携帯通信端末、該携帯通信端末に用いられる通信状況表示方法及び通信状況表示制御プログラム
【課題】携帯通信端末において、通信中の無線基地局から遠ざかることにより劣化した通信状態を改善する。
【解決手段】基地局方向演算部48により、端末位置情報p及び基地局位置情報uに基づいて、磁北に対する携帯通信端末40の現在位置からの無線基地局の方向が算出され、また、同無線基地局の方向及び同携帯通信端末40の現在方向に基づいて、磁北に対する同携帯通信端末40の方向を基準とする現在通信中の無線基地局の方向が算出されるので、基地局方向表示部51に基地局方向DMが表示される。このため、使用者は、現在通信している無線基地局の方向を知ることができ、劣化した通信状態を改善して良好な通話を行うための情報の一つとすることができる。
【解決手段】基地局方向演算部48により、端末位置情報p及び基地局位置情報uに基づいて、磁北に対する携帯通信端末40の現在位置からの無線基地局の方向が算出され、また、同無線基地局の方向及び同携帯通信端末40の現在方向に基づいて、磁北に対する同携帯通信端末40の方向を基準とする現在通信中の無線基地局の方向が算出されるので、基地局方向表示部51に基地局方向DMが表示される。このため、使用者は、現在通信している無線基地局の方向を知ることができ、劣化した通信状態を改善して良好な通話を行うための情報の一つとすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯通信端末、該携帯通信端末に用いられる通信状況表示方法及び通信状況表示制御プログラムに係り、特に、無線基地局から遠ざかったときに劣化する通信状態を改善する場合に用いて好適な携帯通信端末、該携帯通信端末に用いられる通信状況表示方法及び通信状況表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが移動しながら携帯電話機などの携帯通信端末で通話する場合、通話を中継している無線基地局から遠ざかることにより、通話が継続できなくなることがある。この対策として、たとえば、携帯通信端末の表示部に受信電波の電界強度に応じた数の電界バーが表示されるようになっている。これにより、使用者は、携帯通信端末の通信状況を視認することができる。
【0003】
従来、この種の技術としては、たとえば、次のような文献に記載されるものがあった。
特許文献1に記載された携帯通信端末(同文献では「電界強度指示付受信機」)は、図7に示すように、受信部1と、レベル検出部2と、レベル表示部3とを備えている。
この携帯通信端末では、当該携帯通信端末が位置する無線ゾーンの無線基地局の電波が受信部1で受信され、同受信部1から電界レベル検波信号aが出力される。電界レベル検波信号aはレベル検出部2に入力され、同レベル検出部2から所定の時間毎に平均化された平均化電圧bがレベル表示部3に出力される。レベル表示部3では、平均化電圧bの高低に対応して、図示しない発光素子の点滅の周期を変えることにより、受信電界レベルの高低に応じた点滅表示が行われる。すなわち、当該携帯通信端末が受信電界レベルの高い方向に移動した場合、点滅周期が短くなり、逆に受信電界レベルの低い方向に移動した場合、点滅周期が長くなるため、使用者は、通信が良好になる方向を判別できる。
【0004】
特許文献2に記載された携帯通信端末(同文献では「移動無線通信方式」)は、図8に示すように、アンテナ11と、送受共用器12と、受信部13と、送信部14と、時定数回路15と、コンパレータ16と、基準電圧源16aと、コンパレータ17と、基準電圧源17aと、ゲート回路18と、トーン信号発生部19と、タイマ回路20とから構成されている。
【0005】
この携帯通信端末では、当該携帯通信端末が無線基地局のサービスエリアの周辺部へ向かって移動するとき、マルチパス・フェージングにより、たとえば図9(a)に示すように、受信電界強度が変化する。受信機13から受信入力電界に対応する中間周波数の出力信号aが出力され、同出力信号aは時定数回路15に入力され、同時定数回路15から同受信入力電界の平均値bが出力される。平均値bは、図9(b)に示すように、コンパレータ16に入力されて基準電圧V1 と比較されると共に、コンパレータ17に入力されて基準電圧V2 と比較される。コンパレータ16の出力信号fは、入力される平均値bが基準電圧V1 (たとえば10dBμ)以下となったときに高レベル(以下、“H”という)となる。コンパレータ17の出力信号gは、入力される平均値bが基準電圧V2 (たとえば0dBμ)以下となったときに“H”となる。出力信号fはゲート回路18に入力され、出力信号gはタイマ回路20に入力される。
【0006】
当該携帯通信端末が受信入力電界の平均値bの10dBμのラインを通過して受信電界が弱くなり、コンパレータ16の出力信号fが“H”になると、ゲート回路18がオン状態となり、図9(c)に示すように、トーン信号発生部19の出力信号hが受信部13の図示しない音声回路に印加され、警報音が発生する。この場合、受信入力電界の平均値bが10dBμ以下になると、通話音声に比較してレベルの低い可聴トーンが使用者に聞こえる。又、受信電界が回復すると、コンパレータ16の出力信号fは低レベル(以下、“L”という)となり、ゲート回路18がオフ状態となって警報音は消え、使用者に通話音声のみが聞こえる。
【0007】
一方、さらに当該携帯通信端末が移動して受信入力電界が低下し、0dBμ以下となると、コンパレータ17の出力信号gが“H”となってタイマ回路20がクロックのカウントを開始し、受信入力電界が0dBμを回復せず、図9(d)に示すように、タイマ回路20が予め設定されているT秒をカウントすると、同タイマ回路20の出力信号dが“H”となり、図9(e)に示すように、送信部14の出力信号eがオフ状態となる。これにより、回線は切り離されて強制的に終話され、他の移動局が、このサービスエリアの無線基地局と通信を行う。
【0008】
特許文献3に記載された携帯通信端末(同文献では「移動無線装置」)は、図10に示すように、主アンテナ21と、従受信アンテナ22a,22b,22c,22dと、無線部23と、CPU(中央処理装置)24と、入力装置25と、ROM(Read Only Memory、リードオンリメモリ)26、RAM(Randam Access Memory、ランダムアクセスメモリ)27と、不揮発メモリ28と、表示装置29とから構成されている。
【0009】
この携帯通信端末では、待受け状態の場合、入力装置25のキーボードから使用者が必要とする機能を設定又は解除させる選択を行う機能を呼び出すために、使用者がFキー25a及び番号キー25cを押すことにより、ROM26内の通話基地局方向表示選択プログラム(P1 )がCPU24で実行され、表示装置29に、通話基地局方向表示機能を選択する機能、及び選択されている状態が表示される。使用者は、必要とする通話基地局方向検出機能の複数の測定値の平均値を得るための測定時間間隔値Tを、たとえば100msec単位の数値で入力装置25のキーボードから入力すると、その数値が不揮発メモリ28内の通話基地局方向表示状態の記憶領域に格納される。
【0010】
次に、CPU24が通話状態の場合、ROM26内の通話基地局方向検出タイマープログラム(P2 )がCPU24で実行され、無線基地局から受信した通話信号の受信電界値が従受信アンテナ22a,22b,22c,22d毎に予め設定された一定間隔時間t(たとえば、10msec)毎に検出及び計測され、不揮発メモリ28内の複数の従受信アンテナ受信電界値の記憶領域に加算格納される。次に、CPU24が通話状態の場合、ROM26内の通話基地局方向検出表示プログラム(P3 )がCPU24で実行され、不揮発メモリ28内の記憶領域に格納された数値Tを測定時間間隔値として一定間隔時間t毎に検出及び計測され、不揮発メモリ28内の記憶領域に格納された数値Ra,Rb,Rc,Rdが読み出され、それぞれの数値が「測定時間間隔値T/計測周期t」の値Vで除され、従受信アンテナ22a,22b,22c,22d別の平均値Va,Vb,Vc,Vdが得られる。この後、各平均値Va,Vb,Vc,Vdのうちの最大値が選択され、この最大値に対応する従受信アンテナに該当する表示が表示装置29で行われる。そして、使用者は、この表示装置29を見ることにより、通話が不可能になるか否かを判断することができ、その後の行動(どの方向へ移動するか、あるいは携帯通信端末をどちらの方向に向けるか)を瞬時に決定することができる。
