説明

携帯通信端末

【課題】 携帯通信端末を使用して遊びや協働作業を行なっている最中に、携帯通信端末の通信機能を使用して割り込みが入った場合、行っている遊びや協働作業に不都合を及ぼさないような携帯通信システムを構築できる携帯通信端末を提供する。
【解決手段】 携帯端末は、サーバ装置と前記サーバ装置と通信する複数の携帯端末からなるシステムにおいて、多人数参加型アプリケーションを実行中に、自システム外の機器から所定の通信を受けた場合に、他の携帯端末に前記所定の通信を受けたことを示す情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信端末の利用技術に関し、特に、携帯通信端末を使用した遊びや協働作業中の利便性を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末は通信機能を持ち、他の端末との音声通信や、インターネット上のサーバとのパケット通信などを行なっている。
このような通信機能を持つ携帯端末(以下、「携帯通信端末」という。)を、その携帯通信端末が持つ本来の用途以外の用途に利用する技術が提案されている。
例えば、携帯電話機を、ゲーム機のコントローラとして使用する(特許文献1参照)技術である。
【0003】
また、このような携帯通信端末の一部は、上記パケット通信などの遠距離通信方式による通信機能のみならず、赤外線通信やBluetoothなどの近距離通信方式による通信機能を併せ持つようになってきている。
この近距離通信方式による通信機能を利用して、携帯通信端末同士での電話帳情報等のデータ交換や、家電機器に対する制御コマンドの発信、すなわち、携帯通信端末を家電機器のいわゆるリモコンとして使用することなどが可能となっている。
【0004】
従って、携帯通信端末はその遠距離および近距離の通信機能を利用して複数の機能を持ち、その通信機能を利用した様々な形態での使用がなされることが予想される。
近距離通信方式においては、UWB(Ultra Wide Band)などの高速な通信方式の登場により、ますます近距離通信機能を利用した使用形態が多様化し、例えば、多人数参加型アプリケーションを実行するような、複数のユーザが、各自の携帯通信端末の近距離通信機能を使用して遊びや協働作業する使用形態が考えられる。
【特許文献1】特開2001−38057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、複数ユーザが、各自の携帯通信端末を使用して、一緒にゲームで遊んでいたり、協働作業を行なっている場合、携帯通信端末が複数の通信機能を併せ持っていることによる不都合も生じ得る。この不都合とは、通信機能を使用して遊びや協働作業を行なっているときに、他の通信による割り込みが入ることによって、現在行なっている遊びや協働作業に影響がでる場合があることである。
【0006】
そこで、本発明は、携帯通信端末を使用して遊びや協働作業を行なっている最中に、携帯通信端末の通信機能を使用して割り込みが入った場合、行っている遊びや協働作業に不都合を及ぼさないような携帯通信システムを構築できる携帯通信端末の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する為に、本発明の携帯通信端末は、サーバ装置と前記サーバ装置と通信する複数の携帯端末からなるシステムにおいて、多人数参加型アプリケーションを実行する携帯端末であって、前記アプリケーション実行中に、自システム外の機器から所定の通信を受けた場合に、他の携帯端末に前記所定の通信を受けたことを示す情報を送信する送信手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る携帯通信端末は、上述の構成を備えることにより、複数の携帯通信端末が協働で作業している最中に、1つの携帯通信端末に通信が入った場合、その旨を遊びや協働作業中の他の携帯通信端末に通知することが可能になるので、通知を受けた他の携帯通信端末は、実行している協働作業等の継続に支障があるような外部との通信が必要となった携帯通信端末が存在することを知ることができ、最適な中断処理やリカバリー処理等を実施することができるようになる。
【0009】
従って、1つの携帯通信端末が、入ってきた通信に応答することで遊びや協働作業が中断したとしても、遊びや協働作業に影響を及ぼすことを防ぐことができる。
後述する実施形態においては、携帯通信端末のブロック図の通信割込処理部が、外部から1つの携帯通信端末に通信が入った旨を、近距離通信制御部を介して、他の携帯通信端末に通知する。アプリケーション実行中に、自システム外の機器から所定の通信を受けた場合に、他の携帯端末に前記所定の通信を受けたことを示す情報を送信する送信手段は、図3のクライアント・サービス処理部1200、通信割込処理部1500及び近距離通信制御部1600により実現される。
【0010】
また、前記携帯端末は、更に、前記アプリケーションを実行する実行手段と、前記他の携帯端末から、前記実行手段が行なっている前記実行を中断する許可または拒否を示す情報を受信する受信手段を備え、前記実行手段は、前記受信手段により中断の許可を示す情報を受信した場合には、前記実行を中断し、前記受信手段により中断の拒否を示す情報を受信した場合には、前記実行を継続することとしてもよい。
【0011】
これにより、協働でアプリケーションを実行している他の携帯通信端末の許可を得てから、そのアプリケーションを中断することができるので、他の携帯通信端末が最適な中断処理やリカバリー処理等を確実に実施した後で、そのアプリケーションを中断することができるようになる。
後述する実施形態においては、携帯通信端末のブロック図のゲームアプリケーション実行部が、アプリケーションを実行し、通信割込処理部が近距離通信制御部を介して、アプリケーションの実行を許可等する情報を受信する。アプリケーションを実行する実行手段は、図3のゲームアプリケーション実行部1800、ユーザインターフェース部1100、クライアント・サービス処理部1200及び近距離通信制御部1600により実現される。また、他の携帯端末から、前記実行手段が行なっている前記実行を中断する許可または拒否を示す情報を受信する受信手段は、図3の通信割込処理部1500及び近距離通信制御部1600により実現される。
