抗アレルギー組成物及び関連方法
IgEの産生をダウンレギュレートし、IgE抗体と細胞上のレセプターとの結合をダウンレギュレートし、及び/又はアレルギー媒介物質を抑制(例えばヒスタミン、プロスタグランジンD2又はロイコトリエンC4の放出を抑制)することによって、全てのアレルギー応答を予防、抑制及び/又は緩和する組成物及び関連方法が提供される。前記組成物は以下の成分の少なくとも1つを含む:ペリラの葉又は種子に由来するルテオリン、シナモン、キーウィ、ピカオプレト、ヘスペリジン、アセロラチェリー、グアコ、ホリーバジル、カカドゥ、ソラーナム、ロスマリン酸、チノスポラ及びアフラモマム。ある実施態様では、前記組成物は、シナモン、アセロラ、ルテオリン及びピカオプレトから選択される、少なくとも3つの別個の成分を含む。場合によって、これらの成分は、アフラモナム、ロスマリン酸及びチノスポラの少なくとも1つと組み合わせることができる。前記組成物は、アレルギー応答を予防、抑制及び/又は緩和するために有効な量で投与される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレルギー反応及び疾患を予防及び治療する組成物並びに方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、米国仮特許出願第60/542,070号(前記は参照により本明細書に含まれる)の権利を主張する。
本発明は、アレルギー反応及び疾患を予防及び治療する組成物並びに方法に関する。
多くの個体が、アレルギーが関係する免疫学的疾患に罹患している。そのような疾患には、例えば気管支喘息、アレルギー性鼻炎(枯草熱)及びアトピー性皮膚炎が含まれる。これらの疾患は身体に対しては幾分異なる作用を有するが、それらは、共通のアレルギー応答(I型又は即時型、アナフィラキシー型アレルギー反応と称される)を共有する。この反応は、例えば免疫グロブリンE(IgE)及びヒスタミンのような物質によって媒介され、いくつかの工程を含む。
前記反応の第一の工程(感作工程と称される)では、アレルゲンに対する免疫応答が反応性個体の前記アレルゲンへの暴露に際して開始する。これによってアレルゲン特異的IgEを分泌するB細胞の産出がもたらされる。前記IgEは続いてマスト細胞及び好塩基球上のIgEレセプター部位と結合する。第二の工程(脱顆粒工程と称される)では、前記アレルゲンに再度暴露されたとき、前述のレセプター結合IgEはアレルゲンと結合して、マスト細胞及び好塩基球の脱顆粒をもたらす。脱顆粒によって多様な血管作用性媒介物質(例えばヒスタミン及びプロテアーゼ)が放出され、これらは続いてアレルギー性及び炎症性応答を促進する。第三の工程(炎症工程と称される)は前記媒介物質が引き金となって引き起こされ、a)炎症性細胞を炎症部位(例えば標的器官、例えば肺)に蓄積させ、b)炎症性細胞に化学物質(例えばインターロイキン-3、インターロイキン-6及びマクロファージコロニー刺激因子)を放出させる。炎症性細胞は正常では活性化されて組織の防御、組織の維持及び免疫調節を提供するが、アレルギーの場合には、炎症性細胞の活性化はアレルギー応答を増大させるために作用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
いくつかのアレルギー性疾患の治療法が存在する。これら治療法の多くは、脱顆粒工程時に物質の放出を抑制するか、又は炎症工程時に誘発されるアレルギー反応を抑制するためにステロイドを用いる。これらの治療法は、アレルギー応答の緩和には有効であるが、I型アレルギー反応の開始の予防には役立たない。すなわち、前記治療法はIgEの産生を抑制することはできず、したがって根幹の炎症性プロセスを停止させることはできない。前記の帰結は、この治療法もまた、アナフィラキシーショックと称されるしばしば致命的な反応(前記は単純にI型アレルギー反応の開始が引き金となって生じる)を阻止することができないということである。さらにまた、脱顆粒工程及び炎症工程を抑制するために用いられる薬剤の多くがまた望ましくない副作用を有する。例えば、脱顆粒はしばしばコルチコステロイドで治療され、炎症はしばしばグルココルチコステロイド(glucocortosteroids)で治療されるが、これらの薬剤は多くの副作用、例えば体重増加、水分保持、高血圧及びコレステロールレベルの上昇を引き起こしえる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の要旨
前述の問題は本発明で克服される。本発明は、IgEの産生をダウンレギュレートし、IgE抗体と細胞上のレセプターとの結合をダウンレギュレートし、及び/又はヒスタミン、プロスタグランジンD2又はロイコトリエンC4の放出を抑制することによってアレルギー応答を抑制又は防止する組成物及び関連方法を提供する。
ある実施態様では、本組成物及び方法はIgE抗体の産生を低下及び/又は防止する。これは、反応性個体のB細胞がIgE抗体を分泌するのを妨げる組成物によって達成することができる。
別の実施態様では、本組成物及び方法は、マスト細胞及び好塩基球上のIgEレセプター部位のレベルを減少させる。これによって順次、アレルギー応答とそれに続く炎症性応答を促進する媒介物質を放出するマスト細胞及び/又は好塩基球の活性化が妨げられる。
【0005】
さらに別の実施態様では、本組成物及び方法は、アレルギー応答の媒介物質(ヒスタミン、プロスタグランジンD2及び/又ははロイコトリエンC4を含む)の放出を抑制又は予防する。したがって、細胞の脱顆粒を妨げて、アレルギー応答又は炎症性応答を予防、抑制又は停止させることができる。
さらにまた別の実施態様では、本組成物は、以下の成分の少なくとも1つを含むことができる:ペリラ(Perilla)の葉(又はペリラの種子)、特にその成分のルテオリン(ペリラ・フルテウセンス(Perilla fruteucens)から得られる)、シナモン(シナモン・ゼイラニクム(Cinnamon zeylanicum))、キーウィ抽出物(アクチニジア・アルグータ(Actinidia arguta)から得られる)、ピカオプレト(Picao preto)(ビデンス・ピロサ(Bidens pilosa))、ヘスペリジン(Hesperidin)(シトルス・セネシス(Citrus senesis))、アセロラチェリー(マルフィギア・グラブラ(Malphighia glabra))、グアコ(Guaco)(ミカニア・グロメラータ(Mikania glomerata))、ホリーバジル(オクチマム・サンクツイン(Octimum sanctuin))、カカドゥ(Kakadu)(テルミナリア・フェルナンディダ(Terminalia fernandida))、ソラーナム(Solarnum)(ソラナム・キサントカルプム(Solanum xanthocarpum))、キーウィジュース(アクチニジア・キネンシス(Actinidia chinensis))、ロスマリン酸(マンネンロウ(Rosmarinus officinalis)から得られる)、チノスポラ(Tinospora)(チノスポラ・コルジホリア(Tinospora cordifolia)から得られる)及びアフラモマム(Aframomau)(アフラモマム・メレゲータ(Aframomum melegueta)から得られる)。より具体的な実施態様では、本組成物は、シナモン、アセロラ及びピカオプレトを含むことができる。さらに具体的な実施態様では、本組成物は、シナモン、アセロラ、ピカオプレト並びにルテオリン、チノスポラ、ロスマリン酸及びアフラモマムのうちの少なくとも1つを含むことができる。これらの成分は等しい量で存在することができる。より具体的なまた別の実施態様では、本組成物は、シナモン、アセロラ、ルテオリン、並びにピカオプレト、チノスポラ、ロスマリン酸及びアフラモマムのうちの少なくとも1つを含むことができる。これらの成分は等しい量で存在することができる。
【0006】
本発明の方法では、上記の組成物は、細胞及び/又は対象者に投与して、アレルギー性又は炎症性応答を、(a)IgEの産生のダウンレギュレーション、(b)IgE抗体と細胞上のレセプターとの結合のダウンレギュレーション、及び/又は(c)例えばヒスタミン、PGD2及び/又はLTC4のような媒介物質の放出の抑制又は防止のうち少なくとも1つによって抑制又は防止することができる。
本発明の方法では、上記の組成物は、アレルギー応答若しくは疾患(例えばアレルギー性鼻炎、気管支喘息、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、高IgE症候群、アナフィラキシーショック、アトピー性湿疹及び慢性関節リウマチ)又は前記疾患の可能性がある対象者に、有効量で投与することができる。ある実施態様では、本組成物は、例えばIgE抗体の産生及び/又はIgE抗体と細胞上のレセプターとの結合をダウンレギュレートすることによって、対象者でIgEレベルを低下させるために投与することができる。また別の実施態様では、本組成物を投与して、アレルギー応答媒介物質(例えばヒスタミン、PGD2及び/又はLTC4)の放出を抑制又は防止することができる。
本発明は、多数の一般的な抗アレルギー治療よりも多くの利点を提供する。例えば本組成物及び方法は、IgEの産生を抑制することができ、したがってマスト細胞及び/又は好塩基球の感作、及びその後に続く炎症プロセスを妨げ又は遅らせる。さらにまた、場合によって果実及びハーブ供給源から誘導される成分を本組成物で使用することによって、前記組成物を使用する対象者にとって潜在的な副作用を減少させることができる。さらにまた、本組成物は、従来の大半の抗アレルギー治療(単にヒスタミンの作用を阻止するか、又は抗炎症性媒介物質(例えばプロスタグランジン及びロイコトリエン)の産生を妨げる)より上流のアレルギー応答を標的とするとともに、抗炎症性媒介物質の放出も抑制又は防止することができる。したがって、本発明は、アナフィラキシーショック(他の多くの純粋に下流の治療法では緩和又は防止することができない)の発生を緩和し、及び/又は予防するとともに、アレルギー応答媒介物質をダウンレギュレートすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
好ましい実施態様の詳細な記載
1.組成物及び製造
本発明の組成物は、許容できる担体を、以下の成分の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ又は少なくとも4つの有効な量を含む混合物とともに混合することによって製造することができる:ペリラ(Perilla)の葉又は種子、特にその成分のルテオリン(ペリラ・フルテウセンス(Perilla fruteucens)から得られる)、シナモン(シナモン・ゼイラニクム(Cinnamon zeylanicum))、キーウィ抽出物(アクチニジア・アルグータ(Actinidia arguta))、ピカオプレト(Picao preto)(ビデンス・ピロサ(Bidens pilosa))、ヘスペリジン(Hesperidin)(シトルス・セネシス(Citrus senesis))、アセロラチェリー(マルフィギア・グラブラ(Malphighia glabra))、グアコ(Guaco)(ミカニア・グロメラータ(Mikania glomerata))、ホリーバジル(オクチマム・サンクツム(Octimum sanctum))、カカドゥ(Kakadu)(テルミナリア・フェルナンディダ(Terminalia fernandida))、ソラーナム(Solarnum)(ソラナム・キサントカルプム(Solanum xanthocarpum))、キーウィジュース(アクチニジア・キネンシス(Actinidia chinensis)から得られる)、ロスマリン酸(マンネンロウ(Rosmarinus officinalis)から得られる)、チノスポラ(Tinospora)(チノスポラ・コルジホリア(Tinospora cordifolia)から得られる)及びアフラモマム(Aframomum)(アフラモマム・メレゲータ(Aframomum melegueta)から得られる)、ツメリック(Tumeric)(クルクマ・ロンガ(Curcuma longa)、クマル(Cumaru)(アムブラナ・セアレンシス(Amburana cearensis))、マリーゴールド(タゲンテス・エレクタ(Tagentes erecta))、イラクサの根(ウルチカ・ジオイカ(Urtica dioica))、ケルセチン(ジモルファンドラ・ガルドネリアナ(Dimorphandra gardneriana))、ショウガ(ジンギバー・オフィシナーレ(Zingiber officinale))、ボスウィン(Boswin)30(ボルウェリア・セルラッタ(Borwellia serratta))、トリカルツ(Trikartu)抽出物[ピプリ(Pipli)(ピペル・ロングム(Piper longum))、黒コショウ(ピペル・ニグルム(Piper nigrum))、バイオペリン(Bioperine)の各々1/3を含むアユベディック(ayuvedic)抽出物、サビンサ社(Sabibsa Corp., Piscataway, New Jersey)から入手できる]、及びアレルギーフォーミュラ(Geni Herbs of Noblesville(Indiana)から入手できる)。
【0008】
ある実施態様では、前記組成物はシナモン、アセロラ及びピカオプレトを含む。場合によってこの組成物はさらに、ルテオリン、チノスポラ、ロスマリン酸及びアフラモナムのうちの少なくとも1つを含む。別の実施態様では、前記組成物は、シナモン、アセロラ及びルテオリンを含む。場合によって、この組成物はさらに、ピカオプレト、チノスポラ、ロスマリン酸及びアフラモマムのうちの少なくとも1つを含む。複数の成分が組成物に含まれるときは、前記成分は組成物の重量においてほぼ等量で存在することができる。例えば、前記組成物は、担体、10重量%、及びIgE及び/又は媒介物質に影響を与える成分、90重量%を含むことができる。この例示的組成物において3つの成分、例えばシナモン、アセロラおよびピカオプレトが存在するときは、これら成分の各々は、組成物の約30重量%に等しい量でそれぞれ存在することができる。
前記組成物のいくつかの成分は、アレルギー応答及び炎症性応答のある一定のメカニズムにおいてより強い影響を示すか、或いはより強い抑制を与える。例えば、いくつかの成分は、特定のメカニズムを介してIgEをダウンレギュレートする。具体的な例として、キーウィ抽出物はIgE分泌の低下において極めて良好に作用するが、IgEレセプター発現の低下では軽度に良好な作用を示す。他方、シナモンはIgEレセプター発現の低下に非常に良好に作用するが、IgE分泌の低下では軽度に良好な作用を示す。したがって、本発明のいくつかの組成物は、IgEレセプター発現を低下させる成分及びIgE分泌を低下させる成分の両方を含む。したがって、これらの組成物は、2つのメカニズムによって、すなわちIgEレセプター発現の低下によって及びIgE分泌の低下によって、IgEをダウンレギュレーとする。本明細書で用いられるように、アレルギー応答は炎症性応答を包含し、さらにアレルギー応答の抑制には、前記応答の部分的抑制、前記応答の完全な停止、及び/又は前記反応の予防が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0009】
