説明

抗菌性ハンドウォッシュ

【課題】抗菌効力を増大させたハンドウォッシュを提供する。
【解決手段】ハンドウォッシュは、セッケン、抗菌剤及びアミン塩を含有する。アミン塩は、ハンドウォッシュの抗菌効力を増大させる。モノエタノールアミンと乳酸との反応を介して得られたアミン塩が、セッケン添加剤として特に興味深い。アミン塩は、セッケン液において、その場で生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌性組成物に関し、さらに詳述すれば、含窒素塩基の中和用酸による中和から誘導された効力促進化学剤を含むセッケンに関する。
【背景技術】
【0002】
セッケンは、油脂、さらに適切には、脂肪酸を塩基にて中和するケン化反応を介して製造される。反応を完了まで進行させるために、過剰の塩基を使用することが一般的に行われている。セッケンは、一般に、抗菌剤と適合性であるため、しばしば、液体の抗菌性ハンドウォッシュにおいて使用される。このようなセッケン系抗菌性ハンドウォッシュは、ヘルスケア、食品産業、及び消費者を含む多くの市場で見られる。
【0003】
抗菌剤は、ビスグアニジン(例えば、クロロヘキシジンジグルコナート)、ジフェニル化合物、ベンジルアルコール、トリハロカルボアニリド、4級アンモニウム化合物、エトキシル化フェノール、及びフェノール化合物[例えば、p-クロロ-m-キシレノール(「pcmx」として知られている)及び2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(「トリクロサン」として知られている)のようなハロ置換フェノール化合物]を含む各種のクラスから選ばれる。これらの抗菌剤は、多くのハンドウォッシュ処方において使用されているが、これらは、全く有害な特性を持たないものでない。抗菌剤は、一般的には、皮膚に対して刺激性である。また、皮膚刺激性は、いずれの化粧品及び医薬品処方についても懸案事項であるが、ハンドウォッシュについては、処置される身体領域の感受性のため、なおさら関心が強い。抗菌剤の刺激性を最少にするためには、ハンドウォッシュ処方中に存在する抗菌剤の量を最少にする必要がある。しかし、存在する抗菌剤の量を低減することによって、ハンドウォッシュの抗菌特性も低減することが予想され、従って、抗菌作用は保持するが、抗菌剤の量は低減したいとの相反する要求が存在する。
【0004】
ハンドウォッシュ処方についての他の重要な事項は、製品の審美性である。例えば、一般人は、起泡性が洗浄性と関連するものと理解しており、その結果、消費者は、清浄の際、起泡しないハンドウォッシュ処方をあまり購入しない。この消費者の認識は、製造業者を、多量の泡を生ずるハンドウォッシュを処方するようにさせている。上述のように、刺激性は懸案事項である。ハンドウォッシュの色及び香りも重要である。セッケンを抗菌剤と併用する場合、セッケンは、これら所望の特性の各々について最良の特性を提供するものではない。セッケンの存在により、比較的高いlog killを維持したままで、抗菌剤の量を低減することが可能となるが、抗菌性セッケン製品は皮膚を刺激する傾向がある。このように、美的に良好なハンドウォッシュを製造するためには、スキンコンディショニング剤を添加する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ケン化反応を介するセッケンの生成及びセッケンにおける介在物用のアミン塩の生成を包含する。ここで、「第1の」は、ケン化反応において使用される酸及び塩基に係るものであり、「第2の」は、アミン塩の生成に使用される酸及び塩基に関するものであるが、含窒素塩基が使用される場合には、当該塩基は、第1及び第2の塩基の両方として作用できる。「含窒素塩基」は、3個以下の置換基が結合した少なくとも1個の窒素を含む塩基をいう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1具体例では、本発明は、セッケン及び、酸無水物、有機酸及び無機酸から選ばれる中和用酸にて中和された含窒素塩基の反応性生物を含有する抗菌性ハンドウォッシュを提供する。
【0007】
他の具体例では、本発明は、セッケン;抗菌剤;及び乳酸にて中和したモノエタノールアミンの反応生成物を含有する抗菌性ハンドウォッシュを提供する。
【0008】
本発明による方法において、抗菌性ハンドウォッシュが生成される。セッケンは、第1の脂肪酸と第1の含窒素塩基とのケン化(ここで、第1の含窒素塩基/第1の遊離脂肪酸のアルカリ度に関するモル/モル比は、約1.5/1−3/1であり、ケン化後、過剰の第1の含窒素塩基が存在する。過剰の第1の含窒素塩基は、上述のように生成したセッケンに添加された第2の酸と反応する。この第2の酸は、アミン塩を生成するように、カルボン酸、有機酸無水物及び混合した酸無水物からなる群から選ばれる。
【0009】
ここに記載のハンドウォッシュは、セッケン;抗菌剤;及びアミン塩を含む。セッケンは、第1の脂肪酸と第1の塩基との間のケン化反応を介して製造される。アミン塩は、含窒素塩基の第2の酸による中和を介して製造される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の塩基は、水酸化物;含窒素塩基;グループIの元素、カルシウム、ストロンチウム又はバリウムの酸化物;又は弱酸の共役塩基である。ここにおいて理解されるように、第1の塩基の選択は、ハンドウォッシュを生成するために実施される方法に影響を及ぼす。含窒素塩基を使用する場合、アミン塩は、ケン化反応後に残留する過剰の第1の含窒素塩基を中和することによって(この場合、生成時、セッケン中に存在する)、又は別個のプロセスにおいて、同じ第1の含窒素塩基又は異なる第2の含窒素塩基を中和することによって(この場合、続いて、ケン化反応において生成されたセッケンに添加される)生成される。第1の塩基が、水酸化物;グループIの元素、カルシウム、ストロンチウム、又はバリウムの酸化物;又は弱酸の共役塩基が選ばれるものである場合には、アミン塩は、過剰の前者の塩基を中和することによって生成され、第2の含窒素塩基は中和されてアミン塩を生成する。
【0011】
場合によっては、過剰の含窒素塩基又は第2の含窒素塩基を中和するために、第2の酸が使用される。このように、既に述べたように、「第1の」は、ケン化反応において使用する酸及び塩基に関し、一方、「第2の」は、アミン塩基を生成するために使用される酸及び塩基に関するが、含窒素塩基が使用される場合には、含窒素塩基は、第1の及び第2の塩基の両方として作用できる。第2の酸と過剰の第1の含窒素塩基又は第2の含窒素塩基との間の酸−塩基中和を介して生成されたアミン塩は、抗菌剤と組み合わされる場合には、驚くべき抗菌特性を有することが認められた。
