説明

接続端子付き基板

【課題】 接続端子の一方の端部と基板との間隔を一定に保つことが可能な接続端子付き基板を提供することを課題とする。
【解決手段】 本接続端子付き基板は、基板本体と、前記基板本体の第1の面に設けられた第1の導体と、一方の端部が前記第1の導体に固定されており、他方の端部が前記基板本体の前記第1の面と対向配置される被接続物に接続されるバネ性を有する導電性の接続端子と、を有し、前記第1の導体に固定されている前記接続端子の一方の端部には前記第1の導体側に突起する突起部が設けられていることを要件とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ばね性を有する接続端子を備えた接続端子付き基板に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、被接続物と電気的に接続された従来の接続端子付き基板を例示する断面図である。図1を参照するに、従来の接続端子付き基板200は、基板本体210と、パッド220と、接続端子230と、はんだ240とを有する。被接続物300は、基板本体310と、パッド320とを有する。被接続物300は、接続端子付き基板200又は被接続物300に設けられたクランプ等(図示せず)により、接続端子付き基板200に着脱可能に固定されている。
【0003】
基板本体210は、絶縁層(図示せず)、絶縁層に形成されたビアや配線パターン等(図示せず)を有する。パッド220は、基板本体210の面210Aに設けられており、基板本体210に形成された配線パターン(図示せず)と電気的に接続されている。
【0004】
基板本体310は、絶縁層(図示せず)、絶縁層に形成されたビアや配線パターン等(図示せず)を有する。パッド320は、基板本体310の面310Aに設けられており、基板本体310に形成された配線パターン(図示せず)と電気的に接続されている。
【0005】
接続端子230は、ばね性を有する接続端子である。接続端子230の一方の端部230Aは、はんだ240を介して、基板本体210のパッド220と電気的に接続されている。接続端子付き基板200と被接続物300とが固定された状態では、接続端子230の他方の端部230Bは、基板本体310のパッド320に対して略一定の圧力で押圧されており、これによりパッド320と電気的に接続されている。
【0006】
このように、ばね性を有する接続端子230を備えた接続端子付き基板200によれば、被接続物300との電気的な着脱を容易に行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−299422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、接続端子230の一方の端部230Aにおいて基板本体210の面210Aと対向する側の面230Cは平滑であり、面230Cと面210Aとの間隔T〜Tを規定する機能を有していない。そのため、はんだ240を介して接続端子230の一方の端部230Aとパッド220とを接合した際に、間隔T〜Tはそれぞれ異なる値となり、面230Cと面210Aとの間隔を一定に保つことはできない。面230Cと面210Aとの間隔を一定に保つことができないと、はんだ240の量が過少となり接続端子230とパッド220との接続信頼性の低下等の問題を生じる虞がある。
【0009】
又、各パッド220上に同量のはんだ240が存在するとすれば、面230Cと面210Aとの間隔が狭くなるにつれて、接続端子230の一方の端部230A以外の部分(接続端子230の傾斜部)へのはんだ240の濡れ上がりが生じる虞がある。接続端子230の一方の端部230A以外の部分(接続端子230の傾斜部)へのはんだ240の濡れ上がりが生じると、接続端子230の有するばね性が劣化するため、濡れ上がりが生じることは好ましくない。
【0010】
このように、接続端子の一方の端部と基板との間隔を一定に保つことは重要であるが、従来の接続端子付き基板では、接続端子の一方の端部と基板との間隔を一定に保つことが困難であるという問題があった。
【0011】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、接続端子の一方の端部と基板との間隔を一定に保つことが可能な接続端子付き基板を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本接続端子付き基板は、基板本体と、前記基板本体の第1の面に設けられた第1の導体と、一方の端部が前記第1の導体に固定されており、他方の端部が前記基板本体の前記第1の面と対向配置される被接続物に接続されるバネ性を有する導電性の接続端子と、を有し、前記第1の導体に固定されている前記接続端子の一方の端部には前記第1の導体側に突起する突起部が設けられていることを要件とする。
【発明の効果】
【0013】
開示の技術によれば、接続端子の一方の端部と基板との間隔を一定に保つことが可能な接続端子付き基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】被接続物と電気的に接続された従来の接続端子付き基板を例示する断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。
【図3】図2に示す接続端子の配置の一例を模式的に示す図である。
【図4】図3に示す構造体の平面図である。
【図5】被接続物及び実装基板と電気的に接続された第1の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。
【図6】第1の実施の形態に係る接続端子付き基板の製造工程を例示する図(その1)である。
【図7】第1の実施の形態に係る接続端子付き基板の製造工程を例示する図(その2)である。
【図8】第1の実施の形態に係る接続端子付き基板の製造工程を例示する図(その3)である。
【図9】第1の実施の形態に係る接続端子付き基板の製造工程を例示する図(その4)である。
【図10】第1の実施の形態に係る接続端子付き基板の製造工程を例示する図(その5)である。
【図11】第2の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。
【図12】被接続物及び実装基板と電気的に接続された第2の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。
【図13】第3の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。
【図14】被接続物及び実装基板と電気的に接続された第3の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。
【図15】第4の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。
【図16】被接続物及び実装基板と電気的に接続された第4の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。
