説明

情報配信システム、情報配信装置及び車載器

【課題】配信するコンテンツ情報のうち、即時型情報が含まれる旨を即時に知らせ得る情報配信装置、即時型情報を優先的に出力し得る車載器、及び即時型情報が含まれる旨を即時に知らせ、当該即時型情報を優先的に出力し得る情報配信システムを提供する。
【解決手段】情報配信装置30から路側無線装置20を介してDSRC部3を有する車載器10にコンテンツ情報を無線送信する情報配信システム100において、情報配信装置30は、コンテンツ情報には各種情報を含めて配信可能であり、当該コンテンツ情報に各種情報が含まれているか否かを示す区分情報を配信させる制御部31を備え、車載器10は、区分情報を参照し、受信したコンテンツ情報に即時型情報が含まれているか否かを判断し、含まれている場合には、即時型情報を前記コンテンツ情報に含まれる他の情報よりも優先して音声又は画像により出力させる制御部4を備える情報配信システム100とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システム、情報配信装置及び車載器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ITS(Intelligent Transport System : 高度道路交通システム)車載器が普及している。ITS車載器とは、目的地案内を可能とするカーナビ部と、DSRC(Dedicated Short-Range Communication : 専用狭域通信)部とを備えて構成される車載器をいう。
【0003】
DSRC部を有するITS車載器では、各種サービス情報を取得することができる。
各種サービス情報には、例えばETC(Electronic Toll Collection system : ノンストップ自動料金支払いシステム)やVICS(Vehicle Information and Communication System : 道路交通情報通信システム)等に関するものがある。
【0004】
また、上記各種サービス情報の他に、DSRC部はコンテンツ情報を取得することができる。コンテンツ情報には、例えば広告情報、周辺に設置されている駐車場情報、駐車場の満空情報、駐車場内での運転を支援して事故防止を図る運転支援情報等がある。
【0005】
このように、DSRC部によれば、ユーザに応じて地域に密着した様々な情報が取得可能であり、取得した情報を音声又は画像等により出力することができる。
DSRC部を有するITS車載器に関する技術については、以下の特許文献1に開示されている。
【0006】
特許文献1によれば、コンテンツ情報を取得した後、取得したコンテンツ情報を一定期間記憶しておくことが可能なITS車載器が開示されている。これによれば、DSRC通信ができない環境においても、記憶しているコンテンツ情報を必要な場面で出力することができる。
なお、DSRC通信ができない環境とは、道路上や駐車場等に点在する路側無線装置とDSRC部とが一定の範囲内にない状態をいう。この場合、路側無線装置とネットワーク接続されている情報配信装置は、コンテンツ情報をITS車載器に配信することができない。
【特許文献1】特開2007−109032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載のITS車載器によれば、コンテンツ情報に含まれる各情報の中から、即時に音声又は画像等にて出力すべき情報(以下、「即時型情報」という)の有無を即時に判断することはできない。よって、即時型情報をコンテンツ情報に含まれる他の情報よりも優先して出力することができない。
【0008】
一方、ITS車載器にコンテンツ情報を配信する情報配信装置側も、コンテンツ情報に即時型情報が含まれる旨をITS車載器に即時に知らせる術がない。
【0009】
本発明の目的は、配信するコンテンツ情報のうち、即時型情報が含まれる旨を即時に知らせ得る情報配信装置、即時型情報を優先的に出力し得る車載器、及び即時型情報が含まれる旨を即時に知らせ、当該即時型情報を優先的に出力し得る情報配信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、
情報配信装置から路側無線装置を介してDSRC部を有する車載器にコンテンツ情報を無線送信する情報配信システムにおいて、
前記情報配信装置は、前記コンテンツ情報には各種情報を含めて配信可能であり、当該コンテンツ情報に各種情報が含まれているか否か示す区分情報を配信する配信制御手段を備え、
前記車載器は、前記区分情報を参照し、受信した前記コンテンツ情報に即時型情報が含まれているか否かを判断し、含まれている場合には、前記即時型情報を前記コンテンツ情報に含まれる他の情報よりも優先して音声又は画像により出力する出力制御手段を備える情報配信システムが提供される。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、
車両を検出する車両検出装置を更に備え、
前記配信制御手段は、前記車両検出装置から車両検出通知を受信すると、受信した車両検出通知を前記即時型情報に含ませ、当該即時型情報を含む前記コンテンツ情報を前記車載器に配信し、
前記出力制御手段は、前記車両検出通知が含まれた前記即時型情報を前記コンテンツ情報に含まれる他の情報よりも優先して音声又は画像により出力する情報配信システムが提供される。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明において、
前記即時型情報は、運転支援情報である情報配信システムが提供される。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、
