説明

抗マラリア薬としてのプラスモジウム表面アニオンチャンネル阻害剤

プラスモジウム表面アニオンチャンネル(PSAC)の阻害剤およびヒトなどの動物においてマラリアを治療または予防するためのその使用を開示する。当該使用は、阻害剤または阻害剤の組み合わせの有効量を投与することを含む。当該阻害剤の一例は、式Iの化合物、


またはその医薬上許容される塩である(式中、R〜Rは本明細書に記載されているとおりである)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示が参照により組み込まれる2008年7月23日出願の米国仮出願第61/083,000号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
マラリアは世界で最も重要な感染症の一つであり、蚊によって媒介され、プラスモジウム属寄生虫の4種(熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum),三日熱マラリア原虫(P.vivax),卵形マラリア原虫(P.ovale),四日熱マラリア原虫(P.malariae))によって引き起こされる。症状には、熱、寒気、頭痛、筋肉痛、疲労感、吐き気および嘔吐、下痢、貧血、そして黄疸がある。けいれん、昏睡、重度の貧血、および腎臓不全もまた起こりうる。世界的に、特に5歳以下のアフリカ人の子供達の間では、死亡の主要な原因のままである。何年もの間感染が繰り返されたために流行地域では部分的な免疫ができたものの、こうした大人達もいまだにかなりの死亡率と生産性の低下に苦しんでいる。アフリカにおけるマラリアによる年間の経済的損失は、120億USドルと試算されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在のところ、マラリアに使用可能な効果的ワクチンはない。それゆえに、治療はクロロキンといったような抗マラリア薬に主に頼ってきた。一部のマラリア寄生虫は使用可能な抗マラリア薬それぞれに対する抵抗性を獲得したため、新規の抗マラリア薬を発見し開発することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の簡単な概要
本発明は、化合物、医薬組成物、およびヒトを含めた動物におけるマラリア予防または治療のための使用を提供する。本発明の化合物は式I、IVおよびVに示されている。
【発明の効果】
【0005】
本発明の化合物は、それら自身の併用または他の化合物との併用において相乗的な寄生虫の死滅を示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図面のいくつかの表示の簡単な説明
【図1】図1は、本発明の一実施形態による、化合物のPSAC阻害と寄生虫増殖阻害効果の相関関係を示す。化合物αの式は:
【0007】
【化1】

【0008】
である。
【図2】図2は、本発明の別の実施形態による、化合物のPSAC阻害と寄生虫増殖阻害効果の相関関係を示す。化合物βの式は:
【0009】
【化2】

【0010】
である。
【図3】図3Aは、既知のPSAC拮抗剤であるフロセミドを表示されたマイクロモラー濃度で含んだソルビトール等張液における、PSACを介した浸透圧溶解動態を示す。“A”はチャンネル要素Aを意味している。図3Bは、表示されたマイクロモラー濃度のフロセミドを含んだフェニルトリメチルアンモニウムクロリド(PhTMACl)等張液における、PSACを介した浸透圧溶解動態を示す。“A”および“B”はチャンネル要素AおよびBを意味している。図3Cは、要素B拮抗剤(化合物18)および要素A拮抗剤(化合物24)の併用による寄生虫死滅のアイソボログラムを示す。印は50%の寄生虫死滅をもたらす化合物混合物を示している。実線は加法的な死滅の線を示す。加法的死滅の線の下にあるデータ点は、拮抗剤の併用による相乗的な寄生虫死滅を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な説明
ヒト赤血球細胞(RBC)内部でのおよそ48時間周期の間、P.falciparumは、様々な溶質に対する赤血球細胞の(RBC’s)浸透性を上げなければならない。電気生理学的研究により、こうした変化の分子レベルのメカニズムとしてプラスモジウム表面アニオンチャンネル(PSAC)が同定された。PSACの機能的特徴は、既知のヒトのイオンチャンネルのものとは異なっている。これらの特徴には、特殊な開閉、ユニークな薬理学、および不適合な選択性プロファイルがある。独自の特徴は、アニオンや大型の栄養素に対して広範な浸透性を持つにも関わらず、Clに比べて10万倍以上ものNaを排出するというPSACの能力である。たった一つの小さな溶質をこのレベルで排出することは、その他の広範な選択性チャンネルでは報告されていない;これは、より高いNaの浸透性が、高Na血清において感染したRBCの浸透圧溶解を引き起こすだろうという理由から、寄生虫が生き残るために必須なのである。
【0012】
PSACは寄生虫の栄養分獲得において中心的役割を果たしている。糖、アミノ酸、プリン、ビタミンおよびリン脂質生合成のための前駆物質は、感染したRBC中への著しく増大したPSACを介した取り込みを有する。感染していないRBCではこれらの溶質の多くはごくわずかな浸透性しか持たず、in vitroでの寄生虫の増殖を維持するためには外部から供給される必要がある。PSACは種々のプラスモジウム種において保存されていることが、げっ歯類、鳥類および霊長類のマラリア原虫に感染した赤血球の研究を通じて明らかになった。チャンネル開閉、電位依存性、選択性および薬効薬理は全て保存されており、PSACが高度に制約された膜内在性タンパク質であることを示唆している。その赤血球膜上での表面配置は、感染したRBC中に隠れたターゲット寄生虫に対して概念上のアドバンテージを提供する。感染したRBCにおいてPSACが露出した場所により血清中の拮抗剤へのダイレクトな接触が余儀なくされ、薬剤排出を介した耐性の余地を与えない。対照的に、寄生虫のコンパートメント内で作用する薬剤は、そのターゲットに到達するまでに少なくとも3つの膜障壁を越えなければならない;クロロキンやメフロキンに対する臨床的耐性は、これら薬剤がその作用場所から排出されることと関係しているようである。ほとんど全ての使用可能なPSAC拮抗剤は、チャンネル阻害に必要な濃度より若干高い濃度でin vitroにおいて寄生虫の増殖を阻害する。
【0013】
従って、本発明は、一実施形態において、マラリアを予防する方法またはマラリアに苦しむ動物を治療する方法を提供し、当該方法は動物、好ましくはヒトに、
【0014】
(i)式I:
【0015】
【化3】

【0016】
〔式中、Rは水素またはアルキルであり、およびRはアリールアルキルで、当該アリールがハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている;またはRは式(II):
【0017】
【化4】

【0018】
(式中、n=0〜6)の基である;または
およびRはそれらが結合しているNと共に式III:
【0019】
【化5】

【0020】
(式中、XはNまたはCHである;およびYはハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換された、アリール、アルキルアリール、ジアルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアリールまたは複素環式である)の複素環を形成する;およびR〜R10は水素またはアルキルである〕の化合物;またはその医薬上許容される塩の有効量;
【0021】
(ii)式IV:
【0022】
【化6】

