説明

放射源、リソグラフィ装置、およびデバイス製造方法

【課題】放射ビームを用いて高品質で安定した放射出力を発生することができる放射源を提供する。
【解決手段】放射源は、放射源の放射出力を生成するよう用いられる放射ビームを発生するビームジェネレータと、放射ビームをモニタするビームモニタを含む。リソグラフィ装置にこの放射源が含まれる。デバイス製造方法は、第1タイプの放射を第2タイプの放射ビームを用いて発生することと、第2タイプの放射の品質をモニタすることと、第1タイプのパターン付き放射ビームを基板上に投影することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、放射源、リソグラフィ装置、およびデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。その場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの一部、または1つ以上のダイを含む)に転写することができる。通常、パターンの転写は、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像によって行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。公知のリソグラフィ装置としては、ターゲット部分上にパターン全体を一度に露光することにより各ターゲット部分を照射するいわゆるステッパ、および放射ビームによってある特定の方向(「スキャン」方向)にパターンをスキャンすると同時に、この方向に平行または逆平行に基板をスキャンすることにより各ターゲット部分を照射するいわゆるスキャナが含まれる。
【0003】
[0003] 小型化が進む構造を基板上に投影可能とするために、10〜20nmの範囲、例えば13〜14nmの範囲から選択される波長を有する電磁放射であるEUV放射を使用することが提案されている。更に、例えば6.7nmまたは6.8nmといった、例えば5〜10nmの範囲から選択される、10nm未満の波長を有するEUV放射を用いうることも提案されている。
【0004】
[0004] 放射は、プラズマを用いて放射源内で生成されうる。プラズマは、例えば、好適な材料(例えば、スズ)の粒子を含むまたはその粒子から構成されるプラズマ燃料にレーザビームを向けることによって、または、XeガスまたはLi蒸気といった好適なガスまたは蒸気のストリーム(プラズマ燃料として作用する)にレーザを向けることによって作成されうる。結果として得られるプラズマは、放射を放出し、例えば、EUV放射は、放射を受け取りまた放射をビームへと集束しうるコレクタを用いて集められうる。このような放射源は、一般に、レーザ生成プラズマ(LPP)放射源、例えば、EUV LPP放射源と呼ばれる。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 改良された放射源を提供することが望ましい。特に、放射ビームを用いて高品質で安定した放射出力を発生することができる放射源を提供することが望ましい。
【0006】
[0006] 本発明の一態様では、放射源が、該放射源の放射出力を生成すべく用いられる放射ビームを発生するビームジェネレータを含み、放射源は更に、放射ビームをモニタするビームモニタを含む。
【0007】
[0007] 本発明の一態様では、パターニングデバイスからのパターンを基板上に投影するリソグラフィ装置が提供される。このリソグラフィ装置は、上述の放射源を含む。
【0008】
[0008] 本発明の一態様では、パターン付き放射ビームを基板上に投影することを含むデバイス製造方法が提供される。この放射は、上述の放射源によって発生される。
【0009】
[0009] 本発明の一態様では、第1タイプの放射を第2タイプの放射ビームを用いて発生することと、第2タイプの放射ビームの品質をモニタすることと、更に第1タイプのパターン付き放射ビームを基板上に投影することを含むデバイス製造方法が提供される。
【0010】
[0010] 本発明の一態様では、放射源を含むリソグラフィ装置が提供される。この放射源は、放射源の放射出力を生成すべく放射ビームを発生するビームジェネレータと、放射ビームをモニタするビームモニタを含む。このリソグラフィ装置は、放射源による放射出力にパターンを付けるパターニングデバイスを支持するサポートと、パターン付き放射ビームを基板上に投影する投影システムを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
[0011] 本発明のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の概略図を参照して以下に説明する。これらの図面において同じ参照符号は対応する部分を示す。
【図1】[0012] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。
【図2】[0013] 図2は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置の詳細な概略図を示す。
【図3】[0014] 図3は、本発明の一実施形態による放射源を概略的に示す。
【図4】[0015] 図4は、本発明の一実施形態によるビーム品質モニタを概略的に示す。
【図5】[0016] 図5は、本発明の別の実施形態によるビーム品質モニタを概略的に示す。
【図6A】[0017] 図6Aは、本発明の一実施形態によるビーム品質モニタのアナライザモジュールの詳細を概略的に示す。
【図6B】[0018] 図6Bは、本発明の一実施形態によるビーム品質モニタのアナライザモジュールの詳細を概略的に示す。
【図7】[0019] 本発明の一実施形態によるビーム品質モニタのアナライザモジュールの動作原理を概略的に示す。
