説明

撮影装置およびライブビュー表示方法

【課題】低照度環境下であっても電子ファインダを介してユーザにリアルな被写体の映像を表示できる撮影装置およびライブビュー表示方法を提供する。
【解決手段】被写体の光学像から画像データを生成する撮像部(102、105、110および131等)と、被写体を照明する照明部(106および110等)と、被写体の映像を表示する電子ファインダ(110、132、133、141、143および144等)と、照明された被写体の光学像から撮像部が生成した画像データに含まれる色情報を解析する色情報解析部(121、124および123等)と、照明部が駆動されていない際に被写体の光学像から生成したスルー画データの色情報を画像データの色情報で補正する色情報補正部(123等)と、を備え、電子ファインダに色情報が補正されたスルー画データ(第2画像データ)を再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置およびライブビュー表示方法に関し、特に撮像素子で生成された画像データを略リアルタイムに再生する電子ファインダを備えた撮影装置およびライブビュー表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ(以下、両者を合わせて単にデジタルカメラという)では、撮影範囲をレンズを介して覗き見る一般的なファインダの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)アレイなどの撮像素子で取得した電子画像を略リアルタイムに液晶画面等に表示する、いわゆる電子ファインダが採用されている。
【0003】
また、例えば以下に示す特許文献1には、遠隔操作用の監視モニタにリアルタイム画像と3次元シミュレーションによって得られたCG(Computer Graphics)画像とを重畳して表示する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−271993号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、例えば夜間撮影や暗部撮影などの低照度環境下では、デジタルカメラの撮像素子に入射する光の量が明るい場所での撮影時と比較して小さい。このため、デジタルカメラの電子ファインダに表示される略リアルタイムの映像(以下、ライブビュー映像という)は、ほぼ白黒に近いものとなってしまう。これは、光量が少なすぎるために撮像素子で得られた画像信号から色情報を取得できないことに起因している。
【0006】
このため、低照度環境下での撮影では、電子ファインダに表示されるライブビュー映像と実際の被写体との色彩が大きく異なってしまい、ユーザにリアルな被写体の映像を表示することができないという問題が存在する。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、低照度環境下であっても電子ファインダを介してユーザにリアルな被写体の映像を表示できる撮影装置およびライブビュー表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために、本発明による撮影装置は、撮像範囲中の被写体の光学像から画像データを生成する撮像部と、前記被写体を照明する照明部と、前記撮像部で生成された前記被写体の画像データを再生する電子ファインダと、を備えた撮影装置であって、前記照明部によって照明された前記被写体の光学像から前記撮像部が生成した第1画像データに含まれる第1色情報を解析する色情報解析部と、前記照明部が駆動されていない際に前記撮像部が前記被写体の光学像から生成した第2画像データの第2色情報を前記第1色情報で補正する色情報補正部と、を備え、前記電子ファインダが、前記第2色情報が補正された前記第2画像データを再生することを特徴としている。
【0009】
上記した本発明による撮影装置は、前記第1画像データおよび前記第2画像データに含まれる被写体を識別する被写体識別部を備え、前記色情報解析部が、前記被写体識別部によって識別された前記第1画像データ中の前記被写体ごとに前記第1色情報を解析し、前記色情報補正部が、前記被写体識別部によって識別された前記第2画像データ中の前記被写体ごとに前記第2色情報を前記第1色情報で補正することを特徴としている。
【0010】
上記した本発明による撮影装置は、前記電子ファインダに前記被写体の映像を表示するカメラ撮影モードのオン/オフを管理するカメラ撮影モード管理部を備え、前記照明部および前記撮像部が、前記カメラ撮影モード管理部が前記カメラ撮影モードをオンにした際、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴としている。
【0011】
上記した本発明による撮影装置は、前記撮像部の向きの変化を検出する姿勢検出部を備え、前記照明部および前記撮像部が、前記姿勢検出部が前記撮像部の向きの変化を検出した場合、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴としている。
【0012】
上記した本発明による撮影装置は、前記撮像部に入射する光学像のズーム倍率を変更可能な光学系を備え、前記光学系が、前記撮像部が前記第1画像データを生成する際、前記ズーム倍率をワイド端に設定することを特徴としている。
【0013】
上記した本発明による撮影装置は、前記撮像部に入射する光学像の画角を変更可能な光学系を備え、前記照明部および前記撮像部が、前記光学系の前記画角が変更された場合、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴としている。
【0014】
上記した本発明による撮影装置は、前記撮像部に入射する光を集光する光学系と、前記光学系の焦点を前記被写体に自動的に調整するオートフォーカス部と、前記オートフォーカス部のオン/オフを切り替える切替部と、を備え、前記照明部および前記撮像部が、前記オートフォーカス部がオンに切り替えられた場合、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴としている。
【0015】
上記した本発明による撮影装置は、前記第2画像データ中の被写体が変化したか否かを判定する変化判定部を備え、前記照明部および前記撮像部が、前記第2画像データ中の被写体が変化したと前記変化判定部が判定した場合、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴としている。
【0016】
上記した本発明による撮影装置は、前記照明部を駆動するフラッシュモードのオン/オフを管理するフラッシュモード管理部を備え、前記照明部および前記撮像部が、前記フラッシュモード管理部が前記フラッシュモードをオンにしている場合、前記第1画像データを生成することを特徴としている。
【0017】
また、本発明によるライブビュー表示方法は、撮像部と照明部と電子ファインダとを備えた撮影装置の前記電子ファインダに前記撮像部の撮像範囲に含まれる被写体の映像を表示するライブビュー表示方法であって、前記照明部を駆動しつつ前記撮像部を駆動することで照明された前記被写体の光学像から第1画像データを生成する第1撮像ステップと、前記第1画像データに含まれる第1色情報を解析する色情報解析ステップと、前記照明部が駆動されていない際に前記撮像部を駆動することで前記被写体の光学像から第2画像データを生成する第2撮像ステップと、前記第2画像データの第2色情報を前記第1色情報で補正する色情報補正ステップと、前記第2色情報が補正された前記第2画像データを前記電子ファインダに再生する再生ステップと、を含むことを特徴としている。
【0018】
上記した本発明によるライブビュー表示方法は、前記第1画像データおよび前記第2画像データに含まれる被写体を識別する被写体識別ステップを含み、前記色情報解析ステップが、前記被写体識別ステップにおいて識別された前記第1画像データ中の前記被写体ごとに前記第1色情報を解析し、前記色情報補正ステップが、前記被写体識別ステップにおいて識別された前記第2画像データ中の前記被写体ごとに前記第2色情報を前記第1色情報で補正することを特徴としている。
【0019】
上記した本発明によるライブビュー表示方法は、前記電子ファインダに前記被写体の映像を表示するカメラ撮影モードのオン/オフを切り替えるカメラ撮影モード管理ステップを含み、前記第1撮像ステップが、前記カメラ撮影モード管理ステップにおいて前記カメラ撮影モードがオンに切り替えられた際、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴としている。
【0020】
上記した本発明によるライブビュー表示方法は、前記撮像部の向きの変化を検出する姿勢検出ステップを含み、前記第1撮像ステップが、前記姿勢検出ステップにおいて前記撮像部の向きの変化が検出された場合、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴としている。
【0021】
上記した本発明によるライブビュー表示方法は、前記撮影装置が、前記撮像部に入射する光学像のズーム倍率を変更可能な光学系を備え、前記第1撮像ステップが、前記第1画像データを生成する際、前記ズーム倍率をワイド端に設定することを特徴としている。
【0022】
上記した本発明によるライブビュー表示方法は、前記撮影装置が、前記撮像部に入射する光学像の画角を変更可能な光学系を備え、前記第1撮像ステップが、前記光学系の前記画角が変更された場合、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴としている。
【0023】
上記した本発明によるライブビュー表示方法は、前記撮影装置が、前記撮像部に入射する光を集光する光学系と、前記光学系の焦点を前記被写体に自動的に調整するオートフォーカス部と、前記オートフォーカス部のオン/オフを切り替える切替部と、を備え、前記第1撮像ステップが、前記オートフォーカス部がオンに切り替えられた場合、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴としている。
【0024】
上記した本発明によるライブビュー表示方法は、前記第2画像データ中の被写体が変化したか否かを判定する変化判定ステップを含み、前記第1撮像ステップが、前記変化判定ステップにおいて前記第2画像データ中の被写体が変化したと判定された場合、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴としている。
【0025】
上記した本発明によるライブビュー表示方法は、前記照明部を駆動するフラッシュモードのオン/オフを管理するフラッシュモード管理ステップを含み、前記第1撮像ステップが、前記フラッシュモード管理ステップにおいて前記フラッシュモードがオンに管理されている場合、前記第1画像データを生成することを特徴としている。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、被写体の色を再現するのには十分でない信号強度の第2画像データの第2色情報が被写体の色を再現するのに十分な信号強度の第1画像データの第1色情報でカラー補正されるため、低照度環境下であっても電子ファインダを介してユーザにリアルな被写体の映像を表示することが可能な撮影装置およびライブビュー表示方法を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の説明において、各図は本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎず、従って、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。
【0028】
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1による撮影装置について、図面を用いて詳細に説明する。本実施の形態では、その撮影装置として、いわゆるデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラを例に挙げるが、本発明はこの例に限定されるものではなく、例えばカメラ付き携帯電話機やカメラ付きモバイルPC(パーソナルコンピュータ)など、電子ファインダまたはそれと同等の機能を備えた各種電子機器に本実施の形態1を適用することが可能である。
【0029】
本実施の形態で例示する撮影装置1は、後述するように、例えば、撮像範囲中の被写体の光学像から画像データを生成する撮像部と、被写体を照明する照明部と、被写体の映像を表示する電子ファインダと、を備え、さらに、照明部によって照明された被写体の光学像から撮像部が生成した第1画像データに含まれる第1色情報を解析する色情報解析部と、照明部が駆動されていない際に撮像部が被写体の光学像から生成した第2画像データの第2色情報を第1色情報で補正する色情報補正部と、を備える。撮影装置1の電子ファインダには、第2色情報が補正された第2画像データが再生される。
【0030】
また、撮影装置1は、外部装置との間で無線または有線によるデータ通信を行う通信部を備える。通信部から送信された画像データは、外部装置によって受信される。外部装置としては、例えば、パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistants)等の表示機能を備えた各種情報処理装置、プリンタやデジタル複合機等の印刷エンジンを備えた画像処理装置、および、フラッシュメモリ(登録商標)や外付けHD(ハードディスク)等の各種ストレージを適用することが可能である。
【0031】
ここで、本実施の形態1による撮影装置1の概略内部構成例を、図面を用いて詳細に説明する。図1は、撮影装置1の概略内部構成例を示すブロック図である。図2は、撮影装置1のカメラ撮影モード時の概略動作を示すフローチャートである。図3は、図2における疑似カラーライブビューモード時の概略動作を示すフローチャートである。
【0032】
図1に示すように、撮影装置1は、1つ以上のレンズ101よりなる光学系(以下、説明の都合上、光学系をレンズ101とする)、撮像素子102、アクチュエータ駆動回路103、アクチュエータ104、撮像回路105、フラッシュ106、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)107と、手ブレ補正用ジャイロセンサ108と、CPU(Central Processing Unit)110および120、A/D変換回路131、FIFOメモリ132、フレームメモリ(SDRAM)133、記録バッファ134、記録媒体インタフェース(I/F)135、記録媒体136、TFT液晶駆動回路141、ビデオ出力回路142、バックライトユニット143、TFT液晶パネル144、キーマトリクス150、LCD(Liquid Crystal Display)表示回路161、LCDパネル162、電池171、バックアップ電源172、電源回路173、ならびに、電池状態検出回路174を備える。
【0033】
上記において、撮像素子102、撮像回路105、CPU110およびA/D変換回路131を含む構成は、撮像範囲中の被写体の光学像から画像データ(スルー画データを含む)を生成する撮像部として機能する。また、フラッシュ106およびCPU110を含む構成は、被写体を照明する照明部として機能する。CPU110、FIFOメモリ132、フレームメモリ133、TFT液晶駆動回路141、バックライトユニット143およびTFT液晶パネル144を含む構成は、被写体の映像を表示する電子ファインダとして機能する。さらに、CPU120における画像認識機能121、被写体識別機能124および色情報解析・再現機能123を含む構成は、照明部によって照明された被写体の光学像から撮像部が生成した画像データ(第1画像データ)に含まれる色情報(第1色情報)を解析する色情報解析部として機能する。さらにまた、CPU120における色情報解析・再現機能123を含む構成は、照明部が駆動されていない際に撮像部が被写体の光学像から生成したスルー画データ(第2画像データ)の色情報(第2色情報)を画像データ(第1画像データ)の色情報(第1色情報)で補正する色情報補正部として機能する。そこで、電子ファインダは、色情報(第2色情報)が補正されたスルー画データ(第2画像データ)を再生してユーザに表示する。
【0034】
具体的には、レンズ101は、撮像素子102の受光面に光学的な被写体像を結像する。撮像素子102は、レンズ101によって受光面に結像される光学的な被写体像を電気信号に変換する光電変換処理を行うことで、電気的な信号を生成する。この撮像素子102には、高速読み出しが可能な固体撮像素子、例えばCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、またはその他の各種撮像素子を適用することができる。
【0035】
撮像回路105は、撮像素子102の各光電変換素子に蓄積された電荷に応じた電気信号を画像信号として読み出し、この画像信号に垂直同期信号および水平同期信号等を組み合わせる。なお、読み出し直後の画像信号は、アナログ信号である。撮像回路105は、読み出した画像信号に対して各種アナログ信号処理を実行し、処理後の画像信号をA/D変換回路131に入力する。A/D変換回路131は、撮像回路105から出力されたアナログの画像信号に対してA/D変換処理を実行する。これにより、アナログの画像信号がデジタルの画像データに変換される。
【0036】
A/D変換回路131から出力された画像データは、CPU120、フレームメモリ133、FIFO(First−In First−Out)メモリ132または記録バッファ134に適宜入力される。A/D変換回路131、CPU120、フレームメモリ133、FIFOメモリ132および記録バッファ134は、例えば内部バス130を介して相互に接続されている。
【0037】
