説明

情報転送システム及び情報転送制御方法

【課題】受信者の視点に立って情報の転送方法を決定する。
【解決手段】情報転送システム10のPC20は、相手の名称を含む転送要求を送信者から入力すると、その相手の名称に対応づけられた連絡先データ34を連絡先データベース32から読み出し、該読み出した連絡先データ34の電話番号に自動的に電話をかけて相手の希望する転送方法の回答を得る。その後、PC20は、送信者が転送しようとする情報を相手の希望する転送方法で転送可能な形式に変換し、該転送方法で該相手へ転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報転送システム及び情報転送制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ファクシミリデータや電子メールなどの情報を転送するシステムにおいて、種々の工夫がなされている。例えば、特許文献1の情報転送システムは、送信者から転送される情報を受信可能な複数の受信場所の各々に対して通信モード及びアドレス情報を登録しておき、受信者のスケジューラに基づいて受信場所を特定し、その受信場所に対応する通信モード及びアドレス情報を用いて受信者へ情報を転送する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2000−41063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、受信者がスケジューラの予定とは異なる行動をした場合、受信者が実際に居る場所とは別の場所に情報が転送されてしまうことがあった。また、受信者がスケジューラの予定通りの行動をした場合であっても、前もって登録されている転送方法とは別の転送方法で情報を転送してほしいこともあった。
【0004】
本発明の情報転送システム及び情報転送制御方法は、受信者の視点に立って情報の転送方法を決定することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の情報転送システムは、
相手の名称と連絡先とを対応づけて記憶する連絡先記憶手段と、
相手の名称を含む転送要求を送信者から入力される転送要求入力手段と、
指示された連絡先に自動的に連絡をとり相手から回答を得る自動連絡手段と、
送信者が転送しようとする情報を各種の転送方法で転送可能な転送手段と、
前記転送要求入力手段に前記転送要求が入力されたとき、前記転送要求に含まれる相手の名称に対応づけられた連絡先を前記連絡先記憶手段から読み出し、該読み出した連絡先に自動的に連絡をとり該相手の希望する転送方法の回答を得るよう前記自動連絡手段を制御し、前記相手の希望する転送方法の回答が得られたあと、前記送信者が転送しようとする情報を前記転送方法で転送可能な形式に変換し、該変換後の情報が前記転送方法で前記相手へ転送されるよう前記転送手段を制御する制御手段と、
を備えた情報転送システム。
を備えたものである。
【0007】
この情報転送システムでは、相手の名称を含む転送要求が入力されると、その転送要求に含まれる相手の名称に対応づけられた連絡先を連絡先記憶手段から読み出す。次いで、読み出した連絡先に自動的に連絡をとり相手の希望する転送方法の回答を得るよう自動連絡手段を制御する。そして、その相手の希望する転送方法の回答が得られたあと、送信者が転送しようとする情報をその転送方法で転送可能な形式に変換し、変換後の情報がその転送方法で相手へ転送されるよう転送手段を制御する。このように、相手の希望する転送方法の回答を得たうえで情報を転送するため、受信者の視点に立って情報の転送方法を決定することができる。
【0008】
ここで、転送方法とは、例えば電子メールで転送する形式、FAXで送信する形式、ウェブ配信により転送する形式(ファイルのダウンロード)などが挙げられる。
【0009】
本発明の情報転送システムにおいて、前記制御手段は、前記自動連絡手段が前記相手の希望する転送方法の回答を得たあと該転送方法を前記送信者へ通知してもよい。こうすれば、送信者はどういう転送方法で相手へ転送されたかを知ることができる。
【0010】
本発明の情報転送システムにおいて、前記制御手段は、前記転送手段による転送が終了したあと受領結果の回答を得るよう前記自動連絡手段を制御し、該自動連絡手段が前記受領結果の回答を得たあと該受領結果を前記送信者へ通知してもよい。こうすれば、送信者は転送した情報を相手が受領した否かを容易に確認することができる。
【0011】
本発明の情報転送システムにおいて、前記制御手段は、前記自動連絡手段が前記相手の希望する転送方法の回答のほかに転送希望日時の回答も得たときには、該転送希望日時の到来を待って前記送信者が転送しようとする情報を前記相手の希望する転送方法で該相手へ転送されるよう前記転送手段を制御してもよい。こうすれば、相手の都合のよい日時に送信することができる。
【0012】
