説明

抗C型肝炎ウイルス活性を有する置換アミノチアゾール誘導体

本発明は、式I


(式I)
(式中、Aは、


の基であり、可変部分RおよびR〜Rは、本明細書に記載されている)のアミノ置換アミノチアゾール化合物を提供する。これらの化合物は、ウイルス複製の阻害剤として有用である。かかる化合物を含有する組成物、およびこれらの化合物によるウイルス感染治療の方法、ならびにかかる化合物を調製するために有用なプロセスおよび中間体もまた本発明によって提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換アミノチアゾール誘導体類を提供する。本発明は、また、そのような化合物類を調製する方法も包含する。本発明は、さらに、置換アミノチアゾール誘導体類を含有する医薬品組成物およびC型肝炎感染症を治療するために該化合物を使用する方法を含めたそのような化合物の使用方法を包含する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願への相互参照)
本出願は、全体として本願に引用して援用する2006年3月8日出願の米国特許仮出願第60/780,609号からの優先権を主張する。
【0003】
本発明は、大まかにはC型肝炎ウイルス阻害活性を有する化合物に関する。
【0004】
世界で推定1億7千万の人々が、C型肝炎ウイルス(HCV)、つまり、非A、非B型ウイルス性肝炎の病原因子、に感染していると報告されている。HCV感染の70〜80%は、慢性感染症に至り、言い換えると、肝線維症、肝硬変、および肝細胞癌を含む重度の肝疾患をもたらす可能性がある(ラウア(Lauer) G.M.およびウォーカー(Walker) B.D.のN. Engl. J. Med. (2001), 345, 41-52)。
【0005】
現在、1つのHCV治療は、αインターフェロンとリバビリンの組合せを使用して、40%の患者において持続効果をもたらしている(ポイナルド(Poynard) T.他のLancet (1998), 352, 1426-1432)。臨床結果は、ペグ化したαインターフェロンは、単剤治療としては無変性のαインターフェロンより優れていることを示した(ツォイゼム(Zeuzem) S.他のN. Engl. J. Med. (2000), 343, 1666-1672)。しかしながら、ペグ化したαインターフェロンとリバビリンの組合せを使用することによる実験的治療措置をもってしてさえ、患者の大部分はウイルス量の持続的減少を経験しない。従って、HCV感染症の処置に対する効果的治療法を開発することの明らかな長期間切実に感じられる必要性が存在する。
【0006】
HCVは、フラビウイルス科のヘパシウイルス属を構成し、プラス鎖の9.6kbRNAゲノムを含有する。推定アミノ酸配列の比較および5’非翻訳領域における広範囲に及ぶ類似点に基づいて、HCVは、フラビウイルス科における別個の属として分類されている。フラビウイルス科の全メンバーは、単一の連続した読み取り枠の翻訳による全ての既知のウイルス特異性タンパク質をコード化しているプラス鎖RNAゲノムを含有するエンベロープされたウイルス粒子を有する。
【0007】
かなりの不均一性が、HCVゲノムの至るところでヌクレオチドおよびコード化されたアミノ酸配列中に見出される。少なくとも6個の主要な遺伝子型が特徴付けられており、50を超えるサブタイプが記載されている。HCVの主要な遺伝子型は、世界中でそれらの分布が異なり、HCVの遺伝的多様性の臨床的意義は、病変形成および治療法に対する遺伝子型の推定される影響についての多数の研究にもかかわらず、依然として分かりにくい。
【0008】
1本鎖のC型肝炎ウイルスRNAゲノムは、ほぼ9500個のヌクレオチドの長さであり、約3000個のアミノ酸の単一の大きなポリタンパク質をコード化する単一の読み取り枠(ORF)を有する。感染細胞中で、このポリタンパク質は、多数の部位で細胞プロテアーゼおよびウイルスプロテアーゼにより切断され、構造タンパク質および非構造(NS)タンパク質を生成する。HCVの場合、成熟非構造タンパク質類(NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5A、およびNS5B)の産生は、2つのウイルスプロテアーゼによって達成される。最初の1つは、NS2−NS3接合部で切断するものと考えられ、第2のものは、NS3のN−末端領域内に含まれるセリンプロテアーゼであり、NS3の下流の、NS3−NS4A切断部位におけるシスにおけるのと、残りのNS4A−NS4B部位、NS4B−NS5A部位、NS5A−NS5B部位に対するトランスにおけるのとの両方のその後の切断の全てを媒介する。NS4Aタンパク質は、複数の機能を果たすようであり、NS3プロテアーゼに対する共同因子として作用し、NS3およびその他のウイルスレプリカーゼ成分の膜への局在化をおそらく支援する。NS3タンパク質のNS4Aとの複合体形成は、全ての部位におけるタンパク質分解効率を高めるプロセシング現象にとって必要のようである。NS3タンパク質は、また、ヌクレオシドトリホスファターゼおよびRNAヘリカーゼ活性を示す。NS5Bは、HCVの複製に関与するRNA依存性のRNAポリメラーゼである。
【0009】
選択的なHCVセリンプロテアーゼ阻害剤としてHCV複製を阻害する効果を示した化合物の中には、米国特許第6,323,180号に開示されているペプチド化合物類がある。
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,323,180号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それでもなお、HCVにより苦しめられている患者を治療するより有効な手段に対する必要性が残存している。本発明はこの必要性を満たし、本明細書に記載の更なる利点を提供する。
【0012】
本発明は、大まかにはHCVを阻害する方法、およびそのような方法に有用な化合物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一態様において、本発明は、式Iの化合物およびその薬学的に許容できる塩を包含する。
【化1】


(式I)
【0014】
式I中、可変部分A、R、およびR〜Rは、以下に示す定義を伴う。
【0015】
Rは、−C(O)R、−C(O)CH、−N=CHR、モノ−もしくはジ−(C〜Cアルキルアミノ)C〜Cアルキル、または置換されていてもよいC〜Cアルキルである。
【0016】
は、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシであるか、Rは、C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルキルアミノ、ジ−(C〜C)(C〜C10)アルキルアミノ、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルコキシ、(5員または6員ヘテロシクロアルキル)C〜Cアルキル、(5員または6員ヘテロシクロアルキル)C〜Cアルコキシ、(アリール)C〜Cアルキル、または(アリール)C〜Cアルコキシであり、そのそれぞれは置換されていてもよい。
【0017】
は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cハロアルコキシから独立に選択される0、1、または2個の置換基である。
【0018】
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、または(モノ−もしくはジ−C〜Cアルキルアミノ)C〜Cアルキルである。
【0019】
Aは、置換されていてもよいC〜Cアルキル、置換されていてもよいC〜C10アリール基、または置換されていてもよい5員〜10員複素環基であり、それぞれが、中央のチアゾール基に向けて結合しているか、リンカーQ(Qは−NHC(O)−、−C(O)−、O、S、NH、またはCHである)を介して結合している。
【0020】
は、水素、R、−C(O)OH、−C(O)NHであるか、Raは、C〜Cアルコキシ、(C〜Cアルキルエステル)C〜Cアルキル、(C〜Cアルキルエステル)C〜Cアルコキシ、(モノ−もしくはジ−C〜Cアルキルカルバメート)C〜Cアルキル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル、(5〜10員複素環)C〜Cアルキル、C〜C12ポリエチレンオキシド、またはC〜C10アルキルであり、そのそれぞれは置換されていてもよい。
【0021】
は、水素または置換されていてもよいC〜Cアルキルである。
【0022】
は、ヒドロキシ基または置換されていてもよいアミノ基である。
【0023】
は、
(a)ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、−C(O)OH、−C(O)NH、−PO、C〜Cハロアルキル、またはC〜Cハロアルコキシ、あるいは
(b)それぞれが、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、オキソ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されている、モノ−もしくはジ−C〜Cアルキルアミノ、モノ−もしくはジ−C〜Cアルキルカルボキシアミド、C〜Cアルカノイル、C〜Cアミノアルキル、C〜Cアミノアルコキシ、C〜Cヒドロキシアルキル、またはC〜Cアルキルエステルである。
【0024】
は、
(i)ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、シアノ、ニトロ、−COOH、−CONH、−PO、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cハロアルコキシ;ならびに
(ii)それぞれが、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、オキソ、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されている、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cアルカノイル、モノ−およびジ−C〜Cアルキルホスフェート、C〜Cアルキルエステル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル、または(5員または6員ヘテロシクロアルキル)C〜Cアルキル;
から独立に選択される0個または1個以上の置換基である。
【0025】
あるいは、隣接する炭素原子に結合している任意の2つのRおよびRは、連結して、N、O、およびSから選択される0、1、または2個の環へテロ原子を有する5員環または6員環(該5員環または6員環は、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい)を形成していてもよい。
【0026】
は、
(iii)ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、シアノ、−COOH、−CONH、−PO、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cハロアルコキシ;
(iv)それぞれが、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルコキシ、C〜Cモノ−およびジ−アルキルアミノから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されている、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cアルカノイル、C〜Cアルキルホスフェート、およびC〜Cアルキルエステル;
から独立に選択される0個または1個以上の置換基である。
【0027】
あるいはRは、Rと結合して、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cハロアルコキシから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されている6員のアリール環またはヘテロアリール環を形成している。
【0028】
本発明は、本発明の化合物またはその塩を含み、少なくとも1つの薬学的に許容できる担体を含有する医薬品組成物を包含する。本発明は、また、本発明の化合物を含み、少なくとも1つの更なる活性薬剤を含有する医薬品組成物も包含する。本発明は、容器中に本発明の化合物を含み、さらに患者におけるHCV感染を治療および/または予防するための該組成物の使用説明書を含むパッケージ化された医薬品組成物を包含する。
【0029】
別の態様において、本発明は、C型肝炎感染を治療または予防するための方法であって、かかる治療または予防を必要としている患者に本発明の化合物または塩の有効量を与えるステップを含む方法を提供する。
【0030】
HCVに感染した患者に、体内のHCVレプリコン複製を阻害する十分な濃度の本発明の化合物または塩を投与するステップを含む体内のHCV複製を阻害する方法もまた本発明に含まれる。HCVを含有する試料を、式Iの少なくとも1つの化合物のHCV阻害量で処理するステップを含むHCV活性を阻害する方法が含まれる。その試料は、細胞または組織の試料であり得、試験管内または患者中に存在し得る。
【0031】
本発明のこれらおよびその他の態様は、以下の詳細な説明、実施例および特許請求の範囲を参照することによってさらに明瞭に理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明のいくつかの実施形態に対して、これからその実施例を添付の化学構造および式で示して詳細に論及する。本発明を列挙された実施形態と共に説明するが、当然のことながら、それらは本発明をそれらの実施形態に限定することを意味するものではない。それどころか、本発明は、その実施形態によって明確にされる本発明の範囲に含まれ得る全ての代替物、変形、および均等物を対象にすることを意図している。
【0033】
I.用語
本発明を詳細に示す前に、本明細書で用いられるいくつかの用語の定義を提供することが役立つかもしれない。本発明の化合物は、標準的な命名法を用いて記載されている。別に定義されていない限り、本明細書で使用されている技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって普通に理解されるものと同じ意味を有する。
【0034】
式Iは、そのすべてのサブ式を包含する。例えば、式Iは、式IA、IB、およびICならびにその薬学的に許容できる塩、プロドラッグ、およびその他の誘導体、水和物、多形体などを包含する。
【0035】
商品名が本明細書で使用されるときは、出願人らは、商品名の製品およびその商品名の製品の薬剤活性成分(1つまたは複数)を別々に挙げるつもりである。
【0036】
不定冠詞(「a」および「an」)は、量の限定を意味するのではなく、むしろ少なくとも1つの言及した事項の存在を意味する。用語「または」は、「および/または」を意味する。用語「包含する(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(including)」、および「含む(containing)」は、制限のない用語として解釈すべきである(すなわち、「含有するが、〜に限定されない」ことを意味する)。値の範囲の列挙は、本明細書で別に示されていない限り、その範囲に入るそれぞれの個々の値を個別に表す簡単な表現法として役立つことを単に意図しており、それぞれの個々の値は、あたかもそれが本明細書に個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。すべての範囲の終点は、その範囲に含まれ、単独で合体できる。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書で別に示されていないか文脈によって別にはっきりと否定されない限り適当な順序で実施することができる。ありとあらゆる例、または例示的言語(例えば「のような」)の使用は、単に本発明をよりよく説明することを意図するもので、別段の断りのない限り、本発明の範囲の限定はもたらさない。本明細書中のいずれの言語も、本明細書で使用される場合に、本発明の実施に不可欠な何らかの主張されていない要素を示すものとして解釈すべきではない。他に定義されていない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって普通に理解されるものと同じ意味を有する。
【0037】
「活性薬剤」とは、単独または別の化合物、要素、または混合物と一緒に患者に投与したとき、直接または間接的にその患者に生理学的効果を与える化合物(本発明の化合物を含む)、元素、または混合物を意味する。その間接的な生理学的効果は、代謝物またはその他の間接的機構を介して起こり得る。その活性薬剤が化合物であるとき、その化合物の塩類、遊離化合物の溶媒和物(水和物を含む)、結晶性形状、非結晶性形状、および任意の多形体も含まれる。化合物類は、立体中心、立体軸など、例えば不斉炭素原子のような1つ以上の不斉要素を含有することができ、その結果、その化合物は、さまざまな立体異性体で存在し得る。これらの化合物は、例えば、ラセミ化合物または光学活性体であり得る。2つ以上の不斉要素を備えた化合物については、これらの化合物は、さらにジアステレオマの混合物であり得る。不斉中心を有する化合物については、純粋な形の光学異性体およびそれらの混合物のすべてが網羅される。さらに、炭素−炭素二重結合を有する化合物は、該化合物のすべての異性体で、Z型およびE型が発生し得る。このような状況において、単一の光学異性体、すなわち光学活性体は、不斉合成、光学的に純粋な前駆物質からの合成によるか、またはラセミ化合物の分割によって得ることができる。ラセミ化合物の分割は、例えば、分割剤の存在下での結晶化、または例えばキラルHPLCカラムを用いるクロマトグラフィなどの従来の方法によって達成することもできる。本明細書においてはそれらを得る方法には関係なく全ての形を対象として考える。
【0038】
活性薬剤の全ての形(例えば、溶媒和物、光学異性体、鏡像異性体、多形体、遊離化合物および塩類)を、単独または組合せのいずれかで使用することができる。
【0039】
いくつかの状況において、本発明の化合物は、キラル中心、立体軸などを含む立体中心、例えば不斉炭素原子などの1つ以上の不斉要素を含有することができ、その結果該化合物はさまざまな立体異性体として存在することができる。これらの化合物は、例えば、ラセミ化合物または光学活性体であり得る。2つ以上の不斉要素を備えた化合物については、これらの化合物は、さらにジアステレオマの混合物であり得る。不斉中心を有する化合物については、光学異性体およびそれらの混合物のすべてが網羅されるものと理解すべきである。さらに、炭素−炭素二重結合を有する化合物は、本発明に含まれる化合物のすべての異性体で、Z型およびE型が発生し得る。式Iは、式Iの化合物の全てのキラル型、立体異性体、ジアステレオマ、および鏡像異性体を含む。
【0040】
「キラル」とは、鏡像の相手が重ね合わすことができない特性を有する分子を指す。
【0041】
「立体異性体」は、同じ化学組成を有しているが原子または基の空間的配置に関しては異なる化合物である。
【0042】
「ジアステレオマ」は、2つ以上のキラリティの中心があり、その分子が互いに鏡像をなさない立体異性体である。ジアステレオマは、異なる物理的性質、例えば、融点、沸点、スペクトル特性、および反応性を有する。ジアステレオマの混合物は、電気泳動法、分割剤の存在下での結晶化、または、例えば、キラルHPLCカラムを用いるクロマトグラフィなどの高分解能分析操作法のもとで分離することができる。
【0043】
「鏡像異性体」とは、化合物の2つの立体異性体であって互いの鏡像を重ね合わすことができないものを指す。鏡像異性体の50:50の混合物は、ラセミ混合物またはラセミ化合物と呼ばれ、化学反応または化学プロセス中に立体選択性または立体特異性がなかった場合に発生し得る。
【0044】
本明細書で使用される立体化学の定義および規約は、S.P.パーカー(Parker)編のMcGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms (1984) McGraw-Hill Book Company, New York、ならびにエリエール(Eliel) Eおよびウィレン(Wilen) S.のStereochemistry of Organic Compounds (1994) John Wiley & Sons, Inc., New Yorkにほとんどの場合従う。多くの有機化合物が光学活性体として存在し、言い換えると、それらは平面偏光の平面を回転する能力を有する。光学活性化合物の説明においては、プレフィックス(prefixes)DおよびLまたはRおよびSが分子のそのキラル中心(1つ以上)についての絶対配置を示すために使用される。プレフィックスdおよびlまたは(+)および(−)が化合物によって平面偏光の回転の記号を示すために使用され、(−)またはlは、その化合物が左旋性であることを意味する。(+)またはdが前に付いている化合物は右旋性である。
【0045】
「ラセミ混合物」または「ラセミ化合物」は、光学活性を欠く2つの鏡像異性体種の当モル(または50:50)の混合物である。ラセミ混合物は、化学反応または化学プロセス中に立体選択性または立体特異性がなかった場合に発生し得る。
【0046】
化合物がさまざまな互変異性型で存在する場合、本発明は、特定の互変異性体に限定されることなくなくむしろ全ての互変異性型を含む。
【0047】
本発明は、該化合物中に現れる原子の全ての可能な同位体を有する本発明の化合物を含むものである。同位体としては、同じ原子番号を持つが質量数の異なる原子が挙げられる。一般的な例として、以下に限定はされないが、水素の同位体としてトリチウムとジュウテリウム、炭素の同位体として、11C、13C、および14Cが挙げられる。
【0048】
本明細書では、特定の化合物を、可変部分、例えば、A、R、R〜Rを含む一般式を用いて記載する。特に明示されない限り、本発明中の各可変部分は、他の可変部分とは独立して定義される。このため、ある基が、例えば0〜2個のRで置換されているとされた場合、前記の基は2個までのR基で置換されており、出現毎のRは、Rの定義の中から独立に選ばれる。また、置換基および/または可変部分の組合せは、このような組合せが安定な化合物となる場合にのみ許される。
【0049】
本明細書で用いられる「置換された」とは、指定された原子または基上の任意の1つ以上の水素を、指定原子の通常の原子価を超えないように、示された基から選んだもので置き換えることを意味する。置換基がオキソ(すなわち、=O)ならば、原子上の2つの水素が置き換わる。芳香族部分がオキソ基により置換されると、芳香環はそれに相当する部分不飽和環に置き換わる。例えば、オキソで置換したピリジル基はピリドンである。置換基および/または可変部分の組合せは、このような組合せが安定な化合物または有用な合成中間体となる場合にのみ許される。安定な化合物または安定な構造とは、反応混合物からの単離と、その後の有効な治療薬への処方に耐える、十分に堅牢な化合物であり得ることを意味する。
【0050】
2つの文字または記号に挟まれていないダッシュ(「−」)は、置換基の結合点を示すために用いる。例えば、−(CH)C〜Cシクロアルキルはメチレン(CH)基を経て結合している。
【0051】
「アルキル」は、明記した数の炭素原子、一般的には、1〜約18個の炭素原子、より好ましくは1〜約12個の炭素原子を有する分枝および直鎖両方の飽和脂肪族炭化水素基を含む。つまり、本明細書で用いられるC〜Cアルキルは、1〜約6個の炭素原子を有するアルキル基を含む。本明細書で他の基と連結したC〜Cアルキルが用いられている場合、例えば(フェニル)C〜Cアルキルでは、示された基、この場合フェニルは、単一の共有結合(C)で直接結合しているか、または明記した数の炭素原子、この場合1〜約4個の炭素原子を持つアルキル鎖で結合しているかのどちらかである。アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、3−メチルブチル、t−ブチル、n−ペンチル、およびsec−ペンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
「アルカノイル」は、ケト(−(C=O)−)架橋を介して結合している、上で定義したアルキル基である。アルカノイル基は、示された数の炭素原子を有しており、ケト基の炭素がその炭素原子の数に含まれる。例えば、Cアルカノイル基は、式CH(C=O)−を有するアセチル基である。
【0053】
「アルコキシ」とは、酸素架橋を介して結合した、示された数の炭素原子を有する、上で定義したアルキル基を意味する。アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、3−ヘキソキシ、および3−メチルペントキシが挙げられるが、これらに限定されない。C〜Cアルコキシが、本明細書でもう1つの基とともに用いられているとき、例えば、(ヘテロシクロアルキル)C〜Cアルコキシは、その示されている基、この場合ヘテロシクロアルキルは、そのままで酸素リンカーを通じて、すなわち、ヘテロシクロアルキル−O−、(Cアルコキシ)、で結合されているか、特定数の炭素原子、この場合は1〜約2個の炭素原子を有するアルコキシ鎖の酸素基を介して結合しているかのいずれかである。
【0054】
「モノ−および/またはジ−アルキルアミノ」は、第二級または第三級アルキルアミノ基を示し、ここで該アルキル基は、上で定義したとおりであり、示された数の炭素原子を有する。そのアルキルアミノ基の結合点は窒素上である。そのアルキル基は独立に選択される。モノ−およびジ−アルキルアミノ基の例としては、エチルアミノ、ジメチルアミノ、およびメチル−プロピル−アミノが挙げられる。「モノ−および/またはジ−アルキルアミノアルキル基」は、特定数の炭素原子を有するアルキルリンカーを介して結合しているモノ−および/またはジ−アルキルアミノ基、例えばジメチルアミノエチル基である。第三級アミノ置換基は、基RおよびR’が両方とも単一の窒素原子に結合していることを示す式N−R−N−R’の命名法によって指定することができる。
【0055】
「アミノアルキル」は、少なくとも1つのアミノ置換基により置換されている本明細書に記載のアルキル基を示す。同様に、「ヒドロキシアルキル」は、少なくとも1つの−OH置換基により置換されている本明細書に記載のアルキル基を示す。
【0056】
「アルキルエステル」は、エステル結合を介して結合している、上で定義したアルキル基を示す。そのエステル結合は、例えば式−O(C=O)アルキルの基または式−(C=O)Oアルキルの基のいずれかの位置づけであり得る。
【0057】
「アルキルホスフェート」は、独立に選択されたアルキル基によりモノ置換またはジ置換されているリン酸エステル結合を示す。モノアルキルホスフェート置換基は、式アルキル−HPO−を有しており、ジアルキルホスフェートは、式アルキルアルキルPO−および構造
【化2】