さらにまた、いくつかの成分は、他の成分よりも良好に媒介物質の放出を追加的に又は択一的に抑制し、さらに、いくつかの成分は、他の媒介物質よりも良好にいくつかの媒介物質の放出を抑制する。具体的な例として、アフラモマムは、LTC4放出の抑制においてシナモンよりも良好に作用するが、シナモンは、ヒスタミン放出の抑制でアフラモマムより能力が高い。同様に、アフラモマムはLTC4放出の抑制において非常に良好に作用するが、ヒスタミン放出の抑制ではほんの軽度に良好な作用を示すだけである。さらにまた、いくつかの成分(例えばシナモン)は、アレルギー応答におけるいくつかのメカニズムに影響を及ぼす。上記に特別に記したように、シナモンはIgEレセプター発現を低下させるとともに、媒介物質(例えばヒスタミン及びPGD2)の放出も抑制する。種々の成分及び成分の組合せが機能する具体的なメカニズムは、それら成分の相対的な有効性とともに以下で詳細に考察される。
特定の成分の組合せを含む組成物はまた、ある種の作用メカニズムで驚くべきかつ予期に反する相乗作用を示した。例えば、シナモン、アセロラ及びピカオプレトの組合せ(本明細書ではブレンドと称する)は、これら成分のうちのいずれか1つだけの場合よりも良好にヒスタミン放出を抑制した。下記の実施例7でさらに詳細に考察するように、本ブレンドは、ブレンド未処理又は他のいずれかの成分で処理された細胞によるヒスタミン放出の29%にヒスタミン放出を抑制した。対照的に、シナモンは単独でヒスタミン放出を84%に、アセロラは70%に、及びピカオプレトは96%に抑制した。成分の組合せがそのような相乗作用及びメカニズム作用の全体的改善をしばしばもたらすというわけではないので、前記の結果は驚くべきことであった。例えば、実施例8では、前記ブレンドはヒスタミン放出を、未処理コントロール細胞によるヒスタミン放出の73%に抑制し、アフラモマムはヒスタミン放出を、未処理コントロールサンプルによるヒスタミン放出の96%に抑制したが、前記ブレンドとアフラモマムの組合せはヒスタミン放出を、未処理コントロールサンプルの100%に抑制した。成分複合物の頻繁な非相乗性作用は、個々の成分が互いに反対に作用するか、及び/又は異なる生物学的メカニズムに影響を与えることによって引き起こされ、その結果、複合物の正味の作用は、各成分単独の作用より弱いか、又は望ましくないものになると考えられる。
【0010】
本開示の目的のために、成分又は組成物の有効な量とは、所望の生物学的応答を誘引するために必要な量を指す。さらに、本明細書で用いられるように、マスト細胞は、マスト細胞、好塩基球、及びIgEレセプターをもつ他の細胞のうちの少なくとも1つを指す。さらにまた、ショウガの表記は極めて多様であることが可能で、例えば、ショウガ5%は、5%濃度のショウガ抽出物を意味する。ある実施態様では、使用されるキーウィ抽出物は極めて多様で、パンジェノミックA(PanGenomic A)と称され、前記はパンジェノミック社(PanGenomic Co., Ltd., Seoul, Korea)から入手できる。用いられるヘスペリジンもまた極めて多様でありえる。特にヘスペリジン80%は80%濃度のヘスペリジン抽出物を意味する。さらに、用いられるチノスポラは、商標名チノフェンド(Tinofend)として販売されている製品(ジェニハーブ(Geni Herbs)から市販されている)に存在するチノスポラでもよい。
in vitro試験に関連して用いられるとき、具体的な組成物の実施態様について有効な量は所望に応じて変動させることができる。ある実施態様では、組成物は、シナモン、アセロラ及びピカオプレト成分の組合せ(本明細書ではブレンドと称される)を含み、前記ブレンドの投与範囲は1μg/mLより多く、ブレンドの各成分は等しい濃度で存在する。
【0011】
別の実施態様では、ルテオリン、アフラモマム、ロスマリン酸、及びチノスポラのうちの少なくとも1つが前記ブレンドに加えられる。ルテオリンは、ペリラの種子及び/又は場合によってペリラの葉から得ることができる。この実施態様では、ルテオリンの投与範囲は1μg/mLより多くてもよく、アフラモマムの投与範囲は1μg/mLより多くてもよく、ロスマリン酸の投与範囲は1μg/mLより多くてもよく、チノスポラの投与範囲は1μg/mLより多くてもよい。
さらにまた、in vivo試験または通常の対象者への投与に関連して用いられるとき、具体的な組成物の実施態様について有効な量は所望に応じて変動させることができる。ある実施態様では、組成物は、シナモン、アセロラ及びピカオプレト成分の組合せ(すなわちブレンド)を含むことができ、前記ブレンドの対象者への1日の投与範囲は約1mgから約540mg;約1mgから約400mg;約1mgから約270mg;約270mgから約400mg;または約270mgから約540mgである。この実施態様では、ブレンドのそれぞれ個々の成分は、ブレンドの対象者への1日の投与範囲と等しい1日の投与範囲を有することができる。ブレンドの成分もまた、前記ブレンドが取り込まれている総組成物の重量%としてあらわすことができる。特に、シナモンは、約5%から約50%、約10%から約25%、約15%から約22%、及び約20パーセントの重量%で存在することができる。アセロラは、約5%から約50%、約10%から約25%、約15%から約22%、及び約20パーセントの重量%の量で存在することができる。ピカオプレトは、約5%から約50%、約10%から約25%、約15%から約22%、及び約20パーセントの範囲の重量%で存在することができる。他の範囲も所望に応じて用いることができる。
【0012】
より具体的な実施態様では、ルテオリン、アフラモマム、ロスマリン酸及びチノスポラのうちの少なくとも1つを前記ブレンドに添加することができる。ルテオリンは、ペリラの種子及び/又は場合によってペリラの葉から得ることができる。この実施態様では、ルテオリンの対象者への1日の投与範囲は約1mgから約225mg;約1mgから約180mg;約1mgから約135mg;約135mgから約180mg;または約180mgから約225mgである。この実施態様でのアフラモマム又はロスマリン酸の対象者への1日の投与範囲は約1mgから約300mg;約1mgから約225mg;約1mgから約150mg;約150mgから約225mg;又は約225mgから約300mgである。この実施態様でのチノスポラの対象者への1日の投与範囲は約1mgから約900mg;約1mgから約600mg;約1mgから約300mg;約300mgから約600mg;又は約600mgから約900mgである。
さらにまた別の実施態様では、組成物は、シナモン、アセロラ及びルテオリン成分の組合せを含むことができる。前記組合せはまた本明細書ではフォーミュラと称される。ルテオリンは、ペリラの種子及び/又は場合によってペリラの葉から得ることができる。in vitro試験に関連して用いられるとき、この実施態様のために許容できる有効な量は所望に応じて変動させることができる。前記フォーミュラのためのそのような投与範囲の例は1μg/mLより多く、フォーミュラの各成分は等しい濃度で存在する。
【0013】
別の実施態様では、ピカオプレト、ルテオリン、アフラモマム、ロスマリン酸及びチノスポラのうちの少なくとも1つが前記フォーミュラに添加される。この実施態様では、ピカオプレトの投与範囲は1μg/mLより多くてもよく、アフラモマムの投与範囲は1μg/mLより多くてもよく、ロスマリン酸の投与範囲は1μg/mLより多くてもよく、チノスポラの投与範囲は1μg/mLより多くてもよい。
前記フォーミュラの対象者への許容できる1日の投与範囲は約1mgから約540mg;約1mgから約400mg;約1mgから約270mg;約270mgから約400mg;または約270mgから約540mgである。この実施態様では、フォーミュラの個々の成分の各々はフォーミュラの投与範囲と同じ1日の対象者への投与範囲を有することができる。別の実施例では、フォーミュラの成分は、前記フォーミュラが取り込まれている総組成物の重量%としてあらわすことができる。そのような例では、シナモンは、約5%から約50%、約10%から約25%、約15%から約22%、及び約20%の範囲の重量%で存在することができる。アセロラは、約5%から約50%、約10%から約25%、約15%から約22%、及び約20パーセントの重量%の範囲で存在することができる。ルテオリンは、約5%から約50%、約10%から約25%、約15%から約22%、及び約20パーセントの範囲の重量%で存在することができる。他の範囲も所望に応じて用いることができる。より具体的な実施態様では、ピカオプレト、アフラモマム、及びチノスポラのうちの少なくとも1つを前記フォーミュラに添加することができる。これら成分の対象者への1日の投与量の範囲は、以前の実施態様に関連して上記に記載した範囲と同じであってもよい。
【0014】
本発明の組成物は、成分の生物学的活性を維持する任意の態様で製造することができる。組成物の可能な調製物には、煎じ薬、水性抽出物、有機溶媒抽出物及び乾燥散剤が含まれる。ある実施態様では、前記成分は、乾燥させてすり潰し得られた粉末を加工してピル形に成形されるが、組成物は種々のデリバリー系を有する形態に加工することができる。例えば、成分を加工して、カプセル、錠剤、ゲルタブ、ロゼンジ、細片、顆粒、散剤、濃縮物、溶液又は懸濁液に含有させることができる。成分はまた、例えば喘息、アナフィラキシーショック或いは他の急性ショック症状の治療では、スプレー、ミスト又はエーロゾルにより気道に投与することができる。成分はまた個々に製剤化するか、又は、予め測定されたサプリメント、強化食品、例えば一食分バーを提供するために他の食品と組み合わせて製剤化することができる。一般的には、組成物は、対象者に経口的に、非経口的に、直腸に、クモ膜下腔内に、腹腔内に、局所的に及び頬内に投与することができる。
本発明の組成物は少なくとも1つの許容できる賦形剤又は担体を含むことができる。本開示のために、許容できる担体とは、非毒性で不活性な個体、半個体又は液体充填剤、稀釈剤、被包化物質又は製剤を意味する。許容できる担体の例は以下のとおりである:セルロース及びその誘導体、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース及びセルロースアセテート;デンプン、例えばトウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン;糖類、例えばラクトース、グルコース及びシュクロース;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばココアバター及びロウ;油、例えばピーナツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びダイズ油;グリコール、例えばプロピレングリコール;エステル、例えばオレイン酸エチル及びラウリン酸エチル;寒天;緩衝物質、例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;アルギニン酸;発熱因子除去水;等張食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール;及びリン酸緩衝溶液。本発明の組成物中に存在することができる他の物質には、適用が必要な場合は、甘味料及び風味剤、コーティング剤、滑沢剤、流動補助剤、着色剤、放出剤、香料、保存料及び抗酸化剤が含まれる。
デリバリービヒクルの具体的な例として、予め選択した量の複数の成分、例えば上記に提示したいずれかの範囲にあるシナモン、アセロラ及びピカオプレトを、微晶質珪化セルロース(充填剤)、ステアリン酸(滑沢剤)及び二酸化珪素(流動補助剤)を含む賦形剤とともに混和することができる。前記混和物を手動カプセル充填機(T.M.P.(Milano, Italy)から市販されている)を用いてサイズ#0の白色カプセルに充填することができる。そのようなカプセルを、所望の投与計画にしたがって対象者に投与することができる。
【0015】
II.使用方法
本発明の組成物は多様な方法で投与することができる。特に本組成物は、細胞及び/又は対象者に単独で、又はさらに別の治療処置(例えばコルチコステロイド(前記は喘息治療のために許容される薬剤である))と組み合わせて投与することができる。さらにまた、前記組成物は標準的若しくは還元コルチコステロイド又は他の処置とともに投与することができる。さらに、前記組成物は、アレルギー治療のために許容される薬剤と組み合わせて投与することができる。前記薬剤には、例えば抗ヒスタミン剤、非ステロイド系抗炎症薬、ステロイド系抗炎症薬及びうっ血除去薬が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
ある実施態様では、前記組成物は現時点で存在するアレルギー応答の処置に用いることができる。例えば、前記組成物を用いて、喘息反応の重篤度、強度及び/又は持続時間を低下させることができる。そのような適用では、個体が喘息症状を発した後で前記個体に組成物を投与する。組成物はまた、細胞のアレルギー応答に対する組成物の影響を調べるために前記細胞に投与することができる。
別の選択又は追加を意図する実施態様では、前記組成物は、以前にI型アレルギー反応に罹患した個体で前記反応の開始を予防又は遅延させるために、又は、後続の症状を予防するために又はその重篤度、強度若しくは持続時間を低下させるために用いることができる。場合によって、以前にアレルギー反応の開始を誘発したことが判明しているか、又はアレルギー反応の開始と少なくとも関連性があることが判明している抗原が特定されている場合は、前記組成物は、その後の抗原との遭遇後に症状が開始する前に又は抗原と遭遇する前に投与することができる。
【0016】
さらに別の選択又は追加を意図する実施態様では、組成物は特定の抗原に対してアレルギー感作が発達する前に投与することができる。この事例では、組成物は、以前にアレルギー反応を伴ったことがない抗原への暴露と実質的に同時に投与することができる。
一般的には、本発明の組成物は、有効な量で、細胞又は、アレルギー応答若しくはアレルギー疾患又はそれらのおそれがある対象者に投与することができる。前記アレルギー疾患は、例えばアレルギー性鼻炎、気管支喘息、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、高IgE症候群、アナフィラキシーショック、アトピー性湿疹及び慢性関節リウマチである。
ある実施態様では、組成物はアレルギー応答を抑制するために投与することができる。これは、細胞又は対象者のIgEレベルを、例えばIgE抗体の産生をダウンレギュレートするか、及び/又はIgE抗体と細胞上のレセプターとの結合をダウンレギュレートすることによって達成することができる。前記は、その結果、I型アレルギー反応の感作工程を予防、緩和及び/又は抑制すると考えられる。I型アレルギー反応の開始を予防、緩和及び/又は抑制(前記の全てが本明細書で用いる用語“抑制”に包含される)することによって、その後に続く反応及び結果として生じる症状もまた予防、緩和及び/又は抑制されえる。これらの症状には、じんま疹、発赤、痒み(puritis)、なみだ目、浮腫、下痢、気管支収縮及び/又は炎症、気道の過剰反応性、呼吸困難、血管拡張、血圧低下、IgEレベルの増加、血中ヒスタミンレベルの増加、プロテアーゼレベルの増加、アナフィラキシー及び死が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
さらに別の実施態様では、前記組成物は細胞又は対象者に投与して、アレルギー反応媒介物質(例えばヒスタミン、PGD2及び/又はLTC4)の放出を抑制又は予防することができる。そのようにして、I型アレルギー反応、それに続く反応及び結果として生じる症状もまた抑制することができる。
【0017】
III.組成物の同定及び性状決定
A.IgE検査及び結果
