説明

撮像装置

【課題】ユーザが撮影パラメータ変更機能を容易に理解することができ、そのパラメータ値を簡単且つ的確に選択できるようにする撮像装置を提供する。
【解決手段】デジタルカメラは、被写体を撮像する撮像素子2と、撮像素子2により撮像された原画像に対して、同一パラメータ(露出補正又はホワイトバランス)の異なるパラメータ値による画像処理を施し、複数の画像を作成する画像処理部10と、画像処理部10により作成された複数の画像、又は、原画像及び画像処理部10により作成された複数の画像をマルチウィンドウ表示する表示部9とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影モードや撮影パラメータを変更可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮影モードや撮影パラメータを変更可能な機能を備えたデジタルカメラが数多く販売されている。このようなデジタルカメラでは、撮影状況に応じて、撮影モードを変更したり撮影パラメータを変更したりした方が、より良い画像を得られる場合が多々ある。
【0003】
例えば、デジタルカメラの撮影パラメータとしてホワイトバランスがある。近年ではホワイトバランスの調整を自動的に行うオートホワイトバランスという機能を備えたカメラが一般的である。オートホワイトバランスは、いかなる光源下で撮影が行われても、画像処理によって白いものを白く写るように自動的に調整するものである。しかしながら、撮影範囲内全体の色がある色に片寄っているような場合には、その色を白色になるように補正するので、必ずしも良好な色合いの画像が得られるとは限らない。そこで、プリセットホワイトバランスというモードを併せて搭載したカメラも多い。プリセットホワイトバランスは、ホワイトバランス調整の中心値データとして、代表的な複数の色温度の値を予めデジタルカメラ内に記憶させたものである。これにより、晴天下、曇天下、電球下、蛍光灯下等の被写体を照らしている光源に合わせて、上記色温度の値を選択可能になっている。
【0004】
しかしながら、カメラ初心者にとっては、プリセットホワイトバランスの選択を行おうと思っても画像の出来上がりイメージが分からなかったり、各プリセットホワイトバランスの効果を比較するためにプリセットホワイトバランスを切り換えて確認するにしてもその作業は非常に面倒である。
【0005】
他の撮影パラメータである露出補正についても、ホワイトバランスと同様で、露出補正値を設定しようにも画像の出来上がりイメージが分からなかったり、各露出補正値を切り替えて確認するにしてもその作業は面倒である。
【0006】
特許文献1には、異なる複数の画像を表示し、複数の画像から選択された画像を記録媒体に記録する技術が開示されている。ここで、複数の画像は、予備採取によって得られた画角、ピント、露出が異なる画像である。
【特許文献1】特許第3139028号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この特許文献1には、予備採取によって得られた画角、ピント、露出が異なる画像を複数表示し、その中から所望の1枚を記録できる撮影装置について述べられているものの、複数表示する画像が撮影済みであるため、この複数の画像の中に好みの画像が存在しない場合には撮り直しが必要であり、使い勝手が悪い。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑み、ユーザが、撮影パラメータ変更機能を容易に理解することができ、そのパラメータ値を簡単且つ的確に選択できるようにする撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様に係る撮像装置は、被写体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された原画像に対して、同一パラメータの異なるパラメータ値による画像処理を施し、複数の画像を作成する画像作成手段と、前記画像作成手段により作成された複数の画像、又は、前記原画像及び前記画像作成手段により作成された複数の画像を表示するマルチウィンドウ表示手段と、を有し、前記パラメータは露出補正である、ことを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の態様に係る撮像装置は、上記第1の態様において、撮影画角内の輝度分布を計測する輝度分布計測手段、を更に有し、前記輝度分布計測手段により計測された輝度分布に応じて、露出補正の方向がプラス補正となるパラメータ値による画像処理が施され作成された複数の画像、又は、露出補正の方向がマイナス露出となるパラメータ値による画像処理が施され作成された複数の画像をマルチウィンドウ表示する、ことを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の態様に係る撮像装置は、上記第2の態様において、前記輝度分布計測手段により計測された輝度分布から逆光状態と判定された場合は、露出補正の方向がプラス補正となるパラメータ値による画像処理が施され作成された複数の画像をマルチウィンドウ表示する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明の第4の態様に係る撮像装置は、上記第2の態様において、前記輝度分布計測手段により計測された輝度分布から順光状態と判定された場合は、露出補正の方向がマイナス補正となるパラメータ値による画像処理が施され作成された複数の画像をマルチウィンドウ表示する、ことを特徴とする。
【0013】
本発明の第5の態様に係る撮像装置は、被写体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された原画像に対して、同一パラメータの異なるパラメータ値による画像処理を施し、複数の画像を作成する画像作成手段と、前記画像作成手段により作成された複数の画像、又は、前記原画像及び前記画像作成手段により作成された複数の画像を表示するマルチウィンドウ表示手段と、を有し、前記パラメータはホワイトバランスである、ことを特徴とする。
