情報読取装置及びプログラム
【課題】複数の物品の配置順どおりに読み取りを行った場合に、全体に対してどの辺りに不具合が起きているかを適切に明示できるようにする。
【解決手段】制御部1は、複数の商品の個々から商品識別情報をRFID・R/W部7によって逐次読み取ると共に、その読取タイミングを検出して、商品識別情報及び読取タイミングを読取情報メモリM4に記憶させた後、在庫情報記憶部M2の内容と読取情報メモリM4の内容との比較結果に基づいて、商品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別し、全体に対してどの辺りに不具合が起きているかを適切に明示する。
【解決手段】制御部1は、複数の商品の個々から商品識別情報をRFID・R/W部7によって逐次読み取ると共に、その読取タイミングを検出して、商品識別情報及び読取タイミングを読取情報メモリM4に記憶させた後、在庫情報記憶部M2の内容と読取情報メモリM4の内容との比較結果に基づいて、商品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別し、全体に対してどの辺りに不具合が起きているかを適切に明示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品から情報を読み取る情報読取装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複数の物品から情報を読み取る情報読取装置としては、例えば、書庫等に保管されている多数の商品の入出庫や棚卸等を管理する場合に、例えば、バーコードリーダ(ハンディターミナル)を使用し、商品に添付されているバーコードを読み取ることによって入出庫管理や棚卸管理等を行うようにしている。
ところで、従来では、無線タグが本来配置されるべき対象物から移動されている場合又は無線タグが破壊等で故障している場合に、そのことを検知するようにした技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−033259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した先行技術にあっては、無線タグの移動や無線タグの故障を検知することができたとしても、無線タグに自己の識別情報と隣接する無線タグの識別情報を対応付けて記憶しておく必要があるため、例えば、無線タグの配置順位が変更されたような場合には、それに対応することができなくなる。また、定期的に在庫棚卸作業を行った結果、トータル在庫数が一致しなかったような場合に、無線タグの移動や無線タグの故障により、全体に対してどの辺りに不具合が起きているかを特定することは困難であった。
【0005】
本発明の課題は、複数の物品の実際の配置順どおりに読み取りを行った場合に、全体に対してどの辺りに不具合が起きているかを適切に明示できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、
所定の順序で配置されている複数の物品から情報を読み取る情報読取装置であって、
前記複数の物品の個々に対応して、その物品を識別するための物品識別情報とその物品の配置状態を示す配置情報を含む物品情報を順次記憶する物品情報記憶手段と、
前記複数の物品の個々から物品識別情報を逐次読み取る読取手段と、
前記読取手段により物品識別情報が逐次読み取られる毎にその読取タイミングを検出する検出手段と、
前記読取手段により読み取られた物品識別情報と前記検出手段により検出された読取タイミングとを対応付けて読取情報として順次記憶する読取情報記憶手段と、
前記物品情報記憶手段の内容と前記読取情報記憶手段の内容との比較結果に基づいて、物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する明示手段と、
を具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項1に従属する発明として、
前記判別手段は、前記物品情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定すると共に前記読取情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定しながら物品識別情報同士を比較した結果、両者が一致し、かつ、その指定物品に対応する前記物品情報記憶手段内の配置情報と前記読取情報記憶手段内の読取タイミングとを比較した結果、その読み取りが正常なタイミングで行われている場合に、当該指定物品に対して正常な読み取りが行われたと判別する、
ようにしたことを特徴とする、請求項2記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項1あるいは請求項2に従属する発明として、
前記判別手段は、前記物品情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定すると共に前記読取情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定しながら物品識別情報同士を比較した結果、両者が一致しなかったことを条件にその指定物品の前後に配置されている各物品に対応する前記物品情報記憶手段内の配置情報と前記読取情報記憶手段内の読取タイミングとを比較し、それらの読み取りが正常なタイミングで行われている場合に、当該指定物品に対して正常な読み取りが行われなかったと判別する、
ようにしたことを特徴とする、請求項3記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項3に従属する発明として、
前記明示手段は、前記判別手段により指定物品に対して正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、当該指定物品側の不良で正常に読み取れなかったことを明示する、
ようにしたことを特徴とする、請求項4記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項1あるいは請求項2に従属する発明として、
前記判別手段は、前記物品情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定すると共に前記読取情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定しながら物品識別情報同士を比較した結果、両者が一致しなかったことを条件にその指定物品の前後に配置されている各物品に対応する前記物品情報記憶手段内の配置情報と前記読取情報記憶手段内の読取タイミングとを比較した結果、前記指定物品の前に配置されている物品に対してはその読み取りが正常なタイミングで行われているが、前記指定物品の後に配置されている物品に対してはその読み取りが正常なタイミングで行われていない場合に、当該指定物品に対して正常な読み取りが行われなかったと判別する、
ようにしたことを特徴とする、請求項5記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項5に従属する発明として、
前記明示手段は、前記判別手段により指定物品に対して正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、当該指定物品側の不足により正常に読み取れなかったことを明示する、
ようにしたことを特徴とする、請求項6記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項1〜6いずれかに従属する発明として、
前記物品情報記憶手段内の配置情報は、距離に関する情報であり、
前記読取情報記憶手段内の読取タイミングは、時間に関する情報であり、
前記判別手段は、前記指定物品に対応する前記物品情報記憶手段内の配置情報と前記読取情報記憶手段内の読取タイミングとを比較する場合に、前記時間に関する読取タイミングを距離に関する情報に換算してから比較を行う、
ようにしたことを特徴とする、請求項7記載の発明であってもよい。
【0013】
また、上述した課題を解決するために請求項8記載の発明は、
所定領域内に配置されている複数の物品から情報を読み取る情報読取装置であって、
前記複数の物品の個々から情報が逐次読み取られる毎にその読取タイミングを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された読取タイミングを読取情報として順次記憶する読取情報記憶手段と、
前記読取情報記憶手段内の各読取タイミングを順次指定しながらその指定した読取タイミングとその次の読取タイミングとの間を物品間隔として算出すると共に、前記所定領域の大きさを全体間隔として当該全体間隔に対する当該物品間隔の比率を算出する第1の算出手段と、
前記複数の物品を含む撮影画像を全体画像として取得する全体画像取得手段と、
前記全体画像取得手段により取得された全体画像を解析することにより前記所定領域の大きさを全体画像上の全体間隔として特定すると共に、その全体画像内に含まれている複数の物品を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された各物品のうち、前記指定されている読取タイミングが何個目であるかに応じてその個数に対応する物品とその次の物品との間を物品間隔として算出すると共に、前記全体画像上の全体間隔に対する当該物品間隔の比率を算出する第2の算出手段と、
前記第1及び第2の算出手段により算出された比率同士の比較結果に基づいて物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する明示手段と、
を具備したことを特徴とする。
【0014】
請求項7に従属する発明として、
前記明示手段は、前記判別手段により比率同士を比較した結果、両者が異なると判別された場合に、物品側の不良で正常に読み取れなかったことを明示する、
ようにしたことを特徴とする、請求項9記載の発明であってもよい。
【0015】
また、上述した課題を解決するために請求項10記載の発明は、
複数の物品から情報を読み取る情報読取装置であって、
前記複数の物品を含む撮影画像を全体画像として取得する全体画像取得手段と、
前記複数の物品の個々に対応して、その物品を識別するための物品識別情報とその物品画像を含む物品情報を記憶する物品情報記憶手段と、
前記複数の物品の個々から物品識別情報を逐次読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた物品識別情報を読取情報として記憶する読取情報記憶手段と、
前記読取情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定しながらその指定物品に対応する前記物品画像と前記全体画像とを比較することにより全体画像内に当該指定物品の画像が含まれているか否かを判別する第1の判別手段と、
前記第1の判別手段により指定物品の画像が含まれていないと判別された全体画像内の画像部分と前記物品情報記憶手段内の各物品画像とを比較した結果、当該画像部分がいずれかの物品画像に該当しているか否かに基づいて、物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する第2の判別手段と、
前記第2の判別手段により正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する明示手段と、
を具備したことを特徴とする。
【0016】
請求項10に従属する発明として、
前記第2の判別手段は、前記第1の判別手段により指定物品の画像が含まれていないと判別された全体画像内の画像部分と前記物品情報記憶手段内の各物品画像とを比較した結果、当該画像部分がいずれかの物品画像にも該当していれば、その物品側の不良で正常な読み取りが行われなかったと判別し、該当していなければ、その物品の不足により正常な読み取りが行われなかったと判別する、
ようにしたことを特徴とする、請求項11記載の発明であってもよい。
【0017】
請求項1、8、10のいずれかに従属する発明として、
前記明示手段は、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する場合に、物品側の不良で正常に読み取れなかったのか、物品の不足により正常な読み取りが行われなかったのかを明示する、
ようにしたことを特徴とする、請求項12記載の発明であってもよい。
【0018】
請求項1〜12のいずれかに従属する発明として、
前記物品識別情報は、物品の個々に付されたRFIDタグ内に記憶されたもので、
前記読取手段は、前記物品の個々に付されたRFIDタグから近距離無線通信により前記物品識別情報を読み取る、
ようにしたことを特徴とする、請求項13記載の発明であってもよい。
【0019】
また、上述した課題を解決するために請求項14記載の発明は、
コンピュータに対して、
所定の順序で配置されている複数の物品の個々に対応して、その物品を識別するための物品識別情報とその物品の配置状態を示す配置情報を含む物品情報を順次記憶させる機能と、
前記複数の物品の個々から物品識別情報を逐次読み取る機能と、
前記物品識別情報が逐次読み取られる毎にその読取タイミングを検出する機能と、
前記読み取られた物品識別情報と前記検出された読取タイミングとを対応付けて読取情報として順次記憶させる機能と、
前記物品情報と前記読取情報との比較結果に基づいて、物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する機能と、
前記正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する機能と、
を実現させるためのプログラム、であることを特徴とする。
【0020】
また、上述した課題を解決するために請求項15記載の発明は、
コンピュータに対して、
所定領域内に配置されている複数の物品の個々から情報が逐次読み取られる毎にその読取タイミングを検出する機能と、
前記検出された読取タイミングを読取情報として順次記憶させる機能と、
前記記憶されている各読取タイミングを順次指定しながらその指定した読取タイミングとその次の読取タイミングとの間を物品間隔として算出すると共に、前記所定領域の大きさを全体間隔として当該全体間隔に対する当該物品間隔の比率を算出する機能と、
前記複数の物品を含む撮影画像を全体画像として取得する機能と、
前記全体画像を解析することにより前記所定領域の大きさを全体画像上の全体間隔として特定すると共に、その全体画像内に含まれている複数の物品を特定する機能と、
前記特定した各物品のうち、前記指定されている読取タイミングが何個目であるかに応じてその個数に対応する物品とその次の物品との間を物品間隔として算出すると共に、前記全体画像上の全体間隔に対する当該物品間隔の比率を算出する機能と、
前記算出された比率同士の比較結果に基づいて物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する機能と、
前記正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する機能と、
を実現させるためのプログラム、であることを特徴とする。
【0021】
また、上述した課題を解決するために請求項16記載の発明は、
コンピュータに対して、
複数の物品を含む撮影画像を全体画像として取得する機能と、
前記複数の物品の個々に対応して、その物品を識別するための物品識別情報とその物品画像を含む物品情報を記憶させる機能と、
前記複数の物品の個々から物品識別情報を逐次読み取る機能と、
前記読み取られた物品識別情報を読取情報として記憶させる機能と、
前記読取情報内の各物品識別情報を順次指定しながらその指定物品に対応する前記物品画像と前記全体画像とを比較することにより全体画像内に当該指定物品の画像が含まれているか否かを判別する機能と、
前記指定物品の画像が含まれていないと判別された全体画像内の画像部分と前記各物品画像とを比較した結果、当該画像部分がいずれかの物品画像に該当しているか否かに基づいて、物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する機能と、
前記正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する機能と、
を実現させるためのプログラム、であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数の物品の実際の配置順どおりに読み取りを行った場合に、全体に対してどの辺りに不具合が起きているかを適切に明示することができ、作業性に富んだものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】情報読取装置の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】商品からタグ情報を読み取る際のスキャン作業時の操作イメージを示した図。
【図3】在庫情報記憶部M2を説明するための図。
【図4】読取情報メモリM4を説明するための図。
【図5】距離換算テーブル記憶部M3を説明するための図。
【図6】商品をスキャンしてその商品からタグ情報を読み取る場合の読取処理を示したフローチャート。
【図7】図6の動作に続くフローチャート。
【図8】第2実施形態及び第3実施形態において、商品をスキャンしてその商品からタグ情報を読み取る場合の読取処理を示したフローチャート。
【図9】第2実施形態における図8の動作に続くフローチャート。
【図10】第2実施形態を具体的に説明するための図。
【図11】第3実施形態における図8の動作に続くフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施形態1)
以下、図1〜図7を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、情報読取装置の基本的な構成要素を示したブロック図である。
情報読取装置は、ハンディタイプのデータ収集端末(例えば、ハンディターミナル)であり、書庫内の本棚に保管されている多数の物品(例えば、商品:書籍)の入出庫や棚卸等を管理する場合に、本棚に配置されている各書籍の背表紙に付加されているRFID(Radio・Frequency・Identification)タグをスキャンしてタグ情報を逐次読み取るもので、制御部1を中核として動作する構成となっている。制御部1は、電源部(例えば、二次電池等)2からの電力供給によって動作し、記憶部3内の各種のプログラムに応じてこの情報読取装置の全体動作を制御するもので、この制御部1には図示しないCPU(中央演算処理装置)やメモリ等が設けられている。
【0025】
記憶部3は、例えば、ROM、フラッシュメモリ等を有する構成で、図6〜図9に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションが格納されているプログラム記憶部M1、後述する在庫情報記憶部M2や距離換算テーブル記憶部M3を有している。RAM4は、フラグ、カウンタ、画面情報等、この情報読取装置が動作するために必要となる各種の情報を一時的に記憶するワーク領域で、後述する読取情報メモリM4や商品不足補正用メモリM5を有している。表示部5は、例えば、高精細液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、電気泳動型ディスプレイ(電子ペーパ)のいずれかを使用したもので、読取結果等を高精細に表示する。操作部6は、図示省略したが、例えば、押しボタン形式の各種のキーとして、電源キー、数字キー、各種のファンクションキー等を備えたもので、制御部1は、この操作部6からの入力操作信号に応じた処理として、例えば、棚卸管理、入出荷検品、入出庫管理等の各種の業務処理を行う。
【0026】
RFID・R/W(リーダ/ライタ)部7は、商品(書籍)の背表紙等に付加されているRFIDタグ(例えば、パッシブタグ)との間でアンテナ7aを介してデータの送受信を行うもので、RFIDタグに信号を送信したり、RFIDタグからの反射波を受信したりする。このRFID・R/W部7によってRFIDタグから読み取られたタグ情報は、制御部1に与えられる。スキャナ部8は、C−MOS、CCD撮像素子等のエリアイメージセンサを備え、各商品等に付されているコードシンボルとしてのバーコード(例えば、一次元バーコード、二次元バーコード)を読取対象として撮影して画像データに光電変換する撮像部を構成するもので、このエリアイメージセンサで光電変換されたバーコード読取信号(バーコード画像)は、増幅されてノイズ除去等の処理が行われた後に制御部1に与えられる。
