放射線撮像装置、放射線撮像システム及び放射線撮像装置の制御方法、並びにプログラム
【課題】放射線源と放射線撮像装置との間に配線を設けることなく比較的簡易な構成により、取得される放射線画像におけるアーチファクトの発生を抑止し、極めて良質な放射線画像を得る。
【解決手段】制御手段170は、X線検知手段150によりX線の照射を検知した場合に、駆動手段202を作動させて得た電気信号を信号読出手段207から読み出す本読み動作と、X線検知手段150によりX線の非照射を検知した場合に駆動手段202を作動させて得た電気信号を信号読出手段207から読み出す空読み動作とを選択的に実行し、空読み動作時において、X線検知手段150によりX線の照射開始が検知されたときに当該空読み動作を中止し、X線検知手段150によりX線の照射終了が検知されたときに本読み動作を開始する。
【解決手段】制御手段170は、X線検知手段150によりX線の照射を検知した場合に、駆動手段202を作動させて得た電気信号を信号読出手段207から読み出す本読み動作と、X線検知手段150によりX線の非照射を検知した場合に駆動手段202を作動させて得た電気信号を信号読出手段207から読み出す空読み動作とを選択的に実行し、空読み動作時において、X線検知手段150によりX線の照射開始が検知されたときに当該空読み動作を中止し、X線検知手段150によりX線の照射終了が検知されたときに本読み動作を開始する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用の診断や工業用の非破壊検査に用いて好適な放射線撮像装置、システム及び方法、並びにプログラムに関する。なお、本明細書では、X線、γ線等の電磁波やα線、β線も放射線に含めるものとして説明する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院内等に設置されているX線撮影システムは、患者にX線を照射させ、患者を透過したX線をフィルムに露光するアナログ方式と、患者を透過したX線を電気信号に変換して蓄積等するディジタル方式とがある。
【0003】
図15は、従来のアナログ方式のX線撮影システムの模式的な構成を示すブロック図である。
図15において、101はX線を照射するX線源、104はX線源101から出射するX線を発生させるX線発生装置、105は放射線技師等により開閉操作がなされるX線の照射を制御するスイッチ(曝射ボタン)である。120は患者等である検出体102のX線情報を記録するフィルム、103は検出体102を透過したX線を可視光等の光に変換する蛍光体である。
【0004】
フィルム120はX線波長領域に感度を有さないため、フィルム方式では、フィルム120と検出体102との間に蛍光体103を配置している。フィルム120は蛍光体103で変換された可視光等の強度を感知することによって検出体102のX線情報として画像を形成する。
【0005】
蛍光体103は、フィルム120でのX線画像の先鋭度を低下させないために、フィルム120と密着させた状態で撮影される。蛍光体103は、フィルム120の前後に2枚配置させ、良質なX線画像を得るための工夫がなされている。
【0006】
図16は、従来のディジタル方式のX線撮影システムの模式的な構成を示すブロック図である。
図16に示すX線撮像システムは、図15のフィルム120に代えて、検出体102を透過したX線を電気信号に変換するCCD撮像素子及びMOS型撮像素子、アモルファスシリコンを用いた撮像素子等を備えた撮像装置130を設ける。更に、スイッチ105の開閉に従って送信される制御信号に応じて撮像部130の駆動を制御する制御部140を設けている。なお、図16において、図15で示した部分と同様の部分には、同一符号を付している。
【0007】
図16に示すX線撮像システムにおいて、放射線技師等によりスイッチ105が無作為に閉じられた場合には、以下のように対処する。即ち、撮像装置130の駆動の開始とX線の出射とのタイミングが整合するように、X線発生装置104から制御部140に対して、同期をとるように制御信号が送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−181942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、アナログ方式のX線撮像システムでは、患者のX線情報を医師等が診察に用いる場合には、フィルム内の患者のX線情報を現像する必要があり、放射線技師の撮影から医師の診察までに現像時間を必要とする。また、面倒な現像廃液の処理や、フィルムの保管するためのスペースの確保を強いられる。撮影中に患者が動いた時や、何らかの理由で露光量にエラーがあった時等、再撮影が必要となり、更に時間がかってしまうといった問題点を有する。
【0010】
一方、ディジタル方式のX線撮像システムでは、X線発生装置104から制御部140に対して、同期をとるように制御信号を送信するため、これらを配線で接続している。これは、特にフィルムカセッテのような軽量薄型の撮像装置として使用する場合、撮影の際に、その配線が邪魔になり、持ち運びが容易ではなく、撮影効率を悪くする場合があった。
【0011】
また、X線発生装置のメーカと撮像装置のメーカとが異なる場合には、制御信号の送受信を可能とするために、インターフェース回路の用意が必要な場合があった。更に、病院への設置後において、例えば使用していたX線源を他のメーカのものに変更する場合や、X線源を買い換える場合等で以下のような問題が生じる。即ち、新たなX線源と制御部との間で、制御信号の送受信を可能とするためのインターフェースが新規に必要となる場合があり、数多くのインタ−フェースを準備しなくてはならない。
【0012】
また、例えば救急車内等のようにスペースが限られている空間や撮影室の面積が狭い病院等において、X線撮影を容易にするためには、持ち運び可能であって軽量薄型のカセッテが便利であると考えられる。この際、極力電気配線を用いないX線撮像システムが要望されると思われる。
【0013】
特許文献1において、X線発生装置と撮像装置との間に、電気配線を接続することなしに、X線画像を撮影できる方法が開示されている。この方法では、特許文献1の図9に示されているように、撮像素子の第1の読み取り動作である「本読み動作」を安定に行うために必要なアイドリング期間(パネルに電源を投入してから撮影が開始されるまでの期間)中にX線照射の開始を検知した場合には、撮像素子は蓄積モードに遷移する。X線の終了を検知した場合には、「本読み動作」を行うものである。また、特許文献1の図10に示されているように、アイドリング期間中に複数回行う第2の読み取り動作である「空読み動作」の途中で、X線照射が開始されることが多い。その場合には、X線照射が開始された後の「空読み動作」における情報もX線画像情報として用いている。
【0014】
しかしながら、「空読み動作」の途中でX線が照射された場合の読み取りデータは、スイッチ素子に光が照射された状態で読み出し動作が行われるために、スイッチを介したリーク現象が発生し、正確な画像信号を示さないという問題がある。特に、X線照射が終了した後に読み出される「本読み動作」の読み取りデータは、スイッチ素子に光が照射されない状態で読み出される。そのため、前述の「空読み動作」におけるデータとの差異が生じ、最終的に得られたX線画像にアーチファクトを生じさせるといった問題が発生する。
【0015】
また、撮像素子として、特にアモルファス材料からなる光電変換素子を用いた場合、光応答特性を有する。X線の照射を終了した後においては、理想的には、電流が流れないことが望まれるが、実際上では若干の電流が流れ、それは時間経過とともに緩和する。X線照射後の「本読み動作」は、それらが緩和してから後に行うのが望ましい。
【0016】
しかしながら、特許文献1には、「空読み動作」の途中でX線の照射が開始された場合に、それ以降の「空読み動作」の画像データには、光応答による電流成分が含まれている。そのため、X線の照射が終了した後の「本読み動作」の画像データとは光応答による電流成分が異なり、最終的に得られたX線画像にアーチファクトを生じさせるといった問題も発生する。
【0017】
本発明は、上記の諸問題に鑑みてなされたものであり、放射線源と放射線撮像装置との間に配線を設けることなく比較的簡易な構成により、取得される放射線画像におけるアーチファクトの発生を抑止し、極めて良質な放射線画像を得ることを可能とする軽量薄型の放射線撮像装置、放射線撮像システム及び放射線撮像方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の放射線撮像装置は、放射線源から照射された放射線を電気信号に変換する放射線撮像手段と、前記放射線撮像手段を駆動する駆動手段と、前記放射線源からの放射線の照射の有無を検知する放射線検知手段と、前記放射線撮像手段から電気信号を読み出す信号読出手段と、前記駆動手段、前記放射線検知手段及び前記信号読出手段の各動作を制御する制御手段とを含み、前記制御手段は、前記放射線検知手段により放射線の照射を検知した場合に前記駆動手段を作動させて得た電気信号を前記信号読出手段から読み出す第1の読み出し動作と、前記放射線検知手段により放射線の非照射を検知した場合に前記駆動手段を作動させて得た電気信号を前記信号読出手段から読み出す第2の読み出し動作とを選択的に実行し、前記第2の読み出し動作時において、前記放射線検知手段により放射線の照射が検知されたときに、前記第2の読み出し動作から前記第1の読み出し動作に切り換える。
【0019】
本発明の放射線撮像システムは、放射線源と、前記放射線源から照射された放射線を撮像するための上記の放射線撮像装置とを含む。
【0020】
本発明の放射線撮像方法は、放射線源から照射された放射線を放射線撮像装置の放射線撮像手段により電気信号に変換して放射線画像を撮像する放射線撮像方法であって、前記放射線撮像装置に設けられた放射線検知手段によって放射線の照射を検知した場合に前記放射線撮像装置に設けられた駆動手段により前記放射線撮像手段を駆動して前記放射線撮像装置に設けられた信号読出手段に電気信号を読み出す第1の読み出し動作と、前記放射線検知手段によって放射線の非照射を検知した場合に前記駆動手段により前記放射線撮像手段を駆動して前記信号読出手段に電気信号を読み出す第2の読み出し動作とを選択的に実行し、前記第2の読み出し動作時において、放射線の照射が検知されたときに、前記第2の読み出し動作から前記第1の読み出し動作に切り換える。
【0021】
本発明のプログラムは、放射線源から照射された放射線を放射線撮像装置の放射線撮像手段により電気信号に変換して撮像する放射線撮像を前記放射線撮像装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、前記放射線撮像装置に設けられた放射線検知手段によって放射線の照射を検知した場合に前記放射線撮像装置に設けられた駆動手段により前記放射線撮像手段を駆動して前記放射線撮像装置に設けられた信号読出手段に電気信号を読み出す第1の読み出し動作と、前記放射線検知手段によって放射線の非照射を検知した場合に前記駆動手段により前記放射線撮像手段を駆動して前記信号読出手段に電気信号を読み出す第2の読み出し動作とを選択的に実行するに際して、前記第2の読み出し動作時において、放射線の照射が検知されたときに、前記放射線撮像装置の動作が前記第2の読み出し動作から前記第1の読み出し動作に切り換えるように実行させる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、放射線源と放射線撮像装置との間に配線を設けることなく比較的簡易な構成により、取得される放射線画像におけるアーチファクトの発生を抑止し、極めて良質な放射線画像を得ることを可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態1を示すタイミングチャートである。
【図2】X線発生装置における曝射ボタンの模式図である。
【図3】本発明の実施形態1を示すX線撮像システムの概念図である。
【図4】図3のX線回路部及びその周辺の回路図である。
【図5】図4に示すX線回路部の動作を示すタイムチャートである。
【図6】X線の照射が開始される前のアイドリング期間内の空読み動作における駆動用回路部(シフトレジスタ)のタイミングチャートである。
【図7】アイドリング期間内の空読み動作中にX線が照射された場合のタイミングチャートである。
【図8】図4における駆動用回路部(シフトレジスタ)の構成の一例を示す回路図である。
【図9】本発明の実施形態2を示しており、駆動用信号がオンしている時にX線の照射が開始された場合のタイミングチャートである。