路側無線装置を介してDSRC部を有する車載器にコンテンツ情報を無線送信する情報配信装置において、
前記コンテンツ情報には各種情報を含めて配信可能であり、当該コンテンツ情報に各種情報が含まれているか否か示す区分情報を前記車載器に配信する配信制御手段を備える情報配信装置が提供される。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、
情報配信装置から路側無線装置を介してコンテンツ情報を受信し、受信した前記コンテンツ情報を音声又は画像により出力するDSRC部を備えた車載器において、
前記コンテンツ情報を受信するとともに、前記コンテンツ情報に各種情報が含まれているか否か示す区分情報を受信し、当該受信した区分情報を参照して、前記コンテンツ情報に即時型情報が含まれているか否かを判断し、含まれている場合には、前記即時型情報を前記コンテンツ情報に含まれる他の情報よりも優先して音声又は画像により出力する出力制御手段を備える車載器が提供される。
【0015】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明において、
前記出力制御手段は、受信した前記コンテンツ情報に即時型情報が含まれている場合、出力処理中の情報に代えて、前記即時型情報を音声又は画像により出力する車載器が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、情報配信装置は、コンテンツ情報とともに区分情報を車載器に配信することができ、区分情報により、即時型情報の有無を車載器に即時に知らせることができる。一方、車載器は、区分情報を参照して、即時型情報がコンテンツ情報に含まれているか否か、即時に判断して出力することができる。
よって、ユーザは、より重要度の高い情報をリアルタイムで得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る情報は威信システム、車載器及び情報配信装置の最適な実施形態の構成及び動作について、図面を用いて詳細に説明する。
【0018】
まず、図1に、本実施形態における情報配信システム100の全体図を示す。
情報配信システム100は、車載器10、路側無線装置20、情報配信装置30により構成される。
【0019】
車載器10は、カーナビ部及びDSRC部を含んで構成されるITS車載器であり、対象車両C内の所定の位置に設置される。
【0020】
カーナビ部は、主に3つのメディアによりVICS等の情報を取得する。3つのメディアとは、FM多重放送、光ビーコン、電波ビーコンの3つである。
【0021】
DSRC部は、5.8GHz帯を利用したアクティブ方式の双方向通信が可能である。DSRC部は、上記したETCやVICS等の各種サービス情報を取得する他、本実施形態におけるコンテンツ情報を取得する。
【0022】
路側無線装置20は、道路上や駐車場等に設置され、DSRC部と5.8GHz帯を利用した双方向通信を行う。通信距離は、数m〜数10mと小さく、セル半径は狭い。
【0023】
路側無線装置20は、通信距離を所定の範囲内とすることで、対象車両Cの1台1台と確実に通信することができ、周波数資源を有効に利用することができる。更に、地域情報や気象情報など、ユーザのいる場所に密着したサービスを提供することができる。
【0024】
情報配信装置30は、車載器10に配信するためのコンテンツ情報を格納する。また、情報配信装置30は、コンテンツ情報を配信するとともに、区分情報を車載器10に配信する。なお、本実施形態においては、情報配信装置30は区分情報をコンテンツ情報に含ませ、このコンテンツ情報を車載器10に配信する。区分情報については、図6の説明で後述する。
【0025】
図2に、DSRC通信の概要図を示す。
DSRC通信環境の前提として、対象車両Cは車載器10を備え、路側無線装置20と一対一で通信するべく、低速走行又は停車しているものとする。
【0026】
対象車両Cが路側無線装置20と通信可能なエリア内にあるとき、路側無線装置20は車載器10と双方向に無線通信を開始する。
【0027】
図3に、車載器10の機能ブロック図を示す。
車載器10は、大別するとカーナビ部1、VICSモジュール2、DSRC部3、制御部4、音声出力部5により構成される。
【0028】
カーナビ部1は、カーナビ制御部1a、現在地検出部1b、地図記憶部1c、入力部1d、表示部1e、記憶部1f等を備えて構成される。
【0029】
カーナビ制御部1aは、現在地検出部1bから出力される自車の現在地を受信する。そして、地図記憶部1cから出力される地図データの道路形状とのマッチングを行い、表示部1eに地図画面及び現在の自車位置マークを表示させる。
【0030】
また、カーナビ制御部1aは、自車位置マークを地図上に表示させるとともに、自車の走行に関する案内情報を予め生成して記憶部1fに記憶させる。
【0031】
案内情報には、例えば「300m先に急カーブがあります」等の警告情報やユーザにより設定された目的地までのルートを案内するルート情報等がある。
【0032】
入力部1dは、ナビゲーション動作等の指定入力を行うための各種キーを備えて構成される。
入力部1dは、これらのキーが押下されると操作信号を生成し、生成した操作信号をカーナビ制御部1aに出力する。
【0033】
表示部1eは、モニタ及び/又はタッチパネルを備えて構成される。
表示部1eは、カーナビ制御部1aから入力される表示信号に従って、表示処理を行う。また、表示部1eは、DSRC部3によって取得されたコンテンツ情報を表示する表示処理も行う。
