説明

情報伝達システム及び情報伝達方法

【課題】災害発生エリアの携帯端末の所持者に対して効果的に災害情報を伝達でき、また、簡単かつ確実に災害情報に対して応答でき、更に、確実に災害情報に対する応答内容を確認できる情報伝達システム及び情報伝達方法の提供。
【解決手段】セルブロードキャストショートメッセージを利用し災害発生エリアの基地局3から通信エリアの携帯端末1に災害情報と送信先を指示する情報とを含むセルブロードキャストショートメッセージを同報通信する。セルブロードキャストショートメッセージを受信した携帯端末1の所持者は伝言をショートメッセージとして送信し、ショートメッセージサーバ6では伝言と携帯端末1の電話番号とを対応付け、返信先が伝言ダイアルの場合は文字情報を音声情報に変換して伝言ダイアルサーバ7に登録し、送信先が伝言掲示板の場合は文字情報として伝言掲示板サーバ8に登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報伝達システム及び情報伝達方法に関し、特に、災害発生時の安否確認に利用される情報伝達システム及び情報伝達方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地震や火災、風水害などの災害が発生した場合、災害発生エリアにいる人は家族や知人等に安否の連絡を行う必要があり、このような安否の連絡手段として災害発生時用伝言ダイアルサービスが知られている。この伝言ダイアルサービスは、予め定められた番号に電話し、災害発生エリアの電話番号を入力した後メッセージを録音すると、録音したメッセージが一定期間保存され、他の地域から同様に予め定められた番号に電話し、上記電話番号を入力すると、録音したメッセージが再生されるものであり、このメッセージを聞くことによって災害発生エリアにいる人の安否を確認することができる。
【0003】
また、同様のシステムとして、下記特許文献1には、安全確認装置と応答端末と確認端末とがネットワークで接続され、安全確認装置に災害検知装置と処理装置とデータベースとを備え、災害検知装置が災害を検知すると、処理装置では、データベースから予め登録された安全確認装置設置エリア内にある応答端末の連絡先データを読み出して安否確認情報を発信し、応答端末から受信した伝言をネットワークに掲載し、安否確認装置でネットワークに掲載された伝言を閲覧する安否確認システムが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−312879号公報(第3−4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、伝言ダイアルサービスでは、災害発生エリアにいる人(携帯端末保持者)が災害用の伝言ダイアルや掲示板へのアクセス先を知らなければサービスを利用することができない。また、伝言ダイアルでは音声呼を使用するため、各携帯端末と基地局との間に個別チャネルを確立する必要があり、利用効率が落ちてしまう。また、災害発生時などアクセスが集中したときには、基地局側や交換機側へのオーバーアクセスにならないように発信規制が敷かれるため、電話が繋がらないケースが発生する。更に、自局の電話番号を入力しなければ伝言ダイアルや掲示板に電話番号を登録することができず、操作が煩雑になるという問題がある。
【0006】
また、上記特許文献1のシステムでは、安全確認装置の処理装置から応答端末に自動的に安否確認情報が発信されるが、安否確認情報を受信するためには予め応答端末の連絡先データをデータベースに登録しておかなければならず、登録していなければ災害発生エリアにいても安否確認情報を受信することはできない。また、安否確認情報を個々の応答端末に対して発信するため、登録された応答端末の数が多いと処理が輻輳してしまう。また、このシステムでは伝言を電子メールで返信し、安否確認装置で伝言を閲覧する構成であるため、伝言ダイアルサービスのように、固定電話機や公衆電話機などから伝言を音声で聞くことができず、利用形態が限定されるという問題もある。
【0007】