【0012】
セッケンは、第1の脂肪酸及び第1の塩基から生成される。第1の脂肪酸は、粗製の脂肪動物性油又は選択されたカルボン酸に由来するものである(一般的に、粗製の脂肪を使用することは望ましくはない)。粗製の脂肪は、公知の動物性油、植物性油等を含み、一般に、少なくとも1(ただし、3以下)の脂肪酸と結合したグリセロールを有する。カルボン酸(粗製の脂肪より好適である)は、主脂肪鎖に炭素原子6−40個を含有するカルボン酸から選ばれる。他の具体例では、カルボン酸としては、主脂肪鎖に炭素原子6−20個を含有するものが選ばれる。
【0013】
好適なカルボン酸としては、アラキン酸、アラキドン酸、ミツロウ酸、ベヘン酸、ココナッツ油酸、コーン油脂肪酸、綿実油酸、エルカ酸、水素化綿実油酸、水素化メンヘーデン油酸、水素化パーム油酸、水素化獣脂酸、ヒドロキシステアリン酸、異性化リノール酸、異性化ベニバナ油酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、リノール酸、ミリスチン酸、オレイン酸、オリーブ油酸、パーム油酸、パルミチン酸、パーム核油酸、ピーナッツ油酸、ペラルゴン酸、ナタネ油酸、米ぬか油酸、リシノール酸、ベニバナ油酸、大豆油酸、ステアリン酸、ヒマワリ油酸、トール油酸、獣脂酸、ウンデカン酸、ウンデシレン酸、及びコムギの胚種油酸がある(これらに限定されない)。前記の酸の混合物も使用できる。特別な具体例では、ラウリン酸が好適である。
【0014】
ケン化反応には、水酸化物、含窒素塩基、グループI、Ca、Sr、又はBaの酸化物及び弱酸の共役塩基を含む各種の第1の塩基が選ばれる。含窒素塩基は、究極的には、ハンドウォッシュの所望のアミン塩を調製するために使用され、このように、含窒素塩基がケン化反応用の第1の塩基として使用されない場合には、アミン塩基を調製するために、含窒素塩基は第2の塩基として使用されなければならない。含窒素塩基が第1の塩基として使用される場合には、アミン塩が、直接、セッケン溶液中で生成される。さらに詳しくは、過剰量の含窒素塩基がケン化反応において使用され、この反応が終了した後、過剰分が第2の酸によって中和されて、その場で、アミン塩が生成される。ハンドウォッシュの製法を、以下に、さらに詳しく記載する。
【0015】
含窒素塩基(第1の又は第2の)は、アンモニア及び実質的に各種のヒドロキシル化含窒素塩基から選ばれる。好適な含窒素塩基としては、2-アミノブタノール、アミノエチルプロパンジオール、アミノメチルプロパノール、アミノプロパンジオール、ビス-ヒドロキシエチルトロメタミン、ブチルジエタノールアミン、ブチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジイソプロピルアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、エチルエタノールアミン、イソプロパノールアミン、イソプロピルアミン、メチルエタノールアミン、メチルグルカミン、モルホリン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トロメタミンがある(これらに限定されない)。前記のものの混合物も使用できる。特別な具体例では、モノエタノールアミンが好適である。
【0016】
使用に適する他の第1の塩基としては、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、及び水酸化ナトリウムのような水酸化物;酸化カルシウム、及び酸化ナトリウムのような金属酸化物;及びリン酸二カリウム、リン酸二ナトリウム、炭酸マグネシウム、三リン酸五カリウム、三リン酸五ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、及びリン酸三ナトリウムのような弱酸の共役塩基がある。第1の塩基として、これらの他の第1の塩基の1以上を使用し、使用される含窒素塩基が充分な過剰量ではない場合には、含窒素塩基は、第2の塩基として使用されなければならない。
【0017】
過剰の含窒素塩基又は第2の含窒素塩基を中和するために使用される第2の酸は、一般に、酸無水物及び有機酸及び無機酸の各種の酸から選ばれる。好適な有機化合物としては、カルボン酸、有機酸無水物及び混合した酸無水物がある(これらに限定されない)。中和剤として有用な第2の酸の例(限定されない)としては、酢酸、乳酸、及びグリコール酸のような直鎖状のカルボン酸;アセチルサリチル酸のような単素環式カルボン酸;ニコチン酸のような複素環式カルボン酸;安息香酸のような芳香族カルボン酸;イソプロパン酸のような分枝状脂肪族カルボン酸;シュウ酸及びコハク酸のような多塩基酸;及び無水安息香酸及びリン酸無水物のような有機に及び混合の酸無水物がある。好適な無機酸としては、硫酸及びリン酸のような強又は弱多塩基酸;硫酸水素ナトリウムのようなモノ塩基性の弱酸;ハロゲン化水素及び過塩素酸のようなモノ塩基性の強酸;及び二酸化炭素のような無機酸無水物がある(これらに限定されない)。特別な具体例では、乳酸が最適である。
【0018】
抗菌性ハンドウォッシュは、少なくとも1の抗菌剤(一般に、消毒に適する許容されるtime-kill抗菌活性を示す化合物を表す用語として評価されている)を含有する。さらに詳しくは、ハンドウォッシュは、グラム陽性及びグラム陰性の両微生物に対して有効な活性を有する。この明細書については、用語「抗菌剤」は、グラム陰性細菌、特に、肺炎桿菌(Klebsiella Pheumaniae)及びグラム陽性細菌、特に、黄色ブドウ球菌(Staphyrococcus aureus)の両方について、2以上のlog kill reductionを有する組成物をカバーするものである。
【0019】
特別な具体例では、ハンドウォッシュの抗菌剤は、ビスグアニジン、4級アンモニウム化合物、ベンジルアルコール、トリハロカルボアニリド、ヨウ素含有化合物、及びフェノール化合物からなる群から選ばれる。これらの混合物も使用できる。特別な具体例では、フェノール化合物が使用される。
【0020】
本発明において有用なフェノール系抗菌剤は、下記の化合物によって例示され、単独で又は組み合わせて使用される:
(a)2-ヒドロキシジフェニル化合物
【化1】