本組成物のIgEに対する作用をin-vivo又はin-vitroモデルで解析した。例示的in-vitroモデルでは、そのような検査は、その表面に高レベルのIgEレセプターを有する細胞をもつ好塩基性細胞株を処理することによって実施した。予め限定したインキュベーション時間の後で、IgE分泌レベル及びIgE発現レベルを免疫化学的方法で測定した。以下の実施例は、許容可能なIgEダウンレギュレーション作用をもつ成分の組み合わせを同定及び選択するために、IgE分泌及びIgEレセプター発現を測定する方法について述べる。ただし実施例1及び3はIgEダウンレギュレーション作用をもつ成分の同定方法を述べるが、記載の方法はまたその他に、或いはまた別に、実施例2、4及び5で例証するように、IgEダウンレギュレーション作用を有する個々の成分の同定に用いることができる。
以下の実施例はある種の具体的な本発明の実施態様を例示することを意図するが、ただし請求の範囲によって規定されるように本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【実施例1】
【0018】
表Iに提示した組成物成分の多数の組合せを検査し、IgEレセプター発現におけるそれぞれの組合せの有効性を決定した。表Iの組成物の各々において、成分は等量で存在する。図1は、IgEレセプター発現に対する組成物の影響を示す。
【0019】
表1:サンプル組成物の成分の組合せ
5成分:ペリラ種子、ヘスペリジン80%、ピカオプレト、キーウィ抽出物、シナモン
4成分
4-1:ペリラ種子、ヘスペリジン80%、ピカオプレト、キーウィ抽出物
4-2:ペリラ種子、ヘスペリジン80%、ピカオプレト、シナモン
4-3:ペリラ種子、ヘスペリジン80%、キーウィ抽出物、シナモン
4-4:ペリラ種子、ピカオプレト、キーウィ抽出物、シナモン
4-5:ヘスペリジン80%、ピカオプレト、キーウィ抽出物、シナモン
3成分
3-1:ペリラ種子、ヘスペリジン80%、ピカオプレト
3-2:ペリラ種子、ヘスペリジン80%、キーウィ抽出物
3-3:ペリラ種子、ヘスペリジン80%、シナモン
3-4:ペリラ種子、ピカオプレト、キーウィ抽出物
3-5:ペリラ種子、ピカオプレト、シナモン
3-6:ペリラ種子、キーウィ抽出物、シナモン
3-7:ヘスペリジン80%、ピカオプレト、シナモン
3-8:ピカオプレト、キーウィ抽出物、シナモン
3-9:ヘスペリジン80%、キーウィ抽出物、シナモン
3-10:ヘスペリジン80%、ピカオプレト、キーウィ抽出物
【0020】
特に、図1は、成分の組合せ、すなわち表Iで特定した組成物をX-軸に提示している。Y-軸は、未処理コントロール細胞のIgE-R/MTT(“MTT”は3-(4,5-ジメチルチアゾール-2イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)に対する被検IgE-R/MTTの百分率として表したデータを示す。コントロールIgE-R/MTTは、周知で標準的な検査技術を用いる細胞生命活性に対してIgEレセプター発現を標準化させるための計算である。
図1に示したように、3つの成分を含む2つの組成物(3-4及び3-6)が非常に有効であるように思われる。これらの組成物の成分は、ペリラの種子、ピカオプレト及びキーウィ抽出物(3-4)とペリラの種子、キーウィ抽出物及びシナモン(3-6)である。4成分及び5成分で処理された細胞のIgEレセプター発現の見かけの増加は、前記の数の成分によって与えられた軽度の毒性によるものと推測される。
図1の結果を得るために用いた方法をこれらか述べる。先ず初めに、RBL-2H3細胞(ATCC(America Type Culture Collection)(Manassas, Virginia)から入手できる)を96ウェルプレートに3x104/ウェルで播種した。ウェルへの付着後、表Iに挙げた成分組合せサンプル(各組合せを“サンプル”と称する)に細胞を暴露した。全てのサンプルのストック溶液は、DMSO、エタノール及び水(5:3:2の比で存在する)に100mg/mLで調製された。続いて各サンプルを培養液で100μg/mLに稀釈した。各サンプルにつき2枚ずつのプレートを調製し、それによって生命活性を各サンプルに付き複数回測定できるようにし、多数のサンプルの結果を細胞の処理後に平均した。
【0021】
プレートをさらに48時間インキュベートした。IgE-レセプターの発現を測定するために、細胞を1%のグルタールアルデヒドで2時間固定した。固定後に、細胞をPBS-トゥイーン20(0.01%)(Aldrich(Milwaukee, Wisconsin)から入手できる)で2回洗浄した。タンパク質結合部位をPBS中の2%脱脂粉乳で2時間封鎖した(PBS:pH7.3で緩衝させたリン酸緩衝食塩水)。細胞を2回洗浄した。一次抗体、ウサギ抗FcεRIα(Upstate Group, Inc.(Lake Placid, New York)から入手できる)をウェルに添加し、0.2%BSAで1:4000に稀釈した(BSA:ウシ血清アルブミン)。2時間インキュベートした後、ウェルをPBS-トゥイーン20(0.01%)溶液で5回洗浄した。二次抗体、ヤギ抗ウサギIgG-ペルオキシダーゼ(Sigma-Aldrich(St. Louis, Missouri)から入手できる)を0.2%BSAで1:2000に稀釈してウェルに添加した。
1時間インキュベートした後、ウェルを5回洗浄した。100マイクロリットルのTMB(3,3',5,5±テトラメチルベンジジンジヒドロクロリド)基質(Chemicon International(Temecula, California)から入手できる)をウェルに添加した。続いて、十分な量(例えば1Nで100μL)のH2SO4を添加して発色を停止させた。
多数の組合せサンプルの各々について、OD450(450ナノメートルの波長での光学密度)をプレートリーダーで読み取る。
図1のデータを入手するための方法についての記載を続けるならば、次に細胞の生命活性は、前記細胞を第二のプレートで1mg/mLの濃度のMTTとともに3時間インキュベートすることによって決定された。還元MTTを70%イソプロパノールで抽出し、OD540(540ナノメートルの波長での光学密度)を多数のサンプルの各々について読み取った。
【0022】
繰り返せば、図1で各サンプルの垂直な棒線は、未処理RBL-2H3細胞上でのIgEレセプター発現に対して、各サンプル(すなわち組成物)のRBL-2H3細胞上でのIgEレセプター発現を制御する能力を示している。例えば、組合せ3-4は、未処理又はコントロール細胞のIgEレセプター発現の約90%であるIgEレセプター発現を示した。換言すれば、組合せ3-4は、未処理コントロールでのIgE発現から約10%IgEレセプター発現を減少させた。
この実施例におけるRBL-2H3細胞上での検査結果は、哺乳動物(例えばヒト)の体内のマスト細胞上で生じるIgEレセプター発現に対する組成物の作用に類似し、及び/又は前記の指標となると考えられる。この考えは、最初の実験から誘導された(前記実験結果は図2に明示されている)。図2では、X-軸はOD450値を示し、Y-軸は、種々の濃度でのI型及びII型IgEレセプターの発現を示している。特に、RBL-2H3細胞上でのIgE-RIの発現の確認(IgE-RIIではない)が図2で示されている。レセプター発現は、ウサギ抗FcεRIIα抗体を1:50から1:10000の抗体希釈で用い上記の方法により調べた。種々の抗体稀釈を用いて実験方法を最適化した。抗FcεRIIα抗体に対するマウスモノクローナル抗体(Biodesign International(Saco, Maine)から入手できる)もまた細胞上のIgE-RII(RII)の存在について検査するために用いた。図2のデータは、II型レセプター(RII)レベルは無視できる程度であるが、I型レセプター(RI)レベルは顕著であることを示している。I型レセプターはマスト細胞の脱顆粒を媒介するレセプターであるので、RBL-2H3細胞が、IgEレセプター発現に対するダウンレギュレーション作用のスクリーニングに適切である蓋然性はきわめて高いであろう。したがって、上記のin-vitro検査でIgE発現を低下させる能力を示すこれら被検組成物は動物の対象においてIgEの発現を低下させるために適切であろう。
【実施例2】
【0023】
組成物中の多数の個々の成分を検査して、IgEレセプター発現の制御における各成分の有効性を決定した。下記の表II及び表IIIの個々の成分をそれぞれ、実施例Iの成分組成物との関連で上記に提示した方法を用いて検査した。コントロールのIgEレセプター/生命活性に対する百分率として表したデータは、各実験において、未処理コントロール細胞と比較した処理細胞のIgEレセプター発現レベルを示している。被検成分は、IgEレセプター発現において種々のレベルで満足な低下を示している。
【0024】
表IIの成分の他に、用いることができる他の成分にはキーウィ抽出物、キーウィジュース及びアセロラチェリーが含まれる。表IIのホリーバジルはジェニハーブ(GeniHerbs)から入手した。
表III:IgEレセプター発現に対する個々の成分の作用
表IIIに挙げた成分の他に、用いることができる他の成分にはショウガPE5%、ボスウィン30、トリカルツ抽出物、バイオペリンとともに下記の実施例5の成分が含まれる。
【実施例3】
【0025】
上記の表IIに提示した多数の成分組合せを検査し、細胞のIgE分泌の制御における前記組合せの有効性を決定した。図3は、組成物未処理細胞のIgE分泌と比較した、細胞のIgE分泌に対する組合せ組成物の影響を示す。特に図3では、表IのX-軸に特定した成分組合せ(すなわち組成物)が示される。Y-軸は、コントロール細胞(すなわち組成物が添加されなかった細胞)によって分泌されたIgEレベルの百分率として表したデータを示している。
図3に示したように、もっとも有効な組成物は3-1、3-4、3-5、3-6及び3-7であった。これらの組成物は以下を含む:ペリラの種子、ヘスペリジン80%及びピカオプレト(3-1);ペリラの種子、ピカオプレト及びキーウィ抽出物(3-4);ペリラの種子、ピカオプレト及びシナモマム(3-5);ペリラの種子、キーウィ抽出物及びシナモマム(3-6);ヘスペリジン80%、ピカオプレト及びシナモマム(3-7)。図3で明らかなように、4又は5成分を含む組成物もまたIgE分泌得を抑制するように見える。これは、多数の成分による軽度の毒性の結果であろうと考えられる。
図3の結果を得るために用いられた方法をこれから述べる。先ず初めに、U266人ミエローマ細胞(ATCC(Manassas, Virginia)から入手できる)を96ウェルプレートに4x104/ウェルで播種した。細胞を表1に挙げた成分組合せサンプルに暴露した(各組み合わせは“サンプル”と称される)。全てのサンプルのストック溶液を、DMSO、エタノール及び水(5:3:2の比で存在する)中に100mg/mLで調製した。続いて各サンプルを培養液で100μg/mLに稀釈した。各サンプルにつき2枚ずつのプレートを調製し、それによって生命活性を各サンプルに付き複数回測定できるようにし、多数のサンプルの結果を細胞の処理後に平均した。
【0026】
プレートをさらに48時間インキュベートした。その後、上清中のIgEの量を、通常の定量的IgE ELISAキット(Bethyl Laboratories(Montgomery, Texas)から入手できる)を用いて測定した。IgE ELISAから得たOD450測定データを、図4に示した検量グラフに入力して、各上清中のIgEの濃度(ng/mL)を決定した。この検量グラフは、多数の既知濃度(ng/mL)の精製IgEのOD450を測定することによって作製した。グラフに示されているように、X-軸はng/mLで表したIgE濃度を示し、Y-軸は各濃度から得られるOD450を示している。線100はデータの点を結び、一方、線110は、この特定の実施態様で以下の等式に一致する傾向線である:
Y=0.2909X−0.2527 等式1
IgE検量グラフにより各サンプルのIgEの量を決定し、さらにその後のデータを比較分析のために図3に入力した。
U266ヒトミエローマ細胞のIgE分泌に対する表Iの組成物の作用は、前記検査細胞とin vivo細胞の細胞構造ならびにアレルギー反応の類似性のために、ヒト又は動物細胞に対するこれら組成物のin vivoでの作用に類似し、さらに前記作用の指標となると考えられる。
【実施例4】
【0027】
組成物中の多数の個々の成分を検査して、IgEレセプター発現及びIgE抗体分泌をダウンレギュレートするそれらの能力を決定した。これらの成分は、種々の濃度のアセロラチェリー抽出物、キーウィジュース抽出物、ビタミンC及びホリーバジルであった。アセロラ抽出物及びビタミンCはニュートリライト(Nutrilite, Lakeview, California)から入手し、キーウィジュース及びホリーバジルは、P.L.トーマスアンドカンパニー社(P.L. Thomas & Co., Inc., Morristown, New Jersey)から入手した。
本実施例のデータは、図5に示すように、IgEレセプター発現に対する多様な濃度の種々の成分(サンプル)の作用を示す。図5に示されているように、ビタミンCはIgEレセプター発現に対して顕著な作用を示した。200μg/mLで、ビタミンCはIgEレセプター発現で15%の低下を誘発した。図5に示した結果は、各成分の濃度が図5のX-軸に示したように多様であった点を除いて、上記の実施例1で示した方法と同じ方法を用いて得られた。
図6のデータは、IgE分泌抑制に対する種々の成分の典型的な作用を表している。データは、未処理コントロール細胞と比較した、処理細胞によって分泌されたIgEのパーセントコントロールとして表されている。図6に示されているように、アセロラ抽出物、キーウィジュース、ビタミンC及びホリーバジルはいずれも表示の量でIgE分泌を抑制した。アセロラ抽出物はIgE分泌抑制でもっとも強力であった。図6に示した結果は、各成分の濃度が図6のX-軸に表示したように変動するという点を除き、実施例3で述べた方法と同じ方法を用いて得られた。
【実施例5】
【0028】
組成物中の多数の個々の成分を検査して、IgEレセプターの発現制御における各成分の有効性を決定した。実施例1の成分の組合せと関連して上記に提示した方法を用いて、下記表IVの個々の成分の各々を検査した。コントロールIgE-レセプターの百分率として表したデータは、各実験における未処理コントロール細胞と比較した、処理細胞のIgEレセプターの発現レベルを示している。被検成分は、IgEレセプター発現における満足すべき種々のレベルの低下を示している。
表IV:IgEレセプター発現に対する成分の作用
表IVのデータは、種々の成分の作用をグラフで提示するために図7に図示されている。図7に示したように、ペリラの葉から得たルテオリン及びシナモンはともにIgE発現に対して顕著な作用を示した。
【実施例6】
【0029】
多数の個々の成分を、ブレンド(前記は等しい割合のシナモン、アセロラ及びピカオを含む)とともに検査し、実施例3の成分と関連して上記に提示した方法を用いてIgE分泌制御における各成分の有効性を決定した。コントロールIgE分泌の百分率として表した表Vのデータは、各実験における未処理コントロール細胞と比較した、処理細胞によるIgE分泌レベルを示している。被検成分は、IgE分泌における満足すべき種々のレベルの低下を示している。
表V:IgE分泌に対する成分の作用
表Vのデータは、種々の成分の作用をグラフで提示するために図8に図示されている。図8に示したように、個々の成分の大半が、ブレンドと同様にIgE分泌に対して顕著な作用を示した。
【0030】
B.アレルギー媒介物質検査と結果