【0034】
記憶部1fは、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体を備えて構成される。
記憶部1fは、この記録媒体にカーナビ制御部1aにより実行される各種制御プログラム及びこれらの制御プログラムの実行時に利用されるデータ等を記憶する。
【0035】
VICSモジュール2は、3つのVICS機能を備えたモジュールから構成される。
3つのVICS機能とは、光通信による光ビーコン、FM通信によるFM多重放送、電波通信による電波ビーコンの3つである。
【0036】
DSRC部3は、DSRC制御部3a、通信部3b、記憶部3c、ETC処理部3d、ICカードI/F部3e等を備えて構成される。
【0037】
DSRC制御部3aは、記憶部3cに記憶されている各種制御プログラムとの協働により、DSRC部3の各部を統括的に制御する。
【0038】
また、DSRC制御部3aは、通信部3bを介して路側無線装置20から受信したコンテンツ情報を記憶部3cに一時的に格納し、これを表示部1eに表示させ、又は音声出力部7に音声出力させる。
【0039】
通信部3bは、図示しない空中線部を備えて構成され、周波数5.8GHz帯のRF(Radiology Frequency)信号を受信する。そして、受信したRF信号を復調処理してDSRC制御部3aに出力する。
【0040】
また、通信部3bは、DSRC制御部3aから出力されたデータを受信し、空中線部を介して送出する。送出したデータは、路側無線装置20を介して情報配信装置30が受信することとなる。
【0041】
記憶部3cは、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体を備えて構成される。
記憶部3cは、DSRC制御部3aにより実行される各種制御プログラム及びこれらの制御プログラムの実行時に利用されるデータ等を記憶する。
【0042】
また、記憶部3cにはアップリンク情報記憶領域Mが設けられている。アップリンク情報記憶領域Mは、図4に示すように情報配信装置30に情報を提供するために専用に設けられた記憶領域であり、図4に示すアップリンク情報m1の他、車載器10の特性情報(図示せず)が記憶される。
【0043】
特性情報とは、車載器10の機器特性に関する情報をいう。特性情報には、車載器10の車載器ID、車載器10が対応できる言語、地図の測地系、著作権管理技術、表示部1eのディスプレイの解像度、SVG(Scalable Vector Graphics)の対応性、コンテンツ情報を蓄積可能な記憶容量等の情報が含まれる。なお、車載器IDは各車載器10に固有の識別情報である。
【0044】
アップリンク情報m1とは、情報配信装置30においてどのような内容のコンテンツ情報を配信するかを決定する際に用いられる情報である。アップリンク情報m1には、配信事業者の特定情報、対象車両Cの目的地情報、経由地情報、累計走行距離情報、過去の立ち寄り地情報、ユーザの嗜好情報、広告視聴履歴情報等が含まれる。図4に例を示すように、アップリンク情報m1は配信事業者A、Bの配信事業者毎に生成され、アップリンク情報記憶領域Mに記憶される。
【0045】
配信事業者の特定情報は、ユーザが予めコンテンツ情報の配信について契約した配信事業者を特定する情報であり、例えば事業者コード、事業者名等である。
対象車両Cの目的地情報は、カーナビ部1で設定された目的地の緯度、経度の情報であり、経由地情報はカーナビ部1で設定された目的地までの誘導経路において経由する地点の緯度、経度の情報である。また、累計走行距離情報は出発地点から現在地までの対象車両Cの累計走行距離の情報であり、過去の立ち寄り地情報は過去に対象車両Cが停車した(つまり車載器10の電源がON又はOFFされた)地点の緯度、経度の情報及び時刻情報である。
【0046】
嗜好情報は、情報配信装置30においてユーザの嗜好に合わせてコンテンツ情報を編成するために用いるものである。嗜好情報は、コンテンツ情報を分類した複数の項目毎にユーザの嗜好性に関する情報を設定したものである。項目は配信事業者が任意に設定できる。
【0047】
図5は、1〜96項目についてユーザが視聴したいか否かの嗜好性が設定された嗜好情報の例である。図5に示すように、嗜好情報には対応するコンテンツ情報のバージョンの情報、全項目数の情報を先頭に、各項目について項目番号、項目名を示す表示用テキスト、階層の情報が設定されている。
【0048】
項目は階層構造を有しており、上記階層の情報は各項目がどの階層にあたるのかを示す情報である。「0」は最上位の階層であることを示し、「1」、「2」と数字が大きくなるにつれて下位になることを示す。また、項目間の従属関係は項目番号により示す。つまり、従属関係のある項目群単位で各項目を並べ、その項目群の中でも従属関係のある項目については、上位の項目のすぐ後に従属する下位の項目を並べて項目番号を付与することにより、項目番号順に階層の情報を読み込めば従属関係と階層を判断することができる。
【0049】
図5の例で説明すると、最上位である「暮らし」の項目は項目番号「1」、階層は「0」である。そのすぐ後の項目番号「2」の「病院」の項目は階層が「1」であるので、「暮らし」の項目より階層が下位でありかつ「暮らし」の項目に従属していることが分かる。ここで、「病院」の項目にさらに「小児科」、「内科」の項目が従属する場合にはこれらの項目は「病院」のすぐ後の項目番号「3」、「4」が付され、階層は何れも「2」とされる。また、「暮らし」と同じ階層位の項目「ショッピング」がある場合、「ショッピング」の項目には、「暮らし」の項目に従属する全ての項目のすぐ後の順番となるよう項目番号が付され、階層は「0」とされる。