(ここで、Yは塩素又は臭素であり;Zは、SO2、H、NO2又はC1‐C4アルキルであり;rは0−3であり;oは0−3であり;pは0又は1であり;mは0又は1であり;及びnは0又は1である。)
【0021】
好適な具体例では、Yが塩素又は臭素であり;mが0であり;nが0又は1であり;oが1又は2であり;rが1又は2であり;及びpが0である。本質的に好適な具体例では、Yが塩素であり;mが0であり;nが0であり;oが1であり;rが2であり;及びpが0ある。特に有用な2-ヒドロキシフェニル化合物は、構造式
【化2】

を有し(一般名称「トリクロサン」)、商品名IRGASAN DP 100としてCiba Specialty Chemicals Corp.(Greensboro, N.C.)から市販されている。他の有用な2-ヒドロキシジフェニル化合物は、2,2'-ジヒドロキシ-5,5'-ジブロモジフェニルエーテルである。さらに、ビスフェノール化合物は、米国特許第6,113,933号に開示されており、この特許を引用して本明細書に組み込む。
【0022】
(b)フェノール誘導体
【化3】

(ここで、R1は、水素、ヒドロキシ、C1‐C4アルキル、クロロ、ニトロ、フェニル、又はベンジルであり;R2は、水素、ヒドロキシ、C1‐C6アルキル、又はハロであり;R3は、水素、C1‐C6アルキル、ヒドロキシ、クロロ、ニトロ、又はアルカリ金属塩又はアンモニウム塩の形のイオウであり;R4は、水素又はメチルであり;及びR5は、水素又はハロゲンであり:ハロゲンは、ブロモ、又は好ましくはクロロである。)
【0023】
フェノール誘導体の特殊な例としては、クロロフェノール(o-、m-、p-)、2,4-ジクロロフェノール、p-ニトロフェノール、ピクリン酸、キシレノール、p-クロロ-m-キシレノール、クレゾール(o-、m-、p-)、p-クロロ-m-クレゾール、ピロカテコール、レゾルシノール、4-n-ヘキシルレゾルシノール、ピロガロール、フロログリシン、カルバクロール、チモール、p-クロロチモール、o-フェニルフェノール、o-ベンジルフェノール、p-クロロ-o-ベンジルフェノール、フェノール、4-エチルフェノール、及び4-フェノールスルホン酸がある(これらに限定されない)。他のフェノール誘導体は、WO98/55096及び米国特許第6,113,933号に例示されており、これら特許明細書を引用して本明細書に組み込む。
【0024】
(c)ジフェニル化合物
【化4】

