説明

新しい膜特性を達成するためのPECVD放電源の電力及び電力関連ファンクションの変調のためのシステム及び方法

【課題】化学気相堆積プロセス中に膜を生成する方法、化学気相堆積プロセスを制御する方法及び薄膜で被覆された基板を提供する。
【解決手段】化学気相堆積プロセス中に膜を生成する方法の一実施形態は、第1パルス振幅を有する第1電気的パルスを発生し、該第1電気的パルスを使用して第1密度の基化種を生成し、上記第1密度の基化種における基化種を使用して供給原料ガスを分離し、第1の堆積物質を生成し、該第1の堆積物質を基板上に堆積させ、上記第1パルス幅とは異なる第2パルス振幅を有する第2電気的パルスを発生し、該第2電気的パルスを使用して第2密度の基化種を生成し、該第2密度の基化種における基化種を使用して供給原料ガスを分離し、第2の堆積物質を生成し、該第2の複数の堆積物質を上記第1の堆積物質上に堆積させることを含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
[0001]本発明は、化学気相堆積のための電力供給、システム及び方法に関する。
【発明の背景】
【0002】
[0002]化学気相堆積(CVD)は、膜を形成するためガス状又は蒸気状の相において化学薬品を互いに反応させることにより基板上に膜を堆積させるプロセスである。CVDのために使用されるガス又は蒸気は、堆積すべき成分を含むガス又は化合物及び基板又は他のガスと反応して膜を堆積するように誘導されうるガス又は化合物である。このようなCVD反応は、熱的に活性化されるか、プラズマ誘導されるか、プラズマエンハンスされるか、光子誘導システムにおいて光によって活性化される。
【0003】
[0003]CVDは、ウエハを形成するための半導体工業において広範囲に使用されている。CVDは、また、ガラス及びポリカーボネートシートの如きより大きな基板を被覆するのにも使用される。例えば、プラズマエンハンスドCVD(PECVD)は、大きな光電池シート、LCDスクリーン及び自動車用ポリカーボネートウインドウを作製するためのより有望な技術の一つである。
【0004】
[0004]図1は、現在では2.5メートル幅までの大規模堆積プロセス用の典型的なPECVDシステム100を破断して示している。このシステムは、真空チャンバー105を含み、この図では真空チャンバー105の2つの壁のみが示されている。真空チャンバー105は、リニア放電管110を収容している。このリニア放電管110は、マイクロ波信号又は他の信号を真空チャンバー105へ搬送するように構成されている内部導体115で形成されている。このマイクロ波電力は、リニア放電アンテナ115から外側へ放射し、支持ガス管120を通して導入される周辺支持ガス120を点火する。この点火されたガスは、プラズマであり、全体的には、リニア放電管110に隣接している。プラズマ及び電磁放射によって発生された基(radicals)は、供給原料ガス管125を通して導入された供給原料ガス130を分離し、それにより、供給原料ガスが分離されて新しい分子が形成される。この分離プロセス中に形成される特定の分子は、基板135上に堆積される。この分離プロセスによって形成される他の分子は、無駄なものとして、排出ポート(図示していない)を通して除去される。しかし、これらの分子は、時としては基板上に堆積してしまいがちである。この分離プロセスは、プラズマを発生するのに使用される電力量に対して極端に敏感である。
【0005】
[0005]大きな基板表面領域を急速に被覆するために、基板キャリア(図示していない)が真空チャンバー105を通して一定速度で基板135を移動させる。しかし、基板135は、ある実施形態においては、静止状態にて被覆される。基板135が真空チャンバー105を通して移動するにつれて、分離は一定速度にて継続されるべきであり、分離される供給ガスからのターゲット分子は、理論的には、基板上に堆積し、基板上に一様な膜を形成する。しかし、種々な実在要因のため、このプロセスによって形成される膜は、必ずしも一様なものとはならない。
【0006】
[0006]プラズマエンハンスド化学気相源を使用して堆積される非導電性及び導電性膜は、多くの型の電力源及びシステム構成でもって得られている。これらの源のほとんどのものは、励起されたプラズマ種を発生するためマイクロ波、無線周波(RF)、高周波(HF)又は極高周波(VHF)エネルギーを使用している。
