説明

撮像装置

【課題】撮像した画像の周辺部分でスミアの発生により異なる色付きが発生することを防止することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】CCD22は、受光した光の光量に応じて電荷を蓄積する複数の受光素子80を垂直方向に沿って配列した素子列82を水平方向に並列に複数列配置した半導体基板90と、半導体基板90上の光の入射側に設けられ、所定の色パターンを有して各々の前記受光素子に対して何れかの色成分の光を透過するカラーフィルタと、各々の素子列82に対応して並列に配置され、対応する素子列82の各受光素子80に蓄積された電荷を転送する複数の垂直転送路86と、を備えており、半導体基板90上における光学ユニット20から入射した光の光軸に対応する位置を含む垂直方向に沿った境界線を境として分割した領域の素子列82と当該素子列82に対応する垂直転送路86との水平方向における並び順を逆としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受光した光の光量に応じて電荷を蓄積する複数の受光素子を所定方向に沿って配列した素子列を前記所定方向と交差する交差方向に並列に複数列配置し、光の入射側に所定の色パターンを有するカラーフィルタが設けた固体撮像素子及び当該固体撮像素子を用いて撮像を行う撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の固体撮像素子を用いて静止画像或いは動画像の撮影を行うデジタルカメラ等の撮像装置が普及している。この種の撮像装置では、レンズ等の撮像レンズを介して被写体像に対応する光をCCDセンサの受光面上に結像させ、CCDセンサの各画素で受光した光量に応じて蓄積される電荷を読み出すことにより被写体像を示す画像信号を取得している。
【0003】
このCCDセンサには、受光した光の光量に応じて電荷を蓄積する複数の受光素子を所定方向に沿って配列した素子列を前記所定方向と交差する交差方向に並列に複数列配置し、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の色パターンを有するカラーフィルタを光の入射側に設けて、各々の前記受光素子で何れか色成分の光量に応じた電荷を蓄積し、各素子列の間に設けられた複数の転送路を介して蓄積された電荷を読み出す構成のものがある。この転送路は、各々複数の領域に分かれて各領域毎に電極が設けられており、各領域に順次電圧が印加することにより各受光素子に蓄積された電荷を読み出して転送することができる。また、この転送路は、光を受光するとノイズが発生してスミアが発生するため、各転送路の電極上に遮光膜が形成されて転送路が遮光されている。なお、特許文献1には、CCDセンサ上に大光量の光を受光すると、遮光膜を通り抜けた光により転送路にスミアが発生するため、転送路毎に電荷の転送方向を逆にしてスミアを軽減させる技術が開示されている。また、特許文献2には、垂直転送路上に設けた電極を単層構造として凹凸を無くし、遮光膜による遮光性を高める技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−112723公報
【特許文献2】特開2002−198508公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、撮像装置は、小型化、薄型化が進み、撮像レンズとCCDセンサとの距離を短くなっている。このように、撮像レンズとCCDセンサとの距離が短くなると受光面の中央部分に比べて周辺部分の各受光素子での光の入射角が大きくなる。
【0006】
しかしながら、CCDセンサでは、光の入射角が大きくなると、受光素子に入射した光が遮光膜の端部から当該受光素子に隣接する外側の転送路に入ってスミアが発生し、撮像した画像に色付きを発生させる場合があり、撮像した画像の周辺部分でスミアによる色付きが異なる場合がある、という問題点があった。
【0007】
すなわち、例えば、CCDセンサの各素子列の右側に、その素子列の各受光素子に蓄積された電荷を転送するための転送路が設けられた構成の場合、撮像レンズとCCDセンサとの距離が短くなって周辺部分の光の入射角が大きくなると、受光面の右側の周辺部分の各受光素子では、その受光素子の右側に隣接する転送路に、本来当該受光素子に入射するべき光が入射することによりスミアが発生し、受光面の左側の周辺部分の各受光素子では、その受光素子の左側に隣接する転送路に、本来当該受光素子に入射するべき光が入射することによりスミアが発生する。この右側に隣接する転送路は、受光素子自身に蓄積された電荷を転送するための転送路であるが、左側に隣接する転送路は、左隣の受光素子に蓄積された電荷を転送するための転送路であるため、撮像した画像の左右で色付きが異なってしまう場合があった。
【0008】
なお、特許文献1及び特許文献2の技術では、光の入射角が大きくなって周辺部の各受光素子でスミアが発生した場合に、撮像した画像の周辺部分でのスミアによる色付きの異なりを防止することができない。
