説明

操作画面カスタマイズ装置

【課題】より簡単な操作で操作画面をカスタマイズ可能な操作画面カスタマイズ装置を提供すること。
【解決手段】車両の表示装置14にソフトキーを配置して操作画面を表示する操作画面カスタマイズ装置100であって、表示装置14に質問を表示し前記質問への回答を受け付ける回答受け付け手段13と、回答に基づき操作画面に配置するソフトキーを取捨する操作画面生成手段12と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の操作画面のカスタマイズに関し、特に、ソフトキーの配置をカスタマイズできる操作画面カスタマイズ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の高機能化・電子化が進み、車両には種々の電子機器が搭載されるようになった。また、ナビゲーションシステムの高機能化やAV装置との兼用化なども進んでいる。このような種々の電子機器毎に専用のハードキーを設けることができればよいが、車載スペースの関係から全ての電子機器の操作ボタンをハードキーとして搭載することが難しくなってきている。そこで、タッチパネルと一体の表示装置を搭載し、その電子機器に適切なソフトキーを配置することで、電子機器の多様化に対応している。
【0003】
ソフトキーであれば、ハードキーよりもユーザ毎のカスタマイズが容易になるという特徴を活かして、ソフトキーにユーザの所望の機能を割り当てることができる車両も市販されている。
【0004】
また、携帯電話を利用した電子機器の操作画面のカスタマイズについて提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、ユーザは携帯電話を操作して電子機器の設定情報を携帯電話に記憶させておき、車両側の車両用機能設定装置が携帯電話機と通信することで、携帯電話機に記憶されている設定情報を車両に送信する情報処理システムが開示されている。車両用機能設定装置は、設定情報に基づいて、ユーザに操作されたときに動作させる車載装置を指示するための機能と、その機能の内容を示す表示を変更することで、操作画面をカスタマイズする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−251559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された情報処理システムでは、携帯電話においてユーザが操作画面をカスタマイズするための複雑な又は時間のかかる操作が必要であるという問題がある。
【0007】
近年の電子機器の機能の多さを考慮すると、携帯電話から操作画面をカスタマイズできない運転者がいる可能性が否定できない。また、操作画面をカスタマイズできる運転者であっても、操作が煩わしいと感じるおそれがある。
【0008】
また、携帯電話が必須になってしまうと、携帯電話を使えない運転者はカスタマイズできないことになってしまう。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑み、より簡単な操作で操作画面をカスタマイズ可能な操作画面カスタマイズ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、車両の表示装置にソフトキーを配置して操作画面を表示する操作画面カスタマイズ装置であって、表示装置に質問を表示し前記質問への回答を受け付ける回答受け付け手段と、回答に基づき操作画面に配置するソフトキーを取捨する操作画面生成手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
より簡単な操作で操作画面をカスタマイズ可能な操作画面カスタマイズ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】操作画面カスタマイズ装置の概略構成図の一例である。
【図2】操作画面、アンケート画面の一例を示す図である。
【図3】アンケート画面の一例を示す図である。
【図4】ドライビングポジション調整装置の概略図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0014】
まず、本実施例の操作画面カスタマイズ装置の概略を説明する。