【0007】
[0007]当業者は、PECVDの所定のプロセス条件及びシステム構成であれば、発生される基化プラズマ種の密度に寄与する主たる要因がプラズマ放電に導入される平均電力であることを知っている。これらの基化プラズマ種は、供給原料ガスを分離する役割を果たす。典型的なPECVDプロセスの場合、プラズマからの発生基化種の必要な密度は、全ての有機材料を十分に変換するに必要とされるよりも大きくなければならない。前駆物質の膜堆積プロセス、プラズマ分解プロセスにおける消費、再結合損失、ポンピング損失の如き要因を考慮しなければならない。
【0008】
[0008]使用される電力の型、構成及び物質に依存して、基化プラズマ種の必要な密度を発生するために必要とされる電力レベルは、基板をその物理的限界を超えて過度に加熱してしまうことがあり、膜及び基板を使用できないようにしてしまう場合がある。このようなことは、主として、ポリマー材料基板においてその物質が低い溶融点であるために起きることである。
【0009】
[0009]基板の加熱負荷量を減少させるために、プラズマへの高電力パルシング方法、すなわち、電力パルスの間にオフタイムを設けるような方法が使用できる。この方法によれば、短い高エネルギーパルス中にプラズマが膜堆積プロセスのために必要な基化種の飽和に達し損失が生ずるようにして、他の形式の電磁放射を減ずることにより基板の瞬時的及び連続的な加熱を減少させることができる。
【0010】
[0010]膜特性の必要条件は、電力源の電力レベル、パルス周波数及びデューティーサイクルを含む堆積のためのプロセス条件を設定することにより達成される。必要とされる膜特性を達成するために、堆積膜の構造及び構造含有量を制御しなければならない。膜特性は、基種含有量(他の重要なプロセスパラメータの中でも)を変えることにより制御され、また、前述したように、基密度は、主として、プラズマ放電への平均及びピーク電力レベルによって制御される。
【0011】
[0011]幾つかの重要な膜特性を達成し且つある幾つかの型の基板に対する付着を促進するためには、膜有機含有量を微細に制御しなければならず、又は、それら含有量は、全膜厚みに亘ってある勾配をもった形でなければならいこともある。特定のプロセスパラメータしか制御できない現在の技術では、このような微細な制御を行うことはできない。例えば、現在の技術によれば、堆積条件を、通常のように手動で変えるか、又は異なるプロセス条件を有した複数の源及びチャンバーによって勾配型のスタックを達成するように膜スタックにおけるステップを作り出している。層のスタックを作り出すために、主として、前駆気相含有量、システム圧力及び/又は電力レベルが1回以上設定使用される。これらの方法は、おおざっぱなものであり、微細な制御を行えないものである。したがって、既存の技術でのこのような及びその他の問題を解決するために、新しいシステム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0012】
[0012]図面に示された本発明の実施形態は、以下のように要約される。これら及び他の実施形態は、詳細な説明の欄においてより詳細に説明される。しかしながら、この「発明の概要」及び「詳細な説明」に記載された形に本発明を限定しようとするものではないことを理解されたい。当業者は、特許請求の範囲に記載されたような発明の精神及び範囲内に入る多くの変形例、均等物及び代替構成があると認識しうるものである。
【0013】
[0013]1つの実施形態は、第1パルス振幅を有する第1電気的パルスを発生し、第1密度の基化種を発生するために上記第1電気的パルスを使用し、上記第1密度の基化種における基化種を使用して供給原料ガスを分離して、第1の堆積物質を生成し、基板上に上記第1の堆積物質を堆積させ、上記第1パルス幅とは異なる第2パルス振幅を有する第2電気的パルスを発生し、第2密度の基化種を発生するために上記第2電気的パルスを使用し、上記第2密度の基化種における基化種を使用して供給原料ガスを分離して、第2の堆積物質を生成し、上記第1の堆積物質上に第2の複数の堆積物質を堆積させることを含む。
【0014】
[0014]本発明の種々な目的及び効果、及びより完全な理解は明らかであり、また、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲の記載を図面に関連して参照することにより、より容易に認識されるであろう。