【図17】第5の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。
【図18】被接続物及び実装基板と電気的に接続された第5の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。
【図19】第6の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。
【図20】被接続物及び実装基板と電気的に接続された第6の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。
【図21】第7の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。
【図22】被接続物及び実装基板と電気的に接続された第7の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。
【図23】半導体パッケージに適用した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
〈第1の実施の形態〉
[第1の実施の形態に係る接続端子付き基板の構造]
始めに、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板の概略の構造について説明する。図2は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。図2を参照するに、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10は、基板11と、接続端子12と、接続部材13と、外部接続部材14とを有する。
【0017】
基板11は、板状とされた基板本体16と、複数の貫通孔17と、第1の導電体である貫通電極19とを有する。基板本体16としては、例えば、シリコン基板や、積層された複数の絶縁層、及び複数の絶縁層に設けられた複数のビア及び配線を有する多層配線構造体(配線基板)等を用いることができる。複数の貫通孔17は、基板本体16を貫通するように形成されている。貫通孔17の直径は、例えば、100〜300μmとすることができる。
【0018】
貫通電極19は、複数の貫通孔17に設けられている。貫通電極19の一方の端面19Aは、基板本体16の面16A(基板本体16の第1の面)から露出されると共に、基板本体16の面16Aに対して略面一とされている。貫通電極19の他方の端面19Bは、基板本体16の面16B(基板本体16の第2の面)から露出されると共に、基板本体16の面16Bに対して略面一とされている。貫通電極19の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0019】
なお、本実施の形態では、基板11として、シリコンよりなる基板本体16に貫通電極19を設けた場合を例に挙げて以下の説明を行う。又、貫通電極19と基板本体16との間及び基板本体16の表面には、図示していない絶縁膜(例えば、SiO膜)が形成されている。
【0020】
図3は、図2に示す接続端子の配置の一例を模式的に示す図であり、図4は、図3に例示する構造体の平面図である。図3及び図4において、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。図4において、Cは、接続端子12の配列方向(以下、「配列方向C」という)を示している。
【0021】
図2〜図4を参照するに、接続端子12は、ばね性を有する接続端子であり、第1の接続部21と、第2の接続部22と、ばね部23と、第1の支持部24と、第2の支持部25とを有する。
【0022】
第1の接続部21は、板状部21Hと、板状部21Hの基板11と対向する側の面21Aに形成された突起部21Pとを有する。突起部21Pは、板状部21Hに一体的に設けられたものでも良く、板状部21Hに別体として設けられたものでもよい。板状部21Hの幅W,Wは、例えば、0.4mmとすることができる(図3参照)。板状部21Hの厚さTは、例えば、0.08mmとすることができる。突起部21Pは、例えば円錐台形とすることができる。突起部21Pの板状部21Hの面21A側の面の直径は、例えば50〜200μmとすることができる。なお、円錐台形とは、円錐を底面に平行な平面で切り、頂点を含む部分を除去した立体である。
【0023】
第1の接続部21は、接続部材13により、貫通電極19の端面19Aに固定されている。すなわち、第1の接続部21は、貫通電極19と電気的に接続されている。なお、第1の接続部21の突起部21Pの先端部と貫通電極19の端面19Aとの間には、接続部材13が全く存在しないか、又は、極少量(極薄)の接続部材13が存在している。その結果、板状部21Hの面21Aと基板11(基板本体16の面16A)との間隔T〜Tは突起部21Pの高さで規定され、間隔T〜Tは略同一となる。すなわち、第1の接続部21が突起部21Pを有することにより、板状部21Hの面21Aと基板11(基板本体16の面16A)との間隔T〜Tを一定に保つことができる。なお、突起部21Pの高さ(≒間隔T〜T)は、例えば50〜100μmとすることができる。
【0024】
又、板状部21Hの面21Aと基板11(基板本体16の面16A)との間隔T〜Tを一定に保つことができるため、板状部21Hの面21Aと基板11との隙間に一定量の接続部材13を保持することが可能となり、第1の接続部21以外の部分(ばね部23、第1の支持部24等)への接続部材13の濡れ上がりを防止することができる。その結果、接続端子12の有するばね性が劣化することを防止することができる。
【0025】
第2の接続部22は、第1の接続部21の上方に、第1の接続部21と対向するように配置されている。第2の接続部22は、ばね部23、第1の支持部24、及び第2の支持部25を介して、第1の接続部21と電気的に接続されている。第2の接続部22は、接触部28と、突出部29とを有する。
【0026】
図5は、被接続物及び実装基板と電気的に接続された第1の実施の形態に係る接続端子付き基板の断面図である。図5において、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0027】
図5を参照するに、接触部28は、パッド34により接続端子12が押圧された際、被接続物33(具体的には、例えば、半導体パッケージ、配線基板、半導体チップ等の電気部品)のパッド34の面34Aと接触する部分である。接触部28は、パッド34により接続端子12が押圧された際、主に基板本体16の厚さ方向(言い換えれば、パッド34の面34Aと直交する方向)に移動する。パッド34の面34Aと接触する部分の接触部28は、ラウンド形状とされている。
【0028】
このように、パッド34の面34Aと接触する部分の接触部28をラウンド形状とすることにより、パッド34により接触部28が押圧された際、接触部28によりパッド34が破損することを防止できる。