(ここで、Xはイオウ又はメチレン基であり;R1及びR1'はヒドロキシであり;R2、R2'、R3、R3'、R4、R4'、R5及びR5'は、相互に独立して、水素又はハロである。)
【0025】
ジフェニル化合物の例としては、ヘキサクロロフェン、テトラクロロフェン、ジクロロフェン、2,3-ジヒドロキシ-5,5'-ジクロロフェニルスルフィッド、2,2'-ジヒドロキシ-3,3',5,5'-テトラクロロフェニルスルフィッド、2,2'-ジヒドロキシ-3,3',5,5',6,6'-ヘキサクロロジフェニルスルフィッド及び3,3'-ジブロモ-5,5'-ジクロロ-2,2'-ジヒドロキシジフェニルスルフィッドがある(これらに限定されない)。他のジフェニル化合物は、WO98/55096に開示されており、これを引用して本明細書に組み込む。
【0026】
特別な具体例では、フェノール系抗菌剤は、トリクロサン、2,2'-ジヒドロキシ-5,5'-ジブロモジフェニルエーテル、pcmx、オルト-フェニルフェノール及びその混合物から選ばれる。
【0027】
公知のように、消費者用のハンドウォッシュを製造するために、一般的には、追加の化合物を使用する。これらの化合物としては、泡調節剤、pH調節剤、皮膚軟化剤、保湿剤、スキンコンディショニング剤、着色料及び香料がある(これらに限定されない)。ここで、これらは、当分野において公知の量及び理由で使用される。
【0028】
本発明のハンドウォッシュを製造する方法としては2種類存在する。ここで、「超塩基」として記載する方法によれば、第1の含窒素塩基と第1の脂肪酸との間のケン化反応を、水溶液中で、過剰の第1の含窒素塩基を使用して行う。ケン化反応を過剰の塩基の存在下で行うことは普通であるが、本発明では、この一般的な方法に加えて、過剰の塩基からアミン塩をその場で生成する。ケン化が完了した後、過剰の塩基を第2の酸にてポスト滴定して、セッケン溶液中において直接アミン塩を生成する。ここで、「当量ケン化」として記載する方法によれば、ケン化反応は、第1の含窒素塩基及び第1の脂肪酸のほぼ当量で行われ、このため、ケン化後に、過剰の第1の含窒素塩基はほぼ存在しない。この場合、「超塩基」法におけるような、その場での生成ではなく、アミン塩はセッケン溶液に添加される。
【0029】
「超塩基」法(ケン化反応において、第1の含窒素塩基及び第1の脂肪酸を使用する)において、遊離脂肪酸に対するアルカリ度についてのモル/モル比は、一般的に行われているケン化反応では、0.8/1〜1.25/1であるのに対して、好ましくは、約1.5/1〜3/1である。ケン化が完了した後、過剰の含窒素塩基を、第2の酸にて、アルカリ度/総酸比が約0.8/1〜1.25/1となるまでポスト滴定する(ここで、「総酸比」は、ケン化反応において使用した第1の脂肪酸及びアミン塩を生成するために使用した第2の酸の両方のモル数を考慮したものである)。これらの比は、単に好適なものである。開示した比は、コストを考慮した場合には好適なものであり、ほとんどいかなる量で存在する場合にも、アミン塩が生成されることが理解されなければならない。
【0030】
「当量ケン化」法では、遊離脂肪酸に対するアルカリ度についてのモル/モル比は、実質的1/1であり、従って、ケン化反応の完了時、過剰な塩基はほとんど存在しない。この方法は、使用する第1の塩基が含窒素塩基ではなく、このため、「超塩基」法におけるように、その場でアミン塩を提供することができない場合に、最も好適に使用される。アミン塩は、別のプロセスで生成されるか、又は購入して、これをセッケン溶液に添加するか、又はセッケン溶液に第2の含窒素塩基を添加し、その後、これを第2の酸にて中和することによって生成される。この場合も、アミン塩は、ほとんどいかなる量ででも存在するように添加されるが、最終ハンドウォッシュ処方の約20質量%以下となるように添加することが好ましい。
【0031】
いずれのケン化法についても、溶液のpHは同一である。好適なpHは7〜10.5である。
【0032】
本発明は、大過剰量の塩基を使用し、過剰の塩基を、第2の酸にて、約0.8/1〜1.25/1のアルカリ度/総酸比に滴定する点で、現行技術に逆行するものである。通常のケン化プロセスは、約0.8/1〜1.25/1のアルカリ度/総酸比で行われている。
【0033】
例えば、フェノール系抗菌剤を使用する場合のように、抗菌剤が限られた水溶解度を有する場合には、抗菌剤は、「活性プレミックス(ハイドリック溶媒に溶解された抗菌剤の溶液)」としてセッケン溶液に添加される。溶媒としては、アルコールのような1価アルコール又はグリコールのような多価アルコールから選ばれる。最も好適な化合物は、炭素原子およそ8個程度の短い炭素鎖の多価化合物塩基であるが、これより長い鎖の化合物も使用できる。抗菌剤(プレミックス又は単独)は、ケン化反応の完了後、いつでも添加される。特別な具体例によれば、抗菌剤は、最終処方の0.01〜10質量%で含有され、他の具体例では、0.05〜7.5質量%、さらに他の具体例では、01〜1質量%で含有される。
【0034】
本発明のハンドウォッシュ処方は、一般的に、第1の脂肪酸約0.01〜17.5質量%;第1の塩基0.005〜25質量%;及び抗菌剤約0.01〜10質量%を含有する。特別な具体例では、第1の脂肪酸は、最終処方の約0.05〜17.5質量%で含有され、さらに他の具体例では、約0.1〜15質量%で含有される。特別な具体例では、第1の含窒素塩基は、最終処方の約0.025〜25質量%で含有され、他の具体例では、約0.05〜22質量%で含有される。第2の塩基は、第1の塩基と同一であるか否かにかかわらず、当量ケン化に要求される量を超えるいずれかの量である。第2の塩基は、約0.005〜22.5質量%、さらに他の具体例では、約0.025〜22.5質量%、特に、約0.05〜20質量%である。第2の酸は、ハンドウォッシュ処方の約0.008〜25質量%で含有され、さらに他の具体例では、約0.04〜25質量%、特に、約0.09〜22.5質量%で含有される。
【0035】
実践的な1具体例によれば、モノエタノールアミンは第1の及び第2の塩基の両方であり、第2の酸としての乳酸と反応してアミン塩(乳酸モノエタノールアンモニウムと考えられる)を生成する。図1は、化学反応を示す。図示するように、酸及び塩基は1モル/1モルの比で反応する。乳酸は一塩基酸であり、このプロトンは、この反応の間に転移されるものであり、カルボキシレートアニオンを生成する。モノエタノールアミンに見られるアミン基は、窒素上の孤立電子対を経由して、乳酸からプロトンを受け取る。ついで、このプロトンはアンモニウムカチオンを生成する。
【0036】
反応は自然発生的に生じ、この反応の質(検討が必要である)を決定する反応体の1つの明確な特性がある。第1に、反応は発熱性であり、高温における有害な影響のため、温度を監視する必要がある。高温では、アミン基の喪失を介して、モノエタノールアミンの酸化が促進される。反応は、発生される熱が分散され、モノエタノールアミンを劣化させないようにゆっくりと行われなければならない。これは他の含窒素塩基についても同様であり、反応にマイナスの影響を及ぼすことを回避するため、考慮されなければならない。
【0037】
アミン塩の生成のため、pHは、生成物の弱共役塩基と弱共役酸との間の複雑な平衡によって決定される。モノエタノールアンモニウムは、乳酸からピックアップされたプロトンを水に提供する。また、乳酸の陰性部分を介するプロトンの吸収が生ずる。塩を生成するために使用される酸及び塩基に基いてpHを計算するための化学反応式の導出を以下に示す:
Bはモノエタノールアミンを表し、Aはラクテートを表す。
共役酸の解離を発端として:
【化5】

