説明

撮像装置及びその制御方法

【課題】複数の光電変換部を備えた複数の画素から成る撮像素子を用いた撮像装置において、位相差方式による焦点検出機能を達成しつつ映像信号の出力レートを維持したままS/N比を向上する。
【解決手段】光学系と、光学系の異なる射出瞳の領域を通過した複数の光束を受光する複数の光電変換部を備える複数の画素を含み、複数の光電変換部から独立に画像信号を出力することが可能な撮像素子とを有する撮像装置において、各画素の複数の光電変換部は、それぞれが少なくとも2つの光電変換部を含む複数のグループに分けられ、グループ毎に電荷蓄積期間をずらすとともに、異なるグループ間で電荷蓄積期間の一部が重なり、複数のグループから、グループ毎に順番に画像信号を周期的に読み出す第1の駆動により前記撮像素子を駆動し、読み出された画像信号に基づいて位相差方式の焦点検出を行うとともに、第1の駆動により読み出された画像信号を画素毎に加算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置及びその制御方法に関し、特に1つのマイクロレンズと複数の光電変換部を備えた画素部から成る撮像素子を用いた撮像装置において、位相差方式による焦点検出機能を備えた撮像装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、焦点検出用の信号と記録用の画像信号の取得を1つの撮像素子で実現する技術がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、1つのマイクロレンズ内に複数の光電変換部を備えた撮像装置において、射出瞳の異なる領域を通過した光束によって得られる信号を用いて位相差方式による焦点検出を行うと共に、該信号を用いて画像信号を生成する。これにより、1つの撮像素子から、焦点検出用の信号と記録用の画像信号との取得を両立させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−325139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、以下のような問題があった。すなわち、複数の光電変換部から信号を別々に読み出すことで、位相差検出用の信号が取得可能にはなるが、画像信号を生成するためには得られた信号を加算処理しなければならない。この加算処理によりノイズ量も増加してしまい、画像信号のS/N比が悪化してしまう。また、1つのマイクロレンズに対して構成される光電変換部の数を増やすにつれ、S/N比はますます悪化してしまう。
【0005】
また、特許文献1では、光電変換部上で信号の加算組み合わせを切り替えるように記述されているが、加算する組み合わせに制限が生じてしまい、自由度が少ないといった問題がある。
【0006】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、複数の光電変換部を備えた複数の画素から成る撮像素子を用いた撮像装置において、位相差方式による焦点検出機能を達成しつつ、映像信号の出力レートを維持したまま、S/N比を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、被写体像を形成する光学系と、それぞれが、前記光学系の異なる射出瞳の領域を通過した複数の光束をそれぞれ受光する複数の光電変換部を備える複数の画素を含み、前記複数の光電変換部それぞれから独立に画像信号を出力することが可能な撮像素子と、前記撮像素子の駆動を制御する駆動手段と、前記撮像素子の前記複数の光電変換部から独立に出力された画像信号に基づいて、位相差方式の焦点検出を行う焦点検出手段と、前記撮像素子の前記複数の光電変換部から独立に出力された画像信号を画素毎に加算する加算手段とを有し、各画素の前記複数の光電変換部は、それぞれが少なくとも2つの光電変換部を含む複数のグループに分けられ、グループ毎に電荷蓄積期間をずらすとともに、異なるグループ間で電荷蓄積期間の一部が重なり、前記駆動手段は、前記複数のグループから、グループ毎に順番に画像信号を周期的に読み出す第1の駆動により前記撮像素子を駆動し、前記焦点検出手段は、前記第1の駆動により読み出された画像信号に基づいて、焦点状態を検出する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の光電変換部を備えた複数の画素から成る撮像素子を用いた撮像装置において、位相差方式による焦点検出機能を達成しつつ、映像信号の出力レートを維持したまま、S/N比を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態の撮像装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態の撮像素子の構成を示す概略図。
【図3】第1の実施形態の撮像素子の1画素部を模式的に示した上面図。
【図4】図2に示す画素部の回路図。
【図5】第1の実施形態における撮像素子の画素部からの信号読み出しのタイミングを示すタイミングチャート。
【図6】第1の実施形態における撮像素子の1行目と2行目の電荷蓄積及び信号読み出し動作のタイミングを示すタイミングチャート。
【図7】第1の実施形態における焦点状態の検出処理を示すフローチャート。
【図8】第1の実施形態における撮像素子の断面図並びに光学系の射出瞳を示した概略図。
【図9】第1の実施形態の撮像素子から出力される信号から得られる像を示した概略図。