【0027】
ブザー9は、読取音、アラーム音等を発生する。加速度センサ10は、例えば、3軸タイプの加速度センサで、サンプリング周期(例えば、30ms)毎に、ユーザの動きに応じた加速度(振動)の大きさとして、互いに直交する3軸方向(X・Y・Z方向)の加速度成分を検出するようにしているが、この3軸方向の加速度成分の中から垂直方向(上下方向)の加速度成分を選択して、振動波形信号として出力するようにしている。この加速度センサ10の検出結果(振動状態)に基づいて制御部1は、単位時間当たりのハンディターミナルの移動距離を計測するようにしている。撮像部11は、光学高倍率ズームを搭載した高解像度撮影が可能なデジタルカメラを構成するもので、後述する第2及び第3実施形態で使用される。
【0028】
図2は、書庫に保管されている多数の商品(書籍)の入出庫や棚卸等を管理するためにハンディターミナルを持って本棚の前を移動しながらRFID・R/W部7でタグ情報を読み取る際のスキャン作業の操作イメージを示した図である。
図示の本棚Aは、上段A−1と下段A−2を有し、この本棚Aには、多数の商品(書籍)が配置収納されている。この場合、書籍毎にその幅(厚さ)は異なっており、薄い書籍や厚い書籍が本棚A内に混在して収納されている状態を示している。
【0029】
本棚Aは、その上段A−1において、その右端部(支柱部分)と左端部(支柱部分)に、それぞれRFIDタグ20が取り付けられている。同様に、本棚Aの下段A−2において、その右端部(支柱部分)と左端部(支柱部分)にもそれぞれRFIDタグ20が取り付けられている。また、本棚Aに設置されている各書籍の背表紙側にも、RFIDタグ20が取り付けられている。なお、本棚Aの各支柱部分に取り付けられているRFIDタグ20には、棚・段・端部を識別するための情報(例えば、コードNo.)が記録されている。また、各書籍の背表紙に取り付けられているRFIDタグ20には商品識別情報(例えば、コードNo.、商品名)が記録されている。
【0030】
ここで、作業者は、ハンディターミナルを書庫の前にかざしながら移動するが、その際、図示の例では、上段の右端部からその左端部に向かって左方向に移動しながらスキャンするようにしている。また、下段においてはその左端部から右端部に向かって移動しながらスキャンするようにしている。なお、上述の方向とは逆に、上段においてその左端部からその右端部に向かって右方向に移動したり、下段においてはその右端部から左端部に向かって移動したりするようにしてもよい。更に、上段のスキャンが終了してから真っ直ぐ下に移動して下段のスキャンを連続して行うようにしてもよく、どのようにスキャンするかは任意である。
【0031】
図3は、在庫情報記憶部M2を説明するための図である。
在庫情報記憶部M2は、複数の物品(商品)の個々に対応して、その商品を識別するための商品識別情報とその商品の配置状態を示す配置情報を含む商品情報を在庫情報として順次記憶管理するもので、図示の例では、図2に示した本棚Aの上段及び下段に配置収納されている各書籍(商品)を在庫情報として記憶管理するようにしている。この在庫情報記憶部M2の内容は、本棚への商品の収納状態に合わせて入力作成されたもので、図3(1)は、本棚Aの上段A−1に対応する在庫情報記憶部M2の内容を示し、図3(2)は、本棚Aの下段A−2に対応する在庫情報記憶部M2の内容を示している。なお、在庫情報記憶部M2の内容は、本棚別の内容及びその段別の内容となっている。
【0032】
また、各在庫情報記憶部M2は、「コードNo.」、「商品名」、「幅(mm)」、…、「背表紙画像」の各項目を有し、更に「タグ間隔」、「タグ累計間隔」、「支柱内側から商品中心までの累計距離」の各項目を有する構成となっている。なお、「コードNo.」、「商品名」は、各商品や棚に付加されているRFIDタグ20から読み取ったタグ情報(商品識別情報)である。「背表紙画像」は、各商品を撮影した撮影画像(高精細画像)であり、後述する第3実施形態で使用される。「幅」は、操作部6から入力された情報であり、「タグ間隔」、「タグ累計間隔」、「支柱内側から商品中心までの累計」は、各商品の「幅」から自動生成された情報である。
【0033】
「コードNo.」は、本棚Aの各段の右端部から左端部までの間に配置されている各商品を識別するための商品コード(商品識別情報)である。なお、「コードNo.」は、本棚Aの支柱に取り付けられているRFIDタグ20から情報を読み取った場合には、本棚の段(棚段)の位置を識別するための情報を示している。すなわち、図3(1)の例では、上段A−1の右端部の「コードNo.」を“001”、その上段A−1の左端部の「コードNo.」を“002”とし、その間に配置されている各商品の「コードNo.」を“12001”、“12301”、…、“13550”とした場合を示している。同様に、図3(2)の例では、下段A−2の右端部の「コードNo.」を“003”、その下段A−2の左端部の「コードNo.」を“004”とし、その間に配置されている各商品の「コードNo.」を“15100”、…、“13870”とした場合である。
【0034】
「商品名」は、書籍名(商品名)を示す商品識別情報を示す情報である。なお、「商品名」は、本棚Aの支柱に取り付けられているRFIDタグ20から情報を読み取った場合には、本棚の段(棚段)の位置を識別するための情報を示している。すなわち、図3(1)の例では、「コードNo.」“001”に対応して“A棚−上段・右”を示し、“002”に対応して“A棚−上段・左”を示し、図3(2)の例では、「コードNo.」が“003”に対応して“A棚−下段・右”を示し、また、“004”に対応して“A棚−下段・左”を示している。「幅(mm)」、「タグ間隔」、「支柱内側から商品中心までの累計距離」は、その商品の配置状態を示す配置情報であり、「幅(mm)」は、商品の厚さ(幅)をミリメートル単位で示すほかに本棚の支柱の幅を表している。この場合、図3(1)の例において「コードNo.」が“001”に対応する「幅」は、本棚Aの右端部の支柱幅が“60”であることを示している。また、「コードNo.」“12001”の「幅」は、「商品名」が“マーケット総覧I”の幅が“46”であることを示し、…、“002”に対応する「幅」は、本棚Aの左端部の支柱幅が“60”であることを示している。
【0035】
「タグ間隔」は、隣り合うRFIDタグ20の間隔(mm)を示し、図3(1)の例では、棚段の右端部の支柱幅が“60”、最初の商品の「幅」が“46”であるから支柱幅の中心位置(“30”)から最初の商品の中心位置(“23”)までの間隔“53”が隣り合うRFIDタグ20の間隔となる。「タグ累計間隔」は、「タグ間隔」の累計値(mm)を示し、図3(1)の例では、“53”〜“544”となる。「支柱内側から商品中心までの累計距離」は、棚段の右端部の支柱内側を基準として各商品の中心までの距離(mm)を示し、図3(1)の例では、“23”〜“479”となる。「背表紙画像」は、各商品の背表紙(タイトル部分を含む)を撮影した撮影画像(高精細画像)をメモリカードからカードIF11を介して入手したもので、この項目は、後述する第3実施形態で使用する。
【0036】
図4は、読取情報メモリM4を説明するための図である。
読取情報メモリM4は、ハンディターミナルを持って書庫の前を移動しながらRFID・R/W部7でタグ情報を読み取るスキャン作業を行った場合に、逐次読み取られた情報をリアルタイムに記憶するもので、図示の例は、棚段の右端部から左端部まで移動しながら読み取り動作を行った場合の読取情報を示し、「取得コードNo.」、「取得商品名」、「読取時間」、「換算距離」の各項目を有している。「取得コードNo.」、「取得商品名」は、各商品や本棚に付加されているRFIDタグ20から読み取ったタグ情報(コードNo.、商品名)である。「読取時間」は、棚Aの右端部を基準(00時00分00秒00)として、各商品からタグ情報を読み取る毎に基準からの経過時間を示し、図示の例は、“00:00:00:26”、“00:00:00:60”、“00:00:01:08”、…、“00:00:03:60”の場合を示している。「換算距離」は、「読取時間」の値が距離に換算されたもので、その換算には距離換算テーブル記憶部M3が使用される。
【0037】
図5は、距離換算テーブル記憶部M3を説明するための図である。
距離換算テーブル記憶部M3は、タグ情報を読み取るスキャン作業中に、加速度センサ10の検出結果(振動状態)に基づいて実測された単位時間当たりのハンディターミナルの移動距離を記憶するもので、図示の例は、棚段の右端部から左端部まで移動しながら計測した場合の計測結果を示し、「単位時間」、「累計距離(mm)」、「間隔」の各項目を有している。「単位時間」は、0.1秒を示し、図示の例では、本棚Aの右端部を基準(00時00分00秒00)として、“00:00:00:10”、“00:00:00:20”、“00:00:00:30”、…、“00:00:04:00”となる。
【0038】
「累計距離(mm)」は、本棚Aの右端部を基準(0mm)とした単位時間当たりの移動距離である。「間隔」は、隣り合う「累計距離」同士の差である。このような距離換算テーブル記憶部M3を参照することにより、図4に示すように、読取情報メモリM4の「読取時間」は、「換算距離」に変換される。その結果、図示のように「読取時間」の“00:00:00:2”は、「換算距離」の“52.8“となり、「読取時間」の“00:00:00:60”、“00:00:01:08”、“00:00:01:24”、“00:00:01:37”、…は、「換算距離」の“92”、“130”、“158.8”、“174.4”、…となる。
【0039】
このようにしてタグ情報を読み取るスキャン作業により読取情報メモリM4の内容が作成されると、制御部1は、在庫情報記憶部M2の内容と読取情報メモリM4の内容とを比較し、その比較結果に基づいて商品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別し、正常な読み取りが行われない場合(読取不良の可能性が高い場合)には、棚段に配置されている複数の商品全体に対する当該不良箇所を明示するために所定のメッセージを表示させる。例えば、スキャン作業を行った棚段の右側の支柱内側から何cm辺りを確認すべき旨のメッセージを表示させる。
【0040】
図4の“読取不良?−a”は、「取得コードNo.」が“13420”と“13440”の間で読取不良の可能性があると判断した場合である。この場合、在庫情報記憶部M2において「コードNo.」が“13420”と“13440”の間には、“13430”の商品が存在し、この“13430”の商品に対してその前後に配置されている“13420”の商品と“13440”の商品の「読取時間」は、正常な時間であるか、言い換えれば、その商品の前後に配置されている各商品共に正常な時間に読み取られた商品であるかを判別し、前後共に正常な時間に読み取られた商品である場合には、この“13430”の商品に対して正常な読み取りが行われず、読取不良の可能性が高いと判断する。すなわち、“13430”の商品のRFIDタグ20が故障している可能性が高いと判断する。この場合、RFIDタグ20が故障している旨のメッセージを表示させるようにしている。
【0041】
図4の“読取不良?−b”は、「取得コードNo.」が“13510”と“13530”の間で読取不良の可能性があると判断した場合である。この場合、在庫情報記憶部M2において「コードNo.」が“13510”と“13530”の間には、“13520”の商品が存在し、この“13520”の商品の前に配置されている“13510”の商品については、正常な時間に読み取ることができたが、“13520”の商品の後に配置されている“13530”の商品については、正常な時間に読み取ることができなかった場合には、“13520”の商品が抜き去られて後ろの商品を順次間を詰めた状態(“13520”の商品が不足している状態)の可能性が高いと判断する。この場合、商品が不足している旨のメッセージを表示させるようにしている。なお、商品不足補正用メモリM5は、商品が抜き去られて後ろの商品を順次間を詰めた状態にあるときに、抜き去られた商品の「幅」を、支柱内側から何cm辺りを求める際の補正用のデータとして記憶するメモリである。図4の“読取不良?−c”は、棚段の末尾の商品を正常に読み取った後で、上述のように商品を順次間を詰めた分だけ広く空いている場合なので、特に問題なしと判断した場合である。
【0042】
次に、第1実施形態におけるハンディターミナルの動作概念を図6及び図7に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードに従った動作が逐次実行される。また、ネットワーク等の伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは、後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0043】
図6及び図7は、本棚Aの前を移動しながら商品(書籍)をスキャンしてその商品からタグ情報を読み取る場合の読取処理を示したフローチャートである。なお、図6及び図7は、棚段の一端部からその他端部に向かってスキャンする場合を例示したフローチャートである。
先ず、制御部1は、RFID・R/W部7を起動させた後に、スキャンの開始タイミングを検出したか、つまり、棚段の一端部(例えば、本棚Aの上段A−1の右端部)の支柱に取り付けられているRFIDタグ20からタグ情報(棚・段・端部の識別情報)を読み取ったかを調べながら待機状態となる(ステップA1)。ここで、スキャンの開始タイミングを検出したときには(ステップA1でYES)、距離換算テーブル記憶部M3及び読取情報メモリM4の内容を作成する処理に移る(ステップA2〜A8)。
【0044】
先ず、時間カウンタ(図示省略)の内容をリセットしてその計測動作を開始させた後(ステップA2)、距離換算テーブルを作成する処理を開始する(ステップA3)。すなわち、この時間カウンタが単位時間を計測する毎に、加速度センサ10からの計測結果に基づいて単位時間当たりの移動距離を求め、これを距離換算テーブル記憶部M3の「単位時間」、「累計距離」の項目に書き込むことにより換算テーブルを作成する処理を開始する。この換算テーブル作成処理に並行して制御部1は、RFID・R/W部7により次のタグ情報が読み取られたかを調べる(ステップA4)。
【0045】
いま、棚段の右端部からタグ情報を読み取った場合であるから棚段の右側に設置されている最初の商品からタグ情報を読み取ったかを調べる。ここで、次のタグ情報を読み取ったときには(ステップA4でYES)、読み取ったタグ情報からコードNo.及び商品名を取得して読取情報メモリM4に「取得コードNo.」、「取得商品名」として記憶させた後(ステップA5)、その読み取り時の時間カウンタの計測値を取得して読取情報メモリM4に「読取時間」として記憶させる(ステップA6)。
【0046】
そして、スキャンの終了タイミングを検出したか、つまり、棚段の他端部(例えば、本棚Aの下段A−2の左端部)の支柱に取り付けられているRFIDタグ20からタグ情報を読み取ったかを調べながら待機状態となる(ステップA7)。いま、スキャンの終了タイミングを検出しなければ(ステップA7でNO)、上述のステップA4に戻り、次のタグ情報を読み取るまで待機状態となる。ここで、次のタグ情報を読み取ると(ステップA4でYES)、上述の場合と同様に、読取情報メモリM4に「取得コードNo.」、「取得商品名」、「読取時間」を追加記憶させる(ステップA5、A6)。以下、スキャンの終了タイミングを検出するまで(ステップA7でNO)、以下、上述の動作を繰り返す結果、タグ情報を読み取る毎に読取情報メモリM4に「取得コードNo.」、「取得商品名」、「読取時間」を追加記憶させる。ここで、スキャンの終了タイミングを検出したときには(ステップA7でYES)、上述の時間カウンタの計測動作を停止させる(ステップA8)。
【0047】
その後、図7のステップA9に移り、在庫情報記憶部M2をアクセスし、今回スキャン作業が行われた該当する棚・段の在庫情報をその先頭から順に取得した後、この取得情報は、本棚の支柱に関する情報であるか、つまり、棚段の一端部の支柱に関する情報であるかを調べたり(ステップA10)、その棚段の他端部の支柱に関する情報であるかを調べたりする(ステップA11)。
【0048】
いま、棚段の一端部の支柱に関する情報を取得した場合には(ステップA10でYES)、その情報を無視するためにステップA9に戻り、在庫情報記憶部M2から次の情報を読み出し取得する。その結果、次の情報として商品の在庫情報(コードNo.、商品名)を読み出し取得すると(ステップA10、A11でNO)、読取情報メモリM4をアクセスし、先頭商品から順に指定してその指定商品の読取情報(取得コードNo.、取得商品名)を取得して(ステップA12)、在庫情報記憶部M2から取得した在庫情報に合致するかを調べる(ステップA13)。
【0049】
ここで、在庫情報と読取情報とが一致する同一の商品であれば(ステップA13でYES)、読取情報メモリM4からその指定商品の「読取時間」を取得すると共に、在庫情報記憶部M2からその商品の「タグ間隔累計」を取得した後(ステップA14)、距離換算テーブル記憶部M3を参照して、この「読取時間」を距離に換算し(ステップA15)、この換算距離と「タグ間隔累計」とを比較することにより(ステップA16)、その誤差は、許容範囲内であるか、つまり、商品に対して正常な時間内に読み取りが行われたかを調べる(ステップA17)。
【0050】
例えば、図4に示すように「取得コードNo.」が“12001”の商品の「読取時間」は、“00:00:00:26”であるから換算距離として“52.8”が求められる。この場合、図3に示すようにその商品の「タグ間隔累計」は、“53”であるため、その誤差は“0.2(絶対値)”となる。ここで、在庫情報記憶部M2において、同一の棚・段の「幅」のうち、最小の「幅」の1/2未満(整数値)を誤差の許容範囲とすると、例えば、図3の例では最小の「幅」は“10”であるから、例えば、“4mm”以下を誤差の許容範囲内とすると、今回の誤差“0.2”は、許容範囲内となる。
【0051】
なお、この誤差の許容範囲は、最小の「幅」の1/2未満(整数値)であれば、計算3mm以下等であってもよく、また、固定値であってもよい。ここで、許容範囲を超える誤差であれば(ステップA17でNO)、後述するステップA19に移るが、許容範囲内の誤差であれば(ステップA17でYES)、指定商品に対して正常な時間内に読み取りが行われた場合であるから、この換算距離“52.8”をその指定商品に対応する読取情報メモリM4内の「換算距離」に記憶させる(ステップA18)。このようにして1商品分の処理が終わると、上述のステップA9に移り、在庫情報記憶部M2から次の情報を取得しながら、以下、上述の動作を繰り返す。
【0052】
また、在庫情報と読取情報とを比較した結果、異なる商品であれば(ステップA13でNO)、この指定商品の前後に配置されている各商品に対応する「読取時間」を読取情報メモリM4から取得すると共に、在庫情報記憶部M2からその前後の商品の各「タグ間隔累計」を取得する(ステップA19)。そして、距離換算テーブル記憶部M3を参照して、この前後の商品の各「読取時間」を距離に換算し(ステップA20)、この前後の商品毎にその換算距離とその「タグ間隔累計」とを比較することにより(ステップA21)、その前後共に誤差は、許容範囲内であるか、つまり、前後の商品に対して正常な時間内に読み取りが行われたかを調べる(ステップA22)。ここで、前後のいずれかでも許容範囲内の誤差ではなければ、つまり、前後の商品に対して正常な時間内に読み取りが行われなければ(ステップA22でNO)、この指定商品の前後において、前の商品については正常な時間内に読み取りが行われ、後の商品については正常な時間内での読み取りが行われなかったかを調べる(ステップA23)。
【0053】