水の解離を考慮すると:
【化6】

化学反応式1及び2を合わせると:
【化7】

共通項を消去して、残りは:
【化8】

次に、酸の解離を考慮すると:
【化9】

化学反応式4及び5を合わせると:
【化10】

[A−]は、当量点では、[BH+]と等しく、[HA]は[B]に等しい:
【化11】

化学反応式を処理して、溶液のpHを求めると:
【化12】

【0038】
好適な具体例(乳酸(pKa 3.86)及びモノエタノールアミン(pKb 4.56))について、当量点におけるpHは6.65である。この点を図2において実証する。反応の自発性のため、酸/塩基の比については、ほぼ当量であることが最も好ましいが、各種の割合であることが可能である。
【0039】
得られる溶液は、反応条件に応じて、外観的にわずかに変動する。反応がゆっくりと行われ、熱が分散される場合には、溶液は無色であるが、反応が迅速に行われ、熱が蓄積する場合には、モノエタノールアミンの酸化のため、溶液は琥珀色となる。溶液は、わずかに、蜂蜜様の香りを有する。溶液の粘度の上昇が固有の特性として観察される。2つの薄い水性液を原料とする場合には、最終溶液は、粘度約1500−3000 cPsを有する。
【0040】
多数の抗菌剤が存在するが、最も好適な具体例は、ハロゲン化ジフェニルエーテルを含有する。具体的には、pcmx及び/又はトリクロサンの使用が最も望ましい。これら2種の化合物、中でもトリクロサンは、アミン塩と反応して、より効果的なハンドウォッシュを生成する。この傾向を規定する仮説は、負に帯電されたトリクロサン置換基(塩素及びヒドロキシル基)及びアミン基において見られる正の電荷の間の電荷相互作用として表される。トリクロサンはpKa値7.4を有し、従って、ハンドウォッシュの所望のpHでは、トリクロサンは解離して、負の電荷を有する。アミン上の正の電荷が、トリクロサン上の負の電荷に引っ張られ、このようにして、トリクロサンがキレート化され、沈殿することが阻止される。
【0041】
アミン塩を含有するハンドウォッシュの抗菌特性は、アミン塩を含有しないハンドウォッシュと比べて改善される。この改善は、広範な抗菌スペクトラム及び迅速な阻害において認められる。殺菌が困難な微生物、特に、黄色ブドウ球菌(MRSA)(ATCC33591)について、露出時間30秒で、log reductionが2であることが望ましいが、このハンドゥオッシュは、グラム陽性の黄色ブドウ球菌(MRSA)(ATCC33591)及び志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)(ATCC13313)の両方について、2以上のlog reductionを提供する。
【0042】
実験
【実施例1】
【0043】
第1の含窒素塩基と第1の脂肪酸とのケン化反応を介してセッケンを生成する際に、過剰の塩基の添加を検討した。過剰の塩基から生ずる高pHが、皮膚に対する刺激性を生じ、ハンドウォッシュのスキンケア特性に悪影響を及ぼすため、過剰の塩基を第2の水溶性の酸で中和した。第1のコントロール(コントロール1)について、過剰の塩基を使用しないで生成したハンドウォッシュを、第2の酸にて中和した過剰の塩基を含有するハンドウォッシュと平行してテストした。第2のコントロール(コントロール2)では、過剰の塩基が存在するが、続く第2の酸による中和を行っていない。ハンドウォッシュは、抗菌剤、すなわち、トリクロサンを含む。塩基はモノエタノールアミンである。第1の酸はラウリン酸であり、第2の酸は乳酸である。
【0044】
トリクロサンをジプロピレングリコールに溶解して、「活性プレミックス」を調製した。モノエタノールアミンを水に添加し、ついで、ラウリン酸を添加した。ケン化を完了させた後、乳酸を添加して過剰の塩基を中和すると共に、溶液がpH 9.25となるまで添加した。ついで、溶液に活性プレミックスを添加して、抗菌性ハンドウォッシュを生成した。成分及び量は次のとおりである。

