説明

新規なベンゼンスルホンアミド化合物、その合成方法、ならびに医薬および化粧品におけるその使用

本発明は、以下の一般式(I)の構造を有する新規なベンゼンスルホンアミド化合物


ならびにそれを合成するための方法およびヒトの医薬または動物の医薬において使用される医薬組成物中でのその使用、ならびに化粧品組成物中でのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、以下の一般式(I)に対応する新規なベンゼンスルホンアミド化合物
【0002】
【化1】

【0003】
ならびにそれを合成するための方法およびヒトの医薬または動物の医薬における使用を目的とした医薬組成物中でのその使用に関する。
【0004】
本発明の化合物は、TACEとしても知られているTNFα-変換酵素の阻害剤として作用する。したがって、本発明の化合物は、TNFα産生を低減することが重要である疾患の治療に有用である。
【0005】
本発明はまた、化粧品組成物中の一般式(I)に対応する化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0006】
アダマライシン(「ADAM」またはAディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼ)は、亜鉛メタロエンドペプチダーゼ酵素のサブファミリーである。これらの外部ドメインは、その活性化が亜鉛依存性であるプロテアーゼドメイン、ディスインテグリンドメインおよびシステインリッチドメインを含む。現在まで、少なくとも30種の異なるADAMが同定されており、そのうち、最初に特徴付けられたのは、TACE(TNFα-変換酵素)としても知られているADAM17であった[Gueydan Cら、Med.Sci1997年、13巻、83〜88頁;Black R.Aら、Nature1997年、385巻:729〜733頁;Mossら、Nature1997年、385巻:733〜736頁]。TACE mRNAは、多くの組織、より具体的には、単球、マクロファージおよびTリンパ球中に存在するが、例えばケラチノサイト中にも存在する。
【0007】
TACEは、26kDa膜タンパク質であるプロ-TNFαの切断を担っており、17kDaタンパク質である生物学的に活性な可溶性TNFαの放出をもたらす[Schlondorffら、Biochem.J.2000年、347巻、131〜138頁]。細胞によって放出された可溶性TNFαは、合成の部位から非常に離れた部位で作用することができる。
【0008】
TNFαは、多数の炎症誘発性の生物学的プロセスに関与する[Aggarwalら、Eur.Cytokine Netw.、1996年、7巻:93〜124頁]。いくつかの薬理試験および臨床試験により、特異的な抗-TNFα抗体または抗-TNFα生物製剤(エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブ)によってTNFαの効果を遮断することが、関節リウマチ[Feldmanら、Lancet、1994年、344巻、1105頁]、インスリン非依存性糖尿病[Lohmander L.Sら、Arthritis Rheum、1993年、36巻、1214〜1222頁]、またはクローン病[MacDonaldら、Clin.Exp.Immunol.1990年、81巻、301頁]などの自己免疫疾患の治療に有益であることが明らかに示されている。
【0009】
TNFαはまた、乾癬病変において誘発される炎症性現象において基本的な役割を果たしている。血清TNFαレベルは、乾癬患者において上昇し[Mussi Aら、J.Biol.Regul.Homeost Agents、1997年、11巻、115〜118頁];TNFαレベルは、実際の乾癬プラークにおいても上昇する[Bonifati C.ら、Clin.Exp.Dermatol.、1994年、19巻、383〜387頁]。乾癬の生理病理学において最重要な細胞は、ケラチノサイト、樹状細胞およびいくつかのTリンパ球である。細胞のこれらのファミリー間の相互作用によって、TNFαを放出して特徴的な乾癬病変をもたらす炎症性カスケードがもたらされる[Kupper TS、N.Engl.J.Med、2003年、349巻、1987〜1990頁]。抗TNFα生物製剤(エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブ)による中等度から重度のプラーク乾癬の治療に関する臨床試験は、乾癬病変および患者の生活の質に対するそれらの効果を実証している[Ortonne JP、Annales de dermatologie et de venereologie [Annals of dermatology and venereologie]、2005年、132(8〜9 pt2)、4S6〜9および2005年、132巻、9S01〜9S70]。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第00/44709号
【特許文献2】国際公開第97/18194号
【特許文献3】国際公開第96/00214号
【特許文献4】国際公開第97/22587号
【特許文献5】国際公開第98/16503号
【特許文献6】国際公開第98/16506号
【特許文献7】国際公開第98/16514号
【特許文献8】国際公開第98/16520号
【特許文献9】国際公開第2008/045671号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Gueydan Cら、Med.Sci1997年、13巻、83〜88頁
【非特許文献2】Black R.Aら、Nature1997年、385巻:729〜733頁
【非特許文献3】Mossら、Nature1997年、385巻:733〜736頁
【非特許文献4】Schlondorffら、Biochem.J.2000年、347巻、131〜138頁
【非特許文献5】Aggarwalら、Eur.Cytokine Netw.、1996年、7巻:93〜124頁
【非特許文献6】Feldmanら、Lancet、1994年、344巻、1105頁
【非特許文献7】Lohmander L.Sら、Arthritis Rheum、1993年、36巻、1214〜1222頁
【非特許文献8】MacDonaldら、Clin.Exp.Immunol.1990年、81巻、301頁
【非特許文献9】Mussi Aら、J.Biol.Regul.Homeost Agents、1997年、11巻、115〜118頁
【非特許文献10】Bonifati C.ら、Clin.Exp.Dermatol.、1994年、19巻、383〜387頁
【非特許文献11】Kupper TS、N.Engl.J.Med、2003年、349巻、1987〜1990頁
【非特許文献12】Ortonne JP、Annales de dermatologie et de venereologie [Annals of dermatology and venereologie]、2005年、132(8〜9 pt2)、4S6〜9および2005年、132巻、9S01〜9S70
【非特許文献13】Curr Opin Investig Drugs.2006年11月;7巻(11号)、1014〜1019頁
【非特許文献14】MacPhersonら、J.Med.Chem.1997年、40巻、2525頁
【非特許文献15】Tamuraら、J.Med.Chem.1998年、41巻、640頁
【非特許文献16】protein Eng Des Sel2006年、19巻、155〜161頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、TNFα産生を阻害する化合物は、炎症性疾患およびTNFα放出が関与する疾患の治療に重要である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明は、TACE酵素(TNFα-変換酵素)を阻害し、その結果、細胞による可溶性TNFαの分泌物(TNFαの活性型)を阻害する新規な分子を記載している。したがって、これらの新規な分子は、TNFα産生の減少または阻害が関与する病態の治療のための潜在的な有効成分である。
【0014】
例証として、および非限定的に、これらの病態は、例えば、敗血性ショック、血行動態ショック、マラリア、クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患(IBD)、炎症性骨疾患、マイコバクテリア感染症、髄膜炎、線維性疾患、心疾患、虚血性発作、臓器移植拒絶反応、癌、アテローム性動脈硬化症、肥満症、血管新生現象が関与する疾患、自己免疫疾患、変形性関節症、関節リウマチ、強直性脊椎炎、若年性慢性関節炎、多発性硬化症、HIV、インスリン非依存性糖尿病、アレルギー性疾患、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、眼の(occular)炎症、炎症性皮膚疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎および乾癬性関節炎である。
【0015】
これらの分子はまた、TNFα産生を低減することが重要であるはずである、炎症性である神経学的病態の治療のための潜在的な有効成分でもある。非限定的に以下に挙げるこれらの病態は、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、パーキンソン症候群、筋萎縮性側索硬化症、神経系の自己免疫疾患、神経系の自律神経性疾患、背部痛、脳浮腫、脳血管障害、認知症、神経系神経線維脱髄性自己免疫疾患、糖尿病性ニューロパチー、脳炎、脳脊髄炎、てんかん、慢性疲労症候群、巨細胞性動脈炎、ギラン-バレー症候群、頭痛、多発性硬化症、神経痛、末梢神経系疾患、多発ニューロパチー、多発神経根筋障害、神経根症、呼吸麻痺、脊髄疾患、トゥレット症候群、脳血管炎、ハンチントン病および脳卒中である。
【0016】
幅広いTACE阻害剤が、下記に示す通り知られている。しかし、これらの多数の阻害剤は、ADAMおよび/またはマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)のファミリーの他の酵素と比べてTACE酵素に選択的に作用しない。
【0017】
しかしながら、これらの酵素ファミリーの非選択的な阻害は、in vivoで観察された副作用を誘発する。例えば、MMP-1(コラゲナーゼ-1)の阻害は、筋骨格毒性の問題に関連している。
【0018】
非選択的阻害剤として、関節リウマチの治療に関するフェーズ2において臨床的に試験された既知の阻害剤であるアプラタスタット(Apratastat)について言及することもできる(Curr Opin Investig Drugs.2006年11月;7巻(11号)、1014〜1019頁)。この阻害剤は、ある種のMMP(国際公開第00/44709号;251頁、表10、実施例61)と比べてTACE酵素に選択的ではない。
【0019】
既知でもあり、アプラタスタットと同じファミリー、すなわち環式ベンゼンスルホンアミド誘導体のファミリーの一部である他のTACE阻害剤は、国際公開第00/44709号および国際公開第97/18194号に記載されている。別の特許(国際公開第96/00214号、国際公開第97/22587号)は、ベンゼンスルホンアミド部分が単一の炭素原子によりヒドロキサム酸官能基から隔てられているMMPおよび/またはTACE阻害剤を特許請求している。このタイプのMMP阻害剤をより広範に記載している刊行物はまた、MacPhersonら、J.Med.Chem.1997年、40巻、2525頁による刊行物およびTamuraら、J.Med.Chem.1998年、41巻、640頁による刊行物である。スルホンアミド官能基が環を形成する一連の2個の炭素原子によりヒドロキサム酸から隔てられているMMP/TACE阻害剤の他の例は、国際公開第98/16503号、国際公開第98/16506号、国際公開第98/16514号および国際公開第98/16520号の特許に記載されている。スルホンアミド官能基が一連の2個の炭素原子によりヒドロキサム酸から隔てられているMMP阻害剤の他の例はまた、国際公開第2008/045671号に記載されている。
【0020】
しかしながら、本出願人は現在、予想外かつ驚くべきことに、一般式(I)の新規な化合物が、非常に優れたTACE阻害活性を示し、特に、他のADAMおよびMMPと比べて選択的にTACE酵素を阻害することを発見した。
【0021】
したがって、本発明は、以下の一般式(I)の化合物:
【0022】
【化2】

【0023】
(式中、
R1は、水素、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基、置換アラルキル基、ヘテロアラルキル基、置換ヘテロアラルキル基、-C(O)-R4基、-SO2-R4基、またはC(O)OR4基を表し、R4は以下に示される意味を有し;
R2は、水素原子または低級アルキル基であり;
R3は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、複素環基、置換複素環基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基または置換ヘテロアラルキル基であり;
R4は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基または置換アラルキル基であり;
nは、0、1、2または3の値をとることができる)、
ならびに一般式(I)の化合物の薬学的に許容される酸との付加塩、一般式(I)の化合物の薬学的に許容される塩基との付加塩、および一般式(I)の化合物の鏡像異性体に関する。
【0024】
一般式(I)の化合物の薬学的に許容される酸との付加塩のうち、好ましくは、有機酸または無機酸との塩について言及することができる。適当な無機酸は、例えば、塩酸または臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸である。
【0025】
適当な有機酸は、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、コハク酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ピクリン酸、クエン酸、シュウ酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸、カンファースルホン酸およびフマル酸である。
【0026】
一般式(I)の化合物の薬学的に許容される塩基との付加塩のうち、好ましくは、有機塩基または無機塩基との塩について言及することができる。
【0027】
無機塩基は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムまたは水酸化カルシウムである。
【0028】
適当な有機塩基は、アミンおよびアミノ酸を含む。アミンのうち、例えば、脂肪族または芳香族、第1級、第2級または第3級アミン、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミンの4つの異性体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ジエタノールフェニルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、キヌクリジン、ピリジン、キノリンまたはイソキノリンなどについて言及することができる。
【0029】
アミノ酸のうち、例えば、リシン、アルギニンおよびオルニチンについて言及することができる。
【0030】
本発明によれば、「低級アルキル基」という用語は、1から4個の炭素原子を含む直鎖または分枝状の、飽和の炭化水素系鎖を意味する。
【0031】
本発明によれば、「アルキル基」という用語は、1から10個の炭素原子を含む直鎖または分枝状の、飽和の炭化水素系鎖を意味する。
【0032】
本発明によれば、「アルケニル基」という用語は、2から10個の炭素原子を含み、1種または複数の二重結合を含む直鎖または分枝状の、不飽和の炭化水素系鎖を意味する。
【0033】
本発明によれば、「アルキニル基」という用語は、2から10個の炭素原子を含み、1種または複数の三重結合を含む直鎖または分枝状の、不飽和の炭化水素系鎖を意味する。
【0034】
本発明によれば、「置換アルキル基」という用語は、1から10個の炭素原子を含み、ハロゲン原子、アルコキシ基およびヒドロキシ基から選択される1種または複数の基で置換された直鎖または分枝状の、飽和の炭化水素系鎖を意味する。
【0035】
本発明によれば、「置換アルケニル基」という用語は、1種または複数の二重結合を含み、ハロゲン原子、アルコキシ基およびヒドロキシ基から選択される1種または複数の基で置換された、2から10個の炭素原子を含む直鎖または分枝状の、不飽和の炭化水素系鎖を意味する。
【0036】
本発明によれば、「置換アルキニル基」という用語は、1種または複数の三重結合を含み、ハロゲン原子、アルコキシ基およびヒドロキシ基から選択される1種または複数の基で置換された、2から10個の炭素原子を含む直鎖または分枝状の、不飽和の炭化水素系鎖を意味する。
【0037】
本発明によれば、「シクロアルキル」という用語は、3から7個の炭素原子を含む環式飽和炭化水素系鎖を意味する。
【0038】
本発明によれば、「置換シクロアルキル」という用語は、3から7個の炭素原子を含み、ハロゲン原子、アルコキシ基およびヒドロキシ基から選択される1種または複数の基で置換された環式飽和炭化水素系鎖を意味する。
【0039】
本発明によれば、「アリール基」という用語は、芳香族炭化水素系環または2つの縮合された芳香族炭化水素系環を意味する。
【0040】
好ましいアリール基は、フェニルおよびナフチル基から選択される。
【0041】
本発明によれば、「置換アリール基」という用語は、アルキル、アルコキシ、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチルおよびニトロから選択される原子の1種または複数の基で置換される、芳香族炭化水素系環または2つの縮合された芳香族炭化水素系環を意味する。
【0042】
本発明によれば、「アラルキル基」という用語は、アリールで置換されたアルキルを意味する。
【0043】
本発明によれば、「置換アラルキル基」という用語は、置換アリールで置換されたアルキルを意味する。
【0044】
本発明によれば、「複素環基」という用語は、O、SおよびNから選択される1種または複数のヘテロ原子を含む、飽和または不飽和の、環式または多環式の炭化水素系鎖を意味する。
【0045】
本発明によれば、「置換複素環基」という用語は、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチルおよびニトロから選択される原子の1種または複数の基で置換された複素環基を意味する。
【0046】
本発明によれば、「ヘテロアリール基」という用語は、O、SおよびNから選択される1種または複数のヘテロ原子を含む、芳香族複素環基、すなわち、環式または多環式の芳香族炭化水素系鎖を意味する。
【0047】
本発明によれば、「置換ヘテロアリール基」という用語は、例えば、アルキル、アルコキシ、アリール、置換アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチルおよびニトロから選択される原子の1種または複数の基で置換されたヘテロアリール基を意味する。
【0048】
本発明によれば、「ヘテロアラルキル基」という用語は、ヘテロアリール基で置換されたアルキル基を意味する。
【0049】
本発明によれば、「置換ヘテロアラルキル基」という用語は、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチルおよびニトロから選択される原子の1種または複数の基で置換されたヘテロアラルキル基を意味する。
【0050】
本発明によれば、「アルコキシ基」という用語は、アルキル基で置換された酸素原子を意味する。
【0051】
本発明によれば、「ハロゲン原子」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を意味する。
【0052】
本発明の文脈に含まれる一般式(I)の化合物のうち、以下の化合物に特に言及することができる。
1)3-[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
2)(S)-3-(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
3)(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
4)(S)-3-[(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
5)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
6)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
7)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-(4-プロポキシベンゼンスルホニルアミノ)プロピオンアミド
8)(S)-3-[4-(3-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
9)(S)-3-[4-(4-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
10)ベンジル4-{(S)-1-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]エチル}ピペラジン-1-カルボキシレート
11)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-フェニルピリジン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
12)(R)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
13)(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-ピペラジン-1-イル-プロピオンアミド
14)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド塩酸塩
15)tert-ブチル3-{4-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチルスルファモイル]フェノキシメチル}-2-メチルインドール-1-カルボキシレート二(トリフルオロ酢酸塩)
16)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
17)(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
18)(S)-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
19)(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
20)(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(4-トリフルオロメチル-ベンジル)ピペラジン-1-イル]プロピオンアミド
21)(S)-N-ヒドロキシ-2-[4-(4-メチルベンジル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
22)(S)-3-[4-(ベンゾイソオキサゾール-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
23)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