(1)操作画面カスタマイズ装置は、運転者(以下、乗員を含むものとする)にアンケートを提示する。
(2)運転者がアンケートに回答すると、操作画面カスタマイズ装置は回答を受け付ける。
(3)操作画面カスタマイズ装置は回答を解釈してその運転者に最適な操作画面を生成する。
(4)操作画面カスタマイズ装置は、運転者が携帯する携帯電話に、操作画面を再生するための操作画面情報を送信する。
【0015】
したがって、運転者はアンケートに回答するだけで、操作画面をカスタマイズすることができる。また、携帯電話に操作画面情報を記憶させておくことができるので、運転者が乗車したことのない車両に乗車した際、アンケートに回答することなく、運転者の好みの操作画面を表示することができる。
【0016】
図1は、本実施形態の操作画面カスタマイズ装置100の概略構成図の一例である。図1では操作画面カスタマイズ装置100に加え、携帯電話200が表示されているが携帯電話200は必ずしも必須ではない。
【0017】
操作画面カスタマイズ装置100は、ハンズフリー装置11、カスタマイズSW記憶装置12、ディスプレイ描画装置13、及び、ディスプレイ14を有する。操作画面カスタマイズ装置100は、1つ以上のマイコンを有し、マイコンのCPUがプログラムを実行してカスタマイズSW記憶装置12を実現する。
【0018】
ディスプレイ14は、液晶や有機ELなどのフラットパネルディスプレイで、操作画面を表示すると共に、運転者の操作を受け付けるタッチパネルを有する。ディスプレイ描画装置13は、画面を生成するための画面データを操作画面毎に有し、各種の操作画面をディスプレイ14に表示する。画面データは、例えば、操作画面に対応づけられた、該操作画面に配置可能な「アイコン、文字、記号」及びこれらの位置情報、を有する。したがって、アイコンや文字、記号がソフトキーとして表示される。カスタマイズされない状態では、操作画面に配置可能な全てのソフトキーが表示される。
【0019】
ディスプレイ描画装置13は、ソフトキーの位置と運転者の押下位置から運転者の操作内容を検出し、画面遷移条件にしたがって使用する画面データを決定し操作画面を生成する。また、ディスプレイ描画装置13は、受け付けた操作内容を電子装置の制御部(例えば、ECU(electronic control unit))に通知する。
【0020】
ハンズフリー装置11は、例えば、Bluetooth(登録商標)通信により又は有線で携帯電話200と通信し、ユーザがハンズフリーで相手先と会話することを可能にする。Bluetooth(登録商標)通信する場合、携帯電話200もBluetooth(登録商標)通信のICを有する。
【0021】
Bluetooth(登録商標)通信を利用する場合を例に説明する。ハンズフリー装置11と携帯電話200のBluetooth(登録商標)通信のためのICには、それぞれ固有のIDが与えられており、両者が通信する場合はこのIDにより通信相手を識別する。また、最初に両者を接続する場合、運転者は携帯電話200の操作メニューから初期設定画面を表示させる(または、操作画面カスタマイズ装置100の操作メニューから初期設定画面を表示させてもよい)。その後、運転者の所定の操作により、携帯電話200が操作画面カスタマイズ装置100を捜し出すので、運転者は携帯電話200のディスプレイに表示された操作画面カスタマイズ装置100の名称等を確認して、パスキー(パスコード、PIN コード等とも呼ばれる)を入力する。このパスキーにより、携帯電話200と操作画面カスタマイズ装置100とがペアリングされる。ペアリングの後は、携帯電話200が操作画面カスタマイズ装置100から所定距離内に入るだけで、両者が接続される。
【0022】
ハンズフリー装置11と携帯電話200は、ハンズフリー通話のためのプロファイルであるHFP(Hands-Free Profile)に従って通信する。HFPには、車両側のハンズフリー装置11で発呼および着呼するために、ハンズフリー装置11がゲートウェイデバイス(携帯電話200)を使用する方法が記述されている。具体的には、ハンズフリー装置11は、相手先の電話番号や発呼の操作を受け付け、それをATコマンドに対応した信号に変換し、携帯電話200に送信する。携帯電話200は、その信号をATコマンドに変換するなどして相手先に発信を行う。同様に、携帯電話200が着信を受けた場合、それをATコマンドに対応した信号に変換し、ハンズフリー装置11に送信する。ハンズフリー装置11は、それをATコマンドに変換し、着信音を出力するなどの着信制御を行う。なお、着信の場合、携帯電話200が着信音を鳴らしてもよい。
