説明

接合シート貼付装置及び方法

【課題】一枚の基板に対する接合シートの貼り付けから検査完了までの時間を大幅に短縮し、且つ接合シートのロスの可能性を低くすることができる接合シート貼付装置及び方法を提供する。
【解決手段】基板を支持する貼付ステージと、接合シートが基板に向くように、貼付ステージの上方に複数の接合シートを供給する接合シート供給装置と、貼付ステージの上方に上下動可能に設けられ、基板の一つの辺に沿った複数の貼付位置に接合シートを逐次貼り付ける貼付ヘッドと、接合シート供給装置と貼付ヘッドとが取り付けられたフレームと、を有する貼付ユニットと、貼付ユニットを基板の辺に沿って貼付方向に移送する移送装置と、及び貼付ユニットが接合シートの貼付動作を連続して行っている間に、既に貼付ユニットにより貼り付けられた接合シートの貼付状態を検査する検査装置とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合シートの一面に基材層が接合された接合シート連続体から、接合シートのみを基板に貼り付ける接合シート貼付装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレキシブルプリント配線(FPC)基板を含む基板、電子部品、機械部品、光学部品等の部品を、液晶ディスプレイ(LCD)基板やプラズマディスプレイ(PDP)基板等の他の部品に接合する際、接合シートが使用されている。例えば、LCD基板にFPC基板を実装する際には、異方性導電膜シート(Anisotropic Conductive Film Sheet(以下、ACFシートという))が使用されている。
【0003】
ACFシートは、導電性の金属粒子が混入されたエポキシ系の合成樹脂などにより形成され、2個の部材を接合することができるものである。ACFシートを使用したLCD基板へのFPC基板の実装は、大別すると以下の3つの工程により実行される。第1の工程では、ACFシートを、ACFシート自体の接合力(粘着力)により上面に基材層が付着した状態で、LCD基板の辺上の所定の貼付位置に供給する。次いで、ACFシートの下面を前記貼付位置に貼り付けるとともに、ACFシートの上面の基材層を剥離する。第2の工程では、FPC基板をLCD基板に対してアライメント後にLCD基板上のACFシートに仮圧着する。第3の工程では、FPC基板をLCD基板に対して本圧着する。
【0004】
しかしながら、前記第1の工程においては、ACFシートの前記貼付位置への貼付及びACFシートから基材層の剥離後に、特に剥離開始及び終了位置付近において、貼付不良及び剥離不良が生じやすいという問題点があった。また、近年、LCD基板やPDP基板等の基板は大型化の傾向にある。これに伴い、ACFシートは、その無駄を無くすために実装位置にのみポイント的に分割されて貼り付けられるようになってきている。このため、1枚の基板に対するACFシートの貼付箇所が増え、ACFシートの貼付状態の良否の検査をすべき箇所が増加している。例えば、37インチの基板に部品を実装する場合、基板の一辺あたりの部品実装数は3〜12個となるので、基板一枚あたりの検査箇所は少なくとも14箇所以上必要となる。したがって、従来のように作業者が目視してこの貼付状態の良否を検査していたのでは、その検査に甚大な時間と労力がかかることになる。
【0005】
この問題点を解決する装置及び方法が、特許第3324599号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1の装置及び方法は、LCD等の表示パネルに粘着された導電膜(ACFシート)の貼付状態の検査を、カメラを有する認識手段を備えて自動化することによって、短時間且つ的確に行うことができるようになされている。より具体的には、以下の動作を行う。
【0006】
まず、一枚の基板に対して、基材層が付着した状態のACFシートを複数貼り付ける。その後、基材層のみを複数のACFシートから剥離する。次いで、一枚の基板上に貼り付けた複数のACFシートの貼付状態の検査を、カメラを有する認識手段によって行う。この検査により、一カ所でも貼付不良又は剥離不良が生じていると、その貼付不良又は剥離不良の箇所に再度、貼付又は剥離動作を行い再検査する。この動作を、ACFシートの貼付不良又は剥離不良を無くすようにするために、所定の回数繰り返す。
【特許文献1】特許第3324599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の装置及び方法においては、一枚の基板に貼り付けられた複数のACFシートの貼付状態の検査を、一枚一枚順番に基板上の全てのACFシートの貼付状態の検査を終了するまで行っていた。したがって、基板が大型化し、一枚の基板に対するACFシートの貼付箇所が増加すればするほど、また貼付不良又は剥離不良が生じて再検査の回数が増せば増すほど、ACFシートの貼り付けから検査完了までの時間が累進的に増加するという問題点があった。
【0008】
また、特許文献1の装置及び方法では、複数のACFシートを基板に全て貼り付けてからまとめて検査を行うので、貼り替えが必要な貼付不良が多数発生している場合には、無駄になるACFシートが大量に発生してしまう可能性があるとともに、多数のACFシート貼付動作が無駄になる可能性もあった。
【0009】
そこで、本発明は、一枚の基板に対する接合シートの貼り付けから検査完了までの時間を大幅に短縮し、且つ接合シートのロス及び貼付動作のロスの可能性を低くすることができる接合シート貼付装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0011】
本発明の第1態様によれば、接合シートの一面に基材層が接合された接合シート連続体から、前記接合シートのみを基板に貼り付ける接合シート貼付装置であって、
前記基板を支持する貼付ステージと、
前記貼付ステージの上方に前記接合シートを供給する接合シート供給装置と、前記貼付ステージの上方に上下動可能に設けられ、前記接合シートを前記基板に押し付けて貼り付ける貼付ヘッドと、を有する貼付ユニットと、
前記貼付ユニットを前記基板の前記一辺に沿った貼付方向に移送する移送装置と、
前記貼付ユニットが前記接合シートの貼付動作を連続して行っている間に、既に前記貼付ユニットにより貼り付けられた接合シートの貼付状態を検査する検査装置と、
を有することを特徴とする接合シート貼付装置を提供する。
【0012】
本発明の第2態様によれば、前記検査装置は、前記貼付ユニットを移送する移送装置によって、前記貼付ユニットと一体的に移送されることを特徴とする第1態様に記載の接合シート貼付装置を提供する。
【0013】
本発明の第3態様によれば、前記検査装置は、前記貼付ユニットと独立して移動可能な移送装置を備えたことを特徴とする第1態様に記載の接合シート貼付装置を提供する。
【0014】
本発明の第4態様によれば、前記貼付ステージは、全部又は前記基板の前記辺を支持する部分の近傍部分が光を透過する光透過体と光を拡散させる光拡散体とを備え、
前記光透過体の内部へ光を入射させる光源をさらに有し、
前記検査装置は、前記光源から前記光透過体を透過するとともに前記光拡散体によって拡散され、且つ前記貼付ステージ上で支持されている前記基板を透過した光により、既に前記貼付ユニットにより前記基板に貼り付けられた前記接合シートを照らして、前記接合シートの貼付状態を検査することを特徴とする第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の接合シート貼付装置を提供する。
【0015】
本発明の第5態様によれば、少なくとも1つの光反射部材をさらに備え、
前記光源の光は、前記光反射部材で反射されたのち、前記光透過体の内部に入射されることを特徴とする第4態様に記載の接合シート貼付装置を提供する。
【0016】
本発明の第6態様によれば、接合シートの一面に基材層が接合された接合シート連続体から、前記接合シートのみを基板に貼り付ける接合シート貼付方法であって、
貼付ヘッドを下降させて前記接合シートを前記基板に貼り付ける貼付ユニットにより、前記基板の辺に沿った第1の貼付位置に、前記接合シート連続体から第1の接合シートを貼り付ける第1の工程と、
