支持ピンの移載方法
【課題】移載部材の上下ストロークを十分確保することができなくとも、既に支持テーブル上に移載された支持ピンとこれから移載するための支持ピンとが干渉しないように移載する方法を提供する。
【解決手段】一対の搬送シュートに支持されたプリント基板を下方から支持する支持ピン12をストックエリアSA1から移載吸着ノズルによりバックアップテーブル2Aに移載する支持ピン12の移載方法において、前記ストックエリアSA1から移載位置がY方向において遠い複数の移載位置がある場合には、この中からX方向の何れか一方から順に、前記移載吸着ノズルにより移載位置に近い方の前記ストックエリアSA1から支持ピン12を前記バックアップテーブル2Aに移載する。
【解決手段】一対の搬送シュートに支持されたプリント基板を下方から支持する支持ピン12をストックエリアSA1から移載吸着ノズルによりバックアップテーブル2Aに移載する支持ピン12の移載方法において、前記ストックエリアSA1から移載位置がY方向において遠い複数の移載位置がある場合には、この中からX方向の何れか一方から順に、前記移載吸着ノズルにより移載位置に近い方の前記ストックエリアSA1から支持ピン12を前記バックアップテーブル2Aに移載する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の搬送シュートに支持されたプリント基板を下方から支持する支持ピンをストッカから移載部材により支持テーブルに移載する支持ピンの移載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の支持ピンの移載装置は、例えば特許文献1などに開示されているが、スクリーン印刷機にあってはスクリーンと支持テーブルとの間隔を大きくとれないために、移載部材によりストッカから支持テーブルに支持ピンを移載するに際して、移載部材の上下ストロークを十分確保することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−152782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、既に支持テーブル上に移載された支持ピンがこれから移載する支持ピンの進路上にあると、移載部材の上下ストロークを十分確保することができないので、支持ピン同士が干渉することとなり、移載部材及び支持ピンなどが破損することとなる。
【0005】
そこで本発明は、移載部材の上下ストロークを十分確保することができなくとも、既に支持テーブル上に移載された支持ピンとこれから移載するための支持ピンとが干渉しないように移載することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため第1の発明は、一対の搬送シュートに支持されたプリント基板を下方から支持する支持ピンをストッカから移載部材により支持テーブルの複数の移載位置に移載する支持ピンの移載方法において、前記ストッカから前記移載位置が遠い順に、前記移載部材により前記ストッカから支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする。
第2の発明は、一対の搬送シュートに支持されたプリント基板を下方から支持する支持ピンをストッカから移載部材により支持テーブルの複数の移載位置に移載する支持ピンの移載方法において、前記ストッカから前記移載位置が一方向において遠い複数の移載位置がある場合には、この中から前記一方向と直交する他の方向の何れか一方から順に、前記移載部材により前記ストッカから支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする。
【0007】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記ストッカが2つある場合には、移載位置に近いストッカから前記移載部材により前記支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする。
【0008】
第4の発明は、第2の発明において、前記ストッカが2つある場合には、移載位置に近いストッカにおける前記他の方向の何れか一方から順に、前記移載部材により前記支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする。
【0009】
第5の発明は、第2の発明において、前記ストッカと移載位置の前記他の方向における位置が重なる領域にあっては、前記ストッカから移載すべき支持ピンを移載部材が抜いた後に、前記支持テーブルを下降させた状態にしてから、前記支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、移載部材の上下ストロークを十分確保することができなくとも、既に支持テーブル上に移載された支持ピンとこれから移載するための支持ピンとが干渉しないように移載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】スクリーン印刷機の概略平面図である。
【図2】スクリーン印刷機の概略正面図である。
【図3】制御ブロック図である。
【図4】移載しない支持ピンを除いた移載前に載置されている支持ピンの配置データを示す図である。
【図5】移載しない支持ピンを除いた移載後の支持ピンの配置データを示す図である。
【図6】支持ピンの移載に係るフローチャートを示す図である。
【図7】ストックエリアの左右部に支持ピンが収納されている移載前の状態を示すバックアップテーブルの平面図である。
【図8】初めの2本の支持ピンの移載動作を示すためのバックアップテーブルの平面図である。
【図9】3本目の支持ピンの移載動作を示すためのバックアップテーブルの平面図である。
【図10】A領域への支持ピンの移載動作が完了した状態を示すためのバックアップテーブルの平面図である。
【図11】B領域への最初の支持ピンの移載動作を示すためのバックアップテーブルの平面図である。
【図12】全ての支持ピンの移載動作が完了した状態を示すためのバックアップテーブルの平面図である。
【図13】右の移載吸着ノズルが下降した状態のスクリーン印刷機の概略正面図である。
【図14】バックアップテーブルが上昇した状態のスクリーン印刷機の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、プリント基板を支持する支持ピンの移載装置について、本発明の具体的な実施形態を図面を参照しながら説明するが、この移載装置をプリント基板上に電子部品を装着する電子部品装着装置や接着剤をプリント基板上に塗布する接着剤塗布装置にも適用することができるが、プリント基板上に塗布剤を塗布するスクリーン印刷機に適用して、以下説明する。
【0013】
スクリーン印刷機の概略平面図である図1及び正面図である図2において、スクリーン印刷機1はプリント基板P上に塗布剤であるクリーム半田を印刷するためのもので、装置本体上に設置された基板支持ユニット2と、この基板支持ユニット2の上方に配され水平方向に延びるY軸方向(図1に示すY方向で、スクリーン印刷機1の前後方向)に移動するための移動機構を備えたスクリーン支持ユニットにより支持されたスクリーン3と、基板支持ユニット2とスクリーン3との間に配されて基板認識用カメラ5やこの基板認識用カメラ5を挟んでプリント基板の搬送方向に沿って配設される2つの移載ヘッド6等を備える移動体4と、スクリーン3に付されたスクリーン認識マークを撮像するスクリーン認識用カメラ8と、スクリーン3の上方に配されてスキージを備えた印刷機構などを備えている。
【0014】
前記基板支持ユニット2は、X軸方向、水平面内での角度方向、垂直方向に移動可能な移動機構(図示せず)と、プリント基板PをX軸方向に搬送する前後一対の基板搬送コンベア11と、プリント基板Pをその下面に当接して下方から支持する支持ピン12を貯蔵すると共にプリント基板Pに合わせて適宜な位置に前記支持ピン12が配設されZ方向に移動可能なバックアップテーブル2Aと、プリント基板Pを側方から挟んで支持する固定シュート7A、可動シュート7B(図7参照)とを備えている。
【0015】