【図8】[0020] 図8は、別のアナライザモジュールの一部を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0021] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示している。例えば、リソグラフィ装置は、放射の放射ビームBを調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILを備えてよい。リソグラフィ装置は更に、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構成され、かつ特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置付けるように構成された第1ポジショナPMに連結されたサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、かつ特定のパラメータに従って基板を正確に位置付けるように構成された第2ポジショナPWに連結された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折または反射投影レンズシステム)PSとを含む。
【0013】
[0022] 照明システムとしては、放射を誘導すること、整形すること、かつ制御することのうちの1つ以上のために、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光コンポーネントを含むことができる。
【0014】
[0023] サポート構造MTは、パターニングデバイスの配向、リソグラフィ装置の設計、および、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスを保持しうる。サポート構造MTは、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポート構造MTは、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポート構造MTは、パターニングデバイスを、例えば、投影システムに対して所望の位置に確実に置くことができる。本明細書において使用される「レチクル」または「マスク」という用語はすべて、より一般的な「パターニングデバイス」という用語と同義であると考えるとよい。
【0015】
[0024] 本明細書において使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると広く解釈されるべきである。なお、留意すべき点として、放射ビームに付与されたパターンは、例えば、そのパターンが位相シフトフィーチャまたはいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分内の所望のパターンに正確に一致しない場合もある。通常、放射ビームに付けたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定機能層に対応することになる。
【0016】
[0025] パターニングデバイスは、反射型であってよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レベンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスク型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付ける。
【0017】
[0026] 本明細書において使用される「投影システム」という用語は、使われている露光放射に適切な、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型、および静電型光学系、またはそれらのあらゆる組合せを含むあらゆる型の投影システムを包含していると広く解釈されるべきである。本明細書において使用される「投影レンズ」という用語はすべて、より一般的な「投影システム」という用語と同義であると考えるとよい。
【0018】
[0027] 本明細書に示されているとおり、リソグラフィ装置は、反射型のもの(例えば、反射型マスクを採用しているもの)である。
【0019】
[0028] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使うことができ、または予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
【0020】
[0029] 図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置は、別個の構成要素であってもよい。そのような場合には、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射ビームは、放射源SOからリソグラフィ装置へ(例えばイルミネータILへ)、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを使って送られる。その他の場合においては、放射源は、リソグラフィ装置の一体部分とすることもできる。放射源SOおよびイルミネータILは、必要ならばビームデリバリシステムとともに、放射システムと呼んでもよい。一実施形態では、放射源SOは、LPP源であってよく、例えば、レーザビームを生成するCOレーザまたは異なるタイプのレーザを含む。
【0021】
[0030] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するアジャスタを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータおよびコンデンサといったさまざまな他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータを使って放射ビームを調整すれば、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布をもたせることができる。
【0022】