いま、指定商品の前後において、前の商品については許容範囲内の誤差で正常な時間内に読み取られたが、後の商品については許容範囲外の誤差で正常な時間内に読み取られなかったときには(ステップA23でYES)、上述した図4の“読取不良?−b”に相当する場合であり、この指定商品が抜き去られて後ろの商品を順次間を詰めた状態(指定商品が不足している状態)の可能性が高いと判断し、以下、メッセージ生成処理に移る(ステップA24〜A27)。先ず、在庫情報記憶部M2から指定商品に対応する「支柱内側から商品中心までの累計距離」を読み出すと共に(ステップA24)、商品不足補正用メモリM5に補正データが記憶されているかを調べる(ステップA25)。
【0054】
この商品不足補正用メモリM5は、上述したように商品が抜き去られて後ろの商品を順次間を詰めた状態にあるときに、抜き去られた商品の「幅」を、棚段の支柱内側から何cm辺りを求める際の補正用のデータとして記憶するもので、商品不足補正用メモリM5に補正データが記憶されていれば(ステップA25でYES)、「支柱内側から商品中心までの累計距離」から補正データ(抜き去られた商品の「幅」)を減算する処理を行う(ステップA26)。そして、所定のメッセージを生成して表示メモリ(図示省略)に書き込む(ステップA27)。この場合のメッセージは、“商品不足の可能性がありますので、支柱内側から○○cm辺りを確認して下さい”となる。なお、“○○”は、「支柱内側から商品中心までの累計距離」から補正データを減算した値が代入される。
【0055】
また、指定商品の前後において、前後の商品共にその誤差は、許容範囲内であれば(ステップA22でYES)、前後の商品については正常な時間内に読み取られた場合であり、上述した図4の“読取不良?−a”に相当する場合であり、指定商品に付加されているRFIDタグ20が故障している可能性が高いと判断する。この場合においても、上述のステップA24〜A27と基本的には同様のメッセージ生成処理に移る(ステップA28)。すなわち、在庫情報記憶部M2から指定商品に対応する「支柱内側から商品中心までの累計距離」を読み出すと共に、商品不足補正用メモリM5に補正データが記憶されているかを調べ、補正データが記憶されていれば、「支柱内側から商品中心までの累計距離」から補正データ(抜き去られた商品の「幅」)を減算する。そして、所定のメッセージを生成して表示メモリ(図示省略)に書き込む。この場合のメッセージは、例えば、“タグが故障している可能性がありますので、支柱内側から○○cm辺りを確認して下さい”となる。なお、“○○”は、「支柱内側から商品中心までの累計距離」から補正データを減算した値が代入される。
【0056】
なお、指定商品の前後において、前後の商品共に正常な時間内に読み取られなかった場合又は後の商品だけ正常な時間内に読み取られた場合には(ステップA23でNO)、その他の原因による読取不良として判断し、以下、上述のステップA24〜A27と基本的には同様のメッセージ生成処理(ステップA29)に移る。この場合のメッセージは、例えば、“支柱内側から○○cm辺りを確認して下さい”となる。なお、“○○”は、「支柱内側から商品中心までの累計距離」から補正データを減算した値が代入される。
【0057】
そして、上述のメッセージ生成処理(ステップA24〜A27、A28、A29)が終わると、上述のステップA9に戻る。このような動作を1商品毎に繰り返した結果、棚段の他端部の支柱に関する情報を取得した場合には(ステップA11でYES)、上述の表示メモリに記憶されている各種のメッセージを順次切り替え表示させた後(ステップ30)、図6及び図7のフローから抜ける。
【0058】
以上のように、第1実施形態において制御部1は、複数の商品の個々から商品識別情報をRFID・R/W部7によって逐次読み取ると共に、その読取タイミングを検出して、商品識別情報及び読取タイミングを読取情報メモリM4に記憶させた後、在庫情報記憶部M2の内容と読取情報メモリM4の内容とを比較した結果、正常な読み取りが行われなかった場合に、複数の商品全体に対する当該箇所を明示するようにしたので、複数の商品の配置順どおりに読み取りを行った場合に、全体に対してどの辺りに不具合が起きているかを適切に明示することができ、読み取り時の不具合に対して迅速に対応することが可能となると共に、商品の配置変更に対しても在庫情報記憶部M2の内容(商品識別情報)を並び変えるだけで柔軟に対応することが可能となり、作業性、実用性に富んだものとなる。
【0059】
在庫情報記憶部M2内の各商品識別情報を順次指定すると共に読取情報メモリM4内の各商品識別情報を順次指定しながら商品識別情報同士を比較した結果、両者が一致し、かつ、その指定商品に対する読み取りが正常なタイミングで行われている場合に、当該指定商品に対して正常な読み取りが行われたと判別するようにしたので、所定の順序で配置されている複数の商品に対して逐次読み取ることができたかを適切に判断することができる。
【0060】
在庫情報記憶部M2内の各商品識別情報を順次指定すると共に読取情報メモリM4内の各商品識別情報を順次指定しながら商品識別情報同士を比較した結果、両者が一致しなかった場合には、その指定商品の前後に配置されている各商品に対応する読み取りが正常なタイミングで行われている場合には、当該指定商品に対して正常な読み取りが行われていないと判別するようにしたので、指定商品側が故障している可能性が高いと判断することができる。
【0061】
このように指定商品に付されているRFIDタグ20が故障している可能性が高いと判断した場合には、指定商品側の不良が原因で正常に読み取れなかったことをメッセージ表示するようにしたから、その対応が明確となる。
【0062】
在庫情報記憶部M2内の各商品識別情報を順次指定すると共に読取情報メモリM4内の各商品識別情報を順次指定しながら商品識別情報同士を比較した結果、両者が一致しなかった場合に、その指定商品の前に配置されている商品に対応する読み取りが正常なタイミングで行われているが、指定商品の後に配置されている商品に対してはその読み取りが正常なタイミングで行われていない場合には、当該指定商品に対して正常な読み取りが行われなかったと判別するようにしたので、指定商品が抜き去られて後ろの商品を順次間を詰めた状態(指定商品が不足している状態)の可能性が高いと判断することができる。
【0063】
指定商品が抜き去られて後ろの商品を順次間を詰めた状態(指定商品が不足している状態)を明示するようにしたので、作業者にあっては商品不足箇所を直ちに見つけ出すことができる。
【0064】
在庫情報記憶部M2の「タグ間隔累計」は、距離に関する情報であるため、読取情報メモリM4の「読取時間」を、距離換算テーブル記憶部M3を参照して距離に換算するようにしたから、スキャン時に「読取時間」を計測したとしても読み取りが正常なタイミングで行われたか否かを判別することができる。
【0065】
商品側のRFIDタグ20の不良で正常に読み取れなかったのか、商品の不足により正常な読み取りが行われなかったのかを明示するようにしたので、商品側の不良と商品の不足とを区別することができる。
【0066】
なお、上述した第1実施形態においては、指定商品の前後に配置されている各商品に対応する読み取りが正常なタイミングで行われている場合には、当該指定商品に対して正常な読み取りが行われていない場合には、指定商品に付されているRFIDタグ20が故障している可能性が高いと判断するようにしたが、RFIDタグ20が故障している場合に限らず、指定商品が抜き去られて空いたままの状態(指定商品が不足している状態)となっている場合も考えられるので、タグの故障又は商品の不足の可能性をメッセージ表示するようにしてもよい。
【0067】
(実施形態2)
以下、この発明の第2実施形態について図8〜図10を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、在庫情報記憶部M2の内容と読取情報メモリM4の内容との比較結果に基づいて、商品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別するようにしたが、この第2実施形態においては、複数の商品を含む撮影画像を全体画像として取得しておき、この全体画像を解析してその中に含まれている複数の商品の位置を特定した全体画像を解析内容と、読取情報メモリM4の内容とを比較することにより商品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別するようにしたものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0068】
ここで、第2実施形態の概要を簡単に説明しておくと、この第2実施形態では、読取情報メモリM4内における先頭の「読取時間」と末尾の「読取時間」との間を全体間隔とする。つまり、棚段の左右の支柱間を複数の商品が配置される配置領域の大きさ(全体間隔)とする。そして、この読取情報メモリM4内の各「読取時間」を順次指定しながらその指定した「読取時間」とその次の「読取時間」との間を商品間隔として算出すると共に、上述の全体間隔に対する当該商品間隔の比率を算出する。この場合、在庫情報記憶部M2内の「タグ間隔」に基づいて商品間隔、全体間隔を算出するようにしてもよく、また、距離換算テーブル記憶部M3を参照して「読取時間」を距離に換算してもよいが、この第2実施形態においては、「読取時間」を使用して比率を算出するようにしている。
【0069】
また、撮像部11により複数の商品(例えば、棚段1列全体)を高解像度撮影した撮影画像を全体画像として取得し、この全体画像を解析することにより、棚段の左右の支柱間を複数の商品が配置される配置領域の大きさ(全体間隔)として特定すると共に、その全体画像内に含まれている複数の商品の位置を特定し、特定した各商品の位置のうち、何個目の「読取時間」が指定されているかに応じてその個数に対応する商品の位置とその次の商品との間を商品間隔として算出すると共に、全体画像上の全体間隔に対する当該商品間隔の比率を算出する。この場合、全体画像をマトリックス状に細分化し、その升目の数を計数して、全体間隔、商品間隔として算出してもよいが、この第2実施形態においては、サイズを計測して比率を算出するようにしている。そして、上述のようにして算出した比率同士の比較結果に基づいて商品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別するようにしている。
【0070】
図8及び図9は、第2実施形態において、本棚の前を移動しながら商品(書籍)をスキャンしてその商品からタグ情報を読み取る場合の読取処理を示したフローチャートである。この場合においても、第1実施形態と同様に、図8及び図9は、棚段の一端部から他端部に向かってスキャンする場合を例示したフローチャートである。
先ず、制御部1は、スキャン開始タイミングを検出したか、つまり、棚段の一端部の支柱に取り付けられているRFIDタグ20からタグ情報を読み取ったかを調べながら待機状態となる(ステップB1)。ここで、スキャンの開始タイミングを検出したときには(ステップB1でYES)、読取情報メモリM4の内容を作成する処理に移る(ステップB2〜B5)。
【0071】
すなわち、時間カウンタ(図示省略)の内容をリセットしてその計測動作を開始させた後(ステップB2)、次のタグ情報を読み取ったかを調べ(ステップB3)、次のタグ情報を読み取ったときには(ステップB3でYES)、読み取ったタグ情報からコードNo.及び商品名を取得して読取情報メモリM4に「取得コードNo.」、「取得商品名」として記憶させた後(ステップB4)、その読み取り時の時間カウンタの計測値を取得して読取情報メモリM4に「読取時間」として記憶させる(ステップB5)。
【0072】
そして、スキャンの終了タイミングを検出したか、つまり、棚段の他端部の支柱に取り付けられているRFIDタグ20からタグ情報を読み取ったかを調べながら待機状態となる(ステップB6)。いま、スキャンの終了タイミングを検出しなければ(ステップB6でNO)、上述のステップB3に戻り、次のタグ情報を読み取るまで待機状態となる。ここで、次のタグ情報を読み取ると(ステップB3でYES)、上述の場合と同様に、読取情報メモリM4に「取得コードNo.」、「取得商品名」、「読取時間」を追加記憶させる(ステップB4、B5)。以下、スキャンの終了タイミングを検出するまで(ステップB6でNO)、以下、上述の動作を繰り返す結果、タグ情報を読み取る毎に読取情報メモリM4に「取得コードNo.」、「取得商品名」、「読取時間」を追加記憶させる。
【0073】
ここで、スキャンの終了タイミングを検出したときには(ステップB6でYES)、撮像部11を起動させ、複数の商品(例えば、棚段1列全体)を高解像度撮影した撮影画像を全体画像として取得してRAM4に一時記憶しておく(ステップB7)。この場合、スキャン終了時に全体撮影を行うべきことをメッセージ表示等で案内するようにしてもよい。次に、図9のステップB8に移り、読取情報メモリM4内における先頭の「読取時間」と末尾の「読取時間」との間を全体間隔として算出する。なお、図4の例では、先頭の「読取時間」は、“00:00:00:00”、また末尾の商品の「読取時間」は、“00:00:03:60”であるから全体間隔は、“3秒60”となる。次に、RAM4から全体画像を読み出して解析することによりその全体画像内に含まれている棚段の左右の支柱間を全体画像上の全体間隔として特定すると共に(ステップB9)、その全体画像内に含まれている複数の商品の位置を特定する(ステップB10)。
【0074】
そして、読取情報メモリM4の先頭から「読取時間」を取得し(ステップB11)、取得した「読取時間」は、棚段の支柱に関する情報であるか、つまり、棚段の一端部の支柱に関する「読取時間」であるかを調べたり(ステップB12)、棚段の他端部の支柱に関する「読取時間」であるかを調べたりする(ステップB13)。いま、棚段の一端部の支柱に関する「読取時間」を取得した場合には(ステップB12でYES)、指定商品数カウンタ(図示省略)をリセットしてその値を“0”にする(ステップB14)。
【0075】
次に、取得した「読取時間」とその次の「読取時間」との間を商品間隔として算出した後(ステップB15)、上述の全体間隔に対する商品間隔の比率を算出する(ステップB16)。次に、上述のようにして全体画像を解析することにより特定された各商品の位置のうち、何個目の「読取時間」が指定されているかに応じてその個数に対応する商品の位置とその次の商品との間を商品間隔として算出する(ステップB17)。いま、商品数カウンタの値は、“0”なので、0個目と1個目の間が全体画像上の商品間隔として算出される。そして、上述の全体画像上の全体間隔に対する商品間隔の比率を算出する(ステップB18)。
【0076】
このようにして上述のステップB16で算出した比率と上述のステップB18で算出した比率とを比較して、両者は略同じ値かを調べる(ステップB19)。例えば、図10において、図中、上側が全体画像、下側が読取情報に対応するものとすると、商品数カウンタの値が“0”の場合には、棚段の右端部の支柱中心から最初の商品X1の中心との間が商品間隔となる。この場合、棚段の右端部の支柱中心(読取スタート)から左端部の支柱中心(読取エンド)までの間を読取情報の全体間隔“AL”とし、棚段の右端部の支柱中心から最初の商品X1の中心との商品間隔を“AL1”とすると、その比率は“AL1/AL”となる。
【0077】
また、全体画像上における棚段の右端部の支柱中心から左端部の支柱中心までの間を全体画像上の全体間隔“BL”とし、棚段の右端部の支柱中心から最初の商品X1の中心との商品間隔を“BL1”とすると、その比率は“BL1/BL”となる。この場合、“AL1/AL≒BL1/BL”となる結果(ステップB19でYES)、正常な読み取りが行われたものと判断して、指定商品数カウンタに“1”を加算してその値を更新した後(ステップB20)、上述のステップB11に戻り、次の「読取時間」を指定する。この場合、読取情報メモリM4から商品の「読取時間」を取得したときには(ステップB12、B13でNO)、上述のステップB15に移って商品間隔を算出し、以下、上述の動作を繰り返す。
【0078】
いま、指定商品数カウンタの値は、“1”に更新されているため、図10においては、読取情報の商品間隔は、商品X1の中心から次の商品X3の中心の間の“AL3”となるが、全体画像上の商品間隔は、商品X1の中心から次の商品X2の中心の間の“BL2”となる。この場合、両方の比率“AL3/ALとBL2/BL”は、大きく相違するため(ステップB19でNO)、正常な読み取りが行われなかったものと判断する(商品X2のRFIDタグ20が故障している可能性が高いと判断する)。この場合、ステップB21に移り、指定商品数カウンタの計数値を読み出した後、所定のメッセージを生成して表示メモリ(図示省略)に書き込む(ステップB22)。この場合のメッセージは、“○○個目辺りの商品のRFIDタグ20が故障している可能性があります”となり、○○には、指定商品数カウンタの計数値が代入される。
【0079】
そして、指定商品数カウンタに“1”を加算してその値を更新した後(ステップB23)、上述のステップB11に戻り、次の「読取時間」を指定しながら以下、上述の動作を繰り返す。ここで、棚段の他端部の支柱に関する「読取時間」を取得したときには(ステップB13でYES)、上述の表示メモリに記憶されているメッセージを表示させた後(ステップB24)、図8及び図9のフローから抜ける。
【0080】
以上のように、第2実施形態において制御部1は、複数の商品を含む撮影画像を全体画像として取得しておき、この全体画像を解析してその中に含まれている複数の商品を特定した全体画像の解析結果と、読取情報メモリM4の内容とを比較した結果、正常な読み取りが行われなかった場合に、複数の商品全体に対する当該箇所を明示するようにしたので、複数の商品の実際の配置順どおりに正常な読み取りが行われたか否かを適切に明示することができ、読み取り時の不具合に対して迅速に対応することが可能となると共に、実際の商品の配置変更に対しても全体画像を撮影し直すだけで柔軟に対応することが可能となり、実用性に富んだものとなる。
【0081】
比率同士を比較した結果、両者が異なると判別された場合に、商品側の不良で正常に読み取れなかったことを明示するようにしたので、作業者にあっては商品側のRFIDタグ20が故障していることを知ることができる。
【0082】
商品側のRFIDタグ20の不良で正常に読み取れなかったのか、商品の不足により正常な読み取りが行われなかったのかを明示するようにしたので、商品側の不良と商品の不足とを区別することができる。
【0083】
(実施形態3)
以下、この発明の第3実施形態について図8及び図11を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、在庫情報記憶部M2の内容と読取情報メモリM4の内容との比較結果に基づいて、商品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別するようにしたが、この第3実施形態においては、複数の商品を含む撮影画像を全体画像とその商品の個々を撮影した商品画像(背表紙画像)を使用し、読取情報メモリM4の内容に基づいて全体画像と背表紙画像とを順次比較することにより商品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別するようにしたものである。ここで、第1・第3実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第3実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0084】
ここで、第3実施形態の概要を簡単に説明しておくと、この第3実施形態では、撮像部11により複数の商品(例えば、棚段1列全体)を高解像度撮影した撮影画像を全体画像として取得し、その全体画像を解析することによりその全体画像内に含まれている複数の商品の位置を特定する。そして、読取情報メモリM4の先頭から「コードNo.」を指定し、その指定「コードNo.」に対応する背表紙画像を在庫情報記憶部M2から取得した後、全体画像と背表紙画像とを比較しながら商品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別するようにしている。
【0085】
