説明

携帯端末装置及び機能設定制御方法

【課題】自動的に起動することが設定されている機能を確実に起動させる。
【解決手段】複数の機能を有し、前記機能のうち少なくとも一の機能を起動する際に認証を要するか否かを設定する認証設定手段と、所定の機能を自動的に起動する設定を行う起動設定手段と、前記起動設定手段により自動起動を設定されている機能が、起動時に認証が必要な機能である場合に、当該機能の起動に関して前記認証設定手段による認証動作が不要である設定になっているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定の結果、認証動作が不要である設定になっていない場合に警告メッセージを報知する警告手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人認証を行うことにより使用を制限することができる携帯端末装置及び機能設定制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からユーザの電話番号等の情報が書き込まれたUIM(User Identity Module)カードを筐体のカードリーダ内に挿入して使用する携帯端末装置が知られている。この携帯端末装置は、UIMカードがカードリーダに挿入されていない場合に、携帯端末装置が備えている機能の使用を制限することが可能である。また、UIMカードは、PIN(Personal Identification Number)コードと呼ばれるパスワードに相当するコードをUIMカード内に予め設定しておき、所望の機能を起動する直前にPINコード入力を要求し、入力されたPINコードが正当なものであれば、所望の機能を起動するという使用制限を行ったり、著作権のあるデータの利用時にPINコードによる認証を行うことにより第三者による不正利用を防止することにも使用されている。
【0003】
一方、自動電源オン機能を有する携帯電話機において、複数の時刻にアラームが設定されている場合であっても、簡易な操作で自動電源オン機能を解除することが出来ると共に、簡易な操作で自動電源オン機能の設定を元の状態に戻すことができる携帯電話機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−298529号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、PINコードによる認証が必要な機能を起動しようとする場合において、手動で所望の機能を起動する場合は、PINコードをその都度入力することにより所望の機能を起動することが可能であるが、予め設定した時刻に自動的に起動して、著作権のある楽音や楽曲を鳴動させるような機能においては、自動起動時にユーザがPINコードを入力することができないため、携帯端末装置が備えている機能を有効に使用することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、自動的に起動することが設定されている機能を確実に起動させることができる携帯端末装置及び機能設定制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の機能を有する携帯端末装置であって、前記機能のうち少なくとも一の機能を起動する際に認証を要するか否かを設定する認証設定手段と、所定の機能を自動的に起動する設定を行う起動設定手段と、前記起動設定手段により自動起動を設定されている機能が、起動時に認証が必要な機能である場合に、当該機能の起動に関して前記認証設定手段による認証動作が不要である設定になっているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定の結果、認証動作が不要である設定になっていない場合に警告メッセージを報知する警告手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明は、自装置の電源状態を管理する電源制御部を備え、前記判定手段は、前記電源制御部にて電源ON状態から電源OFF状態に遷移される際に、前記判定を行うことを特徴とする。
【0008】
本発明は、前記電源制御部は、前記電源OFF状態への遷移処理にて前記判定手段が判定を行った結果、前記警告手段による警告メッセージの報知がなされると、当該報知に対する入力がなされるまでは電源OFF状態へと遷移させないことを特徴とする。
【0009】
本発明は、自装置の電源状態を管理する電源制御部を備え、前記電源制御部は、自装置を自動的に電源OFFする設定を有し、前記判定手段は、前記設定手段により自動起動が設定され、かつ前記電源制御手段により自動的に電源OFFする設定がなされている場合に、前記判定を行うことを特徴とする。
