説明

救援システム及び救援指示装置及び救援装置及び対象装置及びコンピュータプログラム及び救援指示方法

【課題】救援サービス提供のコストを下げる。
【解決手段】被救援車14(対象装置、対象移動体)は、バッテリ21(蓄積装置)が蓄積したエネルギーが、目的地までの移動に要するエネルギーに不足する場合に、救援要請信号を送信する。救援サービスセンター1(救援指示装置)は、被救援車14の現在位置と目的地とに基づいて、救援に向かう救援車2(救援装置、救援移動体)と、救援車2が被救援車14に合流する合流地点(ランデブーポイント)とを決定する。救援車2と被救援車14とが合流したのち、被救援車14の目的地へ向かって移動しながら、エネルギーを被救援車14に補給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、移動する対象装置に対して救援サービスを提供する救援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガソリンをエネルギー源として走行する自動車がガス欠により立ち往生した場合に立ち往生した地点まで出張してガソリンを補給したりガソリンスタンドまで牽引したりするなどの救援サービスを提供する救援システムが存在する。
近年、電気エネルギーにより走行する電気自動車が徐々に普及してきている。故障やバッテリー切れによって走行できなくなった電気自動車を救援する救援システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−73363号公報
【特許文献2】特開2005−67499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気自動車を充電できる設備を備えた施設の数は、ガソリンスタンドなどと比べるとまだまだ少ない。このため、長距離走行などにおいて、バッテリー切れしないよう、途中の給電施設で充電をしながら最終目的地へ向かおうとすると、本来の経路に比べて大きく遠回りをしなければいけない可能性がある。このため、任意の地点でバッテリーを充電できる救援サービスへの需要が高まることが予想される。
電気自動車の更なる普及を図るためにも、このような救援サービスをなるべく低コストで提供できることが望まれる。
この発明は、例えば上記のような課題を解決するためになされたものであり、救援サービス提供のコストを下げることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明にかかる救援システムは、
エネルギーを蓄積する蓄積装置と、上記蓄積装置に蓄積されたエネルギーを使って対象移動体を移動させる対象移動装置と、データを処理する対象処理装置と、信号を送信する対象送信装置と、外部から供給されるエネルギーを取り込む取得装置と、必要量算出部と、救援要請送信部と、隊列移動部と、取得蓄積部とを有し、複数の上記対象移動体にそれぞれ搭載された複数の対象装置と、
信号を受信する指示受信装置と、データを処理する指示処理装置と、信号を受信する指示送信装置と、救援要請受信部と、合流地点候補選択部と、対象到着予定算出部と、救援到着予定算出部と、救援装置決定部と、合流地点決定部と、合流指示送信部とを有する救援指示装置と、
信号を受信する救援受信装置と、救援移動体を移動させる救援移動装置と、上記対象装置に対してエネルギーを供給する供給装置と、上記救援移動体の周辺に存在する対象装置を識別する識別装置と、合流指示受信部と、合流移動部と、対象探索部と、救援移動部と、救援供給部とを有し、複数の救援移動体にそれぞれ搭載された複数の救援装置とを備え、
上記必要量算出部は、上記対象処理装置を用いて、目的地までの移動に要するエネルギーを算出し、
上記救援要請送信部は、上記蓄積装置に蓄積されたエネルギーが、上記必要量算出部が算出したエネルギーに不足している場合に、上記対象送信装置を用いて、エネルギーの補給を要請する救援要請信号を、上記救援指示装置に対して送信し、
上記救援要請受信部は、上記指示受信装置を用いて、上記対象装置が送信した救援要請信号を受信し、
上記合流地点候補選択部は、上記救援要請受信部が受信した救援要請信号を送信した対象装置について、上記指示処理装置を用いて、上記対象装置の移動経路上に位置する地点のなかから、複数の候補地点を選択して、合流地点候補とし、
上記対象到着予定算出部は、上記合流地点候補選択部が選択した合流地点候補それぞれについて、上記指示処理装置を用いて、上記対象装置が上記合流地点候補に到着する予定時刻を算出し、
上記救援到着予定算出部は、上記合流地点候補選択部が選択した合流地点候補それぞれについて、上記指示処理装置を用いて、上記複数の救援装置それぞれが上記合流地点候補に到着する予定時刻を算出し、
上記救援装置決定部は、上記指示処理装置を用いて、上記対象到着予定算出部と上記救援到着予定算出部とが算出した予定時刻に基づいて、上記対象装置に対してエネルギーを補給する救援装置を、上記複数の救援装置のなかから決定し、
上記合流地点決定部は、上記指示処理装置を用いて、上記対象到着予定算出部と上記救援到着予定算出部とが算出した予定時刻に基づいて、上記対象装置に対してエネルギーを補給する救援装置が上記対象装置に合流する合流地点を、上記合流地点候補選択部が選択した複数の合流地点候補のなかから決定し、
上記合流指示送信部は、上記指示送信装置を用いて、上記救援装置決定部が決定した救援装置に対して、上記合流地点決定部が決定した合流地点で上記対象装置に合流することを指示する合流指示信号を送信し、
上記合流指示受信部は、上記救援受信装置を用いて、上記救援指示装置が送信した合流指示信号を受信し、
上記合流移動部は、上記救援移動装置を用いて、上記合流指示受信部が受信した合流指示信号が指示する合流地点に向けて上記救援移動体を移動させ、
上記対象探索部は、上記識別装置を用いて、上記救援移動体の周辺に存在する対象装置のなかから、上記救援要請信号を送信した対象装置を探索し、
上記救援移動部は、上記救援要請信号を送信した対象装置を上記対象探索部が発見した場合に、上記救援移動装置を用いて、上記救援要請信号を送信した対象装置と隊列を組み、上記救援要請信号を送信した対象装置の目的地へ向けて上記救援移動体を移動させ、
上記救援供給部は、上記供給装置を用いて、上記救援移動体と隊列を組んだ対象装置に対して、エネルギーを供給し、
上記隊列移動部は、上記対象移動装置を用いて、上記救援装置と隊列を組み、上記目的地へ向けて上記対象移動体を移動させ、
上記取得蓄積部は、上記取得装置を用いて、上記対象移動体と隊列を組んだ救援装置から、エネルギーを取り込み、取り込んだエネルギーを上記蓄積装置に蓄積することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この発明にかかる救援システムによれば、対象装置が、蓄積したエネルギーが目的地までの移動に要するエネルギーに不足している場合に救援を要請し、移動している対象装置に救援装置が合流できるよう、救援指示装置が救援装置及び合流地点を決定し、合流した救援装置と対象装置とが、隊列を組んで移動しながらエネルギーの補給をするので、救援サービスの提供に要する時間や手間を削減することができ、救援装置を効率よく運用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態1における車々間給電・牽引システム800の全体構成の一例を示すシステム構成図。
【図2】実施の形態1における給電施設50,51の位置と、最終目的地までのルート、ランデブーポイントの位置、救援の開始と終了の位置の関係の一例を示す図。
【図3】実施の形態1における救援サービス全体の流れの一例を示すフローチャート図。
【図4】実施の形態1における車々間給電・牽引システム800においてやり取りされるデータの一例を示す図。
【図5】実施の形態1における被救援車14が救援サービスを依頼するまでの動作(S10)の流れの一例を示すフローチャート図。
【図6】実施の形態1における車々間給電・牽引システム800においてやり取りされるデータの一例を示す図。
【図7】実施の形態1における被救援車14から救援サービスの依頼を受けた救援サービスセンター1の動作(S11)の流れの一例を示すフローチャート図。
【図8】実施の形態1における車々間給電・牽引システム800においてやり取りされるデータの一例を示す図。
【図9】実施の形態1における救援サービスセンター1からの作業指示を受け、ランデブーポイントまで移動して被救援車14と認証を行うまでの救援車2の動作(S12,S13)の流れの一例を示すフローチャート図。
【図10】実施の形態1における車々間給電・牽引システム800においてやり取りされるデータの一例を示す図。
【図11】実施の形態1における救援サービスセンター1からの依頼応答を受け、ランデブーポイントまで移動して救援車2と認証を行うまでの被救援車14の動作(S12,S13)の流れの一例を示すフローチャート図。
【図12】実施の形態1における相互認証完了後に牽引を開始する救援車2の動作(S14)の流れの一例を示すフローチャート図。
【図13】実施の形態1における車々間給電・牽引システム800においてやり取りされるデータの一例を示す図。
【図14】実施の形態1における相互認証完了後に牽引モードに切り替える被救援車14の動作(S14)の流れの一例を示すフローチャート図。
【図15】実施の形態1における車々間給電・牽引システム800においてやり取りされるデータの一例を示す図。
【図16】実施の形態1における給電と牽引を開始してから給電を終了するまでの救援車2の動作(S15,S16)の流れの一例を示すフローチャート図。
【図17】実施の形態1における車々間給電・牽引システム800においてやり取りされるデータの一例を示す図。
【図18】実施の形態1における給電と牽引を開始してから給電を終了するまでの被救援車14の動作(S15,S16)の流れの一例を示すフローチャート図。
【図19】実施の形態4における救援車2の構成の一例を示すブロック構成図。
【図20】実施の形態4における救援車2と被救援車14との位置関係の一例を示す図。
【図21】実施の形態4における救援車2と被救援車14との位置関係の一例を示す図。
【図22】実施の形態4における救援車2と被救援車14との位置関係の一例を示す図。
【図23】実施の形態4における救援車2と被救援車14との位置関係の一例を示す図。
【図24】実施の形態4における救援車2と被救援車14との位置関係の一例を示す図。
【図25】実施の形態5における救援システム801の全体構成の一例を示すシステム構成図。
【図26】実施の形態5におけるユーザ車両840に搭載された装置群400の構成の一例を示すハードウェア構成図。
【図27】実施の形態5におけるユーザ車両840に搭載された装置群400の機能ブロックの構成の一例を示すブロック構成図。
【図28】実施の形態5における救援車両830に搭載された装置群300の構成の一例を示すハードウェア構成図。
【図29】実施の形態5における救援車両830に搭載された装置群300の機能ブロックの構成の一例を示すブロック構成図。
【図30】実施の形態5における救援センター820が備える装置群200の構成の一例を示すハードウェア構成図。
【図31】実施の形態5における救援センター820が備える装置群200の機能ブロックの構成の一例を示すブロック構成図。
【図32】実施の形態5における救援指示処理S610の流れの一例を示すフローチャート図。
【図33】実施の形態2における車々間給電・牽引システム800の全体構成の一例を示すシステム構成図。
【図34】実施の形態2におけるスマートフォン41とECU18の構成について示した図。
【図35】実施の形態2におけるスマートフォン41からみたECU18との接続動作を示すフローチャート。
【図36】実施の形態2におけるECU18からみたスマートフォン41との接続動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図18を用いて説明する。
【0009】
図1は、この実施の形態における車々間給電・牽引システム800の全体構成の一例を示すシステム構成図である。
車々間給電・牽引システム800(救援システム)は、救援サービスセンター1と、複数の救援車2と、複数の被救援車14とを有する。
被救援車14(対象装置・対象移動体)は、例えば、バッテリ21に蓄えた電力(エネルギー)により移動する電気自動車である。被救援車14は、バッテリ21に蓄えられた電力が、目的地まで移動するために必要な電力に不足する場合に、救援サービスセンター1に対して救援を要請する。
救援サービスセンター1(救援指示装置)と救援車2(救援装置・救援移動体)とは、被救援車14に対して救援サービスを提供する事業者に属する。事業者は、被救援車14からの要請に基づいて、給電と牽引を同時に行う救援サービスを被救援車14に対して提供する。被救援車14は、事業者が提供する救援サービスを受ける。
【0010】
救援車2は、広域用無線装置3と、車車間用無線装置4と、カーナビ5と、ECU6と、車間距離センサ7と、カメラ8と、バッテリ9と、電源管理部10と、コネクタ11と、高周波電力出力装置12と、コイル部13とを有する。なお、救援車2は、バッテリ9に蓄えられた電力により移動する電気自動車であってもよいし、燃料電池など他のエネルギーにより移動する自動車であってもよい。
【0011】
広域用無線装置3(救援送信装置・救援受信装置)は、救援サービスセンター1と通信する。
車車間用無線装置4(救援送信装置・救援受信装置)は、被救援車14と通信する。
車間距離センサ7(位置関係測定装置)は、被救援車14との車間距離を測る。
カメラ8(位置関係測定装置・識別装置)は、救援車の特定もしくは位置決めに用いる。
バッテリ9は、被救援車14に供給する電力を蓄える。
電源管理部10(供給装置)及びコネクタ11(供給装置)及びケーブル28(供給装置)は、被救援車14に対して、有線による給電をする。
高周波電力出力装置12(供給装置)及びコイル部13(供給装置・放射コイル)は、被救援車14に対して、無線による給電をする。
カーナビ5(救援移動装置)は、救援車2を運転する運転者に対して、救援車2の行き先などを指示する。
ECU6は、広域用無線装置3と車車間用無線装置4とカーナビ5と車間距離センサ7とカメラ8と電源管理部10と高周波電力出力装置12の情報を管理し、制御する。ECU6は、例えばコンピュータであり、処理装置(救援処理装置)と、記憶装置(救援記憶装置)と、入力装置と、出力装置とを有する。処理装置は、記憶装置が記憶したコンピュータプログラムを実行することにより、データを処理し、救援車2全体を制御する。記憶装置は、処理装置が実行するコンピュータプログラムや処理装置が処理するデータなどを記憶する。入力装置は、ECU6の外部からの信号を入力して、処理装置が処理できる形式のデータに変換する。出力装置は、処理装置が処理したデータや記憶装置が記憶したデータを、ECU6の外部に出力する信号に変換して、出力する。ECU6は、記憶装置が記憶したコンピュータプログラムを処理装置が実行することにより、様々な機能を実現する。
【0012】
なお、複数の救援車2のすべてが、有線による給電と無線による給電の両方式に対応する必要はなく、有線による給電だけに対応する救援車2や、無線による給電だけに対応する救援車2があってもよい。すなわち、救援車2は、有線による給電のための電源管理部10やコネクタ11などを搭載しているが、無線による給電のための高周波電力出力装置12やコイル部13を搭載せず、有線による給電だけに対応する構成であってもよい。また、救援車2は、無線による給電のための高周波電力出力装置12やコイル部13を搭載しているが、有線による給電のための電源管理部10やコネクタ11などを搭載せず、無線による給電だけに対応する構成であってもよい。しかし、車々間給電・牽引システム800は、少なくとも有線による給電に対応する救援車2と、少なくとも無線による給電に対応する救援車2との両方を備える構成であることが望ましい。
【0013】
また、有線による給電に対応する救援車2は、救援車2の車両内から手動もしくは自動の操作によって所定の場所に位置する被救援車14のコネクタ27へケーブル28を差し込むことが可能なロボットアーム(図示せず)などの機構を備える。
【0014】
なお、車間距離センサ7とカメラ8とは、救援車2と被救援車14との位置関係を測定する位置関係測定装置の一例である。救援車2は、車間距離センサ7とカメラ8とに代えて、距離を計測することができるステレオカメラなどを有する構成であってもよい。
【0015】
救援車2は、救援サービス事業所(図示せず)もしくは提携する充電施設(図示せず)などで電力供給のためのバッテリ9の充電を行う。救援車2は、救援サービスセンター1から作業依頼が届いたときに指定された現場に向かい作業を行う。
【0016】
被救援車14は、広域用無線装置16と、車車間用無線装置15と、パワーステアリング19と、ブレーキ20と、モータ23と、インバータ22と、バッテリ21と、電源管理部26と、コネクタ27と、整流器24と、コイル部25と、カーナビ17と、ECU18とを有する。
【0017】
広域用無線装置16(対象送信装置・対象受信装置)は、救援サービスセンター1と通信する。
車車間用無線装置15(対象送信装置・対象受信装置)は、救援車2と通信する。
パワーステアリング19(対象移動装置)は、運転者による操作やECU18からの指示にしたがって、被救援車14の操舵輪の向きを制御する。
ブレーキ20(対象移動装置)は、運転者による操作やECU18からの指示にしたがって、被救援車14を減速させる。
モータ23(対象移動装置)は、駆動用であり、運転者による操作やECU18からの指示にしたがって、被救援車14の駆動輪を回転させる。
インバータ22(対象移動装置)は、モータ23を制御する。
バッテリ21(蓄積装置)は、走行用の電力を貯める。
電源管理部26(取得装置)及びコネクタ27(取得装置)は、救援車2などから有線による給電を受ける。
整流器24(取得装置)及びコイル部25(取得装置)は、救援車2などから無線による給電を受ける。
カーナビ17(対象移動装置)は、被救援車14の運転者に対して、被救援車14の目的地までの経路や、最寄りの給電施設などの情報を提供する。
ECU18は、広域用無線装置16と車車間用無線装置15とパワーステアリング19とブレーキ20とカーナビ17とインバータ22と電源管理部26と整流器24との情報の管理し、制御する。
ECU18は、ECU6と同様、例えばコンピュータであり、処理装置(対象処理装置)と、記憶装置(対象記憶装置)と、入力装置と、出力装置とを有する。
【0018】
なお、被救援車14は、有線による給電と無線による給電の両方式に対応する必要はなく、有線による給電だけに対応する構成であってもよいし、無線による給電だけに対応する構成であってもよい。すなわち、被救援車14は、有線による給電のための電源管理部26やコネクタ27などを搭載しているが、無線による給電のための整流器24やコイル部25を搭載せず、有線による給電だけに対応する構成であってもよい。また、被救援車14は、無線による給電のための整流器24やコイル部25を搭載しているが、有線による給電のための電源管理部26やコネクタ27などを搭載せず、無線による給電だけに対応する構成であってもよい。
【0019】
救援車2のECU6と被救援車14のECU18とは、救援車2の車車間用無線装置4と被救援車14の車車間用無線装置15とを介した通信ネットワークにより相互間でデータの送受信を行う。被救援車14のECU18は、救援車2による救援サービスを受ける救援時において、救援車2のECU6から届く車両制御情報に基づいてインバータ22、パワーステアリング19、ブレーキ20を制御する。以降、このモードを「牽引モード」と呼ぶ。救援車2のECU6は、被救援車14に対して救援サービスを提供する救援時において、被救援車14に対し、被救援車14を制御するための車両制御情報を計算し、被救援車14に対して被救援車14の車両制御情報(操縦信号)を送り、被救援車14を牽引する。すなわち、救援車2と被救援車14とは、救援車2が被救援車14を物理的に牽引するのではなく、救援車2が前、被救援車14が後ろになって隊列を組み、あたかも物理的に牽引しているかのように、一体となって走行する。
【0020】
救援車2のカメラ8は、取得した画像の解析により接近した車両が被救援車14かどうかを特定ために用いる。ECU6(対象探索部)は、例えば、被救援車14のナンバープレートのナンバーを読み取ることにより被救援車14を特定する。
【0021】
また、有線による給電の場合、救援車2と被救援車14とをケーブル28で接続するため、ケーブル28や救援車2のコネクタ11や被救援車14のコネクタ27に張力による負荷がかからない範囲に被救援車14を位置付けさせる必要がある。
無線による給電の場合、給電の効率を保つために救援車2のコイル部13と被救援車のコイル部25とが特定の範囲内に位置するように被救援車14を位置付けさせる必要がある。
【0022】
ECU6(救援移動部)は、カメラ8で取得した画像を解析することにより、救援車2に対する被救援車14の相対的な位置を求める。なお、カメラ8がステレオカメラである場合、ECU6は、カメラ8で取得した画像を解析することにより、特定した被救援車14との間の距離を求める。カメラ8が単眼の場合やステレオカメラでも距離計測の精度や計算速度が牽引に必要なスペックに満たない場合、ECU6は、車間距離センサ7を用いて特定された被救援車14との車間距離を求める。ECU6は、求めた被救援車14との位置関係に基づいて、救援車2と被救援車14との位置関係が所定の位置関係になるよう、救援車2や被救援車14の移動を制御する。
【0023】
救援車2のECU6は、バッテリ9から被救援車14に対し送電する送電量を計測する。また、救援車2のECU6は、被救援車14への給電が有線か無線かによって、電源管理部10を制御し、有線での給電か無線での給電かを切り替える。
【0024】
救援車2の広域用無線装置3は、救援サービスセンター1と救援車2のECU6との間でデータの送受信を行う。救援サービスセンター1は、救援車2のECU6に対して、救援作業を開始する位置(以降、この位置を「ランデブーポイント」(合流地点)と呼ぶ。
)や被救援車14の情報など牽引作業に関わる一連の情報を送る。また、救援車2のECU6は、救援サービスセンター1に対して、救援作業時は作業情報を送り、救援作業時以外は救援車の位置情報やバッテリ状態を送る。救援車2のカーナビ5は、救援サービスセンター1から救援場所への指示があった場合、救援車2の運転者に対して、指示された場所向かうルートを案内する。また、カーナビ5は、救援サービスセンター1から届く被救援車14の位置情報を基に被救援車14の位置を地図上に示す。
【0025】
被救援車14の広域用無線装置16は、救援サービスセンター1と被救援車14のECU18との間でのデータの送受信を行う。被救援車14のECU18は、救援サービスセンター1に対して行き先ルート情報や必要な給電量といった救援サービスの依頼に関する情報を送る。また、救援サービスセンター1は、被救援車14に対して、ランデブーポイント情報や救援車2の情報を送る。また、救援サービス完了後、救援サービスセンター1は、被救援車へ決済情報などを送る。
【0026】
図2は、この実施の形態における給電施設50,51の位置と、最終目的地までのルート、ランデブーポイントの位置、救援の開始と終了の位置の関係の一例を示す図である。
【0027】
被救援車14のECU18(必要量算出部)は、バッテリ21の残量情報を常時監視し、残りの走行可能距離を逐次計算する。
また、被救援車14のECU18(目的地選択部)は、カーナビ17が持つ地図情報および給電施設の場所情報をもとに、走行中の最寄りの給電施設50や行き先ルート上の給電施設51をピックアップする。ECU18は、カーナビ17のモニター画面を使って、現在の状況を被救援車14のドライバー(運転者)に対して通知する。例えば、バッテリ21の残量が低下し、行き先ルート上の給電施設51に立ち寄るか最寄りの給電施設50に立ち寄るかを選択しなければならない状況、もしくは行き先ルート上の給電施設51に寄るためには救援サービスを受けなければならない状況、もしくはどの給電施設までも自走できなくなった状況などを、ドライバーに対して通知する。なお、カーナビ17のモニター画面を使って通知するのではなく、例えば、被救援車14のインストルメンタルパネル(図示せず)やスマートフォン(図示せず)などの外部機器など、車室内でモニターとして用いられるものを使って、表示や音声などによって通知する構成であってもよい。