フレームメモリ133は、CPU120によってデジタル信号処理された画像データ(この画像データに関する各種データ等を含んでもよい)をフレームごとに一時的に記憶する。このフレームメモリ133には、例えばSDRAM(Synchronous DRAM)等の半導体記憶素子等を適用することができる。
【0038】
CPU120は、主に、画像データや各種データを取り扱う信号処理制御を実行する複数の集積回路により構成され、A/D変換回路131から入力されたデジタルの画像データに対して各種デジタル信号処理を実行する。即ち、CPU120は、フレームメモリ133に一時的に記憶されている画像データに対し、各種信号処理を施す1つ以上の機能を実現する。この機能には、例えば、画像認識機能121、画像圧縮伸長機能122、色情報解析・再現機能123、被写体識別機能124、記録媒体アクセス機能125および撮影感度判定機能126等が存在する。
【0039】
画像圧縮伸長機能122は、フレームメモリ133に記憶されている画像データ等を読み出して、例えばJPEG圧縮処理等を行ったり記録媒体136から読み出された圧縮画像データの伸張処理を行ったりなどの各種処理を実行する。画像認識機能121は、画像データに含まれる色彩などの変化から画像中の特徴点を抽出し、この抽出結果に基づいて画像中の領域等を認識する。被写体識別機能124は、画像認識機能121によって認識された領域の配置等から画像中に含まれる被写体の形状等を識別する。色情報解析・再現機能123は、例えば、被写体識別機能124によって識別された被写体の各領域の色情報を特定し、この色もしくは模様のテクスチャを別の画像に含まれる同一被写体の対応領域にマッピングする。記録媒体アクセス機能125は、記録媒体インタフェース135による記録媒体136へのアクセスを制御する。撮影感度判定機能126は、A/D変換回路131から出力されたデジタルの画像データから撮像素子102に入射する光学像の光量があらかじめ設定しておいた閾値(通常最低感度)より小さいか否かを判定する。なお、通常最低感度とは、撮影によって得られた画像信号に要求する明度や色彩等の最低限の値である。したがって、通常最低感度は、この通常最低感度以上の撮影感度が得られた場合にはフラッシュを必要とせずに十分な明度や色彩等の画像信号が得られる値に設定される。
【0040】
FIFOメモリ132は、表示対象とするフレームの画像信号を各種表示装置へ出力する際にこの画像信号を一時的にバッファする、いわゆるビデオメモリとして機能する。
【0041】
なお、撮影装置1においては、上述のレンズ101、撮像素子102、撮像回路105、A/D変換回路131、CPU120およびフレームメモリ133を含む構成が、光学レンズ等からなる撮像光学系が撮像素子の受光面に結像した光学像を電気的な信号に変換して画像信号を生成する撮影手段を実現する。また、撮影装置1は、画像信号以外の情報、例えば音声信号等を取得するマイクロフォン等よりなる集音機能等を備えていてもよい。
【0042】
TFT液晶駆動回路141は、FIFOメモリ132から例えば1ラインごとに出力される画像信号に基づいてTFT液晶パネル144を駆動する。TFT液晶パネル144は、TFT液晶駆動回路141によって駆動されることで、表示対象の画像や各種情報等を表示する。このTFT液晶パネル144には、カラー表示可能なパネルが用いられる。また、バックライトユニット143は、TFT液晶パネル144の背面側に設けられ、TFT液晶パネル144を背面側から照明する。
【0043】
ビデオ出力回路142は、FIFOメモリ132からの画像信号を例えばNTSC(National Television System Committee)形式のビデオ信号に変換する。また、ビデオ出力回路142は、変換したビデオ信号をビデオ出力端子145に接続された外部装置(例えば外部画像表示装置201等)へ出力する。なお、ビデオ出力端子145は、ビデオ信号の伝送媒体であるビデオケーブル等の信号線が接続される接続端子である。
【0044】
また、本実施の形態1では、上述のFIFOメモリ132、TFT液晶駆動回路141、TFT液晶パネル144およびバックライトユニット143を含む構成が、撮像手段が生成した画像データを再生することで被写体の静止画または動画をユーザへ表示する表示手段を実現する。
【0045】
記録バッファ134は、フレームメモリ133に一時的に保持されている画像信号等を記録媒体136に画像データとして記録するときや、記録媒体136から画像データを読み出してフレームメモリ133に一時的に保持させるとき等に用いられるバッファ(一時保存領域)である。
【0046】
記憶媒体インタフェース(I/F)135は、記録媒体136への画像データ等の記憶処理や、記録媒体136からの画像データ等の読み出し処理等を制御するための回路である。
【0047】
記録媒体136は、画像データやその他の各種データを記録するストレージである。この記録媒体136には、例えば薄板形状またはカード形状からなるメモリカード等の不揮発性の記憶媒体を用いることができる。なお、記録媒体136としては、撮影装置1等の機器に対して着脱自在のものや、撮影装置1等の機器内部の電気回路に固設されるもの等、如何なるものを適用してもよい。
【0048】
また、上述の記録バッファ134、記憶媒体インタフェース135、記録媒体136を含む構成が、画像信号(画像データを含む)などの各種情報を記憶する記憶手段を実現する。
【0049】
CPU110は、主(メイン)CPUとして配設される。このCPU110は、撮影装置1内部の各回路を統括的に制御すると共に、各種機能を実現するために各構成部を制御する、いわゆるメイン制御手段として機能する。そこでCPU110は、撮影装置1内部の各構成部を適宜制御(コントロール)することでシステム全体を制御するシステムコントロール部110Aを備えている。
【0050】
システムコントロール部110Aは、撮影装置1の動作を制御する各種機能を実現する。この機能としては、例えば、撮像部の画角を判定するカメラ撮影画角判定機能111、フラッシュモードのオン/オフを管理および制御するフラッシュ制御機能112、および、撮影装置1内部で時間を管理する時計機能113など存在する。また、この他にも、外部有線データI/F163を介してデータの入出力を制御する機能や、主電源である電池171の残量をLCDパネル162等に表示する機能や、撮影手段にて撮影動作を実行する際の各種の撮影条件を設定する機能や、撮影動作により取得した画像信号と画像信号に関連する各種情報(関連情報データ)とを合わせて画像データを含む画像ファイルを生成する機能や、録音機能により取得される音声信号を音声ファイルとして管理する機能や、記録媒体に記録済みの各種データファイルに基いてアルバム機能や印刷機能を実行したり登録設定を行って各種登録設定データ等を生成しこれを記録媒体に記憶したりする機能や、生成された画像ファイルや音声ファイルや登録設定データ等を適切な形態で記録媒体136に記録する制御を行う機能や、画像ファイルに基づく画像や関連情報を表示手段に視覚的に表示させる機能や、音声ファイルに基づく音声をスピーカ等(図示せず)に出力させる機能など、撮影装置1における各種動作及び各種機能を制御するためのさまざまな機能がシステムコントロール部110Aにおいて実現される。
【0051】
なお、撮影装置1は、無線通信機能を備えた外部装置(図示せず)との間で無線による画像ファイル等のデータ信号の送受信を行うための無線通信機能を備えていてもよい。この無線通信機能を実現する方式には、例えば、ワイヤレスUSB(WUSB)方式や、超広帯域(UWB)無線接続方式や、IrDA(Infrared Data Association)方式による光無線接続等が存在する。
【0052】
アクチュエータ104は、レンズ101を駆動することで、自動焦点調節(オートフォーカス(AF))動作やズーミング動作等を行うための駆動源である。アクチュエータ駆動回路103は、CPU110の制御に基づいてアクチュエータ104を駆動する回路である。
【0053】
すなわち、アクチュエータ104及びアクチュエータ駆動回路103を含む構成は、レンズ101をその光軸に沿って移動させることで被写体像のオートフォーカス動作や変倍動作等を行うレンズ駆動手段として機能する。
【0054】
また、EEPROM107は、CPU110、CPU120により実行される処理プログラム(アプリケーションソフトウエア)等や、外部装置と通信するための通信設定情報等のデータ等、撮影装置1における各種の設定データや固有データ等を記憶し保持するための不揮発性記憶媒体であって、通信設定メモリとして機能する。このEEPROM107には、例えば電気的に消去可能な不揮発性メモリである公知のフラッシュロム(Flash ROM)等を適用することができる。
【0055】
また、フラッシュ106は、撮影時に被写体を照明する光を放射する光源であり、例えばキセノンランプやLED(Light Emitting Diode)等で構成される。手ブレ補正用ジャイロセンサ108は、撮影装置1に生じているヨー方向およびピッチ方向の角速度を検出し、検出した角速度に基づき撮影装置1のブレを検出する。