【0009】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、撮像した画像の周辺部分でスミアの発生により異なる色付きが発生することを防止することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1記載の撮像装置は、受光した光の光量に応じて電荷を蓄積する複数の受光素子を所定方向に沿って配列した素子列を前記所定方向と交差する交差方向に並列に複数列配置した基板と、前記基板上の光の入射側に設けられ、所定の色パターンを有して各々の前記受光素子に対して何れかの色成分の光を透過するカラーフィルタと、各々の前記素子列に対応して並列に配置され、対応する前記素子列の各受光素子に蓄積された電荷を転送する複数の転送路と、を備えた固体撮像素子であって、前記基板上における撮像レンズから入射した光の光軸に対応する位置を含む前記所定方向に沿った境界線を境として分割した領域の前記素子列と当該素子列に対応する前記転送路との前記交差方向における並び順を逆とし、前記境界線に対して前記素子列の各受光素子の位置を対称とし、前記境界線に対して前記カラーフィルタの色パターンを対称とした固体撮像素子と、前記固体撮像素子より転送された前記受光素子毎の電荷の電荷量に基づいて画像データを生成する生成手段と、前記境界線上に前記カラーフィルタの色パターンに対応した色の擬似的な受光素子を仮定し、前記画像データにより示される画像の当該擬似的な受光素子に対応する位置のデータを、当該位置に対して両側の対称で且つ前記擬似的な受光素子に対応させた色と同色の画素のデータに基づいて補完する補完手段と、を備えている。
【0011】
請求項1に記載の固体撮像素子は、基板に、受光した光の光量に応じて電荷を蓄積する複数の受光素子を所定方向に沿って配列した素子列が前記所定方向と交差する交差方向に並列に複数列配置され、所定の色パターンを有して各々の前記受光素子に対して何れかの色成分の光を透過するカラーフィルタが前記基板上の光の入射側に設けられ、転送路が各々の前記素子列に対応して並列に配置され、当該転送路により対応する前記素子列の各受光素子に蓄積された電荷が転送されており、基板上における撮像レンズから入射した光の光軸に対応する位置を含む前記所定方向に沿った境界線を境として分割した領域の前記素子列と当該素子列に対応する前記転送路との前記交差方向における並び順が逆とされ、前記境界線に対して前記素子列の各受光素子の位置が対称とされ、前記境界線に対して前記カラーフィルタの色パターンが対称とされている。
【0012】
また、生成手段により、固体撮像素子より転送された受光素子毎の電荷の電荷量に基づいて画像データが生成され、補完手段により、境界線上に前記カラーフィルタの色パターンに対応した色の擬似的な受光素子を仮定し、画像データにより示される画像の当該擬似的な受光素子に対応する位置のデータが、当該位置に対して両側の対称で且つ前記擬似的な受光素子に対応させた色と同色の画素のデータに基づいて補完される。
【0013】
このように、請求項1に記載の発明によれば、基板上における撮像レンズから入射した光の光軸に対応する位置を含む前記所定方向に沿った境界線を境として分割した領域の前記素子列と当該素子列に対応する前記転送路との交差方向における並び順を逆としているので、境界線を境として分割した領域の両側で並び順が対称となり、撮像した画像の周辺部分でスミアの発生により異なる色付きが発生することを防止することができる。
【0014】
また、請求項1に記載の発明によれば、固体撮像素子の素子列の各受光素子とカラーフィルタの色パターンが境界線に対して対称であるため、撮像した画像の周辺部分でスミアの発生により異なる色付きが発生することを防止できる。また、境界線上にカラーフィルタの色パターンに対応した色の擬似的な受光素子を仮定し、画像データにより示される画像の当該擬似的な受光素子に対応する位置のデータを、当該位置に対して両側の対称で且つ前記擬似的な受光素子に対応させた色と同色の画素のデータに基づいて補完するので、カラーフィルタの色パターン及び、前記素子列の各受光素子及び前記転送路の位置を境界線に対して対称としたことによる画質の劣化を抑制することができる。
【0015】
また、請求項1記載の発明は、請求項2に記載の発明のように、固体撮像素子が、前記境界線に沿って前記分割した領域を電気的に分離する電荷分離層をさらに備えてもよい。
【0016】
また、請求項1又は請求項2に記載の発明は、請求項3に記載の発明のように、固体撮像素子が、前記境界線に沿って対応する前記素子列を有しない転送路をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0017】
このように、本発明によれば、境界線を境として分割した領域の前記素子列と当該素子列に対応する前記転送路との前記交差方向における並び順を逆とすることにより、撮像した画像の周辺部分でスミアの発生により異なる色付きが発生することを防止することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施の形態に係るデジタルカメラの主要構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態に係るCCDの構成を示す平面図である。
【図3】第1の実施の形態に係るCCDの撮像部の部分拡大平面図である。
【図4】(A)CCDのV1−V1線断面図、(B)CCDのV2−V2線断面図である。
【図5】第1の実施の形態に係る光学ユニットとCCDとの位置関係を示す図である。
【図6】第2の実施の形態に係るCCDの構成を示す平面図である。
【図7】第2の実施の形態に係るCCDの擬似的な受光素子の位置を示す平面図である。
【図8】第2の実施の形態に係る補完処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第3の実施の形態に係るCCDの構成を示す平面図である。