24)(S)-N-ヒドロキシ-2-[4-(2-メチルプロパン-1-スルホニル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
25)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
26)(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロピオンアミド
27)(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
28)(S)-2-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
29)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-{プロピル-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニル]アミノ}プロピオンアミド
30)(S)-2-(4-ベンゼンスルホニルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
31)(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(1-メチルピペリジン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
32)(S)-2-[4-(4-フルオロベンゾイル)ピペラジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-[4-(3-m-トリル-プロポキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
33)(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
34)(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(4-メチルペンチルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-フェニルアセチルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
35)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルピリジン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
36)(S)-2-(3-アセチルイミダゾリジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
37)(S)-3-[4-(3,5-ジメチルベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-イミダゾリジン-1-イル-プロピオンアミド
38)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニル-[1,4]ジアゼパン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
39)(S)-2-(4-ベンジル-[1,4]ジアゼパン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
40)(S)-2-[1,4]ジアゾカン-1-イル-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
41)(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルベンゾフラン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロピオンアミド
42)(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-イソプロピル-1H-インドール-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
【発明を実施するための形態】
【0053】
一般式(I)の化合物は、以下に示されている図1の反応スキームに従って調製される。
【0054】
【化3】

【0055】
図1によれば、化合物(3)は、ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミンなどの有機の第三級塩基の存在下で60℃から120℃の温度でアミノ酸(1)H-DAP(Boc)-OMe.HClまたはH-(D)-DAP(Boc)-OMe.HClと(市販のまたは事前に調製された)化合物(2)との反応によって得られる。化合物(4)は、例えば、塩酸のイソプロパノール溶液の使用などの従来の方法に従って、化合物(3)のアミン官能基の脱保護によって得られる。
【0056】
例えば、ジクロロメタン中のトリエチルアミンなどの第三級アミンの存在下での化合物(4)とベンジル基、例えば(P=CH2-Ph)(5)でO-保護された4-ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドとの反応は、化合物(6)を生成する。次いで、スルホンアミド官能基のN-アルキル化は、誘導体(7)を得るために、例えば、DMFなどの溶媒中の炭酸カリウムなどの塩基の存在下でハロゲン化アルキルとの反応によって行うことができる。化合物(8)は、フェノール官能基を脱保護するための当業者によって既知の方法に従って脱保護することにより得られる。化合物(9)は、例えば、アセトン中の炭酸セシウムなどの塩基の存在下でハロゲン化アルキルとの反応による、または例えばトリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジイソプロピルの存在下で第一級アルコール誘導体との光延反応による、化合物(8)のフェノール官能基のアルキル化により得られる。化合物(10)は、例えば、水およびテトラヒドロフランの存在下で水酸化リチウムなどの塩基の存在下でけん化反応によって得られる。最終ステップにおいて、化合物(11)は、従来のペプチドカップリング条件下で、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドの溶媒中で、例えば、カップリング剤としての1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはTBTU、および塩基としてのトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンを用いて、例えばO-(tert-ブチルジメチルシリル)ヒドロキシルアミンと誘導体(10)とのカップリングにより得られる。中間に形成されたシリル化されたヒドロキサム酸の脱保護は、化合物(11)を得るためにin situでまたは弱酸性水溶液で洗浄することによって行われる。
【0057】
化合物(11)を得るための他の代替は、以下の図2に示される。
【0058】
【化4】

【0059】
図2の合成スキームによれば、誘導体(3)は、化合物(12)を得るために、例えば、水素化ナトリウムなどの塩基およびジメチルホルムアミド中のハロゲン化アルキルの存在下で、場合によってはアルキル化することができ、それから、化合物(13)は、アミンを脱保護するための従来の方法に従って、例えば、塩酸のイソプロパノール溶液の使用によって得られる。
【0060】
化合物(14)は、例えばイソプロパノールおよび水などの溶媒の混合物中で、例えば水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下でハロゲン化アルキルによるアルキル化により市販の4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム塩から事前に調製される。次いで、化合物(15)は、例えばジクロロメタン中のジメチルホルムアミドの存在下で誘導体(14)を塩化オキサリルと反応することによって得られる。
【0061】
誘導体(9)は、例えばジクロロメタン中のトリエチルアミンなどの塩基の存在下で化合物(13)と(15)との反応により得られる。
【0062】
化合物(11)を得るための代替の合成経路はまた、以下の図3にも示される。
【0063】
【化5】

【0064】
図3によれば、化合物(17)は、アミノ酸(1)H-DAP(Boc)-OMe.HClまたはH-(D)-DAP(Boc)-OMe.HClと化合物(16)(例えばビス(2-クロロエチル)アミンと臭化ベンジルとを、アセトニトリル中で炭酸カリウムの存在下において反応させることによって事前に調製された)との、ジイソプロピルエチルアミンなどの第三級有機塩基の存在下における約120℃の温度での反応によって得られる。アミン官能基の脱保護の後、誘導体(19)を得るために化合物(18)を塩化スルホニル(15)で濃縮する。次いで、スルホンアミド官能基のN-アルキル化は、誘導体(20)を得るために、例えば、DMFなどの溶媒中の炭酸カリウムなどの塩基の存在下でハロゲン化アルキルとの反応によって行うことができる。化合物(21)は、例えばエタノールなどの溶媒中で、パラジウム炭素の存在下において、化合物(20)の水素化の通常の条件に従って得られる。化合物(9)は、従来の合成方法に従って、例えばトリエチルアミンの存在下での、化合物(21)の塩化アシルまたは塩化スルホニルとの反応によって、または、例えば水素化ナトリウムなどの塩基の存在下でのハロゲン化アルキルとの反応によって得られる。化合物(10)は、例えば、水およびテトラヒドロフランの存在下で水酸化リチウムなどの塩基の存在下でけん化反応によって得られる。最終ステップにおいて、化合物(11)は、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドなどの溶媒中で例えば、カップリング剤として1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはTBTU、および塩基としてトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンを用いて、従来のペプチドカップリング条件下で、例えばO-(tert-ブチルジメチルシリル)ヒドロキシルアミンと誘導体(10)とのカップリングによって得られる。中間に形成されたシリル化されたヒドロキサム酸の脱保護は、化合物(11)を得るためにin situでまたは酸性水溶液で洗浄することによって行われる。
【0065】
-(CO)-R4基を表すR1を有する化合物のための代替の合成経路は、図4に記載されている。
【0066】
【化6】

【0067】
例えばエタノールなどの溶媒中でのパラジウム炭素の存在下における水素化のための通常の条件に従って化合物(17)のアミン官能基を脱保護した後、化合物(22)が得られる。化合物(23)は、例えばトリエチルアミンなどの塩基の存在下で塩化アシル、R4COClとの反応により得られる。R2が低級アルキル基を表す場合、次いで、カルバメートのN-アルキル化は、誘導体(24)を得るためにDMFなどの溶媒中で、例えば、炭酸カリウムなどの塩基の存在下で、ハロゲン化アルキルとの反応により行われる。化合物(25)は、例えば、水およびテトラヒドロフランの存在下で水酸化リチウムなどの塩基の存在下でけん化反応によって調製される。例えばO-アリルヒドロキシアミン塩酸塩と誘導体(25)とのカップリングは、従来のペプチドカップリング条件下で化合物(26)を得ることを可能にする。このために、例えば、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはTBTUがカップリング剤として、およびトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンが塩基として、使用される。反応は、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドなどの溶媒中で行われる。従来の方法に従う化合物(26)のアミン官能基の脱保護後、化合物(27)が得られる。それを、化合物(28)を得るために塩化スルホニル(15)と共に縮合する。最終段階において、化合物(29)が、例えば、メタノール中でのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)および炭酸カリウムによる処理などの従来の方法に従って、化合物(28)のヒドロキシルアミン官能基の脱保護によって得られる。
【0068】
本発明によれば、一般式(I)の好ましい化合物は、
R1が、水素、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基、置換アラルキル基、ヘテロアラルキル基、置換ヘテロアラルキル基、-C(O)-R4基、-SO2-R4基、またはC(O)OR4基を表し、R4は以下に示される意味を有する;
R2が、水素原子または低級アルキル基であり;
R3が、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基または置換ヘテロアラルキル基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基または置換アラルキル基であり;
nが、0、1、または2の値をとることができる、化合物
ならびに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩、および前記化合物の鏡像異性体である。
【0069】
本発明によれば、一般式(I)の特に好ましい化合物は、
R1が、水素、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基、置換アラルキル基、-C(O)-R4基または-SO2-R4基を表し、R4は以下に示される意味を有し;
R2は、水素原子または低級アルキル基であり;
R3が、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基または置換ヘテロアラルキル基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基または置換アラルキル基であり;
nが、1または2の値をとることができる、化合物
ならびに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩、および前記化合物の鏡像異性体である。
【0070】
本発明によれば、一般式(I)の特に好ましい化合物は、
R1が、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、-C(O)-R4基または-SO2-R4基を表し、R4は以下に示される意味を有し;
R2が、水素原子であり;
R3が、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基または置換ヘテロアラルキル基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基または置換アラルキル基であり;
nが、1の値をとる、化合物
ならびに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩、および前記化合物の鏡像異性体である。
【0071】
本発明によれば、一般式(I)のさらに特に好ましい化合物は、
R1が、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、-C(O)-R4基または-SO2-R4基を表し、R4は以下に示される意味を有し;
R2が、水素原子であり;
R3が、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基または置換ヘテロアラルキル基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基または置換アラルキル基であり;
nが、1の値をとる、化合物
ならびに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩、および前記化合物の鏡像異性体である。
【0072】
本発明によれば、一般式(I)の特に最も好ましい化合物は、:
R1が、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、-C(O)-R4基または-SO2-R4基を表し、R4は以下に示される意味を有し;
R2が、水素原子であり;
R3が、ヘテロアリール基または置換ヘテロアリール基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基または置換アラルキル基であり;
nが、1の値をとる、化合物、
ならびに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩、および前記化合物の鏡像異性体である。
【0073】
本発明による化合物は、非常に優れたTACE-阻害活性を示し、具体的には、これらは他のADAMおよびMMPと比べて選択的にTACE酵素を阻害する。このTACE酵素阻害活性は、実施例28に記載されている通り、酵素試験において測定され、IC50(TACE酵素の50%阻害を得るために必要な阻害濃度)の測定によって定量される。本発明の化合物は、TACEについて10μM以下、より詳細には1μM以下のIC50を有する。有利には、本発明の化合物は、TACEについて0.5μM以下のIC50を有する。
【0074】
有利には、これらの化合物はまた、別のADAMおよびMMP(アッセイは実施例29に記載されている)と比較してTACEに対して非常に選択的でもあり、それらの阻害活性は、別のADAMおよびMMPよりもTACEに対して少なくとも10倍高く(すなわち、TACEに対するIC50値は、別のADAMおよびMMPに対するものよりも少なくとも10倍小さい)、より有利には少なくとも100倍高い。
【0075】
TACE(TNFα-変換酵素)は、いくつかの細胞の膜に結合した前駆体タンパク質(膜貫通型TNFα)からの可溶性TNF-αの形成を触媒する。TNFαは、炎症性を有する多くの病態においてある役割を果たすことが知られている炎症誘発性サイトカインである。
【0076】
したがって、本発明は、TNFα放出と関連付けられた病態および障害の治療のために、上記で定義した一般式(I)の少なくとも1種の化合物の使用を対象としている。一般式(I)のTACE酵素阻害剤は、TNFα産生を減少させる。その結果、これは、TNFα放出に関連付けられた病態の治療に有用である。
【0077】
本発明はまた、前記化合物がTACE酵素阻害活性を有する医薬または化粧品組成物を調製するための、上記で定義した一般式(I)の少なくとも1種の化合物の使用を対象としている。
【0078】
したがって、本発明は、TACE酵素を阻害することにより改善される病態または障害の治療のために、上記で定義した一般式(I)の少なくとも1種の化合物の使用を対象としている。
【0079】
本発明はまた、治療上(ヒトまたは動物)または美容上の処置の方法に関し、これは、TACE阻害剤としての、したがって、可溶性TNFα産生の阻害剤としての一般式(I)の化合物を含む医薬または化粧品組成物の投与または適用からなる。
【0080】
したがって、本発明は、TNFα産生と関連付けられた病態または障害の治療のための、上記で定義した一般式(I)の少なくとも1種の化合物の使用に関する。
【0081】
本発明はまた、TNFα産生を低減することが重要であるはずである病態の治療を目的とした医薬品を調製するために、上記で定義した一般式(I)の化合物の使用に関する。
【0082】
実際、本発明に従って用いられる化合物は、以下に挙げた炎症性疾患などの障害/疾患の治療および予防のために特に適当であるが、敗血性ショック、血行動態ショック、マラリア、クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患(IBD)、炎症性骨疾患、マイコバクテリア感染症、髄膜炎、線維性疾患、心疾患、アテローム性動脈硬化症、肥満症、虚血性発作、臓器移植拒絶反応、癌、血管新生現象が関与する疾患、自己免疫疾患、変形性関節症、関節リウマチ、強直性脊椎炎、若年性慢性関節炎、多発性硬化症、HIV、インスリン非依存性糖尿病、アレルギー性疾患、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、炎症性皮膚疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎および乾癬性関節炎などに限定されない。
【0083】
これらの分子はまた、TNFα産生を低減することが重要であると考えられる、炎症性を有する神経学的病態の治療のための潜在的な有効成分でもある。非限定的に以下に挙げるこれらの病態は、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、パーキンソン症候群、筋萎縮性側索硬化症、神経系の自己免疫疾患、神経系の自律神経性疾患、背部痛、脳浮腫、脳血管障害、認知症、神経系神経線維脱髄性自己免疫疾患、糖尿病性ニューロパチー、脳炎、脳脊髄炎、てんかん、慢性疲労症候群、巨細胞性動脈炎、ギラン-バレー症候群、頭痛、多発性硬化症、神経痛、末梢神経系疾患、多発ニューロパチー、多発神経根筋障害、神経根症、呼吸麻痺、脊髄疾患、トゥレット症候群、脳血管炎、ハンチントン病および脳卒中である。
【0084】
本発明は、TNFαが関与する炎症性を有する病態の治療を目的とした医薬品を調製するための、上記で定義した一般式(I)の化合物の使用に関する。
【0085】
本発明は、炎症性皮膚疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎または乾癬性関節炎の治療を目的とした医薬品を調製するための、上記で定義した一般式(I)の化合物の使用に関する。
【0086】
本発明の対象は、特に前述の状態の治療を目的とした医薬組成物でもあり、薬学的に許容され、この組成物のために選択される投与方法に適合する担体中で、一般式(I)の少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする。一般式(I)のこの化合物はまた、鏡像異性の形態の1つとなってもその薬学的に許容される塩の1つの形態となってもよい。
【0087】
本発明による式(I)の活性化合物の調製、ならびにかかる化合物の生物活性の結果のいくつかの例は、ここで例証として与えられ、本質上決して限定的ではない。
【実施例】
【0088】
一般式(I)の化合物は、Bruker Avance400MHz装置におけるプロトンNMR分析によって特徴付けられる。
【0089】
(実施例1)
3-[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
1-1:2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)マロン酸ジメチル
炭酸カリウム19.5g(141mmol)および次いでブロモマロン酸ジメチル19.5ml(134mmol)を、tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート25g(134mol)のアセトニトリル溶液300mlに添加する。反応媒体を周囲温度で24時間撹拌し、次いで不溶性塩を除去するために濾過し、真空下で濃縮する。得られた粗残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、70/30ヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)マロン酸ジメチル41g(97%)が、軽質の油の形態で得られる。
【0090】
1-2:2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イルメチル)マロン酸ジメチル:
