説明

改良されたCSCT検出器形状

手荷物検査へのCSCTの使用は、大きな視野を必要とし、結果として大きな遠心力を維持しなくてはならない大きなガントリになる。したがって、より小さなガントリサイズを可能にする様々なCSCT幾何構成が記載される。特に、焦点中心でない検出器ユニットを有するCSCTスキャナが記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断層撮像の分野に関する。特に、本発明は、関心対象を検査するコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影(coherent scatter computed tomography)装置、検出器ユニット、画像処理デバイス、関心対象を検査する方法、コンピュータ読取可能媒体及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コヒーレント散乱コンピュータ断層撮影(CSCT)は、コヒーレントに散乱されるX線光子に基づく新しい撮像技術である。CSCTは、関心対象内の調査される断面積の各点の散乱性質を生じる。CSCTセットアップは、扇面の外に散乱された放射線を測定する付加的な検出器行を持つ単一スライスCTと同様である。
【0003】
CSCTにおいて、前記扇面の外の小さな発散のコリメート扇ビームは、関心対象を照射する。両方の信号、透過放射線の強度及び前記対象内での散乱プロセスにより生じた散乱放射線の強度は、前記扇面に位置する透過放射線用検出器及び前記扇面に平行に配置された散乱放射線用検出器により測定される。手荷物検査におけるCSCTの利用は、大きな視野を必要とする。他方で、小さなガントリサイズは、スキャナのスペースを節約するのみならず、小さな直径が回転ガントリにおける遠心力を減少することができ、X線源と検出器との間の小さな距離が検出される光子束を増加することができるので、有利であることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、CSCTスキャナのより小さなガントリを持つことが望まれうる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によると、関心対象を検査するコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置が提供され、前記コヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置は、焦点から関心対象に電磁放射線を放射するように構成された電磁放射線源と、散乱検出器と、前記焦点から第1の距離に配置され、前記関心対象からの第1の散乱電磁放射線を検出するように構成された前記散乱検出器の第1の検出器素子と、前記焦点から第2の距離に配置され、前記関心対象からの第2の散乱電磁放射線を検出するように構成された前記散乱検出器の第2の検出器素子とを有し、扇面に投影された前記第1の距離の第1の長さは、前記扇面に投影された前記第2の距離の第2の長さと異なる。
【0006】
したがって、現在の焦点中心(focus-centered)幾何構成より小さいサイズのガントリを可能にすることができる改良された幾何構成の検出器を持つCSCT装置が提供される。
【0007】
本発明の一実施例によると、前記CSCT装置は、前記電磁放射線源と前記関心対象との間に配置されたコリメータを更に有することができ、前記コリメータは、前記電磁放射線源により放射された電磁放射線ビームをコリメートし、扇ビームを形成するように構成される。
【0008】
本発明の他の実施例によると、前記CSCT装置は、前記関心対象と前記検出素子との間に配置された第2のコリメータを更に有することができ、前記コリメータは、前記関心対象において散乱された電磁放射線を前記散乱検出器に向けてコリメートするように構成される。
【0009】
前記検出器素子は、前記扇面に対して円形断面形状を持っても持たなくてもよい検出器ユニット上に配置されることができる。したがって、前記検出器素子の前の前記コリメータは、前記検出器表面に垂直であることを必要とされなくてもよい。
【0010】
本発明の他の実施例によると、前記コヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置は、第1の検出器サブユニット及び第2の検出器サブユニットを持つ検出器を更に有し、前記第1の検出器素子は、前記第1の検出器サブユニットの一部であり、前記第2の検出器素子は、前記第2の検出器サブユニットの一部である。前記第1及び第2の両方の検出器サブユニットが、焦点を中心とする。
【0011】
例えば、前記第2の検出器サブユニットは、前記第1の検出器サブユニットと比較して前記焦点のより近くに配置される。
【0012】
本発明の他の実施例によると、前記第1の及び第2の検出器サブユニットは、互いから分離される。
【0013】
したがって、主要な検出器ユニットが1つの単一ユニットでなくてもよいが、互いから独立に配置されることができる複数の分離されたサブユニットを有し、設計自由度を改良する。
【0014】
本発明の他の実施例によると、前記第1の検出器素子及び前記第2の検出器素子は同じ大きさを持つ。
【0015】
本発明の他の実施例によると、前記第1の検出器素子は、前記第1の検出器サブユニットの一部であり、前記第2の検出器素子が、前記第2の検出器サブユニットの一部である。前記第1の検出器サブユニットは焦点を中心とし、第1の曲率半径を持ち、前記第2の検出器サブユニットは、前記第1の曲率半径の半分である第2の曲率半径を持つ。
【0016】