を有している。そのアルキル基は、上で定義したものと同じである。
【0058】
「アリール」は、(1つ以上の)芳香環中に炭素のみを含む芳香族基を示す。典型的なアリール基は、1〜3個の、単環、縮合環、または側鎖の環および環員としてヘテロ原子を含めずに、6〜約18個の環原子を含む。指示があれば、かかるアリール基は、炭素もしくは非炭素原子または基によってさらに置換されていてもよい。かかる置換は、必要に応じて、N、O、およびSから独立に選択される1個または2個のヘテロ原子を含む5〜7員の飽和環状基への縮合を含んでも良く、例えば、3,4−メチレンジオキシフェニル基を形成する。アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル(1−ナフチルおよび2−ナフチルなど)、およびビフェニルが挙げられる。
【0059】
「モノ−および/またはジ−アルキルカルバメート」は、式(アルキル)−O(C=O)NH−および(アルキル)−O(C=O)N(アルキル)−の基を示し、アルキルおよびアルキルの基は、独立に選択された上で定義したアルキル基であり、示されている数の炭素原子を有する。
【0060】
「モノ−および/またはジ−アルキルカルボキシアミド」は、式(アルキル)−NH−(C=O)−および(アルキル)(アルキル)−N−(C=O)−の基を示し、アルキルおよびアルキルの基は、独立に選択された上で定義したアルキル基であり、示されている数の炭素原子を有する。モノ−および/またはジ−アルキルカルボキシアミドは、また、式−NH−(C=O)(アルキル)および−N(アルキル)(C=O)(アルキル)の基のカルボキシアミド基を表し、ここで結合の点は窒素原子であり、アルキルおよびアルキルの基は、独立に選択された、上で定義したアルキル基であり、示されている数の炭素原子を有する。
【0061】
「シクロアルキル」は、特定数の炭素原子、通常は3〜約8個の環炭素原子、または3〜約7個の炭素原子を持つ、飽和炭化水素環基を示す。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル、ならびに、ノルボルナンまたはアダマンタンなどの架橋またはかご形飽和環基が挙げられる。用語「(シクロアルキル)アルキル」において、その用語「シクロアルキル」および「アルキル」は、本明細書に示されている定義を担い、(シクロアルキル)アルキル基の結合点は、アルキルリンカー中である。同様に(シクロアルキル)アルコキシは、それがリンカーアルコキシ基の酸素を介して置換する基に共有結合しているシクロアルキル基を示す。
【0062】
「5員または6員へテロアリール」とは、5個または6個の環員および1個〜4個、または好ましくは1個〜3個のN、O、およびSから選択される環へテロ原子を有しており、残りの環原子が炭素である安定な単環式芳香環を示す。ヘテロアリール基中のSおよびO原子の合計数が1を超えるとき、これらのヘテロ原子は互いに隣接していない。ヘテロアリール基中のSおよびO原子の合計数は、2を超えないことが好ましい。ヘテロアリール基中のSおよびO原子の合計数は、1を超えないことが特に好ましい。ヘテロアリール基中の窒素原子は、場合によって四級化されていてもよい。指示があれば、かかるヘテロアリール基は、炭素もしくは非炭素原子または基によりさらに置換されていてもよい。かかる置換としては、N、O、およびSから独立に選択された1個または2個のヘテロ原子を含有してもよい5〜7員の飽和環状基への、例えば[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジル基を形成する縮合を挙げることができる。ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、インドリル、ピリミジニル、ピリジジニル、ピラジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル、トリアゾリル、およびテトラゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
「ヘテロシクロアルキル」は、N、O、およびSから選択された1個〜約3個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である飽和環状基を意味する。ヘテロシクロアルキル基は、3個〜約8個の環原子、より一般的には5個〜7個の環原子を有する。ヘテロシクロアルキル基の例としては、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、およびピロリジニル基が挙げられる。ヘテロシクロアルキル基中の窒素は、場合によって四級化されていてもよい。
【0064】
「複素環」とは、N、O、およびSから選択されたヘテロ原子を含有する少なくとも1つの環を有する飽和環、不飽和環、および芳香族環の基を示す。本明細書で使用される複素環としては、非限定の例として、パケット(Paquette)、レオ(Leo)A;Principles of Modern Heterocyclic Chemistry (W.A. Benjamin, New York, 1968)の特に、第1、3、4、6、7、および9章;The Chemistry of Heterocyclic Compounds, A Series of Monographs" (John Wiley & Sons, New York, 1950 to present)の特に、13、14、16、19、および28巻;ならびにJ. Am. Chem. Soc. (1960) 82:5566に記載されている複素環が挙げられる。
【0065】
複素環の例としては、非限定の例として、ピリジル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル、硫黄酸化テトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドレニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ピペリジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、2−ピロリドニル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、アゾシニル、トリアジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、チエニル、チアントレニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチニル、2H−ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、1H−インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シノリニル、プテリジニル、4aH−カルバゾリル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、オキシンドリル、ベンズオキサゾリニル、イサチノイル、およびビス−テトラヒドロフラニルが挙げられる。
【0066】
非限定の例として、炭素結合した複素環は、ピリジンの2、3、4、5、または6位で、ピリダジンの3、4、5、または6位で、ピリミジンの2、4、5、または6位で、ピラジンの2、3、5、または6位で、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロールまたはテトラヒドロピロールの2、3、4、または5位で、オキサゾール、イミダゾールまたはチアゾールの2、4、または5位で、イソオキサゾール、ピラゾール、またはイソチアゾールの3、4、または5位で、アジリジンの2または3位で、アゼチジンの2、3、または4位で、キノリンの2、3、4、5、6、7、または8位で、あるいはイソキノリンの1、3、4、5、6、7、または8位で結合している。さらにより典型的には、炭素結合した複素環としては、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、5−ピリジル、6−ピリジル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、5−ピリダジニル、6−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、2−ピラジニル、3−ピラジニル、5−ピラジニル、6−ピラジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、または5−チアゾリルが挙げられる。
【0067】
非限定の例として、窒素結合した複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位、イソインドール、またはイソインドリンの2位、モルホリンの4位、およびカルバゾール、またはβ−カルボリンの9位で結合している。さらにより典型的には、窒素結合した複素環としては、1−アジリジル、1−アゼテジル、1−ピロリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、および1−ピペリジニルが挙げられる。
【0068】
「ハロアルキル」は、特定数の炭素原子を持ち、1つ以上のハロゲン原子、一般に最大許容数までのハロゲン原子により置換されている、分枝および直鎖アルキル基の両方を示す。ハロアルキルの例としては、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2−フルオロエチル、およびペンタフルオロエチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
「ハロアルコキシ」は、酸素架橋(アルコール基の酸素)を介して結合している、上で定義したハロアルキル基を示す。
【0070】
本明細書で使用される「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを表す。
【0071】
「医薬品組成物」は、本発明の化合物または塩などの少なくとも1つの活性薬剤、および担体、賦形剤、または希釈剤などの少なくとも1つのその他の物質を含む組成物である。医薬品組成物は、ヒト用または非ヒト用薬物の米国FDAのGMP(適性医薬品製造基準)標準を満たす。
【0072】
「薬学的に許容できる塩」としては、親化合物が、その無機および有機の無毒の酸または塩基付加塩によって変性されている開示されている化合物の誘導体が挙げられる。本発明のどの化合物に対するどんな言及も、文脈によって明らかに禁忌されない限り、生理学的に許容できるその塩に対する言及を含む。本発明の化合物の塩は、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から従来の化学的手法によって合成することができる。一般に、そのような塩は、遊離酸の形のこれらの化合物を化学量論的理論量の適切な塩基(例えば、Na、Ca、Mg、またはKの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩など)と反応させるか、遊離塩基の形のこれらの化合物を化学量論的理論量の適切な酸と反応させることによって調製することができる。かかる反応は、一般的には、水中または有機溶媒中、あるいはその2つの混合物中で行われる。一般に、実施できる場合は、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。本発明の化合物の塩は、さらに、該化合物の溶媒和物および該化合物の塩の溶媒和物をも含む。
【0073】
薬学的に許容できる塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の無機酸塩または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などが挙げられるが、これらには限定されない。薬学的に許容できる塩としては、例えば、毒性の無い無機酸または有機酸から形成された親化合物の従来の毒性の無い塩および第四級アンモニウム塩が挙げられる。例えば、従来の毒性の無い酸塩類としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸から誘導されたもの;および、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、メシル酸、エシル酸、ベシル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、HOOC−(CH−COOH(式中、nは0〜4である)などの有機酸から調製された塩類が挙げられる。更なる適当な塩のリストは、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., p. 1418 (1985)の中で見出すことができる。
【0074】
本発明の医薬品組成物に適用される用語「担体」とは、それと一緒に活性化合物が投与される希釈剤、賦形剤、または媒体を指す。
【0075】
「薬学的に許容できる賦形剤」は、概して安全で毒性が無く、生物学的にもその他の点でも好ましくないということのない医薬品組成物を調製するのに有用である賦形剤を意味し、家畜への使用ならびにヒトの医薬品用途に対して許容できる賦形剤を含む。本出願において使用される「薬学的に許容できる賦形剤」は、1つおよび1つより多い、かかる賦形剤の両方を含む。
【0076】
「患者」は、医療を必要としているヒトまたはヒトではない動物である。医療には、疾患または障害などの現状の治療、予防のためまたは予防的治療、あるいは診断治療が含まれ得る。いくつかの実施形態において、該患者は、ヒトの患者である。
【0077】
「プロドラッグ」とは、哺乳類の患者に投与すると、例えば、プロドラッグの代謝過程で本発明の化合物になる何らかの化合物を意味する。プロドラッグ類の例としては、本発明の化合物中の官能基(アルコール基またはアミン基など)のアセテート、ホルメート、およびベンゾエートのような誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
「提供する(providing)」とは、与えること、投与すること、販売すること、分配すること、譲渡すること(営利目的でまたはそうではなくて)、製造すること、複合化すること、または調剤することを意味する。
【0079】
「少なくとも1つの更なる活性薬剤と共に本発明の化合物を提供する」とは、本発明の化合物および(1つ以上の)更なる活性薬剤を、単一の剤形で同時に提供するか、別々の剤形で同時に提供するか、または本発明の化合物および少なくとも1つの更なる活性薬剤の両方を患者の血流内にある時間内である若干の時間分離して投与するための別々の剤形で提供することを意味する。本発明の化合物および更なる活性薬剤は、同じ医療作業者によって患者のために処方する必要はない。1つまたは複数の更なる活性薬剤は、処方箋を必要としない。本発明の化合物または少なくとも1つの更なる活性薬剤の投与は、任意の適当な経路、例えば、経口錠剤、経口カプセル、経口液剤、吸入、注射、座薬または局所接触を経て起こり得る。
【0080】
本明細書で使用される「治療」には、(a)疾病または疾病の症状が、その疾病にかかっているかもしれないが未だそれを有していると診断されてはいない患者で起こるのを防ぐため(例えば、原因疾患(慢性HCV感染症の状況をもたらし得る肝線維症のような)と関連するか、それによって引き起こされ得る疾患を含む);(b)疾病を阻止する、すなわち、その発生を阻む;および(c)疾病を軽減する、すなわち、疾病の退縮を引き起こす、のに十分な本発明の化合物および少なくとも1つの更なる活性薬剤を提供することが含まれる。「治療」および「治療法」は、また、本発明の化合物および少なくとも1つの更なる活性薬剤の治療効果のある量を、C型肝炎感染症を有するかそれにかかりやすい患者に提供することも意味する。
【0081】
本発明の薬剤の組合せの「治療効果のある量」とは、患者に投与した際に、症状の改善など治療的利益を生ずるのに有効な量、例えば、C型肝炎感染の症状を軽減するのに有効な量を意味する。例えば、C型肝炎ウイルスに感染した患者は、ASTおよびALTを含む一定の肝酵素が高レベルで存在し得る。ASTの正常レベルは、血清(血液の液体部分)1リットルあたり5〜40単位であり、ALTの正常レベルは、血清1リットル当り7〜56単位である。治療効果のある量は、従って、上昇したASTおよびALTレベルの著しい減少を提供するのに十分な量、またはASTおよびALTレベルの正常範囲への復帰を提供するのに十分な量である。治療効果のある量は、また、患者の血液、血清、または組織中のウイルスまたはウイルス抗体の著しい増加を防ぐか、その検出レベルを著しく低下させる十分な量である。治療有効性を測定する1つの方法は、Roche TaqManアッセイなどのウイルスのRNAレベルを測定する従来法によってHCVのRNAを計測することを含む。いくつかの好ましい実施形態において、治療は、HCVのRNAレベルを計量の限界(Roche TaqMan(登録商標)アッセイにより計測して30IU/mL)より下またはより好ましくは検出限界(10IU/mL、Roche TaqMan)より下まで減少する。
【0082】
ウイルスまたはウイルス抗体の検出濃度の著しい上昇または低下とは、p<0.05としたスチューデントのT−検定などの統計的有意性の標準パラメトリック検定において、統計的に有意な任意の検出可能な変化である。
【0083】
II.本発明の化合物の具体的な実施形態
発明の概要の項で記載した式Iの化合物に加えて、本発明は、可変部分A、R、およびR〜Rが、以下の定義のいずれかを有する式Iの化合物も含む。
【0084】
本発明は、式I
【化3】