【0056】
キーマトリクス150は、ファーストレリーズ151やセカンドレリーズ152等、撮影装置1の各種操作スイッチや操作ボタン等を含む。なお、ファーストレリーズ151とは例えばユーザによるシャッタボタン(不図示)の半押しを検出するキーであり、セカンドレリーズ152とは例えばユーザによるシャッタボタンの全押しを検出するキーである。例えばファーストレリーズ151によってシャッタボタンの半押しが検出された場合、CPU110によってオートフォーカス動作が実行される。一方、例えばセカンドレリーズ152によってシャッタボタンの全押しが検出された場合、CPU110によって撮像動作が実行される。
【0057】
また、キーマトリクス150に含まれるその他の操作部材には、例えば撮影装置1の電源状態をオン又はオフ状態に切り換える電源ボタン、撮影動作時には撮影倍率を変更するズームボタンとして機能し再生動作時には再生画像の拡大表示や縮小表示等の表示切換ボタンとして機能するズームボタン(TWボタン)153、メニュー画面を呼び出す等の各種機能に割り当てられる複数の各種操作ボタン、メニュー画面等における選択設定を行う四方向選択キー(十字キーともいう)、各種操作ボタンを用いて選択した項目を決定指示するOKボタン等が含まれる。
【0058】
そして、このキーマトリクス150には、上述の各種操作部材と、これら操作部材のそれぞれに連動して所定の指示信号を発生させるスイッチ部材や各スイッチ部材からの指示信号を伝達する電気回路等が含まれる。また、ユーザが操作することでキーマトリクス150が発生した各種指示信号は、CPU110へ入力される。
【0059】
LCD表示回路161は、CPU110からの制御に従ってLCDパネル162を駆動することで、LCDパネル162に各種情報を表示させる。LCDパネル162は、例えば小型の液晶表示装置(LCD)等によって構成され、LCD表示回路161による駆動に応じて、撮影装置1において設定済みの撮影条件や、例えば撮影モード等の動作モード情報や記録媒体136に記憶可能な画像の枚数情報や撮影時のシャッタ速度や絞り値等の露出に関する情報等の各種設定情報を表示する。
【0060】
外部有線データインタフェース(I/F)163は、撮影装置1と外部装置(図示せず)との間で画像データ等の伝送(送受信)を行うための接続インタフェースである。この外部有線データI/F163には、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格やIEEE1394規格等に準拠したインタフェースを適用することができる。本実施の形態では、USB規格に準拠したインタフェースを外部有線データI/F163として用いた場合を例に挙げる。
【0061】
電池171は、撮影装置1における主(メイン)電源である。この電池171には、例えば乾電池等の一次電池や充電可能な蓄電池等の二次電池などが適用される。バックアップ電源172は、撮影装置1の内部メモリや内部時計等に対して常に電力を供給するために設けられた副(サブ)電源である。このバックアップ電源172からの電力は、例えば撮影装置1における各種設定値や日時情報等を保持したり日時情報をLCDパネル162等に常時表示したりするための電力として用いられる。
【0062】
電源回路173は、CPU110からの制御に基づいて、電池171またはバックアップ電源172からの電力を撮影装置1内部の各電気回路へ適宜供給する。電池状態検出回路174は、電池171からの電源電圧などから電池171の残量などの状態を検出し、この検出結果をCPU110へ出力する。
【0063】
その他、本発明に関連しない部分の構成については、通常一般のデジタルスチルカメラ等の撮影装置と略同様の構成であるものとして、その詳細な図示及び説明は省略する。
【0064】
次に、図2および図3を参照して、本実施の形態1による撮影装置1の動作を詳細に説明する。ただし、以下の説明では、電子ファインダの一部として機能するTFT液晶パネル144に略リアルタイムに撮像素子102からの映像(以下、スルー画という)を表示する際の動作(カメラ撮影モード時の動作)に着目して説明する。その他の動作は、通常一般のデジタルスチルカメラ等の撮影装置と略同様の動作とすることが可能である。例えば、撮影装置1の起動後の主動作は、通常一般のデジタルスチルカメラ等の撮影装置と略同様である。したがって、以下では、説明の簡略化を目的として、その詳細な図示及び説明は省略する。
【0065】
ユーザがキーマトリクス150中の電源ボタンやレンズカバー等を操作すると、撮影装置1は、主動作の流れにおいて図2に示すカメラ撮影モード時の動作を起動する(カメラ撮影モード管理ステップ)。なお、カメラ撮影モードとは、電子ファインダ(特にTFT液晶パネル144)に被写体の映像を表示するモードである。このカメラ撮影モードのオン/オフは、例えばCPU110において管理される。言い換えれば、CPU110は、カメラ撮影モードのオン/オフを管理するカメラ撮影モード管理部として機能する。
【0066】
カメラ撮影モード時の動作では、図2に示すように、撮影装置1は、まず、CPU110の制御の下で初期化処理を実行する(ステップS101)。具体的には、例えばCPU110が、アクチュエータ駆動回路103よりアクチュエータ104を駆動してレンズ101を初期位置へ移動させると共に、撮像素子102をリフレッシュする。
【0067】
次に撮影装置1は、ライブビュー撮影を実行する(ステップS102)。具体的には、CPU110の制御の下で撮像回路105を駆動して撮像素子102から電荷蓄積量に応じた電気信号を読み出してアナログの画像信号を生成し、この画像信号をA/D変換回路131に入力する。A/D変換回路131は、入力されたアナログの画像信号に対してA/D変換処理を実行することでデジタルの画像データを生成する。A/D変換された画像データは、内部バス130によるバスコントロールによって直接またはCPU120での所定のデジタル信号処理が施された後にFIFOメモリ132に入力される。一方で、CPU110の制御の下でTFT液晶駆動回路141を駆動することで、FIFOメモリ132から1ラインごとに画像データを読み出し、これをTFT液晶パネル144に入力する。この際、CPU110はバックライトユニット143を点灯しておく。これにより、電子ファインダの一部であるTFT液晶パネル144には、撮像素子102から読み出された画像データによる映像が略リアルタイムにスルー画として表示される。
【0068】
次に撮影装置1は、ステップS102のライブビュー撮影において生成した画像データから撮像素子102での撮影感度があらかじめ設定しておいた通常最低感度よりも小さいか否かを判定する(ステップS103)。具体的には、A/D変換回路131から出力されたデジタルの画像データが内部バス130の制御の下でCPU120に入力される。CPU120は、撮影感度判定機能126を起動し、これを動作させることで、入力された画像データから撮像素子102に入射する光学像の光量を算出し、この算出値より求まる撮影感度があらかじめ設定しておいた通常最低感度より小さいか否かを判定する。
【0069】
ステップS103の判定の結果、撮影感度が通常最低感度以上である場合(ステップS103のNo)、撮影装置1は、通常ライブビューモードへ移行し、この動作を実行する(ステップS104)。通常ライブビューモードでは、撮像素子102から得られた画像信号が、A/D変換回路131およびFIFOメモリ132を介してTFT液晶駆動回路141に入力される。したがって、TFT液晶パネル144には、そのままの画像がスルー画として表示される。
【0070】
一方、ステップS103の判定の結果、撮影感度が通常最低感度よりも小さい場合(ステップS103のYes)、撮影装置1は、疑似カラーライブビューモードへ移行し、この動作を実行する(ステップS105)。なお、疑似カラーライブビューモードの詳細については、以下に図3と共に触れる。
【0071】
ステップS104の通常ライブビューモードまたはステップS105の疑似カラーライブビューモード時の動作を実行後、撮影装置1は、主動作へリターンする。
【0072】
次に、図2のステップS105に示す疑似カラーライブビューモード時の動作について、図3を用いて詳細に説明する。疑似カラーライブビューモード時の動作では、図3に示すように、撮影装置1は、まず、CPU110の制御の下でズーム倍率をワイド端に設定する(ステップS111)。すなわち、レンズ101を含む光学系は、撮像部が画像データ(第1画像データ)を生成する際、ズーム倍率をワイド端に設定する。具体的には、例えばCPU110が、アクチュエータ駆動回路103よりアクチュエータ104を駆動してレンズ101をワイド端へ移動する。これにより、撮像素子102の受光面には、撮影装置1のスペックにおいて最も広角な光学像が結像される。
【0073】
