説明

接着剤組成物およびそれを用いたカバーレイフィルム

【課題】ハロゲンフリーでありながら良好な絶縁性、難燃性を示すとともに、ブリードアウトを抑制し、タック性を低減した接着剤組成物を提供すること。
【解決手段】(A)エポキシ基を有するスチレン−ブタジエン共重合体、(B)エチレン−アクリル酸共重合体、(C)エポキシ樹脂、(D)硬化剤および(E)下記一般式(1)で表されるシアノ基含有ホスファゼン化合物を含有する接着剤組成物。
【化1】


(上記一般式(1)中、Arは同じでも異なっていてもよくフェニル基またはシアノフェニル基を示す。ただし、Arの少なくとも一つはシアノフェニル基である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤組成物およびそれを用いたカバーレイフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルプリント配線板は、支持体・接着剤層・回路形成用導体層等から構成される屈曲性に優れた回路形成用基板である。液状樹脂のソルダーレジストや、接着剤層と支持体から構成されたカバーレイフィルムによって、形成された導体回路を保護された後、電子機器の各種配線引き回しやIC実装用のインターポーザとして幅広く利用される。
【0003】
電子機器の普及に伴い多様な電子部品が開発されている今日において、フレキシブルプリント配線板やカバーレイフィルムに対しても、適用部位に応じた数多くの高い要求特性と、環境負荷低減や安全性向上との両立が求められている。特に、小型・高密度の配線基板においては、導体回路の配線ピッチが狭くなる傾向にあり、そのような用途に使用される材料には従来のものよりも高い絶縁性が要求される。
【0004】
従来のFPC用接着剤組成物、例えばNBRゴムを使用した接着剤(例えば、特許文献1参照)や、アクリルゴムおよびアクリロニトリルブタジエン変性エポキシ樹脂を使用した接着剤(例えば、特許文献2参照)は、一般的なカバーレイフィルムとしての要求は満たすものの、高温高湿下においてはイオンマイグレーションが発生してしまい、絶縁信頼性は不十分であるという課題があった。
【0005】
上記のような課題に対し、半導体装置用接着シートにおいては、スチレン、ブタジエン、イソプレンの単独重合体またはこれらから選択される2成分以上の共重合体(例えば、特許文献3参照)やエチレンと、エポキシ樹脂と反応し得る官能基を有する不飽和カルボン酸またはその重合体とを有するビニル共重合体(例えば、特許文献4参照)などを用いて良好な絶縁性が得られることが報告されている。しかしながら、これらの樹脂は接着剤シート用に設計されたものであり、主に臭素による難燃設計がなされている。環境負荷低減の観点から、臭素化ビスフェノールなどの臭素系難燃剤にかわり、近年ではリン系難燃剤の使用が試みられているが、一般的なリン系難燃剤(例えばリン酸エステルやポリリン酸塩など)の添加は絶縁性の低下を招くことが多く、特許文献3や特許文献4記載の接着剤組成物であっても例外ではない。
【0006】
上記のような非ハロ難燃化の課題に対して、ホスファゼン化合物が難燃剤として有用であることが知られている(例えば、特許文献5〜6参照)。しかしながら、特にカバーレイフィルムのように高い難燃性が要求される接着剤組成物において、ホスファゼン化合物をはじめとしたリン化合物の樹脂からのシミだし(ブリードアウト)やタック性の増加が生じる課題があった。
【特許文献1】特開2001−19930号公報
【特許文献2】特開2007−45882号公報
【特許文献3】特開2007−91794号公報
【特許文献4】特開2007−2044号公報
【特許文献5】特開2001−335703号公報
【特許文献6】特開2006−117637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ハロゲンフリーでありながら良好な絶縁性、難燃性を示すとともに、ブリードアウトを抑制し、タック性を低減した接着剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は主として次の構成を有する。すなわち、(A)エポキシ基を有するスチレン−ブタジエン共重合体、(B)エチレン−アクリル酸共重合体、(C)エポキシ樹脂、(D)硬化剤、および(E)下記一般式(1)で表されるシアノ基含有ホスファゼン化合物を含有する接着剤組成物である。
【0009】
【化1】

【0010】