アレルギー媒介物質放出に対する組成物の作用を任意のin-vivo及びin-vitroモデルで分析することができる。例示的なin-vitroモデルでは、アレルギー媒介物質の放出は、マスト細胞の組成物及び前記組成物の個々の成分への暴露に続いて判定した。細胞を感作し、さらに刺激して脱顆粒を惹起させた。予め規定したインキュベーション時間後に、アレルギー媒介物質レベルを免疫化学的方法で測定した。以下の実施例では、許容できる媒介物質放出抑制を示す成分組合せを特定し選択するために、媒介物質放出を測定する方法を述べる。以下の実施例で述べる方法を用いて、媒介物質の放出に対して作用を示す個々の成分及び成分の組合せを特定することができる。さらに別の考えとして、組成物のための個々の成分の選択及び成分の組合せは、IgEをダウンレギュレートする能力と同様に、媒介物質の放出に影響を与える成分又は組合せの能力を基準にすることができる。実際のところ、媒介物質放出及びIgEのダウンレギュレーションの両方で良好な性能を有する成分又は成分の組合せが、アレルギー応答の治療にきわめて適切である。
【実施例7】
【0031】
表VIに提示した組成物中の多数の成分及び成分の組合せを検査して、アレルギー媒介物質の放出抑制における各々の有効性を決定した。被検媒介物質は、ヒスタミン、PGD2及びLTC4であった。各媒介物質に対する各成分又は組成物の濃度もまたこの表に提示されている。例えば、ヒスタミンを調べるときのロスマリン酸の濃度は10ng/mLであり、PGD2を調べるときは1μg/mLであり、LTC4を調べるときは0.1μg/mLであった。
【0032】
表VIのデータは、アレルギー媒介物質放出に対する種々の成分の作用をグラフで提示するために図9に図示されている。図9に示したように、個々の成分の大半が、ブレンドと同様に媒介物質放出に対して顕著な作用を示した。さらにまた、予想に反する相乗作用が、ある種の成分が組み合わされたとき観察された。例えば、シナモン、アセロラ及びピカオプレトを組み合わせてブレンドを形成したとき、このブレンドは、未処理細胞で生じたヒスタミン放出の29%にヒスタミン放出を抑制した。対照的に、シナモンは個別にはヒスタミン放出を84%に、アセロラは70%に、ピカオプレトは96%に抑制した。
図9の結果を得るために用いた方法をこれから述べる。先ず初めに、RBL-2H3(ATCC(American Type Culture Collection; Manassas, Virginia)から入手できる)を5x104/ウェルで24ウェルプレートに播種した。付着後、細胞を図9に記した組成物又は組成物の組合せ(サンプルとも称される)に暴露した。前記サンプルを表VIに記した濃度で用いた。全てのサンプルのストック溶液を、DMSO、エタノール及び水(5:3:2の比率で存在する)の溶液で100mg/mLに調製した。続いて各サンプルを培養液で最終濃度に稀釈した。続いて細胞を一晩サンプルとともにインキュベートした。次の日、マウス抗ジニトロフェニル(DNP)IgE抗体(Sigma(St. Louis, Missouri)から入手できる)を最終濃度1ng/mLで前記細胞に添加した。細胞を37℃で1.5時間インキュベートして、IgE分子を細胞のIgEレセプターと抗体の定常領域を介して結合させた。
このインキュベーション時間の後で、細胞を2回洗浄した。BSAと結合させたDNP(DNP-BSA)(Calbiochem(San Diego, California)から入手できる)を含む溶液を前記細胞に0.5ng/mLで添加した。細胞をさらに1時間37℃でインキュベートした。ELISAキット(Cayman Chemical(Ann Arbor, Michigan)から入手できる)を製造元の指示にしたがって用い、ヒスタミン、PGD2及び/又はLTC4の存在について上清をアッセイした。
【0033】
次に、ELISAから得たOD450測定データを検量グラフに入力して、未処理コントロールサンプルに比して減少したヒスタミンの量を決定した。ヒスタミン検量グラフの例は図10に示されている。PGD2及びLTC4の検量グラフも同様である。図10の検量グラフは、多数の既知濃度の精製ヒスタミンのOD450を測定することによって作製した。グラフに示したように、X-軸はナノモルのヒスタミン濃度を示し、Y-軸は各濃度のOD450を示す。線120はデータの点を結び、一方、線130は、この特定の実施態様で下記の等式に一致する傾向線である:
Y=-0.0025X2+0.2915X+2.0775 等式2
このヒスタミン検量グラフを用いて、各サンプルのヒスタミンの量を決定し、その後のデータは、比較分析のために表VI及び図9に入力した。
アレルギー媒介物質の放出に対するこの実施例の組成物の作用は、実施例8及び9の場合と同様に、テスト細胞とin-vivo細胞との細胞構造及びアレルギー反応の類似性のために、ヒト又は動物細胞におけるこれら組成物の作用に類似し、さらに前記作用の指標となると考えられる。
【実施例8】
【0034】
表VIIに提示した組成物中の多数の成分及び成分の組合せを検査して、アレルギー媒介物質放出の抑制におけるそれぞれの有効性を決定した。被検媒介物質はヒスタミンであった。検査される各成分又は組合せの濃度は10ng/mLであった。ブレンドについては、個々の成分の濃度は等しく、例えばシナモンは3.33ng/mL、アセロラは3.33ng/mL、ピカオプレトについては3.33ng/mLであった。コントロールには何も添加されなかった。成分が組み合わされる場合は、各々は等量で存在した。例えばブレンドにルテオリンが組み合わされる場合は、両者は等量で存在し、すなわち、ブレンドは10ng/mLの濃度で存在し、さらにルテオリンも10ng/mLの濃度で存在した。
【0035】
【0036】
ヒスタミン放出に対する種々の成分の作用を明示するとともに、ある種の成分が組み合わされたときのヒスタミン放出に対する作用を明示するために、表VIIのセレクトデータが図11−14に図示されている。表VIIの情報を得るために用いられた方法は、図7のそれと同一である。
表及び図11−14に示されているように、個々の成分の大半が、ブレンドと同様に媒介物質放出に対して顕著な作用を示した。それだけではなく、さらに予想に反する相乗作用(ブレンドで観察された作用に加えて)が、ある種の成分が組み合わされたときに観察された。例えば、図11に示されているように、ブレンドとルテオリンとの組合せは、未処理コントロールに比して約58%にヒスタミン放出を抑制し、一方、個別にはペリラの葉由来のルテオリンは約88%に、ブレンドは約73%に抑制した。さらにまた、ブレンドとチノスポラとの組合せは約78%にヒスタミン放出を抑制し、一方、個別にはブレンドは約73%に、チノスポラは約95%にヒスタミン放出を抑制した。
予想に反する相乗作用のまた別の例は、チノスポラとルテオリンとの組合せによって図12に示されている。図12では、チノスポラとルテオリンとの組合せはヒスタミン放出を約72%に抑制し、一方、個別的にはチノスポラは約95%に、ルテオリンは約88%にヒスタミン放出を抑制した。
予想に反する相乗作用のさらに別の例は、アフラモマムとバターブール(butterbur)との組合せによって図13に示されている。図13では、前記組合せはヒスタミン放出を約74%に抑制し、一方、個別的にはアフラモマムは約73%に、バターブールは約75%にヒスタミン放出を抑制した。
【0037】
C.IgE及びアレルギー媒介物質一括検査及び結果
ある種の成分及び組成物の成分組合せについて、IgEダウンレギュレーション及びアレルギー媒介物質放出の両者を同時に判定した。例示的なin-vitroモデルでは、IgEダウンレギュレーション及びアレルギー媒介物質放出の両者が、それぞれ実施例1及び7で提示した方法にしたがって判定された。以下の実施例では被検組成物を特定し、検査結果を提示する。
【実施例9】
【0038】
表VIIIに提示した組成物中の多数の成分及び成分の組合せを検査して、IgEのダウンレギュレーション及びヒスタミン放出抑制の両者におけるそれぞれの有効性を決定した。本明細書で用いられるように、ルテオリン(場合によってペリラの種子由来)、シナモン及びアセロラの組合せはフォーミュラと称される。各成分又は成分組合せの濃度は表VIIIに記されている。前記フォーミュラ中の個々の成分のそれぞれの濃度は等しかった。例えば、フォーミュラIgE-R(IgEレセプター発現)濃度は100μg/mLであった。したがって、ペリラの種子由来のルテオリンの濃度は33.3μg/mLであり、シナモンの濃度は33.3μg/mLであり、アセロラの濃度も33.3μg/mLであった。
【0039】
表VIII:IgEレセプター発現(IgE-R)、IgE分泌(IgE)及びヒスタミン放出(ヒスタミン)に対する成分の作用
【0040】
IgEレセプター発現、IgE分泌及びヒスタミン放出に対する種々の成分の作用を明示するために、表VIIIのデータが図14に図示されている。表VIII及び図14に示されているように、個々の成分の大半が、IgEレセプター発現、IgE分泌及びヒスタミン放出に対して陽性の作用を示した。しかしながら、驚くべき、かつ予想に反する相乗作用が、フォーミュラに成分が組み合わされたときに観察された。特に、コントロール(成分で処理されていない)に比してフォーミュラは約58%にヒスタミン放出を抑制し、一方、個別にはルテオリンは約100%に、シナモンは約77%に、アセロラは約58%にヒスタミン放出を抑制した。
さらに予想に反する相乗作用がIgEダウンレギュレーションに関しても示された。例えば、フォーミュラはIgEレセプター発現を約89%に抑制し、一方、個別にはルテオリンは約90%に、シナモンは約119%に、アセロラは約105%にIgEレセプター発現を抑制した。さらに別の例として、ブレンドはIgE分泌を約76%に抑制し、一方、個別にはルテオリンは約95%に、シナモンは約100%に、アセロラは約78%にIgE分泌を抑制した。
フォーミュラに、ピカオプレト、チノスポラ、ロスマリン酸及びアフラモマムのうちの少なくとも1つを組み合わせて、IgEレセプター発現、IgE分泌及び媒介物質放出に対して同様な作用を誘引することができる。
上記の記載は本発明の好ましい実施態様の記載である。種々の変更及び改変が、添付の請求の範囲に規定した本発明の広義の特徴(特許法(同等の政策を含む)に基づいて解釈されるべきである)から逸脱することなく実施されえる。単数(例えば冠詞“a”、“an”、“the”、又は“said”を用いる)で示されたいずれの成分でも、前記成分が単数に限定されると解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】IgEレセプターの発現に対する本発明の組成物の影響を示すグラフである。
【図2】テスト細胞上の種々のIgEレセプターの発現を示すグラフである。
【図3】IgE分泌に対する組成物の影響を示すグラフである。
【図4】組成物サンプルの光学密度データからIgE濃度を外挿するために用いられる検量線を示すグラフである。
【図5】IgEレセプター発現に対する、種々の濃度での個々の成分組成物の影響を示すグラフである。
【図6】IgE分泌に対する、種々の濃度での個々の成分組成物の影響を示すグラフである。
【図7】IgEレセプター発現に対する成分組成物の影響を示すグラフである。
【図8】IgE分泌に対する成分組成物の影響を示すグラフである。
【図9】アレルギー媒介物質の放出に対する成分組成物の影響を示すグラフである。
【図10】組成物サンプルの光学密度データからヒスタミン放出を外挿するために用いられる検量線を示すグラフである。
【図11】媒介物質の放出に対する複数の成分組成物の影響を示すグラフである。
【図12】媒介物質の放出に対する複数の成分組成物の影響を示すグラフである。
【図13】媒介物質の放出に対する複数の成分組成物の影響を示すグラフである。
【図14】IgEの分泌、IgEレセプターの発現及びヒスタミンの放出に対する複数の成分組成物の影響を示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレルギー反応及び疾患を予防及び治療する組成物並びに方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、米国仮特許出願第60/542,070号(前記は参照により本明細書に含まれる)の権利を主張する。
本発明は、アレルギー反応及び疾患を予防及び治療する組成物並びに方法に関する。
多くの個体が、アレルギーが関係する免疫学的疾患に罹患している。そのような疾患には、例えば気管支喘息、アレルギー性鼻炎(枯草熱)及びアトピー性皮膚炎が含まれる。これらの疾患は身体に対しては幾分異なる作用を有するが、それらは、共通のアレルギー応答(I型又は即時型、アナフィラキシー型アレルギー反応と称される)を共有する。この反応は、例えば免疫グロブリンE(IgE)及びヒスタミンのような物質によって媒介され、いくつかの工程を含む。
前記反応の第一の工程(感作工程と称される)では、アレルゲンに対する免疫応答が反応性個体の前記アレルゲンへの暴露に際して開始する。これによってアレルゲン特異的IgEを分泌するB細胞の産出がもたらされる。前記IgEは続いてマスト細胞及び好塩基球上のIgEレセプター部位と結合する。第二の工程(脱顆粒工程と称される)では、前記アレルゲンに再度暴露されたとき、前述のレセプター結合IgEはアレルゲンと結合して、マスト細胞及び好塩基球の脱顆粒をもたらす。脱顆粒によって多様な血管作用性媒介物質(例えばヒスタミン及びプロテアーゼ)が放出され、これらは続いてアレルギー性及び炎症性応答を促進する。第三の工程(炎症工程と称される)は前記媒介物質が引き金となって引き起こされ、a)炎症性細胞を炎症部位(例えば標的器官、例えば肺)に蓄積させ、b)炎症性細胞に化学物質(例えばインターロイキン-3、インターロイキン-6及びマクロファージコロニー刺激因子)を放出させる。炎症性細胞は正常では活性化されて組織の防御、組織の維持及び免疫調節を提供するが、アレルギーの場合には、炎症性細胞の活性化はアレルギー応答を増大させるために作用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
いくつかのアレルギー性疾患の治療法が存在する。これら治療法の多くは、脱顆粒工程時に物質の放出を抑制するか、又は炎症工程時に誘発されるアレルギー反応を抑制するためにステロイドを用いる。これらの治療法は、アレルギー応答の緩和には有効であるが、I型アレルギー反応の開始の予防には役立たない。すなわち、前記治療法はIgEの産生を抑制することはできず、したがって根幹の炎症性プロセスを停止させることはできない。前記の帰結は、この治療法もまた、アナフィラキシーショックと称されるしばしば致命的な反応(前記は単純にI型アレルギー反応の開始が引き金となって生じる)を阻止することができないということである。さらにまた、脱顆粒工程及び炎症工程を抑制するために用いられる薬剤の多くがまた望ましくない副作用を有する。例えば、脱顆粒はしばしばコルチコステロイドで治療され、炎症はしばしばグルココルチコステロイド(glucocortosteroids)で治療されるが、これらの薬剤は多くの副作用、例えば体重増加、水分保持、高血圧及びコレステロールレベルの上昇を引き起こしえる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の要旨
前述の問題は本発明で克服される。本発明は、IgEの産生をダウンレギュレートし、IgE抗体と細胞上のレセプターとの結合をダウンレギュレートし、及び/又はヒスタミン、プロスタグランジンD2又はロイコトリエンC4の放出を抑制することによってアレルギー応答を抑制又は防止する組成物及び関連方法を提供する。