【図10】本発明の実施形態3を示しており、駆動用信号がオンしている時にX線の照射が開始された場合のタイミングチャートである。
【図11】本発明の実施形態4を示しており、アイドリング動作期間内の空読み動作中にX線が照射された場合のタイミングチャートである。
【図12】本発明の実施形態5を示すX線撮像装置の機械的な概要を示す模式図である。
【図13】図12の内部構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施形態6におけるX撮像装置のX線診断システムへの適用例を示した概略図である。
【図15】従来のアナログ方式のX線撮影システムの模式的な構成を示すブロック図である。
【図16】従来のディジタル方式のX線撮影システムの模式的な構成を示すブロック図である。
【図17】X線撮像システムに内蔵されたコンピュータの内部構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
−本発明の基本骨子−
図1は、本発明のX線撮像装置における動作のタイミングチャートである。
アイドリング期間とは、放射線、ここではX線撮像素子(センサ)が撮影期間に良好な撮影を行うための準備期間である。この期間においては、X線撮像素子は、第2の読み取り動作である空読み動作を繰り返し行っている。空読み動作とは、X線撮像素子において絶えず流れ出る暗電流成分を読み出す動作のことである。空読み動作を行うことによって、暗電流成分が除去される。特にアイドリング期間の冒頭では、X線撮像素子にバイアスを与えられた直後であるために暗電流成分が大きい。通常、この空読み動作は、暗電流安定のために、数回から数十回繰り返されている。アイドリング期間中に、X線源を操作する撮影者(一般にはX線技師)によって、X線を出射するための信号、即ち撮影要求の信号が発せられ、その後、X線が出射する。
【0025】
撮影者による撮影要求信号の発生タイミングは、図2に示すように、一般的には手指で曝射ボタンを押下することによる撮影者の意志に基づく操作であるために、一定間隔で動作シーケンスを繰り返しているセンサの空読み動作には同期しない。
【0026】
本発明では、図1に示すように、X線源からのX線照射の開始に同期して、空読み動作を中止し、その後、撮影期間に遷移して第1の読み出し動作である本読み動作を実行する。従来技術においては、撮影要求を受けてから、その時点で行っている空読み動作を一通り走査させた後にX線の照射を開始しているために、曝射要求があってからX線が出射するまでに遅延(ディレイ)が発生し、撮影チャンスを逃す問題がある。また、X線発生のためのシーケンスを制御するためにX線源や放射線撮像装置は電気配線で接続する必要があった。これに対して本発明においては、X線検出部を設けて、X線照射の開始を検出することにより、空読み動作を中止する制御を行うため、特にX線源と放射線撮像装置とを配線により電気的に接続する必要がない。
【0027】
また、X線が開始されると同時に、アイドリング期間から撮影期間に遷移し、X線照射の終了を検知して本読み動作を行うため、曝射要求があってからX線が出射するまでのディレイ時間を小さくすることができる。
図1中で「D」で示しているように、X線撮像素子の光応答特性等を考慮して、X線照射の終了から本読み動作の開始までの間に遅延時間を設けてよい。もちろん、光応答特性等がない場合、遅延時間を設けず、X線照射の終了を検知して、直後に本読み動作を開始するようにしてもよい。
【0028】
−本発明を適用した具体的な緒実施形態−
以下、本発明の緒実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0029】
(実施形態1)
図3は、本発明の実施形態1によるX線撮像システムの概略構成を示す模式図である。
図3において、101はX線を出射するX線源、104はX線源101から出射するX線を発生させるX線発生装置、105はX線技師等により開閉操作がなされるX線の照射を制御するスイッチ(被曝射ボタン)であり、図2で示すような形状である。103は検出体102を透過したX線を可視光等の光に変換する波長変換体として機能する蛍光体である。130は主に変換回路部、駆動回路部、信号読出回路部で構成される撮像装置である。変換回路部は、蛍光体103で変換された光を電気信号に変換する光電変換素子が複数マトリクス状に配設されてなるものである。駆動回路部は、変換回路部を駆動するものである。読出回路部は、変換回路部から電気信号を読み出すものである。蛍光体103と撮像装置130とを併せてX線撮像装置とも呼ばれる。
【0030】
150はX線源101からのX線照射の有無(照射開始及び照射終了)を検出するためのX線検出回路である。170はX線検出回路150の検出結果に応じて撮像装置130を種々のモードで駆動させる駆動回路を内蔵するとともに該駆動回路を制御する制御部である。160はシャーシであり、蛍光体103、X線回路部130、後述する制御部170及びX線検出素子150が搭載され、X線を透過し易いアルミニウムやステンレス等の金属からなるものである。
【0031】
また、蛍光体103は、Gd2O2S、Gd2O3、CsI等のいずれかを主成分としており、発光中心としてのTb(テルビウム)やTl(タリウム)等が微量に含まれている。具体的には、Gd2O2S:Tb、CsI:Tl等である。蛍光体103は、検出体102を透過したX線を、X線透過量の多少に対応した可視光に変換する。変換された光は、X線回路部130側へ送られ電気信号に変換される。この電気信号は検出体102のX線透過像を表している。
【0032】
ここで、図3では波長変換体である蛍光体103と複数の光電変換素子を有する撮像装置130とをあわせてX線撮像装置を構成しているが、本発明はそれに限定されるものではない。波長変換体を用いることなく、変換回路部の光電変換素子の代わりに、放射線を吸収して直接的に電気信号に変換する直接変換型のX線変換素子を用いて撮像装置を構成しても良い。このX線変換素子としては、例えば、ヨウ化鉛、ヨウ化水銀、セレン、テルル化カドミウム、ガリウムヒ素、ガリウム燐、硫化亜鉛、及びシリコンのうちから選ばれた1種の材料を主成分として構成される。
【0033】
なお、図3においては、表現の都合上、X線源101から出射されたX線が直接、X線検出回路150に入射しているように図示しているが、X線検出回路150を撮像装置130の近傍に設ければ、検出体102を介して入射する場合もある。
【0034】
X線源101から出射されたX線は、検出体102及びX線検出回路150にそれぞれ照射され、検出体102を透過したX線は蛍光体103に到達する。X線検出回路150は、X線を入射すると、X線源101からX線が出射されたことを検出して、その旨の信号を制御部170へ出力する。
【0035】
制御部170は、撮像装置130の主構成要素である変換回路部、駆動回路部、読出回路部の各動作を制御するものである。制御部170は、空読み動作と本読み動作とを選択的に実行する。そして、X線検出回路150によってX線の照射の開始が検出されると、それに対応してアイドリング動作期間内の変換回路部の空読み動作を中止し、撮影期間に遷移する。撮影期間においては、X線検出回路150によってX線の照射の終了が検知されると、それに対応して変換回路部(センサ)の本読み動作を行う。空読み動作及び本読み動作の詳細については後述する。
【0036】
図4は、図3の撮像装置130及びその周辺の回路図である。
ここでは、2次元に光電変換素子を配列したものを例に説明する。なお、説明を簡単化するために、図4においては3×3の合計9画素で構成しているが、実際には、必要なセンサの大きさに応じた数の光電変換素子が配列されている。例えば、医療用の胸部X線撮像装置の場合には、有効領域で40cm以上、画素数としては画素ピッチ200μmで、2000×2000画素以上を配列するようにしている。
【0037】
また、S1−1〜S3−3は、可視光を受光して、これを電気信号に変換するための光電変換素子である。T1−1〜T3−3は、S1−1〜S3−3で光電変換された信号電荷をマトリクス信号配線M1〜M3側へ転送するためのスイッチ素子である。本実施形態においては、1つの画素は、1つの光電変換素子と1つのスイッチ素子によって構成されている。G1〜G3は、スイッチ素子T1−1〜T3−3に接続されたスイッチのゲート駆動用の駆動配線である。
【0038】
マトリクス信号配線M1には、スイッチ素子の電極間容量(Cgs)の3個分の容量が転送終了時において付加されていることと等価であり、図4では容量素子CL1として表記している。他のマトリクス信号配線M2、M3についても同様であり、CL2、CL3として表記している。
【0039】
光電変換素子S1−1〜S3−3と、スイッチング素子T1−1〜T3−3と、駆動配線G1〜G3と、マトリクス信号配線M1〜M3とを備えて変換回路部201が構成されており、所期の絶縁基板上に配置されている。絶縁基板は図4では図示していない。シフトレジスタ(SR1)からなる駆動回路部202は、スイッチ素子T1−1〜T3−3のオン/オフを駆動制御している。
【0040】
光電変換素子S1−1〜S3−3に入射した光は、そこで電気信号に変換され、それぞれの電極間容量に蓄積される。これらの電気信号は、転送用スイッチT1−1〜T3−3及びマトリクス信号配線M1〜M3を通じて、並列の電圧出力となる。
【0041】
更に、読出回路部207により直列信号となり、アナログ/ディジタル変換器であるA/D変換回路部205へ出力され、ここでアナログ信号からディジタル信号に変換される。図4の光電変換装置においては、総画素数9ビットの光電変換素子を3ビットずつまとめて3行に分割している。上述の各動作は、順次この行単位で行われる。
【0042】
図5は、図4に示す撮像装置130の動作を示すタイムチャートである。
第1行の光電変換素子S1−1〜S1−3に入射した光は、電気信号に変換され信号電荷として、それぞれの電極間容量に蓄積される。一定の蓄積時間を経過した後、駆動回路部202より駆動配線G1に転送用の電圧パルス(駆動信号)が出力され、転送用スイッチ素子T1−1〜T1−3をオン状態に切り換える。
【0043】
この切り換えにより、光電変換素子S1−1〜S1−3内の電極間容量に蓄えられていた信号電荷が、マトリクス信号配線M1〜M3で形成されたそれぞれの容量CL1〜CL3に転送される。この転送により、CL1〜CL3の電位V1〜V3は、信号の電荷量分だけ高くなる(転送動作)。
【0044】
次に、容量CL1〜CL3の信号は、SMPL信号をオンすることにより、読出回路部207内のサンプルホールド用コンデンサC1〜C3に転送される。この時、容量CL1〜CL3の信号は、それぞれアンプA1〜A3により増幅される。
【0045】
SMPL信号をオフすることにより、サンプルホールド用コンデンサC1〜C3の信号電荷はホールドされる。SMPL信号をオフした後、容量CL1〜CL3は、CRES信号によりリセットされ、次のラインの転送動作が行われることになる。
【0046】
サンプルホールドされたサンプルホールド用コンデンサC1〜C3の第1行の信号は、シフトレジスタ(SR2)203より電圧パルスを順次与えて読み出し用スイッチSr1〜Sr3を順次オン状態に切り換える。これらの動作により、アンプB1〜B3を介し直列信号に変換し、オペアンプ204によりインピーダンス変換後に3画素分の信号をA/D変換回路部205でディジタル変換された後、放射線撮像装置の外部へ出力する(読出動作)。
【0047】
以下、駆動回路部202によって駆動配線G2、G3に駆動信号を順次印加することにより、上述の動作を繰り返して全画素のデータを出力する。3行分の光電変換された信号が繰り返し読み出される。
【0048】
図4、図5では、9画素分で表記しているが、更に多数の画素があっても動作は同様である。サンプルホールド用コンデンサC1〜C3を設けることにより、n行の読み出し動作と、n+1行の転送動作は、同じ期間に行うことができる。
【0049】
次に、空読み動作及び本読み動作について説明する。
空読み動作及び本読み動作は、図4及び図5を用いて説明した光電変換素子の動作において何ら変わりない。即ち、変換回路部201、読出回路部207、駆動回路部202の動作上は何ら変わらない。空読み動作と本読み動作との違いとしては、X線画像情報を採取する上で必要な画像データを得るための動作を本読み動作と称し、X線画像情報を有さない画像データを読み出す動作を空読み動作と称している。
【0050】
換言すれば、X線を照射する前の読み出し動作を空読み動作と称し、X線を照射した後の読み取り動作を本読み動作としている。空読み動作は、X線撮影を行う前の準備段階であるアイドリング期間に複数回、繰り返し読み出し動作を行っている動作である。ここで、読み出し動作と便宜上呼んでいるが、これは駆動回路部202や読出回路部207を用いて、本読み動作と同じ動作を行っていることによるものであり、X線画像を構成するデータの読み出しを意図するものではない。