【図10】第3の実施の形態に係る補正処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1に示すように、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の概略構成が示されている。このデジタルカメラ10は、被写体像を結像させるためのレンズを含んで構成された光学ユニット20と、上記レンズの光軸後方に配設されたCCD22と、CCD22からの出力信号に基づき被写体像を示すデジタル画像データを生成すると共に光学ユニット20の各部、CCD22等を駆動するためのタイミング信号を生成する信号処理部40と、デジタルカメラ10の全体的な動作を司る主制御部60と、CCD22を駆動する垂直・水平ドライバ24と、光学ユニット20に含まれるシャッタ及び絞り機構を駆動するシャッタ・アイリスモータドライバ26と、光学ユニット20に含まれる焦点調整モータを駆動するフォーカスモータドライバ28と、光学ユニット20に含まれるズームモータを駆動するズームモータドライバ30と、を含んで構成されている。
【0020】
なお、信号処理部40及び主制御部60は1チップLSI(Large Scale Integrated circuit)として構成されており、これによってデジタルカメラ10の小型化、高信頼性化、及び低コスト化が図られている。
【0021】
また、デジタルカメラ10は、CCD22による撮像によって得られた被写体像や各種情報を表示する液晶ディスプレイ(LCD)72と、主としてCCD22による撮像によって得られたデジタル画像データを記憶するSDRAM(Synchronous Dynamic RAM)74と、各種のパラメータやプログラム等を記憶したフラッシュROM76と、を含んで構成されている。
【0022】
主制御部60は、主制御部60全体の動作を司るCPU(中央演算処理装置)61と、所定容量のラインバッファを内蔵すると共に、ホワイトバランスの変動を調整するホワイトバランス調整回路(WB)62A及びRGBデータをYC信号に変換するY/C変換回路(Y/C)62Bを含んで構成された撮像制御部62と、撮影されたデジタル画像データに対して所定の圧縮形式で圧縮処理を施すと共に、圧縮処理されたデジタル画像データに対して伸張処理を施す圧縮・伸張部63と、メディア制御部64と、LCD制御部65と、がバスBUSを介して相互に接続されて構成されている。
【0023】
なお、デジタルカメラ10は、図示しないモード切替えスイッチを切替えることにより静止画像撮影モードと動画像撮影モードの切替えが可能であり、上記圧縮・伸張部63は、静止画像撮影モードで撮影されたデジタル画像データに対して所定の静止画像圧縮方式(本実施の形態では、JPEG(Joint Photographic Coding Expert Group)方式)での圧縮処理及び伸張処理を行う一方、静止画像撮影モードで撮影されたデジタル画像データに対して所定の動画像圧縮方式(本実施の形態では、MPEG(Moving Picture Expert Group)−2方式)での圧縮処理及び伸張処理を行う。
【0024】
メディア制御部64は、可搬型の記憶メディア70と接続されており、メディア制御部64によって記憶メディア70に対する各種情報の書き込みや当該記憶メディア70に書き込まれている各種情報の読み出しが制御される。なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、記憶メディア70としてスマートメディア(登録商標)を適用している。
【0025】
また、LCD制御部65には上記LCD72が接続されており、LCD72にはLCD制御部65の制御下で各種情報が表示される。なお、LCD72は、CCD22による連続的な撮像によって得られた動画像(スルー画像)を表示してファインダとして使用することができる。
【0026】
また、SDRAM74及びフラッシュROM76は主制御部60のバスBUSに接続されている。従って、CPU61は、SDRAM74及びフラッシュROM76に記憶されている各種データに随時アクセスすることができる。
【0027】
一方、信号処理部40は、相関2重サンプリング(Correlated Double Sampling)回路(CDS)42と、ゲインコントロールアンプ(GCA)44と、A/Dコンバータ46と、タイミングジェネレータ48と、を含んで構成されている。
【0028】
CCD22の出力端は、上記のCDS42、GCA44、及びA/Dコンバータ46を順に介して撮像制御部62に接続されている。CCD22から出力された信号は、CDS42によって相関2重サンプリング処理が施され、GCA44によってCCD22におけるR(赤)、G(緑)、B(青)毎の所定の感度調整処理が施された後、各画素毎のR、G、B信号としてA/Dコンバータ46に出力される。A/Dコンバータ46は、GCA44から順次出力されたR、G、B信号を各々所定ビット数のデジタル信号(以下、「デジタル画像データ」という。)に変換して上述した撮像制御部62に出力する。
【0029】
撮像制御部62は内蔵しているラインバッファにA/Dコンバータ46から順次入力されるデジタル画像データを蓄積して一旦SDRAM74に格納する。
【0030】
SDRAM74に格納されたデジタル画像データは、CPU61の制御下でWB62Aに読み出され、これらに光源種に応じたデジタルゲインをかけることでホワイトバランス調整を行なうと共に、ガンマ処理及びシャープネス処理を行なって所定のデジタル画像データを生成し、更に、Y/C62BにてYC信号処理して輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(以下、「YC信号」という。)を生成し、YC信号を再びSDRAM74に格納する。
【0031】