【0029】
又、接触部28は、被接続物33に設けられたパッド34が第2の接続部22
を押圧した際、ばね部23の変形により、第2の接続部22が第1の接続部21に近づく方向(具体的には、第2の接続部22が接触するパッド34の面34Aと直交する方向で、かつ第2の接続部22が第1の接続部21に近づく方向)に移動した状態で、パッド34の面34Aと接触する。
【0030】
これにより、パッド34の面34Aと第2の接続部22とが接触した際、第2の接続部22が、パッド34の面34A方向に大きく移動することがなくなるため、被接続物33に設けられたパッド34を狭ピッチに配置することができる。
【0031】
なお、実際の被接続物33と接続端子付き基板10との電気的接続の際には、実装基板36又は接続端子付き基板10に設けられたクランプ等(図示せず)により、被接続物33が接続端子付き基板10に対して押圧され、固定される。
【0032】
図2〜図5を参照するに、突出部29は、一方の端部が第2の支持部25と一体的に構成されており、他方の端部が接触部28と一体的に構成されている。突出部29は、第2の支持部25からパッド34に向かう方向(第1の接続部21から離間する方向)に突出している。
【0033】
このように、接触部28と第2の支持部25との間に、接触部28及び第2の支持部25と一体的に構成され、第2の支持部25からパッド34に向かう方向(第1の接続部21から離間する方向)に突出する突出部29を設けることで、被接続物33のパッド34が接触部28を押圧した際のばね部23の変形による、被接続物33と第2の支持部25との接触を防止することが可能となるため、接続端子12及び被接続物33の破損を防止することができる。
【0034】
被接続物33のパッド34と第2の接続部22とが接触していない状態における第2の接続部22の突出量A(第2の支持部25と突出部29との接続部分を基準としたときの突出量)は、例えば、0.3mmとすることができる(図2参照)。又、第2の接続部22の幅Wは、例えば、0.2mmとすることができる(図3又は図4参照)。第2の接続部22の厚さは、例えば、0.08mmとすることができる。
【0035】
ばね部23は、第1の支持部24と第2の支持部25との間に配置されており、第1及び第2の支持部24,25と一体的に構成されている。ばね部23は、湾曲した形状(例えば、C字型)とされており、ばね性を有する。
【0036】
ばね部23は、被接続物33のパッド34により第2の接続部22が押圧された際、第2の接続部22をパッド34に向かう方向に反発させることで、第2の接続部22とパッド34とを固定することなく、第2の接続部22とパッド34とを接触させるためのものである。ばね部23の幅及び厚さは、例えば、第2の接続部22の幅及び厚さと同じにすることができる。なお、本実施の形態に係る接続端子12では、実際には、第2の接続部22、ばね部23、第1の支持部24、及び第2の支持部25が一体的にばねとして機能する。第2の接続部22、ばね部23、第1の支持部24、及び第2の支持部25に対応する部分の接続端子12のばね定数は、例えば、0.6〜0.8N/mmにすることができる。
【0037】
第1の支持部24は、ばね部23と第1の接続部21との間に配置されている。第1の支持部24の一方の端部は、ばね部23の一方の端部と一体的に構成されており、第1の支持部24の他方の端部は、第1の接続部21と一体的に構成されている。第1の支持部24は、板状とされている。
【0038】
第1の支持部24は、基板11と対向する側の板状部21Hの面21Aを通過する平面Bと、基板11と対向する側の第1の支持部24の面24Aとが成す角度θが鋭角となるように構成されている。角度θは、例えば、5〜15度にすることができる。
【0039】
このように、基板11と対向する側の板状部21Hの面21Aを通過する平面Bと、基板11と対向する側の第1の支持部24の面24Aとが成す角度θを鋭角にすることで、被接続物33のパッド34が接触部28を押圧した際のばね部23の変形による基板11と第1の支持部24との接触を防止することが可能となるため、接続端子12及び基板11の破損を防止できる。上記構成とされた第1の支持部24の幅及び厚さは、例えば、第2の接続部22の幅及び厚さと同じにすることができる。
【0040】
第2の支持部25は、ばね部23と第2の接続部22との間に配置されている。第2の支持部25の一方の端部は、ばね部23の他方の端部と一体的に構成されており、第2の支持部25の他方の端部は、第2の接続部22(具体的には、突出部29)と一体的に構成されている。第2の支持部25は、板状とされている。第2の支持部25の幅及び厚さは、例えば、第2の接続部22の幅及び厚さと同じにすることができる。
【0041】
図4に示すように、複数の接続端子12は、接続端子12の配列方向Cに対して所定の角度θを成すように配列されている。言い換えれば、複数の接続端子12は、接続端子12の配設方向Cに対して傾斜するように配置されている。所定の角度θは、例えば、25〜35度にすることができる。
【0042】
このように、接続端子12の配設方向Cに対して傾斜するように、複数の接続端子12を配列させることにより、配設方向Cに対して平行となるように複数の接続端子12を配列した場合と比較して、単位面積当たりに多くの接続端子12を配置することが可能となる。これにより、第2の接続部22と接続される被接続物33のパッド34を狭ピッチに配置することができる。
【0043】
上記構成とされた接続端子12は、例えば、図示していない金属板(例えば、Cu系合金)を所定の形状に打ち抜き加工した後、打ち抜かれた金属板の表面全体にNiめっき膜(例えば、厚さ1〜3μm)を形成し、次いで、第1の接続部21及び接触部28に対応する部分に形成されたNiめっき膜に、Auめっき膜(例えば、厚さ0.3〜0.5μm)を形成(Auめっき膜を部分的に形成)し、その後、Niめっき膜及びAuめっき膜が形成され、打ち抜かれた金属板を曲げ加工することで製造する。上記金属板の材料となるCu系合金としては、例えば、リン青銅やベリリウム銅等を用いることができる。突起部21Pは、図示していない金属板(例えば、Cu系合金)を打ち抜き加工する際に、同時に形成することができる。ただし、後述するように(第7の実施の形態)、突起部の形状によっては、突起部は、打ち抜き加工による形成方法に代えて、めっき法を用いて形成してもよい。
【0044】
なお、上記接続端子本体(図示せず)は、図示していない金属板(例えば、Cu系合金)を所定の形状にエッチング加工した後、エッチング加工された金属板を曲げ加工することで形成してもよい。図2に示す状態(接続端子12の第2の接続部22に被接続物33のパッド34が押圧されていない状態)における接続端子12の高さHは、例えば、1.5mmとすることができる。
【0045】