前記バックアップテーブル2Aは、プリント基板Pを下方から支持する複数の支持ピン12をストックするストッカと、前記プリント基板Pの下面を配設された前記支持ピン12により支持する支持テーブルとを兼用している。即ち、図1に示すように、前記バックアップテーブル2Aは、支持ピン12下部が嵌合収納されて且つ側面に形成された係止鍔部12Aが上面に係止して植設される複数の支持穴13が開設され、前部の左右部が支持ピン12を貯蔵するストッカとして予め設定されたストックエリアSA1で、このストックエリアSA1を含めた全体が配設エリアである。このストックエリアSA1は、例えば左右夫々4行5列である。
【0016】
このように、ストックエリアSA1を前記バックアップテーブル2Aの前部の固定シュート7A側としたのは、プリント基板Pの最小サイズ外のエリアとし、可動シュート7Bの移動時に、ストックエリアSA1に残っている支持ピン12とこの可動シュート7Bとが干渉しないようにするためである。また、前記バックアップテーブル2Aの前部における左右部としたのは、プリント基板Pがバックアップテーブル2Aの左右方向の中心位置に位置決めされるため、プリント基板のサイズが小さければ、左右両端部に残された支持ピン12と干渉する可能性が減少するからである。
【0017】
次に、前記移動体4について説明すると、移動体4はY軸駆動モータ15の駆動によりネジ軸16が回転することにより、右部のナット体17がY方向に移動することにより左部のガイド体18に沿ってY方向に移動可能であると共に、X軸駆動モータ21の駆動によりネジ軸22が回転することにより、ナット体23がX方向に移動することによりガイド体26に沿ってY方向に移動可能である。
【0018】
そして、基板支持ユニット2のバックアップテーブル2A上に載置されたプリント基板Pの基板認識マークを撮像する基板認識用カメラ5や支持ピン12を移載する移載部材としての移載吸着ノズル24を有する2つの移載ヘッド6等を備える。この右の移載ヘッド6は平面視長手方向がY方向になるように、また左の移載ヘッド6は平面視長手方向がX方向になるように前記移動体4に取り付けられる。なお、前記移載吸着ノズル24は、図示しない真空源に連通して真空吸引により支持ピン12を吸引保持することができる。
【0019】
また、基板搬送コンベア11によりプリント基板Pが図1及び図2における左から右に流れるようにした場合には、右の移載吸着ノズル24に搬送されてきたプリント基板Pが当接して係止するストッパ27が取付けられる。
【0020】
各移載吸着ノズル24はシリンダー25により上下動でき、下降すると前記ストッパ27も下降して、搬送されて移動して来たプリント基板Pがこのストッパ27に当接して係止し、位置決めされることとなる。この場合、下降したストッパ27の高さレベルがプリント基板Pの搬送レベルと一致するように、移載吸着ノズル24の下降量が予め設定されている。
【0021】
また、前記移動体4には、前記ストッパ27に係止したプリント基板Pからの反射光の有無に基づいてプリント基板Pの有無を検出する基板有無検出装置としての光センサ29が取り付けられた取付板31が移載ヘッド6と基板認識カメラ5との間に固定ネジ30により着脱可能に取り付けられる。なお、前記光センサ29に代えて、その他の基板有無検出センサでもよく、例えば光電センサ、近接センサなどでもよい。
【0022】
前記光センサ29は、光を照射して、プリント基板Pがあれば反射光を受光することにより、プリント基板Pの存在を確認でき、プリント基板Pが無ければ受光できないので、プリント基板Pの不存在を確認できる。
【0023】
次に、図3に基づき、スクリーン印刷機1の制御ブロックについて説明する。先ず、33はCPU、RAM、ROM等を備えたマイクロコンピュータから成る制御装置であり、この制御装置33は各駆動回路34、35、36を介して前記移動体4の移動のための前記X軸駆動モータ21、Y軸駆動モータ15及び可動シュート用駆動モータ37などを制御する。
【0024】
前記制御装置(マイクロコンピュータ)33の記憶装置としてのRAMには、支持ピン12の配置に係る配置データが格納されている。即ち、バックアップテーブル2A上に移載しない支持ピン12を除いた移載前に載置されている支持ピン12の配置データ(図4参照)、移載しない支持ピン12を除いた移載後の支持ピン12の配置データ(図5参照)などが格納されている。この配置データの原点は基準側の固定シュート7Aの左下部であり、各配置データの座標は原点のX座標、Y座標をゼロとした座標である。
【0025】
なお、説明の便宜上、制御装置33は基板支持ユニット2のバックアップテーブル2AをX軸方向に移動させるためのテーブルX軸駆動モータ及びθ軸方向(水平面内での回転方向)に移動させるためのテーブルθ軸駆動モータ、前記スクリーン3をY軸方向に移動させるためのスクリーンY軸駆動モータ、スキージをY軸方向に移動させるためのスキージY軸駆動モータを制御するが、ここでは図示を省略する。
【0026】
40は前記制御装置33にインターフェース43を介して接続される認識処理装置で、前記スクリーン認識用カメラ8により撮像された画像や、前記基板認識用カメラ5により撮像された画像の認識処理が該認識処理装置40にて行われ、制御装置33に両者の認識処理結果が送出される。すると、制御装置33において、認識処理結果に基づいて各基板認識マークの位置と各スクリーン認識マークの位置とを相対的に位置決めさせるべき位置ズレ量を演算し、内蔵する記憶部に演算結果を格納する。従って、この位置ズレ量に基づいて、制御装置33はテーブルX軸駆動モータ及びテーブルθ軸駆動モータを制御すると共にスクリーンY軸駆動モータを制御することにより、プリント基板Pとスクリーン3の相対的な位置ズレを補正して位置決めする。
【0027】
41は部品画像や各種データ設定のための画面などを表示するモニタで、このモニタ41には入力手段としての種々のタッチパネルスイッチ42が設けられ、共にインターフェース43を介して制御装置33に接続され、作業者がタッチパネルスイッチ42を操作することにより、種々の設定を行うことができる。
【0028】
次に、プリント基板Pの機種切替え等に伴って、新たなプリント基板Pの生産の前に、支持ピン12の移載動作が行われるが、図6の移載に係るフローチャートに基づいて、移載の際の支持ピン12どうしが干渉しないような支持ピン12の移載順序について説明する。なお、図7乃至図13に示すバックアップテーブル2Aの支持穴13は、千鳥状にバックアップテーブル2A全域に亘って形成されており、図1に形成された支持穴13とは異なる配列となっている。
【0029】
先ず、支持ピン12は、図7に示すように、バックアップテーブル2Aの左右部のストックエリアSA1に夫々10本ずつ配置されており、この移載前の支持ピン12の配置データは制御装置33のRAMに格納されている。そして、モニタ41に表示されたタッチパネルスイッチ42を押圧操作して、これから生産するプリント基板Pを選択して、支持ピン12の移載動作のための操作をすると、図4に示すようなバックアップテーブル2A上に移載しない支持ピン12を除いた移載前に載置されている支持ピン12の配置データと移載されるべき配置データに従って、図5に示すような支持ピン12の移載順序が決定されて、移載されることとなる。
【0030】
先ず、未移載ピン、即ち移載すべきであるが未だ移載されていないストックエリアSA1内の未移載の支持ピン12があるか否かが制御装置33により判定される(ステップS1)。次に、未移載の支持ピン12があると判定すると、制御装置33はこの未移載ピンの中で、Y座標が最大の支持ピン12を選択する(ステップS2)。即ち、図12が移載が完了した状態のスクリーン印刷機の概略正面図であるが、前記未移載ピンに係る移載順序が決定される前の座標データに基づいて、Y座標が最大の支持ピン12(支持ピン12を移載する位置)を選択する。この場合、Y座標が最大の「16」である座標(8,16)、(12,16)、(20,16)の3本の支持ピン12を選択する。
【0031】
次に、候補が複数(この場合、3本)ある場合には、制御装置33はX座標が最小である支持ピン12を選択する(ステップS3)。従って、ステップS2で選択された3本の支持ピンの中から、X座標が最小の「8」である座標(8,16)の支持ピン12が選択されることとなる。なお、この場合の選択に際して、X座標が最小である支持ピン12ではなく、X座標が最大の支持ピン12でもよい(以下、同じ。)。
【0032】