水素化ナトリウム3.5g(87mmol)を、2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)マロン酸ジメチル25g(87mmol)の2℃に冷却されたテトラヒドロフラン250ml溶液に数回に分けて添加する。反応媒体を周囲温度で30分間撹拌し、次いで、2℃に戻した後に、テトラヒドロフラン200ml中の2-ブロモメチルイソインドール-1,3-ジオン21g(87mmol)を滴下添加する。反応媒体を、周囲温度で20時間撹拌し、500mlの水を添加することによって処理し、次いで、酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮する。
得られた粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、70/30ヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イルメチル)マロン酸ジメチル27.5g(73%)を、白色固体の形態で得る。
【0091】
1-3:2-アミノメチル-2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)マロン酸ジメチル
メタノール8ml中のヒドラジン水和物2.9ml(64mmol)を、2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イルメチル)マロン酸ジメチル27.5g(58mmol)の事前に-5℃まで冷却されたメタノール300ml溶液に添加する。反応媒体を、-5℃〜周囲温度で3時間にわたって撹拌する。エバポレーションに供し、水300mlの添加後、反応媒体を酢酸エチルで抽出する。有機相を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させる。得られた残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、8/2ヘプタン/酢酸エチル混合物で、次いで、90/10酢酸エチル/メタノール混合物まで極性を増加させて行う。2-アミノメチル-2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)マロン酸ジメチル10g(50%)を軽質なオイルの形態で得る。
【0092】
1-4:2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-メチル]マロン酸ジメチル
トリエチルアミン1.1ml(8mmol)および次いで4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルクロリド1.8ml(7mmol)を、2-アミノメチル-2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)マロン酸ジメチル2.5g(7mmol)のジクロロメタン30ml溶液に添加する。反応媒体を、周囲温度で2時間撹拌し、次いで、真空下で濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、70/30ヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)メチル]-マロン酸ジメチル2.1g(51%)を、白色固体の形態で得る。
【0093】
1-5:2-[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)メチル]-2-ピペラジン-1-イルマロン酸ジメチル
トリフルオロ酢酸酸2.8mlを、2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)-2-[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)メチル]マロン酸ジメチル2.1g(4mmol)のジクロロメタン30ml中に希釈された溶液に添加する。周囲温度で24時間撹拌した後、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液をpH=8まで添加し、反応媒体をジクロロメタンで抽出する。有機相を合わせ、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで濾過し、蒸発させる。2-[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)メチル]-2-ピペラジン-1-イルマロン酸ジメチル1.7g(98%)を、白色固体の形態で得る。
【0094】
1-6:2-[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)メチル]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)マロン酸ジメチル
トリエチルアミン0.6ml(4mmol)および次いで塩化メタンスルホニル0.3ml(4mmol)を、2-[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)メチル]-2-ピペラジン-1-イルマロン酸ジメチル1.6g(4mmol)のジクロロメタン30ml中に希釈した溶液に添加する。次いで、反応媒体を周囲温度で3時間撹拌し、次いで、蒸発乾固する。粗残留物を、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、99/1ジクロロメタン/メタノール混合物で行う。2-[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)メチル]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)マロン酸ジメチル1.1g(58%)を、白色固体の形態で得る。
【0095】
1-7:2-{(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]メチル}-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)マロン酸ジメチル
炭酸カリウム120mg(0.9mmol)、次いで、ヨウ化メチル56μl(0.9mmol)を、2-[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)メチル]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)マロン酸ジメチル400mg(0.8mmol)のジメチルホルムアミド10ml溶液に添加する。次いで反応媒体を、周囲温度で18時間撹拌し、次いで水を添加することによって加水分解し、酢酸エチルで抽出する。有機相を水で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、50/50ヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。2-{[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]メチル}-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)マロン酸ジメチル410mg(100%)を白色固体の形態で得る。
【0096】
1-8:3-[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸
1Mの濃度を有する水酸化ナトリウム水溶液1.7ml(1.7mmol)を、2-{[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-メチル}-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)マロン酸ジメチル270mg(0.5mmol)のテトラヒドロフラン7mlおよびメタノール2ml中溶液に添加する。反応媒体を40℃で15時間撹拌し、次いで、1Mの濃度の塩酸水溶液を添加することによってpH=6に戻す。真空下で溶媒の蒸発後、生成物が沈殿する。得られた残留物を、水5ml中に溶解させ、沈殿が生じるまで30分間撹拌する。生成物を濾別し、水ですすぎ、次いで、真空下で乾燥する。3-[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸200mg(87%)を白色固体の形態で得る。
【0097】
1-9:3-[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
1-ヒドロキシベンゾトリアゾール63mg(0.5mmol)および次いで1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩88mg(0.5mmol)を、3-[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸200mg(0.4mmol)のジメチルホルムアミド6ml溶液に添加する。反応媒体を10分間、周囲温度で撹拌し、次いで、O-tert-ブチルジメチルシリルヒドロキシルアミン68mg(0.5mmol)を添加する。次いで、反応媒体を、周囲温度で24時間撹拌し、クエン酸の5%水溶液2mlを添加することによって加水分解し、さらに30分間撹拌する。酢酸エチルで抽出後、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。粗残留物を、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、95/5ジクロロメタン/メタノール混合物で行う。3-[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド100mg(50%)を86℃の融点を有する白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 1.91 (s, 3H); 2.63〜2.68 (m, 2H); 2.72 (s, 3H); 2.72〜2.75 (m, 2H); 2.92 (s, 3H); 3.05〜3.15 (m, 5H); 3.30〜3.38 (m, 2H); 4.93 (s, 2H); 7.24 (d, J=6.8Hz, 2H); 7.79 (d, J=6.8Hz, 2H); 9.06 (s, 1H); 10.77 (s, 1H)。
【0098】
(実施例2)
(S)-3-(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
2.1:4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホン酸のナトリウム塩
1-ブロモ-2-ブチン50g(370mmol)を、4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸の市販のナトリウム塩43g(185mmol)および1Mの濃度を有する水酸化ナトリウムの水溶液185ml(185mmol)のイソプロパノール800ml溶液に添加する。反応媒体を、70℃で18時間加熱する。
【0099】
イソプロパノールを蒸発させた後、得られた生成物を、濾過し、イソプロパノールおよびジエチルエーテルですすぎ、次いで、真空下で乾燥する。4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホン酸のナトリウム塩46g(100%)を、白色固体の形態で得る。
【0100】
2.2:4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルクロリド
ジメチルホルムアミド120ml中の4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホン酸のナトリウム塩30g(107mmol)を、塩化オキサリル28ml(321mmol)の、事前に-10℃まで冷却されたジクロロメタン120mlの溶液に滴下添加し、次いで、反応媒体を周囲温度で18時間撹拌する。氷800mlを添加し、媒体を酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせ、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮する。4-ブト-2-イニルベンゼンスルホニルクロリド22g(84%)を、ベージュ色固体の形態で得る。
【0101】
2.3:N,N-ビス(2-クロロエチル)メタンスルホンアミド
トリエチルアミン8.6ml(62mmol)を、ビス(2-クロロエチル)アミン塩酸塩5g(28mmol)のジクロロメタン60ml溶液に添加する。トリエチルアンモニウムクロリド塩が沈殿し、これを濾別する。次いで、塩化メチルスルホニル2.4ml(31mmol)を、得られた濾液に添加し、反応媒体を周囲温度で3時間撹拌する。水を添加した後、生成物をジクロロメタンで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。N,N-ビス(2-クロロエチル)メタンスルホンアミド5.8g(94%)を、ベージュ色の固体の形態で得る。
【0102】
2.4:(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミド-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル
シュレンク管中で、(S)-2-アミノ-3-tert-ブトキシカルボニルアミノプロパン酸メチル塩酸塩5g(20mmol)およびN,N-ビス(2-クロロエチル)メタンスルホンアミド4.3g(20mmol)のN,N-ジイソプロピルエチルアミン65ml中溶液を、127℃で激しく撹拌しながら18時間加熱する。水を添加した後、生成物を酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせ、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、50/50ヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミド-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル3.3g(46%)を、白色固体の形態で得る。
【0103】
2.5:(S)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル塩酸塩
5〜6Nの濃度を有する塩酸のイソプロパノール溶液15mlを、(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル2.7g(7.4mmol)のメタノール30ml溶液に滴下添加する。反応媒体を、40℃で2時間撹拌し、真空下で濃縮し、次いで、メタノール20mlおよびジエチルエーテル150ml中に溶解させる。生成物が沈殿し、これを真空下でを濾別し、ジエチルエーテルですすぎ、次いで、真空下で乾燥する。(S)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル塩酸塩2.3g(100%)を、白色固体の形態で得る。
【0104】
2.6:(S)-3-(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル
トリエチルアミン0.3ml(2mmol)および4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルクロリド(2.2に記載されている通り調製した)270mg(1mmol)を、(S)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル塩酸塩300mg(1mmol)(2.5に記載されている通り調製した)のジクロロメタン8ml溶液に添加する。周囲温度で18時間撹拌した後、水を添加し、反応媒体をジクロロメタンで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。
【0105】
得られた粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、50/50ヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。(S)-3-(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル400mg(85%)を、白色固体の形態で得る。
【0106】
2.7:(S)-3-(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸
1Mの濃度を有する水酸化リチウムの水溶液1.3ml(1.3mmol)を、(S)-3-(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル400mg(0.8mmol)の、事前に0℃まで冷却されたテトラヒドロフラン10ml中に希釈された溶液に添加する。反応媒体を周囲温度で20時間撹拌する。蒸発乾固した後、1Mの濃度を有する酢酸の水溶液1.5mlを、pH=6を達成するように添加する。生成物が沈殿し、これを濾別し、水、次いでジエチルエーテルですすぎ、真空下で乾燥する。(S)-3-(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸340mg(89%)を白色固体の形態で得る。
【0107】
2.8:(S)-3-(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
1-ヒドロキシベンゾトリアゾール120mg(0.9mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩170mg(0.9mmol)を、(S)-3-(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸340mg(0.7mmol)のジメチルホルムアミド8ml溶液に添加する。反応媒体を30分間撹拌し、次いでジメチルホルムアミド3ml中のO-tert-ブチルジメチルシリルヒドロキシルアミン120mg(0.8mmol)を添加する。次いで、反応媒体を周囲温度で20時間撹拌し、次いで水2mlおよびクエン酸の5%水溶液2mlで加水分解する。30分間撹拌した後、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液を、pH=8まで添加し、次いで、反応媒体を酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。残留物をジクロロメタン中に溶解させ、濾過し、次いで、真空下で乾燥する。(S)-3-(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド80mg(23%)を150℃の融点を有する白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 1.86 (s, 3H); 2.55 (m, 4H); 2.83 (s, 3H); 2.85〜2.88 (m, 1H); 2.97〜3.00 (m, 3H); 3.00〜3.06 (m, 2H); 3.10〜3.12 (t, J=4.8Hz, 1H); 4.86 (s, 2H); 7.15 (d, J=9.2Hz, 2H); 7.51 (s, 1H); 7.75 (d, J=9.2Hz, 2H); 8.94 (s, 1H); 10.6 (s, 1H)。
【0108】
(実施例3)
(S)-3-(4-ベンジルオキシ-ベンゼンスルホニルアミノ)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
3.1:N,N-ビス-(2-クロロエチル)メタンスルホンアミド
塩化メタンスルホニル14.3ml(185mmol)を、市販のビス(2-クロロエチルアミン)塩酸塩15g(84mmol)およびトリエチルアミン26ml(185mmol)の、事前に15分間撹拌されたジクロロメタン200mlおよびテトラヒドロフラン70ml中の溶液にゆっくりと添加し、次いで、トリエチルアンモニウムクロリドを除去するために濾過する。次いで、反応媒体を周囲温度で18時間撹拌し、ジクロロメタンで抽出し、水で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させる。得られた残留物をジイソプロピルエーテルで洗浄し、濾過し、次いで、真空下で乾燥する。N,N-ビス-(2-クロロエチル)メタンスルホンアミド15.3g(82%)を固体の形態で得る。
【0109】
3.2:(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル
N,N-ビス-(2-クロロエチル)メタンスルホンアミド9.6g(44mmol)および2-アミノ-3-tert-ブトキシプロパン酸メチル塩酸塩11.1g(44mmol)のジイソプロピルエチルアミン90ml中溶液127℃で18時間加熱する。反応媒体を蒸発乾固させる。31gの粗残留物が得られ、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、9/1ヘプタン/酢酸エチル混合物で、次いで極性を4/6まで増加させて行う。(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル5.5g(35%)を得る。
【0110】
3.3:(S)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル二塩酸塩
(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル(実施例2.4に記載された通り調製した)4g(11mmol)の、メタノール40mlおよび5または6Mの濃度を有する塩酸のイソプロパノール溶液20ml中の溶液を40℃で18時間撹拌し、次いで、真空下で濃縮する。得られた残留物をジエチルエーテル200ml中に溶解させ、濾過し、次いで、真空下で乾燥する。(S)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル二塩酸塩3.5g(94%)を、ベージュ色の固体の形態で得る。
【0111】
3.4:4-ベンジルオキシベンゼンスルホン酸のナトリウム塩
ベンジルブロミド64ml(539mmol)を、4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸二水和物のナトリウム塩50g(215mmol)のイソプロパノール700mlおよび1Mの濃度を有する水酸化ナトリウムの水溶液250ml(250mmol)溶液に添加する。反応媒体を、70℃で20時間加熱する。真空下でイソプロパノールを濃縮した後、生成物が沈殿し、これを濾別する。4-ベンジルオキシベンゼンスルホン酸のナトリウム塩61g(100%)を、白色固体の形態で得る。
【0112】
3.5:4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルクロリド
ジクロロメタン250ml中の塩化オキサリル55ml(639mmol)の溶液を、ジメチルホルムアミド200ml中の4-ベンジルオキシベンゼンスルホン酸のナトリウム塩61g(213mmol)の溶液に、-20℃〜-10℃の間に温度を維持しながら滴下添加する。添加後、反応媒体を徐々に周囲温度に戻し、次いで、18時間撹拌し、氷上に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機相を、水および塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、真空下で濃縮する。4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルクロリド54g(89%)を、白色固体の形態で得る。
