、オペレータが直接的な生体内の可視化の下で様々な治療法的な組織処置を実行する一方で、心室に対するカテーテルの正確な位置を決定することを可能にし得るプラットフォームを提供する。加えて、そのような組織可視化カテーテルはまた、フード12の正確な関節運動を提供することにより、目的の組織領域に対して器具がより正確に配置され、治療的な処置および技量(proficiency)を向上させることを可能にする。
【0120】
図58Aは、例えば心臓Hの左心房LA内に配置された撮像カテーテルおよびフードの表示と共に電気生理的活性マップ586を示している。本明細書中に記載されているアセンブリを利用することにより、図58Bに示されているように、フード12の向きおよび位置が、決定および/または制御され得、その一方で、図58Cに示されているように、治療される下部組織の可視画像620を提供する。
【0121】
図59は、膨張され得、フード12内に部分的に含まれ得る、バルーン630の別の変化型を示す。バルーン630の遠位端は、バルーン630の外周のまわりに配置された絶縁セグメント634によって分離された複数のマッピング電極632を含み得、これは、バルーン630が膨張されたときに、電気生理的活性を検出および/または記録するために、マッピング電極632が評価されるべき組織に対して接触し得るように、フード12のエッジから遠位に延びている。1つ以上のワイヤ636が、フード12に沿って、留置カテーテル16を介して、電極632から延び得る。
【0122】
図60は、アセンブリの下の組織領域の電気生理的活性を撮像および検出するために利用され得るアセンブリのさらに別の変化型を示す。この変化型においては、フードを利用するのではなく、膨張可能な撮像バルーン640が留置カテーテル16上に配置され得、留置カテーテル16は、ハンドル642に結合される。ハンドル642は、電源644(例えば、バッテリー)を含み得、さらには、ライン648を介して流体容器646(例えば、バルーン640内に注入する透明な流体を含むシリンジ)に流体連通され得る。組織表面に対して接触するバルーン640の遠位端は、複数の電極632を組み込み得、これらの電極は、円周状の構成で示されているが、様々なパターンまたは形状に構成され得る。電極632は、任意の数の器具または物質を、バルーン640を介して下部組織領域の中または下部組織領域に対して導入するための通路を提供するためにバルーン640を介して留置カテーテル16に向けて延びているアクセス腔656の遠位開口部658を包囲し得る。
【0123】
さらに、光源654(たとえば、光ファイバ、発光ダイオード等)もまた、バルーン640内でカテーテル16の遠位端の近くまたは遠位端において配置され、バルーン640によって接触された組織を可視化するための、バルーン640を介する光を提供する。加えて、撮像要素652(例えば、光ファイバ、CMOSまたはCCDカメラ等)が、バルーン640内でカテーテル16の遠位端に配置されるか、あるいは、関節運動可能な支持部材650上に配置され得、この支持部材650は、カテーテル16の長手軸に対して軸外の位置に角度をなし得る。上述のように、いずれの場合においても、バルーン640の遠位部分によって接触される組織表面は、撮像要素652を介してバルーン640を通して可視化され、その一方で同時に、ペーシング電極(pacing electrode)またはマッピング電極632は、評価および/または治療のために、可視化された組織の任意の電気生理的活性を検出し得る。
【0124】
上記の開示した発明の用途は、身体のある治療または領域に限定されないが、任意の数の身体の他の治療および領域を含んでもよい。本発明、および当業者にとって明白である本発明の側面の変化型を実行するための上記の方法および装置の変更は、本開示の範囲内であることを目的とする。さらに、例間の側面の様々な組み合わせも検討され、同様に本発明の範囲内であると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓の室内で使用するための治療および/または診断システムであって、該室は血液を含み、
関節結合可能なカテーテルと、
カテーテルによって支持される撮像アセンブリであって、該室内において該血液の少なくとも一部を処理しながら、該室の組織表面領域の組織表面画像を取得するように構成される撮像アセンブリと、
該組織表面の電気活動を検出するように構成される少なくとも1つのセンサと、
該検出された電気活動および組織表面画像を受信するように該撮像アセンブリおよび該少なくとも1つのセンサに連結されるプロセッサであって、該検出された電気活動および組織表面画像をともにマップするように構成されるプロセッサと
を含む、システム。
【請求項2】
前記撮像アセンブリは、前記組織表面領域に隣接する前記室の部分から局所的に血液を移動させるための流路を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサは前記カテーテル上に装填される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記カテーテルは、前記組織表面画像に関連する位置信号を生成するための追跡システムに連結され、該プロセッサは、該追跡システムからの該位置信号を使用して、前記検出された電気活動および組織表面画像を登録する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、複数の組織表面画像および複数の電気活動感知位置からの複数の電気活動信号を受信するように構成され、該プロセッサは、該組織表面画像の少なくとも一部と重ね合わされる該電気活動信号の少なくとも一部を用いて出力信号を伝送する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのセンサは、電気生理学的追跡信号を生成するための追跡システムを有する電気生理学的カテーテル上に装填され、該電気生理学的カテーテルは、前記プロセッサに連結可能であって、該プロセッサは、前記位置信号および該電気生理学的追跡信号に応答して、前記組織表面画像に対する前記検出された電気活動を登録する、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記撮像アセンブリは障壁または膜を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記障壁または膜内、またはそれに沿って位置付けられる撮像要素をさらに含み、前記開いた部分に隣接する組織領域が、該撮像要素を介して可視化され得るようにする、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記撮像要素は、CMOS、CCD、または光ファイバ撮像装置を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記撮像要素は、前記カテーテルの遠位端内に配置される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記撮像要素は、前記カテーテルの縦軸の軸を外れて関節結合可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記障壁または膜は、前記カテーテルにより画定される流体ルーメンと流体的に連絡する開いた部分を有する、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
前記流体ルーメンを介して前記障壁または膜と流体的に連結される流体容器をさらに含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記流体容器は、生理食塩水、血漿、水、またはペルフルオロ液を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのセンサは、前記組織領域に対する前記障壁または膜の配向および/または位置を検出するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのセンサは、前記障壁または膜に沿ってらせん状に配置される金属支柱を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのセンサは、前記障壁または膜に対する第1の軸に沿う該障壁または膜に沿って、またはその上に位置付けられる少なくとも1つのコイルセンサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記障壁または膜に対する第2の軸に沿う該障壁または膜に沿って、またはその上に位置付けられる第2のコイルセンサをさらに含み、前記第2の軸は、前記第1の軸に直交する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記障壁または膜に対する第3の軸に沿う該障壁または膜に沿って、またはその上に位置付けられる第3のコイルセンサをさらに含み、前記第3の軸は、前記第1および第2の軸に直交する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つのセンサは、前記障壁または膜に沿って、またはその上に位置付けられる三重コイルセンサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記障壁または膜に近接する前記カテーテルに沿って位置付けられる少なくとも1つの参照センサをさらに含むことにより、該カテーテルが患者の体内に導入されると、該参照センサが解剖学的ランドマークと一致する、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記少なくとも1つのセンサは、前記障壁または膜に沿って位置付けられる電極を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記障壁または膜の周囲に位置付けられる複数の電極をさらに含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記障壁または膜に沿って配置される少なくとも1つの支柱に沿って位置付けられる複数の追加電極をさらに含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記プロセッサは、前記センサを介して検出される前記組織領域の前記電気活動のマップを生成するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項26】
前記プロセッサは、前記電気活動の前記マップを前記開いた部分に接する、または隣接する前記組織領域の視覚画像と相関させるようにさらに構成される、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
心臓の室内で使用するための治療および/または診断方法であって、
該室内において血液を処理しながら、該室の組織表面領域の組織表面画像を取得することと、
該組織表面領域の電気活動を検出することと、
該検出された電気活動および組織表面画像をマップすることと、
該マップされた検出電気活動および組織表面画像に応じて、心臓を診断および/または治療することと
を含む、方法。
【請求項28】
体内ルーメン内の組織領域を感知する方法であって、
感知される前記組織領域に接する、または隣接する障壁または膜の開いた部分を位置付けることと、
透明な流体を用いて、該障壁または膜および該組織領域によって画定される該開いた部分から半透明な液体を置換することと、
該透明な流体を通して該開いた部分内の該組織領域を可視化することと、
該開いた部分に接する、または隣接する該組織領域の電気活動を検出することと
を含む、方法。
【請求項29】
位置付けは、前記障壁または膜を心臓の左心房室に進めることを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
位置付けは、前記障壁または膜を、扁平な送達構成から拡張した展開構成に展開することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