【0051】
例えば、図4におけるアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換回路部205に、XWE信号が入力されている。このXWE信号は、A/D変換機能を動作させるか否かを選択する信号であり、A/D機能を動作させる場合、「Lo」信号を入力して、ディジタルデータを出力する。A/D機能を動作させない場合、「Hi」信号を入力して、ディジタルデータを出力しない。また、AD機能を動作させない場合、この信号を用いて、A/D変換回路部を動作させないことによって省電力化する方法もある。例えば、空読み動作の場合、XWE信号を「Hi」にして、本読み動作の場合、XWE信号を「Lo」にする。
【0052】
図6は、X線の照射が開始される前のアイドリング期間で行っている空読み動作における駆動回路部(シフトレジスタ)のタイミングチャートである。
図6においては、説明の簡単化のため駆動用配線が7本分で記載している。アイドリング期間においては、等間隔で、駆動信号が出力されている。
【0053】
図7は、アイドリング期間内の空読み動作中にX線が照射された場合のタイミングチャートである。
図7では、3本目の駆動配線に駆動信号(Vg3)が出力された後に、X線の照射が開始されている。この段階で、4本目の駆動配線には駆動信号(Vg4)が通常のタイミングで出力されず、空読み動作を中止している。X線の照射の終了後に、4本目の駆動配線に駆動信号(Vg4)が出力される。この段階は、もはや空読みではなく、X線による画像情報が含まれており本読み動作として扱われる。最後の7本目の駆動配線に駆動信号(Vg7)が出力された後に、同様のシーケンスで1本目から3本目までの駆動配線に駆動信号(Vg1〜Vg3)が出力され、本読み動作のための駆動回路部の信号出力が終了する。
【0054】
図8は、図4におけるシフトレジスタからなる駆動回路部202の構成の一例を示す回路図である。
駆動回路部202は、フリップフロップ回路202a及びアンド回路202bが所定数組み合わされて構成されており、対応するアンド回路202bから駆動配線G1〜GN(図4の例ではG1〜G3)へ駆動信号Vg1〜VgNが出力される。
【0055】
以上説明したように、本実施形態では、アイドリング期間中の空読み動作中において、途中の駆動配線への駆動信号のオンが終了したときにX線の照射の開始がX線検出回路により検出された場合には、次の駆動配線に駆動信号を与える動作を停止する。そしてX線の照射の終了がX線検出回路により検出された後に、停止された駆動配線から駆動信号を与えて本読み動作を開始し、その前の駆動配線まで本読み動作を行う。本実施形態によれば、X線源101とX線撮像装置との間に配線を設けることなく比較的簡易な構成により、取得されるX線画像におけるアーチファクトの発生を抑止し、極めて良質なX線画像を得ることを可能となる。
【0056】
具体的には、放射線技師等による撮影から画像の表示までに殆ど時間を要しないため、患者を待たせることがなく、患者の負担が軽減する。また、例えば1日に撮影できる患者数が増加し、病院内のワークフローが向上する。また、X線発生装置104及びX線回路部130の駆動において、タイミング上の同期をための電気配線を削除することが可能である。このことは、メーカや型式の異なった多数種のX線源と複雑なインターフェースをとることなく、X線源があれば、容易にX線画像を提供できるという長所がある。
【0057】
特に、光電変換装置内にバッテリ及びメモリを搭載すれば、他の機器と電気配線を接続しない、完全なフィルムカセッテのような軽量薄型のX線撮像装置を提供できるという長所がある。これは、特に重症を負った患者やお年寄りのような患者等を撮影する場合、配線がないため手軽にX線撮像装置を患者に配置することができ、撮影行為が容易になる。将来的には、救急車内で怪我人を運搬する時等のように、狭い車内でX線撮影ができるようなX線撮像システムを構成するためのX線撮像装置として使用することも可能である。
【0058】
また、本実施形態によれば、「本読み動作」の読み取りデータには、スイッチ素子に光が照射されない状態で読み出されるために、X線画像にTFTのリークや、センサの光応答電流等によるアーチファクトを生じさせない効果がある。
【0059】
即ち、本実施形態は、放射線源と放射線撮像装置側との間に配線を設けなくて済み、かつ、アーチファクトのない良質なX線画像を得る軽量薄型の放射線撮像装置及びシステムを提供できる効果がある。ここで、本実施形態において、空読み動作と読み出し動作を用いて説明を行ったが、本発明はそれに限定されるものではない。例えば、読出し動作の後に、空読み動作または本読み動作と同様の変換回路部201、読出回路部207、駆動回路部202の動作で、変換回路部201の暗出力を取得する暗出力読み動作を行ってもよい。
【0060】
(実施形態2)
図9は、駆動信号がオンしている時にX線の照射が開始された場合のタイミングチャートであり、本発明の実施形態2を示す図である。
図9では、Vg3の駆動信号がオンしている最中に、X線照射が開始されている。本実施形態では、Vg4の駆動信号は、X線照射の終了後に、図7と同様のそのままのパルス幅及びタイミングで、本読み動作として動作を開始させている。この場合、Vg3の駆動信号とX線照射が重なった部分のX線画像情報分がVg3の画像から失われることになる。しかしながら、X線照射時間が駆動信号のパルス幅に比べて、充分長い時間に設定していれば、その誤差量は無視し得る程度に小さい。それでも、後に得られるX線画像上に横スジ状のアーチファクトになった場合、該当する信号(Vg3)の信号を係数倍することにより簡単にこれを補正することが可能である。以上説明したように、本実施形態では、アイドリング期間中の空読み動作中において、途中の駆動配線に駆動信号が与えられているときにX線の照射の開始がX線検出回路により検出された場合には、次の駆動配線に駆動信号を与える動作を停止する。そしてX線の照射の終了がX線検出回路により検出された後に、停止された駆動配線から駆動信号を与えて本読み動作を開始し、その前の駆動配線まで本読み動作を行う。
【0061】
(実施形態3)
図10は、駆動信号がオンしている時にX線の照射が開始された場合のタイミングチャートであり、本発明の実施形態3を示す図である。
図10では、Vg3の駆動信号がオンしている最中に、X線照射が開始されている。本実施形態では、Vg3の駆動信号は、X線照射開始とともにほぼ同時に強制的にオフさせる。この方法によれば、例えば図8におけるOE信号をオフさせることにより容易に達成させることができる。Vg4の駆動信号は、X線照射の終了後に、図7と同様のタイミングで、本読み動作として動作を開始させている。本実施形態の場合、Vg3の駆動用信号とX線照射が重なった部分は極めて少ないため、実施形態2で見られたような、X線画像情報が失われることがない。以上説明したように、本実施形態では、アイドリング期間中の空読み動作中において、途中の駆動配線に駆動信号が与えられているときにX線の照射の開始がX線検出回路により検出された場合には、その駆動配線に駆動信号を与える動作を停止する。そしてX線の照射の終了がX線検出回路により検出された後に、停止された駆動配線の次の駆動配線から駆動信号を与えて本読み動作を開始し、停止された駆動配線まで本読み動作を行う。
【0062】
(実施形態4)
図11は、本発明の実施形態4を示すタイミングチャートであり、本発明の実施形態4を示す図である。このタイミングチャートでは、アイドリング動作期間内の空読み動作中にX線が照射された場合を例示する。
図11では、図7と同様に、3本目の駆動配線に駆動信号(Vg3)が出力された後に、X線の照射が開始されている。この段階で、4本目の駆動配線に駆動信号(Vg4)が通常のタイミングで出力されず、空読み動作を中止している。X線の照射の終了後に、図7では4本目の駆動配線に駆動信号(Vg4)が出力されるが、本実施形態の図11では、1本目の駆動配線に与えられる駆動信号(Vg1)から出力されている。X線照射の終了後の読み出し動作は、空読み動作ではなく、X線による画像情報が含まれているため、本読み動作として扱われる。最後の7本目の駆動配線に駆動信号(Vg7)が出力されて、駆動用回路部の信号出力が終了する。
【0063】
本実施形態では、空読み動作におけるVg3の駆動信号が出力された後から本読み動作におけるVg1の駆動用信号が出力されるまでの間(例えばX線が照射されている間)、駆動回路部をリセットしなければならない。駆動回路部のリセットの方法としては、例えば、図8に示すようなシフトレジスタを駆動回路部として用いた場合では、Sclkに多数のパルス列を入力することにより容易にリセットされる。
【0064】
本実施形態では、アイドリング期間中の空読み動作中において、途中の駆動配線への駆動信号のオンが終了したときにX線の照射の開始がX線検出回路により検出された場合には、次の駆動配線に駆動信号を与える動作を停止する。そしてX線の照射の終了がX線検出回路により検出された後に、1行目の駆動配線から駆動信号を与えて本読み動作を開始し、最後の行の駆動配線まで本読み動作を行う。本実施形態では、本読み動作が、最初の駆動配線(Vg1)から行われるために、X線の照射開始がいかなるタイミングで行われても、画像データの並べ替えがないため、システムを簡略化できる長所がある。
【0065】
(実施形態5)
図12は、本発明の実施形態5を示すX線撮像装置の機械的な概要を示す模式図である。図13は、図12の内部構成を示すブロック図である。
図12、図13において、211はシフトレジスタからなる駆動回路部202,シフトレジスタ203等に入力するクロック信号等を生成する駆動回路であるタイミング発生部、212はA/D変換回路部205から出力されるディジタル信号を記憶するメモリである。213はX線撮像装置のバッテリ、214は放射線技師等の手によりX線撮像装置のメイン電源のオン/オフの切り替えを制御する機械的な始動用スイッチである。215はX線撮像装置を持ち運びの際に用いる取手部である。なお、図3、図4に示した部分と同様の部分には同一符号を付している。
【0066】
また、本実施形態では、バッテリ213及びメモリ212を、X線撮像装置に着脱可能な構成とされている。この場合、放電し終えたバッテリ213を新しいものに交換したり、メモリ212で用意しているデータの蓄積容量が満たされたときに、新しいものに交換したりすることで、連続的に使用できるようにしている。
【0067】
なお、ここでは、メモリ212として、例えばハードディスク、光磁気ディスク、RAM(ランダムアクセスメモリ)、USB端子に容易に接続、着脱可能なUSBメモリ等のいずれかを想定している。因みに、メモリ212にRAMを採用する場合には、撮影データが消失しないように、ボタン電池のような電源を必要とする。着脱したRAMは、別機のリーダを介して、コンピュータに撮影データを転送することもできる。USBメモリは、USB端子に簡単に着脱可能であり、別のコンピュータに容易にデータの複写をすることができる。
【0068】
更に、始動用スイッチ214がオフしているときは、X線撮像装置に電源が投入されておらず、これを放射線技師等の手によりオンされると撮像装置130がアイドリング期間の空読み動作に遷移する。そして、X線検出素子150でX線の出射が検出されるまで空読み動作を繰り返すが、放射線技師等によりX線の出射の開始がされる。
【0069】
X線検出素子150がX線の出射の開始を検出すると、その旨の信号が制御部210へ出力される。制御部210では、駆動回路により、タイミング発生部211に撮像装置130を駆動するためのクロック信号等を生成させる。タイミング発生部211は、生成したクロック信号等を撮像装置130側へ出力する。
【0070】
この出力により、空読み動作から蓄積動作に遷移する。そして、X線検出素子によりX線の出射の停止が検知されると、蓄積動作から本読み動作に遷移する。即ち、撮像装置130は、A/D変換回路部205に対してアナログ信号を出力する。A/D変換回路部205は、このアナログ信号を制御部210の命令に応じて、ディジタル信号に変換して、メモリ212に出力する。メモリ212には、出力されたディジタル信号が制御部210の命令に応じて記憶される。
【0071】
そして、本読み動作が終了してから、放射線技師等の手によって始動用スイッチ214がオフされる。また、メモリ212の記憶容量が複数フレーム分準備すれば、始動用スイッチ214をオフせずに、本読み終了後、撮像装置130を空読み動作に遷移させて、2枚目のX線画像を撮影することもできる。この動作を繰り返すことにより動画撮影を行うことができる。
【0072】