【0014】
本発明の第6の態様に係る撮像装置は、上記第5の態様において、撮影場所が屋外であるか屋内であるかを判定する屋外/屋内判定手段、を更に有し、前記屋外/屋内判定手段により撮影場所が屋外であると判定された場合には、屋外を想定したホワイトバランスのパラメータ値による画像処理が施され作成された複数の画像をマルチウィンドウ表示し、屋内であると判定された場合には、屋内を想定したホワイトバランスのパラメータ値による画像処理が施され作成された複数の画像をマルチウィンドウ表示する、ことを特徴とする。
【0015】
本発明の第7の態様に係る撮像装置は、上記第6の態様において、前記屋外/屋内判定手段は、被写界の輝度情報に基づいて、撮影場所が屋外であるか屋内であるか判定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザが、撮影パラメータ変更機能を容易に理解することができ、そのパラメータ値を簡単且つ的確に選択できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置であるデジタルカメラのブロック図である。
【0018】
同図において、光学系1は、被写体を撮像素子2に結像するためのレンズと、そのレンズを支持する不図示の鏡枠とを含んで構成されている。焦点距離の変更とピント合わせは、その鏡枠により可能になっている。
【0019】
撮像素子2は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の複数の画素で構成されたイメージセンサであって、結像した被写体を光電変換してアナログ電気信号を出力する。
【0020】
撮像制御部3は、撮像素子2の動作を制御すると共に、撮像素子2から出力されたアナログ電気信号に対しCDS(Correlated Double Sampling)やAGC(Automatic Gain Control)等のアナログ信号処理を行った後、それをデジタル電気信号に変換し、さらに画素補間処理や色補正処理等のデジタル信号処理を行って、それを原画像に係る画像データとして出力する。この画像データは内蔵メモリ8に一時的に記憶される。
【0021】
AE(automatic exposure)信号処理部4は、撮像素子2から出力されたアナログ電気信号から、撮像素子2に結像した被写体の輝度情報を取得する。これにより、AE信号処理部4は、撮影画角内の被写界の輝度分布情報を取得することができる。なお、AE信号処理部4は、撮影画角内の輝度分布を計測する輝度分布計測手段でもある。
【0022】
鏡枠制御部5は、光学系1に含まれる鏡枠を制御する。
プログラムメモリ6は、例えばフラッシュメモリ等の、電気的に書き換え動作を行わせることが可能な不揮発性メモリであり、コントロール部11が備える不図示のCPUにより実行されるカメラプログラムの他、そのカメラプログラムの実行中に使用される各種データ等が記憶されている。
【0023】
内蔵メモリ7は、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等であって、撮像制御部3から出力された画像データを格納する。また、画像処理部10が処理を行う際の画像展開エリアとしても使用される。
【0024】
外部メモリ8は、当該デジタルカメラに着脱自在の例えばxD−ピクチャーカード(登録商標)やコンパクトフラッシュ(登録商標)カード等のメモリカードであって、撮影された画像に係る画像データや、当該デジタルカメラが備える編集機能によって編集された画像に係る画像データ等を記録するためのメモリである。
【0025】
表示部9は、スルー画像、動画像、静止画像、及びカメラ情報等を表示する。なお、スルー画像とは、撮像素子2に結像されている被写体像をほぼリアルタイムに表示部9に表示するようにしたときの画像のことをいう。また、表示部9は、異なる画像処理が施された複数のスルー画像を同時に表示することも可能である。このように、複数の画像を同時に表示することをマルチウィンドウ表示という。
【0026】
画像処理部10は、撮像制御部3から出力された原画像に係る画像データに対し、同一撮影パラメータの異なるパラメータ値による画像処理を施し、複数の画像データを作成する。ここで、同一撮影パラメータの異なるパラメータ値は、例えば、露出補正の異なる露出補正値や、ホワイトバランスの異なるホワイトバランス値などである。また、画像処理部10は、この他にも、画像データを記録する際や記録されている画像データを表示する際などに例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式等による画像データの圧縮/伸張処理や、画像を構成する画素数を増減させる画像の拡大/縮小処理(リサイズ処理)等といった、画像データに対する各種の画像処理を行う。
【0027】
コントロール部11は、全てのブロックを統括してコントロールするものであって、内部に備えられる不図示のCPUがプログラムメモリ6に記憶されているカメラプログラムを読み出し実行することによって、当該デジタルカメラ全体の動作を制御する。
【0028】
操作部12は、ユーザからの各種指示を受け付け、それをコントロール部11へ通知するための各種のボタンやスイッチ等を含む。例えば、後述のレリーズボタン、ズームボタン、モード設定ダイアル、キースイッチ等を含む。
【0029】
なお、上述の撮像制御部3、AE信号処理部4、鏡枠制御部5、プログラムメモリ6、内蔵メモリ7、外部メモリ8、表示部9、画像処理部10、及び、コントロール部11の各々は、バス13に接続され、相互にデータの送受が可能になっている。
【0030】
図2は、本実施形態に係るデジタルカメラの外観背面図である。
同図において、TFT20は、図1に示した表示部9に含まれるカラー液晶であって、画像やカメラ情報等を表示する。
【0031】
レリーズボタン21は、撮影指示を行うためのボタンである。ズームボタン22は、テレ又はワイドにズーム指示を行うためのボタンである。