【0010】
本発明は、自装置の電源状態を管理する電源制御部を備え、前記起動設定手段は、所定の時間の経過あるいは所定時刻になると自動起動すべき機能を設定するものであって、
前記電源制御部は、前記所定の時間の経過あるいは所定の時刻が到来した際に、自装置が電源OFFの状態ならば電源ON状態に遷移させて設定された機能を起動することを特徴とする。
【0011】
本発明は、前記起動時に認証が必要な機能は、再生時に認証が必要な楽音を再生する機能であることを特徴とする。
【0012】
本発明は、前記楽音は、音に関するデータである音情報と、当該データに付随する情報が記載された付随情報とを含んで構成され、前記付随情報に所定の禁止情報が含まれるか否かにより認証が必要な楽音か否かを判断されることを特徴とする。
【0013】
本発明は、前記警告手段により前記警告メッセージが報知されたにも関わらず認証動作が不要である設定に変更する入力が行われない場合は、前記自動起動再生時に認証が不要な楽音を再生することを特徴とする。
【0014】
本発明は、通信網に接続可能な通信手段と、当該通信手段による通信の際に用いられる識別情報を認識する識別情報認識手段と、前記通信手段により楽音を取得すると、当該楽音に対し、当該楽音の取得の際の通信にて使用された識別情報を対応つけて記憶する楽音取得手段と、を備え、前記楽音再生の際の認証動作は、当該楽音取得時の識別情報と再生時の識別情報とが一致するか否かの判定を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明は、前記識別情報が格納され、前記識別情報認識手段に接続されて前記識別情報が読み出される着脱式記憶媒体を備え、前記着脱式記憶媒体には、暗証コードがさらに格納され、前記認証動作は、前記暗証番号と一致するコードが入力されたか否かを判定する処理をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
本発明は、複数の機能を有する携帯端末装置における機能設定制御方法であって、前記機能のうち少なくとも一の機能を起動する際に認証を要するか否かを設定する認証設定ステップと、所定の機能を自動的に起動する設定を行う起動設定ステップと、前記起動設定ステップにより自動起動を設定される機能が、起動時に認証が必要な機能である場合に、当該機能の起動に関して前記認証設定手段による認証動作が不要である設定になっているか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによる判定の結果、認証動作が不要である設定になっていない場合に警告メッセージを報知する警告ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、起動の直前に認証が必要な機能を自動的に起動しようとする設定を行う場合に、認証動作が不要である設定になっているか否かを判定して、認証動作が不要である設定になっていない場合に警告メッセージを表示するようにしたため、自動的に起動することが設定されている機能を確実に起動させることができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態による携帯端末装置を図面を参照して説明する。図1は同実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、符号1は、携帯端末装置の処理動作を統括して制御するCPUである。符号2は、ダイヤルキー、ファンクションキー等を配列したキーパネルから構成する入力部である。符号3は、液晶のディスプレイ装置等から構成する表示部である。符号4は、図示しない基地局との間で無線通信回線を確立して、音声通話や情報通信を行う無線通信部である。符号5は、無線通信部4が確立した通信回線を介して、音声通話を行う音声処理部であり、話者の音声を集音するマイク6と、通話相手の音声を発音する受話スピーカ7が接続される。符号8は、着信音の発音や楽曲を再生した場合の楽音を発音するリングスピーカである。符号9は、携帯端末装置を動作させるためのアプリケーションプログラム等が予め格納されるいるとともに、ユーザが任意のデータを格納する記憶部である。符号10は、携帯端末装置が備えるアプリケーション機能を実行するアプリケーション処理部である。符号11は、現在の日時情報を出力するタイマである。符号12は、携帯端末装置を動作させるための電力を供給するバッテリである。符号13は、バッテリ12の電力をON/OFFすることにより携帯端末装置の電源をON状態またはOFF状態に切り替える電源制御部である。なお、電源OFF状態とは、内部のほとんどのデバイスに対して電力供給を停止している状態であるが、CPU1を省電力のスリープモードに遷移させて動作可能な状態であるとともに、少なくともタイマ11は日時情報をCPU1に対して出力している状態のことであり、バッテリ12の電力を完全にOFFにするというものではない。符号14は、ユーザの電話番号情報等が書き込まれているUIMカードである。符号15は、UIMカード14に書き込まれている情報を読み出すUIMカードリーダである。