【0012】
また、前記携帯端末は、更に、前記所定の通信に対応する処理を行なう応答手段を備え、前記所定の通信は、音声通信に係る着信であり、前記応答手段は、前記実行手段が前記実行を中断した後に、前記着信に対し音声通信に係る応答をすることとしてもよい。
これにより、協働で作業している最中に電話がかかって来た場合に、電話に出る前に、遊びや協働作業をしている他の携帯通信端末にその旨が通知されるので、他の携帯通信端末は、最適な中断処理やリカバリー処理等を実施することができるようになる。
【0013】
後述する実施形態においては、携帯通信端末のブロック図の通話アプリケーション実行部が、遠距離通信制御部を介して、着信に応答する。所定の通信に対応する処理を行なう応答手段は、図3の通話アプリケーション実行部1700及び遠距離通信制御部1400により実現される。
また、前記送信手段は、前記所定の通信を受けたことを示す情報を、前記サーバ装置に送信することとしてもよい。
【0014】
さらに、本発明に係るサーバ装置は、サーバ装置と前記サーバ装置と通信する複数の携帯端末からなるシステムにおいて、多人数参加型アプリケーションの統合処理を実行するサーバ装置であって、前記アプリケーションを実行している前記携帯端末を識別する情報を記憶する記憶手段と、前記携帯端末から、所定の通信を受けたことを示す情報を受信した場合に、前記記憶手段に記憶されている情報に基づき、前記携帯端末を除く他の携帯端末に前記所定の通信を受けたことを示す情報を送信する送信手段とを備えることを特徴とする
また、前記サーバ装置は、更に、前記携帯端末から受信した前記所定の通信を受けたことを示す情報と実行しているアプリケーションに関する情報とに基づき、前記アプリケーションを中断するか否かを判断する判断手段を備え、前記判断手段により前記アプリケーションを中断すると判断された場合に、前記送信手段により前記他の携帯端末に前記所定の通信を受けたことを示す情報を送信することとしてもよい。
【0015】
これにより、協働でアプリケーションを実行している最中に割込みがあった場合に、その行っている遊びや協働作業に不都合を及ぼさないような携帯通信システムを構築することが容易になる。
アプリケーションを実行している前記携帯端末を識別する情報を記憶する記憶手段は、図3のクライアント情報記憶部2400により実現される。前記携帯端末から、所定の通信を受けたことを示す情報を受信した場合に、前記記憶手段に記憶されている情報に基づき、前記携帯端末を除く他の携帯端末に前記所定の通信を受けたことを示す情報を送信する送信手段は、図3のサーバ・サービス処理部2200、通信割込処理部2500及び近距離通信制御部2600により実現される。また、前記携帯端末から受信した前記所定の通信を受けたことを示す情報と実行しているアプリケーションに関する情報とに基づき、前記アプリケーションを中断するか否かを判断する判断手段は、図3のサーバ・サービス処理部2200により実現される。
【0016】
また、前記携帯端末は、更に、前記他の携帯端末と前記サーバ装置を介さずに直接通信を行なう直接通信手段を備え、前記送信手段は、前記直接通信手段によって前記所定の通信を受けたことを示す情報を送信することとしてもよい。
これにより、協働でアプリケーションを実行している携帯通信端末同士が直接通信することができるので、即座に、最適な中断処理やリカバリー処理等を実施する指示を送ることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<概要>
複数の携帯通信端末がサーバ装置と共に遊びや協働作業を行なっている最中に、外から通信の割り込みが入ってきた場合に、本発明に係る携帯通信端末は、作業を共にしている他の携帯通信端末にその旨を通知し、その通知に対する応答に基づいて、外からの割込みに対する処理を行なうものである。
【0018】
本実施形態では、ゲーム中に、外から音声通話に係る着信があった場合に、他の携帯通信端末の許可を得てから通話する場合を説明する。
以下、本発明の実施形態に係る携帯通信端末を用いたシステムの概要について、図1および図2を用いて説明する。
図1は、本発明にかかる携帯通信端末を用いてゲームを行なっているシステムの例を表す図である。
【0019】
本システムは、複数の携帯通信端末(1000、1010、1020)と、サーバ装置2000とで構成され、各携帯通信端末と、サーバ装置2000とは互いにデータを送受信している。
サーバ装置2000は、行なっているゲームのほとんどを把握する機能を有しており、各携帯通信端末(1000、1010、1020)は、ゲーム内容のうち、それぞれの担当するパートを把握する機能を有している。
【0020】
また、携帯通信端末(1000、1010、1020)において、それぞれの担当するパートに関するデータが更新等された場合は、サーバ装置2000の全体のゲーム内容を表すデータに即時に反映される。サーバ装置2000は、各携帯通信端末から送信されたデータを基に、全体を調整しながら全体のゲーム内容を表すデータを更新等し、さらに、この調整された結果を各端末に送信し、ゲームを進めていく。
【0021】
ここで、ゲームは、レーシングゲームであるとする。
サーバ装置2000は、ディスプレイ2010を備え、このディスプレイには、ゲームの全体、すなわちサーキット全体および各レーシングカーの位置を表示している。
また、各携帯通信端末(1000、1010、1020)は、それぞれディスプレイを備え、それぞれのレーシングカーを表示している。
【0022】
各携帯通信端末(1000、1010、1020)において、ユーザは自分のレーシングカーを操作し、操作結果であるコース上の位置等は、サーバ装置2000のディスプレイに反映される。
この携帯通信端末(1000、1010、1020)は、いわゆる電話としての機能を有し、外部の端末との音声通話を行うことができるものとする。
【0023】
図2は、ゲームを行なっている携帯通信端末に、外部から通信の割り込みがあった例を表す図である。
携帯通信端末1000に、外部の通信機器3000から基地局4000を介して、着信があった場合を表している。