モード設定ダイアル23は、静止画撮影モード、再生モード、手ぶれ軽減撮影モード、及び動画撮影モード等の各種モードの中から使用するモードを選択するための回転式のダイアルである。
【0032】
十字キー24は、上下左右のそれぞれのキースイッチ(上キー、下キー、左キー、及び右キー)を一体で構成した十字タイプのキースイッチであって、露出補正の設定、フラッシュの設定、セルフ撮影モードの設定、及びマクロ撮影モードの設定を行うためのキースイッチである。また、十字キー24は、TFT20にメニュー画面が表示されている時に、カーソルの移動やメニュー階層の切り換えを行うためのキースイッチでもある。
【0033】
指標25は、露出補正の設定ポジションを示す指標であって、ユーザが、この指標方向にある十字キー24の三角マーク(上キー)を押圧すると露出補正を行うことが可能となる。
【0034】
指標26は、フラッシュの設定ポジションを示す指標であって、ユーザが、この指標方向にある十字キー24の三角マーク(右キー)を押圧するとフラッシュ発光モードを変更することが可能となる。
【0035】
指標27は、セルフ撮影モードの設定ポジションを示す指標であって、ユーザが、この指標方向にある十字キー24の三角マーク(下キー)を押圧するとセルフ撮影モードに変更することが可能となる。
【0036】
指標28は、マクロ撮影モードの設定ポジションを示す指標であって、ユーザが、この指標方向にある十字キー24の三角マーク(左キー)を押圧するとマクロ撮影モードに変更することが可能となる。
【0037】
MENUキー29は、TFT20にメニュー画面を表示させる指示等を行うためのキースイッチである。OKキー30は、TFT20にメニュー画面が表示されているときにメニュー項目を決定(確定)する指示や、TFT20に複数の画像がマルチウィンドウ表示されているときに一つの画像を決定(確定)する指示や、ファンクション設定モードへ遷移する指示等を行うためのキースイッチである。
【0038】
次に、本実施形態に係るデジタルカメラの動作として、ユーザが露出補正やホワイトバランス等の撮影パラメータのパラメータ値を簡単且つ的確に選択できるようにするマルチウィンドウ表示の動作例を説明する。
【0039】
以下では、はじめに図3乃至図11に示す表示画面例を用いて動作の概要を説明し、次に図12乃至図14に示すフローチャートを用いて動作の詳細を説明する。
本実施形態に係るデジタルカメラでは、電源がONされているときにMENUキー29が押下されると、図3に示す表示画面例の如く、4つの項目に係る動作へ遷移可能な第1階層メニューがTFT20に表示される。ここで、4つの項目は、撮影する画像の画質を設定可能にする項目「画質」と、後述の撮影メニューの項目を設定可能にする項目「撮影メニュー」と、表示言語の選択や内蔵時計の設定など当該デジタルカメラの設定を可能にする項目「設定」と、ユーザーが設定した撮影モード等の初期化を可能にする項目「リセット」である。この第1階層メニューでは、十字キー24の操作によりカーソル31を上下に移動させることで、所望の項目を選択することが可能である。同図の例では、「撮影メニュー」が選択されている様子を示している。
【0040】
この第1階層メニューにおいて、「撮影メニュー」が選択されているときにOKキー30が押下されると、図4に示す表示画面例の如く、撮影メニューに係る第2階層メニューがTFT20に表示される。この第2階層メニューでは、2つの項目に係る動作へ遷移可能である。ここで、2つの項目は、露出補正に係るマルチウィンドウ表示を可能にする項目「露出補正」と、ホワイトバランスに係るマルチウィンドウ表示を可能にする項目「ホワイトバランス」である。この第2階層メニューでは、十字キー24の操作によりカーソル32を上下に移動させることで、所望の項目を選択することが可能である。同図の例では、「露出補正」が選択されている様子を示している。
【0041】
この第2階層メニューにおいて、「露出補正」が選択されているときにOKキー30が押下されると、まず、主要被写体が逆光状態であるか順光状態であるかが判定される。
なお、この判定は、撮像素子2から出力されたアナログ電気信号に基づいてAE信号処理部4によって取得された被写界の輝度分布情報に基づいて行われる。この輝度分布情報から、撮影範囲内の平均輝度に比べて、部分的に輝度が低いエリアが存在し、且つ、そのエリアが主要被写体と判定される場合には、逆光状態と判定し、それ以外を順光状態と判定する。なお、主要被写体は、例えば、撮影範囲内の中心のエリアや、撮影範囲内のオートフォーカスにより合焦したエリアとすることができる。
【0042】
この判定の結果、逆光状態であると判定された場合には、図5に示す表示画面例の如く、TFT20にプラスの露出補正に係るマルチウィンドウ表示が行われる。このマルチウィンドウ表示では、原画像であるスルー画像と、その原画像であるスルー画像に対して、露出補正の方向がプラス補正となる異なる露出補正量(露出補正値)により画像処理が施されて作成された複数のスルー画像とがマルチウィンドウ表示される。このとき、それらのスルー画像は、露出補正量の値に応じて配置される。同図の表示画面例では、原画像のスルー画像(原画像のスルー画像に対して露出補正量が0.0EVのスルー画像)が左上に配置され、原画像のスルー画像に対して露出補正量が+0.3EVのスルー画像が右上に配置され、原画像のスルー画像に対して露出補正量が+0.7EVのスルー画像が左下に配置され、原画像のスルー画像に対して露出補正量が+1.0EVのスルー画像が右下に配置される。なお、同図の表示画面例では、図面の都合上、4つのスルー画像を同一に示しているが、実際には各露出補正量に応じて露出が異なる4つのスルー画像が表示される(後述の図6に示す表示画面例も同じ)。また、図5の表示画面例には、各スルー画像毎に露出補正量も併せて表示される。なお、露出補正量は、0.3EVづつ異なるようにしても良いし、0.5EVづつ異なるようにしても良い。このマルチウィンドウ表示では、十字キー24の操作によりカーソル33を上下左右に移動させることで、画面上の所望のスルー画像を選択することが可能である。また、十字キー24の右キーを連続的に押下することによって、さらにプラス補正となる異なる露出補正量により画像処理が施されて作成された複数のスルー画像をマルチウィンドウ表示することも可能である。また、十字キー24の左キーを連続的に押下することによって、後述の図6に示す表示画面例の如く、マイナスの露出補正に係るマルチウィンドウ表示を行うことも可能である。
