説明

文字入力装置、文字入力支援方法、及び、文字入力支援プログラム

【課題】 ユーザによる文字入力時の労力を軽減可能とし、文字入力を高速化できるようにする。
【解決手段】
タッチスクリーンセンサ15は複数のタッチ位置を同時に検出可能な透明タッチパネルであり、ディスプレイ画面2上に重ねて配置されている。ディスプレイ画面2上のソフト12キーを構成する各ソフト数字キーには、それぞれ異なる基底文字とその基底文字に続く複数の文字配列が設定される。そして、ディスプレイ画面2上の何れか一つのソフト数字キーがタッチされた時、そのソフト数字キーに設定されている基底文字が未確定文字として表示される。また、そのソフト数字キーへのタッチが維持されている状態で、他の位置がタッチされた時、基底文字に続いて配列されている各文字の中から、他のタッチ位置の数に応じた配列順番の文字が選出されて未確定文字として切り替え表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばいわゆるタッチスクリーンセンサを用いて文字入力を行う場合に好適な文字入力装置、文字入力支援方法、及び、文字入力支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、例えば携帯電話端末のように、ユーザインターフェイスのための操作デバイス用のスペースを広くとることが困難な携帯情報端末においても、一般的なパーソナルコンピュータと同様に、文字入力・編集機能やインターネットへ接続してウェブページを表示するなどの機能が必須になっている。
【0003】
特に、携帯情報端末の一例である携帯電話端末の場合は、文字の入力・編集のための操作デバイスとして、いわゆるテンキー(“0”〜“9”の数字キー)や“#”,“*”の記号キーが用いられ、カーソル移動や画面スクロールのための操作デバイスとして“→”(右),“←”(左),“↓”(下),“↑”(上)等の方向を指示するための矢印キー(いわゆる十字キー)等からなるキーデバイスが用いられている。なお、上記テンキーの十個と二個の記号キーは、まとめて12キーと呼ばれることもある。
【0004】
ここで、携帯電話端末にて使用されているキーデバイスを用いて文字の入力・編集が行われる場合、それらの各キーには、それぞれ複数の文字が設定される。例えば日本語入力の場合、テンキーのうち“1”キーには“あ”を基底文字にしたア行の文字配列{“あ”,“い”,“う”,“え”,“お”}が設定され、“2”キーには“か”を基底文字にしたカ行の文字配列{“か”,“き”,“く”,“け”,“こ”}が、以下同様に、“3”キーには“さ”を基底文字にしたサ行の文字配列が、“4”キーには“た”を基底文字にしたタ行の文字配列が、“5”キーには“な”を基底文字にしたナ行の文字配列が、“6”キーには“は”を基底文字にしたハ行の文字配列が、“7”キーには“ま”を基底文字にしたマ行の文字配列が、“8”キーには“や”を基底文字にしたヤ行の文字配列が、“9”キーには“ら”を基底文字にしたラ行の文字配列が、“0”キーには“わ”を基底文字にしたワ行の文字配列と日本語五十音の最後の“ん”の文字が設定されている。なお、拗音や促音として用いられるいわゆる小書き文字(印刷用語における捨て仮名)についても、それぞれの基底文字のキーに対して設定がなされている。
【0005】
したがって、例えば日本語を入力するような場合において、基底文字ではない他の所望の文字を入力する際には、ユーザは、その所望文字が設定されている基底文字に対応したキーを、複数回押下する煩雑な操作を行わなければならない。一例として、日本語入力において“お”の文字を入力するような場合、ユーザは“1”キーを五回押下する操作が必要となる。
【0006】
なお、同じキーを複数回押下するような煩雑な操作を必要とせず、文字や数字等の入力作業を容易にするための従来の文字入力技術として、例えば特開2007−34873号の公開特許公報(特許文献1)に開示されている技術も知られている。すなわち、当該特許文献1には、メッシュ状に配列された押圧センサを使用した入力パネル上で、同時に押された押圧センサ数をカウントし、このカウント結果を入力数値とするような技術が開示されている。特に、片手で操作する例を挙げた場合、押圧カウント結果による数値は1〜4(人差し指から小指まで)に限定される。また、数値0(ゼロ)と数値5の入力は、それぞれ専用に設けられた「0」キー部と「5」キー部の押圧により行われる。この特許文献1に記載の技術によれば、数値キーを見なくとも、片手で数値を正確に入力でき、装置を小形化することが可能な入力装置が実現されている。
【0007】
その他にも、文字入力支援技術としては、例えば特開2006−87117号の公開特許公報(特許文献2)に開示されているような技術も知られている。すなわち当該特許文献2には、キー入力部のキー押さえを確認する過程と、前記キー押さえによるキー押さえイベントを格納し、前記キー押さえイベントに対する動作を遂行する過程と、前記キー押さえの以後、予め定まるマルチクリックキーの入力の可否を確認する過程と、前記マルチクリックキーが入力されたならば、前記マルチクリックキーに対応して予め設定された回数だけ前記キー押さえイベントに対する動作を繰り返して遂行する過程とを含むことを特徴とする携帯用端末機が開示されている。この特許文献2に記載の技術によれば、携帯用端末機上で文字を入力する際に、使用者のキー入力回数を最小化可能となされている。
【0008】
【特許文献1】特開2007−34873号公報(図1)
【特許文献1】特開2006−87117号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、近年は、例えば携帯電話端末や携帯型AV機器、PDA(PDA:Personal Digital Assistants)等の各種携帯情報端末に搭載されるユーザ操作入力用デバイスとして、前述したようなキーデバイスに代えて(或いはその一部と共に)、いわゆるタッチスクリーンセンサを用いる例が増えてきている。当該タッチスクリーンセンサをユーザ操作入力用デバイスとして用いる場合には、そのパネル下面側に画像表示用ディスプレイが配される。そして、当該ディスプレイ画面上に表示されたソフトキーやアイコンに対応したパネル面上の位置が、ユーザの指等によりタッチされた場合、携帯情報端末は、それらソフトキーやアイコンに対応付けた処理(例えばキー入力やメニューアイコン選択の処理など)を実行する。したがって、当該携帯情報端末によれば、ディスプレイ画面上に表示されるソフトキーやアイコンを適宜切り替えるとともに、その切り替えに応じてソフトキーやアイコンに対応付けられる処理をも切り替えることにより、当該タッチスクリーンセンサという一つの操作入力デバイスを用いた多種多様なユーザ入力を実現可能となる。
【0010】
しかしながら、携帯電話端末のような小形端末に搭載可能なタッチスクリーンセンサのサイズやディスプレイサイズは、その端末筐体サイズに依存することになる。一方で、ディスプレイ画面上に表示されるソフトキーやアイコンについては、ユーザの指等により、隣接したソフトキーやアイコンが誤って選択されてしまわないだけの大きさを有するものとしなければならない。すなわち言い換えると、ディスプレイ画面上に同時に表示可能なソフトキーやアイコンの数は、或る程度制限されてしまう。さらに、従来の携帯電話端末に搭載されているキーデバイスの使用に慣れたユーザが使い易いようにするためには、特に、ディスプレイ画面上に表示されるソフトキー配置を、従来のキーデバイスのテンキー配置に略々準じたものにすることが望まれる。
【0011】
