説明

情報処理装置

【課題】文字入力時におけるユーザによる操作性、及び、利便性の高い情報処理装置を提供すること。
【解決手段】入力可能な文字種類を切り替える文字切替キーを有する入力装置と、文字切替キーを押下する毎に所定の文字種類を入力可能とする入力モードを予め定められた順序で切り替える入力モード切替手段と、を備え、入力モード切替手段は、文字切替キーの操作状態に応じて予め定められた特定の文字種類を入力可能とする入力モードに切り替える特定入力モード切替手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置にかかり、特に、文字入力装置を備えた情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パソコンや携帯電話などの情報処理装置には、キーボードといった入力装置が装備されており、文字入力が可能となっている。そして、入力可能な文字は複数種類あり、例えば、「ひらがな」、「半角カタカナ」、「英字」、「数字」があるが、これら複数種類の文字を同時に入力することは、キーの数が限られていることから困難である。従って、一般的には、1つのキーに複数種類の文字を割り当て、各種の文字を入力する入力モードを切り替えることによって入力を行う。具体的には、キーの中に入力モード切替キーが設定されており、これを押下することで、「ひらがな」、「半角カタカナ」、「英字」、「数字」といった入力可能な文字種類を選択する。すると、選択した文字種類の文字がキーにて入力可能となる。例えば、「ひらがな」を入力するモードに設定すると、全てあるいは大部分のキーにて、「ひらがな」が入力可能となる。なお、下記特許文献1に、入力する文字種類を切り替える技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平2−36618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、文字種類を切り替える操作方法としては、所定のキーを押下する毎に入力可能な文字を順番に切り替える、という方法が用いられている。かかる場合には、例えば、上述したように4つの入力モードがある場合に、「ひらがな」の入力モードから「英字」に変更するには2回切替キーを押下する必要がある。ところが、ここからさらに、よく利用する「ひらがな」に戻す場合にも2回切替キーを押下する必要がある。従って、切替キーを押下する回数が多く、操作性に優れていない、という問題が生じる。
【0005】
また、上述した特許文献1に開示されている技術では、第一、第二の2つの切替キーを設定している。そして、かな文字や漢字を入力する場合には第一の切替キーを押下し、その途中で英字や数字を入力する場合には、第二の切替キーを押下し続け、押下を解除することでかな文字や漢字入力に戻る、という方法を採っている。しかしながら、かかる技術では、2つの切替キーを設定し利用しているため、キーの使用効率が悪く、特に、装置自体が小型である携帯電話などの携帯型情報処理端末に採用することが困難である。また、2つのキーを操作する必要があるため、依然として操作性に優れておらず、ユーザの利便性が低い、という問題が生じる。
【0006】
このため、本発明では、上記問題点を解決し、特に、文字入力時におけるユーザによる操作性、及び、利便性の高い情報処理装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明である情報処理装置は、入力可能な文字種類を切り替える文字切替キーを有する入力装置と、文字切替キーを押下する毎に所定の文字種類を入力可能とする入力モードを予め定められた順序で切り替える入力モード切替手段と、を備え、入力モード切替手段は、文字切替キーの操作状態に応じて予め定められた特定の文字種類を入力可能とする入力モードに切り替える特定入力モード切替手段を有する、という構成を採っている。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、上記構成にすることにより、ユーザは一つの文字切替キーを操作することで容易に入力モードを操作することができると共に、文字切替キーに対して所定の操作を行うことで、特定の文字種類への切替を容易に行うことができる。従って、ユーザの操作性及び利便性の向上を図ることができる、という従来にない優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、パソコンや携帯電話などの情報処理装置において、文字切替キーを押下する毎に文字の入力モードの切り替えを順番に行うと共に、最終的に目的の入力モードになった時点における文字切替キーの操作状況に応じて、特定の入力モードに戻すよう切り替える、という点に特徴を有する。
【0010】