なお、LCD72をファインダとして使用する場合には、生成したYC信号を、LCD制御部65に順次出力し、LCD72にてスルー画像が表示されることになる。
【0032】
デジタルカメラ10は、撮影者によって静止画像撮影モードが選択され、図示しないシャッターボタンが押圧操作されると、SDRAM74に格納された上記YC信号を、圧縮・伸張部63において所定の静止画像圧縮方式で圧縮した後にメディア制御部64を介して記憶メディア70に記憶する。一方、撮影者によって動画像撮影モードが選択され、図示しないシャッターボタンが押圧操作されると、SDRAM74に格納された上記YC信号を、圧縮・伸張部63において随時所定の動画像圧縮方式で圧縮して記憶メディア70に記憶させて動画像の記録を行い、再度シャッターボタンが押圧操作されるとYC信号を圧縮処理を停止して動画像の記録を停止する。
【0033】
一方、上記タイミングジェネレータ48には垂直・水平ドライバ24、シャッタ・アイリスモータドライバ26、及び撮像制御部62が接続されている。
【0034】
タイミングジェネレータ48は、撮像制御部62により制御されており、垂直・水平ドライバ24にCCD22を駆動させるためのタイミング信号を出力し、また、シャッタ・アイリスモータドライバ26に光学ユニット20に備えられたメカシャッター及び絞り機構を駆動させるためのタイミング信号を出力する。
【0035】
また、フォーカスモータドライバ28及びズームモータドライバ30は、各々主制御部60(より詳しくはCPU61)に接続されており、フォーカスモータドライバ28は光学ユニット20に備えられた焦点調整モータに、ズームモータドライバ30は光学ユニット20に備えられたズームモータに、各々接続されている。
【0036】
本実施の形態に係る光学ユニット20に含まれるレンズは、複数枚のレンズを有し、焦点距離の変更(変倍)が可能なズームレンズとして構成され、図示しないレンズ駆動機構を備えている。このレンズ駆動機構には上述したズームモータ及び焦点調整モータが含まれており、各々CPU61の制御下でズームモータドライバ30及びフォーカスモータドライバ28から供給された駆動信号によって駆動する。
【0037】
CPU61は、光学ズーム倍率を変更する際、ズームモータドライバ30を介してズームモータを駆動制御することによって光学ユニット20に含まれるレンズの焦点距離を変化させる。
【0038】
また、CPU61は、CCD22による撮像によって得られた画像のコントラストが最大となるようにフォーカスモータドライバ28を介して焦点調整モータを駆動制御することによって合焦制御を行う。すなわち、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、合焦制御として、読み取られた画像のコントラストが最大となるようにレンズの位置を設定する所謂TTL(Through The Lens)方式を採用しており、被写体がLCD72に表示されるフレーム内に所定の位置に位置した状態で、撮影者によって図示しないシャッターボタンが半押されることによって、自動的に合焦制御がなされるように構成されている。
【0039】
図2には、本実施の形態に係るCCD22の詳細な構成が示されている。なお、本実施の形態に係るCCD22には、本発明の出願人によって提案されているハニカムCCDを採用している。
【0040】
CCD22は、複数の受光素子80を所定ピッチ(本実施の形態では、Pv(μm))で垂直方向に沿って配列した素子列82を垂直方向と交差する水平方向に所定間隔(本実施の形態では、Ph(μm)))で並列に複数列配置されている。なお、本実施の形態に係るCCD22は、互いに隣り合った素子列82の各受光素子80を垂直方向に1/2ピッチだけずらしており、受光素子80が、所謂ハニカム状に配列されている。
【0041】
また、CCD22は、受光素子80の前面に形成された開口部85を迂回するように配置され、かつ受光素子80からの信号(電荷)を取り出して垂直方向に転送する垂直転送路86と、垂直転送路86の垂直方向下側に配置され、垂直転送路86から転送されてきた信号を外部へ転送する水平転送路88と、を備えている。この垂直転送路86は、各々の素子列82に対して水平方向における受光した光の光軸と反対となる側の素子列82に対応して当該素子列82と隣接しており、当該隣接した素子列82の各受光素子80に蓄積された電荷を読み出して転送しており、垂直転送路86に対して光軸側の素子列82との間には、画素分離層94が設けられて電気的に分離されている。
【0042】
また、CCD22は、光学ユニット20から入射した光の光軸に対応する位置を含む垂直方向に沿った境界線に沿って隣り合う垂直転送路86を電気的に絶縁して分離する中央分離層89が設けられている。よって、本実施の形態に係るCCD22は、境界線に対して素子列82、画素分離層94及び垂直転送路86の並び順が対称な構造となっている。
【0043】
図3は、本実施の形態に係るCCD22のマイクロレンズ及びカラーフィルタ等を除いた構成を示す部分拡大図であり、図4(A)は、図3のV1−V1線におけるマイクロレンズ及びカラーフィルタ等を付加した断面図であり、図4(B)は、図3のV2−V2線におけるマイクロレンズ及びカラーフィルタ等を付加した断面図である。
【0044】
図3及び図4(A)(B)に示すように、CCD22は、半導体基板90を基板として用いており、半導体基板90は、大きく分けてシリコン等のn型半導体基板90aとp型不純物添加領域(p−ウエル)90bとから構成されており、受光素子80として、このp型不純物添加領域90b内に埋込型のフォトダイオードが埋め込まれて形成されている。
【0045】