【0011】
特許文献4に記載された携帯通信端末(同文献では「方位表示装置」)は、地磁気センサ31と、可変抵抗器32と、A/D変換器33と、演算回路34と、入力部35と、GPS受信機36aと、アンテナ36bと、演算回路37,38と、表示部39とから構成されている。
この携帯通信端末では、GPS受信機36aで現在の二次元位置情報が得られる。又、使用者が方位を知りたい無線基地局の二次元位置情報が入力部35から入力される。又、地磁気センサ31で磁北が検出され、この磁北が可変抵抗器32の設定により真北に補正される。この補正された値と、GPS受信機36a及び入力部35からの二次元位置情報とに基づいて、演算回路34,37,38によって、知りたい無線基地局の方位が演算される。この演算によって求められた方位が、表示部39の指針の向きとして表示される。
【特許文献1】特開平1−279637号公報(第2頁、図1)
【特許文献2】特開昭57−199345号公報(第2頁、図2)
【特許文献3】特開平10−191452号公報(要約書、図1)
【特許文献4】特開平9−266404号公報(要約書、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記従来の携帯通信端末では、次のような問題点があった。
すなわち、特許文献1に記載された携帯通信端末では、受信電界レベルの高低に応じて発光素子の点滅周期が変化する構成となっているので、使用者は、現在の通信状況を認識することはできても、通信状況を改善するための情報が得られないという問題点がある。
【0013】
特許文献2に記載された携帯通信端末では、受信電界の基準レベルが設けられ、受信電界が同基準レベル以下になった場合に警報音が発生する構成となっているので、使用者は、通信状況の悪化を認識することはできても、悪化している通信状況を改善するための情報が得られないという問題点がある。
【0014】
特許文献3に記載された携帯通信端末では、通話基地局方向を調べるための複数の従受信アンテナが必要となり、携帯通信端末が複雑で大型になってしまうという問題点がある。また、従受信アンテナ22a,22b,22c,22dの指向性が不明であるため、正確な通話基地局の方向が得られず、方向も4方向のうちの1方向しか選択できないという問題点がある。また、この発明とは、構成が異なっている。
【0015】
特許文献4に記載された携帯通信端末では、使用者が任意に指定する知りたい無線基地局の方向が表示され、同無線基地局と携帯通信端末との通信の有無には無関係である。また、使用者が知りたい無線基地局の二次元位置情報を入力部から入力する必要があり、入力する使用者は、同無線基地局の二次元位置情報を予め認知しておく必要がある。従って、この発明とは、主旨及び構成が異なる。
【0016】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、通信中の無線基地局の方向を使用者に正確に知らせることにより、劣化している通信状態を改善するための情報の一つを比較的簡単な構成で提供する携帯通信端末を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、無線基地局の受け持ちのセル内で該無線基地局と無線信号を送受信して無線通信を行う携帯通信端末に係り、磁北に対する当該携帯通信端末の現在の方向を基準として、現在通信中の前記無線基地局の方向を検出して表示する基地局方向検出表示手段が設けられていることを特徴としている。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の携帯通信端末に係り、前記無線基地局は、当該該無線基地局の少なくとも緯度及び経度を含む基地局位置情報を保有する構成とされ、前記基地局方向検出表示手段は、当該携帯通信端末の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して端末位置情報を生成する測位手段と、現在通信中の前記無線基地局から送信される前記基地局位置情報を検出する基地局位置情報検出手段と、磁北に対する当該携帯通信端末の現在方向を測定して現在方向情報を生成する現在方向情報測定手段と、前記端末位置情報及び基地局位置情報に基づいて、磁北に対する前記現在位置からの前記無線基地局の方向を算出し、該無線基地局の方向及び当該携帯通信端末の前記現在方向情報に基づいて、磁北に対する当該携帯通信端末の方向を基準とする現在通信中の前記無線基地局の方向を算出して基地局方向情報を生成する基地局方向演算手段と、該基地局方向演算手段で生成された基地局方向情報に基づいて前記無線基地局の方向を表示する表示手段とを備えてなることを特徴としている。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の携帯通信端末に係り、前記測位手段は、GPS(Global Positioning System )装置で構成されていることを特徴としている。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の携帯通信端末に係り、前記GPS装置は、宇宙空間に位置する3機以上の衛星から発射された各信号電波を受波して前記各信号電波の伝搬速度及び伝搬時間に基づいて前記各衛星と前記携帯通信端末との間の距離を計測することにより、少なくとも緯度及び経度を含む前記携帯通信端末の現在位置を測定し、前記端末位置情報を生成する構成とされていることを特徴としている。
【0021】
請求項5記載の発明は、通信状況表示方法に係り、無線基地局の受け持ちのセル内で該無線基地局と無線信号を送受信して無線通信を行う携帯通信端末に用いられ、磁北に対する当該携帯通信端末の現在の方向を基準として、現在通信中の前記無線基地局の方向を検出して表示することを特徴としている。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の通信状況表示方法に係り、当該携帯通信端末の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して端末位置情報を生成する端末位置情報生成処理と、現在通信中の前記無線基地局から送信される該無線基地局の少なくとも緯度及び経度を含む基地局位置情報を検出する基地局位置情報検出処理と、磁北に対する当該携帯通信端末の現在方向を測定して現在方向情報を生成する現在方向情報測定処理と、前記端末位置情報及び基地局位置情報に基づいて、磁北に対する前記現在位置からの前記無線基地局の方向を算出し、該無線基地局の方向及び当該携帯通信端末の前記現在方向情報に基づいて、磁北に対する当該携帯通信端末の方向を基準とする現在通信中の前記無線基地局の方向を算出する基地局方向演算処理と、該基地局方向演算処理で算出された前記無線基地局の方向を表示する表示処理とを行うことを特徴としている。
【0023】
請求項7記載の発明は、通信状況表示制御プログラムに係り、コンピュータに請求項1乃至4のうちのいずれか一に記載の携帯通信端末を制御させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0024】