本発明の情報転送システムにおいて、前記制御手段は、前記自動連絡手段が前記相手の希望する転送方法の回答がなかったときには、予め定められたデフォルトの転送方法を前記相手の希望する転送方法とみなしてもよい。こうすれば、相手の希望する転送方法の回答がなかったとしても、送信者の転送要求に応えることができる。このとき、前記デフォルトの転送方法は、前記連絡先記憶手段に相手の名称に対応づけて記憶されていてもよい。こうすれば、相手が希望する転送方法をデフォルトとして設定することができる。こうしたデフォルトの転送方法は、相手からの要求に応じて適宜変更可能としてもよい。
【0013】
本発明の情報転送制御方法は、
相手の名称と連絡先とを対応づけて記憶する連絡先記憶手段と、指示された連絡先に自動的に連絡をとり相手から回答を得る自動連絡手段と、送信者が転送しようとする情報を各種の転送方法で転送可能な転送手段とを利用する、コンピュータ・ソフトウェアによる情報転送制御方法であって、
(a)相手の名称を含む転送要求を送信者から入力されるステップと、
(b)前記転送要求に含まれる相手の名称に対応づけられた連絡先を前記連絡先記憶手段から読み出し、該読み出した連絡先に自動的に連絡をとり該相手の希望する転送方法の回答を得るよう前記自動連絡手段を制御し、前記相手の希望する転送方法の回答が得られたあと、前記送信者が転送しようとする情報を前記転送方法で転送可能な形式に変換し、該変換後の情報が前記転送方法で前記相手へ転送されるよう前記転送手段を制御するステップと、
を含むものである。
【0014】
この情報転送制御方法によれば、相手の希望する転送方法の回答を得たうえで情報を転送するため、受信者の視点に立って情報の転送方法を決定することができる。なお、こうした制御方法において、上述した本発明の情報転送システムが備える各種の構成によって奏される作用・機能を実現するためのステップを追加してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に本発明を具現化した一実施形態について説明する。図1は情報転送システム10の構成の概略を示す説明図である。
【0016】
情報転送システム10は、図1に示すように、パーソナルコンピュータ(PC)20とディレクトリサーバ30とにより構成されている。
【0017】
PC20は、CPU21を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種処理プログラムを記憶したROM22と、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM23と、各種データを保存する大容量のHDD24と、CPU21により制御され電話回線を通じて外部の電話と応答可能な自動電話25と、インターネット回線を通じて外部のコンピュータとの電子メールのやり取りやウェブ配信を可能とするネットワークボード26と、Fax回線を通じて外部のファクシミリ機器とのデータの送受信を可能とするFaxボード27とを備えている。このPC20には、画像を表示可能なディスプレイ28と、ユーザの指示を入力可能なキーボード29が接続されている。
【0018】
ディレクトリサーバ30は、図示しないがPC20と同様のCPU、ROM、RAM等から構成され、PC20とデータのやり取りが可能なように接続されている。このディレクトリサーバ30は、連絡先データベース32を有している。連絡先データベース32には、個人や法人の名称と連絡先とを対応づけた連絡先データ34が登録されている。この連絡先データ34は、名称ごとに電話番号、メールアドレス、Fax番号の3つの連絡先が対応づけられている。なお、電話番号は必ず対応づけられているが、個人や法人によっては電子メール及びファクシミリのいずれか一方が利用できないことがあるため利用できないデバイスについては空欄になっている。また、連絡先データ34は、名称ごとに転送方法のデフォルトが1つ対応づけられている。このデフォルトについては後述する。
【0019】
次に、こうして構成された本実施形態の情報転送システム10の動作について説明する。図2は情報転送制御ルーチンのフローチャート、図3は情報転送時の信号のやり取りを表す説明図である。PC20のCPU21は、送信者がキーボード29を介して転送要求を入力したときに情報転送制御ルーチンのプログラムをROM22から読み出し、これを実行する。なお、転送要求は、図3に示すように、あて先の名称と送信者の名称と本文とを含む。また、本文は、電子メールで転送する形式、FAXで送信する形式、ウェブ配信により転送する形式(ファイルのダウンロード)のいずれかにCPU21によって変換可能である。
【0020】
この情報転送制御ルーチンが開始されると、CPU21は、まず、転送要求に含まれるあて先を読み出し該あて先に対応する連絡先の取得をディレクトリサーバ30に要求する(ステップS100,図3も参照)。連絡先の取得要求を受信したディレクトリサーバ30は、今回のあて先に対応する連絡先データ34を連絡先データベース32の中から検索し、該当する連絡先データ34が見つかったときにはその連絡先データ34の内容をCPU21に返信し、該当する連絡先データ34が見つからなかったときには該当する連絡先データ34がない旨をCPU21に返信する。
【0021】