【0043】
一方、主要被写体が逆光状態であるか順光状態であるかが判定された結果、順光状態であると判定された場合には、図6に示す表示画面例の如く、TFT20にマイナスの露出補正に係るマルチウィンドウ表示が行われる。このマルチウィンドウ表示では、原画像であるスルー画像に対して、露出補正の方向がマイナス補正となる異なる露出補正量(露出補正値)により画像処理が施されて作成された複数のスルー画像がマルチウィンドウ表示される。このとき、複数のスルー画像は、露出補正量の値に応じて配置される。同図の表示画面例では、原画像のスルー画像に対して露出補正量が−1.3EVのスルー画像が左上に配置され、原画像のスルー画像に対して露出補正量が−1.0EVのスルー画像が右上に配置され、原画像のスルー画像に対して露出補正量が−0.7EVのスルー画像が左下に配置され、原画像のスルー画像に対して露出補正量が−0.3EVのスルー画像が右下に配置される。また、同図の表示画面例には、各スルー画像毎に露出補正量も併せて表示される。なお、この場合も、露出補正量は、0.3EVづつ異なるようにしても良いし、0.5EVづつ異なるようにしても良い。このマルチウィンドウ表示では、十字キー24の操作によりカーソル34を上下左右に移動させることで、画面上の所望のスルー画像を選択することが可能である。また、十字キー24の左キーを連続的に押下することによって、さらにマイナス補正となる異なる露出補正量により画像処理が施されて作成された複数のスルー画像をマルチウィンドウ表示することも可能である。また、十字キー24の右キーを連続的に押下することによって、前述の図5に示す表示画面例の如く、プラスの露出補正に係るマルチウィンドウ表示を行うことも可能である。
【0044】
例えば、図6に示したマイナスの露出補正に係るマルチウィンドウ表示において、左上のスルー画像が選択されているときにOKキー30が押下されると、図7に示す表示画面例の如く、そのスルー画像が全画面表示され、撮影待機状態となる。また、このときには、自動的に露出補正量として−1.3EVが設定される。なお、同図に示した表示画面には、設定された露出補正量と、電池残量を示すアイコンと、撮影画像サイズと、撮影可能枚数も併せて表示される。
【0045】
また、図4に示した第2階層メニューにおいて、十字キー24の操作によりカーソル32が下へ移動されると、図8に示す表示画面例の如く、「ホワイトバランス」が選択される。
【0046】
このように「ホワイトバランス」が選択されているときにOKキー30が押下されると、まず、撮影場所が屋外であるか屋内であるかが判定される。
なお、この判定は、撮像素子2から出力されたアナログ電気信号に基づいてAE信号処理部4によって取得された被写界の輝度分布情報に基づいて行われる。この輝度分布情報から、撮影範囲内の平均輝度値が所定値以上の場合、すなわち明るい場合には屋外と判定する。一方、撮影範囲内の平均輝度値が所定値未満の場合、すなわち暗い場合には屋内と判定する。なお、この判定は、人工光の有無を検出したり、被写体の色温度を測定して判定するようにすることも可能である。
【0047】
この判定の結果、撮影場所が屋外であると判定された場合には、図9に示す表示画面例の如く、TFT20に屋外用のホワイトバランスに係るマルチウィンドウ表示が行われる。このマルチウィンドウ表示では、原画像であるスルー画像に対して、当該デジタルカメラが自動的に判断したホワイトバランス値による画像処理が施されて作成されたスルー画像と、その原画像であるスルー画像に対して、屋外の撮影に適した異なるホワイトバランス値(屋外を想定した異なるホワイトバランス値)による画像処理が施されて作成された複数のスルー画像とがマルチウィンドウ表示される。このとき、それらのスルー画像は、ホワイトバランス値の値に応じて配置される。同図の表示画面例では、原画像のスルー画像に対して、当該デジタルカメラにより自動的に判断されたホワイトバランス値を適用したスルー画像、すなわち、原画像のスルー画像に対して自動的にホワイトバランス補正を行ったスルー画像が、画面左上に配置される。また、原画像のスルー画像に対して、晴天下の撮影に適するホワイトバランス値を適用したスルー画像、すなわち、晴天下の撮影に適するホワイトバランス補正を行ったスルー画像が、画面右上に配置される。また、原画像のスルー画像に対して、曇天下の撮影に適するホワイトバランス値を適用したスルー画像、すなわち、曇天下の撮影に適するホワイトバランス補正を行ったスルー画像が、画面左下に配置される。また、原画像のスルー画像に対して、日陰の撮影に適するホワイトバランス値を適用したスルー画像、すなわち、日陰の撮影に適するホワイトバランス補正を行ったスルー画像が、画面右下に配置される。なお、同図の表示画面例では、図面の都合上、4つのスルー画像を同一に示しているが、実際には各ホワイトバランス値に応じてホワイトバランスが異なる4つのスルー画像が表示される(後述の図10に示す表示画面例も同じ)。また、図9の表示画面例には、各スルー画像毎にホワイトバランス値に対応するアイコンも併せて表示される。但し、自動的にホワイトバランス補正を行ったスルー画像に対しては「AUTO」の文字が表示される。このマルチウィンドウ表示では、十字キー24の操作によりカーソル35を上下左右に移動させることで、画面上の所望のスルー画像を選択することが可能である。また、十字キー24の右キーを連続的に押下することによって、さらに別の屋外の撮影に適したホワイトバランス値による画像処理が施されて作成された複数のスルー画像をマルチウィンドウ表示することも可能である。また、十字キー24の左キーを連続的に押下することによって、後述の図10に示す表示画面例の如く、屋内用のホワイトバランス補正に係るマルチウィンドウ表示を行うことも可能である。