携帯通信端末1000と外部の通信機器3000とが通話している間、サーバ装置2000と他の携帯通信端末(1010、1020)のディスプレイには「Please wait!」の文字が表示され、ゲームが中断されている。
【0024】
このように携帯通信端末のデータ更新が他の携帯通信端末のデータに影響を与えるような遊びや協働作業を行なっている場合は、1つの携帯通信端末がデータの更新を中断すると、他の端末に影響を与えることとなるため、1つの携帯通信端末が遊びや協働作業を中断する場合は、全部の端末が作業を中断する必要がある。
本発明に係る携帯通信端末を使用したシステムは、このような遊びや協働作業を行なっていて、途中で作業を中断しなければならなくなった場合に、いきなり作業を中断するのではなく、中断前に、それぞれの端末が行なっている作業に応じて処理を行なう機会を与え、中断後の作業の再開をスムーズに行なえるようにするものである。
【0025】
<構成>
図3は、携帯通信端末1000、他の携帯通信端末1010およびサーバ装置2000の構成を示す機能ブロック図である。
他の携帯通信端末1010は、携帯通信端末1000と同様の機能を持つため、以下に携帯通信端末1000のみ説明する。
【0026】
また、説明の便宜上、他の携帯通信端末は1つのみ記載してある。本来、他の携帯通信端末は、1以上であればよく、その数はゲームの内容に依存する。
本実施形態では、外部の通信機器3000から通信が入る端末を携帯通信端末1000として、また、そのほかの端末を他の携帯通信端末1010として説明する。
携帯通信端末1000は、ユーザインターフェース部1100、クライアント・サービス処理部1200、サスペンド情報記憶部1300、遠距離通信制御部1400、通信割込処理部1500、近距離通信制御部1600、通話アプリケーション実行部1700およびゲームアプリケーション実行部1800から構成される。
【0027】
ユーザインターフェース部1100は、携帯通信端末1000に備えられたディスプレイへの画像表示、キー、ボタン等からのデータ入力等の通常の携帯通信端末が有しているユーザインターフェース機能を有する。
次に、クライアント・サービス処理部1200は、本発明に特有の機能を制御する機能を有する。行なっているゲームが、他の携帯通信端末と協働で行なっているものか否かを判断する機能を有している。
【0028】
更に、クライアント・サービス処理部1200は、作業中断の準備の処理を行なう機能を有する。具体的には、実施しているゲームを中断した場合に、中断した状態から作業を再開できるように、中断時の作業状態をサスペンド情報記憶部1300に記憶させる。また、逆に、サスペンド情報記憶部1300に記憶されている中断時の作業状態を基に、作業を再開できるように環境を整える機能も有する。
【0029】
サスペンド情報記憶部1300は、中断時の作業状態を保存しておく機能を有する。例えば、自分のレーシングカーの位置、画像などの情報を記憶しておく。
この記憶部は、内部メモリ、外部メモリ、キャッシュ等、ゲームを中断している間に記憶している情報が消えないものであればよい。
遠距離通信制御部1400は、遠距離の通信を行なう機能を有する。ここでの遠距離通信とは、基地局4000を介して行なうような通信であるとする。
【0030】
また、通信割込処理部1500は、遠距離通信制御部1400が受信した通信に対する処理を行なうには、自端末および他の携帯通信端末においてゲームの中断が必要であるか否かを判断する機能と、他の携帯通信端末に問い合わせる機能を有する。
例えば、遠距離通信制御部1400が受けた通信が、メールの着信であった場合には、ゲームを中断する必要はないと判断されるなどである。また、受信した通信に対する処理とは、例えば、メールの着信を受けた場合には、その返信をいい、音声通信に係る着信を受けた場合には、その応答をいう。
【0031】
この携帯通信端末1000が他の携帯通信端末1010となる場合には、通信割込処理部1500は、さらに、携帯通信端末からの作業の中断許可の問い合わせに答える機能を有する。
近距離通信制御部1600は、サーバ装置2000との通信を行なう機能を有する。ここでは、Bluetoothによる通信機能であるとする。
【0032】
通話アプリケーション実行部1700は、音声通話、メール作成時の文字入力機能など、通常の携帯通信端末が有している機能を有する。
また、ゲームアプリケーション実行部1800は、通常のゲームを実行制御する機能、すなわち、ユーザ操作をユーザインターフェース部1100から受け取り、近距離通信制御部1600等を介してサーバ装置2000に送ると供に、ディスプレイに反映し、サーバ装置2000から送信されるデータをディスプレイに表示しユーザに示す機能等を有する。
【0033】
次に、サーバ装置2000は、通常のサーバ装置が有している機能の他、ユーザインターフェース部2100、サーバ・サービス処理部2200、サスペンド情報記憶部2300、クライアント情報記憶部2400、通信割込処理部2500、近距離通信制御部2600およびゲームアプリケーション実行部2700から構成される。
ユーザインターフェース部2100は、ディスプレイ2010への画像表示、キー、ボタン等からのデータ入力等の通常のサーバ装置が有しているユーザインターフェース機能を有する。
【0034】
次に、サーバ・サービス処理部2200は、本発明に特有の機能を制御する機能を有する。一部の携帯通信端末がゲームに関する処理を中断した場合に、現在行っているゲーム全体に影響があるか否か、すなわちゲームを行なっている他の携帯通信端末の処理に影響を与えるか否かを判断する機能を有している。
更に、サーバ・サービス処理部2200は、作業中断の準備の処理を行なう機能を有する。
【0035】
サスペンド情報記憶部2300は、実施しているゲームを中断した場合に、中断した状態から作業を再開できるように、中断時の作業状態を保存しておく機能を有する。例えば、全てのレーシングカーの位置、画像などの情報を記憶しておく。
この記憶部は、内部メモリ、外部メモリ、キャッシュ等、ゲームを中断している間に記憶している情報が消えないものであればよい。
【0036】