ECU18は、カーナビ17のモニター画面などを使って、救援サービスを依頼するかどうかを選択する選択メニューや、救援サービスを依頼する場合に立ち寄る給電施設が行き先ルート上か最寄りかといった希望を選択する選択メニューなどを表示する。
ドライバーが救援サービス依頼のメニューを選択した場合、ECU18は、ドライバーが選択した給電施設(目的地)までに行くために最低限必要な給電量を計算する。ECU18は、広域用無線装置16を用いて、ドライバーの選択した立ち寄る給電施設が行き先ルート上か最寄りかの情報や残りの走行可能距離および必要な給電量と、車両の情報や救援サービス事業者との契約情報などを、救援サービスセンター1へ送信する。
なお、これらの通知は、音声案内によってドライバーへ通知される構成であってもよい。また、音声認識やその他の代替方式により、ドライバーの意思を確認する構成であってもよい。
【0028】
救援サービスセンター1からランデブーポイント情報が届いた場合、カーナビ17は、ランデブーポイントへのルート案内を行う。また、カーナビ17は、救援サービスセンター1から届く救援車2の位置情報をもとに、救援車2の位置を地図上に示す。
【0029】
また、被救援車14のECU18(完了判定部)は、救援サービスを受けているとき、救援車2から自車のバッテリ21へ供給される給電量を計算する。また、ECU18は、バッテリ21の残量情報を監視しながら走行可能距離を逐次計算し、立ち寄る給電施設まで自走可能かどうかを常時監視する。
【0030】
救援サービスセンター1(救援位置管理部)は、広域用無線装置3を介して救援車2から送信される定期通信によって、救援車2の位置を常時監視する。
救援サービスセンター1(救援状態管理部)は、救援車2の位置のほかに、救援車2のステータスを管理する。救援車2のステータスには、例えば、救援中、フリー、自バッテリ充電中などがある。救援中とは、被救援車14に対して救援サービスを提供中である場合や、被救援車14に対して救援サービスを提供するためランデブーポイントへ向かっている途中である場合などを意味する。フリーとは、予定がなく、いつでも被救援車14に対して救援サービスを提供できる場合を意味する。自バッテリ充電中とは、救援サービス事業所などでバッテリ9を充電している最中である場合や、バッテリ9の残量が少なくなり、救援サービス事業所などでバッテリ9を充電しなければ救援サービスを提供できない場合を意味する。
【0031】
救援サービスセンター1(指示受信装置・救援要請受信部)は、広域用無線装置16を介して被救援車14から救援の依頼(救援要請信号)を受信する。救援依頼が届くと、救援サービスセンター1(救援装置決定部・合流地点決定部)は、被救援車14から届く立ち寄る給電施設や残りの走行可能距離および必要な給電量をもとに、複数の救援車2の中から最適な救援車2を選び、かつランデブーポイントを設定する。救援車2の選定およびランデブーポイントを設定した後、救援サービスセンター1(指示送信装置・合流指示送信部)は、選定した救援車2と被救援車14とに対して、ランデブーポイントを通知する。また、救援サービスセンター1は、ランデブーポイントの通知と同時に、救援車2に対して被救援車14の情報を通知し、被救援車14に対して救援車2の情報を通知し、救援車2と被救援車14と双方に対して救援サービスの受付番号など救援サービスに関わる情報を通知する。
【0032】
また、救援車2から救援作業の終了通知を受信した後、救援サービスセンター1(課金算出部・課金通知部)は、そのサービスに関わる決済を行い、決済結果を被救援車14に通知する。なお、救援サービスセンター1は、決済の紐付けが可能なサービス費用の引き落とし口座もしくはクレジット情報、被救援車のナンバーや給電方法(無線もしくは有線による給電)の情報を、あらかじめ持っている。救援サービスセンター1(課金算出部)は、救援車2から送られてくる送電量、被救援車14から送られてくる受電量、もしくは牽引した距離などに基づいて、課金額を計算する。
【0033】
図3は、この実施の形態における救援サービス全体の流れの一例を示すフローチャート図である。
救援サービスは、被救援車が救援を依頼することにより始まり、一連のサービスが終了するまで続けられる。
【0034】
まず、S10において、被救援車14が救援サービスセンター1へ救援サービスを依頼する。被救援車14は、救援サービスセンター1に対して、救援要求(救援要請信号)を送信する。
【0035】
救援サービスセンター1は、被救援車14から救援要求を受けた場合、S11において、救援車2の配車とランデブーポイントを設定する。配車とランデブーポイントが決まったら、救援サービスセンター1は、配車される救援車2と被救援車14にランデブーポイント情報と認証のための情報を送信する。
【0036】
ランデブーポイント情報を受け取った救援車2と被救援車14は、S12において、それぞれがランデブーポイントへ移動する。
ランデブーポイントに到着した救援車2と被救援車14は、S13において、相互に認証を行う。
救援車2と被救援車14とは、認証が完了したら、S14において、給電に適した所定のポジションに位置するように救援車2と被救援車14間を近付ける。
ポジションが定まったら、救援車2と被救援車14とは、S15において、給電と牽引を開始する。
被救援車14が目的地(給電施設)まで自走できる分だけの充電が終わったら、救援車2と被救援車14とは、S16において、給電と牽引に対して終了手続を行う。
【0037】
なお、S10〜S16は、救援車2及び被救援車14が走行しながら実施される。
【0038】
図4は、この実施の形態における車々間給電・牽引システム800においてやり取りされるデータの一例を示す図である。
救援サービスが開始される前において、救援車2は、救援サービスセンター1に対して、定期的に定期通信を送信する。定期通信は、救援車2のステータス、現在位置、バッテリ状態、フリーになるまでの時間(ステータスがフリーでない場合)などの情報を含む。
救援サービスセンター1は、救援車2からの定期通信を受信する。救援車2は、受信した定期通信に基づいて、救援車2のステータス、現在位置、バッテリ状態、フリーになるまでの時間などの情報を記憶し、救援車2を管理する。
【0039】
図5は、この実施の形態における被救援車14が救援サービスを依頼するまでの動作(S10)の流れの一例を示すフローチャート図である。
【0040】
S20において、被救援車14は、カーナビ17を用いて、最寄りの給電施設Aを探索する。被救援車14は、探索した最寄りの給電施設Aまでの距離を算出する。
S21において、被救援車14は、カーナビ17を用いて、最終目的地までのルート上で最も近い給電施設Bを探索する。被救援車14は、探索したルート上の給電施設Bまでの距離を算出する。
S22において、被救援車14は、バッテリ21をチェックして、給電を受けずに走行できる残りの走行可能距離を計算する。
【0041】
S23において、被救援車14は、S20で算出した最寄の給電施設Aまでの距離およびS21で算出したルート上の給電施設Bまでの距離と、S22で算出した走行可能距離とを比較する。
ルート上の給電施設Bまでの距離が走行可能距離よりも短い場合、被救援車14は、S20に処理を戻す。
ルート上の給電施設Bまでの距離が走行可能距離よりも長く、最寄りの給電施設Aまでの距離が走行可能距離よりも短い場合、被救援車14は、カーナビ17を用いて、給電施設Aへ行く経路と、給電施設Bへ行く経路とを探索し、両者が分岐する地点を判定する。
被救援車14は、現在地から分岐地点までの距離を、所定の閾値と比較する。
現在地から分岐地点までの距離が閾値より短い場合、被救援車14は、給電施設A,Bのどちらに寄るかを選択しなければならない地点に差し掛かったと判定し、S24へ処理を進める。
現在地から分岐地点までの距離が閾値より長い場合、被救援車14は、S20に処理を戻す。
【0042】
S24において、被救援車14は、給電施設A,Bのどちらに寄るかを選択しなければならない地点に差し掛かったことをカーナビ17のモニターに表示する。例えば、カーナビ17は、ドライバーが最寄りの給電施設Aを選ぶか、最終目的地までのルート上に存在する給電施設Bを選ぶかを選択する選択ボタンを表示する。また、カーナビ17は、給電施設B51を選ぶと救援サービスを受ける必要があるということを表示する。
ドライバーが最寄りの給電施設Aを選択した場合、被救援車14は、S26へ処理を進める。
ドライバーが最終目的地までのルート上に存在する給電施設Bを選んだ場合、被救援車14は、S27へ処理を進める。
【0043】
S26において、カーナビ17は、給電施設Aへのルート案内を開始する。
【0044】
S27において、被救援車14(救援要請送信部)は、救援サービスセンター1へ救援の依頼を要求する。
【0045】
図6は、この実施の形態における車々間給電・牽引システム800においてやり取りされるデータの一例を示す図である。
被救援車14が救援サービスセンター1に対して送信する情報(依頼要求)は、例えば、被救援車ID、現在位置、行き先ルート情報、必要な給電量、走行可能距離などの情報を含む。このうち、現在位置は、カーナビ17が持っているGPS情報である。行き先ルート情報は、目的地が給電施設B51であることや、給電施設B51までのルート情報などを含む情報である。必要な給電量は、ECU18(必要量算出部)が求めた目的地(給電施設B)までの走行に必要な電力量から、バッテリ21残量を差し引いた電力量である。
【0046】
救援サービスセンター1は、被救援車14からの依頼を受けて、救援に向かう救援車2と、ランデブーポイントとを決定する。
被救援車14は、決定した救援車2に対して、救援指示情報(救援指示信号)を送信する。被救援車14が救援車2に対して送信する救援指示情報は、例えば、受付番号、被救援車ID、被救援車14のナンバー、給電方法、ランデブーポイントなどの情報を含む。
救援車2は、被救援車14からの救援指示情報を受けて、救援サービスセンター1に対して、救援指示応答を送信する。救援指示応答は、指示を受領して、これから救援に向かうことを表わす。救援車2にトラブルが発生して救援サービスに向かうことができない場合、救援車2は、救援指示応答を返さず、その代わりとして、救援に向かうことができないことを表わす情報を、救援サービスセンター1に対して送信する。その場合、救援サービスセンター1は、救援に向かう救援車2を選び直し、ランデブーポイントを改めて決定する。救援サービスセンター1は、選び直した救援車2に対して救援指示情報を送信する。
救援サービスセンター1は、救援車2から救援指示応答を受信して、救援に向かう救援車2とランデブーポイントとが確定したのち、被救援車14に対して、依頼受付応答を送信する。救援サービスセンター1が被救援車14に対して送信する依頼受付応答は、例えば、受付番号、救援車ID、ランデブーポイントなどの情報を含む。
【0047】
図7は、この実施の形態における被救援車14から救援サービスの依頼を受けた救援サービスセンター1の動作(S11)の流れの一例を示すフローチャート図である。
【0048】
まず、S30において、救援サービスセンター1は、各救援車2から定期通信を受信するまで待機する。いずれかの救援車2からの定期通信を受信した場合、救援サービスセンター1は、S31へ処理を進める。
S31において、救援サービスセンター1は、受信した定期通信に基づいて、救援車2のステータス、現在位置、バッテリ9の状態、フリーになるまでの時間などを更新する。
これらの情報は、救援サービスセンター1内で保持する。このうち、現在位置は、各救援車2のカーナビ5が持っているGPS情報である。また、フリーになるまでの時間とは、例えば、ある給電施設で救援車2が自車のバッテリ9を充電している場合、その充電があとどのくらいの時間で終了するかを表わす。
S32において、救援サービスセンター1(救援要請受信部)は、被救援車14がS27で送信する依頼要求を受信するのを待つ。依頼要求を受信しない場合、救援サービスセンター1は、S30に処理を戻す。依頼要求が届いた場合、救援サービスセンター1は、S33へ処理を進める。
【0049】
S33において、救援サービスセンター1は、すべての救援車2のなかから、ステータスがフリーの救援車2をすべて選択する。S33で選択した救援車2を「救援候補群α」と呼ぶ。
S34において、救援サービスセンター1は、救援候補群αの台数を確認する。救援候補群αが1台以上存在する場合、救援サービスセンター1は、S35へ処理を進める。救援候補群αが1台も存在しなかった場合、救援サービスセンター1は、S37へ処理を進める。
【0050】
S35において、救援サービスセンター1は、救援候補群αから、バッテリ9の残量が被救援車14の必要な給電量を上回る救援車2をすべて選択する。S35で選択した救援車2を「救援候補群β」と呼ぶ。
S36において、救援サービスセンター1は、救援候補群βの台数を確認する。救援候補群βが1台以上存在する場合、救援サービスセンター1は、S38へ処理を進める。救援候補群βが1台も存在しなかった場合、救援サービスセンター1は、S37へ処理を進める。
【0051】
S37において、救援サービスセンター1は、ステータスが救援中、もしくはバッテリ9充電中の救援車2をすべて選択する。S37で選択した救援車2を「救援候補群γ」と呼ぶ。
【0052】
S38において、救援サービスセンター1(合流地点候補選択部)は、被救援車14の走行可能な距離の範囲で被救援車14が走行するルート上から、例えば500m単位といった、ある定められた距離毎のポイント(合流地点候補)を抽出する。抽出したポイント群を「ランデブーポイント候補群X」と呼ぶ。
S39において、救援サービスセンター1(救援到着予定算出部)は、救援候補群βまたはγの各救援車2において、ランデブーポイント候補群Xの各ポイントまでの到着予想時間を計算する。なお、救援候補群γの救援車2の場合、救援サービスセンター1は、S31で得たフリーになるまでの時間を加味して、到着予想時刻を算出する。
各救援車2におけるランデブーポイント候補群Xの各ポイントまでの到着予想時間が揃ったら、S40において、救援サービスセンター1(救援装置決定部・合流地点決定部)は、ランデブーポイント候補群Xの各ポイントまでの到着予想時間に最も早く到達する救援車2を1台抽出し、そのポイントを1点抽出する。
S41において、救援サービスセンター1(救援装置決定部)は、S40で抽出した救援車2を、S32で受けた依頼に対する救援車2と定める。救援サービスセンター1(合流地点決定部)は、S40で抽出したポイントを、S32で依頼してきた被救援車14とS40で抽出した救援車2とが出会うランデブーポイント(合流地点)とする。救援サービスセンター1は、この依頼に対する受付番号を設定する。
【0053】
S42において、救援サービスセンター1は、S41で決定した救援車2に対して、作業指示(救援指示情報)を送信する。救援サービスセンター1が救援車2に対して送信する情報は、受付番号、ランデブーポイント、被救援車ID、被救援車14のナンバー、給電方法、被救援車14の行き先ルート情報などである。
【0054】
S43において、救援サービスセンター1は、依頼をしてきた被救援車14に対して、依頼応答(依頼受付応答)を送信する。救援サービスセンター1が被救援車14に対して送信する情報は、受付番号、ランデブーポイント、救援車IDなどである。なお、S41で抽出した救援車2がS37の救援候補群γから抽出したものである場合、救援サービスセンター1は、S31で得たフリーになるまでの時間をS43で被救援車14に送信する構成であってもよい。
【0055】
図8は、この実施の形態における車々間給電・牽引システム800においてやり取りされるデータの一例を示す図である。
救援サービスセンター1が救援依頼を受け付けて、救援車2及び被救援車14がランデブーポイントへ向かっている間、救援車2及び被救援車14は、それぞれ、救援サービスセンター1との間で定期通信をする。
救援車2は、定期通信として、受付番号、救援車ID、現在位置などの情報を、救援サービスセンター1に対して送信する。
被救援車14は、定期通信として、受付番号、被救援車ID、現在位置、走行可能距離などの情報を、救援サービスセンター1に対して送信する。
救援サービスセンター1は、定期通信として、被救援車14の現在位置などの情報を、救援車2に対して送信する。また、救援サービスセンター1は、定期通信として、救援車2の現在位置などの情報を、被救援車14に対して送信する。
【0056】
図9は、この実施の形態における救援サービスセンター1からの作業指示を受け、ランデブーポイントまで移動して被救援車14と認証を行うまでの救援車2の動作(S12,S13)の流れの一例を示すフローチャート図である。
【0057】
S50において、救援車2(合流指示受信部)は、S42による救援サービスセンター1からの作業指示を受信するのを待つ。作業指示が届いた場合、救援車2は、S51へ処理を進める。
S51において、救援車2は、作業指示の中に含まれるランデブーポイントをカーナビ5の目的地に設定する。
S52において、カーナビ5(合流移動部)は、ルート案内を開始する。
S53において、救援車2の運転者は、カーナビ5の指示にしたがって、救援車2を操縦し、ランデブーポイントへの移動を開始する。なお、救援車2は、運転者の操作によってランデブーポイントへ向かうのではなく、自動操縦によりランデブーポイントへ向かう構成であってもよい。
【0058】
S54において、救援車2は、定期通信として、受付番号、救援車ID,現在位置を、救援サービスセンター1に対して送信する。また、救援車2は、定期通信として、被救援車14の位置情報を救援サービスセンター1から受信する。カーナビ5は、被救援車14の位置情報を地図上に表示する。これにより、救援車2のドライバー(運転者)は、被救援車14の走行位置を確認できるので、例えば、周囲の交通状況によりランデブーポイントへの到着が救援車2と被救援車14とでずれた場合の調整を図ることができる。例えば、ランデブーポイントに近づいた救援車2の運転者は、被救援車14の位置を確認して、救援車2の到着がやや早い場合、救援車2の速度を落としてランデブーポイントに向かうなど調整を図ることができる。
S55において、救援車2は、ランデブーポイントに到着したか否かを判定する。ランデブーポイントにまだ到着していないと判定した場合、救援車2は、S54に処理を戻す。ランデブーポイントに到着したと判定した場合、救援車2は、S56へ処理を進める。
【0059】
ランデブーポイントへ到着したら、S56において、救援車2(対象探索部)は、周辺車両から救援依頼をしてきた被救援車14を探す。例えば、救援車2は、カメラ8によって取得される映像から周辺車両のナンバー読み取り処理を行う。救援車2は、読み取ったナンバーの中に、S42で受信した被救援車14と同じナンバーがあった場合、S58へ処理を進める。
【0060】
S58において、救援車2(認証要求送信部)は、被救援車14に対して、認証要求を送信する。
認証要求を受けた被救援車14は、認証ステータス1を、救援車2に対して送信する。
S59において、救援車2(認証受信部)は、被救援車14から認証ステータス1を受信するのを待つ。被救援車14から認証ステータス1が届いた場合、救援車2は、S60へ処理を進める。
【0061】
S60において、救援車2(認証部)は、受信した認証ステータス1に含まれる受付番号と被救援車IDとが、S42で受信した受付番号と被救援車IDとに一致するかをチェックする。認証ステータス1に含まれる受付番号と被救援車IDとが、S42で受信した受付番号と被救援車IDとに一致した場合、救援車2は、S61へ処理を進める。認証ステータス1に含まれる受付番号と被救援車IDが、S42で受信した受付番号と被救援車IDが一致しなかった場合、救援車2は、S64へ処理を進める。
【0062】
S61において、救援車2(認証送信部)は、被救援車14に対して、認証ステータス2を送信する。認証ステータス2は、救援車IDを含む。
被救援車14は、救援車IDを確認し、問題なければ認証完了を通知する。
S62において、救援車2は、認証完了通知を受信するのを待つ。認証完了通知を受信した場合、救援車2は、S63へ処理を進める。
【0063】
S63において、救援車2(認証完了通知部)は、救援サービスセンター1に対して、認証完了通知を送信する。
【0064】
S64において、救援車2(認証失敗通知部)は、救援サービスセンター1に対して、認証失敗通知を送信する。
【0065】
図10は、この実施の形態における車々間給電・牽引システム800においてやり取りされるデータの一例を示す図である。
救援車2は、認証要求を、被救援車14に対して送信する。
被救援車14は、認証ステータス1として、受付番号、被救援車IDなどの情報を、救援車2に対して送信する。
救援車2は、認証ステータス2として、救援車IDなどの情報を、被救援車14に対して送信する。
被救援車14は、認証完了を、救援車2に対して送信する。
救援車2は、認証完了通知として、受付番号、救援車ID、現在位置などの情報を、救援サービスセンター1に対して送信する。
救援サービスセンター1は、認証完了報告として、受付番号などの情報を、被救援車14に対して送信する。
【0066】
図11は、この実施の形態における救援サービスセンター1からの依頼応答を受け、ランデブーポイントまで移動して救援車2と認証を行うまでの被救援車14の動作(S12,S13)の流れの一例を示すフローチャート図である。
【0067】
S70において、被救援車14(依頼応答受信部)は、救援サービスセンター1から依頼応答を受信するまで待機する。救援サービスセンター1から依頼応答が届いた場合、被救援車14は、S71へ処理を進める。
S71において、被救援車14(合流移動部)は、依頼応答の中に含まれるランデブーポイントを、カーナビ17の目的地に設定する。
S72において、カーナビ17は、ルート案内を開始する。
S73において、被救援車14の運転者は、カーナビ17の指示にしたがって、被救援車14を操縦し、ランデブーポイントへの移動を開始する。なお、被救援車14は、運転者の操作によってランデブーポイントへ向かうのではなく、自動操縦によりランデブーポイントへ向かう構成であってもよい。
S74において、被救援車14は、バッテリ21をチェックし、残りの走行可能距離を計算する。
S75において、被救援車14は、定期通信として、受付番号、被救援車ID,現在位置、走行可能距離などの情報を送信する。
救援サービスセンター1は、被救援車14が送信した情報を受信する。なお、救援サービスセンター1は、被救援車14がランデブーポイントまで走行可能でない場合、ランデブーポイントを変更する構成であってもよい。例えば、救援サービスセンター1は、定期通信として受信した情報に含まれる被救援車14の現在位置と走行可能距離についての情報に基づいて、被救援車14がランデブーポイントまで走行可能であるかを判定する。被救援車14がランデブーポイントまで走行可能でないと判定した場合、救援車2及び被救援車14の現在位置に基づいて、被救援車14の走行可能距離の範囲内で、ランデブーポイントを決定し直す。救援サービスセンター1は、更新したランデブーポイントを、救援車2及び被救援車14に対して通知する。
被救援車14は、救援サービスセンター1が送信した定期通信を受信する。カーナビ17は、受信した定期通信に含まれる救援車2の位置情報を地図上に表示する。これにより、被救援車14のドライバー(運転者)は、救援車2の走行位置を確認できる。
S76において、被救援車14は、ランデブーポイントに到着したか否かを判定する。
ランデブーポイントに到着した場合、被救援車14は、S77へ処理を進める。ランデブーポイントにまだ到着していない場合、被救援車14は、S74に処理を戻す。