そして、本発明の一形態である情報処理装置は、入力可能な文字種類を切り替える文字切替キーを有する入力装置と、文字切替キーを押下する毎に所定の文字種類を入力可能とする入力モードを予め定められた順序で切り替える入力モード切替手段と、を備え、当該入力モード切替手段は、文字切替キーの操作状態に応じて予め定められた特定の文字種類を入力可能とする入力モードに切り替える特定入力モード切替手段を有する、という構成を採っている。
【0011】
また、本発明では、上記特定入力モード切替手段は、文字切替キーが予め設定された所定時間以上押下された後に当該押下状態が解除された場合に、特定の文字種類を入力可能とする入力モードに切り替える、という構成を採る。また、本発明では、上記特定入力モード切替手段は、文字切替キーが所定時間以上押下された後に当該押下状態が解除された場合に、予め初期設定されている文字種類を入力可能とする入力モードに切り替える、という構成を採る。
【0012】
さらに、本発明では、特定入力モード切替手段は、文字切替キーが所定時間以上押下され当該押下状態が維持されているときに、当該押下によって切り替えられた入力モード、あるいは、当該押下前からの入力モードにおける文字種類を入力可能とする、という構成を採る。また、本発明では、上記特定入力モード切替手段にて文字切替キーが所定時間以上押下されたか否かを判断する基準となる所定時間を設定する切替設定変更手段を備えた、という構成を採る。
【0013】
上記発明によると、まず、文字入力時に、入力装置から入力可能な文字種類(例えば、ひらがな、半角カタカナ、英字、数字)を設定する入力モードを切り替える場合には、文字切替キーを押下することで、現在の入力モードから次に設定されている入力モードに切り替わる。つまり、文字切替キーを押下する毎に、順番に入力モードが切り替わる。このとき、ユーザが、文字切替キーに対して予め定められた操作、例えば、文字切替キーを所定時間以上押下した後にかかる押下状態を解除するという操作を行うことで、特定の文字種類を入力可能とする入力モードに切り替わる。このとき、特定の文字種別は、例えば、文字入力時に初期設定されている入力モード(例:「ひらがな」)に切り替わる。従って、ユーザは、一つの文字切替キーを操作することで、容易に入力モードを操作することができる。特に、文字種類が多い場合に、文字切替キーを何度も押下する必要が無く、1つの切替キーに対して長い時間押下するなど所定の操作を行うことで、特定の文字種類への切替を行うことができ、操作性及び利便性の向上を図ることができる。なお、入力可能な文字種別が3種類以上といった多い場合には、文字切替キーを押下する毎に切り替える操作方法よりも、初期状態に戻す操作がより簡素化され、特に有効である。
【0014】
また、文字切替キーが押下され続けている最中に、この押下により切り替えられた入力モード、あるいは、押下前からの入力モードにて、文字の入力が可能である。従って、文字切替キーを押下した状態で文字入力を行った後に、押下しているキーを離すことで特定の入力モードに以降できるため、さらなる操作性の向上を図ることができる。さらに、文字切替キーが所定時間押下されたか否かを判別する基準となる上記所定時間を、ユーザによって操作しやすい時間など任意に設定できるため、操作性のさらなる向上を図ることができる。
【0015】
また、本発明は、特に、入力キーの数が少なく複数の入力モードの切替が必要な携帯電話などの携帯型情報処理装置に利用することが望ましい。このとき、ユーザは、情報処理装置を片手で操作することが多いため、携帯型情報処理装置本体の側面など、携帯型情報処理装置本体を保持して操作するユーザの手(指など)が位置する箇所に文字切替キーを配置すると望ましい。これにより、操作しているユーザの手によって文字切替キーの押下状態を維持しつつ、文字入力キーを押下して文字入力を実現でき、操作性のさらなる向上を図ることができる。
【0016】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、入力可能な文字種類を切り替える文字切替キーを有する入力装置を備えた情報処理装置に、文字切替キーを押下する毎に所定の文字種類を入力可能とする入力モードを予め定められた順序で切り替えると共に、文字切替キーの操作状態に応じて予め定められた特定の文字種類を入力可能とする入力モードに切り替える入力モード切替手段を実現させる、という構成を採っている。
【0017】
さらに、本発明の他の形態である文字入力モード切替方法は、入力可能な文字種類を切り替える文字切替キーを有する入力装置を備えた情報処理装置における文字入力モードを切り替える方法であって、情報処理装置が、文字切替キーを押下する毎に所定の文字種類を入力可能とする入力モードを予め定められた順序で切り替えると共に、文字切替キーの操作状態に応じて予め定められた特定の文字種類を入力可能とする入力モードに切り替える、という構成を採っている。
【0018】
上記構成のプログラムや方法の発明であっても、上述した情報処理装置と同様に作用するため、上述した本発明の目的を達成することができる。
【0019】