これらのことから、ユーザ操作入力用デバイスとしてタッチスクリーンセンサが搭載されている場合であっても、その携帯電話端末等において少なくとも文字入力が行われる際には、従来のテンキーに準じた配列でソフトキーが表示され、さらに各ソフトキーに対しては前述同様に各基底文字とそれに続く複数の文字を割り当て設定するようになされている。すなわち、ユーザ操作入力用デバイスとしてタッチスクリーンセンサを備えた携帯電話端末等であっても、ユーザは、例えば基底文字ではない他の所望の文字を入力する際には、その所望文字が設定されたソフトキーを複数回タッチするような煩雑な操作を行わなければならない。
【0012】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、ユーザ操作入力用デバイスとしてタッチスクリーンセンサを有するとともに、基底文字とそれに続く複数の文字からなる文字配列がソフトキーに割り当て設定されている場合において、ユーザによる文字入力時の労力を軽減可能とし、また文字入力の高速化を可能とする文字入力装置、文字入力支援方法及び文字入力支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の文字入力装置は、複数のタッチ位置を同時に検出可能な透明なタッチスクリーンを有するセンサ部と、センサ部のタッチスクリーンに重ねて配置されるディスプレイ画面を有すると表示部とを備える。また、本発明の文字入力装置は、ディスプレイ画面上に複数のソフトキーを表示させるとともに、それら各ソフトキーに対して、それぞれ異なる一つの文字を基底文字とした複数の文字配列を割り当て設定する。そして、本発明の文字入力装置は、タッチスクリーン上で、ディスプレイ画面上の各ソフトキーの中の何れか一つのソフトキーに対応した位置がタッチされた時、当該タッチ位置のソフトキーに割り当て設定されている基底文字を選出し、当該選出した基底文字を未確定文字としてディスプレイ画面上に表示させる。ここで、本発明の文字入力装置は、基底文字に対応したソフトキーへのタッチが維持されている状態で、そのタッチ位置とは異なる他の位置がタッチされた時、基底文字に続いて配列されている各文字の中から、当該他のタッチ位置の数に応じた配列順番の文字を選出し、その選出した文字を未確定文字として切り替え表示する。これにより、本発明の文字入力装置は上述した課題を解決する。
【0014】
すなわち本発明によれば、所望のソフトキーがタッチされて基底文字が選出された後、その基底文字に続いて配列されている各文字の中から所望の文字を選ぶ際のユーザによる作業は、所望のソフトキーへのタッチ状態を維持したまま、別の位置をタッチする作業となる。この時、本発明の文字入力装置は、所望のソフトキーに対応した基底文字に続いて配列されている各文字の中から、当該別のタッチ位置の数に応じた配列順番の文字を選出する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、タッチスクリーンセンサを有し且つ各ソフトキーに対して基底文字とそれに続く複数の文字配列が設定されている場合において、所望の基底文字のソフトキーへのタッチが維持された状態で、その位置とは異なる他の位置がタッチされた時に、所望の基底文字に続いて配列されている各文字の中から、当該他のタッチ位置の数に応じた配列順番の文字を選出することにより、ユーザの文字入力時の労力を軽減可能となり、文字入力の高速化が可能となっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の文字入力装置、文字入力支援方法及び文字入力支援プログラムの一実施形態について説明する。
【0017】
なお、本実施形態では、本発明の文字入力装置、文字入力支援方法及び文字入力支援プログラムが適用される装置の一例として、タッチスクリーンセンサを搭載した携帯電話端末を挙げているが、勿論それはあくまで一例であり、本発明はこの例に限定されないことは言うまでもない。
【0018】
[携帯電話端末の概略的な内部構成] 図1には、本発明実施形態の携帯電話端末の概略的な内部構成を示す。
【0019】
図1において、通信アンテナ12は、例えば内蔵アンテナであり、通話やパケット通信のための信号電波の送受信を行う。通信回路11は、送受信信号の周波数変換、変調と復調等を行う。上記通信アンテナ12及び通信回路11の受信データが通話音声のデータである場合、その通話音声のデータはデータラインを介して音声処理部22へ送られ、それ以外の受信データは一旦、CPUである制御部10へ送られて処理された後、必要に応じて当該制御部10から各部へ送られる。
【0020】
音声処理部22は、上記通信アンテナ12及び通信回路11から通話音声の受信データが供給された時、その通話音声の受信データを復号化し、当該復号化後の通話音声データをデータラインを介してスピーカ20へ送る。
【0021】
スピーカ20は、携帯電話端末に設けられている受話用のスピーカやリンガ(着信音)、音楽再生、アラーム音出力用のスピーカであり、ディジタル/アナログ変換器と増幅器を含み、通話音声やリンガ音,再生された楽曲のデータを、ディジタル/アナログ変換及び増幅した後、出力する。
【0022】
マイクロホン21は、送話用のマイクロホンであり、アナログ/ディジタル変換器と増幅器を含む。このマイクロホン21を介して入力された通話音声信号は、増幅器により所定のレベルに増幅された後、アナログ/ディジタル変換器によりディジタル音声データに変換され、データラインを介して音声処理部22へ送られて符号化された後、データラインを介して通信回路11へ送られて変調、周波数変換等の各種処理を受け、通信アンテナ12から送信される。
【0023】
タッチスクリーンセンサ15は、透明なタブレットタイプのセンサパネルとなされている。当該タッチスクリーンセンサ15は、例えばユーザの指等がパネル表面にタッチ(つまり接触若しくは充分に近接)した時に、そのタッチ位置を示すデータ(例えば接触点若しくは近接点の座標情報)や、そのタッチ位置が移動した時の移動軌跡等を示すデータ(例えば移動により接触点若しくは近接点が時間とともに変化した時の時系列座標情報)を出力する。特に、本実施形態におけるタッチスクリーンセンサ15は、同時に複数の接触点若しくは近接点(少なくとも五箇所以上の接触点若しくは近接点)を検出可能なマルチタッチ対応のタッチセンサとなされている。なお、マルチタッチ対応のタッチセンサは既に開発済みの技術であるため、ここではその詳細な構成等の説明は省略する。
【0024】
操作デバイス制御部14は、上記タッチスクリーンセンサ15をタッチ検出可能なアクティブ状態にする起動制御や、逆にタッチ検出機能を停止状態(非アクティブ状態)にする停止制御、アクティブ状態のタッチスクリーンセンサ15から供給されたタッチ位置データを制御部10へ送出するデータ送出制御などを行う。なお、本実施形態では、ユーザ操作入力デバイスとしてタッチスクリーンセンサ15のみが搭載されている携帯電話端末を例に挙げているが、勿論、当該タッチスクリーンセンサ15とともに他のキーデバイスが搭載されていてもよい。キーデバイスが搭載されている場合の操作デバイス制御部14は、それらキーデバイスのアクティブ/非アクティブ制御や、それらキーデバイスからの出力データを制御部10へ送出するデータ送出制御をも行うことになる。
【0025】
表示部13は、本実施形態の携帯電話端末の筐体上に設けられている液晶や有機EL(ElectroLuminescent)等のディスプレイとそのディスプレイを駆動するためのディスプレイ駆動回路とからなる。ディスプレイ駆動回路は、画像処理部23から供給された画像信号に基づいて、上記ディスプレイを駆動する。これにより、ディスプレイには、画像や文字、メニュー項目等が表示される。なお、本実施形態において、表示部13のディスプレイは、上記透明なタッチスクリーンセンサ15の下面側(筐体側)に配されている。したがって、ユーザからは、上記透明なタッチスクリーンセンサ15を介して当該ディスプレイの表示内容が見えることになる。
【0026】