【詳細な説明】
【0015】
[0015]幾つかのPECVDプロセスにおいては、典型的な基寿命(基種の損失及び消耗の時間)は、残っている基密度が膜の堆積及び損失機構によって徐々に消耗されていくプラズマのオフタイムがありうるほどに十分に長い。したがって、プラズマのこれらのオン及びオフタイム中に全基密度を制御することにより、膜の全ての層の特性と共に、膜の化学的構造を変えることができる。
【0016】
[0016]プラズマへの電力レベル、プラズマのオンタイム及び電力パルス間のタイミングを変調することにより、ユーザは、PECVDにおいて以前には達成し得なかった膜を作ることができる。それらの層は、単一の勾配層であるか、又は、各層の間で特性の変わった数百から数千のマイクロ層からなる多層スタックでもよい。両プロセスは、独特な膜を作り出すことができる。
【0017】
[0017]図2aは、本発明の一実施形態として構成されたシステムを例示している。このシステムは、パルス制御部145によって制御されうるDC源140を含む。ここで用語「DC源」及び「DC電力供給源」は、線形増幅器を使用するもの、非線形増幅器を使用するもの、増幅器を使用するもの、を含めて任意の型の電力源を指している。DC源145は、マグネトロン150に電力を供給する。マグネトロン150は、リニア放電管(図示していない)内の内部導体を駆動するマイクロ波又はその他のエネルギー波を発生する。パルス制御部145は、DCパルスの形状を整形し、デューティーサイクル、周波数及び振幅の如きパルス特性のための設定点を調整することができる。DCパルスの形状を整形するプロセスは、本出願人による代理人整理番号APPL-008/00USによる発明の名称「SYSTEM AND METHOD FOR POWER FUNCTION RAMPING OF MICROWAVW LINEARDISCHARGE SOURCE」たる出願明細書に記載されており、この出願明細書の記載がここに引用される。
【0018】
[0018]パルス制御部145は、また、PECVD装置の動作中にマグネトロン150を駆動するDCパルス又はその他のエネルギー信号を変調するように構成されている。幾つかの実施形態では、パルス制御部145は、マグネトロン150を駆動する信号を変調するだけのものとして構成される。しかしながら、いずれの実施形態においても、DCパルスを変調することにより、プラズマへの電力レベルが変調されうることにより、ユーザは、基密度を制御することができ、PECVDにおいて以前には達成できなかったような膜を作り出すことができる。このシステムは、種々な単一勾配膜や、各層の間で特性の変化した数百から数千のマイクロ層を有した多層スタックを形成するのに使用できる。
【0019】
[0019]図2bは、電力供給源の別の実施形態を例示している。この実施形態は、任意波形発生器141、増幅器142、パルス制御部145、マグネトロン150、プラズマ源アンテナ152を含む。作動時に、動作時に、任意波形発生器141は、実質的に任意の形でありうる波形及び対応する電圧を発生する。次に、増幅器142は、任意波形発生器からの電圧を使用しうる値まで増幅する。マイクロ波発生器(例えば、マグネトロン150)の場合において、信号は、+/−5VDCから5000VDCまで増幅される。次に、高電圧信号が、高周波発生器であるマグネトロン150に加えられる。マグネトロン150は、元々発生された電圧信号に基づいた振幅及び/又は周波数を有する電力出力搬送波(この場合には、2.45GHZ)を発生する。最後に、マグネトロンからの出力は、電力変調プラズマを発生するため供給源152へ加えられる。
【0020】
[0020]信号変調は、パルス制御部145により任意波形発生器141に加えられる。信号変調は、多くの分野においてよく知られたプロセスであり、最もよく知られたものとしては、FM(周波数変調)及びAM(振幅変調)無線がある。しかし、変調は、PECVD中において膜特性を制御し層を作り出すのには、以前は使用されていなかった。波形電力レベルやデューティーサイクルや周波数に適用しうる多くの形式の変調が存在しているが、以下ではそのうちの幾つかについてのみ記載する。当業者は他の方法を認識しうるであろう。変調は、源への電力信号の電力やデューティーサイクルを単に増大したり減少させたりすることとは異なるということに留意されたい。