そして、ステップS4において、選択された支持ピン12は移載される領域がA領域、即ちY座標が「4」以上であるA領域(図10参照)であるか否かが判定される。従って、A領域であるので、次に制御装置33は移載するストックエリアSA1内の支持ピン12を次の条件で選択する(ステップS5)。即ち、初めに前述の選択された座標(8,16)の支持ピン12から近い左のストックエリアSA1を選択する。次いで、この左のストックエリアSA1内の支持ピン12の中からY座標が最大の「4」の支持ピン12が選択されるが、この場合、Y座標が最大の「4」である座標(2,4)、(4,4)の2本の支持ピン12が選択されるが、複数あるので、この中からX座標が最小の座標(2,4)の支持ピン12が選択される。なお、この場合の選択に際して、X座標が最小の座標(2,4)の支持ピン12ではなく、最大の座標(4,4)の支持ピン12でもよい。
【0033】
次に、選択された左のストックエリアSA1内の支持ピン12を対応する左の移載ヘッド6に設けられた移載吸着ノズル24を使用して、バックアップテーブル2A上に移載する(ステップS6)。即ち、図8に示すように、左のストックエリアSA1内の座標(2,4)に位置する支持ピン12を、座標(8,16)に位置する支持穴13に移載する(図5参照)。
【0034】
具体的には、移動体4をY軸駆動モータ15及びX軸駆動モータ21により平面方向に移動させて、左の移載ヘッド6に設けられた移載吸着ノズル24を昇降させながら、バックアップテーブル2Aの左のストックエリアSA1内の座標(2,4)に位置する支持ピン12を抜いては、座標(8,16)に位置する支持穴13に差込み動作をして、この移載順序が1番目の支持ピン12(図5参照)を移載する。この場合、支持ピン12を吸着して抜いて、移載するまでの間、バックアップテーブル2Aは上下動しない。
【0035】
次に移載順序が2番目の支持ピン12は、前述したように、選択されて移載されることとなるが、ステップS2において、Y座標が最大の「16」である座標(12,16)、(20,16)の残り2本の支持ピン12を選択し、次に移載する候補が2本であるので、ステップS3において、制御装置33はX座標が最小であるX座標が最小の「12」である座標(12,16)の支持ピン12が選択されることとなる。
【0036】
そして、ステップS4において、選択された支持ピン12は移載される領域がA領域であるか否かが判定されて、A領域であるので、次に制御装置33は移載するストックエリアSA1内の支持ピン12を次の条件で選択する(ステップS5)。即ち、初めに前述の選択された座標(12,16)の支持ピン12から近い左のストックエリアSA1を選択し、次いでこの左のストックエリアSA1内の残りの支持ピン12の中からY座標が最大の「4」である座標(4,4)の支持ピン12が選択されるピン12が選択される。
【0037】
次に、選択された左のストックエリアSA1内の支持ピン12を対応する左の移載ヘッド6に設けられた移載吸着ノズル24を使用して、バックアップテーブル2A上に移載する(ステップS6)。即ち、図8に示すように、左のストックエリアSA1内の座標(4,4)に位置する支持ピン12を抜いて、座標(12,16)に位置する支持穴13に移載する(図5参照)。
【0038】
この2番目の支持ピン12の移載動作に際しては、移載吸着ノズル24の上下ストロークを十分確保することができなくとも、既にバックアップテーブル2A上に移載された支持ピン12とこれから移載するための2番目の支持ピン12とが干渉しないように移載することができ、以降の支持ピン12の移載動作においても同様な効果がある。即ち、スクリーン3とバックアップテーブル2Aとの間隔を大きくとれないために、移載吸着ノズル24によりストックエリアSA1からバックアップテーブル2Aに支持ピン12を移載するに際して、移載吸着ノズル24の上下ストロークを十分確保することができないが、既にバックアップテーブル2A上に移載された支持ピン12とこれから移載するための支持ピン12とが干渉しないように、移載することができる。
【0039】
次に移載順序が3番目の支持ピン12は、前述したように、選択されて移載されることとなるが、ステップS2において、Y座標が最大の「16」である座標(20,16)の残りの支持ピン12を選択し、次に候補が1本であるので、この座標(20,16)の支持ピン12が選択されることとなる。
【0040】
そして、ステップS4において、A領域であると判定されるので、次に制御装置33は移載するストックエリアSA1内の支持ピン12を次の条件で選択する(ステップS5)。即ち、初めに前述の選択された座標(20,16)の支持ピン12から近い右のストックエリアSA1を選択し、次いでこの右のストックエリアSA1内の残りの支持ピン12の中からY座標が最大の「4」である座標(24,4)、(26,4)の支持ピン12が選択されるが、複数あるので、この中からX座標が最小の座標(24,4)の支持ピン12が選択される。
【0041】
次に、選択された右のストックエリアSA1内の支持ピン12を対応する右の移載ヘッド6に設けられた移載吸着ノズル24を使用して、バックアップテーブル2A上に移載する(ステップS6)。即ち、図9に示すように、右のストックエリアSA1内の座標(24,4)に位置する支持ピン12を抜いて、座標(20,16)に位置する支持穴13に移載する(図5参照)。
【0042】
次に移載順序が4番目の支持ピン12も、前述したように、選択されて移載されることとなるが、ステップS2において、Y座標が最大の「13」である座標(17,13)の残りの支持ピン12を選択し、次に候補が1本であるので、この座標(17,13)の支持ピン12が選択されることとなる。
【0043】
そして、ステップS4において、A領域であると判定されるので、次に制御装置33は移載するストックエリアSA1内の支持ピン12を次の条件で選択する(ステップS5)。即ち、初めに前述の選択された座標(17,13)の支持ピン12から近い右のストックエリアSA1を選択し、次いでこの右のストックエリアSA1内の残りの支持ピン12の中からY座標が最大の「4」である座標(26,4)の支持ピン12が選択される。
【0044】
次に、選択された右のストックエリアSA1内の支持ピン12を対応する右の移載ヘッド6に設けられた移載吸着ノズル24を使用して、バックアップテーブル2A上に移載する(ステップS6)。即ち、右のストックエリアSA1内の座標(26,4)に位置する支持ピン12を抜いて、座標(17,13)に位置する支持穴13に移載する(図5参照)。
【0045】
以下同様に、順次移載順序が決定されてストックエリアSA1内から支持ピン12が抜かれて、移載されることとなるが、図10に示すように、Y座標が「4」以上であるA領域内への支持ピン12の移載が完了すると、図11に示すように、Y座標が「3」以下であるB領域への移載動作が行われることとなる。Y座標が「4」以上であるA領域内への支持ピン12の移載は、以上のように行われるので、移載吸着ノズル24の上下ストロークを十分確保することができなくとも、既にバックアップテーブル2A上に移載された支持ピン12とこれから移載するための支持ピン12とが干渉しないように移載することができる。また、移載動作の際の移載吸着ノズル24の移動経路を極力短くすることもできる。
【0046】
Y座標が「3」以下であるB領域への移載動作は、初めに移載すべきであるが未だ移載されていないストックエリアSA1内の未移載の支持ピン12があるか否かが制御装置33により判定される(ステップS1)。次に、未移載の支持ピン12があると判定すると、制御装置33はこの未移載ピンの中で、Y座標が最大の支持ピン12を選択する(ステップS2)。この場合、Y座標が最大の「2」である座標(8,2)、(20,2)の2本の支持ピン12を選択する(図12参照)。
【0047】
次に、候補が複数(この場合、2本)ある場合には、制御装置33はX座標が最小である支持ピン12を選択する(ステップS3)。この場合、ステップS2で選択された2本の支持ピンの中から、X座標が最小の「8」である座標(8,2)の支持ピン12が選択されることとなる。
【0048】
そして、ステップS4において、選択された支持ピン12は移載される領域がA領域、即ちY座標が「4」以上であるA領域であるか否かが判定される。従って、B領域であるので、次に制御装置33は移載するストックエリアSA1内の支持ピン12を次の条件で選択する(ステップS7)。即ち、初めに前述の選択された座標(8,2)の支持ピン12から近い左のストックエリアSA1を選択する。次いで、この左のストックエリアSA1内の支持ピン12の中からX座標が移載位置の座標(8,2)に近い支持ピン12が選択されるが、この場合、候補が複数ある場合はY座標が大きい支持ピン12が選択される。