【0023】
運転者の発話内容は、ハンズフリー装置11のドライバソフトウェアが音声信号に符号化し、携帯電話200に送信する。携帯電話200は、音声信号をオーディオポートのエミュレータに取り込み、携帯電話網に乗せるための信号に変換してから相手先に送信する。また、携帯電話200が、相手先の発話内容を受信した場合、携帯電話網にて搬送されてきた信号を音声信号に変換してからオーディオポートのエミュレータに出力し、音声信号をハンズフリー装置11に送信する。ハンズフリー装置11のドライバソフトウェアは、音声信号をアナログの電気信号に変換してスピーカから出力する。
【0024】
続いて、カスタマイズSW記憶装置12について説明する。カスタマイズSW記憶装置12は、運転者の操作に基づき、ソフトキー毎の操作頻度の監視、アンケートに基づく操作画面のカスタマイズ、及び、操作画面情報の記憶等を行う。操作画面21を例にして説明する。
【0025】
図2(a)は、操作画面21の一例を示す図である。図2(a)の操作画面21は、エアコンの操作画面21の一例である。ソフトキーとして、助手席の温度設定キー211a、運転席の温度設定キー211b、吹き出し口の選択キー212、風量の調整キー213、Autoキー214等を有する。カスタマイズSW記憶装置12は、ソフトキーの操作頻度又は操作回数を監視する。これにより、例えば次のような監視結果が得られる。
【0026】
<冷房時の設定温度>
過去6ヶ月 :23度が10回、24度が7回、26度が6回…
過去1ヶ月 :22度が5回、24度が2回、26度が3回…
過去1週間 :21度が1回、24度が1回、26度が0回…
<暖房時の設定温度>
過去6ヶ月 :20度が10回、23度が7回、25度が6回…
過去1ヶ月 :20度が3回、23度が2回、24度が3回…
過去1週間 :21度が1回、22度が1回、23度が0回…
<吹き出し口の選択>
過去6ヶ月 :上が15回、上下が9回、下が9回、下+デフロスターが5回
過去1ヶ月 :上が5回、上下が4回、下が3回、下+デフロスターが2回
過去1週間 :上が3回、上下が3回、下が3回、下+デフロスターが1回
<風量の調整>
過去6ヶ月 :強度1が15回、強度2が14回、強度3が13回、強度4が12回、強度5が13回、強度6が14回、強度7が15回
過去1ヶ月 :強度1が5回、強度2が4回、強度3が3回、強度4が6回、強度5が3回、強度6が7回、強度7が3回
過去1週間 :強度1が1回、強度2が2回、強度3が2回、強度4が1回、強度5が2回、強度6が2回、強度7が1回
<Autoキーの操作>
過去6ヶ月 :50回、
過去1ヶ月 :10回
過去1週間 :2回
なお、ここではソフトキーの操作回数を例示したが、ソフトキーで設定された状態を保つ時間の比率から、ユーザの好みの設定を監視することも好適である。例えば、「吹き出し口の選択キー」であれば、
過去6ヶ月 :上が50%、上下が20%、下が20%、下+デフロスターが10%
のように、乗車時間に対しその吹き出し口を使用した時間の比率を記録する。
【0027】
カスタマイズSW記憶装置12は、運転者の識別情報に対応づけて、操作頻度を記録するので、その運転者の好みの設定を抽出することができる。運転者の識別情報は、例えばスマートキー(登録商標)のIDとすればよい。
【0028】
〔アンケートの回答〕
そして、カスタマイズSW記憶装置12は、アンケートに基づいて操作画面21をカスタマイズする。図2(b)は、アンケート画面22の一例を示す図である。アンケート画面22のテキストデータはカスタマイズSW記憶装置12が記憶している。運転者は、図2(a)の画面から又は所定の設定画面から図2(b)の画面をディスプレイ14に表示させる。図2(b)では、温度設定キー211aと温度設定キー211bに対応した質問である「設定温度をよく変更する」、吹き出し口の選択キー212に対応した質問である「風量の調整をよく行う」、風量の調整キー213に対応した質問である「吹き出し口の変更をよく行う」、Autoキー214対応した質問である「全てオートで任せる」、のそれぞれに対し、「はい」「いいえ」のどちらかが選択可能になっている。運転者は、「はい」又は「いいえ」のどちらかにタッチして、質問に回答する。