次に撮影装置1は、CPU110の特にフラッシュ制御機能112の制御の下でフラッシュ106を駆動する(ステップS112)。これにより、少なくとも撮影装置1の撮影範囲が照明されると共に、撮像素子102の受光面に色情報を再現するのに十分な光量の光学像が結像される。
【0074】
続いて撮影装置1は、CPU110の制御の下で撮像回路105を駆動することで、撮像素子102から画像信号を読み出す(ステップS113:第1撮像ステップ)。この際、ステップS112の制御によってフラッシュ106が駆動されているため、撮像素子102には十分な光量の光学像が結像される。したがって、撮像素子102から読み出された画像IM0の画像信号は、図4に示すように被写体OB0や背景BK0の色を再現するのに十分な信号強度(色情報)を持つ。なお、図4は、フラッシュ106を駆動した際に取得される画像IM0の一例を示す図である。また、読み出された画像信号は、A/D変換回路131に入力されてA/D変換処理された後、デジタルの画像データ(第1画像データ)として内部バス130に出力される。内部バス130は、所定のバスコントロールに従って、デジタルの画像データをCPU120に入力する。
【0075】
このように本実施の形態では、照明部および撮像部が、CPU110(カメラ撮影モード管理部)がカメラ撮影モードをオンにした際、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ照明された被写体の光学像から画像データ(第1画像データ)を生成する。
【0076】
次に撮影装置1は、CPU120に入力された画像データに対し、これに含まれる被写体(またはその領域)ごとの色情報(第1色情報)を抽出し、これを例えば不図示のキャッシュメモリ等に記憶しておく(ステップS114:色情報解析ステップ)。具体的には、CPU120は、まず画像認識機能121を呼出し、この画像認識機能121に、画像データに含まれる色の成分および階調などから画像中の特徴点を抽出させ、この抽出結果に基づいて画像中の領域等を認識させる。続いてCPU120は、被写体識別機能124を呼出し、この被写体識別機能124に、画像認識機能121によって認識された領域の配置等から画像中に含まれる被写体の形状等を識別させる(被写体識別ステップ)。続いてCPU120は、色情報解析・再現機能123を呼出し、この色情報解析・再現機能123に、被写体識別機能124によって識別された被写体の各領域の色情報を特定させる。これにより得られた被写体の各領域の色情報は、上述したように不図示のキャッシュメモリ等に記憶される。なお、記憶される色情報には、被写体の形状の情報、例えば色の領域の情報も含まれている。
【0077】
次に撮影装置1は、CPU110の制御の下でアクチュエータ駆動回路103よりアクチュエータ104を駆動することで、レンズ101を初期位置へ戻す(ステップS115)。
【0078】
次に撮影装置1は、CPU110の制御の下で撮像回路105を駆動することで、撮像素子102から画像信号をスルー画(第2画像データ)として読み出す(ステップS116:第2撮像ステップ)。この際、フラッシュ106は駆動されていないため、撮像素子102の受光面に結像される光学像の光量は小さい。したがって、撮像素子102から読み出されたカラー補正前のスルー画IM1の画像信号の信号強度(色情報)は、図5(a)に示すように被写体OB1や背景BK1の色を再現するのには十分でない信号強度(色情報)となる。なお、図5は、本実施の形態によるカラー補正前のスルー画IM1とカラー補正後のスルー画IM2(図5(b)参照)とを示す図である。また、図5(a)における被写体OB1ならびに背景BK1の実体は、図4および図5(b)における被写体OB0およびOB2ならびに背景BK0およびBK2の実体と同一である。さらに、ステップS116で読み出された画像信号は、A/D変換回路131に入力されたA/D変換処理された後、デジタルの画像データとして内部バス130に入力される。内部バス130は、所定のバスコントロールに従って、デジタルの画像データをCPU120に入力する。
【0079】
次に撮影装置1は、CPU120に入力された画像データの画像解析を実行する(ステップS117)。なお、説明の都合上、本ステップS117で解析対象とする画像データをスルー画データといい、これによる画像をスルー画という。ステップS117では、具体的には、CPU120は、まず画像認識機能121を呼出し、この画像認識機能121に、スルー画データに含まれる色の成分および階調などから画像中の特徴点を抽出させ、この抽出結果に基づいて画像中の領域等を認識させる。続いてCPU120は、被写体識別機能124を呼出し、この被写体識別機能124に、画像認識機能121によって認識された領域の配置等からスルー画中に含まれる被写体の形状等を識別させる。
【0080】
次に撮影装置1は、ステップS114で記憶しておいた被写体(またはその領域)ごとの色情報(第1色情報)を読み出し、読み出した色情報とステップS117の画像解析で特定した被写体(またはその領域)とを照合する(ステップS118)。具体的には、CPU120は、色情報解析・再現機能123を呼出すと共に、ステップS114で記憶しておいた被写体(またはその領域)ごとの色情報を読み出し、色情報解析・再現機能123に、本ステップS117で被写体識別機能124が識別した被写体(またはその領域)ごとの色情報を特定させる。
【0081】
被写体(またはその領域)ごとの色情報の特定は、例えば、ステップS114の画像データと本ステップS117のスルー画データとの間で各領域の動きベクトルを算出し、この動きベクトルに基づいて画像データとスルー画との間で対応する領域を特定し、この対応する領域の色情報をステップS114で記憶した色情報から特定することで実現することができる。
【0082】
次に撮影装置1は、ステップS118で特定した被写体(またはその領域)ごとの色情報(第1色情報)に基づいて、ステップS116でスルー画として読み出した画像データに含まれる被写体(またはその領域)ごとの色情報(第2色情報)を補正する(ステップS119:色情報補正ステップ)。これにより、図5(a)に示すカラー補正前のスルー画IM1から図5(b)に示すカラー補正後のスルー画IM2のように、電子ファインダの一部であるTFT液晶パネル144に表示されるスルー画がカラー補正される(再生ステップ)。なお、ここで各被写体(またはその領域)の補正後の色情報は、画像データにおける各領域の平均色の情報や、ステップS114で特定した被写体(またはその領域)の色彩をそのままテクスチャとして用いた情報など、種々変形することが可能である。また、カラー補正後のスルー画データは、内部バス130を介してFIFOメモリ132に一旦バッファされる。その後、CPU110の制御の下にTFT液晶駆動回路141が駆動されてFIFOメモリ132から1ラインごとにスルー画データが読み出され、このスルー画データに基づいてTFT液晶パネル144が駆動される。これにより、カラー補正後のスルー画IM2(図5(b)参照)がTFT液晶パネル144に表示される。
【0083】
その後、撮影装置1は、撮影装置1自身の姿勢(言い換えれば、撮像素子102の向き)であるカメラ姿勢情報を検出する(ステップS120:姿勢検出ステップ)。すなわち、本実施の形態による撮影装置1は、撮像部の向きの変化を検出する姿勢検出部を備える。このカメラ姿勢情報の検出は、例えばステップS116で取り込んだスルー画データから撮影装置1のカメラ姿勢を特定してその姿勢が大きく変わったかを判定する方法や、撮影装置1内に設けられている手ブレ補正用ジャイロセンサ108(図1参照)を姿勢検出に使用して撮影装置1の姿勢を検出する方法など、種々の方法で実現することが可能である。
【0084】
次に撮影装置1は、カメラ姿勢情報があらかじめ定めておいたリミット(閾値)を超えたか否か、すなわち撮影装置1の撮影方向の向きや撮像素子102に結像された光学像の構図が大きく変わったか否かを判定し(ステップS121)、カメラ姿勢の変化がリミットを超えていた場合(ステップS121のYes)、ステップS111へ帰還して、再度、フラッシュ106を駆動した際の画像データから被写体(またはその領域)ごとの色情報を取得する。
【0085】
すなわち、本実施の形態1では、照明部および撮像部は、姿勢検出部が撮像部の向きの変化を検出した場合、少なくとも1回、被写体を照明しつつ照明された被写体の光学像から画像データ(第1画像データ)を生成し、これの色情報(第1色情報)を取得する。
【0086】
ただし、本発明は、上記のカメラ姿勢が変化した場合に限らず、例えばズーム倍率または画角が手動または自動で変更された場合などを検出した際に、照明部および撮像部が、少なくとも1回、被写体を照明しつつ照明された被写体の光学像から画像データ(第1画像データ)を生成し、これの色情報(第1色情報)を取得するように構成してもよい。
【0087】