【0113】
3.6:(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル
トリエチルアミン1.1ml(7.8mmol)および、次いでジクロロメタン8ml中の4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルクロリド730mg(2.6mmol)を、(S)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル二塩酸塩800mg(2.4mmol)のジクロロメタン20ml溶液に添加し、反応媒体を周囲温度で3時間撹拌する。水を添加した後、生成物をジクロロメタンで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。
【0114】
得られた残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、8/2ヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル0.9g(75%)を、白色固体の形態で得る。
【0115】
3.7:(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸
1Mの濃度を有する水酸化リチウムの水溶液2.6ml(2.6mmol)を、(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル900mg(1.8mmol)の、テトラヒドロフラン20mlおよび水0.5ml中の溶液に添加する。反応媒体を周囲温度で18時間撹拌し、次いで、THFを真空下で蒸発させて除去する。1Mの濃度を有する酢酸の水溶液2.8ml、次いで水30mlを添加し、生成物が沈殿する。懸濁液を30分間、100℃で撹拌し、次いで周囲温度まで戻し、濾過し、真空下で乾燥する。(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸750mg(86%)を白色固体の形態で得る。
【0116】
3.8:(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
1-ヒドロキシベンゾトリアゾール224mg(1.7mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩318mg(1.7mmol)を、ジメチルホルムアミド20ml中の(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸750mg(1.5mmol)に連続的に添加する。周囲温度で20分間の撹拌後、O-tert-ブチルジメチルシリルヒドロキシアミン244mg(1.7mmol)のジメチルホルムアミド3ml溶液を添加する。次いで、反応媒体を周囲温度で18時間撹拌し、次いで炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液2ml、最後に水2mlを添加する。酢酸エチルで抽出後、有機相を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。得られた粗残留物を酢酸エチル15ml中に溶解させ、70℃まで加熱し、次いで周囲温度に戻し、濾過し、真空下で乾燥する。
【0117】
(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド300mg(34%)を、165℃の融点を有する白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 2.40〜2.50 (m, 2H); 2.50〜2.60 (m, 2H); 2.84 (s, 3H)、3.00〜3.05 (m, 4H); 3.06〜3.09 (m, 2H); 3.34 (s, 1H); 5.19 (s, 2H); 7.19 (d, J=8,4Hz, 2H); 7.30〜7.34 (m, 1H); 7.35〜7.47 (m, 5H); 7.73 (d, J=8.4Hz, 2H); 8.93 (s, 1H); 10.65 (s, 1H)。
【0118】
(実施例4)
(S)-3-[(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
4.1:(S)-3-[(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル
炭酸カリウム300mg(1.9mmol)および次いでヨウ化メチル0.2ml(3.1mmol)を、(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル(3.6に記載された通り調製した)800mg(1.6mmol)のジメチルホルムアミド15ml溶液に添加する。次いで、反応媒体を周囲温度で20時間撹拌し、加水分解し、次いで、酢酸エチルで希釈する。生成物を酢酸エチルで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過する。
濾液を真空下で濃縮し、(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル820mg(100%)を白色固体の形態で得る。
【0119】
4.2:(S)-3-[(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(S)-3-[(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル820mg(1.6mmol)を用いて、(S)-3-[(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸720mg(90%)を白色固体の形態で得る。
【0120】
4.3:(S)-3-[(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(S)-3-[(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸720mg(1.4mmol)を用いて、(S)-3-[(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド360mg(49%)を110℃の融点を有する白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 2.58〜2.63 (m, 2H); 2.65 (s, 3H); 2.67〜2.73 (m, 2H); 2.86 (s, 3H); 2.98〜3.05 (m, 4H); 3.05〜3.09 (m, 1H); 3.24〜3.25 (m, 1H); 3.28〜3.31 (m, 1H); 5.21 (s, 2H); 7.24 (d, J=8.9Hz, 2H); 7.34〜7.44 (m, 3H); 7.48 (d, J=7.2Hz, 2H); 7.72 (d, J=8.9Hz, 2H); 8.99 (s, 1H); 10.69 (s, 1H)。
【0121】
(実施例5)
(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
5.1:(S)-3-(4-ヒドロキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル
(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル(実施例3.6に記載された通り調製した)2.0g(3.9mmol)の、エタノール60ml、ジオキサン30mlおよび氷酢酸0.5ml中の溶液を窒素流下で脱気し、次いで10%のパラジウム炭素200mg(10重量%)のジオキサン3ml中の懸濁液を添加する。反応媒体を水素雰囲気下に置き、周囲温度で18時間撹拌する。セライトで濾過した後、濾液を加水分解し、次いで、生成物を酢酸エチルで抽出する。有機相を、水で洗浄し、次いで、塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮する。(S)-3-(4-ヒドロキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル1.65g(100%)を、白色固体の形態で得る。
【0122】
5.2:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル
炭酸セシウム280mg(0.85mmol)、その後4-クロロメチル-2-メチルキノリン160mg(0.85mmol)、その後ヨウ化カリウム15mgを、(S)-3-(4-ヒドロキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル300mg(0.71mmol)のアセトン10ml溶液に添加する。反応媒体を周囲温度で18時間撹拌し、濾過し、真空下で濃縮する。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、40/60ヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル130mg(32%)を白色固体の形態で得る。
【0123】
5.3:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニル-ピペリジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル130mg(0.2mmol)を用いて、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペリジン1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-プロパン酸120mg(99%)を白色固体の形態で得る。
【0124】
5.4:(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸123mg(0.2mmol)を用いて、(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)-ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド90mg(69%)を、185℃の融点を有する固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 2.54〜2.60 (m, 4H); 2.72 (s, 3H); 2.88 (s, 3H)、2.88〜2.93 (m, 1H); 3.01〜3.05 (m, 1H); 3.06〜3.12 (m, 4H); 3.13〜3.16 (t, J=7Hz, 1H); 5.76 (s, 2H); 7.38 (d, J=8Hz, 2H); 7.57 (s, 1H); 7.61〜7.66 (m, 2H); 7.78〜7.85 (m, 3H); 8.02 (d, J=8.2Hz, 1H); 8.15 (d, J= 8.2Hz, 1H); 8.98 (s, 1H); 10.71 (s, 1H)。
【0125】
(実施例6)
(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
6.1:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル
実施例5.2と同様にして、4-クロロ-2-メチルキノリン160mg(0.9mmol)および(S)-3-(4-ヒドロキシ-ベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル(5.1に記載されている通り調製した)300mg(0.7mmol)を用いて、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-プロパン酸メチル130mg(32%)を白色固体の形態で得る。
【0126】
6.2:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル240mg(0.6mmol)を用いて、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゼン-スルホニルアミノ]-プロパン酸210mg(91%)を白色固体の形態で得る。
【0127】
6.3:(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸210mg(0.4mmol)を用いて、(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ナフタレン-1-イルメトキシ)-ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド70mg(33%)を148℃の融点を有するベージュ色の固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 2.45 (m, 2H); 2.60 (m, 2H); 2.85 (s, 3H); 2.90〜3.05 (m, 4H); 3.06〜3.15 (m, 2H); 3.35 (s, 1H); 5.66 (s, 2H); 7.30 (d, J=8.4Hz, 2H); 7.50〜7.60 (m, 4H); 7.70 (d, J=6.2Hz, 1H); 7.77 (d, J=8.2Hz, 2H); 7.95〜8.05 (m, 2H); 8.10 (d, J=6.4Hz, 1H); 8.94 (s, 1H); 10.70 (s, 1H)。
【0128】
(実施例7)
(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-(4-プロポキシベンゼン-スルホニルアミノ)-プロピオンアミド
7.1:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-(4-プロポキシベンゼンスルホニルアミノ)プロパン酸メチル
実施例5.2と同様にして、1-ブロモプロパン0.1ml(1.3mmol)および(S)-3-(4-ヒドロキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル(5.1に記載された通り調製した)400mg(0.95mmol)を用いて、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-(4-プロポキシベンゼンスルホニルアミノ)プロパン酸メチル220mg(50%)を、無色の油の形態で得る。
【0129】
7.2:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-(4-プロポキシベンゼンスルホニルアミノ)プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-(4-プロポキシベンゼンスルホニルアミノ)プロパン酸メチル220mg(0.5mmol)を用いて、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-(4-プロポキシベンゼンスルホニルアミノ)プロパン酸190mg(90%)を白色固体の形態で得る。
【0130】
7.3:(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-(4-プロポキシベンゼンスルホニルアミノ)-プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-(4-プロポキシベンゼンスルホニルアミノ)プロパン酸190mg(0.4mmol)を用いて、(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-(4-プロポキシベンゼンスルホニルアミノ)プロピオンアミド30mg(16%)を137℃の融点を有する白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 0.91 (t, J=7.3Hz, 3H); 1.63〜1.73 (m, 2H); 2.45 (m, 2H); 2.55 (m, 2H); 2.77 (s, 3H); 2.82 (m, 1H); 2.83〜2.95 (m, 4H); 2.95〜3.05 (m, 2H); 3.94 (t, J=6.4Hz, 2H); 7.03 (d, J=8.7Hz, 2H); 7.38 (m, 1H); 7.65 (d, J=8.7Hz, 2H); 8.85 (s, 1H); 10.58 (s, 1H)。
【0131】
(実施例8)
(S)-3-[4-(3-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
8.1:(S)-3-[4-(3-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル
実施例5.2と同様にして、3-(ブロモメチル)ベンゾニトリル205mg(1mmol)および(S)-3-(4-ヒドロキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル(実施例5.1に記載された通り調製した)400mg(0.95mmol)を用いて、(S)-3-[4-(3-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル295mg(58%)を白色固体の形態で得る。
【0132】
8.2:(S)-3-[4-(3-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(S)-3-[4-(3-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル295mg(0.5mmol)を用いて、(S)-3-[4-(3-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸270mg(94%)を白色固体の形態で得る。
【0133】
8.3:(S)-3-[4-(4-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(S)-3-[4-(3-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸264mg(0.5mmol)を用いて、(S)-3-[4-(3-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)プロピオンアミド107mg(40%)を、108℃の融点を有するベージュ色の粉末の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 2.55 (m, 4H); 2.84 (s, 3H); 2.95〜3.05 (m, 4H); 3.10 (t, J=6.4Hz, 1H); 3.34 (m; 2H); 5.26 (s, 2H); 7.22 (d, J=8.6Hz, 2H); 7.50 (s, 1H); 7.64 (t, J=7.6Hz, 1H); 7.76 (d, J=8.6Hz, 2H); 7.83 (t, J=8Hz, 2H); 7.96 (s, 1H); 8.93 (s, 1H); 10.66 (s, 1H)。
【0134】
(実施例9)
(S)-3-[4-(4-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
9.1:(S)-3-[4-(4-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル
実施例5.2と同様にして、(S)-3-(4-ヒドロキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル(5.1に記載された通り調製した)400mg(1mmol)および4-(ブロモメチル)ベンゾニトリル205mg(1.1mmol)を用いて、(S)-3-[4-(4-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル229mg(45%)を白色固体の形態で得る。
【0135】
9.2:(S)-3-[4-(4-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(S)-3-[4-(4-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル229mg(0.4mmol)を用いて、(S)-3-[4-(4-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸202mg(91%)を、白色固体の形態で得る。
【0136】
9.3:(S)-3-[4-(4-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(S)-3-[4-(4-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-プロパン酸197mg(0.4mmol)を用いて、(S)-3-[4-(4-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタン-スルホニル-ピペラジン-1-イル)プロピオンアミド81mg(40%)を、109℃の融点を有するベージュ色の粉末の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 2.50〜2.60 (m, 4H); 2.84 (s, 3H); 2.96 〜3.01 (m, 4H); 3.09 (t, J=7Hz, 1H); 3.34 (s, 2H); 5.32 (s, 2H); 7.22 (d, J=8.8Hz, 2H); 7.50 (m, 1H); 7.66 (d, J=8.1Hz, 2H); 7.75 (d, J=8.8Hz, 2H); 7.89 (d, J=8.1Hz, 2H); 8.93 (s, 1H); 10.66 (s, 1H)。
【0137】
(実施例10)
ベンジル4-{(S)-1-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]エチル}ピペラジン-1-カルボキシレート
10.1:ビス(2-クロロエチル)カルバミン酸ベンジル
クロロギ酸ベンジル13.2ml(92mmol)を、ビス(2-クロロエチルアミン)塩酸塩15g(84mmol)、トリエチルアミン26ml(185mmol)の、事前に15分間撹拌されたジクロロメタン200mlおよびテトラヒドロフラン70ml中の、0℃に冷却された溶液にゆっくりと添加し、次いで、トリエチルアンモニウムクロリドを除去するために濾過する。反応媒体を周囲温度で18時間撹拌する。水を添加した後、反応媒体を酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させる。粗残留物20gが得られ、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、8/2ヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。ビス(2-クロロエチル)カルバミン酸ベンジル6g(26%)がこのようにして得られる。
【0138】
10.2:ベンジル4-((S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミド-1-メトキシカルボニルエチル)ピペラジン-1-カルボキシレート