[0031] 本実施例では、放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイスMAを通り抜けた後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2ポジショナPWおよび位置センサIF2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置付けるように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPMおよび別の位置センサIF1を使い、例えば、マスクライブラリからマスクを機械的に取り出した後またはスキャン中に、パターニングデバイスMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置付けることもできる。通常、サポート構造MTの移動は、第1ポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を使って達成することができる。同様に、基板テーブルWTの移動も、第2ポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使って達成することができる。ステッパの場合は(スキャナとは対照的に)、サポート構造MTは、ショートストロークアクチュエータのみに連結されてもよく、または固定されてもよい。パターニングデバイスMAおよび基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1およびM2と、基板アライメントマークP1およびP2とを使って、位置合わせされてもよい。例示では基板アライメントマークが専用ターゲット部分を占めているが、基板アライメントマークをターゲット部分とターゲット部分との間の空間内に置くこともできる(これらは、スクライブラインアライメントマークとして公知である)。同様に、複数のダイがパターニングデバイスMA上に設けられている場合、パターニングデバイスアライメントマークは、ダイとダイの間に置かれてもよい。
【0023】
[0032] 例示の装置は、以下に説明するモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
【0024】
[0033] 1. ステップモードにおいては、サポート構造MTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、Xおよび/またはY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。ステップモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光時に結像されるターゲット部分Cのサイズが限定される。
【0025】
[0034] 2. スキャンモードにおいては、サポート構造MTおよび基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。サポート構造MTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。スキャンモードにおいては、露光フィールドの最大サイズよって、単一動的露光時のターゲット部分の幅(非スキャン方向)が限定される一方、スキャン動作の長さによって、ターゲット部分の高さ(スキャン方向)が決まる。
【0026】
[0035] 3. 別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、サポート構造MTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、またはスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0027】
[0036] 上述の使用モードの組合せおよび/またはバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
【0028】
[0037] 図2は、リソグラフィ装置1の一例をより詳細に示し、本例は、放射源SO、照明光学ユニットIL、および投影システムPLを含む。放射源SOは、放射エミッタ2を含む。図2では、エミッタは、プラズマを含む。EUV放射が、XeガスまたはLi蒸気といったガスまたは蒸気によって生成されうる。このガスまたは蒸気中で、非常に熱いプラズマが作成されて電磁スペクトルのEUV放射範囲における放射が放出される。本実施形態では、この非常に高温の(放射を放出する)プラズマは、放電の部分的にイオン化されたプラズマを光軸O上に崩壊させることによって生成される。放射の効率的な生成には、例えば、XeもしくはLi蒸気、または任意の他の好適なガスもしくは蒸気の分圧10Paが望ましい。一部の実施形態では、スズを用いてよい。放射エミッタ2によって放出される放射は、放射源チャンバ3からコレクタチャンバ4内へと渡される。一実施形態では、放射源SOは、放射源チャンバ3およびコレクタチャンバ4を含む。あるいは、放射源は、LPP源であってもよい(LPP源は、プラズマを崩壊させるために放電を利用しない)。LPP源の一例を、図3に示す。
【0029】
[0038] 図2に示すように、コレクタチャンバ4は、汚染トラップ5およびかすめ入射コレクタ6(概略的に矩形として図示する)を含む。あるいは、リソグラフィ装置は、放射源SO(例えば、放射源がLPP源である場合)からの放射を集めるべく法線入射コレクタを含んでもよい。コレクタ6を通過可能にされた放射は、格子スペクトルフィルタ7から反射されて、コレクタチャンバ4におけるアパーチャにて仮想放射源点8内にフォーカスされる。コレクタチャンバ4から、放射ビーム9は、照明光学ユニットIL内で第1法線入射リフレクタ10および第2法線入射リフレクタ11を介して、サポート構造MT上に配置されたパターニングデバイス(例えば、マスク)へと反射される。パターン付き放射ビーム12が形成され、このビームは、投影システムPL内で第1反射素子13および第2反射素子14を介して、基板テーブルWT上に保持される基板(図示せず)上に結像される。照明光学ユニットILおよび投影システムPL内には、通常、図示されている以上の素子が存在し得る。
【0030】