上記一般式(1)中、Arは同じでも異なっていてもよくフェニル基またはシアノフェニル基を示す。ただし、Arの少なくとも一つはシアノフェニル基である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ハロゲンフリーでありながら良好な絶縁性、難燃性を示すとともに、ブリードアウトを抑制し、タック性を低減した接着剤組成物を得ることができる。本発明の接着剤組成物を用いたカバーレイフィルムは、高温・高湿条件下においても十分な絶縁性を保持するだけでなく、加工性に優れ、製品加工時間の短縮に貢献する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の接着剤組成物は、(A)エポキシ基を有するスチレン−ブタジエン共重合体、(B)エチレン−アクリル酸共重合体、(C)エポキシ樹脂、(D)硬化剤および(E)前記一般式(1)で表されるシアノ基含有ホスファゼン化合物を含有する接着剤組成物である。以下、本発明の接着剤組成物について詳細に説明する。
【0013】
(A)エポキシ基を有するスチレン−ブタジエン共重合体(以下A成分)は、絶縁性、耐薬品性にすぐれたエラストマーである。具体的には、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)やスチレン−ブタジエン−スチレン樹脂(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレン樹脂(SEBS)などを部分エポキシ化した樹脂が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。他の樹脂への相溶性、加工性の観点から、(A)成分におけるスチレン由来の構造は25重量%以上が好ましく、35重量%以上がより好ましい。具体的には“エポフレンド”(登録商標)シリーズ(ダイセル化学工業(株)製)などが好適である。スチレン−ブタジエン共重合体に含まれるエポキシ基の量は特に限定されないが、相溶性の点から1重量%以上が好ましい。具体的には“エポフレンド”(登録商標)AT501(ダイセル化学工業(株)製)が特に好適である。
【0014】
(B)エチレン−アクリル酸共重合体(以下B成分)とは、モノマー成分としてエチレンと、アクリル酸またはその誘導体、および必要によりその他の成分を共重合して得られる化合物である。すなわち、本発明における(B)成分には、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸誘導体共重合体が含まれる。以下、「アクリル酸」という場合にはアクリル酸誘導体も含むものとする。また、エチレンおよびアクリル酸と、その他のモノマー成分を共重合して得られる化合物であってもよい。上記エチレン−アクリル酸共重合体は、アクリル酸単独の重合体(いわゆるアクリル樹脂)よりも耐薬品性、絶縁性に優れる。(B)成分に用いられるアクリル酸としては、アクリル酸の他、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどのアクリル酸エステルが挙げられる。エチレン−アクリル酸共重合体として、具体的にはエチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸−メチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メチルアクリレート−グリシジルアクリレート共重合体などが例示できる。これらを2種以上含有してもよい。
【0015】
共重合体中のエチレンとアクリル酸の共重合比率については特に限定されるものではないが、溶剤溶解性の観点から、アクリル酸由来の構造が10重量%以上であることが好ましい。より好ましくは25重量%以上である。一方、絶縁性をより向上させる観点から、エチレン由来の構造が40重量%以上であることが好ましい。より好ましくは50重量%以上である。
【0016】
(B)成分がエチレン、アクリル酸以外のモノマー成分を共重合して得られる化合物である場合、具体例として、下記一般式(2)で表される構造を有する共重合体を挙げることができる。
【0017】
【化2】

【0018】
上記一般式(2)中、x、yおよびzは自然数を示す。Rは炭素数10以下の有機基を示す。Rとしては、メチル基、エチル基、ブチル基、グリシジル基などが例示できる。
【0019】
エチレン、アクリル酸以外の共重合成分として、塩化ビニル(A=(a))、酢酸ビニル(A=(b))、一酸化炭素(A=(c))、プロピレン(A=(d))、ブタジエン(A=(e))、アクリロニトリル(A=(f))などが例示できるが、これ以外の成分でもかまわない。
【0020】
エチレン、アクリル酸以外の共重合成分として、酢酸ビニルやアクリロニトリルを用いると、接着剤組成物の接着力が向上する。ブタジエンを用いると、接着剤組成物の柔軟性が向上する。一酸化炭素を用いると、アミン系硬化剤と併用することにより(C)成分のエポキシ樹脂などと架橋させることができ、接着剤組成物の硬化物の高温時の弾性率が高くなり、これを用いたカバーレイフィルムの高温時の摺動屈曲耐性が向上する。