【0068】
ランデブーポイントに到着後、S77において、被救援車14(認証要求受信部)は、救援車2からの認証要求を受信するのを待つ。救援車2からの認証要求が届いた場合、被救援車14は、S78へ処理を進める。
S78において、被救援車14(認証送信部)は、救援車2へ認証ステータス1を送信する。被救援車14は、認証ステータス1として、S43で受信した受付番号や被救援車IDなどの情報を送信する。
S79において、被救援車14(認証受信部)は、救援車2から認証ステータス2を受信するのを待つ。救援車2から認証ステータス2を受信した場合、被救援車14は、S80へ処理を進める。
S80において、被救援車14(認証部)は、受信した認証ステータス2に含まれる救援車IDと、S43で受信した救援車IDとが一致するかをチェックする。認証ステータス2に含まれる救援車IDと、S43で受信した救援車IDとが一致した場合、被救援車14は、S81へ処理を進める。認証ステータス2に含まれる救援車IDと、S43で受信した救援車IDとが一致しなかった場合、被救援車14は、S82へ処理を進める。
【0069】
S81において、被救援車14は、救援車2に対して、認証完了通知を送信する。
【0070】
S82において、被救援車14は、ユーザ(運転者)に対して認証が失敗したことを通知し、救援サービスセンター1に対して認証失敗通知を送信する。
【0071】
図12は、この実施の形態における相互認証完了後に牽引を開始する救援車2の動作(S14)の流れの一例を示すフローチャート図である。
【0072】
S100において、救援車2(牽引要求受信部)は、被救援車14から牽引要求を受信するのを待つ。被救援車14から牽引要求を受信した場合、救援車2は、S101へ処理を進める。
S101において、救援車2(相対位置測定部)は、カメラ8で画像情報を取得し、車間距離センサ7によって車間距離情報を取得する。
S102において、救援車2は、S101で取得した情報をもとに被救援車14の位置を算出する。
S103において、救援車2は、算出した被救援車14の位置が牽引のための所定のポジションに位置するかをチェックする。所定のポジションに位置していない場合、救援車2は、S104へ処理を進める。S103で被救援車14が所定のポジションに位置した場合、救援車2は、S106へ処理を進める。
【0073】
S104において、救援車2(救援移動部)は、被救援車14を所定のポジションに移動させるための車両制御情報を算出する。
S105において、救援車2(救援移動部)は、算出した車両制御情報を被救援車14に送信する。救援車2は、S101に処理を戻し、被救援車14が所定のポジションに位置するかチェックを行う。
【0074】
S106において、救援車2(救援移動部)は、被救援車14を牽引するための車両制御情報を算出する。
S107において、救援車2(救援移動部)は、牽引するための車両情報を被救援車14へ送信する。
S108において、救援車2(供給方式判定部)は、被救援車14が求めている救援サービスが、有線による給電か、無線による給電かを判定する。被救援車14が無線による給電を求めている場合、救援車2は、S111へ処理を進める。被救援車14が有線による給電を求めている場合、救援車2は、S109へ処理を進める。
S109において、救援車2(有線接続部)は、コネクタ27およびケーブル28の接続作業を開始する。
S110において、救援車2は、コネクタ27およびケーブル28の接続が完了したか判定する。コネクタ27およびケーブル28の接続がまだ完了していない場合、救援車2は、S101へ処理を戻す。コネクタ27およびケーブル28の接続が完了した場合、救援車2は、S111へ処理を進める。
S111において、救援車2は、救援サービスセンター1へ給電開始を通知する。
S112において、救援車2(救援供給部)は、被救援車14に給電を開始する。
【0075】
図13は、この実施の形態における車々間給電・牽引システム800においてやり取りされるデータの一例を示す図である。
認証完了後、被救援車14は、牽引要求を、救援車2に対して送信する。
救援車2は、車両制御情報を、被救援車14に対して送信し、被救援車14との位置関係を制御する。
位置決め(及び接続)完了後、救援車2は、給電開始通知として、受付番号、救援車ID、現在位置などの情報を、救援サービスセンター1に対して送信する。
救援サービスセンター1は、給電開始通知として、受付番号などの情報を、被救援車14に対して送信する。
【0076】
図14は、この実施の形態における相互認証完了後に牽引モードに切り替える被救援車14の動作(S14)の流れの一例を示すフローチャート図である。
【0077】
S81ののち、S120において、被救援車14(隊列移動部)は、カーナビ17のモニター画面などを用いて、救援車2とのランデブー完了を表示し、牽引モードへの切り替えスタートボタンを表示する。
S121において、被救援車14は、ドライバーがスタートボタンをタッチするのを待つ。ドライバーがスタートボタンをタッチした場合、被救援車14は、S122へ処理を進める。
S122において、被救援車14(牽引要求送信部)は、救援車2に対して、牽引要求を送信する。
S123において、被救援車14(操縦受信部)は、救援車2が送信する車両制御情報を受信するのを待つ。車両制御情報を受信した場合、S124へ処理を進める。
S124において、被救援車14(隊列移動部)は、ECU18を牽引モードに変更する。
ECU18を牽引モードに切り替えたら、S125において、被救援車14は、カーナビ17のモニター画面などを用いて、牽引モードになったことを表示する。
S126において、被救援車14(給電開始受信部)は、救援サービスセンター1から給電開始の通知を受信するのを待つ。救援サービスセンター1から給電開始の通知が届いた場合、被救援車14は、S127へ処理を進める。
S127において、被救援車14は、カーナビ17のモニター画面などを用いて、給電開始を表示する。
【0078】
図15は、この実施の形態における車々間給電・牽引システム800においてやり取りされるデータの一例を示す図である。
救援車2は、被救援車14への給電中において、定期通信として、受付番号、救援車ID、送電量、現在位置などの情報を、救援サービスセンター1に対して送信する。また、救援車2は、車両制御情報を、被救援車14に対して送信して、被救援車14との位置関係を制御する。
被救援車14は、救援車2からの受電中において、定期通信として、受付番号、被救援車ID、受電量などの情報を、救援サービスセンター1に対して送信する。
【0079】
図16は、この実施の形態における給電と牽引を開始してから給電を終了するまでの救援車2の動作(S15,S16)の流れの一例を示すフローチャート図である。
【0080】
S112ののち、S130において、カーナビ5は、目的地として、S42で受信した行き先ルート情報に含まれている立ち寄る給電施設を設定する。
S131において、救援車2(相対位置測定部)は、引き続き、カメラ8によって画像を取得し、車間距離センサ7によって車間距離情報を取得する。
S132において、救援車2(相対位置測定部)は、被救援車14の位置を算出する。
S133において、救援車2(救援移動部)は、被救援車14を牽引するための車両制御情報を算出する。
S134において、救援車2(操縦送信部)は、車両制御情報を被救援車14に対して送信する。
S135において、救援車2(状態送信部)は、救援サービスセンター1に対して、定期通信として、受付番号、救援車ID、送電量、現在位置などの情報を送信する。
S136において、救援車2(完了要求受信部)は、被救援車14から給電完了要求を受信したか判定する。被救援車14から給電完了要求をまだ受信していない場合、救援車2は、S131に処理を戻す。被救援車14から給電完了要求が届いた場合、救援車2は、S137へ処理を進める。
【0081】
S137において、救援車2(完了通知送信部)は、被救援車14に対して、給電と牽引の停止案内通知を送信する。
次に、S138において、救援車2は、有線による給電か無線による給電かを判定する。無線による給電の場合、救援車2は、S139へ処理を進める。有線による給電の場合、救援車2は、S140へ処理を進める。
S139において、救援車2は、給電を停止する。救援車2は、S141へ処理を進める。
S140において、救援車2(有線接続解除部)は、コネクタ27およびケーブル28を取り外し、給電を停止する。
【0082】
S141において、救援車2(相対位置測定部)は、カメラ8によって画像を取得し、車間距離センサ7によって車間距離情報を取得する。
S142において、救援車2(相対位置測定部)は、被救援車14の位置を算出する。
S143において、救援車2(救援移動部)は、被救援車14を牽引するための車両制御情報を算出する。
S144において、救援車2(操縦送信部)は、車両制御情報を被救援車14に対して送信する。
S145において、救援車2は、被救援車14から牽引終了準備完了を受信したかを判定する。被救援車14からの牽引終了準備完了の情報がまだ届いていない場合、救援車2は、S141に処理を戻す。被救援車14から牽引終了準備完了が届いた場合、救援車2は、S146へ処理を進める。
【0083】
S146において、被救援車14のドライバーの運転に関わる準備が整ったので、救援車2は、被救援車14の車両制御情報の計算を終了するとともに情報の送信を終了する。
S147において、救援車2は、救援サービスセンター1に対して、受付番号、送電量、現在位置などの情報を含むサービス終了を通知する。
【0084】
図17は、この実施の形態における車々間給電・牽引システム800においてやり取りされるデータの一例を示す図である。
被救援車14は、十分な給電を受けたのち、給電完了要求通知を、救援車2に対して送信する。
救援車2は、給電と車両制御の停止案内通知を、被救援車14に対して送信する。
被救援車14は、運転者の準備が整ったのち、牽引終了準備完了通知を、救援車2に対して送信する。
救援車2は、サービス終了報告として、受付番号、送電量、現在位置などの情報を、救援サービスセンター1に対して送信する。
救援サービスセンター1は、サービス完了報告として、受付番号、決済情報などの情報を、被救援車14に対して送信する。
【0085】
図18は、この実施の形態における給電と牽引を開始してから給電を終了するまでの被救援車14の動作(S15,S16)の流れの一例を示すフローチャート図である。
【0086】
S126ののち、S150において、給電と牽引を行われている被救援車14は、救援サービスセンター1へ受付番号、被救援車ID、受電量などの情報を、定期通信として送信する。
S151において、被救援車14は、バッテリ21の充電量をチェックし、その充電量による自車の走行可能距離を計算する。
S152において、被救援車14(完了判定部)は、自車の走行可能距離と目的地までの走行距離とを比較する。走行可能距離が目的地までの走行距離未満であったり、走行可能距離が目的地までの走行距離以上であってもその差が所定の閾値以下である場合、被救援車14は、まだ充電が十分でないと判断し、S150に処理を戻す。目的地まで走行可能と判断した場合、被救援車14は、S153へ処理を進める。
【0087】
S153において、被救援車14(完了要求送信部)は、救援車2に対して給電完了要求通知を送信する。
S154において、被救援車14(完了通知受信部)は、救援車2から給電と牽引の停止案内を受信するのを待つ。救援車2から給電と牽引の停止案内を受信した場合、被救援車14は、S155へ処理を進める。
S155において、被救援車14は、カーナビ17のモニター画面などを用いて、通常モードへの切替案内を表示する。カーナビ17は、ドライバーが運転可能な状態になったら切り替えが行えるよう、ドライバーに向けた切り替えOKボタンを表示する。
S156において、被救援車14は、ドライバーが切替OKボタンをタッチするのを待つ。ドライバーが切替OKボタンをタッチした場合、被救援車14は、S157へ処理を進める。
S157において、被救援車14は、救援車2に対して、牽引終了準備完了の通知を送信する。
S158において、被救援車14は、ECU18を通常モードに切り替える。通常モードとは、牽引モードのように救援車から受信した車両制御情報によって被救援車を制御するのではなく、普通に、運転者が被救援車を運転するモードのことである。
S159において、被救援車14は、救援サービスセンター1からサービス終了と決済の報告を受信するのを待つ。救援サービスセンター1からサービス終了と決済の報告が届いた場合、被救援車14は、S160へ処理を進める。
S160において、被救援車14は、カーナビ17のモニター画面などを用いて、サービス終了と決済情報とを表示する。
【0088】
この実施の形態における車々間給電・牽引システム800は、救援サービスセンター1と、救援車2と、被救援車14とを有し、無線通信を介した救援サービスの要求および牽引および決済の手続をする構成と、被救援車14の行き先を加味することで救援車2と被救援車14とが最適な場所で出会う構成と、走行しながら同時に給電を行う構成と、必要最低限の給電を行う構成とを有する。
【0089】
この実施の形態における車々間給電・牽引システム800によれば、救援サービスの要求および牽引および決済の手続きにより救援作業にかかわる一連の手続きを簡素化できる。さらに、救援車と被救援車が最適な場所で出会い、走行しながら同時に給電し、必要最低限の給電をすることより、救援サービスを提供する側にとっては、配車効率が向上し、サービス時間を短縮できるので、救援車2一台当たりのサービス提供機会を向上することができる。また、救援サービスを享受する側にとっては、給電に関わることで損なう時間や、給電施設へ寄るための走行を減らすことができる。
【0090】
車々間給電・牽引システム800は、牽引される車両の駆動モータ向けのバッテリに給電するので、電力不足によって走行できなくなった車両から駆動モータ向けのバッテリへの給電要求があった場合に対応することができる。
【0091】
また、サービスを利用するにあたって、救援の手続き、および対象車両や対象ユーザの確認などの諸手続きや費用の支払いや牽引作業に関して、人手を介した手続が不要であり、手間を削減できる。
【0092】
また、被救援車に対し、給電施設などの目的地までに走行可能な分だけを給電することができ、給電施設まで牽引する必要がなく、救援サービスにとって効率がよい。
【0093】
また、被救援車の行き先を把握するので、救援依頼を送信した場所から移動した場所で救援サービスを受けることができる。また、救援サービスを提供する側では救援車を適切に配車できる。
給電目的で救援を要求する被救援車がまだ走行可能な場合、被救援車の目的ルート上に救援車が位置していた場合は、被救援車が走行可能な範囲で両方の車両が向かい合って走行するので、給電開始までの時間を短縮でき、救援車と被救援車の両方にとって時間を無駄にしない。
また、被救援車の周辺に複数台の救援車が位置していた場合、被救援車の目的ルート上に最も近い救援車を配車することで、給電開始までの時間を短縮できる。
【0094】
被救援車が無線を通じ人手を介さず救援の要求や費用の手続き、および牽引作業が行え、救援車と被救援車が最適な場所で出会い、給電と牽引を同時に行い、被救援車にとって必要な量だけ給電することができる。
【0095】
実施の形態2.
実施の形態2について、図33〜図36を用いて説明する。
図33は、この実施の形態における車々間給電・牽引システム800の全体構成の一例を示すシステム構成図である。
実施の形態1の図1との違いは、カーナビ17に代えてスマートフォン41とECU18とを無線によって接続している部分のみ異なる。以下この実施の形態においては、その差異のとなる部分のみ説明する。他は実施の形態1と同様なので説明を省略する。
【0096】
この実施の形態における被救援車14は、車車間用無線装置15と、パワーステアリング19と、ブレーキ20と、モータ23と、インバータ22と、バッテリ21と、電源管理部26と、コネクタ27と、整流器24と、コイル部25と、ECU18とを有する。
スマートフォン41は、スマートフォン41にインストールされているナビゲーションアプ40を用いて被救援車14の運転者に対して、被救援車14の目的地までの経路や、最寄りの給電施設などの情報を提供する。
この実施の形態におけるECU18は、車車間用無線装置15とパワーステアリング19とブレーキ20とスマートフォン41とインバータ22と電源管理部26と整流器24との情報の管理し、制御する。
この実施の形態においては、実施の形態1における広域用無線装置16が被救援車14に備えられていない。この実施の形態において、広域用無線機能は、スマートフォン41が備えることとなる。
【0097】
次に、この実施の形態におけるECU18とスマートフォン41の構成について説明する。図34は、実施の形態2におけるスマートフォン41とECU18の構成について示した図である。
ECU18は、走行可能距離、給電施設までに行くために必要な給電量を計算する車両情報計算機能64、スマートフォン41との通信接続を管理する接続管理機能61、スマートフォン41との通信を行う無線通信機能63で構成する。接続管理機能61内に構成される起動要求手段62については別途後述する。
スマートフォン41は、ナビゲーションアプリ40、救援サービスアプリ42、ECU18との通信接続を管理する接続管理機能43、ECU18と通信を行う無線通信機能45、広域通信機能46、モニタ47、スピーカ48、GPS49、で構成する。
ナビゲーションアプリ40は、GPS49による測位情報に基づいて地図データ上の現在位置表示、ルート案内、地図データを用いた距離計測など、一般のカーナビに備えられている機能を備える。
救援サービスアプリ42は、救援サービスセンター1との必要な情報のやり取り、ナビゲーションアプリ40またはECU18からの情報収集、及びナビゲーションアプリ40への救援サービスセンター1から受信した救援者2の位置情報に基づくルート検索・案内指示を行う。
車両情報保持手段44については後述する。ECU18の無線通信機能63とスマートフォン41の無線通信機能45の間の無線通信は、例えば無線LANやBluetooth(登録商標)やZigbee(登録商標)など、約10m範囲に主に用いられる無線通信を用いる。
ECU18の車両上計算機能60から救援サービスアプリ42へのデータの流通経路は、車両情報計算機能64、ECU18の接続管理機能61、ECU18の無線通信機能63、スマートフォン41の無線通信機能45、スマートフォン41の接続管理機能43となる。また、救援サービスアプリ42からECU18の車両上計算機能60へのデータの流通経路は、その反対の経路となる。
【0098】
従って、実施の形態1に対して、実施の形態2においては、カーナビ17が持つ機能をスマートフォン41が行う。また、実施の形態1において、広域用無線装置16が行っていた救援サービスセンター1と被救援車14のECU18との間でのデータの送受信については、実施の形態2においては、ECU18から救援サービスセンター1との間で送受信する情報をスマートフォン41経由で送受信する。同様に、カーナビ17の変わりにスマートフォン41と救援サービスセンター1との間で行う情報の送受信については、スマートフォン41と救援サービスセンター1とが直接情報のやり取りを行う。
【0099】
スマートフォン41とECU18の構成を用いた動作について実施の形態1の図5〜図18との差異となる部分のみ説明する。
図5のS20、S21におけるカーナビ17を用いた動作は、本実施の形態において、スマートフォン41の救援サービスアプリ42の指示のもと、ナビゲーションアプリ40が行う。
図5のS22における、走行可能距離の計算は、ECU18の車両情報計算機能61が行う。また、S23の比較動作は、S22にて算出された走行可能距離をECU18の無線通信機能63、スマートフォン41の無線通信機能45を経由して救援サービスアプリ42が受信し、救援サービスアプリ42の指示のもと、ナビゲーションアプリ40が比較作業を行う。
図5のS24〜S26は、救援サービスアプリ42の指示のもと、ナビゲーションアプリ40が行う。S27は、救援サービスアプリ42がスマートフォン41が持つ広域通信機能46を用いて救援サービスセンター1へ救援の依頼を要求する。
図11におけるS70〜S72、S76において、受信待機はスマートフォン41が行い、依頼応答が届いた場合、スマートフォン41内の救援サービスアプリ42の指示のもと、ナビゲーションアプリ40がランデブーポイントを目的地に設定しルート案内を開始し、ランデブーポイントに到着したか否かを判定する。
図11におけるS74、S75において、救援サービスアプリ42の指示のもと、ECU18がバッテリ21をチェックし、算出した残りの走行可能距離を受信するとともに、救援サービスアプリ42が、定期的に救援サービスセンター1に定期通信の情報を送信する。
図18におけるS150〜S152において、スマートフォン41内の救援サービスアプリ42が、ECU18にバッテリ21の充電量をチェックし、その充電量による自車の走行可能距離を計算させ、その計算結果を受信するとともに、救援サービスセンター1へ受付番号、被救援車ID、受電量などの情報を、定期通信として送信する。
また、図18におけるS159、S160においてスマートフォン41内の救援サービスアプリ42が、救援サービスセンター1からサービス終了と決済の報告を受信したら、モニタ47にサービス終了と決済情報とを表示する。
【0100】
従って、この実施の形態において、実施の形態1と同様の機能をスマートフォン41を用いて行うことができる。次に、スマートフォン41を用いた場合特有の問題とその対応について説明する。
【0101】
スマートフォン41はユーザが携帯する機器であり、ユーザと共に車内に持ち込まれたり車外へ持ち出されたりする。上述の通り、スマートフォン41は、救援サービスセンター1に被救援車14に関する情報を送信する。被救援車14に関する情報には例えば被救援車14の現在位置情報を含む。現在位置情報には、スマートフォン41のナビゲーションアプリ40が管理するスマートフォン41で取得可能なGPS49の情報を用いる。従って、ユーザがスマートフォン41を車外に持ち出した場合、スマートフォン41が救援サービスセンター1に送信する現在位置が、実際の被救援車14の位置と異なってしまう。救援サービスセンター1で被救援車14の現在位置を正確に受け取れなければ、救援車2は被救援車14に対して救援に行くことができない。そこで、スマートフォン41が車外から離れた場合でも被救援車14の現在位置情報を救援サービスセンター1に正しく送信するための手段が必要となる。図34におけるスマートフォン41の車両情報保持手段44は、スマートフォン41が車外から離れた場合でも被救援車14の現在位置情報を救援サービスセンター1に正しく送信する。詳細は後述する。
【0102】
また、ユーザは、ユーザは被救援車14に乗り込む度にスマートフォン41をポケットやバッグから取り出し救援サービスアプリ42を起動しておくことが望ましいが、わずらわしく、また、必ずしも被救援車14に乗り込む度に救援サービスアプリ42を必ずしも立ち上げなくてもよいが、立ち上げておかないと、被救援車14の救援が必要となった時に立ち上げる必要がある。また一般的にスマートフォン41は消費電力と電池容量の関係から使用時間は短く、不要不急の用途での使用は避けたい。そこで、被救援車14の救援が必要となった時に、スマートフォン41の救援サービスアプリ42を呼び出す手段が必要となる。図34における起動要求手段62が、スマートフォン41の救援サービスアプリ42を自動で呼び出すことができる。詳細は後述する。
【0103】
次に、ECU18における接続管理機能61と、接続管理機能61が持つ起動要求手段62、およびスマートフォン41における接続管理機能43と、接続管理機能43が持つ車両情報保持手段44について説明する。
図35は、実施の形態2におけるスマートフォン41からみたECU18との接続動作を示すフローチャートであり、図36は、実施の形態2におけるECU18からみたスマートフォン41との接続動作を示すフローチャートである。