また、垂直転送路86は、p型不純物添加領域90b内にn型不純物添加領域として形成されている。垂直転送路86と、この垂直転送路86に信号電荷を読み出す側の受光素子80との間には、読み出しゲート用チャネル92が設けられている。また、垂直転送路86と他の受光素子80との間には、上述したように、p+型不純物添加領域である画素分離層94が設けられている。この画素分離層94により、受光素子80と垂直転送路86とが電気的に分離されると共に、垂直転送路86同士も相互に接触しないように分離される。
【0046】
一方、半導体基板90の表面には、この読み出しゲート用チャネル92に沿ってn型不純物添加領域93が露出している。そして、受光素子80で発生した信号電荷は、n型不純物添加領域93に一時的に蓄積された後、読み出しゲート用チャネル92を介して隣接する垂直転送路86に読み出される。なお、本実施の形態に係るCCD22では、図4(A)(B)に示すように、中央分離層89に対して受光素子80、n型不純物添加領域93、読み出しゲート用チャネル92、垂直転送路86、画素分離層94の並び順が対称な構造となっている。このため、中央分離層89の右側領域では、n型不純物添加領域93に蓄積された電荷が、図3の矢印A方向に隣接する左側の垂直転送路86に読み出され、中央分離層89の左側領域では、n型不純物添加領域93に蓄積された電荷が、図3の矢印B方向に隣接する右側の垂直転送路86に読み出される。
【0047】
垂直転送路86の表面には、半導体基板90の表面には、フォトダイオード間を通過するように水平方向に延びた転送電極96(図4参照)が形成されており、転送電極96のうち読み出し信号が印加される電極の下方にある読み出しゲート用チャネル92から信号電荷が転送される。
【0048】
転送電極96は、各受光素子80に対して異なる位相で駆動する4つの転送電極96を1組として、垂直方向に複数組配列されており、タイミングジェネレータ48からのタイミング信号により垂直・水平ドライバ24から4つの転送電極96に対して順次位相の異なる電圧が印加されて4相駆動(φ1〜φ4)行い、受光素子80で発生した電荷を垂直方向に転送する。異なる位相で駆動する転送電極96の各々は、狭いギャップ(転送電極の配列方向の間隔)98を介して同一平面状に形成した単層電極で構成されている。
【0049】
転送電極96が形成された半導体基板90の表面は、透明樹脂等で構成された表面保護膜100(図4参照)により覆われ、この表面保護膜100上には、遮光膜102が形成されている。遮光膜102は、各受光素子80毎に、受光領域であるp+型不純物添加領域90bに受光される光を透過させる光透過部として、例えば八角形状の開口部85を有している。遮光膜102の縁部は、受光領域の中心方向に延在させられており、遮光膜102により受光素子80の開口形状が画定されている。
【0050】
遮光膜102及び遮光膜102から露出している表面保護膜100上には、透明樹脂で形成された平坦化膜104を介して、赤色(R)フィルタ106R、緑色(G)フィルタ106G及び青色(B)フィルタ106Bを備えたカラーフィルタ106が形成されている。Rフィルタ106R、Gフィルタ106G及びBフィルタ106Bは、個々の受光素子80に対応して、RGBの各色が所定の色パターンで配置されている。また、カラーフィルタ106上には、平坦化膜108を介して、複数のマイクロレンズ110を備えたマイクロレンズアレイが形成されている。なお、図2、図3、図6、図7、及び図9において受光素子80に‘R’が記入された受光素子80の前面に形成された開口部85はRフィルタ106Rで覆われており、‘G’が記入された受光素子80の前面に形成された開口部85はGフィルタ106Gで覆われており、‘B’が記入された受光素子80の前面に形成された開口部85はBフィルタ106Bで覆われており、‘R’が記入された受光素子80は赤色光を、‘G’が記入された受光素子80は緑色光を、‘B’が記入された受光素子80は青色光を、各々受光するものとされている。
【0051】
ところで、図5に示すように、デジタルカメラ10は薄型化が進み、光学ユニット20とCCD22との距離を短くなると、CCD22の受光面の中央部分に比べて周辺部分の各受光素子80の光の入射角が大きくなる。そして、光の入射角が大きくなると、図4(A)、(B)に示すように遮光膜102の端部から当該受光素子に隣接する外側の転送路に入ってスミアを発生させてしまう。
【0052】
しかし、本実施の形態に係るCCD22は、上述したように境界線に対して素子列82及び垂直転送路86の並び順が対称な構造となっている。これにより、受光面の右側の周辺部分の受光素子80では、右隣の素子列82の受光素子80に蓄積された電荷を転送する右側の垂直転送路86にスミアが発生し、受光面の左側の周辺部分の受光素子80では、左隣の素子列82の受光素子80に蓄積された電荷を転送する左側の垂直転送路86にスミアが発生する。よって、共に隣の素子列82の垂直転送路86に対してスミアを発生させるので、撮像した画像の周辺部での異なる色付きの発生を防止することができる。
【0053】
また、本実施の形態に係るCCD22は、中央分離層89が設けらているため、例えば、CCD22に明るいスポットが当たり、その周辺の画素まで電荷があふれ出して画像が白くなるブルーミングが発生した場合であっても、中央分離層89で止めることができる。なお、中央分離層89を設けたことにより境界線部分で素子列82間の幅が大きくなるが、中央分離層89の幅を小さくすることにより画質に影響を少なく抑えることができる。
【0054】