位置付けは、前記組織領域に対する前記障壁または膜の位置を固定することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
半透明な流体の置換は、前記カテーテルにより画定される流体送達ルーメンを通して前記開いた部分に前記透明な流体を注入することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記透明な流体の注入は、生理食塩水、血漿、水、またはペルフルオロ液を前記開いた部分に注入して、血液がそこから置換されることを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
可視化は、前記障壁または膜内に位置付けられる撮像要素を介して前記組織領域を見ることを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
前記撮像要素は、前記障壁または膜の内面に沿って位置付けられる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記撮像要素は、CMOS撮像装置、CCD撮像装置、または光ファイバを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
検出は、少なくとも1つのセンサを介して前記電気活動を感知することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つのセンサは、前記障壁または膜の上、またはそれに沿って配置される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
検出は、前記障壁または膜の周縁上に、または周縁に沿って位置付けられる複数のセンサを介して前記電気活動を感知することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項40】
前記組織領域に対する前記障壁または膜の配向および/または位置を決定することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項41】
前記組織領域の前記検出された電気活動をマップすることをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項42】
前記組織領域の視覚映像に、前記検出された電気活動のマップを重層させることをさらに含む、請求項41に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30A】
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【図30B】
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【図31A】
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【図31B】
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【図31C】
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【図32A】
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【図32B】
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【図33A】
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【図33B】
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【図34A】
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【図34B】
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【図35A】
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【図35B】
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【図35C】
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【図36A】
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【図36B】
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【図37A】
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【図37B】
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【図38A】
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【図38B】
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【図39A】
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【図39B】
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【図39C】
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【図40A】
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【図40B】
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【図41A】
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【図41B】
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【図41C】
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【図41D】
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【図42】
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【図43A】
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【図43B】
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【図44A】
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【図44B】
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【図45A】
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【図45B】
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【図45C】
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【図46A】
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【図46B】
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【図47A】
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【図47B】
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【図47C】
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【図48A】
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【図48B】
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【図49】
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【図50A】
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【図50B】
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【図51A】
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【図51B】
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【図52A】
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【図52B】
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【図53A】
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【図53B】
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【図54A−54B】
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【図54C】
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【図55A】
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【図55B】
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【図56A−56B】
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【図56C】
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【図56D】
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【図57A】
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【図57B】
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【図58A−58C】
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【図59】
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【図60】
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【公表番号】特表2010−502313(P2010−502313A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526940(P2009−526940)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/077429
【国際公開番号】WO2008/028149
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(507258939)ボエッジ メディカル, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】