以下、本発明の具体的な構成及び動作を、実施例にて説明する。なお、実施例では、本発明である情報処理装置の一例として携帯電話を挙げて説明するが、情報処理装置は携帯電話に限定されない。PDAや電子辞書などの携帯型情報処理装置の他、携帯型ではないパソコンなどあらゆる情報処理装置に利用可能である。
【実施例1】
【0020】
本発明の第1の実施例を、図1乃至図8を参照して説明する。図1は、携帯電話の構成を示す外観図である。図2は、携帯電話の入力部の構成を示す図である。図3は、携帯電話の構成を示すブロック図である。図4は、携帯電話の操作状態を示す図である。図5乃至図8は、携帯電話の動作を示すフローチャートである。
【0021】
[構成]
図1に示すように、本実施例における携帯電話1(情報処理装置)は、複数の操作キーが形成された入力部2と、表示部3とを備え、一対の筐体が回動自在に係合された折り畳み式の携帯電話である。そして、入力部2(入力装置)は、1つのキーで数字やひらがな、半角カタカナ、英字など、複数種類の文字を入力可能な複数の文字入力キー21と、文字の入力モードを切り替える1つの入力モード切替キー20と、を備えている。
【0022】
ここで、文字入力キー21の構成を、図2を参照して詳細に説明する。なお、図2は、文字入力キーの一部を拡大表示したものである。この図に示すように、各文字入力キー21には、4種類の入力可能な文字が記載されている。具体的には、「ひらがな」、「半角カタカナ」、「英字」、「数字」である。一例として、「数字」として「2」が記載された文字入力キー21を見ると、「ひらがな」として「か」、「半角カタカナ」として「カ」、「英字」として「ABC」が記載されている。この場合には、「ひらがな」を入力可能な入力モードの場合には、当該キーを押下する毎に、「か」、「き」、「く」・・・と「か行」の文字が順番に変化して入力され、表示部3に表示される。また、「半角カタカタ」の入力モードの場合も同様である。また、「英字」の入力モードの場合には、当該キーを押下する毎に、「A」、「B」、「C」とキーに表示されている文字が順番に変化して入力され、表示部3に表示される。そして、「数字」の入力モードの場合には、当該キーを押下することで「2」が入力され、表示部3に表示される。なお、後述するように、携帯電話1にて電子メールを作成するといった文字入力時には、これら4種類の文字のうち、「ひらがな」が初期入力モードとして自動的に設定される。但し、初期入力モードは「ひらがな」であることに限定されない。
【0023】
また、入力モード切替キー20(文字切替キー)は、押下する毎に、入力可能な文字種類を設定する入力モードを予め定められた順序で切り替えるためのボタンである。また、入力モード切替キー20は、後述するように、長押しすることで、離した時に初期入力モードに切り替えるためのボタンである。
【0024】
次に、携帯電話1の内部構成について詳述する。図3に示すように、携帯電話1に装備されたCPUといった演算装置4には、所定のプログラムが組み込まれることで、文字入力処理部41と、入力モード切替処理部42と、切替設定変更処理部43と、が構築されている。
【0025】
上記文字入力処理部41は、文字入力キー20が押下されたことを検出し、現在設定されている入力モードにて押下された文字入力キー20が入力可能な文字を入力値として受け付け、表示部3に表示する。例えば、「ひらがな」を入力可能な入力モードの場合に「数字」として「2」が記載された文字入力キー21が押下されると、押下される毎に、「か」、「き」、「く」・・・と「か行」の文字が順番に変化して入力されるため、これを受け付けて、表示部3に表示する。他の文字種類の入力モードのときも、対応する文字種類の文字を入力する。
【0026】
また、上記入力モード切替処理部42(入力モード切替手段、特定入力モード切替手段)は、入力モード切替キー21が押下されたことを検出し、現在の入力モードを次の入力モードに切り替える。このとき、本実施例では、入力モード切替キー21が押下される毎に、文字入力時の初期設定である「ひらがな」、「半角カタカナ」、「英字」、「数字」の順番に入力モードを切り替える(図2の「数字」として「1」が記載されている文字入力キー21の周囲に記載した矢印を参照)。
【0027】
また、入力モード切替処理部42は、上述したように、入力モード切替キー21が入力されたときには入力モードを切り替えると共に、予め設定された時間(例えば、1秒)以上、入力モード切替キー21が押下されたままの状態になったかを検出する。つまり、入力切替キー21が所定時間以上長押しされたか否かを検出する。そして、長押しされたと判断すると、その後に長押し状態つまり押下状態が解除された場合に、初期の入力モード(特定の入力モード)である「ひらがな」の入力モードに切り替える。なお、このように、入力モード切替キー21が長押しされ、それを解除したときの「ひらがな」への切り替えは、いかなる文字種類の入力モードからも行われる。また、長押しされている最中には、そのときの入力モード、つまり、入力モード切替キー21が長押しのために押下されたときに切り替えられた文字種類の入力モードにて、文字入力キー20から文字の入力が可能である。
【0028】