【0048】
一方、撮影場所が屋外であるか屋内であるかの判定の結果、屋内であると判定された場合には、図10に示す表示画面例の如く、TFT20に屋内用のホワイトバランスに係るマルチウィンドウ表示が行われる。このマルチウィンドウ表示では、原画像であるスルー画像に対して、屋内の撮影に適した異なるホワイトバランス値(屋内を想定した異なるホワイトバランス値)による画像処理が施されて作成された複数のスルー画像がマルチウィンドウ表示される。このとき、複数のスルー画像は、ホワイトバランス値の値に応じて配置される。同図の表示画面例では、原画像のスルー画像に対して、電球下の撮影に適するホワイトバランス値を適用したスルー画像、すなわち、電球下の撮影に適するホワイトバランス補正を行ったスルー画像が、画面左上に配置される。また、原画像のスルー画像に対して、昼光色の蛍光灯下の撮影に適するホワイトバランス値を適用したスルー画像、すなわち、昼光色の蛍光灯下の撮影に適するホワイトバランス補正を行ったスルー画像が、画面右上に配置される。また、原画像のスルー画像に対して、昼白色の蛍光灯下の撮影に適するホワイトバランス値を適用したスルー画像、すなわち、昼白色の蛍光灯下の撮影に適するホワイトバランス補正を行ったスルー画像が、画面左下に配置される。また、原画像のスルー画像に対して、白色の蛍光灯下の撮影に適するホワイトバランス値を適用したスルー画像、すなわち、白色の蛍光灯下の撮影に適するホワイトバランス補正を行ったスルー画像が、画面右下に配置される。また、同図の表示画面例には、各スルー画像毎にホワイトバランス値に対応するアイコンも併せて表示される。このマルチウィンドウ表示では、十字キー24の操作によりカーソル36を上下左右に移動させることで、画面上の所望のスルー画像を選択することが可能である。また、十字キー24の左キーを連続的に押下することによって、さらに別の屋内の撮影に適したホワイトバランス値による画像処理が施されて作成された複数のスルー画像をマルチウィンドウ表示することも可能である。また、十字キー24の右キーを連続的に押下することによって、前述の図9に示す表示画面例の如く、屋外用のホワイトバランス補正に係るマルチウィンドウ表示を行うことも可能である。
【0049】
例えば、図9に示した屋外のホワイトバランスに係るマルチウィンドウ表示において、右上のスルー画像が選択されているときにOKキー30が押下されると、図11に示す表示画面例の如く、そのスルー画像が全画面表示され、撮影待機状態となる。また、このときには、自動的にホワイトバランス値として、晴天下の撮影に適するホワイトバランス値が設定される。なお、同図に示した表示画面には、設定されたホワイトバランス値に対応するアイコンと、電池残量を示すアイコンと、撮影画像サイズと、撮影可能枚数も併せて表示される。
【0050】
次に、上述の図3乃至図11を用いて説明したマルチウィンドウ表示の動作を、図12乃至図14に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
図12に示したように、まず、ステップ(以下単に「S」という)1では、当該デジタルカメラの電源がONされると、コントロール部11のCPUがプログラムメモリ6に記憶されているカメラプログラムの実行を開始し、コントロール部11が作動を開始する。
【0051】
S2では、モード設定ダイアル23が、撮影モードに設定されているのか、再生モードに設定されているのかを判定する。ここで、再生モードに設定されていた場合にはS3へ分岐し、撮影モードに設定されていた場合にはS4に分岐する。
【0052】
S3では、不図示の再生モードの処理ルーチンへ移行する。
S4では、光学系1に含まれる鏡枠を所定の初期位置に繰り出した後、ピント調節用のレンズを初期位置に繰り出す、という鏡枠イニシャル動作を行う。
【0053】
S5では、表示部9に含まれるTFT20の表示をオンにする。
S6では、撮像素子2、撮像制御部3、AE信号処理部4を含む撮像系が作動を開始する。これにより、TFT20にはスルー画像の表示(全画面表示)が開始する。
【0054】
S7では、操作入力(操作部12の操作)が有ったか否かを判定する。ここで、操作入力が有った場合には(S7がYES)S10へ分岐し、操作入力が無かった場合には(S7がNO)S8へ分岐する。
【0055】
S8では、操作入力が無い状態で所定時間経過したか否かを判定する。ここで、所定時間経過しても操作入力が無い場合には(S8がYES)S9へ分岐し、所定時間が経過していない場合には(S8がNO)S7へ戻り再度S7の判定を実行する。
【0056】
S9では、不図示のスリープモード(省エネルギーモード)に移行する。
一方、S10では、操作入力がMENUキー29であるか否かを判定する。ここで、MENUキー29でない場合には(S10がNO)S11へ分岐し、MENUキー29である場合には(S10がYES)S12へ分岐する。
【0057】
S11では、不図示の他の操作入力処理へ移行する。例えば、操作入力がレリーズボタン21であった場合、他の操作入力処理では、設定されている撮影パラメータ等に基づいて撮影動作が行われる。
【0058】
S12では、図3に示した第1階層メニューをTFT20に表示する。ここで、カーソル位置の初期状態は、「撮影メニュー」の位置とする。
S13では、OKキー30が押下されたか否かを判定するために後述の図13に示す“OKキー判断A”のサブルーチンをコールする。このサブルーチンにて、第1階層メニューの「撮影メニュー」が選択されている状態でOKキー30が押下されたと判定された場合にはS14へ移行する。
【0059】
S14では、図4に示した第2階層メニューをTFT20に表示する。ここで、カーソル位置の初期状態は、「露出補正」の位置とする。
S15では、OKキー30が押下されたか否かを判定するために後述の図13に示す“OKキー判断A”のサブルーチンをコールする。このサブルーチンにて、OKキー30が押下された場合にはS16へ移行する。
【0060】