換言すると、前記検出器ユニットの中心部分は、焦点を中心とし、少なくとも1つの外側部分が、線源‐検出器間距離より小さい曲率半径を持つ。更に、全ての円弧は、単一の連続曲線を形成することができる。
【0017】
この幾何構成は、有利には、各検出器素子が前記焦点中心幾何構成と同じサイズの扇角をカバーすることを依然として可能にしながら、検出器長全体に沿って等しいサイズの検出器素子の使用を可能にする。
【0018】
本発明の他の実施例によると、前記第1の曲率半径は、前記第2の曲率半径のサイズの2倍である。
【0019】
例えば、前記第1の曲率半径は、前記線源‐検出器間距離に相当することができ、前記第2の曲率半径は、前記線源‐検出器間距離の半分に相当することができる。
【0020】
本発明の更に他の実施例において、前記第1の検出器素子及び前記第2の検出器素子は、前記検出器ユニットの一部であり、前記検出器ユニットは、前記扇角に対してリマソン(limacon)形状断面を持つ。
【0021】
換言すると、前記検出器ユニットは、リマソン幾何構成に対応し、前記扇面に投影される場合におおよそ円弧であるが、焦点中心設計より小さな半径を持つ円弧を形成することができる。リマソン状形状により、測定されるデータは、扇ビームから平行ビームへのリビニング(fan-beam to parallel beam rebinning)後に、面上に配置される。したがって、焦点中心検出器に必要な面上投影仮想検出器は使用されることができない。結果として、この形状の検出器で測定された散乱データの評価は、より速いことができ、再構成データの解像度を最終的に悪化させる系統誤差及び補間プロシージャを避けることさえできる。
【0022】
本発明の他の実施例によると、前記第1の検出器素子及び前記第2の検出器素子は、前記検出器ユニットの一部であり、前記扇ビームに対する前記検出器ユニットの断面は、前記焦点とは異なる中心を持つ円弧に対応する。
【0023】
本発明の他の実施例によると、前記検出器ユニットは、第1の散乱検出器及び透過検出器を有し、両方とも前記扇面に対して同じ断面形状を持つ。しかしながら、両方の検出器が異なる断面形状を持ちうることに注意すべきである。
【0024】
本発明の他の実施例によると、前記検出器ユニットは、前記扇面の下に配置された第2の散乱検出器を更に有し、前記第1の散乱検出器は、前記扇面の上に配置される。前記透過検出器は、前記扇面において前記第1の散乱検出器と前記第2の散乱検出器との間に配置される。
【0025】
本発明の他の実施例によると、前記検出器ユニットは、半分のみの円弧を有し、すなわち、前記視野から張られる角度範囲の半分のみをカバーする。
【0026】
本発明の他の実施例によると、前記コヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置は、第3の検出器サブユニットを更に有し、前記第1の検出器サブユニットは、前記第2の検出器サブユニットと前記第3の検出器サブユニットとの間に配置される。
【0027】
本発明の他の実施例によると、前記コヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置は、前記検出された第1及び第2の電磁放射線に基づいて前記関心対象の画像を再構成するように構成された再構成ユニットを更に有する。
【0028】
本発明の他の態様によると、前記CSCT装置は、手荷物検査装置、医学的応用装置、材料試験装置又は材料科学解析装置として使用されることができる。特に手荷物検査に関して、本発明の規定された機能は、小さなサイズのガントリを提供しながら材料の安全な信頼できる高精度な速い解析を可能にすることができる。
【0029】
他の実施例において、前記検出器ユニットは、X線焦点に焦点を合わせられたコリメータラメラ(lamellae)を有する。これらのコリメータラメラは、フレームに取り付けられることができるコリメータを形成する。
【0030】
更に、本発明の他の実施例において、前記放射線源は、多色放射線ビームを放射するように構成されることができる。
【0031】
本発明の更に他の態様によると、関心対象を検査するコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置に対する検出器ユニットが提供され、前記検出器ユニットは、散乱検出器と、前記焦点から第1の距離に配置され、前記関心対象からの第1の電磁放射線を検出するように構成される前記散乱検出器の第1の検出器素子と、前記焦点から第2の距離に配置され、前記関心対象からの第2の電磁放射線を検出するように構成される前記散乱検出器の第2の検出器素子とを有し、扇面に投影された前記第1の距離の第1の長さが、前記扇面に投影された前記第2の距離の第2の長さと異なる。
【0032】
本発明のこの態様によると、CSCTシステムにインストールされる場合により小さなガントリサイズを可能にする検出器ユニットが提供される。
【0033】
本発明の他の態様によると、関心対象を検査する画像処理デバイスが提供されることができ、前記画像処理デバイスは、検出された第1及び第2の電磁放射線に対応するデータを記憶するメモリと、前記記憶されたデータに基づいて前記関心対象の画像を再構成するように構成される再構成ユニットとを有する。
【0034】
したがって、上に記載されたCSCT装置により取得されたデータに基づいてデータ再構成を実行するように構成される画像処理デバイスが提供されることができる。
【0035】
本発明の他の態様によると、関心対象を検査する方法が提供されることができ、前記方法は、放射線源により、前記関心対象に電磁放射線を放射するステップであって、前記放射される放射線が焦点を持つステップと、前記焦点から第1の距離に配置された散乱検出器の第1の検出器素子により、前記関心対象からの第1の電磁放射線を検出するステップと、前記焦点から第2の距離に配置された前記散乱検出器の第2の検出器素子により、前記関心対象からの第2の電磁放射線を検出するステップとを有し、扇面に投影された前記第1の距離の第1の長さが、前記扇面に投影された前記第2の距離の第2の長さと異なる。