なお、上記の動作中には、バッテリ213から、シャーシ160内のX線回路部130、X線検出素子150、制御部210、タイミング発生部211、A/D変換回路部205、メモリ212に電力が供給されている。そして、メモリ212やバッテリ213は上記のように必要に応じて交換すればよい。
【0073】
(実施形態6)
図14は、本発明の実施形態4におけるX撮像装置のX線診断システムへの適用例を示した概略図である。
X線チューブ(X線源)6050で発生したX線6060は、患者あるいは被験者6061の胸部6062を透過し、放射線撮像装置(イメージセンサ)6040に入射する。この入射したX線には、被験者6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に対応して蛍光体で可視光に変換し、更に、これを光電変換して電気信号を得る。この電気信号は、ディジタル変換されてイメージプロセッサ6070により画像処理され、制御室のディスプレイ6080で観察される。
【0074】
また、この画像情報は、電話回線6090等の伝送手段により遠隔地へ転送することができ、ドクタールーム等の別の場所でディスプレイ6081に表示もしくは光ディスク等の保存手段に保存することができ、遠隔地の医師が診断することも可能である。また、この画像情報をフィルムプロセッサ6100によりフィルム6110に記録することもできる。
【0075】
(本発明を適用した他の実施形態)
上述した緒実施形態によるX線撮像システムを構成する各構成要素(制御部170等)の機能は、当該X線撮像システムに内蔵されているコンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。同様に、図1,図5,図6,図7,図9,図10,図11等を用いて説明したX線撮像方法の手順は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
【0076】
具体的に、前記プログラムは、例えばCD−ROMのような記録媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。前記プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM以外に、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード、メモリスティック等を用いることができる。他方、前記プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワークシステムにおける通信媒体を用いることができる。ここで、コンピュータネットワークとは、LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等であり、通信媒体とは、光ファイバ等の有線回線や無線回線等である。
【0077】
また、本発明に含まれるプログラムとしては、供給されたプログラムをコンピュータが実行することにより上述の実施形態の機能が実現されるようなもののみではない。例えば、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にも、かかるプログラムは本発明に含まれる。また、供給されたプログラムの処理の全て或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて上述の実施形態の機能が実現される場合にも、かかるプログラムは本発明に含まれる。
【0078】
例えば、図17は、パーソナルユーザ端末装置の内部構成を示す模式図である。この図17において、1200はCPU1201を備えたパーソナルコンピュータ(PC)である。PC1200は、ROM1202またはハードディスク(HD)1211に記憶された、又はフレキシブルディスクドライブ(FD)1212より供給されるデバイス制御ソフトウェアを実行する。このPC1200は、システムバス1204に接続される各デバイスを総括的に制御する。
【0079】
PC1200のCPU1201、ROM1202またはハードディスク(HD)1211に記憶されたプログラムにより、実施形態1〜6のX線撮像方法の各手順等が実現される。
【0080】
1203はRAMであり、CPU1201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。1205はキーボードコントローラ(KBC)であり、キーボード(KB)1209や不図示のデバイス等からの指示入力を制御する。
【0081】
1206はCRTコントローラ(CRTC)であり、CRTディスプレイ(CRT)1210の表示を制御する。1207はディスクコントローラ(DKC)である。DKC1207は、ブートプログラム、複数のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイルそしてネットワーク管理プログラム等を記憶するハードディスク(HD)1211、及びフレキシブルディスク(FD)1212とのアクセスを制御する。ここで、ブートプログラムとは、起動プログラム:パソコンのハードやソフトの実行(動作)を開始するプログラムである。
【0082】
1208はネットワーク・インターフェースカード(NIC)で、LAN1220を介して、ネットワークプリンタ、他のネットワーク機器、あるいは他のPCと双方向のデータのやり取りを行う。
【符号の説明】
【0083】
101:X線源
102:X線を可視光等の光に変換する蛍光体
103:検出体(患者)
104:X線発生装置
105:スイッチ(曝射ボタン)
120:フィルム
130:撮像装置
140:制御部
150:X線検出回路(X線検出素子)
160:シャ−シ
170:制御部
S1−1〜S3−3:光電変換素子
T1−1〜T3−3:スイッチ素子
G1〜G3:ゲート駆動用配線
M1〜M3:信号配線
201:光電変換回路部
202:駆動回路部
203:シフトレジスタ
204:オペアンプ
205:A/D変換回路部
206:バイアス電源
207:読出回路部
CL1〜CL3:信号配線の容量
A1〜A3:アンプ
C1〜C3:サンプルホールド用コンデンサ
Sr1〜Sr3:読み出し用スイッチ
B1〜B3:アンプ
210:制御部
211:タイミング発生部
212:メモリ
213:バッテリ
214:始動用スイッチ
215:取手部
6040:イメージセンサ
6050:X線チューブ(X線源)
6060:X線
6061:被験者
6070:イメージプロセッサ
6080:ディスプレイ
6081:ディスプレイ
6100:フィルムプロセッサ
6110:フィルム
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用の診断や工業用の非破壊検査に用いて好適な放射線撮像装置、システム及び方法、並びにプログラムに関する。なお、本明細書では、X線、γ線等の電磁波やα線、β線も放射線に含めるものとして説明する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院内等に設置されているX線撮影システムは、患者にX線を照射させ、患者を透過したX線をフィルムに露光するアナログ方式と、患者を透過したX線を電気信号に変換して蓄積等するディジタル方式とがある。
【0003】
図15は、従来のアナログ方式のX線撮影システムの模式的な構成を示すブロック図である。
図15において、101はX線を照射するX線源、104はX線源101から出射するX線を発生させるX線発生装置、105は放射線技師等により開閉操作がなされるX線の照射を制御するスイッチ(曝射ボタン)である。120は患者等である検出体102のX線情報を記録するフィルム、103は検出体102を透過したX線を可視光等の光に変換する蛍光体である。
【0004】
フィルム120はX線波長領域に感度を有さないため、フィルム方式では、フィルム120と検出体102との間に蛍光体103を配置している。フィルム120は蛍光体103で変換された可視光等の強度を感知することによって検出体102のX線情報として画像を形成する。
【0005】
蛍光体103は、フィルム120でのX線画像の先鋭度を低下させないために、フィルム120と密着させた状態で撮影される。蛍光体103は、フィルム120の前後に2枚配置させ、良質なX線画像を得るための工夫がなされている。
【0006】
図16は、従来のディジタル方式のX線撮影システムの模式的な構成を示すブロック図である。
図16に示すX線撮像システムは、図15のフィルム120に代えて、検出体102を透過したX線を電気信号に変換するCCD撮像素子及びMOS型撮像素子、アモルファスシリコンを用いた撮像素子等を備えた撮像装置130を設ける。更に、スイッチ105の開閉に従って送信される制御信号に応じて撮像部130の駆動を制御する制御部140を設けている。なお、図16において、図15で示した部分と同様の部分には、同一符号を付している。
【0007】
図16に示すX線撮像システムにおいて、放射線技師等によりスイッチ105が無作為に閉じられた場合には、以下のように対処する。即ち、撮像装置130の駆動の開始とX線の出射とのタイミングが整合するように、X線発生装置104から制御部140に対して、同期をとるように制御信号が送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−181942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、アナログ方式のX線撮像システムでは、患者のX線情報を医師等が診察に用いる場合には、フィルム内の患者のX線情報を現像する必要があり、放射線技師の撮影から医師の診察までに現像時間を必要とする。また、面倒な現像廃液の処理や、フィルムの保管するためのスペースの確保を強いられる。撮影中に患者が動いた時や、何らかの理由で露光量にエラーがあった時等、再撮影が必要となり、更に時間がかってしまうといった問題点を有する。
【0010】
一方、ディジタル方式のX線撮像システムでは、X線発生装置104から制御部140に対して、同期をとるように制御信号を送信するため、これらを配線で接続している。これは、特にフィルムカセッテのような軽量薄型の撮像装置として使用する場合、撮影の際に、その配線が邪魔になり、持ち運びが容易ではなく、撮影効率を悪くする場合があった。
【0011】
また、X線発生装置のメーカと撮像装置のメーカとが異なる場合には、制御信号の送受信を可能とするために、インターフェース回路の用意が必要な場合があった。更に、病院への設置後において、例えば使用していたX線源を他のメーカのものに変更する場合や、X線源を買い換える場合等で以下のような問題が生じる。即ち、新たなX線源と制御部との間で、制御信号の送受信を可能とするためのインターフェースが新規に必要となる場合があり、数多くのインタ−フェースを準備しなくてはならない。
【0012】
また、例えば救急車内等のようにスペースが限られている空間や撮影室の面積が狭い病院等において、X線撮影を容易にするためには、持ち運び可能であって軽量薄型のカセッテが便利であると考えられる。この際、極力電気配線を用いないX線撮像システムが要望されると思われる。
【0013】
特許文献1において、X線発生装置と撮像装置との間に、電気配線を接続することなしに、X線画像を撮影できる方法が開示されている。この方法では、特許文献1の図9に示されているように、撮像素子の第1の読み取り動作である「本読み動作」を安定に行うために必要なアイドリング期間(パネルに電源を投入してから撮影が開始されるまでの期間)中にX線照射の開始を検知した場合には、撮像素子は蓄積モードに遷移する。X線の終了を検知した場合には、「本読み動作」を行うものである。また、特許文献1の図10に示されているように、アイドリング期間中に複数回行う第2の読み取り動作である「空読み動作」の途中で、X線照射が開始されることが多い。その場合には、X線照射が開始された後の「空読み動作」における情報もX線画像情報として用いている。
【0014】
しかしながら、「空読み動作」の途中でX線が照射された場合の読み取りデータは、スイッチ素子に光が照射された状態で読み出し動作が行われるために、スイッチを介したリーク現象が発生し、正確な画像信号を示さないという問題がある。特に、X線照射が終了した後に読み出される「本読み動作」の読み取りデータは、スイッチ素子に光が照射されない状態で読み出される。そのため、前述の「空読み動作」におけるデータとの差異が生じ、最終的に得られたX線画像にアーチファクトを生じさせるといった問題が発生する。
【0015】