【0019】
次に、図2を参照して、携帯端末装置の電源をONにしたときの動作を説明する。まず、ユーザは、入力部2の電源キーを長押しすることにより電源をON状態にする(ステップS1)。この電源ON状態にするのは、電源制御部13が予め決められた時刻に自動的に電源ONにした状態であってもよい。CPU1は、電源ON状態を検出すると、UIMカードリーダ15にUIMカードが挿入されているかを検出し、UIMカード14が検出できたか否かを判定する(ステップS2)。この判定の結果、UIMカード14が検出できない場合、CPU1は、機能の使用を制限した状態で起動する(ステップS5)。UIMカード14が検出できない場合、電話の発着信、メールの送受信、インターネット接続、アドレス帳参照、データフォルダ展開、著作権保護データの再生等の機能は全く使用できない状態で携帯端末装置が起動することになる。
【0020】
一方、UIMカード14が検出できた場合、CPU1は、UIM認証を行う(ステップS3)。ここでいうUIM認証とは、UIMカード14に記憶されているUIMキー、PINコード及び携帯端末装置を動作させるために必要なパラメータをUIMカードリーダ15を介してUIMカード14から読み出し、記憶部9に記憶するとともに、無線通信部4によりネットワーク内の位置登録を行うことである。続いて、CPU1は、携帯端末装置が備えている機能を起動しようとするときに、PINコード入力によるPIN認証が必要な設定になっているか否かを判定する(ステップS4)。この判定の結果、PIN認証が必要な設定になっている場合、CPU1は、機能の使用を制限した状態で起動する(ステップS5)。PIN認証が必要な設定になっている場合もUIMカード14が検出できない場合と同様に、電話の発着信、メールの送受信、インターネット接続、アドレス帳参照、データフォルダ展開、著作権保護データの再生等の機能は全く使用できない状態で携帯端末装置が起動することになる。ただし、各機能を呼び出す(起動)する度にPINコードを入力することにより使用可能となる。PINコードとは、ユーザが任意に設定した4〜8桁の番号であり、パスワードに相当するものである。また、PIN認証が不要である設定になっている場合、CPU1は、使用可能な機能の制限がない状態で携帯端末装置を起動する。この動作により、携帯端末装置は、制限付きまたは制限なしの状態で起動することになる。
【0021】
次に、図3を参照して、予め設定した経過時間または設定時刻に所定の楽音を鳴動させるアラーム設定を行う動作を説明する。まずユーザは、入力部2を操作して、アラーム機能を起動する操作を行う(ステップS11)。これを受けて、CPU1は、アプリケーション処理部10に対して、アラーム機能設定を行う指示を出力する。アプリケーション処理部10は、表示部3に設定項目の入力を指示するメッセージを表示する。このメッセージに対してユーザは、アラーム設定に必要な項目を入力部2を操作して、登録指示を行うまで設定項目を入力する(ステップS12、S13)。ここでユーザが設定するべき項目は、アラームを鳴動させるアラーム時刻または経過時間の設定、鳴動させる楽音(または楽曲)の選択、アラーム機能の起動直前に自動的に電源をONにする自動パワーオン機能を使用するか否かの設定である。この設定操作が終了した時点で、ユーザが入力部2を操作して、登録を行う操作を行うと、アプリケーション処理部10は、設定項目の内容を内部に保持する。そして、アプリケーション処理部10は、記憶部9を参照して、現時点において、所定のタイミング(例えば、設定時刻)で自動的に電源をOFFにする自動パワーオフ機能が設定されているか否かを判定する(ステップS14)。この自動パワーオフ機能の設定は、ユーザが事前に行い、設定内容を記憶部9に記憶しておいた内容である。この判定の結果、自動パワーオフ機能が設定されていなければ、アプリケーション処理部10は、内部に保持しているアラーム機能の設定項目情報を記憶部9へ登録する(ステップS21)。
【0022】
一方、自動パワーオフ機能が設定されている場合、アプリケーション処理部10は、アラーム機能の起動時に鳴動させる楽音または楽曲にPIN認証が必要なものが選択されているか否かを判定する(ステップS15)。この判定の結果、PIN認証が必要な楽音または楽曲が選択されていなければ、アプリケーション処理部10は、内部に保持しているアラーム機能の設定項目情報を記憶部9へ登録する(ステップS21)。
