説明

搬送システム、およびそれを用いたデバイスの製造方法

【課題】原版を迅速に、かつ安全に搬送するのに有利な搬送システムを提供する。
【解決手段】この搬送システム1は、原版3に形成されたパターンを基板に露光する少なくとも1つの露光装置2と、原版3を保持し露光装置2に搬送する搬送車4と、該搬送車4が走行する走行路5とを有する。このとき、露光装置2が敷設される面から、露光装置2に設置された原版3を搬入する搬入口9までの高さが、搬送車4が走行する面から、搬送車4が原版3を保持して走行する際の原版3の保持位置までの高さよりも高く、搬送車4の保持位置と、露光装置2が搬入口9から原版3を受け取る位置とが一致する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送システム、およびそれを用いたデバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体デバイスや液晶表示デバイス等の製造工程では、露光装置などにより微細パターンを基板に転写するリソグラフィー工程がある。例えば、露光装置は、原版(マスクまたはレチクル)のパターンを、投影光学系を介して感光性の基板(表面にレジスト層が形成されたガラスプレートやウエハ等)に転写する装置である。このリソグラフィー工程では、クリーンルーム内において単数または複数の露光装置に対して適宜原版を搬送する。この原版の搬送方法としては、例えば、作業者自身による手動搬送や、無人自動搬送システムによる自動搬送などがある。ここで、手動搬送による原版の搬送は、大型化または重量化に伴い困難となってきているため、近年では無人自動搬送システムによる原版の搬送が主流である。
【0003】
この無人自動搬送システムとして、例えば、特許文献1は、AGV(Automated Guided Vehicle)や、RGV(Rail Guided Vehicle)を採用した無人搬送装置を開示している。特に、この無人搬送装置は、ワークピースを収容した容器をデバイス製造装置へ受け渡す高さに合わせるための上下駆動機構を搭載している。また、特許文献2は、このような上下駆動機構に産業用のマニピュレータを採用した無人搬送台車を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−354302号公報
【特許文献2】特開平10−194445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、露光装置では、原版の搬入口が投影光学系上の比較的高い位置に設置される。したがって、露光装置に対して原版を搬送する場合、特許文献1および2に示すような搬入口に対して垂直方向(高さ方向)にも原版を移動可能とする上下駆動機構を備えたAGVやRGVを採用する必要がある。しかしながら、このようなAGVやRGVは、通常の操舵機構に加えて上下駆動機構を備えるため、構造が複雑化し、高コストとなる。また、通常のAGVやRGVは、作業者が歩行する同一床面を移動(稼働)するため、低速度での運用となる。したがって、原版の交換頻度によっては、AGVやRGVの台数を増やして運用をする必要もあるためコストがかかる。
【0006】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、原版を迅速に、かつ安全に搬送するのに有利な搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、原版に形成されたパターンを基板に露光する少なくとも1つの露光装置と、原版を保持し露光装置に搬送する搬送車と、該搬送車が走行する走行路とを有する搬送システムであって、露光装置が敷設される面から、露光装置に設置された原版を搬入する搬入口までの高さが、搬送車が走行する面から、搬送車が原版を保持して走行する際の原版の保持位置までの高さよりも高く、搬送車の保持位置と、露光装置が搬入口から原版を受け取る位置とが一致することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、原版を迅速に、かつ安全に搬送するのに有利な搬送システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態に係る搬送システムの構成を示す図である。
【図2】露光処理部の構成を示す図である。
【図3】第1実施形態の変形例である搬送システムの構成を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る搬送システムの構成を示す図である。