クライアント情報記憶部2400は、すべてのクライアント、すなわちゲームに参加している携帯通信端末を識別できる情報や、参加している携帯通信端末ごとのゲームに関する情報を記憶しておく機能を有する。
また、通信割込処理部2500は、現在行っているゲームが、一部の携帯通信端末がゲームを中断するためには、他の携帯通信端末の許可を受ける必要があるようなゲームであるか否かを判断する機能と、他の携帯通信端末に問い合わせる機能を有する。
【0037】
近距離通信制御部2600は、携帯通信端末1000および他の携帯通信端末1010との通信を行なう機能を有する。ここでは、Bluetoothによる通信機能であるとする。
ゲームアプリケーション実行部2700は、通常のゲームを制御する機能、すなわち、近距離通信制御部2600等を介して携帯通信端末1000からゲームのデータを受信し、ディスプレイに反映し、他の端末からのデータと調整を行なった後のデータを端末に送り返す等の機能等を有する。
【0038】
サーバ装置2000の各機能および携帯通信端末(1000、1010)の各機能は、それぞれのメモリ又はハードディスク(図示していない。)に格納されているプログラムをCPU(図示していない。)が実行することにより実現される。
<動作>
以下、上述したシステムにおける、携帯通信端末1000、他の携帯通信端末1010およびサーバ#装置2000の動作について図4〜図9を用いて説明する。
【0039】
まず、全体の処理の流れを図4を用いて説明し、その中の一部の処理について図5〜図12を用いて説明する。
図4は、携帯通信端末に外部から通信があった場合の、処理の流れを示す図である。
まず、携帯通信端末1000、他の携帯通信端末1010およびサーバ#装置2000が、遊び、すなわちゲームを行っているものとする(ステップS30)。
【0040】
サーバ装置2000は、他の携帯通信端末1010とデータの送受信を行い(ステップS20)、かつ、携帯通信端末1000ともデータの送受信を行なっている(ステップS40)。ゲームは、各携帯通信端末(1000、1010)のゲームアプリケーション実行部1800とサーバ装置2000のゲームアプリケーション実行部2700とが実行されることにより、進んでいく。
【0041】
携帯通信端末1000と他の携帯通信端末1010とサーバ#装置2000がゲームを行なっている最中に、このゲームの外部、すなわちこのゲームに参加している携帯通信端末以外の外部の通信機器3000から、携帯通信端末1000に対して音声通話に係る発信がなされる(ステップS60)。
この外部の通信機器3000からの発信は、基地局4000を介して送信され、携帯通信端末1000の遠距離通信制御部1400によって受信される。
【0042】
外部からの通信を受け取った遠距離通信制御部1400は、通信があった旨を通信割込処理部1500に通知する。
外部から通信があった旨の通知を受け取った通信割込処理部1500は、この外部からの通信が、他の携帯通信端末1010に対し通知が必要なものであるかを判断する。すなわち、外部からの通信割り込みに応答する為にゲームを中断する旨の通知(以下、「割込通知」という。)を送信する必要があるか否かを判断する(ステップS50)。
【0043】
割込通知を送信する必要があると判断した場合は、サーバ装置2000に、近距離通信制御部1600を介して、割込通知の送信を依頼する(ステップS41)。
割込通知の送信が不要であると判断した場合には、外部の通信機器3000との音声通信を開始する(図示していない。)。
携帯通信端末1000から、割込通知を送信する旨の依頼を受けたサーバ装置2000は、現在行っているゲームが、他の携帯通信端末に対して割込通知の送信が必要なものであるか、または、割込通知の送信が必要な状態であるかを判断する(ステップS31)。
【0044】
このサーバ装置2000が行う判断処理は、前述した外部から通信を受けた携帯通信端末1000が行なう判断処理(ステップS50参照)と、次の点で異なる。携帯通信端末1000が行なう判断処理は、受けた通信の種類によって他の携帯通信端末1010に割込通知を送信するか否かを判断するものであるが、このサーバ装置2000が行なう判断処理は、現在行っているゲームの種類や状態によって他の携帯通信端末1010に割込通知を送信するか否かを判断するものである点が異なる。
【0045】
サーバ装置2000は、割込通知の送信が必要であると判断した場合は、ゲームを中断する処理を行ない、他の携帯通信端末1010に割込通知を送信する(ステップS21)。
割込通知の送信が不要であると判断した場合には、携帯通信端末1000にその旨返信し、通知を受け取った携帯通信端末1000は外部の通信機器3000と通話を開始する(図示していない。)。
【0046】
サーバ装置2000から割込通知を受信した他の携帯通信端末1010は、割込みに対応する処理(以下、「割込対応処理」という。)、すなわちゲームを中断し、ゲームの再開に必要な情報を保存する処理を行なう(ステップS10)。その後、サーバ装置2000に、割込みを許可する旨(以下、「割込許可」という。)を返す(ステップS22)。
他の携帯通信端末1010から、割込許可の返答を受けたサーバ装置2000は、ゲーム再開の為に、ゲームの情報や、ゲームに参加している携帯通信端末の情報などを保存する割込対応処理を行なう(ステップS32)。この保存処理が終了したら、携帯通信端末1000に、割込許可を通知する(ステップS42)。
【0047】
尚、本実施形態では、他の携帯通信端末1010は1つで説明しているが、複数ある場合は、すべての端末から割込許可の返答を受けてから、保存処理を行なう。また、所定時間内に、すべての端末から割込許可の返答がなかった場合は、携帯通信端末1000に、割込を許可できない旨を通知する。
サーバ装置2000から、割込許可の通知を受けた携帯通信端末1000は、ゲームを中断し、再開に必要な情報を保存する割込対応処理を行なう(ステップS51)。この保存処理が終了したら、その旨の通知を受けた通話アプリケーション実行部1700によって、外部の通信機器3000の音声通信に係る着信に応答し(ステップS61)、通話を行なう(ステップS70)。
【0048】
また、割込を許可できない旨の通知を受けた携帯通信端末1000は、ゲームを中断せずに、留守番メッセージを流すなどの対応処理を行なう(図示していない。)。