【図10】第1の実施形態における撮像素子の1行目と2行目の電荷蓄積及び信号読み出し動作のタイミングの別の例を示すタイミングチャート。
【図11】図10で示した信号読み出し動作のタイミングにより読み出される、光電変換部の組み合わせを示した概略図である。
【図12】第2の実施形態の撮像装置の概略構成を示すブロック図。
【図13】第2の実施形態の撮像素子の駆動方法の切り替え制御を示すフローチャート。
【図14】第2の実施形態の撮像素子の駆動方法の切り替え方法を示す模式図。
【図15】第3の実施形態の撮像装置の概略構成を示すブロック図。
【図16】第3の実施形態の撮像素子の駆動方法の切り替え制御を示すフローチャート。
【図17】第3の実施形態の撮像素子の駆動方法の切り替え方法を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
図1は、本第1の実施形態における撮像装置の概略構成を示すブロック図である。図1において、101は、ズームレンズ、絞り、フォーカスレンズのうち少なくとも1つ以上から構成される光学系、102は、後述するシステム制御部110から出力される光学系101の駆動情報に応じて光学系101を制御する光学駆動回路である。
【0012】
103は、光学系101により形成された被写体像を光電変換により電気信号に変換して、画像信号として出力する撮像素子である。また、104は、後述するシステム制御部110から出力される撮像素子103の駆動情報に応じて撮像素子103を制御する撮像素子駆動回路である。撮像素子103が電子シャッタ機能を有する場合は、撮像素子駆動回路104から出力される制御信号によって必要な露光時間を確保するように制御することができる。
【0013】
105はカメラ信号処理部で、現像処理部106、コントラスト検出部107、位相差検出部108、フォーカス位置算出部109を含む。現像処理部106は、撮像素子103から得られた画像信号に対し、色変換、ホワイトバランス、ガンマ補正等の画像処理、解像度変換処理、画像圧縮処理等を行う。コントラスト検出部107は、画像信号からコントラスト評価値を取得する。位相差検出部108は、画像信号から位相差測距を行うための位相差評価値を検出する。フォーカス位置算出部109は、コントラスト検出部107で得られるコントラスト評価値と位相差評価値を基に、光学系101のフォーカスレンズの位置を制御するためのフォーカス制御情報を算出する。
【0014】
110は撮像装置全体を制御するシステム制御部であり、フォーカス位置算出部109から得られたフォーカス制御情報を基にして、光学駆動回路102に光学系101の駆動情報を渡す。
【0015】
次に、図2、図3、図4を用いて本第1の実施形態における撮像素子103の構成について説明する。本第1の実施形態における撮像素子103は、XYアドレス型の撮像素子で、例えばCMOSイメージセンサである。図2においては、説明を分かり易くするために3行×4列分の画素部を示しているが、実際には通常、数十万から数千万の画素部が並べられている。
【0016】
201は画素部である。実際の撮像素子は複数の画素部201が所定のアスペクト比で2次元に配置される。また画素部201毎にR、G、Bいずれかの色相のカラーフィルタにより覆われていてもよく、例えば、R、G、Bのカラーフィルタがベイヤー配列に並べられるようにしてもよい。202は選択パルスpSELによって画素部201を選択する選択スイッチである。
【0017】
図3は、画素部201を模式的に示した上面図で、受光した入射光を電荷に変換するフォト・ダイオードに代表される複数の光電変換部から成っている。ここでは、4つの光電変換部301、302、303、304を持つ例を示しており、それら複数の光電変換部に共通で1つのマイクロレンズ305を備える構造となっている。また、撮像素子103上に存在する他の各画素部についても、図示した位置関係に4つの光電変換部が存在する。
【0018】
図4は、図2に示す画素部201の回路図である。なお、図4において、図2及び図3と共通の構成には同じ参照番号を付している。405は光電変換部301〜304で発生した電荷を一時的に蓄積しておく蓄積領域となるフローティングデフュージョン部(以下、FD)である。また、401、402、403、404は光電変換部301〜304で発生した電荷を転送パルスpTX1〜pTX4によってFD405に転送する転送スイッチである。
【0019】
406はリセットパルスpRESによってFD405に蓄積された電荷を除去するリセットスイッチである。407はソースフォロアとして機能する増幅MOSアンプである。転送スイッチ401〜404、リセットスイッチ406、選択スイッチ202のゲート電極は、行単位でそれぞれpTX1〜pTX4、pRES、pSELを供給する信号線にそれぞれに接続され、図2に示す垂直走査回路207によって選択走査される。また、リセットスイッチ406と増幅MOSアンプ407は電源ライン408と接続されている。転送パルスpTX1〜pTX4を順次オンにすることで、光電変換部301〜304の電荷を独立に読み出すことができる。また、複数の転送パルスpTX1〜pTX4を同時にオンにすることで、オンされた転送スイッチ401〜404に接続された光電変換部301〜304の電荷を加算して読み出すこともできる。独立に電荷を読み出した場合、得られた画像信号はカメラ信号処理部105において画素毎に加算されて、現像処理部106により各種処理が行われる。
【0020】