【0036】
本発明の他の態様によると、プロセッサにより実行される場合に上述の方法ステップを実行するように構成される、関心対象を検査するコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読取可能媒体が提供されることができる。
【0037】
本発明の他の態様によると、前記コンピュータ読取可能媒体に記憶されることができる、関心対象を検査するプログラムが提供される。前記プログラムは、前記関心対象に電磁放射線を放射するステップと、それぞれ第1及び第2の検出器素子により第1の放射線及び第2の放射線を検出するステップとを実行するように構成されることができ、前記扇面に対する前記第1の検出器素子と前記焦点との間の前記第1の距離の投影は、前記扇面に対する前記第2の検出器素子と前記焦点との間の前記第2の距離の投影と異なる。
【0038】
前記プログラムは、好ましくは、データプロセッサのワーキングメモリにロードされることができる。前記データプロセッサは、したがって、本発明の方法態様の実施例を実行するように備えられることができる。前記コンピュータプログラムは、例えばC++のような如何なる適切なプログラミング言語で書かれてもよく、CD−ROMのようなコンピュータ読取可能媒体に記憶されてもよい。また、前記コンピュータプログラムは、ワールドワイドウェブのようなネットワークから利用可能であってもよく、前記ネットワークから画像処理ユニット若しくはプロセッサ又は適切なコンピュータにダウンロードされることもできる。
【0039】
焦点を中心としない検出器ユニットを有するが、前記放射線源の焦点からの異なる距離を持つ検出素子を有するCSCT装置が提供されることが、本発明の模範的実施例の要点と見なされることができる。これは、結果としてより小さなサイズのガントリをもたらすことができる。
【0040】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施例を参照してここに記載される。
【0041】
本発明の実施例は、以下の図面を参照して記載される。
【0042】
異なる図において、同様又は同一の要素は、同じ参照符号を与えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
図1は、コンピュータ断層撮影装置として構成される本発明の一実施例による検査装置を示す。この実施例は、手荷物検査における応用について記載される。しかしながら、本発明がこの応用分野に限定されず、医療撮像又は材料試験のような他の工業的応用の分野にも使用されることができる。
【0044】
図1に描かれたコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置100は、扇ビームコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影スキャナである。図1に描かれた前記CSCTスキャナは、回転軸102の周りで回転可能なガントリ101を有する。ガントリ101は、モータ103を用いて駆動される。参照番号104は、X線源のような放射線源を示す。
【0045】
参照番号105は、前記放射線源から放射された放射線ビームを扇形状放射線ビーム106に形成する開口システムを示す。扇ビーム106は、ガントリ101の中心に、すなわち前記SCSTスキャナの検査領域内に配置された関心対象106を貫通し、検出器108に衝突するように向けられる。図1からわかるように、透過及び散乱放射線用検出器108は、透過放射線用検出器の表面が扇ビーム106により覆われ、前記散乱放射線用検出器が前記扇ビームの外側であるように、放射線源104の反対のガントリ101上に配置される。図1に描かれた検出器108は、各々が、エネルギ分解様式で、関心対象107を貫通したX線又は個別の光子を検出することができる複数の検出器素子123を有する。
【0046】
関心対象107のスキャン中に、放射線源104、開口システム105及び検出器ユニット108は、ガントリ101に沿って矢印116により示される方向に回転される。放射線源104、開口システム105及び検出器108を有するガントリ101の回転に対して、モータ103が、モータ制御ユニット117に接続され、モータ制御ユニット117は、計算又は再構成ユニット118に接続される。
【0047】
図1において、関心対象107は、コンベヤベルト上に配置された手荷物又は可動台119上の患者であることができる。関心対象107のスキャン中に、ガントリ101は、手荷物107の周りで回転する。好ましくは、コンベヤベルト又は患者台119は、前記スキャン中に停止し、これにより単一スライスを測定する。コンベヤベルト119は、ガントリ101の回転軸102に平行な方向に沿ってゆっくりと関心対象107を移動することもできる。これにより、関心対象107は、ヘリカルスキャン経路に沿ってスキャンされる。
【0048】
検出器108は、計算又は再構成ユニット118に接続されることができる。再構成ユニット118は、検出結果、すなわち検出器108の検出器素子123からの読み出しを受信することができ、前記読み出しに基づいてスキャン結果を決定することができる。更に、再構成ユニット118は、モータ103、120及びコンベヤベルト119を用いるガントリ101の移動を調整するためにモータ制御ユニット117と通信する。
【0049】