【0021】
[0021]図3は、時間経過につれてパルス幅の幅を変化するパルス幅変調を例示している。パルス幅変調では、データのサンプル値は、パルスの長さによって表されている。
【0022】
[0022]図4は、メッセージ情報が一連の単一パルスの振幅にて符号化されている信号変調の形であるパルス振幅変調を例示している。プラズマ源の場合には、電圧、電流又は電力レベルは、所望される任意のパーセンテージで変調された振幅でもよい。
【0023】
[0023]図5は、入力信号にしたがった瞬時周波数の変化によって、アナログ形又はデジタル形での情報搬送波へ符号化するような周波数変調(FM)を例示している。
【0024】
[0024]図6及び図7を参照するに、これら図は、変調の2つの異なる形式であるパルス幅変調及びパルス振幅変調で形成されうる多層膜の2つの例を示している。これらの両図は、基板上に堆積された膜層及びプラズマを発生するのに使用される対応変調電力信号を例示している。電力信号は、堆積プロセス中に変調されるのであって、これは、堆積プロセス中には固定されている初期設定点を確立しそのままとするプロセスとは異なることに留意されたい。
【0025】
[0025]図6aを参照するに、この図は、パルス幅変調によって作り出される可変膜157を例示している。この実施形態では、短いパルス幅と長いパルス幅との間のサイクルは、比較的に長い。このような長いサイクルにより、基板に隣接した可撓性の有機シリコン膜から剛性の濃密SiO2又はSiOxNy膜まで厚さ方向において変化するような基板上の可変勾配被覆が形成される。このプロセスによって形成される膜は、基板から離れるにしたがってより硬くより剛性となっている。
【0026】
[0026]この単一可変勾配層は効果のあるものである。何故ならば、膜の可撓性のより柔らかい部分は、濃密な剛性の部分よりも基板に対してより良好に結合するからである。したがって、パルス幅変調によれば、基板と良好に結合するが、引っかき耐性を有し且つ良好なバリヤ特性を有する硬い外側部分を有するような膜が作り出される。この型の膜は、変調電力信号なしには効率的に作り出されない。
【0027】
[0027]電力信号の変調を変えることにより、多層勾配被覆を基板上に堆積させることができる。図6bは、この型の基板及び膜160を例示している。この実施形態では、短いパルス幅と長いパルス幅との間のサイクルは、比較的に短く、それにより、多層が形成される。これらの個々の層は、図6aにおける単一勾配層に比べてはるかに、単一層内においてあまり濃密でないところからより濃密なところまで変化しうる。
【0028】
[0028]この実施形態では、最初にあまり密度の濃くない有機シリコン層が基板上に堆積される。この型の層は、最も良好に基板に結合する。次の層は、わずかにより濃密であり、第3の層は、ほとんど純粋なSiO又はSiOxNy層であり、これは、非常に濃密で硬い。パルス幅がより短いパルス幅へと変調されるので、次の層は、再びあまり密度の濃くない有機シリコン層とされ、これは、すぐ下の濃密層に容易に結合する。このサイクルは、非常に硬く、耐性があり且つ良好なバリヤ特性を有する多層勾配膜を作り出すため、数百回又は数千回までも繰り返される。その上、この膜は、基板への加熱量及び損傷を最小にして作成される。
【0029】
[0029]図7a及び図7bは、図6a及び図6bに示した膜と同様の別の一連の膜を例示している。しかしながら、これらの膜は、パルス振幅変調を使用して作られている。ここでも、単一勾配膜165又は多層勾配膜170は、共に、変調技術を使用して作り出されうる。このプロセスは、ほとんど任意の前駆体に対して適用しうるものであり、シリコンベースの化合物に限定されるものではないということに留意されたい。
【0030】
[0030]他の変調技術で可変膜を作り出すことができる。実際に、PWM−パルス幅変調、PAM−パルス振幅変調、PPM−パルス位置変調、AM−振幅変調、FM−周波数変調等を含む時間に関して基種密度及び電磁放射を実効的に制御する為に実施される多くの変調技術がある。ここでも、これら技術は、初期電力ポイント又はデューティーサイクルを設定するというよりは、膜堆積中に電力信号を変調することを含むものである。
【0031】