【0050】
各項目については、ユーザがその項目のコンテンツ情報を視聴したいか否かの嗜好性を設定することができ、視聴したいと設定された場合にはその項目に「1」のフラグが書き込まれる。一方、視聴したくないと設定された場合には「0」のフラグが書き込まれる。
【0051】
広告視聴情報は、情報配信装置30から配信された広告情報の情報コード及びその広告情報のうち、実際に表示部1eに表示される等して再生された広告情報の情報コード、その再生時の時刻情報である。
【0052】
図3に戻り、ETC処理部3dは、5.8GHz帯の無線通信により料金所と料金精算に必要な情報を交換する。必要な情報には、例えば対象車両Cの情報、入口料金所、出口料金所、通行料金等が含まれる。
ETC処理部3dはこれらの情報をICカードI/F部3eに挿入されているICカードから読み出したり書込んだりする。
【0053】
ICカードI/F部3eは、予めカード固有の情報が書込まれたICカードを抜き差し可能に格納する。
また、ICカードI/F部3eは、ICカードに書込まれた情報をETC処理部3dに出力する。なお、ICカードには料金等の履歴情報等が保存されている。
【0054】
制御部4は、上述してきたカーナビ部1、VICSモジュール2及びDSRC部3を統括的に制御する。
【0055】
音声出力部5は、D/A変換器、AF増幅器及びスピーカ等を備えて構成される。
音声出力部5は、カーナビ部1又はDSRC部3によって生成、取得された案内情報やコンテンツ情報をD/A変換して増幅する。そして、得られたアナログ音声信号を用いてスピーカを駆動する。これにより、音声出力部5は案内情報やコンテンツ情報を音声により出力する。
【0056】
図6に、情報配信装置30の機能ブロック図を示す。
図6に示すように、情報配信装置30は制御部31、入力部32、表示部33、記憶部34、通信部35を備えて構成されている。
【0057】
制御部31は、CPU、RAM等から構成され、記憶部34に記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部の集中制御を行う。
【0058】
例えば、制御部31は記憶部34に保存されているコンテンツ情報を読み出して編成し、編成したコンテンツ情報の配信制御を行う。
編成とは、配信するコンテンツ情報の選択や、配信用のフォーマットに合わせて選択したコンテンツ情報を処理すること等をいう。
【0059】
なお、制御部31はコンテンツ情報の編成を行う前に、配信の重要度が高い即時型情報、例えば運転支援情報がコンテンツ情報に含まれるか否か判断してもよい。運転支援情報が含まれる場合には、制御部31は編成を行わず、通信部35を介してコンテンツ情報を車載器10に即時に配信するとしてもよい。
【0060】
入力部32は、キーボード等を備えて操作入力を受け付け、受け付けた操作入力に応じた操作信号を制御部31に出力する。
【0061】
表示部33はディスプレイを備え、制御部31の表示制御に従ってディスプレイ上に各種画面を表示する。
【0062】
記憶部34は、制御部31により実行されるプログラムの他、プログラムの実行に必要な各種データを記憶する。
また、記憶部34は、配信すべきコンテンツ情報を記憶している。以下、コンテンツ情報について説明する。
【0063】
コンテンツ情報とは、店舗の広告や駐車場、医療施設の案内等のコンテンツ(テキスト情報、画像情報、音情報)だけでなく、コンテンツを提供するサービス事業者の情報等の他の配信すべき情報を含めたひとまとまりの情報をいう。
【0064】
図7に、コンテンツ情報のフォーマットの一例を示す。
図7に示すように、コンテンツ情報には、個々にIDが付された情報、例えば区分情報、事業者、コンテンツ詳細、有効期限、時間提供、対象地点、再生地点、遷移情報、駐車場情報、運転支援情報、嗜好情報等が含まれている。
【0065】
ID00の区分情報は、コンテンツ情報に含まれる各情報の識別番号の一覧を示す情報である。この区分情報中の各情報の識別番号の有無を確認することにより、当該各情報が存在するか否かを即時に判断することが出来る。
また、その他にも、区分情報は識別番号に対応する情報のデータ量等を示す。
【0066】
識別番号は、コンテンツ情報に含まれる各情報の分類を示す。
また、識別番号は、ID01〜ID255まで割り振られており、例えばID10は対象地点情報、ID50は駐車場情報であることを示す。
以下、識別番号に対応する各情報について説明する。
【0067】
ID01の事業者の情報は、サービス事業者を特定するための情報であり、例えば事業者コード等である。
ID02のコンテンツ詳細はコンテンツ情報に関する詳細な情報であり、例えばサービス事業者がコンテンツ情報に対し個別に割り付けた情報コード、コンテンツ情報が属する嗜好情報のカテゴリ、再生を即時に行うか蓄積するかを示す即時/蓄積コード等である。
【0068】
ID04の有効期限はコンテンツの再生についての有効期限を示す情報であり、有効期限の開始時期及び終了時期を示す日時で表される。
ID05の時間提供は後述する対象地点においてサービスを提供できる営業時間等の情報である。
【0069】
対象地点とはサービスの提供を行う店舗や施設等をいい、ID10の対象地点の情報としては、例えば対象地点の位置を示す対象地点座標(緯度経度)、対象地点名称等を示す対象地点表示用テキスト、対象地点の説明等に係るコンテンツであるテキスト、画像、音声、対象地点の情報をIP通信により提供する際のURL、対象地点を地図上に表示する際に使用されるアイコン画像、提携駐車場情報等からなる。
【0070】