[0039] 図3は、本発明の一実施形態による放射源を概略的に示す。例えば、放射源SOは、放射源SOの放射出力32aを生成すべく用いられる、特に、コヒーレント放射である放射の放射ビーム28を発生するように構成されたビームジェネレータ30を含んでよい。本実施形態では、ビームジェネレータ30は、レーザビーム28を放出するように構成されたレーザである。以下に説明するように、本発明の一実施形態では、放射ビーム28をモニタするように構成されたビームモニタ40が設けられる。ビームモニタ40の非限定的な例を図4乃至図8に示す。
【0031】
[0040] 例えば、放射源SOの動作は、デバイス製造方法の一部であってよい。この方法には、第1タイプの放射32a(すなわち、例えば、EUV放射である放射出力)を発生することと、第2タイプの放射ビーム28(例えば、レーザ光)を使用することと、第1タイプのパターン付き放射ビームを基板W上に投影することと、第2タイプの放射ビーム28の品質をモニタすることを含むことができる。一実施形態では、ビーム品質をモニタすることは、パターン付き放射ビームを基板W上に投影するデバイス製造方法の間に実行することができ、放射は放射源SOによって発生される。
【0032】
[0041] より具体的には、図面から分かるように、放射源SOは、燃料点火位置26にプラズマ燃料を供給するように構成された燃料サプライヤ20を含んでよい。放射源SOは、点火位置26にある燃料を点火して、プラズマQ(図4および5参照)を放出する放射を発生すべくレーザビーム28を放出するように構成されたレーザ30を含んでよい。
【0033】
[0042] 図3乃至図5から分かるように、放射源SOは、レーザビーム28の少なくとも一部をフォーカススポット26(このフォーカススポットは、上述した燃料点火位置である)上にフォーカスするように構成されてよい。この場合、ビームモニタ40は、以下に説明するように、フォーカススポット26におけるレーザビーム28のサイズ、形状、強度、および位置のうちの1つ以上に関連するレーザビーム28の品質を判定するように構成されることが可能である。(例えば、リソグラフィデバイス製造方法の間に)ビーム品質を判定することによって、所望の高ビーム品質を達成することができ、これは、プラズマQを放出する所望の安定した且つ効率のよい放射、したがって、所望の高品質の放出出力につながる。
【0034】
[0043] 本実施形態(図4参照)では、放射源SOは、フォーカススポット26上に放射ビームの少なくとも一部をフォーカスするように構成された光学システムPFL、42を含む。光学フォーカスユニットは、様々な方法で構成することができ、また、1つ以上の光学素子(例えば、1つ以上のミラー、1つ以上のレンズ)によって与えられることができる。本例では、フォーカスユニットは、レーザ30により放出された光をフォーカスするように構成されたポンプレーザフォーカスレンズPFLを含む。フォーカスユニットは、放射ビームの少なくとも一部をフォーカススポット26上にフォーカスするミラーも含むことができる。例えば、フォーカスユニットPFLは、レーザデバイス30の一部であっても、または、別個のコンポーネントであってもよい。一実施形態では、例えば、ミラーといった1つ以上のレーザービームステアリングデバイスが、レーザビーム28の方向を変えるべく設けられてよい。図4は、ポンプレーザフォーカスユニットPFLに対して下流に位置付けられ、入射レーザ光の方向を所望の燃料点火位置26に向けるよう変更する、1つのそのようなビームステアリングデバイス、即ち、リフレクタ42を示す。
【0035】
[0044] 別の実施形態では、例えば、上述したビームステアリングデバイスは、フォーカスユニットPFLに対して上流に位置付けられることが可能である。その場合、ビームステアリングデバイスは、レーザ光の方向を、フォーカスレンズに向け、レーザ光をフォーカススポット26上にフォーカスすべく変更するように構成されることが可能である。
【0036】
[0045] 更に、放射源SOは、プラズマ燃料24を燃料点火位置26に供給するように構成された燃料サプライヤ20を含んでよい。
【0037】
[0046] 例えば、燃料サプライヤ20は、例えばSnまたはGdといった液化ターゲット材料22(すなわち、プラズマ燃料)が入れられた容器を含んでよい。容器20には、領域26(すなわち、点火位置)にSnまたはGdの液体小滴24a、24b、24c、24dを供給するように構成された好適な機構または開口(図示せず)が配置されてよい。小滴は、レーザ30により供給されるレーザビーム28が衝突するように構成される。レーザビーム28は、例えば、10.6マイクロメートルまたは9.4マイクロメートルの各(赤外線)波長を有するCOレーザに関連しうる。あるいは、例えば、1〜11マイクロメートルの範囲内の各波長を有する他の好適なレーザを用いてもよい。レーザビーム28は、好適な光学システムPFL、42、142(例を図4および図5に示す)を用いて領域26内にフォーカスされることが望ましい。小滴24a、24b、24c、24dは、レーザビーム28と相互に作用するとプラズマ状態にされ、このプラズマ状態は、例えば、6.7nm放射、または、5〜20nmの範囲から選択された任意の他のEUV放射、または、異なるタイプの放射を放出しうる。
【0038】
[0047] 放出されるビーム32は、汚染トラップ5といった、領域26から放出される粒子デブリを収集または偏向させるように構成された好適なデブリ軽減システム34によってインターセプトされうる。その結果、実質的にデブリのないビーム32aが、放射源またはリソグラフィ装置の後続の光学システム36に入る。この光学システムは、例えば、ビーム32aを好適に調整するように構成された、リソグラフィ装置の照明システムILである。放射源SOは、レーザ生成プラズマ源と協働するためのバッファガスを含んでもよい。バッファガスは、EUV放射に対して少なくとも50%の透過率を有し、2次放射に対して少なくとも70%の吸収率を有しうる。望ましくは、バッファガスは、EUV放射に対して少なくとも90%または少なくとも95%の透過率を有する。バッファガスは、2次放射に対して少なくとも90%の吸収率を有することが望ましい。