携帯通信端末1000は、外部の通信機器3000との通話を終了したら(ステップS62)、終了した旨をサーバ装置2000に通知する(ステップS43)。
その通知をした後、携帯通信端末1000は、ゲームを再開するための処理、すなわち、ゲームを中断する為に保存しておいた情報を基に、ゲームを再開できる状態にする処理を行なう(ステップS52)。
【0049】
ゲームを再開するための処理が完了したら、携帯通信端末1000は、サーバ装置2000に再開の準備ができた旨を通知する(ステップS44)。
携帯通信端末1000から、通話が終了した旨の通知を受けたサーバ装置2000は、ゲームを再開する為の処理を行ない(ステップS33)、再開のための処理が完了したら、他の携帯通信端末1010に割込みが終了した旨を通知する(ステップS23)。
【0050】
サーバ装置2000から、割込みが終了した旨の通知を受けた他の携帯通信端末1010は、ゲームを再開する為の処理を行ない(ステップS11)、処理完了後、サーバ装置2000に、再開の準備ができた旨を通知する(ステップS24)。
サーバ装置2000は、全ての携帯通信端末(1000、1010)から再開の準備ができた旨の通知があったことを確認後、ゲームを再開する(ステップS34)。
【0051】
サーバ装置2000は、他の携帯通信端末1010とデータの送受信を再開し(ステップS25)、かつ、携帯通信端末1000ともデータの送受信を再開する(ステップS45)。
次に、図5〜図12を用いて、携帯通信端末(1000、1100)およびサーバ装置2000が行っている各処理を詳細に説明する。
【0052】
図5〜図9は、着信があってからゲームが中断されるまでの各処理の詳細であり、図10〜図12は、中断事由である通話が終了してからゲームが開始されるまでの各処理の詳細である。
図5は、携帯通信端末1000の割込判断処理を表すフローチャートである。
この割込判断処理は、図4のステップS50の処理の詳細であり、通信割込処理部1500が行なう。
【0053】
通信割込処理部1500は、外部の通信機器3000から着信があった旨を、遠距離通信制御部1400から受け取り(ステップS501)、この着信が割込み処理が必要な通信であるかを判断する(ステップS502)。
割込み処理が必要な通信とは、その通信に対応する為には、ユーザが現在行なっている作業を中断しなければならないようなものであり、例えば、音声通信に係る着信がある。割込み処理が不要な着信とは、例えば、メールの着信がある。
【0054】
これらの、どの着信が割込み処理が必要な着信であるかは、通信割込処理部1500のメモリに記憶しているものとする。
外部の通信機器3000からの着信は、音声通信に係る着信であり、割込み処理が必要な着信であると判断される(ステップS502:Y)。
次に、現在ゲーム中であるかを判断する(ステップS503)。このゲームであるかは、クライアント・サービス処理部1200に問い合わせる。
【0055】
問い合わせを受けたクライアント・サービス処理部1200は、現在行っている作業が、他の携帯通信端末と行なうゲームであるので、ゲーム中である旨を通信割込処理部1500に返す。他の携帯通信端末と行なわずに単独でゲームを行なっている場合は、ゲーム中である旨は返さない。
ゲーム中である旨を受け取った通信割込処理部1500は(ステップS503:Y)、近距離通信制御部1600を介して、サーバ装置2000に、ゲーム中の他の携帯通信端末1010に割込通知を送信することを依頼する(ステップS504)。
【0056】
外部の通信機器3000からの着信が、割込み処理が不要な着信である場合(ステップS502:N)や、クライアント・サービス処理部1200からゲーム中ではない旨を受け取った(ステップS503:N)場合は、外部の通信機器3000から音声通信に係る着信に応答し、通話を始める。
図6は、サーバ装置2000の割込判断処理を表すフローチャートである。
【0057】
この割込判断処理は、図4のステップS31の処理の詳細であり、通信割込処理部2500が行なう。
携帯通信端末1000から、サーバ装置2000に送信された他の携帯通信端末1010に割込通知を送信する旨の依頼は、近距離通信制御部2600を介して、通信割込処理部2500によって受信される(ステップS311)。
【0058】
依頼を受けた通信割込処理部2500は、現在行なっているゲームに割込対応処理が必要か、すなわち、現在実行しているゲームに参加している1つの携帯通信端末がその実行を中断した場合に、他の携帯通信端末に影響があるかを、サーバ・サービス処理部2200に問い合わせる。
問い合わせを受けたサーバ・サービス処理部2200は、現在行っているゲームの内容が、割込対応処理が必要である場合は、その旨を通信割込処理部2500に返す(ステップS312:Y)。
【0059】
この割込対応処理が必要であるか否かの判断は、ゲームの内容や、現時点でのゲームの進み具合などを基に、サーバ・サービス処理部2200が判断する。従って、ゲームが同じであっても、いつも同じ判断がされるとは限らない。
割込対応処理が必要である旨の返答を受け取った通信割込処理部2500は、他の携帯通信端末1010に割込通知を送信する(ステップS313)。
【0060】
割込対応処理が不要である旨の返答を受け取った通信割込処理部2500は(ステップS312:N)、その旨を携帯通信端末1000に返す。その旨を受け取った携帯通信端末1000は、通話を始める。
図7は、携帯通信端末1000の割込対応処理を表すフローチャートである。
この割込対応処理は、図4のステップS51の処理の詳細であり、携帯通信端末1000のクライアント・サービス処理部1200が行なう。
【0061】
サーバ装置2000から、近距離通信制御部1600を介して、割込みを許可する旨を受け取った(ステップS511、図4ステップS42参照)通信割込処理部1500は、割込対応処理をクライアント・サービス処理部1200に依頼する。
依頼を受けたクライアント・サービス処理部1200は、ゲームを中断した後の再開に備え、必要な情報をサスペンド情報記憶部1300に保存する(ステップS512)。
【0062】