(式I)
の化合物を含み、式中、Aは、
【化4】


である。
【0085】
Qは、−NHC(O)−、−C(O)−、O、S、NH、CH、または不在である。
【0086】
XおよびYは、独立に、NまたはCHである。
【0087】
Rは、−C(O)R、−C(O)CH、−N=CHR、モノ−もしくはジ−(C〜Cアルキルアミノ)C〜Cアルキル、または置換C〜Cアルキルである。
【0088】
は、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシであるか、Rは、C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルキルアミノ、ジ−(C〜C)(C〜C10)アルキルアミノ、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルコキシ、(5員または6員ヘテロシクロアルキル)C〜Cアルキル、(5員または6員ヘテロシクロアルキル)C〜Cアルコキシ、(5員または6員ヘテロアリール)C〜Cアルキル、(5員または6員ヘテロアリール)C〜Cアルコキシ、(アリール)C〜Cアルキル、または(アリール)C〜Cアルコキシであり、そのそれぞれは置換されていてもよい。
【0089】
は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cハロアルコキシから独立に選択される0、1、または2個の置換基である。
【0090】
は、水素、R、−C(O)OH、−C(O)NHであるか、Rは、C〜Cアルコキシ、(C〜Cアルキルエステル)C〜Cアルキル、(C〜Cアルキルエステル)C〜Cアルコキシ、(モノ−もしくはジ−C〜Cアルキルカルバメート)C〜Cアルキル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル、(5〜10員複素環)C〜Cアルキル、C〜C12ポリエチレンオキシド、またはC〜C10アルキルであり、そのそれぞれは置換されていてもよい。
【0091】
は、水素または置換されていてもよいC〜Cアルキルである。
【0092】
は、置換されていてもよいアミノである。
【0093】
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、または(モノ−もしくはジ−C〜Cアルキルアミノ)C〜Cアルキルである。
【0094】
は、
(a)ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、−C(O)OH、−C(O)NH、−PO、C〜Cハロアルキル、またはC〜Cハロアルコキシ、あるいは
(b)それぞれが、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、オキソ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されている、モノ−もしくはジ−C〜Cアルキルアミノ、モノ−もしくはジ−(C〜C)アルキルカルボキシアミド、C〜Cアルカノイル、C〜Cアミノアルキル、C〜Cアミノアルコキシ、C〜Cヒドロキシアルキル、またはC〜Cアルキルエステルである。
【0095】
は、
(i)ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、シアノ、ニトロ、−COOH、−CONH、−PO、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cハロアルコキシ;ならびに
(ii)それぞれが、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、オキソ、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されている、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cアルカノイル、モノ−およびジ−C〜Cアルキルホスフェート、C〜Cアルキルエステル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル、または(5員または6員ヘテロシクロアルキル)C〜Cアルキル;
から独立に選択される0個または1個以上の置換基である。
【0096】
あるいは、隣接する炭素原子に結合している任意の2つのRおよびRは、連結して、N、O、およびSから選択される0、1、または2個の環へテロ原子を有する5員環または6員環(該5員環または6員環は、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい)を形成していてもよい。
【0097】
は、
(iii)ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、シアノ、−COOH、−CONH、−PO、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cハロアルコキシ;
(iv)それぞれが、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルコキシ、C〜Cモノ−およびジ−アルキルアミノから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されている、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cアルカノイル、C〜Cアルキルホスフェート、およびC〜Cアルキルエステル;
から独立に選択される0個または1個以上の置換基である。
【0098】
あるいは、Rは、Rと結合して、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cハロアルコキシから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されている6員のアリール環またはヘテロアリール環を形成している。
【0099】
<R可変部分>
本発明は、可変部分「R」が、以下の定義のいずれか1つを有する実施形態を含む。
【0100】
(1)Rは、−C(O)R、−C(O)CH、−N=CHRであるか、Rは、ヒドロキシル、アミノ、−C(O)OH、−C(O)NH、−C(O)ONa、またはC〜Cアルキルエステルから独立に選択される1個または2個の置換基により置換されているC〜Cアルキルであり;ここで
は、水素、R、−C(O)OH、−C(O)NH、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、(C〜Cアルキルエステル)C〜Cアルキル、(モノ−もしくはジ−C〜Cアルキルカルバメート)C〜Cアルキル、C〜C12ポリエチレンオキシド、C〜Cシクロアルキル、(フェニル)C〜Cアルキル、または、N、S、およびOから独立に選択される1個または2個のヘテロ原子を含有し、それぞれが、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、ホスフェート、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−(C〜Cアルキル)アミノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、およびフェニルから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されている5員または6員のヘテロアリールであり;
は、C〜Cアルキルであり;
は、アミノ、モノもしくはジ(C〜Cアルキル)アミノ、−C(O)OHにより置換されているモノもしくはジ(C〜Cアルキル)アミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、またはフェニルアミノである。
【0101】
(2)Rは、−C(O)R、−C(O)CH、または−N=CHRであり;
は、水素、R、−C(O)OH、−C(O)NH、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、(C〜Cアルキルエステル)C〜Cアルキル、(モノ−もしくはジ−C〜Cアルキルカルバメート)C〜Cアルキル、C〜C12ポリエチレンオキシド、またはC〜Cシクロアルキルであるか、あるいは
は、フェニル、イソオキサゾリル、チエニル、イミダゾリル、またはピリジルであって、それぞれが、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される0個、1個または2個の置換基により置換されており、
は、C〜Cアルキルであり;
は、アミノ、モノもしくはジ(C〜Cアルキル)アミノ、−C(O)OHにより置換されているモノもしくはジ(C〜Cアルキル)アミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、またはフェニルアミノである。
【0102】
(3)Rは、−C(O)Rまたは−C(O)CHであり、ここでRは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、(C〜Cアルキルエステル)C〜Cアルキル、またはC〜Cシクロアルキルであり、あるいは
Rは、−C(O)NHである。
【0103】
(4)Rは、−C(O)R、−C(O)CH、または−N=CHRであり、
は、水素、R、−C(O)OH、−C(O)NH、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、(C〜Cアルキルエステル)C〜Cアルキル、(モノ−もしくはジ−C〜Cアルキルカルバメート)C〜Cアルキル、C〜C12ポリエチレンオキシド、またはC〜Cシクロアルキルであるか、Rは、フェニル、イソオキサゾリル、チエニル、イミダゾリル、またはピリジルであって、それぞれが、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される0個、1個または2個の置換基により置換されており、
は、C〜Cアルキルであり;
は、アミノ、モノもしくはジ(C〜Cアルキル)アミノ、−C(O)OHにより置換されているモノもしくはジ(C〜Cアルキル)アミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、またはフェニルアミノである。
【0104】
(5)Rは、−C(O)R、または−C(O)CHであり、ここでRは、水素、−C(O)NH、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、(C〜Cアルキルエステル)C〜Cアルキル、シクロプロピル、またはシクロヘキシルである。
【0105】
(6)Rは、式:
【化5】


【化6】


【化7】


【化8】


【化9】


【化10】


【化11】


【化12】


【化13】


【化14】


【化15】


【化16】


【化17】


【化18】


【化19】


【化20】


【化21】


【化22】


【化23】


【化24】


【化25】


【化26】


【化27】


【化28】


【化29】


【化30】


【化31】


【化32】


【化33】


【化34】


【化35】


【化36】


【化37】


【化38】


【化39】


または
【化40】


(式中、*は、アタッチメントの結合を示す。)
の基である。
【0106】
<RおよびR可変部分>
本発明は、可変部分RおよびRが以下の定義のいずれか1つを有するか以下の条件のいずれかを満たす実施形態を含む。
【0107】
(1)Rが、パラ位にあり、Rが不在であるか、Rがパラ位にあり、Rは、メタ位の単一の置換基である。
【0108】
(2)Rが、パラ位にあり、Rは、(5員または6員ヘテロアリール)C〜Cアルキルまたは(5員または6員ヘテロアリール)C〜Cアルコキシであり、該5員または6員ヘテロアリールが、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、またはピリジルである。
【0109】
(3)Rは、C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルキルアミノ、またはジ−(C〜C)(C〜C10)アルキルアミノ、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキルであり、Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cハロアルコキシから選択される0個または1個の置換基である。
【0110】
(4)Rは、パラ位であって、C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルキルアミノ、またはジ−(C〜C)(C〜C10)アルキルアミノであり、Rは、不在であるか、Rは、メタ置換基であり、ハロゲン、トリフルオロメチル、またはトリフルオロメトキシである。
【0111】
(5)Rは、n−オクチル、n−ブトキシ、イソブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプトキシ、n−オクチルオキシ、(シクロヘキシル)メトキシ、トリフルオロメチル、メトキシ、フルオロ、またはN−メチル−N−ペンチルアミノである。
【0112】
<A可変部分>
本発明は、可変部分「A」が以下の定義のいずれか1つを有する実施形態を含む。可変部分QおよびR〜Rは、全てAの定義の範囲内であり、可変部分「A」の定義と結びつけて論ずる。
【0113】
(1)Qは、−NHC(O)−または不在である。
【0114】
(2)Qは、不在である。
【0115】
(3)Aは、
【化41】


である。
【0116】
この実施形態において、RおよびRは、以下の定義のいずれかを有することができる。
【0117】
(a)Rは、ハロゲン、−C(O)NH、C〜Cハロアルキル、モノ−もしくはジ−C〜Cアルキルアミノ、モノ−もしくはジ−(C〜C)アルキルカルボキシアミド、C〜Cアルカノイル、C〜Cアミノアルキル、C〜Cアミノアルコキシ、C〜Cヒドロキシアルキル、またはC〜Cアルキルエステルであり、
は、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、−CONH、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される0個または1個以上の置換基である。
【0118】
(b)隣接する炭素原子に結合しているRおよびRは、連結して、0個、1個、または2個の、N、O、およびSから選択される環へテロ原子を有する5員または6員環を形成しており、該5員または6員環は、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい。
【0119】
(4)Aは、式
【化42】


の基であり、式中、XおよびYは、独立にNまたはCHであり、Rは、式Iに対して示した定義を有する。
【0120】
この実施形態において、Rは、以下の定義のいずれかを有することができる。
【0121】
(a)Rは、(i)ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、シアノ、ニトロ、−COOH、−CONH、−PO、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cハロアルコキシ、ならびに(ii)それぞれが、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、オキソ、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されているC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cアルカノイル、およびC〜Cアルキルエステルから独立に選択される0個または1個以上の置換基である。
【0122】
(b)Rは、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、シアノ、−COOH、−CONH、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノ、ならびにC〜Cアルカノイルから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基である。
【0123】
(c)Rは、不在であるか、Rは、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、−CONH、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基である。
【0124】
(5)Aは、3−ピリジルであり、Rは、不在であるか、Rは、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、シアノ、−CONH、メチル、およびメトキシから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基である。
【0125】
(6)Aは、3−ピリジルであり、Rは、不在である。
【0126】
(7)Aは、式
【化43】


の基であり、式中、Xは、NまたはCHであり、RおよびRは、式Iに対して示した定義を有する。
【0127】
この実施形態において、RおよびRは、以下の定義のいずれかを有することができる。
【0128】
(a)Rは、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、シアノ、−COOH、−CONH、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cアルカノイル、ならびにC〜Cアルキルエステルから独立に選択される0個または1個以上の置換基である
【0129】
(b)Rは、ハロゲン、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される0個または1個または2個の置換基である。
(c)Rは、Rと連結して6員のアリール環またはヘテロアリール環を形成しており、該環は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されている。
【0130】
Aは、式:
【化44】


【化45】


【化46】


【化47】


【化48】


【化49】


【化50】


【化51】


【化52】


【化53】


【化54】


【化55】


【化56】


【化57】


【化58】


【化59】


【化60】


【化61】


【化62】


【化63】


【化64】


【化65】


【化66】


および
【化67】


(式中、*は、アタッチメントの結合を示す。)
の基である。
【0131】
<R可変部分>
本発明は、可変部分「A」が以下の定義のいずれか1つを有する実施形態を含む。
【0132】
(1)Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、メチル、メトキシ、ジメチルアミノ、またはジメチルアミノメチルである。
【0133】
(2)Rは、ハロゲンである。
【0134】
(3)Rは、フルオロである。
【0135】
(4)Rは、水素である。
【0136】
本発明は、可変部分A、R、およびR〜Rに対する上の定義の任意の組合せを有する式Iの全ての安定な化合物を含む。例えば、本発明は、R可変部分が定義(5)を有し、RおよびRが定義(3)を有し、条件(1)が、この可変部分にも合致し、Aが、定義7(b)を有し、Rが定義(3)を有する式Iの化合物を含む。従って、本発明は、以下のように記載される化合物および塩を含む。
【化68】


式中、
Rは、−C(O)Rまたは−C(O)CHであって、Rは、水素、−C(O)NH、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、(C〜Cアルキルエステル)C〜Cアルキル、シクロプロピル、またはシクロヘキシルであり;
は、C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルキルアミノ、ジ−(C〜C)(C〜C10)アルキルアミノ、または(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキルであり、Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cハロアルコキシから選択される0個または1個の置換基である。
Aは、式
【化69】


の基であり、式中、Xは、NまたはCHであり、Rは、ハロゲン、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される0個、1個または2個の置換基である。
【0137】
本発明は、また、以下のサブ式によって記載される式Iの化合物も含む。
【0138】
本発明は、式IAの化合物および塩を含む。
【化70】


(式IA)
【0139】
特定の実施形態において、本発明は、式IAであって、式中、
は、パラ位にあり、Rは、不在であるかまたはメタ位に位置しており;
は、水素、ハロゲン、またはアミノであり;
XおよびYは、CHであり;
は、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、シアノ、−COOH、−CONH、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノ、ならびにC〜Cアルカノイルから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基である化合物および塩を含む。
【0140】
別の実施形態において、本発明は式IAであって、式中、
は、パラ位にあり、C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルキルアミノ、またはジ−(C〜C)(C〜C10)アルキルアミノであり;
は、不在であるかまたはRはメタ置換基であり、ハロゲン、トリフルオロメチル、またはトリフルオロメトキシであり;
は、水素、フルオロ、またはアミノであり;
は、不在であるかまたはRは、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、−C(O)NH、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシから独立に選択される0個、1個、もしくは2個の置換基である化合物および塩を含む。
【0141】
特定の実施形態において、Rは、1つの(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキルまたは(5員もしくは6員ヘテロシクロアルキル)C〜Cアルキル基であって、そのそれぞれは、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、オキソ、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されており、Rは、また、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、−CONH、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基である。
【0142】
他の実施形態において、Rは、(モルホリニル)C〜Cアルキルまたは(ピペラジニル)C〜Cアルキルであり、そのそれぞれは、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、オキソ、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されている。
【0143】
本発明は、式IBの化合物および塩を含む。
【化71】


(式IB)
【0144】
特定の実施形態において、Rは、ハロゲン原子であり、Rは、不在であるかまたはハロゲン原子であり、残りの可変部分、例えば、RおよびR〜Rは、これらの可変部分に対して上で示した定義のいずれかを有する。
【0145】
本発明は、式IBであって、式中、Rがパラ位にありRが不在であるか、式中Rがメタ位にありRが不在であるか、またはRがパラ位にありRがメタ位にある化合物および塩を含む。
【0146】
本発明は、式ICの化合物および塩を含む。
【化72】