図2に戻り、204は増幅MOSアンプ407の負荷となる定電流源であり、画素部201と定電流源204は信号出力線203を介して列アンプ・読み出し回路208に列単位で接続される。FD405、増幅MOSアンプ407、及び定電流源204でフローティングディフュージョンアンプが構成され、選択スイッチ202により選択された画素部の信号電荷が電圧に変換され、信号出力線203を経て、列アンプ・読み出し回路208に出力される。
【0021】
205は列アンプ・読み出し回路208から出力する信号を選択する出力選択スイッチであり、水平走査回路209によって駆動される。206は列アンプ・読み出し回路208から出力された信号を撮像素子103の外部に出力する出力アンプである。
【0022】
なお、図2に示す例では、1チャンネル読み出し構成を示しているが、複数チャンネルに分けて読み出しを高速化するように構成してもよい。例えば、2チャンネル分の読み出し回路と水平走査回路を持たせ、奇数列と偶数列や、画面の左右を別々に読み出すような構成にしてもよい。もちろん、3チャンネル以上であっても構わない。
【0023】
次に、図5及び図6のタイミングチャートを用いて、本第1の実施形態で用いられる撮像素子103の電荷蓄積及び信号読み出し動作について説明する。
【0024】
本第1の実施形態で説明する撮像装置は、図6の垂直同期信号VDの1つの立ち下がりから次の立ち下がりまでの各期間を垂直同期期間とし、便宜上奇数フィールドと呼ばれる期間と偶数フィールドと呼ばれる期間で、交互に繰り返していくものとする。図5(a)はそのうち奇数フィールドにおける撮像素子103の信号読み出し処理に関する1行分のタイミングチャートを示している。
【0025】
t1は、選択パルスpSELによって走査する行の選択スイッチ202がONになるタイミングを示している。また、リセットパルスpRESを一定時間ONにし、読み出す行のFD405を一度リセットする。FD405のリセット終了後、t2のタイミングで転送パルスpTX1を一定期間ONにし、光電変換部301から蓄積された電荷をFD405に読み出す。FD405に転送された電荷は、前述したフローティングディフュージョンアンプ構成によって電圧に変換され、信号出力線203に出力される。次に、t3のタイミングで再び選択スイッチ202をONにし、次の光電変換部からの電荷読み出しに備える。同じくt3のタイミングで、リセットパルスpRESを一定期間ONにし、再びFD405をリセット状態にして電荷を吐き出す。FD405のリセット終了後、次はt4のタイミングで転送パルスpTX2を一定期間ONにし、光電変換部302から蓄積された電荷をFD405に読み出す。FD405に転送された電荷は、前述したフローティングディフュージョンアンプ構成によって電圧に変換され、信号出力線203に出力される。光電変換部301及び302からの信号が読み出された後、残る光電変換部303、304からの電荷転送は行わずに、次の行の選択を行う。以降、同様に各行の各画素部の光電変換部301、302から電荷を転送し、順次信号出力を得る。
【0026】
図5(b)は偶数フィールドにおける撮像素子103の信号読み出し処理に関する1行分のタイミングチャートを示している。奇数フィールドの信号読み出しタイミングと異なる点は、奇数フィールドで読み出しをしなかった方の光電変換部303、304からの電荷転送を行うことである。
【0027】
t5は、選択パルスpSELによって走査する行の選択スイッチ202がONになるタイミングを示している。また、リセットパルスpRESを一定時間ONにし、読み出す行のFD405を一度リセットする。FD405のリセット終了後、t6のタイミングで転送パルスpTX3を一定期間ONにし、光電変換部303から蓄積された電荷をFD405に読み出す。FD405に転送された電荷は、前述したフローティングディフュージョンアンプ構成によって電圧に変換され、信号出力線203に出力される。次に、t7のタイミングで再び選択スイッチ202をONにし、次の光電変換部からの電荷読み出しに備える。同じくt7のタイミングで、リセットパルスpRESを一定期間ONにし、再びFD405をリセット状態にして電荷を吐き出す。FD405のリセット終了後、次はt8のタイミングで転送パルスpTX4を一定期間ONにし、光電変換部304から蓄積された電荷をFD405に読み出す。FD405に転送された電荷は、前述したフローティングディフュージョンアンプ構成によって電圧に変換され、信号出力線203に出力される。光電変換部303及び304からの信号が読み出された後、残る光電変換部301、302からの電荷転送は行わずに、次の行の選択を行う。以降、同様に各行の各画素部の光電変換部303、304から電荷を転送し、順次信号出力を得る。
【0028】
図6は、1行目と2行目の電荷蓄積及び信号読み出し動作のタイミングを示したものであり、1行目の光電変換部301の電荷蓄積期間を602、1行目の光電変換部302の電荷蓄積期間を603で示している。奇数フィールドでは、画素部の光電変換部301と光電変換部302のみを順次行選択を繰り返しながら読み出していくと同時に、偶数フィールドでは読み出しは一切行われずに電荷蓄積を継続するように駆動される。また、2行目以降についても同様で、光電変換部301の蓄積期間は606、1行目の光電変換部302の蓄積期間は607で示したように駆動される。また、撮像素子103を構成するすべての行選択(読み出し)は1垂直同期期間内(1奇数フィールド内)で終了するように駆動される。逆に偶数フィールドでは、画素部の光電変換部303と光電変換部304のみを順次行選択を繰り返しながら読み出していくと同時に、奇数フィールドでは読み出しは一切行われずに電荷蓄積を継続するように駆動される。図6で示したように1行目の光電変換部303の蓄積期間は604、1行目の光電変換部304の蓄積期間は605となり、奇数フィールドでは読み出しは行われない。2行目以降についても同様で、光電変換部303の蓄積期間は608、2行目の光電変換部304の蓄積期間は609で示したように駆動される。また、撮像素子103を構成するすべての行選択(読み出し)は1垂直同期期間内(1偶数フィールド内)で終了するように駆動される。