【0039】
[0048] 領域26にフォーカスされるレーザビーム28の品質が劣化すると、フォーカススポットにおけるビームのサイズが増加し、それにより、変換効率が下がる。更に、レーザビームの劣化には、フォーカススポットにおけるビーム形状およびビーム強度の低下、および/または、所望のフォーカススポットに対するビームのずれが関連しうる。この結果、放射源SOの出力パワーが減少する、および/または、不安定性が増加してしまいうる。本発明の一態様は、上述したレーザビームモニタ40を設けることにより、この問題を解決または低減する。
【0040】
[0049] 本実施形態では、放射源SOの光学システムの少なくとも一部が、レーザビームモニタの一部である。本実施形態では、フォーカスユニットPFLとビームステアリングデバイス42の両方が、アナライザモジュール44、144、244によって分析されるレーザビーム28を制御する。
【0041】
[0050] 実施例(図4および図5を参照)では、レーザビームフォーカスユニットPFLは、レーザビーム28の少なくとも一部28aを第1フォーカススポット26上にフォーカスして、放射出力を生成するように構成されうる。本実施形態では、フォーカスユニットPFLは更に、レーザビーム28の少なくとも一部28b、128bを、第1フォーカススポットとは別個の第2フォーカススポットF2上にフォーカスするように構成され、この第2フォーカススポットF2は、アナライザ44、144と関連付けられている。本実施形態では、フォーカスユニットPFLはビームステアリングデバイス42と協働して様々なフォーカススポット26、F2を提供することができる。
【0042】
[0051] 例えば、本実施形態では、ビームステアリングデバイス42は、レーザビーム8の少なくとも一部を、プラズマ燃料点火位置26に向けるように構成される。ビームステアリングデバイス42は更に、レーザビーム28の少なくとも一部を、分析されるビーム分析位置(すなわち、アナライザ44)に向けるように構成される。
【0043】
[0052] ビームステアリングデバイスは、様々な方法で構成することができる。例えば、ビームステアリングデバイスには、例えば可動リフレクタである可動ビームコントローラが設けられうる。例えば、ビームコントローラは、第1位置、すなわちレーザビーム28の経路内へと可動であり、それによりレーザビームを第1方向に向けて(例えば、燃料点火位置に向けて)方向変更する。次に、例えば、ビームコントローラは、第2位置、例えばレーザビーム28の経路外へと、方向変更されることなく通過し、例えば、ビームアナライザ44に到達するように可動でありうる。あるいは、例えば、可動ビームコントローラは、レーザビーム28の経路内の第2位置に動かされて、レーザビーム28の方向を第1方向とは異なる第2方向に(例えば、ビームアナライザに到達するために)変更することもできる。
【0044】
[0053] 本実施例では、ビームステアリングデバイスは、固定ビームコントローラ42(図4および図5参照)によって与えられる。例えば、ビームステアリングデバイスは、入射レーザビーム28の少なくとも一部を、第1ビーム部28aと1つ以上の第2ビーム部28b、128bとに少なくとも分割するように構成されたビームスプリッタ42を含むことができる(第1ビーム部28aと第2ビーム部28bは、通常、相互に異なる方向に沿って伝播する)。本実施例では、ビームスプリッタ42は、第1ビーム部28aを反射し、第2ビーム部28b、128bを通過させる。しかし、ビームスプリッタ42は、例えば、両方のビーム部を通過させるが、異なる方向に通過させる、または、2つのビーム部を異なる方向に反射させるといったように異なる方法で構成されることも可能である。
【0045】
[0054] あるいは、例えば、ビームステアリングデバイスおよびフォーカスユニットは、互いに一体にされることが可能である。例えば、フォーカスユニットは、半透明の放射リフレクタであってよく、このリフレクタは、入射レーザ放射の第1部分を反射して第1フォーカススポット26上にフォーカスし、また、入射レーザ放射の一部が放射アナライザに向かって当該リフレクタを通過することを可能にする。
【0046】
[0055] 更に、一実施形態では、フォーカスユニットPFLは、所望のビームステアリングを与えるべく可動であってもよい。一例として、フォーカスユニットPFLは、放射ビームの少なくとも一部をプラズマ燃料点火位置に向けるように第1位置へと可動であり、そこで、フォーカスユニットPFLは、第1位置から第2位置へと調節されて、放射ビームの少なくとも一部をビーム分析位置に向けることができる。
【0047】
[0056] 図4から分かるように、ビームスプリッタ42は、複数の(比較的細い)第2ビーム部28bを供給するように構成されてよい。特に、本ビームスプリッタは、入射レーザビーム28の少なくとも一部を(分析されるべき)複数の部分28bに分割するビームデバイダとして機能しうる。
【0048】
[0057] 一実施形態では、図5に示すように、ビームスプリッタ142は、例えば、当該ビームスプリッタが半透明リフレクタ142によって与えられる場合に、単一の第2ビーム部128bを供給するように構成されることができる。例えば、ビームスプリッタは、単層または複数層ミラー142(例えば、レーザビーム放射に対して実質的に透過性であるミラー基板を有する)によって与えられることが可能であり、このミラー142は、レーザビーム28の第1部分は反射し、第2ビーム部128bはミラーを透過するように構成される(第2ビーム部128bは、好適には1%未満、より好適には多くても0.1%の入射ビーム28を含む)。半透明リフレクタ142は、入射放射ビーム28の波面全体を分析することを可能にする。更に、例えば、半透明リフレクタ(ビームスプリッタとして機能する)とアナライザモジュール144との間にあるか、または、アナライザモジュール144の一部であることによって、(単一の第2ビームを複数の第2ビームに分割する)オプションのビームデバイダを利用可能としてもよい。
【0049】