ある実施態様では、本組成物及び方法はIgE抗体の産生を低下及び/又は防止する。これは、反応性個体のB細胞がIgE抗体を分泌するのを妨げる組成物によって達成することができる。
別の実施態様では、本組成物及び方法は、マスト細胞及び好塩基球上のIgEレセプター部位のレベルを減少させる。これによって順次、アレルギー応答とそれに続く炎症性応答を促進する媒介物質を放出するマスト細胞及び/又は好塩基球の活性化が妨げられる。
【0005】
さらに別の実施態様では、本組成物及び方法は、アレルギー応答の媒介物質(ヒスタミン、プロスタグランジンD2及び/又ははロイコトリエンC4を含む)の放出を抑制又は予防する。したがって、細胞の脱顆粒を妨げて、アレルギー応答又は炎症性応答を予防、抑制又は停止させることができる。
さらにまた別の実施態様では、本組成物は、以下の成分の少なくとも1つを含むことができる:ペリラ(Perilla)の葉(又はペリラの種子)、特にその成分のルテオリン(ペリラ・フルテウセンス(Perilla fruteucens)から得られる)、シナモン(シナモン・ゼイラニクム(Cinnamon zeylanicum))、キーウィ抽出物(アクチニジア・アルグータ(Actinidia arguta)から得られる)、ピカオプレト(Picao preto)(ビデンス・ピロサ(Bidens pilosa))、ヘスペリジン(Hesperidin)(シトルス・セネシス(Citrus senesis))、アセロラチェリー(マルフィギア・グラブラ(Malphighia glabra))、グアコ(Guaco)(ミカニア・グロメラータ(Mikania glomerata))、ホリーバジル(オクチマム・サンクツイン(Octimum sanctuin))、カカドゥ(Kakadu)(テルミナリア・フェルナンディダ(Terminalia fernandida))、ソラーナム(Solarnum)(ソラナム・キサントカルプム(Solanum xanthocarpum))、キーウィジュース(アクチニジア・キネンシス(Actinidia chinensis))、ロスマリン酸(マンネンロウ(Rosmarinus officinalis)から得られる)、チノスポラ(Tinospora)(チノスポラ・コルジホリア(Tinospora cordifolia)から得られる)及びアフラモマム(Aframomau)(アフラモマム・メレゲータ(Aframomum melegueta)から得られる)。より具体的な実施態様では、本組成物は、シナモン、アセロラ及びピカオプレトを含むことができる。さらに具体的な実施態様では、本組成物は、シナモン、アセロラ、ピカオプレト並びにルテオリン、チノスポラ、ロスマリン酸及びアフラモマムのうちの少なくとも1つを含むことができる。これらの成分は等しい量で存在することができる。より具体的なまた別の実施態様では、本組成物は、シナモン、アセロラ、ルテオリン、並びにピカオプレト、チノスポラ、ロスマリン酸及びアフラモマムのうちの少なくとも1つを含むことができる。これらの成分は等しい量で存在することができる。
【0006】
本発明の方法では、上記の組成物は、細胞及び/又は対象者に投与して、アレルギー性又は炎症性応答を、(a)IgEの産生のダウンレギュレーション、(b)IgE抗体と細胞上のレセプターとの結合のダウンレギュレーション、及び/又は(c)例えばヒスタミン、PGD2及び/又はLTC4のような媒介物質の放出の抑制又は防止のうち少なくとも1つによって抑制又は防止することができる。
本発明の方法では、上記の組成物は、アレルギー応答若しくは疾患(例えばアレルギー性鼻炎、気管支喘息、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、高IgE症候群、アナフィラキシーショック、アトピー性湿疹及び慢性関節リウマチ)又は前記疾患の可能性がある対象者に、有効量で投与することができる。ある実施態様では、本組成物は、例えばIgE抗体の産生及び/又はIgE抗体と細胞上のレセプターとの結合をダウンレギュレートすることによって、対象者でIgEレベルを低下させるために投与することができる。また別の実施態様では、本組成物を投与して、アレルギー応答媒介物質(例えばヒスタミン、PGD2及び/又はLTC4)の放出を抑制又は防止することができる。
本発明は、多数の一般的な抗アレルギー治療よりも多くの利点を提供する。例えば本組成物及び方法は、IgEの産生を抑制することができ、したがってマスト細胞及び/又は好塩基球の感作、及びその後に続く炎症プロセスを妨げ又は遅らせる。さらにまた、場合によって果実及びハーブ供給源から誘導される成分を本組成物で使用することによって、前記組成物を使用する対象者にとって潜在的な副作用を減少させることができる。さらにまた、本組成物は、従来の大半の抗アレルギー治療(単にヒスタミンの作用を阻止するか、又は抗炎症性媒介物質(例えばプロスタグランジン及びロイコトリエン)の産生を妨げる)より上流のアレルギー応答を標的とするとともに、抗炎症性媒介物質の放出も抑制又は防止することができる。したがって、本発明は、アナフィラキシーショック(他の多くの純粋に下流の治療法では緩和又は防止することができない)の発生を緩和し、及び/又は予防するとともに、アレルギー応答媒介物質をダウンレギュレートすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
好ましい実施態様の詳細な記載
1.組成物及び製造
本発明の組成物は、許容できる担体を、以下の成分の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ又は少なくとも4つの有効な量を含む混合物とともに混合することによって製造することができる:ペリラ(Perilla)の葉又は種子、特にその成分のルテオリン(ペリラ・フルテウセンス(Perilla fruteucens)から得られる)、シナモン(シナモン・ゼイラニクム(Cinnamon zeylanicum))、キーウィ抽出物(アクチニジア・アルグータ(Actinidia arguta))、ピカオプレト(Picao preto)(ビデンス・ピロサ(Bidens pilosa))、ヘスペリジン(Hesperidin)(シトルス・セネシス(Citrus senesis))、アセロラチェリー(マルフィギア・グラブラ(Malphighia glabra))、グアコ(Guaco)(ミカニア・グロメラータ(Mikania glomerata))、ホリーバジル(オクチマム・サンクツム(Octimum sanctum))、カカドゥ(Kakadu)(テルミナリア・フェルナンディダ(Terminalia fernandida))、ソラーナム(Solarnum)(ソラナム・キサントカルプム(Solanum xanthocarpum))、キーウィジュース(アクチニジア・キネンシス(Actinidia chinensis)から得られる)、ロスマリン酸(マンネンロウ(Rosmarinus officinalis)から得られる)、チノスポラ(Tinospora)(チノスポラ・コルジホリア(Tinospora cordifolia)から得られる)及びアフラモマム(Aframomum)(アフラモマム・メレゲータ(Aframomum melegueta)から得られる)、ツメリック(Tumeric)(クルクマ・ロンガ(Curcuma longa)、クマル(Cumaru)(アムブラナ・セアレンシス(Amburana cearensis))、マリーゴールド(タゲンテス・エレクタ(Tagentes erecta))、イラクサの根(ウルチカ・ジオイカ(Urtica dioica))、ケルセチン(ジモルファンドラ・ガルドネリアナ(Dimorphandra gardneriana))、ショウガ(ジンギバー・オフィシナーレ(Zingiber officinale))、ボスウィン(Boswin)30(ボルウェリア・セルラッタ(Borwellia serratta))、トリカルツ(Trikartu)抽出物[ピプリ(Pipli)(ピペル・ロングム(Piper longum))、黒コショウ(ピペル・ニグルム(Piper nigrum))、バイオペリン(Bioperine)の各々1/3を含むアユベディック(ayuvedic)抽出物、サビンサ社(Sabibsa Corp., Piscataway, New Jersey)から入手できる]、及びアレルギーフォーミュラ(Geni Herbs of Noblesville(Indiana)から入手できる)。
【0008】
ある実施態様では、前記組成物はシナモン、アセロラ及びピカオプレトを含む。場合によってこの組成物はさらに、ルテオリン、チノスポラ、ロスマリン酸及びアフラモナムのうちの少なくとも1つを含む。別の実施態様では、前記組成物は、シナモン、アセロラ及びルテオリンを含む。場合によって、この組成物はさらに、ピカオプレト、チノスポラ、ロスマリン酸及びアフラモマムのうちの少なくとも1つを含む。複数の成分が組成物に含まれるときは、前記成分は組成物の重量においてほぼ等量で存在することができる。例えば、前記組成物は、担体、10重量%、及びIgE及び/又は媒介物質に影響を与える成分、90重量%を含むことができる。この例示的組成物において3つの成分、例えばシナモン、アセロラおよびピカオプレトが存在するときは、これら成分の各々は、組成物の約30重量%に等しい量でそれぞれ存在することができる。
前記組成物のいくつかの成分は、アレルギー応答及び炎症性応答のある一定のメカニズムにおいてより強い影響を示すか、或いはより強い抑制を与える。例えば、いくつかの成分は、特定のメカニズムを介してIgEをダウンレギュレートする。具体的な例として、キーウィ抽出物はIgE分泌の低下において極めて良好に作用するが、IgEレセプター発現の低下では軽度に良好な作用を示す。他方、シナモンはIgEレセプター発現の低下に非常に良好に作用するが、IgE分泌の低下では軽度に良好な作用を示す。したがって、本発明のいくつかの組成物は、IgEレセプター発現を低下させる成分及びIgE分泌を低下させる成分の両方を含む。したがって、これらの組成物は、2つのメカニズムによって、すなわちIgEレセプター発現の低下によって及びIgE分泌の低下によって、IgEをダウンレギュレーとする。本明細書で用いられるように、アレルギー応答は炎症性応答を包含し、さらにアレルギー応答の抑制には、前記応答の部分的抑制、前記応答の完全な停止、及び/又は前記反応の予防が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0009】
さらにまた、いくつかの成分は、他の成分よりも良好に媒介物質の放出を追加的に又は択一的に抑制し、さらに、いくつかの成分は、他の媒介物質よりも良好にいくつかの媒介物質の放出を抑制する。具体的な例として、アフラモマムは、LTC4放出の抑制においてシナモンよりも良好に作用するが、シナモンは、ヒスタミン放出の抑制でアフラモマムより能力が高い。同様に、アフラモマムはLTC4放出の抑制において非常に良好に作用するが、ヒスタミン放出の抑制ではほんの軽度に良好な作用を示すだけである。さらにまた、いくつかの成分(例えばシナモン)は、アレルギー応答におけるいくつかのメカニズムに影響を及ぼす。上記に特別に記したように、シナモンはIgEレセプター発現を低下させるとともに、媒介物質(例えばヒスタミン及びPGD2)の放出も抑制する。種々の成分及び成分の組合せが機能する具体的なメカニズムは、それら成分の相対的な有効性とともに以下で詳細に考察される。
特定の成分の組合せを含む組成物はまた、ある種の作用メカニズムで驚くべきかつ予期に反する相乗作用を示した。例えば、シナモン、アセロラ及びピカオプレトの組合せ(本明細書ではブレンドと称する)は、これら成分のうちのいずれか1つだけの場合よりも良好にヒスタミン放出を抑制した。下記の実施例7でさらに詳細に考察するように、本ブレンドは、ブレンド未処理又は他のいずれかの成分で処理された細胞によるヒスタミン放出の29%にヒスタミン放出を抑制した。対照的に、シナモンは単独でヒスタミン放出を84%に、アセロラは70%に、及びピカオプレトは96%に抑制した。成分の組合せがそのような相乗作用及びメカニズム作用の全体的改善をしばしばもたらすというわけではないので、前記の結果は驚くべきことであった。例えば、実施例8では、前記ブレンドはヒスタミン放出を、未処理コントロール細胞によるヒスタミン放出の73%に抑制し、アフラモマムはヒスタミン放出を、未処理コントロールサンプルによるヒスタミン放出の96%に抑制したが、前記ブレンドとアフラモマムの組合せはヒスタミン放出を、未処理コントロールサンプルの100%に抑制した。成分複合物の頻繁な非相乗性作用は、個々の成分が互いに反対に作用するか、及び/又は異なる生物学的メカニズムに影響を与えることによって引き起こされ、その結果、複合物の正味の作用は、各成分単独の作用より弱いか、又は望ましくないものになると考えられる。
【0010】
本開示の目的のために、成分又は組成物の有効な量とは、所望の生物学的応答を誘引するために必要な量を指す。さらに、本明細書で用いられるように、マスト細胞は、マスト細胞、好塩基球、及びIgEレセプターをもつ他の細胞のうちの少なくとも1つを指す。さらにまた、ショウガの表記は極めて多様であることが可能で、例えば、ショウガ5%は、5%濃度のショウガ抽出物を意味する。ある実施態様では、使用されるキーウィ抽出物は極めて多様で、パンジェノミックA(PanGenomic A)と称され、前記はパンジェノミック社(PanGenomic Co., Ltd., Seoul, Korea)から入手できる。用いられるヘスペリジンもまた極めて多様でありえる。特にヘスペリジン80%は80%濃度のヘスペリジン抽出物を意味する。さらに、用いられるチノスポラは、商標名チノフェンド(Tinofend)として販売されている製品(ジェニハーブ(Geni Herbs)から市販されている)に存在するチノスポラでもよい。
in vitro試験に関連して用いられるとき、具体的な組成物の実施態様について有効な量は所望に応じて変動させることができる。ある実施態様では、組成物は、シナモン、アセロラ及びピカオプレト成分の組合せ(本明細書ではブレンドと称される)を含み、前記ブレンドの投与範囲は1μg/mLより多く、ブレンドの各成分は等しい濃度で存在する。
【0011】
別の実施態様では、ルテオリン、アフラモマム、ロスマリン酸、及びチノスポラのうちの少なくとも1つが前記ブレンドに加えられる。ルテオリンは、ペリラの種子及び/又は場合によってペリラの葉から得ることができる。この実施態様では、ルテオリンの投与範囲は1μg/mLより多くてもよく、アフラモマムの投与範囲は1μg/mLより多くてもよく、ロスマリン酸の投与範囲は1μg/mLより多くてもよく、チノスポラの投与範囲は1μg/mLより多くてもよい。
さらにまた、in vivo試験または通常の対象者への投与に関連して用いられるとき、具体的な組成物の実施態様について有効な量は所望に応じて変動させることができる。ある実施態様では、組成物は、シナモン、アセロラ及びピカオプレト成分の組合せ(すなわちブレンド)を含むことができ、前記ブレンドの対象者への1日の投与範囲は約1mgから約540mg;約1mgから約400mg;約1mgから約270mg;約270mgから約400mg;または約270mgから約540mgである。この実施態様では、ブレンドのそれぞれ個々の成分は、ブレンドの対象者への1日の投与範囲と等しい1日の投与範囲を有することができる。ブレンドの成分もまた、前記ブレンドが取り込まれている総組成物の重量%としてあらわすことができる。特に、シナモンは、約5%から約50%、約10%から約25%、約15%から約22%、及び約20パーセントの重量%で存在することができる。アセロラは、約5%から約50%、約10%から約25%、約15%から約22%、及び約20パーセントの重量%の量で存在することができる。ピカオプレトは、約5%から約50%、約10%から約25%、約15%から約22%、及び約20パーセントの範囲の重量%で存在することができる。他の範囲も所望に応じて用いることができる。
