説明

情報処理装置

【課題】発着信処理における利便性を向上させることができるようにする。
【解決手段】本発明に係る情報処理端末に適用可能な携帯電話機2においては、主制御部31は、他の携帯電話機2に着信処理を行わせるための条件である着信条件の入力を受け付け、変復調回路部39などを介して、他の携帯電話機2への発信の際に、入力が受け付けられた着信条件に関する情報を送信し、他の携帯電話機2への接続が完了するまでの間に、他の携帯電話機2との間における接続中の回線の切断を要求する回線切断要求を取得したか否かを判定し、回線切断要求を取得したと判定された場合、変復調回路部39などを介して、他の携帯電話機2との間における接続中の回線を切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置に係り、特に、情報処理装置の機器の状態に応じて発信接続を制御することができるようにした情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機などに代表される携帯端末の機器の状態に応じて発信接続を制御する技術が知られている(例えば特許文献1乃至2参照)。
【0003】
特許文献1に提案されている技術によれば、携帯電話機の電源OFF時にその旨をネットワークに通知して携帯電話機の機器の状態を管理することができ、例えば他の携帯電話機から発信接続が行われた際に、他の携帯電話機に対して、この携帯電話機が圏外にいるために呼び出すことができないのか、あるいは、電源がOFFにされているために呼び出すことができないかに関するガイダンスを流すことができる。
【0004】
また、特許文献2に提案されている技術によれば、携帯電話機の電源OFF時に緊急発呼処理を行うとともに、着呼や位置登録を禁止することができる。
【特許文献1】特開2001−91120号公報
【特許文献2】特開2003−403389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に提案されている技術では、他の携帯電話機からの呼び出しの際に、ガイダンスによって発信側の他の携帯電話機に対して携帯電話機の状態を報知することができる(すなわち、なぜ他の携帯電話機から接続することができないかなどを報知することができる)が、呼が発生したときに接続するか否かに関しては、ネットワークシステム(無線回線を含むネットワーク)の都合や、着信側の携帯電話機が無線回線を介して接続可能であるか否か(すなわち、携帯電話機の状態が圏外であるのか、電源オフであるのか、ドライブモードであるのか、着信拒否などに設定されているのかなど)によって決定されてしまい、呼び出しの際に、発信側の携帯電話機で着信側の携帯電話機に接続するか否かを選択することはできない。
【0006】
例えば、ユーザが、自分の子供が学校に現在いる場合には携帯電話機によって呼び出したくないが、現在外出している場合には呼び出して話したいと思っているときに、ユーザの携帯電話機から自分の子供の携帯電話機に発信処理を行ったとしても、ユーザは、自分の子供が所有する携帯電話機の状態が圏外や電源オフであるために接続することができないのか、マナーモードやドライブモードであるためにすぐに通話することができないのかに関することを知ることができず、自分の子供が所有する携帯電話機が接続可能であれば、その携帯電話機の状態の如何にかかわらず、無条件に発呼処理が実行されてしまう。
【0007】
そのため、着信側の携帯電話機でマナーモードやドライブモードなどを設定するべき状況(例えば授業中や会議中などの状況)において、その設定がなされていないような場合、着信側の携帯電話機を所有するユーザは通話することが困難であるにもかかわらず、発信側の携帯電話機から不用意に発信処理を行ってしまうと、着信音やバイブレータによる振動音が不要に発生してしまい、ユーザにとって不都合であるという課題があった。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、発着信処理における利便性を向上させることができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報処理装置は、上述した課題を解決するために、情報処理装置に接続される他の情報処理装置に着信処理を行わせるための条件である着信条件の入力を受け付ける入力受付手段と、他の情報処理装置への発信の際に、入力受付手段により入力が受け付けられた着信条件に関する情報を送信する送信手段と、他の情報処理装置への接続が完了するまでの間に、他の情報処理装置との間における接続中の回線の切断を要求する回線切断要求を取得したか否かを判定する判定手段と、判定手段により回線切断要求を取得したと判定された場合、他の情報処理装置との間における接続中の回線を切断する回線切断手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の情報処理装置は、上述した課題を解決するために、情報処理装置に接続される他の情報処理装置に着信処理を行わせるための条件である着信条件の入力を受け付ける入力受付手段と、他の情報処理装置への発信の際に、入力受付手段により入力が受け付けられた着信条件に関する情報を送信する送信手段と、他の情報処理装置との間での回線が接続された後、他の情報処理装置に接続できないことを示す音声信号、データ信号またはメールを受信する受信手段と、受信手段により受信された音声信号、データ信号またはメールに含まれる情報を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の情報処理装置は、上述した課題を解決するために、情報処理装置に接続される他の情報処理装置から着信の際に、着信処理を行うための条件である着信条件に関する情報を他の情報処理装置から受信する受信手段と、受信手段により受信された着信条件を満たすか否かを判定する判定手段と、判定手段により着信条件を満たさないと判定された場合、情報処理装置との間における接続中の回線の切断を要求する回線切断要求を生成する生成手段と、生成手段により生成された回線切断要求を他の情報処理装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の情報処理装置は、上述した課題を解決するために、情報処理装置に接続される他の情報処理装置から着信の際に、着信処理を行うための条件である着信条件に関する情報を他の情報処理装置から受信する受信手段と、受信手段により受信された着信条件を満たすか否かを判定する判定手段と、判定手段により着信条件を満たさないと判定された場合、情報処理装置と接続することができない旨を示す音声信号またはメールを送信する送信手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る情報処理装置によれば、発着信処理における利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るネットワークシステム1の全体の構成を表している。