図8及び図11は、第3実施形態において、棚段の前を移動しながら商品(書籍)をスキャンしてその商品からタグ情報を読み取る場合の読取処理を示したフローチャートである。この場合においても、第1実施形態と同様に、図8及び図11は、棚段の一端部から他端部に向かってスキャンする場合を例示したフローチャートである。なお、図11は、図9に代わって実行される第3実施形態特有のフローチャートである。
先ず、制御部1は、第2実施形態と同様に、読取情報メモリM4の内容を作成する処理を行い、タグ情報を読み取る毎に、読取情報メモリM4に「取得コードNo.」、「取得商品名」、「読取時間」を順次追加記憶させる(図8のステップB1〜B6)。ここで、スキャンの終了タイミングを検出したときには(ステップB6でYES)、撮像部11を起動させ、複数の商品(例えば、棚段1列全体)を高解像度撮影した撮影画像を全体画像として取得してRAM4に一時記憶しておく(ステップB7)。
【0086】
次に、図11のステップC1に移り、RAM4から全体画像を読み出して解析することによりその全体画像内に含まれている複数の商品の位置を特定する。そして、読取情報メモリM4の先頭から「コードNo.」を取得し(ステップC2)、取得した「コードNo.」は、棚段の支柱に関する情報であるか、つまり、棚段の一端部の支柱に関する「コードNo.」であるかを調べたり(ステップC3)、棚段の他端部の支柱に関する「コードNo.」であるかを調べたりする(ステップC4)。いま、棚段の一端部の支柱に関する「コードNo.」を取得した場合には(ステップC3でYES)、在庫情報記憶部M2から支柱の「幅」を取得すると共に、全体画像を解析することによりその支柱部分を認識してその支柱の幅を測定して、それら支柱幅同士の比率換算値を後述する画像パターンマッチング時の補正用倍率として算出して一時記憶したのち(ステップC5)、上述のステップC2に戻り、次の「コードNo.」を取得する。その結果、棚段の支柱に関する「コードNo.」でなければ(ステップC3、C4でNO)、ステップC6に移り、その指定「コードNo.」に対応する背表紙画像を在庫情報記憶部M2から取得する。
【0087】
そして、取得した指定商品の背表紙画像と全体画像とを比較することにより全体画像内に指定商品の背表紙画像が含まれているか否かを判別する(ステップC7)。その結果、指定商品の背表紙画像が含まれていれば(ステップC7でYES)、全体画像上に正常な読み取りであることを識別するためにその部分を囲む枠(在庫有り枠)を重ね表示用の情報として付加させると共に、当該指定「コードNo.」に対応して在庫情報記憶部M2内に「在庫有りフラグ(図示省略)」を付加記憶させる(ステップC8)。
【0088】
また、全体画像内に当該指定商品の背表紙画像が含まれていなければ(ステップC7でNO)、スキャン作業後に当該商品が抜き去られた場合であると判断してその旨を示す所定のメッセージを生成して表示メモリ(図示省略)に書き込んだ後(ステップC9)、上述のステップC2に戻り、次の「コードNo.」を取得しながら以下、上述の動作を繰り返す。ここで、棚段の他端部の支柱に関する「コードNo.」を取得したときには(ステップC4でYES)、在庫情報記憶部M2を参照して、上述の「在庫有りフラグ」が付加されていない「コードNo.」を指定し、この指定「コードNo.」に対応する「背表紙画像」を読み出し(ステップC10)、この全体画像を解析しながら「背表紙画像」が全体画像内に含まれているかを調べる(ステップC11)。
【0089】
この場合、全体画像内の各商品の位置のうち、上述の在庫有り枠が付加されていない各位置の画像部分と「背表紙画像」とを順次比較する画像パターンマッチングを行うが、その際、比較対象の各画像を上述のステップC5で算出した補正用倍率に応じて整合させた後、画像パターンマッチングを行う。その結果、「背表紙画像」に該当する画像部分が全体画像内に含まれていれば(ステップC11でYES)、その「背表紙画像」の商品に付加されているRFIDタグ20が故障している可能性が高いと判断し、その「コードNo.」及び「商品名」を読み出して所定のメッセージを生成して上述の在庫有り表示等と共に表示させる(ステップC12)。この場合のメッセージは、“○○個目辺りの商品のRFIDタグ20が故障している可能性があります”となる。なお、○○は、在庫情報記憶部M2内において、その「コードNo.」の記憶順位に応じた値が代入される。
【0090】
また、「背表紙画像」が全体画像内に含まれていなければ(ステップC11でNO)、その「背表紙画像」の商品が不足している可能性が高いと判断し、その「コードNo.」及び「商品名」を読み出して、所定のメッセージを生成して上述の在庫有り表示等と共に表示させる(ステップC13)。この場合のメッセージは、“○○個目辺りの商品が不足している可能性があります”となる。なお、○○は、在庫情報記憶部M2内において、その「コードNo.」の記憶順位に応じた値が代入される。その後、図8及び図11のフローから抜ける。
【0091】
以上のように、第3実施形態において制御部1は、複数の商品を含む撮影画像を全体画像とその商品の個々を撮影した背表紙画像を使用し、読取情報メモリM4の内容に基づいて全体画像と背表紙画像とを順次比較することにより商品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別し、正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、複数の商品全体に対する当該箇所を明示するようにしたので、複数の商品の実際の配置順どおりに正常な読み取りが行われたか否かを適切に明示することができ、読み取り時の不具合に対して迅速に対応することが可能となると共に、実際の商品の配置変更に対しても全体画像を撮影し直すだけで柔軟に対応することが可能となり、実用性に富んだものとなる。
【0092】
商品側の不良で正常に読み取れなかったのか、商品の不足により正常な読み取りが行われなかったのかを明示するようにしたので、商品側の不良と商品の不足とを区別することができる。
【0093】
なお、上述した各実施形態においては、在庫情報記憶部M2の「タグ間隔累計」を距離としたが、時間であってもよく、また、読取情報メモリM4の「読取時間」に代えて「読み取り距離」としてもよい。
また、上述した各実施形態においては、全体に対してどの辺りに不具合が起きているかを適切に明示する場合に、メッセージを表示するようにしたが、その明示の仕方は任意であり、例えば、音声メッセージを出力したり、メッセージを印刷したり、メッセージを他の装置に送信したりしてもよく、また、メッセージの出力に限らない。つまり、正常な読み取りが行われなかった商品であることを明示するために、その商品に対応付けて読取不良を示す情報を付加すればよい。
【0094】
上述した実施形態においては、読取対象として、RFIDタグ20を読み取るようにしたが、例えば、一次元バーコード、二次元バーコード、OCR文字を読取対象としてもよい。この場合、RFIDタグ、二次元バーコードを読取対象とする場合には、「コードNo.」、「商品名」を取得して読取情報メモリM4に記憶し、一次元バーコード、OCR文字を読取対象とする場合には、「コードNo.」のみを取得して読取情報メモリM4に記憶するようにすればよい。
【0095】
上述した各実施形態においては、物品として商品(書籍)を例示したが、読取対象は、書籍に限らず任意であり、また、商品に限らず、任意である。
また、上述した各実施形態においても、情報読取装置としてハンディターミナルに適用した場合を示したが、ハンディタイプのデータ収集端末に限らず、固定式(定置式)のデータ収集端末であってもよい。
【0096】
また、上述した各実施形態の情報読取装置は、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 制御部
3 記憶部
5 表示部
6 操作部
7 RFID・R/W部
10 加速度センサ
20 RFIDタグ
M1 プログラム記憶部
M2 在庫情報記憶部
M3 距離換算テーブル記憶部
M4 読取情報メモリ
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品から情報を読み取る情報読取装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複数の物品から情報を読み取る情報読取装置としては、例えば、書庫等に保管されている多数の商品の入出庫や棚卸等を管理する場合に、例えば、バーコードリーダ(ハンディターミナル)を使用し、商品に添付されているバーコードを読み取ることによって入出庫管理や棚卸管理等を行うようにしている。
ところで、従来では、無線タグが本来配置されるべき対象物から移動されている場合又は無線タグが破壊等で故障している場合に、そのことを検知するようにした技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−033259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した先行技術にあっては、無線タグの移動や無線タグの故障を検知することができたとしても、無線タグに自己の識別情報と隣接する無線タグの識別情報を対応付けて記憶しておく必要があるため、例えば、無線タグの配置順位が変更されたような場合には、それに対応することができなくなる。また、定期的に在庫棚卸作業を行った結果、トータル在庫数が一致しなかったような場合に、無線タグの移動や無線タグの故障により、全体に対してどの辺りに不具合が起きているかを特定することは困難であった。
【0005】
本発明の課題は、複数の物品の実際の配置順どおりに読み取りを行った場合に、全体に対してどの辺りに不具合が起きているかを適切に明示できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、
所定の順序で配置されている複数の物品から情報を読み取る情報読取装置であって、
前記複数の物品の個々に対応して、その物品を識別するための物品識別情報とその物品の配置状態を示す配置情報を含む物品情報を順次記憶する物品情報記憶手段と、
前記複数の物品の個々から物品識別情報を逐次読み取る読取手段と、
前記読取手段により物品識別情報が逐次読み取られる毎にその読取タイミングを検出する検出手段と、
前記読取手段により読み取られた物品識別情報と前記検出手段により検出された読取タイミングとを対応付けて読取情報として順次記憶する読取情報記憶手段と、
前記物品情報記憶手段の内容と前記読取情報記憶手段の内容との比較結果に基づいて、物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する明示手段と、
を具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項1に従属する発明として、
前記判別手段は、前記物品情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定すると共に前記読取情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定しながら物品識別情報同士を比較した結果、両者が一致し、かつ、その指定物品に対応する前記物品情報記憶手段内の配置情報と前記読取情報記憶手段内の読取タイミングとを比較した結果、その読み取りが正常なタイミングで行われている場合に、当該指定物品に対して正常な読み取りが行われたと判別する、
ようにしたことを特徴とする、請求項2記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項1あるいは請求項2に従属する発明として、
前記判別手段は、前記物品情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定すると共に前記読取情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定しながら物品識別情報同士を比較した結果、両者が一致しなかったことを条件にその指定物品の前後に配置されている各物品に対応する前記物品情報記憶手段内の配置情報と前記読取情報記憶手段内の読取タイミングとを比較し、それらの読み取りが正常なタイミングで行われている場合に、当該指定物品に対して正常な読み取りが行われなかったと判別する、
ようにしたことを特徴とする、請求項3記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項3に従属する発明として、
前記明示手段は、前記判別手段により指定物品に対して正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、当該指定物品側の不良で正常に読み取れなかったことを明示する、
ようにしたことを特徴とする、請求項4記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項1あるいは請求項2に従属する発明として、
前記判別手段は、前記物品情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定すると共に前記読取情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定しながら物品識別情報同士を比較した結果、両者が一致しなかったことを条件にその指定物品の前後に配置されている各物品に対応する前記物品情報記憶手段内の配置情報と前記読取情報記憶手段内の読取タイミングとを比較した結果、前記指定物品の前に配置されている物品に対してはその読み取りが正常なタイミングで行われているが、前記指定物品の後に配置されている物品に対してはその読み取りが正常なタイミングで行われていない場合に、当該指定物品に対して正常な読み取りが行われなかったと判別する、
ようにしたことを特徴とする、請求項5記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項5に従属する発明として、
前記明示手段は、前記判別手段により指定物品に対して正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、当該指定物品側の不足により正常に読み取れなかったことを明示する、
ようにしたことを特徴とする、請求項6記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項1〜6いずれかに従属する発明として、
前記物品情報記憶手段内の配置情報は、距離に関する情報であり、
前記読取情報記憶手段内の読取タイミングは、時間に関する情報であり、
前記判別手段は、前記指定物品に対応する前記物品情報記憶手段内の配置情報と前記読取情報記憶手段内の読取タイミングとを比較する場合に、前記時間に関する読取タイミングを距離に関する情報に換算してから比較を行う、
ようにしたことを特徴とする、請求項7記載の発明であってもよい。
【0013】
また、上述した課題を解決するために請求項8記載の発明は、
所定領域内に配置されている複数の物品から情報を読み取る情報読取装置であって、
前記複数の物品の個々から情報が逐次読み取られる毎にその読取タイミングを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された読取タイミングを読取情報として順次記憶する読取情報記憶手段と、
前記読取情報記憶手段内の各読取タイミングを順次指定しながらその指定した読取タイミングとその次の読取タイミングとの間を物品間隔として算出すると共に、前記所定領域の大きさを全体間隔として当該全体間隔に対する当該物品間隔の比率を算出する第1の算出手段と、
前記複数の物品を含む撮影画像を全体画像として取得する全体画像取得手段と、
前記全体画像取得手段により取得された全体画像を解析することにより前記所定領域の大きさを全体画像上の全体間隔として特定すると共に、その全体画像内に含まれている複数の物品を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された各物品のうち、前記指定されている読取タイミングが何個目であるかに応じてその個数に対応する物品とその次の物品との間を物品間隔として算出すると共に、前記全体画像上の全体間隔に対する当該物品間隔の比率を算出する第2の算出手段と、
前記第1及び第2の算出手段により算出された比率同士の比較結果に基づいて物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する明示手段と、
を具備したことを特徴とする。
【0014】
請求項7に従属する発明として、
前記明示手段は、前記判別手段により比率同士を比較した結果、両者が異なると判別された場合に、物品側の不良で正常に読み取れなかったことを明示する、
ようにしたことを特徴とする、請求項9記載の発明であってもよい。
【0015】
また、上述した課題を解決するために請求項10記載の発明は、
複数の物品から情報を読み取る情報読取装置であって、
前記複数の物品を含む撮影画像を全体画像として取得する全体画像取得手段と、
前記複数の物品の個々に対応して、その物品を識別するための物品識別情報とその物品画像を含む物品情報を記憶する物品情報記憶手段と、
前記複数の物品の個々から物品識別情報を逐次読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた物品識別情報を読取情報として記憶する読取情報記憶手段と、
前記読取情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定しながらその指定物品に対応する前記物品画像と前記全体画像とを比較することにより全体画像内に当該指定物品の画像が含まれているか否かを判別する第1の判別手段と、
前記第1の判別手段により指定物品の画像が含まれていないと判別された全体画像内の画像部分と前記物品情報記憶手段内の各物品画像とを比較した結果、当該画像部分がいずれかの物品画像に該当しているか否かに基づいて、物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する第2の判別手段と、
前記第2の判別手段により正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する明示手段と、
を具備したことを特徴とする。
【0016】
請求項10に従属する発明として、
前記第2の判別手段は、前記第1の判別手段により指定物品の画像が含まれていないと判別された全体画像内の画像部分と前記物品情報記憶手段内の各物品画像とを比較した結果、当該画像部分がいずれかの物品画像にも該当していれば、その物品側の不良で正常な読み取りが行われなかったと判別し、該当していなければ、その物品の不足により正常な読み取りが行われなかったと判別する、
ようにしたことを特徴とする、請求項11記載の発明であってもよい。
【0017】
請求項1、8、10のいずれかに従属する発明として、
前記明示手段は、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する場合に、物品側の不良で正常に読み取れなかったのか、物品の不足により正常な読み取りが行われなかったのかを明示する、
ようにしたことを特徴とする、請求項12記載の発明であってもよい。
【0018】
請求項1〜12のいずれかに従属する発明として、
前記物品識別情報は、物品の個々に付されたRFIDタグ内に記憶されたもので、
前記読取手段は、前記物品の個々に付されたRFIDタグから近距離無線通信により前記物品識別情報を読み取る、
ようにしたことを特徴とする、請求項13記載の発明であってもよい。
【0019】
また、上述した課題を解決するために請求項14記載の発明は、
コンピュータに対して、
所定の順序で配置されている複数の物品の個々に対応して、その物品を識別するための物品識別情報とその物品の配置状態を示す配置情報を含む物品情報を順次記憶させる機能と、
前記複数の物品の個々から物品識別情報を逐次読み取る機能と、
前記物品識別情報が逐次読み取られる毎にその読取タイミングを検出する機能と、
前記読み取られた物品識別情報と前記検出された読取タイミングとを対応付けて読取情報として順次記憶させる機能と、
前記物品情報と前記読取情報との比較結果に基づいて、物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する機能と、