図8は、他の携帯通信端末1010の割込対応処理を表すフローチャートである。
この割込対応処理は、図4のステップS10の処理の詳細であり、他の携帯通信端末1010のクライアント・サービス処理部1200が行なう。
サーバ装置2000から、近距離通信制御部1600を介して、割込通知を受け取った(ステップS101、図4ステップS21参照)通信割込処理部1500は、割込対応処理をクライアント・サービス処理部1200に依頼する。
【0063】
依頼を受けたクライアント・サービス処理部1200は、ゲームを中断した後の再開に備え、必要な情報をサスペンド情報記憶部1300に保存する(ステップS102)。
必要な情報の保存が完了したら、ディスプレイにゲームを中断する旨のメッセージ、例えば「Please wait」の表示依頼をユーザインターフェース部1100に依頼する。
【0064】
表示依頼を受けたユーザインターフェース部1100は、メッセージを表示し(ステップS103)、表示した旨をクライアント・サービス処理部1200に返す。
表示が完了した旨を受け取ったクライアント・サービス処理部1200は、割込対応処理が完了した旨を通信割込処理部1500に返す。
クライアント・サービス処理部1200から処理が完了した旨の通知を受けた通信割込処理部1500は、サーバ装置2000に、割込みを許可する旨を通知する(ステップS104)。
【0065】
図9は、サーバ装置2000の割込対応処理を表すフローチャートである。
この割込対応処理は、図4のステップS32の処理の詳細であり、サーバ装置2000サーバ・サービス処理部2200が行なう。
他の携帯通信端末1010のすべてから、近距離通信制御部2600を介して、割込み許可通知を受け取った(ステップS321)(図4 ステップS22参照)通信割込処理部2500は、割込みに対応する処理をサーバ・サービス処理部2200に依頼する。
【0066】
依頼を受けたサーバ・サービス処理部2200は、ゲームを中断した後の再開に備え、各携帯通信端末の状態情報、管理情報の他、必要な情報をサスペンド情報記憶部2300に保存する(ステップS322)。
必要な情報の保存が完了したら、ディスプレイにゲームを中断する旨のメッセージ、例えば「Please wait」の表示依頼をユーザインターフェース部2100に依頼する。
【0067】
表示依頼を受けたユーザインターフェース部2100は、メッセージを表示し(ステップS323)、表示した旨をサーバ・サービス処理部2200に返す。
表示が完了した旨を受け取ったサーバ・サービス処理部2200は、割込対応処理が完了した旨を通信割込処理部2500に返す。
サーバ・サービス処理部2200から処理が完了した旨の通知を受けた通信割込処理部2500は、携帯通信端末1000に、割込許可を通知する(ステップS324)。
【0068】
図10は、携帯通信端末1000の再開処理を表すフローチャートである。
この再開処理は、図4のステップS52の処理の詳細である。
通話(図4ステップS70参照)の終了を検知した通話アプリケーション実行部1700は、その旨を通信割込処理部1500に通知する(ステップS521)。
通話が終了した旨の通知を受けた通信割込処理部1500は、その旨を近距離通信制御部1600を介して、サーバ装置2000に通知する(ステップS522、図4ステップS43参照)とともに、ゲームを再開する為の処理を、クライアント・サービス処理部1200に依頼する。
【0069】
依頼を受けたクライアント・サービス処理部1200は、ゲームを中断した時に、サスペンド情報記憶部1300に保存しておいた情報を読み出し、ゲームを開始するための環境を整える(ステップS523)。具体的には、ディスプレイに中断時のゲーム画面を表示する、各種データをゲーム中断時のもので作成しなおす等を行うほか、ゲームアプリケーション実行部1800に、ゲームが再開される旨を伝える。
【0070】
ゲーム再開の準備が完了したら、クライアント・サービス処理部1200は、サーバ装置2000にその旨を送信する(ステップS524)。
図11は、他の携帯通信端末1010の再開処理を表すフローチャートである。
この再開処理は、図4のステップS11の処理の詳細である。
割込みが終了した旨(図4ステップS23参照)を、サーバ装置2000から受信した近距離通信制御部1600は(ステップS111)、その旨を通信割込処理部1500に通知する。
【0071】
割込みが終了した旨の通知を受けた通信割込処理部1500は、ゲームを再開する為の処理を、クライアント・サービス処理部1200に依頼する。
依頼を受けたクライアント・サービス処理部1200は、ディスプレイから中断メッセージを消去するようにユーザインターフェース部1100に依頼し、依頼を受けたユーザインターフェース部1100は、メッセージを消去する(ステップS112)。
【0072】
また、同時に、クライアント・サービス処理部1200は、ゲームを中断した時に、サスペンド情報記憶部1300に保存しておいた情報を読み出し、ゲームを開始するための環境を整える(ステップS113)。
ゲーム再開の準備が完了したら、クライアント・サービス処理部1200は、サーバ装置2000にその旨を送信する(ステップS114)。
【0073】
図12は、サーバ装置2000の再開処理を表すフローチャートである。
この再開処理は、図4のステップS33の処理の詳細である。
近距離通信制御部2600を介して、携帯通信端末1000から、割込みが終了した旨の通知(図4ステップS43参照)を受けた通信割込み処理部2500は、サーバ・サービス処理部2200にゲームの再開の為の処理を依頼する。
【0074】
依頼を受けたサーバ・サービス処理部2200は、ゲームを中断した時に、後の再開に備えてサスペンド情報記憶部2300に保存しておいた各種情報、例えば、各携帯通信端末の状態情報、管理情報などを読み出し、ゲーム再開の準備を行う(ステップS332)。
ゲーム再開の準備が完了したら、サーバ・サービス処理部2200は、他の携帯通信端末1010に、割込みが終了した旨の通知を送信する(ステップS333、図4ステップS23参照)。
【0075】