また、切替設定変更処理部43(切替設定変更手段)は、上記入力モード切替処理部42にて入力モード切替キー21が押下されたときに検出される長押しされたか否かの判断基準となる長押し時間、つまり、長押しと判断される所定時間、をユーザからの入力に応じて決定し、入力モード切替処理部42に設定する。
【0029】
[動作]
次に、上述した携帯電話1の動作を、図4乃至図8を参照して説明する。はじめに、文字を入力する状態に移行し、その後、入力モードを順次切り替える通常の動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0030】
まず、ユーザが電子メールアプリケーションを起動し電子メールを作成するなど、文字入力が必要な状態になると(ステップS1)、初期入力モードである「ひらがな」入力モードとなる(ステップS2)。このとき、ユーザが文字入力キー21を押下すると、各文字入力キー21に割り当てられた「ひらがな」を入力することが可能となる。なお、「ひらがな」の入力モードは、他の文字種類の入力モードに切り替えることなく(ステップS3:ノー)、文字入力が終了するまで継続する(ステップS4)。
【0031】
また、ユーザが「半角カタカナ」を入力したい場合には、図4に示すように、ユーザが指Fで、「ひらがな」入力モードのときに入力モード切替キー20を1回、短時間押下することで(ステップS3:イエス)、「半角カタカナ」入力モードに切り替わる(ステップS5)。これにより、ユーザが文字入力キー21を押下すると、各文字入力キー21に割り当てられた「半角カタカナ」を入力することが可能となる。なお、「半角カタカナ」の入力モードは、他の文字種類の入力モードに切り替えることなく(ステップS6:ノー)、文字入力が終了するまで継続する(ステップS7)。
【0032】
また、ユーザが「英字」を入力したい場合には、「半角カタカナ」入力モードのときに入力モード切替キー20を1回、短時間押下することで(ステップS6:イエス)、「英字」入力モードに切り替わる(ステップS8)。つまり、「ひらがな」入力モードのときから入力モード切替キー20を2回、短時間押下すればよい。これにより、ユーザが文字入力キー21を押下すると、各文字入力キー21に割り当てられた「英字」を入力することが可能となる。なお、「英字」の入力モードは、他の文字種類の入力モードに切り替えることなく(ステップS9:ノー)、文字入力が終了するまで継続する(ステップS10)。
【0033】
また、ユーザが「数字」を入力したい場合には、「英字」入力モードのときに入力モード切替キー20を1回、短時間押下することで(ステップS9:イエス)、「数字」入力モードに切り替わる(ステップS11)。つまり、「ひらがな」入力モードのときから入力モード切替キー20を3回、短時間押下すればよい。これにより、ユーザが文字入力キー21を押下すると、各文字入力キー21に割り当てられた「数字」を入力することが可能となる。なお、「数字」の入力モードは、他の文字種類の入力モードに切り替えることなく(ステップS12:ノー)、文字入力が終了するまで継続する(ステップS13)。
【0034】
そして、ユーザが再度「ひらがな」を入力したい場合には、「数字」入力モードのときに入力モード切替キー20を1回、短時間押下することで(ステップS12:イエス)、「ひらがな」入力モードに切り替わる(ステップS2)。以上の操作を繰り返すことで、各入力モードに切り替えることができる。
【0035】
次に、上記切替動作を基本として、各入力モードから初期設定の入力モードである「ひらがな」入力モードに戻るときの動作を、図6乃至図8のフローチャートを参照して説明する。
【0036】
まずはじめに、ユーザは、携帯電話1の操作メニューから、切替設定変更を選択し、上記入力モード切替処理部42にて入力モード切替キー21が押下されたときに検出される長押しされたか否かの判断基準となる長押し時間、つまり、長押しと判断される所定時間を設定する。つまり、ユーザは、自己が希望する長押しと判断される所定時間を入力部2入力することで、切替設定変更処理部43にて所定時間が設定される。例えば、ユーザは、長押しと判断される所定時間の秒数を数字で入力する。なお、ユーザにて設定操作が行われない場合には、予め設定されている時間(例えば、1秒)が長押しと判断される所定時間として設定される。
【0037】
そして、上述同様に、ユーザが電子メールアプリケーションを起動し電子メールを作成するなど、文字入力が必要な状態になると(ステップS21)、初期入力モードである「ひらがな」入力モードとなる(ステップS22)。このとき、ユーザが文字入力キー21を押下すると、各文字入力キー21に割り当てられた「ひらがな」を入力することが可能となる。なお、「ひらがな」の入力モードは、他の文字種類の入力モードに切り替えることなく(ステップS23:ノー)、文字入力が終了するまで継続する(ステップS24)。
【0038】