図1に示されるように、ネットワークシステム1には、通信サービスの提供エリアを所望の大きさに分割したセル内にそれぞれ固定無線局である基地局3−1乃至3−2などが設置されている。この基地局3−1乃至3−2には、移動無線局である携帯電話機2−1乃至2−2が例えばW−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)と呼ばれる符号分割多元接続方式によってそれぞれ無線接続される。
【0015】
また、基地局3−1乃至3−2は、有線回線を介して公衆回線網4に接続されており、公衆回線網4には、インターネットサービスプロバイダのアクセスサーバ5が接続されている。アクセスサーバ5には、ネットワーク6(例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、その他の各種のネットワークを含む)を介して種々のコンテンツサーバ(図示せぬ)などが接続されている。なお、ネットワークシステム1においては、携帯電話機2−1乃至2−2は、それぞれ内蔵される地上波ディジタルワンセグ受信部(例えば図4の地上波ディジタルワンセグ受信部48)を介して、図示せぬ放送局からの地上波ディジタルワンセグ放送波を受信することが可能である。また、携帯電話機2−1乃至2−2は、それぞれ、内蔵された無線LANモジュール(例えば図4の無線LANモジュール49)を介して近距離大容量通信を行うことができる。
【0016】
なお、携帯電話機2−1乃至2−2は、以下において、それぞれを個々に区別する必要がない場合、携帯電話機2と総称する。また、基地局3−1乃至3−2も、以下において、それぞれを個々に区別する必要がない場合、基地局3と総称する。
【0017】
図2は、本発明に係る情報処理装置として適用可能な携帯電話機2の外観の構成を表している。なお、図2(A)は、携帯電話機2を約180度に見開いたときの正面から見た外観の構成を表しており、図2(B)は、携帯電話機2を見開いたときの側面から見た外観の構成を表している。
【0018】
図2(A)および(B)に示されるように、携帯電話機2は、中央のヒンジ部11を境に第1の筐体12と第2の筐体13とがヒンジ結合されており、ヒンジ部11を介して矢印X方向に折り畳み可能に形成される。携帯電話機2の内部の所定の位置には、送受信用のアンテナ(後述する図4のアンテナ44)が設けられており、内蔵されたアンテナを介して基地局3との間で電波を送受信する。
【0019】
第1の筐体12には、その表面に「0」乃至「9」の数字キー、発呼キー、リダイヤルキー、終話・電源キー、クリアキー、および電子メールキーなどの操作キー14が設けられており、操作キー14を用いて各種指示を入力することができる。
【0020】
第1の筐体12には、操作キー14として上部に十字キーと確定キーが設けられており、ユーザが十字キーを上下左右方向に操作することにより当てられたカーソルを上下左右方向に移動させることができる。具体的には、第2の筐体13に設けられた液晶ディスプレイ17に表示されている電話帳リストや電子メールのスクロール動作、簡易ホームページのページ捲り動作および画像の送り動作などの種々の動作を実行する。
【0021】
また、確定キーを押下することにより、種々の機能を確定することができる。例えば第1の筐体12は、ユーザによる十字キーの操作に応じて液晶ディスプレイ17に表示された電話帳リストの複数の電話番号の中から所望の電話番号が選択され、確定キーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、選択された電話番号を確定して電話番号に対して発呼処理を行う。
【0022】
さらに、第1の筐体12には、十字キーと確定キーの左隣に電子メールキーが設けられており、電子メールキーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、メールの送受信機能を呼び出すことができる。十字キーと確定キーの右隣には、ブラウザキーが設けられており、ブラウザキーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、Webページのデータを閲覧することが可能となる。
【0023】
また、第1の筐体12には、操作キー14の下部にマイクロフォン15が設けられており、マイクロフォン15によって通話時のユーザの音声を集音する。また、第1の筐体12には、携帯電話機2の操作を行うサイドキー16が設けられている。
【0024】
なお、第1の筐体12は、背面側に図示しないバッテリパックが挿着されており、終話・電源キーがオン状態になると、バッテリパックから各回路部に対して電力が供給されて動作可能な状態に起動する。
【0025】
一方、第2の筐体13には、その正面に液晶ディスプレイ17(メインディスプレイ)が設けられており、電波の受信状態、電池残量、電話帳として登録されている相手先名や電話番号及び送信履歴等の他、電子メールの内容、簡易ホームページ、CCD(Charge Coupled Device)カメラ(後述する図3のCCDカメラ20)で撮像した画像、外部のコンテンツサーバ(図示せず)より受信したコンテンツ、メモリカード(後述する図4のメモリカード46)に記憶されているコンテンツを表示することができる。また、液晶ディスプレイ17の上部の所定の位置にはスピーカ18が設けられており、これにより、ユーザは音声通話することが可能である。