【0049】
次に、選択された左のストックエリアSA1内の支持ピン12を対応する左の移載ヘッド6に設けられた移載吸着ノズル24を使用して、バックアップテーブル2A上に移載する(ステップS8)。即ち、図11に示すように、左のストックエリアSA1内の座標(5,1)に位置する支持ピン12を、座標(8,2)に位置する支持穴13に移載する(図5参照)。
【0050】
この場合、移載すべき支持ピン12を移載吸着ノズル24が吸着して抜いた後に、バックアップテーブル2Aを下降させた状態にして、この移載吸着ノズル24を移動させて座標(5,1)に位置する支持ピン12を、座標(8,2)に位置する支持穴13に移載する。このように、A領域ではないストックエリアSA1と移載されるべき位置のY方向の座標が重なる領域であるB領域においては、Y方向を優先とした移載順序では移載しようとしている支持ピン12とストックエリアSA1内の残された支持ピン12又は移載済みの支持ピン12とが干渉する可能性があるため、X方向を優先として、移載すべき支持ピン12を移載吸着ノズル24が吸着して抜いた後に、バックアップテーブル2Aを下降させてから、この移載吸着ノズル24を移動させて移載位置に到達してからバックアップテーブル2Aを上昇させて移載するようにしているので、バックアップテーブル2A上に移載された支持ピン12とこれから移載するための支持ピン12とが干渉するのを確実に回避することができる。
【0051】
この場合、各ストックエリアSA1内の抜かれる支持ピン12の順序を内側寄りのものからとしており、抜かれる支持ピン12のX座標が移載位置の座標(8,2)に近い座標(5,1)の支持ピン12が選択されて移載される。
【0052】
次に、B領域内に未移載の支持ピン12があると判定すると、制御装置33は残り2本の未移載ピンのうちで、Y座標が最大の支持ピン12を選択する(ステップS2)。この場合、Y座標が最大の「2」である座標(20,2)の支持ピン12を選択する(図12参照)。次に、候補が複数ないので、制御装置33は選択された支持ピン12は移載される領域がA領域であるか否かが判定される(ステップS4)。従って、B領域であるので、次に制御装置33は移載するストックエリアSA1内の支持ピン12を次の条件で選択する(ステップS7)。即ち、初めに前述の選択された座標(20,2)の支持ピン12から近い右のストックエリアSA1を選択する。次いで、この右のストックエリアSA1内の支持ピン12の中から、X座標が移載位置の座標(20,2)に近い座標(23,1)の内側寄りの支持ピン12が選択される。
【0053】
次に、選択された右のストックエリアSA1内の支持ピン12を対応する右の移載ヘッド6に設けられた移載吸着ノズル24を使用して、バックアップテーブル2A上に移載する(ステップS8)。即ち、図11に示すように、右のストックエリアSA1内の座標(23,1)に位置する支持ピン12を、座標(20,2)に位置する支持穴13に移載する(図5参照)。
【0054】
そして、B領域内に最後の支持ピン12である未移載の支持ピン12があると判定すると、制御装置33はこの未移載ピンの座標(13,1)の支持ピン12を選択する(ステップS2)。次に、候補が複数ないので、制御装置33は選択された支持ピン12は移載される領域がA領域であるか否かが判定される(ステップS4)。従って、B領域であるので、次に制御装置33は移載するストックエリアSA1内の支持ピン12を次の条件で選択する(ステップS7)。即ち、初めに前述の選択された座標(13,1)の支持ピン12から近い左のストックエリアSA1を選択する。次いで、この左のストックエリアSA1内の支持ピン12の中から、X座標が移載位置の座標(13,1)に近い座標(4,2)の内側寄りの支持ピン12が選択される。
【0055】
次に、選択された右のストックエリアSA1内の支持ピン12を対応する左の移載ヘッド6に設けられた移載吸着ノズル24を使用して、バックアップテーブル2A上に移載する(ステップS8)。即ち、図11に示すように、左のストックエリアSA1内の座標(4,2)に位置する支持ピン12を、座標(13,1)に位置する支持穴13に移載する(図5参照)。これにより、全ての支持ピン12の移載動作が終了する。
【0056】
以上のような構成にして、以下スクリーン印刷機の動作を説明する。先ず、上流側から受け継がれたプリント基板Pは基板搬送コンベア11により図1及び図2における左から右に流れるので、ストッパ27が固定された右の移載吸着ノズル24はシリンダー25により下降しており(図13参照)、搬送されて移動して来たプリント基板Pがこのストッパ27に当接して係止し、位置決めされることとなる。
【0057】
このとき、前記光センサ29がプリント基板Pを検出すると、このプリント基板Pを固定シュート7A及び可動シュート7Bが側方から挟んで支持したまま、バックアップテーブル2Aが上昇して、プリント基板Pは前述したように移載された複数の支持ピン12により水平に支持される(図2、図13、図14では、便宜上1本のみ図示してある。)。
【0058】
そして、スクリーン認識用カメラ8によりスクリーン3に付されたスクリーン認識マークを撮像すると共に基板認識用カメラ5によりプリント基板Pに付された基板認識マークが撮像されて、認識処理装置40がこれらの画像を認識処理し、制御装置33に両者の認識処理結果が送出される。すると、制御装置33において、認識処理結果に基づいて各基板認識マークの位置と各スクリーン認識マークの位置とを相対的に位置決めさせるべき位置ズレ量を演算し、内蔵するRAMに演算結果を格納すると共に、この位置ズレ量に基づいて、制御装置33は前記基板支持ユニット2のX軸駆動モータ及びテーブルθ軸駆動モータを制御すると共にスクリーン3のY軸駆動モータを制御することにより、プリント基板Pとスクリーン3の相対的な位置ズレを補正して位置決めする。
【0059】
そして、更に基板支持ユニット2を上昇させて、支持ピン12により水平状態に支持された状態のプリント基板Pをスクリーン3の下面に密着させ、印刷機構を動作させて、スキージ(図示せず)がクリーム半田をスクリーン3の印刷パターン孔を介してプリント基板P上に印刷が行われ、印刷終了後に基板支持ユニット2が下降して、バックアップテーブル2Aから下流に搬送される。
【0060】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0061】
2A バックアップテーブル
2 基板支持ユニット
3 スクリーン
4 移動体
6 移載ヘッド
7A 固定シュート
7B 可動シュート
11 基板搬送コンベア
12 支持ピン
24 移載吸着ノズル
25 シリンダー
33 制御装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の搬送シュートに支持されたプリント基板を下方から支持する支持ピンをストッカから移載部材により支持テーブルに移載する支持ピンの移載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の支持ピンの移載装置は、例えば特許文献1などに開示されているが、スクリーン印刷機にあってはスクリーンと支持テーブルとの間隔を大きくとれないために、移載部材によりストッカから支持テーブルに支持ピンを移載するに際して、移載部材の上下ストロークを十分確保することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−152782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、既に支持テーブル上に移載された支持ピンがこれから移載する支持ピンの進路上にあると、移載部材の上下ストロークを十分確保することができないので、支持ピン同士が干渉することとなり、移載部材及び支持ピンなどが破損することとなる。
【0005】
そこで本発明は、移載部材の上下ストロークを十分確保することができなくとも、既に支持テーブル上に移載された支持ピンとこれから移載するための支持ピンとが干渉しないように移載することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため第1の発明は、一対の搬送シュートに支持されたプリント基板を下方から支持する支持ピンをストッカから移載部材により支持テーブルの複数の移載位置に移載する支持ピンの移載方法において、前記ストッカから前記移載位置が遠い順に、前記移載部材により前記ストッカから支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする。