この発明の構成によれば、磁北に対する当該携帯通信端末の現在の方向を基準として、現在通信中の無線基地局の方向を検出して表示する基地局方向検出表示手段が設けられているので、使用者は、現在通信している無線基地局の方向を知ることができ、良好な通話を行うための情報の一つとすることができる。
また、基地局方向演算手段により、端末位置情報及び基地局位置情報に基づいて、磁北に対する携帯通信端末の現在位置からの無線基地局の方向が算出され、また、同無線基地局の方向及び同携帯通信端末の現在方向に基づいて、磁北に対する同携帯通信端末の方向を基準とする現在通信中の無線基地局の方向が算出されるので、表示手段に基地局方向が表示される。このため、使用者は、現在通信している無線基地局の方向を知ることができ、劣化した通信状態を改善して良好な通話を行うための情報の一つとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
磁北に対する当該携帯通信端末の方向を基準とする現在通信中の無線基地局の方向を算出し、表示手段に表示する携帯通信端末を提供する。
【実施例】
【0026】
図1は、この発明の実施例である携帯通信端末の要部の電気的構成を示すブロック図である。
この例の携帯通信端末40は、同図に示すように、GPSアンテナ41と、通話用アンテナ42と、キー入力部43と、GPS無線部44と、制御部45と、無線部46と、端末方向測定部47と、基地局方向演算部48と、表示制御部49と、表示部50とから構成されている。GPSアンテナ41は、宇宙空間に位置する3機以上の図示しない衛星から発射された各信号電波WA,WB,WCを受信する。通話用アンテナ42は、図示しない無線基地局の受け持ちのセル内で同無線基地局と無線信号を送受信する。この通話用アンテナ42は、無指向性であることが理想的であるが、現実には個々に特有の指向性をもち、使用者が所持することによっても指向性をもつ。なお、GPSアンテナ41及び通話用アンテナ42は、アンテナの特性に問題なければ、1つのアンテナを共用してもよい。
【0027】
キー入力部43は、使用者が通信を行う際に操作され、通信を行うことを示す操作信号mを制御部45へ送出する。GPS無線部44は、GPSアンテナ41により受信されたGPS信号nを処理し、携帯通信端末40の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して端末位置情報pを生成する。無線部46は、無線基地局との間で通話用アンテナ42を介して送受信される無線信号を処理する。無線基地局は、当該該無線基地局の少なくとも緯度及び経度を含む基地局位置情報を保有している。無線部46で受信される無線信号は、たとえば、ディジタル信号に変換された利用者の音声信号などに、現在通信中の無線基地局の基地局位置情報、通話を制御するための制御信号などのデータを付加して得られる送信データに所定の変調を施すことにより得られる信号である。特に、この実施例では、無線部46は、受信した無線信号に所定の復調処理を施し、得られる受信データから無線基地局の基地局位置情報uを検出すると共に、同受信データから制御信号yを検出して制御部45に送出する。
【0028】
制御部45は、携帯通信端末40全体を制御するCPU(中央処理装置)45a及び同CPU45aを動作させるための通信状況表示制御プログラムが記録されたROM(リード・オンリ・メモリ)45bを有している。特に、この実施例では、制御部45は、キー入力部43から操作信号m、及び無線部46から通話信号が着信したことを示す制御信号yを受け、GPS無線部44、無線部46及び端末方向測定部47に、それぞれ必要な動作を開始させる制御信号w,z,xを出力する。
【0029】
端末方向測定部47は、たとえば、地磁気の磁北を示す方位信号を出力するジャイロコンパスや磁気コンパスなどで構成され、この磁北に対する携帯通信端末40の現在方向を測定して現在方向情報qを生成する。基地局方向演算部48は、端末位置情報p及び基地局位置情報uに基づいて、磁北に対する携帯通信端末40の現在位置からの無線基地局の方向を算出し、同無線基地局の方向及び同携帯通信端末40の現在方向情報qに基づいて、磁北に対する同携帯通信端末40の方向を基準とする現在通信中の無線基地局の方向を算出して基地局方向情報vを生成する。表示制御部49は、表示部50における表示を制御し、特に、この実施例では、基地局方向情報vに対応して制御する。表示部50は、たとえば、白黒又はカラーの液晶パネルなどで構成され、基地局方向情報vに基づいて、無線基地局の方向を表示する。
【0030】
図2(a),(b)は、図1中のGPS無線部44の原理を説明する図である。
同図2(a)に示すように、衛星A,B,Cから地球上に向けて信号電波WA,WB,WCがそれぞれ発射されている。これらの信号電波WA,WB,WCが携帯通信端末40内のGPS無線部44で受信され、それぞれの信号電波WA,WB,WCの遅れ時間が計測されることにより、衛星A,B,CからGPS無線部44までの距離が求められる。いま、衛星AからGPS無線部44までの距離rAがわかれば、同GPS無線部44の現在位置は半径rAの円周a上のどこかにあることになる。
【0031】
同様に、衛星Bから発射された信号電波WBによって半径rBの円周bが得られる。GPS無線部44の現在位置は、図2(b)に示すように、円周aと円周bとが重なる点P又は点Qになる。更に、衛星CからGPS無線部44までの距離rCによる円周cの交差を加えると、3つの円周上の3つ重なる点Pが同GPS無線部44の現在位置となる。このようにして3つの衛星A,B,CからGPS無線部44までの距離を精密に計測することによって地球上の点Pが測位される。また、4つ以上の衛星から発射された信号電波があれば、GPS無線部44の高度も含む3次元の測位が行われる。
【0032】
図3は、図1の携帯通信端末40の動作を説明するフローチャート、図4は、携帯通信端末40の現在方向を測定する方法を示す模式図、図5は、無線基地局の方向を算出する方法を示す模式図、及び図6が、図1中の表示部50に現在通信中の無線基地局の方向が表示された状態を示す図である。
これらの図を参照して、この例の携帯通信端末に用いられる通信状況表示方法の処理内容について説明する。
この携帯通信端末40では、磁北に対する同携帯通信端末40の現在の方向を基準として、現在通信中の無線基地局の方向が検出されて表示される。すなわち、図3に示すように、携帯通信端末40が着信を受けたり(ステップA1)、キー入力部43で、着信履歴参照、リダイヤル呼出し、電話帳参照、番号の入力などの発信の予備動作が行われたりしたことを示す操作信号mが制御部45に与えられると(ステップA2)、端末方向測定部47で、磁北に対する携帯通信端末40の現在方向が測定される(ステップA3、現在方向情報測定処理)。この場合、たとえば図4に示すように、使用者が磁北方向DNに対して東方向に−30度(つまり、西方向に+30度)を向いて表示部50を閲覧していたとすると、現在使用中の携帯通信端末40の方向DAは−30度となる。
【0033】
また、GPSアンテナ41からのGPS信号nがGPS無線部44で処理され、現在の携帯通信端末40の少なくとも緯度及び経度を含む端末位置情報pが求められる(ステップA4、端末位置情報生成処理)。また、通話用アンテナ42からの無線信号が無線部46で処理され、現在通信中の無線基地局の少なくとも緯度及び経度を含む基地局位置情報uが検出される(ステップA5、基地局位置情報検出処理)。次に、基地局方向演算部48により、端末位置情報p及び基地局位置情報uに基づいて、磁北に対する携帯通信端末40の現在位置からの無線基地局の方向が算出され、また、同無線基地局の方向及び同携帯通信端末40の現在方向に基づいて、磁北に対する同携帯通信端末40の方向を基準とする現在通信中の無線基地局の方向が算出される(ステップA6、基地局方向演算処理)。
【0034】