図2及び図5を参照するに、接続部材13は、貫通電極19の端面19Aに設けられている。接続部材13は、接続端子12の第1の接続部21を貫通電極19の端面19Aに固定している。これにより、接続部材13は、接続端子12と貫通電極19とを電気的に接続している。接続部材13としては、例えば、はんだや導電性ペースト等を用いることができる。この場合、はんだとしては、例えばPbを含む合金、SnとCuの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等を用いることができる。又、導電性ペーストとしては、例えば導電性樹脂ペースト(例えば、エポキシ樹脂にAg粒子を含有させたAgペースト)等を用いることができる。
【0046】
外部接続部材14は、貫通電極19の端面19Bに設けられている。外部接続部材14は、マザーボード等の実装基板36に設けられたパッド37と接続される端子である。これにより、外部接続部材14は、基板11と実装基板36とを電気的に接続する。外部接続部材14としては、例えば、はんだや導電性ペースト等を用いることができる。この場合、はんだとしては、例えばPbを含む合金、SnとCuの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等を用いることができる。又、導電性ペーストとしては、例えば導電性樹脂ペースト(例えば、エポキシ樹脂にAg粒子を含有させたAgペースト)等を用いることができる。以上が、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板の概略の構造である。
【0047】
[第1の実施の形態に係る接続端子付き基板の製造方法]
続いて、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板の概略の製造方法について説明する。図6〜図10は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板の製造工程を例示する図である。図6〜図10において、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。又、図6及び図9では、図2及び図5に示す基板11を上下反転させた状態で基板11を図示する。
【0048】
図6〜図10を参照して、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10の製造方法について説明する。始めに、図6に示す工程では、周知の手法により、複数の貫通孔17を有する基板本体16、貫通電極19、外部接続部材14、及び接続部材13を備えた基板11を形成する。このとき、貫通電極19の一方の端面19Aは、基板本体16の面16Aに対して略面一となるように形成し、貫通電極19の他方の端面19Bは、基板本体16の面16Bに対して略面一となるように形成する。
【0049】
基板本体16としては、例えば、シリコン基板や、積層された複数の絶縁層、及び複数の絶縁層に設けられた複数のビア及び配線を有する多層配線構造体(配線基板)等を用いることができる。貫通孔17の直径は、例えば、100〜300μmとすることができる。
【0050】
貫通電極19は、例えば、めっき法により形成することができる。又、基板本体16としてシリコン基板を用いた場合、貫通孔17の側面に、基板本体16と貫通電極19とを電気的に絶縁する絶縁膜(図示せず)を形成する。又、基板本体16の表面にも絶縁膜(図示せず)を形成する。貫通電極19の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0051】
次いで、貫通電極19の端面19Aに接続部材13を形成し、貫通電極19の端面19Bに外部接続部材14を形成する。接続部材13及び外部接続部材14としては、例えば、はんだや導電性ペースト等を用いることができる。この場合、はんだとしては、例えばPbを含む合金、SnとCuの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等を用いることができる。又、導電性ペーストとしては、例えば導電性樹脂ペースト(例えば、エポキシ樹脂にAg粒子を含有させたAgペースト)等を用いることができる。
【0052】
次いで、図7に示す工程では、板状部21H及び突起部21Pを有する第1の接続部21と、第2の接続部22と、ばね性を有するばね部23と、第1の支持部24と、第2の支持部25とを有する接続端子12を複数形成する。なお、図7(a)は断面図、図7(b)は斜視図である。
【0053】
具体的には、接続端子12は、例えば、図示していない金属板(例えば、Cu系合金)を所定の形状に打ち抜き加工した後、打ち抜かれた金属板の表面全体にNiめっき膜(例えば、厚さ1〜3μm)を形成し、次いで、第1の接続部21及び接触部28に対応する部分に形成されたNiめっき膜に、Auめっき膜(例えば、厚さ0.3〜0.5μm)を形成(Auめっき膜を部分的に形成)し、その後、Niめっき膜及びAuめっき膜が形成され、打ち抜かれた所定の形状の金属板を曲げ加工することで製造する。上記金属板の材料となるCu系合金としては、例えば、リン青銅やベリリウム銅等を用いることができる。突起部21Pは、図示していない金属板(例えば、Cu系合金)を打ち抜き加工する際に、絞り加工や、押し出し加工等の各種のプレス加工により同時に形成することができる。
【0054】
なお、接続端子本体(図示せず)は、金属板(例えば、Cu系合金)を所定の形状にエッチング加工した後、エッチング加工された所定の形状の金属板を曲げ加工することで形成してもよい。
【0055】
上記構成とされた接続端子12を形成することにより、第1の接続部21が突起部21Pを有するため、基板11の有する貫通電極19の端面19Aに接続端子12を固定させる際に、板状部21Hの面21Aと基板11(基板本体16の面16A)との間隔を一定に保つことができる。又、基板11の有する貫通電極19の端面19Aに接続端子12を固定させる際に、板状部21Hの面21Aと基板11(基板本体16の面16A)との間隔を一定に保つことができるため、板状部21Hの面21Aと基板11との隙間に一定量の接続部材13を保持することが可能となり、第1の接続部21以外の部分(ばね部23、第1の支持部24等)への接続部材13の濡れ上がりを防止することができる。その結果、接続端子12の有するばね性が劣化することを防止することができる。
【0056】
又、被接続物33に設けられたパッド34が第2の接続部22を押圧した際のばね部23の変形により、第2の接続部22が第1の接続部21に近づく方向(具体的には、第2の接続部22が接触するパッド34の面34Aと直交する方向で、かつ第2の接続部22が第1の接続部21に近づく方向)に第2の接続部22が移動した状態で、第2の接続部22とパッド34の面34Aとが接触する。これにより、被接続物33に設けられたパッド34の面34A方向のサイズを大きくする必要がなくなるため、パッド34を狭ピッチに配置することができる(図2及び図5参照)。
【0057】