ビス(2-クロロエチル)カルバミン酸ベンジル5.5g(20mmol)および2アミノ-3-tert-ブトキシプロパン酸メチル塩酸塩5.1g(20mmol)のジイソプロピルエチルアミン40ml中溶液を127℃で18時間加熱する。冷却後、反応媒体を蒸発乾固させる。粗残留物17gが得られ、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、9/1から4/6までのヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。ベンジル4-((S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミド-1-メトキシカルボニルエチル)ピペラジン-1-カルボキシレート1.6g(19%)。
【0139】
10.3:ベンジル4-(2-アミノ-1-メトキシカルボニルエチル)ピペラジン-1-カルボキシレート二塩酸塩
ベンジル4-((S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-1-メトキシカルボニルエチル)ピペラジン-1-カルボキシレート1.45g(3.4mmol)の、5〜6Nの濃度を有する塩酸のイソプロパノール溶液3.5mlおよびメタノール10ml中の溶液を、40℃で3時間加熱し、次いで蒸発させる。残留物をジエチルエーテル中に溶解させ、濾過する。ベンジル4-(2-アミノ-1-メトキシカルボニルエチル)ピペラジン-1-カルボキシレート二塩酸塩1.2g(90%)を固体の形態で得る。
【0140】
10.4:ベンジル4-[(S)-2-(4-ヒドロキシベンゼンスルホニルアミノ)-1-メトキシカルボニルエチル]ピペラジン-1-カルボキシレート
トリエチルアミン2.1ml(15mmol)、次いで、ジクロロメタン20ml中の4-ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリド920mg(5mmol)を、ベンジル4-(2-アミノ-1-メトキシカルボニルエチル)ピペラジン-1-カルボキシレート二塩酸塩1.1g(3mmol)の、事前に0℃まで冷却されたジクロロメタン30ml溶液に滴下添加する。次いで、反応媒体を周囲温度で18時間撹拌する。水を添加した後、反応媒体をジクロロメタンで抽出する。有機相を水で洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮する。得られた粗残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、50/50ヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。ベンジル4-[2-(4-ヒドロキシベンゼンスルホニルアミノ)-1-メトキシカルボニルエチル]ピペラジン-1-カルボキシレート60mg(46%)を、白色固体の形態で得る。
【0141】
10.5:ベンジル4-{(S)-1-メトキシカルボニル-2-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-エチル}ピペラジン-1-カルボキシレート
実施例5.2と同様にして、4-クロロメチル-2-メチルキノリン260mg(1.4mmol)およびベンジル4-[(S)-2-(4-ヒドロキシベンゼンスルホニルアミノ)-1-メトキシカルボニルエチル]-ピペラジン-1-カルボキシレート600mg(1.3mmol)を用いて、ベンジル4-{(S)-1-メトキシカルボニル-2-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]エチル}ピペラジン-1-カルボキシレート320mg(40%)を、白色固体の形態で得る。
【0142】
10.6:ベンジル4-{(S)-1-カルボキシ-2-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシベンゼンスルホニルアミノ]エチル}-ピペラジン-1-カルボキシレート
実施例3.7と同様にして、ベンジル4-{(S)-1-メトキシカルボニル-2-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]エチル}ピペラジン-1-カルボキシレート160mg(0.25mmol)を用いて、ベンジル4-{(S)-1-カルボキシ-2-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ-ベンゼンスルホニルアミノ]エチル}ピペラジン-1-カルボキシレート135mg(87%)を、ベージュ色の固体の形態で得る。
【0143】
10.7:ベンジル4-{(S)-1-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-エチル}ピペラジン-1-カルボキシレート
実施例3.8と同様にして、ベンジル4-{(S)-1-カルボキシ-2-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシベンゼンスルホニルアミノ]エチル}ピペラジン-1-カルボキシレート135mg(0.2mmol)を用いて、ベンジル4-{(S)-1-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]エチル}-ピペラジン-1-カルボキシレート115mg(82%)を、162℃の融点を有する白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 2.35〜2.45 (m, 4H); 2.70 (s, 3H); 2.80〜2.90 (m, 1H); 2.95〜3.05 (m, 1H); 3.05〜3.10 (m, 1H); 3.25〜3.40 (m, 4H); 5.05 (s, 2H); 5.74 (s, 2H); 7.29〜7.40 (m, 7H); 7.55 (m, 1H); 7.60〜7.70 (m, 2H); 7.79 (d, J=8.8Hz, 3H); 8.01 (d, J=8Hz, 1H); 8.14 (d, J=8Hz, 1H); 8.91 (s, 1H); 10.67 (s, 1H)。
【0144】
(実施例11)
(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-フェニルピリジン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
11.1:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-フェニルピリジン-4-イルメトキシ)ベンゼン-スルホニルアミノ]プロパン酸メチル
アゾジカルボン酸ジエチル0.23ml(1.4mmol)を、(S)-3-(4-ヒドロキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル(実施例5.1に記載された通り調製した)400mg(0.9mmol)、(2-フェニルピリジン-4-イル)メタノール193mg(1.0mmol)およびトリフェニルホスフィン373mg(1.4mmol)のテトラヒドロフラン4ml溶液にゆっくりと添加する。反応混合物を1時間、周囲温度で撹拌し、次いで蒸発乾固する。得られた残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、60/40ヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-フェニルピリジン-4-イルメトキシ)-ベンゼン-スルホニルアミノ]プロパン酸メチル318mg(57%)を、白色粉末の形態で得る。
【0145】
11.2:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-フェニルピリジン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニル-アミノ]プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-フェニルピリジン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル317mg(0.5mmol)を用いて、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-フェニルピリジン-4-イルメトキシ)ベンゼン-スルホニルアミノ]プロパン酸298mg(96%)を、白色固体の形態で得る。
【0146】
11.3:(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-フェニルピリジン-4-イルメトキシ)-ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(S)-2-(4-メタン-スルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-フェニルピリジン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸293mg(0.5mmol)を用いて、(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-フェニルピリジン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド64mg(21%)を、100℃の融点を有する白色粉末の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 2.52〜2.59 (m, 4H); 2.84 (s, 3H); 2.85〜2.90 (m, 1H); 2.90〜3.00 (m, 1H); 3.00〜3.08 (m, 4H); 3.10 (t, J=7.0Hz, 1H); 5.35 (s, 2H); 7.26 (d, J=8.9Hz, 2H); 7.42 (m, 1H); 7.45〜7.55 (m, 4H); 7.78 (d, J=8.8Hz, 2H); 8.03 (s, 1H); 8.10 (d, J=7.0Hz, 2H); 8.69 (d, J=5.0Hz, 1H); 8.93 (s, 1H); 10.66 (s, 1H)。
【0147】
(実施例12)
(R)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
12.1:(R)-3-tert-ブトキシカルボニルアミド-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル
実施例3.2と同様にして、N,N-ビス(2-クロロエチル)-メタンスルホンアミド(3.1に記載された通り調製した)3.8g(17mmol)および市販の(R)-2-アミノ-3-tert-ブトキシプロパン酸メチル塩酸塩4g(16mmol)を用いて、(R)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル2.6g(46%)を、淡黄色の固体の形態で得る。
【0148】
12.2:(R)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル二塩酸塩
実施例3.3と同様にして、(R)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル2.5g(7mmol)を用いて、(R)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル2.3g(100%)を得る。
【0149】
12.3:(R)-3-(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル
実施例3.6と同様にして、4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルクロリド(実施例3.5に記載された通り調製した)2.4g(8.4mmol)および(R)-3-アミノ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル二塩酸塩2.3g(7.6mmol)を用いて、(R)-3-(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル3g(77%)を固体の形態で得る。
【0150】
12.4:(R)-3-(4-ヒドロキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル
実施例5.1と同様にして、(R)-3-(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル3g(5.9mmol)を用いて、(R)-3-(4-ヒドロキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル2g(80%)を、白色固体の形態で得る。
【0151】
12.5:(R)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼン-スルホニルアミノ]プロパン酸メチル
実施例5.2と同様にして、(R)-3-(4-ヒドロキシ-ベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル1g(2.4mmol)および4-クロロメチル-2-メチルキノリン500mg(2.6mmol)を用いて、(R)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル740mg(53%)を、固体の形態で得る。
【0152】
12.6:(R)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニル-アミノ]プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(R)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル740mg(1.3mmol)を用いて、(R)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)-ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸622mg(86%)を得る。
【0153】
12.7:(R)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)-ベンゼン-スルホニルアミノ]プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(R)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸620mg(1.1mmol)を用いて、(R)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド465mg(73%)を、白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 2.53 (m, 4H); 2.68 (s, 3H); 2.84 (s, 3H); 2.85 (m, 2H); 2.95〜3.05 (m, 4H); 3.10 (m, 1H); 5.72 (s, 2H); 7.35 (d, J=8.8Hz, 2H); 7.52 (m, 1H); 7.57〜7.62 (m, 2H); 7.75〜7.82 (m, 3H); 7.98 (d, J=8.4Hz, 1H); 8.11 (d, J=8.16Hz, 1H); 8.93 (s, 1H); 10.70 (s, 1H)。
【0154】
(実施例13)
(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-ピペラジン-1-イルプロピオンアミド
13.1:ベンジル4-{(S)-1-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-エチル}ピペラジン-1-カルボキシレート:
実施例3.8と同様にして、ベンジル4-{(S)-1-カルボキシ-2-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシベンゼンスルホニルアミノ]エチル}ピペラジン-1-カルボキシレート(10.6に記載された通り調製した)135mg(0.2mmol)を用いて、ベンジル4-{(S)-1-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]エチル}ピペラジン-1-カルボキシレート115mg(82%)を、162℃の融点を有する白色固体の形態で得る。
【0155】
13.2:(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-ピペラジン-1-イルプロピオンアミド
ベンジル4-{(S)-1-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]エチル}ピペラジン-1-カルボキシレート90mg(0.15mmol)を、ジクロロメタン5mlおよびトリフルオロ酢酸5mlの溶液中に入れる。次いで、反応媒体を周囲温度で96時間撹拌する。トリフルオロ酢酸の蒸発後、残留物を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液5mlで溶解させ、n-ブタノールで抽出する。有機相を、水で洗浄し、次いで、塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮する。得られた粗生成物を50/50ヘプタン/酢酸エチル混合物中に溶解させ、1時間撹拌し、次いで濾過し、真空下で乾燥する。(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-ピペラジン-1-イルプロピオンアミド50mg(70%)を225℃の融点を有するベージュ色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 2.35〜2.45 (m, 4H); 2.67 (s, 3H); 2.70 (m, 4H); 2.80〜3.00 (m, 2H); 3.15 (s, 1H); 5.72 (s, 2H); 7.35 (d, J=8.6Hz, 2H); 7.70〜7.80 (m, 3H); 7.98 (d, J=8.4Hz, 1H); 8.12 (d, J=8.2Hz, 1H)。
【0156】
(実施例14)
(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド塩酸塩
5〜6Nの濃度を有する塩酸のイソプロパノール溶液0.2ml(1.3mmol)を、(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド(実施例14に記載された通り調製した)301mg(0.5mmol)のイソプロパノール10ml溶液に添加する。周囲温度で1時間撹拌した後、生成物が沈殿する。濾過によって、(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド塩酸塩927mgを、白色粉末の形態で得る。この固体を、30ml/5mlイソプロパノール/水混合物から再結晶させる。(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-プロピオンアミド176mg(52%)を、209℃の融点を有する白色粉末の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 2.67 (m, 4H); 2.87 (s, 3H); 2.93 (s, 3H); 3.00〜3.15 (m, 4H); 3.22 (m, 1H); 3.35〜3.90 (m, 2H); 5.94 (s, 2H); 7.42 (d, J=8.7Hz, 2H); 7.64 (m, 1H); 7.83〜7.90 (m, 3H); 7.98 (m, 1H); 8.05 (m, 1H); 8.30 (d, J=7.6Hz; 1H); 8.38 (d, J=8.5Hz, 1H); 9.00 (m, 1H); 10.75 (m, 1H)。
【0157】
(実施例15)
tert-ブチル3-{4-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチルスルファモイル]フェノキシメチル}-2-メチルインドール-1-カルボキシレート二(トリフルオロ酢酸塩)
15.1:tert-ブチル3-{4-[(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-2-メトキシカルボニルエチルスルファモイル]-フェノキシメチル}-2-メチルインドール-1-カルボキシレート
実施例11.1と同様にして、(S)-3-(4-ヒドロキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル(実施例5.1に記載された通り調製した)400mg(0.95mmol)および市販のtert-ブチル3-ヒドロキシメチル-2-メチルインドール-1-カルボキシレート248mg(0.95mmol)を用いて、tert-ブチル3-{4-[(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-2-メトキシカルボニルエチルスルファモイル]フェノキシメチル}-2-メチルインドール-1-カルボキシレート326mg(52%)を、ベージュ色の粉末の形態で得る。
【0158】
15.2:tert-ブチル3-{4-[(S)-2-カルボキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-エチルスルファモイル]フェノキシ-メチル}-2-メチルインドール-1-カルボキシレート
実施例3.7と同様にして、tert-ブチル3-{4-[(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-2-メトキシカルボニルエチルスルファモイル]フェノキシメチル}-2-メチルインドール-1-カルボキシレート325mg(0.5mmol)を用いて、tert-ブチル3-{4-[(S)-2-カルボキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチルスルファモイル]フェノキシメチル}-2-メチルインドール-1-カルボキシレート179mg(100%)を、黄色粉末の形態で得る。
【0159】
15.3:tert-ブチル3-{4-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチルスルファモイル]-フェノキシメチル}-2-メチルインドール-1-カルボキシレート二(トリフルオロ酢酸塩)
O-tert-ブチルジメチルシリルヒドロキシルアミン45mg(0.3mmol)の、ジメチルホルムアミド1ml中の溶液を、tert-ブチル3-{4-[(S)-2-カルボキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチルスルファモイル]フェノキシメチル}-2-メチル-インドール-1-カルボキシレート179mg(0.3mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール41mg(0.3mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩58mg(0.3mmol)の、ジメチルホルムアミド3ml溶液に添加する。反応混合物を周囲温度で18時間撹拌する。水を加え、次いでジクロロメタンで抽出した後、有機相を合わせ、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残留物を、分取HPLC(Gemini C6フェニルカラム、150×3mm、3μm;UV検出器:190〜420 nm;流速:0.3 ml/mn;溶媒A:CH3CN+0.02%トリフルオロ酢酸;溶媒B:水+0.02%トリフルオロ酢酸)によって精製する。
勾配:
時間 組成
0.0分 A=5% B=95%
20.0分 A=98% B=2%
30.0分 A=98% B=2%
保持時間:14.6分, M +1 =666.1.