【0023】
次に、PIN認証が必要な楽音または楽曲が選択されている場合、アプリケーション処理部10は、記憶部9を参照して、現時点において、起動を制限されている各機能の起動時にPIN認証が必要な設定になっているか否かを判定する(ステップS16)。このPIN認証が必要か否かの設定は、ユーザが事前に行い、設定内容を記憶部9に記憶しておいた内容である。この判定の結果、PIN認証が必要な設定になっていなければ、アプリケーション処理部10は、内部に保持しているアラーム機能の設定項目情報を記憶部9へ登録する(ステップS21)。
【0024】
一方、PIN認証が必要な設定になっていれば、アプリケーション処理部10は、表示部3に警告メッセージを表示する(ステップS17)。ここで表示するメッセージは、「PIN認証要否の設定を不要に設定しないと、選択された楽音(または楽曲)を自動的に再生することはできません。PIN認証要否の設定を不要に設定しますか?」等のメッセージであり、現時点の設定状態では、自動的に楽音を再生できないことを通知するとともに、PIN認証要否の設定を不要に設定するかを問い合わせるものである。このメッセージに対して、ユーザは、入力部2を操作して、「はい」または「いいえ」で応答する。アプリケーション処理部10は、この応答内容を読み取り、PIN認証が不要の設定にするか否かを判定する(ステップS18)。ユーザの応答が「はい」である場合、アプリケーション処理部10は、PIN認証が不要である設定に切替え、記憶部9に記憶されている設定内容を更新することにより、PIN認証が不要な設定に置き換える(ステップS19)。ユーザの応答が「いいえ」である場合、アプリケーション処理部10は、内部に保持しており鳴動させる楽音を認証が不要な楽音(予めデフォルト設定されている楽音)に設定し直す(ステップS20)。そして、アプリケーション処理部10は、内部に保持しているアラーム機能の設定項目情報を記憶部9へ登録する(ステップS21)。この動作により、アラーム機能の設定内容が記憶部9に記憶されることになる。
【0025】
ここで、アラーム機能の起動時に鳴動させる楽音(または楽曲)の取得動作について説明する。入力部2により、希望する楽曲のネットワークからの取得が指示されると、無線通信部4は、図示しない基地局を介して通信網上のサーバに接続を行う。このとき、通信網や基地局との接続には、アプリケーション処理部10が記憶部9内のインターネット接続処理のプログラムを実行し、UIMカード14(着脱式記録媒体)に格納されていた端末IDを用いてネットワーク認証を行うことにより行う。サーバは、楽曲リストを携帯端末装置へ送信し、表示部3に楽曲リストを表示する。入力部2の操作により、希望する楽曲を指定すると、当該指定された楽曲をサーバからダウンロードを行う。このとき、楽曲データが著作権保護対象として指定されたデータであるか否かを判断する。楽曲データは、実際の音情報(圧縮音声や音程・音色などのデータ)の他に付属情報が記述される領域も含んで構成される。この領域には、データのサイズや再生形式のほか、この楽曲コンテンツの作成者がコピーなどを禁止したい場合の著作権フラグ(禁止情報)を付加することのできる著作権フラグ領域も含まれている。
【0026】
携帯端末装置は、ダウンロードした楽曲のデータに付属情報として著作権フラグ(禁止情報)が含まれていたならば、ダウンロードした通信のときに用いた端末IDと、ダウンロードした楽曲データとを対応付けて記憶部9に格納する。これにより、楽曲データをコピーしても他の携帯端末装置では再生できないなど、ダウンロードした本人でしか楽しむことができないようにするための著作権の保護を行うことができる。
【0027】
また、UIMカード14には識別情報としての端末IDのほかにPINコード(認証コード)が格納されている。著作権保護対象の楽曲コンテンツを再生する際には、再生が指示された時点で装着されているUIMカード14に含まれる端末IDが、再生指示される楽曲に対応付けられている端末IDと一致するか否かを判断する。また、PIN認証の際には、装着されているUIMカード14からPINコードを読み出し、入力部2から入力される文字・数値の組み合わせ(コード)が一致するか否かを判定することにより行われる。
【0028】