前記貼付ユニットを、前記基板の前記辺に沿って前記第1の貼付位置に対向する位置から第2の貼付位置に対向する位置まで移送する第2の工程と、
前記貼付ユニットにより、前記第2の貼付位置に前記接合シート連続体から第2の接合シートを貼り付ける第3の工程と、
前記第2の工程もしくは第3の工程を実施する間に、前記第1の接合シートの貼付状態を検査する工程と、
を含むことを特徴とする接合シート貼付方法を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、貼付ユニットが接合シートの貼付動作を連続して行っている間に、既に貼付ユニットにより貼り付けられた接合シートの貼付状態を検査するので、貼付及び検査作業効率が向上し、一枚の基板に対する接合シートの貼り付けから検査完了までの時間を従来よりも大幅に短縮することができる。また、貼付不良又は剥離不良が生じた場合には、すぐに次の貼付動作を停止させることができるので、従来よりも接合シートのロスを少なく(例えば一枚のみに)するとともに貼付動作のロスも少なくすることができる。
【0018】
また、特許文献1の装置及び方法においては、光源を基板に対してカメラと同方向(上方)に配置しているが、視認性の点では基板の下方から光を照射するのが好適である。この方式を採用するための手法として単純には、ACFシートの貼付位置で基板を支持しているステージの内部に光源を内蔵する手法や、光源を前記ステージから待避させて配置し、光源の上方に位置するように基板を待避させる手法が考えられる。しかしながら、前記ステージにはACFシートの貼付の際に熱が伝達されるため、光源を内蔵することは困難であり、また光源より照射される光をカメラでダイレクトに受光すると光源の映り込みによるムラが生じやすいという問題点があった。また、基板を頻繁に移動させることは、基板にダメージを与える可能性が増大するため好ましくない。
【0019】
特に、本発明の第4態様によれば、貼付ステージの全部又は基板の1つの辺を支持する部分の近傍部分を、光を透過する光透過体と光を拡散させる光拡散体とを備え、この光透過体の内部に光を入射させるようにしたので、基板の下方から光を当てて透過光を用いて撮像することによりACFの端縁部の視認性を向上させることができる。また、光拡散体により光を拡散させるので光源の映り込みによるムラも生じにくい。さらに、基板を移動させずに検査できるので、基板にダメージを与えることもない。
【0020】
また、一般にACFシートの接合に用いる光源には青色LEDが、相性が良く好ましいとされている。しかしながら、青色LEDのような照度の少ない光源を用いる場合には光透過部材に近づける必要があるが、光源を光透過部材に近づけると光ムラが発生しやすいという問題点があった。
【0021】
また、本発明の第4態様によれば、光拡散体を用いて光ムラの発生を抑えたので、光源に青色LEDのような照度の少ないものも使用することができる。
また、本発明の第5態様によれば、光源からの光を光反射部材で反射してから光透過体の内部に入射するようにしたので、さらに光ムラを抑えて検査精度を向上させることができる。また、光源の設置位置の自由度を広げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明に係る実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は本発明の1つの実施形態に係る接合シート貼付装置を示す斜視図、図2はその一部拡大断面図である。本実施形態では、接合シートの一例であるACFシート8aを、基板の一例であるLCD基板9に貼り付けるために、この接合シート貼付装置を使用している。
【0024】
図1において、本実施形態の接合シート貼付装置は、矩形のLCD基板9の1つの辺部分を支持する貼付ステージ1と、貼付ステージ1の上方に対向するように配置され、LCD基板9の一つの辺に沿って一直線状に配置された複数の貼付位置9a〜9cにACFシート8aを逐次貼り付ける貼付ユニット100と、貼付ユニット100をLCD基板9の前記一つの辺に沿って貼付方向Xに進退移送する移送装置6と、LCD基板9の前記一つの辺と平行に、貼付ステージ1の側方(図1の手前側)に配置され、貼付ユニット100により貼り付けられたACFシート8aの貼付状態を検査する検査装置7とを備えている。
【0025】
貼付ステージ1は、長尺な矩形状の平坦な支持面を有して、この平坦な支持面でLCD基板9の前記一つの辺部分の下面を下方から支持するようにしている。貼付ステージ1の平坦な支持面で支持される部分には、LCD基板9の前記一つの辺沿いの複数の貼付位置9a〜9cが含まれる。つまり、貼付ステージ1の平坦な支持面の幅、すなわち、貼付ステージ1とLCD基板9との接触面の貼付方向Xと直交する方向(横方向)の幅は、ACFシート8aの幅よりも長くなるようにされている。貼付位置9a〜9cは、LCD基板9の前記一つの辺の両端部に設けられた位置決めマーク91と位置決めマーク92(図6参照)との間に直列に配置されている。貼付ステージ1の構成については、後で詳しく説明する。
【0026】
貼付ユニット100は、供給リール2、切断装置3、貼付ヘッド4、フレーム5、ガイドピン10a〜10d、巻き取りリール11及びモータ12を備えている。
供給リール2は、図1に示すように、矩形のフレーム5の、検査装置7と対向する面(以下、前面という)の図1の右側上部で回転自在に軸支されている。供給リール2には、ACFシート8aがLCD基板9に向いてステージ1の上方且つ貼付ヘッド4の下方に供給されるように、ACFシート連続体8を巻回状態で備えている。供給リール2には、ネジリバネなどを内蔵して、巻き戻し方向に対して一定のトルクをかけることにより、ACFシート連続体8が巻き戻し過ぎて不必要に緩んだ状態で移動されないようにしている。
【0027】
ACFシート連続体8は、図3に示すように、多数の導電性粒子8cが分散されたエポキシ系の絶縁性の合成樹脂層8dなどにより形成されているACFシート8aと、ACFシート8a自体の接合力(粘着力)によりACFシート8aの上面に付着している基材層8bとより構成されている。ACFシート8aは、加熱されると軟化し、冷却すると硬化する特性を有する。ACFシート8aはこの特性により2個の部材を接合することができる。加熱して冷却した後のACFシート8aの接合力は、ACFシート8aと基材層8bとの接合力よりも強い。
【0028】
貼付ヘッド4は、直方体の板形状をなし、図1のフレーム5の前面中央下部且つステージ1の上方に、フレーム5に対して上端位置と下端位置との間で上下動可能に設けられている。貼付ヘッド4が上端位置に位置しているとき、貼付ヘッド4の平坦な底面の下方には、所定間隔を置いて、下側可動ガイドピン10b、10cの案内により、ACFシート連続体8のACFシート8aが展張されて配置されている一方、貼付ヘッド4が下端位置に位置しているとき、貼付ヘッド4の平坦な底面により、下側可動ガイドピン10b、10cの案内により展張されていたACFシート連続体8のACFシート8aを、LCD基板9側にさらに下降させて、貼付ヘッド4の平坦な底面によりACFシート8aをLCD基板9に押圧して貼り付けることができるように配置されている。貼付ヘッド4の底面の幅及び長さは、貼付位置9a〜9cの幅及び長さよりも、それぞれやや長くなるようにされている。貼付ヘッド4にはヒータ(図示していない)及び冷却装置(図示していない)が内蔵されている。貼付ヘッド4は、貼付位置9a〜9cで逐次下降するとき、その底面をヒータにより80℃〜120℃程度に加熱される。貼付ヘッド4は、その加熱された平坦な底面で、基材層8bを介してACFシート8aを貼付位置9a〜9cにそれぞれ加圧可能としている。次いで、貼付ヘッド4は、ヒータによる加熱を止め、冷却装置により基材層8bを介してACFシート8aを冷却する。これにより、ACFシート8aは貼付位置9a〜9cに貼り付けられる。
【0029】
供給リール2から引き出されたACFシート連続体8は、供給リール2と貼付ヘッド4の上部近傍との間のフレーム5に突設された上側固定ガイドピン10aと、後述するように上側固定ガイドピン10aの下方に配置された下側可動ガイドピン10bとにより、貼付ヘッド4の底面の下方を走行可能なように案内されている。