【0029】
このように、光電変換部301及び302が奇数フィールドから偶数フィールドにわたって電荷蓄積を行い、それを読み出す動作を、2フィールドの周期で繰り返す。これに対し、光電変換部303及び304が偶数フィールドから奇数フィールドにわたって電荷蓄積を行い、それを読み出す動作を、2フィールドの周期で繰り返す。つまり、4つの光電変換部のそれぞれに2フィールドにわたる電荷蓄積を繰り返し行わせるとともに、4つの光電変換部を2つのグループに分けて、互いの電荷蓄積期間の一部が重なるように、グループ毎に1フィールドずらして読み出しを行う。こうすることで、各光電変換部に2フィールド分の蓄積期間を確保しつつ、1フィールド毎に、後述する位相差検出のための像信号を得ることができる。
【0030】
次に、図7、図8、図9を用いて、撮像素子103から得られる画像信号から、焦点状態の検出処理について説明する。図7は、本第1の実施形態における焦点状態の検出処理全体のフローチャートである。
【0031】
まず、S101で、コントラスト検出部107において撮像素子103から得られた画像信号を用いて合焦状態を検出するためのコントラスト評価値を算出する。コントラスト評価値は、得られた画像信号に対しバンドパスフィルタによってフィルタ処理を行い、得られたフィルタ出力の絶対値を積算して求める。但し、本発明のコントラスト評価値の算出方法は上述した方法に限らず、合焦状態で被写体のコントラスト評価値が最大を取るようなさまざまな算出方法を適用可能である。S102では、フォーカス位置算出部109は、コントラスト検出部107で得られたコントラスト評価値が最大になる、すなわち合焦状態となるようにフォーカスレンズを駆動するために必要なフォーカス制御情報をシステム制御部110に渡す。上述したコントラスト評価値を用いたオートフォーカス制御は一般的に山登り方式と呼ばれる。
【0032】
S103において位相差検出部108は、撮像素子103から得られた画像信号をもとに、位相差検出方式で被写体までの距離情報を算出し、位相差評価値としてフォーカス位置算出部109へ渡す。ここで位相差検出方式について図8を用いて説明する。
【0033】
図8は、図3のA−A’間の断面を模式的に示したものである。701は、像側から見た、光学系101に含まれる撮像レンズの射出瞳を示したものである。合焦時の撮像レンズの結像面706から射出瞳701までの距離を射出瞳位置と呼び、不図示のレンズの絞りよりも後方(結像面側)にあるレンズ群の曲率や絞りとの位置関係などによりその位置は変化する。また、当然ながら絞りの径によって大きさは変化する。704、705はそれぞれマイクロレンズ305によって射出瞳位置に投影された光電変換部302、301の射出瞳である。光電変換部301へは、射出瞳705を通る光束703が入るように設計されており、光電変換部302へは、射出瞳704を通る光束702が入るように設計される。
【0034】
なお、図8では、光電変換部301、302についてのみ説明しているが、図3に示す光電変換部303、304が図8では手前側に存在している。そして、撮像レンズの射出瞳701の内、不図示の左側奥の領域を通過した光束が光電変換部304に、また、右側奥の領域を通過した光束が光電変換部303に入射する。
【0035】
光束702によって撮像素子103の各画素部の光電変換部302から得られる像をA像、光束703によって撮像素子103の各画素部の光電変換部303から得られる像をB像とすると、合焦状態に応じて、A像とB像との間に位相差が生じる。
【0036】
図9は、前ピン状態で得られる画像信号の一例を示す図で、712はA像、711はB像を表している。位相差検出方式による被写体までの距離情報は、A像712とB像711の相対関係と像間の距離713、及び、そのフォーカス位置における結像面から射出瞳までの距離から算出される。位相差検出部108は、このようにして算出された被写体までの距離情報を位相差評価値としてフォーカス位置算出部109へ渡す。
【0037】
次にS104において、フォーカス位置算出部109は、現在のフォーカス位置Tと位相差評価値から算出した目標フォーカス位置Tpとの差分の絶対値が閾値Tthを超えたかどうか判定する。ここでは、閾値Tthを超えるほどのピンボケ状態にあるのかどうかを判定している。閾値Tth以下であれば、S102へ戻り、コントラスト検出による焦点検出処理を再び行う。なお、閾値Tthはピンボケ状態であると考えられる指標に基づき予め決めておいても良いし、被写体の状況に応じてシステム制御部110が調整してもよい。例えば、被写体までの距離が頻繁に変化するような撮影状況の場合、閾値Tthが小さいと頻繁に合焦位置が変動することとなってしまい、かえって映像が醜くなってしまうため、閾値Tthを大きい値に設定することで、変動を抑えることもできる。
【0038】