その後、携帯通信端末1000および他の携帯通信端末1010のすべてから、近距離通信制御部2600を介して、ゲームの再開準備が完了した旨の通知を受け取った(ステップS341、図4ステップS24とS44参照)サーバ・サービス処理部2200は、ゲームを再開する旨をゲームアプリケーション実行部2700に通知する。通知を受けたゲームアプリケーション実行部2700は、ゲームを再開する(ステップS342)。
【0076】
<補足>
以上、本発明に係る携帯通信端末等について実施形態に基づいて説明したが、この携帯通信端末を部分的に変形することもでき、本発明は上述の実施形態に限られないことは勿論である。即ち、
(1)実施形態では、サーバ装置を介して携帯通信端末同士が通信を行なうこととなっているが、携帯通信端末同士が直接通信を行なうこととしてもよい。
【0077】
赤外線通信等により近距離で通信を行なう場合は、近距離通信制御部1600同士が通信を行なう機能を有する必要がある。また、公衆回線等を利用して、メール等により通信することとしてもよい。
(2)実施形態では、サーバ装置とクライアントである携帯通信端末は、Bluetoothなどの近距離通信方式で通信することとしているが、他の通信方式であってもよい。
【0078】
例えば、公衆回線などを使用してもよい。
(3)実施形態では、全ての携帯通信端末が複数の通信手段を有していることとなっているが、必ず、有していなければならないわけではない。
外部からの通信を受けた携帯通信端末に対して、割込みの許可を与えるのみでもよい。
(4)実施形態では、携帯通信端末が音声通信に係る着信に応答する場合に、他の携帯通信端末の許可を得てから応答することとしているが、どのような着信に、どのような対応をするのかは、行なっている遊びや協働作業の内容や状態に応じて、最適なものとすることができる。
【0079】
例えば、他の携帯通信端末の許可を得てから応答するのではなく、他の携帯通信端末に通知のみを行なってから応答することとしてもよい。行なっている遊びや協働作業を中断する場合に、作業を単に停止すればよい作業である場合などである。
また、サーバ装置が着信応答の可否を判断し、他の携帯通信端末からの割込み許可を待たずに、着信のある携帯通信端末に割込み許可を出すこととしてもよい。行っているゲームなどが、一部の携帯通信端末を一時的に除いても、実行できる場合などである。
【0080】
また、実施形態では、すべての他の携帯通信端末の許可を得ることとしているが、全部の許可を得なくてもよいこととしてもよい。
この場合は、例えば、許可を得る必要がある携帯通信端末をサーバ・サービス処理部2200が憶えておいて、それらの端末から許可を得ることとする。
また、実施形態では、携帯通信端末は着信がある都度、他の携帯通信端末に割込通知を送信することとしているが、他の携帯通信端末は、遊びや協働作業の中断を許可しない等の意志表示を予めサーバ装置2000に通知しておくこととしてもよい。
【0081】
また、実施形態では、携帯通信端末は行なっている遊びや協働作業を中断して、外部からの通信に応答することとしているが、外部からの通信に応答している間、サーバ装置に送信する予定のデータを蓄積しておき、外部からの通信が終了したときに、サーバに送信することとしてもよい。
(5)実施形態では、ゲーム中に、外部から通信を受けた場合には、ゲームを中断することとしているが、外部から通信を受けた場合の処理は中断に限られない。
【0082】
例えば、ゲーム自体は中断せずに、外部から通信を受けたユーザを除外して、ゲームを続行するなどである。具体的には、ゲームが麻雀ゲームであれば、外部から通信を受けて通話をしているユーザの順番がきたら、ツモギリとして扱うなどである。
また、実施形態では、ゲーム中断中は中断メッセージを表示することとしているが、これに限らない。
【0083】
例えば、画面の動きが止まる、別の作業をすることができる、などであってもよい。
(6)実施形態で示した携帯通信端末の各機能を実現させる為の各制御処理(図3等参照)をCPUに実行させる為のプログラムを、記録媒体に記録し又は各種通信路等を介して、流通させ頒布することもできる。このような記録媒体には、ICカード、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM、フラッシュメモリ等がある。流通、頒布されたプログラムは、機器におけるCPUで読み取り可能なメモリ等に格納されることにより利用に供され、そのCPUがそのプログラムを実行することにより実施形態で示した携帯通信端末の各機能が実現される。
(7)携帯通信端末1000の各構成である、クライアント・サービス処理部、通信割込み処理部の各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。
【0084】
ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA
(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサー を利用しても良い。
【0085】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
複数の通信機能を持つ機器が、一緒に遊びを行なったり、協働で作業を行なっているときに割込みがあった場合の調整に、特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明にかかる携帯通信端末を用いてゲームを行なっているシステムの例を表す図である。
【図2】ゲームを行なっている携帯通信端末に、外部から通信の割り込みがあった例を表す図である。
【図3】携帯通信端末1000、他の携帯通信端末1010およびサーバ装置2000の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】携帯通信端末に外部から通信があった場合の、処理の流れを示す図である。
【図5】携帯通信端末1000の割込判断処理を表すフローチャートである。
【図6】サーバ装置2000の割込判断処理を表すフローチャートである。
【図7】携帯通信端末1000の割込対応処理を表すフローチャートである。
【図8】他の携帯通信端末1010の割込対応処理を表すフローチャートである。
【図9】サーバ装置2000の割込対応処理を表すフローチャートである。