貼付ヘッド4に対して、供給リール2とは反対側に、すなわち、フレーム5の前面左側部には、ACFシート連続体8からACFシート8aが剥離されたのちの基材層8bを巻き取る、巻き取りリール11が回転自在に軸支されている。そして、巻き取りリール11と貼付ヘッド4の上部近傍との間のフレーム5に突設された上側固定ガイドピン10dと、後述するように上側固定ガイドピン10dの下方に配置された下側可動ガイドピン10cとにより、貼付ヘッド4の底面の下方を走行してきた基材層8bを巻き取りリール11に案内して巻取るように構成されている。巻き取りリール11には、基材層8bを巻き取る方向に、巻き取りリール11を回転させるモータ12が接続されている。
【0030】
貼付ヘッド4の上面中央部には、図1及び図2に示すように、円柱状の突子31が突設されている。この突子31上には、突子31よりも小さな直径を有する円柱状のロッド32が立設されている。ロッド32の外周部にはコイルバネ33が装着されている。ロッド32の上端部は矩形で横方向(貼付方向と直交する方向)に延びるバー34の先端部に結合されている。バー34は、フレーム5の中央部に開口された開口部41を上下動可能に前記横方向に貫通している。バー34の後端部にはナット部35が固定されている。このナット部35は、フレーム5の背面に突設された支持板42の下面と支持板43の上面との間に上下方向に回転可能に立設されたボールねじ36に螺着している。支持板42の上面にはボールねじ36を回転させるモータ37が設置されている。モータ37が駆動してボールねじ36が正回転あるいは逆回転すると、ナット部35がボールねじ36に沿って上下動する。したがって、モータ37がボールねじ36を正逆駆動することにより、バー34とロッド32と突子31とを介して、ナット部35に連結された貼付ヘッド4が上下動するようになっている。
【0031】
また、突子31とコイルバネ33との間には、図1及び図2に示すように、T字型のアーム51が横方向沿いに配設され、かつ、ロッド32が相対的に移動可能に貫通している。アーム51は、コイルバネ33により突子31の上面に押し付けられている。アーム51の両端部には円柱状の2本のロッド52が下方向に延在するように結合されている。各ロッド52は、フレーム5の前面に固着された2つのガイドリング53をそれぞれ上下動自在に貫通している。各ロッド52の下端部には2つの抜け止めブロック54が結合されている。2つの抜け止めブロック54は、下側可動ガイドピン10b、10cがLCD基板9に対して平行に延在するように、それぞれ下側可動ガイドピン10b、10cの一端部を保持している。
【0032】
したがって、モータ37が駆動してボールねじ36が正回転すると、2つのブロック54、2本のロッド52、アーム51、ロッド32及びバー34を介して、ナット部35に連結された下側可動ガイドピン10b、10cが、貼付ヘッド4と同じ速さで一体的に下降する。また、下側可動ガイドピン10b、10cを保持する2つのブロック54がLCD基板9の上面に接触すると、これ以上は下側可動ガイドピン10b、10cは下降できないので、バー34のさらなる下降に伴いコイルバネ33が縮みながら、下側可動ガイドピン10b、10cに対して突子31及びロッド32と共に貼付ヘッド4のみがさらに下降して、ACFシート8aをLCD基板9の例えば貼付位置9aに貼付ける。なお、ブロック54は、LCD基板9を傷つけないようにゴム等の弾性体で形成されている。また、ACFシート8aを貼り付けた後、モータ37が逆駆動してボールねじ36が逆回転すると、まず、下側可動ガイドピン10b、10cに対して貼付ヘッド4のみが上昇し、コイルバネ33が元の長さまで伸びたのち、次いで下側可動ガイドピン10b、10cが、貼付ヘッド4と同じ速さで貼付ヘッド4と一体的に上昇するようになっている。モータ37の正逆駆動動作は、データベース300に格納された接合動作の動作プログラムのデータに基づいて制御装置200により制御される。データベース300には、LCD基板9の少なくとも前記一つの辺沿いの複数の貼付位置9a〜9cの位置、長さ等のデータが格納されている。なお、LCD基板9の他の二つ又は三つの辺沿いにもACFシート8aを貼り付ける場合には、それらの貼付位置の位置、長さ等のデータもデータベース300に格納されている。
【0033】
フレーム5の背面には、貼付方向Xの長さが下側可動ガイドピン10bとガイドピン10cとの間隔よりも長い矩形の支持板64が突設されている。支持板64の両端部の下面には、図1及び図2に示すように、タイミングプーリ61、62が回転自在に配設され、タイミングベルト63がタイミングプーリ61、62に架け渡されている。タイミングプーリ61の上方且つ支持板64の上面にはモータ65が設置されている。タイミングプーリ61は、支持板64を回転自在に貫通したモータ65の回転軸に固定されており、モータ65が正逆駆動すると、タイミングプーリ61も正逆回転し、タイミングベルト63及びタイミングプーリ62も正逆回転するようになっている。タイミングベルト63のフレーム5の背面に対向する部分には矩形のブロック66が固着されている。ブロック66の前面下部にはピン状の移動子67が保持されている。移動子67は、フレーム5の下端部の下方を通ってフレーム5の前面側に突出しLCD基板9の前記一つの辺部分の上方まで横方向に延出している。ブロック66の前面上部には、図2に示すようにスライダ68が装着されている。このスライダ68は、フレーム5の背面に横方向に設けられたガイドレール69にスライド自在に嵌合している。したがって、モータ65が正方向あるいは逆方向に駆動してタイミングプーリ61が正方向あるいは逆方向に回転すると、タイミングベルト63がタイミングプーリ62に沿って正方向あるいは逆方向に回転する。このとき、ブロック66を介してタイミングベルト63と一体の移動子67は、下側可動ガイドピン10bと10cとの間に張設されているACFシート連続体8の下面に沿うように、貼付方向Xに前進後退する。移動子67は、このように動作することによって、LCD基板9に貼付けられたACFシート8aから基材層8bを強制的に剥離することができる。モータ65の正逆駆動動作は、データベース300に格納された前記データに基づいて制御装置200により制御される。
【0034】
切断装置3は、図1に示すように、貼付ヘッド4の下部の側部と下側可動ガイドピン10bとの間のACFシート連続体8の移動経路上においてフレーム5の前面に配設されている。この切断装置3は、図4に示すように、本体部3aと、ACFシート連続体8を挟み込み可能となるように上下方向に対向して配置され、基端側を本体部3aに取り付けられた上側アーム3b及び下側アーム3cとを備えている。上側アーム3b及び下側アーム3cは、第1のエアシリンダ(図示していない)により横方向に伸縮自在に取り付けられており、縮んだ状態のときには本体部3a内に収容され、伸びた状態のときには互いの間にACFシート連続体8を挟むように構成されている。また、下側アーム3cは、ブレード3dを、第2のエアシリンダ(図示していない)により上下動可能に備えている。
【0035】
よって、切断装置3は、モータ12により供給リール2から引き出され、ステージ1の上方且つ貼付ヘッド4の下方に供給されたACFシート連続体8を、第1のエアシリンダにより、上側アーム3bと下側アーム3cとを横方向に伸ばしてそれらの間に挟み、次いで第2のエアシリンダによりブレード3dを上昇させることで、基材層8bは切断されることなくACFシート連続体8のACFシート8aのみを貼付位置(例えば9a)の長さに切断して切込を形成する。この切断装置3の第1及び第2のエアシリンダによる切込形成動作は、データベース300に格納された前記データに基づいて制御装置200に制御される。
【0036】