次に、図4を参照して、ユーザの操作によって携帯端末装置の電源をOFFにしたときの動作を説明する。ユーザの操作による電源キーの長押しを検出した場合、CPU1は、アプリケーション処理部10に対して、電源OFF時の処理を実行することを指示する。これを受けて、アプリケーション処理部10は、記憶部9を参照して、現時点でアラーム機能の設定がなされているか否かを判定する(ステップS31)。この判定の結果、アラーム機能が設定されていなければ、アプリケーション処理部10は、CPU1に対して電源OFF時の処理の実行が終了したことを通知する。一方、アラーム機能が設定されている場合、アプリケーション処理部10は、アラーム機能の起動時に鳴動させる楽音または楽曲にPIN認証が必要なものが選択されているか否かを判定する(ステップS32)。この判定の結果、PIN認証が必要な楽音または楽曲が選択されていなければ、アプリケーション処理部10は、CPU1に対して電源OFF時の処理の実行が終了したことを通知する。
【0029】
次に、PIN認証が必要な楽音または楽曲が選択されている場合、アプリケーション処理部10は、記憶部9を参照して、現時点において、起動を制限されている各機能の起動時にPIN認証が必要な設定になっているか否かを判定する(ステップS33)。このPIN認証が必要か否かの設定は、ユーザが事前に行い、設定内容を記憶部9に記憶しておいた内容である。この判定の結果、PIN認証が必要な設定になっていなければ、アプリケーション処理部10は、CPU1に対して電源OFF時の処理の実行が終了したことを通知する。
【0030】
一方、PIN認証が必要な設定になっていれば、アプリケーション処理部10は、表示部3に警告メッセージを表示する(ステップS34)。ここで表示するメッセージは、「PIN認証要否の設定を不要に設定しないと、選択された楽音(または楽曲)を自動的に再生することはできません。PIN認証要否の設定を不要に設定しますか?」等のメッセージであり、現時点の設定状態では、自動的に楽音を再生できないことを通知するとともに、PIN認証要否の設定を不要に設定するかを問い合わせるものである。このメッセージに対して、ユーザは、入力部2を操作して、「はい」または「いいえ」で応答する。アプリケーション処理部10は、この応答内容を読み取り、PIN認証が不要の設定にするか否かを判定する(ステップS35)。ユーザの応答が「はい」である場合、アプリケーション処理部10は、PIN認証が不要である設定に切替え、記憶部9に記憶されている設定内容を更新することにより、PIN認証が不要な設定に置き換える(ステップS36)。ユーザの応答が「いいえ」である場合、アプリケーション処理部10は、内部に保持しており鳴動させる楽音を認証が不要な楽音(予めデフォルト設定されている楽音)に設定し直す(ステップS37)。続いて、アプリケーション処理部10は、CPU1に対して電源OFF時の処理の実行が終了したことを通知する。
【0031】
次に、CPU1は、アプリケーション処理部10から電源OFF時の処理の実行が終了したことの通知を受けると、無線通信部4に対して、通信を行うために接続されていたネットワークとの切断処理の実行を指示する。これを受けて、無線通信部4は、ネットワークへの接続を切断する処理を実行する(ステップS38)。そして、各処理部は、電源OFF時に行う必要があるパラメータを記憶部9へ保存する(ステップS39)。また、CPU1は、表示部3に電源OFF通知の画面を表示し(ステップS40)、スリープモードへ移行するとともに、電源制御部13に対して、電源切断を指示する。これを受けて、電源制御部13は、各処理部に対する電力供給を切断する(ステップS41)。この動作により、携帯端末装置の電源がOFFされることになる。
【0032】
次に、図5を参照して、所望の機能を呼び出して実行する動作を説明する。まず、ユーザが入力部2の電源キーを長押しすることにより携帯端末装置を電源ON状態とすると、携帯端末装置は、前述した動作(図2に示す動作)に基づいて、制限付きまたは制限なしの状態で起動することになる。ここで、ユーザが入力部2から所望の機能を呼び出す操作を行うと、CPU1は、アプリケーション処理部10に対して、呼び出された機能を起動する指示を出力する(ステップS51)。また、アラーム機能や自動パワーオン機能のように、自動的に起動する機能の場合、アプリケーション処理部10は、タイマ11が出力する日時情報を参照して、設定時刻になった時点で、設定されている機能を起動する。
【0033】
次に、アプリケーション処理部10は、記憶部9を参照して、PIN認証が必要な設定になっているか否かに基づいて、現時点が制限付きの起動状態であるか否かを判定する(ステップS52)。この判定の結果、現時点が制限付きの起動状態でなければ(PIN認証が不要である設定になっていれば)、アプリケーション処理部10は、呼び出された機能を実行する(ステップS58)。例えば、電源OFF時に、PIN認証が不要な設定にしておいた場合は、自動パワーオン機能により制限なし状態で携帯端末装置が電源ON状態となり、設定時刻に予め選択された楽音または楽曲がスピーカ8から再生されてアラーム機能が実行されることになる。