CPU21は、ディレクトリサーバ30から検索結果を受信するのを待って該当する連絡先データ34があったか否かを判定する(ステップS110)。そして、該当する連絡先データ34がなかったときには、「あて先が未登録です。」というエラーメッセージをディスプレイ28に表示し(ステップS220)、本ルーチンを終了する。送信者は、このエラーメッセージを読んだ後、今回のあて先に対応する電話番号やメールアドレス、FAX番号をキーボード29を介して入力する。すると、CPU21は、入力された内容の登録要求をディレクトリサーバ30に送信し、これを受信したディレクトリサーバ30はその内容に基づいて新たな連絡先データ34を作成し、これを連絡先データベース32に登録する。
【0022】
一方、ステップS110で該当する連絡先データ34があったときには、その連絡先データ34に含まれる電話番号へ自動的に電話をかけて相手の希望する転送方法の聞き取りを実行するよう自動電話25を制御する(ステップS120,図3も参照)。具体的には、相手が電話に出た場合、自動電話25は音声ガイダンスによって相手が希望する転送方法を聞き出す。例えば、自動電話25が「こちらは転送自動ガイダンスです。XXX(送信者の名称)からYYY(相手の名称)様への転送情報がございます。お受け取り可能な転送方法を読み上げますので、ご希望の転送方法の番号を押してご選択ください。1:FAXで転送する。2:メールで転送する。3:ウェブ配信により転送する。4:今は受信できないが受信可能な日時を指定する。5:ガイダンスをもう一度聞き直す。」というメッセージを音声で伝える。これに対して、相手が「1」をプッシュしたとすると、自動電話25は「1のFAXで転送させていただきます。ありがとうございました。」というメッセージを音声で伝え、電話を自動的に切ると共に、FAXが選択されたことをCPU21へ送信する。一方、相手が「4」をプッシュしたとすると、自動電話25は、「ご希望の日付を、2桁の月と2桁の日にちで番号を押して下さい。ガイダンスをもう一度聞く場合は#を押して下さい。」というメッセージを音声で伝える。これに対して、相手が「0101」をプッシュすると、自動電話25は「転送日は1月1日といたします。続いて、ご希望の時刻を4桁の数字で入力して下さい。」というメッセージを音声で伝える。これに対して、相手が「1300」をプッシュすると、自動電話25は「転送時刻は13:00といたします。続いて、お受け取り可能な転送方法を読み上げますので、ご希望の転送方法の番号を押してご選択下さい。1:FAXで転送する。2:メールで転送する。3:ウェブ配信により転送する。4:ガイダンスをもう一度聞き直す。」というメッセージを音声で伝える。これに対して、相手が「2」をプッシュしたとすると、自動電話25は「2のメールで転送させていただきます。ありがとうございました。」というメッセージを音声で伝え、電話を自動的に切ると共に、転送希望日時が1月1日の13:00であり、希望転送方法がメールであることをCPU21へ送信する。
【0023】
CPU21は、自動電話25から回答を受信するのを待ってその回答つまり聞き取りの結果が転送方法のみなのか転送方法と転送希望日時の両方なのかを判定する(ステップS130)。そして、聞き取り結果が転送方法のみのときには、その転送方法を相手の希望する転送方法であるとしてディスプレイ28に表示する(ステップS140,図3も参照)。これにより、送信者は今回どのような転送方法で相手に転送されるのかを知ることができる。一方、ステップS130で聞き取り結果が転送方法と転送希望日時の両方のときには、転送希望日時と共にその転送方法を相手の希望する転送方法であるとしてディスプレイ28に表示する(ステップS150,図3も参照)。これにより、送信者は今回転送しようとした情報が転送希望日時に転送されることになったことやそのときにどのような転送方法で相手に転送されるのかを知ることができる。その後、CPU21は、転送希望日時が到来したか否かを判定し(ステップS160)、転送希望日時が到来するまで待機する。一方、ステップS140のあと又はステップS160で転送希望日時が到来したときには、転送しようとする情報(転送要求中の本文)を相手の希望する転送方法で転送可能な形式に変換し、該変換後の情報をその転送方法で相手に転送する(ステップS170,図3も参照)。
【0024】
転送終了後、CPU21は、その相手の電話番号へ自動的に電話をかけて受領結果の聞き取りを実行するよう自動電話25を制御する(ステップS180,図3も参照)。具体的には、相手が電話に出た場合、自動電話25は音声ガイダンスによって今回転送した情報の受領結果を聞き出す。例えば、自動電話25が「こちらは転送自動ガイダンスです。XXX(送信者)からYYY(相手の名称)様への情報を受領いただけましたでしょうか。受領状況の番号を押して下さい。1:受領済み。2:未受領。」というメッセージを音声で伝える。これに対して、相手がいずれかの番号をプッシュすると、自動電話25は「ありがとうございました。」というメッセージを音声で伝え、電話を自動的に切ると共に、相手の受領状況をCPU21へ送信する。
【0025】