【0104】
まず、ECU18の動作から説明する。
図36のS220において、ECU18は最初にスマートフォン41の接続ステータスを「切断」とする。
S221において、ECU18の接続管理機能61はスマートフォン41の接続管理機能43からポーリングコマンドの受信をしたかをチェックする。スマートフォン41の接続管理機能43からポーリングコマンドを受信したら、S222に進み、ポーリングコマンドを受信していなかったら、S226に進む。
S222において、ECU18の接続管理機能61はスマートフォン41との接続ステータスを「接続」とし、S223において、ECU18の接続管理機能61は、車両情報計算機能64へ、ユーザが選択した給電施設までのルート情報を送信する。ここで給電施設までのルート情報とは、後述する図35のスマートフォン41の接続管理機能43が送信するポーリングコマンド(S206)に含まれるものとする。
車両情報計算機能64は、給電施設までのルート情報を受信したら、走行可能距離、給電施設までに行くために必要な給電量計算する機能を持つ。よって、S224において、接続管理機能61は車両情報計算機能64から走行可能距離、および給電施設までに行くために必要な給電量を取得する。
S225において、走行可能距離、および給電施設までに行くために必要な給電量を添えてスマートフォン41の接続管理機能43へポーリングレスポンスを送信する。
【0105】
S226において、スマートフォン41の接続管理機能43からのポーリングコマンドを受信しない場合は、スマートフォン41との接続ステータスをチェックする。
スマートフォン41との接続ステータスが「接続」の場合、S227において、スマートフォン41の接続管理機能43からの切断要求があるかどうかをチェックする。
切断要求がなければ、S221に戻り、再びスマートフォン41の接続管理機能43からのポーリングコマンドを受信しているかをチェックする。
スマートフォン41の接続管理機能43からの切断要求を受信している場合は、S228において、スマートフォン41との接続ステータスを「切断」にする。
ここまでは、スマートフォン41からアクティブに接続が行われた場合を示している。 S226において、スマートフォン41との接続ステータスが「接続」ではない場合は、スマートフォン41とは接続されていない状態を示している。ECU18がスマートフォン41と接続されていない時、S229において、被救援車14のEVシステムが起動しているかどうかをチェックする。
ここでEVシステムが起動している場合、起動要求手段62に関わる処理が実行される。EVシシステムが起動していない場合、S221に戻る。
EVシシステムが起動している場合、S230において、起動要求手段62は、車両情報計算機能64から走行可能距離を取得する。
S231において、起動要求手段62は、車両情報計算機能60から取得した走行可能距離が予め定めた規定値を満たすかどうかをチェックする。ここでいう予め定めた規定値とは、ユーザが救援サービスのアプリを自動で起動させたい走行可能距離を示す。例えば、ユーザが30kmという規定値を設定しておくと、起動要求手段62は、車両情報計算機能60から取得した走行可能距離が30kmに満たすか満たさないかをチェックする。もし走行可能距離が規定を超えている場合は、再び、S221における、スマートフォン41の接続管理機能43からのポーリングコマンドを受信しているかのチェックに戻る。
もし走行可能距離が規定値に満たない場合は、S232において、起動要求手段62からスマートフォン41の接続管理機能43に対して起動要求を行う。
S233において、スマートフォン41の接続管理機能43への起動要求は、スマートフォン41の接続管理機能43からのポーリングコマンドを受信するまで行う。スマートフォン41の接続管理機能43からのポーリングコマンドを受信したら、S222を実行し、受信しなければS232から再実行を行う。
【0106】
次に、図35を用いてスマートフォン41のECU18との接続動作を説明する。
まず、S200において、スマートフォン41の接続管理機能43では、ユーザの操作によって救援サービスアプリ42が起動しているかどうかをチェックする。起動していれば、S202に進み、軌道していなければ、S201に進む。
次に、S201において、ECU18から起動要求があるかどうかをチェックする。ECU18からの起動要求があった場合、S202に進み、軌道要求がない場合、S200に戻る。
次にS202において、スマートフォン41の接続管理機能43はECU18の接続管理機能61に対して、ポーリングを実施し、ポーリングタイマを開始する
S203において、予め規定したポーリングタイマを超えなかったらS215に進む。予め規定したポーリングタイマを超えたらS204において、ポーリングタイマをクリアし、S205において、ポーリングレスポンスタイマをクリアしてからタイマを開始し、S206において、ECU18の接続管理機能61に対してポーリングコマンドを送信する。ポーリングコマンドには、給電施設までのルート情報を添付する。
S207において、S206のコマンド送信後、ECU18の接続管理機能61からポーリングレスポンスを受信したかをチェックする。ポーリングレスポンスを受信しなかったらS210に進む。ポーリングレスポンスを受信したら、S208に進む。
S208において、レスポンスに添付される必要な給電量、走行可能距離と、さらにスマートフォン41のGPS49の情報を更新しておく。このS208における現在位置、必要な給電量、走行可能距離の更新に関する処理は、車両情報保持手段44が行う。
S209において、接続管理機能43は、リトライカウンタを0として、S202に戻り、実行する。
S207において、ECU18の接続管理機能61からのレスポンスを受信していない場合、S210において、ユーザによる救援サービスアプリ42の終了要求があるかどうかをチェックし、要求があれば、S216に進む。終了要求がなければ、S211においてポーリングレスポンスタイムアウトしているかどうかチェックする。
ポーリングレスポンスタイムアウトしていなければ、S207に戻る。ポーリングレスポンスタイムアウトしていなければ、S212に進む。
S212において、レスポンス受信のリトライカウンタをインクリメントし、S213において、リトライカウンタが予め定める規定値を超えていないかチェックする。リトライカウンタが規定値に達していなければ、S205に戻り、レスポンスを待ち続ける。
もしここでリトライカウンタが規定値を超えた場合は、S214において、ユーザが被救援車14から離れたか、バッテリ切れによってEVシステムが停止したと判断し、ユーザに対してECU18との通信が切断したことを通知し、S200に戻る。
なお、ここでECU18との通信が切断したとしても、既にS208が実行されていれば、スマートフォン41の車両情報保持手段44には現在位置、必要な給電量、走行可能距離の情報が保持されている。つまり、EVシステムのバッテリが切れてしまっても、もしくはユーザが被救援車14から離れた場所に移動したとしても、救援サービスセンター1に対して車両情報を送信することができ、サービスを受け続けることが可能である。
なお、S215やS210のように、任意のタイミングでユーザから救援サービスアプリケーションの終了要求があった場合、S216においてECU18の接続管理機能61に対して切断要求を送信し、S200の処理に戻る。
【0107】
スマートフォン41の救援サービスアプリ42では、S232が行われスマートフォン41の接続管理機能43が起動要求を受信した場合、その情報を接続管理機能43から受け取る。救援サービスアプリ42は起動要求を受信したら、例えばスマートフォン41のモニタ47を介して、もしくはスピーカ48を介してユーザへ起動に関する情報を提供する。救援サービスアプリ42は、図35のS206を実行する時、ナビゲーションアプリ50から給電施設までのルート情報を受信する。
【0108】
なお、ここでは図示していないが、接続管理機能61と無線通信機能63は、ECU18に含めず、他の外部機器に搭載しても良い。例えば、スマートフォン41とECU18がデータ送受信するためのデータ転送用に専用機器として用いても良いし、VICSサービス等に使われるITS車載器やOBD2に接続して車両情報を読み取る装置に、接続管理機能61と無線通信機能63を搭載しても良い。これらの機器にECU18と通信を行うための通信機能がなければ、例えばCANといった通信機能を別途備えて実現する。
【0109】
したがって、この実施の形態においては、スマートフォン41が車外から離れた場合でも被救援車14の現在位置情報を救援サービスセンター1に正しく送信するための手段及び、被救援車14の救援が必要となった時に、スマートフォン41の救援サービスアプリ42を呼び出す手段を備えているので、必要なときに正しい位置情報を救援サービスセンター1に送信することができる。
【0110】
実施の形態3.
実施の形態3について、説明する。
この実施の形態における車々間給電・牽引システム800の構成は、実施の形態1または2と同様なので、説明を省略する。
【0111】
実施の形態1または2における車々間給電・牽引システム800は、図3のS10〜S16を通して、走行しながら給電および牽引を行う。これに対し、この実施の形態における車々間給電・牽引システム800は、S10〜S12までを実施して、ランデブーポイントで救援車2と被救援車14とがランデブーできたら車両を停車する。救援車2に搭乗する作業員と、被救援車14のドライバーとが、人手を介して、被救援車14が依頼車両であることを確認し合う。救援車2に搭乗する作業員は、コネクタ27とケーブル28とを被救援車14に接続して給電を行う。
【0112】
この実施の形態における車々間給電・牽引システム800によれば、給電と走行を同時に実施できないもしくは救援車の牽引に対応していない被救援車に対して、ランデブーポイントで作業を開始することができる。
【0113】
実施の形態4.
実施の形態4について、図19〜図24を用いて説明する。
なお、実施の形態1または2と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0114】
この実施の形態における車々間給電・牽引システム800の構成は、実施の形態1または2と同様である。
【0115】
図19は、この実施の形態における救援車2の構成の一例を示すブロック構成図である。
救援車2は、実施の形態1または2で説明した構成に加えて、パワーステアリング60を有する。パワーステアリング60は、ECU6と接続されている。コイル部13(放射コイル、放射方向可変装置)は、ECU6(放射方向制御部)からの制御により向きを変えることができる。
【0116】
救援車2は、無線による給電をしているとき、カーナビ5が持つ道路形状情報と、パワーステアリング60から得られる操舵角情報とをもとに、被救援車14の車両制御と救援車2のコイル部13の向きの制御を行うことにより、給電の効率を確保する。
【0117】
図20は、この実施の形態における救援車2と被救援車14との位置関係の一例を示す図である。
【0118】
S14でポジション決めをすることにより、救援車2と被救援車14とは、給電をするための最適な位置関係にある。したがって、走行中もこの位置関係を維持するのが望ましい。
この図のように直線が続く2車線の道路において、救援車2と被救援車14とが走行レーンを走行しているとする。救援車2のコイル部13は、車両後部に設けられ、電磁エネルギーを救援車2の後方に向けて放射する。また、被救援車14のコイル部25は、車両前部に設けられ、被救援車14の前方から放射された電磁エネルギーを受け取る。このため、救援車2と被救援車14とは、救援車2が前、被救援車14が後ろに位置する隊列を組んで、走行する。
【0119】
救援車2は、カーナビ5から道路形状情報を取得し、直線の続く道路を走行していると判定する。この場合、救援車2は、救援車2と被救援車14の相対位置を維持したままの走行が可能であると判断する。救援車2は、この位置関係を維持するよう、被救援車14を制御する車両制御情報を生成する。また、救援車2は、コイル部13による電磁エネルギーの放射方向を救援車2の真後ろ方向へ向ける。
【0120】
図21は、この実施の形態における救援車2と被救援車14との位置関係の一例を示す図である。
この図のように直線が続く2車線の道路において、救援車2と被救援車14とが車線変更する場合、図20と同じ位置関係を維持することができる。このため、救援車2は、パワーステアリング60から得た操舵角情報が変わっても、被救援車14との相対的な位置関係を変えず、コイル部13の放射方向を真後ろ方向へ向けた状態を維持する。
【0121】
図22は、この実施の形態における救援車2と被救援車14との位置関係の一例を示す図である。
この図のように、救援車2と被救援車14とが曲がり角に差し掛かろうとしている場合、救援車2と被救援車14とは、現在と同じ相対的な位置関係をこの先も維持したまま走行することはできない。
【0122】
図23は、この実施の形態における救援車2と被救援車14との位置関係の一例を示す図である。
この図のように、救援車2が曲がり角に差し掛かっている場合、救援車2のコイル部13の放射方向を真後ろ方向へ向けたままでは、被救援車14のコイル部25に対して適切な方向を向いているとは言えない。
救援車2のECU6(放射方向制御部)は、パワーステアリング60から得られる操舵角情報を用いて、被救援車14の相対的な向きを算出する。ECU6は、コイル部13の向きを制御して、コイル部13の放射方向を被救援車14に対して適切な方向に向ける。
例えば、ECU6は、救援車2の操舵角から走行路の曲率半径を算出する。ECU6は、算出した曲率半径と、救援車2と被救援車14との間の距離とに基づいて、救援車2の向きと被救援車14の向きとの角度差を算出する。ECU6は、算出した角度差に基づいて、コイル部13を向けるべき方向を算出する。ECU6は、コイル部13を制御して、算出した方向へ向ける。
【0123】
図24は、この実施の形態における救援車2と被救援車14との位置関係の一例を示す図である。
この図は、救援車2が曲がり角に差し掛かっている場合において、コイル部13が適切な方向を向いた状態を示す。
【0124】
なお、救援車2は、救援車2と被救援車14の角度差をパワーステアリング60から得られる情報を基に算出するのではなく、被救援車14が常に視野角に入るカメラ8を用いて、被救援車14の位置を特定して、コイル部13の方向を制御する構成であってもよい。
【0125】
この実施の形態における車々間給電・牽引システム800によれば、救援車2と被救援車14とが直線を走行するときには給電するための最適な位置関係を保持したまま走行することができ、曲がり角における給電効率の低減を抑えることができる。
【0126】
実施の形態5.
実施の形態5について、図25〜図32を用いて説明する。
【0127】
図25は、この実施の形態における救援システム801の全体構成の一例を示すシステム構成図である。
救援システム801は、所定のサービス提供エリア810内を走行しているユーザ車両840に対して救援サービスを提供するシステムである。
ユーザ車両840(対象移動体)は、例えば電気自動車である。ユーザ車両840は、電気エネルギーなどのエネルギーを蓄積し、蓄積したエネルギーを使って移動する。
サービス提供エリア810内やその周辺には、ユーザ車両840にエネルギーを供給するための給電施設850(エネルギー供給施設)がある。ユーザ車両840は、給電施設850へ行き、給電施設850内で、充電することにより、エネルギーを蓄積する。
ユーザ車両840に蓄積しているエネルギーが十分でなく、給電施設850まで行くことができない場合、ユーザ車両840は、救援センター820に対して、救援要請をする。
救援センター820は、ユーザ車両840からの救援要請を受けて、ユーザ車両840の近くにいる救援車両830を救援に向かわせる。
救援車両830(救援移動体)は、救援センター820からの指示にしたがって、ユーザ車両840と合流し、ユーザ車両840に対して、エネルギーを供給する。
【0128】
なお、ユーザ車両840は、蓄積しているエネルギーが完全になくなる前に救援要請をする。このため、ユーザ車両840は、まだ走行できる。これにより、蓄積しているエネルギーが完全になくなってから救援要請をする場合よりも早く救援を受けることができるので、時間のロスが少なくて済む。
また、ユーザ車両840は、蓄積しているエネルギーで最寄りの給電施設850まで行くことができる場合であっても、最寄りの給電施設850に立ち寄ると、最終目的地へ行くには遠回りになってしまう場合などは、敢えて最寄りの給電施設850には立ち寄らず、救援要請をしてもよい。
更に、ユーザ車両840のなかには、走行したままの状態でエネルギーを受け取ることができる装置を装備しているものもある。その場合、走行したままの状態でエネルギーを供給することができる装置を装備している救援車両830が救援に向かうことにより、走行したまま、エネルギーを受け渡す。これにより、救援による時間のロスを更に少なくすることができる。
【0129】
図26は、この実施の形態におけるユーザ車両840に搭載された装置群400の構成の一例を示すハードウェア構成図である。
ユーザ車両840に搭載された装置群400(対象装置)には、例えば、処理装置401と、記憶装置402と、受電装置403と、蓄電装置404と、移動装置405と、操縦装置406と、操作入力装置407と、通知装置408と、通信装置409と、現在位置測定装置412とがある。
処理装置401(対象処理装置)は、コンピュータプログラムを実行することにより、データを処理し、装置群400を制御する。処理装置401は、例えばコンピュータである。
記憶装置402(対象記憶装置)は、処理装置401が実行するコンピュータプログラムや、処理装置401が処理するデータなどを記憶する。記憶装置402は、例えば、揮発性メモリや不揮発性メモリなどの半導体メモリ、磁気ディスク装置や光学ディスク装置などの外部記憶装置などである。
受電装置403(取得装置)は、ユーザ車両840の外部から供給されるエネルギーを取り入れる。受電装置403は、例えばコイル(取得コイル)などを有し、エネルギーを供給する外部の装置と物理的に接続せず、外部の装置が放射する電磁波などを受けることにより、エネルギーを取り入れる構成(以下「無線取得方式」と呼ぶ。)であってもよい。また、受電装置403は、例えばケーブルを接続するコネクタなどを有し、エネルギーを供給する外部の装置と物理的に接続して、エネルギーを取り入れる構成(以下「有線取得方式」と呼ぶ。)であってもよい。また、受電装置403は、無線取得方式と有線取得方式との両方に対応可能な構成であってもよい。
蓄電装置404(蓄積装置)は、受電装置403が取り入れたエネルギーを蓄積する。
蓄電装置404は、例えばバッテリーである。蓄電装置404は、蓄積したエネルギーの量を示す信号を出力する。この信号は、処理装置401が入力して、蓄電装置404が蓄積したエネルギーの残量を監視する。
移動装置405(対象移動装置)は、蓄電装置404が蓄積したエネルギーを使って、ユーザ車両840を移動させる。移動装置405は、例えば、電動モータなど推進力を発生させる推進力発生装置、ギアやシャフトなど推進力発生装置が発生させた推進力を伝達する推進力伝達装置、タイヤなど推進力伝達装置が伝達した推進力によりユーザ車両840を推進させる推進装置、回生ブレーキなどユーザ車両840の速度を減速させる減速装置、パワーステアリングなどユーザ車両840の進行方向を制御する操舵装置、ウィンカーやブレーキランプなどユーザ車両840の動きを外部に知らせる信号装置などである。
移動装置405は、処理装置401や操縦装置406からの指示にしたがって動作する。
操縦装置406は、例えばハンドル、ブレーキべダル、アクセルペダルなどユーザ車両840の運転者による運転操作を入力する装置である。操縦装置406が入力した運転操作は、処理装置401を介して、または直接、移動装置405に伝達される。
操作入力装置407は、ユーザ車両840の運転者や同乗者による運転操作以外の操作を入力する装置である。操作入力装置407は、例えば、カーナビのタッチパネルや操作ボタン、音声認識装置などである。
通知装置408は、ユーザ車両840の運転者や同乗者に情報を通知する装置である。
通知装置408は、例えば、カーナビの表示画面や警告ランプ、音声合成装置などである。
通信装置409(対象送信装置・対象受信装置)は、救援センター820や救援車両830などと通信する装置である。通信装置409は、例えば近距離無線通信により、ユーザ車両840を救援するためユーザ車両840の近くにやって来た救援車両830と通信する。また、通信装置409は、例えば遠距離無線通信により、救援センター820と通信する。なお、救援センター820との間の通信は、例えば携帯電話など無線公衆通信回線を通じて行う構成であってもよいし、近距離無線通信によりユーザ車両840の近くにいる他の車両と通信することにより、他の車両を介したアドホック通信により行う構成であってもよい。また、救援車両830と通信するための通信装置と、救援センター820と通信するための通信装置とが、別々に存在する構成であってもよいし、1つの通信装置が、救援車両830及び救援センター820の両方と通信する構成であってもよい。
現在位置測定装置412は、ユーザ車両840の現在位置を測定する。あるいは、現在位置測定装置412は、ユーザ車両840の現在位置を算出するために必要な情報を収集し、現在位置測定装置412が収集した情報に基づいて、処理装置401がユーザ車両840の現在位置を算出する構成であってもよい。現在位置測定装置412は、例えばGPS(全地球測位システム)受信機、車速センサ、ジャイロセンサなどである。
【0130】
図27は、この実施の形態におけるユーザ車両840に搭載された装置群400の機能ブロックの構成の一例を示すブロック構成図である。
以下に説明する機能ブロックは、例えば、記憶装置402が記憶したコンピュータプログラムを処理装置401が実行することにより実現される。
装置群400(対象装置)は、例えば、地図記憶部421と、最終目的地入力部422と、最終目的地記憶部423と、現在位置取得部424と、給電施設記憶部425と、給電施設検索部426と、残量取得部427と、渋滞情報取得部428と、救援情報取得部429と、経路算出部430と、方針入力部431と、方針記憶部432と、経路選択部433と、経路記憶部434と、経路通知部435と、必要量算出部436と、要請判定部437と、救援要請送信部438と、要請応答受信部441と、要請情報記憶部442と、合流移動部443と、認証受信部444と、認証部445と、認証送信部446と、操縦受信部447と、隊列移動部448と、取得蓄積部449と、完了要求送信部450と、完了通知受信部451とを有する。
【0131】
地図記憶部421は、あらかじめ、記憶装置402を用いて、ユーザ車両840が走行する地域の地図を表わす地図データを記憶している。地図記憶部421が記憶している地図データは、例えば、その地域内に存在する道路の始点・終点・距離・形状・勾配・交通規制・通行料金・接続道路などを含む情報を表わす。
最終目的地入力部422は、操作入力装置407を用いて、ユーザ車両840の運転者や同乗者の操作を入力することにより、ユーザ車両840が目指す最終目的地を入力する。
最終目的地記憶部423は、記憶装置402を用いて、最終目的地入力部422が入力した最終目的地を表わす最終目的地データを記憶する。
現在位置取得部424は、現在位置測定装置412を用いて、ユーザ車両840の現在位置を取得する。
給電施設記憶部425は、あらかじめ、記憶装置402を用いて、ユーザ車両840が走行する地域に存在する給電施設850の位置・営業時間・小売系列などを表わす給電施設データを記憶している。