S104において現在のフォーカス位置Tと目標フォーカス位置Tpの絶対値が閾値Tthより大きいと判定された場合、S105に進む。そして、フォーカス位置算出部109は、目標フォーカス位置Tpを基に、フォーカスレンズを駆動するために必要なフォーカス制御情報をシステム制御部110に渡す。以上のフローにより、撮像素子103から得られた画像信号を基にコントラスト検出と位相差検出を用いた焦点検出機能を実現することができる。なお、上述した説明では、奇数フレームで読み出される光電変換部301、302から得られる画像信号による手順を示したが、偶数フレームにおいても同様の処理が行われる。
【0039】
次に、撮像素子103から得られた画像信号から映像信号を生成する方法を説明する。先に、従来技術による映像信号の生成について述べる。ここで、画素部を構成する光電変換部の数を、便宜上4つとして話を進める。従来技術では、画素部201に含まれる4つの光電変換部をすべて読み出し、読み出した信号を加算することで、各画素について1つの信号を得る。あるいは、撮像素子103の画素部201上で縦方向に光電変換部の電荷を加算し、前述した焦点検出処理を行った後、さらに横方向に加算して、1つの画素部で1つの信号を得るようになっている。いま、1つの光電変換部において1垂直同期期間で得られる信号量をSとすると、生成する映像信号の1画素の信号レベルとして、式(1)に示す値が得られる。
S+S+S+S=4S …(1)
【0040】
このとき、1つの光電変換部において1垂直同期期間で発生するノイズ量(入射光量に依存しないランダムノイズ成分)をNとすると、生成される映像信号の1画素に含まれるノイズ量の総和は式(2)に示す値となる。

【0041】
これに対し、本発明で提案する駆動方法で撮像素子103を駆動した場合、同様の考えで映像信号の1画素の信号レベルは式(3)に示す値となり、従来技術と同じレベルが得られる。
2×S+2×S=4S …(3)
本第1の実施形態では、1フィールド期間(1垂直同期期間)に撮像素子103の画素部201の4つの光電変換部の内、2つの光電変換部(図6の奇数フィールドの場合、光電変換部301、302)から信号が取得される。このとき、その蓄積期間は垂直同期期間2つ分であるため、得られる信号レベルの総和は従来技術と同じになる。これに対し、生成される映像信号の1画素に含まれるノイズ量の総和は、光電変換部2つ分のノイズ量の総和になるため、式(4)に示す値となり、デシベル表記で3dB低くなる。

【0042】
以上説明したように、各画素に含まれる複数の光電変換部を複数のグループに分け、グループ間でタイミングをずらしながら、グループ毎に順番に光電変換部から信号を読み出し、読み出した信号を画素毎に加算して、各画素について1つの映像信号を得る。これにより、位相差方式による焦点検出機能を達成しつつ、映像信号の出力レートを維持したまま、映像信号のS/N比を向上することができる。
【0043】
また、本第1の実施形態では画素部201を平面視したときに横方向に隣り合う2つの光電変換部を含むように上下に分割した2つのグループから2フィールド毎に交互に信号を読み出す例で説明した。しかしながら、縦方向に隣り合う2つの光電変換部を含むように左右に分割した2つのグループから2フィールド毎に交互に信号を読み出すように駆動しても同様の効果が得られる。
【0044】
さらに、光電変換部301〜304を図10に示すように駆動してもよい。すなわち、奇数フィールドにおいてタイミングt11では光電変換部301を、タイミングt12では光電変換部304の電荷を読み出すように駆動する。一方、偶数フィールドではタイミングt13で光電変換部302を、タイミングt14では光電変換部303の電荷を読み出すように駆動する。なお、t1、t3、t5、t7は、図5と同じであるので、ここでは説明を省略する。このように、図11に示すグループ901と902の各ペアのように、画素部201を平面視したときに上下左右に分割された光電変換部のうち、画素部201の中心を基準とした対角の位置関係にある電荷変換部2つをフィールド毎に交互に読み出してもよい。この場合、当然のことながら位相差検出も可能である。この駆動方法の利点は、映像信号を生成する際に、加算された結果得られる信号の重心位置が、奇数フレームと偶数フレームとで変化しないところである。従って、奇数フレームと偶数フレームで得られる映像信号に対していわゆる重心ずれの補正をすることなく、フレーム間で被写体の位相が合った動画を容易に生成することも可能になる。
【0045】
また、本第1の実施形態では画素部201に光電変換部が4つ(=縦2×横2)として説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、縦、横方向にそれぞれ2以上の光電変換部が構成されていれば、本願発明を適用することができる。
【0046】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。図12は、第2の実施形態における撮像装置の概略構成を示すブロック図である。なお、第1の実施形態で図1を参照して説明したものと同様の構成には同じ参照番号を付し、説明を省略する。第2の実施形態は、撮像素子103の駆動を画像信号から得られる被写体の明るさや撮像装置の撮影モードに応じて切り替えることを特徴とする。
【0047】