その後、ユーザが「半角カタカナ」を入力したい場合には、「ひらがな」入力モードのときに入力モード切替キー20を1回、短時間押下することで(ステップS23:イエス、ステップS25:ノー)、「半角カタカナ」入力モードに切り替わる(ステップS28、図7の符号Aに進む)。このとき、入力モード切替キー20を押下する時間は、上述したように、予め設定されたあるいはユーザにて設定された長押しと判断される所定時間未満の間である。これにより、ユーザが文字入力キー21を押下すると、各文字入力キー21に割り当てられた「半角カタカナ」を入力することが可能となる。この「半角カタカナ」の入力モードは、他の文字種類の入力モードに切り替えることなく(図7のステップS31:ノー)、文字入力が終了するまで継続する(図7のステップS32)。
【0039】
一方、ユーザが、「半角カタカナ」を入力し、その後、初期設定の「ひらがな」入力モードに戻したい場合には、「ひらがな」入力モードのときに、入力モード切替キー20を予め設定されたあるいはユーザにて設定された長押しと判断される所定時間以上押下したままの状態にする(ステップS23:イエス、ステップS25:イエス)。すると、「半角カタカナ」入力モードに切り替わる(ステップS26)。これにより、ユーザが入力モード切替キー20を押下したままの状態で文字入力キー21を押下すると、各文字入力キー21に割り当てられた「半角カタカナ」を入力することが可能となる。そして、ユーザが「半角カタカナ」を押下し終わった後に、押下した状態の入力モード切替キー20を離すと(ステップS27:イエス)、初期設定の「ひらがな」入力モードに戻る(ステップS22)。
【0040】
また、図6のステップS28で「半角カタカナ」入力モードに固定された状態のときに(図7の符号A)、ユーザが「英字」を入力したい場合には、入力モード切替キー20を1回、短時間押下することで(ステップS31:イエス、ステップS33:ノー)、「英字」入力モードに切り替わる(ステップS36、図8の符号Bに進む)。このとき、入力モード切替キー20を押下する時間は、上述したように、予め設定されたあるいはユーザにて設定された長押しと判断される所定時間未満の間である。これにより、ユーザが文字入力キー21を押下すると、各文字入力キー21に割り当てられた「英字」を入力することが可能となる。この「英字」の入力モードは、他の文字種類の入力モードに切り替えることなく(図8のステップS41:ノー)、文字入力が終了するまで継続する(図8のステップS42)。
【0041】
一方、ユーザが、「英字」を入力し、その後、初期設定の「ひらがな」入力モードに戻したい場合には、「半角カタカナ」入力モードのときに入力モード切替キー20を、予め設定されたあるいはユーザにて設定された長押しと判断される所定時間以上押下したままの状態にする(ステップS31:イエス、ステップS33:イエス)。すると、「英字」入力モードに切り替わる(ステップS34)。これにより、ユーザが入力モード切替キー20を押下したままの状態で文字入力キー21を押下すると、各文字入力キー21に割り当てられた「英字」を入力することが可能となる。そして、ユーザが「英字」を押下し終わった後に、押下した状態の入力モード切替キー20を離すと(ステップS35:イエス)、初期設定の「ひらがな」入力モードに戻る(図6のステップS22)。
【0042】
また、図7のステップS36で「英字」入力モードに固定された状態のときに(図8の符号B)、ユーザが「数字」を入力したい場合には、入力モード切替キー20を1回、短時間押下することで(ステップS41:イエス、ステップS43:ノー)、「数字」入力モードに切り替わる(ステップS46)。このとき、入力モード切替キー20を押下する時間は、上述したように、予め設定されたあるいはユーザにて設定された長押しと判断される所定時間未満の間である。これにより、ユーザが文字入力キー21を押下すると、各文字入力キー21に割り当てられた「数字」を入力することが可能となる。この「数字」の入力モードは、他の文字種類の入力モードに切り替えることなく(ステップS47:ノー)、文字入力が終了するまで継続する(ステップS48)。また、「数字」入力モードで入力モード切替キー20が押下されると(ステップS47:イエス)、「ひらがな」入力モードに戻る(図6のステップS22)。
【0043】
一方、ユーザが、「英字」入力モードのときに(図8の符号B)、「数字」を入力し、その後、初期設定の「ひらがな」入力モードに戻したい場合には、入力モード切替キー20を、予め設定されたあるいはユーザにて設定された長押しと判断される所定時間以上押下したままの状態にする(ステップS41:イエス、ステップS43:イエス)。すると、「数字」入力モードに切り替わる(ステップS44)。これにより、ユーザが入力モード切替キー20を押下したままの状態で文字入力キー21を押下すると、各文字入力キー21に割り当てられた「数字」を入力することが可能となる。そして、ユーザが「数字」を押下し終わった後に、押下した状態の入力モード切替キー20を離すと(ステップS45:イエス)、初期設定の「ひらがな」入力モードに戻る(図6のステップS22)。