制御装置200の制御により、巻き取りリール11の回転用モータ12が駆動されて巻き取りリール11が巻取方向に回転すると、供給リール2のACFシート連続体8が上側固定ガイドピン10a、下側可動ガイドピン10b、下側可動ガイドピン10c、上側固定ガイドピン10dに沿って走行し、貼付位置9a〜9cのうちの貼付すべき貼付位置(例えば9a)の上方且つ貼付ヘッド4の下方に供給される。貼付ヘッド4によりACFシート8aが貼付位置9aに貼り付けられて、移動子67によりACFシート8aから基材層8bが剥離された後、更にモータ12が駆動すると、ACFシート8aから剥離された基材層8bが下側可動ガイドピン10c、上側固定ガイドピン10dに沿って走行して、巻き取りリール11に巻き取られるようになっている。モータ12の駆動動作は、データベース300に格納された前記データに基づいて制御装置200により制御される。
なお、上記第1実施形態の接合シート貼付装置においては、供給リール2、切断装置3、ガイドピン10a〜10d、巻き取りリール11及びモータ12により接合シート供給装置が構成されている。
【0037】
移送装置6は、図1に示すように、ステージ1の大略上方に配置されて、ガイドレール71、及びモータなどの貼付ユニット移送用駆動源72を備えて、フレーム5の貼付方向Xに対して進退移送可能としている。ガイドレール71は、図1に示すように、貼付方向Xと平行にステージ1の大略上方(詳しくは斜め上方)に配置され、図2に示すように、フレーム5の上端部を滑動可能に抱持している。ガイドレール71には、図示していないが、長手方向の全長にわたってねじ軸が回転自在に取り付けられている。ねじ軸にはナット部が回り止めされて螺合されている。このナット部にはフレーム5が固定的に連結されている。したがって、駆動源72によりねじ軸を正逆方向に回転させると、ナット部が貼付方向Xに進退移送され、ナット部に連結されたフレーム5、つまり貼付ユニット100がガイドレール71に沿って貼付方向Xに進退移送されるようになっている。駆動源72の正逆駆動動作は、データベース300に格納された前記データに基づいて制御装置200により制御される。
【0038】
検査装置7は、図1のステージ1よりも手前側にステージ1と平行に進退移動可能に配置され、図1及び図5に示すように、カメラ81、光源82、可動体83、ガイドレール84、モータなどの可動体移送用駆動源85、画像処理部86、アーム87及びミラー88を備えている。ガイドレール84は、図1に示すように、ACFシート8aの貼付方向Xと平行に配置され、可動体83を滑動可能に抱持している。ガイドレール84には、図示していないが、長手方向の全長にわたってねじ軸が取り付けられている。ねじ軸にはナット部が回り止めされて螺合されている。このナット部には可動体83が固定的に連結されている。また、可動体83の上面には、光源82及び画像処理部86が固定されている。画像処理部86の側面にはカメラ81が接続されている。画像処理部86の上面には、ステージ1の上方まで延びるアーム87が固定されている。アーム87の先端部にはミラー88が角度調節可能に取り付けられている。したがって、駆動源85によりねじ軸を正方向に回転すると、可動体83とともに、可動体83上のカメラ81、光源82、画像処理部86、アーム87及びミラー88がガイドレール84に沿って貼付方向Xに進退移送されるようになっている。駆動源85の正逆駆動動作は、データベース300に格納された前記データに基づいて制御装置200により制御される。
【0039】
カメラ81は、ステージ1上に支持したLCD基板9の両端部を撮像してその両端部に設けられた位置決めマーク91、92(図9参照)をそれぞれ撮像可能とするとともに、ACFシート8aの1つの端部を撮像可能とする視野サイズを有している。画像処理部86は、カメラ81が撮像した位置決めマーク91、92(図9参照)のそれぞれの画像により、ステージ1上に支持したLCD基板9の位置を認識して、本来の支持位置からの位置ずれ情報を作成する。なお、もし画像処理部86が位置決めマーク91及び/又は位置決めマーク92を撮像できなければ、LCD基板9が正確に配置されていないと判断して、例えば全ての動作を止めて、本接合シート貼付装置に備えた表示部(図示していない)にエラーを表示するようになっている。また、画像処理部86は、カメラ81が撮像したACFシート8aの端部の画像により、後述するように貼付状態の良否の判定を行う。
【0040】
また、カメラ81でACFシート8aの端部の画像を撮像しやすくするため、光源82などを有しかつ以下のような構造の光学系も検査装置7に配置している。
光源82は、その光をステージ1の上端部へ照射するように設置されている。
ステージ1は、図5に示すように、ブロック21、光透過体の一例であるガラス体22及び光拡散体23により構成されている。ブロック21の上部のカメラ81側には、光源82から照射される光を上方へ反射するように、45°傾斜した傾斜部21aが形成されている。光拡散体23は、傾斜部21aにつながるブロック21の上端面に取り付けられている。光拡散体23は、セラミック等から形成され、その表面に微少な凹凸を有し、その凹凸により光を拡散することができるものである。光拡散体23の貼付方向Xと直交する方向の幅は、ACFシート8aの幅よりも長くなるように形成されている。
【0041】
ガラス体22は、光拡散体23の上面をすべて覆うとともに、横方向にガイドレール84側に突き出すよう配置されており、その突き出した部分がブロック21の傾斜部21aの上方を覆うように配置されている。ガラス体22の突き出した部分のガイドレール84側の端面は、ブロック21の傾斜部21aと同様に45°傾斜した傾斜部22aが形成されている。ブロック21の傾斜部21a及びガラス体22の傾斜部22aには、金属膜等の光反射膜若しくは光反射層が形成されている。なお、ガラス体22は、LCD基板9と同じ又は類似の材質で形成することが好ましい。このように形成することで、LCD基板9に伝達される熱量のムラを低減することができる。
【0042】
図5の矢印82a〜82fは、光源82からステージ1の上端部へ照射された光の経路を示している。ステージ1へ向けて照射された光源82の光82aは、まずブロック21の傾斜部21aで上向きに反射される。次いで、傾斜部21aで反射された光82bは、ガラス体22にその下面から内部に上向きに入射し、ガラス体22の傾斜部22aで横方向にすなわち光源82とは反対向きに反射される。次いで、傾斜部22aで光源82とは反対向きに反射された光82cは光拡散体23の内部に入射しさらにガラス体22内部に入射されてガラス体22内で拡散される。次いで、光拡散体23により拡散された光のうちの上向きに拡散された光82dはガラス体22内からLCD基板9を透過し、ACFシート8aのシルエットを浮かび上がらせる。次いで、LCD基板9及びACFシート8aを透過した光82eはミラー88で反射される。次いで、ミラー88で反射された光82fは、カメラ81に入射する。
【0043】
検査装置7は、光源82の光により浮かび上がらせたACFシート8aのシルエットをミラー88で反射させて、カメラ81で撮像し、そのカメラ81で撮像した画像を画像処理部86で判定することでACFシート8aの貼付状態の検査を行う。
【0044】
ACFシート8aの貼付状態の良否の判定方法としては、例えば画像処理部86にACFシート8aが正確に貼り付けられた状態の画像を基準画像として記憶させておき、その基準画像とカメラ81が実際に撮像した画像とを比較して、マッチング率が95%以上なら『貼付状態良』、95%未満なら『貼付不良』という判定を行う。例えば、カメラ81が実際に撮像したACFシート8aの端部の画像に、図6Aに示すような、めくれ108があり、マッチング率が90%であった場合、画像処理部86は『貼付不良』と判定する。画像処理部86が『貼付不良』と判定した場合には、例えばフレーム移送用駆動源72を逆方向に駆動させて、貼付不良と判定したACFシート8aの上方に再び貼付ユニット100を移送し、貼付ヘッド4により再度、ACFシート8aを加熱及び加圧し、冷却する。この結果、貼付不良と判定したACFシート8aの上に重ねて、新たなACFシート8aを貼り付ける。また、図6Bに示すように、ACFシート8aにめくれ等が無く、マッチング率がほぼ100%であった場合、画像処理部86は『貼付状態良』と判定する。画像処理部86が『貼付状態良』と判定した場合には、貼付ユニット100の貼付動作をそのまま続行させるようにする。
【0045】