(式IC)
式中、kは、0または1である。
【0147】
特定の実施形態において、本発明は、式ICであって、式中、Rがアミノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、またはC〜Cアルキルエステルである化合物および塩を含む。
【0148】
他の実施形態において、Rは、1個のアミノまたはモノ−もしくはジ−(C〜Cアルキルアミノ)により置換されているC〜Cアルキルである。
【0149】
本発明は、式ICであって、式中、RがC〜Cアルキルにより置換されていてもよい(5員〜10員複素環)C〜Cアルキルである化合物および塩を含む。
【0150】
本発明は、また、式ICであって、式中、5員〜10員複素環が、メチルにより置換されていてもよいイソオキサゾール基である化合物および塩を含む。
【0151】
本発明のいくつかの好ましい化合物としては、化合物番号:1、2、12、13、14、15、16、17、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、69、70、71、72、75、76、77、81、83、84、85、86、87、89、91、93、94、96、97、98、99、100、および102が挙げられる。
【0152】
その他の好ましい化合物としては、Aが非置換の3−ピリジルであり、Rがパラ位のn−オクチルであり、Rがメタ位のトリフルオロメチル基であり、Rがフルオロであり、Rがその可変部分に対して本明細書で示した定義のいずれかを有する式Iの化合物が挙げられる。
【0153】
上記の化合物は、本発明の方法において使用することができる例を提供するためにのみ掲げたものである。現開示に基づいて、当業者であれば本明細書に列挙されている方法に役立ちそうな現在特許申請されている発明の範囲に含まれるものと解釈されるその他の化合物を認識するであろう。
【0154】
III.HCV阻害の方法
本発明の別の態様は、HCVを含有する疑いのある試料を本発明の少なくとも1つの化合物により処理するステップ(例えば、接触させる、投与するなど)を含むHCVの活性を阻害する方法に関する。本発明の化合物は、HCVの阻害剤として、またはそのような阻害剤用の中間体として作用し、あるいは本明細書に記載のその他の有用性を有する。
【0155】
多くの有機体がHCVを含有する。本発明の化合物は、動物またはヒトにおけるHCV感染と関連する状態の治療または予防に有用である。従って、いくつかの態様において、HCV感染症を治療または予防するための方法が提供され、それらの方法は少なくとも1つの本発明の化合物の治療または予防量を、それを必要としている患者に投与するステップを含む。
【0156】
いくつかの態様において、該阻害剤は、一般に、HCVが存在する肝臓の表面または空洞中の部位に結合することができる。肝臓中で結合している組成物は、変動する可逆性の程度により結合することができる。実質的に不可逆的に結合するような化合物は、本発明のこの方法での使用に対する理想的な候補である。一旦標識化すると、実質的に不可逆的に結合する組成物は、HCVを検出するためのプローブとして役立つ。従って、本発明は、HCVを含有することが疑われる試料中のHCVを検出する方法に関するものであり、該方法は、HCVを含有することが疑われる試料を、標識に結合している本発明の化合物を含む組成物により処理するステップと、該試料のその標識の活性に対する効果を観察するステップとを含む。適当な標識は、診断学分野では周知であり、安定なフリーラジカル類、フルオロフォア類、ラジオアイソトープ類、酵素類、化学発光基類および色素原類が挙げられる。本明細書における化合物類は、ヒドロキシルまたはアミノ等の官能基を用いて従来のやり方で標識化する。
【0157】
本発明の状況の中で、HCVを含有することが疑われる試料としては、天然もしくは人造材料、例えば、生きている生物;組織もしくは細胞培養物;生物由来物質の試料(血液、血清、尿、脳脊髄液、涙液、痰、唾液、組織試料など)等の生体試料;実験室試料;食物、水、または大気の試料;細胞、特に望ましい糖タンパク質を合成する組み換え型細胞の抽出物等のバイオプロダクト試料;などが挙げられる。一般的に、該試料は、HCVを含有することが疑われる。試料は、水および有機溶媒/水混合物を含む任意の媒体中に入れることができる。試料としては、ヒト等の生きている生命体、および細胞培養液等の人造材料が挙げられる。特定の実施形態において、試料としては、細胞および組織の試料、ならびにヒトを含む患者が挙げられる。
【0158】
本発明の処理ステップは、本発明の少なくとも1つの化合物を試料に添加するステップを含み、またはそれは少なくとも1つの化合物の前駆物質を試料に添加するステップを含み得る。その添加ステップは、本明細書に記載の投与のいずれかの方法である。
【0159】
必要に応じて、化合物(1つ以上)の適用後のHCVの活性は、HCV活性を検出する直接法および間接法を含む任意の方法によって観察することができる。HCV活性を測定する定量的、定性的および半定量的方法がすべて検討される。一般的には本明細書に記載のスクリーニング法の1つを適用することができるが、その他の任意の方法、例えば、生きている生命体の生理学的性質の観察なども適用することができる。
【0160】
しかしながら、HCVを阻害することができる化合物のスクリーニングにおいて、酵素アッセイの結果は細胞培養アッセイと相関しないことに留意すべきである。従って、一定の態様において、細胞に基づくアッセイが、好ましくは第一義的スクリーニング手段であり得る。
【0161】
より特定的には、本明細書に記載のように、本発明の化合物は、HCVの複製および/または増殖の強力な阻害剤である。本発明の化合物の活性は、ウイルスまたはレトロウイルスの複製および/または増殖の阻害を測定するのに適する試験管内の(in vitro)アッセイにおいて確認することができる。そのアッセイは、HCVの直接的または間接的影響下で、例えば以下に限定されないが、タンパク質RNA結合、翻訳、転写、ゲノム複製、タンパク質プロセシング、ウイルス粒子形成、感染力、ウイルス伝達などを含む任意のパラメータを調査することができる。かかるアッセイは、当技術分野では周知である。該パラメータを調査することに関わりなく、一実施形態において、阻害の程度を試験するため、HCVレプリコンまたはHCVのRNAを含む、試料、細胞、組織などを、可能性のある阻害性化合物(試験化合物)により処理し、パラメータに対する値を対照細胞(未処理または媒体もしくはその他のプラセボにより処理)と比較する。対照試料には、100%の相対的活性値を割り当てる。阻害作用は、試験化合物の対照に対する活性値が、約90%、好ましくは50%、より好ましくは25〜0%であるときに達成され得る。
【0162】
別法では、阻害作用の程度は、本明細書でより詳細に説明するように、特定のアッセイにおける化合物のIC50に基づいて決定することができる。
【0163】
一実施形態において、化合物の阻害活性は、レプリコン細胞中でHCVの複製を遮断もしくは阻害する試験化合物の能力を評価するレプリコンアッセイにおいて確認することができる。適切なレプリコンアッセイの1例は、ローマン(Lohmann)他の、1999, Science 285:110-113に記載されている肝臓細胞系Huh7に基づくレプリコンアッセイである。このレプリコンアッセイの具体例は、ルシフェラーゼの翻訳を利用する。このアッセイの一実施形態において、対照細胞(IC50、EC50、および/またはCC50)と比較して翻訳の50%の減少を生じる試験化合物の量を決定することができる。
【0164】
別法では、化合物の阻害活性は、HCV非構造タンパク質、例えば、NS3、NS4A、NS5AおよびNS5Bなどに特異的な抗体を利用する定量的ウェスタン免疫ブロットアッセイを用いて確認することができる。このアッセイの一実施形態においては、レプリコン細胞を、さまざまな濃度の試験化合物により処理し、対照試料(IC50、EC50、および/またはCC50)と比較して生成される非構造タンパク質の量の50%の減少を生じる試験化合物の濃度を決定する。単一の非構造タンパク質を定量化することができ、あるいは複数の非構造タンパク質を定量化することができる。上記のような免疫ブロットアッセイを行うのに適する抗体は、市販されている(例えば、メイン州ソーコのBIODESIGN Internationalから)。
【0165】
別法では、化合物の阻害活性は、その開示を本願に引用して援用するフォアニエー(Fournier)他の1998, J. Gen. Virol. 79(10):2367:2374に記載されているHCV感染アッセイなどのようなHCV感染アッセイにおいて確認することができる。このアッセイの一実施形態において、HCV複製または増殖で、対照細胞(IC50、EC50、および/またはCC50)と比較して50%の減少を生ずる試験化合物の量を決定することができる。HCV複製の程度は、HCV感染した細胞中に存在するHCVのRNAの量を定量化することによって決定することができる。
【0166】
さらに別の実施形態として、化合物の阻害活性は、例えば、Taqmanアッセイ(Roche Molecular、カリフォルニア州アラメダ)を用いる処理したレプリコン細胞中で転写されたHCVのRNAの量を定量化するアッセイを用いて確認することができる。このアッセイの一実施形態において、1つ以上のHCVのRNAの転写で対照試料(IC50、EC50、および/またはCC50)と比較して50%の減少を生じる試験化合物の量を決定することができる。
【0167】
使用したアッセイにかかわらず、活性化合物は、一般に、少なくとも1つのアッセイにおいて約25μM未満、好ましくは、約15μM、約10μM、約5μM、または約1μM未満の範囲のIC50、EC50、および/またはCC50を示すものである。例えば、約10μM、5μM、1μM、0.10μM、0.50μM未満、またはさらに低い範囲で、IC50、EC50、および/またはCC50を示す化合物は、HCV感染を治療または予防する治療薬または予防薬として特に有用である。
【0168】
本明細書で論じたように、本発明の化合物および/またはそれらの組成物は、それらのHCV複製を阻害する能力によって、さまざまな状況において使用することができる。例えば、本発明の化合物は、更なるおおよその効き目のある抗HCV化合物を確認する試験管内アッセイにおける対照として使用することができる。別の例として、本発明の化合物および/またはそれらの組成物は、医療機器および補給品がHCVウイルスに感染するようになることを防止するための臨床設定における保存料または消毒薬として使用することができる。この状況で使用する場合、本発明の化合物および/またはそれらの組成物は、消毒すべきその機器に、該化合物について測定されたIC50の倍数である濃度で適用すればよい。
【0169】
具体的な実施形態において、該化合物および/または組成物は、移植用の臓器を「消毒する」ために使用することもできる。例えば、移植用に用意される肝臓またはその一部は、レシピエントにその臓器を移植する前に本発明の阻害性化合物を含む溶液を潅流させることができる。この方法は、肝臓移植手術/治療の後のB型肝炎ウイルス(HBV)感染の発生を減少するためにラムビジン(lamuvidine)(3TC、Epivir(商標)、Epivir−HB(商標))により成功が証明されている。実に興味深いことに、上記の潅流治療は、HBV感染のない(HBV陰性)肝臓レシピエントを、HBV陽性のドナーから受ける肝臓からのHBVにかかることから保護するばかりでなく、それはHBV陽性のレシピエントに移植されるHBV陰性のドナーからの肝臓をHBVによる攻撃から保護することが見出されている。本発明の化合物は、臓器または肝臓移植の前に同様のやり方で使用することができる。
【0170】
IV.医薬品
本発明の化合物は、ストレートの化学物質として投与することもできるが、好ましくは医薬品組成物として投与する。従って、本発明は、本発明の化合物または薬学的に許容できる塩を、少なくとも1つの薬学的に許容できる担体と共に含む医薬品製剤を提供する。
【0171】
本発明の化合物は、従来の薬学的に許容できる担体を含有する投与量単位の製剤で、経口、局所、非経口、吸入または噴霧、舌下、経皮、頬側投与、直腸、点眼液として、またはその他の方法によって投与することができる。該医薬品組成物は、任意の薬学的に有用な形態、例えば、エアロゾル、クリーム、ゲル、丸剤、カプセル、錠剤、シロップ、経皮パッチ、または点眼液として処方することができる。錠剤およびカプセル等の剤形によっては、活性成分の適切な量、例えば、所望の目的を達成する有効量を含有する適切な大きさの単位用量に再分割する。
【0172】
担体は、賦形剤および希釈剤を含み、それらを治療される患者への投与に対して適切なものにするために十分に高純度で、十分に低毒性のものでなければならない。その担体は、不活性であってよく、またはそれはそれ自体の薬学的利点を持つこともできる。該化合物との関連で使用する担体の量は、該化合物の単位投与量当りの投与に対する材料の実際量を提供するのに十分なものである。
【0173】
担体の種類としては、バインダ、緩衝剤、着色剤、希釈剤、崩壊剤、乳化剤、香味料、流動促進剤、潤滑剤、保存料、安定剤、界面活性剤、錠剤化剤、および湿潤剤が挙げられるが、これらに限定されない。担体によっては1つ以上の種類に挙げることができ、例えば、植物油は、いくつかの製剤においては潤滑剤として、他においては希釈剤として使用することができる。典型的な薬学的に許容できる担体としては、糖類、デンプン、セルロース、トラガカント末、麦芽、ゼラチン、タルク、および植物油が挙げられる。本発明の化合物の活性を実質的に妨害しない任意の活性薬剤を、医薬品組成物に含有させることができる。
【0174】
バインダは、粉末を共に結合または「接着」し、顆粒を形成することによってそれらを密着させ、かくして製剤中の「接着剤」として役立つ物質である。バインダは、希釈剤または充填材中で既に得られているものに結合力を付加する。バインダの例としては、デンプン、ゼラチン、天然糖、トウモロコシ甘味料、アカシアおよびアルギン酸ナトリウム等の天然および合成ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。組成物中のバインダの量は、例えば、該組成物の約2〜約20重量%、または約3〜約10重量%、さらにより好ましくは、約3〜約6重量%の範囲であり得る。
【0175】
希釈剤は、ラクトース、スクロース、マンニトールおよびソルビトール等の糖類;コムギ、トウモロコシ、コメ、およびジャガイモに由来するデンプン類;および微結晶性セルロース等のセルロース類が挙げられる。組成物中の希釈剤の量は、例えば、組成物全体の約10〜90重量%、約25〜約75%、約30〜約60重量%、または約12〜約60%であり得る。
【0176】
崩壊剤は、医薬品組成物にそれがばらばらになり(崩壊し)、活性薬剤を放出することを助けるために加える材料である。適当な崩壊剤としては、カルボキシメチルデンプンナトリウム等の「冷水溶解性」変性デンプンを含むデンプン類;ローカストビーン、カラヤ、グアー、およびトラガカントゴム等の天然および合成ゴムならびに寒天;メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体;微結晶性セルロースおよびクロスカルメロースナトリウム等の架橋微結晶性セルロース;アルギン酸およびアルギン酸ナトリウム等のアルギネート類;ベントナイト等の粘土類;ならびに発泡性混合物類が挙げられる。該組成物中の崩壊剤の量は、例えば、該組成物の約2〜約15重量%または約4〜約10重量%の範囲であり得る。
【0177】
潤滑剤は、錠剤、顆粒などを圧縮された後に型または金型から摩擦または磨耗を減少させることによって取り出すことを可能にする医薬製剤に添加される物質である。医薬品剤形に有用な潤滑剤の例としては、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。潤滑剤は、それらが顆粒の表面に存在し、それらと錠剤プレスの部品との間になければならないために、錠剤圧縮前のまさしく最後の段階で通常は加える。該組成物中の潤滑剤の量は、例えば、該組成物の約0.1〜約5重量%、約0.5〜約2%、または約0.3〜約1.5重量%の範囲であり得る。単位用量中の本発明の化合物または塩の量は、該化合物の特定の用途および効能によって約1.0ミリグラム〜約1,000ミリグラム、約1.0〜約900ミリグラム、約1.0〜約500ミリグラム、または約1〜約250ミリグラムまで一般に変動または調節することができる。使用される実際の用量は、患者の年齢、性、体重および治療される状態の重症度によって変動し得る。
【0178】
経口投与用に処方される医薬品組成物が多くの場合好ましい。これらの組成物は、本発明の化合物を0.1と99%の間で含み、通常は、本発明の化合物を少なくとも約5%(重量%)含む。実施形態によっては、本発明の化合物を約25%〜約50%または5%〜75%含む。
【0179】
<液体製剤>
本発明の化合物は、例えば、水性または油性の懸濁剤、溶液剤、乳剤、シロップ剤、チンキ剤、シロップ剤、またはエリキシル剤等の経口液体製剤中に組み込むことができる。その上、これらの化合物を含む製剤は、水またはその他の適当な媒体との構成のための使用前の例えば顆粒または粉末としての乾燥製品として存在させることができる。シロップ剤、エリキシル剤、乳剤および懸濁剤用の担体の典型的な成分としては、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液体スクロース、ソルビトールおよび水が挙げられる。液体製剤は、従来の添加剤、例えば、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコール/糖、シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、および水素化食用脂)、乳化剤(例えば、レシチン、ソルビタンモノステアリン酸、またはアカシア)、食用油を含むことができる非水性媒体(例えば、アーモンドオイル、ヤシ油、シリルエステル類、プロピレングリコールおよびエチルアルコール)、および保存料類(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸プロピルおよびソルビン酸)などを含むことができる。経口製剤は、粘滑剤、着香料、スクロースまたはサッカリン等の甘味剤、味覚マスク剤、および着色剤を含むことができる。
【0180】
<懸濁剤>
水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造に適する賦形剤との混合物中に活性材料(1つ以上)を含む。上記の賦形剤は、懸濁化剤、例えば、AVICEL RC−591、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴム;分散剤または湿潤剤、例えば、レシチンおよびポリソルベート80である。該水性懸濁剤は、また、1つ以上の保存料、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル、メチルパラベン、プロピルパラベン、および安息香酸ナトリウムなどを含むことができる。
【0181】
油性懸濁剤は、活性成分を植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはココナッツ油中、あるいは流動パラフィンのような鉱物油中に懸濁させることによって処方することができる。該油性懸濁剤は、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含むことができる。上で示したものなどの甘味剤、および着香料を口に合う経口製剤を提供するために添加することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化物質を添加することによって保存することができる。
【0182】
<乳剤>
本発明の医薬品組成物は、また、水中油型乳剤の形態であり得る。その油相は、植物油、例えば、オリーブ油またはラッカセイ油、あるいは鉱物油、例えば流動パラフィンあるいはこれらの混合物であり得る。適当な乳化剤は、天然に存在するゴム類、例えば、アカシアゴムまたはトラガカントゴム、天然に存在するホスファチド類、例えば、大豆レシチン、ならびに脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導されるエステルまたは部分エステル、例えば、ソルビタンモノオレエート、ならびに前記部分エステルのエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートである。
【0183】
<錠剤およびカプセル剤>
錠剤は、一般的には従来の薬学的に適合する不活性希釈剤としての補助剤類、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトースおよびセルロースなど;バインダ類、例えば、デンプン、ゼラチンおよびスクロースなど;崩壊剤類、例えば、デンプン、アルギン酸およびクロスカルメロースなど;潤滑剤類、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルクなどを含む。二酸化ケイ素などの流動促進剤は、粉体混合物の流動特性を改良するために使用することができる。FD&C染料等の着色剤は、外見のために添加することができる。甘味料および着香料、例えば、アスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミント、および果実フレーバーなどは、噛み砕くことができる錠剤用の有用な補助剤である。カプセル剤(経時放出性および徐放性製剤を含む)は、一般的に上で開示した1つ以上の個体の希釈剤を含む。担体成分の選択は、多くの場合、味、コスト、および保存性のような二次的考察による。
【0184】
上記のような組成物は、また、一般的にはpHまたは時間に依存するコーティングで従来の方法により被覆することもでき、その結果、その対象化合物は、胃腸管中、所望の局所適用の近くで、または所望の作用を延長するようにさまざまな時間に放出される。かかる剤形は、一般的には、以下に限定はされないが、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、Eudragitコーティング、ワックスおよびシェラックなどの1つ以上を含む。
【0185】
経口使用のための製剤は、また、殻の固いまたは軟らかいカプセルとして存在することができる。カプセルは、活性薬剤を包含する特別の容器または封入物で投与される剤形である。その活性薬剤は、個体、液体、ゲル、または粉体の形、あるいはその他の任意の薬学的に許容できる形で存在することができる。カプセルの殻は、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、または変性ゼラチンもしくはデンプンあるいはその他の材料製であり得る。硬い殻のカプセルは、一般的には比較的高いゲル強度の骨ゼラチンとポークスキンゼラチンのブレンドでできている。軟らかい殻のカプセルの殻は、多くの場合動物ゼラチンまたは植物ゼラチンでできている。カプセルはそれ自体少量の色素、不透明化剤、可塑剤および保存料を含むことができる。
【0186】
カプセル中の活性薬剤は、不活性個体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合することができ、あるいは軟質ゼラチンカプセルの場合は、該活性成分は水または油媒体、例えば、ラッカセイ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合することができる。
【0187】
<注射製剤および非経口製剤>
医薬品組成物は、殺菌した注射可能な水性または油性の懸濁液の形であり得る。この懸濁液は、上で述べたような適当な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁化剤を用いる既知の技術に従って処方することができる。殺菌した注射製剤は、また、無毒の非経口的に受け入れられる希釈剤または溶媒中の、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液としての殺菌した注射可能な溶液または懸濁液でもあり得る。採用することができる受け入れ可能な媒体および溶媒の中では、水、リンガー溶液、および生理食塩水がある。さらに、殺菌した不揮発性油が従来、溶媒または懸濁媒体として採用されている。この目的に対して合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含めた任意ブランドの不揮発性油を採用することができる。さらに、オレイン酸等の脂肪酸が注射剤の調製において有用である。
【0188】
本発明の組成物は、殺菌した媒体中で非経口的に投与することができる。非経口投与としては、皮下注射、静脈内、筋肉内、くも膜下腔内注射または輸液技術が挙げられる。薬物は、使用される媒体および濃度によって、その媒体中に懸濁するかまたは溶解することができる。有利には、補助剤、例えば、局部麻酔薬、保存料および緩衝化剤などをその媒体に溶解することができる。非経口投与用の組成物において、担体は一般的には組成物全体の最低でも約90重量%を構成する。
【0189】
V.治療の方法
本発明は、本発明の化合物の有効量をC型肝炎感染の危険があるかC型肝炎ウイルスに感染した患者に提供することによってC型肝炎感染を予防および治療する方法を含む。
【0190】