【0044】
以上のように、本実施例によると、初期状態から他の入力モードに固定的に切り替える場合には、入力モード切替キーを短時間押下し、一時的に他の入力モードに切り替える場合には、入力モード切替キーを長時間押下すればよい。そして、入力モード切替キーを所定時間以上押下した後にかかる押下状態を解除する操作を行うことで、初期設定の入力モードに切り替わる。従って、ユーザは、一つの文字切替キーを操作することで、容易に初期設定の入力モードに遷移させる操作を行うことができる。例えば、日本語(ひらがな)入力時に、入力したい文章中に少ない文字数の「半角カタカナ」、「英字」、「数字」等が頻繁に混ざる際にも、わずらわしさを感じることなく入力文字の設定ができ、操作性及び利便性の向上を図ることができる。
【0045】
なお、本発明では、文字の入力モードを初期設定に戻す操作方法を提案しているが、必ずしも入力モード切替キー20を長押しする、という操作方法に限定されない。例えば、入力モード切替キー20を押下方向に半分の深さだけ押下した場合に、かかる押下状態を解除すると初期設定の入力モードに戻る、という操作方法を採ってもよい。
【実施例2】
【0046】
次に、本発明の第2の実施例を、図9に示す携帯電話1のフローチャートを参照して説明する。本実施例における携帯電話1は、上述した実施例1のものとほぼ同様の構成を採っているが、入力モード切替キー20の押下に対する文字入力モードの遷移動作が若干異なる。以下、この動作について説明する。
【0047】
まずはじめに、ユーザは、携帯電話1の操作メニューから、切替設定変更を選択し、上記入力モード切替処理部42にて入力モード切替キー20が押下されたときに検出される長押しされたか否かの判断基準となる長押し時間、つまり、長押しと判断される所定時間を設定する。つまり、ユーザは、自己が希望する長押しと判断される所定時間を入力部2から入力することで、切替設定変更処理部43にて所定時間が設定される。なお、ユーザにて設定操作が行われない場合には、予めデフォルトで設定されている時間(例えば、1秒)が長押しと判断される所定時間として設定される。
【0048】
そして、上述同様に、ユーザが電子メールアプリケーションを起動し電子メールを作成するなど、文字入力が必要な状態になると(ステップS51)、初期入力モードである「ひらがな」入力モードとなる(ステップS52)。このとき、ユーザが文字入力キー21を押下すると、各文字入力キー21に割り当てられた「ひらがな」を入力することが可能となる。なお、「ひらがな」の入力モードは、他の文字種類の入力モードに切り替えることなく(ステップS53:ノー)、文字入力が終了するまで継続する(ステップS54)。
【0049】
その後、ユーザが「半角カタカナ」を入力したい場合には、「ひらがな」入力モードのときに入力モード切替キー20を1回、短時間押下することで(ステップS53:イエス、ステップS55:ノー)、「半角カタカナ」入力モードに切り替わる(ステップS58)。このとき、入力モード切替キー20を押下する時間は、上述したように、予め設定されたあるいはユーザにて設定された長押しと判断される所定時間未満の間である。これにより、ユーザが文字入力キー21を押下すると、各文字入力キー21に割り当てられた「半角カタカナ」を入力することが可能となる。この「半角カタカナ」の入力モードは、他の文字種類の入力モードに切り替えることなく(ステップS53:ノー)、文字入力が終了するまで継続する(ステップS54)。
【0050】
その後、ユーザが、「半角カタカナ」を入力した後に、初期設定の「ひらがな」入力モードに戻したい場合には、上述したように「半角カタカナ」入力モードのときに入力モード切替キー20を、予め設定されたあるいはユーザにて設定された長押しと判断される所定時間以上押下したままの状態にする(ステップS53:イエス、ステップS55:イエス)。すると、入力モードは現在の「半角カタカナ」入力モードのままである(ステップS56)。これにより、ユーザが入力モード切替キー20を押下したままの状態で文字入力キー21を押下すると、各文字入力キー21に割り当てられた「半角カタカナ」を入力することが可能となる。そして、ユーザが「半角カタカナ」を押下し終わった後に、押下した状態の入力モード切替キー20を離すと(ステップS57:イエス)、初期設定の「ひらがな」入力モードに戻る(ステップS52)。
【0051】
また、同様に、「半角カタカナ」入力モードのときに入力モード切替キー20を1回、短時間押下することで(ステップS53:イエス、ステップS55:ノー)、次の入力モードである「英字」入力モードに切り替わる(ステップS58)。その後、ユーザが、「英字」を入力した後に、初期設定の「ひらがな」入力モードに戻したい場合には、「英字」入力モードのときに入力モード切替キー20を予め設定されたあるいはユーザにて設定された長押しと判断される所定時間以上押下したままの状態にする(ステップS53:イエス、ステップS55:イエス)。すると、入力モードは現在の「英字」入力モードのままであり(ステップS56)、ユーザが入力モード切替キー20を押下したままの状態で文字入力キー21を押下すると、各文字入力キー21に割り当てられた「英字」を入力することが可能となる。そして、ユーザが「英字」を押下し終わった後に、押下した状態の入力モード切替キー20を離すと(ステップS57:イエス)、初期設定の「ひらがな」入力モードに戻る(ステップS52)。