又、接続端子形成工程(図7に示す工程)では、パッド34の面34Aと接触する部分の接触部28が、ラウンド形状となるように接続端子12を形成するとよい。これにより、パッド34により接触部28が押圧された際、接触部28によりパッド34が破損することを防止できる。
【0058】
又、上記接続端子形成工程では、接触部28と第2の支持部25との間に、第2の支持部25から被接続物33のパッド34に向かう方向に突出する突出部29を形成するとよい。これにより、被接続物33のパッド34が接触部28を押圧した際に被接続物33と第2の支持部25とが接触することを防止可能となるため、被接続物33との接触による接続端子12及び被接続物33の破損を防止できる。
【0059】
被接続物33のパッド34と第2の接続部22とが接触していない状態における第2の接続部22の突出量A(第2の支持部25と突出部29との接続部分を基準としたときの突出量)は、例えば、0.3mmとすることができる。
【0060】
又、上記接続端子形成工程では、基板11と対向する側の板状部21Hの面21Aを通過する平面Bと、基板11と対向する側の第1の支持部24の面24Aとが成す角度θが鋭角となるように、接続端子12を形成するとよい。
【0061】
このように、基板11と対向する側の板状部21Hの面21Aを通過する平面Bと、基板11と対向する側の第1の支持部24の面24Aとが成す角度θを鋭角(例えば、5〜15度)にすることで、被接続物33のパッド34が接触部28を押圧した際のばね部23の変形による基板11と第1の支持部24との接触を防止することが可能となるため、接続端子12及び基板11の破損を防止できる。
【0062】
パッド34により第2の接続部22が押圧されていない状態における接続端子12の高さHは、例えば、1.5mmとすることができる。
【0063】
次いで、図8に示す工程では、端子整列用部材42に形成された複数の端子収容部43に、それぞれ1つの接続端子12を収容させる。具体的には、例えば、振込み法やピック&プレイス法により、端子収容部43に1つの接続端子12を配置する。このとき、面21Aの反対側に位置する第1の接続部21の面の一部が端子整列用部材42の上面42Aと接触するように、端子収容部43に接続端子12を配置する。
【0064】
次いで、図9に示す工程では、図6に示す構造体に設けられた接続部材13を加熱により溶融させ、溶融した接続部材13と第1の接続部21の突起部21Pの先端部とを接触させる。そして、基板11を矢印方向から押圧し、第1の接続部21の突起部21Pの先端部と貫通電極19の端面19Aとの間に接続部材13が全く存在しないか、又は、極少量(極薄)の接続部材13が存在する状態にし、接続部材13を硬化させる。ここで、第1の接続部21は突起部21Pを有するため、突起部21Pがストッパーとして機能し、押圧の際に基板11を押し込み過ぎることはない。特に、基板11が反っている場合には、基板11を十分に押圧する必要があるが、この場合にも押し込み過ぎを気にせずに十分な力で押圧することができる。
【0065】
これにより、接続端子12は、第1の接続部21の突起部21Pの先端部と貫通電極19の端面19Aとの間に接続部材13が全く存在しないか、又は、極少量(極薄)の接続部材13が存在する状態で、貫通電極19の端面19Aに固定される。その結果、板状部21Hの面21Aと基板11(基板本体16の面16A)との間隔T〜Tは突起部21Pの高さで規定され、間隔T〜Tは略同一となる。すなわち、第1の接続部21が突起部21Pを有することにより、板状部21Hの面21Aと基板11(基板本体16の面16A)との間隔T〜Tを一定に保つことができる。なお、突起部21Pの高さ(≒間隔T〜T)は、例えば50〜100μmとすることができる。
【0066】
又、板状部21Hの面21Aと基板11(基板本体16の面16A)との間隔T〜Tを一定に保つことができるため、板状部21Hの面21Aと基板11との隙間に一定量の接続部材13を保持することが可能となり、第1の接続部21以外の部分(ばね部23、第1の支持部24等)への接続部材13の濡れ上がりを防止することができる。その結果、接続端子12の有するばね性が劣化することを防止することができる。
【0067】
又、図9に示す工程において、先に説明した図4に示すように、接続端子12の配設方向Cに対して傾斜するように、複数の接続端子12を配列させるとよい。接続端子12の配設方向Cに対して傾斜するように、複数の接続端子12を配列させることにより、単位面積当たりに多くの接続端子12を配置することが可能となるので、第2の接続部22と接続される被接続物33のパッド34を狭ピッチに配置することができる。
【0068】
次いで、図10に示す工程では、図9に示す端子整列用部材42から複数の接続端子12が固定された基板11を取り出し、上下反転させる。これにより、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10が製造される。以上が、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板の概略の製造方法である。
【0069】
第1の実施の形態に係る接続端子付き基板によれば、第1の接続部21が突起部21Pを有するため、板状部21Hの面21Aと基板11(基板本体16の面16A)との間隔を一定に保つことができる。又、板状部21Hの面21Aと基板11(基板本体16の面16A)との間隔を一定に保つことができるため、板状部21Hの面21Aと基板11との隙間に一定量の接続部材13を保持することが可能となり、第1の接続部21以外の部分(ばね部23、第1の支持部24等)への接続部材13の濡れ上がりを防止することができる。その結果、接続端子12の有するばね性が劣化することを防止することができる。
【0070】
又、被接続物33に設けられたパッド34が第2の接続部22を押圧した際のばね部23の変形により、第2の接続部22が第1の接続部21に近づく方向(具体的には、第2の接続部22が接触するパッド34の面34Aと直交する方向で、かつ第2の接続部22が第1の接続部21に近づく方向)に第2の接続部22が移動した状態で、第2の接続部22とパッド34の面34Aとが接触する。
【0071】
これにより、パッド34の面34Aと第2の接続部22とが接触した際、第2の接続部22が、パッド34の面34A方向に大きく移動することがなくなるため、被接続物33に設けられたパッド34を狭ピッチに配置することができる。
【0072】
〈第2の実施の形態〉
図11は、第2の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図であり、図12は、被接続物及び実装基板と電気的に接続された第2の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。図11において、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。又、図12において、第2の実施の形態に係る接続端子付き基板50と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0073】