【0026】
図3は、本発明に係る情報処理装置として適用可能な携帯電話機2の他の外観の構成を表している。図3の携帯電話機2の状態は、図2の携帯電話機2の状態から矢印X方向に回動させた状態である。なお、図3(A)は、携帯電話機2を閉じたときの正面から見た外観の構成を表しており、図3(B)は、携帯電話機2を閉じたときの側面から見た外観の構成を表している。
【0027】
第2の筐体13の上部には、CCDカメラ20が設けられており、これにより、所望の撮影対象を撮像することができる。CCDカメラ20の下部には、サブディスプレイ21が設けられており、現在のアンテナの感度のレベルを示すアンテナピクト、携帯電話機2の現在の電池残量を示す電池ピクト、現在の時刻などが表示される。
【0028】
図4は、本発明に係る情報処理装置として適用可能な携帯電話機2の内部の構成を表している。図4に示されるように、携帯電話機2は、第1の筐体12及び第2の筐体13の各部を統括的に制御する主制御部31に対して、電源回路部32、操作入力制御部33、画像エンコーダ34、カメラインタフェース部35、LCD(Liquid Crystal Display)制御部36、多重分離部38、変復調回路部39、音声コーデック40、記憶部47、地上波ディジタルワンセグ受信部48、無線LANモジュール49、およびGPS受信部50がメインバス41を介して互いに接続されるとともに、画像エンコーダ34、画像デコーダ37、多重分離部38、変復調回路部39、音声コーデック40、および記録再生部45が同期バス42を介して互いに接続されて構成される。
【0029】
主制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなり、CPUは、ROMに記憶されているプログラムまたは記憶部47からRAMにロードされた各種のアプリケーションプログラムに従って各種の処理を実行するとともに、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより携帯電話機2を統括的に制御する。RAMは、CPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。
【0030】
携帯電話機2は、主制御部31の制御に基づいて、音声通話モード時にマイクロフォン15で集音した音声信号を音声コーデック40によってディジタル音声信号に変換、圧縮し、これを変復調回路部39でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部43でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナ44を介して送信する。
【0031】
また、携帯電話機2は、音声通話モード時にアンテナ44で受信した受信信号を増幅して周波数変換処理及びアナログディジタル変換処理を施し、変復調回路部39でスペクトラム逆拡散処理し、音声コーデック40によって伸張し、アナログ音声信号に変換した後、変換されたアナログ音声信号をスピーカ18を介して出力する。
【0032】
携帯電話機2は、データ通信モード時に画像信号を送信する場合、CCDカメラ20で撮像された画像信号をカメラインタフェース部35を介して画像エンコーダ34に供給する。
【0033】
画像エンコーダ34は、CCDカメラ20から供給された画像信号を、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)4などの所定の符号化方式によって圧縮符号化することにより符号化画像信号に変換し、変換された符号化画像信号を多重分離部38に送出する。このとき同時に携帯電話機2は、CCDカメラ20で撮像中にマイクロフォン15で集音した音声を音声コーデック40を介してディジタルの音声信号として多重分離部38に送出する。
【0034】
多重分離部38は、画像エンコーダ34から供給された符号化画像信号と音声コーデック40から供給された音声信号とを所定の方式で多重化し、その結果得られる多重化信号を変復調回路部39でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部43でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナ44を介して送信する。これに対して、携帯電話機2では、データ通信モード時に、Webページのデータを受信することができる。
【0035】
また、携帯電話機2は、データ通信モード時に例えばWebページなどにリンクされた動画像ファイルのデータを受信する場合、アンテナ44を介して基地局3から受信した受信信号を変復調回路部39でスペクトラム逆拡散処理し、その結果得られる多重化信号を多重分離部38に送出する。
【0036】
多重分離部38は、多重化信号を分離することにより符号化画像信号と音声信号とに分け、同期バス42を介して符号化画像信号を画像デコーダ37に供給すると共に音声信号を音声コーデック40に供給する。画像デコーダ37は、符号化画像信号をMPEG4などの所定の符号化方式に対応した復号化方式でデコードすることにより再生動画像信号を生成し、生成された再生動画像信号をLCD制御部36を介して液晶ディスプレイ17に供給する。これにより、例えば、Webページなどにリンクされた動画像ファイルに含まれる動画像データが表示される。
【0037】
このとき同時に音声コーデック40は、音声信号をアナログ音声信号に変換した後、これをスピーカ18に供給し、これにより、例えば、Webページなどにリンクされた動画像ファイルに含まる音声信号が再生される。
【0038】
記憶部47は、例えば、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)などからなり、主制御部31のCPUにより実行される種々のアプリケーションプログラムや種々のデータ群を格納している。
【0039】
地上波ディジタルワンセグ受信部48は、図示せぬ放送局からの地上波ディジタルワンセグ放送波を受信し、受信された地上波ディジタルワンセグ放送波を多重分離部38または記憶部47に供給する。
【0040】