図12において、本第2の実施形態における撮像装置は、図1に示す構成に加えて、被写体の明るさ状況を把握するためのAE評価値算出部120を備える。AE評価値算出部120は、撮像素子103から得られる画像信号から撮像装置が撮影している被写体の輝度レベルを算出し、算出された輝度レベルをAE評価値としてシステム制御部110へ渡す。算出される輝度レベルは、例えばR、G、Bの3色のカラーフィルタから成る撮像素子103の場合、加法混合に従いR:G:B:を1:2:1の合成比で加算平均処理をして求めることができる。算出に用いられる式はこれに限らず、一般的に知られているRGB−輝度変換式を用いても良い。また、撮像素子103に用いられるカラーフィルタがイエロー、マゼンタ、グリーン、シアンからなるいわゆる補色フィルタの場合でも、同様に輝度に変換できることは周知であり、本発明を適用可能である。システム制御部110は、AE評価値算出部120から得られたAE評価値を基に、撮像素子駆動回路104に対して撮像素子103の駆動に必要な駆動情報を送る。
【0048】
次に、図13、図14を用いて第2の実施形態における撮像素子103の駆動方法を切り替える手順について説明する。図13は、AE評価値算出部120から得られたAE評価値を基に撮像素子103の駆動を切り替える方法を示したフローチャートである。
【0049】
S201において、撮像素子103の切り替えタイミングを判断するための切り替え閾値ThAvを設定する。図14は、AE評価値Avに応じた撮像素子103の駆動パターンを図示したものである。1201で示した実線はAE評価値Avに応じた撮像素子103の駆動方法の切り替えを表しており、AE評価値Avに応じて、第1の駆動と第2の駆動を切り替えている。ここでいう第1の駆動とは第1の実施形態において説明した本発明による駆動を示しており、第2の駆動とは従来技術で提示されているすべての光電変換部を周期的に読み出す駆動のことを示している。Th1(第1の閾値)は、AE評価値Avが減少方向にあるときの切り替え閾値を表しており、Th2(第2の閾値)は、逆に増加方向にあるときの切り替え閾値を示している。S201では、切り替え閾値ThAvにTh1を設定する。
【0050】
次にS202において、AE評価値算出部120において、AE評価値Avを算出する。なお、AE評価値算出部120は、撮像素子103から画像信号が送られるタイミング(すなわち撮像装置の垂直同期信号の周期)でAE評価値Avを算出するものとして以下説明を続ける。
【0051】
S203において、AE評価値Avと切り替え閾値ThAvとを比較し、第2の駆動で駆動中に、切り替え閾値ThAv以上であればS202に戻って次のフレームまで待機した後、再びAE評価値Avを算出する。AE評価値Avが切り替え閾値ThAvより小さければ、S204へ進む。S204では、システム制御部110は撮像素子駆動回路104に対し、上記した第1の駆動となるように撮像素子103の駆動情報を与え、撮像素子駆動回路104は撮像素子103に対し制御信号を与える。
【0052】
次にS205において、切り替え閾値ThAvにTh2を設定する。このように切り替え閾値ThAvを複数持たせることによってAE評価値Avが切り替え閾値ThAv近傍でゆらいでいても、撮像素子103の切り替えが頻繁に起こらなくなり、スムーズな撮影を実現できる。
【0053】
S206では、AE評価値算出部120においてAE評価値Avを算出し、第1の駆動で駆動中に、S207においてAE評価値Avと切り替え閾値ThAvとを比較する。そして、第1の駆動で駆動中に、切り替え閾値ThAv以下であればS206に戻り、次のフレームまで待機した後、再びAE評価値Avを算出する。AE評価値Avが切り替え閾値ThAvより大きければ、S208へ進む。S208では、システム制御部110は撮像素子駆動回路104に対し、上記した第2の駆動となるように撮像素子103の駆動情報を与え、撮像素子駆動回路104は撮像素子103に対し制御信号を与える。
【0054】
これまで説明した制御により、以下のような効果が得られる。すなわち、AE評価値Avが大きいとき、すなわち被写体の状況として十分明るいときは、従来技術に示されているような撮像素子103の全ての光電変換部から信号を読み出す。ここで、第1の実施形態で説明した駆動にしない理由は、本発明の駆動方法が撮像素子103の各光電変換部の蓄積期間を延ばして信号レベルを取得するところにある。各光電変換部の蓄積期間が従来技術よりも長いため、蓄積期間中に被写体が動くことによりいわゆる動きブレが目だってしまうからである。逆に、AE評価値Avが小さいとき、すなわち被写体の状況として暗い被写体を撮影しているときは、本発明の駆動方法にすることにより、映像信号のS/N比が良くなる。本第2の実施形態の特徴は、互いの駆動、すなわち従来技術の駆動方法と本発明による駆動方法を被写体の条件に応じて適切に切り替えることにより、撮像装置としての性能がさらに向上することである。
【0055】
なお、本第2の実施形態では撮像素子103で得られた画像信号を基に被写体の状況を判断する制御を説明してきた。しかしながら、画像信号を扱わずとも、撮像素子103の駆動を切り替える例として、撮像装置のゲイン設定やシャッタスピード(電荷蓄積時間)、光学系101の絞りに応じて切り替えることにより、同様の効果が得られる。その場合、ゲイン設定が大きいほど、シャッタースピードが遅いほど、また絞りのF値が小さいほど、被写体の輝度が低いと考えられるため、これらの値に基づいて、図14に記載したような制御を行ってもよい。
【0056】