このように、災害発生時の情報伝達方法として様々な方法が提案されているが、災害発生時は通常時のような余裕がないことから、いかに効果的に災害情報を伝達することができるか、また、災害情報に対していかに簡単な操作で確実に応答することができるか、更に、伝言をいかに確実に確認できるようにするかが重要であり、上記要求を満足するシステム及び方法の提案が求められている。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、災害発生エリアにいる携帯端末の所持者に対して効果的に災害情報を伝達することができる情報伝達システム及び情報伝達方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の第2の目的は、簡単かつ確実に災害情報に対して応答することができる情報伝達システム及び情報伝達方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第3の目的は、確実に災害情報に対する伝言を確認することができる情報伝達システム及び情報伝達方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、セルブロードキャスト機能を利用して第1のショートメッセージを同報通信する第1のサーバと、前記第1のショートメッセージを受信し、第2のショートメッセージを送信する携帯端末と、前記第2のショートメッセージを受信する第2のサーバと、が通信ネットワークで接続されてなる情報伝達システムにおいて、前記第1のサーバに、災害発生エリアの基地局から、災害情報と送信先を指示する情報とを含む前記第1のショートメッセージを発信する機能を備え、前記携帯端末では、前記第1のショートメッセージで指示された前記送信先に対して、回線交換系又はパケット交換系のいずれかを経由して、伝言を含む前記第2のショートメッセージを送信するものである。
【0012】
本発明においては、更に、音声情報を登録する第3のサーバと、文字情報を登録する第4のサーバと、が通信ネットワークで接続され、前記第2のサーバに、前記伝言と前記第2のショートメッセージの送信元の前記携帯端末の電話番号とを対応付けて、前記第3のサーバ又は前記第4のサーバに登録する機能を備える構成とすることができる。
【0013】
また、本発明においては、前記第2のサーバに、文字情報を音声情報に変換する音声変換手段を備え、前記第2のショートメッセージの前記送信先が前記第3のサーバの場合に、前記音声変換手段を用いて前記伝言及び前記電話番号を音声情報に変換した後、該音声情報を前記第3のサーバに登録する構成とすることができる。
【0014】
また、本発明は、セルブロードキャスト機能を利用して第1のショートメッセージを同報通信する第1のサーバと、前記第1のショートメッセージを受信し、第2のショートメッセージを送信する携帯端末と、前記第2のショートメッセージを受信する第2のサーバと、が通信ネットワークで接続されてなるシステムにおける情報伝達方法であって、前記第1のサーバから、災害発生エリアの基地局を介して、災害情報と送信先を指示する情報とを含む前記第1のショートメッセージを発信する第1のステップと、前記基地局の通信エリア内の前記携帯端末で、前記第1のショートメッセージを受信する第2のステップと、前記携帯端末から、前記第1のショートメッセージで指示された前記送信先に、回線交換系又はパケット交換系のいずれかを経由して、伝言を含む第2のショートメッセージを送信する第3のステップと、前記第2のサーバで、前記第2のショートメッセージを受信する第4のステップと、を少なくとも備えるものである。
【0015】
本発明においては、更に、音声情報を登録する第3のサーバと、文字情報を登録する第4のサーバと、が通信ネットワークで接続され、前記第2のサーバで、前記伝言と前記第2のショートメッセージの送信元の前記携帯端末の電話番号とを対応付けて、前記第3のサーバ又は前記第4のサーバに登録する第5のステップを備える構成とすることができる。
【0016】
また、本発明においては、前記第2のサーバに、文字情報を音声情報に変換する音声変換手段を設け、前記第5のステップでは、前記第2のショートメッセージの前記送信先が前記第3のサーバの場合に、前記音声変換手段を用いて前記伝言及び前記電話番号を音声情報に変換した後、該音声情報を前記第3のサーバに登録する構成とすることができる。
【0017】