過剰塩基 コントロール1 コントロール2
水 100gとなる量 100gとなる量 100gとなる量
乳酸 5g 5g 5g
モノエタノールアミン 3.833g 1.7g 3.833g
ラウリン酸 pH 9.25となる量 N/A N/A
ジプロピレングリコール 3g 3g 3g
トリクロサン 0.3g 0.3g 0.3g
pH 9.22 pH 9.21 pH 10.30
【0045】
各溶液について、log reductionテストを行った。処方の1白金耳量(約10μl)を、微生物培養液(黄色ブドウ球菌ATCC6528)に15秒間入れることによってサンプルをテストした。ついで、培養液からサンプルを取出し、平板培養した。細菌を生育し、ついで、カウントした。下記に示すlog reduction値が得られた。

コントロール1: log reduction 0.6
過剰塩基: log reduction 4.0
コントロール2: log reduction 1.3
【0046】
過剰な塩基を使用し、続いて、第2の酸で中和した抗菌性ハンドウォッシュについては、log reductionの劇的な増大が認められる。これは、中和された過剰な塩基がハンドウォッシュの抗菌特性を改善することを示唆している。
【実施例2】
【0047】
過剰な第1の含窒素塩基及び第2の中和用の酸の使用による生成物の効力の助長があるため、別の塩基についてテストした。弱塩基は、得られる抗菌性ハンドウォッシュを使用する際に経験される皮膚刺激性の度合を、さらに低減できるため、このテストの目的は、使用に適する弱塩基を発見することにある。実施例1と同じではあるが、異なる塩基を使用する方法によって、サンプルを調製した。塩基が異なる分子量を有するため、各サンプルにおいて使用する割合(百分率)は異なる。各サンプルに、同じ分子数が存在し、これにより、最終ハンドウォッシュにおけるアミン塩が同じ濃度となるようにした。上述のように、実施例1と同じ方法を使用したが、ただし、塩基を、モノエタノールアミンに代えて、下記の化合物を使用した。
代わりに使用した塩基:
トリエタノールアミン 9.355g Equistar(米国)
アミノメチルプロパン(AMP-95) 5.525g ANGUS Chemical(米国)
テトラヒドロキシプロピルエタンジアミン(Neutrol TE)
10.29g BASF(米国)
【0048】
次のとおりlog reductionが算定された。
トリエタノールアミンハンドウォッシュ 4.1
AMP-95ハンドウォッシュ 1.4
Neutrol TEハンドウォッシュ 1.7
【0049】
これらのハンドウォッシュは弱塩基を使用しているため良好な皮膚適合性を有しているにもかかわらず、これらの抗菌性ハンドウォッシュに関するlog reductionは、実施例1のモノエタノールアミン系抗菌性ハンドウォッシュに関するほど高いものではなかった。
【実施例3】
【0050】
この実施例では、ケン化反応後に存在する過剰の塩基の中和における使用に関して、他の酸の使用、すなわち、実施例1で使用した乳酸を他の酸にて交換することを検討した。実施例1に従って、ただし、乳酸の代わりに他の酸を使用して、サンプルを調製した。過剰の塩基及び第2の酸が存在しないサンプルも調製した。サンプルを、各酸にて、pH9.2±0.10に調節し、ついで、log reduction特性をテストした。テストした酸は次のとおりである。