CPU21は、自動電話25から回答を受信するのを待ってその回答つまり聞き取りの結果が受領済みなのか未受領なのかを判定する(ステップS190)。そして、聞き取り結果が受領済みのときには、転送した情報を相手が受領したことをディスプレイ28に表示し(ステップS200,図3も参照)、聞き取り結果が未受領のときには、転送した情報を相手が受領したことを確認できなかった旨をディスプレイ28に表示し(ステップS210,図3も参照)、本ルーチンを終了する。これにより、送信者は相手が今回転送した情報を受領したか否かを知ることができる。
【0026】
なお、ステップS120やステップS180で所定回数コールしても相手が電話に出なかったときやいずれの番号も相手がプッシュしなかったときには、ディスプレイ28にエラーメッセージを表示して情報転送制御ルーチンを終了してもよいし、予めその相手の連絡先データ34に転送方法のデフォルト(図1参照)が設定されている場合にはそのデフォルトの転送方法で情報を転送してもよい。こうすれば、相手の希望する転送方法の回答がなかったとしても、送信者の転送要求に応えることができる。こうしたデフォルトは、予めPC20に変更不能に設定されていてもよいが、相手ごとに異なる転送方法が設定されていてもよい。相手ごとに異なる転送方法が設定されている場合、送信者が情報を転送しようとするときに相手の希望する転送方法の確認がとれなかったらどの転送方法で情報を転送するのが好ましいかを予め各相手から教えてもらい、その転送方法に設定される。このとき、適時、相手の要望に応じてデフォルトの転送方法を更新できるようにしてもよい。
【0027】
また、連絡先データベース32に登録されている個人又は法人が現在の連絡先データ34の変更を希望する場合、自らが登録情報更新ページのウェブ画面(図示せず)からディレクトリサーバ30にアクセスして連絡先データ34を変更してもよいし、送信者に変更内容を通知して送信者がその変更内容に基づいて連絡先データ34を変更してもよい。前者の場合、オペレータがウェブブラウザを利用して登録情報更新ページのURLにアクセスする。すると、登録情報更新ページのウェブ画面が表示されるため、オペレータはそのページ上で変更内容を入力し連絡先データ34を更新する。なお、オペレータには、事前に送信者から登録情報更新ページのURLがメールで送られてきているものとする。
【0028】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のディレクトリサーバ30の連絡先データベース32が本発明の連絡先記憶手段に相当し、キーボード29が転送要求入力手段に相当し、自動電話25が自動連絡手段に相当し、ネットワークボード26及びFAXボード27が転送手段に相当し、CPU21が制御手段に相当する。なお、本実施形態は情報転送システム10の動作を説明することにより本発明の情報転送制御方法の一例も明らかにしている。
【0029】
以上詳述した本実施形態の情報転送システム10によれば、相手の希望する転送方法の回答を得たうえで情報を転送するため、受信者の視点に立って情報の転送方法を決定することができる。また、相手の希望する転送方法が送信者へ通知されるため、送信者はどういう転送方法で相手へ転送されたかを知ることができる。更に、受領結果も送信者へ通知されるため、送信者は転送した情報を相手が受領した否かを容易に確認することができる。更にまた、自動電話25が相手の希望する転送方法の回答のほかに転送希望日時の回答も得たときには、該転送希望日時の到来を待って相手の希望する転送方法でその相手へ情報が転送されるため、相手の都合のよい日時に送信することができる。
【0030】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0031】
例えば、上述した実施形態では、相手の希望する転送方法がどのような転送方法かにかかわらず、ステップS180で受領結果の聞き取りを実行するようにしたが、電子メールなどで開封通知が設定されている場合、相手の希望する転送方法が電子メールだったときにはステップS180の処理を省略してもよい。この場合、情報を転送した後所定時間内に開封通知が届いたときには今回の情報が相手に受領されたことをディスプレイ28に表示し、所定時間内に開封通知が届かなかったときには今回の情報が相手に受領されていないことをディスプレイ28に表示してもよい。なお、このときの所定時間は、予めROM22に記憶されていてもよいし、送信者が適宜設定変更できるものとしてもよい。
【0032】
上述した実施形態では、情報転送システム10のキーボード29を介して送信者が送信要求を入力するものとしたが、情報転送システム10に通信線を介して接続されたユーザコンピュータ40を送信者が操作することによりユーザコンピュータ40から情報転送システム10へ送信要求を入力してもよい。この場合、情報転送システム10には送信者の連絡先(電話番号やメールアドレス、FAX番号など)が記憶されており、相手の希望する転送方法や受領結果などの送信者への通知は情報転送システム10から例えば電子メールを利用してユーザコンピュータ40へ送信することにより行われる。
【0033】
上述した実施形態では、情報転送システム10をPC20とディレクトリサーバ30で構成するものとしたが、PC20にディレクトリサーバ30の機能を持たせる(例えばPC20のHDD24に連絡先データベース32を記憶する)ことによりディレクトリサーバ30を省略してもよい。