【0023】
〔式中、Zは1つまたはそれ以上の4〜7員環を有する基である(当該環の少なくとも1つがO、SおよびNからなる群より選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ有する;および2つまたはそれ以上の4〜7員環が存在するとき、当該環は縮合していてもよいし縮合していなくてもよい;当該環はハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている);Rは水素、アルキルまたはアルコキシである;Pは結合、アルキル、アルコキシ、(CHまたは(CHO)である(式中、rおよびsは独立して1〜6である);Qは複素環基、アリール基またはヘテロシクリルアリール基であり、そのそれぞれがハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている;およびPがアルキルまたはアルコキシであるとき、Qは存在しない〕の化合物;またはその医薬上許容される塩の有効量;
【0024】
(iii)式V:
【0025】
【化7】

【0026】
〔式中、R11およびR12は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、またはアルキル、アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されたアリールである;R13〜R15は独立してアルキル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる〕の化合物;またはその医薬上許容される塩の有効量;または
【0027】
(iv)式I、IVおよびVの化合物、またはその医薬上許容される塩の任意の組み合わせの有効量を投与することを含む。
【0028】
本発明はまた、(i)式I:
【0029】
【化8】

【0030】
〔式中、Rは水素またはアルキルであり、およびRはアリールアルキルで、当該アリールがハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている;またはRは式(II):
【0031】
【化9】

【0032】
(式中、n=0〜6)の基である;
またはRおよびRはそれらが結合しているNと共に式III:
【0033】
【化10】

【0034】
(式中、XはNまたはCHである;およびYはハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換された、アリール、アルキルアリール、ジアルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアリールまたは複素環式である)の複素環を形成する;およびR〜R10は水素またはアルキルである〕の化合物;またはその医薬上許容される塩;
【0035】
(ii)式IV:
【0036】
【化11】

【0037】
〔式中、Zは1つまたはそれ以上の4〜7員環を有する基である(当該環の少なくとも1つがO、SおよびNからなる群より選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ有する;および2つまたはそれ以上の4〜7員環が存在するとき、当該環は縮合していてもよいし縮合していなくてもよい;当該環はハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている);Rは水素、アルキルまたはアルコキシである;Pは結合、アルキル、アルコキシ、(CHまたは(CHO)である(式中、rおよびsは独立して1〜6である);Qは複素環基、アリール基またはヘテロシクリルアリール基であり、そのそれぞれがハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている;およびPがアルキルまたはアルコキシであるとき、Qは存在しない〕の化合物;またはその医薬上許容される塩;
【0038】
(iii)式V:
【0039】
【化12】

【0040】
〔式中、R11およびR12は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、またはアルキル、アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されたアリールである;R13〜R15は独立してアルキル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる〕の化合物;またはその医薬上許容される塩;または
【0041】
(iv)式I、IVおよびVの化合物、またはその医薬上許容される塩の任意の組み合わせ;
の、マラリアを予防するまたはマラリアに苦しむ動物を治療するための薬剤の製造における使用を提供する。
【0042】
本発明はさらに、医薬上許容される担体および
(i)式I:
【0043】
【化13】

【0044】
〔式中、Rは水素またはアルキルであり、およびRはアリールアルキルで、当該アリールがハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている;またはRは式(II):
【0045】
【化14】

【0046】
(式中、n=0〜6)の基である;
またはRおよびRはそれらが結合しているNと共に式III:
【0047】
【化15】

【0048】
(式中、XはNまたはCHである;およびYはハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換された、アリール、アルキルアリール、ジアルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアリールまたは複素環式である)の複素環を形成する;およびR〜R10は水素またはアルキルである〕の化合物;またはその医薬上許容される塩;
(ii)式IV:
【0049】
【化16】

【0050】
〔式中、Zは1つまたはそれ以上の4〜7員環を有する基である(当該環の少なくとも1つがO、SおよびNからなる群より選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ有する;および2つまたはそれ以上の4〜7員環が存在するとき、当該環は縮合していてもよいし縮合していなくてもよい;当該環はハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている);Rは水素、アルキルまたはアルコキシである;Pは結合、アルキル、アルコキシ、(CHまたは(CHO)である(式中、rおよびsは独立して1〜6である);Qは複素環基、アリール基またはヘテロシクリルアリール基であり、そのそれぞれがハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている;およびPがアルキルまたはアルコキシであるとき、Qは存在しない〕の化合物;またはその医薬上許容される塩;
(iii)式V:
【0051】
【化17】

【0052】
〔式中、R11およびR12は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、またはアルキル、アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されたアリールである;R13〜R15は独立してアルキル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、およびホルミルからなる群より選ばれる〕の化合物;またはその医薬上許容される塩;または
(iv)式I、IVおよびVの化合物、またはその医薬上許容される塩の任意の組み合わせ
を含む医薬組成物を提供する。
【0053】
ここで、一般的に本明細書で使用されている専門用語に関しては、「アルキル」という用語は、例えば、1から12の炭素原子、好ましくは1から8の炭素原子、さらに好ましくは1から6の炭素原子を含む直鎖または分岐のアルキル部位という意味を含む。そうした部位の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシル、オクチル、ドデカニルなどを含む。
【0054】
「アリール」という用語は、当分野で通常理解されるように、置換されていないまたは置換された芳香族炭素環部位を言い、単環式および多環式芳香族化合物を含み、その例としては、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニル、ピレニルなどがある。アリール部位は一般的に、例えば、6から30の炭素原子、好ましくは6から18の炭素原子、より好ましくは6から14の炭素原子、および最も好ましくは6から10の炭素原子を含む。アリールという用語は、ヒュッケル則によれば、平面的で4n+2πの電子を含む炭素環部位を含むと解され、ただし、n=1,2または3である。
【0055】
「複素環式」という用語は、窒素、硫黄および/または酸素から選ばれる1つまたはそれ以上のヘテロ原子を有する環部位を意味する。好ましくは、複素環式は、5または6員の単環であり、窒素、酸素および/または硫黄から選ばれる1、2または3個のヘテロ原子を含む。そのような複素環の例としては、ピロリニル、ピラニル、ピペリジル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェンイルおよびモルホリニルがある。
【0056】
「アルコキシ」という用語は、エーテル酸素に結合している直鎖または分岐したアルキル基を包含する。当該アルキル基は本明細書に記載されたものと同様である。そのような置換基の例は、メトキシ、エトキシ、t−ブトキシなどを含む。
【0057】
本明細書で用いられている「ハロ」という用語は、例えば、フッ素、臭素、塩素およびヨウ素のようなVIIA族から選ばれる置換基を意味する。
【0058】
本発明のためには、「縮合した」という用語は、そのうちの一つの環が1つまたはそれ以上の他の環と同様に、1つまたはそれ以上の原子、好ましくは1、2または3個の原子を含む多環式化合物を包含する。
【0059】
構造中の、原子の数の範囲が示されているとき(例えばC1−12、C1−8、C1−6またはC1−4アルキル、アルキルアミノなど)はいつでも、その示された範囲内にあるいかなる部分的範囲または個々の数の炭素原子もまた使用されうることを明確に意図している。従って、本明細書において言及されたあらゆる化学基(例えばアルキル、アルキルアミノなど)に関して用いられた、例えば1−8の炭素原子(例えばC−C)、1−6の炭素原子(例えばC−C)、1−4の炭素原子(例えばC−C)、1−3の炭素原子(例えばC−C)あるいは、2−8の炭素原子(例えばC−C)の範囲の記載は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11および/または12の炭素原子、また必要に応じては、あらゆるその部分的範囲(例えば1−2の炭素原子、1−3の炭素原子、1−4の炭素原子、1−5の炭素原子、1−6の炭素原子、1−7の炭素原子、1−8の炭素原子、1−9の炭素原子、1−10の炭素原子、1−11の炭素原子、1−12の炭素原子、2−3の炭素原子、2−4の炭素原子、2−5の炭素原子、2−6の炭素原子、2−7の炭素原子、2−8の炭素原子、2−9の炭素原子、2−10の炭素原子、2−11の炭素原子、2−12の炭素原子、3−4の炭素原子、3−5の炭素原子、3−6の炭素原子、3−7の炭素原子、3−8の炭素原子、3−9の炭素原子、3−10の炭素原子、3−11の炭素原子、3−12の炭素原子、4−5の炭素原子、4−6の炭素原子、4−7の炭素原子、4−8の炭素原子、4−9の炭素原子、4−10の炭素原子、4−11の炭素原子および/または4−12の炭素原子など必要に応じて)も包含しかつ具体的に表している。
【0060】
本発明の一実施形態では、式IにおけるRは水素である。上記実施形態では、式IにおけるR〜Rは水素である。一例では式IにおけるRは水素であり、およびRは式IIの基であり、式中、n=1〜6、好ましくはn=2〜4である。
【0061】
本発明の一実施形態では、RおよびRはそれらが結合しているNと共に式IIIの複素環を形成する。例えば式IIIにおけるXはNである。本発明では、式IIIにおいてYはハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アルコキシ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、およびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されたアリールである。例えば式IIIにおいてYはハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アルコキシ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されたフェニルであって、具体的にはYはフェニル、またはメチル、クロロ、フルオロおよびメトキシからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で置換されたフェニルである。
【0062】
あらゆる上記の実施形態では、式Iの化合物は:
【0063】
【化18】