【0021】
エチレン−アクリル酸共重合体として、具体的には“Vamac”(登録商標)シリーズ(デュポン(株)社製、アクリル酸由来の構造の含有量50〜60重量%、エチレン由来の構造の含有量40〜50重量%)、“ボンドファスト”(登録商標)シリーズ(住友化学(株)社製、アクリル酸由来の構造の含有量20〜35重量%、エチレン由来の構造の含有量65〜80重量%)、“ニュクレル”(登録商標)シリーズ(三井・デュポン(株)社製、アクリル酸由来の構造の含有量5〜15重量%、エチレン由来の構造の含有量85〜95重量%)などが例示できる。エチレン−アクリル酸−一酸化炭素共重合体として、具体的には“エルバロイ”(登録商標)HPシリーズ(三井・デュポンポリケミカル(株)社製、エチレン由来の構造の含有量40〜70重量%)などが例示できる。
【0022】
B成分の含有量は、A成分100重量部に対して55重量部以上200重量部以下が好ましい。A成分は単独では溶液化した際にゲル化しやすい性質があるが、B成分を55重量部以上含むことにより溶液のゲル化を抑制し、溶液の保存安定性が向上する。75重量部以上がより好ましい。一方、B成分は単独ではタック性が増加する傾向があるが、B成分の含有量を200重量部以下とすることにより、タック性をより低減することができる。より好ましくは130重量部以下である。
【0023】
(C)エポキシ樹脂は、一分子に二つ以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、多官能性グリシジルアミン樹脂、多官能性フェノールジグリシジルエーテル化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂などを挙げることができる。これらを2種以上用いてもよい。具体的には、“jER”(登録商標)828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製)、“jER”(登録商標)YX−4000(ビフェニル型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製)、“EPICLON”(登録商標) HP−7200(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、大日本インキ(株)製)、EOCN102S(o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、日本化薬(株)製)などが挙げられる。上記エポキシ樹脂の他、“EPOTOHTO”(登録商標) FX−289(リン含有エポキシ樹脂、東都化成(株)製)、“jER”(登録商標)5050(臭素化エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製)などの難燃性エポキシ樹脂を含有してもよい。
【0024】
(D)硬化剤は、(C)エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであれば特に制限されない。例えば、芳香族ポリアミンである3,3’5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4,4’−トリアミノジフェニルスルホンなどのアミン系硬化剤や、ノボラック型フェノール樹脂、リン含有フェノール、ジシアンジアミド、酸無水物などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。具体的にはPS−2655(ノボラック型フェノール樹脂、群栄化学(株)製)、“jERキュア” (登録商標) DICY7(ジャパンエポキシレジン(株)製)、“SEIKACURE−S”(セイカ(株)製)などが挙げられる。上記硬化剤の他、RDP−T(味の素ファインテクノ(株)製)やSPH−100(大塚化学(株)製)などのリン含有フェノールを難燃性付与の目的で含有してもよい。
【0025】
(E)シアノ基含有ホスファゼン化合物とは、下記一般式(1)で表される化合物である。
【0026】
【化3】

【0027】
上記一般式(1)中、Arは同じでも異なっていてもよくフェニル基またはシアノフェニル基を示す。ただし、Arの少なくとも一つはシアノフェニル基である。ここでシアノフェニル基とは下記式(3)〜(5)のいずれかで表される基である。
【0028】
【化4】

【0029】
