説明

新規化合物、医薬組成物及びそれに関する方法

患者の状態に関する様々な代謝の処置に有用性を有する新規化合物を開示する。この発明の化合物は、構造(I)(式中、X、X、X、X、Y、Y、A、R、R、R、R、m、n、p、及びqは本明細書に定義されたとおりである)を有する(その立体異性体、エステル、溶媒和物、及び薬学的に許容しうる塩を含む)。また、この発明の化合物を、薬学的に許容し得る担体と組合せて含有する組成物、ならびにそれを必要とする患者におけるその使用に関連する方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般的に、式(I)の新規な化合物、医薬組成物及びそれを必要とする患者にそのような化合物を投与することによって疾患及び病状を処置する方法に関する。
【0002】
発明の背景
糖尿病は、ますます蔓延してきている慢性疾患であり、公衆衛生上の問題としてのその影響が世界中にわたって関心を持たれている。米国糖尿病協会は、米国の人口のほぼ7%が本症を患っており、そして米国において健康管理に使われる費用の10分の1が糖尿病及びその合併症に費やされていると推定している。1型糖尿病は、一般にインスリンを生産する体の不全に起因する。2型糖尿病は、糖尿病のより一般的な種類であり、一般に、相対的なインスリン欠乏と組み合わさるインスリン抵抗性に起因する。加えて、前糖尿病を有していると言うことができる、すなわち、正常の血糖値より高いが、まだ2型糖尿病と診断されるのに十分高くはない、何百万もの米国人がいる。
【0003】
2型糖尿病は、空腹時及び食後の高血糖ならびに相対的なインスリン欠乏を特徴とする。高血糖は、ネフロパシー、ニューロパシー、網膜症及び末梢血管疾患のような長期の微小血管性及び大血管性合併症を生じうる。加えて、2型糖尿病は、頻繁に高脂血症、アテローム性動脈硬化症及び高血圧を合併する、共存疾患である。高脂血症は、アテローム性動脈硬化症による心臓血管疾患に関する主要な危険因子である。肥満は、アテローム性動脈硬化症、脳卒中、高血圧及び2型糖尿病の発症についてよく知られた一般的な危険因子である。2型糖尿病は、罹患率及び死亡率が非常に高く、患者、それらの家族及び社会に相当な出費をもたらす。さらにまた、2型糖尿病が現在世界的な流行であると考慮されるように、2型糖尿病の発病率は世界的に増加している。
【0004】
2型糖尿病の処置についての多くの治療法が使用されている。運動の増加及び減量と同様に食事の変更は、最初に用いられる処置であると考えられる。しかしながら、これは血糖値の十分な制御が得られず、グルコースレベルの制御を補助するための薬物を使用する必要がある。これらの薬物は、インスリン、スルホニル尿素、メグリチニド、ビグアニド、チアゾリジンジオン、DPP−4阻害剤、αグルコシダーゼ阻害剤、アミリン類似体及びインクレチン模倣剤を含む。これらの薬物を単独に又は組み合わせて使用することができ、そしてグルコース濃度の減少をもたらしうる。しかしながら、これらの薬物は、それでもグルコースレベルを正常であるとみなされうるレベルまで低下させない可能性があるか、又は効果が時間と共に徐々になくなりうる。幾つかの薬物は過度にグルコースレベルを低下させる場合があり、危険な低血糖エピソードをもたらす。インスリン、アミリン及びインクレチン模倣剤は、しばしば1日に多数回の注射を必要とする。他の副作用は、体重増加、嘔気及び下痢を含む。
【0005】
GPR119は、GRP119受容体の調節がグルコース定常性、摂食、体重増加及びβ細胞保存に対する好ましい効果をもたらし得るという根拠から注目されているクラス1のGタンパク質結合受容体であり、これらの効果のいずれか又は全てが糖尿病及び肥満の両方の処置に役立ちうる(Br. J. Pharm. 2007 1-6)。
【0006】
GPR119受容体及びアイソフォームは、ヒト、ラット、マウス、ハムスター、チンパンジー、アカゲザル、ウシ及びイヌを含む哺乳類の種において同定された。また、消化管においてもある程度の発現が見られたものの、膵臓が、ヒトにおけるmRNA発現の主な部位として同定された。膵臓における、特に膵臓のβ細胞におけるGPR119の発現は、GPR119受容体がインスリン分泌に対する効果を有し得るという仮説を導いた。
【0007】
2つの内因性リガンド、リゾホスファチジルコリン(LPC)及びオレオイルエタノールアミド(OEA)ならびにより強力なGPR119アゴニストの発見は、血漿グルコースを低下させ、これにより低血糖の危険なしに血糖コントロールを促進することができるインスリン及びインクレチン(GLP−1及びGIP)分泌促進物質受容体としての、GPR119の特徴づけに至った(Biochem. Biophys. Res. Comm. 2005 744-751, Cell Metabolism 2006 167-175, Endocrinolgy 2007, 2601-9, Endocrinology, 2008, Epub ahead of print)。GPR119ノックアウト動物は、GPR119アゴニストによって誘発されるインスリン及びインクレチン分泌が共にGPR119受容体に依ることを示した。加えて、GPR119アゴニストがSprague Dawleyラットにおいて摂食を減少させ、減量をもたらすことが示された。まとめると、GPR119は、血糖コントロールが促進されることができる新規な機構であり、体重減少の追加的効果が得られる。
【0008】
発明の簡単な概要
手短に言うと、本発明は、一般的に新規な化合物、ならびにそれらの調製方法及び使用、ならびにそれらを含む医薬組成物に関する。更に具体的には、該新規な化合物は、GPR119受容体アゴニストとして有用である。第一の態様において、本発明は、以下の一般式(I):
【化1】