【0064】
である。
【0065】
本発明の別の実施形態では、式IIIにおけるXはCHである。ある特定の実施形態においては、Yはハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換された、アリールアルキルまたは複素環式である。実例としてはYはハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換された、ベンジルまたはピペリジニルである。式Iの具体的化合物の例は:
【0066】
【化19】

【0067】
である。
【0068】
本発明の別の実施形態では、式IにおけるRは水素であり、およびRはアリールアルキルで、当該アリールがハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる置換基で任意に置換されている。一例としてはRはアリールアルキル、例えばフェニルブチルのようなフェニルアルキルである。そのような式Iの化合物の具体例としては:
【0069】
【化20】

【0070】
がある。
【0071】
本発明の一実施形態では、式IIの化合物の具体例は:
【0072】
【化21】

【0073】
である。
【0074】
本発明の別の実施形態では、式IVの化合物においてPは結合または(CHO)であり、およびQは複素環基、アリール基またはヘテロシクリルアリール基であり、そのそれぞれがハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている。
【0075】
一実施形態では、Zは4〜7員環を1つまたはそれ以上有する基であり、当該環の少なくとも1つがO、SおよびNからなる群より選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ有する;および2つまたはそれ以上の4〜7員環が存在するとき、当該環は縮合していてもよいし縮合していなくてもよい;当該環はハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている。
【0076】
上記実施形態においては、Zは4〜7員環を1つまたは2つ有する基であり、当該環の少なくとも1つがO、SおよびNからなる群より選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ有する;および2つの4〜7員環が存在するとき、当該環は縮合していてもよいし縮合していなくてもよい;当該環はハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている。
【0077】
式IVの具体的な実施形態では、Qはアルコキシ基で任意に置換されたアリール基である、またはQは飽和または不飽和の複素環基である。例えばQはフェニルまたはナフチルなどのアリールである。
【0078】
式IVの化合物の例としては:
【0079】
【化22】

【0080】
がある。
【0081】
本発明の一実施形態では、式IVの化合物において、Qは例えばピリジルのような芳香族複素環基である。そのような化合物の一例としては:
【0082】
【化23】

【0083】
がある。
【0084】
本発明の別の実施形態では、式IVの化合物においてPはアルキル基であり、およびQは存在しない。そのような化合物の例としては:
【0085】
【化24】

【0086】
がある。
【0087】
本発明の別の実施形態では、式Vの化合物においてR13はアルキルまたはアルコキシであり、および、R14およびR15は水素である。特定の実施形態では、R13はメチルまたはメトキシである。
【0088】
式Vの化合物の上記実施形態では、具体的にはR11はアルキルであり、およびR12はアルキル、シクロアルキルまたはアリールであって、当該アリールはアルキル、アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている。特定の実施形態では、R12はアルキル、シクロアルキルまたはアリールであって、当該アリールは1つまたはそれ以上のアルキルおよび/またはアルコキシ置換基で任意に置換されている。
【0089】
式Vの化合物の例としては:
【0090】
【化25】

【0091】
がある。
【0092】
本発明の一実施形態では、式Vの化合物においてR11は水素であり、およびR12は1つまたはそれ以上のアルキルおよび/またはアルコキシ置換基で任意に置換された、シクロアルキルまたはアリールである。式Vの典型的な化合物としては:
【0093】
【化26】

【0094】
がある。
【0095】
本発明では、あらゆる適切な組み合わせ化合物の有効量が投与可能であり、例えば式IおよびIVの化合物、式IおよびVの化合物、式IVおよびVの化合物、または式I、IVおよびVの化合物、またはその医薬上許容される塩の組み合わせが投与される。本発明の優れた特徴は、2つまたはそれ以上の化合物の組み合わせが用いられたとき相乗的に増強された寄生虫死滅をもたらすことにある。その死滅の程度は、個々の化合物による死滅を合計するよりも大きい。
【0096】
本発明では
【0097】
【化27】

【0098】
またはその医薬上許容される塩からなる群より選ばれる化合物が
【0099】
【化28】

【0100】
またはその医薬上許容される塩との組み合わせで有利に投与される。
【0101】
本発明の実施形態では
【0102】
【化29】

【0103】
またはその医薬上許容される塩からなる群より選ばれる化合物が
【0104】
【化30】

【0105】
またはその医薬上許容される塩との組み合わせで投与される。
【0106】
本発明の一実施形態では
【0107】
【化31】

【0108】
またはその医薬上許容される塩が
【0109】
【化32】

【0110】
またはその医薬上許容される塩との組み合わせで投与される。
【0111】
本発明の一実施形態では
【0112】
【化33】

【0113】
またはその医薬上許容される塩が
【0114】
【化34】

【0115】
またはその医薬上許容される塩との組み合わせで投与される。
【0116】
本発明の一実施形態では、あらゆる上記化合物が、式:
【0117】
【化35】