本明細書に開示の医薬品組成物は、患者におけるC型肝炎感染を予防および治療するために有用である。本発明の医薬品の組合せの有効量は、(a)C型肝炎またはC型肝炎の症状が、C型肝炎に罹る可能性があるが未だそれに罹っていると診断されていない患者で起こるのを予防するか、あるいはC型肝炎一次感染症(例えば慢性HCV感染症の状況をもたらし得る肝線維症)と関連するか、またはそれによって引き起こされる病気を予防する;(b)C型肝炎の進行を阻止する;および(c)C型肝炎感染の退化を引き起こすのに十分な量であり得る。C型肝炎の進行を阻止するか退化を引き起こすのに有効な医薬品組成物の量は、C型肝炎の症状の悪化を停止するかC型肝炎ウイルスに感染した患者によって経験される症状を低下するのに有効な量を含む。また、C型肝炎の進行または退化の停止は、この疾患に対するいくつかのマーカーのいずれかによって示すことができる。例えば、C型肝炎ウイルス負荷の増加または減少の欠如または患者の血液中で循環しているHCV抗体の数の増加または減少の欠如は、C型肝炎感染の進行または退化における停止のマーカーである。その他のC型肝炎疾患のマーカーとしては、アミノトランスフェラーゼレベル、特に肝酵素ASTおよびALTのレベルが挙げられる。ASTの正常レベルは、血清(血液の液体部分)1リットル当り5〜40単位であり、ALTの正常レベルは、血清1リットル当り7〜56単位である。これらのレベルは、HCVに感染した患者においては一般的には上昇する。疾患の退化は、ASTおよびALTレベルの正常範囲への復帰によって通常は明らかにされる。
【0191】
本発明の医薬品組成物の有効量により影響され得るC型肝炎の症状としては、低下した肝機能、疲労、インフルエンザに似た症状:発熱、悪寒、筋肉痛、関節痛、頭痛など、吐き気、一定の食物に対する嫌悪、説明の付かない体重減少、うつ病を含む心理的障害、腹部の圧痛、黄疸などが挙げられる。
【0192】
「肝機能」とは、以下に限定はされないが、血清タンパク質(例えば、アルブミン、凝固因子、アルカリホスファターゼ、アミノトランスフェラーゼ類(例えば、アラニントランスアミナーゼ、アスパラギン酸トランスアミナーゼ)、5’−ヌクレオシダーゼ、yグルタミニルトランスペプチダーゼなど)などのタンパク質の合成、ビリルビンの合成、コレステロールの合成、および胆汁酸の合成を含む合成機能;炭水化物代謝、アミノ酸およびアンモニア代謝、ホルモン代謝、および脂質代謝を含む肝臓代謝機能;外因性薬物の解毒作用;および内蔵および門脈血行動態を含む肝臓の正常機能を意味する。
【0193】
本明細書に記載の有効量の組合せは、また、患者に投与する場合の濃度における活性薬剤の十分な濃度も提供する。活性薬剤の十分な濃度は、感染を予防し、または感染と戦うために必要な患者の体内にあるその薬剤の濃度である。かかる量は、例えば、その薬剤の血中濃度を分析するか、生物学的利用率を理論的に計算することによって実験的に確定することができる。試験管内でのウイルス感染を阻害するのに十分な活性薬剤の量は、文献に記載されているレプリコンに基づくアッセイのようなウイルス感染性に対する従来のアッセイによって決定することができる。
【0194】
本発明は、また、予防的治療において、本発明の化合物および少なくとも1つの更なる活性薬剤を含む医薬品組成物を使用することも含む。予防的もしくは阻止的治療に照らして、本発明の化合物の有効量は、患者がC型肝炎感染症に罹る危険を著しく減少するのに十分な量である。
【0195】
治療の方法は、本発明の化合物および少なくとも1つの更なる活性薬剤の一定の投与量を患者に提供することを含む。体重1キログラム当り1日に約0.1mg〜約140mg(1患者当り1日に約0.5mg〜約7g)の各活性薬剤の投与量レベルが、上で示した状態の治療においては有用である。単一の剤形を製造するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、治療される患者および投与の特定の様式によって変動する。単位剤形は、一般に、約1mg〜約500mgの間で各活性薬剤を含む。特定の実施形態においては、1日に、25mg〜500mg、または25mg〜200mgの本発明の化合物が患者に提供される。更なる活性薬剤がNM283(バロピシタビン)であるとき、これらの薬剤のどちらも、一般的には、100mg〜1000mg/日、または200mg〜800mg/日、または200〜400mg/日が患者に提供される。更なる活性薬剤がVX−950であるとき、1000mg〜3750mg/日、または1200mg〜1800mg/日が患者に投与される。VX−950が更なる活性薬剤であり、約350〜約450mgまたは約700〜約800mgのVX−950を1日当り3回患者に投与するか、約350〜約450mgまたは約700〜800mgを12時間毎に投与する治療処置が特に本発明には含まれる。
【0196】
投与の頻度も、使用される化合物および治療される特定の疾患によって変動する。しかしながら、最も感染性の障害の治療に対しては1日に4回以下の用法が好ましく、1日に1回または2回の用法が特に好ましい。
【0197】
しかしながら、当然のことながらどんな特定の患者に対する具体的な投与量レベルも使用される具体的な化合物の活性、年齢、体重、総体的な健康、性、食生活、投与の時間、投与の経路、および排泄速度を含むさまざまな要因、薬物の組合せならびに治療を受けている特定の疾患の重症度に依存することが理解されよう。
【0198】
VI.組合せ方法
本発明の化合物は、また、HCVまたは当業者には認識されているその他の併存症の徴候の阻害に有用なその他の活性成分と組み合わせて使用することもできる。そのような組合せは、治療される状態、成分の交差反応性およびその組合せの薬理特性に基づいて選択する。
【0199】
この併用療法は、「相乗作用」および「相乗効果」を提供することができ、すなわち、活性成分が一緒に使用されるときに得られる効果が、その化合物を別々に使用して得られる効果の和より大きい。相乗効果は、複数の活性成分が、(1)一緒に処方されて投与されるか、複合製剤中で同時に送達される;(2)別々の製剤として交互に、または並行して送達される;または(3)何らかのその他の投与計画による場合に達成され得る。交互療法で送達されるとき、相乗効果は、その複数の化合物が連続して、例えば、別々の錠剤、丸剤もしくはカプセルで、または別の注射器での異なる注射によって投与または送達されるときに得られる。一般に、交互療法の間に各活性成分の有効投与量は、連続して、すなわち連続的に投与され、一方、併用療法においては2つ以上の活性成分の有効投与量が一緒に投与される。
【0200】
本発明は、本発明の化合物または塩を1つ以上の更なる活性薬剤と共に提供する治療の方法を含む。いくつかの実施形態において、その活性薬剤(1つまたは複数)は、HCVプロテアーゼ阻害剤またはHCVポリメラーゼ阻害剤である。例えば、そのプロテアーゼ阻害剤は、テラプレビル(VX−950)であり得、ポリメラーゼ阻害剤は、バロピシタビン、またはバロピシタビが体内で変換する活性薬剤、NM107であり得る。
【0201】
本発明の方法によれば、本発明の化合物および更なる活性薬剤は、(1)一緒に処方して投与するか、複合製剤中で同時に送達するか;(2)別々の製剤として交互に、または並行して送達するか;または(3)何らかのその他の技術的に知られている併用療法の投与計画により送達することができる。交互療法で送達されるとき、本発明の方法は、本発明の化合物および更なる活性薬剤を連続的に、例えば、別々の液剤、乳剤、懸濁剤、錠剤、丸剤またはカプセル剤として、または別々の注射器の異なる注射によって投与または送達することを含み得る。一般に、交互療法の間に各活性成分の有効投与量は、連続して、すなわち連続的に投与され、一方、同時療法においては2つ以上の活性成分の有効投与量が一緒に投与される。断続的な併用療法のさまざまな順序立てもまた使用することができる。
【0202】
いくつかの実施形態において、治療の方法としては、患者に式Iの化合物およびペグ化されたインターフェロンまたはインターフェロンγ等のインターフェロンを提供することを含む。そのインターフェロンは、本発明の化合物により提供される唯一の化合物であり得、またはインターフェロンではないさらなる活性薬剤により提供することができる。
【0203】
治療および薬剤組合せの本発明の方法は、本発明の化合物、以下の化合物の任意の1つまたは組合せおよび更なる活性薬剤としての物質を含む。
カスパーゼ阻害剤類:IDN6556(Idun Pharmaceuticals)
サイクロフィリン阻害剤類:NIM811(Novartis)およびDEBIO−025(Debiopharm)
シトクロムP450モノオキシゲナーゼ阻害剤類:リトナビル(国際公開第94/14436号)、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン、クロメチアゾール、シメチジン、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール、フルボキサミン、フルオキセチン、ネファゾドン、セルトラリン、インディナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、フォスアンプレナビル、サクイナビル、ロピナビル、デラビルジン、エリスロマイシン、VX−944、およびVX−497。好ましいCYP阻害剤としては、リトナビル、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン、およびクロメチアゾールが挙げられる。
グルココルチコイド類:ヒドロコルチゾン、コルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、パラメタゾン、βメタゾン、およびデキサメタゾン
ヘマトポイエチン類:ヘマトポイエチン−1およびヘマトポイエチン−2。ヘマトポイエチンスーパーファミリーのその他のメンバー、例えば、さまざまなコロニー刺激因子(例えば、G−CSF、GM−CSF、M−CSF)、Epo、およびSCF(幹細胞因子)など
ホメオパシー療法:ミルクシスル、シリマリン、朝鮮人参、グリシルリジン、甘草、ゴミシ、ビタミンC、ビタミンE、βカロチン、およびセレン
免疫調節化合物類:サリドマイド、IL−2、ヘマトポイエチン、IMPDH阻害剤、例えば、メリメポディブ(Vertex Pharmaceuticals Inc.社)、天然型インターフェロン(例えば、OMNIFERON、Viragen社、スミフェロン、大日本住友製薬、天然型インターフェロンのブレンドなど)、天然型インターフェロンα(アルフェロン、Hemispherx Biopharma,Inc.社)、リンパ芽球様細胞由来のインターフェロンαnl(ウェルフェロン、Glaxo Wellcome社)、経口αインターフェロン、ペグインターフェロン、ペグインターフェロンα2a(ペガシス、Roche社)、組み換え型インターフェロンα2a(ロフェロン、Roche社)、吸入インターフェロンα2b(AERX、Aradigm社)、ペグインターフェロンα2b(アルブフェロン、Human Genome Sciences社/Novartis社、ペグイントロン、Schering社)、組み換え型インターフェロンα2b(イントロンA、Schering社)、ペグ化インターフェロンα2b(ペグイントロン、Schering社、VIRAFERONPEG、Schering社)、インターフェロンβ1a(レビフ、Serono,Inc.社およびPfizer社)、コンセンサスインターフェロンα(インフェルゲン、Valeant Pharmaceutical社)、インターフェロンγ1b(ACTIMMUNE、Intermune, Inc.社)、非ペグ化インターフェロンα、αインターフェロン、およびその類似物を含むインターフェロン、ならびに合成チモシンα1(ザダキシン、SciClone Pharmaceuticals Inc.社)
免疫抑制剤類:シロリムス(ラパミューン、Wyeth社)
インターロイキン類:(IL−1、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−10、IL−11、IL−12、LIF、TGF−β、TNF−α)およびその他の低分子量因子(例えば、AcSDKP、pEEDCK、胸腺ホルモン類、およびミニサイトカイン類)
インターフェロン賦活剤類:EMZ702(Transition Therapeutics社)
IRES阻害剤類:VGX−410C(VGX Pharma社)
単クローン性および多クローン性抗体類:XTL−6865(XTL社)、HuMax−HepC(Genmab社)、C型肝炎免疫グロビン(ヒト)(CIVACIR、Nabi Biopharmceuticals)
ヌクレオシド類似体類:ラミブジン(エピビル、3TC、GlaxoSmithKline社)、MK−0608(Merck社)、ザルシタビン(HIVID、Roche US Pharmaceuticals社)、リバビリン(コペガス(Roche社)、レベトール(Schering社)、VILONA(ICN Pharmaceuticals社)、およびビラゾール(ICN Pharmaceuticals社)を含む)、ならびにリバビリンのアミジンプロドラッグであるビラミジン(Valeant Pharmaceuticals社)。ヌクレオシド類似体の組合せも使用できる。
非ヌクレオシド阻害剤類:PSI−6130(Roche社/Pharmasset社)、デラビリジン(レスクリプター、Pfizer社)、およびHCV−796(Viropharm社)
P7タンパク質阻害剤類:アマンタジン(シンメトレル、Endo Pharmaceuticals, Inc.社)
ポリメラーゼ阻害剤類:NM283(バロピシタビン)(Idenix社)およびNM107(Idenix社)。
プロテアーゼ阻害剤類:BILN−2061(Boehringer Ingelheim社)、GW−433908(アンプレナビルのプロドラッグ、Glaxo社/Vertex社)、インディナビル(クリキシバン、Merck社)、ITMN−191(Intermune社/Array Biopharma社)、VX950(Vertex社)および前記プロテアーゼ阻害剤の1つ以上を含む組合せ
RNA干渉:SIRNA−034RNAi(Sirna Therapeutics社)
治療ワクチン類:IC41(Intercell社)、IMN−0101(Imnogenetics社)、GI5005(Globeimmune社)、C型肝炎ワクチン(Tripep社/Inovio社)、ED−002(Imnogenetics社)、Hepavaxx C(ViRex Medical社)
TNFアゴニスト類:アダリムマブ(ヒュミラ、Abbott社)、エタネルセプト(エンブレル、Amgen社およびWyeth社)、インフリキシマブ(レミケード、Centocor,Inc.社)
チューブリン阻害剤類:コルヒチン
スフィンゴシン−1−リン酸受容体修飾因子類:FTY720(Novartis社)
TLRアゴニスト類:ANA−975(Anadys Pharmaceuticals社)、TLR7アゴニスト(Anadys Pharmaceuticals社)、CPG10101(Coley社)、およびCPG7909(Coley社)を含むTLR9アゴニスト類
サイクロフィリン阻害剤類:NIM811(Novartis社)およびDEBIO−025(Debiopharm社)。
【0204】
C型肝炎の薬物治療を受けている患者は、一般的には、インターフェロンを別の活性薬剤と共に与えられる。従って、本発明の化合物が更なる活性薬剤としてペグ化インターフェロンα2a等のインターフェロンと共に提供される治療と医薬とを組み合わせる方法は、実施形態として含まれる。同様に、リバビリンが更なる活性薬剤である方法および医薬の組合せが本明細書で提供される。
【0205】
VI.本発明の化合物の代謝産物
同様に本発明の範囲に入るのは、本明細書に記載の化合物の生体内代謝産物である。かかる産物は、投与された化合物の、主として酵素プロセスによる、例えば、酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化などによって生じ得る。従って、本発明は、本発明の化合物をその代謝産物を生ずるための十分な期間、哺乳動物と接触させることを含むプロセスによって産生される化合物を含む。かかる産物は、一般的には、放射性同位体(例えば、C14またはH3)で標識化した本発明の化合物を用意し、それを検知できる投与量(例えば、約0.5mg/kgより多い)で、ラット、マウス、モルモット、サル、またはヒトなどの動物に非経口投与し、代謝が起こる十分な時間(一般的には約30秒〜30時間)そのままにし、その変換産物を、尿、血液またはその他の生体試料から単離することによって確認する。これらの産物は、それらが標識化されているため、容易に単離される(他のものは、代謝産物中に残存しているエピトープに結合することができる抗体を使用することによって単離する)。代謝産物の構造は、従来の方法、例えば、MSまたはNMR分析によって決定することができる。一般に、代謝産物の分析は、当業者には周知の従来の薬物代謝研究と同じように行われる。その変換産物は、それらが別のやり方により生体内で見出されたのでない限り、たとえそれらがそれら自身のHIV阻害活性を持っていなくても、本発明の化合物の薬用量を決めるための診断分析において有用である。
【0206】
代替胃腸分泌物中での化合物の安定性を測定する方法が知られている。化合物は、代替腸液または胃液中37℃で1時間にわたってインキュベートしたとき、約50モルパーセントより少ない保護基が脱保護される場合に胃腸管中で安定であるものとして本明細書では定義される。化合物が胃腸管に対して安定であるというだけの理由で、それらを生体内(in vivo)で加水分解することができないことを意味するものではない。
【0207】
VII.本発明の化合物を製造する典型的な方法
一般に、温度、反応時間、溶媒、ワークアップ手順などの反応条件は、実施されるべき特定の反応に対して当技術において共通のものである。引用される関連材料は、そこに引用された材料と共に、上記条件の詳細な記述を含む。一般的には、温度は、−100℃〜200℃であり、溶媒は、非プロトン性またはプロトン性であり、反応時間は、10秒〜10日である。ワークアップは、一般的に、未反応の試薬があればクエンチし、続いて水層/有機層系の間で分配し(抽出)、生成物を含む層を分離することからなる。
【0208】
酸化および還元反応は、金属水素化物還元についてはその温度はしばしば0℃〜−100℃に下げられるが、一般的には室温近くの温度(約20℃)で行われ、溶媒は、一般的に、還元に対しては非プロトン性であり、酸化に対してはプロトン性または非プロトン性のいずれかであり得る。反応時間は、所望の転化を達成するように調節する。
【0209】
縮合反応は、非平衡性で速度論的に制御される縮合については低下した温度(0℃〜−100℃)が普通であるが、一般的には室温付近の温度で行われる。溶媒は、プロトン性(平衡化反応では普通)または非プロトン性(速度論的に制御される反応で普通)のいずれかであり得る。
【0210】
反応副生成物の共沸除去および無水の反応条件(例えば、不活性ガス雰囲気)の使用等の標準的な合成技術は、当技術においては共通しており、応用できる場合には応用する。
【0211】
VIII.合成スキーム
これらの典型的な方法の一般的な態様を以下でおよび実施例中で説明する。以下のプロセスの各生成物は、その後のプロセスで使用する前に、場合によって、分離し、単離し、かつ/または精製する。
【0212】
一般に、温度、反応時間、溶媒、ワークアップ手順などの反応条件は、実施されるべき特定の反応に対して当技術において共通のものである。引用される関連材料は、そこに引用された材料と共に、上記条件の詳細な記述を含む。一般的には、温度は、−100℃〜200℃であり、溶媒は、非プロトン性またはプロトン性であり、反応時間は、10秒〜10日である。ワークアップは、一般的に、未反応の試薬があればクエンチし、続いて水層/有機層系の間で分配し(抽出)、生成物を含む層を分離することからなる。
【0213】
酸化および還元反応は、金属水素化物還元についてはその温度はしばしば0℃〜−100℃に下げられるが、一般的には室温近くの温度(約20℃)で行われ、溶媒は、一般的に、還元に対しては非プロトン性であり、酸化に対してはプロトン性または非プロトン性のいずれかであり得る。反応時間は、所望の転化を達成するように調節する。
【0214】
縮合反応は、非平衡性で速度論的に制御される縮合については低下した温度(0℃〜−100℃)が普通でもあるが、一般的には室温付近の温度で行われる。溶媒は、プロトン性(平衡化反応では普通)または非プロトン性(速度論的に制御される反応で普通)のいずれかであり得る。
【0215】
反応副生成物の共沸除去および無水の反応条件(例えば、不活性ガス雰囲気)の使用等の標準的な合成技術は、当技術においては共通しており、応用できる場合には応用する。
【0216】
用語「処理(treated, treating, treatmentなど)」とは、化学合成操作との関連で使用されるとき、1つ以上の化学物質を1つ以上のその他の化学物質にそれを転化するやり方で処理することを示すための当技術において共通する、接触させること、混合すること、反応させること、反応させたままにすること、接触するように持ち込むこと、およびその他の用語を意味する。これは、「化合物1を化合物2で処理する」が、「化合物1が化合物2と反応することを可能にする」、「化合物1を化合物2と接触させる」、「化合物1を化合物2と反応させる」、およびその他の有機合成の技術において共通する化合物1を化合物2と一緒に「処理した」、「反応した」、「反応させた」などのことを適切に示すための表現と同義であることを意味する。例えば、処理とは、有機化合物を反応させる妥当な普通の方法を示す。標準的な濃度(0.01M〜10M、一般的には0.1M〜1M)、温度(−100℃〜250℃、一般的には−78℃〜150℃、より一般的には−78℃〜100℃、さらにより一般的には0℃〜100℃)、反応容器(一般的には、ガラス、プラスチック、金属)、溶媒、圧力、雰囲気(一般的には、酸素および水に感じない反応に対しては空気、または酸素もしくは水に感じやすい反応に対しては窒素もしくはアルゴン)などが、他に示されていない限り意図されている。有機合成の技術で知られているものと同様の反応の知識を、与えられたプロセスにおける「処理」のための条件および装置の選択において使用される。特に、有機合成の業者であれば、当該技術における知識に基づいて記載されているプロセスの化学反応を首尾よく行うことがかなり期待される条件および装置を選択する。
【0217】
典型的なスキームおよび実施例(以後「典型的なスキーム」)のそれぞれの修正は、特定の典型的な材料のさまざまな類似物の産生をもたらす。有機合成の適切な方法を説明する上記の言及はかかる修正に適用できる。
【0218】
典型的なスキームのそれぞれにおいて、反応生成物を互いからおよび/または出発材料から分離することが有利であり得る。各ステップまたは一連のステップの所望の生成物は、当技術分野で共通する技術によって所望される均一性の程度まで分離および/または精製(以後、分離)する。一般的に、かかる分離には、多相抽出、溶媒または溶媒混合物からの結晶化、蒸留、昇華、またはクロマトグラフィを必要とする。クロマトグラフィとしては、例えば、逆相および順相クロマトグラフィ;サイズ排除クロマトグラフィ;イオン交換クロマトグラフィ;高、中、および低圧液体クロマトグラフィ法および装置;小規模分析のクロマトグラフィ;擬似移動床(SMB)および分取薄層または厚層クロマトグラフィ、ならびに小規模薄層およびフラッシュクロマトグラフィを含むかなり多数の方法を含むことができる。
【0219】
分離方法の別の種類としては、所望の生成物、未反応の出発材料、反応副生成物などに結合するかまたはそれらを別のやり方で分離できるようにするように選択された試薬による混合物の処理を含む。そのような試薬としては、活性炭、モレキュラーシーブ、イオン交換媒体などの吸着剤または吸収剤が挙げられる。別法では、その試薬類は、塩基性材料の場合の酸、酸性材料の場合の塩基、抗体、結合タンパク質のような結合試薬、クラウンエーテルのような選択性キレート化剤、液/液イオン抽出試薬(LIX)などであり得る。
【0220】
適切な分離の方法の選択は、関与する材料の性質に依存する。例えば、蒸留および昇華における沸点および分子量、クロマトグラフィにおける極性官能基の存否、多相抽出における酸性および塩基性媒体中の材料の安定性などである。当業者であれば望ましい分離を十中八九は達成する技術を適用するであろう。
【0221】
より詳しくは、本発明の化合物は、技術的に知られている任意のやり方で製造することができる。例として本発明のいくつかの化合物は、大まかに示されているように製造することができる。本発明のさまざまな置換アミノチアゾール類は下にそのスキームが示されているように合成することができる。
【0222】
上の反応スキームに示されているように、アミノチアゾール類は、α−ハロケトンとチオ尿素の間の反応によって調製することができる。α−ハロケトンの合成についてはいくつかの方法が文献で知られており、いくつかがスキーム1に示されている。しかしながら、本発明はそのように限定はされない。チオ尿素類は、対応するアミンまたはアニリンから、それらをチオカルボニルジイミダゾールと、続いてアンモニアと反応させることによって調製することができる。文献で知られるその他の方法もチオ尿素類を調製するために使用することができる。そのアミノチアゾールは、次にスキーム2に示されているように、それらの対応する、i)それを活性化カルボン酸と反応させることによるアミド、ii)それをアルコキシ/アリールオキシカルボニルクロリドと反応させることによるカルバメート、iii)それをイソシアネートと反応させることによる尿素、およびiv)それをギ酸/無水酢酸と反応させることによるホルミルに転化することができる。
【0223】
【化73】