無線LANモジュール49は、内蔵されたアンテナ(図示せず)を介して、IEEE802.11a/b/gなどの所定の規格に準拠した無線LAN通信を行う。
【0041】
GPS受信部50は、図示せぬGPS衛星からのGPS波(GPS情報)を受信する。このGPS情報には、例えばそれぞれのGPS衛星からの発信時刻情報が含まれている。その後、主制御部31においては、取得されたGPS情報を用いて帯電話機1の現在地を示す位置情報(緯度経度の情報)が計算され(例えば3つ乃至4つのGPS情報から計算することが望ましい)、携帯電話機2の現在地を示す位置情報(GPS測位に基づく位置情報)が求められる。なお、このGPS情報に基づいて求められる位置情報として緯度経度を取得することが一般的であるが、更に緯度経度に対応した住所情報を取得するようにしてもよい。なお、緯度経度に対応した住所情報を取得する際には、外部のサーバ(図示せず)などにアクセスして住所情報を得るようにしてもよい。従って、「GPS測位に基づく位置情報」とはGPS情報から計算された位置情報(例えば緯度経度情報)や、その情報に対応する住所情報などの情報も含むものとする。
【0042】
次に、図5のフローチャートを参照して、図4の携帯電話機2における発信制御処理について説明する。なお、図5の発信制御処理においては、例えば図1の携帯電話機2−1から携帯電話機2−2に発信する場合について説明する。また、発信側となる図1の携帯電話機2−1を「発信側の携帯電話機2」と称し、着信側となる図1の携帯電話機2−2を「着信側の携帯電話機2」と称する。
【0043】
ステップS1において、主制御部31は、操作入力制御部33を介して、ユーザにより操作キー14が操作されることによりいずれかの電話番号(すなわち、ユーザが発信処理を実行させることを所望する電話番号)の入力を画面上にて受け付ける。例えば「090−××××―××××」などのような電話番号の入力が受け付けられる。勿論、画面上に予め表示されているいくつかの電話番号の中から、いずれかの電話番号の選択がされることでその入力が受け付けられるようにしてもよい。あるいは電話帳に登録した番号を選択させるようにして、その入力に基づいて電話番号を受け付けるようにしてもよい。
【0044】
ステップS2において、主制御部31は、操作入力制御部33を介して、発信側の携帯電話機2(例えば図1の携帯電話機2−1)に接続される着信側の携帯電話機2(例えば図1の携帯電話機2−2)に着信処理を行わせるための条件である着信条件の入力をするとの指示が受け付けられたか否かを判定する。
【0045】
ステップS2において発信側の携帯電話機2に接続される着信側の携帯電話機2に着信処理を行わせるための条件である着信条件の入力をするとの指示が受け付けられたと判定された場合、主制御部31はステップS3で、LCD制御部36を制御し、着信条件を入力するための着信条件入力画面を液晶ディスプレイ17に表示させる。液晶ディスプレイ17は、LCD制御部36の制御に従い、着信条件を入力するための着信条件入力画面を表示する。
【0046】
着信側の携帯電話機2に着信処理を行わせる(開始させる)ための条件である着信条件として、例えば(a)着信側の携帯電話機2が所定のエリアにいる場合、(b)着信側の携帯電話機2が所定のエリアにいない場合、(c)着信側の携帯電話機2が現在移動中である場合、(d)着信側の携帯電話機2において着信払いが許可されている(認められている)場合、(e)着信側の携帯電話機2において長時間の通話が許可されている(認められている)場合、(f)着信側の携帯電話機2において緊急の着信を待っているとの設定がされていない場合、(g)着信側の携帯電話機2において予め設定された着信を受け付けない時間ではない場合など考えられる。
【0047】
そこで、着信側の携帯電話機2に着信処理を行わせるための条件である着信条件の入力をするとの指示が受け付けられると、例えば図6に示される着信条件入力画面が液晶ディスプレイ17に表示される。図6に示される着信条件入力画面の場合、着信側の携帯電話機2に着信処理を行わせるための条件である着信条件として上から順に「無条件」、「条件1 ○○大学構内にいない場合」、「条件2 電池残量が十分ある場合」、および「条件3 マナーモードに設定されていない場合」が表示される。なお、着信条件入力画面に表示される「無条件」とは、着信側の携帯電話機2に着信処理を行わせるためのいずれの着信条件も指定せずに通常の着信処理を行わせる条件であることを意味している。付言すると、この場合、着信側の携帯電話機2(例えば図1の携帯電話機2−2)の所有者は「東芝太郎」である。
【0048】
そして、ユーザにより操作キー14(例えば十字キーなど)が操作されてフォーカス部分がスクロールされることにより、着信条件入力画面に表示されるいくつかの着信条件の中から、所望の着信条件(例えば「条件1 ○○大学構内にいない場合」など)が選択されて入力される。なお、例えば初期設定として「無条件」が設定されるようにしてもよい。また、ユーザがこのような着信条件入力機能の使用を所望する着信側の他のユーザは通常固定的となると考えられることから、発信側の携帯電話機2からの発信処理ごとにこのような着信条件の入力を毎回行うのではなく、例えば予め電話帳機能を用いてメニュから所望の着信条件を選択して登録しておいて、電話帳を開いたときに、登録してある複数の着信入力の中から選択するようにしてもよい。
【0049】
なお、着信条件として、上記のような「着信側の携帯電話機2において長時間の通話が許可されている(認められている)場合」を発信側の携帯電話機2(例えば図1の携帯電話機2−1)にて設定した上で発信制御処理を行うようにするためには、着信側の携帯電話機2において予め長時間の通話を許可する(認める)との設定がなされていることが必要である。同様に、着信条件として、「着信側の携帯電話機2において緊急の着信を待っているとの設定がされていない場合」を発信側の携帯電話機2(例えば図1の携帯電話機2−1)にて設定した上で発信制御処理を行うようにするためには、着信側の携帯電話機2において予め緊急の着信を待っているとの設定がされていないことが必要である。「着信側の携帯電話機2において予め設定された着信を受け付けない時間ではない場合」についても同様である。
【0050】