給電施設検索部426は、給電施設記憶部425が記憶した給電施設データと、現在位置取得部424が取得したユーザ車両840の現在位置とに基づいて、処理装置401を用いて、ユーザ車両840に対する給電が可能な給電施設850を検索する。給電施設検索部426が検索する給電施設850の範囲は、例えば、ユーザ車両840の現在位置からの距離が所定の距離より短い範囲、ユーザ車両840の現在位置から最終目的地までの経路からの距離が所定の距離より短い範囲などである。なお、給電施設検索部426は、ユーザ車両840からの距離に応じて、ユーザ車両840がその給電施設850に到着する予定時刻に営業している給電施設850だけを検索する構成であってもよいし、ユーザ車両840の運転者などがあらかじめ設定した小売系列に属する給電施設850だけを検索する構成であってもよい。
残量取得部427は、蓄電装置404が蓄積したエネルギーの残量を取得する。
渋滞情報取得部428は、通信装置409を用いて、渋滞情報を取得する。渋滞情報取得部428が取得する渋滞情報は、例えば、ユーザ車両840が通る可能性がある道路について、通過にかかる所要時間や渋滞の原因などを表わす。
救援情報取得部429は、通信装置409を用いて、救援情報を取得する。救援情報取得部429が取得する救援情報は、例えば、ユーザ車両840の近くにいる救援車両830の数や位置、稼動状況など、救援要請時にどのような救援サービスを受けられるかを判定する目安となる情報を表わす。
【0132】
経路算出部430は、処理装置401を用いて、地図記憶部421が記憶した地図データと、最終目的地記憶部423が記憶した最終目的地データと、現在位置取得部424が取得したユーザ車両840の現在位置とに基づいて、ユーザ車両840が最終目的地へ行くための経路を算出する。
経路算出部430は、最終目的地へ行くための経路として、いくつかの候補を算出する。経路算出部430が算出する経路には、給電施設検索部426が検索した給電施設850に適宜立ち寄る経路や、給電施設850に立ち寄らない経路などが含まれる。経路算出部430が算出する経路において最初に立ち寄る給電施設850は、残量取得部427が取得したエネルギーの残量で走行可能な距離より遠い給電施設850であってもよい。その経路を採用する場合、ユーザ車両840は、救援を受ける必要がある。
また、経路算出部430は、算出した経路それぞれについて、処理装置401を用いて、渋滞情報取得部428が取得した渋滞情報などに基づいて、最終目的地までの所要時間(もしくは到着予定時刻)を算出する。給電施設850に立ち寄る経路の場合、経路算出部430は、処理装置401を用いて、給電施設850での給電に要する時間を算出し、移動にかかる時間と合わせた時間を所要時間とする。また、救援を受ける必要がある経路の場合、経路算出部430は、救援情報取得部429が取得した救援情報に基づいて、救援を受けるのにかかる時間を算出し、移動にかかる時間と合わせた時間を所要時間とする。救援を受けるのにかかる時間には、例えば、ユーザ車両840の近くにいる救援車両830の稼働率が高く、救援を受けるのに待つ必要が生じる可能性が高い場合における待ち時間がある。また、走行したままの状態で救援を受ける場合、実際に救援を受けている間に、ユーザ車両840が移動するので、経路算出部430は、例えば、実際に救援を受けている時間を、救援を受けるのにかかる時間または移動時間のいずれか一方として計算し、所要時間を算出する。
また、経路算出部430は、算出した経路それぞれについて、処理装置401を用いて、その経路を走行するのに必要なエネルギー量を算出する。経路算出部430は、算出したエネルギー量に基づいて、その経路を走行するのにかかる経費を算出する。経路算出部430が算出する経費には、例えば、消費するエネルギーに対するエネルギー購入費、有料道路を通る場合における通行料金などが含まれる。なお、給電施設850で給電を受ける場合と、救援を受ける場合とでは、エネルギー購入費が異なる場合がある。通常、救援を受ける場合のほうが、エネルギー購入費が高い。給電施設850で給電を受ける経路の場合、経路算出部430は、給電施設850におけるエネルギーの小売単価にエネルギー消費量を乗じて、エネルギー購入費を算出する。救援を受ける場合、経路算出部430は、救援サービスにおけるエネルギーの小売単価に、必要なエネルギー量を乗じて、救援サービス利用基本料金を加えることにより、エネルギー購入費を算出する。
【0133】
方針入力部431は、あらかじめ、操作入力装置407を用いて、ユーザ車両840の運転者や同乗者の操作を入力することにより、経路の選択方針を入力しておく。経路の選択方針には、例えば、最終目的地に早く到着する経路を優先する所要時間優先方式、消費するエネルギー量が少ない経路を優先する「地球に優しい」方式、必要な経費が少ない経路を優先する「財布に優しい」方式、車線変更や右折の回数が少ない経路を優先する「運転初心者に優しい」方式などがある。あるいは、複数の選択方針を、重み付けなどにより組み合わせた選択方針であってもよい。また、選択方針に基づいて経路を自動的に選択するか、優先順に候補を表示してユーザ車両840の運転者や同乗者に選択させるかを選ぶことができる構成であってもよい。
方針記憶部432は、記憶装置402を用いて、方針入力部431が入力した経路の選択方針を表わす選択方針データを記憶する。
経路選択部433は、記憶装置402が記憶した選択方針データが表わす選択方針に基づいて、処理装置401を用いて、経路算出部430が算出した経路のなかから、経路を一つ選択する。ユーザ車両840の運転者や同乗者に経路を選択させる選択方針の場合、経路選択部433は、通知装置408を用いて、経路の候補と、それぞれの候補の所要時間・消費エネルギー量・経費など選択に必要な情報を表示し、操作入力装置407を用いて、ユーザ車両840の運転者や同乗者がどの経路を選択したかを入力する。
経路記憶部434は、記憶装置402を用いて、経路選択部433が選択した経路を表わす選択経路データを記憶する。
経路通知部435は、通知装置408を用いて、ユーザ車両840の運転者や同乗者に対して、経路記憶部434が記憶した選択経路データが表わす経路を通知する。
【0134】
必要量算出部436は、地図記憶部421が記憶した地図データと、経路記憶部434が記憶した選択経路データとに基づいて、処理装置401を用いて、選択した経路において最初に立ち寄る給電施設850(給電施設850に寄らない経路の場合は、最終目的地)までの移動に要するエネルギーの必要量を算出する。
要請判定部437は、処理装置401を用いて、救援要請をするか否かを判定する。例えば、要請判定部437は、必要量算出部436が算出したエネルギーの必要量と、残量取得部427が取得したエネルギーの残量とを比較して、残量が必要量よりも少ない場合に、救援要請をすると判定する。
救援要請送信部438は、救援要請をすると要請判定部437が判定した場合、通信装置409を用いて、救援センター820に対して、救援要請信号を送信する。救援要請信号は、例えば、ユーザID(対象識別子)、ユーザ車両840の現在位置、経路、エネルギーの救援要請量などを表わす情報を含む。ユーザIDとは、ユーザ車両840が救援サービスにあらかじめ登録してある場合における登録番号など、ユーザ車両840を識別するための識別子である。なお、ユーザ車両840が救援サービスにあらかじめ登録していない場合、救援要請送信部438は、救援サービスへの登録手続を別途行うなどして、ユーザIDを取得してから、救援要請信号を送信する構成であってもよい。また、エネルギーの救援要請量とは、救援を受けたいエネルギー量のことである。例えば要請判定部437が、エネルギーの必要量から残量を差し引いた差を計算することにより、エネルギーの救援要請量を算出する。
【0135】
要請応答受信部441は、通信装置409を用いて、救援要請送信部438が送信した救援要請信号に対する応答として救援センター820がユーザ車両840に対して送信した要請応答信号を受信する。要請応答信号は、例えば、受付番号、救援に向かう救援車両830のIDなど救援車両830の認証に必要な救援認証情報、救援車両830がユーザ車両840に合流する合流地点、救援に向かっている救援車両830の現在位置などを表わす情報を含む。
要請情報記憶部442は、記憶装置402を用いて、要請応答受信部441が受信した要請応答信号に含まれる情報を表わす要請情報データを記憶する。
【0136】
合流移動部443は、通知装置408を用いて、ユーザ車両840の運転者などに対して、要請情報記憶部442が記憶した要請情報データが表わす情報を通知する。ユーザ車両840の運転者は、経路通知部435や合流移動部443が通知した情報に基づいて、操縦装置406を操作し、合流地点へ向かう。なお、ユーザ車両840が自動運転機能を有する場合、運転者の操作を介さず、経路記憶部434が記憶した経路データが表わす経路に基づいて、合流移動部443が移動装置405を直接制御して合流地点へ向かう構成であってもよい。
また、合流移動部443は、救援車両830が合流地点に到着する時刻よりも早くユーザ車両840が合流地点に到着しそうな場合、ユーザ車両840の速度を緩めるなどして、ユーザ車両840が救援車両830よりも遅く合流地点に到着するよう調整する構成であってもよい。その場合、例えば、合流移動部443は、ユーザ車両840の現在位置に基づいて、処理装置401を用いて、ユーザ車両840が合流地点に到着する予定時刻を算出する。合流移動部443は、救援車両830の現在位置に基づいて、処理装置401を用いて、救援車両830が合流地点に到着する予定時刻を算出する。合流移動部443は、処理装置401を用いて、算出した2つの予定時刻を比較する。ユーザ車両840の到着予定時刻のほうが救援車両830の到着予定時刻よりも早い場合、合流移動部443は、通知装置408を用いて、ユーザ車両840の運転者などに対して、速度を緩めるよう促す。あるいは、合流移動部443は、移動装置405を直接制御して、ユーザ車両840の速度を緩める。
【0137】
認証受信部444は、通信装置409を用いて、救援車両830が送信した認証信号を受信する。救援車両830は、合流地点やその近くなどにおいて、救援車両830がユーザ車両840に近づいた場合に、認証信号を送信する。認証信号は、例えば、受付番号、救援車両830のIDなど救援車両830の認証に必要な情報を含む。
認証部445は、要請情報記憶部442が記憶した要請情報データと、認証受信部444が受信した認証信号とに基づいて、処理装置401を用いて、認証信号を送信した救援車両830がユーザ車両840の救援にやって来た救援車両830であるか否かを判定する。
認証送信部446は、認証部445の判定結果に基づいて、通信装置409を用いて、救援車両830に対して、認証信号を送信する。救援車両830がユーザ車両840の救援にやってきた救援車両830であると認証部445が判定した場合、認証送信部446は、認証に成功したことを表わし、ユーザIDなどユーザ車両840の認証に必要な情報を含む認証信号を送信する。救援車両830がユーザ車両840の救援にやってきた救援車両830ではないと認証部445が判定した場合、認証送信部446は、認証に失敗したことを表わす認証信号を送信する。
【0138】
操縦受信部447は、救援車両830がユーザ車両840の救援にやって来た救援車両830であると認証部445が判定した場合、通信装置409を用いて、救援車両830が送信した操縦信号を受信する。救援車両830は、認証送信部446が送信した認証信号に基づいて認証に成功した場合、ユーザ車両840に対して操縦信号を送信する。操縦信号は、ユーザ車両840の移動装置405を制御して、救援車両830とユーザ車両840とが、救援サービスを提供するために必要な所定の位置関係を保ったまま、隊列走行させるための信号である。
隊列移動部448は、操縦受信部447が受信した操縦信号に基づいて、移動装置405を制御し、ユーザ車両840を、救援車両830と所定の位置関係にある位置へ移動させ、その位置関係を維持したまま隊列走行させる。
なお、隊列移動部448は、自動操縦を開始する前に、通知装置408を用いて、ユーザ車両840の運転者に対して、救援を受けるため自動操縦を開始する旨を通知する。また、隊列移動部448は、操作入力装置407を用いて、ユーザ車両840の運転者による承認を入力する構成であってもよい。その場合、隊列移動部448は、ユーザ車両840の運転者による承認を入力したのちに、自動操縦を開始する。
【0139】
救援車両830が送信する操縦信号は、ユーザ車両840の加減速や操舵を直接指示する構成であってもよいし、救援車両830の加減速や操舵をユーザ車両840に通知する構成であってもよい。操縦信号がユーザ車両840の加減速や操舵を直接指示する構成である場合、隊列移動部448は、操縦受信部447が受信した操縦信号の指示にしたがって、移動装置405を制御する。また、操縦信号が救援車両830の加減速や操舵をユーザ車両840に通知する構成である場合、隊列移動部448は、操縦受信部447が受信した操縦信号が表わす救援車両830の加減速や操舵に基づいて、ユーザ車両840を救援車両830と所定の位置関係にある位置へ移動させる加減速量や操舵量を算出し、移動装置405を制御する。
【0140】
取得蓄積部449は、隊列移動部448による自動操縦によって救援車両830とユーザ車両840とが所定の位置関係になった場合、受電装置403を用いて、救援車両830から供給されるエネルギーを受け取り、蓄電装置404を用いて、受け取ったエネルギーを蓄積する。
【0141】
完了要求送信部450は、救援要請をすると要請判定部437が判定して救援要請送信部438が救援要請を送信し、その後、救援要請の必要がなくなったと要請判定部437が判定した場合に、通信装置409を用いて、救援車両830に対して、救援作業の完了を要求する完了要求信号を送信する。
救援車両830から供給されたエネルギーにより蓄電装置404にエネルギーが蓄積されると、要請判定部437は、救援要請をする必要がなくなったと判定する。なお、要請判定部437は、残量取得部427が取得したエネルギーの残量が、必要量算出部436が算出した必要量より多くなった時点で、救援要請の必要がなくなったと判定する構成であってもよいし、余裕を見て、エネルギーの残量を必要量で割った商が1より大きい所定の閾値(例えば1.2)を超えた場合に、救援要請の必要がなくなったと判定する構成であってもよい。
なお、回生ブレーキによって蓄電装置404にエネルギーが蓄積された場合など、救援車両830が到着する前に、救援要請の必要がなくなったと要請判定部437が判定することもあり得る。その場合、例えば、完了要求送信部450は、救援車両830に対して完了要求信号を送信する代わりに、救援センター820に対して、救援要請を撤回する救援要請撤回信号を送信する。
【0142】
完了通知受信部451は、通信装置409を用いて、完了要求送信部450が救援車両830に対して送信した完了要求信号に対する応答として救援車両830が送信した完了通知信号を受信する。
取得蓄積部449は、完了通知信号を完了通知受信部451が受信した場合、受電装置403を用いて、救援車両830から供給されるエネルギーを受け取るのを停止する。
隊列移動部448は、完了通知信号を完了通知受信部451が受信した場合、救援車両830からの操縦信号による自動操縦を停止する。なお、自動操縦を終了してユーザ車両840の運転者による操縦に切り替える場合、隊列移動部448は、自動操縦を終了する前に、通知装置408を用いて、ユーザ車両840の運転者に対して、自動操縦を終了する旨を通知する。なお、隊列移動部448は、操作入力装置407を用いて、ユーザ車両840の運転者による承認を入力する構成であってもよい。その場合、隊列移動部448は、ユーザ車両840の運転者による承認を入力したのちに、自動操縦を終了する。また、隊列移動部448は、通信装置409を用いて、救援車両830に対して、自動操縦を終了したことを表わす操縦終了信号を送信する構成であってもよい。また、隊列移動部448は、自動操縦により救援車両830との間の車間距離を十分離したのちに、自動操縦を終了する構成であってもよい。
【0143】
図28は、この実施の形態における救援車両830に搭載された装置群300の構成の一例を示すハードウェア構成図である。
救援車両830に搭載された装置群300(救援装置)には、例えば、処理装置301と、記憶装置302と、受電装置303と、蓄電装置304と、移動装置305と、操縦装置306と、操作入力装置307と、通知装置308と、通信装置309と、識別装置310と、相対位置測定装置311と、現在位置測定装置312と、給電装置313とがある。
処理装置301(救援処理装置)は、コンピュータプログラムを実行することにより、データを処理し、装置群300を制御する。処理装置301は、例えばコンピュータである。
記憶装置302(救援記憶装置)は、処理装置301が実行するコンピュータプログラムや、処理装置301が処理するデータなどを記憶する。記憶装置302は、例えば、揮発性メモリや不揮発性メモリなどの半導体メモリ、磁気ディスク装置や光学ディスク装置などの外部記憶装置などである。
受電装置303(救援取得装置)は、救援車両830の外部から供給されるエネルギーを取り入れる。受電装置303は、有線取得方式であってもよいし、無線取得方式であってもよいし、両方に対応可能な構成であってもよい。
蓄電装置304(救援蓄積装置)は、受電装置303が取り入れたエネルギーを蓄積する。蓄電装置304は、例えばバッテリーである。蓄電装置304は、蓄積したエネルギーの量を示す信号を出力する。この信号は、処理装置301が入力して、蓄電装置304が蓄積したエネルギーの残量を監視する。なお、蓄電装置304は、ユーザ車両840の蓄電装置404よりも大容量であり、少なくとも数台のユーザ車両840に対して、蓄電装置404をフル充電可能な程度のエネルギーを蓄積できる。
給電装置313(供給装置)は、ユーザ車両840に対してエネルギーを供給する。給電装置313は、例えばコイル(放射コイル)などを有し、ユーザ車両840と物理的に接続せず、電磁波を放射することによりユーザ車両840に対してエネルギーを供給する構成(以下「無線供給方式」と呼ぶ。)であってもよい。また、給電装置313は、例えば、コネクタと、コネクタに接続したケーブルと、ケーブルをユーザ車両840のコネクタに接続するためのロボットアームとを有し、ユーザ車両840と物理的に接続して、エネルギーを供給する構成(以下「有線供給方式」と呼ぶ。)であってもよい。また、給電装置313は、無線供給方式と有線供給方式との両方に対応可能な構成であってもよい。
移動装置305(救援移動装置)は、救援車両830を移動させる。なお、移動装置305は、蓄電装置304が蓄積したエネルギーを使う構成であってもよいし、ガソリンや燃料電池など蓄電装置304が蓄積したエネルギーとは異なるエネルギーを使う構成であってもよい。移動装置305は、例えば、電動モータやエンジンなど推進力を発生させる推進力発生装置、ギアやシャフトなど推進力発生装置が発生させた推進力を伝達する推進力伝達装置、タイヤなど推進力伝達装置が伝達した推進力により救援車両830を推進させる推進装置、回生ブレーキなど救援車両830の速度を減速させる減速装置、パワーステアリングなど救援車両830の進行方向を制御する操舵装置、ウィンカーやブレーキランプなど救援車両830の動きを外部に知らせる信号装置などである。移動装置305は、処理装置301や操縦装置306からの指示にしたがって動作する。
操縦装置306は、例えばハンドル、ブレーキべダル、アクセルペダルなど救援車両830の運転者による運転操作を入力する装置である。操縦装置306が入力した運転操作は、処理装置301を介して、または直接、移動装置305に伝達される。
操作入力装置307は、救援車両830の運転者や同乗者による運転操作以外の操作を入力する装置である。操作入力装置307は、例えば、カーナビのタッチパネルや操作ボタン、音声認識装置などである。
通知装置308は、救援車両830の運転者や同乗者に情報を通知する装置である。通知装置308は、例えば、カーナビの表示画面や警告ランプ、音声合成装置などである。
通信装置309(救援送信装置・救援受信装置)は、救援センター820やユーザ車両840などと通信する装置である。通信装置309は、例えば近距離無線通信により、救援サービスを提供するために合流したユーザ車両840と通信する。また、通信装置309は、例えば遠距離無線通信により、救援センター820と通信する。なお、救援センター820との間の通信は、例えば携帯電話など無線公衆通信回線を通じて行う構成であってもよいし、近距離無線通信により救援車両830の近くにいる他の車両と通信することにより、他の車両を介したアドホック通信により行う構成であってもよい。また、ユーザ車両840と通信するための通信装置と、救援センター820と通信するための通信装置とが、別々に存在する構成であってもよいし、1つの通信装置が、ユーザ車両840及び救援センター820の両方と通信する構成であってもよい。
識別装置310は、救援車両830の周辺に存在するユーザ車両840を識別する。あるいは、識別装置310は、救援車両830の周辺に存在するユーザ車両840を識別するために必要な情報を収集し、識別装置310が収集した情報に基づいて、処理装置301がユーザ車両840を識別する構成であってもよい。識別装置310は、例えば、ユーザ車両840のナンバープレートを撮影するためのカメラなどである。
相対位置測定装置311は、救援車両830とユーザ車両840との間の相対的な位置関係を測定する。あるいは、相対位置測定装置311は、救援車両830とユーザ車両840との間の相対的な位置関係を算出するために必要な情報を収集し、相対位置測定装置311が収集した情報に基づいて、処理装置301が位置関係を算出する構成であってもよい。相対位置測定装置311は、例えば、レーザ式距離測定装置、ステレオカメラなどである。相対位置測定装置311がステレオカメラである場合、識別装置310を兼ねる構成であってもよい。
現在位置測定装置312は、救援車両830の現在位置を測定する。あるいは、現在位置測定装置312は、救援車両830の現在位置を算出するために必要な情報を収集し、現在位置測定装置312が収集した情報に基づいて、処理装置301が救援車両830の現在位置を算出する構成であってもよい。現在位置測定装置312は、例えばGPS(全地球測位システム)受信機、車速センサ、ジャイロセンサなどである。
【0144】
図29は、この実施の形態における救援車両830に搭載された装置群300の機能ブロックの構成の一例を示すブロック構成図である。
以下に説明する機能ブロックは、例えば、記憶装置302が記憶したコンピュータプログラムを処理装置301が実行することにより実現される。
装置群300(救援装置)は、例えば、地図記憶部321と、状態記憶部323と、現在位置取得部324と、給電施設記憶部325と、給電施設検索部326と、残量取得部327と、充電判定部328と、状態送信部329と、経路算出部330と、経路記憶部334と、経路通知部335と、対象探索部336と、受諾判定部337と、合流指示受信部339と、指示応答送信部340と、合流移動部343と、認証受信部344と、認証部345と、認証送信部346と、救援移動部348と、救援供給部349と、完了要求受信部350と、完了通知送信部351とを有する。
【0145】
状態記憶部323は、記憶装置302を用いて、救援車両830の状態を表わす状態データを記憶する。救援車両830の状態には、例えば、ユーザ車両840を救援するため合流地点へ向かって移動している状態がある。この場合、状態記憶部323は、状態データとして、救援移動中であること、提供する救援サービスの受付番号、ユーザ車両840の車両番号(ナンバー)、ユーザIDなどユーザ車両840の認証に必要な情報、ユーザ車両840のエネルギー取得方式などユーザ車両840に救援サービスを提供するために必要な情報、合流地点、ユーザ車両840の現在位置などを表わすデータを記憶する。
また、救援車両830の状態には、例えば、ユーザ車両840と合流して救援サービスを提供している状態がある。この場合、状態記憶部323は、状態データとして、サービス提供中であること、提供中の救援サービスの受付番号などを表わすデータを記憶する。