本発明の接着剤組成物は、(E)シアノ基含有ホスファゼン化合物(以下E成分)を含有することにより、難燃性を向上させ、タック性を軽減することができる。ホスファゼン化合物の中でも、フェノキシ基を有する化合物を用いることにより、得られる接着剤組成物の耐熱性が向上する。しかしながら、従来公知のフェノキシホスファゼン化合物、具体的には特開2001−335703号公報記載の化合物や特開2006−117637号公報記載の化合物、SPB−100(大塚化学(株)製)などを含有する場合、これらの化合物が可塑剤として作用し、得られる接着剤組成物のタック性が増加する課題があった。また、これらの化合物は、例えば100℃以上の高温条件において、樹脂からのシミだし(ブリードアウト)が生じる課題があった。一方、本発明の接着剤組成物は、(E)シアノ基含有ホスファゼン化合物を含有することにより、得られる接着剤組成物のタック性を軽減させ、高温条件下におけるブリードアウトを抑制することができる。
【0030】
一般式(1)中のArはフェニル基またはシアノフェニル基であるが、以下の数式(6)で示されるシアノフェニル基の割合は15モル%以上85モル%以下が好ましい。
シアノフェニル基の割合(モル%)=一分子中のシアノフェニル基の数/6×100 (6)
仮にArのうち3個シアノフェニル基であった場合、シアノフェニル基の割合は50モル%となる。シアノフェニル基はフェニル基に比べて極性が高いため、シアノフェニル基の割合を上記範囲にすることによりE成分の極性を適度な範囲に調整し、樹脂に対する相溶性やブリードアウト抑制効果がより向上する。上記シアノフェニル基の割合は、31P−NMR、13C−NMRのケミカルシフト値あるいは元素分析などから算出することができる。(E)シアノ基含有ホスファゼン化合物は、例えば特開2006−63157号公報記載の方法を用いて合成でき、その際のフェノールとシアノフェノールの仕込み比率によって上記シアノフェニル基の割合を調整することができる。
【0031】
(E)シアノ基含有ホスファゼン化合物は、接着剤組成物全体に対し、10重量%以上40重量%以下含有することが好ましい。10重量%以上であれば難燃性がより向上し、タック性はより軽減される。また、40重量%以下であれば他の成分への分散性が向上し、成膜性が向上する。
【0032】
また、上記(A)〜(E)成分以外に、必要に応じてレゾール型フェノール樹脂、硬化促進剤、エラストマー、フェノキシ樹脂、無機フィラーなどを含有することは特に制限されるものではない。
【0033】
例えばレゾール型フェノール樹脂を含有すると、絶縁性、弾性率がより向上し、高温・高湿条件下で電圧を印加した場合にも回路の変色を抑制することができる。具体的には、“ショウノール”(登録商標)CKM−1634(昭和高分子(株)製)などが好適である。
【0034】
硬化促進剤としては三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体等の三フッ化ホウ素のアミン錯体、2−アルキル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−アルキルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の有機酸等が挙げられる。これらは2種以上用いてもよい。
【0035】
エラストマーとしては、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(以下NBR−Cと称する)等の変性タイプを挙げることができる。例えばNBR−Cの例として、アクリロニトリルとブタジエンを約10/90〜50/50のモル比で共重合させた共重合ゴムの末端基をカルボキシル化したもの、あるいはアクリロニトリル、ブタジエンとアクリル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有重合性単量体の三元共重合ゴムなどが挙げられる。具体的なNBR−Cとしては、PNR−1H(日本合成ゴム(株)製)などが挙げられる。
【0036】
その他、樹脂の弾性率向上等の目的でビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、あるいはそれらの共重合体フェノキシ樹脂などを含有することができる。具体的な例としては、PHENOTOHTO YP−40(東都化成(株)製)等が挙げられる。
【0037】
無機フィラーとしては、微粒子状の無機粒子剤ならば特に限定されることはない。具体的には水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、タルク等の金属酸化物、アルミニウム、金、銀、ニッケル、鉄等の金属微粒子、あるいはカーボンブラック、ガラスが挙げられるが、特に難燃性の点で水酸化アルミニウムが好ましい。具体的には“HIGILITE”(登録商標)H42I(昭和電工(株)製)などが挙げられる。
【0038】
また、接着剤の特性を損なわない範囲で酸化防止剤、イオン捕捉剤、加硫促進剤、各種リン酸エステル(PX−200、CR−733S 大八化学工業(株)製)などのリン化合物、1,2,3ベンゾトリアゾールなどの銅箔腐食防止剤、シランカップリング剤などの有機、無機成分を含有することは何ら制限されるものではない。