【0012】
より具体的な実施態様では、ルテオリン、アフラモマム、ロスマリン酸及びチノスポラのうちの少なくとも1つを前記ブレンドに添加することができる。ルテオリンは、ペリラの種子及び/又は場合によってペリラの葉から得ることができる。この実施態様では、ルテオリンの対象者への1日の投与範囲は約1mgから約225mg;約1mgから約180mg;約1mgから約135mg;約135mgから約180mg;または約180mgから約225mgである。この実施態様でのアフラモマム又はロスマリン酸の対象者への1日の投与範囲は約1mgから約300mg;約1mgから約225mg;約1mgから約150mg;約150mgから約225mg;又は約225mgから約300mgである。この実施態様でのチノスポラの対象者への1日の投与範囲は約1mgから約900mg;約1mgから約600mg;約1mgから約300mg;約300mgから約600mg;又は約600mgから約900mgである。
さらにまた別の実施態様では、組成物は、シナモン、アセロラ及びルテオリン成分の組合せを含むことができる。前記組合せはまた本明細書ではフォーミュラと称される。ルテオリンは、ペリラの種子及び/又は場合によってペリラの葉から得ることができる。in vitro試験に関連して用いられるとき、この実施態様のために許容できる有効な量は所望に応じて変動させることができる。前記フォーミュラのためのそのような投与範囲の例は1μg/mLより多く、フォーミュラの各成分は等しい濃度で存在する。
【0013】
別の実施態様では、ピカオプレト、ルテオリン、アフラモマム、ロスマリン酸及びチノスポラのうちの少なくとも1つが前記フォーミュラに添加される。この実施態様では、ピカオプレトの投与範囲は1μg/mLより多くてもよく、アフラモマムの投与範囲は1μg/mLより多くてもよく、ロスマリン酸の投与範囲は1μg/mLより多くてもよく、チノスポラの投与範囲は1μg/mLより多くてもよい。
前記フォーミュラの対象者への許容できる1日の投与範囲は約1mgから約540mg;約1mgから約400mg;約1mgから約270mg;約270mgから約400mg;または約270mgから約540mgである。この実施態様では、フォーミュラの個々の成分の各々はフォーミュラの投与範囲と同じ1日の対象者への投与範囲を有することができる。別の実施例では、フォーミュラの成分は、前記フォーミュラが取り込まれている総組成物の重量%としてあらわすことができる。そのような例では、シナモンは、約5%から約50%、約10%から約25%、約15%から約22%、及び約20%の範囲の重量%で存在することができる。アセロラは、約5%から約50%、約10%から約25%、約15%から約22%、及び約20パーセントの重量%の範囲で存在することができる。ルテオリンは、約5%から約50%、約10%から約25%、約15%から約22%、及び約20パーセントの範囲の重量%で存在することができる。他の範囲も所望に応じて用いることができる。より具体的な実施態様では、ピカオプレト、アフラモマム、及びチノスポラのうちの少なくとも1つを前記フォーミュラに添加することができる。これら成分の対象者への1日の投与量の範囲は、以前の実施態様に関連して上記に記載した範囲と同じであってもよい。
【0014】
本発明の組成物は、成分の生物学的活性を維持する任意の態様で製造することができる。組成物の可能な調製物には、煎じ薬、水性抽出物、有機溶媒抽出物及び乾燥散剤が含まれる。ある実施態様では、前記成分は、乾燥させてすり潰し得られた粉末を加工してピル形に成形されるが、組成物は種々のデリバリー系を有する形態に加工することができる。例えば、成分を加工して、カプセル、錠剤、ゲルタブ、ロゼンジ、細片、顆粒、散剤、濃縮物、溶液又は懸濁液に含有させることができる。成分はまた、例えば喘息、アナフィラキシーショック或いは他の急性ショック症状の治療では、スプレー、ミスト又はエーロゾルにより気道に投与することができる。成分はまた個々に製剤化するか、又は、予め測定されたサプリメント、強化食品、例えば一食分バーを提供するために他の食品と組み合わせて製剤化することができる。一般的には、組成物は、対象者に経口的に、非経口的に、直腸に、クモ膜下腔内に、腹腔内に、局所的に及び頬内に投与することができる。
本発明の組成物は少なくとも1つの許容できる賦形剤又は担体を含むことができる。本開示のために、許容できる担体とは、非毒性で不活性な個体、半個体又は液体充填剤、稀釈剤、被包化物質又は製剤を意味する。許容できる担体の例は以下のとおりである:セルロース及びその誘導体、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース及びセルロースアセテート;デンプン、例えばトウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン;糖類、例えばラクトース、グルコース及びシュクロース;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばココアバター及びロウ;油、例えばピーナツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びダイズ油;グリコール、例えばプロピレングリコール;エステル、例えばオレイン酸エチル及びラウリン酸エチル;寒天;緩衝物質、例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;アルギニン酸;発熱因子除去水;等張食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール;及びリン酸緩衝溶液。本発明の組成物中に存在することができる他の物質には、適用が必要な場合は、甘味料及び風味剤、コーティング剤、滑沢剤、流動補助剤、着色剤、放出剤、香料、保存料及び抗酸化剤が含まれる。
デリバリービヒクルの具体的な例として、予め選択した量の複数の成分、例えば上記に提示したいずれかの範囲にあるシナモン、アセロラ及びピカオプレトを、微晶質珪化セルロース(充填剤)、ステアリン酸(滑沢剤)及び二酸化珪素(流動補助剤)を含む賦形剤とともに混和することができる。前記混和物を手動カプセル充填機(T.M.P.(Milano, Italy)から市販されている)を用いてサイズ#0の白色カプセルに充填することができる。そのようなカプセルを、所望の投与計画にしたがって対象者に投与することができる。
【0015】
II.使用方法
本発明の組成物は多様な方法で投与することができる。特に本組成物は、細胞及び/又は対象者に単独で、又はさらに別の治療処置(例えばコルチコステロイド(前記は喘息治療のために許容される薬剤である))と組み合わせて投与することができる。さらにまた、前記組成物は標準的若しくは還元コルチコステロイド又は他の処置とともに投与することができる。さらに、前記組成物は、アレルギー治療のために許容される薬剤と組み合わせて投与することができる。前記薬剤には、例えば抗ヒスタミン剤、非ステロイド系抗炎症薬、ステロイド系抗炎症薬及びうっ血除去薬が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
ある実施態様では、前記組成物は現時点で存在するアレルギー応答の処置に用いることができる。例えば、前記組成物を用いて、喘息反応の重篤度、強度及び/又は持続時間を低下させることができる。そのような適用では、個体が喘息症状を発した後で前記個体に組成物を投与する。組成物はまた、細胞のアレルギー応答に対する組成物の影響を調べるために前記細胞に投与することができる。
別の選択又は追加を意図する実施態様では、前記組成物は、以前にI型アレルギー反応に罹患した個体で前記反応の開始を予防又は遅延させるために、又は、後続の症状を予防するために又はその重篤度、強度若しくは持続時間を低下させるために用いることができる。場合によって、以前にアレルギー反応の開始を誘発したことが判明しているか、又はアレルギー反応の開始と少なくとも関連性があることが判明している抗原が特定されている場合は、前記組成物は、その後の抗原との遭遇後に症状が開始する前に又は抗原と遭遇する前に投与することができる。
【0016】
さらに別の選択又は追加を意図する実施態様では、組成物は特定の抗原に対してアレルギー感作が発達する前に投与することができる。この事例では、組成物は、以前にアレルギー反応を伴ったことがない抗原への暴露と実質的に同時に投与することができる。
一般的には、本発明の組成物は、有効な量で、細胞又は、アレルギー応答若しくはアレルギー疾患又はそれらのおそれがある対象者に投与することができる。前記アレルギー疾患は、例えばアレルギー性鼻炎、気管支喘息、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、高IgE症候群、アナフィラキシーショック、アトピー性湿疹及び慢性関節リウマチである。
ある実施態様では、組成物はアレルギー応答を抑制するために投与することができる。これは、細胞又は対象者のIgEレベルを、例えばIgE抗体の産生をダウンレギュレートするか、及び/又はIgE抗体と細胞上のレセプターとの結合をダウンレギュレートすることによって達成することができる。前記は、その結果、I型アレルギー反応の感作工程を予防、緩和及び/又は抑制すると考えられる。I型アレルギー反応の開始を予防、緩和及び/又は抑制(前記の全てが本明細書で用いる用語“抑制”に包含される)することによって、その後に続く反応及び結果として生じる症状もまた予防、緩和及び/又は抑制されえる。これらの症状には、じんま疹、発赤、痒み(puritis)、なみだ目、浮腫、下痢、気管支収縮及び/又は炎症、気道の過剰反応性、呼吸困難、血管拡張、血圧低下、IgEレベルの増加、血中ヒスタミンレベルの増加、プロテアーゼレベルの増加、アナフィラキシー及び死が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
さらに別の実施態様では、前記組成物は細胞又は対象者に投与して、アレルギー反応媒介物質(例えばヒスタミン、PGD2及び/又はLTC4)の放出を抑制又は予防することができる。そのようにして、I型アレルギー反応、それに続く反応及び結果として生じる症状もまた抑制することができる。
【0017】
III.組成物の同定及び性状決定
A.IgE検査及び結果
本組成物のIgEに対する作用をin-vivo又はin-vitroモデルで解析した。例示的in-vitroモデルでは、そのような検査は、その表面に高レベルのIgEレセプターを有する細胞をもつ好塩基性細胞株を処理することによって実施した。予め限定したインキュベーション時間の後で、IgE分泌レベル及びIgE発現レベルを免疫化学的方法で測定した。以下の実施例は、許容可能なIgEダウンレギュレーション作用をもつ成分の組み合わせを同定及び選択するために、IgE分泌及びIgEレセプター発現を測定する方法について述べる。ただし実施例1及び3はIgEダウンレギュレーション作用をもつ成分の同定方法を述べるが、記載の方法はまたその他に、或いはまた別に、実施例2、4及び5で例証するように、IgEダウンレギュレーション作用を有する個々の成分の同定に用いることができる。
以下の実施例はある種の具体的な本発明の実施態様を例示することを意図するが、ただし請求の範囲によって規定されるように本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【実施例1】
【0018】
表Iに提示した組成物成分の多数の組合せを検査し、IgEレセプター発現におけるそれぞれの組合せの有効性を決定した。表Iの組成物の各々において、成分は等量で存在する。図1は、IgEレセプター発現に対する組成物の影響を示す。
【0019】
表1:サンプル組成物の成分の組合せ
5成分:ペリラ種子、ヘスペリジン80%、ピカオプレト、キーウィ抽出物、シナモン
4成分
4-1:ペリラ種子、ヘスペリジン80%、ピカオプレト、キーウィ抽出物
4-2:ペリラ種子、ヘスペリジン80%、ピカオプレト、シナモン
4-3:ペリラ種子、ヘスペリジン80%、キーウィ抽出物、シナモン
4-4:ペリラ種子、ピカオプレト、キーウィ抽出物、シナモン
4-5:ヘスペリジン80%、ピカオプレト、キーウィ抽出物、シナモン
3成分
3-1:ペリラ種子、ヘスペリジン80%、ピカオプレト
3-2:ペリラ種子、ヘスペリジン80%、キーウィ抽出物
3-3:ペリラ種子、ヘスペリジン80%、シナモン
3-4:ペリラ種子、ピカオプレト、キーウィ抽出物
3-5:ペリラ種子、ピカオプレト、シナモン
3-6:ペリラ種子、キーウィ抽出物、シナモン
3-7:ヘスペリジン80%、ピカオプレト、シナモン
3-8:ピカオプレト、キーウィ抽出物、シナモン
3-9:ヘスペリジン80%、キーウィ抽出物、シナモン
3-10:ヘスペリジン80%、ピカオプレト、キーウィ抽出物
【0020】
特に、図1は、成分の組合せ、すなわち表Iで特定した組成物をX-軸に提示している。Y-軸は、未処理コントロール細胞のIgE-R/MTT(“MTT”は3-(4,5-ジメチルチアゾール-2イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)に対する被検IgE-R/MTTの百分率として表したデータを示す。コントロールIgE-R/MTTは、周知で標準的な検査技術を用いる細胞生命活性に対してIgEレセプター発現を標準化させるための計算である。
図1に示したように、3つの成分を含む2つの組成物(3-4及び3-6)が非常に有効であるように思われる。これらの組成物の成分は、ペリラの種子、ピカオプレト及びキーウィ抽出物(3-4)とペリラの種子、キーウィ抽出物及びシナモン(3-6)である。4成分及び5成分で処理された細胞のIgEレセプター発現の見かけの増加は、前記の数の成分によって与えられた軽度の毒性によるものと推測される。
図1の結果を得るために用いた方法をこれらか述べる。先ず初めに、RBL-2H3細胞(ATCC(America Type Culture Collection)(Manassas, Virginia)から入手できる)を96ウェルプレートに3x104/ウェルで播種した。ウェルへの付着後、表Iに挙げた成分組合せサンプル(各組合せを“サンプル”と称する)に細胞を暴露した。全てのサンプルのストック溶液は、DMSO、エタノール及び水(5:3:2の比で存在する)に100mg/mLで調製された。続いて各サンプルを培養液で100μg/mLに稀釈した。各サンプルにつき2枚ずつのプレートを調製し、それによって生命活性を各サンプルに付き複数回測定できるようにし、多数のサンプルの結果を細胞の処理後に平均した。
【0021】
プレートをさらに48時間インキュベートした。IgE-レセプターの発現を測定するために、細胞を1%のグルタールアルデヒドで2時間固定した。固定後に、細胞をPBS-トゥイーン20(0.01%)(Aldrich(Milwaukee, Wisconsin)から入手できる)で2回洗浄した。タンパク質結合部位をPBS中の2%脱脂粉乳で2時間封鎖した(PBS:pH7.3で緩衝させたリン酸緩衝食塩水)。細胞を2回洗浄した。一次抗体、ウサギ抗FcεRIα(Upstate Group, Inc.(Lake Placid, New York)から入手できる)をウェルに添加し、0.2%BSAで1:4000に稀釈した(BSA:ウシ血清アルブミン)。2時間インキュベートした後、ウェルをPBS-トゥイーン20(0.01%)溶液で5回洗浄した。二次抗体、ヤギ抗ウサギIgG-ペルオキシダーゼ(Sigma-Aldrich(St. Louis, Missouri)から入手できる)を0.2%BSAで1:2000に稀釈してウェルに添加した。