【0034】
一方、現時点において制限付きの起動状態である場合、アプリケーション処理部10は、呼び出された機能が制限対象の機能であるか否かを判定する(ステップS53)。この判定の結果、呼び出された機能が制限対象の機能でなければ、アプリケーション処理部10は、呼び出された機能を実行する(ステップS58)。
【0035】
次に、呼び出された機能が制限対象の機能であれば、アプリケーション処理部10は、UIMカードリーダ15にUIMカード14が挿入されているか否かを判定する(ステップS54)。この判定の結果、UIMカード14が挿入されていなければ、アプリケーション処理部10は、表示部3にUIMカード挿入を要求するメッセージを表示して処理を終了する。
【0036】
一方、UIMカード14が挿入されていれば、アプリケーション処理部10は、PINコード入力を要求するメッセージを表示部3へ表示する(ステップS56)。ここでユーザは、予め設定されたPINコードを入力部2から入力する。アプリケーション処理部10は、入力されたPINコードが正しいものであるか否かを判定し(ステップS57)、入力されたPINコードが正しいものであれば、呼び出された機能を実行する(ステップS58)。もし、入力されたPINコードが正しいものでなければ、アプリケーション処理部10は、再びPINコード入力を要求するメッセージを表示する。そして、誤ったPINコードの入力が所定回数(例えば3回)続いた場合、アプリケーション処理部10は、呼び出された機能を実行することができないことを示すエラーメッセージを表示部3に表示して処理を終了する。この動作によって、所望の機能を呼び出す場合に、PINコード入力を要求し、入力されたPINコードが正当なものであれば、呼び出された機能が実行されることになる。
【0037】
このように、起動の直前に認証が必要な機能を自動的に起動しようとする設定を行う場合に、認証動作が不要である設定になっているか否かを判定して、認証動作が不要である設定になっていない場合に警告メッセージを表示するようにしたため、自動的に起動することが設定されている機能を確実に起動させることができる。また、警告メッセージを電源OFFの直前に表示し、ユーザの応答に応じてPIN認証が不要な設定に切り替える設定を電源OFFの直前に行うようにしたため、PIN認証が不要な設定の状態で携帯端末装置が使用される時間を極力短くすることができる。
【0038】
なお、本発明の携帯端末装置は、移動通信を使用した携帯電話機や移動通信機能を有した携帯情報端末(PDA)、モバイル端末、カーナビ装置などを含むものである。また本発明の携帯端末装置は、必ずしも通信機能を備えている必要はない。
【0039】
なお、図1における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより機能設定制御処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0040】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す携帯端末装置における電源ON時の動作を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す携帯端末装置におけるアラーム設定処理時の動作を示すフローチャートである。
【図4】図1に示す携帯端末装置における電源OFF時の動作を示すフローチャートである。
【図5】図1に示す携帯端末装置における機能呼び出し時の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
1・・・CPU、2・・・入力部、3・・・表示部、4・・・無線通信部、5・・・音声処理部、6・・・マイク、7、8・・・スピーカ、9・・・記憶部、10・・・アプリケーション処理部、11・・・タイマ、12・・・バッテリ、13・・・電源制御部、14・・・UIMカード、15・・・UIMカードリーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を有する携帯端末装置であって、
前記機能のうち少なくとも一の機能を起動する際に認証を要するか否かを設定する認証設定手段と、
所定の機能を自動的に起動する設定を行う起動設定手段と、