ここで、提携駐車場情報とは、対象地点において提携指定されている駐車場に関する情報であり、例えば提携指定されている駐車場を示す駐車場IDの情報である。
【0071】
ID20の情報提供地点の情報はコンテンツを再生させたい情報提供エリアに関する情報である。蓄積されたコンテンツについては、情報提供エリア内にある道路である方向から対象車両Cが進入した際にコンテンツがあることを通知するポップアップ通知を行い、そこで再生の指示がなされるとコンテンツの再生を行う。ID20の情報提供地点は、このときのポップアップ通知やコンテンツ再生等を行う際の条件を指定する情報である。例えば、情報提供エリアの中心座標(緯度経度)、半径、対象車両Cの進入方向を示す方向コード、道路種別、ポップアップ通知用の表示画像、音声等からなる。
【0072】
ID30の遷移情報は、ID20の情報提供地点のコンテンツに画像が含まれるコンテンツ情報が複数あり、各コンテンツ情報の画像を遷移させて表示する場合に用いる情報である。遷移情報は、例えば次の遷移先の情報コードを示す次再生情報コード等からなる。
【0073】
ID50の駐車場情報は、情報配信装置30において予め登録されている駐車場に関する情報である。駐車場情報は、例えば情報配信装置において予め登録されている駐車場の駐車場ID、満空情報等である。満空情報とは満車、空車の状況や、満車率等の混み具合を示す情報をいう。
【0074】
ID60の運転支援情報は、駐車場の出入口付近や駐車場内の合流分岐、速度案内等、敷地内の運転に関して運転の補助となる情報である。運転支援情報は、例えば運転支援のための画像、音声案内を行うのに用いられる表音文字列、圧縮音声、音声の再生順の情報等である。
【0075】
ID80の嗜好情報は、上述したように配信するコンテンツ情報の選択に用いる情報である。嗜好情報は、例えば嗜好情報のバージョン、そのバージョンで定められているカテゴリの名称を示す表示用テキスト、表音文字列、カテゴリの詳細情報等からなる。
【0076】
コンテンツ情報は上記各IDの情報を含めて予め作成されたものを記憶部34に保存しておき、配信時に、これらコンテンツ情報のうち配信するコンテンツ情報を制御部31が選択する。なお、各IDの情報は必要に応じてコンテンツ情報に含められ、常に全てのIDの情報がコンテンツ情報に含まれているわけではない。例えば、対象地点において提携指定されている提携駐車場が無ければ、ID10の対象地点に提携駐車場情報は含まれないことになる。
【0077】
次に、図8を参照して、情報配信システム100の処理の流れについて説明する。
図8は、コンテンツ情報を配信する際における情報配信装置30、路側無線装置20、車載器10の各装置における処理の流れを説明するフローチャートである。
【0078】
図8に示すように、まず対象車両Cのエンジンが起動し、車載器10の電源が投入されると(ステップS1)、制御部4は車載器10の特性情報を生成し、記憶部3cのアップリンク情報記憶領域Mに書き込む(ステップS2)。特性情報は、予め情報配信装置30との間で取り決められている項目について制御部4が表示部1e等の各部に問い合わせて取得したり、予め記憶部1fに記憶されている情報を読み出す等して取得する。そして、取得された情報を制御部4がコード化し、アップリンク情報記憶領域Mの対応する領域に当該コードを書き込む。なお、実際には書込を指示する制御情報をDSRC制御部3aに出力し、このDSRC制御部3aがアップリンク情報記憶領域Mに書き込む。
【0079】
その後、対象車両Cが走行を開始し、路側無線装置20の路側エリアに進入すると(エリアイン)、路側無線装置20は対象車両Cを検出し、車載器10のDSRC部3とDSRC通信による接続処理を開始する(ステップS3a、S3b)。すなわち、DSRCの電波を送出し、車載器10からの応答が得られると、通信路を確立する。通信路を確立すると、路側無線装置20は情報配信装置30に対し接続が完了した旨の通知情報を送信する(ステップS4a)。一方、車載器10のDSRC部3は制御部4に対し接続が完了した旨の通知情報を出力する(ステップS4b)。
【0080】
次いで、路側無線装置20が車載器10のDSRC部3に対し、アップリンク情報記憶領域M内の情報の送信要求を行うと、DSRC部3はアップリンク情報記憶領域Mに書き込まれている特性情報を路側無線装置20に送信する(ステップS5)。特性情報は路側無線装置20を介して情報配信装置30に送信される。
【0081】
情報配信装置30は、受信した特性情報に含まれる車載器IDを元に車載器10に対応する運転支援情報が記憶部34に記憶しているか否か判断する(ステップS6a)。
運転支援情報がある場合(ステップS6;Y)、情報配信装置30は運転支援情報及び区分情報をコンテンツ情報に含ませて、このコンテンツ情報を車載器10に配信する(ステップS7)。
【0082】
車載器10は、コンテンツ情報を取得した後、区分情報を参照してID60の有無を判断する。つまり、車載器10は、まず運転支援情報が含まれているか否か判断する。そして、含まれている場合には、車載器10は運転支援情報を音声又は画像により出力する(ステップS8)。
以下、ステップS8における車載器10の処理について詳細に説明する。
【0083】
図10を参照して、車載器10の処理の流れについて説明する。
なお、以下に説明する処理は、車載器10の制御部4が行うものとして説明するがこれに限らず、DSRC制御部3aが行うものとしてもよい。
【0084】
制御部4は、通信部3bを介して受信したコンテンツ情報に含まれる各情報のうち、まずID00(区分情報)を参照する(ステップS40)。
【0085】