[0031]図8aから図8dを参照するに、これら図は、パルス幅変調の一例を示し、SiO又はSiOxNyに対する膜特性へのありうる影響を示している。プラズマへの短期間平均電力を増大したり減少させたりするのに固定ピーク電力レベルでパルシング周波数を駆動するため正弦波信号が使用される。図示の正弦波は、駆動信号であり、それは、また、電力を示している。
【0032】
[0032]図8aの初めの部分(左側)では、変調は、プラズマのオンタイムを増大しプラズマのオフタイムを減少させることにより、所定の時間間隔当たりの電力レベルを増大させており、これにより、プラズマの瞬時的基密度及び電磁成分を増大させている。このプロセスは、全ての物質が変換され、新たな物質が成長膜スタックSiO又はSiOxNyへの支配的な寄与物質となるような点まで基密度を増大させる。図8bは、この段階中に基板に隣接して形成される濃密層を示している。
【0033】
[0033]駆動信号の中心において、オンタイムは、最も低くい値にあり、オフタイムは、最も高い値にある。これにより、瞬時的基密度は、全ての物質が消耗し前駆物質が再び成長膜スタックへの支配的な寄与物質となるような点まで減少させられる。図8cは、この第2の段階中に形成される、あまり密度の濃くない、より有機的な層を示している。この層は、第1の層上に堆積される。
【0034】
[0034]最後に波形の最後の部分において、プロセスは、波形の最初の部分におけるような基密度の飽和に戻る。この段階では、硬い濃密な層が堆積される。図8dは、第2の層上に堆積される濃密な第3の層を示している。したがって、これらの3つの段階により、2つの硬い濃密な層の間に有機物質の中間層が残され、それにより、全膜スタックに対して可撓性が与えられる。
【0035】
[0035]これらの変調技術は、インライン又はダイナミック堆積プロセス中に使用される。ダイナミック堆積プロセスで変調技術を使用することにより、LCDディスプレイの如き適用例において整列層を作成し、それにより、現在使用されている重合層に置き換えることができる。
【0036】
[0036]要約するに、本発明によれば、ユーザは、過去においては可能でなかったようなPECVD膜、多分、今日まで可能でなかったような拡張された膜特性及び品質を有したPECVD膜を達成することができる。時間間隔当たりの平均及び/又はピーク電力レベルを整形することによって単位時間当たり連続してプラズマ基/電磁放射密度をアクティブに制御することができることにより、より高い品質の薄膜を得ることができる。駆動波形は、任意の波形であり、また、任意の関数でもよい。この技術は、源及びシステムをそのように構成するならば、局所化エッチィング速度を制御するのにも使用されうる。
【0037】
[0037]結論すると、本発明は、とりわけ、基板上への堆積を制御するためのシステム及び方法を提供するものである。当業者は、前述した実施形態によって達成されるのと実質的に同じ結果を達成するために、本発明、その使用及び構成において多くの種々な変形態様が可能であることを理解するであろう。したがって、ここに記載した実施形態に本発明を限定しようとするものではない。種々多くの変形態様及び代替構成は、特許請求の範囲の記載に限定されるような本発明の範囲及び精神内に入るものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】PECVDシステムの一形式を示す図である。
【図2】図(2a)は、本発明の一実施形態によるPECVDシステムのための電力供給源を示す図である。図(2b) 本発明の一実施形態によるPECVDシステムのための電力供給源を示す別の図である。
【図3】パルス幅変調電力信号の一実施形態を示す図である。
【図4】パルス振幅変調電力信号の一実施形態を示す図である。
【図5】周波数変調電力信号の一実施形態を示す図である。
【図6】図(6a)は、パルス幅変調を使用して形成された勾配膜の一実施形態を示す図である。図(6b)は、パルス幅変調を使用して形成された多層勾配膜の一実施形態を示す図である。
【図7】図(7a)は、振幅−幅変調を使用して形成された勾配膜の一実施形態を示す図である。図(7b)は、振幅−幅変調を使用して形成された多層勾配膜の一実施形態を示す図である。