再構成ユニット118は、本発明の一実施例により、前記検出された第1及び第2の電磁散乱放射線に基づいて関心対象107の画像を再構成するように構成されることができる。再構成ユニット118により生成された再構成画像は、インターフェース122を介してディスプレイ(図1に示されない)に出力されることができる。
【0050】
再構成ユニット118は、検出器108の検出器素子123からの読み出しを処理するデータプロセッサにより実現されることができる。
【0051】
更に、図1からわかるように、再構成ユニット118は、例えば、手荷物107内の疑わしい物質の検出の場合にアラームを自動的に出力するラウドスピーカに接続されることができる。
【0052】
関心対象107を検査するコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置100は、X線を検出するように各々構成されたマトリクス状様式で配置された複数の検出器素子123を持つ検出器108を含む。更に、コンピュータ断層撮影装置100は、関心対象107の画像を再構成するように構成された決定ユニット又は再構成ユニット118を有する。
【0053】
図1に描かれたもののようなこのようなコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置の幾何構成は、図2乃至6に示される。
【0054】
図2は、コヒーレントに散乱されたX線光子を測定するコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置の概略表現を示す。この図において、回転軸102に平行に、前記散乱検出器及び前記透過検出器が、互いの上に位置する。図4以外では、検出器108の前のコリメータ201が示される。検出器形状は、焦点を中心とする。
【0055】
現在のCSCTスキャナにおいて、焦点中心検出器幾何構成が実現され、すなわち全ての検出器画素は、同じサイズであり、X線焦点に対して同じ距離を持つ。前記ガントリのサイズは、前記X線源及び前記検出器バナナの端部の位置により主に決定されるので、前記焦点に対する前記検出器のこの回転対称性は、より小さなガントリサイズを達成するためには壊されなければならない。
【0056】
CTのように、照射されるスライスの減衰特性を表す画像は、透過放射線の測定された強度から再構成されることができる。同様に、散乱放射線の測定された強度から、調査される対象領域における各点の微分レイリー散乱断面は、運動量移行パラメータの特定の範囲に対して再構成されることができる。
【0057】
2つの再構成アルゴリズム、代数的再構成法(ART)及びフィルタ逆投影法(FBP)がCTに対して既知である。ARTは反復アルゴリズムであるので、後者が大幅に速く、CTスキャナにおいて通常実施される。
【0058】
図3は、コヒーレントに散乱されたX線光子を測定する検出器の幾何構成の斜視図を示す。中心線302は、一次ビームの透過強度を検出し、線303のような他の線は、散乱放射線を検出する。
【0059】
対象107は、視野301の中に配置される。
【0060】
図4は、本発明の一実施例によるCSCTスキャナの基本部分の概略的斜視図を示す。線源104並びに透過検出器401及び散乱検出器402を有する検出器108は、視野301に配置されなくてはならない前記対象の周りで回転する。線源104により放射される放射線ビームは、扇ビーム106として一次コリメータ105を通過し、透過光線403は、透過検出器401に衝突し、散乱光線404は、散乱検出器402の1つに衝突する。
【0061】
図5は、本発明の他の実施例による前記扇面のいずれかの側の二重散乱検出器501、502を持つCSCTスキャナの概略的斜視図を示す。
【0062】
図6において、本発明の他の実施例は、視野301から張られる角度範囲の半分603のみをカバーする透過検出器401及び散乱検出器402を持つCSCTスキャナの斜視図で示される。
【0063】
本発明の一実施例によると、所定のサイズの視野に対するCSCTスキャナのより小さなガントリ直径が実現されることができる。以下、再成形による欠点を防ぐことができるか又は焦点中心形状と比較して追加の利点を持つことさえできる3つの模範的検出器形状が記載される。
【0064】
図7は、本発明の模範的実施例による3つの検出器形状を示す(b、c、d)。(a)は焦点中心検出器構成を示す。
【0065】
各形状に対し、前記視野の直径及び前記視野と前記検出器との間の最小距離は、同じ値にセットされる。これら2つの要件の下で、この幾何構成は、最小ガントリ直径を持つように最適化されることができる。もちろん、これらの検出器形状を持つ実際のCSCTスキャナの直径は、前記X線源及び他の部分の最終的なサイズのためにより大きいかもしれないが、図は、模範的デフォルトに対するガントリサイズの達成可能な減少を比較することを可能にする。
【0066】
提案された幾何構成のガントリ直径は、焦点中心幾何構成(a)のガントリより9乃至13%小さくされることができる。前記スキャナのサイズの節約の他に、より小さなガントリ半径は、所定の遠心力に対して前記ガントリのより高い回転速度を可能にすることもできる。
【0067】
図7(b)は、X線焦点に対する異なる距離における複数の焦点中心セクションからなる検出器幾何構成を示す。この設計は、既知の焦点中心検出器形状より大幅に小さいガントリサイズを可能にすることができる。
【0068】
複数の焦点中心セクションからなるこの検出器設計は、検出器の外側部分701、703を焦点104のより近くに配置することにより前記ガントリ直径を減少することができる。そうする際に、焦点と個別の検出器セクションとの間に2以上の距離を実現することが可能でありうる。
【0069】