この場合、たとえば図5に示すように、使用者二次元位置Fを、北緯38度、東経138.0度とし、また、無線基地局の二次元位置Eを、北緯38度、東経138.1度とする。基地局方向演算部38では、これらの情報を元に、現在使用中の携帯通信端末40のモニタ閲覧体勢に対する無線基地局の方向が計算される。たとえば、使用者二次元位置Fに対する基地局二次元位置Eは真東であるから、磁北方向DNに対して東方向、すなわち、磁北に対する基地局方向DBである+90度に無線基地局があることになる。
【0035】
現在、使用者が磁北方向DNに対して東方向に−30度(つまり、西方向に+30度)を向いて表示部50を閲覧しているとすると、携帯通信端末40の表示部50上方向(すなわち、使用者の前方向)を上(+0度)とした場合の無線基地局の方向は、磁北に対する基地局方向DB(+90度)から使用中の携帯通信端末40の方向DA(−30度)を引いた値である+120度となり、図6に示すように、基地局方向表示部51に基地局方向DMが表示されると共に、メッセージ「現在通信中の基地局はこちらです。」が表示される(ステップA7、表示処理)。図6では、携帯通信端末40で使用者のほうから通話を行う際に電話帳機能を使用しているときの表示部50の表示画面が示されている。この場合、送信先リストの中から「田中」という送信先が選択され、使用者は基地局方向DMを見ることにより、現在通信中の無線基地局の方向を認識する。
【0036】
以上のように、この実施例では、基地局方向演算部48により、端末位置情報p及び基地局位置情報uに基づいて、磁北に対する携帯通信端末40の現在位置からの無線基地局の方向が算出され、また、同無線基地局の方向及び同携帯通信端末40の現在方向に基づいて、磁北に対する同携帯通信端末40の方向を基準とする現在通信中の無線基地局の方向が算出されるので、基地局方向表示部51に基地局方向DMが表示される。このため、使用者は、現在通信している無線基地局の方向を知ることができ、良好な通話を行うための情報の一つとすることができる。
【0037】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成は同実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。
たとえば、上記実施例では、測位手段としてGPSが用いられているが、たとえば、ヨーロッパで計画されている「Galileo」や、日本で計画されている「準天頂衛星」が実用化されたとき、これらを用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明は、近い将来、携帯電話機などの携帯通信端末に発信者の位置情報の通知機能を設けることが義務付けられたとき、容易に対応できる。また、この発明は、携帯電話機の他、たとえば航空機電話や船舶電話などの無線基地局を介した移動体通信全般に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の実施例である携帯通信端末の要部の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1中のGPS無線部44の原理を説明する図である。
【図3】図1の携帯通信端末40の動作を説明するフローチャートである。
【図4】携帯通信端末40の現在方向を測定する方法を示す模式図である。
【図5】無線基地局の方向を算出する方法を示す模式図である。
【図6】図1中の表示部50に現在通信中の無線基地局の方向が表示された状態を示す図である。
【図7】特許文献1に記載された携帯通信端末の要部の構成図である。
【図8】特許文献2に記載された携帯通信端末の要部の構成図である。
【図9】図8の動作説明図である。
【図10】特許文献3に記載された携帯通信端末の要部の構成図である。
【図11】特許文献4に記載された携帯通信端末の要部の構成図である。
【符号の説明】
【0040】
40 携帯通信端末
41 GPSアンテナ(基地局方向検出表示手段の一部、測位手段の一部、GPS装置の一部)
42 通話用アンテナ(基地局方向検出表示手段の一部、基地局位置情報検出手段の一部)
43 キー入力部
44 GPS無線部(基地局方向検出表示手段の一部、測位手段の一部、GPS装置の一部)
45 制御部(基地局方向検出表示手段の一部、)
46 無線部(基地局方向検出表示手段の一部、基地局位置情報検出手段の一部)
47 端末方向測定部(基地局方向検出表示手段の一部、現在方向情報測定手段)
48 基地局方向演算部(基地局方向検出表示手段の一部、基地局方向演算手段)
49 表示制御部(基地局方向検出表示手段の一部、表示手段の一部)
50 表示部(基地局方向検出表示手段の一部、表示手段の一部)
A,B,C 衛星
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯通信端末、該携帯通信端末に用いられる通信状況表示方法及び通信状況表示制御プログラムに係り、特に、無線基地局から遠ざかったときに劣化する通信状態を改善する場合に用いて好適な携帯通信端末、該携帯通信端末に用いられる通信状況表示方法及び通信状況表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが移動しながら携帯電話機などの携帯通信端末で通話する場合、通話を中継している無線基地局から遠ざかることにより、通話が継続できなくなることがある。この対策として、たとえば、携帯通信端末の表示部に受信電波の電界強度に応じた数の電界バーが表示されるようになっている。これにより、使用者は、携帯通信端末の通信状況を視認することができる。
【0003】
従来、この種の技術としては、たとえば、次のような文献に記載されるものがあった。
特許文献1に記載された携帯通信端末(同文献では「電界強度指示付受信機」)は、図7に示すように、受信部1と、レベル検出部2と、レベル表示部3とを備えている。
この携帯通信端末では、当該携帯通信端末が位置する無線ゾーンの無線基地局の電波が受信部1で受信され、同受信部1から電界レベル検波信号aが出力される。電界レベル検波信号aはレベル検出部2に入力され、同レベル検出部2から所定の時間毎に平均化された平均化電圧bがレベル表示部3に出力される。レベル表示部3では、平均化電圧bの高低に対応して、図示しない発光素子の点滅の周期を変えることにより、受信電界レベルの高低に応じた点滅表示が行われる。すなわち、当該携帯通信端末が受信電界レベルの高い方向に移動した場合、点滅周期が短くなり、逆に受信電界レベルの低い方向に移動した場合、点滅周期が長くなるため、使用者は、通信が良好になる方向を判別できる。
【0004】
特許文献2に記載された携帯通信端末(同文献では「移動無線通信方式」)は、図8に示すように、アンテナ11と、送受共用器12と、受信部13と、送信部14と、時定数回路15と、コンパレータ16と、基準電圧源16aと、コンパレータ17と、基準電圧源17aと、ゲート回路18と、トーン信号発生部19と、タイマ回路20とから構成されている。
【0005】
この携帯通信端末では、当該携帯通信端末が無線基地局のサービスエリアの周辺部へ向かって移動するとき、マルチパス・フェージングにより、たとえば図9(a)に示すように、受信電界強度が変化する。受信機13から受信入力電界に対応する中間周波数の出力信号aが出力され、同出力信号aは時定数回路15に入力され、同時定数回路15から同受信入力電界の平均値bが出力される。平均値bは、図9(b)に示すように、コンパレータ16に入力されて基準電圧V1 と比較されると共に、コンパレータ17に入力されて基準電圧V2 と比較される。コンパレータ16の出力信号fは、入力される平均値bが基準電圧V1 (たとえば10dBμ)以下となったときに高レベル(以下、“H”という)となる。コンパレータ17の出力信号gは、入力される平均値bが基準電圧V2 (たとえば0dBμ)以下となったときに“H”となる。出力信号fはゲート回路18に入力され、出力信号gはタイマ回路20に入力される。
