説明

情報提供システム

【課題】、情報を配信すべき利用者を正確に特定することができるだけでなく、利用者の氏名や住所等の利用者識別のための既存の情報資源を活用することができ、情報に対するセキュリティも高い情報提供システムを提供することを目的とする。
【解決手段】情報提供装置110と、情報配信装置120と、情報復号装置130とを備える情報提供システム100であって、情報提供装置110は、情報送信部を有し、情報配信装置120は、管理情報格納部と、提供情報格納部と、情報受信部と、ICカード150の識別情報を抽出するICカード150の識別情報抽出部と、提供情報格納部に格納する提供情報格納処理部と、ICカード150の識別情報に対応付けて提供情報格納部に格納された暗号化情報を情報復号装置130に送信する情報送信部とを有し、情報復号装置130は、情報受信部と、暗号化情報を復号する情報復号部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を提供する情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
政府機関、自治体、電力会社、保険会社等の情報提供機関は、利用者に対し紙文書等で情報を提供している。一部の情報提供機関は、紙文書等による情報提供業務を電子化することを検討している。しかし、各情報提供機関が、独自の方法で情報提供業務の電子化を進めてしまうと、利用者側のシステムも、各方法に対応しなければならなくなり、利用者の負担が増すこととなる。
【0003】
そこで、利用者が、各情報提供機関から送信される情報を、統一された方法でまとめて受信できるようなシステムを構築することが望まれる。そのようなシステムの例として、複数の情報提供機関が、共通の情報配信機関へ利用者宛の情報を送信し、複数の情報提供機関から送信された情報をまとめて情報配信機関から利用者へ配信するといったシステムが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−111671号公報
【特許文献2】特開平11−289385号公報
【特許文献3】特開2008−040987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなシステムを実現するにあっては、情報を配信すべき利用者を正確に特定し得ることはもちろん、利用者を識別するための情報等の各情報提供機関で利用されている情報資源を活用できるようにするという課題がある。また、利用者へ配信されるまでの情報が、ネットワークを伝送する過程で流出したり、上記のような情報配信機関から外部へ流出したりした場合の対策を講じなければならないという課題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、情報を配信すべき利用者を正確に特定することができるだけでなく、利用者の氏名や住所等の利用者識別のための既存の情報資源を活用することができ、情報に対するセキュリティも高い情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明に係る情報提供システムは、情報提供装置と、当該情報提供装置に接続された情報配信装置と、当該情報配信装置に接続された情報復号装置とを備える情報提供システムであって、前記情報提供装置は、公開鍵で暗号化された暗号化情報と、利用者を識別するのに用いられる利用者識別情報とを含む提供情報を、前記情報配信装置に送信する情報送信部を有し、前記情報配信装置は、少なくとも、前記利用者識別情報と、前記利用者識別情報とは別のICカードの識別情報とを対応付けて格納するための管理情報格納部と、少なくとも、前記ICカードの識別情報と、前記提供情報に含まれる暗号化情報とを対応付けて格納するための提供情報格納部と、前記情報提供装置の情報送信部により送信された前記提供情報を受信する情報受信部と、前記情報受信部により受信された前記提供情報に含まれる利用者識別情報に基づいて、前記管理情報格納部から前記ICカードの識別情報を抽出するICカードの識別情報抽出部と、前記ICカードの識別情報抽出部により抽出された前記ICカードの識別情報を、前記提供情報に含まれる前記暗号化情報に対応付けて、前記提供情報格納部に格納する提供情報格納処理部と、前記情報復号装置から前記ICカードの識別情報をキーとする、暗号化情報を送信すべき旨の要求があった場合に、当該ICカードの識別情報に対応付けて前記提供情報格納部に格納された前記暗号化情報を前記情報復号装置に送信する情報送信部とを有し、前記情報復号装置は、前記情報配信装