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。図15は、第3の実施形態における撮像装置の概略構成を示すブロック図である。なお、第1の実施形態で図1を参照して説明したものと同様の構成には同じ参照番号を付し、説明を省略する。第3の実施形態は、撮像素子103の駆動を画像信号から得られる被写体の動き量や撮像装置自体の動き量に応じて切り替えることを特徴とする。
【0057】
図15では、被写体の動き量を把握する手段として動き量算出部131を備え、撮像素子103から得られる画像信号から撮像装置が撮影している被写体の動き量を算出し、算出された動き量を動き量評価値としてシステム制御部110へ渡す。132は、画像信号を1フレーム分記憶するメモリで、動き量算出部131に入力される画像信号を格納する。動き量算出部131は、メモリ132に記憶してある1フレーム前の画像信号と入力される画像信号とで相関演算(マッチング処理)を行う。相関演算は、両画像信号の画素毎のレベル差の絶対和を2次元方向にずらしながら算出し、該絶対和が一番小さくなったときのずらし量を画像信号上の被写体の動き量をあらわす動き量評価値としてシステム制御部110へ出力する。
【0058】
なお、本発明は、動き量算出部131による相関演算の方法処理を上述した方法に限定するものではなく、例えば、画像信号を予め信号レベルに応じて白黒に2値化して相関演算を行う方法がすでに周知である。このように、上述したように画像信号をメモリ132に記憶せずとも、2値化した信号値をメモリ132に記憶し、同様の相関演算を行うことでも動き量評価値を得ることができる。システム制御部110は、動き量算出部131から得られた動き量評価値を基に、撮像素子駆動回路104に対して撮像素子103の駆動に必要な駆動情報を送る。
【0059】
次に、図16、図17を用いて第3の実施形態における撮像素子103の駆動方法を切り替える方法について説明する。図16は、動き量算出部131から得られた動き量評価値を基に撮像素子103の駆動を切り替える方法を示したフローチャートである。
【0060】
S301において、撮像素子103の切り替えタイミングを判断するための切り替え閾値ThMvを設定する。図17は、動き量評価値Mvに応じた撮像素子103の駆動パターンを図示したものである。1701で示した実線は動き量評価値Mvに応じた撮像素子103の駆動方法の切り替えを表しており、動き量評価値Mvに応じて、第1の駆動と第2の駆動を切り替えている。ここでいう第1の駆動とは第1の実施形態において説明した本発明による駆動を示しており、第2の駆動とは従来技術で提示されているすべての光電変換部を読み出す駆動のことを示している。Th3(第1の閾値)は、動き量評価値Mvが減少方向にあるときの切り替え閾値を表しており、Th4(第2の閾値)は、逆に増加方向にあるときの切り替え閾値を示している。S301では、切り替え閾値ThMvにTh3を設定する。
【0061】
次にS302において、動き量算出部131において、動き量評価値Mvを算出する。なお、動き量算出部131は、撮像素子103から画像信号が送られるタイミング(すなわち撮像装置の垂直同期信号の周期)で動き量評価値Mvを算出するものとして以下説明を続ける。
【0062】
S303において、動き量評価値Mvと切り替え閾値ThMvとを比較し、切り替え閾値Mv以上であればS302に戻って次のフレームまで待機した後、再び動き量評価値Mvを算出する。第2の駆動で駆動中に、動き量評価値Mvが切り替え閾値ThMvより小さければ、S304へ進む。S304では、システム制御部110は撮像素子駆動回路104に対し、上記した第1の駆動となるように撮像素子103の駆動情報を与え、撮像素子駆動回路104は撮像素子103に対し制御信号を与える。
【0063】
次にS305において、切り替え閾値ThMvにTh4を設定する。このように切り替え閾値ThMvを複数持たせることによって動き量評価値Mvが切り替え閾値ThMv近傍でゆらいでいても、撮像素子103の切り替えが頻繁に起こらなくなり、スムーズな撮影が実現できる。
【0064】
S306では、動き量算出部131において、動き量評価値Mvを算出する。S307において動き量評価値Mvと切り替え閾値ThMvとを比較し、閾値ThMv以下であればS306に戻り次のフレームまで待機した後、再び動き量評価値Mvを算出する。第1の駆動で駆動中に、動き量評価値Mvが切り替え閾値ThMvより大きければ、S308へ進む。S308では、システム制御部110は撮像素子駆動回路104に対し、上記した第2の駆動となるように撮像素子103の駆動情報を与え、撮像素子駆動回路104は撮像素子103に対し制御信号を与える。
【0065】
これまで説明した制御により、以下のような効果が得られる。すなわち、動き量評価値Mvが大きいとき、すなわち被写体が大きく動いているときは、従来技術に示されているような撮像素子103の全ての光電変換部から信号を読み出す。ここで、第1の実施形態で説明した駆動にしない理由は、本発明の駆動方法が撮像素子103の各光電変換部の蓄積期間を延ばして信号レベルを取得するところにある。各光電変換部の蓄積期間が従来技術に対し長いため、蓄積期間中に被写体が動くことによりいわゆる動きブレが目だってしまうからである。逆に、動き量評価値Mvが小さいとき、すなわち被写体の動きが小さいあるいは静止しているときは、本発明の駆動方法にすることにより、映像信号のS/N比が良くなる。本第3の実施形態の特徴は、互いの駆動、すなわち従来技術の駆動方法と本発明による駆動方法を被写体の条件に応じて適切に切り替えることにより、撮像装置としての性能がさらに向上することである。
【0066】