【0118】
のさらなる化合物との組み合わせ(すなわち、同時に、または連続して)で有利に投与することができ、ここでこれらのさらなる化合物は式I、IVまたはVの一部ではない。
【0119】
本発明の化合物は、当業者に知られているだろう、適当な方法により調製することができるか、あるいは、ChemDiv Inc.,San Diego, CAまたはPeakdale Molecular Limited, High Peak, Englandといった商業的な供給元から得ることができる。国際公開第00/27851号パンフレットおよび米国特許第6,602,865号および第2,895,956号も参照のこと。
【0120】
本明細書に記載の医薬上許容される担体、例えばベヒクル、アジュバント、賦形剤または希釈剤は当業者によく知られているものであり、公衆に容易に入手可能である。当該医薬上許容される担体は、その使用条件において当該活性化合物に対して化学的に不活性であるもの、および有害な副作用または毒性を持たないものであることが好ましい。
【0121】
担体の選択は、当該組成物を投与するために使用される特定の活性剤によっても、また、そのために使用される特定の方法によってもある程度決定されるだろう。従って、本発明の医薬組成物の適切な処方は幅広い。経口、エアロゾル、非経口、皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、髄腔内、直腸および膣投与のための以下の処方は単なる例であって、決して限定するものではない。
【0122】
経口投与に適した処方は、(a)水、生理食塩水またはオレンジジュースなどの希釈液に溶かした有効量の当該化合物といった溶液;(b)固体または顆粒として、所定量の当該活性成分をそれぞれ含んだカプセル、サシェ、錠剤、ロゼンジ、およびトローチ;(c)粉末;(d)適切な液体に溶かした懸濁液;および(e)適切なエマルジョンで構成されうる。液体処方は医薬上許容される界面活性剤、懸濁化剤または乳化剤が添加されている、または添加されていないどちらかの状態で、水、および、例えばエタノール、ベンジルアルコールおよびポリエチレンアルコールといったアルコールなどの希釈液を含んでもよい。カプセル型は、例えば界面活性剤、滑沢剤、およびラクトース、スクロース、リン酸カルシウムおよびコーンスターチといった不活性の充てん剤を含む、通常の硬いまたは柔らかい殻のゼラチンタイプのものでありうる。錠剤型は、1つまたはそれ以上のラクトース、スクロース、マンニトール、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸、結晶セルロース、アラビアゴム、ゼラチン、グアーガム、コロイド状の二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸および他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、崩壊剤、保湿剤、保存剤、香味剤および医薬上相溶性のある担体を含むことができる。ゼラチンとグリセリン、あるいはスクロースとアラビアゴムといった不活性な基剤中に活性成分を含むペッサリー、活性成分に加えて当分野で公知の担体を含むエマルジョン、ゲルなどと同様にロゼンジ型は、活性成分を通常は、スクロースおよびアラビアゴム、またはトラガントである香味料中に含むことができる。
【0123】
本発明の化合物は、それのみまたは他の適切な成分との組み合わせで、吸入投与のためのエアロゾル処方にすることができる。これらのエアロゾル処方は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などといった加圧された許容できる噴霧剤中に入れることができる。これらはまた、ネブライザーやアトマイザーの中に入れるなど非加圧型製剤として処方してもよい。
【0124】
非経口投与に適した処方は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬、および当該処方を意図されるレシピエントの血液と等張な処方にする溶質を含むことができる水性および非水性の等張無菌注射液、および、懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、および保存剤を含むことができる水性および非水性の無菌懸濁液を含む。当該化合物は、無菌の液体または液体混合物といった医薬担体における生理学的に許容できる希釈剤中で投与可能であり、当該液体または液体混合物は、石鹸またはデタージェントといった医薬上許容できる界面活性剤、ペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースといった懸濁化剤、または乳化剤およびその他の医薬アジュバントを添加している、または添加していない水、生理食塩水、水性のデキストロースおよび同類の糖液、エタノール、イソプロパノールまたはヘキサデシルアルコールといったアルコール、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールといったグリコール、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールといったグリセロール ケタール、ポリ(エチレングリコール)400といったエーテル、油剤、脂肪酸、脂肪酸エステルまたはグリセライド、またはアセチル化脂肪酸グリセライドを含む。
【0125】
非経口処方に使用することができる油類には、石油、動物油、植物油または合成油が含まれる。油類の具体例としては、ピーナッツ油、大豆油、ゴマ油、綿実油、コーン油、オリーブ油、ワセリン、および鉱物油が含まれる。非経口処方に用いられる適切な脂肪酸には、オレイン酸、ステアリン酸およびイソステアリン酸が含まれる。オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルは適切な脂肪酸エステルの例である。非経口処方に用いられる適切な石鹸には、脂肪酸アルカリ金属、アンモニウムおよびトリエタノールアミン塩が含まれ、適切なデタージェントには(a)例えばハロゲン化ジメチルジアルキルアンモニウム、およびハロゲン化アルキルピリジニウムといった陽イオン性デタージェント、(b)例えばアルキル、アリールおよびオレフィンスルホネート、アルキル、オレフィン、エーテルおよびモノグリセライドスルフェートおよびスルホスクシネートといった陰イオン性デタージェント、(c)例えば脂肪族アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミドおよびポリオキシエチレン−ポリプロピレンコポリマーといった非イオン性デタージェント、(d)例えばアルキル−β−アミノプロピオネートおよび2−アルキルイミダゾリン4級アンモニウム塩といった両性デタージェント、および(3)その混合物が含まれる。
【0126】
当該非経口処方は、典型的には、溶液中の当該活性成分の約0.5から約25%重量含むだろう。適切な保存剤および緩衝剤を当該処方に用いることができる。注入部位の刺激を最小限に、または排除するために、当該組成物は約12から約17の親水親油バランス(HLB)を有する1つまたはそれ以上の非イオン性界面活性剤を含んでもよい。当該処方における界面活性剤量は、約5から約15重量%の範囲である。適切な界面活性剤には、モノオレイン酸ソルビタンおよび酸化プロピレンとプロピレングリコールとの縮合によって生じる疎水基を伴った酸化エチレンの高分子量付加物といったポリエチレンソルビタン脂肪酸エステルが含まれる。当該非経口処方は、アンプルやバイアルといった単回または多回投与用の密封された容器に入れて提供することができ、また、使用する直前に、注射用に、例えば水といった無菌の液体担体の添加のみが必要なフリーズドライされた(凍結乾燥された)状態で貯蔵することができる。注射液および懸濁液は、前述された種類の無菌の粉末、顆粒および錠剤から即時に調製することができる。
【0127】
本発明の化合物は注射用処方にしてもよい。注射用組成物のための有効な医薬担体の必要性が当業者に知られている。Pharmaceutics and Pharmacy Practice, J. B. Lippincott Co., Philadelphia, Pa., Banker and Chalmers, eds. (1982)の238〜250ページ、および、ASHP Handbook on Injectable Drugs, Toissel, 4th ed. (1986)の622〜630ページを参照のこと。
【0128】
また、本発明の化合物は、乳化基剤または水溶性基剤といった様々な基剤と混合することによって坐薬にしてもよい。膣投与に適した処方は、当該活性成分に加えて当技術分野で周知の適切な担体を含んでいるペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、フォームまたはスプレー処方として提供してもよい。
【0129】
適切な担体とその処方は、A.R. Gennaro, ed., Remington: The Science and Practice of Pharmacy (19th ed.), Mack Publishing Company, Easton, PA (1995)により詳しく記載されている。
【0130】
本発明の化合物またはその組成物は、医薬上許容できる酸付加塩、塩基中和塩または塩基付加塩として投与される可能性があり、それらは、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸およびリン酸といった無機酸、およびギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、およびフマル酸といった有機酸との反応、または水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウムといった無機塩基、およびモノ−、ジ−、トリアルキル−およびアリールアミンおよび置換されたエタノールアミンといった有機塩基との反応によって生じる。塩への転換は、少なくとも化学量論量の適当な酸による当該塩基化合物の処理によって達成される。典型的には、当該遊離塩基はジエチルエーテル、酢酸エチル、クロロホルム、エタノール、メタノールなどといった不活性な有機溶媒に溶解し、当該酸は同様の溶媒に添加される。当該混合物は適切な温度(例えば、0℃から50℃の間)に置かれる。その結果生じる塩は、自然に沈殿するか、または極性のより低い溶剤と共に溶液から取り出すことができる。
【0131】
当該化合物の中性型は、従来の方式で塩基または酸に当該塩を接触させ、その親化合物を単離することで再生可能である。当該化合物の親型は極性溶媒への溶解性といった特定の物理的性質において、様々な塩型とは異なるが、一方で、本発明の目的にとっては、当該塩は当該化合物の親型と同等なものである。
【0132】
本発明の化合物若しくはその塩、またはその組成物の量または投与量は、哺乳類における治療のまたは予防的な応答に影響を与えるのに十分であるべきである。適切な投与量はいくつかの要因に左右されるだろう。例えば投与量は、ある特定の化合物または塩の投与に伴うかもしれないあらゆる副作用の存在、性質および程度によっても決定されるだろう。最終的には、担当医が年齢、体重、総体的な健康、食事、性別、投与される化合物または塩、投与経路および治療状態の重症度といった様々な要因を考慮に入れて、一人一人の患者を治療するための本発明の化合物の投薬量を決定するだろう。典型的な投与量は、例えば毎日0.1mg〜1g(例、毎日5mg〜500mg)であり得る。
【0133】
以下の実施例では、本発明をより詳細に解説しているが、決してその範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例1】
【0134】
この実施例では、PSAC拮抗剤を同定し、そのPSACとの相互作用をキャラクタライズするために用いられた方法を述べる。方法は、拮抗剤のハイスループットスクリーニング系、電気生理学およびin vitroでの寄生虫増殖阻害試験を含むがそれに限られるものではない。
【0135】
プラスモジウム表面アニオンチャンネル(PSAC)の拮抗剤のハイスループットスクリーニング系を開発した。このスクリーニング系はPSAC活性に対する定量的光散乱分析をベースにしている(Wagner et al., Biophys. J. 84:116 (2003))。この光散乱分析は、感染していない赤血球では非常に低いが、PSACを介した高い透過性を有する溶質中での、P. falciparumに感染した細胞の浸透圧膨張および溶解の結果生じる濁度変化を測定する。
【0136】
P. falciparum(Indo 1単離株)をin vitroで同調培養し、トロフォゾイト成熟期において採取し、パーコール−ソルビトール密度勾配遠心により寄生虫血を95%より大きくした。細胞を洗浄し、リン酸バッファー(150mM NaCl,20mM NaHPO,pH7.5)に再懸濁した。その後、当該細胞懸濁液を384、1536または3456ウェルプレートに分注した。個々の化合物(DMSO貯蔵液)をランダムな小分子ライブラリーから個々のウェルへ固定した。〔280mM ソルビトール,20mM Na−HEPES,pH7.4〕を元の細胞懸濁液の少なくとも4倍量まで添加することで浸透圧溶解を開始した。ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールのプレートには、それぞれ2mMのフロセミド含有リン酸バッファーおよび化合物を含有していないソルビトールを入れた。透過率測定は、当該プレートのフォーマットに基づき定期的な間隔で、700−750nmで行った。完全なノイズフリー解析ではZ値が1.0である状況で(Zhang et al., J. Biomol. Screen. 4:67 (1999))、Z検定値が0.7より大きくなるよう血中血球容積、全体積、最終的な化合物およびDMSO濃度、および各測定時間を最適化した。このエンドポイント解析における時間測定により、ハイスループット方式における拮抗剤の親和性の正確な推定が可能になった。再試験における検出割合は通常95%より大きかった。
【0137】
同定されたPSAC拮抗剤を確認し、P. falciparum感染ヒト赤血球における、細胞接着型および全細胞パッチクランプ記録を用いて、作用機構を決定した。これらは、Alkhalil et al., Blood 104:4279 (2004)に記載されたように、左右対称の溶液槽および〔1,000mM choline−Cl,115mM NaCl,10mM MgCl,5mM CaCl,20mM Na−HEPES,pH7.4〕のピペット液を用いて得られた。この高張液によって、開いたチャンネルを通ったClの流入速度をより高めることが可能になり、またピペットからの電気的雑音が減少したため、単一のPSAC検出についての信号対ノイズ比が上がった。記録では、記録溶液中で抵抗が1〜3MΩの、先端径が0.5μm未満となるまで引き伸ばされた石英ピペットが用いられた。シール抵抗は100GΩより大きかった。拮抗剤を溶液槽またはピペット室どちらかに加え、当該剤が細胞内面若しくは細胞外面のどちらから阻害するのか、PSAC阻害の機構、およびPSACとの相互作用のストイキオメトリを決定した。全ての記録は5kHzで、ローパスフィルタ(8極ベッセル)が用いられ、100kHzでデジタル化された。全点ヒストグラムおよび他の解析はhome−writtenコードを用いて行われた。
【0138】
同定されたPSAC拮抗剤による寄生虫死滅は、96ウェルフォーマットでの寄生虫の核酸に対するSYBR Green Iベースの蛍光アッセイを用いて評価した。寄生虫の同調培養は、0.2〜0.5%の寄生虫血および血中血球容積が5%の状態で、25mM HEPES、2−10%血清、50mg/L ヒポキサンチン、および、PSAC拮抗剤を選択濃度で追加したRPMI 1640に播種した。培養をO濃度5%、CO濃度5%中、37℃で3日間持続した。その後、当該プレートを凍結融解し、SYBR Green Iをメーカー推奨最終濃度の2倍濃度で添加し、暗いところで30分間インキュベートし、蛍光(485/528nmでの励起/発光)測定を行った。既知の抗マラリア薬であるクロロキン20μMで殺した培養物からのバックグラウンドの蛍光値を引いたあとで、各拮抗剤濃度について3回測定した平均値を計算した。
【0139】
表1に、本発明の実施形態による、本発明の化合物の増殖阻害データおよびPSAC阻害データを示す。
【0140】
【表1】