置の情報送信部により送信された前記暗号化情報を受信する情報受信部と、前記情報受信部により受信された前記暗号化情報を復号するための秘密鍵をICカードから読み出し、当該秘密鍵を利用して、前記暗号化情報を復号する情報復号部とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、情報提供機関は、公開鍵を用いて利用者向けの情報を暗号化し、当該暗号化に利用された公開鍵と対の秘密鍵を利用して、暗号化された情報を受信した利用者が当該暗号化情報を復号できるようにしたので、情報に対するセキュリティも高い情報提供システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】情報提供システム100の利用環境の一例を示す図である。
【図2】情報提供装置110の一実施例を示す図である。
【図3】情報配信装置120の一実施例を示す図である。
【図4】情報復号装置130の一実施例を示す図である。
【図5】ICカード150の一実施例を示す図である。
【図6】情報提供装置110における情報の提供先格納部の一実施例を示す図である。
【図7】情報配信装置120における管理情報格納部の一実施例を示す図である。
【図8】情報配信装置120における提供情報格納部の一実施例を示す図である。
【図9】ICカード150における格納部の構成を示す図である。
【図10】情報提供システム100の処理手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
図1は、この発明の一実施例に係る情報提供システム100の利用環境の一例を示す。情報提供システム100は、情報提供装置110、情報配信装置120、情報復号装置130、及びICカード150を備える。情報提供装置110は、政府機関、自治体、電力会社、保険会社等の情報提供機関160に設けられる。情報配信装置120は、データセンター等の情報配信機関161に設けられる。情報復号装置130は、デパート、コンビニエンスストア等の店舗162又は利用者170の自宅163等に設けられる。情報復号装置130は、例えばパーソナルコンピュータ、キオスク端末等の情報端末であってよい。情報提供装置110は、公開鍵で暗号化した情報を、情報配信機関161の情報配信装置120に送信する。
【0012】
そして、情報配信機関161に設けられた情報配信装置120は、情報提供装置110から送信される暗号化情報を受信する。そして、情報配信装置120は、情報提供装置110から受信した暗号化情報を提供情報用のデータベース123に記憶する場合に、管理情報用のデータベース122内において利用者170を識別する利用者識別情報とICカード150を識別するICカードの識別情報を決定して、暗号化情報とともにICカード150の識別情報を提供情報データベース123に記憶する。また、情報配信装置120は、情報提供装置110から配信される暗号化情報とともに当該暗号化情報の情報名を提供情報データベース123に記憶してもよい。本実施例では、提供情報データベース123は、記憶している暗号化情報を利用者170が要求することを目的とした提供情報用のデータベースとして利用される。
【0013】
そして、利用者170が情報配信装置120に記憶された自分宛の暗号化情報を要求する場合には、店舗162又は利用者170の自宅163に設けられた情報復号装置130は、秘密鍵をICカード150から読み出すとともに、ICカード150に記憶されたICカードの識別情報と、身体的特徴が本人のものであるか否かを認証するための認証情報とを読み出す。そして、情報復号装置130は、本人確認するための認証画面をディスプレイに表示して、利用者170からの暗号化情報受信要求を受け付ける。
【0014】
そして、情報復号装置130は、認証のために入力された生体情報と、身体的特徴が本人のものであるか否かを認証するための認証情報とを照合して、本人であることを確認すると、ICカードの識別情報を、情報配信装置120に送信する。そして、情報配信装置120は、受信したICカードの識別情報を基に、暗号化情報を利用者170の情報復号装置130に送信する。そして、情報復号装置130は、ICカード150に記憶された暗号化情報の秘密鍵に暗号化情報を復号させて、復号された情報をユーザ170に閲覧させる。
【0015】
図2は、情報提供装置110の一実施例を示す。情報提供装置110は、情報生成装置111、暗号化装置112、情報の提供先データベース113、制御装置114及びデータ通信装置115を備える。情報生成装置111は、個々の利用者170に提供すべき情報を生成する。この情報は、少なくとも個々の利用者170に関係する個人情報を含む情報である。