各セクション701−703における検出器画素サイズは、各検出器画素によりカバーされる角度を一定に保つためには、前記焦点から前記検出器セクションまでの距離に比例しなければならないかもしれない。これらの制限内で、中心領域702及び外側セクション701、703のサイズは、使用される前記スキャナの必要性に適合されることができる。
【0070】
図7(c)は、焦点中心の真ん中部分704、及び焦点中心の真ん中部分704と比較して半分の曲率半径を持つ外側部分705、706を有する検出器幾何構成を示す。これは、検出器画素ピッチが前記扇面内の同じ角度範囲をカバーするために変更されなければならない他の解決法と比較して前記検出器のコストを減少することができる。
【0071】
(焦点中心の真ん中部分及び半分の曲率半径を持つ1つ又は2つの外側部分を持つ)この検出器の幾何構成及びその結果は、図11に示される。この検出器形状の真ん中部分704は、依然として焦点104を中心とした円弧であるのに対し、外側部分705、706は、真ん中検出器部分704の焦点‐検出器間距離に等しい直径を持つ円1104、1105と一致する。結果として、焦点中心の幾何構成の本質的な対称条件、特に全ての検出器画素の等しいサイズ及び各検出器画素によりカバーされる角度範囲の同等性は、依然として有効である。
【0072】
前記検出器の内側部分704のサイズは、ここで自由なパラメータである。このサイズが小さいほど、前記回転軸に対する前記検出器の端部の距離が小さくなることができる。他方で、前記検出器端部において、前記検出器画素に対するX線の入射の方向は、中心領域がより小さく選択される場合に、表面法線から更に外れることができる。十字記号1101は、前記画素の一定の画素サイズを表す。
【0073】
図7(d)は、リマソン形状検出器の概略的な検出器幾何構成を示す。この検出器構成は、(より小さなガントリサイズに加えて)再構成アルゴリズムの単純化及び再構成画像の改良を提供することができる。
【0074】
現在の焦点中心幾何構成と比較したこの利点を説明するために、CSCTに対して通常使用される再構成法であるフィルタ逆投影法の幾つかの細部に注意しなくてはならない。フィルタ逆投影に基づくコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影に対するこのような再構成アルゴリズムは、当業者に参照されるU. van Stevendaal et al., Med. Phys. 30(9), pp 2456-2474 (2003)に記載されている。
【0075】
対象断面の性質を再構成するために、測定されたデータの扇ビームから平行ビームへのリビニングを実行する、すなわち前記対象内の平行な方向に沿って測定されたデータが一緒に処理されることができるようにソートすることは便利であることができる。このリビニングステップ後に、前記データは、仮想面検出器に投影されなくてはならないかもしれない。図8において、これは、焦点中心検出器に対して示される。
【0076】
図8は、前記扇面に重ねられた前記回転ガントリの2つの位置を示す。水平軸810及び垂直軸811は、cm単位でスケールされ、−150cm乃至+150cmの範囲である。
【0077】
線源104は、最も左の位置からそれぞれ5°及び33°だけ回転される。ここでは水平である、これらの投影において測定される平行光線804、805は、それぞれ湾曲表面を形成する場所において検出器808、809に当たる。この表面806は、前記扇面に対するこの投影における曲線である。扇ビームから平行ビームへのリビニング後に、前記データは、この湾曲表面806から面仮想検出器807に投影されなければならない。
【0078】
図9は、断面図において、前記対象内の異なる場所において散乱され、検出器ユニット108の同じ検出器素子906において測定された2つの光線を示す。平行リビニングされたデータが面仮想検出器に投影される場合、前記光線の下の散乱角度はゆがめられる。
【0079】
この投影に伴う1つの問題、特に前記散乱角度の歪曲(falsification)は、前記扇面に垂直なこの図において示される。この効果は、前記スキャナの測定された散乱角度の系統誤差を引き起こす可能性があり、より大きな対象サイズとともに増大しうる。
【0080】
他の欠点は、この投影ステップにおいて必要な測定データの補間であり、これは常に解像度の減少を生じる。更に、面仮想検出器に対する投影は、高い計算時間を必要としうる。
【0081】
参照番号904は、投影方向を表し、参照番号905は、構成において評価される2つの光線を表す。更に、参照番号902は散乱光線を表し、903は仮想検出器を表し、108は実際の検出器である。901は一次光線である。
【0082】
図10は、リマソン形状検出器808、809を用いる、図8による回転ガントリの2つの位置を示す。図8とは対照的に、平行な光線804、805が前記検出器に当たる場所が面を形成し、前記面は、前記扇面に対するこの図において直線1001である。
【0083】
以下、前記リマソン形状検出器が、より詳細に記載される。
【0084】
リマソンは、曲座標曲線の形状
r(φ)=a+bcosφ
である。
【0085】
FADが焦点‐軸間距離であり、DADが前記扇ビームの中心における検出器‐軸間距離である場合、前記検出器(より正確には、前記扇面に対する投影)の幾何構成は、式
r(φ)=FAD+DADcosφ
を扇角度範囲φ=[−φ0,+φ0]内で近似しなくてはならず、ここでr(φ)は、前記焦点から前記検出器までの距離である。前記検出器の3次元形状は、前記扇面に垂直な方向に押し出されたリマソン弧である。
【0086】
図12において、検出器の3例の形状1203、1204、1205が示される。更に、リマソンの対応する形状1206、1207、1208が示される。比較のため、焦点中心形状1202も示される。制限された扇角度範囲において、リマソンの形状は、半径