【0039】
次に本発明の接着剤組成物の製造方法について説明する。例えば、(A)エポキシ基を含有するスチレン−ブタジエン共重合体と(B)エチレン−アクリル酸共重合体を混合し、キシレン、クロロベンゼンなどの溶剤を加えて撹拌し、A成分とB成分の混合溶液を作製する。この混合溶液に(C)エポキシ樹脂、(D)硬化剤、(E)シアノ基含有ホスファゼン化合物および必要によりその他の成分を加え、さらに必要ならば溶剤を加えて接着剤組成物の溶液を作製する。溶剤としては、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族系、メチルエチルケトン、メチルエチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン系、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、Nメチルピロドリン等の非プロトン系極性溶剤が挙げられ、これらを2種以上用いてもよい。この接着剤組成物の溶液を乾燥させ、溶剤を揮発させれば本発明の接着剤組成物を得る。乾燥温度などは特に限定されるものではないが、100〜200℃が好ましい。なお、先に説明した各成分の含有量のうち接着剤組成物中の重量%で記載したものは、溶剤を除く接着剤組成物に対する重量%を意味する。
【0040】
次に、本発明のカバーレイフィルムについて説明する。本発明のカバーレイフィルムは、本発明の接着剤組成物から形成される接着剤層、支持体および離型体を有するもので、主に回路保護用に用いられる。本発明の接着剤組成物は、支持体および離型体とあわせることにより回路保護用のカバーレイフィルムとして使用することができる。
【0041】
支持体としては一般的なプラスチックフィルムであれば特に限定されるものではなく、例えばポリイミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、アラミド、ポリカーボネート、ポリアリレート等のフィルムが挙げられる。本発明の接着剤組成物を用いることにより、ポリフェニレンスルフィドのような比較的燃焼しやすいフィルムを支持体に用いても、十分な難燃性を達成することが可能である。支持体の厚みは特に限定されないが、屈曲耐性、折り曲げ抵抗の観点からは薄いほうが好ましく、4μm〜12.5μmのものが特に好ましい。具体的には“カプトン”(登録商標、ポリイミドフィルム、東レ・デュポン(株)製)や“アラミカ”(登録商標、アラミドフィルム、帝人アドバンストフィルム(株)製)、“ミクトロン”(登録商標、アラミドフィルム、東レ(株)製)、“トレリナ”(登録商標、ポリフェニレンスルフィドフィルム、東レ(株)製)などが例示できる。上記支持体に接着力の向上を目的としてプラズマ処理、コロナ処理、アンカーコート、ヘアライン加工などの処理をすることはなんら制限されるものではない。
【0042】
離型体とは、上記支持体に比べ接着剤層との剥離力が弱いものであれば特に限定されない。支持体の接着剤層に対する接着力をF1、離型体の接着剤層に対する接着力をF2(F1>F2)としたとき、F1−F2は5N/m以上が好ましい。F1−F2が5N/m以上であれば、離型体を安定して剥離することができる。また、剥離力F2は1N/m以上50N/m以下が好ましい。この範囲であれば、離型体の脱落を防止でき、かつ容易に剥離することができる。接着剤組成物のタック性が増加すると、F2が増加してしまい、その結果加工工程での効率が著しく低下することとなる。離型体としては、安価なプラスチックフィルムにシリコーンあるいはフッ素化合物のコーティング処理を施したもの、サンドマット処理などの物理的処理を施したものなどが挙げられる。具体的には上記処理を施したポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、およびこれらをラミネートした紙が挙げられる。シリコーンコーティングなどの処理は、フィルム単独で上記のF1、F2の条件を満たす場合にはかならずしも必要はない。離型体は、加工時に視認性が良いように顔料による着色が施されていてもよい。これにより、先に剥離する側の離型体が簡便に認識できるため、誤使用を避けることができる。
【0043】
カバーレイフィルムの主な構成としては、ポリイミドフィルムまたはアラミドフィルム等の支持体(4〜25μm)/接着剤層(10〜50μm)/離型体(12.5〜125μm)等が挙げられる。
【0044】
次に、本発明のカバーレイフィルムの製造方法を説明する。
【0045】
カバーレイフィルムの製造方法1