制御部4は、ID00(区分情報)を参照して、受信したコンテンツ情報にID60(運転支援情報)が含まれるか否か判断する(ステップS41)。
【0086】
ID60(運転支援情報)が含まれる場合(ステップS41;Y)、制御部4は、コンテンツ情報から運転支援情報の内容を解析して、音声又は画像データを記憶部3cに記憶させる(ステップS42)。
また、制御部4は、記憶させた運転支援情報を音声又は画像により出力する(ステップS43)。
【0087】
一方、運転支援情報が含まれない場合(ステップS41;N)、制御部4は、コンテンツ情報に含まれる運転支援情報以外の情報の有無について判断する(ステップS44)。
【0088】
運転支援情報以外の情報がコンテンツ情報に含まれている場合(ステップS44;Y)、制御部4は、コンテンツ情報に含まれている各情報について解析し、音声又は画像データ等を記憶部3cに記憶させて(ステップS45)、本処理を終了する。
一方、運転支援情報以外の情報がコンテンツ情報に含まれていない場合(ステップS44;N)、制御部4は本処理を終了する。
【0089】
図8に戻り、ステップS6において、情報配信装置30は、運転支援情報がないと判断した場合(ステップS6;N)、情報配信装置30は、受信した特性情報に含まれる車載器IDを元に車載器10のユーザが配信サービスの会員か否かを判断する(ステップS9)。
【0090】
会員データベースに登録されている配信サービスの全会員の車載器IDのうち、受信した車載器IDと一致するものがなく、非会員であると判断すると(ステップS9;N)、非会員用のコンテンツ情報を路側無線装置20を介して車載器10に送信する(ステップS91)。その後、図10に示すステップS36の処理に移行する。なお、非会員用のコンテンツ情報とは、電車の遅延情報、納税通知情報等の公共の広告情報等の一般向けの内容の情報である。車載器10ではコンテンツ情報が記憶部1fに保存される(ステップS14)。保存されたコンテンツ情報は所定のタイミングで再生されることとなる。
一方、一致する車載器IDがあれば会員であると判断して(ステップS9;Y)、配信事業者の事業者コードの通知情報を路側無線装置20に送信する(ステップS10)。
【0091】
路側無線装置20を介して事業者コードの通知情報が受信されると、車載器10の制御部4は記憶部1fに記憶されているアップリンク情報に含まれる事業者コードと、通知された事業者コードとを照合する(ステップS11)。一致する事業者コードがない場合(ステップS11;N)、図9に示すステップS37の処理に移行する。
【0092】
一致する事業者コードがある場合(ステップS11;Y)、受信された事業者コードの配信事業者は正規の配信事業者であると判断し、制御部4は当該事業者コードに対応するアップリンク情報を記憶部1fから読み出してアップリンク情報記憶領域Mに書き込む(ステップS12)。前述のようにアップリンク情報は各配信事業者に応じて制御部4が生成し、更新を行っているので、配信事業者に応じた内容かつ最新の内容となっている。
【0093】
一方、情報配信装置30はデフォルトのコンテンツ情報を路側無線装置20を介して車載器10に配信する(ステップS13)。デフォルトのコンテンツ情報とは、非会員用のコンテンツ情報と同様に公共の広告情報等の一般向けの内容の情報である。車載器10では記憶部1fに配信されたコンテンツ情報が保存される(ステップS14)。
また、情報配信装置30は車載器10に対し定期的にポーリングを行って(ステップS15)、アップリンク情報記憶領域Mに書き込まれたアップリンク情報を要求する。
【0094】
DSRC部3は、制御部4によりアップリンク情報の書込が行われると、情報配信装置30からのポーリングに応じて、アップリンク情報記憶領域Mに記憶されているアップリンク情報を、路側無線装置20を介して情報配信装置30に送信する(ステップS16)。
【0095】
以降の処理については、図9を参照して説明する。
図9に示すように、情報配信装置30は、まず配信すべき運転支援情報があるか否か判断する(ステップS21)。
運転支援情報がある場合(ステップS21;Y)、情報配信装置30は運転支援情報及び区分情報をコンテンツ情報に含ませて、このコンテンツ情報を車載器10に配信する(ステップS22)。
車載器10は、図10と同様の処理を行い、運転支援情報を即時に出力する(ステップS23)。
【0096】
一方、運転支援情報がない場合(ステップS21;N)、情報配信装置30は、送信されたアップリンク情報に含まれる嗜好情報が最新バージョンのコンテンツ情報に対応するものであるか否かを判断する(ステップS24)。最新かどうかは、嗜好情報に含まれるバージョンの情報に基づいて判断することができる。最新バージョンに対応する場合(ステップS24;Y)、後述するステップS34の処理に移行する。
【0097】
最新バージョンに対応しない場合(ステップS24;N)、制御部31は最新バージョン対応の嗜好情報を設定するための設定情報を生成し、通信部35を介して車載器10に送信する(ステップS25)。設定情報としては例えば図5に示した嗜好情報のフォーマットからなる設定テーブルが挙げられる。制御部31は設定テーブルにおいて最新バージョンの情報の他、最新バージョンに対応する項目の項目数、各項目の項目番号、表示用テキスト、階層を入力し、設定情報とする。
【0098】
このとき、フラグを全てデフォルト値0にしておくこととしてもよいし、受信した旧バージョンの嗜好情報と照合して最新バージョンの項目のうち、旧バージョンの嗜好情報の項目に対応する項目についてはフラグを1にして、旧バージョンの嗜好情報を予め設定しておくこととしてもよい。この場合、従来の旧バージョンの設定内容を最新バージョン対応の嗜好情報に反映させることができ、車載器10側で初めから全てを設定する必要がなくなるので利便性が良い。