また、本第3の実施形態では撮像素子103で得られた画像信号を基に被写体の状況を判断する制御で説明してきた。しかしながら、画像信号を扱わずとも、撮像素子103の駆動を切り替える例として、撮像装置にジャイロセンサなどのブレ量検知センサを備え、撮像装置自体の動き量(ブレ量)を検出してもよい。そして、検出された動き量を参照して撮像素子103の駆動切り替え制御することで、同様の効果が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を形成する光学系と、
それぞれが、前記光学系の異なる射出瞳の領域を通過した複数の光束をそれぞれ受光する複数の光電変換部を備える複数の画素を含み、前記複数の光電変換部それぞれから独立に画像信号を出力することが可能な撮像素子と、
前記撮像素子の駆動を制御する駆動手段と、
前記撮像素子の前記複数の光電変換部から独立に出力された画像信号に基づいて、位相差方式の焦点検出を行う焦点検出手段と、
前記撮像素子の前記複数の光電変換部から独立に出力された画像信号を画素毎に加算する加算手段とを有し、
各画素の前記複数の光電変換部は、それぞれが少なくとも2つの光電変換部を含む複数のグループに分けられ、グループ毎に電荷蓄積期間をずらすとともに、異なるグループ間で電荷蓄積期間の一部が重なり、前記駆動手段は、前記複数のグループから、グループ毎に順番に画像信号を周期的に読み出す第1の駆動により前記撮像素子を駆動し、前記焦点検出手段は、前記第1の駆動により読み出された画像信号に基づいて、焦点状態を検出することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記複数の光電変換部は、各画素を平面視したときに上下に分割されるように配置され、前記上下に分割されたそれぞれの領域を前記複数のグループの各グループとすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記複数の光電変換部は、各画素を平面視したときに左右に分割されるように配置され、前記左右に分割されたそれぞれの領域を前記複数のグループの各グループとすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記複数の光電変換部は、各画素を平面視したときに上下左右に分割されるように配置され、前記上下左右に分割された複数の光電変換部のうち、前記画素の中心を基準とした対角の位置関係にある領域を前記複数のグループの各グループとすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記駆動手段は、前記第1の駆動と、周期的に前記複数の光電変換部のすべてから画像信号を読み出す第2の駆動とのいずれかにより前記撮像素子を駆動し、前記撮像素子から得られた画像信号の輝度レベル、前記撮像素子の蓄積時間、撮像装置のゲイン設定、前記光学系の絞り、被写体の動き、撮像装置の動きの少なくともいずれか1つに基づく被写体の状況に応じて前記第1の駆動と第2の駆動とを切り替えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記駆動手段は、前記第2の駆動で前記撮像素子を駆動中に、前記被写体の輝度が予め決められた第1の閾値よりも小さくなると前記第1の駆動に切り替え、前記第1の駆動で前記撮像素子を駆動中に、被写体の輝度が前記第1の閾値よりも大きい予め決められた第2の閾値よりも大きくなると前記第2の駆動に切り替えることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記駆動手段は、前記第2の駆動で前記撮像素子を駆動中に、前記被写体または撮像装置の動き量が予め決められた第1の閾値よりも小さくなると前記第1の駆動に切り替え、前記第1の駆動で前記撮像素子を駆動中に、前記動き量が前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値よりも大きくなると前記第2の駆動に切り替えることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項8】
被写体像を形成する光学系と、それぞれが、前記光学系の異なる射出瞳の領域を通過した複数の光束をそれぞれ受光する複数の光電変換部を備える複数の画素を含み、前記複数の光電変換部それぞれから独立に画像信号を出力することが可能な撮像素子とを有する撮像装置の制御方法であって、
各画素の前記複数の光電変換部は、それぞれが少なくとも2つの光電変換部を含む複数のグループに分けられ、グループ毎に電荷蓄積期間をずらすとともに、異なるグループ間で電荷蓄積期間の一部が重なり、駆動手段が、前記複数のグループから、グループ毎に順番に画像信号を周期的に読み出す第1の駆動により前記撮像素子を駆動する駆動工程と、
焦点検出手段が、前記第1の駆動により読み出された画像信号に基づいて、位相差方式の焦点検出を行う焦点検出工程と、
加算手段が、前記第1の駆動により読み出された画像信号を画素毎に加算する加算工程と
を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−57915(P2013−57915A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197682(P2011−197682)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】