【0006】
当該携帯通信端末が受信入力電界の平均値bの10dBμのラインを通過して受信電界が弱くなり、コンパレータ16の出力信号fが“H”になると、ゲート回路18がオン状態となり、図9(c)に示すように、トーン信号発生部19の出力信号hが受信部13の図示しない音声回路に印加され、警報音が発生する。この場合、受信入力電界の平均値bが10dBμ以下になると、通話音声に比較してレベルの低い可聴トーンが使用者に聞こえる。又、受信電界が回復すると、コンパレータ16の出力信号fは低レベル(以下、“L”という)となり、ゲート回路18がオフ状態となって警報音は消え、使用者に通話音声のみが聞こえる。
【0007】
一方、さらに当該携帯通信端末が移動して受信入力電界が低下し、0dBμ以下となると、コンパレータ17の出力信号gが“H”となってタイマ回路20がクロックのカウントを開始し、受信入力電界が0dBμを回復せず、図9(d)に示すように、タイマ回路20が予め設定されているT秒をカウントすると、同タイマ回路20の出力信号dが“H”となり、図9(e)に示すように、送信部14の出力信号eがオフ状態となる。これにより、回線は切り離されて強制的に終話され、他の移動局が、このサービスエリアの無線基地局と通信を行う。
【0008】
特許文献3に記載された携帯通信端末(同文献では「移動無線装置」)は、図10に示すように、主アンテナ21と、従受信アンテナ22a,22b,22c,22dと、無線部23と、CPU(中央処理装置)24と、入力装置25と、ROM(Read Only Memory、リードオンリメモリ)26、RAM(Randam Access Memory、ランダムアクセスメモリ)27と、不揮発メモリ28と、表示装置29とから構成されている。
【0009】
この携帯通信端末では、待受け状態の場合、入力装置25のキーボードから使用者が必要とする機能を設定又は解除させる選択を行う機能を呼び出すために、使用者がFキー25a及び番号キー25cを押すことにより、ROM26内の通話基地局方向表示選択プログラム(P1 )がCPU24で実行され、表示装置29に、通話基地局方向表示機能を選択する機能、及び選択されている状態が表示される。使用者は、必要とする通話基地局方向検出機能の複数の測定値の平均値を得るための測定時間間隔値Tを、たとえば100msec単位の数値で入力装置25のキーボードから入力すると、その数値が不揮発メモリ28内の通話基地局方向表示状態の記憶領域に格納される。
【0010】
次に、CPU24が通話状態の場合、ROM26内の通話基地局方向検出タイマープログラム(P2 )がCPU24で実行され、無線基地局から受信した通話信号の受信電界値が従受信アンテナ22a,22b,22c,22d毎に予め設定された一定間隔時間t(たとえば、10msec)毎に検出及び計測され、不揮発メモリ28内の複数の従受信アンテナ受信電界値の記憶領域に加算格納される。次に、CPU24が通話状態の場合、ROM26内の通話基地局方向検出表示プログラム(P3 )がCPU24で実行され、不揮発メモリ28内の記憶領域に格納された数値Tを測定時間間隔値として一定間隔時間t毎に検出及び計測され、不揮発メモリ28内の記憶領域に格納された数値Ra,Rb,Rc,Rdが読み出され、それぞれの数値が「測定時間間隔値T/計測周期t」の値Vで除され、従受信アンテナ22a,22b,22c,22d別の平均値Va,Vb,Vc,Vdが得られる。この後、各平均値Va,Vb,Vc,Vdのうちの最大値が選択され、この最大値に対応する従受信アンテナに該当する表示が表示装置29で行われる。そして、使用者は、この表示装置29を見ることにより、通話が不可能になるか否かを判断することができ、その後の行動(どの方向へ移動するか、あるいは携帯通信端末をどちらの方向に向けるか)を瞬時に決定することができる。
【0011】
特許文献4に記載された携帯通信端末(同文献では「方位表示装置」)は、地磁気センサ31と、可変抵抗器32と、A/D変換器33と、演算回路34と、入力部35と、GPS受信機36aと、アンテナ36bと、演算回路37,38と、表示部39とから構成されている。
この携帯通信端末では、GPS受信機36aで現在の二次元位置情報が得られる。又、使用者が方位を知りたい無線基地局の二次元位置情報が入力部35から入力される。又、地磁気センサ31で磁北が検出され、この磁北が可変抵抗器32の設定により真北に補正される。この補正された値と、GPS受信機36a及び入力部35からの二次元位置情報とに基づいて、演算回路34,37,38によって、知りたい無線基地局の方位が演算される。この演算によって求められた方位が、表示部39の指針の向きとして表示される。
【特許文献1】特開平1−279637号公報(第2頁、図1)
【特許文献2】特開昭57−199345号公報(第2頁、図2)
【特許文献3】特開平10−191452号公報(要約書、図1)
【特許文献4】特開平9−266404号公報(要約書、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記従来の携帯通信端末では、次のような問題点があった。
すなわち、特許文献1に記載された携帯通信端末では、受信電界レベルの高低に応じて発光素子の点滅周期が変化する構成となっているので、使用者は、現在の通信状況を認識することはできても、通信状況を改善するための情報が得られないという問題点がある。
【0013】
特許文献2に記載された携帯通信端末では、受信電界の基準レベルが設けられ、受信電界が同基準レベル以下になった場合に警報音が発生する構成となっているので、使用者は、通信状況の悪化を認識することはできても、悪化している通信状況を改善するための情報が得られないという問題点がある。
【0014】
特許文献3に記載された携帯通信端末では、通話基地局方向を調べるための複数の従受信アンテナが必要となり、携帯通信端末が複雑で大型になってしまうという問題点がある。また、従受信アンテナ22a,22b,22c,22dの指向性が不明であるため、正確な通話基地局の方向が得られず、方向も4方向のうちの1方向しか選択できないという問題点がある。また、この発明とは、構成が異なっている。
【0015】
特許文献4に記載された携帯通信端末では、使用者が任意に指定する知りたい無線基地局の方向が表示され、同無線基地局と携帯通信端末との通信の有無には無関係である。また、使用者が知りたい無線基地局の二次元位置情報を入力部から入力する必要があり、入力する使用者は、同無線基地局の二次元位置情報を予め認知しておく必要がある。従って、この発明とは、主旨及び構成が異なる。
【0016】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、通信中の無線基地局の方向を使用者に正確に知らせることにより、劣化している通信状態を改善するための情報の一つを比較的簡単な構成で提供する携帯通信端末を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、無線基地局の受け持ちのセル内で該無線基地局と無線信号を送受信して無線通信を行う携帯通信端末に係り、磁北に対する当該携帯通信端末の現在の方向を基準として、現在通信中の前記無線基地局の方向を検出して表示する基地局方向検出表示手段が設けられていることを特徴としている。