【0141】
図1および図2は、本発明の実施形態による化合物に関して、寄生虫増殖阻害が、PSAC阻害と相関関係にあることを示している。
【0142】
2つ目のタイプの標的検証研究は、2つの異なるカテゴリーのPSAC拮抗剤の併用による増殖阻害に関する。拮抗剤のこれらのカテゴリーは、2つの別個のハイスループットスクリーニングにおいて同定された。当該2つのスクリーニングは、PSACを介した浸透圧溶解を引き起こすために用いられる透過性溶質の点で異なり、PSACの基礎的研究により同定された阻害剤親和性における違いに基づいたものだった。PSACを介したソルビトールの取り込みが、200μMのフロセミドによって効果的に阻害される(図3A)一方、フェニルトリメチルアンモニウム(PhTMA)の取り込みを阻害するには、はるかに高い濃度のフロセミドおよびその他の既知の拮抗剤が必要とされる(図3B)。透過性溶質混合物の輸送、温度の影響および電気生理学的相関関係を含んだ生物物理学的研究は、この結果が、溶質がPSACを介して取りうる2つの別個の経路を反映していることを示唆している。ここでは、これらの経路をチャンネル要素“A”および“B”とする。それゆえに、当該2つのハイスループットスクリーニングは、各要素に対する特定の阻害剤を同定するために設計された。
【0143】
図3Cは、化合物18(要素B拮抗剤)および化合物24(要素A拮抗剤)の併用による寄生虫死滅のアイソボログラムである。印は50%の寄生虫死滅をもたらす化合物混合物を示している。実線は加法的な死滅の線を示す。データ点は全て実線の下にあり、この組合せによる相乗的な寄生虫死滅を示している。
【0144】
表2に、2つの要素A拮抗剤の併用(横仕切り線の上側)、2つの要素B拮抗剤の併用(縦仕切り線の右側)、または各要素に対する拮抗剤を用いた混合物(左象限の下側)を用いた、in vitroでの寄生虫増殖阻害研究の結果を示す。相加的および相乗的寄生虫死滅は、それぞれ“Ad”および“S”で示す。
【0145】
【表2】