本実施形態の接合シート貼付装置は、以上のように構成されている。
なお、本実施形態の接合シート貼付装置において、カメラ81は、ACFシート8aのシルエットをミラー88で反射させてから撮像するよう配置したが、もちろんミラー88を用いずに上方から直接撮像するように配置されても構わない。また、この場合、カメラ81をフレーム5に取り付けても良い。
また、本実施形態の接合シート貼付装置においては、切断装置3によりACFシート8aの切込を形成したが、予め切込を形成しておいてもよい。
また、本実施形態の接合シート貼付装置においては、位置決めマーク91、92の認識及びACFシート8aの撮像を一つのカメラ81でしたが、両者の視野サイズが大きく違う場合は、別々に専用のカメラを設けてもよい。
【0046】
次に、本実施形態の接合シート貼付方法を、図1、図2、図6〜図8及び図9A〜図9Iを参照しながら説明する。本実施形態の接合シート貼付方法は、ACFシート8aをLCD基板9の前記1つの辺上の貼付位置9a〜9cに順に貼り付ける貼付工程と、それぞれの貼付位置9a〜9cでのACFシート8aの貼付状態を順に検査する検査工程とを含む。図7は、ACFシート8aの貼付工程のフローチャート、図8は、検査工程のフローチャートである。図9A〜図9Iは、ACFシート8aの検査工程を説明するための模式図である。まず、貼付工程について詳細に説明する。
【0047】
まず、LCD基板9の1つの辺部分を貼付ステージ1の所定位置に支持する。
次いで、制御装置200は、検査装置7の駆動源84を駆動させ、可動体83を移動させて、可動体83上のカメラ81、光源82、画像処理部86、アーム87及びミラー88をガイドレール84に沿って貼付方向Xに移送する。制御装置200は、カメラ81、光源82、画像処理部86、アーム87及びミラー88などが支持された可動体83をLCD基板9の一端部の近傍(位置決めマーク92の側方)まで移送すると、駆動源84の駆動を停止させる。
次いで、制御装置200は、光源82から光をステージ1の上端部へ照射させ、浮かび上がらせた位置決めマーク92のシルエットを、ミラー88で反射させてカメラ81で撮像する(図9A)。
【0048】
次いで、制御装置200は、検査装置7の駆動源84を逆方向に駆動させ、可動体83とともに、その上のカメラ81をガイドレール84に沿って貼付方向Xとは逆方向に移送する。制御装置200は、カメラ81などの可動体83をLCD基板9の他端部(位置決めマーク91の側方)まで移送すると、駆動源84の駆動を停止させる。
次いで、制御装置200は、光源82から光をステージ1の上端部へ照射させ、浮かび上がらせた位置決めマーク91のシルエットを、ミラー88で反射させてカメラ81で撮像する(図9B)。
【0049】
次いで、画像処理部86が、撮像した位置決めマーク91及び92のシルエットの画像を基に、LCD基板9の位置を認識する。ここで、画像処理部86が位置決めマーク91及び/又は位置決めマーク92を認識して、認識結果に基づき、LCD基板9の位置決め誤差が許容範囲内ならば、制御装置200は、以下のように、貼付動作及び検査動作を開始させる。
【0050】
まず、制御装置200は、移送装置6の駆動源72を駆動させ、貼付ヘッド4がLCD基板9の第1の貼付位置9aの上方に位置するように、貼付ユニット100をガイドレール71に沿って移送する(図7:ステップS1)。
【0051】
次いで、制御装置200は、巻き取りリール11の回転用モータ12を駆動させ、ACFシート連続体8の基材層8bのみを、上側固定ガイドピン10dと下側可動ガイドピン10cとの案内で巻取りリール11に巻き取らせて、供給リール2から上側固定ガイドピン10aと下側可動ガイドピン10bとの案内でACFシート連続体8を引き出す。そして、ACFシート連続体8を上側固定ガイドピン10a、下側可動ガイドピン10bに沿って走行させ、貼付ヘッド4の下方でACFシート8aがLCD基板9に対向するように、ACFシート連続体8を第1の貼付位置9aの上方に供給する(図7:ステップS2)。なお、このとき、ACFシート8aの先端部は、LCD基板9の第1の貼付位置9aの、第2の貼付位置9bに近い側の先端部に一致するように供給される。
【0052】
次いで、制御装置200は、第1のエアシリンダを駆動させて、切断装置3の上側アーム3bと下側アーム3cとを横方向に伸ばし、上側アーム3bと下側アーム3cとの間でACFシート連続体8を挟むようにする。
次いで、制御装置200は、第2のエアシリンダを駆動させて、下側アーム3cのブレード3dを上昇させ、基材層8bは切断されることなくACFシート連続体8のACFシート8aのみを第1の貼付位置9aの長さに切断して切込を形成する。これにより、所定寸法のACFシート8aがACFシート連続体8から取り出し可能な状態でかつ貼付ヘッド4の底面とLCD基板9の第1の貼付位置9aとの間に位置した状態となる(図7:ステップS3)。
【0053】
次いで、制御装置200は、貼付ヘッド4及び下側ガイドピン10b、10cを上下動させるモータ37を正方向に駆動させ、貼付ヘッド4を下降させるとともに、下側可動ガイドピン10b、10cを下降させる。このとき、貼付ヘッド4の底面は、ヒータにより予め加熱されている。
下側可動ガイドピン10b、10cが下降して、下側可動ガイドピン10b、10cを保持するブロック54が下端位置に到達し、さらにコイルバネ33を縮めながら下側可動ガイドピン10b、10cに対して突子31及びロッド32と共に貼付ヘッド4のみが下降すると、下側可動ガイドピン10b、10cの間でかつ貼付ヘッド4の底面に張設されているACFシート連続体8が、LCD基板9の第1の貼付位置9aに押圧接触される。このとき、ヒータより加熱された貼付ヘッド4の底面により、基材層8bを介してACFシート8aが加熱される。
【0054】
次いで、予め設定した時間(例えば、2秒)の経過後、ヒータによる加熱を止め、冷却装置(図示していない)でACFシート8aを冷却する(図7:ステップS4)。この結果、ACFシート8aがLCD基板9の第1の貼付位置9aに接合されるが、この状態では、まだ、基材層8bも、ACFシート8aに接着したままとなっている。
【0055】
次いで、制御装置200は、モータ37を逆方向に駆動させて、貼付ヘッド4を上昇させる。この貼付ヘッド4の上昇に伴い、コイルバネ33が元の長さまで伸び、次いで、下側可動ガイドピン10b、10cが貼付ヘッド4と一体的に上昇する。このとき、基材層8bは自身の弾性とテンションにより、下側可動ガイドピン10b、10cと一緒に上昇しようとするため、基材層8bの両端部が、LCD基板9の第1の貼付位置9aに接合されたACFシート8aから部分的に剥離する。
【0056】
次いで、制御装置200は、タイミングベルト63の正逆回転用モータ65を正方向に駆動させて、移動子67をフレーム5の下端部の下方且つ下側可動ガイドピン10bよりも貼付方向Xの下流側の待機位置から貼付方向Xの上流側へ前進させる。これにより移動子67は、部分的に剥離したACFシート8aの端部と基材層8bの端部との間に進入し、移動子67により基材層8bをACFシート8aから強制的に剥離していく。移動子67が更に貼付方向Xへ前進し、基材層8bをACFシート8aから完全に剥離させると、制御装置200は、モータ65を逆方向に駆動させて、移動子67を貼付方向Xの下流側へ後退させ、元の待機位置に戻す(図7:ステップS5)。
【0057】
これにより、LCD基板9の第1の貼付位置9aにおけるACFシート8aの貼付動作が完了する。このLCD基板9の第1の貼付位置9aにおけるACFシート8aの貼付動作を完了すると、制御装置200は、第1の貼付位置9aで貼付動作が完了したことをデータベース300に格納する。
次いで、制御装置200は、次に貼り付けるべきLCD基板9の貼付位置があるか否かをデータベース300に格納されたデータにより判断し、ある場合にはステップS1〜S5を繰り返す。無い場合には、貼付動作を終了する。つまり、本実施形態においては、LCD基板9の前記1つの辺上の第2及び第3の貼付位置9b、9cにACFシート8aを順に貼り終えるまで、ステップS1〜S5を繰り返す(図7:ステップS6)。なお、本実施形態においては、これらのステップS1〜S5までの動作を、単に『貼付動作』という。