【図5】従来の搬送システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面等を参照して説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る搬送システム1の構成を示す図である。以下、搬送システム1は、液晶表示デバイスの製造ラインに使用され、リソグラフィー工程での露光装置2に対するマスク(原版)3の搬送を実施するものとして説明する。ただし、この搬送システム1は、液晶表示デバイスを製造する露光装置に限らず、例えば、半導体デバイスを製造する露光装置にも採用可能である。搬送システム1は、デバイス製造工場内のクリーンルームに敷設された少なくとも1つの露光装置2に対してマスク3を搬送する無人搬送車4と、この無人搬送車4の走行路5とを有する。なお、以下の各図において、露光装置2の敷設方向(垂直方向)にZ軸を取り、該Z軸に垂直な平面内で、無人搬送車4の走行方向(水平方向)の一方にY軸を取り、該Y軸に直交する他の方向にX軸を取って説明する。
【0012】
図1(a)は、クリーンルームに敷設された露光装置2と、該露光装置2に隣設された走行路5の一部とを示す側面図である。この露光装置2は、マスク3に形成されたパターン(例えば、TFT回路)を、感光剤が塗布された基板上へ投影転写するものであり、本実施形態では、例としてミラースキャン型の構成を有するものとする。なお、露光装置2には、図1(a)に示すように、基板への感光剤の塗布や露光済み基板の現像などを行う塗布現像装置6が併設されており、この塗布現像装置6と露光装置2との間には、基板の受け渡しを行う装置8を有する搬送ステーション7が設置されている。ただし、本発明に関しては、塗布現像装置6および搬送ステーション7の構成は必須ではないため、説明を省略する。
【0013】
図1(b)は、一例として2台の露光装置2と該露光装置2に隣設された走行路5とを示す平面図である。露光装置2は、被処理基板に対して露光処理を実施する露光処理部2aと、それぞれ走行路5に面し、露光処理部2a空間内の温調制御を行う温調制御部2bと、露光処理部2aの内部へのマスク3の搬入出を行うマスク搬入出部2cとを有する。
【0014】
図2は、露光処理部2aの構成を示す概略図である。露光処理部2aは、光源20を含む照明光学系21と、マスク3を載置するマスクステージ(原版ステージ)22と、投影光学系23と、基板14を載置する基板ステージ24とを備える。照明光学系21は、内部の光学素子を介して光線Lをマスク3上に集光する。光源20は、露光光である光線Lを射出するものであり、超高圧水銀ランプなどで構成される。マスクステージ22は、マスク3を保持し、XY方向に移動可能である。投影光学系23は、内部に反射鏡25と凹面鏡26とを含み、反射鏡25で偏光特性を変化させつつマスク3の照射領域に描画されたパターン像を基板14上に結像させる。投影光学系23は、照明光学系21とマスク3との間に設置され、偏光特性光学素子を備えたアライメントスコープ27からのアライメントマークを照明する照明光を基板14上に結像させる。さらに、基板ステージ24は、基板14を保持し、XYZの3次元方向に移動可能である。ここで、マスクステージ22に保持されているマスク3と基板ステージ24に保持されている基板14とは、投影光学系23を介して共役な位置関係に配置される。また、不図示であるが、露光装置2の動作および処理を管理する制御部は、露光処理の際にはマスク3と基板14とを同期して移動させつつ、マスク3に形成されたパターンを基板14に転写させる走査露光シーケンスを実行する。
【0015】
図1(c)は、露光装置2と、該露光装置2に隣設された走行路5の一部とを示すY方向から見た側面図である。マスク搬入出部2cは、露光処理部2aの設置位置を露光装置2の正面部とすると、露光装置2の側面部に設置され、内部には搬入口9から搬入されたマスク3を受け取りマスクステージ22に対して搬送するマスクローダー(搬送機構)10を備える。特に、本実施形態では、露光装置2が敷設される床面11から搬入口9までの高さは、床面11からマスクステージ22までの高さと等しい。具体的には、搬入口9までの高さは、マスクローダー10が無人搬送車4からマスク3を受け取る位置までの高さを示す。一方、マスクステージ22までの高さは、マスクステージ22がマスク3を保持した状態にある場合のステージ面までの高さを示す。すなわち、マスクローダー10は、Z方向に駆動することなく、X方向(またはY方向)の駆動のみでマスク3を搬送可能としている。ただし、マスク搬入出部2cは、そのマスク3を使用する露光処理の実施まで、単数または複数のマスク3を一時的に保管する保管部(マスクストッカ)12を含んでもよい。