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の携帯通信端末に係り、前記無線基地局は、当該該無線基地局の少なくとも緯度及び経度を含む基地局位置情報を保有する構成とされ、前記基地局方向検出表示手段は、当該携帯通信端末の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して端末位置情報を生成する測位手段と、現在通信中の前記無線基地局から送信される前記基地局位置情報を検出する基地局位置情報検出手段と、磁北に対する当該携帯通信端末の現在方向を測定して現在方向情報を生成する現在方向情報測定手段と、前記端末位置情報及び基地局位置情報に基づいて、磁北に対する前記現在位置からの前記無線基地局の方向を算出し、該無線基地局の方向及び当該携帯通信端末の前記現在方向情報に基づいて、磁北に対する当該携帯通信端末の方向を基準とする現在通信中の前記無線基地局の方向を算出して基地局方向情報を生成する基地局方向演算手段と、該基地局方向演算手段で生成された基地局方向情報に基づいて前記無線基地局の方向を表示する表示手段とを備えてなることを特徴としている。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の携帯通信端末に係り、前記測位手段は、GPS(Global Positioning System )装置で構成されていることを特徴としている。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の携帯通信端末に係り、前記GPS装置は、宇宙空間に位置する3機以上の衛星から発射された各信号電波を受波して前記各信号電波の伝搬速度及び伝搬時間に基づいて前記各衛星と前記携帯通信端末との間の距離を計測することにより、少なくとも緯度及び経度を含む前記携帯通信端末の現在位置を測定し、前記端末位置情報を生成する構成とされていることを特徴としている。
【0021】
請求項5記載の発明は、通信状況表示方法に係り、無線基地局の受け持ちのセル内で該無線基地局と無線信号を送受信して無線通信を行う携帯通信端末に用いられ、磁北に対する当該携帯通信端末の現在の方向を基準として、現在通信中の前記無線基地局の方向を検出して表示することを特徴としている。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の通信状況表示方法に係り、当該携帯通信端末の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して端末位置情報を生成する端末位置情報生成処理と、現在通信中の前記無線基地局から送信される該無線基地局の少なくとも緯度及び経度を含む基地局位置情報を検出する基地局位置情報検出処理と、磁北に対する当該携帯通信端末の現在方向を測定して現在方向情報を生成する現在方向情報測定処理と、前記端末位置情報及び基地局位置情報に基づいて、磁北に対する前記現在位置からの前記無線基地局の方向を算出し、該無線基地局の方向及び当該携帯通信端末の前記現在方向情報に基づいて、磁北に対する当該携帯通信端末の方向を基準とする現在通信中の前記無線基地局の方向を算出する基地局方向演算処理と、該基地局方向演算処理で算出された前記無線基地局の方向を表示する表示処理とを行うことを特徴としている。
【0023】
請求項7記載の発明は、通信状況表示制御プログラムに係り、コンピュータに請求項1乃至4のうちのいずれか一に記載の携帯通信端末を制御させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0024】
この発明の構成によれば、磁北に対する当該携帯通信端末の現在の方向を基準として、現在通信中の無線基地局の方向を検出して表示する基地局方向検出表示手段が設けられているので、使用者は、現在通信している無線基地局の方向を知ることができ、良好な通話を行うための情報の一つとすることができる。
また、基地局方向演算手段により、端末位置情報及び基地局位置情報に基づいて、磁北に対する携帯通信端末の現在位置からの無線基地局の方向が算出され、また、同無線基地局の方向及び同携帯通信端末の現在方向に基づいて、磁北に対する同携帯通信端末の方向を基準とする現在通信中の無線基地局の方向が算出されるので、表示手段に基地局方向が表示される。このため、使用者は、現在通信している無線基地局の方向を知ることができ、劣化した通信状態を改善して良好な通話を行うための情報の一つとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
磁北に対する当該携帯通信端末の方向を基準とする現在通信中の無線基地局の方向を算出し、表示手段に表示する携帯通信端末を提供する。
【実施例】
【0026】
図1は、この発明の実施例である携帯通信端末の要部の電気的構成を示すブロック図である。
この例の携帯通信端末40は、同図に示すように、GPSアンテナ41と、通話用アンテナ42と、キー入力部43と、GPS無線部44と、制御部45と、無線部46と、端末方向測定部47と、基地局方向演算部48と、表示制御部49と、表示部50とから構成されている。GPSアンテナ41は、宇宙空間に位置する3機以上の図示しない衛星から発射された各信号電波WA,WB,WCを受信する。通話用アンテナ42は、図示しない無線基地局の受け持ちのセル内で同無線基地局と無線信号を送受信する。この通話用アンテナ42は、無指向性であることが理想的であるが、現実には個々に特有の指向性をもち、使用者が所持することによっても指向性をもつ。なお、GPSアンテナ41及び通話用アンテナ42は、アンテナの特性に問題なければ、1つのアンテナを共用してもよい。
【0027】
キー入力部43は、使用者が通信を行う際に操作され、通信を行うことを示す操作信号mを制御部45へ送出する。GPS無線部44は、GPSアンテナ41により受信されたGPS信号nを処理し、携帯通信端末40の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して端末位置情報pを生成する。無線部46は、無線基地局との間で通話用アンテナ42を介して送受信される無線信号を処理する。無線基地局は、当該該無線基地局の少なくとも緯度及び経度を含む基地局位置情報を保有している。無線部46で受信される無線信号は、たとえば、ディジタル信号に変換された利用者の音声信号などに、現在通信中の無線基地局の基地局位置情報、通話を制御するための制御信号などのデータを付加して得られる送信データに所定の変調を施すことにより得られる信号である。特に、この実施例では、無線部46は、受信した無線信号に所定の復調処理を施し、得られる受信データから無線基地局の基地局位置情報uを検出すると共に、同受信データから制御信号yを検出して制御部45に送出する。
【0028】
制御部45は、携帯通信端末40全体を制御するCPU(中央処理装置)45a及び同CPU45aを動作させるための通信状況表示制御プログラムが記録されたROM(リード・オンリ・メモリ)45bを有している。特に、この実施例では、制御部45は、キー入力部43から操作信号m、及び無線部46から通話信号が着信したことを示す制御信号yを受け、GPS無線部44、無線部46及び端末方向測定部47に、それぞれ必要な動作を開始させる制御信号w,z,xを出力する。
【0029】
端末方向測定部47は、たとえば、地磁気の磁北を示す方位信号を出力するジャイロコンパスや磁気コンパスなどで構成され、この磁北に対する携帯通信端末40の現在方向を測定して現在方向情報qを生成する。基地局方向演算部48は、端末位置情報p及び基地局位置情報uに基づいて、磁北に対する携帯通信端末40の現在位置からの無線基地局の方向を算出し、同無線基地局の方向及び同携帯通信端末40の現在方向情報qに基づいて、磁北に対する同携帯通信端末40の方向を基準とする現在通信中の無線基地局の方向を算出して基地局方向情報vを生成する。表示制御部49は、表示部50における表示を制御し、特に、この実施例では、基地局方向情報vに対応して制御する。表示部50は、たとえば、白黒又はカラーの液晶パネルなどで構成され、基地局方向情報vに基づいて、無線基地局の方向を表示する。
【0030】
図2(a),(b)は、図1中のGPS無線部44の原理を説明する図である。