【0146】
両スクリーニングからの拮抗剤は、個々で添加された場合、低いマイクロモラー濃度で寄生虫を殺傷する一方、要素A拮抗剤が要素B拮抗剤と組み合わされた場合、著しい相乗的死滅があった(図3C)。拮抗剤の組み合わせは多様に置換されて評価された。様々な異なる化学的骨格のものを用いたにも関わらず、これらの実験によって、両チャンネル要素を阻害するほぼ全ての組み合わせが相乗的寄生虫死滅をもたらすことが明らかになった。対照的に、同じチャンネル要素に対する2つの阻害剤を用いた組み合わせは相加的な寄生虫死滅しかもたらさなかった(表2)。これらの発見は、薬剤標的としてのPSACの独自の妥当性を確認するものであり、当該チャンネルを通る2つの経路を介した輸送に関する我々の生物物理学的モデルを支持するものである。
【0147】
刊行物、特許出願および特許を含む本明細書で引用されている全ての参考文献は、各参考文献が参照することにより組み込まれるものとして個々にかつ具体的に示され、かつ、本明細書全体に述べられているのと同程度に参照することにより本書に組み込まれる。
【0148】
“a”および“an”および“the”といった用語および本発明を記載する文脈における(特に以下に示すクレームの文脈における)同類の指示語の使用については、本明細書に示される、または文脈によってはっきりと否定されることが特にない限り、単数形および複数形どちらをも含むと理解されるべきである。“comprising”、“having”、“including”および“containing”という用語は、特に断りのない限り非制限語句(即ち「含むが限定されるものではない」を意味している)として理解されるべきである。本明細書中における数値幅の記載は、特に本明細書中に示されていない限り、単に、当該範囲内のそれぞれ別個の値を独自に指すことの簡潔表現として機能するためのものであり、それぞれ別個の値は本明細書中に独自に列挙されているものとして本明細書に組み込まれる。本明細書に記載された全ての使用は、本明細書に示されることが特にない限り、または文脈によってはっきりと否定されることが特にない限り、あらゆる適切な順序で実行することができる。本明細書中で提供されている、ありとあらゆる例または例示語(例えば“such as”)の使用は、単に、本発明の理解をよりよくするためのものであって、特に主張されていない限り、本発明の実施形態に関して限定を設けるものではない。本明細書中の言語は、本発明の実施には欠かせないものとして、主張されていないあらゆる要素を示していると理解されるべきではない。
【0149】
本発明の好ましい実施形態は、本発明者らに既知の本発明を実施する最良の実施形態を含むように本明細書中に記載されている。それらの好ましい実施形態の変形は、前述の記述を読むことで当業者に明らかになるかもしれない。本発明者らは熟練した技術者が適切な種類を採用することを期待し、かつ、本発明者らは本発明が特に本明細書中に具体的に記載されているより別な方法で実施されることを意図している。よって、本発明は、準拠法で許されるあらゆる修正、および本文書に付加されたクレームにおいて列挙された内容と同等のものを含む。さらに、本発明は、本明細書に示される、または文脈によってはっきりと否定されることが特にない限り、そのあらゆる可能な変形における上記要素のあらゆる組み合わせを包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マラリアを予防する方法またはマラリアに苦しむ動物を治療する方法であって、当該方法は、
(i)式I:
【化1】

〔式中、Rは水素またはアルキルであり、およびRはアリールアルキルで、当該アリールがハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている;またはRは式(II):
【化2】

(式中、n=0〜6)の基である;
またはRおよびRはそれらが結合しているNと共に式III:
【化3】

(式中、XはNまたはCHである;およびYはハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換された、アリール、アルキルアリール、ジアルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアリールまたは複素環式である)の複素環を形成する;およびR〜R10は水素またはアルキルである〕の化合物;またはその医薬上許容される塩の有効量;
(ii)式IV:
【化4】

〔式中、Zは1つまたはそれ以上の4〜7員環を有する基である(当該環の少なくとも1つがO、SおよびNからなる群より選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ有する;および2つまたはそれ以上の4〜7員環が存在するとき、当該環は縮合していてもよいし縮合していなくてもよい;当該環はハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている);Rは水素、アルキルまたはアルコキシである;Pは結合、アルキル、アルコキシ、(CHまたは(CHO)である(式中、rおよびsは独立して1〜6である);Qは複素環基、アリール基またはヘテロシクリルアリール基であり、そのそれぞれがハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている;およびPがアルキルまたはアルコキシであるとき、Qは存在しない〕の化合物;またはその医薬上許容される塩の有効量;
(iii)式V:
【化5】

〔式中、R11およびR12は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、またはアルキル、アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されたアリールである;R13〜R15は独立してアルキル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる〕の化合物;またはその医薬上許容される塩の有効量;または
(iv)式I、IVおよびVの化合物、またはその医薬上許容される塩の任意の組み合わせの有効量を動物に投与することを含む。
【請求項2】
式IにおけるRが水素である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式IにおけるR〜Rが水素である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
式IにおけるRが水素またはアルキルであり、およびRが式IIの基(式中n=1〜6)である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
n=2〜4である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
およびRがそれらが結合しているNと共に式IIIの複素環を形成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
式IIIにおけるXがNである、請求項1から3または6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
式IIIにおいてYがハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アルコキシ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されたアリールである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
式IIIにおいてYがハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アルコキシ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されたフェニルである、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
Yがフェニル、またはメチル、クロロ、フルオロおよびメトキシからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で置換されたフェニルである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
式Iの化合物が:
【化6】