第2の発明は、一対の搬送シュートに支持されたプリント基板を下方から支持する支持ピンをストッカから移載部材により支持テーブルの複数の移載位置に移載する支持ピンの移載方法において、前記ストッカから前記移載位置が一方向において遠い複数の移載位置がある場合には、この中から前記一方向と直交する他の方向の何れか一方から順に、前記移載部材により前記ストッカから支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする。
【0007】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記ストッカが2つある場合には、移載位置に近いストッカから前記移載部材により前記支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする。
【0008】
第4の発明は、第2の発明において、前記ストッカが2つある場合には、移載位置に近いストッカにおける前記他の方向の何れか一方から順に、前記移載部材により前記支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする。
【0009】
第5の発明は、第2の発明において、前記ストッカと移載位置の前記他の方向における位置が重なる領域にあっては、前記ストッカから移載すべき支持ピンを移載部材が抜いた後に、前記支持テーブルを下降させた状態にしてから、前記支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、移載部材の上下ストロークを十分確保することができなくとも、既に支持テーブル上に移載された支持ピンとこれから移載するための支持ピンとが干渉しないように移載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】スクリーン印刷機の概略平面図である。
【図2】スクリーン印刷機の概略正面図である。
【図3】制御ブロック図である。
【図4】移載しない支持ピンを除いた移載前に載置されている支持ピンの配置データを示す図である。
【図5】移載しない支持ピンを除いた移載後の支持ピンの配置データを示す図である。
【図6】支持ピンの移載に係るフローチャートを示す図である。
【図7】ストックエリアの左右部に支持ピンが収納されている移載前の状態を示すバックアップテーブルの平面図である。
【図8】初めの2本の支持ピンの移載動作を示すためのバックアップテーブルの平面図である。
【図9】3本目の支持ピンの移載動作を示すためのバックアップテーブルの平面図である。
【図10】A領域への支持ピンの移載動作が完了した状態を示すためのバックアップテーブルの平面図である。
【図11】B領域への最初の支持ピンの移載動作を示すためのバックアップテーブルの平面図である。
【図12】全ての支持ピンの移載動作が完了した状態を示すためのバックアップテーブルの平面図である。
【図13】右の移載吸着ノズルが下降した状態のスクリーン印刷機の概略正面図である。
【図14】バックアップテーブルが上昇した状態のスクリーン印刷機の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、プリント基板を支持する支持ピンの移載装置について、本発明の具体的な実施形態を図面を参照しながら説明するが、この移載装置をプリント基板上に電子部品を装着する電子部品装着装置や接着剤をプリント基板上に塗布する接着剤塗布装置にも適用することができるが、プリント基板上に塗布剤を塗布するスクリーン印刷機に適用して、以下説明する。
【0013】
スクリーン印刷機の概略平面図である図1及び正面図である図2において、スクリーン印刷機1はプリント基板P上に塗布剤であるクリーム半田を印刷するためのもので、装置本体上に設置された基板支持ユニット2と、この基板支持ユニット2の上方に配され水平方向に延びるY軸方向(図1に示すY方向で、スクリーン印刷機1の前後方向)に移動するための移動機構を備えたスクリーン支持ユニットにより支持されたスクリーン3と、基板支持ユニット2とスクリーン3との間に配されて基板認識用カメラ5やこの基板認識用カメラ5を挟んでプリント基板の搬送方向に沿って配設される2つの移載ヘッド6等を備える移動体4と、スクリーン3に付されたスクリーン認識マークを撮像するスクリーン認識用カメラ8と、スクリーン3の上方に配されてスキージを備えた印刷機構などを備えている。
【0014】
前記基板支持ユニット2は、X軸方向、水平面内での角度方向、垂直方向に移動可能な移動機構(図示せず)と、プリント基板PをX軸方向に搬送する前後一対の基板搬送コンベア11と、プリント基板Pをその下面に当接して下方から支持する支持ピン12を貯蔵すると共にプリント基板Pに合わせて適宜な位置に前記支持ピン12が配設されZ方向に移動可能なバックアップテーブル2Aと、プリント基板Pを側方から挟んで支持する固定シュート7A、可動シュート7B(図7参照)とを備えている。
【0015】
前記バックアップテーブル2Aは、プリント基板Pを下方から支持する複数の支持ピン12をストックするストッカと、前記プリント基板Pの下面を配設された前記支持ピン12により支持する支持テーブルとを兼用している。即ち、図1に示すように、前記バックアップテーブル2Aは、支持ピン12下部が嵌合収納されて且つ側面に形成された係止鍔部12Aが上面に係止して植設される複数の支持穴13が開設され、前部の左右部が支持ピン12を貯蔵するストッカとして予め設定されたストックエリアSA1で、このストックエリアSA1を含めた全体が配設エリアである。このストックエリアSA1は、例えば左右夫々4行5列である。
【0016】
このように、ストックエリアSA1を前記バックアップテーブル2Aの前部の固定シュート7A側としたのは、プリント基板Pの最小サイズ外のエリアとし、可動シュート7Bの移動時に、ストックエリアSA1に残っている支持ピン12とこの可動シュート7Bとが干渉しないようにするためである。また、前記バックアップテーブル2Aの前部における左右部としたのは、プリント基板Pがバックアップテーブル2Aの左右方向の中心位置に位置決めされるため、プリント基板のサイズが小さければ、左右両端部に残された支持ピン12と干渉する可能性が減少するからである。
【0017】
次に、前記移動体4について説明すると、移動体4はY軸駆動モータ15の駆動によりネジ軸16が回転することにより、右部のナット体17がY方向に移動することにより左部のガイド体18に沿ってY方向に移動可能であると共に、X軸駆動モータ21の駆動によりネジ軸22が回転することにより、ナット体23がX方向に移動することによりガイド体26に沿ってY方向に移動可能である。
【0018】
そして、基板支持ユニット2のバックアップテーブル2A上に載置されたプリント基板Pの基板認識マークを撮像する基板認識用カメラ5や支持ピン12を移載する移載部材としての移載吸着ノズル24を有する2つの移載ヘッド6等を備える。この右の移載ヘッド6は平面視長手方向がY方向になるように、また左の移載ヘッド6は平面視長手方向がX方向になるように前記移動体4に取り付けられる。なお、前記移載吸着ノズル24は、図示しない真空源に連通して真空吸引により支持ピン12を吸引保持することができる。
【0019】
また、基板搬送コンベア11によりプリント基板Pが図1及び図2における左から右に流れるようにした場合には、右の移載吸着ノズル24に搬送されてきたプリント基板Pが当接して係止するストッパ27が取付けられる。
【0020】
各移載吸着ノズル24はシリンダー25により上下動でき、下降すると前記ストッパ27も下降して、搬送されて移動して来たプリント基板Pがこのストッパ27に当接して係止し、位置決めされることとなる。この場合、下降したストッパ27の高さレベルがプリント基板Pの搬送レベルと一致するように、移載吸着ノズル24の下降量が予め設定されている。
【0021】
また、前記移動体4には、前記ストッパ27に係止したプリント基板Pからの反射光の有無に基づいてプリント基板Pの有無を検出する基板有無検出装置としての光センサ29が取り付けられた取付板31が移載ヘッド6と基板認識カメラ5との間に固定ネジ30により着脱可能に取り付けられる。なお、前記光センサ29に代えて、その他の基板有無検出センサでもよく、例えば光電センサ、近接センサなどでもよい。