本発明の接着剤組成物の溶液を、離型体に塗布、乾燥して接着剤層を形成する。接着剤層の膜厚は10〜100μmが好ましい。乾燥条件は一般的に、100〜200℃、1〜5分である。
【0046】
接着剤層上にさらに高い離型性を有するポリエステルあるいはポリオレフィン系の保護フィルムをラミネートして、接着剤シートを得る。さらに接着剤厚みを増す場合は、接着剤層を複数回積層すればよく、場合によってはラミネート後に、例えば40〜100℃で1〜200時間エージングして接着剤層の硬化度を調整してもよい。
【0047】
上記接着剤シートを40℃〜100℃で1〜300時間エージングを行い、接着剤層の硬化度をカバーレイフィルムとして適切な状態に調整する。その後上記保護フィルムを剥離させ、接着剤層に支持体を50℃〜150℃でラミネートし、本発明のカバーレイフィルムを得る。この手法は支持体の厚みが薄く、接着剤組成物を直接塗工したり、支持体上でのエージングを行うことが困難な場合に有効である。
【0048】
カバーレイフィルムの製造方法2
本発明の接着剤組成物の溶液を、支持体に塗布、乾燥して接着剤層を形成する。接着剤層の膜厚は10〜100μmが好ましい。乾燥条件は一般的に、100〜200℃、1〜5分である。その後接着剤層上に離型体をラミネートする。40℃〜100℃で1〜300時間エージングを行い、接着剤層の硬化度をカバーレイフィルムとして適切な状態に調整し、本発明のカバーレイフィルムを得る。この手法は簡便であり、支持体の厚みが厚い場合に有効である。
【実施例】
【0049】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例の説明に入る前にカバーレイフィルムの各評価方法について述べる。
【0050】
<難燃性>
ベースポリイミドフィルム厚さが50μmの東レフィルムキャリアーテープ#7100(商品名)の保護フィルムを剥離し、エアオーブン中で、80℃で3時間、100℃で5時間、160℃で5時間の順次加熱処理を行い、回路基板とした。
【0051】
各実施例および比較例に記載のカバーレイフィルムから離型体を剥離し、上記の回路基板の接着剤面に、130℃、0.1MPa、180秒の条件にてプレス加工を行った。その後、カバーレイフィルムがプレス加工された回路基板を、160℃のオーブンにて5時間の加熱硬化処理を行い、燃焼性評価用回路基板を作製した。得られた燃焼性評価用回路基板を用いて、UL−94V試験に準拠した燃焼性試験を行い燃焼性の相当等級を測定した。UL−94V試験に於ける燃焼性がV−1以上であれば、難燃性は良好であると判断できる。
【0052】
<絶縁性>
ベースポリイミドフィルム厚さが50μmの東レフィルムキャリアーテープ#9300(商品名)の保護フィルムを剥離し、25μmの電解銅箔を、140℃、0.2MPa、1m/分の条件でラミネートした。続いてエアオーブン中で、80℃で3時間、100℃で5時間、150℃で5時間の順次加熱処理を行い、銅箔付きTAB用テープを作製した。得られた銅箔付きTAB用テープの銅箔面に常法によりフォトレジスト膜形成、エッチング、レジスト剥離を行い、ホウフッ酸系(シプレイ・ファーイースト(株)製 スズメッキ液(商品名)TINPOSIT LT−34)の無電解スズメッキ液に70℃、5分浸漬処理し、0.5μm厚のメッキを施して導体回路を形成し、評価用TABテープサンプルとした。
【0053】
各実施例および比較例に記載のカバーレイフィルムから離型体を剥離し、上記の評価用TABテープサンプル(導体幅50μm、導体間距離50μm)に、130℃、0.1MPa、180秒の条件にてプレス加工を行った。その後、カバーレイフィルムがプレス加工された回路基板を、160℃のオーブンにて5時間の加熱硬化処理を行い絶縁性評価用サンプルとした。
【0054】
上記絶縁性評価用サンプルに121℃、85%RH環境下で30V電圧を24時間印加した。その後、銅の変色、デンドライトの発生の有無を確認した。
【0055】
<接着剤層と離型体との剥離力>
各実施例および比較例に記載のカバーレイフィルムを1cmの幅に切断し、離型体を90°の方向に50mm/分の速度で引き剥がした際の剥離力を、日本電産シンポ(株)製のデジタルフォースゲージ“FGC−2”を用いて測定した。
【0056】
<難燃剤のブリードアウト>
各実施例および比較例に記載のカバーレイフィルムから離型体を剥離し、接着剤層を露出させ、160℃のオーブンにて5時間の加熱硬化処理を行った。その後、露出している接着剤層の表面にポリエステルフィルムを指で押し当て、ポリエステルフィルムへの転写物の有無を確認した。転写物がある場合は、ブリードアウト有りと判定した。転写物がリン系難燃剤に起因するか否かは、転写物のXMA分析におけるリンの検出などにより判定することができる。
【0057】
<接着剤組成物の硬化後弾性率>