【0029】
なお、カスタマイズSW記憶装置12は、アンケート画面22の質問を音声で出力し、運転者が音声で回答してもよい。この場合、アンケート画面22を表示する必要性を低減したり、走行中でもカスタマイズが可能となる。
【0030】
カスタマイズSW記憶装置12は、アンケートの回答結果に基づき、図2(a)のエアコンの操作画面21に配置するソフトキーを取捨する。例えば、カスタマイズSW記憶装置12は、アンケートにおいて運転者が使うと回答したソフトキーを集めて操作画面21を構成する。図2(b)では、運転者は「設定温度をよく変更する」と「全てオートで任せる」に対し「はい」と回答しているので、カスタマイズSW記憶装置12は、温度設定キー211a、温度設定キー211b及びAutoキー214を操作画面21に配置する。
【0031】
図2(c)は、カスタマイズSW記憶装置12がカスタマイズしたエアコンの操作画面21の一例を示す。図2(c)では、温度設定キー211a、温度設定キー211b及びAutoキー214しか操作画面21に配置されていない。このように、本実施例の操作画面カスタマイズ装置100は、運転者が簡単なアンケートに回答するだけで操作画面21をカスタマイズすすることができる。
【0032】
なお、図2(c)の詳細キー215は、図2(a)の操作画面21を表示するためのソフトキーである。すなわち、運転者がより詳細な設定を望む場合、詳細キー215を選択することで図2(a)の操作画面21を表示することもできる。
【0033】
また、カスタマイズSW記憶装置12は、操作頻度を考慮して操作画面21をカスタマイズすることもできる。例えば、図2(b)のアンケート画面22に「操作頻度を考慮しておまかせ」という質問を追加しておく。運転者がこの質問に「はい」と回答すると、他の質問の回答結果(「はい」「いいえ」)に関係なく無効化される。カスタマイズSW記憶装置12は、例えば、過去1週間の操作回数の合計が所定値(例えば50回)以上のソフトキーを操作画面21に配置すると決定する。操作回数の合計は、「冷房時の設定温度」であれば何度に設定したかに関係なく、温度の設定回数であり、「吹き出し口の選択キー」であれば、どの吹き出し口に設定したかに関係なく「吹き出し口の選択キー」の操作回数である。
【0034】
このように、操作頻度を考慮すれば、運転者はアンケートの1つの質問に回答するだけで操作画面21をカスタマイズできる。
【0035】
カスタマイズSW記憶装置12は、カスタマイズした操作画面21を再生するための操作画面情報を生成する。操作画面情報は、車両Aにおいてカスタマイズした操作画面21のソフトキーが、他の車両Bにおいても表示されるための情報である。操作画面情報は、各操作画面21の識別情報に対応づけたソフトキーの識別情報であり、図2(c)の場合、例えば次のようになる。なお、操作画面情報において、各ソフトキーの配置場所を指定してもよい。
【0036】
エアコンの操作画面:冷房時の温度設定キー、暖房時の温度設定キー、Autoキー
車種が異なると画面デザインも異なることが多いので、操作画面情報にソフトキーのアイコンまで含めないが、アイコンまで共用できるような画面設定の場合では、ディスプレイ描画装置13が記憶する画面データそのものを操作画面情報としてもよい。
【0037】
〔操作画面情報の携帯電話200への送信〕
カスタマイズSW記憶装置12は、操作画面情報が新たに生成されたり、更新されると操作画面情報を不揮発メモリに記憶させる。そして、カスタマイズSW記憶装置12は、ハンズフリー装置11に携帯電話200が接続されているか否かを問いあわせ、接続されている場合には、操作画面情報を携帯電話200に送信するよう要求する。
【0038】
ハンズフリー装置11は、例えば、GOEP(Generic Object Exchange Profile)というプロファイルに従って、操作画面情報を携帯電話200に送信する。このプロファイルには、サーバ機能とクライアント機能について記述されている。サーバ側は操作画面情報をプッシュ(又はプル)され、クライアント側はサーバに対して操作画面情報をプッシュ(又はプル)する。操作画面情報を携帯電話200へ送信する際は、ハンズフリー装置11がクライアント側である。ハンズフリー装置11は、携帯電話200側にGOEPのサポートの有無を問いあわせ、携帯電話200がGOEPをサポートしている場合、GEOPに基づき操作画面情報を送信する。携帯電話200はGOEPに基づき操作画面情報を受信する。