【0016】
暗号化装置112は、情報生成装置111によって生成された情報を暗号化する。この情報の暗号化処理は、予め情報配信機関161から配布された公開鍵を使用して行われる。通常、暗号化処理装置112は、個人情報を含む情報全体を暗号化するが、当該情報のうち、個人情報に該当する部分だけを暗号化することとしてもよい。その場合、情報復号装置130は、利用者170による情報の閲覧時に、暗号化情報の暗号化されていない部分だけを復号前に可読し得るようにしてもよい。
【0017】
情報の提供先データベース113は、利用者識別情報と公開鍵とを対応付けて格納する。利用者識別情報は、利用者170の氏名、住所、性別、生年月日等である。公開鍵は、情報を暗号化するための鍵である。制御装置114は、情報提供装置110の動作を制御する。データ通信装置115は、暗号化情報と、情報配信装置120に利用者170を識別するのに用いられる利用者識別情報とを含む提供情報を送信する情報送信部として機能する。
【0018】
図3は、情報配信装置120の一実施例を示す。情報配信装置120は、制御装置121、管理情報データベース122、提供情報データベース123及びデータ通信装置124を備える。制御装置121は、情報配信装置120の動作を制御し、特に、情報配信装置120を、提供情報に含まれる利用者識別情報に基づいてICカードの識別情報を抽出するICカードの識別情報抽出部、ICカードの識別情報抽出部により抽出されたICカードの識別情報を提供情報に含まれる暗号化情報に対応付けて格納する提供情報格納部として機能するように制御する。
【0019】
管理情報データベース122及び提供情報データベース123は、ICカード150の識別情報をキーとするリレーショナルデータベースである。データ通信装置124は、情報提供装置110より送信された提供情報を受信する情報受信部、及び情報復号装置130からICカードの識別情報による暗号化情報を送信すべき旨の要求があった場合に、ICカードの識別情報に対応付けて提供情報格納部に格納された暗号化情報を情報復号装置130に送信する情報送信部として機能する。
【0020】
図4は、情報復号装置130の一実施例を示す。情報復号装置130は、データ入力装置131、生体情報入力装置132、カードリーダ133、ディスプレイ134、制御装置135、復号装置136及びデータ通信装置137を備える。データ入力装置131は、キーボードや十字キー等の利用者170が情報復号装置130を操作する手段である。利用者170は、データ入力装置131を操作することでデータを入力したり、処理内容を指示したりすることができる。
【0021】
生体情報入力装置132は、利用者170の認証を行う際に、利用者170の指紋、掌紋、虹彩、静脈流等の身体的特徴を読み取り、生体情報として出力するものである。生体情報は、ICカード150に記憶された認証情報と照合されることによって、当該データの人物が正当な者であるか否かを判断するためのものである。カードリーダ133は、個々の利用者170に配布されるICカード150に記憶された情報を読み取るために利用される。ディスプレイ134は、情報復号装置130において出力される文字や図形を表示する装置である。
【0022】
制御装置135は、情報復号装置130の動作を制御し、特に、情報復号装置130を、暗号化情報を復号するための秘密鍵をICカード150から読み出し、秘密鍵を利用して、暗号化情報を復号する情報復号部として機能するように制御する。復号装置136は、暗号化情報を復号するものである。データ通信装置137は、情報配信装置120により送信された暗号化情報を受信する情報受信部として機能する。
【0023】
図5は、ICカード150の一実施例を示す。ICカード150は、制御装置151、記憶装置152及びインターフェース装置153を備える。制御装置151は、カード内部で行われる情報処理を制御する。記憶装置152は、ICカード150を所有する個々の利用者170に異なる情報を記憶する。インターフェース装置153は、情報復号装置130のカードリーダ133に挿入されたときにデータ通信が行われるインターフェースである。
【0024】
図6は、情報提供装置110における情報の提供先格納部の一実施例を示す。情報の提供先データベース113は、個々の利用者170に、情報配信装置120から受け取った公開鍵を対応付けて記憶するデータベースである。情報の提供先データベース113は、氏名、住所、性別、生年月日をセットにした利用者識別情報と、利用者170に提供する情報を暗号化するための公開鍵とを対応付けて記憶する。