pH log reduction
無し N/A 10.15 1.6
塩酸 47.66g 9.19 3.1
リン酸 1.52g 9.17 3.5
硫酸 12.20g 9.18 3.4
アスコルビン酸 4.68g 9.17 4.4
リンゴ酸 1.87g 9.12 2.8
コハク酸 1.75g 9.17 2.8
グリコール酸 2.04g 9.16 3.0
酢酸 43.68g 9.19 2.2
【0051】
高pHサンプルから、ハンドウォッシュの効力に関しては、アミン塩が重要であることが明白に理解される。テストした各種の酸は、すべて、ハンドウォッシュのlog reduction特性を劇的に改善した。塩酸、硫酸、及び酢酸は、他の酸(溶液又は結晶)と比べて、2つの溶液が希薄であるため、多量での使用を必要とした。
【実施例4】
【0052】
この実施例では、第2のアミン酸にて中和された塩基(すなわち、アミン塩)が、初めのケン化反応後に残った過剰の塩基から、ハンドウォッシュ内で生成されるか、又はアミン塩が、別個の添加物として、過剰の塩基が存在しない条件下で生成されたセッケン溶液に添加されるかを決定するため、テストを行った。モノエタノールアミン及び乳酸を、水中において、中和して、別の「中和溶液(すなわち、ケン化反応において、モノエタノールアミンが過剰には存在しない)」とした。中和溶液は、次のように構成される。
水 122.34g
モノエタノールアミン 45.81g
乳酸 76.90g
【0053】
モノエタノールアミンを水に溶解し、この溶液に乳酸をゆっくりと添加した(あまり迅速に添加する場合には、中和反応系から分散されない熱がモノエタノールアミンを劣化するためである)。劣化は、混合物が無色透明から暗い琥珀色に変色することによって認識される。実施例1と同様にして、ただし、過剰の塩基(モノエタノールアミン)を使用することなく、ハンドウォッシュを生成した。ついで、溶液を4つに分け、中和溶液を各種の量で添加した。
【0054】
ハンドウォッシュ処方
水 100gとなる量
乳酸 5g
モノエタノールアミン 1.7g
ジプロピレングリコール 3g
トリクロサン 0.3g
中和溶液 下記の表参照

サンプル 処方の量 中和溶液の量 水の量 log reduction
A 87.2g 12.8g 0g 4.7
B 87.2g 6.4g 6.4g 3.7
C 87.2g 3.2g 8.6g 3.1
D 87.2g 0g 12.8g 2.1
【0055】
乳酸モノエタノールアンモニウムの量は、log reductionに直接比例する。
【実施例5】
【0056】
ここに記載のハンドウォッシュは、ハンドウォッシュ処方における有益な特性に関して、一般的に評価されている任意の成分を含有する好適なハンドウォッシュである。製造プロセスは、ジプロピレングリコールへのpcmxの溶解、ラウリン酸のモノエタノールアミンによるケン化、及び残りの成分の水への添加を包含する。

成分 供給者
水 100gとなる量 −
エチルアルコール 10g Grain Processing Corp.(米国)
ラウリン酸 5g Proctor & Gamble(米国)
モノエタノールアミン 3.833g Equistar Chemicals(米国)
ジプロピレングリコール 3g Huntsman(米国)
乳酸(90% USP) 2.733g Purac(米国)
Polozamer 124 1g BASF(米国)
Pcmx 0.505g Netchem Inc.(米国)
Versene 100 0.5g BASF(米国)
メチルパラベン 0.3g RITA Corp.(米国)
プロピルパラベン 0.3g RITA Corp.(米国)
メタ重亜硫酸ナトリウム 0.1g Esseco Genetal Chemistry(米国)
【0057】
ついで、サンプルを、微生物を含有するサンプルに接種した(2重検査)。2個のサンプルの1個を15秒の時点で、第2のサンプルを30秒の時点で中和した。ついで、サンプルを平板培養、インキュベートし、その後、カウントした。データを下記のように示す。
【表1】