【0039】
こうすることで、携帯電話200は操作画面カスタマイズ装置100と同じ操作画面情報を記憶できたことになる。
【0040】
〔携帯電話200から車両への操作画面情報の送信〕
携帯電話200が車両へ操作画面情報の送信する場合は、その車両に初めて乗車するか否かにより処理手順が異なる。運転者が車両Aに乗車する場合、同様のプロファイルを使用して、携帯電話200はハンズフリー装置11に操作画面情報を送信することができる。この場合、携帯電話200がクライアント側になる。運転者が車両Aに乗車する際、携帯電話200は、ハンズフリー装置11側にGOEPのサポートの有無を問いあわせ、ハンズフリー装置11がGOEPをサポートしている場合、携帯電話200はGEOPに基づき操作画面情報を送信し、ハンズフリー装置11はGOEPに基づき操作画面情報を受信する。ハンズフリー装置11は操作画面情報をカスタマイズSW記憶装置12に送出する。
【0041】
運転者が車両Aに乗車する場合、カスタマイズSW記憶装置12が受信した操作画面情報は、既に記憶しているものと同一であるので、記憶する必要はない。仮に、同一でない場合、カスタマイズSW記憶装置12はタイムスタンプを参照して、既に記憶している操作画面情報の方が古い場合にのみ、記憶している操作画面情報を受信した操作画面情報で置き換える。
【0042】
運転者が、過去に運転者が乗車したことのない車両Bに乗車する場合、カスタマイズSW記憶装置12は操作画面情報を記憶していない。本実施例では過去に運転者が乗車したことのない車両Bでも、操作画面情報を車両Bに送信することで操作画面21をカスタマイズできることになる点に特徴がある。
【0043】
運転者は携帯電話200を操作して、車両Bに乗車する際に上記の初期設定画面を表示し、車両Bの操作画面カスタマイズ装置100とペアリングする。そして、運転者が携帯電話200を操作することで、携帯電話200は、ハンズフリー装置11側にGOEPのサポートの有無を問いあわせ、ハンズフリー装置11がGOEPをサポートしている場合、携帯電話200はGEOPに基づき操作画面情報を送信する。
【0044】
車両BのカスタマイズSW記憶装置12は、受信した操作画面情報を記憶する。こうすることで、ディスプレイ描画装置13は、車両Bの操作画面21を車両Aと同様にカスタマイズすることができる。
【0045】
〔携帯電話200における操作画面21の設定〕
携帯電話200上で運転者が操作画面21をカスタマイズ可能にしてもよい。携帯電話200は、操作画面カスタマイズ装置100又は車両メーカが運営するサーバからアンケートを取得し表示する。運転者は携帯電話200に表示されたアンケートに回答することができる。車両A又はBに乗車する際、自動的に(車両Aの場合)又は運転者の操作により(車両Bの場合)、携帯電話200はアンケートに対する回答を操作画面カスタマイズ装置100に送信する。カスタマイズSW記憶装置12は、アンケートに対する回答に基づいて操作画面21をカスタマイズする。
【0046】
また、運転者は、携帯電話200でなくPC(パーソナルコンピュータ)上で操作画面21をカスタマイズしてもよい。同様に、PCは、操作画面カスタマイズ装置100又は車両メーカが運営するサーバからに操作画面21のカスタマイズアプリを取得し、カスタマイズアプリを実行する。カスタマイズアプリは、操作画面21のソフトキーの配置を決定するアプリで、運転者はマウスなどのポインティングデバイスでソフトキーの配置をカスタマイズすることができる。カスタマイズ結果である操作画面情報は、所定のファイルフォーマット(例えば、XML)のファイルになっている。
【0047】
運転者はPCから携帯電話200に、記憶媒体経由や電子メール経由で操作画面情報を転送しておく。車両A又はBに乗車する際、自動的に(車両Aの場合)又は運転者の操作により(車両Bの場合)、携帯電話200は操作画面情報を操作画面カスタマイズ装置100に送信する。カスタマイズSW記憶装置12は、操作画面情報に基づいて操作画面21をカスタマイズする。
【0048】