【図8】図(8a)は、パルス幅変調電力信号を使用して多層勾配膜を形成する過程を示す図である。図(8b)は、パルス幅変調電力信号を使用して多層勾配膜を形成する過程を示す図である。図(8c)は、パルス幅変調電力信号を使用して多層勾配膜を形成する過程を示す図である。図(8d)は、パルス幅変調電力信号を使用して多層勾配膜を形成する過程を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
100…PECVDシステム、105…真空チャンバー、110…リニア放電管、115…内部導体、120…支持ガス管、125…供給原料ガス管、130…供給原料ガス、135…基板、140…DC源、141…任意波形発生器、142…増幅器、145…パルス制御部、150…マグネトロン、152…プラズマ源アンテナ、157…可変膜、160…膜、165…単一勾配膜、170…多層勾配膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学気相堆積プロセス中に膜を生成する方法において、
第1パルス幅を有する第1電気的パルスを発生するステップと、
上記第1電気的パルスを使用し、第1密度の基化種を発生するステップと、
上記第1密度の基化種を使用して供給原料ガスの第1部分を分離し、堆積物質を生成するステップと、
上記堆積物質を第1層として基板上に堆積させるステップと、
上記第1パルス幅とは異なる第2パルス幅を有する第2電気的パルスを発生するステップと、
上記第2電気的パルスを使用して、第2密度の基化種を生成するステップと、
上記第2密度の基化種における基化種を使用して供給原料ガスの第2部分を分離し、第2の複数の堆積物質を生成するステップと、
上記第1層上に堆積物質を堆積させるステップと、
を備えた方法。
【請求項2】
化学気相堆積プロセスを制御する方法において、
ある密度の基化種を有するプラズマを、電力信号を使用して生成するステップと、
上記第1密度の基化種における基化種を使用して供給原料ガスの第1部分を分離し、第1の堆積物質を生成するステップと、
上記第1の堆積物質を基板上に堆積させ、第1層を形成するステップと、
上記プラズマを生成するのに使用される電力信号を変調することにより上記基化種の密度を変更するステップと、
上記変更された密度の基化種における基化種を使用して供給原料ガスの第2部分を分離し、第2の堆積物質を生成するステップと、
上記第2の堆積物質を上記第1層上に堆積させ、第2層を形成するステップと、
を備えた方法。
【請求項3】
上記プラズマを生成するのに使用される電力信号を変調することにより上記基化種の密度を変更し、第3密度の基化種を生成するステップと、
上記第3密度の基化種を使用して供給原料ガスの第3部分を分離し、第3の堆積物質を生成するステップと、
上記第3の堆積物質を上記第2層上に堆積させ、第3層を形成するステップと、
を更に備えた請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上記第1層及び第2層は、基板上に堆積された膜内の堆積物質の別々の層である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
上記第1層及び形成された第2層は、基板上に堆積された単一勾配スタックである、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
上記プラズマを生成するのに使用される電力信号を変調することにより基化種の密度を変更する上記ステップは、プラズマを生成するのに使用される電力信号の振幅特性を変調することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
上記プラズマを生成するのに使用される電力信号を変調することにより基化種の密度を変更する上記ステップは、プラズマを生成するのに使用される電力信号の周波数特性を変調することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
上記プラズマを生成するのに使用される電力信号を変調することにより基化種の密度を変更する上記ステップは、プラズマを生成するのに使用される電力信号のパルス幅特性を変調することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
上記プラズマを生成するのに使用される電力信号を変調することにより基化種の密度を変更する上記ステップは、プラズマを生成するのに使用される電力信号のパルス位置特性を変調することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