また。救援車両830の状態には、例えば、蓄電装置304に蓄積したエネルギーの残量が低下してきたので給電施設850へ向かって移動している状態がある。この場合、状態記憶部323は、状態データとして、充電移動中であること、蓄電装置304が蓄積したエネルギーの残量、向かっている給電施設850などを表わすデータを記憶する。
また、救援車両830の状態には、例えば、給電施設850からエネルギーの供給を受けて蓄電装置304にエネルギーを蓄積している状態がある。この場合、状態記憶部323は、状態データとして、充電中であること、蓄電装置304が蓄積したエネルギーの残量などを表わすデータを記憶する。
また、救援車両830の状態には、例えば、上記の状態のいずれでもなくいつでも救援に向かうことができる状態がある。この場合、状態記憶部323は、状態データとして、待機中であること、蓄電装置304が蓄積したエネルギーの残量などを表わすデータを記憶する。
【0146】
現在位置取得部324は、現在位置測定装置312を用いて、救援車両830の現在位置を取得する。
状態送信部329は、定期的に、通信装置309を用いて、救援センター820に対して、救援車両830の状態を表わす状態信号を送信する。状態送信部329が送信する状態信号は、状態記憶部323が記憶した状態データが表わす状態や、現在位置取得部324が取得した現在位置を表わす情報を含む。
【0147】
残量取得部327は、蓄電装置304が蓄積したエネルギーの残量を取得する。
充電判定部328は、残量取得部327が取得したエネルギーの残量に基づいて、処理装置301を用いて、充電が必要か否かを判定する。例えば、充電判定部328は、処理装置301を用いて、蓄電装置304が蓄積したエネルギーの残量を、所定の閾値と比較し、残量が閾値より少ない場合に、充電が必要であると判定する。充電判定部328の判定結果及び蓄電装置304が蓄積したエネルギーの残量は、状態記憶部323が記憶する。
【0148】
給電施設記憶部325は、あらかじめ、記憶装置302を用いて、サービス提供エリア810内やその付近に存在する給電施設850の位置などを表わす給電施設データを記憶している。なお、給電施設記憶部325が記憶する給電施設データは、救援システム801が提携していて救援車両830が充電をすることができる給電施設850だけを表わすものであってもよい。
給電施設検索部326は、給電施設記憶部325が記憶した給電施設データと、現在位置取得部324が取得した救援車両830の現在位置とに基づいて、処理装置301を用いて、救援車両830の近くにある給電施設850を検索する。なお、給電施設検索部326が検索する給電施設850は、救援車両830の現在位置からの距離もしくは所要時間が最も短い給電施設850だけでもよい。
【0149】
合流指示受信部339は、通信装置309を用いて、救援センター820が送信した合流指示信号を受信する。救援センター820は、ユーザ車両840の救援に向かわせる救援車両830に対して、合流指示信号を送信する。合流指示信号は、例えば、救援サービスの受付番号、ユーザ車両840の車両番号、ユーザIDなどユーザ車両840の認証に必要な情報、ユーザ車両840のエネルギー取得方式などユーザ車両840に救援サービスを提供するために必要な情報、合流地点、ユーザ車両840の現在位置を表わす情報を含む。
受諾判定部337は、合流指示受信部339が合流指示信号を受信した場合に、処理装置301を用いて、状態記憶部323が記憶した状態データが表わす状態などに基づいて、合流指示を受諾するか否かを判定する。例えば、受諾判定部337は、救援車両830の状態が待機中である場合に、合流指示を受諾すると判定する。また、受諾判定部337は、通知装置308を用いて、救援車両830の運転者などに対して、合流指示を受けたことを通知し、操作入力装置307を用いて、運転者などの操作を入力することにより、合流指示を受諾するか否かについての運転者の判断を入力する構成であってもよい。
合流指示を受諾すると判定した場合、受諾判定部337は、処理装置301を用いて、状態記憶部323が記憶した状態データを更新して、救援移動中であることなどを記憶させる。
指示応答送信部340は、受諾判定部337の判定結果に基づいて、通信装置309を用いて、救援センター820に対して、指示応答信号を送信する。指示応答送信部340が送信する指示応答信号は、合流指示を受諾するか否かを表わす。
【0150】
経路算出部330は、地図記憶部321が記憶した地図データと、現在位置取得部324が取得した現在位置とに基づいて、目的地までの経路を算出する。救援車両830の目的地には、合流指示を受けた場合における合流地点や、蓄電装置304を充電する給電施設850などがある。例えば、状態記憶部323が記憶した状態データが表わす状態が救援移動中である場合、経路算出部330は、状態記憶部323が記憶した状態データが表わす合流地点までの経路を算出する。また、状態記憶部323が記憶した状態データが表わす状態が充電移動中や待機中である場合、経路算出部330は、給電施設検索部326が検索した給電施設850までの経路を算出する。
経路記憶部334は、記憶装置302を用いて、経路算出部330が算出した経路を表わす経路データを記憶する。
経路通知部335は、通知装置308を用いて、救援車両830の運転者などに対して、経路記憶部334が記憶した経路データが表わす経路を通知する。
合流移動部343は、状態記憶部323が記憶した状態データが表わす状態が合流移動中である場合に、通知装置408を用いて、救援車両830の運転者などに対して、状態記憶部323が記憶した状態データに基づいて、救援移動中であること、合流地点、ユーザ車両840の現在位置などを通知する。救援車両830の運転者は、経路通知部335や合流移動部343が通知した情報に基づいて、操縦装置306を操作し、合流地点へ向かう。なお、救援車両830が自動運転機能を有する場合、運転者の操作を介さず、経路記憶部334が記憶した経路データが表わす経路に基づいて、合流移動部343が移動装置305を直接制御して合流地点へ向かう構成であってもよい。
【0151】
対象探索部336は、状態記憶部323が記憶した状態データが表わす状態が救援移動中である場合に、識別装置310を用いて、救援車両830の周辺に存在するユーザ車両840のなかから、救援サービスを提供すべき相手であるユーザ車両840を探索する。
認証送信部346は、救援サービスを提供すべき相手であるユーザ車両840を対象探索部336が発見した場合、通信装置309を用いて、認証信号を送信する。なお、対象探索部336は、救援サービスを提供すべき相手であるユーザ車両840を対象探索部336が発見しない場合であっても、救援車両830の現在位置と、ユーザ車両840の現在位置とに基づいて、救援サービスを提供すべき相手であるユーザ車両840が近くにいるか否かを判定し、近くにいると判定した場合は、認証信号を送信する構成であってもよい。その場合、ユーザ車両840は、救援車両830がユーザ車両840を発見できるよう、現在位置を救援車両830に対して送信する構成であってもよいし、ヘッドライトを点滅するなどの合図をする構成であってもよい。あるいは、ユーザ車両840がカメラなどの識別装置を備え、ユーザ車両840が逆に救援車両830を探索する構成であってもよい。
【0152】
認証受信部344は、通信装置309を用いて、認証送信部346が送信した認証信号に対する応答としてユーザ車両840が送信した認証信号を受信する。
認証部345は、認証受信部344が受信した認証信号に基づいて、処理装置301を用いて、ユーザ車両840が救援車両830の認証に成功したか失敗したかを判定し、ユーザ車両840が救援車両830の認証に成功したと判定した場合、ユーザ車両840を認証する。ユーザ車両840の認証に成功した場合、認証部345は、処理装置301を用いて、状態記憶部323が記憶した状態データを更新し、救援中であることなどを記憶させる。
【0153】
救援移動部348は、認証部345が認証に成功した場合、相対位置測定装置311を用いて、ユーザ車両840との位置関係を取得する。救援移動部348は、処理装置301を用いて、取得した位置関係に基づいて、救援車両830とユーザ車両840とが、救援サービスを提供するために必要な所定の位置関係にあるか否かを判定する。例えば、救援移動部348は、有線供給方式/有線取得方式の場合において、ユーザ車両840の受電装置403のコネクタに、救援車両830の給電装置313のケーブルが届く範囲内にある場合に、救援サービスを提供するために必要な所定の位置関係にあると判定する。あるいは、救援移動部348は、無線供給方式/無線取得方式の場合において、ユーザ車両840の受電装置403の取得コイルが、救援車両830の給電装置313の放射コイルが電磁波を放射する方向に位置し、取得コイルと放射コイルとの間の距離が所定の閾値以下である場合に、救援サービスを提供するために必要な所定の位置関係にあると判定する。
救援車両830とユーザ車両840とが所定の位置関係にあると判定した場合、救援移動部348は、その位置関係を維持するための操縦信号を生成する。また、救援車両830とユーザ車両840とが所定の位置関係にないと判定した場合、救援移動部348は、ユーザ車両840を所定の位置に移動させる操縦信号を生成する。救援移動部348は、通信装置309を用いて、ユーザ車両840に対して、生成した操縦信号を送信する。
【0154】
救援供給部349は、救援車両830とユーザ車両840とが所定の位置関係にあると救援移動部348が判定した場合に、給電装置313を用いて、ユーザ車両840に対してエネルギーを供給する。例えば、ユーザ車両840のエネルギー取得方式が無線取得方式である場合、救援供給部349は、無線供給方式によりエネルギーを供給する。また、ユーザ車両840のエネルギー取得方式が有線取得方式である場合、救援供給部349は、ケーブルを接続するなどして、救援車両830とユーザ車両840とを物理的に接続し、有線供給方式によりエネルギーを供給する。
【0155】
完了要求受信部350は、通信装置309を用いて、ユーザ車両840が送信した完了要求信号を受信する。
救援供給部349は、完了要求受信部350が完了要求信号を受信した場合、給電装置313を用いて、ユーザ車両840に対するエネルギーの供給を停止する。例えば、ユーザ車両840のエネルギー取得方式が有線取得方式である場合、救援供給部349は、救援車両830とユーザ車両840とを接続したケーブルを取り外すなどして、救援車両830とユーザ車両840との物理的接続を断ち、有線供給方式によるエネルギーの供給を停止する。
完了通知送信部351は、完了要求受信部350が完了要求信号を受信した場合、通信装置309を用いて、ユーザ車両840に対して、完了通知信号を送信する。完了通知送信部351は、完了要求受信部350が完了要求信号を受信したらすぐに、完了通知信号を送信する構成であってもよいし、救援供給部349によるケーブルの取り外しが終わってから完了通知信号を送信する構成であってもよい。
救援移動部348は、完了要求受信部350が完了要求信号を受信した場合、操縦信号の生成・送信を停止する。なお、救援移動部348は、ユーザ車両840が手動操縦に切り替わったことを確認したのちに、操縦信号の生成・送信を停止する構成であってもよい。例えば、手動操縦に切り替わったことを表わす信号をユーザ車両840が送信し、救援移動部348が、通信装置309を用いて、ユーザ車両840が送信した信号を受信することにより、ユーザ車両840が手動操縦に切り替わったと判定する構成であってもよい。あるいは、救援移動部348は、相対位置測定装置311を用いて、救援車両830とユーザ車両840との位置関係を取得し、ユーザ車両840の動きが操縦信号によって指示した動きと異なる場合に、ユーザ車両840が手動操縦に切り替わったと判定する構成であってもよい。
【0156】
図30は、この実施の形態における救援センター820が備える装置群200の構成の一例を示すハードウェア構成図である。
救援センター820が備える装置群200(救援指示装置)には、例えば、処理装置201と、記憶装置202と、操作入力装置207と、通知装置208と、通信装置209とがある。
処理装置301(指示処理装置)は、コンピュータプログラムを実行することにより、データを処理し、装置群200を制御する。処理装置201は、例えばコンピュータである。
記憶装置202(指示記憶装置)は、処理装置201が実行するコンピュータプログラムや、処理装置201が処理するデータなどを記憶する。記憶装置202は、例えば、揮発性メモリや不揮発性メモリなどの半導体メモリ、磁気ディスク装置や光学ディスク装置などの外部記憶装置などである。
操作入力装置207は、救援センター820のオペレーターなどによる操作を入力する装置である。操作入力装置207は、例えば、キーボード、操作ボタン、マウス、音声認識装置などである。
通知装置208は、救援センター820のオペレータなどに情報を通知する装置である。通知装置208は、例えば、液晶パネルなどの画像表示装置や警告ランプ、音声合成装置などである。
通信装置209(指示送信装置・指示受信装置)は、救援車両830やユーザ車両840などと通信する装置である。通信装置309は、例えば遠距離無線通信により、救援車両830やユーザ車両840と通信する。
【0157】
図31は、この実施の形態における救援センター820が備える装置群200の機能ブロックの構成の一例を示すブロック構成図である。
以下に説明する機能ブロックは、例えば、記憶装置202が記憶したコンピュータプログラムを処理装置201が実行することにより実現される。
装置群200(救援指示装置)は、例えば、地図記憶部221と、状態記憶部223と登録情報取得部224と、状態受信部229と、対象経路算出部230と、合流地点候補選択部231と、救援経路算出部232と、対象到着予定算出部233と、救援到着予定算出部234と、救援装置決定部235と、合流地点決定部236と、救援要請受信部238と、合流指示送信部239と、指示応答受信部240と、要請応答送信部241とを有する。
【0158】
地図記憶部221は、あらかじめ、記憶装置202を用いて、サービス提供エリア810やその周辺の地図を表わす地図データを記憶している。
状態受信部229は、通信装置209を用いて、それぞれの救援車両830が送信した状態信号を受信する。
状態記憶部223は、記憶装置202を用いて、状態受信部229が受信した状態信号が表わすそれぞれの救援車両830の現在の状態や現在位置などを表わすデータを記憶する。救援車両830は定期的に状態信号を送信するので、状態記憶部223は、状態受信部229が状態信号を受信するたび、記憶したデータを更新し、常に最新の状態を保つ。
【0159】
救援要請受信部238は、通信装置209を用いて、いずれかのユーザ車両840が送信した救援要請信号を受信する。
登録情報取得部224は、あらかじめ、記憶装置202を用いて、救援サービスに登録しているユーザ車両840についての情報を表わす登録情報データを記憶している。登録情報取得部224は、登録情報データとして、例えば、ユーザ車両840のユーザID、車両番号、装備しているエネルギー取得方式、決済のための引き落とし口座番号やクレジットカード番号などを表わすデータを記憶している。登録情報取得部224は、救援要請受信部238が受信した救援要請信号からユーザIDを取得し、記憶した登録情報データを検索して、ユーザ車両840についての情報を取得する。
対象経路算出部230は、救援要請受信部238が救援要請信号を受信した場合に、処理装置201を用いて、救援要請信号を送信したユーザ車両840の経路を算出する。例えば、対象経路算出部230は、地図記憶部221が記憶した地図データと、救援要請信号に含まれるユーザ車両840の現在位置や経路などを表わす情報に基づいて、処理装置201を用いて、ユーザ車両840の経路を算出する。対象経路算出部230は、処理装置201を用いて、救援要請信号に含まれるエネルギーの残量を表わす情報に基づいて、ユーザ車両840がこのまま充電せずにどこまで到達できるかを判定し、到達できるところまでをユーザ車両840の経路とする。
合流地点候補選択部231は、処理装置201を用いて、対象経路算出部230が算出したユーザ車両840の経路上の地点のなかから、合流地点の候補となる地点(以下「合流地点候補」と呼ぶ。)を複数選択する。例えば、合流地点候補選択部231は、処理装置201を用いて、合流地点候補として、ユーザ車両840の経路上の所定の距離進むごとに一つの地点を選択する。あるいは、合流地点候補選択部231は、処理装置201を用いて、ユーザ車両840の経路上に存在する交差点など合流可能な地点を抽出して、合流地点候補とする構成であってもよい。
対象到着予定算出部233は、合流地点候補選択部231が選択した複数の合流地点候補それぞれについて、処理装置201を用いて、対象経路算出部230が算出した経路に基づいて、ユーザ車両840がその合流地点候補に到着する予定時刻を算出する。なお、対象到着予定算出部233は、ユーザ車両840が合流地点候補に到着する到着予定時刻をピンポイントで算出するのではなく、予測誤差要因を考慮して、ある程度の範囲を持つ到着予定時刻を算出する構成であってもよい。例えば、対象到着予定算出部233は、最早到着予定時刻と最遅到着予定時刻とを算出する。この場合において、対象到着予定算出部233は、ユーザ車両840の到着時刻が、最早到着予定時刻と最遅到着予定時刻との間に入る確率が所定の確率(例えば90%)以上になるよう、最早到着予定時刻と最遅到着予定時刻とを算出する。
【0160】
救援経路算出部232は、合流地点候補選択部231が選択した複数の合流地点候補それぞれについて、それぞれの救援車両830がその合流地点候補へ向かう経路を算出する。
救援車両830が待機中や充電中である場合、救援経路算出部232は、救援車両830の現在位置を出発地点として経路を算出する。
救援車両830が充電移動中である場合、救援経路算出部232は、救援車両830が向かっている給電施設850を出発地点として経路を算出する。
救援車両830が救援移動中や救援中である場合、救援経路算出部232は、処理装置201を用いて、救援車両830が提供する救援サービスの合流地点・ユーザ車両840の目的地・ユーザ車両840のエネルギーの救援要請量などに基づいて、その救援サービスが完了すると予測される地点を算出し、算出した地点を出発地点として経路を算出する。
【0161】
救援到着予定算出部234は、合流地点候補選択部231が選択した複数の合流地点候補それぞれについて、処理装置201を用いて、救援経路算出部232が算出した経路に基づいて、それぞれの救援車両830がその合流地点候補に到着する予定時刻を算出する。
救援車両830が待機中である場合、救援到着予定算出部234は、現在時刻を出発時刻として到着予定時刻を算出する。あるいは、合流指示を救援車両830に伝達するまでにかかる時間を考慮して、救援到着予定算出部234は、現在時刻から所定の時間が経過した時刻を出発時刻として到着予定時刻を算出する構成であってもよい。
救援車両830が充電移動中や充電中である場合、救援到着予定算出部234は、処理装置201を用いて、状態記憶部223が記憶したデータから、救援車両830の蓄電装置304が蓄積したエネルギーの残量を取得して、充電が終わると予測される時刻を算出し、算出した時刻を出発時刻として到着予定時刻を算出する。なお、救援到着予定算出部234は、ユーザ車両840が必要としているエネルギーをユーザ車両840に供給できるまで救援車両830の蓄電装置304が充電された状態を充電終了として充電終了時刻を算出する構成であってもよいし、蓄電装置304がフル充電された状態を充電終了として充電終了時刻を算出する構成であってもよい。
救援車両830が救援移動中や救援中である場合、救援到着予定算出部234は、処理装置201を用いて、救援車両830が提供する救援サービスの合流地点・救援車両830及びユーザ車両840の到着予定時刻・ユーザ車両840のエネルギーの救援要請量などに基づいて、その救援サービスが完了すると予測される時刻を算出し、算出した時刻を出発時刻として到着予定時刻を算出する。
なお、救援到着予定算出部234は、救援車両830が合流地点候補に到着する到着予定時刻をピンポイントで算出するのではなく、予測誤差要因を考慮して、ある程度の範囲を持つ到着予定時刻を算出する構成であってもよい。
【0162】
救援装置決定部235は、対象到着予定算出部233が算出したユーザ車両840の到着予定時刻と、救援到着予定算出部234が算出した救援車両830の到着予定時刻とに基づいて、処理装置201を用いて、ユーザ車両840の救援に向かう救援車両830を決定する。
なお、救援装置決定部235は、登録情報取得部224が取得した情報に基づいて、処理装置201を用いて、ユーザ車両840の受電装置403のエネルギー取得方式に対応するエネルギー供給方式の給電装置313を備える救援車両830を、ユーザ車両840の救援に向かう救援車両830のなかから救援車両830を決定する。例えば、ユーザ車両840の受電装置403が有線取得方式である場合、救援装置決定部235は、有線供給方式の給電装置313を備える救援車両830のなかから救援車両830を決定する。
また、ユーザ車両840の受電装置403が無線取得方式である場合、救援装置決定部235は、無線供給方式の給電装置313を備える救援車両830のなかから救援車両830を決定する。ユーザ車両840の受電装置403が有線取得方式にも無線取得方式にも対応できる場合、救援装置決定部235は、有線供給方式または無線供給方式のいずれかの給電装置313を備える救援車両830のなかから救援車両830を決定する。
【0163】
合流地点決定部236は、対象到着予定算出部233が算出したユーザ車両840の到着予定時刻と、救援到着予定算出部234が算出した救援車両830の到着予定時刻とに基づいて、処理装置201を用いて、救援車両830がユーザ車両840に合流する合流地点を決定する。
【0164】
救援装置決定部235及び合流地点決定部236は、例えば、次のようにして、救援車両830及び合流地点を決定する。
【0165】
救援装置決定部235は、合流地点候補選択部231が選択した複数の合流地点候補それぞれについて、処理装置201を用いて、その合流地点候補で救援車両830がユーザ車両840に合流する場合に、最も効率よく救援サービスを提供できる救援車両830を選択する。
最も効率よく救援サービスを提供できるのは、救援車両830とユーザ車両840とがほぼ同時に合流地点に到着する場合である。ユーザ車両840の側から見れば、救援車両830の到着を待つ必要がないので、最終目的地へ早く到着できる。また、救援車両830の側から見れば、ユーザ車両840の到着を待つ必要がないので、稼働効率を上げることができる。
救援車両830の稼働率が低い場合、救援車両830の稼働効率はあまり重要ではない。救援装置決定部235は、ユーザ車両840を待たせないことを優先し、処理装置201を用いて、ユーザ車両840の到着予定時刻よりも到着予定時刻が早い救援車両830のなかから、救援車両830を選択する。例えば、救援装置決定部235は、処理装置201を用いて、到着予定時刻が最も早い救援車両830を選択する。しかし、到着予定時刻が最も早い救援車両830を選択すると、ユーザ車両840の到着までの待ち時間が大きくなるので、救援車両830の稼働効率が落ちる。救援車両830の稼働効率もある程度は考慮する必要がある場合、救援装置決定部235は、例えば、ユーザ車両840の到着予定時刻よりも到着予定時刻が早い救援車両830のなかから、到着予定時刻が最も遅い救援車両830を選択する。あるいは、到着予定時刻の予測誤差を考慮して、ユーザ車両840の到着よりも救援車両830の到着が確実に早くなるよう、救援装置決定部235は、例えば、到着予定時刻がユーザ車両840の到着予定時刻より早く、かつ、ユーザ車両840の到着予定時刻との差が所定の値より大きい救援車両830のなかから、到着予定時刻が最も遅い救援車両830を選択する構成であってもよい。