こうすることで、車両Aに乗車せずに操作画面21をカスタマイズすることも可能になる。したがって、操作画面21のカスタマイズ中のアイドリングにより燃費が低下することを防止できる。
【0049】
〔表示画面のカスタマイズ〕
なお、カスタマイズは、操作画面(何らかの操作の受け付け機能を有する画面)だけでなく、操作の受け付け機能を有さない情報表示画面に対しても可能である。この情報表示画面は、操作画面に情報表示(例えば現在温度、設定温度、風量)が含まれることから、操作画面から操作機能を無くすだけで実現できる。
【0050】
このような情報表示画面としては、例えばハイブリッド車のエネルギーフロー画面が挙げられる。操作画面カスタマイズ装置100は、アンケート結果に応じてハイブリッド車のエネルギーフロー画面に表示するコンテンツ(各種燃費、エコゾーンなど)を変えることができる。
【0051】
以上のように、本実施例の操作画面カスタマイズ装置100は、運転者がアンケートに回答するだけで、操作画面21をカスタマイズすることができる。また、携帯電話200に操作画面情報を記憶させておくことができるので、運転者が初めて乗車する車両に乗車した際、アンケートに回答することも操作画面21をカスタマイズすることもなく、運転者の好みの操作画面21を表示することができる。
【実施例2】
【0052】
実施例1では、アンケートの回答に基づき、操作画面毎に運転者がカスタマイズすることを前提にして、操作画面情報を携帯電話200に記憶した。しかしながら、車載装置が高機能化された状況では、操作画面毎のアンケート画面を表示することさえ難しいと感じる運転者が存在する場合がある。また、操作が得意な運転者でも操作画面毎にアンケートに回答することは煩わしいと感じるおそれがある。
【0053】
そこで、本実施例では、カスタマイズSW記憶装置12が、複数の操作画面21に共通のアンケートをディスプレイ14に表示させる。運転者がアンケートに回答すると、カスタマイズSW記憶装置12は、アンケートの回答を複数の操作画面21のカスタマイズに利用する。なお、概略構成図は図1と同じなので説明を省略する。
【0054】
図3(a)は、本実施例のアンケート画面22の一例を示す図である。実施例1のアンケートではエアコンの設定に関するものしかなかったが、図3(a)のアンケート画面22は操作の全般に関する質問が含まれている。例えば、「クルマの運転以外する余裕がない」の質問に対し「はい」と回答する運転者は、全般的に操作画面21を簡易化すべきであると考えられる。この質問に対する回答を基本に、以下の質問に対する回答の組み合わせから、カスタマイズSW記憶装置12はカスタマイズ方針を決定する。
【0055】
例えば、「VTRの設定は自分で行う」の質問に対し「いいえ」と回答する運転者は、自宅のVTRの操作に不慣れであると考えられる。また、「新しいものは苦手だ」の質問に対し「はい」と回答する運転者は、新しい機器の操作に不慣れであると考えられる。また、「オーディオの操作は人に任せるほうだ」の質問に対し「はい」と回答する運転者は、オーディオ装置の操作をあまりしないと考えられる。
【0056】
カスタマイズSW記憶装置12は、回答結果を数値化し、回答結果に基づき運転者の操作慣れ度を数値化する。例えば、10点を最高点(操作画面21に詳しい)にして、基本の質問に対する回答が「はい」の場合は0点を基本点に、「いいえ」の場合は5点を基本点にする。そして、その下の質問に対する回答結果から「はい」「いいえ」を正負の数値で置き換え、運転者の操作慣れ度を数値化する。
【0057】
カスタマイズSW記憶装置12は、例えば、9,10点の運転者には操作画面21毎に全てのソフトキーを表示すると決定し、7,8点の運転者には操作画面21毎に4つ程度のソフトキーを表示すると決定し、5,6点の運転者には操作画面毎に3つ程度のソフトキーを表示すると決定し、5点未満の運転者には必要最小限のソフトキーを表示すると決定する。
【0058】
4つ又は3つのソフトキーを選択する際、優先度の高いソフトキーは予め決まっていても良いし、操作頻度の高いものから順に抽出しても良い。また、必要最小限のソフトキーは、操作画面毎に決まっている。例えば、エアコンの操作画面21ならAutoキー、AV機器ならラジオの自動選曲ボタン、等である。
【0059】