画像処理部23は、表示部13に表示される画像の処理を行う。また、画像処理部23は、制御部10による制御の基で、各種のユーザインターフェース画面の表示やウェブページの表示等を行う。特に本実施形態の携帯電話端末が文字入力モードになされていて上記タッチスクリーンセンサ15がユーザ操作入力用デバイスとしてアクティブ状態になされている場合、画像処理部23は、制御部10による制御の基で、上記表示部13のディスプレイ上に例えばソフトキーやアイコン等の画像を表示する。また、本実施形態の携帯電話端末が文字入力モードになされている場合、画像処理部23は、制御部10による制御の基、後述するようなソフト12キー、ソフト十字キー、ソフト決定キー、ソフトCLR(クリア)キー、ソフト小文字キーなどを画面上に表示させ、また、文字入力表示ウィンドウなども画面表示させる。なお、文字入力モード時にディスプレイ画面上に表示される各ソフトキーや文字入力表示ウィンドウなどの機能やその具体的表示例については後述する。
【0027】
メモリ部16は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、OS(Operating System)、制御部10が各部を制御するための制御プログラム、各種の初期設定値、フォントや仮名漢字変換,予測変換に用いられる辞書データ、着信音やキー操作音等の音データ、本実施形態にかかるタッチスクリーンセンサ15を用いた文字入力時に文字入力の労力軽減及び高速化を実現可能にするための文字入力支援プログラム、その他、当該端末に搭載される各種のアプリケーション用のプログラム、当該端末の機器識別情報(ID)などを記憶している。このROMは、NAND型フラッシュメモリ(NAND-type flash memory)或いはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能なROMを含み、電子メールデータ、電話帳や電子メールアドレス帳のデータ、スケジュール帳のデータ、通信履歴等の様々なデータ、ユーザ辞書データ、静止画や動画データ、その他、各種のユーザ設定値等を保存することも可能となされている。なお、上記フォント,仮名漢字変換や予測変換に用いられる辞書データは辞書データ格納部19に格納されており、本実施形態にかかる文字入力支援プログラムを含む各種アプリケーションプログラムはプログラム格納部18に格納され、音データや電子メールデータ、電話帳・アドレス帳、スケジュール帳のデータ等はデータ格納部18に格納されている。RAMは、制御部10が各種のデータ処理を行う際の作業領域として、随時データを格納する。
【0028】
制御部10は、CPUからなり、メモリ部16に記憶されているOSや各種プログラムに基づいて、当該端末の様々な制御、本実施形態にかかる後述の文字入力支援処理等を実行する。また、詳細については後述するが、本発明実施形態の場合、上記制御部10は、文字入力モードにおいて本発明にかかる文字入力支援プログラムを実行している時には、画像処理部23を介して、表示部13のディスプレイ上にアイコンや文字入力表示ウィンドウ、複数のソフトキー(ソフトキー表示制御機能)などを表示させる。また、文字入力モードにおいて、制御部10は、ディスプレイ上に表示された各ソフトキーに対して、後述するように、それぞれ異なる一つの文字を基底文字とした複数の文字配列を割り当て設定する(文字配列設定機能)。また、当該文字入力モードにおいて、制御部10は、操作デバイス制御部14を介してタッチスクリーンセンサ15をアクティブ状態にさせ、そのタッチスクリーンセンサ15から得られたタッチ位置データ等により、当該タッチスクリーンセンサ15面上の何れの位置がタッチされたのか判断する。さらに制御部10は、上記タッチ位置データから、ディスプレイ画面上に表示されている何れのソフトキーがユーザにより選択されたのかを判断し、その選択されたソフトキーに予め割り当て設定してある基底文字を、未確定文字として上記ディスプレイに表示させる(基底文字表示制御機能)。また、制御部10は、上記基底文字に対応したソフトキーへのタッチが維持されている状態で、そのタッチ位置とは異なる他の位置がタッチされた時、上記基底文字に続いて配列されている各文字の中から、当該他のタッチ位置の数に応じた配列順番の文字を選出し、その選出した文字を上記ディスプレイ画面上の上記未確定文字として切り替え表示する(未確定文字切替制御部)。すなわち、本発明実施形態において、制御部10は、ユーザにより何れかのソフトキーが選択された状態でさらに他に複数箇所が略々同時にタッチされた場合、当該選択されたソフトキーと複数の同時タッチ数とに基づいて、後述するような文字入力支援処理を実行する。
【0029】
その他、図1では図示を省略しているが、本発明実施形態の携帯電話端末は、画像の撮影を行うためのカメラ部や、いわゆる電子マネーを扱うための電子財布機能部、近距離無線通信部、GPS(Global Positioning System)機能部、外部メモリが接続されるメモリインターフェース部、外部ケーブルが接続されるケーブル用コネクタ部、ディスプレイのバックライトや着信ライト用などのLED(発光ダイオード)とその駆動部、バイブレータとその駆動部、各部へ電力を供給するバッテリとその電力をコントロールするパワーマネージメントIC部など、一般的な携帯電話端末に設けられる各構成要素についても全て備えている。
【0030】
[本実施形態の携帯電話端末の外観及び文字入力モード時の画面表示例] 図2には、本発明実施形態の携帯電話端末1の概略的な外観構成を示す。この図2の例は、本実施形態の携帯電話端末が文字入力モードである時のディスプレイ画面表示例も示している。
【0031】
図2において、本実施形態の携帯電話端末1は、筐体の一主面側に、当該主面サイズに近い大きさのディスプレイ画面2と、そのディスプレイ画面2と略々同じサイズのタッチスクリーンセンサ15とを備えている。タッチスクリーンセンサ15は、前述したように透明なタブレットタイプのセンサパネルとなされており、ディスプレイ画面2の前面に配されている。したがって、ディスプレイ画面2の表示内容は、当該透明なタッチスクリーンセンサ15を介して外部から見えるようになっている。
【0032】
ここで、本実施形態の携帯電話端末1は、文字入力モードにおいて文字入力支援プログラムが実行されている時、図2に示すように、ディスプレイ画面2上に、ソフト十字キー33、ソフト小文字キー34、ソフトCLRキー35、ソフト決定キー36、ソフト12キー37、文字入力表示ウィンドウ31等を表示する。
【0033】
上記ソフト12キー37は、いわゆるテンキーに対応した“0”〜“9”のソフト数字キーと、“#”,“*”の記号キーに対応したソフト記号キーとからなる。本実施形態の携帯電話端末が日本語入力モードであるとき、“1”ソフト数字キーには“あ”を基底文字にしたア行の各文字からなる文字配列{“あ”,“い”,“う”,“え”,“お”}が割り当て設定され、“2”ソフト数字キーには“か”を基底文字にしたカ行の文字配列{“か”,“き”,“く”,“け”,“こ”}が、以下同様に、“3”ソフト数字キーには“さ”を基底文字にしたサ行の文字配列が、“4”ソフト数字キーには“た”を基底文字にしたタ行の文字配列が、“5”ソフト数字キーには“な”を基底文字にしたナ行の文字配列が、“6”ソフト数字キーには“は”を基底文字にしたハ行の文字配列が、“7”ソフト数字キーには“ま”を基底文字にしたマ行の文字配列が、“8”ソフト数字キーには“や”を基底文字にしたヤ行の文字配列が、“9”ソフト数字キーには“ら”を基底文字にしたラ行の文字配列が、“0”ソフト数字キーには“わ”を基底文字にしたワ行の文字配列と日本語五十音の最後の“ん”の文字が設定されている。
【0034】
上記ソフト十字キー33は、カーソル移動や画面スクロールのための“>”(右方向),“<”(左方向),“∨”(下方向),“∧”(上方向)等の各方向指示するための四つのソフト矢印キーからなる。
【0035】
ソフト小文字キー34は、例えば拗音や促音として用いられるいわゆる小書き文字(印刷用語の捨て仮名)を入力する際に指示されるソフトキーである。