【0016】
無人搬送車(搬送車)4は、不図示であるが、走行路5上の基準線Rに沿って無人運転を可能とする操舵機構と、搬送システム1または露光装置2の制御部からの指示や走行路5の位置情報を送受信する通信部と、マスク3を移載するための移載機構とを含む。この無人搬送車4は、走行中にマスク3を保持する保持位置と、露光装置2の搬入口9にてマスク3を受け渡す位置とを常に一定としている。すなわち、この無人搬送車4は、搬入口9の高さまでマスク3を上昇させるような上下駆動機構(昇降機構)を有しない。
【0017】
走行路5は、2台の露光装置2の正面部の前に位置する主走行部5aと、この主走行部5aからそれぞれの露光装置2の搬入口9まで延びる副走行部5bとからなる。図1の例では、主走行部5aは、X方向に延設され、一方、副走行部5bは、Y方向に延設されている。この主走行部5aは、図1(b)に示すように、使用前または使用後のマスク3を複数枚保管し、このうち所望のマスク3を無人搬送車4へ適宜載せ替える保管装置(メインストッカ)13に連接される。また、走行路5は、露光装置2が敷設される床面11ではなく、Z方向に空間を有しつつ、高い位置に設置される。ここで、床面11から走行路5までの高さは、無人搬送車4のマスク3の受け渡し部(保持位置)と、搬送されたマスク3を受け取るマスク搬入出部2cの搬入口9との高さとが一致することを基準として設定される。さらに、副走行路5bは、例えばメンテナンス時に作業者Wが走行路5上に上がれるように、その端部に階段部5cを有する。
【0018】
次に、搬送システム1によるマスク3の搬送について説明する。まず、本実施形態の搬送システム1との比較のために、従来の搬送システムについて説明する。図5(a)〜図5(c)は、図1の各図に示す搬送システム1の構成に対する従来の搬送システム100の構成を示す図である。この搬送システム100では、制御部(不図示)は、まず、無人搬送車101に対して無線通信にて搬送指示を送信する。次に、無人搬送車101は、搬送指示を受けて、露光装置102の周囲の床面103上の基準線R´に沿って指定された露光装置102のマスク搬入出部102bの搬入口105近傍までマスク106を搬送する。次に、無人搬送車101は、搬入口105にマスク106を収容する際の受け渡し可否について露光装置102との間で光伝達手段またはワイヤ回線などを介して通信する。ここで、無人搬送車101は、受け渡し可と判断した場合、無人搬送車101に搭載している受け渡し機構、または露光装置102に設置された受け取り機構により、マスク106を無人搬送車101側から露光装置102側へ移動させる。露光装置102に搬入されたマスク106は、マスク搬入出部102bの内部に設置された保管部(マスクストッカ)107に移載され、露光処理の実施まで一時的に保管される。このように、搬送システム100では、無人搬送車101の走行路(基準線R´)は、露光装置102が敷設されている床面と同一面であるため、無人搬送車101の走行空間は、露光装置102に対して作業者Wが歩行および作業する空間と同一となる。したがって、無人搬送車101の移動速度は、安全面の観点から作業者の歩行速度以下と制限されている。また、露光装置102に設置されたマスク106の搬入口105の高さによっては、無人搬送車101は、マスク106の受け渡し機構として、Z方向に延伸してマスク106を搬入口105の高さまで上昇させる上下駆動機構108を備える必要がある。
【0019】
また、搬送システム100では、保管部107は、移載されたマスク106を専用のカセットに収納するか、または保管部107内部の収容部にエアーを供給することで、マスク106に異物などが付着することを防いでいる。また、保管部107は、マスク106をZ方向に間隔を空けて複数枚収納可能であり、複数並べられたマスク106を内部にて適宜搬入出位置に移動可能とする不図示の昇降機構を備える。この場合、露光装置102の制御部は、まず、露光処理に使用するマスク106を決定した後、保管部107の内部にて昇降機構を駆動し、指定されたマスク106をマスクローダー109との受け渡し位置まで移動させる。次に、制御部は、マスクローダー109によりマスク106を移動させ、マスクステージ22上に受け渡す。なお、マスク106をマスクステージ22から回収する際は、制御部は、上記順序と逆の搬送を実施させることになる。
【0020】