r=(FAD+DAD)2/(2FAD+DAD)
を持つ円弧により近似されることができる。
【0087】
104は前記焦点の位置を示し、102は前記回転軸の位置を示す。
【0088】
3つのリマソン形状検出器1203、1204、1205は、+/−40°の扇角度範囲をカバーする(FAD=90cm、DAD=60,90及び120cm)。DAD=60cmの場合、コリメータ201がプロットされ、直近の式によって前記リマソン形状を近似する円1201が描かれる。
【0089】
本発明の実施例による検出器ユニットは、焦点中心検出器幾何構成から外れ、したがってより小さなガントリサイズを可能にする。
【0090】
前記ガントリサイズは、両方の検出器の形状が修正される場合にのみ減少されることができるので、上で与えられた仕様は、前記散乱検出器及び前記透過検出器の両方に言及する。これは、透過検出器及び散乱検出器の両方が、前記扇面に投影される場合に正確に同じ形状を持たなくてはならないことを必ずしも意味しない。図4に示された他に、2つの散乱検出器が、測定時間を減少するために前記扇面の上及び下に実装されることができる。更に、対照的に、半分だけの円弧の透過及び散乱検出器が、前記検出器のコストを節約するために実施されることができる。当業者は、上述の検出器形状がこれらの代替設計に適用されることもできることを容易に理解する。
【0091】
リマソン構成は、前記測定データの再構成に必要な計算ステップを除去することができる。特に、前記検出器のリマソン形状は、前記測定データをこのような仮想面上に配置されるように自動的にレンダリング/変換することができるので、面仮想検出器上への再配置された測定データの投影は、必要ではない。
【0092】
したがって、このステップに必要な計算時間は回避されることができる。更に、前記対象の測定された散乱性質のより貧しい解像度を生じる、前記投影ステップにより引き起こされる散乱角度の歪曲も回避されることができる。
【0093】
図13は、前記焦点中心幾何構成から外れて、前記コリメータのラメラが、前記検出器表面に常に垂直なわけではない記載された幾何構成を近似する検出器素子及びコリメータの3つの再配置を示す。図13(a)に描かれた実施例は検出器モジュール1301を示し、図13(b)に描かれた実施例は単一検出器1302を示し、図13(c)に描かれた実施例は、互いに分離された検出器モジュール1303を再び示す。
【0094】
焦点中心検出器のように、本発明の一実施例による検出器は、複数の小さな検出器モジュールから構築されなくてはならないかもしれず、前記複数の小さな検出器モジュールは、これら自体が平面でありうる。これらのモジュールは、適切なフレームの助けとともに上述の形状の1つを近似するようにタイル状に張られなくてはならないかもしれない。前記フレームは、全ての場合に前記焦点に向けられなくてはならない前記コリメータを支えることもできる。前記焦点中心検出器幾何構成と対照的に、全てのコリメータラメラが前記検出器形状に対して垂直であるわけではない。
【0095】
前記測定データの再構成を実行するソフトウェアは、前記検出器構成に対して適合されることができる。
【0096】
本発明の実施例による全ての検出器形状に対して、前記扇ビームに垂直な設計方向は、前記焦点中心幾何構成のように前記扇角度と独立であることができる。
【0097】
この再構成ソフトウェアが、前記焦点中心幾何構成と比較して測定された強度及び散乱角度の変化に適合されなければならないかもしれないことに注意すべきである。
【0098】
図14は、本発明による方法の一実施例を実行するデータ処理デバイス400を有する実施例を描く。図14に描かれたデータ処理デバイス400は、患者又は手荷物のような関心対象を描く画像を記憶するメモリ402に接続された中央処理ユニット(CPU)又は画像プロセッサ401を有する。データプロセッサ401は、複数の入出力ネットワーク又はCTスキャナのような診断デバイスに接続されることができる。データプロセッサ401は、データプロセッサ401において計算又は適合された情報又は画像を表示する表示デバイス403、例えばコンピュータモニタに更に接続されることができる。オペレータ又はユーザは、キーボード404及び/又は図14に描かれていない他の出力デバイスを介してデータプロセッサ401とインタラクトすることができる。
【0099】
更に、バスシステム405を介して、画像処理及び制御プロセッサ401を、例えば、前記関心対象の運動をモニタするモーションモニタに接続することも可能でありうる。例えば、患者の肺が撮像される場合、このモーションセンサは、呼気センサでありうる。心臓が撮像される場合、前記モーションセンサは、心電図でありうる。
【0100】
本発明の実施例は、CSCTスキャナコンソール、撮像ワークステーション又はPACSワークステーションに対するソフトウェアオプションとして販売されることができる。
【0101】
上に記載されたCSCT検出器は、散乱角度のより良い解像度、及び結果として散乱性質の改良された解像度をもたらすことができ、すなわち結果として生じるレイリー散乱形式因子は、改良された波数ベクトル移行解像度(wave-vector-transfer-resolution)を持つことができる。更に、再構成に必要な時間は、前記アルゴリズム内の1つのステップ、面仮想検出器上への前記測定データの投影が迂回されるので、低下されることができる。
【0102】
用語"有する"が他の要素又はステップを除外せず、"1つの"が複数を除外しないことに注意すべきである。また、異なる実施例に関連して記載された要素は組み合わせられることができる。
【0103】