【0025】
図7は、情報配信装置120における管理情報格納部の一実施例を示す。管理情報データベース122は、ICカード150の識別情報と、氏名、住所、性別及び生年月日と、公開鍵と、秘密鍵と、秘密鍵暗号化鍵とを対応付けて記憶する。ICカード150の識別情報は、ICカードの識別情報であって、例えば、英数字をランダムに並べた文字列である。氏名、住所、性別及び生年月日は、利用者識別情報である。公開鍵は、情報を暗号化するための鍵で、情報提供装置110に予め送信される。秘密鍵は、暗号化情報を復号するための鍵で、ICカード150に記憶されて利用者170に予め配布される。秘密鍵暗号化鍵は、秘密鍵を暗号化したり復号したりするための鍵である。
【0026】
図8は、情報配信装置120における提供情報格納部の一実施例を示す。提供情報データベース123は、情報提供装置110から受信した暗号化情報と、暗号化情報の情報名と、利用者識別情報として氏名、住所、性別及び生年月日と、ICカードの識別情報としてICカード150の識別情報とを対応付けて記憶している。
【0027】
図9は、ICカード150における格納部の構成を示す。記憶装置152は、ICカード150を利用するのに必要な情報が記憶されている。ICカード150の記憶装置152は、ICカードの識別情報であるICカード150の識別情報、利用者170の指紋、掌紋、虹彩又は静脈流等の生体情報、暗号化された秘密鍵を記憶する。これらの情報は、情報配信機関161によって情報配信装置120のデータベースに格納された情報を基に予め記憶される。
【0028】
図10は、情報提供システム100の処理手順を示す。図10を参照して、情報提供システム100の処理の流れについて説明する。まず、情報提供システム100を利用する利用者170は、情報配信装置120を運用する情報配信機関161へ、情報提供システム100を利用する旨の利用申請を行っておく。情報配信装置120は、利用者170からの利用申請を受けて、この利用者170のためだけに利用される公開鍵と、秘密鍵と、秘密鍵暗号化鍵と、ICカード150の識別情報とを生成する(S201)。
【0029】
情報配信装置120は、生成した利用者識別情報と、ICカード150の識別情報と、公開鍵と、秘密鍵と、秘密鍵暗号化鍵とを、相互に対応付けて管理情報データベース122に記憶する。次に、情報配信装置120は、管理情報データベース122に記憶された情報のうち、利用者識別情報と、それに対応付けられた個々の利用者170の公開鍵とを、情報提供装置110に送信する(S202)。
【0030】
これとは別に、情報配信装置120は、秘密鍵暗号化鍵を用いて秘密鍵を暗号化する(S203)。情報配信機関161は、暗号化された秘密鍵と、ICカード150の識別情報及び利用者170の生体情報を、ICカード150の記憶装置152に記憶する(S204)。そして、情報配信機関161は、管理情報データベース122でICカード150の識別情報と対応付けられた利用者識別情報を参照して、ICカード150を利用者170に配布する(S205、S301)。
【0031】
情報提供装置110は、情報配信装置120から利用者識別情報と公開鍵を受信すると、これらを相互に対応付けて情報の提供先データベース113に記憶する(S101)。但し、情報提供装置110は、情報の提供先データベース113に利用者170の情報が既に登録されている場合には、その利用者170の公開鍵のみを対応付けて記憶する。
【0032】
次に、情報提供装置110は、個々の利用者170に提供する情報を生成する。続けて、情報提供装置110は、情報生成装置111が生成した情報の中で、個人情報に該当する情報だけを、公開鍵を用いて暗号化する(S102)。また、情報提供装置110は、利用者170宛の情報の中で、個人情報に該当するデータ部分だけを暗号化することもある。情報提供装置110は、暗号化を行うに際し、暗号化した情報の拡張子を変更し、暗号化したことを明確にする。そして、情報提供装置110のデータ通信装置115(情報送信部)は、暗号化した情報に、情報名と利用者識別情報とを付加し(S103)、情報配信装置120に送信する(S104)。
【0033】
情報配信装置120のデータ通信装置124(情報受信部)は、情報提供装置110から暗号化された情報と、情報名と、利用者識別情報とを受信する。そして、情報配信装置120の制御装置121(識別情報抽出部)は、利用者識別情報をキーとして管理情報データベース122を検索し、利用者170の情報に対応付けられたICカード150の識別情報を抽出する。さらに、情報配信装置120は、暗号化情報、情報名及び利用者170の情報に、ICカード150の識別情報を付加して、相互に対応付けて情報提供データベース123に記憶する。