[式中、X、X、X、X、Y、Y、A、R、R、R、R、m、n、p、及びqは、以下に定義したとおりである]で示される化合物(その互変異性体及び立体異性体を含む)、あるいはその塩又はその溶媒和物もしくは水和物に関する。
【0009】
さらなる態様において、本発明は、一般式(I)の化合物の調製方法及びこの方法における新規な中間体化合物に関する。
【0010】
本発明のさらなる態様は、本発明による一般式(I)の化合物の塩、特にその薬学的に許容され得る塩に関する。
【0011】
本発明の化合物は、広範囲の治療用途にわたって有用性を有することができ、そして男性及び女性の両方ならびに一般的な哺乳類(本明細書において「患者」とも称する)の様々な疾患及び病状の処置に用いることができる。例えば、そのような病状は、糖尿病及び肥満を含む。本発明の化合物は、グルコース定常性、摂食、体重増加及びβ細胞保存の効果を通して、これらの病状を処置することができる。
【0012】
したがって、さらなる態様において、本発明は、一般式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を患者に投与することを特徴とする、それを必要とする患者においてGPR119酵素の活性を調節することにより作用を受ける疾患又は病状の処置のための方法に関する。
【0013】
本発明の他の態様によれば、一般式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を患者に投与することを特徴とする、それを必要とする患者において代謝疾患又は障害を処置するための方法が提供される。
【0014】
本発明の他の態様によれば、上記及び下記に記載されたとおりの治療方法のための医薬の製造のための、一般式(I)の化合物又はその生理学的に許容され得る塩の使用が提供される。
【0015】
本発明の方法は、本発明の化合物の有効量を、好ましくは医薬組成物の形態で、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0016】
さらなる態様において、本発明は、本発明による一つ以上の一般式(I)の化合物又は一つ以上の薬学的に許容され得るその塩を、場合により一つ以上の薬学的に許容され得る担体及び/又は賦形剤とともに含む医薬組成物に関する。
【0017】
本発明の化合物は、例えば、グルコース濃度を低下させるのを助けるための追加剤とともに投与することができる。本発明の化合物と合わせて使用することができる追加の治療剤は、インスリン、スルホニル尿素、メグリチニド、ビグアニド、チアゾリジンジオン、DPP−4阻害剤、αグルコシダーゼ阻害薬、アミリン類似体及びインクレチン模倣剤を含む。
【0018】
したがって、さらなる態様において、本発明は、治療有効量の一般式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を、治療有効量の一つ以上の追加の治療剤と組み合わせて、そのような処置を必要とする患者に投与する工程を含む、患者においてGPR119の活性を調節することにより作用を受ける疾患又は病状を処置する方法に関する。
【0019】
さらなる態様において、本発明は、GPR119の活性を調節することにより作用を受ける疾患又は病状の治療又は予防のための、一つ以上の追加の治療剤と組み合わせた、一般式(I)の化合物の使用に関する。
【0020】
さらなる態様において、本発明は、一般式(I)による化合物及び一つ以上の追加の治療剤を、場合により一つ以上の薬学的に許容され得る担体及び/又は賦形剤とともに含む医薬組成物に関する。
【0021】
本発明のこれら及び他の態様は、以下の詳細な説明を参照して明らかとなるであろう。この目的で、本明細書において、特定の背景情報、手順、化合物及び/又は組成物をより詳細に記載している様々な文献は、それぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0022】
発明の詳細な説明
上述のとおり、本発明は、一般的に、GPR119受容体アゴニストとして有用な化合物に関する。本発明の化合物は、以下の構造(I):
【化2】