【0022】
前記光センサ29は、光を照射して、プリント基板Pがあれば反射光を受光することにより、プリント基板Pの存在を確認でき、プリント基板Pが無ければ受光できないので、プリント基板Pの不存在を確認できる。
【0023】
次に、図3に基づき、スクリーン印刷機1の制御ブロックについて説明する。先ず、33はCPU、RAM、ROM等を備えたマイクロコンピュータから成る制御装置であり、この制御装置33は各駆動回路34、35、36を介して前記移動体4の移動のための前記X軸駆動モータ21、Y軸駆動モータ15及び可動シュート用駆動モータ37などを制御する。
【0024】
前記制御装置(マイクロコンピュータ)33の記憶装置としてのRAMには、支持ピン12の配置に係る配置データが格納されている。即ち、バックアップテーブル2A上に移載しない支持ピン12を除いた移載前に載置されている支持ピン12の配置データ(図4参照)、移載しない支持ピン12を除いた移載後の支持ピン12の配置データ(図5参照)などが格納されている。この配置データの原点は基準側の固定シュート7Aの左下部であり、各配置データの座標は原点のX座標、Y座標をゼロとした座標である。
【0025】
なお、説明の便宜上、制御装置33は基板支持ユニット2のバックアップテーブル2AをX軸方向に移動させるためのテーブルX軸駆動モータ及びθ軸方向(水平面内での回転方向)に移動させるためのテーブルθ軸駆動モータ、前記スクリーン3をY軸方向に移動させるためのスクリーンY軸駆動モータ、スキージをY軸方向に移動させるためのスキージY軸駆動モータを制御するが、ここでは図示を省略する。
【0026】
40は前記制御装置33にインターフェース43を介して接続される認識処理装置で、前記スクリーン認識用カメラ8により撮像された画像や、前記基板認識用カメラ5により撮像された画像の認識処理が該認識処理装置40にて行われ、制御装置33に両者の認識処理結果が送出される。すると、制御装置33において、認識処理結果に基づいて各基板認識マークの位置と各スクリーン認識マークの位置とを相対的に位置決めさせるべき位置ズレ量を演算し、内蔵する記憶部に演算結果を格納する。従って、この位置ズレ量に基づいて、制御装置33はテーブルX軸駆動モータ及びテーブルθ軸駆動モータを制御すると共にスクリーンY軸駆動モータを制御することにより、プリント基板Pとスクリーン3の相対的な位置ズレを補正して位置決めする。
【0027】
41は部品画像や各種データ設定のための画面などを表示するモニタで、このモニタ41には入力手段としての種々のタッチパネルスイッチ42が設けられ、共にインターフェース43を介して制御装置33に接続され、作業者がタッチパネルスイッチ42を操作することにより、種々の設定を行うことができる。
【0028】
次に、プリント基板Pの機種切替え等に伴って、新たなプリント基板Pの生産の前に、支持ピン12の移載動作が行われるが、図6の移載に係るフローチャートに基づいて、移載の際の支持ピン12どうしが干渉しないような支持ピン12の移載順序について説明する。なお、図7乃至図13に示すバックアップテーブル2Aの支持穴13は、千鳥状にバックアップテーブル2A全域に亘って形成されており、図1に形成された支持穴13とは異なる配列となっている。
【0029】
先ず、支持ピン12は、図7に示すように、バックアップテーブル2Aの左右部のストックエリアSA1に夫々10本ずつ配置されており、この移載前の支持ピン12の配置データは制御装置33のRAMに格納されている。そして、モニタ41に表示されたタッチパネルスイッチ42を押圧操作して、これから生産するプリント基板Pを選択して、支持ピン12の移載動作のための操作をすると、図4に示すようなバックアップテーブル2A上に移載しない支持ピン12を除いた移載前に載置されている支持ピン12の配置データと移載されるべき配置データに従って、図5に示すような支持ピン12の移載順序が決定されて、移載されることとなる。
【0030】
先ず、未移載ピン、即ち移載すべきであるが未だ移載されていないストックエリアSA1内の未移載の支持ピン12があるか否かが制御装置33により判定される(ステップS1)。次に、未移載の支持ピン12があると判定すると、制御装置33はこの未移載ピンの中で、Y座標が最大の支持ピン12を選択する(ステップS2)。即ち、図12が移載が完了した状態のスクリーン印刷機の概略正面図であるが、前記未移載ピンに係る移載順序が決定される前の座標データに基づいて、Y座標が最大の支持ピン12(支持ピン12を移載する位置)を選択する。この場合、Y座標が最大の「16」である座標(8,16)、(12,16)、(20,16)の3本の支持ピン12を選択する。
【0031】
次に、候補が複数(この場合、3本)ある場合には、制御装置33はX座標が最小である支持ピン12を選択する(ステップS3)。従って、ステップS2で選択された3本の支持ピンの中から、X座標が最小の「8」である座標(8,16)の支持ピン12が選択されることとなる。なお、この場合の選択に際して、X座標が最小である支持ピン12ではなく、X座標が最大の支持ピン12でもよい(以下、同じ。)。
【0032】
そして、ステップS4において、選択された支持ピン12は移載される領域がA領域、即ちY座標が「4」以上であるA領域(図10参照)であるか否かが判定される。従って、A領域であるので、次に制御装置33は移載するストックエリアSA1内の支持ピン12を次の条件で選択する(ステップS5)。即ち、初めに前述の選択された座標(8,16)の支持ピン12から近い左のストックエリアSA1を選択する。次いで、この左のストックエリアSA1内の支持ピン12の中からY座標が最大の「4」の支持ピン12が選択されるが、この場合、Y座標が最大の「4」である座標(2,4)、(4,4)の2本の支持ピン12が選択されるが、複数あるので、この中からX座標が最小の座標(2,4)の支持ピン12が選択される。なお、この場合の選択に際して、X座標が最小の座標(2,4)の支持ピン12ではなく、最大の座標(4,4)の支持ピン12でもよい。
【0033】
次に、選択された左のストックエリアSA1内の支持ピン12を対応する左の移載ヘッド6に設けられた移載吸着ノズル24を使用して、バックアップテーブル2A上に移載する(ステップS6)。即ち、図8に示すように、左のストックエリアSA1内の座標(2,4)に位置する支持ピン12を、座標(8,16)に位置する支持穴13に移載する(図5参照)。
【0034】
具体的には、移動体4をY軸駆動モータ15及びX軸駆動モータ21により平面方向に移動させて、左の移載ヘッド6に設けられた移載吸着ノズル24を昇降させながら、バックアップテーブル2Aの左のストックエリアSA1内の座標(2,4)に位置する支持ピン12を抜いては、座標(8,16)に位置する支持穴13に差込み動作をして、この移載順序が1番目の支持ピン12(図5参照)を移載する。この場合、支持ピン12を吸着して抜いて、移載するまでの間、バックアップテーブル2Aは上下動しない。
【0035】
次に移載順序が2番目の支持ピン12は、前述したように、選択されて移載されることとなるが、ステップS2において、Y座標が最大の「16」である座標(12,16)、(20,16)の残り2本の支持ピン12を選択し、次に移載する候補が2本であるので、ステップS3において、制御装置33はX座標が最小であるX座標が最小の「12」である座標(12,16)の支持ピン12が選択されることとなる。
【0036】
そして、ステップS4において、選択された支持ピン12は移載される領域がA領域であるか否かが判定されて、A領域であるので、次に制御装置33は移載するストックエリアSA1内の支持ピン12を次の条件で選択する(ステップS5)。即ち、初めに前述の選択された座標(12,16)の支持ピン12から近い左のストックエリアSA1を選択し、次いでこの左のストックエリアSA1内の残りの支持ピン12の中からY座標が最大の「4」である座標(4,4)の支持ピン12が選択されるピン12が選択される。
【0037】
次に、選択された左のストックエリアSA1内の支持ピン12を対応する左の移載ヘッド6に設けられた移載吸着ノズル24を使用して、バックアップテーブル2A上に移載する(ステップS6)。即ち、図8に示すように、左のストックエリアSA1内の座標(4,4)に位置する支持ピン12を抜いて、座標(12,16)に位置する支持穴13に移載する(図5参照)。
【0038】