前記正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する機能と、
を実現させるためのプログラム、であることを特徴とする。
【0020】
また、上述した課題を解決するために請求項15記載の発明は、
コンピュータに対して、
所定領域内に配置されている複数の物品の個々から情報が逐次読み取られる毎にその読取タイミングを検出する機能と、
前記検出された読取タイミングを読取情報として順次記憶させる機能と、
前記記憶されている各読取タイミングを順次指定しながらその指定した読取タイミングとその次の読取タイミングとの間を物品間隔として算出すると共に、前記所定領域の大きさを全体間隔として当該全体間隔に対する当該物品間隔の比率を算出する機能と、
前記複数の物品を含む撮影画像を全体画像として取得する機能と、
前記全体画像を解析することにより前記所定領域の大きさを全体画像上の全体間隔として特定すると共に、その全体画像内に含まれている複数の物品を特定する機能と、
前記特定した各物品のうち、前記指定されている読取タイミングが何個目であるかに応じてその個数に対応する物品とその次の物品との間を物品間隔として算出すると共に、前記全体画像上の全体間隔に対する当該物品間隔の比率を算出する機能と、
前記算出された比率同士の比較結果に基づいて物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する機能と、
前記正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する機能と、
を実現させるためのプログラム、であることを特徴とする。
【0021】
また、上述した課題を解決するために請求項16記載の発明は、
コンピュータに対して、
複数の物品を含む撮影画像を全体画像として取得する機能と、
前記複数の物品の個々に対応して、その物品を識別するための物品識別情報とその物品画像を含む物品情報を記憶させる機能と、
前記複数の物品の個々から物品識別情報を逐次読み取る機能と、
前記読み取られた物品識別情報を読取情報として記憶させる機能と、
前記読取情報内の各物品識別情報を順次指定しながらその指定物品に対応する前記物品画像と前記全体画像とを比較することにより全体画像内に当該指定物品の画像が含まれているか否かを判別する機能と、
前記指定物品の画像が含まれていないと判別された全体画像内の画像部分と前記各物品画像とを比較した結果、当該画像部分がいずれかの物品画像に該当しているか否かに基づいて、物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する機能と、
前記正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する機能と、
を実現させるためのプログラム、であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数の物品の実際の配置順どおりに読み取りを行った場合に、全体に対してどの辺りに不具合が起きているかを適切に明示することができ、作業性に富んだものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】情報読取装置の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】商品からタグ情報を読み取る際のスキャン作業時の操作イメージを示した図。
【図3】在庫情報記憶部M2を説明するための図。
【図4】読取情報メモリM4を説明するための図。
【図5】距離換算テーブル記憶部M3を説明するための図。
【図6】商品をスキャンしてその商品からタグ情報を読み取る場合の読取処理を示したフローチャート。
【図7】図6の動作に続くフローチャート。
【図8】第2実施形態及び第3実施形態において、商品をスキャンしてその商品からタグ情報を読み取る場合の読取処理を示したフローチャート。
【図9】第2実施形態における図8の動作に続くフローチャート。
【図10】第2実施形態を具体的に説明するための図。
【図11】第3実施形態における図8の動作に続くフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施形態1)
以下、図1〜図7を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、情報読取装置の基本的な構成要素を示したブロック図である。
情報読取装置は、ハンディタイプのデータ収集端末(例えば、ハンディターミナル)であり、書庫内の本棚に保管されている多数の物品(例えば、商品:書籍)の入出庫や棚卸等を管理する場合に、本棚に配置されている各書籍の背表紙に付加されているRFID(Radio・Frequency・Identification)タグをスキャンしてタグ情報を逐次読み取るもので、制御部1を中核として動作する構成となっている。制御部1は、電源部(例えば、二次電池等)2からの電力供給によって動作し、記憶部3内の各種のプログラムに応じてこの情報読取装置の全体動作を制御するもので、この制御部1には図示しないCPU(中央演算処理装置)やメモリ等が設けられている。
【0025】
記憶部3は、例えば、ROM、フラッシュメモリ等を有する構成で、図6〜図9に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションが格納されているプログラム記憶部M1、後述する在庫情報記憶部M2や距離換算テーブル記憶部M3を有している。RAM4は、フラグ、カウンタ、画面情報等、この情報読取装置が動作するために必要となる各種の情報を一時的に記憶するワーク領域で、後述する読取情報メモリM4や商品不足補正用メモリM5を有している。表示部5は、例えば、高精細液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、電気泳動型ディスプレイ(電子ペーパ)のいずれかを使用したもので、読取結果等を高精細に表示する。操作部6は、図示省略したが、例えば、押しボタン形式の各種のキーとして、電源キー、数字キー、各種のファンクションキー等を備えたもので、制御部1は、この操作部6からの入力操作信号に応じた処理として、例えば、棚卸管理、入出荷検品、入出庫管理等の各種の業務処理を行う。
【0026】
RFID・R/W(リーダ/ライタ)部7は、商品(書籍)の背表紙等に付加されているRFIDタグ(例えば、パッシブタグ)との間でアンテナ7aを介してデータの送受信を行うもので、RFIDタグに信号を送信したり、RFIDタグからの反射波を受信したりする。このRFID・R/W部7によってRFIDタグから読み取られたタグ情報は、制御部1に与えられる。スキャナ部8は、C−MOS、CCD撮像素子等のエリアイメージセンサを備え、各商品等に付されているコードシンボルとしてのバーコード(例えば、一次元バーコード、二次元バーコード)を読取対象として撮影して画像データに光電変換する撮像部を構成するもので、このエリアイメージセンサで光電変換されたバーコード読取信号(バーコード画像)は、増幅されてノイズ除去等の処理が行われた後に制御部1に与えられる。
【0027】
ブザー9は、読取音、アラーム音等を発生する。加速度センサ10は、例えば、3軸タイプの加速度センサで、サンプリング周期(例えば、30ms)毎に、ユーザの動きに応じた加速度(振動)の大きさとして、互いに直交する3軸方向(X・Y・Z方向)の加速度成分を検出するようにしているが、この3軸方向の加速度成分の中から垂直方向(上下方向)の加速度成分を選択して、振動波形信号として出力するようにしている。この加速度センサ10の検出結果(振動状態)に基づいて制御部1は、単位時間当たりのハンディターミナルの移動距離を計測するようにしている。撮像部11は、光学高倍率ズームを搭載した高解像度撮影が可能なデジタルカメラを構成するもので、後述する第2及び第3実施形態で使用される。
【0028】
図2は、書庫に保管されている多数の商品(書籍)の入出庫や棚卸等を管理するためにハンディターミナルを持って本棚の前を移動しながらRFID・R/W部7でタグ情報を読み取る際のスキャン作業の操作イメージを示した図である。
図示の本棚Aは、上段A−1と下段A−2を有し、この本棚Aには、多数の商品(書籍)が配置収納されている。この場合、書籍毎にその幅(厚さ)は異なっており、薄い書籍や厚い書籍が本棚A内に混在して収納されている状態を示している。
【0029】
本棚Aは、その上段A−1において、その右端部(支柱部分)と左端部(支柱部分)に、それぞれRFIDタグ20が取り付けられている。同様に、本棚Aの下段A−2において、その右端部(支柱部分)と左端部(支柱部分)にもそれぞれRFIDタグ20が取り付けられている。また、本棚Aに設置されている各書籍の背表紙側にも、RFIDタグ20が取り付けられている。なお、本棚Aの各支柱部分に取り付けられているRFIDタグ20には、棚・段・端部を識別するための情報(例えば、コードNo.)が記録されている。また、各書籍の背表紙に取り付けられているRFIDタグ20には商品識別情報(例えば、コードNo.、商品名)が記録されている。
【0030】
ここで、作業者は、ハンディターミナルを書庫の前にかざしながら移動するが、その際、図示の例では、上段の右端部からその左端部に向かって左方向に移動しながらスキャンするようにしている。また、下段においてはその左端部から右端部に向かって移動しながらスキャンするようにしている。なお、上述の方向とは逆に、上段においてその左端部からその右端部に向かって右方向に移動したり、下段においてはその右端部から左端部に向かって移動したりするようにしてもよい。更に、上段のスキャンが終了してから真っ直ぐ下に移動して下段のスキャンを連続して行うようにしてもよく、どのようにスキャンするかは任意である。
【0031】
図3は、在庫情報記憶部M2を説明するための図である。
在庫情報記憶部M2は、複数の物品(商品)の個々に対応して、その商品を識別するための商品識別情報とその商品の配置状態を示す配置情報を含む商品情報を在庫情報として順次記憶管理するもので、図示の例では、図2に示した本棚Aの上段及び下段に配置収納されている各書籍(商品)を在庫情報として記憶管理するようにしている。この在庫情報記憶部M2の内容は、本棚への商品の収納状態に合わせて入力作成されたもので、図3(1)は、本棚Aの上段A−1に対応する在庫情報記憶部M2の内容を示し、図3(2)は、本棚Aの下段A−2に対応する在庫情報記憶部M2の内容を示している。なお、在庫情報記憶部M2の内容は、本棚別の内容及びその段別の内容となっている。
【0032】
また、各在庫情報記憶部M2は、「コードNo.」、「商品名」、「幅(mm)」、…、「背表紙画像」の各項目を有し、更に「タグ間隔」、「タグ累計間隔」、「支柱内側から商品中心までの累計距離」の各項目を有する構成となっている。なお、「コードNo.」、「商品名」は、各商品や棚に付加されているRFIDタグ20から読み取ったタグ情報(商品識別情報)である。「背表紙画像」は、各商品を撮影した撮影画像(高精細画像)であり、後述する第3実施形態で使用される。「幅」は、操作部6から入力された情報であり、「タグ間隔」、「タグ累計間隔」、「支柱内側から商品中心までの累計」は、各商品の「幅」から自動生成された情報である。
【0033】
「コードNo.」は、本棚Aの各段の右端部から左端部までの間に配置されている各商品を識別するための商品コード(商品識別情報)である。なお、「コードNo.」は、本棚Aの支柱に取り付けられているRFIDタグ20から情報を読み取った場合には、本棚の段(棚段)の位置を識別するための情報を示している。すなわち、図3(1)の例では、上段A−1の右端部の「コードNo.」を“001”、その上段A−1の左端部の「コードNo.」を“002”とし、その間に配置されている各商品の「コードNo.」を“12001”、“12301”、…、“13550”とした場合を示している。同様に、図3(2)の例では、下段A−2の右端部の「コードNo.」を“003”、その下段A−2の左端部の「コードNo.」を“004”とし、その間に配置されている各商品の「コードNo.」を“15100”、…、“13870”とした場合である。
【0034】
「商品名」は、書籍名(商品名)を示す商品識別情報を示す情報である。なお、「商品名」は、本棚Aの支柱に取り付けられているRFIDタグ20から情報を読み取った場合には、本棚の段(棚段)の位置を識別するための情報を示している。すなわち、図3(1)の例では、「コードNo.」“001”に対応して“A棚−上段・右”を示し、“002”に対応して“A棚−上段・左”を示し、図3(2)の例では、「コードNo.」が“003”に対応して“A棚−下段・右”を示し、また、“004”に対応して“A棚−下段・左”を示している。「幅(mm)」、「タグ間隔」、「支柱内側から商品中心までの累計距離」は、その商品の配置状態を示す配置情報であり、「幅(mm)」は、商品の厚さ(幅)をミリメートル単位で示すほかに本棚の支柱の幅を表している。この場合、図3(1)の例において「コードNo.」が“001”に対応する「幅」は、本棚Aの右端部の支柱幅が“60”であることを示している。また、「コードNo.」“12001”の「幅」は、「商品名」が“マーケット総覧I”の幅が“46”であることを示し、…、“002”に対応する「幅」は、本棚Aの左端部の支柱幅が“60”であることを示している。
【0035】
「タグ間隔」は、隣り合うRFIDタグ20の間隔(mm)を示し、図3(1)の例では、棚段の右端部の支柱幅が“60”、最初の商品の「幅」が“46”であるから支柱幅の中心位置(“30”)から最初の商品の中心位置(“23”)までの間隔“53”が隣り合うRFIDタグ20の間隔となる。「タグ累計間隔」は、「タグ間隔」の累計値(mm)を示し、図3(1)の例では、“53”〜“544”となる。「支柱内側から商品中心までの累計距離」は、棚段の右端部の支柱内側を基準として各商品の中心までの距離(mm)を示し、図3(1)の例では、“23”〜“479”となる。「背表紙画像」は、各商品の背表紙(タイトル部分を含む)を撮影した撮影画像(高精細画像)をメモリカードからカードIF11を介して入手したもので、この項目は、後述する第3実施形態で使用する。
【0036】
図4は、読取情報メモリM4を説明するための図である。
読取情報メモリM4は、ハンディターミナルを持って書庫の前を移動しながらRFID・R/W部7でタグ情報を読み取るスキャン作業を行った場合に、逐次読み取られた情報をリアルタイムに記憶するもので、図示の例は、棚段の右端部から左端部まで移動しながら読み取り動作を行った場合の読取情報を示し、「取得コードNo.」、「取得商品名」、「読取時間」、「換算距離」の各項目を有している。「取得コードNo.」、「取得商品名」は、各商品や本棚に付加されているRFIDタグ20から読み取ったタグ情報(コードNo.、商品名)である。「読取時間」は、棚Aの右端部を基準(00時00分00秒00)として、各商品からタグ情報を読み取る毎に基準からの経過時間を示し、図示の例は、“00:00:00:26”、“00:00:00:60”、“00:00:01:08”、…、“00:00:03:60”の場合を示している。「換算距離」は、「読取時間」の値が距離に換算されたもので、その換算には距離換算テーブル記憶部M3が使用される。
【0037】
図5は、距離換算テーブル記憶部M3を説明するための図である。
距離換算テーブル記憶部M3は、タグ情報を読み取るスキャン作業中に、加速度センサ10の検出結果(振動状態)に基づいて実測された単位時間当たりのハンディターミナルの移動距離を記憶するもので、図示の例は、棚段の右端部から左端部まで移動しながら計測した場合の計測結果を示し、「単位時間」、「累計距離(mm)」、「間隔」の各項目を有している。「単位時間」は、0.1秒を示し、図示の例では、本棚Aの右端部を基準(00時00分00秒00)として、“00:00:00:10”、“00:00:00:20”、“00:00:00:30”、…、“00:00:04:00”となる。
【0038】
「累計距離(mm)」は、本棚Aの右端部を基準(0mm)とした単位時間当たりの移動距離である。「間隔」は、隣り合う「累計距離」同士の差である。このような距離換算テーブル記憶部M3を参照することにより、図4に示すように、読取情報メモリM4の「読取時間」は、「換算距離」に変換される。その結果、図示のように「読取時間」の“00:00:00:2”は、「換算距離」の“52.8“となり、「読取時間」の“00:00:00:60”、“00:00:01:08”、“00:00:01:24”、“00:00:01:37”、…は、「換算距離」の“92”、“130”、“158.8”、“174.4”、…となる。
【0039】
このようにしてタグ情報を読み取るスキャン作業により読取情報メモリM4の内容が作成されると、制御部1は、在庫情報記憶部M2の内容と読取情報メモリM4の内容とを比較し、その比較結果に基づいて商品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別し、正常な読み取りが行われない場合(読取不良の可能性が高い場合)には、棚段に配置されている複数の商品全体に対する当該不良箇所を明示するために所定のメッセージを表示させる。例えば、スキャン作業を行った棚段の右側の支柱内側から何cm辺りを確認すべき旨のメッセージを表示させる。
【0040】
図4の“読取不良?−a”は、「取得コードNo.」が“13420”と“13440”の間で読取不良の可能性があると判断した場合である。この場合、在庫情報記憶部M2において「コードNo.」が“13420”と“13440”の間には、“13430”の商品が存在し、この“13430”の商品に対してその前後に配置されている“13420”の商品と“13440”の商品の「読取時間」は、正常な時間であるか、言い換えれば、その商品の前後に配置されている各商品共に正常な時間に読み取られた商品であるかを判別し、前後共に正常な時間に読み取られた商品である場合には、この“13430”の商品に対して正常な読み取りが行われず、読取不良の可能性が高いと判断する。すなわち、“13430”の商品のRFIDタグ20が故障している可能性が高いと判断する。この場合、RFIDタグ20が故障している旨のメッセージを表示させるようにしている。
【0041】
図4の“読取不良?−b”は、「取得コードNo.」が“13510”と“13530”の間で読取不良の可能性があると判断した場合である。この場合、在庫情報記憶部M2において「コードNo.」が“13510”と“13530”の間には、“13520”の商品が存在し、この“13520”の商品の前に配置されている“13510”の商品については、正常な時間に読み取ることができたが、“13520”の商品の後に配置されている“13530”の商品については、正常な時間に読み取ることができなかった場合には、“13520”の商品が抜き去られて後ろの商品を順次間を詰めた状態(“13520”の商品が不足している状態)の可能性が高いと判断する。この場合、商品が不足している旨のメッセージを表示させるようにしている。なお、商品不足補正用メモリM5は、商品が抜き去られて後ろの商品を順次間を詰めた状態にあるときに、抜き去られた商品の「幅」を、支柱内側から何cm辺りを求める際の補正用のデータとして記憶するメモリである。図4の“読取不良?−c”は、棚段の末尾の商品を正常に読み取った後で、上述のように商品を順次間を詰めた分だけ広く空いている場合なので、特に問題なしと判断した場合である。
【0042】
次に、第1実施形態におけるハンディターミナルの動作概念を図6及び図7に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードに従った動作が逐次実行される。また、ネットワーク等の伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは、後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0043】
図6及び図7は、本棚Aの前を移動しながら商品(書籍)をスキャンしてその商品からタグ情報を読み取る場合の読取処理を示したフローチャートである。なお、図6及び図7は、棚段の一端部からその他端部に向かってスキャンする場合を例示したフローチャートである。