[式中:
、X、X及びXは、独立して、−N−又は−C(R)−であり;
及びYは、独立して、−N−又は−C(R)−であり;
Aは、−O−又は−N(R)−であり;
は、RAlk、アリール−C1−4アルキル、ヘテロ環−C1−4アルキル、−C(=O)R、−CO、−SO、−C(=O)N(R、−C(=S)N(R、アリール、又はヘテロ環であり、ここで各RAlkアルキル、アリール及びヘテロ環は、互いに独立して、Rから選択される1〜4個の置換基で場合により置換されており;
は、出現ごとに独立して、C1−4アルキル、F、ヒドロキシ又はC1−4アルキル−O−であり;
は、出現ごとに独立して、H、ハロゲン、CN、C1−4アルキル、C1−4アルキル−O−又はC1−4アルキル−S−であり;
は、出現ごとに独立して、H、ハロゲン又はC1−4アルキルであり;
は、出現ごとに独立して、H、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、RAlk、ハロC1−4アルキル、−NO、−C(=O)R、−CO、−C(=O)N(R、−SON(R、−S(=O)R、−S(=O)、C1−6アルキル−O−、ハロC1−4アルキル−O−、−N(R、C1−6アルキル−S−、アリール、アリール−C1−6アルキル、ヘテロ環、ヘテロ環−C1−6アルキル、−NRC(=O)R、−NRC(=O)N(R、−NRC(=O)OR、−NRC(=NR)N(R、又は−NRS(=O)N(Rであり、ここで各RAlkアルキル、アリール及びヘテロ環は、互いに独立して、Rから選択される1〜5個の置換基で場合により置換されており;
は、RAlk、ヘテロ環、ヘテロ環−C1−3−アルキル又はアリールであり、ここで各RAlk、アルキル、ヘテロ環及びアリールは、互いに独立して、Rから選択される1〜4個の置換基で場合により置換されており;
は、出現ごとに独立して、H又はRAlkであり、ここで各RAlkは、互いに独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、−N(R、C1−4アルキル−O−及び−COから選択される1〜4個の置換基で場合により置換されており;
は、出現ごとに独立して、H又はC1−4アルキルであり;
は、出現ごとに独立して、シアノ、ヒドロキシ、RAlk、アリール、アリール−C1−3−アルキル、ヘテロ環、ハロゲン、オキソ、C1−4ハロアルキル、−NO、−C(=O)H、−CO、−OC(=O)RAlk、−C(=O)N(R、−SON(R、−S(=O)RAlk、−S(=O)Alk、C1−6アルキル−O−、ハロC1−4アルキル−O−、−N(R、−SR、−NRC(=O)RAlk、−NRC(=O)ORAlk又は−NRC(=O)N(Rであり、ここで各RAlk、アルキル、アリール及びヘテロ環は、互いに独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、−N(R、C1−4アルキル−O−、−NRCO、−NRSO及び−COから選択される1〜4個の置換基で場合により置換されており;
Alkは、出現ごとに独立して、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−3−アルキル、C4−8−シクロアルケニル又はC4−8−シクロアルケニル−C1−3−アルキルであり;
mは、0、1又は2であり;
nは、0、1又は2であり;
pは、0又は1であり;そして
qは、0、1又は2である]を有し、そのあらゆる互変異性体及び立体異性体を含むものであるか、又はその塩、又はその溶媒和物もしくは水和物である。
【0023】
特段の記載がない限り、基、残基及び置換基、特にX、X、X、X、Y、Y、A、R、R、R、R、R、R、R、R、R及び指数、特にm、n、p、qは、上記及び下記に定義のとおりである。例えば、RAlk、R、R、R、Rのように、残基、置換基又は基が一つの化合物において数回出現する場合は、同一又は異なる意味を有し得る。本発明による化合物の個別の基及び置換基の幾つかの好適な意味を以下に示す。これらの任意及び各々の定義は、互いに組み合わせてもよい。
【0024】
、X、X、X
実施態様X−E1によれば、基X、X、X及びXは、独立して、−N−、−CH−又は−C(R)−である。
【0025】
実施態様X−E1aによれば、基X、X、X及びXは、独立して、−N−、−CH−又は−C(R)−であり、ここでX、X、X及びXの少なくとも一つは−C(R)−であり、ここでRは、下記及び下記に定義のとおりであるが、水素を表さない。
【0026】
実施態様X−E2によれば、基X、X、X及びXは、独立して、−CH−又は−C(R)−であり、ここでRは、下記及び下記に定義のとおりであるが、水素を表さない。
【0027】
実施態様X−E2aによれば、基X、X、X及びXは、独立して、−CH−又は−C(R)−であり、ここでX、X、X及びXの少なくとも一つは、−C(R)−であり、ここでRは、下記及び下記に定義のとおりであるが、水素を表さない。
【0028】
実施態様X−E3によれば、基X、X及びXは、−CH−であり、Xは、−C(R)−であり、ここでRは、下記及び下記に定義のとおりであるが、水素を表さない。
【0029】
、Y
実施態様Y−E1によれば、基Y及びYは、独立して、−N−又は−C(R)−である。
【0030】
実施態様Y−E2によれば、基Yは、−C(R31)−であり、Yは、N又は−C(R32)−であり、ここでR31及びR32は、Rとして定義される。この実施態様の一つの態様によれば、R31及びR32は互いに独立して、H、F、CN、C1−3−アルキル又はC1−3−アルキル−O−を表す。
【0031】
実施態様Y−E3によれば、基Yは、−C(R31)−であり、Yは、Nであり、ここでR31は、Rとして定義される。この実施態様の一つの態様によれば、R31は、H、F、CN、C1−3−アルキル又はC1−3−アルキル−O−、特にH、F、CH、−O−CHを表す。この実施態様のもう一つの態様によれば、R31は、Hを表す。
【0032】
A:
実施態様A−E1によれば、基Aは、−O−又は−N(R)−を表す。
【0033】
実施態様A−E2によれば、基Aは、−O−を表す。
【0034】
実施態様A−E3によれば、基Aは、−NR−を表し、ここでRは、H、C1−4−アルキル、C3−4−アルケニル、C1−3−アルキル−O−C1−3−アルキルを表す。
【0035】
実施態様A−E3aによれば、基Aは、−NR−を表し、ここでRは、H、メチル、エチル、sec−ブチル、アリル、CH−O−CH−を表す。
【0036】
p、q:
実施態様pq−E1によれば、指数pは、0又は1であり、指数qは、0、1又は2である。
【0037】
実施態様pq−E2によれば、指数pは、1であり、指数qは、1である。
【0038】
実施態様pq−E3によれば、指数pは、0であり、指数qは、0である。
【0039】
m、n:
実施態様mn−E1によれば、指数mは、0、1又は2であり、指数nは、0、1又は2である。
【0040】
実施態様mn−E2によれば、指数mは、1であり、指数nは、0である。
【0041】