さらに、露光装置102は、一旦露光処理を開始すると、基板14の交換に加えてマスク106の交換も適宜実施する。特に、マスク106の交換を行う際は、露光装置102は、露光処理を一旦中断する必要があるため、マスク106の交換時間は、可能な限り短い方が望ましい。例えば、マスク106の交換工程としては、次の露光処理に合わせて、次に使用する第2マスクを準備する工程と、第2マスクとマスクステージ22上に保持されている第1マスクとを交換する工程とがある。しかしながら、無人搬送車101は、移動速度が低速であるため、第2マスクの搬送要求を受信してからでは第2マスクの搬送が間に合わない。そこで、従来は、マスク搬入出部102b内の保管部107に予め多くのマスク106を収納していた。
【0021】
これに対して、本実施形態の無人搬送車4は、図1(a)に示すように露光装置2が敷設された床面11よりもZ方向に高い位置に設置された走行路5を走行する。この走行路5の高さ位置は、予め無人搬送車4のマスク3の受け渡し部と、このマスク3を受け取るマスク搬入出部2cの搬入口9との高さとが一致するように設定されるので、無人搬送車4は、上記上下駆動機構108のような機構を搭載する必要がない。したがって、無人搬送車4の構造を簡素化および軽量化することができ、コストも抑えることができる。
【0022】
また、無人搬送車4は、露光装置2に対して作業する作業者Wの歩行路である床面11とは別に設置された走行路5を走行することから、移動速度を上げることができる。すなわち、無人搬送車4は、上記第2マスクの搬送要求を受信してからでも第2マスクの搬送が間に合うため、マスク搬入出部2c内の保管部12に予め多くのマスク3を収納する必要がない。したがって、図1(c)に示すように、保管部12内のマスク3のストック数を減らすことができる。また、従来、マスク106の交換頻度に応じ、無人搬送車101の台数を増やすことで対応していたが、搬送システム1では、従来よりも無人搬送車4の台数を減らすことができるので、マスク3を一括して集中管理することができる。
【0023】
ここで、露光装置2を構成する露光処理部2aでは、図2に示すように、大型の基板14に対応して特に投影光学系23が大型となる。すなわち、その投影光学系23の上に位置するマスクステージ22の高さは、無人搬送車4が床面11を走行すると仮定した場合の無人搬送車4のマスク3の受け渡し部の高さよりも格段に高い。したがって、マスク搬入出部2cの搬入口9の高さ位置を、マスクステージ22の高さ位置と同一とすれば、マスク3の受け取りからマスクステージ22への載置までの搬送機構の構造をさらに簡略化することができ、より迅速にマスク3を移動させることができる。さらに、走行路5は、上述のとおり、無人搬送車4のマスク3の受け渡し部とマスク搬入出部2cの搬入口9との高さとが一致するように設置される。例えば、この走行路5の設置高さは、一般的な露光装置2の搬入口9の高さを参照すると、2m程度となる。したがって、本実施形態のように走行路5を設置しても、露光装置2に対する作業者Wは、この走行路5の下部の空間を自由に歩行可能であり、作業に支障を来さない。
【0024】
以上のように、本実施形態によれば、マスク3を迅速に、かつ安全に搬送するのに有利となる。なお、本実施形態の搬送システム1は、例えば、図3(a)および図3(b)に示すように、露光装置2内にマスク搬入出部2cを設置せず、搬入口9から露光処理部2aのマスクステージ22上にマスク3を直接搬送するような構成もあり得る。この場合、露光装置2は、露光処理部2a内に、マスクローダー110と、また場合によっては、このマスクローダー110の搬送経路に一旦マスク3を保持する保管庫111とを設置すればよい。これにより、露光装置2の全体の大きさが小さくなり、装置構成の単純化およびコストダウンが可能となる。
【0025】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る搬送システムについて説明する。図4は、図1(a)に示す第1実施形態に係る搬送システム1に対応した、本実施形態の搬送システム40の構成を示す側面図である。なお、図4において、図1と同一構成のものには同一の符号を付し、説明を省略する。この搬送システム40の特徴は、露光装置2を敷設する面を通常の床面11ではなく1段下がった床下の床下面41とし、床面11からマスク搬入出部2cの搬入口9までの高さを下げる点にある。なお、図4では、便宜上、露光装置2および搬送ステーション7を床下面41まで下げ、塗布現像装置6は、第1実施形態と同様に床面11に敷設したままとしているが、この配置は、特に限定するものではない。