先ず、制御部1は、RFID・R/W部7を起動させた後に、スキャンの開始タイミングを検出したか、つまり、棚段の一端部(例えば、本棚Aの上段A−1の右端部)の支柱に取り付けられているRFIDタグ20からタグ情報(棚・段・端部の識別情報)を読み取ったかを調べながら待機状態となる(ステップA1)。ここで、スキャンの開始タイミングを検出したときには(ステップA1でYES)、距離換算テーブル記憶部M3及び読取情報メモリM4の内容を作成する処理に移る(ステップA2〜A8)。
【0044】
先ず、時間カウンタ(図示省略)の内容をリセットしてその計測動作を開始させた後(ステップA2)、距離換算テーブルを作成する処理を開始する(ステップA3)。すなわち、この時間カウンタが単位時間を計測する毎に、加速度センサ10からの計測結果に基づいて単位時間当たりの移動距離を求め、これを距離換算テーブル記憶部M3の「単位時間」、「累計距離」の項目に書き込むことにより換算テーブルを作成する処理を開始する。この換算テーブル作成処理に並行して制御部1は、RFID・R/W部7により次のタグ情報が読み取られたかを調べる(ステップA4)。
【0045】
いま、棚段の右端部からタグ情報を読み取った場合であるから棚段の右側に設置されている最初の商品からタグ情報を読み取ったかを調べる。ここで、次のタグ情報を読み取ったときには(ステップA4でYES)、読み取ったタグ情報からコードNo.及び商品名を取得して読取情報メモリM4に「取得コードNo.」、「取得商品名」として記憶させた後(ステップA5)、その読み取り時の時間カウンタの計測値を取得して読取情報メモリM4に「読取時間」として記憶させる(ステップA6)。
【0046】
そして、スキャンの終了タイミングを検出したか、つまり、棚段の他端部(例えば、本棚Aの下段A−2の左端部)の支柱に取り付けられているRFIDタグ20からタグ情報を読み取ったかを調べながら待機状態となる(ステップA7)。いま、スキャンの終了タイミングを検出しなければ(ステップA7でNO)、上述のステップA4に戻り、次のタグ情報を読み取るまで待機状態となる。ここで、次のタグ情報を読み取ると(ステップA4でYES)、上述の場合と同様に、読取情報メモリM4に「取得コードNo.」、「取得商品名」、「読取時間」を追加記憶させる(ステップA5、A6)。以下、スキャンの終了タイミングを検出するまで(ステップA7でNO)、以下、上述の動作を繰り返す結果、タグ情報を読み取る毎に読取情報メモリM4に「取得コードNo.」、「取得商品名」、「読取時間」を追加記憶させる。ここで、スキャンの終了タイミングを検出したときには(ステップA7でYES)、上述の時間カウンタの計測動作を停止させる(ステップA8)。
【0047】
その後、図7のステップA9に移り、在庫情報記憶部M2をアクセスし、今回スキャン作業が行われた該当する棚・段の在庫情報をその先頭から順に取得した後、この取得情報は、本棚の支柱に関する情報であるか、つまり、棚段の一端部の支柱に関する情報であるかを調べたり(ステップA10)、その棚段の他端部の支柱に関する情報であるかを調べたりする(ステップA11)。
【0048】
いま、棚段の一端部の支柱に関する情報を取得した場合には(ステップA10でYES)、その情報を無視するためにステップA9に戻り、在庫情報記憶部M2から次の情報を読み出し取得する。その結果、次の情報として商品の在庫情報(コードNo.、商品名)を読み出し取得すると(ステップA10、A11でNO)、読取情報メモリM4をアクセスし、先頭商品から順に指定してその指定商品の読取情報(取得コードNo.、取得商品名)を取得して(ステップA12)、在庫情報記憶部M2から取得した在庫情報に合致するかを調べる(ステップA13)。
【0049】
ここで、在庫情報と読取情報とが一致する同一の商品であれば(ステップA13でYES)、読取情報メモリM4からその指定商品の「読取時間」を取得すると共に、在庫情報記憶部M2からその商品の「タグ間隔累計」を取得した後(ステップA14)、距離換算テーブル記憶部M3を参照して、この「読取時間」を距離に換算し(ステップA15)、この換算距離と「タグ間隔累計」とを比較することにより(ステップA16)、その誤差は、許容範囲内であるか、つまり、商品に対して正常な時間内に読み取りが行われたかを調べる(ステップA17)。
【0050】
例えば、図4に示すように「取得コードNo.」が“12001”の商品の「読取時間」は、“00:00:00:26”であるから換算距離として“52.8”が求められる。この場合、図3に示すようにその商品の「タグ間隔累計」は、“53”であるため、その誤差は“0.2(絶対値)”となる。ここで、在庫情報記憶部M2において、同一の棚・段の「幅」のうち、最小の「幅」の1/2未満(整数値)を誤差の許容範囲とすると、例えば、図3の例では最小の「幅」は“10”であるから、例えば、“4mm”以下を誤差の許容範囲内とすると、今回の誤差“0.2”は、許容範囲内となる。
【0051】
なお、この誤差の許容範囲は、最小の「幅」の1/2未満(整数値)であれば、計算3mm以下等であってもよく、また、固定値であってもよい。ここで、許容範囲を超える誤差であれば(ステップA17でNO)、後述するステップA19に移るが、許容範囲内の誤差であれば(ステップA17でYES)、指定商品に対して正常な時間内に読み取りが行われた場合であるから、この換算距離“52.8”をその指定商品に対応する読取情報メモリM4内の「換算距離」に記憶させる(ステップA18)。このようにして1商品分の処理が終わると、上述のステップA9に移り、在庫情報記憶部M2から次の情報を取得しながら、以下、上述の動作を繰り返す。
【0052】
また、在庫情報と読取情報とを比較した結果、異なる商品であれば(ステップA13でNO)、この指定商品の前後に配置されている各商品に対応する「読取時間」を読取情報メモリM4から取得すると共に、在庫情報記憶部M2からその前後の商品の各「タグ間隔累計」を取得する(ステップA19)。そして、距離換算テーブル記憶部M3を参照して、この前後の商品の各「読取時間」を距離に換算し(ステップA20)、この前後の商品毎にその換算距離とその「タグ間隔累計」とを比較することにより(ステップA21)、その前後共に誤差は、許容範囲内であるか、つまり、前後の商品に対して正常な時間内に読み取りが行われたかを調べる(ステップA22)。ここで、前後のいずれかでも許容範囲内の誤差ではなければ、つまり、前後の商品に対して正常な時間内に読み取りが行われなければ(ステップA22でNO)、この指定商品の前後において、前の商品については正常な時間内に読み取りが行われ、後の商品については正常な時間内での読み取りが行われなかったかを調べる(ステップA23)。
【0053】
いま、指定商品の前後において、前の商品については許容範囲内の誤差で正常な時間内に読み取られたが、後の商品については許容範囲外の誤差で正常な時間内に読み取られなかったときには(ステップA23でYES)、上述した図4の“読取不良?−b”に相当する場合であり、この指定商品が抜き去られて後ろの商品を順次間を詰めた状態(指定商品が不足している状態)の可能性が高いと判断し、以下、メッセージ生成処理に移る(ステップA24〜A27)。先ず、在庫情報記憶部M2から指定商品に対応する「支柱内側から商品中心までの累計距離」を読み出すと共に(ステップA24)、商品不足補正用メモリM5に補正データが記憶されているかを調べる(ステップA25)。
【0054】
この商品不足補正用メモリM5は、上述したように商品が抜き去られて後ろの商品を順次間を詰めた状態にあるときに、抜き去られた商品の「幅」を、棚段の支柱内側から何cm辺りを求める際の補正用のデータとして記憶するもので、商品不足補正用メモリM5に補正データが記憶されていれば(ステップA25でYES)、「支柱内側から商品中心までの累計距離」から補正データ(抜き去られた商品の「幅」)を減算する処理を行う(ステップA26)。そして、所定のメッセージを生成して表示メモリ(図示省略)に書き込む(ステップA27)。この場合のメッセージは、“商品不足の可能性がありますので、支柱内側から○○cm辺りを確認して下さい”となる。なお、“○○”は、「支柱内側から商品中心までの累計距離」から補正データを減算した値が代入される。
【0055】
また、指定商品の前後において、前後の商品共にその誤差は、許容範囲内であれば(ステップA22でYES)、前後の商品については正常な時間内に読み取られた場合であり、上述した図4の“読取不良?−a”に相当する場合であり、指定商品に付加されているRFIDタグ20が故障している可能性が高いと判断する。この場合においても、上述のステップA24〜A27と基本的には同様のメッセージ生成処理に移る(ステップA28)。すなわち、在庫情報記憶部M2から指定商品に対応する「支柱内側から商品中心までの累計距離」を読み出すと共に、商品不足補正用メモリM5に補正データが記憶されているかを調べ、補正データが記憶されていれば、「支柱内側から商品中心までの累計距離」から補正データ(抜き去られた商品の「幅」)を減算する。そして、所定のメッセージを生成して表示メモリ(図示省略)に書き込む。この場合のメッセージは、例えば、“タグが故障している可能性がありますので、支柱内側から○○cm辺りを確認して下さい”となる。なお、“○○”は、「支柱内側から商品中心までの累計距離」から補正データを減算した値が代入される。
【0056】
なお、指定商品の前後において、前後の商品共に正常な時間内に読み取られなかった場合又は後の商品だけ正常な時間内に読み取られた場合には(ステップA23でNO)、その他の原因による読取不良として判断し、以下、上述のステップA24〜A27と基本的には同様のメッセージ生成処理(ステップA29)に移る。この場合のメッセージは、例えば、“支柱内側から○○cm辺りを確認して下さい”となる。なお、“○○”は、「支柱内側から商品中心までの累計距離」から補正データを減算した値が代入される。
【0057】
そして、上述のメッセージ生成処理(ステップA24〜A27、A28、A29)が終わると、上述のステップA9に戻る。このような動作を1商品毎に繰り返した結果、棚段の他端部の支柱に関する情報を取得した場合には(ステップA11でYES)、上述の表示メモリに記憶されている各種のメッセージを順次切り替え表示させた後(ステップ30)、図6及び図7のフローから抜ける。
【0058】
以上のように、第1実施形態において制御部1は、複数の商品の個々から商品識別情報をRFID・R/W部7によって逐次読み取ると共に、その読取タイミングを検出して、商品識別情報及び読取タイミングを読取情報メモリM4に記憶させた後、在庫情報記憶部M2の内容と読取情報メモリM4の内容とを比較した結果、正常な読み取りが行われなかった場合に、複数の商品全体に対する当該箇所を明示するようにしたので、複数の商品の配置順どおりに読み取りを行った場合に、全体に対してどの辺りに不具合が起きているかを適切に明示することができ、読み取り時の不具合に対して迅速に対応することが可能となると共に、商品の配置変更に対しても在庫情報記憶部M2の内容(商品識別情報)を並び変えるだけで柔軟に対応することが可能となり、作業性、実用性に富んだものとなる。
【0059】
在庫情報記憶部M2内の各商品識別情報を順次指定すると共に読取情報メモリM4内の各商品識別情報を順次指定しながら商品識別情報同士を比較した結果、両者が一致し、かつ、その指定商品に対する読み取りが正常なタイミングで行われている場合に、当該指定商品に対して正常な読み取りが行われたと判別するようにしたので、所定の順序で配置されている複数の商品に対して逐次読み取ることができたかを適切に判断することができる。
【0060】
在庫情報記憶部M2内の各商品識別情報を順次指定すると共に読取情報メモリM4内の各商品識別情報を順次指定しながら商品識別情報同士を比較した結果、両者が一致しなかった場合には、その指定商品の前後に配置されている各商品に対応する読み取りが正常なタイミングで行われている場合には、当該指定商品に対して正常な読み取りが行われていないと判別するようにしたので、指定商品側が故障している可能性が高いと判断することができる。
【0061】
このように指定商品に付されているRFIDタグ20が故障している可能性が高いと判断した場合には、指定商品側の不良が原因で正常に読み取れなかったことをメッセージ表示するようにしたから、その対応が明確となる。
【0062】
在庫情報記憶部M2内の各商品識別情報を順次指定すると共に読取情報メモリM4内の各商品識別情報を順次指定しながら商品識別情報同士を比較した結果、両者が一致しなかった場合に、その指定商品の前に配置されている商品に対応する読み取りが正常なタイミングで行われているが、指定商品の後に配置されている商品に対してはその読み取りが正常なタイミングで行われていない場合には、当該指定商品に対して正常な読み取りが行われなかったと判別するようにしたので、指定商品が抜き去られて後ろの商品を順次間を詰めた状態(指定商品が不足している状態)の可能性が高いと判断することができる。
【0063】
指定商品が抜き去られて後ろの商品を順次間を詰めた状態(指定商品が不足している状態)を明示するようにしたので、作業者にあっては商品不足箇所を直ちに見つけ出すことができる。
【0064】
在庫情報記憶部M2の「タグ間隔累計」は、距離に関する情報であるため、読取情報メモリM4の「読取時間」を、距離換算テーブル記憶部M3を参照して距離に換算するようにしたから、スキャン時に「読取時間」を計測したとしても読み取りが正常なタイミングで行われたか否かを判別することができる。
【0065】
商品側のRFIDタグ20の不良で正常に読み取れなかったのか、商品の不足により正常な読み取りが行われなかったのかを明示するようにしたので、商品側の不良と商品の不足とを区別することができる。
【0066】
なお、上述した第1実施形態においては、指定商品の前後に配置されている各商品に対応する読み取りが正常なタイミングで行われている場合には、当該指定商品に対して正常な読み取りが行われていない場合には、指定商品に付されているRFIDタグ20が故障している可能性が高いと判断するようにしたが、RFIDタグ20が故障している場合に限らず、指定商品が抜き去られて空いたままの状態(指定商品が不足している状態)となっている場合も考えられるので、タグの故障又は商品の不足の可能性をメッセージ表示するようにしてもよい。
【0067】
(実施形態2)
以下、この発明の第2実施形態について図8〜図10を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、在庫情報記憶部M2の内容と読取情報メモリM4の内容との比較結果に基づいて、商品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別するようにしたが、この第2実施形態においては、複数の商品を含む撮影画像を全体画像として取得しておき、この全体画像を解析してその中に含まれている複数の商品の位置を特定した全体画像を解析内容と、読取情報メモリM4の内容とを比較することにより商品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別するようにしたものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0068】
ここで、第2実施形態の概要を簡単に説明しておくと、この第2実施形態では、読取情報メモリM4内における先頭の「読取時間」と末尾の「読取時間」との間を全体間隔とする。つまり、棚段の左右の支柱間を複数の商品が配置される配置領域の大きさ(全体間隔)とする。そして、この読取情報メモリM4内の各「読取時間」を順次指定しながらその指定した「読取時間」とその次の「読取時間」との間を商品間隔として算出すると共に、上述の全体間隔に対する当該商品間隔の比率を算出する。この場合、在庫情報記憶部M2内の「タグ間隔」に基づいて商品間隔、全体間隔を算出するようにしてもよく、また、距離換算テーブル記憶部M3を参照して「読取時間」を距離に換算してもよいが、この第2実施形態においては、「読取時間」を使用して比率を算出するようにしている。
【0069】
また、撮像部11により複数の商品(例えば、棚段1列全体)を高解像度撮影した撮影画像を全体画像として取得し、この全体画像を解析することにより、棚段の左右の支柱間を複数の商品が配置される配置領域の大きさ(全体間隔)として特定すると共に、その全体画像内に含まれている複数の商品の位置を特定し、特定した各商品の位置のうち、何個目の「読取時間」が指定されているかに応じてその個数に対応する商品の位置とその次の商品との間を商品間隔として算出すると共に、全体画像上の全体間隔に対する当該商品間隔の比率を算出する。この場合、全体画像をマトリックス状に細分化し、その升目の数を計数して、全体間隔、商品間隔として算出してもよいが、この第2実施形態においては、サイズを計測して比率を算出するようにしている。そして、上述のようにして算出した比率同士の比較結果に基づいて商品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別するようにしている。
【0070】
図8及び図9は、第2実施形態において、本棚の前を移動しながら商品(書籍)をスキャンしてその商品からタグ情報を読み取る場合の読取処理を示したフローチャートである。この場合においても、第1実施形態と同様に、図8及び図9は、棚段の一端部から他端部に向かってスキャンする場合を例示したフローチャートである。
先ず、制御部1は、スキャン開始タイミングを検出したか、つまり、棚段の一端部の支柱に取り付けられているRFIDタグ20からタグ情報を読み取ったかを調べながら待機状態となる(ステップB1)。ここで、スキャンの開始タイミングを検出したときには(ステップB1でYES)、読取情報メモリM4の内容を作成する処理に移る(ステップB2〜B5)。
【0071】
すなわち、時間カウンタ(図示省略)の内容をリセットしてその計測動作を開始させた後(ステップB2)、次のタグ情報を読み取ったかを調べ(ステップB3)、次のタグ情報を読み取ったときには(ステップB3でYES)、読み取ったタグ情報からコードNo.及び商品名を取得して読取情報メモリM4に「取得コードNo.」、「取得商品名」として記憶させた後(ステップB4)、その読み取り時の時間カウンタの計測値を取得して読取情報メモリM4に「読取時間」として記憶させる(ステップB5)。
【0072】
そして、スキャンの終了タイミングを検出したか、つまり、棚段の他端部の支柱に取り付けられているRFIDタグ20からタグ情報を読み取ったかを調べながら待機状態となる(ステップB6)。いま、スキャンの終了タイミングを検出しなければ(ステップB6でNO)、上述のステップB3に戻り、次のタグ情報を読み取るまで待機状態となる。ここで、次のタグ情報を読み取ると(ステップB3でYES)、上述の場合と同様に、読取情報メモリM4に「取得コードNo.」、「取得商品名」、「読取時間」を追加記憶させる(ステップB4、B5)。以下、スキャンの終了タイミングを検出するまで(ステップB6でNO)、以下、上述の動作を繰り返す結果、タグ情報を読み取る毎に読取情報メモリM4に「取得コードNo.」、「取得商品名」、「読取時間」を追加記憶させる。
【0073】
ここで、スキャンの終了タイミングを検出したときには(ステップB6でYES)、撮像部11を起動させ、複数の商品(例えば、棚段1列全体)を高解像度撮影した撮影画像を全体画像として取得してRAM4に一時記憶しておく(ステップB7)。この場合、スキャン終了時に全体撮影を行うべきことをメッセージ表示等で案内するようにしてもよい。次に、図9のステップB8に移り、読取情報メモリM4内における先頭の「読取時間」と末尾の「読取時間」との間を全体間隔として算出する。なお、図4の例では、先頭の「読取時間」は、“00:00:00:00”、また末尾の商品の「読取時間」は、“00:00:03:60”であるから全体間隔は、“3秒60”となる。次に、RAM4から全体画像を読み出して解析することによりその全体画像内に含まれている棚段の左右の支柱間を全体画像上の全体間隔として特定すると共に(ステップB9)、その全体画像内に含まれている複数の商品の位置を特定する(ステップB10)。
【0074】