上記電力信号は、プラズマを生成するための高周波数信号である、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
上記電力信号は、高周波数発生器がプラズマを生成するための高周波数信号を発生できるように該高周波数発生器によって使用される、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
上記高周波数信号はマイクロ波である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
化学気相堆積プロセス中に膜を生成する方法において、
第1パルス振幅を有する第1電気的パルスを発生するステップと、
上記第1電気的パルスを使用して第1密度の基化種を生成するステップと、
上記第1密度の基化種における基化種を使用して供給原料ガスの第1部分を分離し、第1の堆積物質を生成するステップと
上記第1の堆積物質を基板上に堆積させるステップと、
上記第1パルス幅とは異なる第2パルス振幅を有する第2電気的信号を発生するステップと、
上記第2電気的信号を使用して第2密度の基化種を生成するステップと、
上記第2密度の基化種における基化種を使用して供給原料ガスの第2部分を分離し、第2の堆積物質を生成するステップと、
上記第2の複数の堆積物質を上記第1の堆積物質上に堆積させるステップと、
を備えた方法。
【請求項14】
化学気相堆積プロセス中に膜を生成する方法において、
第1電気的パルスを使用して第1密度の基化種を有するプラズマを生成するステップと、
上記第1密度の基化種における基化種を使用して供給原料ガスの第1部分を分離し、第1の堆積物質を生成するステップと、
上記第1の堆積物質を基板上に堆積させるステップと、
第2電気的パルスを使用して上記第1密度より低い第2密度の基化種をプラズマ内に生成するステップと、
上記第2密度の基化種を使用して供給原料ガスの第2部分を分離し、第2の堆積物質を生成するステップと、
上記第2の堆積物質を上記第1の堆積物質上に堆積させるステップと、
を備えた方法。
【請求項15】
上記第1電気的パルスは、第1パルス幅に関連付けられており、上記第1パルス幅より大きい第2パルス幅を有する第2電気的パルスを発生するステップを更に備えた、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
上記第1電気的パルスは、第1パルス幅に関連付けられており、上記第1パルス幅より小さい第2パルス幅を有する第2電気的パルスを発生するステップを更に備えた、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
上記第1電気的パルスは、第1パルス振幅に関連付けられており、上記第1パルス振幅よりも小さい第2パルス振幅を有する第2電気的パルスを発生するステップを更に備えた、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
上記第1電気的パルスは、第1パルス位置に関連付けられており、上記第1パルス位置より小さい第2パルス位置を有する第2電気的パルスを発生するステップを更に備えた、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
上記第1電気的パルスを使用して第1密度の基化種を有するプラズマを生成する上記ステップは、上記第1電気的パルスを使用して高周波数信号を発生することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
上記第1電気的パルスを使用して第1密度の基化種を有するプラズマを生成する上記ステップは、上記高周波数信号を堆積チャンバーへ導入させ、上記高周波数信号を使用して上記堆積チャンバー内にプラズマを生成させることを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
薄膜で被覆された基板であって、
第1パルス幅を有する第1電気的パルスを発生し、
上記第1電気的パルスを使用して第1密度の基化種を生成し、
上記第1密度の基化種を使用して供給原料ガスの第1部分を分離し、第1の複数の堆積物質を生成し、
上記第1の複数の堆積物質を該基板上に第1層として堆積させ、