このように、本発明では、セルブロードキャストショートメッセージを使用することにより、第1のサーバ(セルブロードキャストショートメッセージサーバ)から災害情報を同報通信することができ、また、携帯端末の個別チャネルを使用することなく災害情報を伝達することができるため、災害発生エリアにいる携帯端末の所持者に対して、効果的に災害情報を伝達することができる。また、災害情報に対する伝言をショートメッセージとして送信することにより、発信者の携帯端末の電話番号を入力しなくてもメール情報から電話番号を特定することができ、また、回線側に強い発信規制がかかる場合でもパケット系のチャネルを使用することができるため、簡単かつ確実に災害情報に対して応答することができる。更に、第2のサーバ(ショートメッセージサーバ)に文字情報を音声情報に変換する手段を設けると共に、音声情報を登録する第3のサーバ(伝言ダイアルサーバ)と文字情報を登録する第4のサーバ(伝言掲示板サーバ)とを設けることにより、固定電話機又は携帯端末のいずれも利用可能となるため、確実に災害情報に対する伝言を確認することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の情報伝達システム及び情報伝達方法によれば、下記記載の効果を奏する。
【0019】
本発明の第1の効果は、災害発生エリアにいる携帯端末の所持者に対して効果的に災害情報を伝達することができるということである。
【0020】
その理由は、セルブロードキャスト機能を使用することにより、予め登録しなくても災害発生エリアという特定エリアにいる携帯端末の所持者に対して災害情報を発信することができるからである。また、パケット通信や音声電話を使用すると携帯端末ごとに個別に余分なチャネルを使用する必要があるために無線の使用効率が下がるが、セルブロードキャスト機能を使用することにより、携帯端末の個別チャネルを使用することなく、災害情報の伝達が可能になるからである。
【0021】
また、本発明の第2の効果は、簡単かつ確実に災害情報に対して応答することができるということである。
【0022】
その理由は、災害発生時には通常、発信規制がかかっており、電話をかけにくい状態になるが、ショートメッセージの返信という形にすることによって、効率的な無線使用で情報を伝えることができるからである。具体的には、ショートメッセージの送信は、回線系・パケット系のいずれでも発信が理論上可能になっており、回線側に強い発信規制がかかっているような場合には、パケット系のチャネルを使用すれば容易に発信可能となるからである。また、ショートメッセージを使用することにより、メール情報から携帯端末の電話番号を特定することができるため、発信者が携帯端末の電話番号を入力する手間を省くことができるからである。
【0023】
また、本発明の第3の効果は、確実に災害情報に対する伝言を確認することができるということである。
【0024】
その理由は、ショートメッセージサーバに文字情報を音声情報に変換する機能を持たせると共に、音声情報を登録するサーバと文字情報を登録するサーバの2種類のサーバを設け、いずれかのサーバに伝言と発信元の携帯端末の電話番号とを対応付けて登録することにより、電話機能とweb閲覧機能のいずれを用いても伝言を確認することができるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
従来技術で示したように、災害発生時の連絡方法として災害発生時用伝言ダイアルサービスがあるが、伝言ダイアルサービスでは、災害用の伝言ダイアルや掲示板へのアクセス先が分からければ利用することができず、伝言ダイアルでは音声呼を使うため、通信の利用効率が落ちてしまい、発信規制が敷かれた時に電話が繋がらない場合があり、更に、伝言ダイアルや掲示板に自局の電話番号を登録するためには電話番号を入力しなければならず操作が煩雑になるなどの問題がある。
【0026】
また、特許文献1記載の方法でも、端末の連絡先を予め登録していなければ災害発生エリアにいても災害情報を受信することはできず、災害情報を個々のユーザ端末に対して行うため、処理が輻輳してしまい、更に、伝言を音声で確認することができないため、固定電話機や公衆電話機などから伝言を確認することができないなどの問題がある。
【0027】
ここで、特定の基地局の通信エリア内にある携帯電話機に一斉に同報通信を行うセルブロードキャスト(Cell Broadcast)が知られており、また、携帯電話機の通信事業会社では所定の容量以下の電子メールを携帯電話機の電話番号で通信ができるようにするショートメッセージサービス(Short Massage Service)を行っている。
【0028】