実施態様R−E1によれば、基Rは、C1−6アルキル、アリール−C1−4アルキル、ヘテロ環−C1−4アルキル、−C(=O)R、−CO、−SO、−C(=O)N(R、−C(=S)N(R、アリール又はヘテロ環を表し、ここで各C1−6アルキル、アリール及びヘテロ環は、互いに独立して、Rから選択される1〜4個の置換基で場合により置換される。
【0042】
実施態様R−E2によれば、基Rは、−COを表す。
【0043】
実施態様R−E3によれば、基Rは、C1−6−アルキル−O−C(=O)−、C3−6−シクロアルキル−O−C(=O)−、C3−6−シクロアルキル−C1−3−アルキル−O−C(=O)−、ヘテロ環−O−C(=O)−を表し、ここで各アルキル、シクロアルキル及びヘテロ環基は、互いに独立して、F及びC1−3−アルキル−O−から選択される1〜4個の置換基で場合により置換されており、そしてヘテロ環は、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル及びアゼパニルから選択され、ヘテロ環基は、C1−4−アルキル又はフェニル−CH−で場合により置換されており、ここでフェニル環は、互いに独立して、ハロゲン、特にFから選択される1〜5個の置換基で場合により置換されている。
【0044】
実施態様R−E3aによれば、基Rは、C1−6−アルキル−O−C(=O)−、C3−6−シクロアルキル−O−C(=O)−、C3−6−シクロアルキル−C1−3−アルキル−O−C(=O)−を表し、ここで各アルキル及びシクロアルキル基は、互いに独立して、F及びC1−3−アルキル−Oから選択される、1〜4個の置換基で場合により置換されている。
【0045】
実施態様R−E4aによれば、基Rは、以下から選択される:
【化3】

【0046】
実施態様R−E4bによれば、基Rは、以下から選択される:
【化4】


ここで、Rは、ベンジルであり、これは、F−原子1〜5個で場合により置換されている。
【0047】

実施態様R−E1によれば、基Rは、出現ごとに独立して、C1−4アルキル、F、ヒドロキシ又はC1−4アルキル−O−を表す。
【0048】

実施態様R−E1によれば、基Rは、H、ハロゲン、CN、C1−4アルキル、C1−4アルキル−O−又はC1−4アルキル−S−を表す。
【0049】
実施態様R−E2によれば、基Rは、H、Cl、メチル、メチルチオを表す。
【0050】
実施態様R−E3によれば、基Rは、Hを表す。
【0051】

実施態様R−E1によれば、基Rは、出現ごとに独立して、H、ハロゲン、又はC1−4アルキルを表す。
【0052】

実施態様R−E1によれば、基Rは、出現ごとに独立して、H、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ハロC1−4アルキル、−NO、−C(=O)R、−CO、−C(=O)N(R、−SON(R、−S(=O)R、−S(=O)、C1−6アルキル−O−、ハロC1−4アルキル−O−、−N(R、C1−6アルキル−S−、アリール、アリール−C1−6アルキル、ヘテロ環、ヘテロ環−C1−6アルキル、−NRC(=O)R、−NRC(=O)N(R、−NRC(=O)OR、−NRC(=NR)N(R又は−NRS(=O)N(Rを表し、ここで各C1−6アルキル、アリール及びヘテロ環は、1〜5個のRで場合により置換されている。
【0053】
実施態様R−E2によれば、基Rは、出現ごとに独立して、ハロゲン、−NO、−S(=O)、−COを表す。
【0054】
実施態様R−E3によれば、基Rは、出現ごとに独立して、ハロゲン、−NO、−S(=O)−C1−4−アルキルを表す。
【0055】
実施態様R−E3によれば、基Rは、出現ごとに独立して、F、Cl、−NO、−S(=O)−CHを表す。
【0056】

実施態様R−E1によれば、基Rは、C1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル、C3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキル、ヘテロ環、ヘテロ環−C1−3−アルキルを表し、ここで前述の群の各々は、互いに独立して、Rから選択される1〜4個の置換基で場合により置換されている。
【0057】
実施態様R−E2によれば、基Rは、C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキル、C3−6−シクロアルキル−C1−3−アルキルを表し、ここで前述の群の各々は、互いに独立して、Rから選択される1〜4個の置換基、特に、F及びC1−3−アルキル−O−から選択される1〜4個の置換基で場合により置換されている。
【0058】
実施態様R−E3によれば、基Rは、i−プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロプロピル−メチル−を表し、これらのすべてが、1個以上のF、C1−3−アルキル−O−で場合により置換されている。
【0059】
実施態様R−E4によれば、基Rは、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル及びアゼパニルから選択されるヘテロ環を表し、ここでそのヘテロ環基は、互いに独立して、Rから選択される、特にC1−3−アルキル及びフェニル−C1−3−アルキルから選択される、1〜4個の置換基で場合により置換されており、ここでフェニル環は、互いに独立して、F、C1−3−アルキル−、C1−3−アルキル−O−から選択される1〜4個の置換基で場合により置換されている。
【0060】