また、撮像素子として、特にアモルファス材料からなる光電変換素子を用いた場合、光応答特性を有する。X線の照射を終了した後においては、理想的には、電流が流れないことが望まれるが、実際上では若干の電流が流れ、それは時間経過とともに緩和する。X線照射後の「本読み動作」は、それらが緩和してから後に行うのが望ましい。
【0016】
しかしながら、特許文献1には、「空読み動作」の途中でX線の照射が開始された場合に、それ以降の「空読み動作」の画像データには、光応答による電流成分が含まれている。そのため、X線の照射が終了した後の「本読み動作」の画像データとは光応答による電流成分が異なり、最終的に得られたX線画像にアーチファクトを生じさせるといった問題も発生する。
【0017】
本発明は、上記の諸問題に鑑みてなされたものであり、放射線源と放射線撮像装置との間に配線を設けることなく比較的簡易な構成により、取得される放射線画像におけるアーチファクトの発生を抑止し、極めて良質な放射線画像を得ることを可能とする軽量薄型の放射線撮像装置、放射線撮像システム及び放射線撮像方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の放射線撮像装置は、放射線源から照射された放射線を電気信号に変換する放射線撮像手段と、前記放射線撮像手段を駆動する駆動手段と、前記放射線源からの放射線の照射の有無を検知する放射線検知手段と、前記放射線撮像手段から電気信号を読み出す信号読出手段と、前記駆動手段、前記放射線検知手段及び前記信号読出手段の各動作を制御する制御手段とを含み、前記制御手段は、前記放射線検知手段により放射線の照射を検知した場合に前記駆動手段を作動させて得た電気信号を前記信号読出手段から読み出す第1の読み出し動作と、前記放射線検知手段により放射線の非照射を検知した場合に前記駆動手段を作動させて得た電気信号を前記信号読出手段から読み出す第2の読み出し動作とを選択的に実行し、前記第2の読み出し動作時において、前記放射線検知手段により放射線の照射が検知されたときに、前記第2の読み出し動作から前記第1の読み出し動作に切り換える。
【0019】
本発明の放射線撮像システムは、放射線源と、前記放射線源から照射された放射線を撮像するための上記の放射線撮像装置とを含む。
【0020】
本発明の放射線撮像方法は、放射線源から照射された放射線を放射線撮像装置の放射線撮像手段により電気信号に変換して放射線画像を撮像する放射線撮像方法であって、前記放射線撮像装置に設けられた放射線検知手段によって放射線の照射を検知した場合に前記放射線撮像装置に設けられた駆動手段により前記放射線撮像手段を駆動して前記放射線撮像装置に設けられた信号読出手段に電気信号を読み出す第1の読み出し動作と、前記放射線検知手段によって放射線の非照射を検知した場合に前記駆動手段により前記放射線撮像手段を駆動して前記信号読出手段に電気信号を読み出す第2の読み出し動作とを選択的に実行し、前記第2の読み出し動作時において、放射線の照射が検知されたときに、前記第2の読み出し動作から前記第1の読み出し動作に切り換える。
【0021】
本発明のプログラムは、放射線源から照射された放射線を放射線撮像装置の放射線撮像手段により電気信号に変換して撮像する放射線撮像を前記放射線撮像装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、前記放射線撮像装置に設けられた放射線検知手段によって放射線の照射を検知した場合に前記放射線撮像装置に設けられた駆動手段により前記放射線撮像手段を駆動して前記放射線撮像装置に設けられた信号読出手段に電気信号を読み出す第1の読み出し動作と、前記放射線検知手段によって放射線の非照射を検知した場合に前記駆動手段により前記放射線撮像手段を駆動して前記信号読出手段に電気信号を読み出す第2の読み出し動作とを選択的に実行するに際して、前記第2の読み出し動作時において、放射線の照射が検知されたときに、前記放射線撮像装置の動作が前記第2の読み出し動作から前記第1の読み出し動作に切り換えるように実行させる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、放射線源と放射線撮像装置との間に配線を設けることなく比較的簡易な構成により、取得される放射線画像におけるアーチファクトの発生を抑止し、極めて良質な放射線画像を得ることを可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態1を示すタイミングチャートである。
【図2】X線発生装置における曝射ボタンの模式図である。
【図3】本発明の実施形態1を示すX線撮像システムの概念図である。
【図4】図3のX線回路部及びその周辺の回路図である。
【図5】図4に示すX線回路部の動作を示すタイムチャートである。
【図6】X線の照射が開始される前のアイドリング期間内の空読み動作における駆動用回路部(シフトレジスタ)のタイミングチャートである。
【図7】アイドリング期間内の空読み動作中にX線が照射された場合のタイミングチャートである。
【図8】図4における駆動用回路部(シフトレジスタ)の構成の一例を示す回路図である。
【図9】本発明の実施形態2を示しており、駆動用信号がオンしている時にX線の照射が開始された場合のタイミングチャートである。
【図10】本発明の実施形態3を示しており、駆動用信号がオンしている時にX線の照射が開始された場合のタイミングチャートである。
【図11】本発明の実施形態4を示しており、アイドリング動作期間内の空読み動作中にX線が照射された場合のタイミングチャートである。
【図12】本発明の実施形態5を示すX線撮像装置の機械的な概要を示す模式図である。
【図13】図12の内部構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施形態6におけるX撮像装置のX線診断システムへの適用例を示した概略図である。
【図15】従来のアナログ方式のX線撮影システムの模式的な構成を示すブロック図である。
【図16】従来のディジタル方式のX線撮影システムの模式的な構成を示すブロック図である。
【図17】X線撮像システムに内蔵されたコンピュータの内部構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
−本発明の基本骨子−
図1は、本発明のX線撮像装置における動作のタイミングチャートである。
アイドリング期間とは、放射線、ここではX線撮像素子(センサ)が撮影期間に良好な撮影を行うための準備期間である。この期間においては、X線撮像素子は、第2の読み取り動作である空読み動作を繰り返し行っている。空読み動作とは、X線撮像素子において絶えず流れ出る暗電流成分を読み出す動作のことである。空読み動作を行うことによって、暗電流成分が除去される。特にアイドリング期間の冒頭では、X線撮像素子にバイアスを与えられた直後であるために暗電流成分が大きい。通常、この空読み動作は、暗電流安定のために、数回から数十回繰り返されている。アイドリング期間中に、X線源を操作する撮影者(一般にはX線技師)によって、X線を出射するための信号、即ち撮影要求の信号が発せられ、その後、X線が出射する。
【0025】
撮影者による撮影要求信号の発生タイミングは、図2に示すように、一般的には手指で曝射ボタンを押下することによる撮影者の意志に基づく操作であるために、一定間隔で動作シーケンスを繰り返しているセンサの空読み動作には同期しない。
【0026】
本発明では、図1に示すように、X線源からのX線照射の開始に同期して、空読み動作を中止し、その後、撮影期間に遷移して第1の読み出し動作である本読み動作を実行する。従来技術においては、撮影要求を受けてから、その時点で行っている空読み動作を一通り走査させた後にX線の照射を開始しているために、曝射要求があってからX線が出射するまでに遅延(ディレイ)が発生し、撮影チャンスを逃す問題がある。また、X線発生のためのシーケンスを制御するためにX線源や放射線撮像装置は電気配線で接続する必要があった。これに対して本発明においては、X線検出部を設けて、X線照射の開始を検出することにより、空読み動作を中止する制御を行うため、特にX線源と放射線撮像装置とを配線により電気的に接続する必要がない。
【0027】
また、X線が開始されると同時に、アイドリング期間から撮影期間に遷移し、X線照射の終了を検知して本読み動作を行うため、曝射要求があってからX線が出射するまでのディレイ時間を小さくすることができる。
図1中で「D」で示しているように、X線撮像素子の光応答特性等を考慮して、X線照射の終了から本読み動作の開始までの間に遅延時間を設けてよい。もちろん、光応答特性等がない場合、遅延時間を設けず、X線照射の終了を検知して、直後に本読み動作を開始するようにしてもよい。
【0028】
−本発明を適用した具体的な緒実施形態−
以下、本発明の緒実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0029】
(実施形態1)
図3は、本発明の実施形態1によるX線撮像システムの概略構成を示す模式図である。
図3において、101はX線を出射するX線源、104はX線源101から出射するX線を発生させるX線発生装置、105はX線技師等により開閉操作がなされるX線の照射を制御するスイッチ(被曝射ボタン)であり、図2で示すような形状である。103は検出体102を透過したX線を可視光等の光に変換する波長変換体として機能する蛍光体である。130は主に変換回路部、駆動回路部、信号読出回路部で構成される撮像装置である。変換回路部は、蛍光体103で変換された光を電気信号に変換する光電変換素子が複数マトリクス状に配設されてなるものである。駆動回路部は、変換回路部を駆動するものである。読出回路部は、変換回路部から電気信号を読み出すものである。蛍光体103と撮像装置130とを併せてX線撮像装置とも呼ばれる。
【0030】
150はX線源101からのX線照射の有無(照射開始及び照射終了)を検出するためのX線検出回路である。170はX線検出回路150の検出結果に応じて撮像装置130を種々のモードで駆動させる駆動回路を内蔵するとともに該駆動回路を制御する制御部である。160はシャーシであり、蛍光体103、X線回路部130、後述する制御部170及びX線検出素子150が搭載され、X線を透過し易いアルミニウムやステンレス等の金属からなるものである。
【0031】
また、蛍光体103は、Gd2O2S、Gd2O3、CsI等のいずれかを主成分としており、発光中心としてのTb(テルビウム)やTl(タリウム)等が微量に含まれている。具体的には、Gd2O2S:Tb、CsI:Tl等である。蛍光体103は、検出体102を透過したX線を、X線透過量の多少に対応した可視光に変換する。変換された光は、X線回路部130側へ送られ電気信号に変換される。この電気信号は検出体102のX線透過像を表している。
【0032】
ここで、図3では波長変換体である蛍光体103と複数の光電変換素子を有する撮像装置130とをあわせてX線撮像装置を構成しているが、本発明はそれに限定されるものではない。波長変換体を用いることなく、変換回路部の光電変換素子の代わりに、放射線を吸収して直接的に電気信号に変換する直接変換型のX線変換素子を用いて撮像装置を構成しても良い。このX線変換素子としては、例えば、ヨウ化鉛、ヨウ化水銀、セレン、テルル化カドミウム、ガリウムヒ素、ガリウム燐、硫化亜鉛、及びシリコンのうちから選ばれた1種の材料を主成分として構成される。
【0033】
なお、図3においては、表現の都合上、X線源101から出射されたX線が直接、X線検出回路150に入射しているように図示しているが、X線検出回路150を撮像装置130の近傍に設ければ、検出体102を介して入射する場合もある。
【0034】
X線源101から出射されたX線は、検出体102及びX線検出回路150にそれぞれ照射され、検出体102を透過したX線は蛍光体103に到達する。X線検出回路150は、X線を入射すると、X線源101からX線が出射されたことを検出して、その旨の信号を制御部170へ出力する。
【0035】
制御部170は、撮像装置130の主構成要素である変換回路部、駆動回路部、読出回路部の各動作を制御するものである。制御部170は、空読み動作と本読み動作とを選択的に実行する。そして、X線検出回路150によってX線の照射の開始が検出されると、それに対応してアイドリング動作期間内の変換回路部の空読み動作を中止し、撮影期間に遷移する。撮影期間においては、X線検出回路150によってX線の照射の終了が検知されると、それに対応して変換回路部(センサ)の本読み動作を行う。空読み動作及び本読み動作の詳細については後述する。
【0036】
図4は、図3の撮像装置130及びその周辺の回路図である。