そこで、本発明では、このセルブロードキャストショートメッセージを利用し、災害が発生した場合に、災害発生エリアの基地局から、該基地局の通信エリア内にある携帯端末に対して災害情報と送信先を指示する情報とを含むセルブロードキャストショートメッセージを送信する。そして、セルブロードキャストショートメッセージを受信した携帯端末の所持者は、ショートメッセージ機能を使用して上記送信先に伝言を送信し、ショートメッセージサーバでは、送信先が伝言ダイアルの場合は文字情報を音声情報に変換し、伝言と発信元の携帯端末の電話番号とを対応付けて伝言ダイアルサーバに登録し、送信先が伝言掲示板の場合は伝言と発信元の携帯端末の電話番号とを対応付けて伝言掲示板サーバに登録する。
【0029】
これにより、災害発生エリアにいる携帯端末の所持者に対して効果的に災害情報の伝達することができ、また、簡単かつ確実に災害情報に対して応答することができ、更に、確実に災害情報に対する伝言を確認することができる。
【実施例】
【0030】
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る情報伝達システム及び情報伝達方法について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本実施例の情報伝達システムの構成を模式的に示す図であり、図2は、本実施例の情報伝達方法の手順を示すフローチャート図である。
【0031】
図1に示すように、本実施例の情報伝達システムは、災害が発生した場合に、所定の災害情報と送信先を指示する情報とを含むセルブロードキャストショートメッセージを一斉に同報通信するセルブロードキャストショートメッセージサーバ2と、各エリアに配置された基地局3と、災害発生エリアの基地局3から送信されるセルブロードキャストショートメッセージを受信し、ショートメッセージ機能を利用して上記送信先に伝言を含むショートメッセージを送信する携帯端末1と、携帯端末1から送信されたショートメッセージを受信し、伝言と該伝言の発信元の携帯端末1の電話番号とを対応付けて伝言ダイアルサーバ7又は伝言掲示板サーバ8に登録するショートメッセージサーバ6と、基地局3とショートメッセージサーバ6との間の音声通信を制御する回線交換制御装置4と、基地局3とショートメッセージサーバ6との間のパケット通信を制御するパケット交換制御装置5と、音声情報を登録する伝言ダイアルサーバ7と、文字情報を登録する伝言掲示板サーバ8とを備え、ショートメッセージサーバ6には、送信先が伝言ダイアルの場合に文字情報を音声情報に変換する音声変換手段を備えている。
【0032】
なお、図1の構成は例示であり、携帯端末1と各々のサーバとが通信ネットワークで接続されていればよく、各々のサーバの接続形態は適宜変更することができ、また、伝言ダイアルサーバ7と伝言掲示板サーバ8とを1つのサーバとするなどの変更も可能である。
【0033】
次に、上記構成の情報伝達システムを用いた情報伝達手順について、図2のフローチャート図を参照して説明する。
【0034】
まず、災害が発生すると、予め設けられた災害検知装置は災害発生を検知し、災害が発生したことをセルブロードキャストショートメッセージサーバ2に通知する。
【0035】
次に、ステップS101で、セルブロードキャストショートメッセージサーバ2は、通知された情報から災害発生エリアの基地局3を特定し、セルブロードキャスト機能を利用して、該基地局3の通信エリア内にある携帯端末1に対して、予め定められた災害用のセルブロードキャストショートメッセージを送信する。その際、災害発生エリア外の基地局3からはセルブロードキャストショートメッセージは送信されない。なお、セルブロードキャストショートメッセージには、災害情報の他に、伝言ダイアルの番号や伝言掲示板のアクセス先などが含まれ、これらは予め作成されてセルブロードキャストショートメッセージサーバ2に登録されているものとする。
【0036】
次に、ステップS102で、災害発生エリアの基地局3の通信エリア内にいる携帯端末1は、セルブロードキャストショートメッセージを受信し、その内容を表示手段に表示する。ここで、本実施例ではセルブロードキャスト機能を利用しているため、予め携帯端末1を登録しなくても災害情報を受信することができ、また、携帯端末1の個別チャネルを使用しないため、効率的に災害情報を送信することができる。
【0037】