以上詳細に説明したように、第1の実施の形態のCCD22は、受光した光の光量に応じて電荷を蓄積する複数の受光素子を所定方向(ここでは、垂直方向)に沿って配列した素子列を前記所定方向と交差する交差方向(ここでは、水平方向)に並列に複数列配置した基板(ここでは、半導体基板90)と、前記基板上の光の入射側に設けられ、所定の色パターンを有して各々の前記受光素子に対して何れかの色成分の光を透過するカラーフィルタと、各々の前記素子列に対応して並列に配置され、対応する前記素子列の各受光素子に蓄積された電荷を転送する複数の転送路(ここでは、垂直転送路86)と、を備えており、前記基板上における撮像レンズ(ここでは、光学ユニット20)から入射した光の光軸に対応する位置を含む前記所定方向に沿った境界線を境として分割した領域の前記素子列と当該素子列に対応する前記転送路との前記交差方向における並び順を逆としているので、撮像した画像の周辺部分でスミアの発生により異なる色付きが発生することを防止することができる。
【0055】
また、第1の実施の形態のCCD22は、前記境界線に沿って前記分割した領域を電気的に分離する電荷分離層(ここでは、中央分離層89)をさらに備えているので、一方の領域にスミアやブルーミング等のノイズが発生しても他方の領域へのノイズの影響を防ぐことができる。
【0056】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、CCD22の素子列82の各受光素子80及び垂直転送路86の位置を及び、カラーフィルタ106の色パターンを境界線に対して対称とした場合の形態例について説明する。
【0057】
図6には、第2の実施の形態に係るCCD22の詳細な構成が示されている。なお、同図の図2と同一の構成要素については図2と同一符号箇所を付して、その説明を省略する。
【0058】
第2の実施の形態に係るCCD22は、中央分離層89に対して、素子列82の各受光素子80及び垂直転送路86の位置が対象となっている。また、カラーフィルタ106の色パターンも中央分離層89に対して対称となっている。
【0059】
このように、受光素子80及び垂直転送路86の位置を対称とすることにより、左右の周辺部の受光素子80での光の入射角が同じとなるため、同じ位置でスミアが発生する。また、カラーフィルタ106の色パターンを対称とすることにより、左右での色の違いが無くなる。このため、異なる色付き発生を防止することがでいる。
【0060】
次に、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の撮像時の動作について説明する。
【0061】
デジタルカメラ10は、撮影スタンバイ状態となり、光学ユニット20を介してCCD22の受光面上に光を受光すると、当該CCD22の受光素子80において光電変換が行われて、受光した光を光量に応じて各受光素子80に電荷が蓄積される。
【0062】
タイミングジェネレータ48は、撮影スタンバイ状態となると、垂直・水平ドライバ24に対してCCD22の各受光素子80に蓄積された電荷を読み出すタイミングを制御するタイミング信号を出力する。
【0063】
垂直・水平ドライバ24は、入力した当該タイミング信号に応じて転送電極96に対して順次位相の異なる電圧が印加されて4相駆動(φ1〜φ4)行い、受光素子80で発生した信号電荷を垂直方向に転送させ、水平転送路88を介して蓄積された電荷の読み出し、信号として出力させる。
【0064】
CCD22から出力された信号は、信号処理部40のCDS42にいより相関2重サンプリング処理が施され、GCA44によりR(赤)、G(緑)、B(青)毎の所定の感度調整処理が施され、A/Dコンバータ46によりデジタル画像データに変換されて、撮像制御部62に出力される。
【0065】
ところで、図6に示されるように、カラーフィルタ106の色パターンを対称としたことにより中央分離層89の位置に対応する素子列82のデータが抜けることとなる。
【0066】
そこで、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、撮像制御部62において、図7に示すように、中央分離層89上に擬似的な受光素子80Aを仮定し、デジタル画像データにより示される画像から当該擬似的な受光素子80Aに対応する位置のデータを当該位置に対して両側の対称で且つ前記擬似的な受光素子と同色であるG色の画素のデータに基づいて補完する補完処理を行い補完した後にデジタル画像データを一旦SDRAM74に格納する。
【0067】
次に、図8を参照しつつ、上述した補完処理を実行する際のデジタルカメラ10の作用を説明する。なお、図8は、当該補完処理の流れを示すフローチャ−トである。
【0068】
同図のステップ200では、デジタル画像データにより示される画像から擬似的な受光素子80Aと同色の両隣の素子列82のデータ(階調値)を読み込む。すなわち、図7に示すL1とL2の素子列82に対応するデータを読み込み。
【0069】
次のステップ202では、読み込んだ同色の両隣の素子列82のデータに基づいて各々の擬似的な受光素子80Aと両隣となる画素の階調値を平均して当該擬似的な受光素子80Aの画素の階調値してデータを補完する。
【0070】
次のステップ204では、補完したデジタル画像データを一旦SDRAM74に格納して処理終了となる。
【0071】
以上詳細に説明したように、第2の実施の形態のCCD22は、境界線に対して素子列の各受光素子の位置を対称としているので、左右の周辺部の受光素子80での光の入射角が同じとなり、同じ位置でスミアが発生するため、撮像した画像の周辺部分でスミアの発生により異なる色付きが発生することを防止することができる。
【0072】