また、このような着信条件については同時に複数設定するようにしてもよい。さらに、地上波ディジタルワンセグ・ラジオ放送波などの受信中でないことを着信条件としてもよいし、着信条件に関してユーザの好みに合わせて適宜変更するようにしてもよい。勿論、同メーカの同機種間の携帯電話機同士においては、着信条件として入力等をせずに、着信条件を示す番号のみをやり取りするようにしてもよい。さらには、着信者側が選択した着信条件を予め発信者側に送信して、発信者側はその中から選べるようにしてもよい。
【0051】
ステップS4において、主制御部31は、操作入力制御部33を介して、ユーザにより操作キー14のうち例えば十字キーが操作された後に確定キーが押下されることにより、着信側の携帯電話機2に着信処理を行わせるための条件である着信条件の入力を受け付ける。例えば図6の場合、着信側の携帯電話機2に着信処理を行わせるための条件である着信条件として「条件1 ○○大学構内にいない場合」などの入力が受け付けられる。
【0052】
ステップS5において、主制御部31は、入力が受け付けられた着信条件に基づいて、着信側の携帯電話機2に着信処理を行わせるための条件である着信条件を設定する。ステップS6において、主制御部31は、操作入力制御部33を介して、ユーザにより操作キー14のうちの例えば発呼キーが操作されることにより、着信側の携帯電話機2への発信開始の指示が受け付けられたか否かを判定し、着信側の携帯電話機2への発信開始の指示が受け付けられたと判定するまで待機する。
【0053】
ステップS6において着信側の携帯電話機2への発信開始の指示が受け付けられたと判定された場合、主制御部31はステップS7で、変復調回路部39、送受信回路部43、およびアンテナ44を制御し、入力が受け付けられた電話番号により示される着信側の携帯電話機2への発信処理を基地局3を介して開始する。ステップS8において、主制御部31は、変復調回路部39、送受信回路部43、およびアンテナ44を制御し、設定された着信条件(着信側の携帯電話機2に着信処理を行わせるための条件である着信条件)に関する情報を着信側の携帯電話機2に基地局3を介して送信する。
【0054】
この着信条件に関する情報には、設定された着信条件(「条件1 ○○大学構内にいない場合」、「条件2 電池残量が十分ある場合」、または「条件3 マナーモードに設定されていない場合」など)の内容に関する情報が含まれている。
【0055】
ステップS9において、主制御部31は、変復調回路部39、送受信回路部43、およびアンテナ44を制御し、発信処理を開始した着信側の携帯電話機2との間で回線が接続されることで着信側の携帯電話機2への接続が完了したか否かを判定する。
【0056】
ステップS9において着信側の携帯電話機2への接続が完了していないと判定された場合、主制御部31はステップS10で、変復調回路部39、送受信回路部43、およびアンテナ44を介して、着信側の携帯電話機2から、回線の切断を要求する回線切断要求を取得したか否かを判定する。この回線切断要求は、発信側の携帯電話機2(例えば図1の携帯電話機2−1)から送信した着信条件が着信側の携帯電話機2(例えば図1の携帯電話機2−2)にて満たされないために、回線の接続完了が許可されない場合に、着信側の携帯電話機2から送信されてくる。
【0057】
ステップS10において着信側の携帯電話機2から、回線の切断を要求する回線切断要求を取得していないと判定された場合(すなわち、発信側の携帯電話機2から送信した着信条件が着信側の携帯電話機2にて満たされないために、回線の接続完了が許可されない場合であって、基地局3を介して着信側の携帯電話機2からまだ回線切断要求を取得できていない場合や、携帯電話機2から送信した着信条件が着信側の携帯電話機2にて満たされているが、着信側の携帯電話機2への接続がまだ完了されていない場合)、処理はステップS7に戻り、ステップS7以降の処理が繰り返し実行される。
【0058】
一方、ステップS10において着信側の携帯電話機2から、回線の切断を要求する回線切断要求を取得したと判定された場合、主制御部31はステップS11で、LCD制御部36を介して、着信側の携帯電話機2との間での回線を切断する旨を液晶ディスプレイ17に表示させる。液晶ディスプレイ17は、LCD制御部36の制御に従い、着信側の携帯電話機2との間での回線を切断する旨を表示する。例えば「着信条件を満たさないため、回線を切断します。」などのメッセージが表示される。勿論、満たさない着信条件自体を同時に表示するようにしてもよい。
【0059】
ステップS12において、主制御部31は、変復調回路部39、送受信回路部43、およびアンテナ44を介して、発信処理が開始された着信側の携帯電話機2との間での回線を切断する。これにより、発信側の携帯電話機2から送信した着信条件が着信側の携帯電話機2にて満たされないために、着信側の携帯電話機2にて回線の接続完了が許可されない場合に、着信側の携帯電話機2との間での回線を切断することができる。
【0060】
ステップS13において、主制御部31は、変復調回路部39、送受信回路部43、およびアンテナ44を介して終話処理を行う。
【0061】
一方、ステップS9において着信側の携帯電話機2への接続が完了したと判定された場合、主制御部31は、変復調回路部39、送受信回路部43、およびアンテナ44を介して、着信側の携帯電話機2との間で通話処理を行う。これにより、ユーザは、他の携帯電話機2を所有する他のユーザと通話をすることができる。その後、発信側と着信側のいずれかのユーザにより操作キー14のうちの例えば終話・電源キーが操作された場合、処理はステップS13に進み、ステップS13において終話処理が実行される。
【0062】
図7のフローチャートを参照して、図5のフローチャートを参照して説明した発信側の携帯電話機2(例えば図1の携帯電話機2−1)の発信制御処理に対応する、図4の着信側の携帯電話機2(図1の携帯電話機2−2)における着信制御処理について説明する。
【0063】
ステップS21において、主制御部31は、変復調回路部39、送受信回路部43、およびアンテナ44を介して、基地局3を経由して発信側の携帯電話機2(例えば図1の携帯電話機2−1)から着信があったか否かを判定し、基地局3を経由して発信側の携帯電話機2(例えば図1の携帯電話機2−1)から着信があったと判定するまで待機する。