請求項内の参照符号が前記請求項の範囲を限定するように解釈されるべきでないことにも注意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の一実施例による検査装置の単純化された概略表現を示す。
【図2】図1のz軸に沿った単純化された概略図を示す。
【図3】コヒーレントに散乱されたX線光子を測定する検出器の幾何構成の概略表現を示す。
【図4】CSCTスキャナの基本部分の斜視図の概略表現を示す。
【図5】扇面の両側に位置する2つの散乱検出器を有する本発明の実施例を示す。
【図6】視野により張られる角度範囲の半分のみをカバーする検出器を持つ実施例を示す。
【図7a】4つの異なる検出器幾何構成を示す。
【図7b】4つの異なる検出器幾何構成を示す。
【図7c】4つの異なる検出器幾何構成を示す。
【図7d】4つの異なる検出器幾何構成を示す。
【図8】扇面に重ねられた回転ガントリの2つの位置を示す。
【図9】2つの光線が関心対象の異なる場所において散乱され、同じ検出器素子において測定される断面図を示す。
【図10】リマソン形状検出器に対する扇面に重ねられた回転ガントリの2つの位置を示す。
【図11】検出器形状及び幾何構成の完全な円の概略表現を示す。
【図12】リマソンの3例の形状及び対応するリマソン形状検出器を示す。
【図13a】本発明の態様による検出器及びコリメータの3例の構成を示す。
【図13b】本発明の態様による検出器及びコリメータの3例の構成を示す。
【図13c】本発明の態様による検出器及びコリメータの3例の構成を示す。
【図14】本発明による方法の一実施例を実行する画像処理デバイスの一実施例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
関心対象を検査するコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置において、前記コヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置が、
焦点から関心対象に電磁放射線を放射するように構成された電磁放射線源と、
散乱検出器と、
前記焦点から第1の距離に配置され、前記関心対象からの第1の電磁散乱放射線を検出するように構成された前記散乱検出器の第1の検出器素子と、
前記焦点から第2の距離に配置され、前記関心対象からの第2の電磁散乱放射線を検出するように構成された前記散乱検出器の第2の検出器素子と、
を有し、
扇面に投影された前記第1の距離の第1の長さが、前記扇面に投影された前記第2の距離の第2の長さと異なる、
コヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置。
【請求項2】
前記コヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置が、
前記散乱検出器を有し、第1の検出器サブユニット及び第2の検出器サブユニットを持つ検出器ユニット、
を更に有し、
前記第1の検出器素子が、前記第1の検出器サブユニットの一部であり、
前記第2の検出器素子が、前記第2の検出器サブユニットの一部であり、
前記第1及び第2の検出器サブユニットの両方が焦点中心である、
請求項1に記載のコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の検出器サブユニットが、互いから分離される、
請求項2に記載のコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置。
【請求項4】
前記第1の検出器素子及び前記第2の検出器素子が同じサイズを持つ、
請求項2に記載のコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置。
【請求項5】
前記第1の検出器素子が、第1の検出器サブユニットの一部であり、
前記第2の検出器素子が、第2の検出器サブユニットの一部であり、
前記第1の検出器サブユニットが、焦点中心であり、第1の曲率半径を持ち、
前記第2の検出器サブユニットが、第2の曲率半径を持ち、
前記第1の曲率半径が、前記第2の曲率半径より大きい、
請求項1に記載のコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置。
【請求項6】
前記第1の曲率半径が、前記第2の曲率半径の2倍の大きさである、
請求項5に記載のコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置。
【請求項7】
前記第1の検出器素子及び前記第2の検出器素子が、前記検出器ユニットの一部であり、
前記検出器ユニットが、前記扇面に対してリマソン形状断面を持つ、
請求項1に記載のコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置。
【請求項8】
前記第1の検出器素子及び前記第2の検出器素子が、検出器ユニットの一部であり、
前記扇面に対する前記検出器ユニットの断面が、前記焦点と異なる中心を持つ円弧に対応する、
請求項1に記載のコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置。
【請求項9】
前記検出器ユニットが、前記扇面に対して同じ断面形状を持つ第1の散乱検出器及び透過検出器を有する、
請求項1に記載のコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置。
【請求項10】
前記検出器ユニットが、第2の散乱検出器を更に有し、
前記第1の散乱検出器が、前記扇面の上に配置され、
前記第2の散乱検出器が、前記扇面の下に配置され、
前記透過検出器が、前記扇面において前記第1の散乱検出器と前記第2の散乱検出器との間に配置される、