[0058] 一実施形態では、ビームモニタ40は、放射ビームにおける波面のずれを判定するように構成された波面センサを含んでよい。波面センサは、様々な方法で構成することができる。本実施例では、波面センサは、アナライザモジュール44、144の一部である(図6A、図6Bも参照)。例えば、アナライザモジュール44、144は、所定の(所望の)波面に対する(レーザビーム28の)波面位相のずれを検出するように構成されてよく、所定の波面は、点火位置に焦点が合わされたビームに関連付けられる。
【0050】
[0059] 例えば、本発明の一実施形態では、ビーム品質モニタ40は、LPP放射源内に設けられるか、または、EUV LPP放射源といった各放射源に関連付けられてよい。一実施形態では、レーザビーム28のビーム品質は、いわゆるシャック・ハルトマン(Shack-Hartmann)干渉計40によって測定することができ、この干渉計は、図4および図5に一般的に且つ概略的に示す。このようなシャック・ハルトマンデバイス40は、様々に異なる方法で構成することができる。
【0051】
[0060] 図4を参照するに、例えば、レーザビーム28はサンプリングされて、例えば、異なる半径方向または横方向のビーム位置(ビームの光軸から見た場合、図4参照)から発する複数のビーム部28bがもたらされうる。本実施形態では、レーザビーム28は、上述したビームデバイダ(ビームスプリッタ)42によってサンプリングされる。本実施例では、ビームデバイダは、小型アパーチャを有するミラー42である。各アパーチャは、レーザビーム28の入射波面の一部を通過させる。したがって、ミラー42に入射する放射の少なくとも一部は、複数の個々のビームレット28bを形成し、各ビームレットは、各ミラーアパーチャに対応する。一実施形態では、ミラー42は、プログラマブルミラーアレイであってよく、そのアレイのうちの選択されたミラーは、ビームの一部をアナライザモジュール44に向けて偏向する。ビームデバイダの別の例は、上述してある。一実施例では、ビーム分割ミラー42におけるアパーチャの総面積は、1%未満に、好適には0.1%以下に維持され、それにより、レーザビーム28のエネルギー損失が最小限にされる。例えば、ビームデバイダ42は、1%未満、好適には0.1%以下の入射放射28からなる第2ビーム部28bを供給するように構成されることができる。上述したように、図5は、レーザビーム28がビームスプリッタによってサンプリングされない一例を示す。
【0052】
[0061] 本実施例では、第2ビーム28b、128bは、アナライザモジュール44、144内のディテクタ上に入射する。例えば(図4および図5を参照)、ビームレット28bまたは第2ビーム128bは集束していてよく、フォーカスポイントF2上にフォーカスされてよい。本実施例では、第2ビーム28b、128bのフォーカシングは、ポンプレーザフォーカスユニットPFLのフォーカシング動作の結果である。実施例は、第2ビーム28b、128bを平行にするように配置されたコリメータ、特にレンズ46を含む。この目的のために、第2フォーカスポイントF2は、(図4に示すように)レンズ46の焦点と一致してよい。
【0053】
[0062] コリメータ46は、様々な構成を有することができる。例えば、コリメータは、レンズまたはミラーであってよい。図中、コリメータは、第2フォーカスポイントF2の後に配置された正(集束)レンズとして示す。別の実施形態では、コリメータは、第2フォーカスポイントF2と一致する焦点を有する負(発散)レンズであってもよく、この負レンズは、第2フォーカスポイントF2の前に配置され、第2ビーム28b、128bを、第2フォーカスポイントに実際に到達する前に平行にする。
【0054】
[0063] 平行にされたビームレット28b(またはビーム128b)は、アナライザモジュール44、144の放射検出部cpaに向かって伝播する。アナライザモジュールは、様々な方法で構成されて入射ビームレットを検出することができる。図6Aを参照するに、アナライザモジュール44は、例えば、電荷結合ディテクタ(CCD)である1つ以上の放射ディテクタcpaを含む。当然ながら、他のタイプのディテクタを用いてもよい。一実施形態では、アナライザモジュールは、小型ピクセルを有する単純なCCDの2次元アレイを含み、各CCDは、ミラー42からのレーザビーム28の各ビーム部28bに対応する。オプションとして、CCDの損傷を制限または阻止するために、アテニュエータを、レーザビームの経路においてCCDの前に配置してもよい。図6Aから分かるように、各放射ディテクタは、例えば、レンズ47といった、(コリメータレンズ46から出る)ビームレット28bを放射ディテクタcpa上にフォーカスするように構成されたビームフォーカスデバイスにそれぞれ関連付けられてよい。図6Bは、図5の構成に関連するモジュール144の別の実施形態を示し、この実施形態では、1つのまたは各放射ディテクタは、入射第2ビーム128bの少なくとも一部を放射ディテクタcpa上にフォーカスするように構成されたビームフォーカスシステム147に個々に関連付けられる。図6Bでは、フォーカスシステム147は、第2ビーム128bの複数のビーム部128b’を、放射ディテクタcpa上の各焦点上にフォーカスするように構成される。
【0055】
[0064] 本実施例では、レーザビーム28の波面の一部が歪んでいると、アナライザモジュール44、144において検出される適用可能なビーム部28b/ビームレット128bの位置(この場合、焦点位置)のシフトにつながる。レーザビーム28の異なるビーム部/ビームレットの全てのシフトを用いて、入射波面を再構成することができるか、または、少なくとも推定することができる。
【0056】
[0065] 図7は、上述したような焦点位置のシフトを概略的に示し、図7の上部は、アナライザモジュール44の測定面に入射する正しい波面CWF(correct wave front)を示し、図7の下部は、測定面に入射する歪んだ波面DWF(distorted wave front)であって、測定面上の位置が、波面の歪みによって、図7の上部に示す正しい波面に対し、横方向にシフトしていることを示す。
【0057】