【0052】
さらに、同様に、「英字」入力モードのときに入力モード切替キー20を1回、短時間押下することで(ステップS53:イエス、ステップS55:ノー)、次の入力モードである「数字」入力モードに切り替わる(ステップS58)。その後、ユーザが、「数字」を入力した後に、初期設定の「ひらがな」入力モードに戻したい場合には、「数字」入力モードのときに入力モード切替キー20を予め設定されたあるいはユーザにて設定された長押しと判断される所定時間以上押下したままの状態にする(ステップS53:イエス、ステップS55:イエス)。すると、入力モードは現在の「数字」入力モードのままであり(ステップS56)、ユーザが入力モード切替キー20を押下したままの状態で文字入力キー21を押下すると、各文字入力キー21に割り当てられた「数字」を入力することが可能となる。そして、ユーザが「数字」を押下し終わった後に、押下した状態の入力モード切替キー20を離すと(ステップS57:イエス)、初期設定の「ひらがな」入力モードに戻る(ステップS52)。
【0053】
以上のように、本実施例によると、所望の文字種類の入力モードへは、入力モード切替キー20を短時間、押下することで切り替えることができ、この入力モード時に入力モード切替キー20を長時間押下することで、現在の入力モードにおける文字を入力することができ、さらに、キー20を離すことで、初期の入力モードに戻すことができる。
【0054】
なお、上記実施例1,2では、入力モード切替キー20が所定時間以上押下され当該押下状態が維持されているときに、文字入力が可能となるよう設定されている場合を例示したが、これに限定されない。例えば、入力モード切替キー20が所定時間以上押下され当該押下状態が維持されている際には文字入力操作を不可としてもよく、かかる長押し状態が解除された場合に、初期設定の入力モードに戻るよう作動する、というように設定してもよい。
【実施例3】
【0055】
次に、本発明の第3の実施例を、図10乃至図11を参照して説明する。図10は、本実施例における携帯電話の構成を示す外観図であり、図11は、ユーザによる使用時の様子を示す図である。
【0056】
本実施例における携帯電話1は、上述した実施例1にて説明した携帯電話1とほぼ同様の構成を採っているが、入力モード切替キー20’の形成位置が異なる。本実施例では、図10に示すように、携帯電話1の側面に位置しており、携帯電話1を保持して操作する際にユーザの手Hが位置する箇所に形成されている。
【0057】
ユーザが携帯電話1を操作しているときの様子を図11に示す。この図に示すように、ユーザが右手Hで携帯電話1を保持して操作する場合には、親指F1で文字入力キー21を押下しつつ、人差し指F2で押下することが容易な位置に入力モード切替キー20’が位置している。従って、上述したように、入力モード切替キー20’を押下することが必要な場合には、人差し指F2で押下しつつ、親指F1で文字入力キー21を押下することができる。その結果、操作性の向上を図ることができる。
【0058】
なお、上述した入力モード切替キー20’の形成位置は一例であって、その位置は限定されない。但し、携帯電話1を保持して操作する際にユーザの手H(例えば、他の指や掌)が位置する箇所に形成されていると望ましい。
【0059】
また、上記では、予め特定のキーが入力モード切替キーとして設定されている場合を例示したが、文字入力状態になったときに、文字入力に無関係なボタンが入力モード切替キーとして設定されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、電子メール作成時、ウェブサイトへの文字入力時、ゲーム利用時など、文字入力を必要とする携帯電話、PDA、電子辞書、パソコンなどのあらゆる情報処理装置に利用することができ、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】実施例1における携帯電話の構成を示す外観図である。
【図2】図1に開示した入力部部分の拡大図である。
【図3】携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図4】ユーザによる携帯電話の利用時の様子を示す図である。
【図5】携帯電話の入力モード切替動作を示すフローチャートである。
【図6】携帯電話の入力モード切替動作を示すフローチャートである。
【図7】携帯電話の入力モード切替動作を示すフローチャートである。
【図8】携帯電話の入力モード切替動作を示すフローチャートである。
【図9】実施例2における携帯電話の入力モード切替動作を示すフローチャートである。