接着剤組成物の溶液を離型体に塗布、乾燥して40〜50μm厚みの接着剤層を形成した。得られた接着剤層を160℃のオーブンにて5時間加熱硬化処理して測定サンプルを得た。得られたサンプルを幅10mm×長さ20mmにカットし、セイコーインスツル(株)製EXSTAR6000を用いて、昇温速度5℃/分で引っ張り試験を行った際の100℃における保存弾性率(G’)を測定し、硬化後弾性率とした。
【0058】
合成例1 シアノ基含有ホスファゼン化合物の合成
特開2006−63157号公報に記載の手法に従いシアノ基含有ホスファゼン化合物を合成した。すなわち、撹拌装置、加熱装置、温度計及び脱水装置を備えた容量2リットルの四ツ口フラスコに、4−シアノフェノール 1.76モル、フェノール 0.88モル、水酸化ナトリウム 2.64モル及びトルエン 1000mlを添加した。次に、この混合物を加熱還流し、系から水を除き、シアノフェノール及びフェノールのナトリウム塩のトルエン溶液を調製した。そして、このシアノフェノール及びフェノールのナトリウム塩のトルエン溶液に、1モルのジクロロホスファゼンオリゴマー1(3量体が95%以上であるもの)を含む20%クロルベンゼン溶液580gを撹拌しながら内温30℃以下で滴下した。この混合溶液を12時間還流した後、反応混合物に5%水酸化ナトリウム水溶液を添加し2回洗浄した。次に有機層を希硫酸で中和した後、水洗を2回行い有機層を濾過し、濃縮、真空乾燥( 真空乾燥条件:80℃、600Pa、12時間)することによって、シアノ基含有ホスファゼンを得た。このものは元素分析により「N=P(OCCN)1.34(OC0.66」であることを確認した。
【0059】
以下の各実施例および比較例に用いた化合物は次のとおりである。
<A成分>
“エポフレンド”AT501:スチレン−ブタジエン共重合体(ダイセル化学工業(株)製、スチレン由来構造の含有量40重量%、エポキシ基含有量1.5重量%)
“エポフレンド”CT310:スチレン−ブタジエン共重合体(ダイセル化学工業(株)製、スチレン由来構造の含有量40重量%、エポキシ基含有量0.7重量%)
<B成分>
“Vamac”−G:エチレン−アクリル共重合体(デュポン(株)製、アクリル酸由来の構造含有量約50重量%、エチレン由来の構造含有量50重量%)
“ボンドファスト”−7M:エチレン−アクリル共重合体(住友化学(株)製、アクリル酸誘導体由来の構造含有量33重量%、エチレン由来の構造含有量67重量%)
“ニュクレル”−N410:エチレン−アクリル共重合体(三井・デュポン(株)製、アクリル酸誘導体由来の構造含有量9重量%、エチレン由来の構造含有量81重量%)
“エルバロイ”HP441:エチレン−アクリル−一酸化炭素共重合体(三井・デュポンポリケミカル(株)製)
<C成分>
“jER”828:ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製)
EOCN102S:o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製)
<D成分>
PS−2655:ノボラック型フェノール樹脂(群栄化学(株)製)
DICY7:ジシアンジアミド(ジャパンエポキシレジン(株)製)
SEIKACURE−S:4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(セイカ(株)製)
<E成分>
シアノ基含有ホスファゼン化合物(合成例1に従い合成したもの)
<その他成分>
SPB−100:ホスファゼン化合物(大塚化学(株)製)
CKM−1634:レゾール型フェノール樹脂(昭和高分子(株)製)
YP−40:ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成(株)製)
PNR−1H:アクリロニトリルブタジエンゴム(日本合成ゴム(株)製)
SG−P3:アクリル樹脂(ナガセケムテックス(株)製)
2E4MZ:2エチル−4メチルイミダゾール(東京化成(株)製)
<支持体>
アラミド:芳香族アラミドフィルム“ミクトロン”(厚み4μm、東レ(株)製)
PPS:ポリフェニレンサルファイドフィルム“トレリナ”(厚み4μm、東レ(株)製)
ポリイミド:ポリイミドフィルム“カプトン”(厚み12.5μm、東レ・デュポン(株)製) 。
【0060】
実施例1(カバーレイフィルムの製造方法1により作製)