次に、ステップS103で、携帯端末1の所持者は表示されたセルブロードキャストショートメッセージを読み、セルブロードキャストショートメッセージに記述された伝言ダイアルの番号や伝言掲示板のアクセス先に対して災害情報に対する伝言を送信する。その際、ショートメッセージ機能を使用してショートメッセージとして送信すると、携帯端末1の電話番号が発信元として登録されるため、災害発生エリア内の携帯端末1の所持者自身が電話番号を入力する必要がなくなり、災害情報に対して簡単に応答することができる。また、ショートメッセージ送信時に、災害発生エリアで発信規制がかかっている場合や、回線交換系とパケット交換系の発信制御の割合が違う場合には、より低い発信制御を選択して送信することにより、災害情報に対して確実に応答することができる。この選択は携帯端末1の所持者が行ってもよいし、回線交換制御装置4やパケット交換制御装置5がどちらの経路を使用するかを自動的に判断する構成としてもよい。
【0038】
次に、ステップS104で、ショートメッセージサーバ6は、回線交換系又はパケット交換系のいずれかで送信されたショートメッセージを受信し、ステップS105で、ショートメッセージの送信先が伝言ダイアルであるか、伝言掲示板であるかを判断する。
【0039】
そして、ショートメッセージの送信先が伝言ダイアルの場合には、ステップS106で、ショートメッセージサーバ6は、音声変換手段を用いてショートメッセージの伝言を音声情報に変換し、ステップS107で、変換した音声情報を伝言ダイアルサーバ7に登録する。なお、登録に際して、ショートメッセージの発信者欄から発信者の携帯端末1の電話番号を取り出し、伝言と上記電話番号とを対応付けて登録する。また、音声情報に変換する方法は特に限定されず、例えば、ショートメッセージの文章を文字や単語、文節単位に分割して、各々の文字や単語、文節に対して予め登録された音声情報を割り当てるなどの方法を用いることができる。
【0040】
一方、ショートメッセージの送信先が伝言掲示板の場合には、ステップS108で、ショートメッセージサーバ6は、ショートメッセージの伝言を伝言掲示板サーバ8に文字情報として登録する。その際、伝言ダイアルサーバ7と同様に、ショートメッセージの発信者欄から発信者の携帯端末1の電話番号を取り出し、伝言と上記電話番号とを対応付けて登録する。また、ショートメッセージの内容をそのまま伝言掲示板サーバ8に登録してもよいし、ショートメッセージサーバ6にフォーマット変換手段を設け、フォーマット変換手段で閲覧しやすい形に変換した後、伝言掲示板サーバ8に登録してもよい。
【0041】
その後、ステップS109で、災害発生エリア外にいる家族、知人等は、伝言ダイアルサーバ7又は伝言掲示板サーバ8のいずれかにアクセスして、登録された伝言を確認する。その際、本実施例では、ショートメッセージの伝言が伝言ダイアルサーバ7では音声情報として登録され、伝言掲示板サーバ8では文字情報として登録されているため、webアクセス機能を備えた機器を持っていない場合は固定電話や公衆電話から伝言ダイアルサーバ7にアクセスして伝言を聞くことができ、webアクセス機能を備えた機器を持っている場合は該機器から伝言掲示板サーバ8にアクセスして伝言を閲覧することができ、様々な利用形態において確実に伝言を確認することができる。また、伝言ダイアルサーバ7又は伝言掲示板サーバ8には伝言に対応付けて発信元の携帯端末1の電話番号が登録されているため、該携帯端末1に確実に連絡することができる。
【0042】
このように、セルブロードキャストショートメッセージを利用して災害発生エリアの基地局3の通信エリア内の携帯端末1に一斉にセルブロードキャストショートメッセージを同報通信し、セルブロードキャストショートメッセージを受信した携帯端末1の所持者は回線交換系又はパケット交換系のいずれかでショートメッセージとして伝言を送信し、ショートメッセージの伝言と発信元の携帯端末1の電話番号とを対応付けて、音声情報として伝言ダイアルサーバ7に登録又は文字情報として伝言掲示板サーバ8に登録する構成とすることにより、災害発生エリアにいる携帯端末の所持者に対して効果的に災害情報の伝達することができると共に、自局の電話番号を入力するなどの操作を行うことなく、発信規制がかかる場合でも簡単かつ確実に災害情報に対して応答することができ、更に、様々な利用形態で確実に災害情報に対する伝言を確認することができる。
【0043】