実施態様R−E1によれば、基Rは、H又はRAlkを表し、ここで前記RAlkは、互いに独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、−N(R、C1−4アルコキシ及び−COから選択される1〜4個の置換基で場合により置換されている。
【0061】
実施態様R−E2によれば、基Rは、H、C1−4−アルキル、C3−4−アルケニル、C1−3−アルキル−O−C1−3−アルキルを表す。
【0062】
実施態様R−E2aによれば、基Rは、H、C1−4−アルキル、C3−4−アルケニルを表す。
【0063】

実施態様R−E1によれば、基Rは、H又はC1−4アルキルを表す。
【0064】

実施態様R−E1によれば、基Rは、シアノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、アリール、アリール−C1−3−アルキル、ヘテロ環、ハロゲン、オキソ、C1−4ハロアルキル、−NO、−C(=O)H、−CO、−OC(=O)RAlk、−C(=O)N(R、−SON(R、−S(=O)RAlk、−S(=O)Alk、C1−6アルキル−O−、ハロC1−4アルキル−O−、−N(R、−SR、−NRC(=O)RAlk、−NRC(=O)ORAlk又は−NRC(=O)N(Rを表し、ここで各アルキル、アリール及びヘテロ環は、互いに独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、−N(R、C1−4アルコキシ、−NRCO、−NRSO及び−COから選択される1〜4個の置換基で場合により置換されている。
【0065】
Alk
実施態様RAlk−E1によれば、基RAlkは、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−3−アルキル、C4−8−シクロアルケニル又はC4−8−シクロアルケニル−C1−3−アルキルからなる群より選択される。
【0066】
実施態様RAlk−E2によれば、基RAlkは、C1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル又はC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキルからなる群より選択される。
【0067】
実施態様RAlk−E3によれば、基RAlkは、C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキル又はC3−6−シクロアルキル−CH−からなる群より選択される。
【0068】
式(I)の化合物の下記の実施態様は、一般式(I)、(I.1)〜(I.6)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)を用いて記載されるが、そこでは、それらのあらゆる互変異性体及び立体異性体、エステル、溶媒和物、水和物及び塩、特に薬学的に許容され得る塩が包含される。
【0069】
本発明の実施態様において、構造(II)に示すように、構造(I)のX、X及びXは、−C(R)−であり、ここで、Rは、Hであり、Xは、−C(R)−であり、Aは、Oである。構造(III)は、構造(II)の実施態様を示し、ここで、Yは、−C(R)−であり、Rは、Hであり、Yは、Nである。
【化5】

【0070】
構造(III)のさらなる実施態様において、構造(IV)に示されるように、m及びnは、0であり、p及びqは、1であり、そしてRは、−COである。構造(I)の実施態様において、構造(V)に示されるように、Aは、−N(R)−であり、Y及びYは、−C(R)−であり、ここでRは、Hである。
【化6】

【0071】
構造(I)の実施態様において、構造(I)に示されるように、m及びnは、0であり、p及びqは、1であり、そしてAは、NRである。構造(VI)の実施態様において、構造(VII)に示すように、Yは、−C(R)−であり、ここでRは、Hであり、Rは、−COである。
【化7】

【0072】
その互変異性体、立体異性体及びエステル並びにその溶媒和物、水和物及び塩、特にその薬学的に許容され得る塩を含む、本発明の化合物のさらなる実施態様を、以下の構造式で示す。
【表1】


(I)、(I.1)〜(I.6)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)の各式において、基X、X、X、X、Y、Y、R、R、R、R31、R、R、R、R及び指数m、n、p、qは、上記及び下記に定義のとおりであり;そして
rは、0〜4であり、特にrは、1であり;
、X、X及びXは、実施態様X−E1、X−E1a、X−E2、X−E2a又はX−E3から選択され;
は、実施態様R−E1、R−E2、R−E3、R−E3a、R−E4a又はR−E4bから選択され;そして
は、実施態様R−E1から選択され;そして
は、実施態様R−E1、R−E2又はR−E3から選択され;そして
31は、R−E1、R−E2もしくはR−E3に記載したとおりの基Rの定義から選択されるか、又はR31は、H、F、CN、C1−3−アルキルもしくはC1−3−アルキル−O−を表す。
は、実施態様R−E1から選択され;そして
は、実施態様R−E1、R−E2又はR−E3から選択され;そして
は、実施態様R−E1、R−E2、R−E3又はR−E4から選択され;そして
は、実施態様R−E1又はR−E2から選択され;そして
m、nは、実施態様mn−E1又はmn−E2から選択され;そして
p、qは、実施態様pq−E1、pq−E2又はpq−E3から選択される。
【0073】
本発明による個別の下位の実施態様の例(それらの互変異性体及び立体異性体、それらの塩又はそのあらゆる溶媒和物もしくは水和物を含む)は、下記表に記載されており、ここで各実施態様の各置換基は、上記記載の定義に従って定義され、ここで特定の式の他の全ての置換基は、上記記載の定義に従って定義される:
【表2】