ここでは、2次元に光電変換素子を配列したものを例に説明する。なお、説明を簡単化するために、図4においては3×3の合計9画素で構成しているが、実際には、必要なセンサの大きさに応じた数の光電変換素子が配列されている。例えば、医療用の胸部X線撮像装置の場合には、有効領域で40cm以上、画素数としては画素ピッチ200μmで、2000×2000画素以上を配列するようにしている。
【0037】
また、S1−1〜S3−3は、可視光を受光して、これを電気信号に変換するための光電変換素子である。T1−1〜T3−3は、S1−1〜S3−3で光電変換された信号電荷をマトリクス信号配線M1〜M3側へ転送するためのスイッチ素子である。本実施形態においては、1つの画素は、1つの光電変換素子と1つのスイッチ素子によって構成されている。G1〜G3は、スイッチ素子T1−1〜T3−3に接続されたスイッチのゲート駆動用の駆動配線である。
【0038】
マトリクス信号配線M1には、スイッチ素子の電極間容量(Cgs)の3個分の容量が転送終了時において付加されていることと等価であり、図4では容量素子CL1として表記している。他のマトリクス信号配線M2、M3についても同様であり、CL2、CL3として表記している。
【0039】
光電変換素子S1−1〜S3−3と、スイッチング素子T1−1〜T3−3と、駆動配線G1〜G3と、マトリクス信号配線M1〜M3とを備えて変換回路部201が構成されており、所期の絶縁基板上に配置されている。絶縁基板は図4では図示していない。シフトレジスタ(SR1)からなる駆動回路部202は、スイッチ素子T1−1〜T3−3のオン/オフを駆動制御している。
【0040】
光電変換素子S1−1〜S3−3に入射した光は、そこで電気信号に変換され、それぞれの電極間容量に蓄積される。これらの電気信号は、転送用スイッチT1−1〜T3−3及びマトリクス信号配線M1〜M3を通じて、並列の電圧出力となる。
【0041】
更に、読出回路部207により直列信号となり、アナログ/ディジタル変換器であるA/D変換回路部205へ出力され、ここでアナログ信号からディジタル信号に変換される。図4の光電変換装置においては、総画素数9ビットの光電変換素子を3ビットずつまとめて3行に分割している。上述の各動作は、順次この行単位で行われる。
【0042】
図5は、図4に示す撮像装置130の動作を示すタイムチャートである。
第1行の光電変換素子S1−1〜S1−3に入射した光は、電気信号に変換され信号電荷として、それぞれの電極間容量に蓄積される。一定の蓄積時間を経過した後、駆動回路部202より駆動配線G1に転送用の電圧パルス(駆動信号)が出力され、転送用スイッチ素子T1−1〜T1−3をオン状態に切り換える。
【0043】
この切り換えにより、光電変換素子S1−1〜S1−3内の電極間容量に蓄えられていた信号電荷が、マトリクス信号配線M1〜M3で形成されたそれぞれの容量CL1〜CL3に転送される。この転送により、CL1〜CL3の電位V1〜V3は、信号の電荷量分だけ高くなる(転送動作)。
【0044】
次に、容量CL1〜CL3の信号は、SMPL信号をオンすることにより、読出回路部207内のサンプルホールド用コンデンサC1〜C3に転送される。この時、容量CL1〜CL3の信号は、それぞれアンプA1〜A3により増幅される。
【0045】
SMPL信号をオフすることにより、サンプルホールド用コンデンサC1〜C3の信号電荷はホールドされる。SMPL信号をオフした後、容量CL1〜CL3は、CRES信号によりリセットされ、次のラインの転送動作が行われることになる。
【0046】
サンプルホールドされたサンプルホールド用コンデンサC1〜C3の第1行の信号は、シフトレジスタ(SR2)203より電圧パルスを順次与えて読み出し用スイッチSr1〜Sr3を順次オン状態に切り換える。これらの動作により、アンプB1〜B3を介し直列信号に変換し、オペアンプ204によりインピーダンス変換後に3画素分の信号をA/D変換回路部205でディジタル変換された後、放射線撮像装置の外部へ出力する(読出動作)。
【0047】
以下、駆動回路部202によって駆動配線G2、G3に駆動信号を順次印加することにより、上述の動作を繰り返して全画素のデータを出力する。3行分の光電変換された信号が繰り返し読み出される。
【0048】
図4、図5では、9画素分で表記しているが、更に多数の画素があっても動作は同様である。サンプルホールド用コンデンサC1〜C3を設けることにより、n行の読み出し動作と、n+1行の転送動作は、同じ期間に行うことができる。
【0049】
次に、空読み動作及び本読み動作について説明する。
空読み動作及び本読み動作は、図4及び図5を用いて説明した光電変換素子の動作において何ら変わりない。即ち、変換回路部201、読出回路部207、駆動回路部202の動作上は何ら変わらない。空読み動作と本読み動作との違いとしては、X線画像情報を採取する上で必要な画像データを得るための動作を本読み動作と称し、X線画像情報を有さない画像データを読み出す動作を空読み動作と称している。
【0050】
換言すれば、X線を照射する前の読み出し動作を空読み動作と称し、X線を照射した後の読み取り動作を本読み動作としている。空読み動作は、X線撮影を行う前の準備段階であるアイドリング期間に複数回、繰り返し読み出し動作を行っている動作である。ここで、読み出し動作と便宜上呼んでいるが、これは駆動回路部202や読出回路部207を用いて、本読み動作と同じ動作を行っていることによるものであり、X線画像を構成するデータの読み出しを意図するものではない。
【0051】
例えば、図4におけるアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換回路部205に、XWE信号が入力されている。このXWE信号は、A/D変換機能を動作させるか否かを選択する信号であり、A/D機能を動作させる場合、「Lo」信号を入力して、ディジタルデータを出力する。A/D機能を動作させない場合、「Hi」信号を入力して、ディジタルデータを出力しない。また、AD機能を動作させない場合、この信号を用いて、A/D変換回路部を動作させないことによって省電力化する方法もある。例えば、空読み動作の場合、XWE信号を「Hi」にして、本読み動作の場合、XWE信号を「Lo」にする。
【0052】
図6は、X線の照射が開始される前のアイドリング期間で行っている空読み動作における駆動回路部(シフトレジスタ)のタイミングチャートである。
図6においては、説明の簡単化のため駆動用配線が7本分で記載している。アイドリング期間においては、等間隔で、駆動信号が出力されている。
【0053】
図7は、アイドリング期間内の空読み動作中にX線が照射された場合のタイミングチャートである。
図7では、3本目の駆動配線に駆動信号(Vg3)が出力された後に、X線の照射が開始されている。この段階で、4本目の駆動配線には駆動信号(Vg4)が通常のタイミングで出力されず、空読み動作を中止している。X線の照射の終了後に、4本目の駆動配線に駆動信号(Vg4)が出力される。この段階は、もはや空読みではなく、X線による画像情報が含まれており本読み動作として扱われる。最後の7本目の駆動配線に駆動信号(Vg7)が出力された後に、同様のシーケンスで1本目から3本目までの駆動配線に駆動信号(Vg1〜Vg3)が出力され、本読み動作のための駆動回路部の信号出力が終了する。
【0054】
図8は、図4におけるシフトレジスタからなる駆動回路部202の構成の一例を示す回路図である。
駆動回路部202は、フリップフロップ回路202a及びアンド回路202bが所定数組み合わされて構成されており、対応するアンド回路202bから駆動配線G1〜GN(図4の例ではG1〜G3)へ駆動信号Vg1〜VgNが出力される。
【0055】
以上説明したように、本実施形態では、アイドリング期間中の空読み動作中において、途中の駆動配線への駆動信号のオンが終了したときにX線の照射の開始がX線検出回路により検出された場合には、次の駆動配線に駆動信号を与える動作を停止する。そしてX線の照射の終了がX線検出回路により検出された後に、停止された駆動配線から駆動信号を与えて本読み動作を開始し、その前の駆動配線まで本読み動作を行う。本実施形態によれば、X線源101とX線撮像装置との間に配線を設けることなく比較的簡易な構成により、取得されるX線画像におけるアーチファクトの発生を抑止し、極めて良質なX線画像を得ることを可能となる。
【0056】
具体的には、放射線技師等による撮影から画像の表示までに殆ど時間を要しないため、患者を待たせることがなく、患者の負担が軽減する。また、例えば1日に撮影できる患者数が増加し、病院内のワークフローが向上する。また、X線発生装置104及びX線回路部130の駆動において、タイミング上の同期をための電気配線を削除することが可能である。このことは、メーカや型式の異なった多数種のX線源と複雑なインターフェースをとることなく、X線源があれば、容易にX線画像を提供できるという長所がある。
【0057】
特に、光電変換装置内にバッテリ及びメモリを搭載すれば、他の機器と電気配線を接続しない、完全なフィルムカセッテのような軽量薄型のX線撮像装置を提供できるという長所がある。これは、特に重症を負った患者やお年寄りのような患者等を撮影する場合、配線がないため手軽にX線撮像装置を患者に配置することができ、撮影行為が容易になる。将来的には、救急車内で怪我人を運搬する時等のように、狭い車内でX線撮影ができるようなX線撮像システムを構成するためのX線撮像装置として使用することも可能である。
【0058】
また、本実施形態によれば、「本読み動作」の読み取りデータには、スイッチ素子に光が照射されない状態で読み出されるために、X線画像にTFTのリークや、センサの光応答電流等によるアーチファクトを生じさせない効果がある。
【0059】
即ち、本実施形態は、放射線源と放射線撮像装置側との間に配線を設けなくて済み、かつ、アーチファクトのない良質なX線画像を得る軽量薄型の放射線撮像装置及びシステムを提供できる効果がある。ここで、本実施形態において、空読み動作と読み出し動作を用いて説明を行ったが、本発明はそれに限定されるものではない。例えば、読出し動作の後に、空読み動作または本読み動作と同様の変換回路部201、読出回路部207、駆動回路部202の動作で、変換回路部201の暗出力を取得する暗出力読み動作を行ってもよい。
【0060】
(実施形態2)
図9は、駆動信号がオンしている時にX線の照射が開始された場合のタイミングチャートであり、本発明の実施形態2を示す図である。
図9では、Vg3の駆動信号がオンしている最中に、X線照射が開始されている。本実施形態では、Vg4の駆動信号は、X線照射の終了後に、図7と同様のそのままのパルス幅及びタイミングで、本読み動作として動作を開始させている。この場合、Vg3の駆動信号とX線照射が重なった部分のX線画像情報分がVg3の画像から失われることになる。しかしながら、X線照射時間が駆動信号のパルス幅に比べて、充分長い時間に設定していれば、その誤差量は無視し得る程度に小さい。それでも、後に得られるX線画像上に横スジ状のアーチファクトになった場合、該当する信号(Vg3)の信号を係数倍することにより簡単にこれを補正することが可能である。以上説明したように、本実施形態では、アイドリング期間中の空読み動作中において、途中の駆動配線に駆動信号が与えられているときにX線の照射の開始がX線検出回路により検出された場合には、次の駆動配線に駆動信号を与える動作を停止する。そしてX線の照射の終了がX線検出回路により検出された後に、停止された駆動配線から駆動信号を与えて本読み動作を開始し、その前の駆動配線まで本読み動作を行う。
【0061】
(実施形態3)
図10は、駆動信号がオンしている時にX線の照射が開始された場合のタイミングチャートであり、本発明の実施形態3を示す図である。
図10では、Vg3の駆動信号がオンしている最中に、X線照射が開始されている。本実施形態では、Vg3の駆動信号は、X線照射開始とともにほぼ同時に強制的にオフさせる。この方法によれば、例えば図8におけるOE信号をオフさせることにより容易に達成させることができる。Vg4の駆動信号は、X線照射の終了後に、図7と同様のタイミングで、本読み動作として動作を開始させている。本実施形態の場合、Vg3の駆動用信号とX線照射が重なった部分は極めて少ないため、実施形態2で見られたような、X線画像情報が失われることがない。以上説明したように、本実施形態では、アイドリング期間中の空読み動作中において、途中の駆動配線に駆動信号が与えられているときにX線の照射の開始がX線検出回路により検出された場合には、その駆動配線に駆動信号を与える動作を停止する。そしてX線の照射の終了がX線検出回路により検出された後に、停止された駆動配線の次の駆動配線から駆動信号を与えて本読み動作を開始し、停止された駆動配線まで本読み動作を行う。
【0062】
(実施形態4)