請求項1に記載のコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置。
【請求項11】
前記検出器ユニットが、扇角度範囲の半分のみをカバーする、
請求項1に記載のコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置。
【請求項12】
前記コヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置が、第3の検出器サブユニットを更に有し、
前記第1の検出器サブユニットが、前記第2の検出器サブユニットと前記第2の検出器サブユニットとの間に配置される、
請求項1に記載のコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置。
【請求項13】
前記検出された第1及び第2の電磁放射線に基づいて前記関心対象の画像を再構成するように構成された再構成ユニット、
を更に有する、請求項1に記載のコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置。
【請求項14】
手荷物検査装置、医学的応用装置、材料試験装置及び材料科学解析装置からなるグループの1つとして構成される、請求項1に記載のコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置。
【請求項15】
前記コヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置が、
前記電磁放射線源と前記検出素子との間に配置されたコリメータ、
を更に有し、
前記コリメータが、前記電磁放射線源により放射される電磁放射線ビームをコリメートして扇ビームを形成するように構成される、
請求項1に記載のコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置。
【請求項16】
関心対象を検査するコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影装置用の検出器ユニットにおいて、前記検出器ユニットが、
散乱検出器と、
前記焦点から第1の距離に配置され、前記関心対象からの第1の電磁放射線を検出するように構成された前記散乱検出器の第1の検出器素子と、
前記焦点から第2の距離に配置され、前記関心対象からの第2の電磁放射線を検出するように構成された前記散乱検出器の第2の検出器素子と、
を有し、
扇面に投影された前記第1の距離の第1の長さが、前記扇面に投影された前記第2の距離の第2の長さと異なる、
検出器ユニット。
【請求項17】
関心対象を検査する画像処理デバイスにおいて、
検出された第1及び第2の電磁放射線に対応するデータを記憶するメモリと、
前記記憶されたデータに基づいて前記関心対象の画像を再構成するように構成された再構成ユニットと、
を有する、画像処理デバイス。
【請求項18】
関心対象を検査する方法において、前記方法が、
放射線源により、焦点を持つ電磁放射線を前記関心対象に放射するステップと、
前記焦点から第1の距離に配置された散乱検出器の第1の検出器素子により、前記関心対象からの第1の電磁放射線を検出するステップと、
前記焦点から第2の距離に配置された散乱検出器の第2の検出器素子により、前記関心対象からの第2の電磁放射線を検出するステップと、
扇面に投影された前記第1の距離の第1の長さが、前記扇面に投影された前記第2の距離の第2の長さと異なる、
方法。
【請求項19】
プロセッサにより実行される場合に、
放射線源により、焦点を持つ電磁放射線を前記関心対象に放射するステップと、
前記焦点から第1の距離に配置された散乱検出器の第1の検出器素子により、前記関心対象からの第1の電磁放射線を検出するステップと、
前記焦点から第2の距離に配置された散乱検出器の第2の検出器素子により、前記関心対象からの第2の電磁放射線を検出するステップと、
を実行するように構成された関心対象を検査するコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読取可能媒体において、
扇面に投影された前記第1の距離の第1の長さが、前記扇面に投影された前記第2の距離の第2の長さと異なる、
コンピュータ読取可能媒体。
【請求項20】
プロセッサにより実行される場合に、
放射線源により、焦点を持つ電磁放射線を前記関心対象に放射するステップと、
前記焦点から第1の距離に配置された散乱検出器の第1の検出器素子により、前記関心対象からの第1の電磁放射線を検出するステップと、
前記焦点から第2の距離に配置された散乱検出器の第2の検出器素子により、前記関心対象からの第2の電磁放射線を検出するステップと、
を実行するように構成された関心対象を検査するプログラムにおいて、
扇面に投影された前記第1の距離の第1の長さが、前記扇面に投影された前記第2の距離の第2の長さと異なる、
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図13c】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−512851(P2009−512851A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536162(P2008−536162)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【国際出願番号】PCT/IB2006/053657
【国際公開番号】WO2007/046023
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】