容量500mlのポリエチレン製容器に“エポフレンド”AT501(A成分)(ダイセル化学工業(株)製)100重量部、“Vamac”−G(B成分)(デュポン(株)社製)100重量部、クロロベンゼン1200重量部を加え50〜60℃で撹拌し溶解させた。その後、“jER”828 50重量部、PS2655 25重量部、(E)シアノ基含有ホスファゼン化合物100重量部、2エチル−4メチルイミダゾール0.5重量部、クロロベンゼン300重量部を加えて50〜60℃で撹拌し20重量%の接着剤組成物の溶液を作製した。上記接着剤組成物の溶液をシリコーン処理された厚み25μmのポリエステルフィルム(離型体、藤森工業(株)製“フィルムバイナ”(登録商標)SR−10)上にバーコータを用いて乾燥後の厚みが40μmになるように塗布した。その後150℃で5分間乾燥させ接着剤層を得た。この接着剤層上にさらに高い離型性を有するシリコーン処理をした厚み25μmのポリエステルフィルム(保護フィルム、藤森工業(株)製“フィルムバイナ”(登録商標)GT)を貼り合わせて、接着剤シートを得た。上記接着剤シートを70℃で100時間エージングを行い、接着剤層の硬化度を調整した。その後上記保護フィルムを剥離し、接着剤層に厚み4μmのアラミドフィルム(支持体、東レ(株)製“ミクトロン”(登録商標))を90℃、0.3MPaの圧力でラミネートしてカバーレイフィルムを得た。
【0061】
実施例2〜19、22〜23、比較例1〜7
実施例1と同じ方法を用いて、それぞれ表1〜3に示した原料および組成比で調合した接着剤組成物を用い、実施例1と同様の方法でカバーレイフィルムを作製した。
【0062】
実施例20
アラミドフィルムのかわりにPPSフィルムを用いた以外は実施例16と同様の方法でカバーレイフィルムを作製した。
【0063】
実施例21、24(カバーレイフィルムの作製方法2により作製)
実施例1と同様に調製した表3に示した組成の接着剤組成物溶液を厚み12.5μmのポリイミドフィルム(支持体、東レ・デュポン(株)製“カプトン”(登録商標)50EN)上にバーコータを用いて乾燥後の厚みが40μmになるように塗布した。その後150℃で5分間乾燥させ接着剤層を得た。この接着剤層上にシリコーン処理された厚み25μmのポリエステルフィルム(離型体、藤森工業(株)製“フィルムバイナ”(登録商標)SR−10)を40℃、0.3MPaの圧力でラミネートした。その後、70℃で100時間エージングを行い、接着剤層の硬化度を調整し、カバーレイフィルムを得た。
【0064】
実施例25
アラミドフィルムのかわりにPPSフィルムを用いた以外は実施例23と同様の方法でカバーレイフィルムを作製した。
【0065】
実施例1〜25および比較例1〜7の組成および評価結果を表1〜4に示す。
【0066】
【表1】

【0067】
【表2】

【0068】
【表3】

【0069】
【表4】

【0070】
*1)実施例2、4、15においては塗工時にムラが発生し、塗工後の離型体剥離力がばらつく結果となった。*2)実施例4においては、溶剤溶解性が十分でないため、ニュクレル−N410は50重量部までしか添加できなかった。
【0071】
比較例1〜2から、シアノ基含有ホスファゼン化合物を含有しない場合、絶縁性は良好であるものの、タック性が悪化することがわかる。比較例3〜4については、塗料のゲル化のため塗工が不可能であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)エポキシ基を有するスチレン−ブタジエン共重合体、(B)エチレン−アクリル酸共重合体、(C)エポキシ樹脂、(D)硬化剤および(E)下記一般式(1)で表されるシアノ基含有ホスファゼン化合物を含有する接着剤組成物。
【化1】

(上記一般式(1)中、Arは同じでも異なっていてもよくフェニル基またはシアノフェニル基を示す。ただし、Arの少なくとも一つはシアノフェニル基である。)
【請求項2】
前記(B)エチレン−アクリル酸共重合体が、エチレンと、アクリル酸またはその誘導体を共重合させて得られる化合物である請求項1記載の接着剤組成物。
【請求項3】
前記(B)エチレン−アクリル酸共重合体が、エチレンと、アクリル酸またはその誘導体と、一酸化炭素を共重合させて得られる化合物である請求項1記載の接着剤組成物。
【請求項4】
前記(E)シアノ基含有ホスファゼン化合物の含有量が10重量%以上40重量%以下である請求項1〜3いずれか記載の接着剤組成物。
【請求項5】
前記(B)エチレン−アクリル酸共重合体の含有量が、前記(A)エポキシ基を有するスチレン−ブタジエン共重合体100重量部に対し55重量部以上200重量部以下である請求項1〜4いずれか記載の接着剤組成物。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか記載の接着剤組成物から形成される接着剤層、支持体および離型体を有するカバーレイフィルム。

【公開番号】特開2009−132879(P2009−132879A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−270598(P2008−270598)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】