また、第2の実施の形態のCCD22は、前記境界線に対して前記カラーフィルタの色パターンを対称としているので、分割した領域での色の違いが無くなる。このため、異なる色付き発生を防止することがでいる。
【0073】
さらに、第2の実施の形態のデジタルカメラ10は、生成手段(ここでは、信号処理部40)により、固体撮像素子(CCD22)より転送された前記受光素子毎の電荷の電荷量に基づいて画像データを生成し、補完手段(撮像制御部62)により、前記境界線上に前記カラーフィルタの色パターンに対応した色の擬似的な受光素子を仮定し、前記画像データにより示される画像の当該擬似的な受光素子に対応する位置のデータを、当該位置に対して両側の対称で且つ前記擬似的な受光素子に対応させた色と同色の画素のデータに基づいて補完しているので、画質の劣化を防止することができる。
【0074】
なお、第2の形態のステップ202では、各々の擬似的な受光素子80Aのデータを当該擬似的な受光素子80Aと同色の両隣の素子列82の両隣となる画素の階調値を平均する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、該擬似的な受光素子80Aと同色の両隣で、各々複数の素子列82を定めて水平方向に沿った各画素の階調値を該擬似的な受光素子80Aの位置との距離に応じて加重平均して求めてもよい。
【0075】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、各垂直転送路86が光の光軸側の素子列82と隣接するように構成して、境界線を境として分割した領域の素子列82と当該素子列82に対応する転送路86との前記交差方向における並び順を逆とする形態例について説明する。
【0076】
図9には、第3の実施の形態に係るCCD22の詳細な構成が示されている。なお、同図の図2と同一の構成要素については図2と同一符号箇所を付して、その説明を省略する。
【0077】
第3の実施の形態に係るCCD22は、各垂直転送路86が水平方向における受光した光の垂直転送路86に対して光軸側の素子列82に対応して当該素子列82と隣接しており、垂直転送路86に対して光軸側と反対となる側には、画素分離層94が設けられて電気的に分離されている。よって、本実施の形態に係るCCD22は、境界線に対して素子列82、画素分離層94及び垂直転送路86の並び順が対称な構造となっている。
【0078】
このように、各垂直転送路86が光の光軸側に隣接した素子列82の各受光素子80に蓄積された電荷を転送するものとしたことにより、受光面の周辺部分での光の入射角が大きくなった場合に、受光面の右側の周辺部分の受光素子80では、当該受光素子80に蓄積された電荷を転送する右側の垂直転送路86にスミアが発生し、受光面の左側の周辺部分の受光素子80においても、当該受光素子80に蓄積された電荷を転送する左側の垂直転送路86にスミアが発生する。よって、共に受光素子80自身に蓄積された電荷を転送する垂直転送路86に対してスミアを発生させるので、撮像した画像の周辺部での色付きの発生を防止することができる。
【0079】
また、第3の実施の形態に係るCCD22は、受光した光の光軸が通る位置に垂直方向に沿って定めた境界線に沿って垂直転送路86と同様の構成の対応する素子列82を有しないノイズ電荷転送路120が設けられている。このノイズ電荷転送路120の両側は、画素分離層94が設けられて電気的に何れの素子列82とも分離されている。
【0080】
ところで、CCD22は、大光量の光を受光すると、遮光膜102を通り抜けた光により各垂直転送路86及びノイズ電荷転送路120にスミアが発生する。このノイズ電荷転送路120は、何れの素子列82とも分離されているため、スミア等のノイズの発生による電荷が蓄積される。
【0081】
信号処理部40は、CCD22から出力された信号からノイズ電荷転送路120による信号を抽出し、ノイズデータとして撮像制御部62に出力する。
【0082】
撮像制御部62では、当該ノイズデータに基づいて画像データからノイズを取り除く補正処理を行い、補正したデジタル画像データを一旦SDRAM74に格納する。
【0083】
次に、図10を参照しつつ、上述した補正処理を実行する際のデジタルカメラ10の作用を説明する。なお、図10は、当該補完処理の流れを示すフローチャ−トである。
【0084】
同図のステップ300では、ノイズデータにより示されるノイズ電荷転送路120に蓄積されていた電荷量が所定量未満であるか否かを判定し、否定判定でなった場合はステップ302へ移行し、肯定判定となった場合は処理終了となる。
【0085】
すなわち、ノイズ電荷転送路120に蓄積された電荷を画像とした場合に、白筋状となるようなスミアが発生している場合、当該電荷量に基づく補正を行った場合、過剰補正となってしまうため、ノイズ電荷転送路120に蓄積された電荷が所定値未満の場合に補正を行う。なお、所定量は白筋状となるようなスミアの発生したと判定できる適切な値に定められている、
ステップ302では、ノイズデータにより示される電荷量が多いほど、輝度を下げるように画像データにより示される画像全体の階調値の補正を行い、処理終了となる。
【0086】
以上詳細に説明したように、第3の実施の形態のCCD22は、境界線に沿って対応する素子列を有しない転送路(ここでは、垂直転送路86)を備えたので、光を受光した際に転送路に生じるノイズによる電荷を取得することができる。
【0087】