この構成によれば、無人搬送車4は、作業者の歩行路である床面11上を走行路として移動することになる。しかしながら、デバイス製造工程によっては、搬送システム上で無人搬送車の走行と作業者の歩行とが並行しない場合もある。そこで、無人搬送車4のマスク3の受け渡し部とマスク搬入出部2cの搬入口9との高さとが一致するように露光装置2の敷設面を下げれば、この場合も無人搬送車4に従来のような上下駆動機構108を設置する必要がない。一般に、露光装置2を敷設する床面11の床下は、クリーンルーム環境に必要な配線や配管などが引廻された空きスペースがある。本実施形態によれば、この空きスペースのようなクリーンルーム環境における空間を有効活用することができる。
【0026】
(デバイスの製造方法)
次に、本発明の一実施形態のデバイス(半導体デバイス、液晶表示デバイスなど)の製造方法について説明する。半導体デバイスは、ウエハに集積回路を作る前工程と、前工程で作られたウエハ上の集積回路チップを製品として完成させる後工程を経ることにより製造される。前工程は、前述の露光装置を使用して感光剤が塗布されたウエハを露光する工程と、ウエハを現像する工程を含む。後工程は、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)と、パッケージング工程(封入)を含む。液晶表示デバイスは、透明電極を形成する工程を経ることにより製造される。透明電極を形成する工程は、透明導電膜が蒸着されたガラス基板に感光剤を塗布する工程と、前述の露光装置を使用して感光剤が塗布されたガラス基板を露光する工程と、ガラス基板を現像する工程を含む。本実施形態のデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。
【0027】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 搬送システム
2 露光装置
3 マスク
4 無人搬送車
5 走行路
9 搬入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原版に形成されたパターンを基板に露光する少なくとも1つの露光装置と、前記原版を保持し前記露光装置に搬送する搬送車と、該搬送車が走行する走行路とを有する搬送システムであって、
前記露光装置が敷設される面から、前記露光装置に設置された前記原版を搬入する搬入口までの高さが、前記搬送車が走行する面から、前記搬送車が前記原版を保持して走行する際の前記原版の保持位置までの高さよりも高く、
前記搬送車の前記保持位置と、前記露光装置が前記搬入口から前記原版を受け取る位置とが一致することを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
前記露光装置が敷設される面は、床面であり、
前記走行路は、前記床面までの下部を前記露光装置に対する作業者が歩行可能な空間とするような高さを有することを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記露光装置が敷設される面は、床下であり、
前記走行路が設置される高さは、床面と同一であることを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記露光装置の内部にて、前記搬入口から前記原版を受け取る位置の高さは、露光処理の際に前記原版を保持する原版ステージの高さと同一であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記露光装置は、前記搬入口から前記原版ステージへ前記原版を水平方向の移動で搬送可能する搬送機構と、該搬送機構の搬送経路に合わせた位置に設置される前記原版を保管する保管部と、を有することを特徴とする請求項4に記載の搬送システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の搬送システムに採用された露光装置を用いて基板を露光する工程と、
前記工程で露光された基板を現像する工程と、
を有することを特徴とするデバイス製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−190832(P2012−190832A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50470(P2011−50470)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】