一方、ステップS121の判定の結果、リミットを超えたカメラ姿勢の変化が無ければ(ステップS121のNo)、撮影装置1は、カラー補正後のスルー画をTFT液晶パネル144に表示する動作の終了指示が例えばキーマトリクス150から入力された否かを判定し(ステップS122)、このスルー画表示の終了指示が入力されていない場合(ステップS122のNo)、ステップS116へ帰還して、新たなスルー画を取得し、これをカラー補正した後、カラー補正後のスルー画をTFT液晶パネル144に表示する。これにより、電子ファインダの一部であるTFT液晶パネル144にはカラー補正後のスルー画がライブビュー映像として表示される。一方、スルー画表示の終了指示が入力されていた場合(ステップS122のYes)、撮影装置1は、図2のカメラ撮影モード時の動作へリターンする。
【0088】
以上で説明したように、本実施の形態1では、背景を含む被写体の色を再現するのには十分でない信号強度のスルー画データ(第2画像データ)の色情報(第2色情報)が、背景を含む被写体の色を再現するのに十分な信号強度の画像データ(第1画像データ)の色情報(第1色情報)でカラー補正される。この結果、本実施の形態では、低照度環境下であっても電子ファインダを介してユーザにリアルな被写体の映像を表示することが可能となる。
【0089】
また、フラッシュ106を駆動したときの画像と同様の画像を電子ファインダに表示することが可能となるため、画像を取り込む際の画像と取り込まれた画像との色合いの差を低減することが可能である。この結果、暗所でもユーザに違和感の少ない操作性を提供することが可能となる。
【0090】
なお、CPU120における被写体識別機能124は、画像データ(第1画像データ)およびスルー画データ(第2画像データ)に含まれる被写体を識別する被写体識別部として機能する。そこで、色情報抽出部は、被写体識別部によって識別された画像データ(第1画像データ)中の被写体ごとに色情報(第1色情報)を解析する。また、色情報補正部は、被写体識別部によって識別されたスルー画データ(第2画像データ)中の被写体ごとに色情報(第2色情報)を画像データ(第1画像データ)の色情報(第1色情報)で補正する。
【0091】
(変形例1−1)
なお、被写体の色情報の更新は、カメラ姿勢の変化がリミットを超えた場合(図3のステップS121のYes)に限るものではない。例えばユーザが特定の被写体をねらった際にその被写体の色情報を更新するように構成してもよい。以下、この場合を本実施の形態1の変形例1−1として説明する。なお、被写体をねらった際とは、例えばファーストレリーズ151がシャッタボタンの半押しを検出した際などである。
【0092】
図6は、本変形例1−1による疑似カラーライブビューモード時の概略動作を示すフローチャートである。なお、撮影装置1の構成ならびにその主動作およびカメラ撮影モード時の動作は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0093】
図6に示すように、本変形例1−1による疑似カラーライブビューモード時の動作では、撮影装置1は、まず、図3に示す疑似カラーライブビューモード時の動作のステップS111〜S121と同様に、レンズ101をワイド端に設定した状態で取得した画像データからこれに含まれる被写体(またはその領域)ごとの色情報を取得して記憶しておき、その後、順次取得したスルー画に含まれる被写体(またはその領域)の色を記憶しておいた色情報を用いてカラー補正する。
【0094】
次に撮影装置1は、キーマトリクス150におけるファーストレリーズ151がシャッタボタン(不図示)の半押しを検出したか否かを判定し(ステップS131)、半押しを検出した場合(ステップS131のYes)、オートフォーカス(AF)のターゲットとなる被写体に対して最適な発光量となるようにCPU110の特にフラッシュ制御機能112の制御の下でフラッシュ106を駆動する(ステップS132)。具体的には、通常のオートフォーカス動作と同様の動作にて撮像範囲に含まれる被写体を特定し、これに対して最適となるフラッシュ106の発光量をあらかじめ登録しておいた発光量を管理するテーブルから取得する。
【0095】
なお、オートフォーカス動作は、CPU110のフラッシュ制御機能112およびCPU120とアクチュエータ駆動回路103とアクチュエータ104とを含むオートフォーカス部によって実行される。すなわち、CPU120における画像解析により被写体を特定し、この特定した被写体にレンズ101の焦点が合うように、CPU110のフラッシュ制御機能112が自動的にアクチュエータ駆動回路103を駆動してアクチュエータ104の光軸上の位置を制御する。
【0096】
また、オートフォーカス部のオン/オフは、ファーストレリーズ151がシャッタボタン(不図示)の半押しを検出したか否かによって切り替えられる。すなわち、キーマトリクス150におけるファーストレリーズ151およびCPU110は、オートフォーカス部のオン/オフを切り替える切替部として機能する。
【0097】
以上のように、被写体に対する最適な発光量を取得すると、その後、CPU110のフラッシュ制御機能112は、特定した発光量にてフラッシュ106を駆動する。なお、ステップS131の判定の結果、ファーストレリーズ151によって半押しが検出されなかった場合(ステップS131のNo)、撮影装置1はステップS122へ移行する。
【0098】
次に撮影装置1は、CPU110の制御の下で撮像回路105を駆動することで、撮像素子102から画像信号を読み出す(ステップS133)。この際、ステップS132の制御によってフラッシュ106が駆動されているため、撮像素子102には十分な光量の光学像が結像される。したがって、撮像素子102から読み出された画像の画像信号は、図4に示す場合と同様に、被写体や背景の色を再現するのに十分な信号強度を持つ。また、読み出された画像信号は、A/D変換回路131に入力されてA/D変換処理された後、デジタルの画像データとして内部バス130に出力される。内部バス130は、所定のバスコントロールに従って、デジタルの画像データをCPU120に入力する。
【0099】
次に撮影装置1は、ステップS114と同様に、CPU120に入力された画像データに対し、これに含まれる被写体(またはその領域)ごとの色情報を抽出し、これを例えば不図示のキャッシュメモリ等に記憶しておく(ステップS134)。その後、撮影装置1は、ステップS116へ帰還する。
【0100】
以上のように、本変形例1−1では、照明部および撮像部は、オートフォーカス部がオンに切り替えられた場合、少なくとも1回、被写体を照明しつつ照明された被写体の光学像から画像データ(第1画像データ)を生成して色情報(第1色情報)を取得する。これにより、ユーザが被写体として最も正しく色を識別したいと思っているものに対して、より正しい色情報を表示することが可能となる。
【0101】
なお、その他の構成および動作ならびに効果は、上記した実施の形態1またはその変形例と同様である。
【0102】
(変形例1−2)
さらに、例えば画像に含まれる被写体の向きが変わったり被写体そのものが別の被写体に換わったりした際に被写体の色情報を更新するように構成してもよい。以下、この場合を本実施の形態1の変形例1−2として説明する。
【0103】
図7は、本変形例1−2による疑似カラーライブビューモード時の概略動作を示すフローチャートである。なお、撮影装置1の構成ならびにその主動作およびカメラ撮影モード時の動作は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0104】
図7に示すように、本変形例1−2による疑似カラーライブビューモード時の動作では、撮影装置1は、まず、図3に示す疑似カラーライブビューモード時の動作のステップS111〜S121と同様に、レンズ101をワイド端に設定した状態で取得した画像データからこれに含まれる被写体(またはその領域)ごとの色情報を取得して記憶しておき、その後、順次取得したスルー画に含まれる被写体(またはその領域)の色を記憶しておいた色情報を用いてカラー補正する。
【0105】
次に撮影装置1は、ステップS116で取得したスルー画データに含まれる被写体とステップS113で取得した画像データに含まれる被写体との類似度を認識する(ステップS141)。具体的には、ステップS116で取得したスルー画データを内部バス130を介してCPU120に入力する。CPU120は、スルー画データが入力されると、まず画像認識機能121を呼出し、この画像認識機能121に、画像データに含まれる色の成分および階調などから画像中の特徴点を抽出させ、この抽出結果に基づいて画像中の領域等を認識させる。続いてCPU120は、被写体識別機能124を呼出し、この被写体識別機能124に、画像認識機能121によって認識された領域の配置等から画像中に含まれる被写体の形状等を識別させる。続いてCPU120は、色情報解析・再現機能123を呼出し、この色情報解析・再現機能123に、被写体識別機能124によって識別されたスルー画データに含まれる被写体の形状等とステップS114で色情報と共に記憶しておいた画像データに含まれる被写体の形状等とを比較させ、この比較結果から類似度(または相関度であってもよい)を認識する。