様々な画分の濃縮後、tert-ブチル3-{4-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチルスルファモイル]フェノキシメチル}-2-メチルインドール-1-カルボキシレート二(トリフルオロ酢酸塩)21mg(10%)を得る。
【0160】
(実施例16)
(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
16.1:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニル-アミノ]プロパン酸メチル
実施例5.2と同様に、4-クロロメチルキノリン440mg(2.5mmol)および(5.1に記載されている通り調製した)(S)-3-(4-ヒドロキシベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル950mg(2.2mmol)を用いて、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル550mg(43%)を無色の油の形態で得る。
【0161】
16.2:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル550mg(1.0mmol)を用いて、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-プロパン酸450mg(83%)を、白色固体の形態で得る。
【0162】
16.3:(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニル-アミノ]プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸450mg(0.8mmol)を用いて、(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド260mg(56%)を180℃の融点を有する白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 2.52〜2.54 (m, 4H); 2.84 (s, 3H); 2.87 (m, 1H); 2.97 (m, 1H); 2.98〜3.05 (m, 4H)、3.11 (t, J=7Hz, 1H); 5.78 (s, 2H); 7.34 (d, J=8.8Hz, 2H); 7.52 (m, 1H); 7.66〜7.72 (m, 2H); 7.78〜7.84 (m, 3H); 8.10 (d, J=8.3Hz, 1H); 8.19 (d, J=8.2Hz, 1H); 8.93 (s, 1H); 8.94 (s, 1H); 10.67 (s, 1H)。
【0163】
(実施例17)
(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
17.1:4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホン酸のナトリウム塩
4-クロロメチル-2-メチルキノリン塩酸塩100g(438mmol)を、4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸のナトリウム塩77g(395mmol)および1Mの濃度を有する水酸化ナトリウムの水溶液84ml(84mmol)のイソプロパノール800ml溶液に添加する。反応媒体を、70℃で5時間加熱し、次いで、40℃で18時間加熱する。
イソプロパノールを蒸発した後、得られた生成物を、濾過し、イソプロパノールおよびジエチルエーテルですすぎ、次いで、真空下で乾燥する。4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホン酸のナトリウム塩114g(75%)を白色固体の形態で得る。
【0164】
17.2:4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニル塩化物
ジメチルホルムアミド500ml中の4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホン酸のナトリウム塩76g(216mmol)を、事前に-10℃に冷却した、塩化オキサリル55ml(649mmol)のジクロロメタン100ml溶液に滴下添加する。添加後、反応媒体を周囲温度で18時間撹拌する。次いで、反応媒体を、氷1l中に注ぎ、次いで、酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせ、水で洗浄し、次いで、塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮する。4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニル塩化物塩酸塩77g(92%)をベージュ色の固体の形態で得る。
【0165】
17.3:ベンジルビス(2-クロロエチル)アミン
炭酸カリウム21g(152mmol)、次いで、臭化ベンジル8ml(67mmol)を、ビス(2-クロロエチル)アミン塩酸塩10g(56mol)のアセトニトリル溶液130mlに添加し、次いで、反応媒体を、60℃で24時間加熱する。濾過後、濾液を真空下で濃縮する。粗残留物を、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、90/10ヘプタン/酢酸エチル混合物で行い、ベンジルビス(2-クロロエチル)アミン8.5g(65%)を得る。
【0166】
17.4:(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-tert-ブトキシカルボニルアミドプロパン酸メチル
市販の(S)-2-アミノ-3-tert-ブトキシカルボニルアミド-プロパン酸メチル塩酸塩5.9g(23mmol)およびベンジルビス(2-クロロエチル)アミン9.6g(23mmol)の、N,N-ジイソプロピルエチルアミン50ml中の溶液を、127℃で3時間30加熱する。N,Nジイソプロピルエチルアミンの蒸発後、反応媒体を加水分解し、次いで、酢酸エチルで抽出する。有機相を、1Nの濃度を有する水酸化ナトリウムの水溶液で、次いで水で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、50/50ヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-tert-ブトキシカルボニルアミドプロパン酸メチル8.9g(64%)を、黄色油の形態で得る。
【0167】
17.5:(S)-3-アミノ-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル三塩酸塩
(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノプロパン酸メチル8.9g(23.5mmol)を、メタノール60mlおよび5〜6Nの濃度を有するイソプロパノール性塩酸20ml中の溶液に入れる。反応媒体を、40℃で18時間撹拌し、次いで、真空下で濃縮する。(S)-3-アミノ-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル三塩酸塩9.0g(100%)をベージュ色の固体の形態で得る。
【0168】
17.6:(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニル-アミノ]プロパン酸メチル
実施例3.6と同様にして、(S)-3-アミノ-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル三塩酸塩1.0g(2.6mmol)および塩酸塩の形態の4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルクロリド1.1g(2.8mmol)を用いて、(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル750mg(50%)を、ベージュ色の固体の形態で得る。
【0169】
17.7:(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル750mg(1.3mmol)を用いて、(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸680mg(93%)を白色固体の形態で得る。
【0170】
17.8:(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸680mg(1.2mmol)を用いて、(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド250mg(36%)を188℃の融点を有する白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 2.33 (m, 4H); 2.49 (m, 4H); 2.73 (s, 3H); 2.80〜2.90 (m, 1H); 3.00〜3.10 (m, 2H); 2.46 (m, 2H); 5.77 (s, 2H); 7.25〜7.40 (m, 7H); 7.50(m, 1H); 7.61〜7.67 (m, 2H); 7.78〜7.85 (m, 3H); 8.04 (d, J=8Hz, 1H); 8.17 (d, J=8.2Hz, 1H); 8.95 (s, 1H); 10.65 (s, 1H)。
【0171】
(実施例18)
(S)-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
18.1:ビス(2-クロロエチル)(4-フルオロベンジル)アミン
実施例17.3と同様にして、ビス(2-クロロエチル)アミン塩酸塩5g(28mmol)および1-ブロモメチル-4-フルオロベンゼン3.8ml(31mmol)を用いて、ビス(2-クロロエチル)(4-フルオロベンジル)アミン6.9g(98%)を得る。
【0172】
18.2:(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル
実施例17.4と同様にして、(S)-2-アミノ-3-tert-ブトキシカルボニルアミノプロパン酸メチル塩酸塩7.1g(28mmol)およびビス(2-クロロエチル)(4-フルオロベンジル)アミン6.9g(28mmol)を用いて、(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル5.3g(48%)を油の形態で得る。
【0173】
18.3:(S)-3-アミノ-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル三塩酸塩
実施例17.5と同様にして、(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル5.3g(13.4mmol)を用いて、(S)-3-アミノ-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル三塩酸塩5.4g(100%)をベージュ色固体の形態で得る。
【0174】
18.4:(S)-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル
実施例3.6と同様にして、(S)-3-アミノ-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル三塩酸塩1.5g(3.7mmol)および4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルクロリド塩酸塩(17.2に記載された通り調製した)1.6g(4.1mmol)を用いて、(S)-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニル-アミノ]プロパン酸メチル1.0g(46%)を、白色固体の形態で得る。
【0175】
18.5:(S)-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニル-アミノ]プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(S)-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル1.1g(1.7mmol)を用いて、(S)-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼン-スルホニルアミノ]プロパン酸1.0g(100%)を、白色固体の形態で得る。
【0176】
18.6:(S)-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(S)-2-[4-(4-フルオロベンジル)-ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸990mg(1.7mmol)を用いて、(S)-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)-ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド330mg(33%)を、180℃の融点を有する白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 2.20〜2.30 (m, 4H); 2.35〜2.45 (m, 4H); 2.66 (s, 3H); 2.72〜2.80 (m, 1H); 2.87〜3.00 (m, 2H); 3.38 (s, 2H); 5.70 (s, 2H); 7.10 (t, J=8.8Hz, 2H); 7.26〜7.33 (m, 4H); 7.56〜7.60(m, 2H); 7.73〜7.78 (m, 3H); 7.97 (d, J=8.4Hz, 1H); 8.10 (d, J=8,2Hz, 1H)。
【0177】
(実施例19)
(S)-2-(4-エチル-ピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イル-メトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
19.1:ビス(2-クロロエチル)エチルアミン
塩化チオニル24ml(330mmol)を2-[エチル(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール20g(150mmol)の事前に0℃まで冷却されたジクロロメタン200ml溶液に滴下添加し、次いで、反応媒体を周囲温度で20時間撹拌する。炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液の添加後、生成物をジクロロメタンで抽出する。次いで、得られた有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮する。ビス(2-クロロエチル)エチルアミン19.5g(76%)を、油の形態で得る。
【0178】
19.2:(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル
市販の(S)-2-アミノ-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロパン酸メチル塩酸塩5.0g(19.6mmol)およびビス(2-クロロエチル)エチルアミン3.3g(19.6mmol)のN,N-ジイソプロピルエチルアミン50ml中溶液を127℃で5時間加熱する。最大量のジイソプロピルエチルアミンの蒸発後、反応媒体を酢酸エチルで希釈し、1Nの濃度を有する水酸化ナトリウム水溶液で洗浄する。次いで、得られた有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、30/70ヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル2.5g(40%)を、油の形態で得る。
【0179】
19.3:(S)-3-アミノ-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル三塩酸塩
(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミド-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル2.5g(7.9mmol)を、メタノール20mlおよび5〜6Nの濃度を有するイソプロパノール性塩酸10mlに入れる。反応媒体を40℃で3時間加熱し、次いで、蒸発乾固する。残留物をエタノール50mlに溶解させ、周囲温度で1時間撹拌し、次いで濾過する。(S)-3-アミノ-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル三塩酸塩1.4g(54%)をベージュ色の固体の形態で得る。
【0180】
19.4:(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-プロパン酸メチル
実施例3.6と同様にして、(S)-3-アミノ-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル三塩酸塩700mg(2.1mmol)および4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルクロリド塩酸塩(17.2に記載されている通り調製した)900mg(2.3mmol)を用いて、(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-プロパン酸メチル740mg(67%)を、白色固体の形態で得る。
【0181】
19.5:(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル740mg(1.4mmol)を用いて、(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸630mg(87%)を、白色固体の形態で得る。
【0182】
19.6:(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニル-アミノ]プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸630mg(1.2mmol)を用いて、(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド60mg(8%)を、150℃の融点を有する白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 2.49 (s, 3H); 2.55〜2.65 (m, 2H); 2.69 (s, 3H); 2.70〜2.90 (m, 6H); 2.90〜3.00 (m, 2H); 3.13 (t, J=7.3Hz, 1H); 3.20〜3.35 (m, 2H); 3.36 (s, 2H); 5.72 (s, 2H); 7.35 (d, J=8.9Hz, 2H); 7.58〜7.62 (m, 3H); 7.74〜7.81 (m, 3H); 7.98 (d, J=7.9Hz, 1H); 8.12 (d, J=8.3Hz, 1H); 9.03 (s, 1H)、10.82 (s, 1H)。
【0183】
(実施例20)
(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(4-トリフルオロメチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロピオンアミド
20.1:ビス-(2-クロロエチル)(4-トリフルオロメチルベンジル)アミン
実施例32.3と同様にして、ビス(2-クロロエチル)アミン塩酸塩5.0g(28mmol)および1-ブロモメチル-4-トリフルオロメチルベンゼン7.4g(31mmol)を用いて、ビス(2-クロロエチル)(4-トリフルオロメチルベンジル)アミン混合物5g(59%)を、無色の油の形態で得る。
【0184】
20.2:(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(4-トリフルオロメチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル
(S)-2-アミノ-3-tert-ブトキシカルボニルアミノプロパン酸メチル塩酸塩4.2g(16.5mmol)およびビス(2-クロロエチル)(4-トリフルオロメチルベンジル)アミン4.95g(16.5mmol)のN,N-ジイソプロピルエチルアミン25ml中溶液を127℃で6時間加熱する。最大量のジイソプロピルエチルアミンの蒸発後、反応媒体を酢酸エチルで希釈し、1Nの濃度を有する水酸化ナトリウム水溶液で洗浄する。得られた有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮する。粗残留物を、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、60/40ヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(4-トリフルオロメチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル4.0g(55%)を、油の形態で得る。
【0185】
20.3:(S)-3-アミノ-2-[4-(4-トリフルオロメチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル三塩酸塩
実施例17.5と同様にして、(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(4-トリフルオロメチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル4g(9.1mmol)を用いて、(S)-3-アミノ-2-[4-(4-トリフルオロメチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル3.8g(93%)を、ベージュ色の固体の形態で得る。
【0186】
20.4:(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(4-トリフルオロメチル-ベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル
実施例3.6と同様にして、(S)-3-アミノ-2-[4-(4-トリフルオロメチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル三塩酸塩1.0g(2.2mmol)および4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルクロリド塩酸塩(実施例17.2に記載された通り調製した)1.2g(3.1mmol)を用いて、(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼン-スルホニルアミノ]-2-[4-(4-トリフルオロメチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル910mg(65%)を、白色固体の形態で得る。
【0187】
20.5:(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(4-トリフルオロメチルベンジル)-ピペラジン-1-イル]プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(4-トリフルオロメチルベンジル)ピペラジン-1-イル]-プロパン酸メチル910mg(1.4mmol)を用いて、(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(4-トリフルオロメチルベンジル)-ピペラジン-1-イル]プロパン酸790mg(88%)を、白色固体の形態で得る。
【0188】
20.6:(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(4-トリフルオロメチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(4-トリフルオロメチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸790mg(1.2mmol)を用いて、(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(4-トリフルオロ-メチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロピオンアミド550mg(68%)を、148℃の融点を有する白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 2.21 (m, 4H); 2.38 (m, 4H); 2.58 (s, 3H); 2.69〜2.75 (m, 1H); 2.85〜2.93 (m, 1H); 2.93〜2.98 (m, 1H); 3.42 (s, 2H); 5.63 (s, 2H); 7.25 (d, J=9Hz, 2H); 7.40 (d, J=8Hz, 3H); 7.47〜7.53 (m, 2H); 7.57 (d, J=8.1Hz, 2H); 7.65〜7.72 (m, 3H); 7.90 (d, J=7.9Hz, 1H); 8.03 (d, J=7.8Hz, 1H); 8.83 (s, 1H)、10.56 (s, 1H)。
【0189】
(実施例21)
(S)-N-ヒドロキシ-2-[4-(4-メチルベンジル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
21.1:ビス(2-クロロエチル)(4-メチルベンジル)アミン
実施例17.3と同様にして、ビス(2-クロロエチル)アミン塩酸塩5.0g(28mmol)および1-ブロモメチル-4-メチルベンゼン5.7g(31mmol)を用いて、ビス(2-クロロエチル)(4-メチルベンジル)アミン4.9g(71%)を得る。
【0190】
21.2:(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(4-メチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル
実施例17.4と同様にして、市販の(S)-2-アミノ-3-tert-ブトキシカルボニルアミノプロパン酸メチル塩酸塩5.1g(20mmol)およびビス(2-クロロエチル)(4-メチルベンジル)アミン4.9g(20mmol)を用いて、(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(4-メチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル4.1g(53%)を、油の形態で得る。
【0191】
21.3:(S)-3-アミノ-2-[4-(4-メチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル三塩酸塩
実施例19.3と同様にして、(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(4-メチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル4.1g(10.5mmol)を用いて、(S)-3-アミノ-2-[4-(4-メチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル三塩酸塩3.95g(94%)を、乳脂固体の形態で得る。
【0192】
21.4:(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(4-メチルベンジル)-ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル
実施例3.6と同様にして、(S)-3-アミノ-2-[4-(4-メチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル三塩酸塩1.0g(2.5mmol)および4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルクロリド塩酸塩(実施例17.2に記載された通り調製した)1.3g(3.5mmol)を用いて、(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(4-メチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル950mg(63%)を、白色固体の形態で得る。