【0034】
一方、ICカード150を入手した利用者170は、情報復号装置130を利用して情報の閲覧を開始する。情報の閲覧に際し、利用者170は、ICカード150を情報復号装置130のカードリーダ133に挿入してから、生体情報による認証を行う(S302)。情報復号装置130は、利用者170に生体情報入力装置132を利用して、例えば、指紋を入力するように要求する旨を認証画面としてディスプレイ134に表示する。
【0035】
利用者170は、生体情報入力装置132を利用して生体情報として指紋を入力する。情報復号装置130は、入力された生体情報の身体的特徴と、ICカード150から読み取った身体的特徴が本人のものであるか否かを認証するための認証情報とを比較し、同一の生体情報と判断すると、利用者170がICカード150の正規の利用者170であると認証する。そして、情報復号装置130は、利用者170がICカード150の正規の利用者170であると認証すると、ICカード150の識別情報を情報配信装置120に送信し、ICカード150の識別情報に対応した秘密鍵暗号化鍵の送信を要求する(S303)。
【0036】
情報復号装置130からの要求に対し、情報配信装置120は、管理情報データベース122を検索し(S206)、ICカード150の識別情報に対応付けられた秘密鍵暗号化鍵を抽出し、情報復号装置130に送信する(S207)。情報復号装置130は、暗号化された秘密鍵を、秘密鍵暗号化鍵を用いて、利用可能な秘密鍵に復号する(S304)。次に、情報復号装置130は、ICカード150の識別情報を情報配信装置120に送信し、ICカード150の識別情報に対応する暗号化された情報の送信を要求する(S305)。
【0037】
これに対し、情報配信装置120は、提供情報データベース123を検索し(S208)、ICカード150の識別情報に対応付けられる暗号化された情報と、その情報名を抽出する。そして、情報配信装置120のデータ通信装置124(情報送信部)は、情報復号装置130に送信する(S209)。情報復号装置130のデータ通信装置137(情報受信部)は、暗号化された情報と、その情報名を受信する。そして、情報配信装置120は、1個又は複数の情報名をディスプレイ134に表示する。利用者170は、表示された1個又は複数の情報名を見て、閲覧したい情報名を選択する(S306)。
【0038】
そして、利用者170によって情報名が選択されると、情報復号装置130は、利用者170が選択した情報名の暗号化された情報を、秘密鍵で復号する(S307)。情報復号装置130は、拡張子により暗号化情報を抽出し、暗号化情報の全部又は一部分を秘密鍵により復号する。復号された情報は、利用者170の選択に応じてディスプレイ134に表示される(S308)。
【0039】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0040】
上述の情報提供装置、情報配信装置及び情報端末は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した情報提供装置、情報配信装置及び情報端末における処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な電子媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な電子媒体とは、磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等をいう。また、このプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0041】
また、上述の実施例では、情報提供機関160を、政府機関、自治体、電力会社、保険会社等として説明したが、情報提供機関160を企業又は個人とすれば、当該企業又は個人と利用者170間の電子私書箱システムとしても応用することができる。
【符号の説明】
【0042】
100 情報提供システム
110 情報提供装置
111 情報生成装置
112 暗号化装置
113 情報の提供先データベース
114 制御装置
115 データ通信装置
120 情報配信装置
121 制御装置
122 管理情報データベース
123 提供情報データベース
130 情報復号装置
131 データ入力装置
132 生体情報入力装置