同図2(a)に示すように、衛星A,B,Cから地球上に向けて信号電波WA,WB,WCがそれぞれ発射されている。これらの信号電波WA,WB,WCが携帯通信端末40内のGPS無線部44で受信され、それぞれの信号電波WA,WB,WCの遅れ時間が計測されることにより、衛星A,B,CからGPS無線部44までの距離が求められる。いま、衛星AからGPS無線部44までの距離rAがわかれば、同GPS無線部44の現在位置は半径rAの円周a上のどこかにあることになる。
【0031】
同様に、衛星Bから発射された信号電波WBによって半径rBの円周bが得られる。GPS無線部44の現在位置は、図2(b)に示すように、円周aと円周bとが重なる点P又は点Qになる。更に、衛星CからGPS無線部44までの距離rCによる円周cの交差を加えると、3つの円周上の3つ重なる点Pが同GPS無線部44の現在位置となる。このようにして3つの衛星A,B,CからGPS無線部44までの距離を精密に計測することによって地球上の点Pが測位される。また、4つ以上の衛星から発射された信号電波があれば、GPS無線部44の高度も含む3次元の測位が行われる。
【0032】
図3は、図1の携帯通信端末40の動作を説明するフローチャート、図4は、携帯通信端末40の現在方向を測定する方法を示す模式図、図5は、無線基地局の方向を算出する方法を示す模式図、及び図6が、図1中の表示部50に現在通信中の無線基地局の方向が表示された状態を示す図である。
これらの図を参照して、この例の携帯通信端末に用いられる通信状況表示方法の処理内容について説明する。
この携帯通信端末40では、磁北に対する同携帯通信端末40の現在の方向を基準として、現在通信中の無線基地局の方向が検出されて表示される。すなわち、図3に示すように、携帯通信端末40が着信を受けたり(ステップA1)、キー入力部43で、着信履歴参照、リダイヤル呼出し、電話帳参照、番号の入力などの発信の予備動作が行われたりしたことを示す操作信号mが制御部45に与えられると(ステップA2)、端末方向測定部47で、磁北に対する携帯通信端末40の現在方向が測定される(ステップA3、現在方向情報測定処理)。この場合、たとえば図4に示すように、使用者が磁北方向DNに対して東方向に−30度(つまり、西方向に+30度)を向いて表示部50を閲覧していたとすると、現在使用中の携帯通信端末40の方向DAは−30度となる。
【0033】
また、GPSアンテナ41からのGPS信号nがGPS無線部44で処理され、現在の携帯通信端末40の少なくとも緯度及び経度を含む端末位置情報pが求められる(ステップA4、端末位置情報生成処理)。また、通話用アンテナ42からの無線信号が無線部46で処理され、現在通信中の無線基地局の少なくとも緯度及び経度を含む基地局位置情報uが検出される(ステップA5、基地局位置情報検出処理)。次に、基地局方向演算部48により、端末位置情報p及び基地局位置情報uに基づいて、磁北に対する携帯通信端末40の現在位置からの無線基地局の方向が算出され、また、同無線基地局の方向及び同携帯通信端末40の現在方向に基づいて、磁北に対する同携帯通信端末40の方向を基準とする現在通信中の無線基地局の方向が算出される(ステップA6、基地局方向演算処理)。
【0034】
この場合、たとえば図5に示すように、使用者二次元位置Fを、北緯38度、東経138.0度とし、また、無線基地局の二次元位置Eを、北緯38度、東経138.1度とする。基地局方向演算部38では、これらの情報を元に、現在使用中の携帯通信端末40のモニタ閲覧体勢に対する無線基地局の方向が計算される。たとえば、使用者二次元位置Fに対する基地局二次元位置Eは真東であるから、磁北方向DNに対して東方向、すなわち、磁北に対する基地局方向DBである+90度に無線基地局があることになる。
【0035】
現在、使用者が磁北方向DNに対して東方向に−30度(つまり、西方向に+30度)を向いて表示部50を閲覧しているとすると、携帯通信端末40の表示部50上方向(すなわち、使用者の前方向)を上(+0度)とした場合の無線基地局の方向は、磁北に対する基地局方向DB(+90度)から使用中の携帯通信端末40の方向DA(−30度)を引いた値である+120度となり、図6に示すように、基地局方向表示部51に基地局方向DMが表示されると共に、メッセージ「現在通信中の基地局はこちらです。」が表示される(ステップA7、表示処理)。図6では、携帯通信端末40で使用者のほうから通話を行う際に電話帳機能を使用しているときの表示部50の表示画面が示されている。この場合、送信先リストの中から「田中」という送信先が選択され、使用者は基地局方向DMを見ることにより、現在通信中の無線基地局の方向を認識する。
【0036】
以上のように、この実施例では、基地局方向演算部48により、端末位置情報p及び基地局位置情報uに基づいて、磁北に対する携帯通信端末40の現在位置からの無線基地局の方向が算出され、また、同無線基地局の方向及び同携帯通信端末40の現在方向に基づいて、磁北に対する同携帯通信端末40の方向を基準とする現在通信中の無線基地局の方向が算出されるので、基地局方向表示部51に基地局方向DMが表示される。このため、使用者は、現在通信している無線基地局の方向を知ることができ、良好な通話を行うための情報の一つとすることができる。
【0037】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成は同実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。
たとえば、上記実施例では、測位手段としてGPSが用いられているが、たとえば、ヨーロッパで計画されている「Galileo」や、日本で計画されている「準天頂衛星」が実用化されたとき、これらを用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明は、近い将来、携帯電話機などの携帯通信端末に発信者の位置情報の通知機能を設けることが義務付けられたとき、容易に対応できる。また、この発明は、携帯電話機の他、たとえば航空機電話や船舶電話などの無線基地局を介した移動体通信全般に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の実施例である携帯通信端末の要部の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1中のGPS無線部44の原理を説明する図である。
【図3】図1の携帯通信端末40の動作を説明するフローチャートである。
【図4】携帯通信端末40の現在方向を測定する方法を示す模式図である。
【図5】無線基地局の方向を算出する方法を示す模式図である。
【図6】図1中の表示部50に現在通信中の無線基地局の方向が表示された状態を示す図である。
【図7】特許文献1に記載された携帯通信端末の要部の構成図である。
【図8】特許文献2に記載された携帯通信端末の要部の構成図である。
【図9】図8の動作説明図である。
【図10】特許文献3に記載された携帯通信端末の要部の構成図である。
【図11】特許文献4に記載された携帯通信端末の要部の構成図である。
【符号の説明】
【0040】
40 携帯通信端末
41 GPSアンテナ(基地局方向検出表示手段の一部、測位手段の一部、GPS装置の一部)
42 通話用アンテナ(基地局方向検出表示手段の一部、基地局位置情報検出手段の一部)
43 キー入力部
44 GPS無線部(基地局方向検出表示手段の一部、測位手段の一部、GPS装置の一部)
45 制御部(基地局方向検出表示手段の一部、)
46 無線部(基地局方向検出表示手段の一部、基地局位置情報検出手段の一部)
47 端末方向測定部(基地局方向検出表示手段の一部、現在方向情報測定手段)
48 基地局方向演算部(基地局方向検出表示手段の一部、基地局方向演算手段)
49 表示制御部(基地局方向検出表示手段の一部、表示手段の一部)
50 表示部(基地局方向検出表示手段の一部、表示手段の一部)