【0224】
【化74】

【0225】
スキーム3と4は、次に、カルボン酸置換チアゾール類およびアミノメチレン置換チアゾール類を説明する。
【0226】
【化75】

【0227】
【化76】

【0228】
これらおよびその他の反応手順は、当業者によって認識されるように、本発明の化合物を調製するのに有用であり得る。上記のスキームおよび手順に対するさまざまな修正が、当業者にとっては明らかであり、本発明は、本発明の化合物を調製する方法によって特に限定させることはない。
【実施例】
【0229】
[実施例1]
<合成および分析方法>
非水系反応はすべて乾燥アルゴンガス(99.99%)の雰囲気の下で実施する。NMRスペクトルは、Bruker Avance300スペクトロメータ(300.1MHzでのHおよび75.5MHzでの13C)を用いて周囲温度で記録する。Hおよび13Cに対する化学シフトは、外部のテトラメチルシランに対する百万分の一の単位(δ)で報告し、重水素化溶媒中の残留プロトンの信号を参照する。HPLC分析は、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水中でアセトニトリルの濃度が増大する(5〜95%)20分の直線勾配溶離を用いるWaters X−bridge C18の150×4.6mmの3.5μmのカラムを用い、流速1.0mL/分および254nmでのUV検出を用いて実施する。低分解能質量スペクトルを、Gilson液体クロマトグラフを備えたThermo Finnigan Surveyor MSQ測定器(APCIモードで操作)で記録する。他に指摘がない限り、低分解能質量スペクトルで見られる擬分子イオン[M+H]は、基準ピークである。
【0230】
本発明を、以下の実施例によってさらに説明するが、それらは限定しているものとして解釈すべきではない。
【0231】
[実施例2]
<典型的化合物の合成>
以下の化合物の合成のための大まかな手順をスキーム5に示す。表Aに示すさらなる化合物を同様の手順に従って合成した。
【0232】
【化77】