【0036】
ソフトCLRキー35は、入力文字を消去等するいわゆるクリア指示入力のためのソフトキーである。
【0037】
ソフト決定キー36は、未確定文字の決定、つまり確定を指示入力するためのソフトキーである。
【0038】
文字入力表示ウィンドウ31は、入力途中の未確定文字や、確定文字等が表示されるウィンドウである。当該文字入力表示ウィンドウ31内には、文字カーソル32や入力済みの文字列等も表示される。
【0039】
[本実施形態の文字入力支援処理の概要] 上述したような文字入力モードにおいて、例えばユーザにより何れかのソフト数字キーに対応した位置がタッチされた場合、本実施形態の携帯電話端末1は、当該タッチ位置のソフト数字キーが何れのソフトキーであるかを判定し、そのソフト数字キーに設定されている基底文字を上記文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32の位置に表示する。図3には、日本語の文字入力モードにおいて、ユーザにより“5”ソフト数字キーの位置T0がタッチされたこと、つまりユーザにより“5”ソフト数字キーが選択されたことで、文字入力表示ウィンドウ31の文字カーソル32上に“な”の基底文字が表示された様子を示している。但し、この段階では上記“な”の文字は未確定状態となっている。なお、未確定状態の場合、文字入力表示ウィンドウ31内の当該文字にはアンダーライン38が表示される。
【0040】
また、図3のようにユーザ所望のソフト数字キーに対応した位置T0がタッチされ且つそのタッチ状態が維持されている時、本実施形態の携帯電話端末1は、当該ユーザ所望のソフト数字キーを除く他のソフトキーについての選択を許可しない入力禁止モードへ移行する。但し、当該入力禁止モードに移行した場合であっても本実施形態の携帯電話端末1は、タッチスクリーンセンサ15上のタッチ検出は可能となされている。なお、入力禁止モードに移行した場合、本実施形態の携帯電話端末1は、上記タッチ位置T0の“5”ソフト数字キーの表示のみを例えばハイライトしてそれ以外の部分の明るさを落としたり、タッチ位置T0の“5”ソフト数字キーとそれ以外の他の部分の表示色を異ならせることなどにより、入力禁止モードへの移行をユーザへ通知する。勿論、これらは一例であり、ハイライト表示と表示色の変更等を同時に行うこと、或いはアラーム音を出力するなどの他の手法により、入力禁止モードへの移行をユーザに通知するようにしてもよい。
【0041】
また、本実施形態の携帯電話端末1は、入力禁止モードに移行した状態で、上記ユーザ所望のソフト数字キーのタッチ位置を除く他の幾つかの位置がユーザにより同時にタッチされた場合には、それら他の同時タッチ位置の数をカウントする。そして、本実施形態の携帯電話端末1は、上記ユーザ所望のソフト数字キーに対応した基底文字に続く文字配列のなかから、上記他の同時タッチ位置のカウント数に対応した配列順番の文字を、上記文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32の位置に表示する。例えば図3のように入力禁止モードに移行した状態で、例えば図4に示すように“5”ソフト数字キーのタッチ位置T0を除いた例えば一つの位置T1がユーザにより同時にタッチされたような場合、携帯電話端末1は、上記文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32の位置に“に”の文字を表示する。すなわち“な”の基底文字に対しては{“な”,“に”,“ぬ”,“ね”,“の”}の文字配列設定されており、“に”の文字は上記“な”の文字の一つ隣に配列された文字である。したがってこの時の携帯電話端末1は、上記タッチ位置T0以外の他の同時タッチ位置T1の数である「1」により、上記“な”から一つ目の“に”の文字がユーザにより選択されたと判定し、当該“に”の文字を文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32の位置に表示する。同様なことから、例えばタッチ位置T0を除いた例えば四つの位置がユーザにより同時にタッチされたような場合には、上記文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32の位置には、“の”の文字が表示されることになる。但し、この段階では上記“に”や“の”の文字は未確定状態となっており、未確定状態の場合の当該文字にはアンダーライン38が表示される。もちろんこれらのことは、他の基底文字の場合も同様である。
【0042】
このように本実施形態の携帯電話端末1では、或る基底文字に対するソフト数字キーがタッチされた状態で、それ以外の幾つかの位置が同時にタッチされた場合、上記基底文字に続く文字配列の中から、当該同時タッチ位置の数に応じた文字を選出し、その文字を文字入力表示ウィンドウ31内に表示するようになされている。したがって、本実施形態によれば、ユーザは、基底文字に続く文字列の中から所望の文字を入力するために、従来のように、基底文字に対するソフト数字キーを何度もタッチするような煩雑な操作を要せずに、所望の文字を簡単に入力することが可能となる。
【0043】
さらに、本実施形態の携帯電話端末1では、或る基底文字に対するソフト数字キーがタッチされた状態では、他のソフトキーについての選択を許可しない入力禁止モードへ移行することで、例えば他のソフト数字キーがタッチされても、当該他のソフト数字キーに設定されている基底文字等が誤って未確定文字として選出されてしまうようなことがない。また、入力禁止モードの時には、前述のようなハイライト表示等により、ユーザに対して入力禁止モードへ移行したことを明確に知らせることが可能となっている。
【0044】
また、本実施形態の携帯電話端末は、上記文字入力表示ウィンドウ31内に所望の未確定文字が表示されている状態でソフト決定キー36がタッチされた時には、未確定文字を確定文字とする。
【0045】
また、本実施形態の携帯電話端末は、上記文字入力表示ウィンドウ31内に所望の未確定文字が表示されている状態でソフト小文字キー34がタッチされた場合、その未確定文字の小書き文字(小文字)が存在する場合には、その小書き文字を上記文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32の位置に表示する。
【0046】
また、本実施形態の携帯電話端末は、上記文字入力表示ウィンドウ31内に所望の未確定文字が表示されている状態でソフト小文字キー34がタッチされた場合において、その未確定文字の小書き文字(小文字)が存在する時には、その小書き文字を上記文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32の位置に表示する。なお、小書き文字になされた後、再度ソフト小文字キー34がタッチされた場合には、文字の大きさは元の大きさに戻る。
【0047】
その他、本実施形態の携帯電話端末は、上記文字入力表示ウィンドウ31内に表示されている未確定文字に対して仮名漢字変換やカタカナ変換等の文字変換処理についても実行可能となされている。すなわち一例として、本実施形態の携帯電話端末は、上記文字入力表示ウィンドウ31内に所望の未確定文字が表示されている状態でソフト十字キー33の“∨”ソフト矢印キーや“∧”ソフト矢印キーがタッチされたような場合、当該ソフト矢印キーがタッチされる毎に変換候補文字を変更する。それら変換候補文字は、上記ソフト決定キー36がタッチされた時に確定される。
【0048】
また例えば、上記文字入力表示ウィンドウ31内に所望の未確定文字が表示されている状態でソフト十字キー33の“>”ソフト矢印キーや“<”ソフト矢印キーがタッチされた場合、本実施形態の携帯電話端末は、文字カーソル32をその矢印方向に一文字分ずつ移動させ、当該文字カーソル32により指示される文字を変更する。