この2番目の支持ピン12の移載動作に際しては、移載吸着ノズル24の上下ストロークを十分確保することができなくとも、既にバックアップテーブル2A上に移載された支持ピン12とこれから移載するための2番目の支持ピン12とが干渉しないように移載することができ、以降の支持ピン12の移載動作においても同様な効果がある。即ち、スクリーン3とバックアップテーブル2Aとの間隔を大きくとれないために、移載吸着ノズル24によりストックエリアSA1からバックアップテーブル2Aに支持ピン12を移載するに際して、移載吸着ノズル24の上下ストロークを十分確保することができないが、既にバックアップテーブル2A上に移載された支持ピン12とこれから移載するための支持ピン12とが干渉しないように、移載することができる。
【0039】
次に移載順序が3番目の支持ピン12は、前述したように、選択されて移載されることとなるが、ステップS2において、Y座標が最大の「16」である座標(20,16)の残りの支持ピン12を選択し、次に候補が1本であるので、この座標(20,16)の支持ピン12が選択されることとなる。
【0040】
そして、ステップS4において、A領域であると判定されるので、次に制御装置33は移載するストックエリアSA1内の支持ピン12を次の条件で選択する(ステップS5)。即ち、初めに前述の選択された座標(20,16)の支持ピン12から近い右のストックエリアSA1を選択し、次いでこの右のストックエリアSA1内の残りの支持ピン12の中からY座標が最大の「4」である座標(24,4)、(26,4)の支持ピン12が選択されるが、複数あるので、この中からX座標が最小の座標(24,4)の支持ピン12が選択される。
【0041】
次に、選択された右のストックエリアSA1内の支持ピン12を対応する右の移載ヘッド6に設けられた移載吸着ノズル24を使用して、バックアップテーブル2A上に移載する(ステップS6)。即ち、図9に示すように、右のストックエリアSA1内の座標(24,4)に位置する支持ピン12を抜いて、座標(20,16)に位置する支持穴13に移載する(図5参照)。
【0042】
次に移載順序が4番目の支持ピン12も、前述したように、選択されて移載されることとなるが、ステップS2において、Y座標が最大の「13」である座標(17,13)の残りの支持ピン12を選択し、次に候補が1本であるので、この座標(17,13)の支持ピン12が選択されることとなる。
【0043】
そして、ステップS4において、A領域であると判定されるので、次に制御装置33は移載するストックエリアSA1内の支持ピン12を次の条件で選択する(ステップS5)。即ち、初めに前述の選択された座標(17,13)の支持ピン12から近い右のストックエリアSA1を選択し、次いでこの右のストックエリアSA1内の残りの支持ピン12の中からY座標が最大の「4」である座標(26,4)の支持ピン12が選択される。
【0044】
次に、選択された右のストックエリアSA1内の支持ピン12を対応する右の移載ヘッド6に設けられた移載吸着ノズル24を使用して、バックアップテーブル2A上に移載する(ステップS6)。即ち、右のストックエリアSA1内の座標(26,4)に位置する支持ピン12を抜いて、座標(17,13)に位置する支持穴13に移載する(図5参照)。
【0045】
以下同様に、順次移載順序が決定されてストックエリアSA1内から支持ピン12が抜かれて、移載されることとなるが、図10に示すように、Y座標が「4」以上であるA領域内への支持ピン12の移載が完了すると、図11に示すように、Y座標が「3」以下であるB領域への移載動作が行われることとなる。Y座標が「4」以上であるA領域内への支持ピン12の移載は、以上のように行われるので、移載吸着ノズル24の上下ストロークを十分確保することができなくとも、既にバックアップテーブル2A上に移載された支持ピン12とこれから移載するための支持ピン12とが干渉しないように移載することができる。また、移載動作の際の移載吸着ノズル24の移動経路を極力短くすることもできる。
【0046】
Y座標が「3」以下であるB領域への移載動作は、初めに移載すべきであるが未だ移載されていないストックエリアSA1内の未移載の支持ピン12があるか否かが制御装置33により判定される(ステップS1)。次に、未移載の支持ピン12があると判定すると、制御装置33はこの未移載ピンの中で、Y座標が最大の支持ピン12を選択する(ステップS2)。この場合、Y座標が最大の「2」である座標(8,2)、(20,2)の2本の支持ピン12を選択する(図12参照)。
【0047】
次に、候補が複数(この場合、2本)ある場合には、制御装置33はX座標が最小である支持ピン12を選択する(ステップS3)。この場合、ステップS2で選択された2本の支持ピンの中から、X座標が最小の「8」である座標(8,2)の支持ピン12が選択されることとなる。
【0048】
そして、ステップS4において、選択された支持ピン12は移載される領域がA領域、即ちY座標が「4」以上であるA領域であるか否かが判定される。従って、B領域であるので、次に制御装置33は移載するストックエリアSA1内の支持ピン12を次の条件で選択する(ステップS7)。即ち、初めに前述の選択された座標(8,2)の支持ピン12から近い左のストックエリアSA1を選択する。次いで、この左のストックエリアSA1内の支持ピン12の中からX座標が移載位置の座標(8,2)に近い支持ピン12が選択されるが、この場合、候補が複数ある場合はY座標が大きい支持ピン12が選択される。
【0049】
次に、選択された左のストックエリアSA1内の支持ピン12を対応する左の移載ヘッド6に設けられた移載吸着ノズル24を使用して、バックアップテーブル2A上に移載する(ステップS8)。即ち、図11に示すように、左のストックエリアSA1内の座標(5,1)に位置する支持ピン12を、座標(8,2)に位置する支持穴13に移載する(図5参照)。
【0050】
この場合、移載すべき支持ピン12を移載吸着ノズル24が吸着して抜いた後に、バックアップテーブル2Aを下降させた状態にして、この移載吸着ノズル24を移動させて座標(5,1)に位置する支持ピン12を、座標(8,2)に位置する支持穴13に移載する。このように、A領域ではないストックエリアSA1と移載されるべき位置のY方向の座標が重なる領域であるB領域においては、Y方向を優先とした移載順序では移載しようとしている支持ピン12とストックエリアSA1内の残された支持ピン12又は移載済みの支持ピン12とが干渉する可能性があるため、X方向を優先として、移載すべき支持ピン12を移載吸着ノズル24が吸着して抜いた後に、バックアップテーブル2Aを下降させてから、この移載吸着ノズル24を移動させて移載位置に到達してからバックアップテーブル2Aを上昇させて移載するようにしているので、バックアップテーブル2A上に移載された支持ピン12とこれから移載するための支持ピン12とが干渉するのを確実に回避することができる。
【0051】
この場合、各ストックエリアSA1内の抜かれる支持ピン12の順序を内側寄りのものからとしており、抜かれる支持ピン12のX座標が移載位置の座標(8,2)に近い座標(5,1)の支持ピン12が選択されて移載される。
【0052】
次に、B領域内に未移載の支持ピン12があると判定すると、制御装置33は残り2本の未移載ピンのうちで、Y座標が最大の支持ピン12を選択する(ステップS2)。この場合、Y座標が最大の「2」である座標(20,2)の支持ピン12を選択する(図12参照)。次に、候補が複数ないので、制御装置33は選択された支持ピン12は移載される領域がA領域であるか否かが判定される(ステップS4)。従って、B領域であるので、次に制御装置33は移載するストックエリアSA1内の支持ピン12を次の条件で選択する(ステップS7)。即ち、初めに前述の選択された座標(20,2)の支持ピン12から近い右のストックエリアSA1を選択する。次いで、この右のストックエリアSA1内の支持ピン12の中から、X座標が移載位置の座標(20,2)に近い座標(23,1)の内側寄りの支持ピン12が選択される。
【0053】
次に、選択された右のストックエリアSA1内の支持ピン12を対応する右の移載ヘッド6に設けられた移載吸着ノズル24を使用して、バックアップテーブル2A上に移載する(ステップS8)。即ち、図11に示すように、右のストックエリアSA1内の座標(23,1)に位置する支持ピン12を、座標(20,2)に位置する支持穴13に移載する(図5参照)。
【0054】