【0233】
(化合物C)
3−ブロモアセチルピリジン(A、1当量)およびチオ尿素B(1当量)をエタノール中50〜70℃で4〜8時間加熱した。その反応混合物を冷却すると黄色の固体が沈殿した。その固体を濾過し、最低限のエタノールで洗浄し、乾燥してアミノチアゾール(C)を70%の収率で得た。
【0234】
1HNMR (CDCl3) d: 8.98 (d, 1H), 8.53 (dd, 1H), 8.06 (dt, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.29 (dd, 1H), 7.13 (m, 1H), 7.03 (dd, 1H), 6.78 (d, 1H), 3.90 (t, 2H), 1.73 (m, 2H), 1.35 (m, 4H), 0.85 (t, 3H). MS: 408 (M++1).
【0235】
(化合物12、28、31)
化合物C(1当量)を、少し過剰の塩化メチレン中の対応する酸塩化物(塩化アセチル、塩化メチルオキサリル、クロロギ酸メチル)とピリジンまたはトリエチルアミンなどの塩基の存在下で処理した。DMAPもその反応に加えることができる。その反応は、ピリジン中で行うこともできる。その反応物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水に懸濁させ、塩化メチレンで抽出し、乾燥して蒸発させた。その残渣を、結晶化によるか、シリカゲルのカラムクロマトグラフィによるか、分取HPLCにより精製した。
【0236】
(化合物12)
NMR (CDCl3) d: 0.87 (t, 3H), 1.39 (m, 4H), 1.80 (m, 2H), 2.02 (s, 3H), 4.06 (t, 2H), 7.04 (d, 1H), 7.13 (dd, 1H), 7.19 (s, 1H), 7.38 (dd, 1H), 7.47 (brS, 1H), 7.78 (dt, 1H), 8.36 (d, 1H), 8.81 (s, 1H). MS: 450 (M++1)
【0237】
(化合物28)
1HNMR (CDCl3) d: 9.06(d, 1H), 8.66 (dd, 1H), 8.40 (dd, 1H), 7.70 (dd, 1H), 7.52 (m, 2H), 7.61 (s, 1H), 7.08 (d, 1H), 4.09 (t, 2H), 3.62 (s, 3H), 1.82 (m, 2H), 1.40 (m, 4H), 0.83 (t, 3H).
【0238】
(化合物31)
1HNMR (CDCl3) d: 9.12 (s, 1H), 8.71 (d, 1H), 8.42 (dt,1H), 7.78 (dd, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.52 (d, 1H), 7.45 (dd,1H), 7.13( d, 1H), 4.15 (t, 2H), 3.87 (s, 3H), 1.95 (m, 2H), 1.50 (m, 4H), 1.04 (t, 3H) ppm. MS: 507 (M++1)
【0239】
(化合物49)
アミノチアゾールC(1当量)およびトリメチルシリルイソシアネート(4当量)をTHF中60℃で一晩加熱した。その溶媒を除去し、残っている残渣をHPLCにより精製して49を与えた。
【0240】
1HNMR (CDCl3): 9.13 (d, 1H), 8.71 (dd, 1H), 8.42 (dt,1H), 7.75 (dd, 1H), 7.64 (d, 1H), 7.57 (dd, 1H), 7.41 (s,1H,), 7.18(d, 1H), 5.96 (s, 2H), 4.20 (t, 2H), 1.95 (m, 2H), 1.50 (m, 4H), 1.04 (t, 3H) ppm. MS: 451 (M++1)
【0241】
(化合物50)
アミノチアゾールC(1当量)とホルムアルデヒドおよび無水酢酸を60℃で一晩加熱した。その溶媒を除去し、残っている残渣をHPLCにより精製して50を与えた。
【0242】
1HNMR (CDCl3): 9.16 (s, 1H), 8.72 (2H), 8.45 (d,1H), 7.73 (m, 1H,), 7.61 (d類似, 3H), 7.21 (d, 1H), 4.20 (t, 2H), 1.95 (m, 2H), 1.50 (m, 4H), 1.04 (t, 3H) ppm. MS: 436 (M++1)
【0243】
(化合物20および30)
チアゾールカルボン酸およびクロロメチレンチアゾールを、化合物Cに対して記載されている手順に従い、スキーム2および3に示されているように対応するブロモケトンをチオ尿素と反応させることにより調製した。その酸を、次に標準的条件に従って対応するアミドに転化した。クロロメチレンチアゾールをDMF中、塩基の存在下でさまざまなアミンと反応させ、続いてHPLCにより精製することにより、該アミノ化合物を得た。これらを上記のようにして誘導体化した。
【0244】
(化合物20)
MS:430(M++1)
【0245】
(化合物30)
1HNMR (CDCl3) d: 9.11 (s, 1H), 9.05 (s, 1H), 8.6 (d, 1H), 8.46 (d, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.7 (m, 2H), 7.53 (d, 1H), 7.11 (d, 1H), 4.09 (t, 2H), 3.62 (s, 3H), 1.82 (m, 2H), 1.39 (m, 4H), 0.87 (t, 3H). MS: 537 (M++1)
【0246】
[実施例3]
<HCV複製を阻害する化合物を確認するためのアッセイ>
本明細書で主張されている化合物を、HCVレプリコン構成が組み込まれている培養細胞中でC型肝炎レプリコンのウイルス複製を阻害する能力について試験する。そのHCVレプリコン系は、バーテンシュラーゲル(Bartenschlager)ら(Science, 285, pp. 110-113 (1999))により記載されている。そのレプリコン系は、生体内の抗HCV活性を予測することができ、ヒトの中で活性である化合物がレプリコンアッセイにおいて一様に活性を明示する。
【0247】
このアッセイにおいては、細胞を含むHCVレプリコンを、試験化合物のHCVレプリコンの複製を抑圧する能力を究明するためにさまざまな濃度の試験化合物で処理する。陽性対照としてHCVレプリコンを含む細胞は、HCV複製の既知の阻害剤であるインターフェロンαのさまざまな濃度により処理する。このレプリコンアッセイ系は、宿主細胞におけるレプリコン遺伝子産物の転写を検出するためにレプリコンそれ自体の成分としてネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(NPT)を含む。HCVレプリコンが活発に自己複製している細胞は、高レベルのNPTを有しており、NPTのそのレベルはHCV複製に比例する。HCVレプリコンが自己複製していない細胞は、同様に、低レベルのNPTを有しており、従ってネオマイシンにより処理されたとき生き残れない。各試料のNPTレベルは、補足ELISAを用いて測定する。
【0248】
レプリコン構成が組み込まれているC型肝炎レプリコン培養細胞のウイルス複製を阻害する能力について化合物を試験するためのプロトコルが、以下に続く。
【0249】
3A.HCVレプリコンおよびレプリコン発現
HCVゲノムは、3000のアミノ酸ポリタンパク質をコード化する単一のORFからなる。そのORFは、内部リボソーム侵入部位(IRES)としての役目を果たす非翻訳領域のそばの5’側およびウイルス複製のために必要な高度な保存配列のそばの3’側(3’−NTR)の側面に位置している。ウイルス感染のために必要な構造タンパク質は、そのORFの5’末端近くに位置している。NS2からNS5Bまで指名されている非構造タンパク質は、残りのORFを含む。
【0250】
HCVレプリコンは、5’−3’、HCV−IRES、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(neo)遺伝子、HCV配列NS3のNS5Bへの翻訳を導く脳心筋炎ウイルスのIRES、および3’−NTRを包含する。HCVレプリコンの配列は、ジェンバンクに保管されている(信託番号AJ242652)。
【0251】
このレプリコンは、電気穿孔法などの標準的な方法を用いてHuh−7細胞中にトランスフェクトする。
【0252】
3B.細胞維持
装置および材料としては、以下に限定されないが、Huh−7HCVレプリコンを含む細胞、維持培地(10%FBS、L−グルタミン、非必須アミノ酸類、ペニシリン(100単位/ml)、ストレプトマイシン(100マイクログラム/ml)、および500マイクログラム/mlのジェネテシン(G418)を追加したDMEM(ダルベッコ変法イーグル培地))、スクリーニング培地(10%FBS、L−グルタミン、非必須アミノ酸類、ペニシリン(100単位/ml)およびストレプトマイシン(100マイクログラム/ml)を追加したDMEM)、96ウェル組織培養プレート(平底)、96ウェルプレート(薬物希釈のためU型の底)、陽性対照用のインターフェロンα、固定化試薬(メタノール、アセトンなど)、一次抗体(ウサギanti−NPTII)、二次抗体:Eu−N11、および増強液が挙げられる。
【0253】
HCVレプリコン含有細胞は、それらの密度が適切であるときは高レベルのウイルスのRNAレプリコン複製を支える。過剰な培養密度は、ウイルスRNA複製の減少を引き起こす。それ故、細胞は、500マイクログラム/mlのG418の存在下の対数期の成長を保たなければならない。一般に、細胞は、週2回1:4〜6の希釈で継代すべきである。細胞維持は、以下のように行う。
【0254】
HCVレプリコン含有細胞は、細胞が十分に成長することを確保するために顕微鏡下で観察する。細胞をPBSで1回すすぎ、2mlのトリプシンを加える。その細胞/トリプシン混合物を、COインキュベータ中37℃で3〜5分間インキュベートする。インキュベート後、10mlの完全培地を加えてトリプシン処理反応を停止させる。細胞を優しく吸い取り、15mlの管に入れ、1200rpmで4分間回転させる。そのトリプシン/培地溶液を除去する。培地(5ml)を加え、細胞を注意深く混合する。その細胞を数える。
【0255】
その細胞を、次に、96ウェルのプレート上に6000〜7500細胞/100マイクロリットル/ウェル(6〜7.5×10細胞/10ml/プレート)の密度で播く。そのプレートを次に5%COインキュベータ中37℃でインキュベートする。
【0256】
細胞は顕微鏡の下でシード後ほぼ24時間観察し、その後、薬物を加える。計数および希釈が正確に実施された場合、細胞は60〜70%の集密状態であり、大半の細胞がウェル中で一様に付着し広がっているはずである。
【0257】
3C.HCVレプリコン含有細胞の試験化合物による処理
HCVレプリコンを含む細胞をPBSで1回すすぎ、2mlのトリプシンを次に加える。細胞を5%COインキュベータ中37℃で3〜5分間インキュベートする。10mlの完全培地を加えて反応を停止させる。細胞を優しく吸い取り、15mlの管に入れ、1200rpmで4分間回転させる。そのトリプシン/培地溶液を除去し、BRLカタログ#12430−054からの5mlの培地(500mlDMEM(高グルコース));50mlの10%FBS、5%ジェネテシンG418(50mg/ml、BRLカタログ#10131−035)、5mlのMEM非必須アミノ酸(100×BRL#11140−050)および5mlのペンストレップ(pen−strep)(BRL#15140−148)を加える。その細胞と培地を注意深く混合する。
【0258】
細胞を、スクリーニング培地(500mlのDMEM(BRL#21063−029)、50mlのFBS(BRL#10082−147)および5mlのMEM非必須アミノ酸(BRL#11140−050)と共に、6000〜7500細胞/100μl/96ウェルプレートのウェル(6〜7.5×10細胞/10ml/プレート)で播く。プレートを5%COインキュベータ中37℃で一晩放置する。
【0259】
3D.アッセイ
翌朝、薬物(試験化合物またはインターフェロンα)を、96ウェルU型底のプレート中で、スクリーニングのために選択される最終濃度によって、培地またはDMSO/培地により希釈する。全体的に、10マイクロモルから0.03マイクロモルまで変動する各試験化合物の6つの濃度について適用する。100μlの試験化合物希釈物を、HCVレプリコン細胞を含む96ウェルプレートのウェルにセットする。薬物を含まない培地を陰性対照としていくつかのウェルに加える。DMSOは、細胞の成長に影響を及ぼすことが知られている。それ故、DMSO中で希釈された薬物が使用される場合は、陰性対照(培地のみ)および陽性対照(インターフェロンα)のウェルを含むすべてのウェルが、単回投与スクリーニングのために同じ濃度のDMSOを含まなくてはならない。そのプレートは、加湿した5%CO雰囲気中37℃で3日間インキュベートする。
【0260】
4日目、該NTPIIアッセイを定量化する。培地をプレートから注ぎ、そのプレートを200μlのPBS中で1回洗浄する。そのPBSを次いでデカントし、そのプレートをペーパータオルにあてて残っているPBSを除去する。細胞を100μl/ウェルの予め冷却した(−20℃)メタノール:アセトン(1:1)によりその場に固定し、そのプレートを30分間−20℃で置いた。
【0261】
その固定溶液をプレートから注ぎ、そのプレートを完全に空気乾燥させる(ほぼ1時間)。乾燥した細胞層の外観を記録し、その有毒なウェル中の細胞の密度を裸眼で判定する。別法では、細胞の生存は、以下に記載するMTSアッセイを用いて評価することができる。
【0262】
該ウェルは、200μlのブロッキング溶液(10%のFBS、PBS中3%のNGS)により室温で30分間遮断する。そのブロッキング溶液を除去し、ブロッキング溶液中で1:1000に希釈されたウサギ抗−NPTIIの100μlを各ウェルに加える。そのプレートを、次に室温で45〜60分インキュベートする。インキュベート後、ウェルをPBS−0.05%Tween−20溶液により6回洗浄する。ブロッキング緩衝液中で1:15,000に希釈されたユウロピウム(EU)−接合ヤギ抗ウサギの100μlを各ウェルに加え、室温で30〜45分間インキュベートする。そのプレートを再度洗浄し、100μlの増強液(Perkin Elmer #4001−0010)を各ウェルに加える。各プレートを、プレートシェーカー中で3分間震盪させる(約30rpm)。95μlを、各ウェルからブラックプレートに移し、そのEU信号をPerkin−Elmer VICTORプレートリーダ(EU−Lance)中で定量化する。
【0263】
(試験結果)
表Aに記載されている化合物を、基本的にこの実施例に記載されているものと同じHCV複製アッセイで試験した。その表中で、+++は、1マイクロモルより少ないHCVレプリコン複製の阻害を示し、++は、10マイクロモル〜1マイクロモルより少ない阻害を示し、+は、10マイクロモルを超える阻害を示す。
【0264】
[実施例4]
<細胞傷害性アッセイ>
レプリコン複製の減少がHCVレプリコンに対する化合物の活性によることを保証するために、どちらかといえば非特異的ではない毒性アッセイを用いて化合物細胞傷害性を定量化する。
【0265】
(実施例4A)
<細胞傷害性のための細胞タンパク質アルブミンアッセイ>
細胞タンパク質アルブミン測定は、細胞傷害性の1つの指標を提供する。細胞アルブミンアッセイから得られたタンパク質レベルは、化合物類の抗ウイルス活性に対する基準化参照を提供するために使用することもできる。タンパク質アルブミンアッセイにおいて、HCVレプリコンを含む細胞は、高濃度で細胞傷害性であることが知られている化合物のヘリオキサンチンのさまざまな濃度により3日間処理する。細胞を溶解し、その細胞溶解物を用いて、プレートに結合したヤギ抗アルブミン抗体に室温(25℃〜28℃)で3時間結合させる。そのプレートを次に1X PBSにより6回洗浄する。結合していないタンパク質を洗い流した後、マウス単クローン抗ヒト血清アルブミンを適用して、そのアルブミンをプレートに結合させる。その複合体を次に二次抗体としてのホスファターゼを標識化した抗マウスIgGを用いて検出する。
【0266】
(実施例4B)
<細胞傷害性のためのMTSアッセイ>
細胞の生存は、また、生存細胞の数を測定するための比色定量アッセイであるCELLTITER96水性一液細胞増殖アッセイ(CELLTITER 96 AQUEOUS ONE Solution Cell Proliferation Assay)(Promega社、ウィスコンシン州マディソン)により測定することもできる。この方法においては細胞を固定する前に、メーカーの指示に従って、10〜20μlのMTS試薬を各ウェルに加え、プレートを37℃でインキュベートし、OD490nmで読み取る。インキュベーションの間中、生存している細胞は、MTS試薬を490nmで吸収するホルマザン生成物に転化させる。従って、490nmの吸収は、培養液中で生存している細胞の数に正比例する。
【0267】
細胞傷害性を測定するための細胞アルブミンとMTS方法との直接の比較は、以下のようにして得ることができる。細胞をさまざまな濃度の試験化合物またはヘリオキサンチンで3日間にわたり処理する。上記のようにアルブミン検出のための溶解の前に、MTS試薬をメーカーの指示に従って各ウェルに加え、37℃でインキュベートしてOD490nmで読み取る。細胞アルブミン定量化は、その後上記のように行う。
【0268】
【表1】

【0269】
【表2】

【0270】
【表3】

【0271】
【表4】

【0272】
【表5】

【0273】
【表6】

【0274】
【表7】

【0275】
【表8】

【0276】
【表9】

【0277】
【表10】

【0278】
【表11】

【0279】
【表12】

【0280】
【表13】

【0281】
【表14】

【0282】
【表15】

【0283】
【表16】

【0284】
【表17】

【0285】
【表18】

【0286】
【表19】

【0287】
【表20】

【0288】
【表21】

【0289】
【表22】

【0290】
【表23】

【0291】
【表24】

【0292】
【表25】

【0293】
【表26】

【0294】
【表27】

【0295】
【表28】

【0296】
【表29】

【0297】
【表30】

【0298】
【表31】

【0299】
【表32】

【0300】
【表33】

【0301】
【表34】

【0302】
【表35】

【0303】
【表36】

【0304】
【表37】

【0305】
【表38】

【0306】
【表39】

【0307】
【表40】

【0308】
【表41】

【0309】
【表42】

【0310】
【表43】

【0311】
【表44】

【0312】
【表45】

【0313】
【表46】

【0314】
【表47】

【0315】
【表48】

【0316】
【表49】

【0317】
【表50】

【0318】
【表51】

【0319】
【表52】

【0320】
【表53】

【0321】
【表54】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物または薬学的に許容できる塩。
【化1】


(式I)
[式中、Aは、
【化2】


であり、ここで、
Qは、−NHC(O)−、−C(O)−、O、S、NH、CH、または不在であり;
XおよびYは、独立に、NまたはCHであり;
Rは、−C(O)R、−C(O)CH、−N=CHR、モノ−もしくはジ−(C〜Cアルキルアミノ)C〜Cアルキル、または置換C〜Cアルキルであり;
は、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシであるか、Rは、C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルキルアミノ、ジ−(C〜C)(C〜C10)アルキルアミノ、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルコキシ、(5員または6員ヘテロシクロアルキル)C〜Cアルキル、(5員または6員ヘテロシクロアルキル)C〜Cアルコキシ、(5員または6員ヘテロアリール)C〜Cアルキル、(5員または6員ヘテロアリール)C〜Cアルコキシ、(アリール)C〜Cアルキル、または(アリール)C〜Cアルコキシであり、そのそれぞれは置換されていてもよく;
は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cハロアルコキシから独立に選択される0、1、または2個の置換基であり;
は、水素、R、−C(O)OH、−C(O)NHであるか、Rは、C〜Cアルコキシ、(C〜Cアルキルエステル)C〜Cアルキル、(C〜Cアルキルエステル)C〜Cアルコキシ、(モノ−もしくはジ−C〜Cアルキルカルバメート)C〜Cアルキル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル、(5〜10員複素環)C〜Cアルキル、C〜C12ポリエチレンオキシド、またはC〜C10アルキルであり、そのそれぞれは置換されていてもよく;
は、水素または置換されていてもよいC〜Cアルキルであり;
は、置換されていてもよいアミノであり;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、または(モノ−もしくはジ−C〜Cアルキルアミノ)C〜Cアルキルであり;
は、
(a)ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、−C(O)OH、−C(O)NH、−PO、C〜Cハロアルキル、またはC〜Cハロアルコキシ、あるいは
(b)それぞれが、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、オキソ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されている、モノ−もしくはジ−C〜Cアルキルアミノ、モノ−もしくはジ−(C〜C)アルキルカルボキシアミド、C〜Cアルカノイル、C〜Cアミノアルキル、C〜Cアミノアルコキシ、C〜Cヒドロキシアルキル、またはC〜Cアルキルエステルであり;
は、
(i)ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、シアノ、ニトロ、−COOH、−CONH、−PO、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cハロアルコキシ;ならびに
(ii)それぞれが、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、オキソ、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されている、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cアルカノイル、モノ−およびジ−C〜Cアルキルホスフェート、C〜Cアルキルエステル、(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキル、または(5員または6員ヘテロシクロアルキル)C〜Cアルキル
から独立に選択される0個または1個以上の置換基であり;あるいは
隣接する炭素原子に結合している任意の2つのRおよびRは、連結して、N、O、およびSから選択される0、1、または2個の環へテロ原子を有する5員環または6員環(該5員環または6員環は、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい)を形成していてもよく;
は、
(iii)ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、シアノ、−COOH、−CONH、−PO、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cハロアルコキシ;
(iv)それぞれが、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されている、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cアルカノイル、C〜Cアルキルホスフェート、およびC〜Cアルキルエステル
から独立に選択される0個または1個以上の置換基であるか;あるいは
は、Rと結合して、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cハロアルコキシから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されている6員のアリール環またはヘテロアリール環を形成している。]
【請求項2】
請求項1に記載の化合物または塩であって、
Rが、−C(O)R、−C(O)CH、−N=CHRであるか、
Rが、ヒドロキシル、アミノ、−C(O)OH、−C(O)NH、−C(O)ONa、またはC〜Cアルキルエステルから独立に選択される1個または2個の置換基により置換されているC〜Cアルキルであり;ここで
は、水素、R、−C(O)OH、−C(O)NH、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、(C〜Cアルキルエステル)C〜Cアルキル、(モノ−もしくはジ−C〜Cアルキルカルバメート)C〜Cアルキル、C〜C12ポリエチレンオキシド、C〜Cシクロアルキル、(フェニル)C〜Cアルキル、または、N、S、およびOから独立に選択される1個または2個のヘテロ原子を含有し、それぞれが、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、ホスフェート、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−(C〜Cアルキル)アミノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、およびフェニルから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されている5員または6員のヘテロアリールであり;
は、C〜Cアルキルであり;
は、アミノ、モノもしくはジ(C〜Cアルキル)アミノ、−C(O)OHにより置換されているモノもしくはジ(C〜Cアルキル)アミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、またはフェニルアミノである
ことを特徴とする化合物または塩。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物または塩であって、
Rが、−C(O)R、−C(O)CH、−N=CHRであり;
が、水素、R、−C(O)OH、−C(O)NH、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、(C〜Cアルキルエステル)C〜Cアルキル、(モノ−もしくはジ−C〜Cアルキルカルバメート)C〜Cアルキル、C〜C12ポリエチレンオキシド、またはC〜Cシクロアルキルであるか、あるいは
が、フェニル、イソオキサゾリル、チエニル、イミダゾリル、またはピリジルであって、それぞれが、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される0個、1個または2個の置換基により置換されており、
が、C〜Cアルキルであり;
が、アミノ、モノもしくはジ(C〜Cアルキル)アミノ、−C(O)OHにより置換されているモノもしくはジ(C〜Cアルキル)アミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、またはフェニルアミノである
ことを特徴とする化合物または塩。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物または塩であって、
Rが、−C(O)Rまたは−C(O)CHであり、ここで
は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、(C〜Cアルキルエステル)C〜Cアルキル、またはC〜Cシクロアルキルであり、あるいは
Rは、−C(O)NHである
ことを特徴とする化合物または塩。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物または塩であって、
Rが、−C(O)R、−C(O)CH、または−N=CHRであり、
が、水素、R、−C(O)OH、−C(O)NH、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、(C〜Cアルキルエステル)C〜Cアルキル、(モノ−もしくはジ−C〜Cアルキルカルバメート)C〜Cアルキル、C〜C12ポリエチレンオキシド、C〜Cシクロアルキルであるか、
が、フェニル、イソオキサゾリル、チエニル、イミダゾリル、またはピリジルであって、それぞれが、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される0個、1個または2個の置換基により置換されており、
が、C〜Cアルキルであり;
が、アミノ、モノもしくはジ(C〜Cアルキル)アミノ、−C(O)OHにより置換されているモノもしくはジ(C〜Cアルキル)アミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、またはフェニルアミノである
ことを特徴とする化合物または塩。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物または塩であって、
Rが、−C(O)Rまたは−C(O)CHであり、ここで
は、水素、−C(O)NH、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、(C〜Cアルキルエステル)C〜Cアルキル、シクロプロピル、またはシクロヘキシルである
ことを特徴とする化合物または塩。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物または塩であって、Rが、式:
【化3】


【化4】


【化5】


【化6】


【化7】


【化8】


【化9】


【化10】


【化11】


【化12】


【化13】


【化14】


【化15】


【化16】


【化17】


【化18】


【化19】


【化20】


【化21】


【化22】


【化23】


【化24】


【化25】


【化26】


【化27】


【化28】


【化29】


【化30】


【化31】


【化32】


【化33】


【化34】


【化35】


【化36】


【化37】


または
【化38】


(式中、*は、アタッチメントの結合を示す。)
の基であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物または塩であって、Rが、パラ位にあり、Rが不在であるか、Rがパラ位にあり、Rが、メタ位の単一の置換基であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物または塩であって、Rが、パラ位にあり、(5員または6員ヘテロアリール)C〜Cアルキルまたは(5員または6員ヘテロアリール)C〜Cアルコキシであり、該5員または6員ヘテロアリールは、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、またはピリジルであることを特徴とする化合物または塩。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物または塩であって、
が、C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルキルアミノ、ジ−(C〜C)(C〜C10)アルキルアミノ、または(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキルであり、
が、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cハロアルコキシから選択される0個または1個の置換基である
ことを特徴とする化合物または塩。
【請求項11】
請求項1に記載の化合物または塩であって、
が、パラ位にあり、C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルキルアミノ、またはジ−(C〜C)(C〜C10)アルキルアミノであり、
が、不在であるか、Rが、メタ置換基であり、ハロゲン、トリフルオロメチル、またはトリフルオロメトキシである
ことを特徴とする化合物または塩。
【請求項12】
請求項1に記載の化合物または塩であって、Rが、n−オクチル、n−ブトキシ、イソブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプトキシ、n−オクチルオキシ、(シクロヘキシル)メトキシ、トリフルオロメチル、またはN−メチル−N−ペンチルアミノであることを特徴とする化合物または塩。
【請求項13】
請求項1に記載の化合物または塩であって、Qが−NHC(O)−または不在であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項14】
請求項12に記載の化合物または塩であって、Qが不在であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項15】
請求項13に記載の化合物または塩であって、Aが、
【化39】


であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項16】
請求項15に記載の化合物または塩であって、
が、ハロゲン、−C(O)NH、C〜Cハロアルキル、モノ−もしくはジ−C〜Cアルキルアミノ、モノ−もしくはジ−(C〜C)アルキルカルボキシアミド、C〜Cアルカノイル、C〜Cアミノアルキル、C〜Cアミノアルコキシ、C〜Cヒドロキシアルキル、またはC〜Cアルキルエステルであり、
が、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、−CONH、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される0個または1個以上の置換基である
ことを特徴とする化合物または塩。
【請求項17】
請求項15に記載の化合物または塩であって、隣接する炭素原子に結合しているRおよびRが、連結して、0個、1個、または2個の、N、O、およびSから選択される環へテロ原子を有する5員または6員環を形成しており、該5員または6員環が、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよいことを特徴とする化合物または塩。
【請求項18】
請求項1に記載の化合物または塩であって、Aが、式
【化40】


の基であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項19】
請求項18に記載の化合物または塩であって、Rが、
(i)ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、シアノ、ニトロ、−COOH、−CONH、−PO、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cハロアルコキシ、ならびに
(ii)それぞれが、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、オキソ、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されているC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cアルカノイル、およびC〜Cアルキルエステル
から独立に選択される0個または1個以上の置換基であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項20】
請求項18に記載の化合物または塩であって、Rが、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、シアノ、−COOH、−CONH、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノ、およびC〜Cアルカノイルから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項21】
請求項18に記載の化合物または塩であって、Rが、不在であるか、Rが、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、−CONH、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項22】
請求項18に記載の化合物または塩であって、Aが、3−ピリジルであり、Rが、不在であるか、Rが、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、シアノ、−CONH、メチル、およびメトキシから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項23】
請求項22に記載の化合物または塩であって、Aが、3−ピリジルであり、Rが、不在であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項24】
請求項1に記載の化合物または塩であって、Aが、式
【化41】


の基であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項25】
請求項24に記載の化合物または塩であって、Rが、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、シアノ、−COOH、−CONH、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cアルカノイル、ならびにC〜Cアルキルエステルから独立に選択される0個または1個以上の置換基であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項26】
請求項25に記載の化合物または塩であって、Rが、ハロゲン、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される0個または1個または2個の置換基であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項27】
請求項24に記載の化合物または塩であって、Rが、Rと連結して6員のアリール環またはヘテロアリール環を形成しており、該環が、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される0個または1個以上の置換基により置換されていることを特徴とする化合物または塩。
【請求項28】
請求項1に記載の化合物または塩であって、Aが、式:
【化42】


【化43】


【化44】


【化45】


【化46】


【化47】


【化48】


【化49】


【化50】


【化51】


【化52】


【化53】


【化54】


【化55】


【化56】


【化57】


【化58】


【化59】


【化60】


【化61】


【化62】


【化63】


【化64】


および
【化65】


(式中、*は、アタッチメントの結合を示す。)
の基であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項29】
請求項1に記載の化合物または塩であって、Rが、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、メチル、メトキシ、ジメチルアミノ、またはジメチルアミノメチルであることを特徴とする化合物または塩。
【請求項30】
請求項29に記載の化合物または塩であって、Rがハロゲンであることを特徴とする化合物または塩。
【請求項31】
請求項30に記載の化合物または塩であって、Rがフルオロであることを特徴とする化合物または塩。
【請求項32】
請求項1に記載の化合物または塩であって、Rが水素であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項33】
請求項1に記載の化合物または塩であって、式IA
【化66】


(式IA)
であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項34】
請求項33に記載の化合物または塩であって、
が、パラ位にあり、Rが、不在であるか、メタ位に位置しており;
が、水素、ハロゲン、またはアミノであり;
XおよびYが、CHであり;
が、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、シアノ、−COOH、−CONH、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ−およびジ−C〜Cアルキルアミノ、ならびにC〜Cアルカノイルから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基である
ことを特徴とする化合物または塩。
【請求項35】
請求項34に記載の化合物または塩であって、
が、パラ位にあり、C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルキルアミノ、またはジ−(C〜C)(C〜C10)アルキルアミノであり;
が、不在であるか、Rが、メタ置換基であり、ハロゲン、トリフルオロメチル、またはトリフルオロメトキシであり;
が、水素、フルオロ、またはアミノであり;
が、不在であるか、Rが、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、−CONH、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルコキシから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基である
ことを特徴とする化合物または塩。
【請求項36】
請求項1に記載の化合物または塩であって、
式IB
【化67】


(式IB)
であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項37】
請求項36に記載の化合物または塩であって、Rが、ハロゲン原子であり、Rが、不在であるかハロゲン原子であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項38】
請求項37に記載の化合物または塩であって、Rがパラ位にあり、Rが不在であるか、Rがメタ位にあり、Rが不在であるか、あるいはRがパラ位にあり、Rがメタ位にあることを特徴とする化合物または塩。
【請求項39】
請求項1に記載の化合物または塩であって、式IC
【化68】


(式IC)
であり、kが、0または1であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項40】
請求項39に記載の化合物または塩であって、Rが、アミノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、またはC〜Cアルキルエステルであることを特徴とする化合物または塩。
【請求項41】
請求項1に記載の化合物または塩であって、
N−(4−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−N−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド;
N−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アセトアミド;
N−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)イソブチルアミド;
N−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド;
N−(3−フルオロ−4−(ペンチルオキシ)フェニル)−N−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アセトアミド;
N−(3−フルオロ−4−(ペンチルオキシ)フェニル)−N−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)イソブチルアミド;
N−(3−フルオロ−4−(ペンチルオキシ)フェニル)−N−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド;
メチル 2−((3−フルオロ−4−(ペンチルオキシ)フェニル)(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アミノ)−2−オキソアセテート;
メチル 2−オキソ−2−((4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アミノ)アセテート;
メチル 2−オキソ−2−((4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−(ピリジン−3−イルカルバモイル)チアゾール−2−イル)アミノ)アセテート;
メチル 4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)カルバメート;
N−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−オキソ−2−((4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アミノ)酢酸エチル;
5−メチル−N−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)イソオキサゾール−3−カルボキサミド;
メチル 2−オキソ−2−((4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−(ピリジン−4−イル)チアゾール−2−イル)アミノ)アセテート;
メチル 4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル(4−(ピリジン−4−イル)チアゾール−2−イル)カルバメート;
メチル 2−((4−(2,4−ジフルオロフェニル)チアゾール−2−イル)(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−2−オキソアセテート;
メチル 2−((4−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−2−オキソアセテート;
メチル 2−((4−オクチルフェニル)(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アミノ)−2−オキソアセテート;
メチル 2−((4−(ヘプチルオキシ)フェニル)(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アミノ)−2−オキソアセテート;
2−(ジメチルアミノ)−N−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アセトアミド;
メチル 3−((3−フルオロ−4−(ペンチルオキシ)フェニル)(4−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)アミノ)−3−オキソプロパノエート;
メチル 3−((4−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−3−オキソプロパノエート;
メチル 3−((4−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)(4−(オクチルオキシ)フェニル)アミノ)−3−オキソプロパノエート;
メチル 2−((3−フルオロ−4−(ペンチルオキシ)フェニル)(4−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)アミノ)−2−オキソアセテート;
メチル 4−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)カルバメート;
1−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
N−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)ホルムアミド;
2−((4−(メチル(ペンチル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アミノ)−2−オキソエチルアセテート;
5−メチル−N−(4−(メチル(ペンチル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)イソオキサゾール−3−カルボキサミド;
メチル 2−((4−(メチル(ペンチル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アミノ)−2−オキソアセテート;
2−((4−(3,4−ジフルオロフェニル)チアゾール−2−イル)(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−2−オキソエチルアセテート;
メチル 2−((4−(メチル(ペンチル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アミノ)−2−オキソアセテート;
メチル 4−(3,4−ジフルオロフェニル)チアゾール−2−イル(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)カルバメート;
2−((4−(3,4−ジフルオロフェニル)チアゾール−2−イル)(4−(オクチルオキシ)フェニル)アミノ)−2−オキソエチルアセテート;
メチル 2−((4−(3,4−ジフルオロフェニル)チアゾール−2−イル)(4−(オクチルオキシ)フェニル)アミノ)−2−オキソアセテート;
2−((4−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)(4−(オクチルオキシ)フェニル)アミノ)−2−オキソエチルアセテート;
2−ヒドロキシ−N−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アセトアミド;
1−((4−(6−メチルピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)(4−(オクチルオキシ)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イルアセテート;
1−オキソ−1−((4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アミノ)プロパン−2−イルアセテート;
2−オキソ−2−((4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アミノ)−1−フェニルエチルアセテート;
エチル 2−((4−(オクチルオキシ)フェニル)(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アミノ)−2−オキソアセテート;
2−((4−(オクチルオキシ)フェニル)(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アミノ)−2−オキソエチルアセテート;
N−(4−(オクチルオキシ)フェニル)−N−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アセトアミド;
1−(4−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)尿素;
1−(4−(2−メチルピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)−1−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)尿素;
1−(4−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(4−(ヘプチルオキシ)フェニル)尿素;
1−(4−(オクチルオキシ)フェニル)−1−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
3−エチル−1−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
3−tert−ブチル−1−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
N,N−ジメチル−5−(2−(1−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)チアゾール−4−イル)ピコリンアミド;
1−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−フェニル−1−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(4−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(4−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(4−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)尿素;
1−(4−(2,4−ジフルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)尿素;
1−(3−フルオロ−4−(ペンチルオキシ)フェニル)−1−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
N−(4−(5−クロロチオフェン−2−イル)チアゾール−2−イル)−5−メチル−N−(4−(オクチルオキシ)フェニル)イソオキサゾール−3−カルボキサミド;
N−(4−(5−クロロチオフェン−2−イル)チアゾール−2−イル)−N−(4−(ヘプチルオキシ)フェニル)−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド;
N−(4−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)チアゾール−2−イル)−N−(4−(ヘプチルオキシ)フェニル)−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド;
N−(4−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)チアゾール−2−イル)−5−メチル−N−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−3−カルボキサミド;
N−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
メチル 2−((4−(5−クロロチオフェン−2−イル)チアゾール−2−イル)(4−(オクチルオキシ)フェニル)アミノ)−2−オキソアセテート;
メチル 2−((4−(5−クロロチオフェン−2−イル)チアゾール−2−イル)(4−(ヘプチルオキシ)フェニル)アミノ)−2−オキソアセテート;
メチル 2−((4−(5−クロロチオフェン−2−イル)チアゾール−2−イル)(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−2−オキソアセテート;
メチル 2−オキソ−2−((4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)チアゾール−2−イル)(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)アセテート;
N−(4−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)チアゾール−2−イル)−N−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)ニコチンアミド;
1−(4−ブトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(4−ブトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(4−(メチル(ペンチル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(4−(メチル(ペンチル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(4−(メチル(ペンチル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(3−フルオロ−4−(ペンチルオキシ)フェニル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(4−(シクロヘキシルメトキシ)−3−フルオロフェニル)−1−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(4−(シクロヘキシルメトキシ)−3−フルオロフェニル)−1−(4−(3,4−ジフルオロフェニル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(4−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(4−(ヘキシルオキシ)フェニル)尿素;
1−(4−(ヘキシルオキシ)フェニル)−1−(4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(4−(3,4−ジフルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(4−(ヘキシルオキシ)フェニル)尿素;
1−(4−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(4−イソブトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)尿素;
1−(4−(3,4−ジフルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(4−イソブトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)尿素;
1−(4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
N1−(4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−N1−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)オキサルアミド;
1−(4−ブトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(6−メチルピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
5−(2−(1−(4−ブトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)チアゾール−4−イル)−2−ヒドロキシベンズアミド;
1−(4−ブトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(4−ブトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(4−ブトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(ピリジン−4−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(4−ブトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(3,4−ジフルオロフェニル)チアゾール−2−イル)尿素
1−(4−(メチル(ペンチル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(6−メチルピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(4−(4−フルオロフェニル)チアゾール−2−イル)−1−(4−(メチル(ペンチル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)尿素;
1−(4−(ヘキシルオキシ)フェニル)−1−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(4−イソブトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(6−メチルピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
2−ヒドロキシ−5−(2−(1−(4−イソブトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)チアゾール−4−イル)ベンズアミド;
1−(4−イソブトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(4−イソブトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(ピリジン−2−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
1−(4−イソブトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)尿素;
N1−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−N1−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)オキサルアミド;
N−(4−(1,1−ジフルオロオクチル)フェニル)−N−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アセトアミド;
1−(5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)−1−(4−ヘキシル−3−(トリフルオロメチル)フェニル)尿素;
1−(5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)−1−(4−(ペンチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)尿素;
2−((4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アミノ)−2−オキソエチルアセテート;
2−ヒドロキシ−N−(4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(ジメチルアミノ)−N−(4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アセトアミド;
4−((4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アミノ)−4−オキソブタン酸;
ナトリウム 4−((4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アミノ)−4−オキソブタノエート;
4−((5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)(4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−4−オキソブタン酸;
tert−ブチル 2−((5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)(4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−2−オキソエチルカルバメート;
2−(3−(4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)ウレイド)酢酸;
2−(3−(5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)−3−(4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)酢酸;
2−(ジメチルアミノ)−N−(5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)−N−(4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド;
2−((5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)(4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−2−オキソエチルアセテート;
N−(5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)−2−ヒドロキシ−N−(4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド;
2−(ジメチルアミノ)−N−(5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)−N−(4−オクチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド;
2,5,8,11−テトラオキサトリデカン−13−イル 5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル(4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)カルバメート;
N−(5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)−2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−N−(4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド;
2−(ジメチルアミノ)−N−(5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)−N−(4−(4−(チオフェン−2−イル)ブトキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド;
4−((5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)(4−(4−(チオフェン−2−イル)ブトキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−4−オキソブタン酸;
N−(5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)−N−(4−オクチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド;
1−(5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)−1−(4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)尿素;
N−(5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)−N−(4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド;
1−(5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)−1−(4−オクチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル)尿素;
2−(ジメチルアミノ)エチル 5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル(4−オクチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル)カルバメート;
2−アミノ−N−(5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)−3−メチル−N−(4−オクチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル)ブタンアミド;
2−(ホスホノオキシ)エチル 5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル(4−オクチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル)カルバメート;
2−((5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)(4−オクチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−2−オキソエチルジヒドロホスフェート;
4−((5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)(4−オクチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−4−オキソブチルジヒドロホスフェート;
((5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)(4−オクチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイルオキシ)メチル 2−アミノ−3−メチルブタノエート;
ホスホノオキシメチル 5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル(4−オクチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル)カルバメート;
(E)−2−(1−(4−(オクチルオキシ)フェニル)−2−プロピリデンヒドラジニル)−4−(ピリジン−3−イル)チアゾロ;
(E)−2−(2−エチリデン−1−(4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)ヒドラジニル)−4−(ピリジン−3−イル)チアゾロ;
(E)−2−(2−エチリデン−1−(4−(オクチルオキシ)フェニル)ヒドラジニル)−4−(ピリジン−3−イル)チアゾロ;
((5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)(4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)メチルピバレート;
N1−(5−フルオロ−4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)−N1−(4−(4−(チオフェン−2−イル)ブトキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)エタン−1,2−ジアミン;または
N−(4−(オクチルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(5−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−イル)アセトアミド。
であることを特徴とする化合物または塩。
【請求項42】
請求項1に記載の化合物または塩および少なくとも1つの薬学的に許容できる担体を含むことを特徴とする医薬品組成物。
【請求項43】
請求項43に記載の医薬品組成物であって、請求項1に記載の化合物または塩ではない少なくとも1つのさらなる抗ウイルス剤を含有することを特徴とする医薬品組成物。
【請求項44】
請求項44に記載の医薬品組成物であって、少なくとも1つのさらなる抗ウイルス剤が、リバビリン、インターフェロン、VX−950、またはバロピシタビンであることを特徴とする医薬品組成物。
【請求項45】
請求項42に記載の医薬品組成物であって、注射液、エアロゾル、クリーム、ゲル、錠剤、丸剤、カプセル、シロップ、点眼液、または経皮パッチとして処方されることを特徴とする医薬品組成物。
【請求項46】
容器中の請求項42に記載の医薬品組成物と、患者におけるHCV感染を治療または予防するための該組成物の使用説明書とを一緒に含むことを特徴とするパッケージ。
【請求項47】
C型肝炎感染を治療するための方法であって、かかる治療を必要としている患者に請求項1に記載の化合物または塩の有効量を与えるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項48】
in vivoのHCV複製を阻害する方法であって、HCVに感染した患者に、in vitroのHCVレプリコン複製を阻害するのに十分な濃度の請求項1に記載の化合物または塩を与えるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項49】
請求項48に記載の方法であって、有効量が、患者の血液または血清中のHCV抗体の数を減少させるのに十分な量であることを特徴とする方法。

【公表番号】特表2009−529059(P2009−529059A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558416(P2008−558416)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際出願番号】PCT/US2007/006023
【国際公開番号】WO2007/103550
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(504378685)アキリオン ファーマシューティカルズ,インコーポレーテッド (22)
【Fターム(参考)】