S16では、そのOKキー30が押下された時に第2階層メニューの「露出補正」が選択されていたのか、「ホワイトバランス」が選択されていたのかを判定する。ここで、「露出補正」が選択されていた場合にはS17へ分岐し、「ホワイトバランス」が選択されていた場合にはS22へ分岐する。
【0061】
S17では、撮像素子2から出力されるアナログ電気信号からAE信号処理部4により取得された被写界の輝度分布情報を取得し、同時に平均輝度値を算出する、という被写体輝度分布測定処理を行う。
【0062】
S18では、主要被写体が画像(スルー画像)内のいずれのエリアにあるのかを判別する、という主要被写体判別処理を行う。なお、本例では、オートフォーカスにより合焦したエリアを主要被写体として処理を行う。
【0063】
S19では、S18で判別された主要被写体のエリアの輝度が、平均輝度に対して所定レベル以上低い(暗い)か否かを判定する。ここで、所定レベル以上低い(暗い)場合には(S19がYES)S20へ分岐し、そうでない場合には(S19がNO)S21へ分岐する。なお、このS19の判定は、例えば、S18で判別された主要被写体のエリア内の平均輝度値が、S17で算出された平均輝度値に対して所定値以上低い(暗い)場合にはS20へ分岐し、そうでない場合にはS21へ分岐するようにすることによって行うことができる。
【0064】
S20では、主要被写体が逆光状態であると判定して、後述のS26でサブルーチンコールされる“OKキー判断B”のサブルーチン内で初めに行われるマルチウィンドウ表示がプラスの露出補正に係るマルチウィンドウ表示になるように設定し、S26へ進む。
【0065】
S21では、主要被写体が順光状態であると判定して、後述のS26でサブルーチンコールされる“OKキー判断B”のサブルーチン内で初めに行われるマルチウィンドウ表示がマイナスの露出補正に係るマルチウィンドウ表示になるように設定し、S26へ進む。
【0066】
一方、S22では、上記のS17と同様に、撮像素子2から出力されるアナログ電気信号からAE信号処理部4により取得された被写界の輝度分布情報を取得し、同時に平均輝度値を算出する、という被写体輝度分布測定処理を行う。
【0067】
S23では、S22で算出された平均輝度値が所定値以上であるか否かを判定する。ここで、所定値以上である場合には(S23がYES)S24へ分岐し、そうでない場合には(S23がNO)S25へ分岐する。
【0068】
S24では、撮影場所が屋外であると判定して、後述のS26でサブルーチンコールされる“OKキー判断B”のサブルーチン内で初めに行われるマルチウィンドウ表示が屋外用のホワイトバランスに係るマルチウィンドウ表示になるように設定し、S26へ進む。
【0069】
S25では、撮影場所が屋内であると判定して、後述のS26でサブルーチンコールされる“OKキー判断B”のサブルーチン内で初めに行われるマルチウィンドウ表示が屋内用のホワイトバランスに係るマルチウィンドウ表示になるように設定し、S26へ進む。
【0070】
S26では、OKキー30が押下されたか否かを判定するために後述の図14に示す“OKキー判断B”のサブルーチンをコールする。このサブルーチンにて、OKキー30が押下された場合にはS27へ移行する。
【0071】
S27では、そのOKキー30が押下された時にTFT20のマルチウィンドウ表示の中で選択されていたスルー画像を全画面表示すると共に、そのスルー画像のパラメータ値を当該デジタルカメラに設定する。例えば、そのマルチウィンドウ表示が図6に示したものであった場合には、図7に示した全画面表示が行われると共に、当該デジタルカメラに露出補正量として−1.3EVが設定される。或いは、そのマルチウィンドウ表示が図9に示したものであった場合には、図11に示した全画面表示が行われると共に、当該デジタルカメラにホワイトバランス値として晴天下の撮影に適するホワイトバランス値が設定される。
【0072】
そして、S27が終了するとS7へ戻り、撮影待機状態となる。この後にレリーズボタン21が押下されると、S27で設定されたパラメータ値に基づいて撮影が行われる。
次に、上記のS13及びS15でサブルーチンコールされる“OKキー判断A”の処理内容を、図13に示すフローチャートを用いて説明する。
【0073】
同図に示したように、まず、S31では、OKキー30が押下されたか否かを判定する。ここで、OKキー30が押下された場合には(S31がYES)S32へ分岐し、そうでない場合には(S31がNO)S33へ分岐する。
【0074】
S32では、リターンして処理が戻る。
S33では、十字キー24が押下されたか否かを判定する。ここで、十字キー24が押下された場合には(S33がYES)S34へ分岐し、そうでない場合には(S33がNO)S34をスキップしてS35へ分岐する。
【0075】
S34では、十字キー24(例えばその上キー又は下キー)が押下された方向に応じて、TFT20に表示されているメニュー上のカーソル(31又は32)を上下方向に移動する。
【0076】
S35では、MENUキー29が押下されたか否かを判定する。ここで、MENUキー29が押下された場合には(S35がYES)図12のS7へ分岐し、そうでない場合には(S35がNO)S36へ分岐する。なお、S7へ分岐した場合には、撮影待機状態となる。
【0077】
S36では、操作入力が無い状態で所定時間が経過したか否かを判定する。ここで、所定時間が経過しても操作入力が無い場合には(S36がYES)S37に分岐し、所定時間が経過していない場合には(S36がNO)S31へ戻り再度S31の判定を実行する。
【0078】
S37では、不図示のスリープモード(省エネルギーモード)に移行する。
次に、上記のS26でサブルーチンコールされる“OKキー判断B”の処理内容を、図14に示すフローチャートを用いて説明する。
【0079】
同図に示したように、まず、S41では、撮像を行い、画像処理を行うための原画像に係る画像データを取得する。