【0064】
ステップS21において基地局3を経由して発信側の携帯電話機2(例えば図1の携帯電話機2−1)から着信があったと判定された場合、主制御部31はステップS22で、着信側の携帯電話機2(例えば図1の携帯電話機2−1)から送信されてきた着信条件に関する情報から、要求される着信条件を読み取る。なお、この着信条件に関する情報には、設定された着信条件(「条件1 ○○大学構内にいない場合」、「条件2 電池残量が十分ある場合」、または「条件3 マナーモードに設定されていない場合」など)の内容に関する情報が含まれている。
【0065】
ステップS23において、主制御部31は、読み取られた着信条件を着信側の携帯電話機2(例えば図1の携帯電話機2−2)にて満たすか否かを判定する。すなわち、読み取られた着信条件が「条件1 ○○大学構内にいない場合」である場合に、着信側の携帯電話機2(図1の携帯電話機2−2)を所有するユーザが○○大学構内にいるとき、読み取られた着信条件は満たさないと判定される。なお、着信側の携帯電話機2(図1の携帯電話機2−2)を所有するユーザが○○大学構内にいるか否かを判定する場合、GPS機能が起動され、GPS受信部50によって図示せぬGPS衛星から受信されたGPS波(GPS情報)に基づいて着信側の携帯電話機2の現在地を示す位置情報(GPS測位に基づく位置情報)が求められ、この位置情報に基づいてユーザが○○大学構内にいるか否かが判定される。
【0066】
また、読み取られた着信条件が「条件3 マナーモードに設定されていない場合」など)である場合に、着信側の携帯電話機2(図1の携帯電話機2−2)において予めマナーモードに設定されているとき、読み取られた着信条件は満たさないと判定される。
【0067】
ステップS23において読み取られた着信条件を着信側の携帯電話機2にて満たさないと判定された場合、主制御部31はステップS24で、発信側の携帯電話機2との間で接続されている回線を切断するための回線切断要求(発信側の携帯電話機2から見た場合、着信側の携帯電話機2との間で接続されている回線を切断するための回線切断要求)を生成する。
【0068】
ステップS25において、主制御部31は、変復調回路部39、送受信回路部43、およびアンテナ44を制御し、生成された回線切断要求を基地局3を介して発信側の携帯電話機2に送信する。その後、処理はステップS21に進み、ステップS21以降の処理が繰り返し実行される。
【0069】
ステップS23において読み取られた着信条件を着信側の携帯電話機2にて満たすと判定された場合、ユーザによるオフフックの操作を待って、主制御部31はステップS26で、LCD制御部36を介して、発信側の携帯電話機2から着信があることを示す着信表示を液晶ディスプレイ17に表示させる。液晶ディスプレイ17は、LCD制御部36の制御に従い、発信側の携帯電話機2から着信があることを示す着信表示を表示する。例えば発信側の携帯電話機2の電話番号やその所有者であるユーザ名が液晶ディスプレイ17に表示される。なお、このとき、同時にスピーカ18を用いて着信音(呼出音)が出力される。
【0070】
ステップS27において、主制御部31は、操作入力制御部33を介して、ユーザにより操作キー14のうちの例えば発呼キーが操作されることにより、オンフックされたか否かを判定し、オフフックされたと判定するまで待機する。ステップS27においてオフフックされたと判定された場合、主制御部31は、携帯電話機2全体を制御し、通話処理を行う。その後、ユーザにより操作キー14のうちの終話・電源キーが操作されると、ステップS29において、主制御部31は、携帯電話機2全体を制御し、終話処理を行う。勿論、発信側の携帯電話機2においてユーザによる終話処理が実行されることに伴って送信されてくる回線切断要求に従い、発信側の携帯電話機2との間での回線を切断するようにしてもよい。
【0071】
本発明の実施形態においては、発信側の携帯電話機2(例えば図1の携帯電話機2−1)に接続される着信側の携帯電話機2(例えば図1の携帯電話機2−2)に着信処理を行わせるための条件である着信条件の入力を受け付け、着信側の携帯電話機2への発信の際に、入力が受け付けられた着信条件に関する情報を着信側の携帯電話機2に送信するとともに、着信側の携帯電話機2への接続が完了するまでの間に、発信側と着信側の携帯電話機2との間での回線の切断を要求する回線切断要求を着信側の携帯電話機2から取得したか否かを判定することができる(換言すれば、着信側の携帯電話機2にて送信された着信条件を満たしているか否かを判定することができる)。
【0072】
そして、この回線切断要求を着信側の携帯電話機2から取得したと判定された場合、着信側の携帯電話機2との間における接続中の回線を切断することができる。
【0073】
これにより、例えば、ユーザが、自分の子供が学校に現在いる場合には着信側の携帯電話機2によって呼び出したくないが、現在外出している場合には呼び出して話したいと思っているときに、ユーザの携帯電話機2(発信側の携帯電話機2)から自分の子供の携帯電話機(着信側の携帯電話機2)に発信処理を行い、着信側の携帯電話機2にて送信した着信条件を満たさない場合、接続を開始している着信側の携帯電話機2との間での回線を切断することができる。従って、着信側の携帯電話機2にて着信条件を満たさない状況においては、着信側の携帯電話機2が接続可能な状態であったとしても、そもそも、回線の接続を完了しないようにすることができ、無条件に発呼処理が実行されてしまうことを防止することができる。
【0074】
また、このとき、発信側の携帯電話機2にて回線を切断するとの旨を表示するとともに、終話処理を行うことができる。これにより、ユーザは、自分の子供が所有する携帯電話機2の状態が圏外や電源オフであるために接続することができないのか、マナーモードやドライブモードであるためにすぐに通話することができないのかに関することを知ることができる。以上のように、発着信処理における利便性を向上させることができる。
【0075】