【0099】
車載器10では設定情報を受信すると、制御部4がコンテンツ情報のバージョンが更新されたと判断し、その旨をユーザに通知する処理を行う。例えば、その旨を通知するメッセージ画面等を生成して表示部1eに表示させる(ステップS26)。
【0100】
一方、情報配信装置30では旧バージョン対応の嗜好情報において最新バージョンに対応する項目があり、旧バージョンの嗜好情報を用いてコンテンツ情報を編成できるのであれば、制御部31が編成を行う。例えば、旧バージョンと最新バージョンとで共通する項目がある場合、その項目に応じたコンテンツ情報を編成する。編成したコンテンツ情報は車載器10に送信する(ステップS27)。
車載器10では制御部4がコンテンツ情報を記憶部1fに保存させる(ステップS28)。
なお、ステップS27及びS28において、情報配信装置30及び車載器10は、上記ステップS21〜S23の処理を行うとしてもよい。
【0101】
次いで、車載器10では制御部4の表示制御により、最新バージョン対応の嗜好情報の設定を行うか否か、設定の有無をユーザが指示するための操作画面を表示部1eに表示させる。そして、入力部1dを介して設定を行う旨の指示入力があった場合のみ、制御部4は最新バージョン対応の嗜好情報を設定するための操作画面を表示部1eに表示させ、ユーザに操作入力を行わせる。
【0102】
設定の操作入力が終了すると、制御部4は設定情報の各項目につき、ユーザの操作入力に応じてユーザが視聴したいか否かを示すフラグを書き込んで最新バージョン対応の嗜好情報とし、これをアップリンク情報記憶領域Mに書き込む(ステップS30)。旧バージョンの嗜好情報が既に書き込まれている場合には上書きを行う。
【0103】
一方、情報配信装置30では車載器10に対し定期的にポーリングを行い(ステップS30)、アップリンク情報記憶領域Mに書き込まれたアップリンク情報を要求する。よって、車載器10においてアップリンク情報記憶領域Mに最新バージョン対応の嗜好情報が書き込まれると(ステップS31)、ポーリングに応じてDSRC部3が当該嗜好情報を情報配信装置30に送信する(ステップS32)。
【0104】
情報配信装置30が最新バージョン対応の嗜好情報を受信すると、制御部31は当該嗜好情報に基づいて、記憶部34に記憶されている嗜好情報のうち該当するユーザの嗜好情報の更新を行う(ステップS33)。次いで、制御部31は最新バージョン対応の嗜好情報や、その他のアップリンク情報に基づいて最新バージョンのコンテンツ情報の編成を行い、車載器10に送信する(ステップS34)。車載器10では受信したコンテンツ情報を制御部4が記憶部1fに保存する(ステップS35)。
【0105】
その後、情報配信装置30が配信すべきコンテンツ情報を全て配信すると、配信終了を通知するメッセージ情報を制御部31が生成して車載器10に対し、送信する(ステップS36)。この配信終了のメッセージ情報はユーザに対しエリアアウトを促すためのものである。その後、車載器10の制御部4は、一定時間、情報配信装置30からのコンテンツ情報の配信が途絶えると、配信を終了したと判断してアップリンク情報を削除する制御を行う(ステップS37)。この制御に応じて、DSRC制御部3aはアップリンク情報記憶領域M内のアップリンク情報を削除する。
【0106】
以上のように、本実施形態によれば、情報配信装置30は区分情報を含ませたコンテンツ情報を車載器10に配信して、車載器10に即時型情報の有無を即時に知らせることができる。
一方、車載器10は、区分情報を参照することで、配信されたコンテンツ情報に即時型情報が含まれるか否かを即時に判断でき、含まれる場合には優先的に音声又は画像等により即時に出力することができる。
【0107】
また、車載器10は、受信したコンテンツ情報のうち、即時型情報(運転支援情報)が含まれていると判断した場合、音声又は画像により実行中の他の情報の出力を中断する。そして、中断した情報に代えて、即時型情報(運転支援情報)を音声又は画像により出力することができる。
【0108】
また、情報配信システム100は、上記実施例に限られない。
例えば、以下に示す他の実施例のように、車両検出装置を更に備えた情報配信システム101としてもよい。
【0109】
また、本実施例において、運転支援情報の送出は図8のステップS7と図9のステップS22のタイミングで行ったが、いずれか一方のタイミングで行ってもよい。また前述のようにS27のタイミングのみで行うようにしてもよい。これらの場合は車載器の制御部は、配信されたタイミングでそれぞれコンテンツの出力を行う。なお、ステップS7のタイミングで運転支援情報が配信された場合、車載器は図10のステップS40、S41のID=60があるか否かの確認のステップを省略して配信されたコンテンツを再生するようにしてもよい。
【0110】
図11に、他の実施例として、情報配信システム101を示す。
情報配信システム101の構成は、車両検出装置40を更に備える点を除き、情報配信システム100と同様である。
【0111】
車両検出装置40は、路側無線装置20と通信可能に接続されており、対象車両Cの周辺にある車両を検出すると車両検出通知を路側無線装置20に出力する。
また、車両検出装置40は、事故が多発する場所や視界の悪い場所等に配置される。例えば、立体駐車場における車両合流地点に配置される。
【0112】
次に、図12を参照して、情報配信システム101の処理の流れについて説明する。