【0058】
次に、検査工程を詳細に説明する。
まず、制御装置200は、LCD基板9の貼付位置に既に貼り付けられたACFシート8aがあるか否かをデータベース300に格納されたデータにより判断する。ACFシート8aが無いならば、LCD基板9の貼付位置へのACFシート8aの貼付動作が完了して、貼付位置に貼り付けられたACFシート8aがあることが格納されるまで待機する(図8:ステップS10)。
次いで、LCD基板9の貼付位置に既に貼り付けられたACFシート8aがある場合には、その貼り付けられたACFシート8aの画像を撮像するために検査装置7の駆動源85を駆動させる。
【0059】
具体的には、例えば、前記LCD基板9の第1の貼付位置9aにACFシート8aが貼り付けられるステップS5の終了後(図9C)、制御装置200は、移送装置6の駆動源72を駆動させ、貼付ユニット100をLCD基板9の第2の貼付位置9bに移送する(図7:ステップS1)。このとき同時に、制御装置200は、LCD基板9の第1の貼付位置9aに既にACFシート8aが貼り付けられているので(図8:ステップS10)、検査装置7の駆動源85を駆動させ、可動体83とともに可動体83上のカメラ81、光源82、画像処理部86、アーム87及びミラー88を、ガイドレール84に沿ってLCD基板9の第1の貼付位置9aの、第2の貼付位置9bとは離れた側の端部の近傍に移送する(図8:ステップS11)。
【0060】
制御装置200は、光源82から光をステージ1の上端部へ照射させ、浮かび上がらせたLCD基板9の第1の貼付位置9aのACFシート8aの、第2の貼付位置9bとは離れた側の端部のシルエットを、ミラー88で反射させてカメラ81で撮像する(図8:ステップS12、図9D)。なお、図1はこの状態を示している。
【0061】
次いで、制御装置200は、可動体移送用駆動源85を駆動させ、可動体83とともに、可動体83上のカメラ81、光源82、画像処理部86、アーム87及びミラー88を、ガイドレール84に沿ってLCD基板9の第1の貼付位置9aの、第2の貼付位置9bに近い側の端部の近傍に移送する(図8:ステップS13)。
【0062】
次いで、制御装置200は光源82から光をステージ1の上端部へ照射させ、照射光により浮かび上がらせたLCD基板9の第1の貼付位置9aのACFシート8aの、第2の貼付位置9bに近い側の端部のシルエットをミラー88で反射させて、カメラ81で撮像する(図8:ステップS14、図9E)。
次いで、撮像したACFシート8aの両端部の画像を基に、画像処理部86で、撮像したACFシート8aの貼付状態の良否の判定を行う(図8:ステップS15)。
【0063】
画像処理部86が第1の貼付位置9aのACFシート8aについて『貼付不良』と判定したとき、例えば、制御装置200は、現在の貼付動作、例えば第2の貼付位置9bへのACFシート8aの貼付動作(ステップS1〜S5)を停止させるか、又は、接合動作完了間近の場合には完了させることができる。この間、制御装置200は、検査装置7の検査動作を一旦停止させる。
次いで、制御装置200は、移送装置6の駆動源72を逆方向に駆動させ、貼付ヘッド4を再びLCD基板9の第1の貼付位置9aの上方に移送して、ACFシート8aを再度、加熱及び加圧後、冷却する(図8:ステップS16)。このとき同時に、制御装置200は、貼付ユニット100に検査装置7のアーム87及びミラー88が衝突しないように、検査装置7の駆動源85を逆方向に駆動させ、可動体83とともに可動体83上のカメラ81、光源82、画像処理部86、アーム87及びミラー88を、ガイドレール84に沿って貼付方向Xとは逆方向に移送し退避させる。
【0064】
次いで、制御装置200は、第1の貼付位置9aへのACFシート8aの再加熱、加圧及び冷却動作の終了後、検査装置7の駆動源85を駆動させ、可動体83とともに可動体83上のカメラ81、光源82、画像処理部86、アーム87及びミラー88を、ガイドレール84に沿って、再びLCD基板9の第1の貼付位置9aの、第2の貼付位置9bとは離れた側の端部の近傍に移送する(ステップS11)。このとき同時に、制御装置200は、貼付ユニット100に検査装置のアーム87及びミラー88が衝突しないように、移送装置6の駆動源72を駆動させ、貼付ユニット100を貼付方向Xに移送し退避させる。以後、再び上記ステップS12〜S15の動作を行う。
【0065】
画像処理部86が『貼付状態良』と判定したとき、制御装置200は、現在の貼付動作、つまり第2の貼付位置9bへのACFシート8aの貼付動作(ステップS1〜S5)を完了させる。このLCD基板9の第2の貼付位置9bにおけるACFシート8aの貼付動作を完了すると、制御装置200は、第2の貼付位置9bで貼付動作が完了したこと、及び第1の貼付位置9aの検査動作が完了したことをデータベース300に格納する。
次いで、制御装置200は、移送装置6の駆動源72を駆動させ、貼付ユニット100をLCD基板9の第3の貼付位置9cに移送する(図7:ステップS1)。このとき同時に、制御装置200は、データベース300に格納されているデータに、LCD基板9の第2の貼付位置9bに既に貼り付けられ且つ未検査のACFシート8aのデータが存在するので(図8:ステップS17)、検査装置7の駆動源85を駆動させ、可動体83上のカメラ81、光源82、画像処理部86、アーム87及びミラー88を、ガイドレール84に沿ってLCD基板9の第2の貼付位置9bの、第3の貼付位置9cとは離れた側の端部の近傍に移送する(図8:ステップS11)。
【0066】
次いで、制御装置200は光源82から光をステージ1の上端部へ照射させ、浮かび上がらせたLCD基板9の第2の貼付位置9bのACFシート8aの、第3の貼付位置9cとは離れた側の端部のシルエットを、ミラー88で反射させてカメラ81で撮像する(図8:ステップS12、図9F)。
【0067】
次いで、制御装置200は、駆動源85を駆動させ、可動体83上のカメラ81、光源82、画像処理部86、アーム87及びミラー88を、ガイドレール84に沿ってLCD基板9の第2の貼付位置9bの、第3の貼付位置9cに近い側の端部の近傍に移送する(図8:ステップS13)。
【0068】
次いで、制御装置200は光源82から光をステージ1の上端部へ照射させ、浮かび上がらせたLCD基板9の第2の貼付位置9bのACFシート8aの、第3の貼付位置9cに近い側の端部のシルエットをミラー88で反射させて、カメラ81で撮像する(図8:ステップS14、図9G)。
次いで、撮像したACFシート8aの両端部の画像を基に、画像処理部86で貼付状態の良否の判定を行う(図8:ステップS15)。
【0069】
画像処理部86が第2の貼付位置9bのACFシート8aについて『貼付不良』と判定したとき、例えば、制御装置200は、現在の貼付動作、例えば第3の貼付位置9cへのACFシート8aの貼付動作(ステップS1〜S5)を完了させることができる。この間、制御装置200は、検査装置7の検査動作を一旦停止させる。
次いで、制御装置200は、移送装置6の駆動源72を逆方向に駆動させ、貼付ヘッド4を再びLCD基板9の第2の貼付位置9bの上方に移送して、ACFシート8aを再度、加熱及び加圧後、冷却する(図8:ステップS16)。このとき同時に、制御装置200は、貼付ユニット100に検査装置のアーム87及びミラー88が衝突しないように、検査装置7の駆動源85を逆方向に駆動させ、可動体83とともに可動体83上のカメラ81、光源82、画像処理部86、アーム87及びミラー88を、ガイドレール84に沿って貼付方向Xとは逆方向に移送し退避させる。
【0070】
次いで、制御装置200は、第2の貼付位置9bへのACFシート8aの再加熱、加圧及び冷却動作の終了後、検査装置7の駆動源85を駆動させ、可動体83とともに可動体83上のカメラ81、光源82、画像処理部86、アーム87及びミラー88を、ガイドレール84に沿って、再びLCD基板9の第2の貼付位置9bの、第3の貼付位置9cとは離れた側の端部の近傍に移送する(ステップS11)。このとき同時に、制御装置200は、貼付ユニット100に検査装置のアーム87及びミラー88が衝突しないように、移送装置6の駆動源72を駆動させ、貼付ユニット100を貼付方向Xに移送し退避させる。以後、再び上記ステップS12〜S15の動作を行う。