上記実施態様において、mは、0、1又は2であり、好ましくは、mは、0であり、そしてrは、0、1又は2であり、好ましくはrは、1であり、そしてR31は、R−E1の定義から選択されるか、又はR31は、H、F、CN、C1−3−アルキルもしくはC1−3−アルキル−O−であるか、又はR31は、Hである。
【0074】
特に好適な化合物(それらの互変異性体及び立体異性体、それらの塩、又はそのあらゆる溶媒和物又は水和物を含む)は、以下の実験の項に記載される。
【0075】
本発明の化合物は、実施例においてより詳細に記載される方法を含む、公知の有機合成手法により調製し得る。一般に、上記構造(I)の化合物は、下記の反応スキーム(ここですべての置換基は、他に指定のない限り、上記と同義である)により製造し得る。
【化8】

【0076】
本化合物は、環状アミノアルコール又はアミンを、ジクロロヘテロアリールで(通常、塩基の存在下、クロリドの求核性芳香族置換により)OもしくはN−アリール化し、続いて得られたモノヘテロアリールクロリドをインドリンと(塩基の存在下、パラジウム接触カップリングか、求核置換のいずれかにより)反応させて調製する。
【化9】

【0077】
本化合物は、インドリンを、まずジクロロヘテロアリールと(塩基の存在下、パラジウム接触カップリング又は求核置換により)反応させ、続いて環状アミノアルコール又はアミンを、得られたモノクロロヘテロアリールで(通常、塩基の存在下、求核性芳香族置換により)OもしくはN−アリール化することによっても調製することができる。
【化10】

【0078】
が、Boc又はベンジルのような保護基である場合、そのアミンを脱保護することができ(通常、BocはTFAで、そして、ベンジルは、AceCl又は水素化で)、そのアミンをさらに誘導体化(例えばアルキル化により)することができる。
【0079】
用語及び定義
本明細書において特に定義されていない用語は、本開示及び本文脈に照らし、当業者がそれらに与えるであろう意味を与えるべきである。しかし、本明細書において使用されるように、反する定めがない限り、下記の用語は、示される意味を有し、下記の取決めに従う。
【0080】
用語「本発明による化合物」、「式(I)の化合物」、「本発明の化合物」、「本発明によるGPR119受容体アゴニスト」等は、本発明による式(I)の化合物(それらの互変異性体、立体異性体及びそれらの混合物及びそれらの塩を含む)特に薬学的に許容されうるその塩、並びに、そのような互変異性体、立体異性体及びそれらの塩の溶媒和物を包含する、そのような化合物の溶媒和物及び水和物を表す。
【0081】
用語「処置」及び「処置すること」は、防止的(すなわち予防的)又は治療的(すなわち治癒的及び/又は緩和的)な処置の両方を包含する。したがって、用語「処置」及び「処置すること」は、当該病状を、特に明白な形ですでに発症している患者の治療的な処置を含む。治療的処置は、特定の適応症の症状を緩和するための対症療法であるか、あるいは適応症の病状を回復に向かわせるかもしくは部分的に回復に向かわせるための、又は当該疾患の進行を止めるかもしくは遅らせるための原因治療でありうる。したがって、本発明の組成物及び方法は、例えば、慢性の治療のための処置及び長期治療としても使用することができる。加えて、用語「処置」及び「処置すること」は、予防の処置、すなわち、前記病状を発症するリスクにある患者を処置し、当該リスクを低減することを含む。
【0082】
本発明が処置を必要としている患者に言及するとき、それは主に哺乳類、特にヒトの処置に関する。
【0083】
用語「治療有効量」は、本明細書に記載の、(i)特定の疾患もしくは病状を治療又は予防する、(ii)特定の疾患もしくは病状の1つ以上の症状を緩和、改善又は除去する、あるいは(iii)特定の疾患もしくは病状の1つ以上の症状の発症を防止又は遅延させる、本発明の化合物の量を意味する。
【0084】
本明細書で使用する用語「調節される」又は「調節すること」又は「調節する」は、特に断りのない限り、本発明の化合物の一つ以上を用いる、GPR119酵素の活性の調節を指す。
【0085】
本明細書で使用する用語「作用を受ける」又は「作用すること」又は「作用する」は、特に断りのない限り、本明細書に記載の(i)特定の疾患又は病状の予防を含む処置、(ii)特定の疾患又は病状の1つ以上の症状の緩和、改善又は除去、又は(iii)特定の疾患又は病状の1つ以上の症状の発症の防止又は遅延を指す。
【0086】
本明細書で使用する用語「置換されている」は、指定された原子、ラジカル又は部分上の任意の一つ以上の水素が、原子の通常の原子価を超えず、そして置換が許容可能な程度に安定な化合物をもたらすという条件で、指示された基から選択されたもので置き換えられていることを意味する。
【0087】
基の定義において、用語「ここで各X、Y及びZ基は、場合により〜で置換されている」等は、各基X、各基Y及び各基Zが、各々別個の基としてか又は各々一つの複合基を構成する部分としてのいずれかで、定義されたとおりに置換されていてもよいことを表す。例えば、定義「Rexは、H、C1−3−アルキル、C3−6−シクロアルキル、C3−6−シクロアルキル−C1−3−アルキル又はC1−3−アルキル−O−を表し、ここで各アルキル基は、場合により一つ以上のLexで置換されている」等は、用語アルキルを含む前述の基の各々、すなわち基C1−3−アルキル、C3−6−シクロアルキル−C1−3−アルキル及びC1−3−アルキル−O−の各々において、アルキル部分が定義されたとおりのLexで置換されていてもよいことを意味する。
【0088】
以下に定義される基、ラジカル又は部分において、炭素原子の数は、多くの場合、その基の前に指定され、例えば、C1−6−アルキルは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基もしくはラジカルを意味する。一般的に、2つ以上のサブグループを含む基に関して、命名の最後にくるサブグループが、ラジカルの結合する点であり、例えば、置換基「アリール−C1−3−アルキル−」は、C1−3−アルキル−基に結合したアリール基を意味し、後者が核又は置換基が結合している基に結合している。
【0089】
本発明の化合物が化学名の形及び式として表現される場合において、矛盾する場合、式が優先するものとする。
【0090】
アスタリスク又は記号:
【化11】