1時間インキュベートした後、ウェルを5回洗浄した。100マイクロリットルのTMB(3,3',5,5±テトラメチルベンジジンジヒドロクロリド)基質(Chemicon International(Temecula, California)から入手できる)をウェルに添加した。続いて、十分な量(例えば1Nで100μL)のH2SO4を添加して発色を停止させた。
多数の組合せサンプルの各々について、OD450(450ナノメートルの波長での光学密度)をプレートリーダーで読み取る。
図1のデータを入手するための方法についての記載を続けるならば、次に細胞の生命活性は、前記細胞を第二のプレートで1mg/mLの濃度のMTTとともに3時間インキュベートすることによって決定された。還元MTTを70%イソプロパノールで抽出し、OD540(540ナノメートルの波長での光学密度)を多数のサンプルの各々について読み取った。
【0022】
繰り返せば、図1で各サンプルの垂直な棒線は、未処理RBL-2H3細胞上でのIgEレセプター発現に対して、各サンプル(すなわち組成物)のRBL-2H3細胞上でのIgEレセプター発現を制御する能力を示している。例えば、組合せ3-4は、未処理又はコントロール細胞のIgEレセプター発現の約90%であるIgEレセプター発現を示した。換言すれば、組合せ3-4は、未処理コントロールでのIgE発現から約10%IgEレセプター発現を減少させた。
この実施例におけるRBL-2H3細胞上での検査結果は、哺乳動物(例えばヒト)の体内のマスト細胞上で生じるIgEレセプター発現に対する組成物の作用に類似し、及び/又は前記の指標となると考えられる。この考えは、最初の実験から誘導された(前記実験結果は図2に明示されている)。図2では、X-軸はOD450値を示し、Y-軸は、種々の濃度でのI型及びII型IgEレセプターの発現を示している。特に、RBL-2H3細胞上でのIgE-RIの発現の確認(IgE-RIIではない)が図2で示されている。レセプター発現は、ウサギ抗FcεRIIα抗体を1:50から1:10000の抗体希釈で用い上記の方法により調べた。種々の抗体稀釈を用いて実験方法を最適化した。抗FcεRIIα抗体に対するマウスモノクローナル抗体(Biodesign International(Saco, Maine)から入手できる)もまた細胞上のIgE-RII(RII)の存在について検査するために用いた。図2のデータは、II型レセプター(RII)レベルは無視できる程度であるが、I型レセプター(RI)レベルは顕著であることを示している。I型レセプターはマスト細胞の脱顆粒を媒介するレセプターであるので、RBL-2H3細胞が、IgEレセプター発現に対するダウンレギュレーション作用のスクリーニングに適切である蓋然性はきわめて高いであろう。したがって、上記のin-vitro検査でIgE発現を低下させる能力を示すこれら被検組成物は動物の対象においてIgEの発現を低下させるために適切であろう。
【実施例2】
【0023】
組成物中の多数の個々の成分を検査して、IgEレセプター発現の制御における各成分の有効性を決定した。下記の表II及び表IIIの個々の成分をそれぞれ、実施例Iの成分組成物との関連で上記に提示した方法を用いて検査した。コントロールのIgEレセプター/生命活性に対する百分率として表したデータは、各実験において、未処理コントロール細胞と比較した処理細胞のIgEレセプター発現レベルを示している。被検成分は、IgEレセプター発現において種々のレベルで満足な低下を示している。
【0024】
表IIの成分の他に、用いることができる他の成分にはキーウィ抽出物、キーウィジュース及びアセロラチェリーが含まれる。表IIのホリーバジルはジェニハーブ(GeniHerbs)から入手した。
表III:IgEレセプター発現に対する個々の成分の作用
表IIIに挙げた成分の他に、用いることができる他の成分にはショウガPE5%、ボスウィン30、トリカルツ抽出物、バイオペリンとともに下記の実施例5の成分が含まれる。
【実施例3】
【0025】
上記の表IIに提示した多数の成分組合せを検査し、細胞のIgE分泌の制御における前記組合せの有効性を決定した。図3は、組成物未処理細胞のIgE分泌と比較した、細胞のIgE分泌に対する組合せ組成物の影響を示す。特に図3では、表IのX-軸に特定した成分組合せ(すなわち組成物)が示される。Y-軸は、コントロール細胞(すなわち組成物が添加されなかった細胞)によって分泌されたIgEレベルの百分率として表したデータを示している。
図3に示したように、もっとも有効な組成物は3-1、3-4、3-5、3-6及び3-7であった。これらの組成物は以下を含む:ペリラの種子、ヘスペリジン80%及びピカオプレト(3-1);ペリラの種子、ピカオプレト及びキーウィ抽出物(3-4);ペリラの種子、ピカオプレト及びシナモマム(3-5);ペリラの種子、キーウィ抽出物及びシナモマム(3-6);ヘスペリジン80%、ピカオプレト及びシナモマム(3-7)。図3で明らかなように、4又は5成分を含む組成物もまたIgE分泌得を抑制するように見える。これは、多数の成分による軽度の毒性の結果であろうと考えられる。
図3の結果を得るために用いられた方法をこれから述べる。先ず初めに、U266人ミエローマ細胞(ATCC(Manassas, Virginia)から入手できる)を96ウェルプレートに4x104/ウェルで播種した。細胞を表1に挙げた成分組合せサンプルに暴露した(各組み合わせは“サンプル”と称される)。全てのサンプルのストック溶液を、DMSO、エタノール及び水(5:3:2の比で存在する)中に100mg/mLで調製した。続いて各サンプルを培養液で100μg/mLに稀釈した。各サンプルにつき2枚ずつのプレートを調製し、それによって生命活性を各サンプルに付き複数回測定できるようにし、多数のサンプルの結果を細胞の処理後に平均した。
【0026】
プレートをさらに48時間インキュベートした。その後、上清中のIgEの量を、通常の定量的IgE ELISAキット(Bethyl Laboratories(Montgomery, Texas)から入手できる)を用いて測定した。IgE ELISAから得たOD450測定データを、図4に示した検量グラフに入力して、各上清中のIgEの濃度(ng/mL)を決定した。この検量グラフは、多数の既知濃度(ng/mL)の精製IgEのOD450を測定することによって作製した。グラフに示されているように、X-軸はng/mLで表したIgE濃度を示し、Y-軸は各濃度から得られるOD450を示している。線100はデータの点を結び、一方、線110は、この特定の実施態様で以下の等式に一致する傾向線である:
Y=0.2909X−0.2527 等式1
IgE検量グラフにより各サンプルのIgEの量を決定し、さらにその後のデータを比較分析のために図3に入力した。
U266ヒトミエローマ細胞のIgE分泌に対する表Iの組成物の作用は、前記検査細胞とin vivo細胞の細胞構造ならびにアレルギー反応の類似性のために、ヒト又は動物細胞に対するこれら組成物のin vivoでの作用に類似し、さらに前記作用の指標となると考えられる。
【実施例4】
【0027】
組成物中の多数の個々の成分を検査して、IgEレセプター発現及びIgE抗体分泌をダウンレギュレートするそれらの能力を決定した。これらの成分は、種々の濃度のアセロラチェリー抽出物、キーウィジュース抽出物、ビタミンC及びホリーバジルであった。アセロラ抽出物及びビタミンCはニュートリライト(Nutrilite, Lakeview, California)から入手し、キーウィジュース及びホリーバジルは、P.L.トーマスアンドカンパニー社(P.L. Thomas & Co., Inc., Morristown, New Jersey)から入手した。
本実施例のデータは、図5に示すように、IgEレセプター発現に対する多様な濃度の種々の成分(サンプル)の作用を示す。図5に示されているように、ビタミンCはIgEレセプター発現に対して顕著な作用を示した。200μg/mLで、ビタミンCはIgEレセプター発現で15%の低下を誘発した。図5に示した結果は、各成分の濃度が図5のX-軸に示したように多様であった点を除いて、上記の実施例1で示した方法と同じ方法を用いて得られた。
図6のデータは、IgE分泌抑制に対する種々の成分の典型的な作用を表している。データは、未処理コントロール細胞と比較した、処理細胞によって分泌されたIgEのパーセントコントロールとして表されている。図6に示されているように、アセロラ抽出物、キーウィジュース、ビタミンC及びホリーバジルはいずれも表示の量でIgE分泌を抑制した。アセロラ抽出物はIgE分泌抑制でもっとも強力であった。図6に示した結果は、各成分の濃度が図6のX-軸に表示したように変動するという点を除き、実施例3で述べた方法と同じ方法を用いて得られた。
【実施例5】
【0028】
組成物中の多数の個々の成分を検査して、IgEレセプターの発現制御における各成分の有効性を決定した。実施例1の成分の組合せと関連して上記に提示した方法を用いて、下記表IVの個々の成分の各々を検査した。コントロールIgE-レセプターの百分率として表したデータは、各実験における未処理コントロール細胞と比較した、処理細胞のIgEレセプターの発現レベルを示している。被検成分は、IgEレセプター発現における満足すべき種々のレベルの低下を示している。
表IV:IgEレセプター発現に対する成分の作用
表IVのデータは、種々の成分の作用をグラフで提示するために図7に図示されている。図7に示したように、ペリラの葉から得たルテオリン及びシナモンはともにIgE発現に対して顕著な作用を示した。
【実施例6】
【0029】
多数の個々の成分を、ブレンド(前記は等しい割合のシナモン、アセロラ及びピカオを含む)とともに検査し、実施例3の成分と関連して上記に提示した方法を用いてIgE分泌制御における各成分の有効性を決定した。コントロールIgE分泌の百分率として表した表Vのデータは、各実験における未処理コントロール細胞と比較した、処理細胞によるIgE分泌レベルを示している。被検成分は、IgE分泌における満足すべき種々のレベルの低下を示している。
表V:IgE分泌に対する成分の作用
表Vのデータは、種々の成分の作用をグラフで提示するために図8に図示されている。図8に示したように、個々の成分の大半が、ブレンドと同様にIgE分泌に対して顕著な作用を示した。
【0030】
B.アレルギー媒介物質検査と結果
アレルギー媒介物質放出に対する組成物の作用を任意のin-vivo及びin-vitroモデルで分析することができる。例示的なin-vitroモデルでは、アレルギー媒介物質の放出は、マスト細胞の組成物及び前記組成物の個々の成分への暴露に続いて判定した。細胞を感作し、さらに刺激して脱顆粒を惹起させた。予め規定したインキュベーション時間後に、アレルギー媒介物質レベルを免疫化学的方法で測定した。以下の実施例では、許容できる媒介物質放出抑制を示す成分組合せを特定し選択するために、媒介物質放出を測定する方法を述べる。以下の実施例で述べる方法を用いて、媒介物質の放出に対して作用を示す個々の成分及び成分の組合せを特定することができる。さらに別の考えとして、組成物のための個々の成分の選択及び成分の組合せは、IgEをダウンレギュレートする能力と同様に、媒介物質の放出に影響を与える成分又は組合せの能力を基準にすることができる。実際のところ、媒介物質放出及びIgEのダウンレギュレーションの両方で良好な性能を有する成分又は成分の組合せが、アレルギー応答の治療にきわめて適切である。
【実施例7】
【0031】
表VIに提示した組成物中の多数の成分及び成分の組合せを検査して、アレルギー媒介物質の放出抑制における各々の有効性を決定した。被検媒介物質は、ヒスタミン、PGD2及びLTC4であった。各媒介物質に対する各成分又は組成物の濃度もまたこの表に提示されている。例えば、ヒスタミンを調べるときのロスマリン酸の濃度は10ng/mLであり、PGD2を調べるときは1μg/mLであり、LTC4を調べるときは0.1μg/mLであった。
【0032】
表VIのデータは、アレルギー媒介物質放出に対する種々の成分の作用をグラフで提示するために図9に図示されている。図9に示したように、個々の成分の大半が、ブレンドと同様に媒介物質放出に対して顕著な作用を示した。さらにまた、予想に反する相乗作用が、ある種の成分が組み合わされたとき観察された。例えば、シナモン、アセロラ及びピカオプレトを組み合わせてブレンドを形成したとき、このブレンドは、未処理細胞で生じたヒスタミン放出の29%にヒスタミン放出を抑制した。対照的に、シナモンは個別にはヒスタミン放出を84%に、アセロラは70%に、ピカオプレトは96%に抑制した。
図9の結果を得るために用いた方法をこれから述べる。先ず初めに、RBL-2H3(ATCC(American Type Culture Collection; Manassas, Virginia)から入手できる)を5x104/ウェルで24ウェルプレートに播種した。付着後、細胞を図9に記した組成物又は組成物の組合せ(サンプルとも称される)に暴露した。前記サンプルを表VIに記した濃度で用いた。全てのサンプルのストック溶液を、DMSO、エタノール及び水(5:3:2の比率で存在する)の溶液で100mg/mLに調製した。続いて各サンプルを培養液で最終濃度に稀釈した。続いて細胞を一晩サンプルとともにインキュベートした。次の日、マウス抗ジニトロフェニル(DNP)IgE抗体(Sigma(St. Louis, Missouri)から入手できる)を最終濃度1ng/mLで前記細胞に添加した。細胞を37℃で1.5時間インキュベートして、IgE分子を細胞のIgEレセプターと抗体の定常領域を介して結合させた。
このインキュベーション時間の後で、細胞を2回洗浄した。BSAと結合させたDNP(DNP-BSA)(Calbiochem(San Diego, California)から入手できる)を含む溶液を前記細胞に0.5ng/mLで添加した。細胞をさらに1時間37℃でインキュベートした。ELISAキット(Cayman Chemical(Ann Arbor, Michigan)から入手できる)を製造元の指示にしたがって用い、ヒスタミン、PGD2及び/又はLTC4の存在について上清をアッセイした。
【0033】
次に、ELISAから得たOD450測定データを検量グラフに入力して、未処理コントロールサンプルに比して減少したヒスタミンの量を決定した。ヒスタミン検量グラフの例は図10に示されている。PGD2及びLTC4の検量グラフも同様である。図10の検量グラフは、多数の既知濃度の精製ヒスタミンのOD450を測定することによって作製した。グラフに示したように、X-軸はナノモルのヒスタミン濃度を示し、Y-軸は各濃度のOD450を示す。線120はデータの点を結び、一方、線130は、この特定の実施態様で下記の等式に一致する傾向線である:
Y=-0.0025X2+0.2915X+2.0775 等式2
このヒスタミン検量グラフを用いて、各サンプルのヒスタミンの量を決定し、その後のデータは、比較分析のために表VI及び図9に入力した。