そして、B領域内に最後の支持ピン12である未移載の支持ピン12があると判定すると、制御装置33はこの未移載ピンの座標(13,1)の支持ピン12を選択する(ステップS2)。次に、候補が複数ないので、制御装置33は選択された支持ピン12は移載される領域がA領域であるか否かが判定される(ステップS4)。従って、B領域であるので、次に制御装置33は移載するストックエリアSA1内の支持ピン12を次の条件で選択する(ステップS7)。即ち、初めに前述の選択された座標(13,1)の支持ピン12から近い左のストックエリアSA1を選択する。次いで、この左のストックエリアSA1内の支持ピン12の中から、X座標が移載位置の座標(13,1)に近い座標(4,2)の内側寄りの支持ピン12が選択される。
【0055】
次に、選択された右のストックエリアSA1内の支持ピン12を対応する左の移載ヘッド6に設けられた移載吸着ノズル24を使用して、バックアップテーブル2A上に移載する(ステップS8)。即ち、図11に示すように、左のストックエリアSA1内の座標(4,2)に位置する支持ピン12を、座標(13,1)に位置する支持穴13に移載する(図5参照)。これにより、全ての支持ピン12の移載動作が終了する。
【0056】
以上のような構成にして、以下スクリーン印刷機の動作を説明する。先ず、上流側から受け継がれたプリント基板Pは基板搬送コンベア11により図1及び図2における左から右に流れるので、ストッパ27が固定された右の移載吸着ノズル24はシリンダー25により下降しており(図13参照)、搬送されて移動して来たプリント基板Pがこのストッパ27に当接して係止し、位置決めされることとなる。
【0057】
このとき、前記光センサ29がプリント基板Pを検出すると、このプリント基板Pを固定シュート7A及び可動シュート7Bが側方から挟んで支持したまま、バックアップテーブル2Aが上昇して、プリント基板Pは前述したように移載された複数の支持ピン12により水平に支持される(図2、図13、図14では、便宜上1本のみ図示してある。)。
【0058】
そして、スクリーン認識用カメラ8によりスクリーン3に付されたスクリーン認識マークを撮像すると共に基板認識用カメラ5によりプリント基板Pに付された基板認識マークが撮像されて、認識処理装置40がこれらの画像を認識処理し、制御装置33に両者の認識処理結果が送出される。すると、制御装置33において、認識処理結果に基づいて各基板認識マークの位置と各スクリーン認識マークの位置とを相対的に位置決めさせるべき位置ズレ量を演算し、内蔵するRAMに演算結果を格納すると共に、この位置ズレ量に基づいて、制御装置33は前記基板支持ユニット2のX軸駆動モータ及びテーブルθ軸駆動モータを制御すると共にスクリーン3のY軸駆動モータを制御することにより、プリント基板Pとスクリーン3の相対的な位置ズレを補正して位置決めする。
【0059】
そして、更に基板支持ユニット2を上昇させて、支持ピン12により水平状態に支持された状態のプリント基板Pをスクリーン3の下面に密着させ、印刷機構を動作させて、スキージ(図示せず)がクリーム半田をスクリーン3の印刷パターン孔を介してプリント基板P上に印刷が行われ、印刷終了後に基板支持ユニット2が下降して、バックアップテーブル2Aから下流に搬送される。
【0060】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0061】
2A バックアップテーブル
2 基板支持ユニット
3 スクリーン
4 移動体
6 移載ヘッド
7A 固定シュート
7B 可動シュート
11 基板搬送コンベア
12 支持ピン
24 移載吸着ノズル
25 シリンダー
33 制御装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の搬送シュートに支持されたプリント基板を下方から支持する支持ピンをストッカから移載部材により支持テーブルの複数の移載位置に移載する支持ピンの移載方法において、前記ストッカから前記移載位置が遠い順に、前記移載部材により前記ストッカから支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする支持ピンの移載方法。
【請求項2】
一対の搬送シュートに支持されたプリント基板を下方から支持する支持ピンをストッカから移載部材により支持テーブルの複数の移載位置に移載する支持ピンの移載方法において、前記ストッカから前記移載位置が一方向において遠い複数の移載位置がある場合には、この中から前記一方向と直交する他の方向の何れか一方から順に、前記移載部材により前記ストッカから支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする支持ピンの移載方法。
【請求項3】
前記ストッカが2つある場合には、移載位置に近いストッカから前記移載部材により前記支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする請求項1又は2に記載の支持ピンの移載方法。
【請求項4】
前記ストッカが2つある場合には、移載位置に近いストッカにおける前記他の方向の何れか一方から順に、前記移載部材により前記支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする請求項2に記載の支持ピンの移載方法。
【請求項5】
前記ストッカと移載位置の前記他の方向における位置が重なる領域にあっては、前記ストッカから移載すべき支持ピンを移載部材が抜いた後に、前記支持テーブルを下降させた状態にしてから、前記支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする請求項2に記載の支持ピンの移載方法。
【請求項1】
一対の搬送シュートに支持されたプリント基板を下方から支持する支持ピンをストッカから移載部材により支持テーブルの複数の移載位置に移載する支持ピンの移載方法において、前記ストッカから前記移載位置が遠い順に、前記移載部材により前記ストッカから支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする支持ピンの移載方法。
【請求項2】
一対の搬送シュートに支持されたプリント基板を下方から支持する支持ピンをストッカから移載部材により支持テーブルの複数の移載位置に移載する支持ピンの移載方法において、前記ストッカから前記移載位置が一方向において遠い複数の移載位置がある場合には、この中から前記一方向と直交する他の方向の何れか一方から順に、前記移載部材により前記ストッカから支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする支持ピンの移載方法。
【請求項3】
前記ストッカが2つある場合には、移載位置に近いストッカから前記移載部材により前記支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする請求項1又は2に記載の支持ピンの移載方法。
【請求項4】
前記ストッカが2つある場合には、移載位置に近いストッカにおける前記他の方向の何れか一方から順に、前記移載部材により前記支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする請求項2に記載の支持ピンの移載方法。
【請求項5】
前記ストッカと移載位置の前記他の方向における位置が重なる領域にあっては、前記ストッカから移載すべき支持ピンを移載部材が抜いた後に、前記支持テーブルを下降させた状態にしてから、前記支持ピンを前記支持テーブルに移載することを特徴とする請求項2に記載の支持ピンの移載方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−9470(P2011−9470A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151590(P2009−151590)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(300022504)株式会社日立ハイテクインスツルメンツ (607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(300022504)株式会社日立ハイテクインスツルメンツ (607)
【Fターム(参考)】
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