【0106】
次に撮影装置1は、ステップS141で認識した類似度があらかじめ設定しておいた閾値を超えたか否かを判定し(ステップS142:変化判定ステップ)、閾値を超えた場合(ステップS142のYes)、上述した変形例1−1において図6のステップS132〜S134を用いて説明した動作と同様に、フラッシュ106を駆動しつつ画像データを取り出し、この画像データに含まれる色情報を取得して記憶しておく。その後、撮影装置1は、ステップS116へ帰還する。なお、ステップS142の判定の結果、類似度が閾値以下であった場合(ステップS142のNo)、撮影装置1は、撮影装置1はステップS122へ移行する。
【0107】
すなわち、本変形例では、CPU120における画像認識機能121、被写体識別機能124および色情報解析・再現機能123を含む構成が、スルー画データ(第2画像データ)中の被写体が変化したか否かを判定する変化判定部として機能する。
【0108】
以上のように、本変形例1−2では、照明部および撮像部は、スルー画データ(第2画像データ)中の被写体が変化したと変化判定部が判定した場合、少なくとも1回、被写体を照明しつつ照明された被写体の光学像から画像データ(第1画像データ)を生成して色情報(第1色情報)を取得する。これにより、スルー画中の被写体が大きく変化したときなど、被写体の色情報を補正し難くなった際に自動的に色情報を更新することが可能となる。
【0109】
なお、その他の構成および動作ならびに効果は、上記した実施の形態1またはその変形例と同様である。
【0110】
<実施の形態2>
また、上記した実施の形態1では、ユーザの意識に関わらず自動的にフラッシュ106が発光する。ただし、撮影状況によっては、ユーザが意図しないタイミングでフラッシュ106が発光することを回避したい場合や、フラッシュ106の発光自体を避けたい場合などが存在する。このような場合に対応するには、例えば、撮影装置1のフラッシュモードがオンに設定されている場合に上記実施の形態1に示した疑似カラーライブビューモードが実行されるように構成するとよい。以下、この場合を本発明の実施の形態2として図面を用いて詳細に説明する。なお、フラッシュモードとは、撮影時、すなわちセカンドレリーズ152がシャッタボタンの全押しを検出した際にフラッシュ106を駆動して被写体を照明する動作を実行するモードである。また、以下において、上記実施の形態1またはその変形例と同様の構成および動作については、簡略化のため、その詳細な説明を省略する。
【0111】
本実施の形態2による撮影装置は、上記実施の形態1で例示した撮影装置1と同様の構成とすることができる。このため、本実施の形態2では、撮影装置1を引用して説明する。
【0112】
図8は、本実施の形態2による撮影装置1のカメラ撮影モード時の概略動作を示すフローチャートである。図8に示すように、ユーザがキーマトリクス150中の電源ボタンやレンズカバー等を操作すると、撮影装置1は、上記実施の形態1において図2のステップS101〜S103を用いて説明したカメラ撮影モード時の動作と同様の動作を実行することで、現在の撮影感度が通常最低感度として設定した閾値よりも小さいか否かを判定する。
【0113】
ステップS103の判定の結果、撮影感度が通常最低感度以上である場合(ステップS103のNo)、撮影装置1は、通常ライブビューモードへ移行し、この動作を実行する(ステップS104)。一方、ステップS103の判定の結果、撮影感度が通常最低感度よりも小さい場合(ステップS103のYes)、撮影装置1は、フラッシュモードがオンに設定されているか否かを判定する(ステップS201)。この判定は、例えばCPU110のフラッシュ制御機能112がEEPROM107等に格納されている撮影装置1の設定データを参照することで実行することが可能である。
【0114】
ステップS201の判定の結果、フラッシュモードがオンに設定されている場合(ステップS201のYes)、撮影装置1は、疑似カラーライブビューモードへ移行し、この動作を実行する(ステップS105)。一方、フラッシュモードがオンに設定されていない場合(ステップS201のNo)、撮影装置1は、通常ライブビューモードへ移行し、この動作を実行する(ステップS104)。なお、疑似カラーライブビューモード時の動作および通常ライブビューモード時の動作については、上記実施の形態1またはその変形例と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、疑似カラーライブビューモードへ移行後または通常ライブビューモードへ移行後、撮影装置1は、主動作へリターンする。
【0115】
なお、フラッシュモードには、例えば撮影感度判定機能126において判定された撮影感度が通常最低感度を下回ったか否かに基づいて自動的に移行したり、ユーザの操作によって手動で移行したりする。このフラッシュモードのオン/オフは、例えばCPU110のフラッシュ制御機能112において管理される(フラッシュモード管理ステップ)。言い換えれば、CPU110のフラッシュ制御機能112は、フラッシュモードのオン/オフを管理するフラッシュモード管理部として機能する。
【0116】
以上のように、本実施の形態2では、照明部および撮像部は、CPU110(フラッシュモード管理部)がフラッシュモードをオンにしている場合、画像データ(第1画像データ)を生成して色情報(第1色情報)を取得する。これにより、フラッシュ106の駆動が必要でない、もしくは、フラッシュ106を駆動したくないときに、自動的にフラッシュ106が駆動されることを回避することが可能となる。
【0117】
なお、その他の構成および動作ならびに効果は、上記した実施の形態1またはその変形例と同様である。
【0118】
また、上記実施の形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、仕様等に応じて種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施の形態が可能であることは上記記載から自明である。例えば、上記各実施の形態およびその変形例では、色情報が全体的に欠落または低減してしまう低照明環境下(例えば暗所)等での撮影をする際にカラー補正をする場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されず、例えば水中などのような色成分の一部が欠落または低減してしまう環境下での撮影においても本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の実施の形態1による撮影装置の概略内部構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1による撮影装置のカメラ撮影モード時の概略動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態1による疑似カラーライブビューモード時の概略動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1においてフラッシュを駆動した際に取得される画像の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1によるカラー補正前のスルー画とカラー補正後のスルー画とを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1の変形例1−1による疑似カラーライブビューモード時の概略動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態1の変形例1−2による疑似カラーライブビューモード時の概略動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2による撮影装置のカメラ撮影モード時の概略動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0120】
1 撮影装置
101 レンズ
102 撮像素子
103 アクチュエータ駆動回路
104 アクチュエータ
105 撮像回路
106 フラッシュ
107 EEPROM
108 手ブレ補正用ジャイロセンサ
110、120 CPU
110A システムコントロール部
111 カメラ撮影画角判定機能
112 フラッシュ制御機能
113 時計機能
121 画像認識機能
122 画像圧縮伸長機能
123 色情報解析・再現機能
124 被写体識別機能
125 記録媒体アクセス機能
126 撮影感度判定機能
130 内部バス
131 A/D変換回路
132 FIFOメモリ
133 フレームメモリ
134 記録バッファ
135 記録媒体インタフェース
136 記録媒体
141 TFT液晶駆動回路
142 ビデオ出力回路
143 バックライトユニット
144 TFT液晶パネル
145 ビデオ出力端子