S42では、S41で取得された原画像に係る画像データに対し、同一パラメータ(露出補正又はホワイトバランス)の異なるパラメータ値による画像処理を施し、複数の画像データを作成する。詳しくは、この“OKキー判断B”のサブルーチンコールが行われる前に行われた処理がS20又はS21の処理であった場合には、異なる露出補正量(露出補正値)による画像処理を施して複数の画像データを作成する。或いは、この“OKキー判断B”のサブルーチンコールが行われる前に行われた処理がS24又はS25の処理であった場合には、異なるホワイトバランス値による画像処理を施して複数の画像データを作成する。
【0080】
S43では、S41で取得された画像データに係る原画像およびS42で作成された複数の画像データに係る複数の画像、又は、S42で作成された複数の画像データに係る複数の画像を、TFT20にマルチウィンドウ表示する。例えば、このS43の処理が、“OKキー判断B”のサブルーチン内で初めに行われる場合であって、“OKキー判断B”のサブルーチンコールが行われる前に行われた処理がS20の処理であった場合には、図5に示したようなプラスの露出補正に係るマルチウィンドウ表示が行われる。或いは、このS43の処理が、“OKキー判断B”のサブルーチン内で初めに行われる場合であって、“OKキー判断B”のサブルーチンコールが行われる前に行われた処理がS21の処理であった場合には、図6に示したようなマイナスの露出補正に係るマルチウィンドウ表示が行われる。若しくは、このS43の処理が、“OKキー判断B”のサブルーチン内で初めに行われる場合であって、“OKキー判断B”のサブルーチンコールが行われる前に行われた処理がS24の処理であった場合には、図9に示したような屋外用のホワイトバランスに係るマルチウィンドウ表示が行われる。或いは、このS43の処理が、“OKキー判断B”のサブルーチン内で初めに行われる場合であって、“OKキー判断B”のサブルーチンコールが行われる前に行われた処理がS25の処理であった場合には、図10に示したような屋内用のホワイトバランスに係るマルチウィンドウ表示が行われる。なお、このS43の処理が、“OKキー判断B”のサブルーチン内で初めに行われる場合には、画面左上の画像にカーソル(35又は36)が表示される。
【0081】
S44では、OKキー30が押下されたか否かを判定する。ここで、OKキー30が押下された場合には(S44がYES)S45へ分岐し、そうでない場合には(S44がNO)S46へ分岐する。
【0082】
S45では、リターンして処理が戻る。
S46では、十字キー24が押下されたか否かを判定する。ここで、十字キー24が押下された場合には(S46がYES)S47へ分岐し、そうでない場合には(S46がNO)S47をスキップしてS48へ分岐する。
【0083】
S47では、十字キー24(上キー、下キー、左キー、及び右キー)が押下された方向に応じて、マルチウィンドウ表示上のカーソルを上下左右方向に移動する。但し、画面左上の画像にカーソルが表示されているときに左キーが押下された場合や、画面右下の画像にカーソルが表示されているときに右キーが押下された場合には、S42で作成された別の異なるパラメータ値による画像処理が施されて作成された複数の画像データに係る複数の画像、又は、S41で取得された画像データに係る原画像およびS42で作成された別の異なるパラメータ値による画像処理が施されて作成された複数の画像データに係る複数の画像を、新たにマルチウィンドウ表示する。これにより、例えば、図5に示したマルチウィンドウ表示から図6に示したマルチウィンドウ表示への切り替えや、その逆の切り替え等が可能である。或いは、図9に示したマルチウィンドウ表示から図10に示したマルチウィンドウ表示への切り替えや、その逆の切り替え等が可能である。
【0084】
S48では、MENUキー29が押下されたか否か判定する。ここで、MENUキー29が押下された場合には(S48がYES)図12のS7へ分岐し、そうでない場合には(S48がNO)S49へ分岐する。なお、S7へ分岐した場合には、撮影待機状態となる。
【0085】
S49では、操作入力が無い状態で所定時間が経過したか否かを判定する。ここで、所定時間を経過しても操作入力が無い場合には(S49がYES)S50へ分岐し、所定時間が経過していない場合には(S49がNO)S41へ戻り再度S41の処理を実行する。これにより、操作入力が無い状態では、S41の“撮像”、S42の“画像処理”、及びS43の“マルチウィンドウ表示”という一連のプロセスが繰り返し実行され、TFT20には、パラメータが異なる複数のスルー画像がマルチウィンドウ表示される。
【0086】
S50では、不図示のスリープモード(省エネルギーモード)に移行する。
以上のように、本実施形態に係るデジタルカメラによれば、同一撮影パラメータ(露出補正又はホワイトバランス)の異なるパラメータ値による複数の画像をマルチウィンドウ表示することが可能であるため、カメラ操作者が初心者であっても、パラメータ値の違いを容易に理解することができる。
【0087】
また、原画像の撮像、画像処理(画像作成)、及びマルチウィンドウ表示といった一連のプロセスを繰り返し行うため、被写体の動きや明るさに変化があっても、被写体の現在の状態をマルチウィンドウ表示上に忠実に反映することができる。よって、カメラ操作者は過去の記憶に頼ることなく、撮影パラメータのパラメータ値を設定することができる。
【0088】
さらに、複数ページに渡るマルチウィンドウ表示が可能であるときに、初めに最適なページを自動的に表示するため、使い勝手が非常に良い。例えば、図9及び図10に示した2ページに渡るマルチウィンドウ表示が可能であるときに、撮影場所が屋外であれば、初めに屋外に適した屋外用のホワイトバランスに係るマルチウィンドウ表示(図9)が自動的に行われるので使い勝手が良い。
【0089】
なお、本実施形態に係るデジタルカメラでは、マルチウィンドウ表示の際に、1画面あたり最高で4つのスルー画像を表示可能としたが、それを4つ以外の複数のスルー画像とすることも可能である。
【0090】
また、本実施形態に係るデジタルカメラでは、マルチウィンドウ表示可能な撮影パラメータを露出補正又はホワイトバランスとしたが、それを例えば撮影シーンなど、その他の撮影パラメータとすることも可能である。撮影パラメータを撮影シーンとした場合、そのパラメータ値は、ポートレート、風景、夜景、スポーツ等といった撮影シーンに適したパラメータ値を適用することができる。