【図10】携帯通信端末1000の再開処理を表すフローチャートである。
【図11】他の携帯通信端末1010の再開処理を表すフローチャートである。
【図12】サーバ装置2000の再開処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
1000 1010 携帯通信端末
1100 2100 ユーザインターフェース部
1200 クライアント・サービス処理部
1300 2300 サスペンド情報記憶部
1400 遠距離通信制御部
1500 2500 通信割込処理部
1600 2600 近距離通信制御部
2000 サーバ装置
2010 ディスプレイ
2200 サーバ・サービス処理部
2400 クライアント情報記憶部
3000 通信機器
4000 基地局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と前記サーバ装置と通信する複数の携帯端末からなるシステムにおいて、多人数参加型アプリケーションを実行する携帯端末であって、
前記アプリケーション実行中に、自システム外の機器から所定の通信を受けた場合に、他の携帯端末に前記所定の通信を受けたことを示す情報を送信する送信手段
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記携帯端末は、更に、前記アプリケーションを実行する実行手段と、
前記他の携帯端末から、前記実行手段が行なっている前記実行を中断する許可または拒否を示す情報を受信する受信手段を備え、
前記実行手段は、前記受信手段により中断の許可を示す情報を受信した場合には、前記実行を中断し、前記受信手段により中断の拒否を示す情報を受信した場合には、前記実行を継続する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記携帯端末は、更に、前記所定の通信に対応する処理を行なう応答手段を備え、
前記所定の通信は、音声通信に係る着信であり、
前記応答手段は、前記実行手段が前記実行を中断した後に、前記着信に対し音声通信に係る応答をする
ことを特徴とする請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記送信手段は、前記所定の通信を受けたことを示す情報を、前記サーバ装置に送信する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項5】
サーバ装置と前記サーバ装置と通信する複数の携帯端末からなるシステムにおいて、多人数参加型アプリケーションの統合処理を実行するサーバ装置であって、
前記アプリケーションを実行している前記携帯端末を識別する情報を記憶する記憶手段と、
前記携帯端末から、所定の通信を受けたことを示す情報を受信した場合に、前記記憶手段に記憶されている情報に基づき、前記携帯端末を除く他の携帯端末に前記所定の通信を受けたことを示す情報を送信する送信手段と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項6】
前記サーバ装置は、更に、前記携帯端末から受信した前記所定の通信を受けたことを示す情報と実行しているアプリケーションに関する情報とに基づき、前記アプリケーションを中断するか否かを判断する判断手段を備え、
前記判断手段により前記アプリケーションを中断すると判断された場合に、前記送信手段により前記他の携帯端末に前記所定の通信を受けたことを示す情報を送信する
ことを特徴とする請求項5記載のサーバ装置。
【請求項7】
サーバ装置と前記サーバ装置と通信する複数の携帯端末からなる通信システムであって、
前記携帯端末は、
前記複数の携帯端末と前記サーバ装置とが通信を行なっている間に、自システム外の機器から所定の通信を受けた場合に、前記所定の通信を受けたことを示す情報を前記サーバ装置に送信する手段とを備え
前記サーバ装置は、
前記携帯端末から、前記所定の通信を受けたことを示す情報を受信した場合に、前記携帯端末を除く他の携帯端末に前記所定の通信を受けたことを示す情報を送信する手段と
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項8】
前記携帯端末は、更に、前記他の携帯端末と前記サーバ装置を介さずに直接通信を行なう直接通信手段を備え、
前記送信手段は、前記直接通信手段によって前記所定の通信を受けたことを示す情報を送信する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項9】
サーバ装置と前記サーバ装置と通信する複数の携帯端末からなるシステムにおいて、多人数参加型アプリケーションを実行する携帯端末に通信処理を行なわせるためのコンピュータプログラムであって、
前記通信処理は、
前記アプリケーション実行中に、自システム外の機器から所定の通信を受けた場合に、他の携帯端末に前記所定の通信を受けたことを示す情報を送信する送信ステップ
を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項10】
サーバ装置と前記サーバ装置と通信する複数の携帯端末からなるシステムにおいて、多人数参加型アプリケーションの統合処理を実行するサーバ装置に通信処理を行なわせるためのコンピュータプログラムであって、
前記通信処理は、
前記アプリケーションを実行している前記携帯端末を識別する情報を記憶する記憶ステップと、
前記携帯端末から、所定の通信を受けたことを示す情報を受信した場合に、前記記憶ステップでメモリに記憶されている情報に基づき、前記携帯端末を除く他の携帯端末に前記所定の通信を受けたことを示す情報を送信する送信ステップと
を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−4974(P2008−4974A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−297898(P2004−297898)
【出願日】平成16年10月12日(2004.10.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】