なお、本発明の実施形態においては、2つの携帯電話機2同士の間での発着信制御処理について明示的に説明したが、このような場合に限られず、例えば携帯電話機2と固定電話機またはパーソナルコンピュータ(いずれも図示せず)との間での発着信制御処理に本発明を適用するようにしてもよい。
【0076】
ところで、図7の着信制御処理においては、発信側の携帯電話機2から送信されてきた着信条件を満たさない場合、着信側の携帯電話機2は、直ちに回線切断要求を生成し、生成された回線切断要求を発信側の携帯電話機2に送信するようにしているが、このような場合に限られず、例えば、発信側の携帯電話機2から送信されてきた着信条件を満たさない場合、一旦回線を接続した上で、回線を接続することができない理由を音声ガイダンスにて発信側の携帯電話機2に送信したり、理由を示すデータ情報を送信したり、あるいは、メール受信可能である場合、テキストデータによる文字ガイダンスを発信側の携帯電話機2に送信するようにしてもよい。以下、この方法を用いた着信制御処理について説明する。
【0077】
図8のフローチャートを参照して、図5のフローチャートを参照して説明した発信側の携帯電話機2(例えば図1の携帯電話機2−1)の発信制御処理に対応する、図4の着信側の携帯電話機2(図1の携帯電話機2−2)における着信制御処理について説明する。なお、図8のステップS31乃至S33、およびステップS37乃至S40の処理は、図7のステップS21乃至S23、およびステップS26乃至S29の処理と同様であり、その説明は繰り返しになるので省略する。
【0078】
ステップS33において読み取られた着信条件を着信側の携帯電話機2にて満たさないと判定された場合、主制御部31はステップS34で、変復調回路部39、送受信回路部43、およびアンテナ44を制御し、発信側の携帯電話機2との間での回線を一旦接続する。ステップS35において、主制御部31は、着信条件(例えば「条件1 ○○大学構内にいない場合」という着信条件)が満たされていないことを示す音声ガイダンスに対応する音声信号を記憶部47から読み出し、変復調回路部39、送受信回路部43、およびアンテナ44を介して、読み出された音声ガイダンスに対応する音声信号を発信側の携帯電話機2に送信する。
【0079】
あるいは、主制御部31はステップS35で、着信条件(例えば「条件1 ○○大学構内にいない場合」という着信条件)が満たされていないことを示す文字ガイダンスに対応するテキストデータあるいはデータコードを記憶部47から読み出し、読み出された文字ガイダンスに対応するテキストデータに基づいてメールを作成し、作成されたこのメールあるいはデータコードを、変復調回路部39、送受信回路部43、およびアンテナ44を介して発信側の携帯電話機2に送信する。
【0080】
その後、ステップS36において、主制御部31は、携帯電話機2全体を制御し、終話処理を行う。その後、処理はステップS31に戻り、ステップS31以降の処理が繰り返し実行される。
【0081】
そして、発信側の携帯電話機2においては、図5のステップS14以降の処理により、着信側の携帯電話機2との間で回線が一旦接続されるとともに、着信側の携帯電話機2から送信されてきた音声ガイダンスに対応する音声信号、データコードまたは文字ガイダンスに対応するテキストデータが含まれるメールが受信され、受信された音声ガイダンスに対応する音声信号、データコードに対応する情報または文字ガイダンスに対応するテキストデータが含まれるメールがスピーカ18あるいは液晶ディスプレイ17を介して出力される。
【0082】
これにより、例えば、ユーザが、自分の子供が学校に現在いる場合には着信側の携帯電話機2によって呼び出したくないが、現在外出している場合には呼び出して話したいと思っているときに、ユーザの携帯電話機2(発信側の携帯電話機2)から自分の子供の携帯電話機(着信側の携帯電話機2)に発信処理を行い、着信側の携帯電話機2にて送信した着信条件を満たさない場合、接続を開始している着信側の携帯電話機2との間での回線を一旦接続した上で、接続できない理由(例えば自分の子供が所有する携帯電話機2の状態が圏外や電源オフであるために接続することができないのか、マナーモードやドライブモードであるためにすぐに通話することができないのかに関すること)を直接的に、かつ、簡単に知ることができる。従って、発着信処理における利便性をより向上させることができる。
【0083】
なお、この場合、通信話料金が発信側の携帯電話機2を所有するユーザに発生するが、信号方式などの基地局3やネットワークシステム1に係る変更や機能追加に関しては最小限の変更・追加を行うことでこのような機能を実現することが可能となる。勿論、通信話料金に関してもかけ放題などのサービスを利用することで事実上さらなる料金が発生しないようにすることも可能となる。
【0084】
また、満たされない着信条件が(g)着信側の携帯電話機2において予め設定された着信を受け付けない時間ではない場合などであるときには、着信側の携帯電話機2から発信側の携帯電話機2に送信する音声ガイダンスに対応する音声信号、データや文字ガイダンスに対応するテキストデータに、いつなら着信可能であるかに関する情報を含めるようにしてもよい。これにより、さらに発着信処理における利便性をより向上させることができる。
【0085】
さらに、このような発着信制御処理により実現されるサービスは、基本的には携帯電話機2側だけでできるので、基地局3を含むシステムに依存せず、携帯電話事業者が発信側と着信側で異なっても問題ない。ただし、基地局3側がその一部機能を負担したり、着信側の携帯電話機2が着信条件の全てまたは一部を予め基地局3を介して公衆回線網4などのネットワーク側に通知するようにしておくことで、発信側の携帯電話機2における処理だけで実行することも可能である。
【0086】
なお、本発明の実施形態においては、携帯電話機2に備えられた無線LANモジュール49を用いて無線LAN回線を介してこのような処理を行うようにしてもよいし、その際、より詳細な情報(例えば位置情報など)を送受信するようにしてもよい。
【0087】
なお、本発明は、携帯電話機2以外にも、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機、その他の情報処理情報処理装置にも適用することができる。
【0088】