また、第3の実施の形態のデジタルカメラ10は、生成手段により、固体撮像素子より転送された前記受光素子毎の電荷の電荷量に基づいて画像データを生成し、補正手段(ここでは、撮像制御部62)により、前記対応する素子列を有しない転送路から得られる電荷の電荷量に基づいて前記画像データからノイズを取り除く補正を行っているので、撮像した画像の画質を向上させることができる。
【0088】
なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態に係るCCD22は、垂直転送路86の位置を交差方向における受光した光の光軸側と反対となる側の素子列82と隣接するものとした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第3の実施の形態に係るCCD22と同様に、垂直転送路86の位置を交差方向における受光した光の光軸側の素子列82と隣接するものとしてもよい。また、第3の実施の形態に係るCCD22を、第1の実施の形態及び第2の実施の形態に係るCCD22と同様に、垂直転送路86の位置を交差方向における受光した光の光軸側と反対となる側の素子列82と隣接するものとしてもよい。境界線を境として素子列82と当該素子列82に対応する転送路86との交差方向における並び順を逆とした構成であれば何れの構成であっても、撮像した画像の周辺部分でスミアの発生により異なる色付きが発生することを防止することができる。
【0089】
また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、CCD22に中央分離層89を設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第3の実施の形態のように、ノイズ電荷転送路120を設けて画像データからノイズを取り除く補正を行うものとしてもよい。この場合も、撮像した画像の画質を向上させることができる。
【0090】
また、第3の形態では、CCD22にノイズ電荷転送路120を設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1の実施の形態及び第2の実施の形態のように、中央分離層89を設けるものとしてもよい。この場合も、一方の領域にスミアやブルーミング等のノイズが発生しても他方の領域へのノイズの影響を防ぐことができる。
【0091】
また、第1の実施の形態乃至第3の実施の形態では、原色系のカラーフィルタ106を用いたが補色系のカラーフィルタ106を用いてよく。また、色の配列は何れのパターンであってもよい。
【0092】
また、第1の実施の形態乃至第3の実施の形態で説明したCCD22の構成及びデジタルカメラ10の構成(図1〜図7、図9参照。)は、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0093】
さらに、第2の実施の形態及び第2の実施の形態で説明した補完処理、補正処理の流れ(図8、図10参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0094】
10 デジタルカメラ
22 CCD
40 信号処理部
62 撮像制御部
80 受光素子
82 素子列
86 垂直転送路
89 中央分離層
90 半導体基板
106 カラーフィルタ
120 ノイズ電荷転送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光した光の光量に応じて電荷を蓄積する複数の受光素子を所定方向に沿って配列した素子列を前記所定方向と交差する交差方向に並列に複数列配置した基板と、前記基板上の光の入射側に設けられ、所定の色パターンを有して各々の前記受光素子に対して何れかの色成分の光を透過するカラーフィルタと、各々の前記素子列に対応して並列に配置され、対応する前記素子列の各受光素子に蓄積された電荷を転送する複数の転送路と、を備えた固体撮像素子であって、前記基板上における撮像レンズから入射した光の光軸に対応する位置を含む前記所定方向に沿った境界線を境として分割した領域の前記素子列と当該素子列に対応する前記転送路との前記交差方向における並び順を逆とし、前記境界線に対して前記素子列の各受光素子の位置を対称とし、前記境界線に対して前記カラーフィルタの色パターンを対称とした固体撮像素子と、
前記固体撮像素子より転送された前記受光素子毎の電荷の電荷量に基づいて画像データを生成する生成手段と、
前記境界線上に前記カラーフィルタの色パターンに対応した色の擬似的な受光素子を仮定し、前記画像データにより示される画像の当該擬似的な受光素子に対応する位置のデータを、当該位置に対して両側の対称で且つ前記擬似的な受光素子に対応させた色と同色の画素のデータに基づいて補完する補完手段と、
を備えた撮像装置。
【請求項2】
前記固体撮像素子は、前記境界線に沿って前記分割した領域を電気的に分離する電荷分離層をさらに備えた請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記固体撮像素子は、前記境界線に沿って対応する前記素子列を有しない転送路をさらに備えた請求項1又は請求項2記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−193502(P2010−193502A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91432(P2010−91432)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【分割の表示】特願2005−123883(P2005−123883)の分割
【原出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】