150 キーマトリクス
151 ファーストレリーズ
152 セカンドレリーズ
153 ズームボタン
161 LCD表示回路
162 LCDパネル
163 外部有線データI/F
171 電池
172 バックアップ電源
173 電源回路
174 電池状態検出回路
201 外部画像表示装置
BK0、BK1、BK2 背景
IM0 画像
IM1 カラー補正前のスルー画
IM2 カラー補正後のスルー画
OB0、OB1、OB2 被写体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像範囲中の被写体の光学像から画像データを生成する撮像部と、前記被写体を照明する照明部と、前記撮像部で生成された前記被写体の画像データを再生する電子ファインダと、を備えた撮影装置であって、
前記照明部によって照明された前記被写体の光学像から前記撮像部が生成した第1画像データに含まれる第1色情報を解析する色情報解析部と、
前記照明部が駆動されていない際に前記撮像部が前記被写体の光学像から生成した第2画像データの第2色情報を前記第1色情報で補正する色情報補正部と、
を備え、
前記電子ファインダは、前記第2色情報が補正された前記第2画像データを再生することを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記第1画像データおよび前記第2画像データに含まれる被写体を識別する被写体識別部を備え、
前記色情報解析部は、前記被写体識別部によって識別された前記第1画像データ中の前記被写体ごとに前記第1色情報を解析し、
前記色情報補正部は、前記被写体識別部によって識別された前記第2画像データ中の前記被写体ごとに前記第2色情報を前記第1色情報で補正することを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
前記電子ファインダに前記被写体の映像を表示するカメラ撮影モードのオン/オフを管理するカメラ撮影モード管理部を備え、
前記照明部および前記撮像部は、前記カメラ撮影モード管理部が前記カメラ撮影モードをオンにした際、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴とする請求項1または2記載の撮影装置。
【請求項4】
前記撮像部の向きの変化を検出する姿勢検出部を備え、
前記照明部および前記撮像部は、前記姿勢検出部が前記撮像部の向きの変化を検出した場合、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の撮影装置。
【請求項5】
前記撮像部に入射する光学像のズーム倍率を変更可能な光学系を備え、
前記光学系は、前記撮像部が前記第1画像データを生成する際、前記ズーム倍率をワイド端に設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の撮影装置。
【請求項6】
前記撮像部に入射する光学像の画角を変更可能な光学系を備え、
前記照明部および前記撮像部は、前記光学系の前記画角が変更された場合、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の撮影装置。
【請求項7】
前記撮像部に入射する光を集光する光学系と、
前記光学系の焦点を前記被写体に自動的に調整するオートフォーカス部と、
前記オートフォーカス部のオン/オフを切り替える切替部と、
を備え、
前記照明部および前記撮像部は、前記オートフォーカス部がオンに切り替えられた場合、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の撮影装置。
【請求項8】
前記第2画像データ中の被写体が変化したか否かを判定する変化判定部を備え、
前記照明部および前記撮像部は、前記第2画像データ中の被写体が変化したと前記変化判定部が判定した場合、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の撮影装置。
【請求項9】
前記照明部を駆動するフラッシュモードのオン/オフを管理するフラッシュモード管理部を備え、
前記照明部および前記撮像部は、前記フラッシュモード管理部が前記フラッシュモードをオンにしている場合、前記第1画像データを生成することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の撮影装置。
【請求項10】
撮像部と照明部と電子ファインダとを備えた撮影装置の前記電子ファインダに前記撮像部の撮像範囲に含まれる被写体の映像を表示するライブビュー表示方法であって、
前記照明部を駆動しつつ前記撮像部を駆動することで照明された前記被写体の光学像から第1画像データを生成する第1撮像ステップと、
前記第1画像データに含まれる第1色情報を解析する色情報解析ステップと、
前記照明部が駆動されていない際に前記撮像部を駆動することで前記被写体の光学像から第2画像データを生成する第2撮像ステップと、
前記第2画像データの第2色情報を前記第1色情報で補正する色情報補正ステップと、
前記第2色情報が補正された前記第2画像データを前記電子ファインダに再生する再生ステップと、
を含むことを特徴とするライブビュー表示方法。
【請求項11】
前記第1画像データおよび前記第2画像データに含まれる被写体を識別する被写体識別ステップを含み、
前記色情報解析ステップは、前記被写体識別ステップにおいて識別された前記第1画像データ中の前記被写体ごとに前記第1色情報を解析し、
前記色情報補正ステップは、前記被写体識別ステップにおいて識別された前記第2画像データ中の前記被写体ごとに前記第2色情報を前記第1色情報で補正することを特徴とする請求項10記載のライブビュー表示方法。
【請求項12】
前記電子ファインダに前記被写体の映像を表示するカメラ撮影モードのオン/オフを切り替えるカメラ撮影モード管理ステップを含み、
前記第1撮像ステップは、前記カメラ撮影モード管理ステップにおいて前記カメラ撮影モードがオンに切り替えられた際、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴とする請求項10または11記載のライブビュー表示方法。
【請求項13】
前記撮像部の向きの変化を検出する姿勢検出ステップを含み、
前記第1撮像ステップは、前記姿勢検出ステップにおいて前記撮像部の向きの変化が検出された場合、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴とする請求項10〜12のいずれか一つに記載のライブビュー表示方法。
【請求項14】
前記撮影装置は、前記撮像部に入射する光学像のズーム倍率を変更可能な光学系を備え、
前記第1撮像ステップは、前記第1画像データを生成する際、前記ズーム倍率をワイド端に設定することを特徴とする請求項10〜13のいずれか一つに記載のライブビュー表示方法。
【請求項15】
前記撮影装置は、前記撮像部に入射する光学像の画角を変更可能な光学系を備え、
前記第1撮像ステップは、前記光学系の前記画角が変更された場合、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴とする請求項10〜14のいずれか一つに記載のライブビュー表示方法。
【請求項16】
前記撮影装置は、前記撮像部に入射する光を集光する光学系と、前記光学系の焦点を前記被写体に自動的に調整するオートフォーカス部と、前記オートフォーカス部のオン/オフを切り替える切替部と、を備え、
前記第1撮像ステップは、前記オートフォーカス部がオンに切り替えられた場合、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴とする請求項10〜15のいずれか一つに記載のライブビュー表示方法。
【請求項17】
前記第2画像データ中の被写体が変化したか否かを判定する変化判定ステップを含み、
前記第1撮像ステップは、前記変化判定ステップにおいて前記第2画像データ中の被写体が変化したと判定された場合、少なくとも1回、前記被写体を照明しつつ該照明された被写体の光学像から前記第1画像データを生成することを特徴とする請求項10〜16のいずれか一つに記載のライブビュー表示方法。
【請求項18】
前記照明部を駆動するフラッシュモードのオン/オフを管理するフラッシュモード管理ステップを含み、
前記第1撮像ステップは、前記フラッシュモード管理ステップにおいて前記フラッシュモードがオンに管理されている場合、前記第1画像データを生成することを特徴とする請求項10〜17のいずれか一つに記載のライブビュー表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−226482(P2010−226482A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72235(P2009−72235)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】