なお、例えば、アンケートの回答に基づき、「クルマの運転以外する余裕がない」の質問に対し「はい」と回答しても、「オーディオの操作は人に任せるほうだ」の質問に対し「いいえ」と回答する運転者には、AV装置の操作画面21に全てのソフトキーを表示すると決定してもよい。すなわち、操作慣れ度に関係なく、各操作画面毎に運転者の特性を考慮して操作画面21をカスタマイズする。こうすることで、操作慣れ度に応じて画一的な操作画面21を提供するのでなく、操作慣れ度が低くても運転者の好みにあった操作画面21を提供できる。
【0060】
図3(b)は、アンケートの回答結果に基づきカスタマイズされたエアコンの操作画面21の一例を示す。カスタマイズSW記憶装置12は、図3(a)のアンケートの回答からこの運転者は操作が苦手であると判定したため(例えば、操作慣れ度が1点)、図3(b)では必要最小限の、温度設定キー211a、温度設定キー211b、及び、Autoキーの3つだけが表示されている。
【0061】
カスタマイズSW記憶装置12は、操作画面情報を記憶し、携帯電話200が接続されていれば携帯電話200に操作画面情報を送信する。操作画面情報は、実施例1と同様である。なお、不慣れ度を操作画面情報としてもよい。
【0062】
本実施例においても、操作画面だけでなく情報表示画面をアンケート結果に応じてカスタマイズすることができる。アンケートの質問としては、例えば、「クルマの運転以外する余裕がない」「情報を見るのが面倒」である。操作画面カスタマイズ装置100は、「はい」と回答した運転者に対しては、情報表示画面のコンテンツを少なくする。
【0063】
本実施例の操作画面カスタマイズ装置100は、運転者が1つのアンケートに回答するだけで、複数の操作画面21をカスタマイズすることができる。
【0064】
なお、本実施例においても運転者は携帯電話200上でアンケートに回答してもよい。
【実施例3】
【0065】
本実施例では操作画面21でなく、ドライビングポジション情報を携帯電話200に記憶させるドライビングポジション調整装置300について説明する。ドライビングポジション情報を携帯電話200に記憶させることで、運転者が車両A又は車両Bに乗車する際、携帯電話200がドライビングポジション情報を車両A又はBに送信することができる。したがって、運転者がドライビングポジションを調整しなくても、その運転者の好みのドライビングポジションが提供される。
【0066】
車両の運転席、助手席、後席は、それぞれシートの状態を乗員の好みに調整できるようになっているが、本実施例では運転席を例にしてドライビングポジションの調整について説明する。
【0067】
図4は、本実施例のドライビングポジション調整装置300の概略図の一例を示す。ドライビングポジション調整装置300は、ハンズフリー装置11、ドライビングポジション設定装置32、シート位置記憶装置33、ステアリング位置記憶装置34、及び、ドライビングポジション記憶SW31を有する。図4において図1と同一部の説明は省略する。
【0068】
ドライビングポジションは、パワーシートのシート前後位置、リクライニング角度、座面高さ、ステアリングホイールのテレスコピック位置、及び、チルト角度であるとする。ドライビングポジション情報は、これら位置情報等を含む。なお、全てを含んでいる必要はない。
【0069】
シート位置記憶装置33は、運転者が設定したパワーシートのシート前後位置、リクライニング角度及び座面高さを記憶している。ステアリング位置記憶装置34は、運転者が設定したテレスコピック位置、及び、チルト角度を記憶する。また、シート位置記憶装置33とステアリング位置記憶装置34は、携帯電話200から受信したこれらの情報を記憶してもよい。
【0070】
ドライビングポジション設定装置32は、不図示の再生ボタン等から再生要求を受け付けると、ドライビングポジション情報に基づきアクチュエータを制御して、パワーシートの前後位置等やステアリングホイールのテレスコ位置を調整する。ドライビングポジション記憶SW31は、ドライビングポジション記憶SW31の押下時のドライビングポジションをシート位置記憶装置33及びステアリング位置記憶装置34、並びに、携帯電話200に記憶させるためのスイッチである。
【0071】