図11及び図12を参照するに、第2の実施の形態に係る接続端子付き基板50は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10に設けられた外部接続部材14に、接続端子12を設けた以外は、接続端子付き基板10と同様に構成される。
【0074】
外部接続部材14に設けられた接続端子12は、基板本体16の面16B(第2の面)側に配置されており、外部接続部材14により、貫通電極19と電気的に接続されている。基板本体16の面16B側に配置された接続端子12の第2の接続部22は、パッド37に固定されることなく、パッド37の面37Aと接触することで、実装基板36と電気的に接続されている。これにより、接続端子付き基板50は、基板本体16の面16B側に配置された接続端子12を介して、実装基板36と電気的に接続されている。
【0075】
なお、第1の接続部21の突起部21Pの先端部と貫通電極19の端面19Bとの間には、外部接続部材14が全く存在しないか、又は、極少量(極薄)の外部接続部材14が存在している。その結果、板状部21Hの面21Aと基板11(基板本体16の面16B)との間隔T〜Tは突起部21Pの高さで規定され、間隔T〜Tは略同一となる。すなわち、第1の接続部21が突起部21Pを有することにより、板状部21Hの面21Aと基板11(基板本体16の面16B)との間隔T〜Tを一定に保つことができる。なお、突起部21Pの高さ(≒間隔T〜T)は、例えば50〜100μmとすることができる。
【0076】
又、板状部21Hの面21Aと基板11(基板本体16の面16B)との間隔T〜Tを一定に保つことができるため、板状部21Hの面21Aと基板11との隙間に一定量の外部接続部材14を保持することが可能となり、第1の接続部21以外の部分(ばね部23、第1の支持部24等)への外部接続部材14の濡れ上がりを防止することができる。その結果、接続端子12の有するばね性が劣化することを防止することができる。
【0077】
上記構成とされた第2の実施の形態に係る接続端子付き基板50は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10と同様な効果を得ることができる。
【0078】
又、第2の実施の形態に係る接続端子付き基板50は、第1の実施の形態で説明した図8及び図9に示す工程を2度行うこと以外は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10の製造方法と同様な処理を行うことで製造できる。
【0079】
〈第3の実施の形態〉
図13は、第3の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図であり、図14は、被接続物及び実装基板と電気的に接続された第3の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。図13において、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。又、図14において、第3の実施の形態に係る接続端子付き基板60と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0080】
図13及び図14を参照するに、第3の実施の形態に係る接続端子付き基板60は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10に設けられた基板11の代わりに基板61を設けた以外は、接続端子付き基板10と同様に構成される。
【0081】
基板61は、基板本体16と、第1の導体であるパッド63と、第2の導体であるパッド64とを有する。パッド63は、基板本体16の面16Aに設けられている。パッド63は、パッド63の接続面63Aに設けられた接続部材13により、接続端子12と電気的に接続されている。
【0082】
本実施の形態に係る接続端子付き基板60に設けられた基板本体16としては、例えば、ビルドアップ基板やガラスエポキシ基板にビア及び配線が形成された配線基板を用いることができる。
【0083】
パッド64は、基板本体16の面16Bに設けられている。パッド64は、基板本体16に内設された図示していない配線パターン(ビア及び配線)を介して、パッド63と電気的に接続されている。パッド64は、パッド64の接続面64Aに設けられた外部接続部材14により、実装基板36に設けられたパッド37と電気的に接続される。
【0084】
上記構成とされた第3の実施の形態に係る接続端子付き基板60は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10と同様な効果を得ることができる。
【0085】
又、第3の実施の形態に係る接続端子付き基板60は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10の製造方法と同様な処理を行うことで製造できる。
【0086】
〈第4の実施の形態〉
図15は、本発明の第4の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図であり、図16は、被接続物及び実装基板と電気的に接続された第4の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。図15において、第3の実施の形態に係る接続端子付き基板60と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。又、図16において、第4の実施の形態に係る接続端子付き基板70と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0087】
図15及び図16を参照するに、第4の実施の形態に係る接続端子付き基板70は、第3の実施の形態に係る接続端子付き基板60に設けられた外部接続部材14に、接続端子12を設けた以外は、接続端子付き基板60と同様に構成される。
【0088】
外部接続部材14に設けられた接続端子12は、基板本体16の面16B側に配置されており、外部接続部材14により、パッド64と電気的に接続されている。基板本体16の面16B側に配置された接続端子12の第2の接続部22は、パッド37に固定されることなく、パッド37の面37Aと接触することで、実装基板36と電気的に接続される。これにより、接続端子付き基板70は、基板本体16の面16B側に配置された接続端子12を介して、実装基板36と電気的に接続されている(図16参照)。
【0089】
上記構成とされた第4の実施の形態に係る接続端子付き基板70は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10と同様な効果を得ることができる。
【0090】