【0071】
画像処理部86が『貼付状態良』と判定したとき、制御装置200は、現在の貼付動作、つまり第3の貼付位置9cへのACFシート8aの貼付動作(ステップS1〜S5)を完了させる。このLCD基板9の第3の貼付位置9cにおけるACFシート8aの貼付動作を完了すると、制御装置200は、第3の貼付位置9cで貼付動作が完了したこと、及び第2の貼付位置9bの検査動作が完了したことをデータベース300に格納する。
次いで、制御装置200は、移送装置6の駆動源72を駆動させ、貼付ユニット100を貼付方向Xに移送して、LCD基板9の第3の貼付位置9cから退避させる。このとき同時に、制御装置200は、データベース300に格納されているデータに、LCD基板9の第3の貼付位置9cに既に貼り付けられ且つ未検査のACFシート8aのデータが存在するので(図8:ステップS17)、検査装置7の駆動源85を駆動させ、可動体83上のカメラ81、光源82、画像処理部86、アーム87及びミラー88を、ガイドレール84に沿ってLCD基板9の第3の貼付位置9cの、第2の貼付位置9bに近い側の端部の近傍に移送する(図8:ステップS11)。
【0072】
次いで、制御装置200は光源82から光をステージ1の上端部へ照射させ、浮かび上がらせたLCD基板9の第3の貼付位置9cのACFシート8aの、第2の貼付位置9bに近い側の端部のシルエットをミラー88で反射させて、カメラ81で撮像する(図8:ステップS12、図9H)。
【0073】
次いで、制御装置200は、駆動源85を駆動させ、可動体83上のカメラ81、光源82、画像処理部86、アーム87及びミラー88を、ガイドレール84に沿ってLCD基板9の第3の貼付位置9cの、第2の貼付位置9bとは離れた側の端部の近傍に移送する(図8:ステップS13)。
【0074】
次いで、制御装置200は光源82から光をステージ1の上端部へ照射させ、浮かび上がらせたLCD基板9の第3の貼付位置9cのACFシート8aの、第2の貼付位置9bとは離れた側の端部のシルエットをミラー88で反射させて、カメラ81で撮像する(図8:ステップS14、図9I)。
次いで、撮像したACFシート8aの両端部の画像を基に、画像処理部86で貼付状態の良否の判定を行う(図8:ステップS15)。
【0075】
画像処理部86が第3の貼付位置9cのACFシート8aについて『貼付不良』と判定したとき、例えば、制御装置200は、現在の貼付動作、例えば第3の貼付位置9cへのACFシート8aの貼付動作(ステップS1〜S5)を停止させるか、又は、接合動作完了間際の場合には完了させることができる。この間、制御装置200は、検査装置7の検査動作を一旦停止させる。
次いで、制御装置200は、移送装置6の駆動源72を逆方向に駆動させ、貼付ヘッド4を再びLCD基板9の第3の貼付位置9cの上方に移送して、ACFシート8aを再度、加熱及び加圧後、冷却する(図8:ステップS16)。このとき同時に、制御装置200は、貼付ユニット100に検査装置のアーム87及びミラー88が衝突しないように、検査装置7の駆動源85を逆方向に駆動させ、可動体83とともに可動体83上のカメラ81、光源82、画像処理部86、アーム87及びミラー88を、ガイドレール84に沿って貼付方向Xとは逆方向に移送し退避させる。
【0076】
次いで、制御装置200は、第3の貼付位置9cへのACFシート8aの再加熱、加圧及び冷却動作の終了後、検査装置7の駆動源85を駆動させ、可動体83とともに可動体83上のカメラ81、光源82、画像処理部86、アーム87及びミラー88を、ガイドレール84に沿って、再びLCD基板9の第3の貼付位置9cの、第2の貼付位置9bに近い側の端部の近傍に移送する(ステップS11)。このとき同時に、制御装置200は、貼付ユニット100に検査装置のアーム87及びミラー88が衝突しないように、移送装置6の駆動源72を駆動させ、貼付ユニット100を貼付方向Xに移送し退避させる。以後、再び上記ステップS12〜S15の動作を行う。
【0077】
画像処理部86が『貼付状態良』と判定したとき、制御装置200は、第3の貼付位置9cの検査動作が完了したことをデータベース300に格納する。制御装置200は、データベース300に格納されたデータに、既に貼り付けられ且つ未検査のACFシート8aのデータが存在しないので(図8:ステップS17)、検査工程を終了する。
本実施形態の接合シート貼付装置は、以上のような貼付工程及び検査工程を行う。
【0078】
なお、本実施形態の接合シート貼付装置においては、移送装置6及び検査装置7の駆動源はそれぞれ別個に設けたが、同一駆動源を有するように構成してもよい。例えば、図10に示すように、検査装置7のカメラ81をフレーム5の貼付ヘッド4より貼付方向Xの下流側に取り付けるとともに、ACFシート8aの長さに応じてカメラ81と貼付ヘッド4との間隔を調整可能として、それぞれの端部をカメラ81で撮像できるように構成してもよい。なお、図10は、図示を簡単にするため、貼付方向Xを他の図とは逆方向に設定している。
【0079】
またこの場合、光源82は、カメラ81と同様にして、フレーム5の貼付ヘッド4より貼付方向Xの下流側に光源82と貼付ヘッド4との間隔を調整可能に設置してステージ1の上方から光を照射するように構成してもよい。また、光源82は、図10に示すように、ステージ1と平行な位置に固定して、ステージ1の傾斜部82b全体に光を照射するように構成してもよいし、検査するACFシート8aに対応するステージ1の傾斜部82bのみに光を照射するように構成してもよい。
【0080】
また、検査装置7をフレーム5の貼付ヘッド4より貼付方向Xの下流側に取り付けるとともに、検査装置7が、カメラ81の代わりに、LCD基板9の所定の貼付位置に貼り付けられたACFシート8aの一端部を検査する第1のカメラと他端部を検査する第2のカメラとを備え、移送装置6の駆動源72により貼付ユニット100と一体的に移送されるようにしてもよい。また、第1及び第2のカメラをフレーム5に直接取り付けてもよい。このように構成すれば、検査装置7の駆動機構を簡単なものとしたり、無くすことができる。また、第1及び第2のカメラを備える場合には、第1及び第2のカメラによりACFシート8aの両端部を同時に検査できるので、検査工程を短縮(ステップS13、ステップS14をスキップ)することができる。
【0081】
また、本実施形態の接合シート貼付方法においては、貼付ユニット100が次のACFシート8aの貼付動作をする直前に貼り付けられたACFシート8aの貼付状態を検査するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、貼付ユニット100がLCD基板9の第3の貼付位置9cに貼付動作をしている間に、LCD基板9の第1の貼付位置9aに既に貼り付けられているACFシート8aを検査するようにしてもよい。つまり、LCD基板9の一つの貼付位置にACFシート8aの貼付動作(ステップS1〜S5)をする間に、LCD基板9の既に他の貼付位置に貼り付けられたACFシート8aの貼付状態の検査(ステップS10〜S15)をするようにされていればよい。
【0082】
また、本実施形態の接合シート貼付装置及び方法においては、画像処理部86がLCD基板9の貼付位置に貼り付けられたACFシート8aについて『貼付不良』と判定したとき、そのACFシート8aを再加熱、加圧及び冷却することとしたがこれには限られない。例えば、ACFシート8aのめくれ108(図6A)が大きく、再加熱、加圧及び冷却によっても『貼付不良』が解消されない場合、人為的な張り替えが可能なように貼付動作を停止させるなど、状況に応じて適宜変更すればよい。
【0083】
本実施形態の接合シート貼付装置及び方法によれば、貼付ユニット100がACFシート8aの貼付動作をしている間に、既に貼付ユニット100により貼り付けられACFシート8aの貼付状態を検査することができるので、従来に比べて貼り付け開始から検査完了までに係る時間を大幅に短くすることができる。また、貼付不良又は剥離不良が生じた場合には、その貼付不良又は剥離不良が解消されるまで、次の貼付位置への貼付動作を開始しないように停止させることもできるので、ACFシート8aのロスを少なく(例えば一枚のみに)するとともに貼付動作のロスも少なくすることができる。したがって、一枚のLCD基板9に対するACFシート8aの貼り付けから検査完了までの時間を大幅に短縮し、且つACFシート8aのロス及び貼付動作のロスの可能性を低くすることができる。