【0049】
さらに例えば、上記文字入力表示ウィンドウ31内に所望の未確定文字が表示されている状態で例えばソフトCLRキー36がタッチされた場合、本実施形態の携帯電話端末1は、文字カーソル32上の文字を消去する。
【0050】
以下、一例として、図5のように“にゅうりょく”の文字列を未確定文字として入力した後、その未確定文字列を仮名漢字変換により“入力”の漢字に変換して確定するまでの一連の流れを説明する。
【0051】
先ず第一の手順として、文字入力モードにおいて、前述の図3の例のように、ユーザが指等により“な”の基底文字が設定されている“5”ソフト数字キーの位置をタッチすると、携帯電話端末は、文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32上に“な”の未確定文字を表示する。
【0052】
次に第二の手順として、前述の図4の例のように“5”ソフト数字キーの位置がタッチされた状態で、ユーザが指等により例えば別の一つの位置(T1)等をタッチすると、携帯電話端末は、文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32上に“に”の未確定文字を表示する。そして、ユーザがタッチスクリーンセンサ15から指等を離すと、携帯電話端末は、文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32上に“に”の未確定文字が表示された状態のまま入力禁止モードを解除し、全てのソフトキーが選択可能なモードに戻る。なお、上記“に”の未確定文字が文字入力表示ウィンドウ31内に表示されるタイミングは、“5”ソフト数字キーの位置がタッチされた状態でさらに別の一つの位置(T1)等がタッチされた後、ユーザがタッチスクリーンセンサ15から指を離した時点であってもよい。以下の手順でも同様であるが、ここでは別の位置等がタッチされたタイミングで文字入力表示ウィンドウ内の文字が切り替え表示される例を挙げることとする。
【0053】
次に第三の手順として、上記文字入力表示ウィンドウ31内に“に”の未確定文字が表示されている状態で、ユーザが指等により“や”の基底文字が設定されている“8”ソフト数字キーの位置をタッチすると、携帯電話端末は、入力禁止モードへ移行するとともに、文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32を一文字分だけ左側に移動させ、その文字カーソル32上に“や”の未確定文字を表示する。これにより、文字入力表示ウィンドウ31は“にや”の未確定文字列が表示された状態となる。
【0054】
次に第四の手順として、上記第三の手順により“8”ソフト数字キーの位置がタッチされた状態で、ユーザが指等により別の一つの位置等をタッチすると、携帯電話端末は、文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32上に“ゆ”の未確定文字を表示する。これにより、文字入力表示ウィンドウ31は、“にゆ”の未確定文字列が表示された状態となる。
【0055】
次に第五の手順として、上記文字入力表示ウィンドウ31に“にゆ”の未確定文字列が表示され且つ文字カーソル32が“ゆ”の文字上に存在している状態で、ユーザがタッチスクリーンセンサ15から指等を離すと、携帯電話端末は、入力禁止モードを解除し全てのソフトキーが選択可能なモードに戻る。さらに、ユーザが指等によりソフト小文字キー34をタッチすると、携帯電話端末は、上記文字カーソル32上の“ゆ”の文字を小書き文字“ゅ”に変換する。これにより、文字入力表示ウィンドウ31は“にゅ”の未確定文字列が表示された状態となる。
【0056】
次に第六の手順として、上記文字入力表示ウィンドウ31内に“にゅ”の未確定文字が表示されている状態で、ユーザが指等により“あ”の基底文字が設定されている“1”ソフト数字キーの位置をタッチすると、携帯電話端末は、入力禁止モードへ移行するとともに、文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32を一文字分だけ左側に移動させ、その文字カーソル32上に“あ”の未確定文字を表示する。これにより、文字入力表示ウィンドウ31は“にゅあ”の未確定文字列が表示された状態となる。
【0057】
次に第七の手順として、上記第五の手順により“1”ソフト数字キーの位置がタッチされた状態で、ユーザが二本の指等により別の二つの位置等を同時にタッチすると、携帯電話端末は、文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32上に“う”の未確定文字を表示する。これにより、文字入力表示ウィンドウ31は、“にゅう”の未確定文字列が表示された状態となる。
【0058】
次に第八の手順として、上記文字入力表示ウィンドウ31内に“にゅう”の未確定文字が表示されている状態で、ユーザが指等により“ら”の基底文字が設定されている“9”ソフト数字キーの位置をタッチすると、携帯電話端末は、入力禁止モードへ移行するとともに、文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32を一文字分だけ左側に移動させ、その文字カーソル32上に“ら”の未確定文字を表示する。これにより、文字入力表示ウィンドウ31は“にゅうら”の未確定文字列が表示された状態となる。
【0059】
次に第九の手順として、上記第八の手順により“9”ソフト数字キーの位置がタッチされた状態で、ユーザが指等により別の一つの位置等をタッチすると、携帯電話端末は、文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32上に“り”の未確定文字を表示する。これにより、文字入力表示ウィンドウ31は、“にゅうり”の未確定文字列が表示された状態となる。
【0060】
次に第十の手順として、上記文字入力表示ウィンドウ31内に“にゅうり”の未確定文字が表示されている状態で、ユーザが指等により“や”の基底文字が設定されている“8”ソフト数字キーの位置をタッチすると、携帯電話端末は、入力禁止モードへ移行するとともに、文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32を一文字分だけ左側に移動させ、その文字カーソル32上に“や”の未確定文字を表示する。これにより、文字入力表示ウィンドウ31は“にゅうりや”の未確定文字列が表示された状態となる。
【0061】
次に第十一の手順として、上記第十の手順により“8”ソフト数字キーの位置がタッチされた状態で、ユーザが二本指等により別の二つの位置等を同時にタッチすると、携帯電話端末は、文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32上に“よ”の未確定文字を表示する。これにより、文字入力表示ウィンドウ31は、“にゅうりよ”の未確定文字列が表示された状態となる。
【0062】
次に第十二の手順として、上記文字入力表示ウィンドウ31の文字カーソル32が“よ”の文字上に存在している状態で、ユーザがタッチスクリーンセンサ15から指等を離すと、携帯電話端末は、入力禁止モードを解除し全てのソフトキーが選択可能なモードに戻る。さらに、ユーザが指等によりソフト小文字キー34をタッチすると、携帯電話端末は、上記文字カーソル32上の“よ”の文字を小書き文字“ょ”に変換する。これにより、文字入力表示ウィンドウ31は“にゅうりょ”の未確定文字列が表示された状態となる。
【0063】
次に第十三の手順として、上記文字入力表示ウィンドウ31内に“にゅうりょ”の未確定文字が表示されている状態で、ユーザが指等により“か”の基底文字が設定されている“2”ソフト数字キーの位置をタッチすると、携帯電話端末は、入力禁止モードへ移行するとともに、文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32を一文字分だけ左側に移動させ、その文字カーソル32上に“か”の未確定文字を表示する。これにより、文字入力表示ウィンドウ31は“にゅうりょか”の未確定文字列が表示された状態となる。