は、定義されたとおりの核の分子に連結している結合を示すために、下位式に用いられる。
【0091】
置換基の原子の記数法は、核に又は置換基が結合している基に最も近い原子から始まる。
【0092】
例えば、用語「3−カルボキシプロピル−基」は、以下の置換基:
【化12】

【0093】
[式中、カルボキシ基は、プロピル基の3番目の炭素原子に結合している]を表す。用語「1−メチルプロピル−」、「2,2−ジメチルプロピル−」又は「シクロプロピルメチル−」基は、以下の基:
【化13】


を表す。
【0094】
基又は置換基の定義において、用語「オキソ」は、2つのH原子を置き換え、そしてそれぞれの原子に二重結合を介して結合している、O−原子を表す。−CH−基を含む基は、−CH−基が−C(=O)−基で置き換えられるように、オキソ置換基で置換されていてもよい。
【0095】
立体化学/溶媒和物/水和物:
特に示されない限り、明細書及び添付の特許請求の範囲にわたって、与えられた化学式又は名は、互変異性体及び全ての立体、光学及び幾何異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオマー、E/Z異性体等…)及びそのラセミ体ならびに別個の鏡像異性体の異なる割合の混合物、ジアステレオマーの混合物、又はそのような異性体及び鏡像異性体が存在する場合の、任意の前述の形態の混合物、ならびに、薬学的に許容され得るその塩を含む塩及び、遊離の化合物の溶媒和物又は化合物の塩の溶媒和物を含む、例えば水和物のようなその溶媒和物を包含するものとする。
【0096】
塩:
句「薬学的に許容され得る」は、本明細書において、堅実な医学判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応又は他の問題又は合併症なしに、ヒト及び動物の組織との接触における使用に適し、そして妥当な有益性/リスク率に相応している化合物、材料、組成物及び/又は剤形を指すために使用される。
【0097】
本明細書で使用される「薬学的に許容しうる塩」とは、その酸性又は塩基性塩を作ることにより親化合物が修飾されている、開示化合物の誘導体のことを指す。薬学的に許容しうる塩の例は、非限定的に、アミンのような塩基性残基の鉱酸又は有機酸塩;カルボン酸のような酸性残基のアルカリ又は有機塩などを包含する。例えば、そのような塩は、酢酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩、酒石酸水素塩、ブロミド/臭化水素酸塩、Ca−エデト酸塩/エデト酸塩、カンシル酸塩、炭酸塩、クロリド/塩酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エタンジスルホン酸塩、エストラート、エシラート、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコラート、グリコリルアルサニラート(glycollylarsnilates)、ヘキシルレゾルシン酸塩(hexylresorcinates)、ヒドラバミン(hydrabamines)、ヒドロキシマレイン酸塩、ヒドロキシナフトアート、ヨーダイド、イソチオナート、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、メシル酸塩、メチルブロミド、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムチン酸塩(mucates)、ナプシル酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、フェニル酢酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸(polygalacturonates)、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、スルファミド、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トルエンスルホン酸塩、トリエチオダイド、アンモニウム塩、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン及びプロカインを含む。さらなる薬学的に許容され得る塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛等のような金属からのカチオンと形成することができる(Pharmaceutical salts, Birge, S.M. et al., J. Pharm. Sci.,(1977), 66, 1-19もまた参照されたい)。
【0098】
本発明の薬学的に許容され得る塩は、塩基性又は酸性の部分を含む親化合物から、慣用の化学的手法によって合成することができる。一般的に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸又は塩基の形態を、十分な量の適切な塩基又は酸と、水中又はエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールもしくはアセトニトリル又はそれらの混合物のような有機希釈剤中で反応させて調製することができる。