そして、読取情報メモリM4の先頭から「読取時間」を取得し(ステップB11)、取得した「読取時間」は、棚段の支柱に関する情報であるか、つまり、棚段の一端部の支柱に関する「読取時間」であるかを調べたり(ステップB12)、棚段の他端部の支柱に関する「読取時間」であるかを調べたりする(ステップB13)。いま、棚段の一端部の支柱に関する「読取時間」を取得した場合には(ステップB12でYES)、指定商品数カウンタ(図示省略)をリセットしてその値を“0”にする(ステップB14)。
【0075】
次に、取得した「読取時間」とその次の「読取時間」との間を商品間隔として算出した後(ステップB15)、上述の全体間隔に対する商品間隔の比率を算出する(ステップB16)。次に、上述のようにして全体画像を解析することにより特定された各商品の位置のうち、何個目の「読取時間」が指定されているかに応じてその個数に対応する商品の位置とその次の商品との間を商品間隔として算出する(ステップB17)。いま、商品数カウンタの値は、“0”なので、0個目と1個目の間が全体画像上の商品間隔として算出される。そして、上述の全体画像上の全体間隔に対する商品間隔の比率を算出する(ステップB18)。
【0076】
このようにして上述のステップB16で算出した比率と上述のステップB18で算出した比率とを比較して、両者は略同じ値かを調べる(ステップB19)。例えば、図10において、図中、上側が全体画像、下側が読取情報に対応するものとすると、商品数カウンタの値が“0”の場合には、棚段の右端部の支柱中心から最初の商品X1の中心との間が商品間隔となる。この場合、棚段の右端部の支柱中心(読取スタート)から左端部の支柱中心(読取エンド)までの間を読取情報の全体間隔“AL”とし、棚段の右端部の支柱中心から最初の商品X1の中心との商品間隔を“AL1”とすると、その比率は“AL1/AL”となる。
【0077】
また、全体画像上における棚段の右端部の支柱中心から左端部の支柱中心までの間を全体画像上の全体間隔“BL”とし、棚段の右端部の支柱中心から最初の商品X1の中心との商品間隔を“BL1”とすると、その比率は“BL1/BL”となる。この場合、“AL1/AL≒BL1/BL”となる結果(ステップB19でYES)、正常な読み取りが行われたものと判断して、指定商品数カウンタに“1”を加算してその値を更新した後(ステップB20)、上述のステップB11に戻り、次の「読取時間」を指定する。この場合、読取情報メモリM4から商品の「読取時間」を取得したときには(ステップB12、B13でNO)、上述のステップB15に移って商品間隔を算出し、以下、上述の動作を繰り返す。
【0078】
いま、指定商品数カウンタの値は、“1”に更新されているため、図10においては、読取情報の商品間隔は、商品X1の中心から次の商品X3の中心の間の“AL3”となるが、全体画像上の商品間隔は、商品X1の中心から次の商品X2の中心の間の“BL2”となる。この場合、両方の比率“AL3/ALとBL2/BL”は、大きく相違するため(ステップB19でNO)、正常な読み取りが行われなかったものと判断する(商品X2のRFIDタグ20が故障している可能性が高いと判断する)。この場合、ステップB21に移り、指定商品数カウンタの計数値を読み出した後、所定のメッセージを生成して表示メモリ(図示省略)に書き込む(ステップB22)。この場合のメッセージは、“○○個目辺りの商品のRFIDタグ20が故障している可能性があります”となり、○○には、指定商品数カウンタの計数値が代入される。
【0079】
そして、指定商品数カウンタに“1”を加算してその値を更新した後(ステップB23)、上述のステップB11に戻り、次の「読取時間」を指定しながら以下、上述の動作を繰り返す。ここで、棚段の他端部の支柱に関する「読取時間」を取得したときには(ステップB13でYES)、上述の表示メモリに記憶されているメッセージを表示させた後(ステップB24)、図8及び図9のフローから抜ける。
【0080】
以上のように、第2実施形態において制御部1は、複数の商品を含む撮影画像を全体画像として取得しておき、この全体画像を解析してその中に含まれている複数の商品を特定した全体画像の解析結果と、読取情報メモリM4の内容とを比較した結果、正常な読み取りが行われなかった場合に、複数の商品全体に対する当該箇所を明示するようにしたので、複数の商品の実際の配置順どおりに正常な読み取りが行われたか否かを適切に明示することができ、読み取り時の不具合に対して迅速に対応することが可能となると共に、実際の商品の配置変更に対しても全体画像を撮影し直すだけで柔軟に対応することが可能となり、実用性に富んだものとなる。
【0081】
比率同士を比較した結果、両者が異なると判別された場合に、商品側の不良で正常に読み取れなかったことを明示するようにしたので、作業者にあっては商品側のRFIDタグ20が故障していることを知ることができる。
【0082】
商品側のRFIDタグ20の不良で正常に読み取れなかったのか、商品の不足により正常な読み取りが行われなかったのかを明示するようにしたので、商品側の不良と商品の不足とを区別することができる。
【0083】
(実施形態3)
以下、この発明の第3実施形態について図8及び図11を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、在庫情報記憶部M2の内容と読取情報メモリM4の内容との比較結果に基づいて、商品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別するようにしたが、この第3実施形態においては、複数の商品を含む撮影画像を全体画像とその商品の個々を撮影した商品画像(背表紙画像)を使用し、読取情報メモリM4の内容に基づいて全体画像と背表紙画像とを順次比較することにより商品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別するようにしたものである。ここで、第1・第3実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第3実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0084】
ここで、第3実施形態の概要を簡単に説明しておくと、この第3実施形態では、撮像部11により複数の商品(例えば、棚段1列全体)を高解像度撮影した撮影画像を全体画像として取得し、その全体画像を解析することによりその全体画像内に含まれている複数の商品の位置を特定する。そして、読取情報メモリM4の先頭から「コードNo.」を指定し、その指定「コードNo.」に対応する背表紙画像を在庫情報記憶部M2から取得した後、全体画像と背表紙画像とを比較しながら商品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別するようにしている。
【0085】
図8及び図11は、第3実施形態において、棚段の前を移動しながら商品(書籍)をスキャンしてその商品からタグ情報を読み取る場合の読取処理を示したフローチャートである。この場合においても、第1実施形態と同様に、図8及び図11は、棚段の一端部から他端部に向かってスキャンする場合を例示したフローチャートである。なお、図11は、図9に代わって実行される第3実施形態特有のフローチャートである。
先ず、制御部1は、第2実施形態と同様に、読取情報メモリM4の内容を作成する処理を行い、タグ情報を読み取る毎に、読取情報メモリM4に「取得コードNo.」、「取得商品名」、「読取時間」を順次追加記憶させる(図8のステップB1〜B6)。ここで、スキャンの終了タイミングを検出したときには(ステップB6でYES)、撮像部11を起動させ、複数の商品(例えば、棚段1列全体)を高解像度撮影した撮影画像を全体画像として取得してRAM4に一時記憶しておく(ステップB7)。
【0086】
次に、図11のステップC1に移り、RAM4から全体画像を読み出して解析することによりその全体画像内に含まれている複数の商品の位置を特定する。そして、読取情報メモリM4の先頭から「コードNo.」を取得し(ステップC2)、取得した「コードNo.」は、棚段の支柱に関する情報であるか、つまり、棚段の一端部の支柱に関する「コードNo.」であるかを調べたり(ステップC3)、棚段の他端部の支柱に関する「コードNo.」であるかを調べたりする(ステップC4)。いま、棚段の一端部の支柱に関する「コードNo.」を取得した場合には(ステップC3でYES)、在庫情報記憶部M2から支柱の「幅」を取得すると共に、全体画像を解析することによりその支柱部分を認識してその支柱の幅を測定して、それら支柱幅同士の比率換算値を後述する画像パターンマッチング時の補正用倍率として算出して一時記憶したのち(ステップC5)、上述のステップC2に戻り、次の「コードNo.」を取得する。その結果、棚段の支柱に関する「コードNo.」でなければ(ステップC3、C4でNO)、ステップC6に移り、その指定「コードNo.」に対応する背表紙画像を在庫情報記憶部M2から取得する。
【0087】
そして、取得した指定商品の背表紙画像と全体画像とを比較することにより全体画像内に指定商品の背表紙画像が含まれているか否かを判別する(ステップC7)。その結果、指定商品の背表紙画像が含まれていれば(ステップC7でYES)、全体画像上に正常な読み取りであることを識別するためにその部分を囲む枠(在庫有り枠)を重ね表示用の情報として付加させると共に、当該指定「コードNo.」に対応して在庫情報記憶部M2内に「在庫有りフラグ(図示省略)」を付加記憶させる(ステップC8)。
【0088】
また、全体画像内に当該指定商品の背表紙画像が含まれていなければ(ステップC7でNO)、スキャン作業後に当該商品が抜き去られた場合であると判断してその旨を示す所定のメッセージを生成して表示メモリ(図示省略)に書き込んだ後(ステップC9)、上述のステップC2に戻り、次の「コードNo.」を取得しながら以下、上述の動作を繰り返す。ここで、棚段の他端部の支柱に関する「コードNo.」を取得したときには(ステップC4でYES)、在庫情報記憶部M2を参照して、上述の「在庫有りフラグ」が付加されていない「コードNo.」を指定し、この指定「コードNo.」に対応する「背表紙画像」を読み出し(ステップC10)、この全体画像を解析しながら「背表紙画像」が全体画像内に含まれているかを調べる(ステップC11)。
【0089】
この場合、全体画像内の各商品の位置のうち、上述の在庫有り枠が付加されていない各位置の画像部分と「背表紙画像」とを順次比較する画像パターンマッチングを行うが、その際、比較対象の各画像を上述のステップC5で算出した補正用倍率に応じて整合させた後、画像パターンマッチングを行う。その結果、「背表紙画像」に該当する画像部分が全体画像内に含まれていれば(ステップC11でYES)、その「背表紙画像」の商品に付加されているRFIDタグ20が故障している可能性が高いと判断し、その「コードNo.」及び「商品名」を読み出して所定のメッセージを生成して上述の在庫有り表示等と共に表示させる(ステップC12)。この場合のメッセージは、“○○個目辺りの商品のRFIDタグ20が故障している可能性があります”となる。なお、○○は、在庫情報記憶部M2内において、その「コードNo.」の記憶順位に応じた値が代入される。
【0090】
また、「背表紙画像」が全体画像内に含まれていなければ(ステップC11でNO)、その「背表紙画像」の商品が不足している可能性が高いと判断し、その「コードNo.」及び「商品名」を読み出して、所定のメッセージを生成して上述の在庫有り表示等と共に表示させる(ステップC13)。この場合のメッセージは、“○○個目辺りの商品が不足している可能性があります”となる。なお、○○は、在庫情報記憶部M2内において、その「コードNo.」の記憶順位に応じた値が代入される。その後、図8及び図11のフローから抜ける。
【0091】
以上のように、第3実施形態において制御部1は、複数の商品を含む撮影画像を全体画像とその商品の個々を撮影した背表紙画像を使用し、読取情報メモリM4の内容に基づいて全体画像と背表紙画像とを順次比較することにより商品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別し、正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、複数の商品全体に対する当該箇所を明示するようにしたので、複数の商品の実際の配置順どおりに正常な読み取りが行われたか否かを適切に明示することができ、読み取り時の不具合に対して迅速に対応することが可能となると共に、実際の商品の配置変更に対しても全体画像を撮影し直すだけで柔軟に対応することが可能となり、実用性に富んだものとなる。
【0092】
商品側の不良で正常に読み取れなかったのか、商品の不足により正常な読み取りが行われなかったのかを明示するようにしたので、商品側の不良と商品の不足とを区別することができる。
【0093】
なお、上述した各実施形態においては、在庫情報記憶部M2の「タグ間隔累計」を距離としたが、時間であってもよく、また、読取情報メモリM4の「読取時間」に代えて「読み取り距離」としてもよい。
また、上述した各実施形態においては、全体に対してどの辺りに不具合が起きているかを適切に明示する場合に、メッセージを表示するようにしたが、その明示の仕方は任意であり、例えば、音声メッセージを出力したり、メッセージを印刷したり、メッセージを他の装置に送信したりしてもよく、また、メッセージの出力に限らない。つまり、正常な読み取りが行われなかった商品であることを明示するために、その商品に対応付けて読取不良を示す情報を付加すればよい。
【0094】
上述した実施形態においては、読取対象として、RFIDタグ20を読み取るようにしたが、例えば、一次元バーコード、二次元バーコード、OCR文字を読取対象としてもよい。この場合、RFIDタグ、二次元バーコードを読取対象とする場合には、「コードNo.」、「商品名」を取得して読取情報メモリM4に記憶し、一次元バーコード、OCR文字を読取対象とする場合には、「コードNo.」のみを取得して読取情報メモリM4に記憶するようにすればよい。
【0095】
上述した各実施形態においては、物品として商品(書籍)を例示したが、読取対象は、書籍に限らず任意であり、また、商品に限らず、任意である。
また、上述した各実施形態においても、情報読取装置としてハンディターミナルに適用した場合を示したが、ハンディタイプのデータ収集端末に限らず、固定式(定置式)のデータ収集端末であってもよい。
【0096】
また、上述した各実施形態の情報読取装置は、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 制御部
3 記憶部
5 表示部
6 操作部
7 RFID・R/W部
10 加速度センサ
20 RFIDタグ
M1 プログラム記憶部
M2 在庫情報記憶部
M3 距離換算テーブル記憶部
M4 読取情報メモリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の順序で配置されている複数の物品から情報を読み取る情報読取装置であって、
前記複数の物品の個々に対応して、その物品を識別するための物品識別情報とその物品の配置状態を示す配置情報を含む物品情報を順次記憶する物品情報記憶手段と、
前記複数の物品の個々から物品識別情報を逐次読み取る読取手段と、
前記読取手段により物品識別情報が逐次読み取られる毎にその読取タイミングを検出する検出手段と、
前記読取手段により読み取られた物品識別情報と前記検出手段により検出された読取タイミングとを対応付けて読取情報として順次記憶する読取情報記憶手段と、
前記物品情報記憶手段の内容と前記読取情報記憶手段の内容との比較結果に基づいて、物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する明示手段と、
を具備したことを特徴とする情報読取装置。
【請求項2】
前記判別手段は、前記物品情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定すると共に前記読取情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定しながら物品識別情報同士を比較した結果、両者が一致し、かつ、その指定物品に対応する前記物品情報記憶手段内の配置情報と前記読取情報記憶手段内の読取タイミングとを比較した結果、その読み取りが正常なタイミングで行われている場合に、当該指定物品に対して正常な読み取りが行われたと判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の情報読取装置。
【請求項3】
前記判別手段は、前記物品情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定すると共に前記読取情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定しながら物品識別情報同士を比較した結果、両者が一致しなかったことを条件にその指定物品の前後に配置されている各物品に対応する前記物品情報記憶手段内の配置情報と前記読取情報記憶手段内の読取タイミングとを比較し、それらの読み取りが正常なタイミングで行われている場合に、当該指定物品に対して正常な読み取りが行われなかったと判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の情報読取装置。
【請求項4】
前記明示手段は、前記判別手段により指定物品に対して正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、当該指定物品側の不良で正常に読み取れなかったことを明示する、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の情報読取装置。
【請求項5】
前記判別手段は、前記物品情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定すると共に前記読取情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定しながら物品識別情報同士を比較した結果、両者が一致しなかったことを条件にその指定物品の前後に配置されている各物品に対応する前記物品情報記憶手段内の配置情報と前記読取情報記憶手段内の読取タイミングとを比較した結果、前記指定物品の前に配置されている物品に対してはその読み取りが正常なタイミングで行われているが、前記指定物品の後に配置されている物品に対してはその読み取りが正常なタイミングで行われていない場合に、当該指定物品に対して正常な読み取りが行われなかったと判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の情報読取装置。
【請求項6】
前記明示手段は、前記判別手段により指定物品に対して正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、当該指定物品側の不足により正常に読み取れなかったことを明示する、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の情報読取装置。
【請求項7】
前記物品情報記憶手段内の配置情報は、距離に関する情報であり、
前記読取情報記憶手段内の読取タイミングは、時間に関する情報であり、
前記判別手段は、前記指定物品に対応する前記物品情報記憶手段内の配置情報と前記読取情報記憶手段内の読取タイミングとを比較する場合に、前記時間に関する読取タイミングを距離に関する情報に換算してから比較する、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の情報読取装置。
【請求項8】
所定領域内に配置されている複数の物品から情報を読み取る情報読取装置であって、
前記複数の物品の個々から情報が逐次読み取られる毎にその読取タイミングを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された読取タイミングを読取情報として順次記憶する読取情報記憶手段と、
前記読取情報記憶手段内の各読取タイミングを順次指定しながらその指定した読取タイミングとその次の読取タイミングとの間を物品間隔として算出すると共に、前記所定領域の大きさを全体間隔として当該全体間隔に対する当該物品間隔の比率を算出する第1の算出手段と、