【0034】
上述した実施形態では、自動電話25を利用して電話で聞き取りを行うようにしたが、電話の代わりに電子メールを利用して聞き取りを行うようにしてもよい。
【0035】
上述した実施形態では、あて先の名称をキーとして連絡先を検索したが、連絡先データベース32にあて先の名称と送信者の名称の両方に対応づけて連絡先を記憶しておき、検索時にはあて先の名称と送信者の名称をキーとして連絡先を検索してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】情報転送システム10の構成の概略を示す説明図
【図2】情報転送制御ルーチンのフローチャート。
【図3】情報転送時の信号のやり取りを表す説明図。
【図4】他の実施形態の構成の概略を表す説明図。
【符号の説明】
【0037】
10 情報転送システム、20 パーソナルコンピュータ(PC)、21 CPU、22 ROM、23 RAM、24 HDD、25 自動電話、26 ネットワークボード、27 Faxボード、28 ディスプレイ、29 キーボード、30 ディレクトリサーバ、32 連絡先データベース、34 連絡先データ34、40 ユーザコンピュータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手の名称と連絡先とを対応づけて記憶する連絡先記憶手段と、
相手の名称を含む転送要求を送信者から入力される転送要求入力手段と、
指示された連絡先に自動的に連絡をとり相手から回答を得る自動連絡手段と、
送信者が転送しようとする情報を各種の転送方法で転送可能な転送手段と、
前記転送要求入力手段に前記転送要求が入力されたとき、前記転送要求に含まれる相手の名称に対応づけられた連絡先を前記連絡先記憶手段から読み出し、該読み出した連絡先に自動的に連絡をとり該相手の希望する転送方法の回答を得るよう前記自動連絡手段を制御し、前記相手の希望する転送方法の回答が得られたあと、前記送信者が転送しようとする情報を前記転送方法で転送可能な形式に変換し、該変換後の情報が前記転送方法で前記相手へ転送されるよう前記転送手段を制御する制御手段と、
を備えた情報転送システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記自動連絡手段が前記相手の希望する転送方法の回答を得たあと該転送方法を前記送信者へ通知する、
請求項1に記載の情報転送システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記転送手段による転送が終了したあと受領結果の回答を得るよう前記自動連絡手段を制御し、該自動連絡手段が前記受領結果の回答を得たあと該受領結果を前記送信者へ通知する、
請求項1又は2に記載の情報転送システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記自動連絡手段が前記相手の希望する転送方法の回答のほかに転送希望日時の回答も得たときには、該転送希望日時の到来を待って前記送信者が転送しようとする情報を前記相手の希望する転送方法で該相手へ転送されるよう前記転送手段を制御する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報転送システム。
【請求項5】
前記制御手段は、前記自動連絡手段が前記相手の希望する転送方法の回答がなかったときには、予め定められたデフォルトの転送方法を前記相手の希望する転送方法とみなす、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報転送システム。
【請求項6】
前記デフォルトの転送方法は、前記連絡先記憶手段に相手の名称に対応づけて記憶されている、
請求項5に記載の情報転送システム。
【請求項7】
相手の名称と連絡先とを対応づけて記憶する連絡先記憶手段と、指示された連絡先に自動的に連絡をとり相手から回答を得る自動連絡手段と、送信者が転送しようとする情報を各種の転送方法で転送可能な転送手段とを利用する、コンピュータ・ソフトウェアによる情報転送制御方法であって、
(a)相手の名称を含む転送要求を送信者から入力されるステップと、
(b)前記転送要求に含まれる相手の名称に対応づけられた連絡先を前記連絡先記憶手段から読み出し、該読み出した連絡先に自動的に連絡をとり該相手の希望する転送方法の回答を得るよう前記自動連絡手段を制御し、前記相手の希望する転送方法の回答が得られたあと、前記送信者が転送しようとする情報を前記転送方法で転送可能な形式に変換し、該変換後の情報が前記転送方法で前記相手へ転送されるよう前記転送手段を制御するステップと、
を含む情報転送制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−193102(P2009−193102A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−30054(P2008−30054)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】