又、第4の実施の形態に係る接続端子付き基板70は、第1の実施の形態で説明した図8及び図9に示す工程を2度行うこと以外は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10の製造方法と同様な処理を行うことで製造できる。
【0091】
〈第5の実施の形態〉
図17は、第5の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図であり、図18は、被接続物及び実装基板と電気的に接続された第5の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。図17において、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。又、図18において、第5の実施の形態に係る接続端子付き基板80と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0092】
図17及び図18を参照するに、第5の実施の形態に係る接続端子付き基板80は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10の突起部21Pの代わりに突起部21Qを設けた以外は、接続端子付き基板10と同様に構成される。
【0093】
突起部21Qは、板状部21Hの基板11と対向する側の面21Aに複数個設けられている。突起部21Qは、板状部21Hに一体的に設けられたものでも良く、板状部21Hに別体として設けられたものでもよい。突起部21Qは、例えば円錐台形とすることができる。突起部21Qの板状部21Hの面21A側の面の直径は、例えば25〜100μmとすることができる。突起部21Qの高さは、例えば50〜100μmとすることができる。このように、板状部21Hの基板11と対向する側の面21Aに複数個の突起部21Qを設けても構わない。
【0094】
上記構成とされた第5の実施の形態に係る接続端子付き基板80は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10と同様な効果を得ることができるが、更に以下の効果を奏する。すなわち、突起部21Qの表面が接続部材13と接する面積が、第1の実施の形態に係る突起部21Pの場合に比べて大きいため、突起部21Qと接続部材13との密着性を向上することができる。又、突起部21Qの表面が接続部材13と接する面積が、第1の実施の形態に係る突起部21Pの場合に比べて大きいため、突起部21Qと接続部材13との接続部の抵抗値を低減することができる。
【0095】
又、第5の実施の形態に係る接続端子付き基板80は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10の製造方法と同様な処理を行うことで製造できる。
【0096】
なお、第5の実施の形態を、第2乃至第4の実施の形態と組み合わせても構わない。
【0097】
〈第6の実施の形態〉
図19は、第6の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図であり、図20は、被接続物及び実装基板と電気的に接続された第6の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。図19において、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。又、図20において、第6の実施の形態に係る接続端子付き基板90と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0098】
図19及び図20を参照するに、第6の実施の形態に係る接続端子付き基板90は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10の突起部21Pの代わりに突起部21Rを設けた以外は、接続端子付き基板10と同様に構成される。
【0099】
突起部21Rは、板状部21Hの基板11と対向する側の面21Aに設けられている。突起部21Rは、板状部21Hに一体的に設けられたものでも良く、板状部21Hに別体として設けられたものでもよい。突起部21Rは、半球状である。突起部21Rの板状部21Hの面21A側の面の直径は、例えば50〜200μmとすることができる。突起部21Rの高さは、例えば50〜100μmとすることができる。このように、突起部の形状は、突起部21Rの如く半球状であっても構わない。
【0100】
上記構成とされた第6の実施の形態に係る接続端子付き基板90は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10と同様な効果を得ることができるが、更に以下の効果を奏する。すなわち、突起部21Rの表面が接続部材13と接する面積が、第1の実施の形態に係る突起部21Pの場合に比べて大きいため、突起部21Rと接続部材13との密着性を向上することができる。又、突起部21Rの表面が接続部材13と接する面積が、第1の実施の形態に係る突起部21Pの場合に比べて大きいため、突起部21Rと接続部材13との接続部の抵抗値を低減することができる。
【0101】
ただし、板状部21Hの面21Aと基板11(基板本体16の面16A)との平行度を重視する場合には、先端部の面が平坦な突起部21Pを用いることが好ましい。すなわち、密着性や抵抗値を重視するか平行度を重視するか等の目的に応じて、好適な突起部の形状を選択することが好ましい。
【0102】
又、第6の実施の形態に係る接続端子付き基板90は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10の製造方法と同様な処理を行うことで製造できる。
【0103】
なお、第6の実施の形態を、第2乃至第5の実施の形態と組み合わせても構わない。
【0104】
〈第7の実施の形態〉
図21は、第7の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図であり、図22は、被接続物及び実装基板と電気的に接続された第7の実施の形態に係る接続端子付き基板を例示する断面図である。図21において、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。又、図22において、第7の実施の形態に係る接続端子付き基板100と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0105】
図21及び図22を参照するに、第7の実施の形態に係る接続端子付き基板100は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10の突起部21Pの代わりに突起部21Sを設けた以外は、接続端子付き基板10と同様に構成される。
【0106】
突起部21Sは、板状部21Hの基板11と対向する側の面21Aに設けられている。突起部21Sは、板状部21Hに一体的に設けられたものでも良く、板状部21Hに別体として設けられたものでもよい。突起部21Sは、円柱状又は楕円柱状である。突起部21Sの直径又は長径は、例えば50〜200μmとすることができる。突起部21Sの高さは、例えば50〜100μmとすることができる。このように、突起部の形状は、突起部21Sの如く円柱状又は楕円柱状であっても構わない。