前記複数の物品を含む撮影画像を全体画像として取得する全体画像取得手段と、
前記全体画像取得手段により取得された全体画像を解析することにより前記所定領域の大きさを全体画像上の全体間隔として特定すると共に、その全体画像内に含まれている複数の物品を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された各物品のうち、前記指定されている読取タイミングが何個目であるかに応じてその個数に対応する物品とその次の物品との間を物品間隔として算出すると共に、前記全体画像上の全体間隔に対する当該物品間隔の比率を算出する第2の算出手段と、
前記第1及び第2の算出手段により算出された比率同士の比較結果に基づいて物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する明示手段と、
を具備したことを特徴とする情報読取装置。
【請求項9】
前記明示手段は、前記判別手段により比率同士を比較した結果、両者が異なると判別された場合に、物品側の不良で正常に読み取れなかったことを明示する、
ようにしたことを特徴とする請求項7記載の情報読取装置。
【請求項10】
複数の物品から情報を読み取る情報読取装置であって、
前記複数の物品を含む撮影画像を全体画像として取得する全体画像取得手段と、
前記複数の物品の個々に対応して、その物品を識別するための物品識別情報とその物品画像を含む物品情報を記憶する物品情報記憶手段と、
前記複数の物品の個々から物品識別情報を逐次読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた物品識別情報を読取情報として記憶する読取情報記憶手段と、
前記読取情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定しながらその指定物品に対応する前記物品画像と前記全体画像とを比較することにより全体画像内に当該指定物品の画像が含まれているか否かを判別する第1の判別手段と、
前記第1の判別手段により指定物品の画像が含まれていないと判別された全体画像内の画像部分と前記物品情報記憶手段内の各物品画像とを比較した結果、当該画像部分がいずれかの物品画像に該当しているか否かに基づいて、物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する第2の判別手段と、
前記第2の判別手段により正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する明示手段と、
を具備したことを特徴とする情報読取装置。
【請求項11】
前記第2の判別手段は、前記第1の判別手段により指定物品の画像が含まれていないと判別された全体画像内の画像部分と前記物品情報記憶手段内の各物品画像とを比較した結果、当該画像部分がいずれかの物品画像にも該当していれば、その物品側の不良で正常な読み取りが行われなかったと判別し、該当していなければ、その物品の不足により正常な読み取りが行われなかったと判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項10記載の情報読取装置。
【請求項12】
前記明示手段は、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する場合に、物品側の不良で正常に読み取れなかったのか、物品の不足により正常な読み取りが行われなかったのかを明示する、
ようにしたことを特徴とする請求項1、8、10のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項13】
前記物品識別情報は、物品の個々に付されたRFIDタグ内に記憶されたもので、
前記読取手段は、前記物品の個々に付されたRFIDタグから近距離無線通信により前記物品識別情報を読み取る、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項14】
コンピュータに対して、
所定の順序で配置されている複数の物品の個々に対応して、その物品を識別するための物品識別情報とその物品の配置状態を示す配置情報を含む物品情報を順次記憶させる機能と、
前記複数の物品の個々から物品識別情報を逐次読み取る機能と、
前記物品識別情報が逐次読み取られる毎にその読取タイミングを検出する機能と、
前記読み取られた物品識別情報と前記検出された読取タイミングとを対応付けて読取情報として順次記憶させる機能と、
前記物品情報と前記読取情報との比較結果に基づいて、物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する機能と、
前記正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項15】
コンピュータに対して、
所定領域内に配置されている複数の物品の個々から情報が逐次読み取られる毎にその読取タイミングを検出する機能と、
前記検出された読取タイミングを読取情報として順次記憶させる機能と、
前記記憶されている各読取タイミングを順次指定しながらその指定した読取タイミングとその次の読取タイミングとの間を物品間隔として算出すると共に、前記所定領域の大きさを全体間隔として当該全体間隔に対する当該物品間隔の比率を算出する機能と、
前記複数の物品を含む撮影画像を全体画像として取得する機能と、
前記全体画像を解析することにより前記所定領域の大きさを全体画像上の全体間隔として特定すると共に、その全体画像内に含まれている複数の物品を特定する機能と、
前記特定した各物品のうち、前記指定されている読取タイミングが何個目であるかに応じてその個数に対応する物品とその次の物品との間を物品間隔として算出すると共に、前記全体画像上の全体間隔に対する当該物品間隔の比率を算出する機能と、
前記算出された比率同士の比較結果に基づいて物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する機能と、
前記正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項16】
コンピュータに対して、
複数の物品を含む撮影画像を全体画像として取得する機能と、
前記複数の物品の個々に対応して、その物品を識別するための物品識別情報とその物品画像を含む物品情報を記憶させる機能と、
前記複数の物品の個々から物品識別情報を逐次読み取る機能と、
前記読み取られた物品識別情報を読取情報として記憶させる機能と、
前記読取情報内の各物品識別情報を順次指定しながらその指定物品に対応する前記物品画像と前記全体画像とを比較することにより全体画像内に当該指定物品の画像が含まれているか否かを判別する機能と、
前記指定物品の画像が含まれていないと判別された全体画像内の画像部分と前記各物品画像とを比較した結果、当該画像部分がいずれかの物品画像に該当しているか否かに基づいて、物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する機能と、
前記正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する機能と、
機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項1】
所定の順序で配置されている複数の物品から情報を読み取る情報読取装置であって、
前記複数の物品の個々に対応して、その物品を識別するための物品識別情報とその物品の配置状態を示す配置情報を含む物品情報を順次記憶する物品情報記憶手段と、
前記複数の物品の個々から物品識別情報を逐次読み取る読取手段と、
前記読取手段により物品識別情報が逐次読み取られる毎にその読取タイミングを検出する検出手段と、
前記読取手段により読み取られた物品識別情報と前記検出手段により検出された読取タイミングとを対応付けて読取情報として順次記憶する読取情報記憶手段と、
前記物品情報記憶手段の内容と前記読取情報記憶手段の内容との比較結果に基づいて、物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する明示手段と、
を具備したことを特徴とする情報読取装置。
【請求項2】
前記判別手段は、前記物品情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定すると共に前記読取情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定しながら物品識別情報同士を比較した結果、両者が一致し、かつ、その指定物品に対応する前記物品情報記憶手段内の配置情報と前記読取情報記憶手段内の読取タイミングとを比較した結果、その読み取りが正常なタイミングで行われている場合に、当該指定物品に対して正常な読み取りが行われたと判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の情報読取装置。
【請求項3】
前記判別手段は、前記物品情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定すると共に前記読取情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定しながら物品識別情報同士を比較した結果、両者が一致しなかったことを条件にその指定物品の前後に配置されている各物品に対応する前記物品情報記憶手段内の配置情報と前記読取情報記憶手段内の読取タイミングとを比較し、それらの読み取りが正常なタイミングで行われている場合に、当該指定物品に対して正常な読み取りが行われなかったと判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の情報読取装置。
【請求項4】
前記明示手段は、前記判別手段により指定物品に対して正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、当該指定物品側の不良で正常に読み取れなかったことを明示する、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の情報読取装置。
【請求項5】
前記判別手段は、前記物品情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定すると共に前記読取情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定しながら物品識別情報同士を比較した結果、両者が一致しなかったことを条件にその指定物品の前後に配置されている各物品に対応する前記物品情報記憶手段内の配置情報と前記読取情報記憶手段内の読取タイミングとを比較した結果、前記指定物品の前に配置されている物品に対してはその読み取りが正常なタイミングで行われているが、前記指定物品の後に配置されている物品に対してはその読み取りが正常なタイミングで行われていない場合に、当該指定物品に対して正常な読み取りが行われなかったと判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の情報読取装置。
【請求項6】
前記明示手段は、前記判別手段により指定物品に対して正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、当該指定物品側の不足により正常に読み取れなかったことを明示する、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の情報読取装置。
【請求項7】
前記物品情報記憶手段内の配置情報は、距離に関する情報であり、
前記読取情報記憶手段内の読取タイミングは、時間に関する情報であり、
前記判別手段は、前記指定物品に対応する前記物品情報記憶手段内の配置情報と前記読取情報記憶手段内の読取タイミングとを比較する場合に、前記時間に関する読取タイミングを距離に関する情報に換算してから比較する、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の情報読取装置。
【請求項8】
所定領域内に配置されている複数の物品から情報を読み取る情報読取装置であって、
前記複数の物品の個々から情報が逐次読み取られる毎にその読取タイミングを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された読取タイミングを読取情報として順次記憶する読取情報記憶手段と、
前記読取情報記憶手段内の各読取タイミングを順次指定しながらその指定した読取タイミングとその次の読取タイミングとの間を物品間隔として算出すると共に、前記所定領域の大きさを全体間隔として当該全体間隔に対する当該物品間隔の比率を算出する第1の算出手段と、
前記複数の物品を含む撮影画像を全体画像として取得する全体画像取得手段と、
前記全体画像取得手段により取得された全体画像を解析することにより前記所定領域の大きさを全体画像上の全体間隔として特定すると共に、その全体画像内に含まれている複数の物品を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された各物品のうち、前記指定されている読取タイミングが何個目であるかに応じてその個数に対応する物品とその次の物品との間を物品間隔として算出すると共に、前記全体画像上の全体間隔に対する当該物品間隔の比率を算出する第2の算出手段と、
前記第1及び第2の算出手段により算出された比率同士の比較結果に基づいて物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する明示手段と、
を具備したことを特徴とする情報読取装置。
【請求項9】
前記明示手段は、前記判別手段により比率同士を比較した結果、両者が異なると判別された場合に、物品側の不良で正常に読み取れなかったことを明示する、
ようにしたことを特徴とする請求項7記載の情報読取装置。
【請求項10】
複数の物品から情報を読み取る情報読取装置であって、
前記複数の物品を含む撮影画像を全体画像として取得する全体画像取得手段と、
前記複数の物品の個々に対応して、その物品を識別するための物品識別情報とその物品画像を含む物品情報を記憶する物品情報記憶手段と、
前記複数の物品の個々から物品識別情報を逐次読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた物品識別情報を読取情報として記憶する読取情報記憶手段と、
前記読取情報記憶手段内の各物品識別情報を順次指定しながらその指定物品に対応する前記物品画像と前記全体画像とを比較することにより全体画像内に当該指定物品の画像が含まれているか否かを判別する第1の判別手段と、
前記第1の判別手段により指定物品の画像が含まれていないと判別された全体画像内の画像部分と前記物品情報記憶手段内の各物品画像とを比較した結果、当該画像部分がいずれかの物品画像に該当しているか否かに基づいて、物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する第2の判別手段と、
前記第2の判別手段により正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する明示手段と、
を具備したことを特徴とする情報読取装置。
【請求項11】
前記第2の判別手段は、前記第1の判別手段により指定物品の画像が含まれていないと判別された全体画像内の画像部分と前記物品情報記憶手段内の各物品画像とを比較した結果、当該画像部分がいずれかの物品画像にも該当していれば、その物品側の不良で正常な読み取りが行われなかったと判別し、該当していなければ、その物品の不足により正常な読み取りが行われなかったと判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項10記載の情報読取装置。
【請求項12】
前記明示手段は、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する場合に、物品側の不良で正常に読み取れなかったのか、物品の不足により正常な読み取りが行われなかったのかを明示する、
ようにしたことを特徴とする請求項1、8、10のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項13】
前記物品識別情報は、物品の個々に付されたRFIDタグ内に記憶されたもので、
前記読取手段は、前記物品の個々に付されたRFIDタグから近距離無線通信により前記物品識別情報を読み取る、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項14】
コンピュータに対して、
所定の順序で配置されている複数の物品の個々に対応して、その物品を識別するための物品識別情報とその物品の配置状態を示す配置情報を含む物品情報を順次記憶させる機能と、
前記複数の物品の個々から物品識別情報を逐次読み取る機能と、
前記物品識別情報が逐次読み取られる毎にその読取タイミングを検出する機能と、
前記読み取られた物品識別情報と前記検出された読取タイミングとを対応付けて読取情報として順次記憶させる機能と、
前記物品情報と前記読取情報との比較結果に基づいて、物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する機能と、
前記正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項15】
コンピュータに対して、
所定領域内に配置されている複数の物品の個々から情報が逐次読み取られる毎にその読取タイミングを検出する機能と、
前記検出された読取タイミングを読取情報として順次記憶させる機能と、
前記記憶されている各読取タイミングを順次指定しながらその指定した読取タイミングとその次の読取タイミングとの間を物品間隔として算出すると共に、前記所定領域の大きさを全体間隔として当該全体間隔に対する当該物品間隔の比率を算出する機能と、
前記複数の物品を含む撮影画像を全体画像として取得する機能と、
前記全体画像を解析することにより前記所定領域の大きさを全体画像上の全体間隔として特定すると共に、その全体画像内に含まれている複数の物品を特定する機能と、
前記特定した各物品のうち、前記指定されている読取タイミングが何個目であるかに応じてその個数に対応する物品とその次の物品との間を物品間隔として算出すると共に、前記全体画像上の全体間隔に対する当該物品間隔の比率を算出する機能と、
前記算出された比率同士の比較結果に基づいて物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する機能と、
前記正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項16】
コンピュータに対して、
複数の物品を含む撮影画像を全体画像として取得する機能と、
前記複数の物品の個々に対応して、その物品を識別するための物品識別情報とその物品画像を含む物品情報を記憶させる機能と、
前記複数の物品の個々から物品識別情報を逐次読み取る機能と、
前記読み取られた物品識別情報を読取情報として記憶させる機能と、
前記読取情報内の各物品識別情報を順次指定しながらその指定物品に対応する前記物品画像と前記全体画像とを比較することにより全体画像内に当該指定物品の画像が含まれているか否かを判別する機能と、
前記指定物品の画像が含まれていないと判別された全体画像内の画像部分と前記各物品画像とを比較した結果、当該画像部分がいずれかの物品画像に該当しているか否かに基づいて、物品毎に正常な読み取りが行われたか否かを判別する機能と、
前記正常な読み取りが行われなかったと判別された場合に、前記複数の物品全体に対する当該判別箇所を明示する機能と、
機能と、
を実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−71920(P2012−71920A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216653(P2010−216653)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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