図11は、本発明の実施形態4を示すタイミングチャートであり、本発明の実施形態4を示す図である。このタイミングチャートでは、アイドリング動作期間内の空読み動作中にX線が照射された場合を例示する。
図11では、図7と同様に、3本目の駆動配線に駆動信号(Vg3)が出力された後に、X線の照射が開始されている。この段階で、4本目の駆動配線に駆動信号(Vg4)が通常のタイミングで出力されず、空読み動作を中止している。X線の照射の終了後に、図7では4本目の駆動配線に駆動信号(Vg4)が出力されるが、本実施形態の図11では、1本目の駆動配線に与えられる駆動信号(Vg1)から出力されている。X線照射の終了後の読み出し動作は、空読み動作ではなく、X線による画像情報が含まれているため、本読み動作として扱われる。最後の7本目の駆動配線に駆動信号(Vg7)が出力されて、駆動用回路部の信号出力が終了する。
【0063】
本実施形態では、空読み動作におけるVg3の駆動信号が出力された後から本読み動作におけるVg1の駆動用信号が出力されるまでの間(例えばX線が照射されている間)、駆動回路部をリセットしなければならない。駆動回路部のリセットの方法としては、例えば、図8に示すようなシフトレジスタを駆動回路部として用いた場合では、Sclkに多数のパルス列を入力することにより容易にリセットされる。
【0064】
本実施形態では、アイドリング期間中の空読み動作中において、途中の駆動配線への駆動信号のオンが終了したときにX線の照射の開始がX線検出回路により検出された場合には、次の駆動配線に駆動信号を与える動作を停止する。そしてX線の照射の終了がX線検出回路により検出された後に、1行目の駆動配線から駆動信号を与えて本読み動作を開始し、最後の行の駆動配線まで本読み動作を行う。本実施形態では、本読み動作が、最初の駆動配線(Vg1)から行われるために、X線の照射開始がいかなるタイミングで行われても、画像データの並べ替えがないため、システムを簡略化できる長所がある。
【0065】
(実施形態5)
図12は、本発明の実施形態5を示すX線撮像装置の機械的な概要を示す模式図である。図13は、図12の内部構成を示すブロック図である。
図12、図13において、211はシフトレジスタからなる駆動回路部202,シフトレジスタ203等に入力するクロック信号等を生成する駆動回路であるタイミング発生部、212はA/D変換回路部205から出力されるディジタル信号を記憶するメモリである。213はX線撮像装置のバッテリ、214は放射線技師等の手によりX線撮像装置のメイン電源のオン/オフの切り替えを制御する機械的な始動用スイッチである。215はX線撮像装置を持ち運びの際に用いる取手部である。なお、図3、図4に示した部分と同様の部分には同一符号を付している。
【0066】
また、本実施形態では、バッテリ213及びメモリ212を、X線撮像装置に着脱可能な構成とされている。この場合、放電し終えたバッテリ213を新しいものに交換したり、メモリ212で用意しているデータの蓄積容量が満たされたときに、新しいものに交換したりすることで、連続的に使用できるようにしている。
【0067】
なお、ここでは、メモリ212として、例えばハードディスク、光磁気ディスク、RAM(ランダムアクセスメモリ)、USB端子に容易に接続、着脱可能なUSBメモリ等のいずれかを想定している。因みに、メモリ212にRAMを採用する場合には、撮影データが消失しないように、ボタン電池のような電源を必要とする。着脱したRAMは、別機のリーダを介して、コンピュータに撮影データを転送することもできる。USBメモリは、USB端子に簡単に着脱可能であり、別のコンピュータに容易にデータの複写をすることができる。
【0068】
更に、始動用スイッチ214がオフしているときは、X線撮像装置に電源が投入されておらず、これを放射線技師等の手によりオンされると撮像装置130がアイドリング期間の空読み動作に遷移する。そして、X線検出素子150でX線の出射が検出されるまで空読み動作を繰り返すが、放射線技師等によりX線の出射の開始がされる。
【0069】
X線検出素子150がX線の出射の開始を検出すると、その旨の信号が制御部210へ出力される。制御部210では、駆動回路により、タイミング発生部211に撮像装置130を駆動するためのクロック信号等を生成させる。タイミング発生部211は、生成したクロック信号等を撮像装置130側へ出力する。
【0070】
この出力により、空読み動作から蓄積動作に遷移する。そして、X線検出素子によりX線の出射の停止が検知されると、蓄積動作から本読み動作に遷移する。即ち、撮像装置130は、A/D変換回路部205に対してアナログ信号を出力する。A/D変換回路部205は、このアナログ信号を制御部210の命令に応じて、ディジタル信号に変換して、メモリ212に出力する。メモリ212には、出力されたディジタル信号が制御部210の命令に応じて記憶される。
【0071】
そして、本読み動作が終了してから、放射線技師等の手によって始動用スイッチ214がオフされる。また、メモリ212の記憶容量が複数フレーム分準備すれば、始動用スイッチ214をオフせずに、本読み終了後、撮像装置130を空読み動作に遷移させて、2枚目のX線画像を撮影することもできる。この動作を繰り返すことにより動画撮影を行うことができる。
【0072】
なお、上記の動作中には、バッテリ213から、シャーシ160内のX線回路部130、X線検出素子150、制御部210、タイミング発生部211、A/D変換回路部205、メモリ212に電力が供給されている。そして、メモリ212やバッテリ213は上記のように必要に応じて交換すればよい。
【0073】
(実施形態6)
図14は、本発明の実施形態4におけるX撮像装置のX線診断システムへの適用例を示した概略図である。
X線チューブ(X線源)6050で発生したX線6060は、患者あるいは被験者6061の胸部6062を透過し、放射線撮像装置(イメージセンサ)6040に入射する。この入射したX線には、被験者6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に対応して蛍光体で可視光に変換し、更に、これを光電変換して電気信号を得る。この電気信号は、ディジタル変換されてイメージプロセッサ6070により画像処理され、制御室のディスプレイ6080で観察される。
【0074】
また、この画像情報は、電話回線6090等の伝送手段により遠隔地へ転送することができ、ドクタールーム等の別の場所でディスプレイ6081に表示もしくは光ディスク等の保存手段に保存することができ、遠隔地の医師が診断することも可能である。また、この画像情報をフィルムプロセッサ6100によりフィルム6110に記録することもできる。
【0075】
(本発明を適用した他の実施形態)
上述した緒実施形態によるX線撮像システムを構成する各構成要素(制御部170等)の機能は、当該X線撮像システムに内蔵されているコンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。同様に、図1,図5,図6,図7,図9,図10,図11等を用いて説明したX線撮像方法の手順は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
【0076】
具体的に、前記プログラムは、例えばCD−ROMのような記録媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。前記プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM以外に、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード、メモリスティック等を用いることができる。他方、前記プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワークシステムにおける通信媒体を用いることができる。ここで、コンピュータネットワークとは、LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等であり、通信媒体とは、光ファイバ等の有線回線や無線回線等である。
【0077】
また、本発明に含まれるプログラムとしては、供給されたプログラムをコンピュータが実行することにより上述の実施形態の機能が実現されるようなもののみではない。例えば、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にも、かかるプログラムは本発明に含まれる。また、供給されたプログラムの処理の全て或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて上述の実施形態の機能が実現される場合にも、かかるプログラムは本発明に含まれる。
【0078】
例えば、図17は、パーソナルユーザ端末装置の内部構成を示す模式図である。この図17において、1200はCPU1201を備えたパーソナルコンピュータ(PC)である。PC1200は、ROM1202またはハードディスク(HD)1211に記憶された、又はフレキシブルディスクドライブ(FD)1212より供給されるデバイス制御ソフトウェアを実行する。このPC1200は、システムバス1204に接続される各デバイスを総括的に制御する。
【0079】
PC1200のCPU1201、ROM1202またはハードディスク(HD)1211に記憶されたプログラムにより、実施形態1〜6のX線撮像方法の各手順等が実現される。
【0080】
1203はRAMであり、CPU1201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。1205はキーボードコントローラ(KBC)であり、キーボード(KB)1209や不図示のデバイス等からの指示入力を制御する。
【0081】
1206はCRTコントローラ(CRTC)であり、CRTディスプレイ(CRT)1210の表示を制御する。1207はディスクコントローラ(DKC)である。DKC1207は、ブートプログラム、複数のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイルそしてネットワーク管理プログラム等を記憶するハードディスク(HD)1211、及びフレキシブルディスク(FD)1212とのアクセスを制御する。ここで、ブートプログラムとは、起動プログラム:パソコンのハードやソフトの実行(動作)を開始するプログラムである。
【0082】
1208はネットワーク・インターフェースカード(NIC)で、LAN1220を介して、ネットワークプリンタ、他のネットワーク機器、あるいは他のPCと双方向のデータのやり取りを行う。
【符号の説明】
【0083】
101:X線源
102:X線を可視光等の光に変換する蛍光体
103:検出体(患者)
104:X線発生装置
105:スイッチ(曝射ボタン)
120:フィルム
130:撮像装置
140:制御部
150:X線検出回路(X線検出素子)
160:シャ−シ
170:制御部
S1−1〜S3−3:光電変換素子
T1−1〜T3−3:スイッチ素子
G1〜G3:ゲート駆動用配線
M1〜M3:信号配線
201:光電変換回路部
202:駆動回路部
203:シフトレジスタ
204:オペアンプ
205:A/D変換回路部
206:バイアス電源
207:読出回路部
CL1〜CL3:信号配線の容量
A1〜A3:アンプ
C1〜C3:サンプルホールド用コンデンサ
Sr1〜Sr3:読み出し用スイッチ
B1〜B3:アンプ
210:制御部
211:タイミング発生部
212:メモリ
213:バッテリ
214:始動用スイッチ
215:取手部
6040:イメージセンサ
6050:X線チューブ(X線源)
6060:X線
6061:被験者
6070:イメージプロセッサ
6080:ディスプレイ
6081:ディスプレイ
6100:フィルムプロセッサ
6110:フィルム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源から照射された放射線を電気信号に変換する放射線撮像手段と、
前記放射線撮像手段を駆動する駆動手段と、
前記放射線源からの放射線の照射の有無を検知する放射線検知手段と、
前記放射線撮像手段から電気信号を読み出す信号読出手段と、
前記駆動手段、前記放射線検知手段及び前記信号読出手段の各動作を制御する制御手段と
を含み、
前記制御手段は、
前記放射線検知手段により放射線の照射を検知した場合に前記駆動手段を作動させて得た電気信号を前記信号読出手段から読み出す第1の読み出し動作と、前記放射線検知手段により放射線の非照射を検知した場合に前記駆動手段を作動させて得た電気信号を前記信号読出手段から読み出す第2の読み出し動作とを選択的に実行し、