A,B,C 衛星
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線基地局の受け持ちのセル内で該無線基地局と無線信号を送受信して無線通信を行う携帯通信端末であって、
磁北に対する当該携帯通信端末の現在の方向を基準として、現在通信中の前記無線基地局の方向を検出して表示する基地局方向検出表示手段が設けられていることを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
前記無線基地局は、
当該該無線基地局の少なくとも緯度及び経度を含む基地局位置情報を保有する構成とされ、
前記基地局方向検出表示手段は、
当該携帯通信端末の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して端末位置情報を生成する測位手段と、
現在通信中の前記無線基地局から送信される前記基地局位置情報を検出する基地局位置情報検出手段と、
磁北に対する当該携帯通信端末の現在方向を測定して現在方向情報を生成する現在方向情報測定手段と、
前記端末位置情報及び基地局位置情報に基づいて、磁北に対する前記現在位置からの前記無線基地局の方向を算出し、該無線基地局の方向及び当該携帯通信端末の前記現在方向情報に基づいて、磁北に対する当該携帯通信端末の方向を基準とする現在通信中の前記無線基地局の方向を算出して基地局方向情報を生成する基地局方向演算手段と、
該基地局方向演算手段で生成された基地局方向情報に基づいて前記無線基地局の方向を表示する表示手段とを備えてなることを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項3】
前記測位手段は、
GPS(Global Positioning System )装置で構成されていることを特徴とすることを特徴とする請求項2記載の携帯通信端末。
【請求項4】
前記GPS装置は、
宇宙空間に位置する3機以上の衛星から発射された各信号電波を受波して前記各信号電波の伝搬速度及び伝搬時間に基づいて前記各衛星と前記携帯通信端末との間の距離を計測することにより、少なくとも緯度及び経度を含む前記携帯通信端末の現在位置を測定し、前記端末位置情報を生成する構成とされていることを特徴とする請求項3記載の携帯通信端末。
【請求項5】
無線基地局の受け持ちのセル内で該無線基地局と無線信号を送受信して無線通信を行う携帯通信端末に用いられ、
磁北に対する当該携帯通信端末の現在の方向を基準として、現在通信中の前記無線基地局の方向を検出して表示することを特徴とする通信状況表示方法。
【請求項6】
当該携帯通信端末の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して端末位置情報を生成する端末位置情報生成処理と、
現在通信中の前記無線基地局から送信される該無線基地局の少なくとも緯度及び経度を含む基地局位置情報を検出する基地局位置情報検出処理と、
磁北に対する当該携帯通信端末の現在方向を測定して現在方向情報を生成する現在方向情報測定処理と、
前記端末位置情報及び基地局位置情報に基づいて、磁北に対する前記現在位置からの前記無線基地局の方向を算出し、該無線基地局の方向及び当該携帯通信端末の前記現在方向情報に基づいて、磁北に対する当該携帯通信端末の方向を基準とする現在通信中の前記無線基地局の方向を算出する基地局方向演算処理と、
該基地局方向演算処理で算出された前記無線基地局の方向を表示する表示処理とを行うことを特徴とする請求項5記載の通信状況表示方法。
【請求項7】
コンピュータに請求項1乃至4のうちのいずれか一に記載の携帯通信端末を制御させるための通信状況表示制御プログラム。
【請求項1】
無線基地局の受け持ちのセル内で該無線基地局と無線信号を送受信して無線通信を行う携帯通信端末であって、
磁北に対する当該携帯通信端末の現在の方向を基準として、現在通信中の前記無線基地局の方向を検出して表示する基地局方向検出表示手段が設けられていることを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
前記無線基地局は、
当該該無線基地局の少なくとも緯度及び経度を含む基地局位置情報を保有する構成とされ、
前記基地局方向検出表示手段は、
当該携帯通信端末の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して端末位置情報を生成する測位手段と、
現在通信中の前記無線基地局から送信される前記基地局位置情報を検出する基地局位置情報検出手段と、
磁北に対する当該携帯通信端末の現在方向を測定して現在方向情報を生成する現在方向情報測定手段と、
前記端末位置情報及び基地局位置情報に基づいて、磁北に対する前記現在位置からの前記無線基地局の方向を算出し、該無線基地局の方向及び当該携帯通信端末の前記現在方向情報に基づいて、磁北に対する当該携帯通信端末の方向を基準とする現在通信中の前記無線基地局の方向を算出して基地局方向情報を生成する基地局方向演算手段と、
該基地局方向演算手段で生成された基地局方向情報に基づいて前記無線基地局の方向を表示する表示手段とを備えてなることを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項3】
前記測位手段は、
GPS(Global Positioning System )装置で構成されていることを特徴とすることを特徴とする請求項2記載の携帯通信端末。
【請求項4】
前記GPS装置は、
宇宙空間に位置する3機以上の衛星から発射された各信号電波を受波して前記各信号電波の伝搬速度及び伝搬時間に基づいて前記各衛星と前記携帯通信端末との間の距離を計測することにより、少なくとも緯度及び経度を含む前記携帯通信端末の現在位置を測定し、前記端末位置情報を生成する構成とされていることを特徴とする請求項3記載の携帯通信端末。
【請求項5】
無線基地局の受け持ちのセル内で該無線基地局と無線信号を送受信して無線通信を行う携帯通信端末に用いられ、
磁北に対する当該携帯通信端末の現在の方向を基準として、現在通信中の前記無線基地局の方向を検出して表示することを特徴とする通信状況表示方法。
【請求項6】
当該携帯通信端末の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して端末位置情報を生成する端末位置情報生成処理と、
現在通信中の前記無線基地局から送信される該無線基地局の少なくとも緯度及び経度を含む基地局位置情報を検出する基地局位置情報検出処理と、
磁北に対する当該携帯通信端末の現在方向を測定して現在方向情報を生成する現在方向情報測定処理と、
前記端末位置情報及び基地局位置情報に基づいて、磁北に対する前記現在位置からの前記無線基地局の方向を算出し、該無線基地局の方向及び当該携帯通信端末の前記現在方向情報に基づいて、磁北に対する当該携帯通信端末の方向を基準とする現在通信中の前記無線基地局の方向を算出する基地局方向演算処理と、
該基地局方向演算処理で算出された前記無線基地局の方向を表示する表示処理とを行うことを特徴とする請求項5記載の通信状況表示方法。
【請求項7】
コンピュータに請求項1乃至4のうちのいずれか一に記載の携帯通信端末を制御させるための通信状況表示制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−109216(P2006−109216A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−294821(P2004−294821)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】
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