また、本発明の実施形態において説明した一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることもできるが、ハードウェアにより実行させることもできる。
【0089】
さらに、本発明の実施形態では、フローチャートのステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明に係るネットワークシステムの概略的な構成を示す図。
【図2】本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機の外観の構成を示す外観図。
【図3】本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機の他の外観の構成を示す外観図。
【図4】本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機の内部の構成を示すブロック図。
【図5】図4の携帯電話機における発信制御処理を説明するフローチャート。
【図6】図4の液晶ディスプレイに表示される着信条件入力画面の表示例を示す図。
【図7】図4の携帯電話機における着信制御処理を説明するフローチャート。
【図8】図4の携帯電話機における他の着信制御処理を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0091】
1…ネットワークシステム、2(2−1乃至2−2)…携帯電話機、3(3−1乃至3−2)…基地局、4…公衆回線網、5…アクセスサーバ、6…ネットワーク、11…ヒンジ、12…第1の筐体、13…第2の筐体、14…操作キー、15…マイクロフォン、16…サイドキー、17…液晶ディスプレイ、18…スピーカ、19a乃至19d…磁気センサ、20…CCDカメラ、21…サブディスプレイ、31…主制御部、32…電源回路部、33…操作入力制御部、34…画像エンコーダ、35…カメラI/F部、36…LCD制御部、37…画像デコーダ、38…多重分離部、39…変復調回路部、40…音声コーデック、41…メインバス、42…同期バス、43…送受信回路部、44…アンテナ、45…記録再生部、46…メモリカード、47…記憶部、48…地上波ディジタルワンセグ受信部、49…無線LANモジュール、50…GPS受信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に接続される他の情報処理装置に着信処理を行わせるための条件である着信条件の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記他の情報処理装置への発信の際に、前記入力受付手段により入力が受け付けられた前記着信条件に関する情報を送信する送信手段と、
前記他の情報処理装置への接続が完了するまでの間に、前記他の情報処理装置との間における接続中の回線の切断を要求する回線切断要求を取得したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記回線切断要求を取得したと判定された場合、前記他の情報処理装置との間における接続中の回線を切断する回線切断手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記回線切断手段により前記他の情報処理装置との間における接続中の回線を切断する際に、前記他の情報処理装置との間における接続中の回線を切断する旨を表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
情報処理装置に接続される他の情報処理装置に着信処理を行わせるための条件である着信条件の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記他の情報処理装置への発信の際に、前記入力受付手段により入力が受け付けられた前記着信条件に関する情報を送信する送信手段と、
前記他の情報処理装置との間での回線が接続された後、前記他の情報処理装置に接続できないことを示す音声信号、データ信号またはメールを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記音声信号、データ信号または前記メールに含まれる情報を出力する出力手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置に接続される他の情報処理装置から着信の際に、着信処理を行うための条件である着信条件に関する情報を前記他の情報処理装置から受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記着信条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記着信条件を満たさないと判定された場合、前記情報処理装置との間における接続中の回線の切断を要求する回線切断要求を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記回線切断要求を前記他の情報処理装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置に接続される他の情報処理装置から着信の際に、着信処理を行うための条件である着信条件に関する情報を前記他の情報処理装置から受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記着信条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記着信条件を満たさないと判定された場合、前記情報処理装置と接続することができない旨を示す音声信号、データ信号またはメールを送信する送信手段を備えることを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−306558(P2008−306558A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−152850(P2007−152850)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】