前記第2の読み出し動作時において、前記放射線検知手段により放射線の照射が検知されたときに、前記第2の読み出し動作から前記第1の読み出し動作に切り換えることを特徴とする放射線撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第2の読み出し動作時において、前記放射線検知手段により放射線の照射開始が検知されたときに当該第2の読み出し動作を中止し、前記放射線検知手段により放射線の照射終了が検知されたときに前記第1の読み出し動作を開始することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
【請求項3】
前記放射線撮像手段は、前記放射線源から照射された放射線を電気信号に変換する放射線変換素子が行及び列に複数配設されてなり、
前記制御手段は、前記第2の読み出し動作を中止した後、前記第1の読み出し動作を行う際に、所定行の前記放射線変換素子を選択して前記第1の読み出し動作を開始することを特徴とする請求項2に記載の放射線撮像装置。
【請求項4】
前記放射線変換素子は、放射線を光に変換する波長変換体と、前記波長変換体により変換された光を電気信号に変換する光電変換素子とを備えることを特徴とする請求項3に記載の放射線撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第2の読み出し動作を中止した後、前記第1の読み出し動作を行う際に、前記第2の読み出し動作を中止した行の前記放射線変換素子から前記第1の読み出し動作を開始することを特徴とする請求項3又は4に記載の放射線撮像装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第2の読み出し動作を中止した後、前記第1の読み出し動作を行う際に、前記第2の読み出し動作を中止した行の次の行の前記放射線変換素子から前記第1の読み出し動作を開始することを特徴とする請求項3又は4に記載の放射線撮像装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第2の読み出し動作を中止した後、前記第1の読み出し動作を行う際に、先頭行の前記放射線変換素子から前記第1の読み出し動作を開始することを特徴とする請求項3又は4に記載の放射線撮像装置。
【請求項8】
前記信号読出手段により読み出されたアナログ信号である電気信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換器と、
前記アナログ/ディジタル変換器で変換された電気信号を記憶するメモリと
を更に含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項9】
当該放射線撮像装置を駆動するバッテリを更に含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項10】
放射線源と、
前記放射線源から照射された放射線を撮像するための請求項1〜9のいずれか1項に記載の放射線撮像装置と
を含むことを特徴とする放射線撮像システム。
【請求項11】
放射線源から照射された放射線を放射線撮像装置の放射線撮像手段により電気信号に変換して放射線画像を撮像する放射線撮像方法であって、
前記放射線撮像装置に設けられた放射線検知手段によって放射線の照射を検知した場合に前記放射線撮像装置に設けられた駆動手段により前記放射線撮像手段を駆動して前記放射線撮像装置に設けられた信号読出手段に電気信号を読み出す第1の読み出し動作と、
前記放射線検知手段によって放射線の非照射を検知した場合に前記駆動手段により前記放射線撮像手段を駆動して前記信号読出手段に電気信号を読み出す第2の読み出し動作とを選択的に実行し、
前記第2の読み出し動作時において、放射線の照射が検知されたときに、前記第2の読み出し動作から前記第1の読み出し動作に切り換えることを特徴とする放射線撮像方法。
【請求項12】
前記第2の読み出し動作時において、放射線の照射開始が検知されたときに当該第2の読み出し動作を中止し、放射線の照射終了が検知されたときに前記第1の読み出し動作を開始することを特徴とする請求項11に記載の放射線撮像方法。
【請求項13】
放射線源から照射された放射線を放射線撮像装置の放射線撮像手段により電気信号に変換して撮像する放射線撮像を前記放射線撮像装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記放射線撮像装置に設けられた放射線検知手段によって放射線の照射を検知した場合に前記放射線撮像装置に設けられた駆動手段により前記放射線撮像手段を駆動して前記放射線撮像装置に設けられた信号読出手段に電気信号を読み出す第1の読み出し動作と、
前記放射線検知手段によって放射線の非照射を検知した場合に前記駆動手段により前記放射線撮像手段を駆動して前記信号読出手段に電気信号を読み出す第2の読み出し動作と
を選択的に実行するに際して、
前記第2の読み出し動作時において、放射線の照射が検知されたときに、前記放射線撮像装置の動作が前記第2の読み出し動作から前記第1の読み出し動作に切り換えるように実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
前記放射線撮像装置が、前記第2の読み出し動作時において、放射線の照射開始が検知されたときに当該第2の読み出し動作を中止し、放射線の照射終了が検知されたときに前記第1の読み出し動作を開始するように、前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項1】
放射線源から照射された放射線を電気信号に変換する放射線撮像手段と、
前記放射線撮像手段を駆動する駆動手段と、
前記放射線源からの放射線の照射の有無を検知する放射線検知手段と、
前記放射線撮像手段から電気信号を読み出す信号読出手段と、
前記駆動手段、前記放射線検知手段及び前記信号読出手段の各動作を制御する制御手段と
を含み、
前記制御手段は、
前記放射線検知手段により放射線の照射を検知した場合に前記駆動手段を作動させて得た電気信号を前記信号読出手段から読み出す第1の読み出し動作と、前記放射線検知手段により放射線の非照射を検知した場合に前記駆動手段を作動させて得た電気信号を前記信号読出手段から読み出す第2の読み出し動作とを選択的に実行し、
前記第2の読み出し動作時において、前記放射線検知手段により放射線の照射が検知されたときに、前記第2の読み出し動作から前記第1の読み出し動作に切り換えることを特徴とする放射線撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第2の読み出し動作時において、前記放射線検知手段により放射線の照射開始が検知されたときに当該第2の読み出し動作を中止し、前記放射線検知手段により放射線の照射終了が検知されたときに前記第1の読み出し動作を開始することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
【請求項3】
前記放射線撮像手段は、前記放射線源から照射された放射線を電気信号に変換する放射線変換素子が行及び列に複数配設されてなり、
前記制御手段は、前記第2の読み出し動作を中止した後、前記第1の読み出し動作を行う際に、所定行の前記放射線変換素子を選択して前記第1の読み出し動作を開始することを特徴とする請求項2に記載の放射線撮像装置。
【請求項4】
前記放射線変換素子は、放射線を光に変換する波長変換体と、前記波長変換体により変換された光を電気信号に変換する光電変換素子とを備えることを特徴とする請求項3に記載の放射線撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第2の読み出し動作を中止した後、前記第1の読み出し動作を行う際に、前記第2の読み出し動作を中止した行の前記放射線変換素子から前記第1の読み出し動作を開始することを特徴とする請求項3又は4に記載の放射線撮像装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第2の読み出し動作を中止した後、前記第1の読み出し動作を行う際に、前記第2の読み出し動作を中止した行の次の行の前記放射線変換素子から前記第1の読み出し動作を開始することを特徴とする請求項3又は4に記載の放射線撮像装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第2の読み出し動作を中止した後、前記第1の読み出し動作を行う際に、先頭行の前記放射線変換素子から前記第1の読み出し動作を開始することを特徴とする請求項3又は4に記載の放射線撮像装置。
【請求項8】
前記信号読出手段により読み出されたアナログ信号である電気信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換器と、
前記アナログ/ディジタル変換器で変換された電気信号を記憶するメモリと
を更に含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項9】
当該放射線撮像装置を駆動するバッテリを更に含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項10】
放射線源と、
前記放射線源から照射された放射線を撮像するための請求項1〜9のいずれか1項に記載の放射線撮像装置と
を含むことを特徴とする放射線撮像システム。
【請求項11】
放射線源から照射された放射線を放射線撮像装置の放射線撮像手段により電気信号に変換して放射線画像を撮像する放射線撮像方法であって、
前記放射線撮像装置に設けられた放射線検知手段によって放射線の照射を検知した場合に前記放射線撮像装置に設けられた駆動手段により前記放射線撮像手段を駆動して前記放射線撮像装置に設けられた信号読出手段に電気信号を読み出す第1の読み出し動作と、
前記放射線検知手段によって放射線の非照射を検知した場合に前記駆動手段により前記放射線撮像手段を駆動して前記信号読出手段に電気信号を読み出す第2の読み出し動作とを選択的に実行し、
前記第2の読み出し動作時において、放射線の照射が検知されたときに、前記第2の読み出し動作から前記第1の読み出し動作に切り換えることを特徴とする放射線撮像方法。
【請求項12】
前記第2の読み出し動作時において、放射線の照射開始が検知されたときに当該第2の読み出し動作を中止し、放射線の照射終了が検知されたときに前記第1の読み出し動作を開始することを特徴とする請求項11に記載の放射線撮像方法。
【請求項13】
放射線源から照射された放射線を放射線撮像装置の放射線撮像手段により電気信号に変換して撮像する放射線撮像を前記放射線撮像装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記放射線撮像装置に設けられた放射線検知手段によって放射線の照射を検知した場合に前記放射線撮像装置に設けられた駆動手段により前記放射線撮像手段を駆動して前記放射線撮像装置に設けられた信号読出手段に電気信号を読み出す第1の読み出し動作と、
前記放射線検知手段によって放射線の非照射を検知した場合に前記駆動手段により前記放射線撮像手段を駆動して前記信号読出手段に電気信号を読み出す第2の読み出し動作と
を選択的に実行するに際して、
前記第2の読み出し動作時において、放射線の照射が検知されたときに、前記放射線撮像装置の動作が前記第2の読み出し動作から前記第1の読み出し動作に切り換えるように実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
前記放射線撮像装置が、前記第2の読み出し動作時において、放射線の照射開始が検知されたときに当該第2の読み出し動作を中止し、放射線の照射終了が検知されたときに前記第1の読み出し動作を開始するように、前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−39656(P2012−39656A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235281(P2011−235281)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【分割の表示】特願2005−349879(P2005−349879)の分割
【原出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【分割の表示】特願2005−349879(P2005−349879)の分割
【原出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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