【0064】
次に第十四の手順として、上記第十三の手順により“2”ソフト数字キーの位置がタッチされた状態で、ユーザが二本指等により別の二つの位置等を同時にタッチすると、携帯電話端末は、文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32上に“く”の未確定文字を表示する。これにより、文字入力表示ウィンドウ31は、“にゅうりょく”の未確定文字列が表示された状態となる。
【0065】
次に第十五の手順として、上記文字入力表示ウィンドウ31に“にゅうりょく”の未確定文字が表示されている状態で、ユーザがタッチスクリーンセンサ15から指等を離すと、携帯電話端末は、入力禁止モードを解除し全てのソフトキーが選択可能なモードに戻る。さらに、ユーザが指等により例えばソフト十字キー33の“∨”ソフト矢印キーをタッチすると、上記文字入力表示ウィンドウ31には当該未確定文字“にゅうりょく”の仮名漢字変換候補が表示される。なお、仮名漢字変換候補の表示位置は、未確定文字列の表示位置であっても良いし、或いは図示しない別の候補表示ウィンドウ内に表示されてもよい。特に、未確定文字列の表示位置に仮名漢字変換候補が表示される場合には、各変換候補の漢字が“∨”ソフト矢印キーをタッチする毎に順次切り替え表示される。
【0066】
そして、第十六の手順として、それら仮名漢字変換候補の中で例えば“入力”の漢字が表示されている時に、ソフト決定キー36がタッチされると、携帯電話端末は、当該“入力”の漢字の入力を確定する。これにより、文字入力表示ウィンドウ31は、“入力”の確定文字列が表示された状態となる。
【0067】
上述したような“にゅうりょく”の文字列の入力を行うような場合、本実施形態によれば、上記“に”、“ゆ”、“う”、“り”、“よ”、“く”の各文字を、合計六回のタッチ動作で入力することができる。これに対し、従来技術のように、基底文字が設定されたソフト数字キーを何度もタッチすることで所望の文字を入力する手法の場合は、“う”、“よ”、“く”の各文字を入力する際に、本発明実施形態と比較してそれぞれ一回づつ多いタッチ動作が必要となり、合計九回のタッチ動作が必要となる。したがって、本実施形態の場合は、従来の手法に比べて、文字入力のためのタッチ動作数を減らすことができ、文字入力時のユーザの労力を軽減でき、また文字入力作業の高速化を図ることも可能となる。
【0068】
なお、本発明実施形態の携帯電話端末は、所望のソフト数字キーを何度もタッチすることで所望の文字が選ばれる従来同様の手法による文字入力についても勿論可能となされている。すなわち、ユーザ所望のソフト数字キーに対応した位置のタッチ動作とそのタッチの解除(指等を離す)動作が繰り返された場合には、携帯電話端末は、当該ソフト数字キーに設定されている基底文字とそれに続く各文字配列を順次切り替え、それら切り替えられた文字を未確定文字として文字入力表示ウィンドウ31の文字カーソル32上に表示することになる。
【0069】
[文字入力支援処理の流れ] 図6には、本実施形態の携帯電話端末において、上述したタッチスクリーンセンサ15を用いた文字入力支援処理のフローチャートを示す。なお、この図6に示したフローチャートの処理は、メモリ部16の文字入力支援プログラムを制御部10が文字入力モードにて実行することにより実現される。また、図6のフローチャートは、特に一文字分の文字入力がなされる際の処理の流れのみを示している。
【0070】
図6において、本実施形態の文字入力支援プログラムが起動されると、制御部10は、ステップS1として、文字入力のためのキータッチがなされたか否か、すなわち、何れかのソフト数字キーに対応した位置がユーザの指等によりタッチされたか否かの監視を開始する。当該ステップS1において、制御部10は、何れかのソフト数字キーに対応した位置がタッチされたと判断した場合にステップS2へ処理を進める。一方、タッチスクリーンセンサ15がタッチされていない時、或いは、タッチスクリーンセンサ15のタッチ位置が何れのソフト数字キーにも対応していない場合、制御部10は、当該ステップS1の監視を続ける。
【0071】
ステップS2の処理に進むと、制御部10は、上記ソフト数字キーへのタッチ状態が継続している時間内に、ユーザにより他の複数箇所が同時にタッチされることによる文字入力表示ウィンドウ31上の文字変更表示を1回に制限するためのマルチ選択フラグを“0”に設定してステップS3へ進む。すなわち、本実施形態において、上記マルチ選択フラグは、上記ソフト数字キーへのタッチ状態の継続期間内に他の複数同時タッチがあり、それら他の複数同時タッチのみが一旦解除(ユーザが指等を離す)され、さらに他の複数箇所がタッチされたような場合に、初回の複数同時タッチのみを有効とするために、上記マルチ選択フラグを用いている。
【0072】
ステップS3の処理に進むと、制御部10は、画像処理部23を通じた表示部13の表示制御により、前述の図3で説明したように、上記ステップS2にてタッチされたソフト数字キーのみを例えばハイライト表示させ、一方他のソフトキー等を薄く表示させる。また同時に、制御部10は、上記ソフト数字キーを除く他のソフトキーについての選択を許可しない入力禁止モードへ移行する。これら処理の後、制御部10は、ステップS4へ処理を進める。
【0073】
ステップS4の処理に進むと、制御部10は、この時点で既にそれ以前においてソフト数字キーへのタッチがなされており、文字入力表示ウィンドウ31上に未確定の文字が表示されているか否か判定する。そして、制御部10は、前回のソフト数字キーへのタッチがあり且つ未確定文字が表示されている場合にはステップS5へ処理を進め、一方、前回のソフト数字キーへのタッチが無いか或いは未確定文字が表示されていない場合にはステップS7へ処理を進める。
【0074】
ステップS5の処理に進んだ場合、制御部10は、前回タッチされたソフト数字キーと今回タッチされたソフト数字キーとが同じであるか否か判定し、同じである場合にはステップS8へ処理を進め、一方、異なる場合はステップS6へ処理を進める。
【0075】
ステップS6の処理に進んだ場合、制御部10は、前回タッチされたソフト数字キーに対応した文字入力を確定文字にするとともに、画像処理部23を通じた表示部13の表示制御により、上記文字カーソル32を一文字分進めた後、次のステップS7へ処理を進める。
【0076】
ステップS7の処理に進むと、制御部10は、画像処理部23を通じた表示部13の表示制御により、今回タッチされたソフト数字キーに対応した基底文字を文字入力表示ウィンドウ31の上記文字カーソル32上に未確定文字として表示する。このステップS7の処理後、制御部10は、ステップS9へ処理を進める。
【0077】
一方、ステップS5からステップS8に進んだ場合、制御部10は、前回タッチされたソフト数字キーと今回タッチされたソフト数字キーが同じであるため、画像処理部23を通じた表示部13の表示制御により、当該ソフト数字キーに設定されている文字配列内で次の順番の文字を未確定文字として文字入力表示ウィンドウ31の文字カーソル32上に表示させる。このステップS7の処理が完了した後、制御部10は、ステップS9へ処理を進める。
【0078】
ステップS9の処理に進むと、制御部10は、上記ソフト数字キーへのタッチが終了したか(ユーザの指等が離されたか)否か判断する。そして、制御部10は、タッチが終了したと判断した場合にはステップS14へ処理を進め、タッチが継続していると判断した場合はステップS10へ処理を進める。
【0079】