【0193】
21.5:(S)-2-[4-(4-メチルベンジル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(S)-2-[4-(4-メチルベンジル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル950mg(1.6mmol)を用いて、(S)-2-[4-(4-メチルベンジル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸880mg(95%)を、乳脂固体の形態で得る。
【0194】
21.6:(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(4-メチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(4-メチルベンジル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸880mg(1.5mmol)を用いて、(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(4-メチルベンジル)-ピペラジン-1-イル]プロピオンアミド150mg(17%)を、170℃の融点を有する白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 2.25 (m, 4H); 2.25 (s, 3H); 2.43 (m, 4H); 2.67 (s, 3H); 2.80 (m, 1H); 2.95〜3.05 (m, 2H); 3.37 (m, 2H); 5.71 (s, 2H); 7.10 (q, J=8Hz, 4H); 7.33 (d, J=8.9Hz, 2H); 7.43 (m, 1H); 7.56〜7.61 (m, 2H); 7.73〜7.79 (m, 3H); 7.98 (d, J=8.3Hz, 1H); 8.11 (d, J=8.2Hz, 1H); 8.89 (s, 1H); 10.59 (s, 1H)。
【0195】
(実施例22)
(S)-3-[4-(ベンゾイソオキサゾール-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
22.1:ベンゾイソオキサゾール-3-イルメタノール
エチル1.2-ベンゾイソオキサゾール-3-カルボキシレート589mg(3.0mmol)のテトラヒドロフラン10ml中の溶液を、水素化リチウムアルミニウム129mg(3.5mmol)のテトラヒドロフラン5ml中の懸濁液に添加する。反応混合物を、60℃で1時間撹拌し、次いで、2mlのメタノールを滴下添加することによって処理し、セライトで濾過し、酢酸エチルですすぐ。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。得られた残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、60/40ヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。ベンゾイソオキサゾール-3-イルメタノール180mg(39%)を、白色固体の形態で得る。
【0196】
22.2:(S)-3-[4-(ベンゾイソオキサゾール-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル
実施例11.1と同様にして、(S)-3-(4-ヒドロキシ-ベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル(5.1に記載された通り調製した)494mg(1.2mmol)およびベンゾイソオキサゾール-3-イルメタノール175mg(1.2mmol)を用いて、(S)-3-[4-(ベンゾイソオキサゾール-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル459mg(71%)を油の形態で得る。
【0197】
22.3:(S)-3-[4-(ベンゾイソオキサゾール-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(S)-3-[4-(ベンゾイソオキサゾール-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル458mg(0.8mmol)を用いて、(S)-3-[4-(ベンゾイソオキサゾール-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸283mg(63%)を、白色固体の形態で得る。
【0198】
22.4:(S)-3-[4-(ベンゾイソオキサゾール-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(S)-3-[4-(ベンゾイソオキサゾール-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-エタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸283mg(0.5mmol)を用いて、(S)-3-[4-(ベンゾイソオキサゾール-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)プロピオンアミド231mg(80%)を、107℃の融点を有するベージュ色の固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 2.53〜2.55 (m, 4H); 2.88 (s, 3H); 2.90〜2.93 (m, 2H); 3.00〜3.10 (m, 4H); 3.13 (t, J=6.9Hz,1H); 5.77 (s, 2H); 7.35 (d, J=8.8Hz, 2H); 7.49 (t, J=7.5Hz, 1H); 7.57 (m, 1H); 7.75 (t, J=7.4Hz, 1H); 7.78〜7.87 (m, 3H); 8.01 (d, J=8Hz, 1H); 8.96 (m, 1H); 10.67 (m, 1H)。
【0199】
(実施例23)
(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)-ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
23.1:(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-ピペラジン-1-イルプロパン酸メチル
10%のパラジウム炭素2g(25重量%)を、(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノプロパン酸メチル(実施例17.4に記載された通り調製した)8g(21mmol)の、事前に窒素流下で脱気されたエタノール120ml中の溶液に添加する。次いで、反応媒体を水素大気圧下に24時間置き、次いで、セライトで濾過し、ジクロロメタンで十分にすすぐ。真空下で濃縮後、(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-ピペラジン-1-イルプロパン酸メチル6.1g(100%)を得る。
【0200】
23.2:(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル
トリエチルアミン1.2ml(8.3mmol)および次いで塩化イソブチリル0.8ml(7.6mmol)を、(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-ピペラジン-1-イルプロパン酸メチル2.0g(6.9mmol)の事前に0℃まで冷却されたジクロロメタン20ml溶液に添加する。周囲温度で1時間30撹拌後、水を添加する。反応媒体をジクロロメタンで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮する。得られた粗残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、50/50ヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-イソブチリル-ピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル2.0g(81%)を、無色の油の形態で得る。
【0201】
23.3:(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)プロパン酸
1Nの濃度を有する水酸化リチウムの水溶液10ml(10mmol)を、(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル2.0g(5.6mmol)のテトラヒドロフラン40mlおよび水8ml中の溶液に添加し、次いで、反応媒体を周囲温度で20時間撹拌する。1Nの濃度を有する酢酸の水溶液を添加した後、生成物をn-ブタノールで抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)プロパン酸1.5g(78%)を、白色固体の形態で得る。
【0202】
23.4:[(S)-2-アリルオキシカルバモイル-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)エチル]カルバミン酸tert-ブチル
O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート1.4g(4.4mmol)および次いでジイソプロピルエチルアミン2.3ml(13.1mmol)を、(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)プロパン酸1.5g(4.4mmol)のジメチルホルムアミド20ml溶液に添加する。周囲温度で15分間の撹拌後、O-アリルヒドロキシアミン塩酸塩500mg(4.6mmol)およびジイソプロピルエチルアミン0.8 ml(4.6mmol)のジメチルホルムアミド10ml溶液を添加する。反応媒体を、周囲温度で20時間撹拌し、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で加水分解し、次いで、酢酸エチルで希釈する。有機相を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、[(S)-2-アリルオキシカルバモイル-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)エチル]カルバミン酸tert-ブチル1.45g(83%)を、無色の油の形態で得る。
【0203】
23.5:(S)-N-アリルオキシ-3-アミノ-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド二塩酸塩
実施例19.3と同様にして、[(S)-2-アリルオキシカルバモイル-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)エチル]カルバミン酸tert-ブチル1.45g(3.6mmol)を用いて、(S)-N-アリルオキシ-3-アミノ-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド二塩酸塩1.4g(100%)を、白色固体の形態で得る。
【0204】
23.6:(S)-N-アリルオキシ-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼン-スルホニルアミノ]プロピオンアミド
4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルクロリド塩酸塩(32.2に記載された通り調製した)1.9g(5.1mmol)を、(S)-N-アリルオキシ-3-アミノ-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド二塩酸塩1.3g(3.6mmol)、トリエチルアミン2.0ml(14.5mmol)の、事前に0℃まで冷却されたジクロロメタン15mlおよびジメチルホルムアミド15ml中の溶液に添加する。次いで、反応媒体を0℃〜周囲温度で3時間にわたって撹拌する。水を添加した後、反応媒体を、ジクロロメタンで抽出する。有機相を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液および水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。
【0205】
粗残留物を、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、97/3ジクロロメタン/メタノール混合物で行う。(S)-N-アリルオキシ-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド900mg(41%)を、白色固体の形態で得る。
【0206】
23.7:(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)-ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム33mg(0.06mmol)および次いでカルバミン酸カリウム920mg(6.6mmol)を、(S)-N-アリルオキシ-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド670mg(1.1mmol)のメタノール15ml溶液に添加し、次いで、反応媒体を8時間還流する。酢酸エチルの添加後、反応媒体を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で洗浄する。次いで、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。粗生成物をエタノール6mlおよび水12ml中に溶解させ、次いで、可溶化が起こるまで80℃で加熱する。冷却後、最小量のエタノールを蒸発させることによって結晶化を開始させる。分取シリカ薄層クロマトグラフィーによって精製し、溶出を、97/3ジクロロメタン/メタノール混合物で行うことによって生成物120mgを得る。
【0207】
(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イル-メトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド20mg(3%)を、最終的にベージュ色の固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO) : 0.84 (s, 3H); 0.85 (s, 3H); 2.30〜2.44 (m, 2H); 2.52 (m, 2H); 2.67 (s, 3H); 2.77 (m, 1H); 2.85 (m, 2H); 2.95 (m, 1H); 3.35 (m, 4H); 5.71 (s, 2H); 7.33 (d, J=8.9Hz, 2H); 7.43 (m, 1H); 7.55〜7.62 (m, 2H); 7.72〜7.82 (m, 3H); 7.98 (d, J=8.4Hz, 1H); 8.11 (d, J=8.2Hz, 1H); 8.96 (m, 1H); 10.67 (m, 1H)。
【0208】
(実施例24)
(S)-N-ヒドロキシ-2-[4-(2-メチルプロパン-1-スルホニル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
24.1:(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(2-メチルプロパン-1-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル
2-メチルプロパン-1-スルホニルクロリド479mg(3.0mmol)を、メチル(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-ピペラジン-1-イルプロパン酸メチル(実施例23.1に記載された通り調製した)800mg(2.8mmol)およびトリエチルアミン775μl(5.5mmol)の、事前に0℃まで冷却されたジクロロメタン8ml中の溶液に添加する。反応媒体を、周囲温度で18時間撹拌し、次いで水を添加し、媒体をジクロロメタンで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。得られた残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、5/5ヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(2-メチルプロパン-1-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル785mg(71%)を、無色の油の形態で得る。
【0209】
24.2:(S)-3-アミノ-2-[4-(2-メチルプロパン-1-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル二塩酸塩
実施例3.3と同様にして、(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(2-メチルプロパン-1-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル785mg(1.9mmol)を用いて、(S)-3-アミノ-2-[4-(2-メチルプロパン-1-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル二塩酸塩621mg(85%)を、固体の形態で得る。
【0210】
24.3:(S)-2-[4-(2-メチルプロパン-1-スルホニル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)-ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル
実施例3.6と同様にして、(S)-3-アミノ-2-[4-(2-メチルプロパン-1-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル二塩酸塩621mg(1.6mmol)および4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルクロリド塩酸塩(実施例17.2に記載された通り調製した)876mg(2.3mmol)を用いて、(S)-2-[4-(2-メチルプロパン-1-スルホニル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル643mg(64%)を油の形態で得る。
【0211】
24.4:(S)-2-[4-(2-メチルプロパン-1-スルホニル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(S)-2-[4-(2-メチル-プロパン-1-スルホニル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル643mg(1.0mmol)を用いて、(S)-2-[4-(2-メチルプロパン-1-スルホニル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸395mg(63%)を、白色固体の形態で得る。
【0212】
24.5:(S)-N-ヒドロキシ-2-[4-(2-メチルプロパン-1-スルホニル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(S)-2-[4-(2-メチルプロパン-1-スルホニル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸390mg(0.6mmol)を用いて、(S)-N-ヒドロキシ-2-[4-(2-メチルプロパン-1-スルホニル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド12mg(3%)を、白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 1.01 (d, J=6.7Hz, 6H); 2.05 (m, 1H); 2.49 (m, 4H); 2.67 (s, 3H); 2.86 (d, J=6.6Hz, 2H); 3.00〜3.10 (m, 6H); 3.31 (m, 1H); 5.71 (s, 2H); 7.34 (d, J=8.9Hz, 2H); 7.52 (m, 1H); 7.57 (m, 2H); 7.76〜7.80 (m, 3H); 7.98 (d, J=8.2Hz, 1H); 8.10 (m, 1H); 8.93 (s, 1H); 10.66 (s, 1H)。
【0213】
(実施例25)
(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチル-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
25.1:エチル2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-カルボキシレート
KOH2.1g(38mmol)の水20ml溶液、次いで、1-アミノピリジニウムヨージド6.7g(30mmol)を、4,4,4-トリフルオロブト-2-イン酸エチル2.5g(15mmol)のジクロロメタン25ml溶液に添加する。周囲温度で5時間撹拌後、水を添加し、反応媒体をジクロロメタンで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。得られた残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、溶出を、8/2ヘプタン/酢酸エチル混合物で行う。エチル2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-カルボキシレート2.8g(73%)を、黄色固体の形態で得る。
【0214】
25.2:(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル)メタノール
エチル2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-カルボキシレート2.8g(11mmol)のテトラヒドロフラン50ml溶液を、水素化リチウムアルミニウム0.5g(12mmol)のテトラヒドロフラン45ml中の懸濁液に滴下添加する。次いで、反応媒体を、70℃で3時間撹拌する。メタノール2.5ml次いで2Nの濃度を有する水酸化ナトリウムの水溶液1.8mlを滴下添加した後、反応媒体を周囲温度で20分間撹拌し、次いで濾過する。濾液を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮する。(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル)メタノール2.3g(100%)を固体の形態で得る。
【0215】
25.3:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル
実施例11.1と同様にして、(S)-3-(4-ヒドロキシ-ベンゼンスルホニルアミノ)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル(5.1に記載された通り調製した)800mg(1.9mmol)および(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル)メタノール540mg(2.5mmol)を用いて、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル-メトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル380mg(32%)を、白色固体の形態で得る。
【0216】
25.4:(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル-メトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル380mg(0.6mmol)を用いて、(S)-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロ-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸237mg(64%)を、白色固体の形態で得る。
【0217】
25.5:(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(S)-2-(4-メタンスルホニル-ピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸230mg(0.4mmol)を用いて、(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼン-スルホニルアミノ]プロピオンアミド9mg(4%)を、白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 2.51〜2.54 (m, 4H); 2.84 (s, 3H); 2.95 (m, 1H); 2.97〜3.04 (m, 4H); 3.10 (m, 1H); 3.32 (m, 1H); 5.45 (s, 2H); 7.20〜7.25 (m, 3H); 7.49〜7.51 (m, 2H); 7.76 (d, J=8.8Hz, 2H); 8.04 (m, 1H); 8.87 (d, J=7Hz, 2H); 8.90 (m, 1H)。
【0218】
(実施例26)
(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロピオンアミド
26.1:(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル
実施例20.2と同様にして、(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-ピペラジン-1-イルプロパン酸メチル(実施例23.1に記載された通り調製した)800mg(2.8mmol)およびプロパン-2-スルホニルクロリド342μl(3.1mmol)を用いて、(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル700mg(64%)を油の形態で得る。
【0219】
26.2:(S)-3-アミノ-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル二塩酸塩
実施例3.3と同様にして、(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル700mg(1.8mmol)を用いて、(S)-3-アミノ-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル二塩酸塩620mg(86%)を油の形態で得る。
【0220】
26.3:(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)-ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル
実施例17.6と同様にして、(S)-3-アミノ-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル二塩酸塩620mg(1.5mmol)および4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルクロリド塩酸塩(実施例17.2に記載された通り調製した)830mg(2.1mmol)を用いて、(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル505mg(54%)を、白色固体の形態で得る。
【0221】
26.4:(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)-ピペラジン-1-イル]プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸メチル505mg(0.8mmol)を用いて、(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)-ピペラジン-1-イル]プロパン酸135mg(27%)を、白色固体の形態で得る。