【図10】実施例3における携帯電話の構成を示す外観図である。
【図11】実施例3における携帯電話のユーザによる利用時の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 携帯電話
2 入力部
3 表示部
4 演算部
20 入力モード切替キー
21 文字入力キー
41 文字入力処理部
42 入力モード切替処理部
43 切替設定変更処理部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力可能な文字種類を切り替える文字切替キーを有する入力装置と、前記文字切替キーを押下する毎に所定の文字種類を入力可能とする入力モードを予め定められた順序で切り替える入力モード切替手段と、を備えた情報処理装置であって、
前記入力モード切替手段は、前記文字切替キーの操作状態に応じて予め定められた特定の文字種類を入力可能とする入力モードに切り替える特定入力モード切替手段を有する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記特定入力モード切替手段は、前記文字切替キーが予め設定された所定時間以上押下された後に当該押下状態が解除された場合に、前記特定の文字種類を入力可能とする入力モードに切り替える、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定入力モード切替手段は、前記文字切替キーが所定時間以上押下された後に当該押下状態が解除された場合に、予め初期設定されている文字種類を入力可能とする入力モードに切り替える、
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定入力モード切替手段は、前記文字切替キーが所定時間以上押下され当該押下状態が維持されているときに、当該押下によって切り替えられた入力モード、あるいは、当該押下前からの入力モードにおける文字種類を入力可能とする、
ことを特徴とする請求項2又は3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記入力装置は、3種類以上の文字種類を入力可能である、
ことを特徴とする請求項2,3又は4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特定入力モード切替手段にて前記文字切替キーが所定時間以上押下されたか否かを判断する基準となる前記所定時間を設定する切替設定変更手段を備えた、
ことを特徴とする請求項2,3,4又は5記載の情報処理装置。
【請求項7】
携帯型情報処理装置である、ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記文字切替キーは、携帯型情報処理装置本体を保持して操作するユーザの手が位置する箇所に形成されている、ことを特徴とする請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記文字切替キーは、携帯型情報処理装置本体の側面に形成されている、ことを特徴とする請求項7又は8記載の情報処理装置。
【請求項10】
入力可能な文字種類を切り替える文字切替キーを有する入力装置を備えた情報処理装置に、
前記文字切替キーを押下する毎に所定の文字種類を入力可能とする入力モードを予め定められた順序で切り替えると共に、前記文字切替キーの操作状態に応じて予め定められた特定の文字種類を入力可能とする入力モードに切り替える入力モード切替手段を実現させるためのプログラム。
【請求項11】
前記特定入力モード切替手段は、前記文字切替キーが予め設定された所定時間以上押下された後に当該押下状態が解除された場合に、前記特定の文字種類を入力可能とする入力モードに切り替える、
ことを特徴とする請求項10記載のプログラム。
【請求項12】
入力可能な文字種類を切り替える文字切替キーを有する入力装置を備えた情報処理装置における文字入力モードを切り替える方法であって、
前記情報処理装置が、前記文字切替キーを押下する毎に所定の文字種類を入力可能とする入力モードを予め定められた順序で切り替えると共に、前記文字切替キーの操作状態に応じて予め定められた特定の文字種類を入力可能とする入力モードに切り替える、
ことを特徴とする文字入力モード切替方法。
【請求項13】
前記情報処理装置が、前記文字切替キーが予め設定された所定時間以上押下された後に当該押下状態が解除された場合に、前記特定の文字種類を入力可能とする入力モードに切り替える、
ことを特徴とする請求項12記載の文字入力モード切替方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−20635(P2009−20635A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−181682(P2007−181682)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】