車両検出装置40は、対象車両Cの周辺に他の車両を検出すると、車両検出通知を路側無線装置20に送信する(ステップS50)。
【0113】
路側無線装置20は、車載器10とDSRC通信を確立すると(ステップS51a、51b)、情報配信装置30にDSRC通信確立通知及び車両検出通知を送信する(ステップS52)。
【0114】
情報配信装置30は、DSRC通信確立通知及び車両検出通知を受信すると、コンテンツ情報を車載器10に配信する(ステップS53)。このとき配信されるコンテンツ情報には、区分情報及び運転支援情報が含まれている。
【0115】
車載器10は、コンテンツ情報を取得した後、運転支援情報を音声又は画像により即時に出力することで(ステップS54)、本処理を終了する。
なお、ステップS24において車載器10が行う処理は、図11と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0116】
以上のように、他の実施例によれば、車両検出装置40は路側無線装置20を介して、車両検出通知を情報配信装置30に送信することができる。
情報配信装置30は、対象車両Cの周辺に合流車両が接近している等を検知することができる。また、情報配信装置30は、注意喚起を促す運転支援情報を車両合流地点や事故多発地点等にいる対象車両Cに即時に配信することができる。
車載器10は運転支援情報を音声又は画像により即時に出力することができる。よって、ユーザは、事故の危険性の高い状況にいるタイミングで、運転支援情報を音声又は画像により取得することができる。よって、事故防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】情報配信システムの全体構成を示す図である。
【図2】DSRC通信の概念図である。
【図3】車載器の機能ブロック図である。
【図4】アップリンク情報の一例を示す図である。
【図5】アップリンク情報記憶領域に書き込まれた嗜好情報の一例を示す図である。
【図6】情報配信装置の機能ブロック図である。
【図7】コンテンツ情報のフォーマットの一例を示す図である。
【図8】情報配信システムの処理の流れを示すフロー図である。
【図9】情報配信システムの処理の流れを示すフロー図である。
【図10】車載器の処理を示すフロー図である。
【図11】他の実施例における情報配信システムの全体構成を示す図である。
【図12】他の実施例における情報配信システムの処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0118】
100、101 情報配信システム
10 車載器
20 路側無線装置
30 情報配信装置
40 車両検出装置
1 カーナビ部
1a カーナビ制御部
2 VICSモジュール
3 DSRC部
3a DSRC制御部
4 制御部
C 対象車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報配信装置から路側無線装置を介してDSRC部を有する車載器にコンテンツ情報を無線送信する情報配信システムにおいて、
前記情報配信装置は、前記コンテンツ情報には各種情報を含めて配信可能であり、当該コンテンツ情報に各種情報が含まれているか否か示す区分情報を配信する配信制御手段を備え、
前記車載器は、前記区分情報を参照し、受信した前記コンテンツ情報に即時型情報が含まれているか否かを判断し、含まれている場合には、前記即時型情報を前記コンテンツ情報に含まれる他の情報よりも優先して音声又は画像により出力する出力制御手段を備える情報配信システム。
【請求項2】
車両を検出する車両検出装置を更に備え、
前記配信制御手段は、前記車両検出装置から車両検出通知を受信すると、受信した車両検出通知を前記即時型情報に含ませ、当該即時型情報を含む前記コンテンツ情報を前記車載器に配信し、
前記出力制御手段は、前記車両検出通知が含まれた前記即時型情報を前記コンテンツ情報に含まれる他の情報よりも優先して音声又は画像により出力する請求項1に記載の情報配信システム。
【請求項3】
前記即時型情報は、運転支援情報である請求項1又は2に記載の情報配信システム。
【請求項4】
路側無線装置を介してDSRC部を有する車載器にコンテンツ情報を無線送信する情報配信装置において、
前記コンテンツ情報には各種情報を含めて配信可能であり、当該コンテンツ情報に各種情報が含まれているか否か示す区分情報を前記車載器に配信する配信制御手段を備える情報配信装置。
【請求項5】
情報配信装置から路側無線装置を介してコンテンツ情報を受信し、受信した前記コンテンツ情報を音声又は画像により出力するDSRC部を備えた車載器において、
前記コンテンツ情報を受信するとともに、前記コンテンツ情報に各種情報が含まれているか否か示す区分情報を受信し、当該受信した区分情報を参照して、前記コンテンツ情報に即時型情報が含まれているか否かを判断し、含まれている場合には、前記即時型情報を前記コンテンツ情報に含まれる他の情報よりも優先して音声又は画像により出力する出力制御手段を備える車載器。
【請求項6】
前記出力制御手段は、受信した前記コンテンツ情報に即時型情報が含まれている場合、出力処理中の情報に代えて、前記即時型情報を音声又は画像により出力する請求項5に記載の車載器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2009−174865(P2009−174865A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−10686(P2008−10686)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】