アレルギー媒介物質の放出に対するこの実施例の組成物の作用は、実施例8及び9の場合と同様に、テスト細胞とin-vivo細胞との細胞構造及びアレルギー反応の類似性のために、ヒト又は動物細胞におけるこれら組成物の作用に類似し、さらに前記作用の指標となると考えられる。
【実施例8】
【0034】
表VIIに提示した組成物中の多数の成分及び成分の組合せを検査して、アレルギー媒介物質放出の抑制におけるそれぞれの有効性を決定した。被検媒介物質はヒスタミンであった。検査される各成分又は組合せの濃度は10ng/mLであった。ブレンドについては、個々の成分の濃度は等しく、例えばシナモンは3.33ng/mL、アセロラは3.33ng/mL、ピカオプレトについては3.33ng/mLであった。コントロールには何も添加されなかった。成分が組み合わされる場合は、各々は等量で存在した。例えばブレンドにルテオリンが組み合わされる場合は、両者は等量で存在し、すなわち、ブレンドは10ng/mLの濃度で存在し、さらにルテオリンも10ng/mLの濃度で存在した。
【0035】
【0036】
ヒスタミン放出に対する種々の成分の作用を明示するとともに、ある種の成分が組み合わされたときのヒスタミン放出に対する作用を明示するために、表VIIのセレクトデータが図11−14に図示されている。表VIIの情報を得るために用いられた方法は、図7のそれと同一である。
表及び図11−14に示されているように、個々の成分の大半が、ブレンドと同様に媒介物質放出に対して顕著な作用を示した。それだけではなく、さらに予想に反する相乗作用(ブレンドで観察された作用に加えて)が、ある種の成分が組み合わされたときに観察された。例えば、図11に示されているように、ブレンドとルテオリンとの組合せは、未処理コントロールに比して約58%にヒスタミン放出を抑制し、一方、個別にはペリラの葉由来のルテオリンは約88%に、ブレンドは約73%に抑制した。さらにまた、ブレンドとチノスポラとの組合せは約78%にヒスタミン放出を抑制し、一方、個別にはブレンドは約73%に、チノスポラは約95%にヒスタミン放出を抑制した。
予想に反する相乗作用のまた別の例は、チノスポラとルテオリンとの組合せによって図12に示されている。図12では、チノスポラとルテオリンとの組合せはヒスタミン放出を約72%に抑制し、一方、個別的にはチノスポラは約95%に、ルテオリンは約88%にヒスタミン放出を抑制した。
予想に反する相乗作用のさらに別の例は、アフラモマムとバターブール(butterbur)との組合せによって図13に示されている。図13では、前記組合せはヒスタミン放出を約74%に抑制し、一方、個別的にはアフラモマムは約73%に、バターブールは約75%にヒスタミン放出を抑制した。
【0037】
C.IgE及びアレルギー媒介物質一括検査及び結果
ある種の成分及び組成物の成分組合せについて、IgEダウンレギュレーション及びアレルギー媒介物質放出の両者を同時に判定した。例示的なin-vitroモデルでは、IgEダウンレギュレーション及びアレルギー媒介物質放出の両者が、それぞれ実施例1及び7で提示した方法にしたがって判定された。以下の実施例では被検組成物を特定し、検査結果を提示する。
【実施例9】
【0038】
表VIIIに提示した組成物中の多数の成分及び成分の組合せを検査して、IgEのダウンレギュレーション及びヒスタミン放出抑制の両者におけるそれぞれの有効性を決定した。本明細書で用いられるように、ルテオリン(場合によってペリラの種子由来)、シナモン及びアセロラの組合せはフォーミュラと称される。各成分又は成分組合せの濃度は表VIIIに記されている。前記フォーミュラ中の個々の成分のそれぞれの濃度は等しかった。例えば、フォーミュラIgE-R(IgEレセプター発現)濃度は100μg/mLであった。したがって、ペリラの種子由来のルテオリンの濃度は33.3μg/mLであり、シナモンの濃度は33.3μg/mLであり、アセロラの濃度も33.3μg/mLであった。
【0039】
表VIII:IgEレセプター発現(IgE-R)、IgE分泌(IgE)及びヒスタミン放出(ヒスタミン)に対する成分の作用
【0040】
IgEレセプター発現、IgE分泌及びヒスタミン放出に対する種々の成分の作用を明示するために、表VIIIのデータが図14に図示されている。表VIII及び図14に示されているように、個々の成分の大半が、IgEレセプター発現、IgE分泌及びヒスタミン放出に対して陽性の作用を示した。しかしながら、驚くべき、かつ予想に反する相乗作用が、フォーミュラに成分が組み合わされたときに観察された。特に、コントロール(成分で処理されていない)に比してフォーミュラは約58%にヒスタミン放出を抑制し、一方、個別にはルテオリンは約100%に、シナモンは約77%に、アセロラは約58%にヒスタミン放出を抑制した。
さらに予想に反する相乗作用がIgEダウンレギュレーションに関しても示された。例えば、フォーミュラはIgEレセプター発現を約89%に抑制し、一方、個別にはルテオリンは約90%に、シナモンは約119%に、アセロラは約105%にIgEレセプター発現を抑制した。さらに別の例として、ブレンドはIgE分泌を約76%に抑制し、一方、個別にはルテオリンは約95%に、シナモンは約100%に、アセロラは約78%にIgE分泌を抑制した。
フォーミュラに、ピカオプレト、チノスポラ、ロスマリン酸及びアフラモマムのうちの少なくとも1つを組み合わせて、IgEレセプター発現、IgE分泌及び媒介物質放出に対して同様な作用を誘引することができる。
上記の記載は本発明の好ましい実施態様の記載である。種々の変更及び改変が、添付の請求の範囲に規定した本発明の広義の特徴(特許法(同等の政策を含む)に基づいて解釈されるべきである)から逸脱することなく実施されえる。単数(例えば冠詞“a”、“an”、“the”、又は“said”を用いる)で示されたいずれの成分でも、前記成分が単数に限定されると解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】IgEレセプターの発現に対する本発明の組成物の影響を示すグラフである。
【図2】テスト細胞上の種々のIgEレセプターの発現を示すグラフである。
【図3】IgE分泌に対する組成物の影響を示すグラフである。
【図4】組成物サンプルの光学密度データからIgE濃度を外挿するために用いられる検量線を示すグラフである。
【図5】IgEレセプター発現に対する、種々の濃度での個々の成分組成物の影響を示すグラフである。
【図6】IgE分泌に対する、種々の濃度での個々の成分組成物の影響を示すグラフである。
【図7】IgEレセプター発現に対する成分組成物の影響を示すグラフである。
【図8】IgE分泌に対する成分組成物の影響を示すグラフである。
【図9】アレルギー媒介物質の放出に対する成分組成物の影響を示すグラフである。
【図10】組成物サンプルの光学密度データからヒスタミン放出を外挿するために用いられる検量線を示すグラフである。
【図11】媒介物質の放出に対する複数の成分組成物の影響を示すグラフである。
【図12】媒介物質の放出に対する複数の成分組成物の影響を示すグラフである。
【図13】媒介物質の放出に対する複数の成分組成物の影響を示すグラフである。
【図14】IgEの分泌、IgEレセプターの発現及びヒスタミンの放出に対する複数の成分組成物の影響を示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IgE発現のダウンレギュレーション、IgE分泌の抑制、及びアレルギー媒介物質の抑制のうち少なくとも1つによってアレルギー応答を抑制するために有効な量で、シナモン成分、アセロラ成分及びピカオプレト成分を含む組成物。
【請求項2】
ルテオリン成分、アフラモマム成分、ロスマリン酸成分及びチノスポラ成分のうち少なくとも1つを含む、請求項1の組成物。
【請求項3】
ルテオリン成分を含む請求項2の組成物。
【請求項4】
アフラモマム成分を含む、請求項2の組成物。
【請求項5】
ロスマリン酸成分を含む、請求項2の組成物。
【請求項6】
チノスポラ成分を含む、請求項2の組成物。
【請求項7】
前記ルテオリンがペリラの葉から得られる、請求項1の組成物。
【請求項8】
前記ロスマリン酸がローズマリーから得られる、請求項5の組成物。
【請求項9】
前記シナモン成分、アセロラ成分及びピカオプレト成分がアレルギー媒介物質を抑制するために有効な量で存在し、ここで前記アレルギー媒介物質がプロスタグランジンD2、ロイコトリエンC4及びヒスタミンのうちの少なくとも1つである、請求項1の組成物。
【請求項10】
IgE発現のダウンレギュレーション、IgE分泌の抑制及びアレルギー媒介物質の抑制のうち少なくとも1つによってアレルギー応答を抑制するために有効な量で、シナモン成分、アセロラ成分及びルテオリン成分を含む組成物。
【請求項11】
ピカオプレト成分、アフラモマム成分、ロスマリン酸成分及びチノスポラ成分のうち少なくとも1つを含む、請求項10の組成物。
【請求項12】
ピカオプレト成分を含む、請求項11の組成物。
【請求項13】
アフラモマム成分を含む、請求項11の組成物。
【請求項14】
ロスマリン酸成分を含む、請求項11の組成物。
【請求項15】
チノスポラ成分を含む、請求項11の組成物。
【請求項16】
アレルギー媒介物質を抑制するために有効な量で前記シナモン成分、アセロラ成分及びルテオリン成分が存在し、ここで前記アレルギー媒介物質がプロスタグランジンD2、ロイコトリエンC4及びヒスタミンのうちの少なくとも1つである、請求項11の組成物。
【請求項17】
前記ルテオリンがペリラの種子から得られる、請求項11の組成物。
【請求項18】
IgE発現のダウンレギュレーション、IgE分泌の抑制及びアレルギー媒介物質の抑制の少なくとも1つによってアレルギー応答を抑制するために有効な量でルテオリン成分及びチノスポラ成分を含む組成物。
【請求項19】
シナモン成分、アセロラ成分、ルテオリン成分及びピカオプレト成分から成る群から選択される少なくとも3つの別個の成分を含む組成物の有効量を投与することを含む、アレルギー応答を抑制する方法であって、前記成分が作用して、IgE発現のダウンレギュレーション、IgE分泌の抑制、及びアレルギー媒介物質の抑制の少なくとも1つに効果を発揮する、前記アレルギー応答の抑制方法。
【請求項20】
シナモン成分、アセロラ成分及びピカオプレト成分が前記組成物に存在する、請求項19の方法。
【請求項21】
シナモン成分、アセロラ成分及びルテオリン成分が前記組成物に存在する、請求項19の方法。
【請求項22】
前記組成物の成分が作用してアレルギー媒介物質を抑制し、前記アレルギー媒介物質がプロスタグランジンD2、ロイコトリエンC4及びヒスタミンのうちの少なくとも1つである、請求項19の方法。
【請求項23】
前記組成物の成分が作用してヒスタミンを抑制する、請求項22の方法。
【請求項1】
IgE発現のダウンレギュレーション、IgE分泌の抑制、及びアレルギー媒介物質の抑制のうち少なくとも1つによってアレルギー応答を抑制するために有効な量で、シナモン成分、アセロラ成分及びピカオプレト成分を含む組成物。
【請求項2】
ルテオリン成分、アフラモマム成分、ロスマリン酸成分及びチノスポラ成分のうち少なくとも1つを含む、請求項1の組成物。
【請求項3】
ルテオリン成分を含む請求項2の組成物。
【請求項4】
アフラモマム成分を含む、請求項2の組成物。
【請求項5】
ロスマリン酸成分を含む、請求項2の組成物。
【請求項6】
チノスポラ成分を含む、請求項2の組成物。
【請求項7】
前記ルテオリンがペリラの葉から得られる、請求項1の組成物。
【請求項8】
前記ロスマリン酸がローズマリーから得られる、請求項5の組成物。
【請求項9】
前記シナモン成分、アセロラ成分及びピカオプレト成分がアレルギー媒介物質を抑制するために有効な量で存在し、ここで前記アレルギー媒介物質がプロスタグランジンD2、ロイコトリエンC4及びヒスタミンのうちの少なくとも1つである、請求項1の組成物。
【請求項10】
IgE発現のダウンレギュレーション、IgE分泌の抑制及びアレルギー媒介物質の抑制のうち少なくとも1つによってアレルギー応答を抑制するために有効な量で、シナモン成分、アセロラ成分及びルテオリン成分を含む組成物。
【請求項11】
ピカオプレト成分、アフラモマム成分、ロスマリン酸成分及びチノスポラ成分のうち少なくとも1つを含む、請求項10の組成物。
【請求項12】
ピカオプレト成分を含む、請求項11の組成物。
【請求項13】
アフラモマム成分を含む、請求項11の組成物。
【請求項14】
ロスマリン酸成分を含む、請求項11の組成物。
【請求項15】
チノスポラ成分を含む、請求項11の組成物。
【請求項16】
アレルギー媒介物質を抑制するために有効な量で前記シナモン成分、アセロラ成分及びルテオリン成分が存在し、ここで前記アレルギー媒介物質がプロスタグランジンD2、ロイコトリエンC4及びヒスタミンのうちの少なくとも1つである、請求項11の組成物。
【請求項17】
前記ルテオリンがペリラの種子から得られる、請求項11の組成物。
【請求項18】
IgE発現のダウンレギュレーション、IgE分泌の抑制及びアレルギー媒介物質の抑制の少なくとも1つによってアレルギー応答を抑制するために有効な量でルテオリン成分及びチノスポラ成分を含む組成物。
【請求項19】
シナモン成分、アセロラ成分、ルテオリン成分及びピカオプレト成分から成る群から選択される少なくとも3つの別個の成分を含む組成物の有効量を投与することを含む、アレルギー応答を抑制する方法であって、前記成分が作用して、IgE発現のダウンレギュレーション、IgE分泌の抑制、及びアレルギー媒介物質の抑制の少なくとも1つに効果を発揮する、前記アレルギー応答の抑制方法。
【請求項20】
シナモン成分、アセロラ成分及びピカオプレト成分が前記組成物に存在する、請求項19の方法。
【請求項21】
シナモン成分、アセロラ成分及びルテオリン成分が前記組成物に存在する、請求項19の方法。
【請求項22】
前記組成物の成分が作用してアレルギー媒介物質を抑制し、前記アレルギー媒介物質がプロスタグランジンD2、ロイコトリエンC4及びヒスタミンのうちの少なくとも1つである、請求項19の方法。
【請求項23】
前記組成物の成分が作用してヒスタミンを抑制する、請求項22の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2007−520545(P2007−520545A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551996(P2006−551996)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【国際出願番号】PCT/IB2005/050471
【国際公開番号】WO2005/074959
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(302070822)アクセス ビジネス グループ インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー (122)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【国際出願番号】PCT/IB2005/050471
【国際公開番号】WO2005/074959
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(302070822)アクセス ビジネス グループ インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー (122)
【Fターム(参考)】
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