前記起動設定手段により自動起動を設定されている機能が、起動時に認証が必要な機能である場合に、当該機能の起動に関して前記認証設定手段による認証動作が不要である設定になっているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定の結果、認証動作が不要である設定になっていない場合に警告メッセージを報知する警告手段と
を備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
自装置の電源状態を管理する電源制御部を備え、
前記判定手段は、前記電源制御部にて電源ON状態から電源OFF状態に遷移される際に、前記判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記電源制御部は、前記電源OFF状態への遷移処理にて前記判定手段が判定を行った結果、前記警告手段による警告メッセージの報知がなされると、当該報知に対する入力がなされるまでは電源OFF状態へと遷移させないことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
自装置の電源状態を管理する電源制御部を備え、
前記電源制御部は、自装置を自動的に電源OFFする設定を有し、
前記判定手段は、前記設定手段により自動起動が設定され、かつ前記電源制御手段により自動的に電源OFFする設定がなされている場合に、前記判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
自装置の電源状態を管理する電源制御部を備え、
前記起動設定手段は、所定の時間の経過あるいは所定時刻になると自動起動すべき機能を設定するものであって、
前記電源制御部は、前記所定の時間の経過あるいは所定の時刻が到来した際に、自装置が電源OFFの状態ならば電源ON状態に遷移させて設定された機能を起動することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記起動時に認証が必要な機能は、再生時に認証が必要な楽音を再生する機能であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記楽音は、音に関するデータである音情報と、当該データに付随する情報が記載された付随情報とを含んで構成され、前記付随情報に所定の禁止情報が含まれるか否かにより認証が必要な楽音か否かを判断されることを特徴とする請求項6に記載の携帯端末装置。
【請求項8】
前記警告手段により前記警告メッセージが報知されたにも関わらず認証動作が不要である設定に変更する入力が行われない場合は、前記自動起動再生時に認証が不要な楽音を再生することを特徴とする請求項7に記載の携帯端末装置。
【請求項9】
通信網に接続可能な通信手段と、
当該通信手段による通信の際に用いられる識別情報を認識する識別情報認識手段と、
前記通信手段により楽音を取得すると、当該楽音に対し、当該楽音の取得の際の通信にて使用された識別情報を対応つけて記憶する楽音取得手段と、を備え、
前記楽音再生の際の認証動作は、当該楽音取得時の識別情報と再生時の識別情報とが一致するか否かの判定を含むことを特徴とする請求項7に記載の携帯端末装置。
【請求項10】
前記識別情報が格納され、前記識別情報認識手段に接続されて前記識別情報が読み出される着脱式記憶媒体を備え、
前記着脱式記憶媒体には、暗証コードがさらに格納され、
前記認証動作は、前記暗証番号と一致するコードが入力されたか否かを判定する処理をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の携帯端末装置。
【請求項11】
複数の機能を有する携帯端末装置における機能設定制御方法であって、
前記機能のうち少なくとも一の機能を起動する際に認証を要するか否かを設定する認証設定ステップと、
所定の機能を自動的に起動する設定を行う起動設定ステップと、
前記起動設定ステップにより自動起動を設定される機能が、起動時に認証が必要な機能である場合に、当該機能の起動に関して前記認証設定手段による認証動作が不要である設定になっているか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定の結果、認証動作が不要である設定になっていない場合に警告メッセージを報知する警告ステップと
を有することを特徴とする携帯端末装置における機能設定制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−150805(P2007−150805A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−343373(P2005−343373)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】