【0107】
上記構成とされた第7の実施の形態に係る接続端子付き基板100は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10と同様な効果を得ることができる。
【0108】
又、第7の実施の形態に係る接続端子付き基板100は、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10の製造方法と同様な処理を行うことで製造できる。ただし、突起部21Sは、第1の実施の形態で例示した打ち抜き加工による形成方法に代えて、めっき法を用いて形成してもよい。この場合には、以下のようにして形成することができる。すなわち、板状部21Hの面21Aにレジスト膜(例えば、厚さ100μm)を形成する。そして、レジスト膜を露光及び現像して突起部21Sの形成領域に対応する部分のレジスト膜を除去して開口部を形成する。そして、開口部内に露出する板状部21Hの面21Aに例えば電解めっき法等により例えばCuめっき膜を析出成長させる。そして、レジスト膜を除去する。その後、例えば電解めっき法等によりNiめっきやAuめっき等で表面処理を施しても構わない。
【0109】
なお、第7の実施の形態を、第2乃至第5の実施の形態と組み合わせても構わない。
【0110】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0111】
例えば、本発明を適用できる接続端子の形状は、第1乃至第7の実施の形態において例示した接続端子12には限定されない。例えば、本発明は、C字型に湾曲した形状に代えて、くの字型に湾曲した形状の部分を含む接続端子にも適用することができる。又、本発明は、湾曲した形状の部分を含まない接続端子にも適用することができる。一例を挙げれば、図1に例示した接続端子230の面230Cに突起部を設けた接続端子等である。
【0112】
なお、第1乃至第7の実施の形態で説明した接続端子付き基板10,50,60,70,80,90,100は、例えば、電気部品と実装基板36とを接続するインターポーザやソケットとして用いることができる。例えば、半導体パッケージの接続に使用する場合、例えば、図5に示す被接続物33の代わりに半導体パッケージが配置される。
【0113】
又、第1乃至第7の実施の形態で説明した接続端子付き基板10,50,60,70,80,90,100は、例えば、電気部品の電気的なテストのためのコンタクトプローブとして用いてもよい。この場合、接続端子12がプローブの接続端子となる。
【0114】
図23は、半導体パッケージに適用した例を示す図である。図23に示すように、第1の実施の形態に係る接続端子付き基板10(この場合、外部接続部材14を構成要素から除き、代わりにバンプ115を備えた接続端子付き基板)を備えた半導体パッケージ110を実装基板36のパッド37と電気的に接続させてもよい。
【0115】
上記半導体パッケージ110は、電極パッド113を有する半導体チップ111と、接続端子付き基板10(外部接続部材14を構成要素から除き、代わりにバンプ115を備えた接続端子付き基板)と、パッド113と貫通ビア19の端面19Bと接続されたバンプ115と、半導体チップ111と接続端子付き基板10との隙間を充填するアンダーフィル樹脂114とを有する。
【0116】
なお、図23に示すシリコンよりなる基板本体16の代わりに、基板本体16として、例えば、ビルドアップ基板やガラスエポキシ基板にビア及び配線が形成された配線基板を用いてもよい。
【符号の説明】
【0117】
10,50,60,70,80,90,100 接続端子付き基板
11,61 基板
12 接続端子
13 はんだ
14 外部接続端子
16 基板本体
16A,16B,21A,24A,37A 面
17 貫通孔
19 貫通電極
19A,19B 端面
21 第1の接続部
21H 板状部
21P,21Q,21R,21S 突起部
22 第2の接続部
23 ばね部
24 第1の支持部
25 第2の支持部
28 接触部
29 突出部
33 被接続物
34,37,63,64 パッド
34A 面
36 実装基板
42 端子整列用部材
42A 上面
43 端子収容部
63A 接続面
110 半導体パッケージ
111 半導体チップ
113 電極パッド
114 アンダーフィル樹脂
115 バンプ
A 突出量
B 平面
C 配列方向
H 高さ
,T,T,T,T,T,T,T,T 間隔
,W,W
θ 角度
θ 所定の角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板本体と、
前記基板本体の第1の面に設けられた第1の導体と、
一方の端部が前記第1の導体に固定されており、他方の端部が前記基板本体の前記第1の面と対向配置される被接続物に接続されるバネ性を有する導電性の接続端子と、を有し、
前記第1の導体に固定されている前記接続端子の一方の端部には前記第1の導体側に突起する突起部が設けられている接続端子付き基板。
【請求項2】
前記第1の面とは反対側に位置する前記基板本体の第2の面に設けられた第2の導体と、
一方の端部が前記第2の導体に固定されており、他方の端部が前記基板本体の前記第2の面と対向配置される被接続物に接続されるバネ性を有する導電性の接続端子と、を更に有し、
前記第2の導体に固定されている前記接続端子の一方の端部には前記第2の導体側に突起する突起部が設けられている請求項1記載の接続端子付き基板。
【請求項3】
前記基板本体を前記第1の面から前記第2の面にかけて貫通する貫通電極が設けられており、
前記貫通電極の前記第1の面に露出する一方の端部が前記第1の導体であり、
前記貫通電極の前記第2の面に露出する他方の端部が前記第2の導体である請求項2記載の接続端子付き基板。
【請求項4】
前記接続端子の一方の端部には複数の突起部が設けられている請求項1乃至3の何れか一項記載の接続端子付き基板。
【請求項5】
前記突起部は円錐台形状である請求項1乃至4の何れか一項記載の接続端子付き基板。
【請求項6】
前記突起部は半球状である請求項1乃至4の何れか一項記載の接続端子付き基板。
【請求項7】
前記突起部は円柱状である請求項1乃至4の何れか一項記載の接続端子付き基板。
【請求項8】
前記接続端子の一方の端部と他方の端部との間に湾曲した形状の部分を含む請求項1乃至7の何れか一項記載の接続端子付き基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−14451(P2011−14451A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158994(P2009−158994)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】