【0084】
また、本実施形態の接合シート貼付装置及び方法によれば、貼付ステージ1にガラス体22及び光拡散体23を設け、光源82によりガラス体22の内部に光を入射させるようにしたので、LCD基板9を動かすことなく、LCD基板9の下方から光をあててカメラの視認性を向上させることができる。また、光拡散体23により光ムラが抑えられるので、光源82に青色LEDのような照度の少ないものも使用することができる。また、光源82からの光を傾斜部21a、22aに貼り付けた光反射部材で反射してから光拡散体23の内部に入射するようにしたので、光ムラをさらに抑えて検査精度を向上させることができる。
【0085】
上記において、本発明をある程度の詳細さをもって好適な形態について説明したが、この好適形態の現開示内容は構成の細部において変化してしかるべきものであり、各要素の組合せや順序の変化は請求された発明の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明にかかる接合シート貼付装置及び方法は、一枚の基板に対する接合シートの貼り付けから検査完了までの時間を大幅に短縮し、且つ接合シートのロス及び貼付動作のロスの可能性を低くすることができる効果を有し、接合シートの一面に基材層が接合された接合シートの連続体から、接合シートのみを基板に貼り付ける接合シート貼付装置及び方法等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の一実施形態に係る接合シート貼付装置を示す斜視図
【図2】本実施形態に係る接合シート貼付装置の断面図
【図3】本実施形態に係るACFシートを示す部分拡大断面図
【図4】本実施形態に係る接合シート貼付装置の切断装置を示す部分拡大斜視図
【図5】本実施形態に係る光源からの光の照射経路の説明図
【図6A】本実施形態に係る接合シート貼付装置のカメラが撮像したACFシートの一端部の画像の一例を示す図
【図6B】本実施形態に係る接合シート貼付装置のカメラが撮像したACFシートの一端部の画像の他の例を示す図
【図7】本実施形態に係る接合シート貼付装置の貼付工程のフローチャート
【図8】本実施形態に係る接合シート貼付装置の検査工程のフローチャート
【図9A】本実施形態に係る接合シート貼付装置の検査工程の説明図
【図9B】本実施形態に係る接合シート貼付装置の検査工程の説明図
【図9C】本実施形態に係る接合シート貼付装置の検査工程の説明図
【図9D】本実施形態に係る接合シート貼付装置の検査工程の説明図
【図9E】本実施形態に係る接合シート貼付装置の検査工程の説明図
【図9F】本実施形態に係る接合シート貼付装置の検査工程の説明図
【図9G】本実施形態に係る接合シート貼付装置の検査工程の説明図
【図9H】本実施形態に係る接合シート貼付装置の検査工程の説明図
【図9I】本実施形態に係る接合シート貼付装置の検査工程の説明図
【図10】本実施形態に係る他の接合シート貼付装置を示す斜視図
【符号の説明】
【0088】
1 ステージ
2 供給リール
3 切断装置
3a 本体部
3b 上側アーム
3c 下側アーム
3d ブレード
4 貼付ヘッド
5 フレーム
6 移送装置
7 検査装置
8a ACFシート
8b 基材層
8c 導電性粒子
8d 合成樹脂層
9 LCD基板
9a〜9c 貼付位置
10a〜10d 上側固定ガイドピン、下側可動ガイドピン、下側可動ガイドピン、上側固定ガイドピン
11 巻き取りリール
12、37、65 モータ
21、54、66 ブロック
22 ガラス体
23 光拡散体
31 突子
32、52 ロッド
33 コイルバネ
34 バー
35 ナット部
36 ボールねじ
41 開口部
42、43、64 支持板
51、87 アーム
53 ガイドリング
61、62 タイミングプーリ
63 タイミングベルト
67 移動子
68 スライダ
69、71、84 ガイドレール
72 貼付ユニット移送用駆動源
81 カメラ
82 光源
83 可動体
85 可動体移送用駆動源
86 画像処理部
87 アーム
88 ミラー
91、92 位置決めマーク
100 貼付ユニット
200 制御装置
300 データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接合シートの一面に基材層が接合された接合シート連続体から、前記接合シートのみを基板に貼り付ける接合シート貼付装置であって、
前記基板を支持する貼付ステージと、
前記貼付ステージの上方に前記接合シートを供給する接合シート供給装置と、前記貼付ステージの上方に上下動可能に設けられ、前記接合シートを基板に押圧して貼り付ける貼付ヘッドと、を有する貼付ユニットと、
前記貼付ユニットを前記基板の一辺に沿った方向に移送する移送装置と、
前記貼付ユニットが前記接合シートの貼付動作を連続して行っている間に、既に前記貼付ユニットにより貼り付けられた接合シートの貼付状態を検査する検査装置と、
を有することを特徴とする接合シート貼付装置。
【請求項2】
前記検査装置は、前記貼付ユニットを移送する移送装置によって前記貼付ユニットと一体的に移送されることを特徴とする請求項1に記載の接合シート貼付装置。
【請求項3】
前記検査装置は、前記貼付ユニットと独立して移動可能な移送装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載の接合シート貼付装置。
【請求項4】
前記貼付ステージは、全部又は前記基板の前記辺を支持する部分の近傍部分が光を透過する光透過体と光を拡散させる光拡散体とを備え、
前記光透過体の内部へ光を入射させる光源をさらに有し、
前記検査装置は、前記光源から前記光透過体を透過するとともに前記光拡散体によって拡散され、且つ前記貼付ステージ上で支持されている前記基板を透過した光により、既に前記貼付ユニットにより前記基板に貼り付けられた前記接合シートを照らして、前記接合シートの貼付状態を検査することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の接合シート貼付装置。
【請求項5】
少なくとも1つの光反射部材をさらに備え、
前記光源の光は、前記光反射部材で反射されたのち、前記光透過体の内部に入射されることを特徴とする請求項4に記載の接合シート貼付装置。
【請求項6】
接合シートの一面に基材層が接合された接合シート連続体から、前記接合シートのみを基板に貼り付ける接合シート貼付方法であって、
貼付ヘッドを下降させて前記接合シートを前記基板に貼り付ける貼付ユニットにより、前記基板の辺に沿った第1の貼付位置に、前記接合シート連続体から第1の接合シートを貼り付ける第1の工程と、
前記貼付ユニットを、前記基板の前記辺に沿って前記第1の貼付位置に対向する位置から第2の貼付位置に対向する位置まで移送する第2の工程と、
前記貼付ユニットにより、前記第2の貼付位置に前記接合シート連続体から第2の接合シートを貼り付ける第3の工程と、
前記第2の工程もしくは第3の工程を実施する間に、前記第1の接合シートの貼付状態を検査する工程と、
を含むことを特徴とする接合シート貼付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図9H】
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【図9I】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−142315(P2007−142315A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−336815(P2005−336815)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】