上記第1パルス幅とは異なる第2パルス幅を有する第2電気的パルスを発生し、
上記第2電気的パルスを使用し、第2密度の基化種を生成し、
上記第2密度の基化種における基化種を使用して供給原料ガスの第2部分を分離し、第2の複数の堆積物質を生成し、
上記第2の複数の堆積物質を上記第1層上に堆積させる、
ことによって形成された基板。
【請求項22】
薄膜で被覆された基板であって、
第1密度の基化種を有するプラズマを、電力信号を使用して生成し、
上記第1密度の基化種における基化種を使用して供給原料ガスの第1部分を分離し、第1の堆積物質を生成し、
上記第1の堆積物質を該基板上に堆積させ、第1層を形成し、
プラズマを生成するのに使用される電力信号を変調することにより上記基化種の密度を変更し、
上記変更された密度の基化種における基化種を使用して供給原料ガスの第2部分を分離し、第2の堆積物質を生成し、
上記第2の堆積物質を上記第1層に堆積して、第2層を形成する、
ことによって形成された基板。
【請求項23】
更に、プラズマを生成するのに使用される電力信号を変調することにより上記基化種の密度を変更し、第3密度の基化種を生成し、上記第3密度の基化種を使用して供給原料ガスの第3部分を分離し、第3の堆積物質を生成し、上記第3の堆積物質を上記第2層上に堆積させ、第3層を形成することによって形成された、請求項22に記載の基板。
【請求項24】
上記第1層及び第2層は、該基板上に堆積された膜内の堆積物質の別々の層である、請求項22に記載の基板。
【請求項25】
上記第1層及び上記形成された第2層は、該基板上に堆積された単一勾配スタックである、請求項22に記載の基板。
【請求項26】
上記プラズマを生成するのに使用される電力信号を変調することにより基化種の密度を変更する上記ステップは、上記プラズマを生成するのに使用される電力信号の振幅特性を変調することを含む、請求項22に記載の基板。
【請求項27】
上記プラズマを生成するのに使用される電力信号を変調することにより基化種の密度を変更する上記ステップは、上記プラズマを生成するのに使用される電力信号の周波数特性を変調することを含む、請求項22に記載の基板。
【請求項28】
上記プラズマを生成するのに使用される電力信号を変調することにより基化種の密度を変更する上記ステップは、上記プラズマを生成するのに使用される電力信号のパルス幅特性を変調することを含む、請求項22に記載の基板。
【請求項29】
上記プラズマを生成するのに使用される電力信号を変調することにより基化種の密度を変更する上記ステップは、上記プラズマを生成するのに使用される電力信号のパルス位置特性を変調することを含む、請求項22に記載の基板。
【請求項30】
上記電力信号は、上記プラズマを発生するための高周波数信号である、請求項22に記載の基板。
【請求項31】
上記電気信号は、高周波数発生器がプラズマを生成するための高周波数信号を発生できるように該高周波数発生器によって使用され得るものである、請求項22に記載の基板。
【請求項32】
上記高周波数信号はマイクロ波である、請求項31に記載の基板。
【請求項33】
薄膜で被覆された基板であって、
第1パルス振幅を有する第1電気的パルスを発生し、
上記第1電気的パルスを使用して第1密度の基化種を生成し、
上記第1密度の基化種における基化種を使用して供給原料ガスの第1部分を分離し、第1の堆積物質を生成し、
上記第1の堆積物質を該基板上に堆積させ、
上記第1パルス振幅とは異なる第2パルス振幅を有する第2の電気的パルスを発生し、
上記第2電気的パルスを使用して第2密度の基化種を生成し、
上記第2密度の基化種における基化種を使用して供給原料ガスの第2部分を分離し、第2の堆積物質を生成し、
上記第2の複数の堆積物質を上記第1の堆積物質上に堆積させる、
ことによって形成された基板。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−126749(P2007−126749A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−296385(P2006−296385)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(504448944)アプライド フィルムズ コーポレイション (5)
【Fターム(参考)】