運転者は、車両Aの運転席に乗車してドライビングポジションを調整する。所望のドライビングポジションが得られたら、運転者はドライビングポジション記憶SW31を押下する。ドライビングポジション設定装置32は、ドライビングポジション記憶SW31の押下を検出すると、ドライビングポジションを各部のアクチュエータの制御部から読み出し、シート位置記憶装置33及びステアリング位置記憶装置34に記憶させる。
【0072】
なお、ドライビングポジションの設定に不慣れな運転者のため、ドライビングポジション設定装置32がドライビングポジションのおすすめ設定画面を表示するか否かを運転者に問いあわせ、運転者の要望に応じておすすめ設定画面を提供しても良い。おすすめ設定画面では、例えばシート前後位置等を自動的に変動させ、運転者が丁度よいと思った位置で固定することができる。
【0073】
また、ドライビングポジション記憶SW31の押下を検出すると、ドライビングポジション設定装置32は、シート位置記憶装置33及びステアリング位置記憶装置34が記憶したドライビングポジション情報を携帯電話200に送信するようハンズフリー装置11に要求する。ハンズフリー装置11は、ドライビングポジション情報を携帯電話200に送信するので、携帯電話200はドライビングポジション情報を不揮発メモリに記憶する。
【0074】
運転者が車両Bに乗車する際は、運転者は初期設定画面でペアリングする際に、ドライビングポジション情報をドライビングポジション調整装置300に送信する。車両Bのハンズフリー装置11はドライビングポジション情報を受信してシート位置記憶装置33及びステアリング位置記憶装置34に記憶させる。そして、ドライビングポジション設定装置32は、運転者のドライビングポジションの再生要求、イグニッションオン又はシートベルトの装着等を検出して、シート位置記憶装置33及びステアリング位置記憶装置34のドライビングポジション情報を読み出し、アクチュエータを制御して、パワーシートの前後位置等やステアリングホイールのテレスコ位置を調整する。
【0075】
したがって、運転者が初めて乗車する車両Bにおいても、携帯電話200からドライビングポジション情報を車両Bに送信するだけで、運転者の好みのドライビングポジションが再生できる。
【0076】
なお、携帯電話200にドライビングポジションの設定画面を表示し、運転者が携帯電話200上でドライビングポジションを数値的に設定してもよい。設定画面は、予め携帯電話200が記憶しているか、サーバから設定用の画面(例えば、XML)を取得することで、携帯電話200が表示する。運転者は<パワーシートのシート前後位置>は「○○cm」、<リクライニング角度>は「××度」、<座面高さ>は「□□cm」、<テレスコピック位置>は「△△cm」、<チルト角度>は「○△度」のように入力する。
【0077】
こうすることで、ドライビングポジションを車両Aに乗車せずに設定することも可能になる。したがって、設定中のアイドリングにより燃費が低下することを防止できる。
【0078】
以上のように、本実施例のドライビングポジション設定装置32は、運転者の好みのドライビングポジションを他の車両Bでも容易に再生することができる。
【符号の説明】
【0079】
11 ハンズフリー装置 12 カスタマイズSW記憶装置 13 ディスプレイ描画装置 14 ディスプレイ 100 操作画面カスタマイズ装置 200携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の表示装置にソフトキーを配置して操作画面を表示する操作画面カスタマイズ装置であって、
前記表示装置に質問を表示し前記質問への回答を受け付ける回答受け付け手段と、
前記回答に基づき前記操作画面に配置するソフトキーを取捨する操作画面生成手段と、
を有することを特徴とする操作画面カスタマイズ装置。
【請求項2】
前記操作画面生成手段は、前記回答に基づき情報を表示する情報表示画面に配置する情報を取捨する、
ことを特徴とする請求項1記載の操作画面カスタマイズ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−118750(P2011−118750A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276607(P2009−276607)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】