【0091】
また、本実施形態に係る撮像装置は、上述のデジタルカメラの他、カメラ付携帯電話機、カメラ付PHS(Personal Handyphone System)、及びカメラ付PDA(Personal Digital Assistant)等として構成することもできる。
【0092】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良及び変更を行っても良いのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】図1は、一実施の形態に係る撮像装置であるデジタルカメラのブロック図である。
【図2】図2は、デジタルカメラの外観背面図である。
【図3】第1階層メニューの表示画面例を示す図である。
【図4】第2階層メニューの表示画面例を示す図である。
【図5】プラスの露出補正に係るマルチウィンドウ表示の画面例を示す図である。
【図6】マイナスの露出補正に係るマルチウィンドウ表示の画面例を示す図である。
【図7】露出補正量が−1.3EVのスルー画像が全画面表示された画面例を示す図である。
【図8】第2階層メニューの表示画面例を示す図である。
【図9】屋外用のホワイトバランスに係るマルチウィンドウ表示の画面例を示す図である。
【図10】屋内用のホワイトバランスに係るマルチウィンドウ表示の画面例を示す図である。
【図11】晴天下の撮影に適するホワイトバランス補正を行ったスルー画像が全画面表示された画面例を示す図である。
【図12】マルチウィンドウ表示動作の処理内容を示すフローチャートである。
【図13】OKキー判断Aの処理内容を示すフローチャートである。
【図14】OKキー判断B処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0094】
1 光学系
2 撮像素子
3 撮像制御部
4 AE信号処理部
5 鏡枠制御部
6 プログラムメモリ
7 内蔵メモリ
8 外部メモリ
9 表示部
10 画像処理部
11 コントロール部
12 操作部
13 バス
20 TFT
21 レリーズボタン
22 ズームボタン
23 モード設定ダイアル
24 十字キー
25、26、27、28 指標
29 MENUキー
30 OKキー
31、32、33、34、35、36 カーソル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された原画像に対して、同一パラメータの異なるパラメータ値による画像処理を施し、複数の画像を作成する画像作成手段と、
前記画像作成手段により作成された複数の画像、又は、前記原画像及び前記画像作成手段により作成された複数の画像を表示するマルチウィンドウ表示手段と、
を有し、
前記パラメータは露出補正である、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
撮影画角内の輝度分布を計測する輝度分布計測手段、
を更に有し、
前記輝度分布計測手段により計測された輝度分布に応じて、露出補正の方向がプラス補正となるパラメータ値による画像処理が施され作成された複数の画像、又は、露出補正の方向がマイナス露出となるパラメータ値による画像処理が施され作成された複数の画像をマルチウィンドウ表示する、
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記輝度分布計測手段により計測された輝度分布から逆光状態と判定された場合は、露出補正の方向がプラス補正となるパラメータ値による画像処理が施され作成された複数の画像をマルチウィンドウ表示する、
ことを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記輝度分布計測手段により計測された輝度分布から順光状態と判定された場合は、露出補正の方向がマイナス補正となるパラメータ値による画像処理が施され作成された複数の画像をマルチウィンドウ表示する、
ことを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項5】
被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された原画像に対して、同一パラメータの異なるパラメータ値による画像処理を施し、複数の画像を作成する画像作成手段と、
前記画像作成手段により作成された複数の画像、又は、前記原画像及び前記画像作成手段により作成された複数の画像を表示するマルチウィンドウ表示手段と、
を有し、
前記パラメータはホワイトバランスである、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
撮影場所が屋外であるか屋内であるかを判定する屋外/屋内判定手段、
を更に有し、
前記屋外/屋内判定手段により撮影場所が屋外であると判定された場合には、屋外を想定したホワイトバランスのパラメータ値による画像処理が施され作成された複数の画像をマルチウィンドウ表示し、屋内であると判定された場合には、屋内を想定したホワイトバランスのパラメータ値による画像処理が施され作成された複数の画像をマルチウィンドウ表示する、
ことを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
【請求項7】
前記屋外/屋内判定手段は、被写界の輝度情報に基づいて、撮影場所が屋外であるか屋内であるか判定する、
ことを特徴とする請求項6記載の撮像装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−33469(P2009−33469A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−195218(P2007−195218)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】