なお、上記実施例では、災害発生時の情報伝達システム及び方法について記載したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、セルブロードキャストショートメッセージ機能を利用した任意のシステム及び方法に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、特定のエリアから発信する情報を伝達する情報伝達システム及び情報伝達方法に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施例に係る情報伝達システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係る情報伝達システムを用いた情報伝達手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0046】
1 携帯端末
2 セルブロードキャストショートメッセージサーバ
3 基地局
4 回線交換制御装置
5 パケット交換制御装置
6 ショートメッセージサーバ
7 伝言ダイアルサーバ
8 伝言掲示板サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルブロードキャスト機能を利用して第1のショートメッセージを同報通信する第1のサーバと、前記第1のショートメッセージを受信し、第2のショートメッセージを送信する携帯端末と、前記第2のショートメッセージを受信する第2のサーバと、が通信ネットワークで接続されてなる情報伝達システムにおいて、
前記第1のサーバに、災害発生エリアの基地局から、災害情報と送信先を指示する情報とを含む前記第1のショートメッセージを発信する機能を備え、
前記携帯端末では、前記第1のショートメッセージで指示された前記送信先に対して、回線交換系又はパケット交換系のいずれかを経由して、伝言を含む前記第2のショートメッセージを送信することを特徴とする情報伝達システム。
【請求項2】
更に、音声情報を登録する第3のサーバと、文字情報を登録する第4のサーバと、が通信ネットワークで接続され、
前記第2のサーバに、前記伝言と前記第2のショートメッセージの送信元の前記携帯端末の電話番号とを対応付けて、前記第3のサーバ又は前記第4のサーバに登録する機能を備えることを特徴とする請求項1記載の情報伝達システム。
【請求項3】
前記第2のサーバに、文字情報を音声情報に変換する音声変換手段を備え、前記第2のショートメッセージの前記送信先が前記第3のサーバの場合に、前記音声変換手段を用いて前記伝言及び前記電話番号を音声情報に変換した後、該音声情報を前記第3のサーバに登録することを特徴とする請求項2記載の情報伝達システム。
【請求項4】
セルブロードキャスト機能を利用して第1のショートメッセージを同報通信する第1のサーバと、前記第1のショートメッセージを受信し、第2のショートメッセージを送信する携帯端末と、前記第2のショートメッセージを受信する第2のサーバと、が通信ネットワークで接続されてなるシステムにおける情報伝達方法であって、
前記第1のサーバから、災害発生エリアの基地局を介して、災害情報と送信先を指示する情報とを含む前記第1のショートメッセージを発信する第1のステップと、
前記基地局の通信エリア内の前記携帯端末で、前記第1のショートメッセージを受信する第2のステップと、
前記携帯端末から、前記第1のショートメッセージで指示された前記送信先に、回線交換系又はパケット交換系のいずれかを経由して、伝言を含む第2のショートメッセージを送信する第3のステップと、
前記第2のサーバで、前記第2のショートメッセージを受信する第4のステップと、を少なくとも備えることを特徴とする情報伝達方法。
【請求項5】
更に、音声情報を登録する第3のサーバと、文字情報を登録する第4のサーバと、が通信ネットワークで接続され、
前記第2のサーバで、前記伝言と前記第2のショートメッセージの送信元の前記携帯端末の電話番号とを対応付けて、前記第3のサーバ又は前記第4のサーバに登録する第5のステップを備えることを請求項4記載の特徴とする情報伝達方法。
【請求項6】
前記第2のサーバに、文字情報を音声情報に変換する音声変換手段を設け、
前記第5のステップでは、前記第2のショートメッセージの前記送信先が前記第3のサーバの場合に、前記音声変換手段を用いて前記伝言及び前記電話番号を音声情報に変換した後、該音声情報を前記第3のサーバに登録することを特徴とする請求項5記載の情報伝達方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−243247(P2007−243247A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−58641(P2006−58641)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】