[0066] したがって、測定された波面が、理想の波面からのずれを有する場合、このずれは、測定面上の理想波面の集束位置からの測定された波面の集束位置の位置的なずれとして現れうる。したがって、波面は、(ミラー42からのビームの)各個々のビーム28b、128b’の位置の位置的なずれに基づき測定することができる。
【0058】
[0067] アナライザモジュール44、144のキャリブレーションを、アナライザモジュールに、(放射源SO内の)フォーカススポット26における最適な焦点に対応するビーム(例えば、レーザ30によって発生されるレーザビーム)を供給することによって行うことができる。各ディテクタcpa上のレーザビーム28のビーム部28b、128b’のそれぞれの位置を基準位置として用いることができ、この基準位置から、歪んだ波面による位置におけるシフトを判定することができるので、ディテクタcpaと1つ以上の関連付けられた光学素子(例えば、レンズ46、47)との精密なアライメントが不要となる。
【0059】
[0068] 好適には、分析された信号を用いて所望のビーム品質を達成および/または維持する。例えば、分析された信号は、レーザ30にフィードバックされ、それにより、レーザ30は、例えば、最大に維持されるべき各ビーム品質を調節する。例えば、レーザの調節には、レーザの1つ以上の(光学)コンポーネントを調節することが含まれうる。例えば、分析された信号を、ビームの品質に関連付けられる1つ以上の調節可能なコンポーネントにフィードバックし、それにより、最大のビーム品質を達成するようにそれらのコンポーネントを調節してもよい。更に、専用のビーム品質アジャスタ(図示せず)が含まれてもよく、このアジャスタは、分析された信号を用いて制御でき、それにより、所望のビーム品質が維持される。ビーム品質が向上すると、より高く且つより安定した放射源出力(例えば、EUV出力)がもたらされうる。
【0060】
[0069] 図8は、上述した実施形態のいずれかのアナライザ内にあってよいシャック・ハルトマン型アナライザモジュール244の一部の実施形態を示す。具体的には、図8は、アナライザモジュールのディテクタ部分の一例を示す。アナライザモジュール244には、(アナライザモジュールの各フォーカスシステム47、147から放出する)第2ビームまたはビームレット28b、128b’を実質的に吸収するように構成されたビームアブゾーバ281が設けられてよい。更に、アナライザモジュール244には、放射吸収率を検出するように構成されたディテクタ282が設けられる。
【0061】
[0070] 例えば、ディテクタ282は、例えば、ビームアブゾーバ281を撮像し、その上/その中のホットスポットHSを検出するように構成されたカメラ(例えば、各撮像光学部品288を含むかまたはそれらに関連付けられる)である、赤外線放射ディテクタであってよい。あるいは、例えば、ディテクタは、例えば、ビームアブゾーバ281と一体にされることによって、ビームアブゾーバ281と熱接触する熱センサのグリッドであってよい。
【0062】
[0071] ビームアブゾーバ281は、様々に異なる方法で構成することができる。例えば、ビームアブゾーバは、放射吸収プレートといった放射吸収素子であってよい。更に、アブソーバ281は、基板281bといった好適なサポート上に設けられた1つ以上の放射吸収層281aによって与えられてよい。非限定的な例において、放射アブソーバ281は、ULEといった熱伝導係数が小さい材料281aを含み、第2ビーム28b、128b’の放射を吸収する。
【0063】
[0072] 更に、好適には、冷却システムが設けられて、ビームアブゾーバ281から熱が除去される。冷却システムは、様々な方法で構成することができ、例えば、冷却システムには、ビームアブゾーバ281から熱を除去するように構成された1つ以上のペルチェ(Peltier)素子(図示せず)が設けられてよい。本実施形態では、冷却システムは、冷却流体(例えば、冷却されたまたは比較的冷たいガスまたは液体、例えば、冷却水)をビームアブゾーバ281に供給する冷却路283を含む。冷却流体の流れを矢印CFにより示す。そのような冷却路は、様々な方法で構成することができる。本実施例では、冷却路283は、ビームアブゾーバ281の放射受け面の前に位置付けられる。したがって、動作中、吸収されるべき放射28b、128b’は、アブゾーバ281により受け取られる以前に冷却路283(および冷却流体)を通過する。路壁284が、アブゾーバ281の放射受け面の反対に位置付けられる。路壁284は、吸収されるべき放射28b、128b’に対して実質的に透過性である(同様のことが冷却流体についても言える)。
【0064】
[0073] 図8に示すアナライザ244の動作中、ビームアブゾーバ281を、(冷却路283を流れる)冷却流体を用いて連続的に冷却することができる。1つ以上の上述した第2ビーム28b、128b’は、本実施例では、透明の路壁284と(冷却路283内の)冷却流体を通過して、アブゾーバ281に向かって入射する。好適には、各第2ビームまたはビーム部は、フォーカスユニット47、147によってそれぞれビームアブゾーバ281上にフォーカスされ、それにより、各ローカルホットスポットHSがもたらされる。
【0065】
[0074] 各ホットスポットHS(1つだけ図示)の位置は、ディテクタ282によって連続的にモニタされることが可能である。図中、各ホットスポットHSから出る熱放射hsrは、ディテクタ282に向かって(本実施例では、基板281bを介して)伝えられる。例えば、基板281bは、熱放射に対して少なくとも部分的に、好適には実質的に透過性である材料から形成されてよい。ディテクタ282は、ホットスポットHS、特に、アブゾーバ281内または上のホットスポットHSの位置を検出する。
【0066】
[0075] このようにして、レーザビーム28の波面のずれ(図4および5参照)は、ホットスポット検出と、アブゾーバ材料上/内の各ホットスポット位置のシフトによって、正確にモニタすることができる。熱は、ホットスポットHSから効率よく除去されることができ、それにより、ホットスポットのぼやけを阻止し、ホットスポットのシフトが高速に検出される。