ステップS10の処理に進むと、制御部10は、上記ステップS1にてタッチされたと判定されているソフト数字キーを除く他の位置がタッチされた時にはそれら他のタッチ数(接触数)を検出し、当該他のタッチ数を変数「N」とする。このステップS10の処理後、制御部10は、ステップS11へ処理を進める。なお、ステップS1にて検出されたタッチのみがなされている場合には変数N=0となり、ステップS1における一タッチとともにユーザが他の四本の指(合計で五本の指)等でタッチした場合には変数N=4となる。このステップS10の処理後、制御部10は、ステップS11へ処理を進める。
【0080】
ステップS11の処理に進むと、制御部10は、変数N>0で且つマルチ選択フラグ=0であるか否か判定する。すなわち制御部10は、ステップS1におけるソフト数字キーがタッチされている状態でさらに他の幾つかの位置がタッチされており、且つ、当該他の位置のタッチにより上記文字カーソル32上の文字の表示変更が未だ行われていない(つまりマルチ選択フラグ=0)か否かを判定する。そして、制御部10は、当該ステップS11において、変数N>0で且つマルチ選択フラグ=0でないと判断した場合にはステップS9へ処理を戻し、一方、変数N>0で且つマルチ選択フラグ=0であると判断した場合にはステップS12へ処理を進める。
【0081】
ステップS12の処理に進むと、制御部10は、画像処理部23を通じた表示部13の表示制御により、上記ステップS1でタッチされているソフト数字キーに設定されている文字配列内で、上記変数Nの値分だけ、つまり上記他のタッチ位置の数だけ進めた順番の文字を、未確定文字として文字入力表示ウィンドウ31の文字カーソル32上に表示させる。このステップS12の処理後、制御部10は、ステップS13へ処理を進める。
【0082】
ステップS13の処理に進むと、制御部10は、上記マルチ選択フラグを“1”に設定した後、ステップS9へ処理を戻す。
【0083】
一方、ステップS9からステップS14の処理に進んだ場合、制御部10は、ステップS14に進んだ場合、制御部10は、画像処理部23を通じた表示部13の表示制御により、前記ステップS3で行ったハイライト表示等を解除するとともに、入力禁止モードを解除し、その後、当該一文字分の文字入力処理を終了する。この一文字分の文字入力処理が終了した後は、当該一文字分の文字入力処理より上位の処理が可能な状態となる。なお、言うまでもないが、当該上位の処理には、この図6に示した一文字分の文字入力処理のフローへの処理も含まれており、それにより次の一文字分の入力が可能となっている。
【0084】
なお、図6のフローチャートの説明では、マルチ選択フラグとして“0”と“1”の2値を用い、初回の複数同時タッチのみを有効なものとして扱うようにしているが、例えば、マルチ選択フラグとして複数値を設定可能としてもよい。マルチ選択フラグを多値設定可能とした場合、複数同時タッチによる文字入力のやり直しが、当該マルチ選択フラグの値に応じた数だけ可能となる。この場合、図6のフローチャートのステップS2では、多値がマルチ選択フラグとして設定され、ステップS11では上記変数N>0且つマルチ選択フラグの値以内であるか否かの判定が行われる。そして、ステップS13では、ステップS2にて設定されるマルチ選択フラグの値にさらに「1」を加える設定がなされることになる。
【0085】
[文字変換処理の流れ] 図7には、本実施形態の携帯電話端末において、上述した図6のフローチャートの上位処理の一つである文字変換処理のフローチャートを示す。なお、この図7に示したフローチャートの処理は、メモリ部16の文字入力支援プログラムを制御部10が文字入力モードにて実行することにより実現される。
【0086】
制御部10は、文字入力モードである時、何れかのソフトキーがタッチされたか否かを常に監視している。すなわち、制御部10は、ステップS21において文字入力キー(つまりソフト数字キー)がタッチされたか否か、ステップS23においてソフト小文字キー34がタッチされたか否か、ステップS25においてソフト十字キー33がタッチされたか否か、ステップS30においてソフトCLRキーがタッチされたか否か、ステップS32においてソフト決定キー36がタッチされたか否かを判定している。
【0087】
そして、ステップS21にてソフト数字キーがタッチされたと判定した場合、制御部10は、ステップS22へ処理を進める。当該ステップS22に進んだ場合、制御部10は、前述の図6に示した一文字分の文字入力処理を実行し、このステップS22の処理後は当該文字変換処理の最初へ処理を戻す。
【0088】
また、ステップS23においてソフト小文字キー34がタッチされたと判定した場合、制御部10は、ステップS24の処理として、文字入力表示ウィンドウ31内に未確定文字が表示されており、且つ、その未確定文字の小書き文字(小文字)が存在するか否か判定する。当該ステップS24にて未確定文字が表示されていないか若しくは小書き文字が存在しないと判定した場合、制御部10は当該文字変換処理の最初へ処理を戻す。一方、未確定文字が表示されており且つ小書き文字が存在すると判定した場合、制御部10は、ステップS25の処理として、画像処理部23を通じた表示部13の表示制御により、上記未確定文字の小書き文字を上記文字入力表示ウィンドウ31内の文字カーソル32の位置に表示させる。なお、未確定文字が既に小書き文字に変換されている状態である時に、ステップS23にてソフト小文字キー34がタッチされた場合、制御部10は、ステップS25において当該小書き文字の未確定文字を通常の大きさの未確定文字へ変換することとなる。このステップS25の処理後、制御部10は当該文字変換処理の最初へ処理を戻す。
【0089】
また、ステップS26にてソフト十字キー33がタッチされたと判定した場合、制御部10は、ステップS27の処理として、当該タッチされたソフト十字キー33は、“>”,“<”ソフト矢印キーか、或いは、“∨”,“∧”ソフト矢印キーの何れであるかを判定する。そして、タッチされたソフト十字キー33が“>”,“<”ソフト矢印キーであると判定した場合、制御部10は、ステップS29へ処理を進め、画像処理部23を通じた表示部13の表示制御により、当該タッチされたソフト矢印キーにて示される方向に文字カーソル32を移動表示させる。一方、タッチされたソフト十字キー33が“>”,“<”ソフト矢印キーであると判定した場合、制御部10は、ステップS28へ処理を進め、その時点での未確定文字に対する仮名漢字変換候補の中から、当該タッチされたソフト矢印キーにて示される方向に並んだ仮名漢字変換候補を求め、画像処理部23を通じた表示部13の表示制御により当該仮名漢字変換候補を未確定文字として表示させる。これらステップS28又はステップS29の処理後、制御部10は当該文字変換処理の最初へ処理を戻す。
【0090】
また、ステップS30にてソフトCLRキー35がタッチされたと判定した場合、制御部10は、ステップS31の処理として、画像処理部23を通じた表示部13の表示制御により文字入力表示ウィンドウ31内の未確定文字を消去する。このステップS31の処理後、制御部10は当該文字変換処理の最初へ処理を戻す。
【0091】
また、ステップS32にてソフト決定キー36がタッチされたと判定した場合、制御部10は、ステップS33の処理として、画像処理部23を通じた表示部13の表示制御により、文字入力表示ウィンドウ31内の未確定文字を確定文字に変更して表示する。このステップS33の処理後、制御部10は、当該文字変換処理を終了する。また、ステップS32にてソフト決定キー36がタッチされていないと判定された場合、制御部10は当該文字変換処理の最初へ処理を戻す。
【0092】
[まとめ] 以上説明したように、本実施形態の携帯電話端末によれば、ユーザ所望のソフト数字キーがタッチされた状態が維持され、且つ、それ以外の一以上の他の位置がタッチされた場合、所望のソフト数字キーに設定された基底文字に続く文字配列の中から上記他の位置のタッチ数に応じた文字が選ばれ、その文字を未確定文字として表示するようになされているため、ユーザは所望の文字を少ない手順で簡単且つ高速に入力することが可能となっている。