である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
式IIIにおけるXがCHである、請求項1から3または6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
Yがハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換された、アリールアルキルまたは複素環式である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
Yがハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換された、ベンジルまたはピペリジニルである、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
式Iの化合物が:
【化7】

である、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
式IにおけるRが水素であり、およびRがアリールアルキルで、当該アリールがハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる置換基で任意に置換されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
がアリールアルキルである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
がフェニルアルキルである、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
当該フェニルアルキルがフェニルブチルである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
式Iの化合物が:
【化8】


である、請求項16から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
式IIの化合物が:
【化9】


である、請求項5に記載の方法。
【請求項22】
式IVの化合物においてPが結合または(CHO)であり、およびQが複素環基、アリール基またはヘテロシクリルアリール基であり、そのそれぞれがハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
Zが1つまたはそれ以上の4〜7員環を有する基であり、当該環の少なくとも1つがO、SおよびNからなる群より選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ有する;および2つまたはそれ以上の4〜7員環が存在するとき、当該環は縮合していてもよいし縮合していなくてもよい;当該環はハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
Zが4〜7員環を1つまたは2つ有する基であり、当該環の少なくとも1つがO、SおよびNからなる群より選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ有する;および2つの4〜7員環が存在するとき、当該環は縮合していてもよいし縮合していなくてもよい;当該環はハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
Qがアルコキシ基で任意に置換されたアリール基である、またはQが飽和または不飽和の複素環基である、請求項22から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
当該アリール基がフェニルまたはナフチルである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
式IVの化合物が:
【化10】

である、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
Qが芳香族複素環基である、請求項22から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
Qがピリジルである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
式IVの化合物が:
【化11】


である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
Pがアルキル基であり、およびQが存在しない、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
式IVの化合物が:
【化12】

である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
式Vの化合物においてR13がアルキルまたはアルコキシであり、および、R14およびR15が水素である、請求項1から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
13がメチルまたはメトキシである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
11がアルキルであり、およびR12がアルキル、シクロアルキルまたはアリールであって、当該アリールがアルキル、アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
12がアルキル、シクロアルキルまたはアリールであって、当該アリールが1つまたはそれ以上のアルキルおよび/またはアルコキシ置換基で任意に置換されている、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
式Vの化合物が:
【化13】

である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
11が水素であり、およびR12が1つまたはそれ以上のアルキルおよび/またはアルコキシ置換基で任意に置換された、シクロアルキルまたはアリールである、請求項33または34に記載の方法。
【請求項39】
式Vの化合物が:
【化14】

である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
式IおよびIVの化合物、またはその医薬上許容される塩の組み合わせの有効量を投与する、請求項1から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
式IおよびVの化合物、またはその医薬上許容される塩の組み合わせの有効量を投与する、請求項1から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
式IVおよびVの化合物、またはその医薬上許容される塩の組み合わせの有効量を投与する、請求項1から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
式I、IVおよびVの化合物、またはその医薬上許容される塩の組み合わせの有効量を投与する、請求項1から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
当該動物がヒトである、請求項1から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
【化15】

またはその医薬上許容される塩からなる群より選ばれる化合物が、
【化16】


またはその医薬上許容される塩との組み合わせで投与される、請求項1から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
【化17】

またはその医薬上許容される塩からなる群より選ばれる化合物が、
【化18】


またはその医薬上許容される塩との組み合わせで投与される、請求項1から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
【化19】


またはその医薬上許容される塩が、
【化20】


またはその医薬上許容される塩との組み合わせで投与される、請求項1から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
【化21】


またはその医薬上許容される塩が、
【化22】

またはその医薬上許容される塩との組み合わせで投与される、請求項1から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
式:
【化23】

の化合物またはその医薬上許容される塩の追加投与を含む、請求項1から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
医薬上許容される担体および
(i)式I:
【化24】

〔式中、Rは水素またはアルキルであり、およびRはアリールアルキルで、当該アリールがハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている;またはRは式(II):
【化25】

(式中、n=0〜6)の基である;
またはRおよびRはそれらが結合しているNと共に式III:
【化26】

(式中、XはNまたはCHである;およびYはハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換された、アリール、アルキルアリール、ジアルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアリールまたは複素環式である)の複素環を形成する;およびR〜R10は水素またはアルキルである〕の化合物;またはその医薬上許容される塩;
(ii)式IV:
【化27】

〔式中、Zは1つまたはそれ以上の4〜7員環を有する基である(当該環の少なくとも1つがO、SおよびNからなる群より選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ有する;および2つまたはそれ以上の4〜7員環が存在するとき、当該環は縮合していてもよいし縮合していなくてもよい;当該環はハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている);Rは水素、アルキルまたはアルコキシである;Pは結合、アルキル、アルコキシ、(CHまたは(CHO)である(式中、rおよびsは独立して1〜6である);Qは複素環基、アリール基またはヘテロシクリルアリール基であり、そのそれぞれがハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている;およびPがアルキルまたはアルコキシであるとき、Qは存在しない〕の化合物;またはその医薬上許容される塩;
(iii)式V:
【化28】

〔式中、R11およびR12は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、またはアルキル、アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されたアリールである;R13〜R15は独立してアルキル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる〕の化合物;またはその医薬上許容される塩;または
(iv)式I、IVおよびVの化合物、またはその医薬上許容される塩の任意の組み合わせを含む、医薬組成物。
【請求項51】
マラリアを予防する、またはマラリアに苦しむ動物を治療するための薬剤の製造における、
(i)式I:
【化29】

〔式中、Rは水素またはアルキルであり、およびRはアリールアルキルで、当該アリールがハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている;またはRは式(II):
【化30】

(式中、n=0〜6)の基である;または
およびRはそれらが結合しているNと共に式III:
【化31】

(式中、XはNまたはCHである;およびYはハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換された、アリール、アルキルアリール、ジアルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアリールまたは複素環式である)の複素環を形成する;およびRからR10は水素またはアルキルである〕の化合物;またはその医薬上許容される塩;
(ii)式IV:
【化32】

〔式中、Zは1つまたはそれ以上の4〜7員環を有する基である(当該環の少なくとも1つがO、SおよびNからなる群より選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ有する;および2つまたはそれ以上の4〜7員環が存在するとき、当該環は縮合していてもよいし縮合していなくてもよい;当該環はハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている);Rは水素、アルキルまたはアルコキシである;Pは結合、アルキル、アルコキシ、(CHまたは(CHO)である(式中、rおよびsは独立して1〜6である);Qは複素環基、アリール基またはヘテロシクリルアリール基であり、そのそれぞれがハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている;およびPがアルキルまたはアルコキシであるとき、Qは存在しない〕の化合物;またはその医薬上許容される塩;
(iii)式V:
【化33】