【0067】
[0076] 本発明の実施形態は、材料小滴を使用する放射源に限定されない。本発明の一実施形態は、例えば、材料小滴ではなくガスからプラズマを発生させてもよい。これらは共に、プラズマ発生物質の例としてみなしてよい。本発明の実施形態は、任意の他の適用可能なタイプの放射(例えば、EUV放射)源に用いてよいことは理解できよう。しかし、本発明の実施形態は、LPP放射源に特に適している。
【0068】
[0077] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。当業者にとっては当然のことであるが、そのような別の用途においては、本明細書で使用される「ウェーハ」または「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」または「ターゲット部分」という用語と同義であるとみなしてよい。本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、および/またはインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツールおよびその他の基板プロセシングツールに適用してもよい。さらに基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使用される基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。
【0069】
[0078] 「レンズ」という用語は、文脈によっては、屈折、反射、磁気、電磁気、および静電型光コンポーネントを含む様々な種類の光コンポーネントのいずれか1つまたはこれらの組合せを指すことができる。
【0070】
[0079] 以上、本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、本発明は、上述以外の態様で実施できることが明らかである。上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。したがって、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射源であって、
前記放射源の放射出力を生成すべく用いられる放射ビームを発生するビームジェネレータと、
前記放射ビームをモニタするビームモニタと、
を含む放射源。
【請求項2】
前記ビームモニタは、前記放射ビームにおける波面のずれを判定する波面センサを含む、請求項1に記載の放射源。
【請求項3】
前記波面センサは、シャック・ハルトマン干渉計である、請求項2に記載の放射源。
【請求項4】
前記放射源は、前記放射ビームの少なくとも一部をフォーカススポット上にフォーカスし、前記ビームモニタは、前記フォーカススポットにおける前記ビームのサイズ、形状、強度、および位置のうちの1つ以上に関連する前記放射ビームの品質を判定する、先行する請求項のいずれかに記載の放射源。
【請求項5】
前記放射源は、燃料点火位置にプラズマ燃料を供給する燃料サプライヤを含み、また前記放射源は、前記点火位置にある燃料を点火して放射放出プラズマを発生すべく前記放射ビームを用いる、いずれかの先行する請求項に記載の放射源。
【請求項6】
前記放射源は、前記ビームジェネレータによって発生された前記放射ビームを用いて極端紫外線(EUV)放射を生成する、いずれかの先行する請求項に記載の放射源。
【請求項7】
前記放射ビームの少なくとも一部をフォーカススポット上にフォーカスする光学システムを更に含み、該光学システムの少なくとも一部が、前記ビームモニタの一部である、先行する請求項のいずれかに記載の放射源。
【請求項8】
前記光学システムは、前記放射ビームの少なくとも一部を第1フォーカススポット上にフォーカスして放射出力を生成し、また前記光学システムは更に、前記放射ビームの少なくとも一部を前記第1フォーカススポットとは別個の第2フォーカススポット上にフォーカスし、該第2フォーカススポットは、前記ビームモニタと関連付けられる、請求項7に記載の放射源。
【請求項9】
前記放射ビームの少なくとも一部をプラズマ燃料点火位置に向けるビームステアリングデバイスを更に含み、該ビームステアリングデバイスは更に、前記放射ビームの少なくとも一部を、分析されるべきビーム分析位置に向ける、先行する請求項のいずれかに記載の放射源。
【請求項10】
前記ビームステアリングデバイスは、前記入射ビームを少なくとも第1ビーム部と第2ビーム部とに分割するビームスプリッタである、請求項9に記載の放射源。
【請求項11】
前記ビームモニタは、前記放射ビームの少なくとも一部を複数の部分に分割するビームデバイダを含み、または前記ビームモニタは、歪んでいない波面に関連した前記複数の部分の位置に対して、前記ビームの波面の歪みによる前記複数の部分の位置シフトを判定する、先行する請求項のいずれかに記載の放射源。
【請求項12】
前記放射源は、前記放射ビームを用いることで放射放出プラズマを生成する、先行する請求項のいずれかに記載の放射源。
【請求項13】
前記ビームモニタは、放射アブゾーバと、該放射アブゾーバから熱を除去する熱調整システムとを含む、先行する請求項のいずれかに記載の放射源。
【請求項14】
パターニングデバイスからのパターンを基板上に投影するリソグラフィ装置であって、先行する請求項のいずれかに記載の放射源を含む、リソグラフィ装置。
【請求項15】
パターン付き放射ビームを基板上に投影することを含むデバイス製造方法であって、前記放射は、請求項1乃至13のいずれかに記載の放射源によって、または、請求項14に記載のリソグラフィ装置によって発生される、デバイス製造方法。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−45354(P2010−45354A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−182956(P2009−182956)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】