133 カードリーダ
134 ディスプレイ
135 制御装置
136 復号装置
140 ネットワーク
150 ICカード
151 制御装置
152 記憶装置
153 インターフェース装置
160 情報提供機関
161 情報配信機関
162 店舗
163 自宅
170 利用者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報提供装置と、当該情報提供装置に接続された情報配信装置と、当該情報配信装置に接続された情報復号装置とを備える情報提供システムであって、
前記情報提供装置は、
公開鍵で暗号化された暗号化情報と、利用者を識別するのに用いられる利用者識別情報とを含む提供情報を、前記情報配信装置に送信する情報送信部
を有し、
前記情報配信装置は、
少なくとも、前記利用者識別情報と、前記利用者識別情報とは別のICカードの識別情報とを対応付けて格納するための管理情報格納部と、
少なくとも、前記ICカードの識別情報と、前記提供情報に含まれる暗号化情報とを対応付けて格納するための提供情報格納部と、
前記情報提供装置の情報送信部により送信された前記提供情報を受信する情報受信部と、
前記情報受信部により受信された前記提供情報に含まれる利用者識別情報に基づいて、前記管理情報格納部から前記ICカードの識別情報を抽出するICカードの識別情報抽出部と、
前記ICカードの識別情報抽出部により抽出された前記ICカードの識別情報を、前記提供情報に含まれる前記暗号化情報に対応付けて、前記提供情報格納部に格納する提供情報格納処理部と、
前記情報復号装置から前記ICカードの識別情報をキーとする、前記暗号化情報を送信すべき旨の要求があった場合に、当該ICカードの識別情報に対応付けて前記提供情報格納部に格納された前記暗号化情報を前記情報復号装置に送信する情報送信部と
を有し、
前記情報復号装置は、
前記情報配信装置の情報送信部により送信された前記暗号化情報を受信する情報受信部と、
前記情報受信部により受信された前記暗号化情報を復号するための秘密鍵をICカードから読み出し、当該秘密鍵を利用して、前記暗号化情報を復号する情報復号部と
を有する情報提供システム。
【請求項2】
前記情報復号装置は、
前記利用者の身体的特徴を含む前記利用者の生体情報を読み取る生体情報読取部と、
前記生体情報読取部で読み取った前記生体情報から前記身体的特徴を抽出する身体的特徴抽出部と、
前記身体的特徴抽出部で抽出した身体的特徴と、前記ICカードに更に格納された前記身体的特徴が本人のものであるか否かを認証するための認証情報とを照合して、一致するか否かを判断する利用者判断部と、
をさらに有し、
前記情報復号装置の前記情報受信部は、前記利用者判断部が前記身体的特徴と前記認証情報とが一致すると判断した場合に、前記情報配信装置に対し前記暗号化情報を送信すべき旨の要求を送信する
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記秘密鍵が暗号化された秘密鍵であって、
前記情報配信装置は、前記ICカードの識別情報と、前記秘密鍵を復号するための秘密鍵暗号化鍵とを対応付けて格納し、
前記情報復号装置からの要求に応じて、前記ICカードの識別情報に対応付けられた前記秘密鍵暗号化鍵を前記情報復号装置に送信し、
前記情報復号装置は、前記秘密鍵暗号化鍵を用いて前記秘密鍵を復号する
請求項1又は2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記利用者識別情報は、少なくとも前記情報復号装置の利用者の氏名及び住所を示す情報を含む
請求項1乃至3のいずれかに記載の情報提供システム。
【請求項5】
情報を暗号化する公開鍵とその暗号化された情報を復号する秘密鍵からなり、前記暗号化情報は、前記情報配信装置で生成され、前記情報提供装置に予め送信された公開鍵で暗号化されたものである
請求項1乃至4のいずれかに記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記暗号化情報は、少なくとも個人情報に属するデータ部分が暗号化されたものである
請求項1乃至5のいずれかに記載の情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−237850(P2010−237850A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83296(P2009−83296)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】