逆に、救援車両830の稼働率が高い場合は、ユーザ車両840を待たせないことを優先して救援車両830が先に到着するよう救援車両830を決定すると、ユーザ車両840の到着を待つ時間が無駄になる。その結果として、待機中の救援車両830がいなくなると、次に救援要請をしてきたユーザ車両840を待たせなければならなくなる可能性がある。このため、救援車両830がユーザ車両840を待つ時間は、なるべく短いほうが好ましい。このため、救援装置決定部235は、処理装置201を用いて、例えば、ユーザ車両840の到着予定時刻よりも所定の時間遡った時刻を基準とし、その基準時刻よりも到着予定時刻が遅い救援車両830のなかから、到着予定時刻が最も早い救援車両830を選択する。
なお、救援車両830の稼働率を算出するため、例えば、救援装置決定部235は、状態記憶部223が記憶したデータに基づいて、処理装置201を用いて、すべての救援車両830の数と、待機中の救援車両830の数とを数える。救援装置決定部235は、処理装置201を用いて、待機中の救援車両830の数を、すべての救援車両830の数で割った商を算出する。救援装置決定部235は、処理装置201を用いて、算出した商を所定の閾値と比較して、商が閾値より大きい場合に稼働率が高いと判定し、商が閾値より小さい場合に稼働率が低いと判定する。
【0166】
合流地点決定部236は、処理装置201を用いて、合流地点候補選択部231が選択した複数の合流地点候補それぞれについて救援装置決定部235が選択した救援車両830がその合流地点候補でユーザ車両840に合流して救援サービスを提供するとした場合に、最も効率よく救援サービスを提供できる合流地点候補を、合流地点候補選択部231が選択した複数の合流地点候補のなかから選択し、選択した合流地点候補を合流地点に決定する。
例えば、合流地点決定部236は、合流地点候補選択部231が選択した複数の合流地点候補それぞれについて、処理装置201を用いて、その合流地点候補において、救援装置決定部235が選択した救援車両830がユーザ車両840の到着を待つ待ち時間を算出する。例えば、合流地点決定部236は、処理装置201を用いて、対象到着予定算出部233が算出したユーザ車両840の到着予定時刻から、救援到着予定算出部234が算出した救援車両830の到着予定時刻を差し引いた差を算出して、待ち時間とする。待ち時間は、救援車両830のほうが先に到着する予定であれば正、ユーザ車両840のほうが先に到着する予定であれば負になる。上述したように、待ち時間が小さいほうが救援車両830の稼働効率は高くなるが、待ち時間が負の場合はユーザ車両840を待たせることになる。このため、合流地点決定部236は、処理装置201を用いて、合流地点候補選択部231が選択した複数の合流地点候補のなかから、算出した待ち時間が所定の閾値より大きい合流地点候補を抽出する。合流地点決定部236は、処理装置201を用いて、抽出した合流地点候補のなかから、算出した待ち時間が最も小さい合流地点候補を選択して、合流地点とする。また、合流地点候補選択部231が選択した複数の合流地点候補のなかに、算出した待ち時間が所定の閾値より大きい合流地点候補がない場合は、合流地点決定部236は、処理装置201を用いて、合流地点候補選択部231が選択した複数の合流地点候補のなかから、算出した待ち時間が最も大きい合流地点候補を選択して、合流地点とする。
【0167】
救援装置決定部235は、処理装置201を用いて、合流地点決定部236が決定した合流地点について選択した救援車両830を、救援車両830に決定する。
【0168】
合流指示送信部239は、通信装置409を用いて、救援装置決定部235が決定した救援車両830に対して、合流地点決定部236が決定した合流地点でユーザ車両840に合流して救援サービスを提供することを指示する合流指示信号を送信する。
指示応答受信部240は、通信装置409を用いて合流指示送信部239が送信した合流指示信号に対する応答として、救援車両830が送信した指示応答信号を受信する。
救援装置決定部235は、指示応答受信部240が受信した指示応答信号に基づいて、救援車両830が合流指示を受諾しなかった場合、その救援車両830を除外して、救援車両830を決定し直す。合流地点決定部236も同様に、合流地点を決定し直す。
【0169】
要請応答送信部241は、指示応答受信部240が受信した指示応答信号に基づいて、救援車両830が合流指示を受諾した場合、通信装置209を用いて、ユーザ車両840に対して、救援装置決定部235が決定した救援車両830や、合流地点決定部236が決定した合流地点を知らせる要請応答信号を送信する。
【0170】
図32は、この実施の形態における救援指示処理S600の流れの一例を示すフローチャート図である。
救援指示処理S600において、救援センター820の装置群200は、ユーザ車両840からの救援要請を受け、救援に向かう救援車両830と、救援車両830がユーザ車両840に合流する合流地点とを決定する。
救援指示処理S600は、例えば、救援要請受信工程S610と、状態受信工程S611と、登録情報取得工程S612と、対象経路算出工程S613と、合流地点候補選択工程S614と、対象到着予定算出工程S615と、救援装置候補選択工程S616と、救援経路算出工程S617と、救援到着予定算出工程S618と、待ち時間算出工程S619と、救援装置選択工程S620と、合流地点決定工程S621と、救援装置決定工程S622と、合流指示送信工程S623と、指示応答受信工程S624と、要請応答送信工程S625とを有する。
【0171】
救援要請受信工程S610において、救援要請受信部238は、通信装置209を用いて、ユーザ車両840が送信した救援要請信号を受信するのを待つ。救援要請信号を受信した場合、救援要請受信部238は、登録情報取得工程S612へ処理を進める。救援要請信号を受信しなかった場合、状態受信工程S611へ処理を進める。
【0172】
状態受信工程S611において、状態受信部229は、通信装置209を用いて、救援車両830が送信した状態信号を受信する。状態記憶部223は、状態受信部229が受信した状態信号に基づいて、処理装置201を用いて、記憶したデータを更新し、記憶装置202を用いて、更新したデータを記憶する。状態記憶部223は、救援要請受信工程S610に処理を戻し、救援要請受信部238が救援要請信号を受信するのを待つ。
【0173】
登録情報取得工程S612において、登録情報取得部224は、救援要請受信工程S610で救援要請受信部238が受信した救援要請信号に含まれるユーザIDについて登録された情報を取得する。
【0174】
対象経路算出工程S613において、対象経路算出部230は、処理装置201を用いて、救援要請受信工程S611で救援要請受信部238が受信した救援要請信号に基づいて、ユーザ車両840の経路を算出する。
【0175】
合流地点候補選択工程S614において、合流地点候補選択部231は、処理装置201を用いて、対象経路算出工程S613で対象経路算出部230が算出した経路上の地点から、合流地点候補を一つ選択する。すべての合流地点候補を選択し終わり、選択すべき合流地点候補がない場合、合流地点候補選択部231は、合流地点決定工程S621へ処理を進める。合流地点候補を選択した場合、合流地点候補選択部231は、対象到着予定算出工程S615へ処理を進める。
【0176】
対象到着予定算出工程S615において、対象到着予定算出部233は、処理装置201を用いて、対象経路算出工程S613で対象経路算出部230が算出した経路に基づいて、ユーザ車両840が、合流地点候補選択工程S614で合流地点候補選択部231が選択した合流地点候補に到着する予定時刻を算出する。
【0177】
救援装置候補選択工程S616において、救援経路算出部232は、登録情報取得工程S612で登録情報取得部224が取得した情報に基づいて、処理装置201を用いて、ユーザ車両840の受電装置403のエネルギー取得方式に対応するエネルギー供給方式の給電装置313を備えるすべての救援車両830のなかから、救援車両830を一つ選択する。ユーザ車両840のエネルギー取得方式に対応できる救援車両830をすべて選択し終わり、選択すべき救援車両830がない場合、救援経路算出部232は、救援装置選択工程S620へ処理を進める。救援車両830を選択した場合、救援経路算出部232は、救援経路算出工程S617へ処理を進める。
【0178】
救援経路算出工程S617において、救援経路算出部232は、処理装置201を用いて、状態記憶部223が記憶したデータに基づいて、救援装置候補選択工程S616で選択した救援車両830が、合流地点候補選択工程S614で合流地点候補選択部231が選択した合流地点候補へ向かう経路を算出する。
救援到着予定算出工程S618において、救援到着予定算出部234は、処理装置201を用いて、救援経路算出工程S617で救援経路算出部232が算出した経路に基づいて、救援装置候補選択工程S616で救援経路算出部232が選択した救援車両830が、合流地点候補選択工程S614で合流地点候補選択部231が選択した合流地点候補に到着する予定時刻を算出する。
【0179】
待ち時間算出工程S619において、救援装置決定部235は、処理装置201を用いて、対象到着予定算出工程S615で対象到着予定算出部233が算出したユーザ車両840の到着予定時刻と、救援到着予定算出工程S618で救援経路算出部232が算出した救援車両830の到着予定時刻とに基づいて、救援車両830がユーザ車両840を待つ待ち時間を算出する。救援装置決定部235は、記憶装置202を用いて、算出した待ち時間を、救援装置候補選択工程S616で救援経路算出部232が選択した救援車両830に対応づけて記憶する。救援装置決定部235は、救援装置候補選択工程S616に処理を戻し、救援経路算出部232が次の救援車両830を選択する。
【0180】
救援装置選択工程S620において、救援装置決定部235は、処理装置201を用いて、待ち時間算出工程S619で算出した待ち時間に基づいて、すべての救援車両830のなかから、合流地点候補選択工程S614で合流地点候補選択部231が選択した合流地点候補を合流地点とする場合の救援車両830を選択する。救援装置決定部235は、記憶装置202を用いて、選択した救援車両830と、選択した救援車両830について待ち時間算出工程S619で算出した待ち時間とを、合流地点候補選択工程S614で合流地点候補選択部231が選択した合流地点候補に対応づけて記憶する。救援装置決定部235は、合流地点候補選択工程S614に処理を戻し、合流地点候補選択部231が次の合流地点候補を選択する。
【0181】
合流地点決定工程S621において、合流地点決定部236は、処理装置201を用いて、救援装置選択工程S620で救援装置決定部235が記憶した待ち時間に基づいて、すべての合流地点候補のなかから、救援車両830がユーザ車両840に合流する合流地点を決定する。
救援装置決定工程S622において、救援装置決定部235は、処理装置201を用いて、合流地点決定工程S621で合流地点決定部236が決定した合流地点に基づいて、その合流地点について救援装置選択工程S620で記憶した救援車両830を、ユーザ車両840の救援に向かう救援車両830に決定する。
【0182】
合流指示送信工程S623において、合流指示送信部239は、通信装置209を用いて、救援装置決定工程S622で救援装置決定部235が決定した救援車両830に対して、合流指示信号を送信する。
【0183】
指示応答受信工程S624において、指示応答受信部240は、通信装置209を用いて、合流指示送信工程S623で合流指示送信部239が送信した合流指示信号に対する応答として救援装置決定工程S622で救援装置決定部235が決定した救援車両830が送信した指示応答信号を受信する。受信した指示応答信号が指示受諾を表わす場合、指示応答受信部240は、要請応答送信工程S625へ処理を進める。受信した指示応答信号が指示拒絶を表わす場合、指示応答受信部240は、合流地点候補選択工程S614に処理を戻し、合流地点候補選択工程S614から救援装置選択工程S620までの処理をやり直す。この場合、救援装置候補選択工程S616において、救援経路算出部232は、指示を拒絶した救援車両830を除く他の救援車両830のなかから、救援車両830を選択する。
【0184】
要請応答送信工程S625において、要請応答送信部241は、通信装置209を用いて、救援要請受信工程S611で受信した救援要請信号を送信したユーザ車両840に対して、要請応答信号を送信する。要請応答送信部241は、救援要請受信工程S610に処理を戻し、救援要請受信部238が他のユーザ車両840から救援要請信号を受信するのを待つ。
【0185】
以上説明した構成は、一例であり、これに限るものではない。例えば、異なる実施の形態で説明した構成を組み合わせた構成としてもよいし、重要でない部分の構成を他の構成で置き換えた構成としてもよい。
【0186】
以上説明した救援システム(801;車々間給電・牽引システム800)は、複数の対象装置(装置群400;被救援車14)と、救援指示装置(装置群200;救援サービスセンター1)と、複数の救援装置(装置群300;救援車2)とを備える。
上記複数の対象装置のそれぞれは、エネルギーを蓄積する蓄積装置(蓄電装置404;バッテリ21)と、上記蓄積装置に蓄積されたエネルギーを使って対象移動体を移動させる対象移動装置(移動装置405;モータ23)と、データを処理する対象処理装置(処理装置401;ECU18)と、信号を送信する対象送信装置(通信装置409;車車間用無線装置15,広域用無線装置16)と、外部から供給されるエネルギーを取り込む取得装置(受電装置403;整流器24,コイル部25,コネクタ27)と、必要量算出部(436)と、救援要請送信部(438)と、隊列移動部(448)と、取得蓄積部(449;電源管理部26)とを有し、上記対象移動体(ユーザ車両840;被救援車14)に搭載されている。
上記救援指示装置は、信号を受信する指示受信装置(通信装置209)と、データを処理する指示処理装置(処理装置201)と、信号を受信する指示送信装置(通信装置209)と、救援要請受信部(238)と、合流地点候補選択部(231)と、対象到着予定算出部(233)と、救援到着予定算出部(234)と、救援装置決定部(235)と、合流地点決定部(236)と、合流指示送信部(239)とを有する。
上記複数の救援装置のそれぞれは、信号を受信する救援受信装置(通信装置309;広域用無線装置3,車車間用無線装置4)と、救援移動体を移動させる救援移動装置(移動装置305)と、上記対象装置に対してエネルギーを供給する供給装置(給電装置313;コネクタ11,ケーブル28,高周波電力出力装置12,コイル部13)と、上記救援移動体の周辺に存在する対象装置を識別する識別装置(310;カメラ8)と、合流指示受信部(339)と、合流移動部(343)と、対象探索部(336)と、救援移動部(348)と、救援供給部(349)とを有し、救援移動体(救援車両830;救援車2)に搭載されている。
上記必要量算出部は、上記対象処理装置を用いて、目的地までの移動に要するエネルギーを算出する。
上記救援要請送信部は、上記蓄積装置に蓄積されたエネルギーが、上記必要量算出部が算出したエネルギーに不足している場合に、上記対象送信装置を用いて、エネルギーの補給を要請する救援要請信号を、上記救援指示装置に対して送信する。
上記救援要請受信部は、上記指示受信装置を用いて、上記対象装置が送信した救援要請信号を受信する。
上記合流地点候補選択部は、上記救援要請受信部が受信した救援要請信号を送信した対象装置について、上記指示処理装置を用いて、上記対象装置の移動経路上に位置する地点のなかから、複数の地点を選択して、合流地点候補とする。
上記対象到着予定算出部は、上記合流地点候補選択部が選択した合流地点候補それぞれについて、上記指示処理装置を用いて、上記対象装置が上記合流地点候補に到着する予定時刻を算出する。
上記救援到着予定算出部は、上記合流地点候補選択部が選択した合流地点候補それぞれについて、上記指示処理装置を用いて、上記複数の救援装置それぞれが上記合流地点候補に到着する予定時刻を算出する。
上記救援装置決定部は、上記指示処理装置を用いて、上記対象到着予定算出部と上記救援到着予定算出部とが算出した予定時刻に基づいて、上記対象装置に対してエネルギーを補給する救援装置を、上記複数の救援装置のなかから決定する。
上記合流地点決定部は、上記指示処理装置を用いて、上記対象到着予定算出部と上記救援到着予定算出部とが算出した予定時刻に基づいて、上記対象装置に対してエネルギーを補給する救援装置が上記対象装置に合流する合流地点を、上記合流地点候補選択部が選択した複数の合流地点候補のなかから決定する。
上記合流指示送信部は、上記指示送信装置を用いて、上記救援装置決定部が決定した救援装置に対して、上記合流地点決定部が決定した合流地点で上記対象装置に合流することを指示する合流指示信号を送信する。
上記合流指示受信部は、上記救援受信装置を用いて、上記救援指示装置が送信した合流指示信号を受信する。
上記合流移動部は、上記救援移動装置を用いて、上記合流指示受信部が受信した合流指示信号が指示する合流地点に向けて上記救援移動体を移動させる。
上記対象探索部は、上記識別装置を用いて、上記救援移動体の周辺に存在する対象装置のなかから、上記救援要請信号を送信した対象装置を探索する。
上記救援移動部は、上記救援要請信号を送信した対象装置を上記対象探索部が発見した場合に、上記救援移動装置を用いて、上記救援要請信号を送信した対象装置と隊列を組み、上記救援要請信号を送信した対象装置の目的地へ向けて上記救援移動体を移動させる。
上記救援供給部は、上記供給装置を用いて、上記救援移動体と隊列を組んだ対象装置に対して、エネルギーを供給する。
上記隊列移動部は、上記対象移動装置を用いて、上記救援装置と隊列を組み、上記目的地へ向けて上記対象移動体を移動させる。
上記取得蓄積部は、上記取得装置を用いて、上記対象移動体と隊列を組んだ救援装置から、エネルギーを取り込み、取り込んだエネルギーを上記蓄積装置に蓄積する。
【0187】
これにより、救援サービスの効率を高めることができるので、救援サービスを提供する側にとっては、サービス提供のコストを抑えることができ、救援サービスを受ける側にとっては、サービス利用に伴う時間的なロスや出費を抑えることができる。
【0188】
上記救援装置決定部は、上記合流地点候補選択部が選択した合流地点候補それぞれについて、上記指示処理装置を用いて、上記合流地点候補に到着する予定時刻が最も早い救援装置を、上記複数の救援装置のなかから選択し、上記合流地点決定部が決定した合流地点について選択した救援装置を、上記対象装置に対してエネルギーを補給する救援装置とする。
上記合流地点決定部は、上記指示処理装置を用いて、上記合流地点候補選択部が選択した複数の合流地点候補のうち、上記救援装置決定部が選択した救援装置が上記合流地点候補に到着する予定時刻から上記対象装置が上記合流地点候補に到着する予定時刻までの待ち時間が所定の閾値より大きく、かつ、上記待ち時間が最も小さい合流地点候補を、上記合流地点とする。
【0189】
これにより、救援装置が対象装置を待つ時間を最小限に抑えることができ、救援装置の稼働効率を高めることができる。
【0190】
上記合流地点決定部は、上記待ち時間が上記閾値より大きい合流地点候補が存在しない場合に、上記指示処理装置を用いて、上記待ち時間が最も大きい合流地点候補を、上記合流地点とする。
【0191】
これにより、対象装置が救援装置を待つ時間を最小限に抑えることができる。
【0192】
上記複数の対象装置のそれぞれは、更に、完了要求送信部(450)を有する。
上記複数の救援装置のそれぞれは、更に、完了要求受信部(350)を有する。
上記完了要求送信部は、上記取得蓄積部が上記蓄積装置にエネルギーを蓄積したことにより、上記蓄積装置に蓄積されたエネルギーが、上記必要量算出部が算出したエネルギーを超えた場合に、上記対象送信装置を用いて、エネルギーの補給完了を要求する完了要求信号を、上記対象移動体と隊列を組んだ救援装置に対して送信する。
上記完了要求受信部は、上記救援受信装置を用いて、上記救援移動体と隊列を組んだ対象装置が送信した完了要求信号を受信する。
上記救援供給部は、上記完了要求受信部が完了要求信号を受信した場合に、上記対象装置に対するエネルギーの供給を完了する。
【0193】
これにより、対象装置が必要な分だけのエネルギーを補給することができる。
【0194】
上記複数の対象装置のそれぞれは、更に、信号を受信する対象受信装置(通信装置409;車車間用無線装置15,広域用無線装置16)と、操縦受信部(447)とを有する。
上記複数の救援装置のそれぞれは、更に、信号を送信する救援送信装置(通信装置309;広域用無線装置3,車車間用無線装置4)を有する。
上記救援移動部は、上記救援送信装置を用いて、上記救援要請信号を送信した対象装置に対して、上記救援移動体と隊列を組む位置へ移動し、上記救援移動体との隊列を維持するよう、上記対象装置の移動を制御する操縦信号を送信する。
上記操縦受信部は、上記対象受信装置を用いて、上記救援装置が送信した操縦信号を受信する。
上記隊列移動部は、上記操縦受信部が受信した操縦信号に基づいて、上記対象移動装置を用いて、上記対象移動体を移動させる。
【0195】
これにより、無線供給方式/無線取得方式の場合は、エネルギーの供給効率を高めることができ、有線供給方式/有線取得方式の場合は、救援装置と対象装置とを物理的に接続するケーブルなどに無理な力が加わるのを防ぐことができる。
【0196】
上記供給装置は、上記対象装置に対して供給するエネルギーとして、電磁エネルギーを放射する放射コイル(コイル部13)を有する。
上記蓄積装置は、電気エネルギーを蓄積する。
上記取得装置は、上記救援装置が放射する電磁エネルギーを取り入れる取得コイル(コイル部25)を有する。
上記救援移動部は、上記対象装置において上記取得コイルが存在する位置へ向けて、上記放射コイルが電磁エネルギーを放射するよう、上記救援移動体と上記対象装置との位置関係を制御する。
上記隊列移動部は、上記救援装置において上記放射コイルが存在する位置から放射される電磁エネルギーを上記取得コイルが取得するよう、上記対象移動体と上記救援装置との位置関係を制御する。
【0197】
これにより、救援装置と対象装置とを物理的に接続することなく、効率よくエネルギーを供給することができる。
【0198】
上記供給装置は、上記放射コイルが電磁エネルギーを放射する方向を変化させる放射方向可変装置(コイル部13)と、放射方向制御部(ECU6)とを有する。
上記放射コイルは、上記救援移動体の後方へ向けて電磁エネルギーを放射する。
上記取得コイルは、上記対象移動体の前方から放射された電磁エネルギーを取り入れる。
上記救援移動部は、上記救援移動体が上記対象装置の前方に位置するよう、上記救援移動体を移動させる。
上記隊列移動部は、上記対象移動体が上記救援装置の後方に位置するよう、上記対象移動体を移動させる。
上記放射方向制御部は、上記救援移動体が左方向へ旋回した場合に、上記放射方向可変装置を用いて、上記放射コイルが電磁エネルギーを放射する方向を左後方へ変化させ、上記救援移動体が右方向へ旋回した場合に、上記放射方向可変装置を用いて、上記放射コイルが電磁エネルギーを放射する方向を右後方へ変化させる。
【0199】
これにより、救援装置が搭載された救援移動体と、対象装置が搭載された対象移動体との隊列が、カーブや曲がり角に差し掛かった場合に、エネルギーの供給効率が落ちるのを防ぐことができる。
【0200】
上記救援指示装置および上記救援装置および上記対象装置は、コンピュータを上記救援指示装置または上記救援装置または上記対象装置として機能させるコンピュータプログラムを、コンピュータが実行することにより実現することができる。
【符号の説明】
【0201】
1 救援サービスセンター、
2 救援車、
3,16 広域用無線装置、
4,15 車車間用無線装置、
5,17 カーナビ、
6,18 ECU、
7 車間距離センサ、
8 カメラ、
9,21 バッテリ、
10,26 電源管理部、
11,27 コネクタ、
12 高周波電力出力装置、
13,25 コイル部、
14 被救援車、