【0222】
26.5:(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(S)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロパン酸135mg(0.2mmol)を用いて、(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロピオンアミド24mg(17%)を、白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 1.19 (d, J=6.8Hz, 6H); 2.45 (m, 4H); 2.68 (s, 3H); 2.80〜2.90 (m, 1H); 2.95〜3.15 (m, 6H); 3.29 (m, 1H); 5.72 (s, 2H); 7.34 (d, J=8.9Hz, 2H); 7.52 (m, 1H); 7.57 (m, 2H); 7.76〜7.80 (m, 3H); 7.98 (d, J=8.2Hz, 1H); 8.10 (d, J=8.1Hz, 1H); 8.93 (s, 1H); 10.66 (s, 1H)。
【0223】
(実施例27)
(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
27.1:4-ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリド
4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸二水和物のナトリウム塩7g(30mmol)のジメチルホルムアミド40ml溶液を、塩化オキサリル15.5ml(181mmol)の、-30℃まで冷却されたジクロロメタン120ml中の溶液に滴下添加する。反応媒体を、徐々に周囲温度に戻し、次いで、周囲温度で18時間撹拌する。氷200mlの添加後、反応媒体を酢酸エチルで抽出する。有機相を、水で、および塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。4-ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリド6.2g(100%)を、無色の油の形態で得る。
【0224】
27.2:(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-(4-ヒドロキシベンゼンスルホニルアミノ)プロパン酸メチル
実施例3.6と同様にして、4-ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリド5.8g(30mmol)および(S)-3-アミノ-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル三塩酸塩(実施例17.5に記載された通り調製した)7.7g(20mmol)を用いて、(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-(4-ヒドロキシベンゼンスルホニルアミノ)プロパン酸メチル2.25g(27%)を、白色固体の形態で得る。
【0225】
27.3:(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル
実施例11.1と同様にして、(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-(4-ヒドロキシベンゼンスルホニルアミノ)プロパン酸メチル500mg(1.1mmol)および(2-トリフルオロ-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル)メタノール(実施例25.2に記載された通り調製した)370mg(1.7mmol)を用いて、(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル350mg(50%)を、無色の油の形態で得る。
【0226】
27.4:(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸
実施例3.7と同様にして、(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸メチル350mg(0.5mmol)を用いて、(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸165mg(48%)を、白色固体の形態で得る。
【0227】
27.5:(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
実施例3.8と同様にして、(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロパン酸165mg(0.3mmol)を用いて、(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド50mg(29%)を、138℃の融点を有する白色固体の形態で得る。
1H NMR (δ, DMSO): 2.20 (m, 4H); 2.38 (m, 4H); 2.65〜2.75 (m, 1H); 2.86〜2.98 (m, 2H); 3.35 (m, 2H); 5.37 (s, 2H); 7.10〜7.25 (m, 8H); 7.35〜7.44 (m, 2H); 7.68 (d, J=8.9Hz, 2H); 7.98 (d, J=9Hz, 1H); 8.81 (m, 2H); 10.52 (s, 1H)。
【0228】
(実施例28)
TACE阻害の酵素試験
アッセイの説明
生成物を10mMの濃度でDMSO中で可溶化する。10点を超える一連の3倍希釈を、最終濃度10μM〜0.5nMの濃度範囲を有するように行う。
【0229】
TACE酵素は、内部生成物(刊行物「protein Eng Des Sel2006年、19巻、155〜161頁」に従って行った)であり、37℃で2時間におけるバックグラウンドノイズの6倍に相当するシグナルを有するように添加する。反応を、4%グリセロールを含有する50mMトリス緩衝媒体(pH7.4)中で行う。蛍光基質は、MCA-Pro-Leu-Ala-Val-(Dpa)-Arg-Ser-Ser-Arg-NH2(R&Dシステム、参照:ES003)である。基質は、アラニンとバリンの間で酵素によって切断され、蛍光ペプチドを放出する(励起:320nm、発光:420nm)。基質を40μMで使用する。反応を、低容量384穴プレート(Corning参照:3676)中で最終容量10μl(4μlの阻害剤、4μlの基質、2μlの酵素)で行う。プレートを、周囲温度で2時間インキュベートし、次いで、Pherastar reader(BMG labtech)において蛍光により読み取る。IC50を、数学的プロセシングソフトウェア(XLfit)を用いて決定する。
【0230】
【表1】

【0231】
前述のTACE酵素試験において得られた結果に基づいて、本発明において特許請求されている化合物は、TNF-α変換酵素(TACE)阻害剤であり、したがって、TNF-α産生を低減することが重要である病態の治療のための潜在的な有効成分であり得る。
【0232】
(実施例29)
選択性アッセイ
アッセイの原理:
分子は、以下の酵素:MMP1、MMP3、MMP9、ADAM9およびADAM10について、実施例28のTACE酵素について記載されているものと同じであるが異なる基質(MMP R&Dシステム、参照:P126〜990、およびADAM R&Dシステム、参照:ES003)を用いたプロトコールに従って、用量反応試験する。
【0233】
酵素は、Calbiochemから購入する。
【0234】
【表2】

【0235】
前述の選択性アッセイにおいて得られた結果に基づいて、これらの化合物はまた、他のADAMおよびMMPと比べてTACEに対して非常に選択的である、すなわち、これらの化合物は、他のADAMまたはMMPについて、TACEについて得られたものよりも少なくとも10倍高い、より有利には少なくとも100倍高いIC50値を有する。
【0236】
酵素のこれらのファミリーの非選択的な阻害がin vivoで観察された副作用を誘発することが知られているため、これらの分子をTNF-α産生を低減させることが重要である病態の治療に投与すれば、他の酵素に対するTACEの選択的な阻害によって、副作用を低減することが当然ながら可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式(I)の化合物
【化1】

(式中、
R1は、水素、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基、置換アラルキル基、ヘテロアラルキル基、置換ヘテロアラルキル基、-C(O)-R4基、-SO2-R4基、またはC(O)OR4基を表し、R4は以下に示される意味を有し;
R2は、水素原子または低級アルキル基であり;
R3は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、複素環基、置換複素環基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基または置換ヘテロアラルキル基であり;
R4は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基または置換アラルキル基であり;
nは、0、1、2または3の値をとることができる)、
ならびに一般式(I)の化合物の薬学的に許容される酸との付加塩、一般式(I)の化合物の薬学的に許容される塩基との付加塩、および一般式(I)の化合物の鏡像異性体。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物の薬学的に許容される酸との付加塩であって、薬学的に許容される酸が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、コハク酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ピクリン酸、クエン酸、シュウ酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸、カンファースルホン酸およびフマル酸からなる群から選択されることを特徴とする、付加塩。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物の薬学的に許容される塩基との付加塩であって、薬学的に許容される塩基が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミンの4つの異性体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ジエタノールフェニルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、キヌクリジン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、リシン、アルギニンおよびオルニチンからなる群から選択されることを特徴とする、付加塩。
【請求項4】
R1が、水素、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基、置換アラルキル基、ヘテロアラルキル基、置換ヘテロアラルキル基、-C(O)-R4基、-SO2-R4基、またはC(O)OR4基を表し、R4は以下に示される意味を有し;
R2が、水素原子または低級アルキル基であり;
R3が、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基または置換ヘテロアラルキル基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基または置換アラルキル基であり;
nが、0、1、または2の値をとることができる
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、ならびに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩、および前記化合物の鏡像異性体。
【請求項5】
R1が、水素、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基、置換アラルキル基、-C(O)-R4基または-SO2-R4基を表し、R4は以下に示される意味を有し;
R2が、水素原子または低級アルキル基であり;
R3が、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基または置換ヘテロアラルキル基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基または置換アラルキル基であり;
nが、1または2の値をとることができる
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、ならびに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩、および前記化合物の鏡像異性体。
【請求項6】
R1が、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、-C(O)-R4基または-SO2-R4基を表し、R4は以下に示される意味を有し;
R2が、水素原子であり;
R3が、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基または置換ヘテロアラルキル基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基または置換アラルキル基であり;
nが、1の値をとる
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、ならびに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩、および前記化合物の鏡像異性体。
【請求項7】
R1が、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、-C(O)-R4基または-SO2-R4基を表し、R4は以下に示される意味を有し;
R2が、水素原子であり;
R3が、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基または置換ヘテロアラルキル基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基または置換アラルキル基であり;
nが、1の値をとる
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、ならびに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩、および前記化合物の鏡像異性体。
【請求項8】
R1が、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、-C(O)-R4基または-SO2-R4基を表し、R4は以下に示される意味を有し;
R2が、水素原子であり;
R3が、ヘテロアリール基または置換ヘテロアリール基であり;
R4が、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基または置換アラルキル基であり;
nが、1の値をとる
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、ならびに薬学的に許容される酸とのそれらの付加塩、薬学的に許容される塩基とのそれらの付加塩、および前記化合物の鏡像異性体。
【請求項9】
以下の化合物からなる群から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物:
1)3-[(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
2)(S)-3-(4-ブト-2-イニルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
3)(S)-3-(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニルアミノ)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
4)(S)-3-[(4-ベンジルオキシベンゼンスルホニル)メチルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
5)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
6)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(ナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
7)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-(4-プロポキシベンゼンスルホニルアミノ)プロピオンアミド
8)(S)-3-[4-(3-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
9)(S)-3-[4-(4-シアノベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
10)ベンジル4-{(S)-1-ヒドロキシカルバモイル-2-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]エチル}ピペラジン-1-カルボキシレート
11)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-フェニルピリジン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
12)(R)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
13)(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-ピペラジン-1-イル-プロピオンアミド
14)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド塩酸塩
15)tert-ブチル3-{4-[(S)-2-ヒドロキシカルバモイル-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)エチルスルファモイル]フェノキシメチル}-2-メチルインドール-1-カルボキシレート二(トリフルオロ酢酸塩)
16)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
17)(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
18)(S)-2-[4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
19)(S)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
20)(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(4-トリフルオロメチル-ベンジル)ピペラジン-1-イル]プロピオンアミド
21)(S)-N-ヒドロキシ-2-[4-(4-メチルベンジル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
22)(S)-3-[4-(ベンゾイソオキサゾール-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
23)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-イソブチリルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
24)(S)-N-ヒドロキシ-2-[4-(2-メチルプロパン-1-スルホニル)ピペラジン-1-イル]-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
25)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
26)(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロピオンアミド
27)(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-トリフルオロメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
28)(S)-2-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
29)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-{プロピル-[4-(キノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニル]アミノ}プロピオンアミド
30)(S)-2-(4-ベンゼンスルホニルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
31)(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(1-メチルピペリジン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
32)(S)-2-[4-(4-フルオロベンゾイル)ピペラジン-1-イル]-N-ヒドロキシ-3-[4-(3-m-トリル-プロポキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
33)(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルナフタレン-1-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-プロピオニルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
34)(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(4-メチルペンチルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-(4-フェニルアセチルピペラジン-1-イル)プロピオンアミド
35)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニルピペラジン-1-イル)-3-[4-(2-メチルピリジン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
36)(S)-2-(3-アセチルイミダゾリジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
37)(S)-3-[4-(3,5-ジメチルベンジルオキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-N-ヒドロキシ-2-イミダゾリジン-1-イル-プロピオンアミド
38)(S)-N-ヒドロキシ-2-(4-メタンスルホニル-[1,4]ジアゼパン-1-イル)-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
39)(S)-2-(4-ベンジル-[1,4]ジアゼパン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
40)(S)-2-[1,4]ジアゾカン-1-イル-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルキノリン-4-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド
41)(S)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-メチルベンゾフラン-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]-2-[4-(プロパン-2-スルホニル)ピペラジン-1-イル]プロピオンアミド
42)(S)-2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-N-ヒドロキシ-3-[4-(2-イソプロピル-1H-インドール-3-イルメトキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]プロピオンアミド。
【請求項10】
医薬品としての、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
TNFα放出と関連付けられる病態または障害の治療のための、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
TNFα産生阻害剤としての、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
TNFα-変換酵素(TACE)阻害剤としての、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
TACEによって媒介される障害または病態の治療または改善のための、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
敗血性ショック、血行動態ショック、マラリア、クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患(IBD)、炎症性骨疾患、マイコバクテリア感染症、髄膜炎、線維性疾患、心疾患、虚血性発作、臓器移植拒絶反応、癌、アテローム性動脈硬化症、肥満症、血管新生現象が関与する疾患、自己免疫疾患、変形性関節症、関節リウマチ、強直性脊椎炎、若年性慢性関節炎、多発性硬化症、HIV、インスリン非依存性糖尿病、アレルギー性疾患、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および眼の炎症から選択される、TNFα産生を伴う疾患または障害の治療のための、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
炎症性皮膚疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎および乾癬性関節炎の治療のための、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
アルツハイマー病、パーキンソン病、パーキンソン障害、筋萎縮性側索硬化症、神経系の自己免疫疾患、神経系の自律神経性疾患、背部痛、脳浮腫、脳血管障害、認知症、神経系神経線維脱髄性自己免疫疾患、糖尿病性ニューロパチー、脳炎、脳脊髄炎、てんかん、慢性疲労症候群、巨細胞性動脈炎、ギラン-バレー症候群、頭痛、多発性硬化症、神経痛、末梢神経系疾患、多発ニューロパチー、多発神経根筋障害、神経根症、呼吸麻痺、脊髄疾患、トゥレット症候群、脳血管炎、ハンチントン病および脳卒中から選択される、TNFα産生を伴う炎症性を有する神経学的病態の治療のための、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。

【公表番号】特表2012−531460(P2012−531460A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518113(P2012−518113)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【国際出願番号】PCT/FR2010/051331
【国際公開番号】WO2011/001089
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(599045604)ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント (117)
【Fターム(参考)】