【0093】
なお、上述した実施形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
【0094】
上述した実施形態では、日本語を一例として挙げたが、本発明は、一つのソフトキーに対して基底文字とそれに続く幾つかの文字配列が設定されているのであれば、例えば英語やその他の言語、例えばフランス語、ドイツ語、ロシア語、アラビア語、中国語などの文字入力にも適用可能である。
【0095】
また、本発明は上述した実施形態に挙げた携帯電話端末に限定されず、PDA、カーナビゲーションシステムやAV機器のリモートコントローラ等、様々な携帯端末において文字入力を行う場合にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明実施形態の携帯電話端末の概略的な内部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明実施形態の携帯電話端末の概略的な外観構成を示し、特に携帯電話端末が文字入力モードである時のディスプレイ画面表示例を示す図である。
【図3】文字入力モード時の携帯電話端末において“5”ソフト数字キーがタッチされて基底文字“な”が未確定文字として文字入力表示ウィンドウ上に表示されている例を示す図である。
【図4】文字入力モード時の携帯電話端末において、“5”ソフト数字キーのタッチとともに他の一箇所がタッチされたことで、基底文字“な”の次に設定されている“に”の文字が未確定文字として文字入力表示ウィンドウ上に表示されている例を示す図である。
【図5】文字入力モード時の携帯電話端末において、“にゅうりょく”の文字列が未確定文字として入力された状態の文字入力表示ウィンドウ上に表示されている例を示す図である。
【図6】本実施形態の携帯電話端末におけるタッチスクリーンセンサを用いた文字入力支援処理のうち一文字分の文字入力処理のフローチャートである。
【図7】本実施形態の携帯電話端末におけるタッチスクリーンセンサを用いた文字入力支援処理のうち文字変換処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0097】
1 携帯電話端末、2 ディスプレイ画面、10 制御部、11 通信回路、12 通信用のアンテナ、13 表示部、14 操作デバイス制御部、15 タッチスクリーンセンサ、16 メモリ部、17 プログラム格納部、18 データ格納部、19 辞書データ格納部、20 スピーカ、21 マイクロホン、22 音声処理部、23 画像処理部、31 文字入力表示ウィンドウ、32 文字カーソル、33 ソフト十字キー、34 ソフト小文字キー、35 ソフトCLRキー、36 ソフト決定キー、37 ソフト12キー、38 アンダーライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタッチ位置を同時に検出可能な透明なタッチスクリーンを有するセンサ部と、
上記センサ部のタッチスクリーンに重ねて配置されるディスプレイ画面を有する表示部と、
上記表示部のディスプレイ画面上に複数のソフトキーを表示させるソフトキー表示制御部と、
上記ディスプレイ画面上に表示された各ソフトキーに対して、それぞれ異なる一つの文字を基底文字とした複数の文字配列を割り当て設定する文字配列設定部と、
上記センサ部のタッチスクリーン上で、上記ディスプレイ画面上の各ソフトキーの中の何れか一つのソフトキーに対応した位置がタッチされた時、当該タッチ位置のソフトキーに割り当て設定されている基底文字を選出し、当該選出した基底文字を未確定文字として上記ディスプレイ画面上に表示させる基底文字表示制御部と、
上記基底文字に対応したソフトキーへのタッチが維持されている状態で、そのタッチ位置とは異なる他の位置がタッチされた時、上記基底文字に続いて配列されている各文字の中から、当該他のタッチ位置の数に応じた配列順番の文字を選出し、その選出した文字を上記ディスプレイ画面上の上記未確定文字として切り替え表示する未確定文字切替制御部と、
を有する文字入力装置。
【請求項2】
上記基底文字表示制御部は、上記ディスプレイ画面上の何れか一つのソフトキーに対応した位置へのタッチが維持されている状態では、上記ディスプレイ画面上の他のソフトキーに対応した位置へのタッチに応じた基底文字の選出を禁止する請求項1記載の文字入力装置。
【請求項3】
上記基底文字表示制御部は、上記ディスプレイ画面上の何れか一つのソフトキーに対応した位置へのタッチが維持されている状態では、当該タッチされているソフトキーのみハイライト表示させる制御と、当該タッチされているソフトキーの表示色と上記他のソフトキーの表示色を異ならせる制御の、少なくとも何れかを行う請求項2記載の文字入力装置。
【請求項4】
上記未確定文字切替制御部は、上記他のタッチ位置の数に応じた配列順番の文字の選出及び当該選出した文字を上記ディスプレイ画面上の上記未確定文字として切り替え表示する制御の実行回数を、予め決めた所定回数に制限する請求項1乃至請求項3のうち何れか一項に記載の文字入力装置。
【請求項5】
複数のタッチ位置を同時に検出可能な透明なタッチスクリーンに重ねて配置されるディスプレイ画面上に、ソフトキー表示制御部が、複数のソフトキーを表示させるステップと、
上記ディスプレイ画面上に表示された各ソフトキーに対して、文字配列設定部が、それぞれ異なる一つの文字を基底文字とした複数の文字配列を割り当て設定するステップと、
上記タッチスクリーン上で、上記ディスプレイ画面上の各ソフトキーの中の何れか一つのソフトキーに対応した位置がタッチされた時、基底文字表示制御部が、当該タッチ位置のソフトキーに割り当て設定されている基底文字を選出し、当該選出した基底文字を未確定文字として上記ディスプレイ画面上に表示させるステップと、
上記基底文字に対応したソフトキーへのタッチが維持されている状態で、そのタッチ位置とは異なる他の位置がタッチされた時、未確定文字切替制御部が、上記基底文字に続いて配列されている各文字の中から、当該他のタッチ位置の数に応じた配列順番の文字を選出し、その選出した文字を上記ディスプレイ画面上の上記未確定文字として切り替え表示するステップと、
を有する文字入力支援方法。
【請求項6】
複数のタッチ位置を同時に検出可能な透明なタッチスクリーンに重ねて配置されるディスプレイ画面上に複数のソフトキーを表示させるソフトキー表示制御処理と、
上記ディスプレイ画面上に表示された各ソフトキーに対して、それぞれ異なる一つの文字を基底文字とした複数の文字配列を割り当て設定する文字配列設定処理と、
上記タッチスクリーン上で、上記ディスプレイ画面上の各ソフトキーの中の何れか一つのソフトキーに対応した位置がタッチされた時、当該タッチ位置のソフトキーに割り当て設定されている基底文字を選出し、当該選出した基底文字を未確定文字として上記ディスプレイ画面上に表示させる基底文字表示制御処理と、
上記基底文字に対応したソフトキーへのタッチが維持されている状態で、そのタッチ位置とは異なる他の位置がタッチされた時、上記基底文字に続いて配列されている各文字の中から、当該他のタッチ位置の数に応じた配列順番の文字を選出し、その選出した文字を上記ディスプレイ画面上の上記未確定文字として切り替え表示する未確定文字切替制御処理とを、
コンピュータに実行させる文字入力支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−152759(P2010−152759A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331583(P2008−331583)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】