19,60 パワーステアリング、
20 ブレーキ、
22 インバータ、
23 モータ、
24 整流器、
28 ケーブル、
40 ナビゲーションアプリ
41 スマートフォン
42 救援サービスアプリ
43 接続管理機能
44 車両情報保持手段
45 無線通信機能
46 広域通信機能
47 モニタ
48 スピーカ
49 GPS
61 接続管理機能
62 起動要求手段
63 無線通信機能
64 車両情報計算機能
50,51,850 給電施設、
200,300,400 装置群、
201,301,401 処理装置、
202,302,402 記憶装置、
207,307,407 操作入力装置、
208,308,408 通知装置、
209,309,409 通信装置、
221,321,421 地図記憶部、
223,323 状態記憶部、
224 登録情報取得部、
229 状態受信部、
230 対象経路算出部、
231 合流地点候補選択部、
232 救援経路算出部、
233 対象到着予定算出部、
234 救援到着予定算出部、
235 救援装置決定部、
236 合流地点決定部、
238 救援要請受信部、
239 合流指示送信部、
240 指示応答受信部、
241 要請応答送信部、
303,403 受電装置、
304,404 蓄電装置、
305,405 移動装置、
306,406 操縦装置、
310 識別装置、
311 相対位置測定装置、
312,412 現在位置測定装置、
313 給電装置、
324,424 現在位置取得部、
325,425 給電施設記憶部、
326,426 給電施設検索部、
327,427 残量取得部、
328 充電判定部、
329 状態送信部、
334,434 経路記憶部、
335,435 経路通知部、
336 対象探索部、
337 受諾判定部、
339 合流指示受信部、
340 指示応答送信部、
343,443 合流移動部、
344,444 認証受信部、
345,445 認証部、
346,446 認証送信部、
348 救援移動部、
349 救援供給部、
350 完了要求受信部、
351 完了通知送信部、
422 最終目的地入力部、
423 最終目的地記憶部、
428 渋滞情報取得部、
429 救援情報取得部、
330,430 経路算出部、
431 方針入力部、
432 方針記憶部、
433 経路選択部、
436 必要量算出部、
437 要請判定部、
438 救援要請送信部、
441 要請応答受信部、
442 要請情報記憶部、
447 操縦受信部、
448 隊列移動部、
449 取得蓄積部、
450 完了要求送信部、
451 完了通知受信部、
800 車々間給電・牽引システム、
801 救援システム、
810 サービス提供エリア、
820 救援センター、
830 救援車両、
840 ユーザ車両。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーを蓄積する蓄積装置と、上記蓄積装置に蓄積されたエネルギーを使って対象移動体を移動させる対象移動装置と、データを処理する対象処理装置と、信号を送信する対象送信装置と、外部から供給されるエネルギーを取り込む取得装置と、必要量算出部と、救援要請送信部と、隊列移動部と、取得蓄積部とをそれぞれ含む複数の対象装置と、
信号を受信する指示受信装置と、データを処理する指示処理装置と、信号を送信する指示送信装置と、救援要請受信部と、合流地点候補選択部と、対象到着予定算出部と、救援到着予定算出部と、救援装置決定部と、合流地点決定部と、合流指示送信部とを有する救援指示装置と、
信号を受信する救援受信装置と、救援移動体を移動させる救援移動装置と、上記対象装置に対してエネルギーを供給する供給装置と、上記救援移動体の周辺に存在する対象装置を識別する識別装置と、合流指示受信部と、合流移動部と、対象探索部と、救援移動部と、救援供給部とを有し、複数の救援移動体にそれぞれ搭載された複数の救援装置とを備え、
上記必要量算出部は、上記対象処理装置を用いて、目的地までの移動に要するエネルギーを算出し、
上記救援要請送信部は、上記蓄積装置に蓄積されたエネルギーが、上記必要量算出部が算出したエネルギーに不足している場合に、上記対象送信装置を用いて、エネルギーの補給を要請する救援要請信号を、上記救援指示装置に対して送信し、
上記救援要請受信部は、上記指示受信装置を用いて、上記対象装置が送信した救援要請信号を受信し、
上記合流地点候補選択部は、上記救援要請受信部が受信した救援要請信号を送信した対象装置について、上記指示処理装置を用いて、上記対象装置の移動経路上に位置する地点のなかから、複数の地点を選択して、合流地点候補とし、
上記対象到着予定算出部は、上記合流地点候補選択部が選択した合流地点候補それぞれについて、上記指示処理装置を用いて、上記対象装置が上記合流地点候補に到着する予定時刻を算出し、
上記救援到着予定算出部は、上記合流地点候補選択部が選択した合流地点候補それぞれについて、上記指示処理装置を用いて、上記複数の救援装置それぞれが上記合流地点候補に到着する予定時刻を算出し、
上記救援装置決定部は、上記指示処理装置を用いて、上記対象到着予定算出部と上記救援到着予定算出部とが算出した予定時刻に基づいて、上記対象装置に対してエネルギーを補給する救援装置を、上記複数の救援装置のなかから決定し、
上記合流地点決定部は、上記指示処理装置を用いて、上記対象到着予定算出部と上記救援到着予定算出部とが算出した予定時刻に基づいて、上記対象装置に対してエネルギーを補給する救援装置が上記対象装置に合流する合流地点を、上記合流地点候補選択部が選択した複数の合流地点候補のなかから決定し、
上記合流指示送信部は、上記指示送信装置を用いて、上記救援装置決定部が決定した救援装置に対して、上記合流地点決定部が決定した合流地点で上記対象装置に合流することを指示する合流指示信号を送信し、
上記合流指示受信部は、上記救援受信装置を用いて、上記救援指示装置が送信した合流指示信号を受信し、
上記合流移動部は、上記救援移動装置を用いて、上記合流指示受信部が受信した合流指示信号が指示する合流地点に向けて上記救援移動体を移動させ、
上記対象探索部は、上記識別装置を用いて、上記救援移動体の周辺に存在する対象装置のなかから、上記救援要請信号を送信した対象装置を探索し、
上記救援移動部は、上記救援要請信号を送信した対象装置を上記対象探索部が発見した場合に、上記救援移動装置を用いて、上記救援要請信号を送信した対象装置と隊列を組み、上記救援要請信号を送信した対象装置の目的地へ向けて上記救援移動体を移動させ、
上記救援供給部は、上記供給装置を用いて、上記救援移動体と隊列を組んだ対象装置に対して、エネルギーを供給し、
上記隊列移動部は、上記対象移動装置を用いて、上記救援装置と隊列を組み、上記目的地へ向けて上記対象移動体を移動させ、
上記取得蓄積部は、上記取得装置を用いて、上記対象移動体と隊列を組んだ救援装置から、エネルギーを取り込み、取り込んだエネルギーを上記蓄積装置に蓄積することを特徴とする救援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の対象装置のうち、対象処理装置、必要量算出部、救援要請送信部とから構成される移動端末が、前記対象装置の他の部分と無線通信によって接続されるものであって、
請求項1に記載の蓄積装置に蓄積された前記エネルギーに基づく移動量が所定以下であった場合、前記対象装置の他の部分が、前記移動端末に対して起動要求を行うことを特徴とする請求項1に記載の救援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の前記移動端末の対象処理装置は、車両情報保持手段を備え、請求項2に記載の前記対象装置の他の部分と無線通信によって接続されている場合にのみ、前記車両情報保持手段が、現在位置、エネルギーの必要量、走行可能距離に関する情報を更新することを特徴とする請求項2に記載の救援システム。
【請求項4】
上記救援装置決定部は、上記合流地点候補選択部が選択した合流地点候補それぞれについて、上記指示処理装置を用いて、上記合流地点候補に到着する予定時刻が最も早い救援装置を、上記複数の救援装置のなかから選択し、上記合流地点決定部が決定した合流地点について選択した救援装置を、上記対象装置に対してエネルギーを補給する救援装置とし、
上記合流地点決定部は、上記指示処理装置を用いて、上記合流地点候補選択部が選択した複数の合流地点候補のうち、上記救援装置決定部が選択した救援装置が上記合流地点候補に到着する予定時刻から上記対象装置が上記合流地点候補に到着する予定時刻までの待ち時間が所定の閾値より大きく、かつ、上記待ち時間が最も小さい合流地点候補を、上記合流地点とすることを特徴とする請求項1乃至3に記載の救援システム。
【請求項5】
上記複数の対象装置のそれぞれは、更に、完了要求送信部を有し、
上記複数の救援装置のそれぞれは、更に、完了要求受信部を有し、
上記完了要求送信部は、上記取得蓄積部が上記蓄積装置にエネルギーを蓄積したことにより、上記蓄積装置に蓄積されたエネルギーが、上記必要量算出部が算出したエネルギーを超えた場合に、上記対象送信装置を用いて、エネルギーの補給完了を要求する完了要求信号を、上記対象移動体と隊列を組んだ救援装置に対して送信し、
上記完了要求受信部は、上記救援受信装置を用いて、上記救援移動体と隊列を組んだ対象装置が送信した完了要求信号を受信し、
上記救援供給部は、上記完了要求受信部が完了要求信号を受信した場合に、上記対象装置に対するエネルギーの供給を完了することを特徴とする請求項1乃至4に記載の救援システム。
【請求項6】
上記複数の対象装置のそれぞれは、更に、信号を受信する対象受信装置と、操縦受信部とを有し、
上記複数の救援装置のそれぞれは、更に、信号を送信する救援送信装置を有し、
上記救援移動部は、上記救援送信装置を用いて、上記救援要請信号を送信した対象装置に対して、上記救援移動体と隊列を組む位置へ移動し、上記救援移動体との隊列を維持するよう、上記対象装置の移動を制御する操縦信号を送信し、
上記操縦受信部は、上記対象受信装置を用いて、上記救援装置が送信した操縦信号を受信し、
上記隊列移動部は、上記操縦受信部が受信した操縦信号に基づいて、上記対象移動装置を用いて、上記対象移動体を移動させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の救援システム。
【請求項7】
上記供給装置は、上記対象装置に対して供給するエネルギーとして、電磁エネルギーを放射する放射コイルを有し、
上記蓄積装置は、電気エネルギーを蓄積し、
上記取得装置は、上記救援装置が放射する電磁エネルギーを取り入れる取得コイルを有し、
上記救援移動部は、上記対象装置において上記取得コイルが存在する位置へ向けて、上記放射コイルが電磁エネルギーを放射するよう、上記救援移動体と上記対象装置との位置関係を制御し、
上記隊列移動部は、上記救援装置において上記放射コイルが存在する位置から放射される電磁エネルギーを上記取得コイルが取得するよう、上記対象移動体と上記救援装置との位置関係を制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の救援システム。
【請求項8】
上記供給装置は、上記放射コイルが電磁エネルギーを放射する方向を変化させる放射方向可変装置と、放射方向制御部とを有し、
上記放射コイルは、上記救援移動体の後方へ向けて電磁エネルギーを放射し、
上記取得コイルは、上記対象移動体の前方から放射された電磁エネルギーを取り入れ、 上記救援移動部は、上記救援移動体が上記対象装置の前方に位置するよう、上記救援移動体を移動させ、
上記隊列移動部は、上記対象移動体が上記救援装置の後方に位置するよう、上記対象移動体を移動させ、
上記放射方向制御部は、上記救援移動体が左方向へ旋回した場合に、上記放射方向可変装置を用いて、上記放射コイルが電磁エネルギーを放射する方向を左後方へ変化させ、上記救援移動体が右方向へ旋回した場合に、上記放射方向可変装置を用いて、上記放射コイルが電磁エネルギーを放射する方向を右後方へ変化させることを特徴とする請求項7に記載の救援システム。
【請求項9】
信号を受信する指示受信装置と、データを処理する指示処理装置と、信号を受信する指示送信装置と、救援要請受信部と、合流地点候補選択部と、対象到着予定算出部と、救援到着予定算出部と、救援装置決定部と、合流地点決定部と、合流指示送信部とを有し、
上記救援要請受信部は、上記指示受信装置を用いて、蓄積したエネルギーを使って移動する対象装置から、上記エネルギーの補給を要請する救援要請信号を受信し、
上記経路算出部は、上記救援要請受信部が受信した救援要請信号を送信した対象装置について、上記指示処理装置を用いて、上記対象装置の現在位置及び目的地に基づいて、上記対象装置の移動経路を算出し、
上記合流地点候補選択部は、上記指示処理装置を用いて、上記経路算出部が算出した上記対象装置の移動経路上に位置する地点のなかから、複数の地点を選択して、合流地点候補とし、
上記対象到着予定算出部は、上記合流地点候補選択部が選択した合流地点候補それぞれについて、上記指示処理装置を用いて、上記対象装置が上記合流地点候補に到着する予定時刻を算出し、
上記救援到着予定算出部は、上記合流地点候補選択部が選択した合流地点候補それぞれについて、上記指示処理装置を用いて、上記対象装置に対してエネルギーを補給する複数の救援装置それぞれが上記合流地点候補に到着する予定時刻を算出し、
上記救援装置決定部は、上記指示処理装置を用いて、上記対象到着予定算出部と上記救援到着予定算出部とが算出した予定時刻に基づいて、上記対象装置に対してエネルギーを補給する救援装置を、上記複数の救援装置のなかから決定し、
上記合流地点決定部は、上記指示処理装置を用いて、上記対象到着予定算出部と上記救援到着予定算出部とが算出した予定時刻に基づいて、上記対象装置に対してエネルギーを補給する救援装置が上記対象装置に合流する合流地点を、上記合流地点候補選択部が選択した複数の合流地点候補のなかから決定し、
上記合流指示送信部は、上記指示送信装置を用いて、上記救援装置決定部が決定した救援装置に対して、上記合流地点決定部が決定した合流地点で上記対象装置に合流することを指示する合流指示信号を送信することを特徴とする救援指示装置。
【請求項10】
上記救援装置決定部は、上記合流地点候補選択部が選択した合流地点候補それぞれについて、上記指示処理装置を用いて、上記合流地点候補に到着する予定時刻が最も早い救援装置を、上記複数の救援装置のなかから選択し、上記合流地点決定部が決定した合流地点について選択した救援装置を、上記対象装置に対してエネルギーを補給する救援装置とし、
上記合流地点決定部は、上記指示処理装置を用いて、上記合流地点候補選択部が選択した複数の合流地点候補のうち、上記救援装置決定部が選択した救援装置が上記合流地点候補に到着する予定時刻から上記対象装置が上記合流地点候補に到着する予定時刻までの待ち時間が所定の閾値より大きく、かつ、上記待ち時間が最も小さい合流地点候補を、上記合流地点とすることを特徴とする請求項9に記載の救援指示装置。
【請求項11】
信号を受信する救援受信装置と、救援移動体を移動させる救援移動装置と、蓄積したエネルギーを使って移動する対象装置に対してエネルギーを供給する供給装置と、上記救援移動体の周辺に存在する対象装置を識別する識別装置と、合流指示受信部と、合流移動部と、対象探索部と、救援移動部と、救援供給部とを有し、上記救援移動体に搭載され、
上記合流指示受信部は、上記救援受信装置を用いて、エネルギーの補給を要請した対象装置との合流地点を指示する合流指示信号を受信し、
上記合流移動部は、上記救援移動装置を用いて、上記合流指示受信部が受信した合流指示信号が指示する合流地点に向けて上記救援移動体を移動させ、
上記対象探索部は、上記識別装置を用いて、上記救援移動体の周辺に存在する対象装置のなかから、エネルギーの補給を要請した対象装置を探索し、
上記救援移動部は、エネルギーの補給を要請した対象装置を上記対象探索部が発見した場合に、上記救援移動装置を用いて、上記対象装置と隊列を組み、上記対象装置の目的地へ向けて上記救援移動体を移動させ、
上記救援供給部は、上記供給装置を用いて、上記救援移動体と隊列を組んだ対象装置に対して、エネルギーを供給することを特徴とする救援装置。
【請求項12】
上記救援装置は、更に、完了要求受信部を有し、
上記完了要求受信部は、上記救援受信装置を用いて、エネルギーの供給完了を要求する完了要求信号を、上記救援移動体と隊列を組んだ対象装置から受信し、
上記救援供給部は、上記完了要求受信部が完了要求信号を受信した場合に、上記対象装置に対するエネルギーの供給を完了することを特徴とする請求項11に記載の救援装置。
【請求項13】
上記救援装置は、更に、信号を送信する救援送信装置を有し、
上記救援移動部は、上記救援送信装置を用いて、エネルギーの補給を要請した対象装置に対して、上記救援移動体と隊列を組む位置へ移動し、上記救援移動体との隊列を維持するよう、上記対象装置の移動を制御する操縦信号を送信することを特徴とする請求項10または請求項12に記載の救援装置。
【請求項14】
上記供給装置は、上記対象装置に対して供給するエネルギーとして、電磁エネルギーを放射する放射コイルを有し、
上記救援移動部は、上記対象装置において上記放射コイルが放射する電磁エネルギーを取り入れる取得コイルが存在する位置へ向けて、上記放射コイルが電磁エネルギーを放射するよう、上記救援移動体と上記対象装置との位置関係を制御することを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれかに記載の救援装置。
【請求項15】
上記供給装置は、上記放射コイルが電磁エネルギーを放射する方向を変化させる放射方向可変装置と、放射方向制御部とを有し、
上記放射コイルは、上記救援移動体の後方へ向けて電磁エネルギーを放射し、
上記救援移動部は、上記救援移動体が上記対象装置の前方に位置するよう、上記救援移動体を移動させ、
上記放射方向制御部は、上記救援移動体が左方向へ旋回した場合に、上記放射方向可変装置を用いて、上記放射コイルが電磁エネルギーを放射する方向を左後方へ変化させ、上記救援移動体が右方向へ旋回した場合に、上記放射方向可変装置を用いて、上記放射コイルが電磁エネルギーを放射する方向を右後方へ変化させることを特徴とする請求項14に記載の救援装置。
【請求項16】
エネルギーを蓄積する蓄積装置と、上記蓄積装置に蓄積されたエネルギーを使って対象移動体を移動させる対象移動装置と、データを処理する対象処理装置と、信号を送信する対象送信装置と、外部から供給されるエネルギーを取り込む取得装置と、必要量算出部と、救援要請送信部と、隊列移動部と、取得蓄積部とを有し、上記対象移動体に搭載され、 上記必要量算出部は、上記対象処理装置を用いて、目的地までの移動に要するエネルギーを算出し、
上記救援要請送信部は、上記蓄積装置に蓄積されたエネルギーが、上記必要量算出部が算出したエネルギーに不足している場合に、上記対象送信装置を用いて、エネルギーの補給を要請する救援要請信号を送信し、
上記隊列移動部は、上記対象移動装置を用いて、上記救援要請送信部が送信した救援要請信号による要請に基づいてエネルギーを供給する救援装置と隊列を組み、上記目的地へ向けて上記対象移動体を移動させ、
上記取得蓄積部は、上記取得装置を用いて、上記対象移動体と隊列を組んだ救援装置から、エネルギーを取り込み、取り込んだエネルギーを上記蓄積装置に蓄積することを特徴とする対象装置。
【請求項17】
請求項16に記載の対象装置のうち、対象処理装置、必要量算出部、救援要請送信部とから構成される移動端末が、前記対象装置の他の部分と無線通信によって接続されるものであって、
請求項16に記載の蓄積装置に蓄積された前記エネルギーに基づく移動量が所定以下であった場合、前記対象装置の他の部分が、前記移動端末に対して起動要求を行うことを特徴とする請求項16に記載の対象装置。
【請求項18】
請求項17に記載の前記移動端末の対象処理装置は、車両情報保持手段を備え、請求項2に記載の前記対象装置の他の部分と無線通信によって接続されている場合にのみ、前記車両情報保持手段が、現在位置、エネルギーの必要量、走行可能距離に関する情報を更新することを特徴とする請求項17に記載の対象装置。
【請求項19】
上記対象装置は、更に、完了要求送信部を有し、
上記完了要求送信部は、上記取得蓄積部が上記蓄積装置にエネルギーを蓄積したことにより、上記蓄積装置に蓄積されたエネルギーが、上記必要量算出部が算出したエネルギーを超えた場合に、上記対象送信装置を用いて、エネルギーの補給完了を要求する完了要求信号を、上記対象移動体と隊列を組んだ救援装置に対して送信することを特徴とする請求項16乃至18に記載の対象装置。
【請求項20】
上記対象装置は、更に、信号を受信する対象受信装置と、操縦受信部とを有し、
上記操縦受信部は、上記対象受信装置を用いて、上記対象移動体の移動を制御する操縦信号を受信し、
上記隊列移動部は、上記操縦受信部が受信した操縦信号に基づいて、上記対象移動装置を用いて、上記対象移動体を移動させることを特徴とする請求項16または請求項19に記載の対象装置。
【請求項21】
上記蓄積装置は、電気エネルギーを蓄積し、
上記取得装置は、上記救援装置が放射する電磁エネルギーを取り入れる取得コイルを有し、
上記隊列移動部は、上記救援装置において電磁エネルギーを放射する放射コイルが存在する位置から放射される電磁エネルギーを上記取得コイルが取得するよう、上記対象移動体と上記救援装置との位置関係を制御することを特徴とする請求項16乃至請求項20のいずれかに記載の対象装置。
【請求項22】
上記取得コイルは、上記対象移動体の前方から放射された電磁エネルギーを取り入れ、 上記隊列移動部は、上記対象移動体が上記救援装置の後方に位置するよう、上記対象移動体を移動させることを特徴とする請求項21に記載の対象装置。
【請求項23】
コンピュータが実行することにより、上記コンピュータを、請求項9または請求項10に記載の救援指示装置または請求項11乃至請求項15のいずれかに記載の救援装置または請求項16乃至請求項22のいずれかに記載の対象装置として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項24】
信号を受信する指示受信装置と、データを処理する指示処理装置と、信号を受信する指示送信装置とを有する救援指示装置が、複数の救援装置のなかから決定した救援装置に対して、蓄積したエネルギーを使って移動する対象装置の救援を指示する救援指示方法において、
上記指示受信装置が、上記エネルギーの補給を要請する救援要請信号を、上記対象装置から受信し、
受信した救援要請信号を送信した対象装置について、上記指示処理装置が、上記対象装置の現在位置及び目的地に基づいて、上記対象装置の移動経路を算出し、
上記指示処理装置が、算出した上記対象装置の移動経路上に位置する地点のなかから、複数の候補地点を選択して、合流地点候補とし、
選択した合流地点候補それぞれについて、上記指示処理装置が、上記対象装置が上記合流地点候補に到着する予定時刻を算出し、
選択した合流地点候補それぞれについて、上記指示処理装置が、上記複数の救援装置それぞれが上記合流地点候補に到着する予定時刻を算出し、
上記指示処理装置が、算出した予定時刻に基づいて、上記対象装置に対してエネルギーを補給する救援装置を、上記複数の救援装置のなかから決定し、
上記指示処理装置が、算出した予定時刻に基づいて、上記対象装置に対してエネルギーを補給する救援装置が上記対象装置に合流する合流地点を、選択した複数の合流地点候補のなかから決定し、
上記指示送信装置が、決定した救援装置に対して、決定した合流地点で上記対象装置に合流することを指示する合流指示信号を送信することを特徴とする救援指示方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate


【公開番号】特開2012−230523(P2012−230523A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98017(P2011−98017)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】