〔式中、R11およびR12は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、またはアルキル、アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されたアリールである;R13〜R15は独立してアルキル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる〕の化合物;またはその医薬上許容される塩;または
(iv)式I、IVおよびVの化合物、またはその医薬上許容される塩の任意の組み合わせの使用。
【請求項52】
式IにおけるRが水素である、請求項51に記載の使用。
【請求項53】
式IにおけるR〜Rが水素である、請求項51または52に記載の使用。
【請求項54】
式IにおけるRが水素またはアルキルであり、およびRが式IIの基(式中n=1〜6)である、請求項51から53のいずれか一項に記載の使用。
【請求項55】
n=2〜4である、請求項54に記載の使用。
【請求項56】
およびRがそれらが結合しているNと共に式IIIの複素環を形成する、請求項51から53のいずれか一項に記載の使用。
【請求項57】
式IIIにおけるXがNである、請求項51から53または56のいずれか一項に記載の使用。
【請求項58】
式IIIにおいてYがハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アルコキシ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されたアリールである、請求項57に記載の使用。
【請求項59】
式IIIにおいてYがハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アルコキシ、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されたフェニルである、請求項57または58に記載の使用。
【請求項60】
Yがフェニル、またはメチル、クロロ、フルオロおよびメトキシからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で置換されたフェニルである、請求項59に記載の使用。
【請求項61】
式Iの化合物が:
【化34】

である、請求項51から60のいずれか一項に記載の使用。
【請求項62】
式IIIにおけるXがCHである、請求項51から53または56のいずれか一項に記載の使用。
【請求項63】
Yがハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されたアリールアルキルまたは複素環式である、請求項62に記載の使用。
【請求項64】
Yがハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換された、ベンジルまたはピペリジニルである、請求項62または63に記載の使用。
【請求項65】
式Iの化合物が:
【化35】

である、請求項62から64のいずれか一項に記載の使用。
【請求項66】
式IにおけるRが水素であり、およびRがアリールアルキルで、当該アリールがハロ、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる置換基で任意に置換されている、請求項51から53のいずれか一項に記載の使用。
【請求項67】
がアリールアルキルである、請求項66に記載の使用。
【請求項68】
がフェニルアルキルである、請求項66または67に記載の使用。
【請求項69】
当該フェニルアルキルがフェニルブチルである、請求項68に記載の使用。
【請求項70】
式Iの化合物が:
【化36】


である、請求項66から69のいずれか一項に記載の使用。
【請求項71】
式IIの化合物が:
【化37】


である、請求項55に記載の使用。
【請求項72】
式IVの化合物においてPが結合または(CHO)であり、およびQは複素環基、アリール基またはヘテロシクリルアリール基であり、そのそれぞれがハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている、請求項51から71のいずれか一項に記載の使用。
【請求項73】
Zが1つまたはそれ以上の4〜7員環を有する基であり、当該環の少なくとも1つがO、SおよびNからなる群より選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ有する;および2つまたはそれ以上の4〜7員環が存在するとき、当該環は縮合していてもよいし縮合していなくてもよい;当該環がハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている、請求項72に記載の使用。
【請求項74】
Zが1つまたは2つの4〜7員環を有する基であり、当該環の少なくとも1つがO、SおよびNからなる群より選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ有する;および2つの4〜7員環が存在するとき、当該環は縮合していてもよいし縮合していなくてもよい;当該環がハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている、請求項73に記載の使用。
【請求項75】
Qがアルコキシ基で任意に置換されたアリール基である、またはQが飽和または不飽和の複素環基である、請求項72から74のいずれか一項に記載の使用。
【請求項76】
当該アリール基がフェニルまたはナフチルである、請求項75に記載の使用。
【請求項77】
式IVの化合物が:
【化38】

である、請求項75または76に記載の使用。
【請求項78】
Qが芳香族複素環基である、請求項72から74のいずれか一項に記載の使用。
【請求項79】
Qがピリジルである、請求項78に記載の使用。
【請求項80】
式IVの化合物が:
【化39】


である、請求項79に記載の使用。
【請求項81】
Pがアルキル基であり、およびQが存在しない、請求項51から71のいずれか一項に記載の使用。
【請求項82】
式IVの化合物が:
【化40】

である、請求項81に記載の使用。
【請求項83】
式Vの化合物においてR13がアルキルまたはアルコキシであり、および、R14およびR15が水素である、請求項51から82のいずれか一項に記載の使用。
【請求項84】
13がメチルまたはメトキシである、請求項83に記載の使用。
【請求項85】
11がアルキルであり、およびR12がアルキル、シクロアルキルまたはアリールであって、当該アリールがアルキル、アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニルおよびホルミルからなる群より選ばれる1つまたはそれ以上の置換基で任意に置換されている、請求項83または84に記載の使用。
【請求項86】
12がアルキル、シクロアルキルまたはアリールであって、当該アリールが1つまたはそれ以上のアルキルおよび/またはアルコキシ置換基で任意に置換されている、請求項85に記載の使用。
【請求項87】
式Vの化合物が:
【化41】

である、請求項86に記載の使用。
【請求項88】
11が水素であり、およびR12が1つまたはそれ以上のアルキルおよび/またはアルコキシ置換基で任意に置換された、シクロアルキルまたはアリールである、請求項83または84に記載の使用。
【請求項89】
式Vの化合物が:
【化42】

である、請求項88に記載の使用。
【請求項90】
当該薬剤が式IおよびIVの化合物、またはその医薬上許容される塩の組み合わせを含む、請求項51から89のいずれか一項に記載の使用。
【請求項91】
当該薬剤が式IおよびVの化合物、またはその医薬上許容される塩の組み合わせを含む、請求項51から89のいずれか一項に記載の使用。
【請求項92】
当該薬剤が式IVおよびVの化合物、またはその医薬上許容される塩の組み合わせを含む、請求項51から89のいずれか一項に記載の使用。
【請求項93】
当該薬剤が式I、IV、およびVの化合物、またはその医薬上許容される塩の組み合わせを含む、請求項51から89のいずれか一項に記載の使用。
【請求項94】
当該動物がヒトである、請求項51から93のいずれか一項に記載の使用。
【請求項95】
当該薬剤が
【化43】

またはその医薬上許容される塩からなる群より選ばれる化合物を、
【化44】


またはその医薬上許容される塩との併用のために含む、請求項51から94のいずれか一項に記載の使用。
【請求項96】
当該薬剤が
【化45】

、またはその医薬上許容される塩からなる群より選ばれる化合物を、
【化46】


またはその医薬上許容される塩との併用のために含む、請求項51から94のいずれか一項に記載の使用。
【請求項97】
当該薬剤が
【化47】


またはその医薬上許容される塩を、
【化48】


またはその医薬上許容される塩との併用のために含む、請求項51から94のいずれか一項に記載の使用。
【請求項98】
当該薬剤が
【化49】


またはその医薬上許容される塩を、
【化50】


、またはその医薬上許容される塩との併用のために含む、請求項51から94のいずれか一項に記載の使用。
【請求項99】
当該薬剤が式:
【化51】

の化合物、またはその医薬上許容される塩を追加的に含む、請求項51から94のいずれか一項に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−529053(P2011−529053A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520094(P2011−520094)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/050637
【国際公開番号】WO2010/011537
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(510002280)アメリカ合衆国 (7)
【Fターム(参考)】