【0058】
サンプルは、広範なスペクトラム、これらテストした17種の微生物に対する迅速に作用する活性を有している。
【0059】
上述のように、本発明の方法は、抗菌性ハンドウォッシュを提供すると同時に、従来の技術を実質的に改善するものであることが明白である。本発明の好適な具体例のみを詳細に述べたが、本発明はこれらに限定されない。発明の範囲は、請求の範囲に含まれるすべての変形及び変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の具体例による乳酸とモノエタノールアミンとの間の仮説に基づく反応式を示す図である。
【図2】明細書に記載の反応式の正当性を実験的に証明するモノエタノールアミン−乳酸の中和に関する滴定曲線を表す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌性ハンドウォッシュであって、セッケン;及び酸無水物、有機酸及び無機酸から選ばれる中和用の酸にて中和された含窒素塩基の反応生成物を含有することを特徴とする、抗菌性ハンドウォッシュ。
【請求項2】
セッケンが、第1の塩基と第1の脂肪酸との間のケン化反応を介して生成されたものであり、前記第1の塩基が、水酸化物;アンモニア、アルコール含有含窒素塩基;グループI元素、カルシウム、ストロンチウム又はバリウムの酸化物;及び弱酸の共役塩基からなる群から選ばれるものであり、前記第1の脂肪酸が、粗製油脂及び主脂肪鎖に炭素数6−40を有するカルボン酸から誘導される脂肪酸からなる群から選ばれるものである、請求項1記載の抗菌性ハンドウォッシュ。
【請求項3】
第1の塩基が、2-アミノブタノール、アミノエチルプロパンジオール、アミノメチルプロパノール、アミノプロパンジオール、ビス-ヒドロキシエチルトロメタミン、ブチルジエタノールアミン、ブチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジイソプロピルアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、エチルエタノールアミン、イソプロパノールアミン、イソプロピルアミン、メチルエタノールアミン、メチルグルカミン、モルホリン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トロメタミン、及びその混合物から選ばれる含窒素塩基である、請求項2記載の抗菌性ハンドウォッシュ。
【請求項4】
第1の脂肪酸が、アラキン酸、アラキドン酸、ミツロウ酸、ベヘン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、C10-40ヒドロキシアルキル酸、C32-36イソアルキル酸、ココナッツ油酸、コーン油脂肪酸、綿実油酸、エルカ酸、水素化綿実油酸、水素化メンヘーデン油酸、水素化パーム油酸、水素化獣脂酸、ヒドロキシステアリン酸、異性化リノール酸、異性化ベニバナ油酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、リノール酸、ミリスチン酸、オレイン酸、オリーブ油酸、パーム油酸、パルミチン酸、パーム核油酸、ピーナッツ油酸、ペラルゴン酸、ナタネ油酸、米ぬか油酸、リシノール酸、ベニバナ油酸、大豆油酸、ステアリン酸、ヒマワリ油酸、トール油酸、獣脂酸、ウンデカン酸、ウンデシレン酸、及びコムギの胚種油酸でなる群から選ばれるカルボン酸である、請求項3記載の抗菌性ハンドウォッシュ。
【請求項5】
第1の塩基がモノエタノールアミンである、請求項4記載の抗菌性ハンドウォッシュ。
【請求項6】
中和用の酸にて中和される含窒素塩基が、アンモニア及びアルコール含有含窒素塩基から選ばれるものである、請求項1記載の抗菌性ハンドウォッシュ。
【請求項7】
中和用の酸にて中和される含窒素塩基が、2-アミノブタノール、アミノエチルプロパンジオール、アミノメチルプロパノール、アミノプロパンジオール、ビス-ヒドロキシエチルトロメタミン、ブチルジエタノールアミン、ブチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジイソプロピルアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、エチルエタノールアミン、イソプロパノールアミン、イソプロピルアミン、メチルエタノールアミン、メチルグルカミン、モルホリン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トロメタミン、及びその混合物から選ばれるものである、請求項6記載の抗菌性ハンドウォッシュ。
【請求項8】
中和用の酸にて中和される含窒素塩基が、モノエタノールアミンである、請求項7記載の抗菌性ハンドウォッシュ。
【請求項9】
中和用の酸が乳酸である、請求項8記載の抗菌性ハンドウォッシュ。
【請求項10】
中和用の酸が、カルボン酸、有機酸無水物及び混合した酸無水物からなる群から選ばれるものである、請求項6記載の抗菌性ハンドウォッシュ。
【請求項11】
中和用の酸が、酢酸、乳酸、グリコール酸、アセチルサリチル酸、ニコチン酸、安息香酸、イソプロパン酸、シュウ酸、コハク、無水安息香酸、混合リン酸無水物、及びその混合物でなる群から選ばれるものである、請求項10記載の無機酸無水物抗菌性ハンドウォッシュ。
【請求項12】
さらに、ビスグアニジン、4級アンモニウム化合物、ベンジルアルコール、トリハロカルボアニリド、ヨウ素含有化合物、フェノール化合物、及びその混合物からなる群から選ばれる抗菌剤を含有する、請求項1記載の抗菌性ハンドウォッシュ。
【請求項13】
抗菌剤がフェノール化合物である、請求項12記載の抗菌性ハンドウォッシュ。
【請求項14】
抗菌性ハンドウォッシュであって、セッケン;抗菌剤;及び乳酸にて中和されたモノエタノールアミンの反応生成物を含有することを特徴とする、抗菌性ハンドウォッシュ。
【請求項15】
抗菌性ハンドウォッシュを生成する方法であって、
第1の脂肪酸と第1の含窒素塩基との間のケン化を介してセッケンを生成する工程であって、ケン化において、第1の含窒素塩基/第1の遊離脂肪酸のアルカリ度に関するモル/モル比が約1.5/1−3/1であり、これにより、ケン化後、過剰の第1の含窒素塩基が存在するセッケンの生成工程;
過剰の第1の含窒素塩基を、カルボン酸、有機酸無水物及び混合した酸無水物からなる群から選ばれる第2の酸と反応させて、アミン塩を生成する工程
を包含することを特徴とする、抗菌性ハンドウォッシュの製法。
【請求項16】
第1の脂肪酸が、粗製油脂及び主脂肪鎖に炭素原子6−40個を含有するカルボン酸から誘導される脂肪酸からなる群から選ばれるものである、請求項15記載の製法。
【請求項17】
さらに、ハイドリック溶媒にフェノール系抗菌剤を溶解して活性なプレミックスを生成する工程;及び活性プレミックスをセッケンと混合する工程を包含する、請求項15記載の製法。
【請求項18】
第1の含窒素塩基がモノエタノールアミンであり、第2の酸が乳酸である、請求項17記載の製法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−56912(P2008−56912A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−195824(P2007−195824)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(506190555)ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド (44)
【Fターム(参考)】