【0099】
例えば本発明の化合物の精製又は単離に有用な、先に記載されたもの以外の酸の塩(例えばトリフルオロ酢酸塩)もまた、本発明の一部を包含する。
【0100】
ハロゲン:
用語ハロゲンは、一般的にフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を表す。
【0101】
アルキル:
用語「C1−n−アルキル」(ここでnは2からnの整数である)は、単独で又は他の基との組み合わせのいずれかで、1〜n個のC原子を有する非環式、飽和、分枝状又は直鎖状の炭化水素基を表す。例えば用語C1−5−アルキルは、基HC−、HC−CH−、HC−CH−CH−、HC−CH(CH)−、HC−CH−CH−CH−、HC−CH−CH(CH)−、HC−CH(CH)−CH−、HC−C(CH−、HC−CH−CH−CH−CH−、HC−CH−CH−CH(CH)−、HC−CH−CH(CH)−CH−、HC−CH(CH)−CH−CH−、HC−CH−C(CH−、HC−C(CH−CH−、HC−CH(CH)−CH(CH)−及びHC−CH−CH(CHCH)−を包含する。
【0102】
用語「アルコキシ」は、酸素橋を介して結合するアルキル部分(すなわち、アルキル−O−)を意味し、メトキシ及びエトキシのような基を含む。
【0103】
用語「アルキルチオ」は、硫黄橋を介して結合するアルキル部分(すなわち、アルキル−S−)を意味し、メチルチオ及びエチルチオのような基を含む。
【0104】
アルキレン:
用語「C1−n−アルキレン」(ここでnは1からnの整数である)は、単独で又は他の基との組み合わせのいずれかで、1〜n個の炭素原子を含む、非環式、直鎖又は分枝鎖の、二価のアルキル基を表す。例えば用語「C1−4−アルキレン」は、−(CH)−、−(CH−CH)−、−(CH(CH))−、−(CH−CH−CH)−、−(C(CH)−、−(CH(CHCH))−、−(CH(CH)−CH)−、−(CH−CH(CH))−、−(CH−CH−CH−CH)−、−(CH−CH−CH(CH))−、−(CH(CH)−CH−CH)−、−(CH−CH(CH)−CH)−、−(CH−C(CH)−、−(C(CH−CH)−、−(CH(CH)−CH(CH))−、−(CH−CH(CHCH))−、−(CH(CHCH)−CH)−、−(CH(CHCHCH))−、−(CHCH(CH)−及び−C(CH)(CHCH)−を含む。
【0105】
アルケニル:
用語「C2−n−アルケニル」は、少なくとも2つの炭素原子を有する「C1−n−アルキル」についての定義にて定義したとおりの基について用いられ、この場合、前記基の少なくとも2つのそれらの炭素原子が、二重結合によって互いに結合している。例えば用語「C2−3−アルケニル」は、−CH=CH、−CH=CH−CH、−CH−CH=CHを含む。
【0106】
アルケニレン:
用語「C2−n−アルケニレン」は、少なくとも2つの炭素原子を有する「C1−n−アルキレン」についての定義にて定義したとおりの基について用いられ、この場合、前記基の少なくとも2つのそれらの炭素原子が、二重結合によって互いに結合している。例えば用語「C2−3−アルケニレン」は、−CH=CH−、−CH=CH−CH−、−CH−CH=CH−を含む。
【0107】
アルキニル:
用語「C2−n−アルキニル」は、少なくとも2つの炭素原子を有する「C1−n−アルキル」についての定義において定義したとおりの基について用いられ、この場合、前記基の少なくとも2つのそれらの炭素原子が、三重結合によって互いに結合している。例えば用語「C2−3−アルキニル」は、−C≡CH、−C≡C−CH、−CH−C≡CHを含む。
【0108】
アルキニレン:
用語「C2−n−アルキニレン」は、少なくとも2つの炭素原子を有する「C1−n−アルキレン」についての定義において定義したとおりの基について用いられ、この場合、前記基の少なくとも2つのそれらの炭素原子が、三重結合によって互いに結合している。例えば用語「C2−3−アルキニレン」は、−C≡C−、−C≡C−CH−、−CH−C≡C−を含む。
【0109】
カルボシクリル:
単独で又は他の基との組み合わせのいずれかで用いられる用語「カルボシクリル」は、一つから4つの環を含み、ここでそのような環がペンダント(pendent)様式で結合していてもよく、又は縮合していてもよい、炭素のみからなる単環式又は多環式の環構造を意味する。用語「カルボサイクル」は、完全に飽和した芳香環系及び部分的に飽和した環系を指す。用語「カルボサイクル」は加えて、スピロ系及び架橋系を包含する。
【0110】
シクロアルキル:
単独で又は他の基との組み合わせのいずれかで、用語「C3−n−シクロアルキル」(ここでnは4〜nの整数である)は、3〜n個のC原子を有する環式、飽和、非分枝鎖の炭化水素基を表す。例えば用語「C3−7−シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを含む。
【0111】
シクロアルケニル:
単独で又は他の基との組み合わせのいずれかで、用語「C3−n−シクロアルケニル」(ここでnは3〜nの整数である)は、3〜n個のC原子を有し、少なくともその2つが二重結合によって互いに結合している、環式の、不飽和であるが非芳香族の、非分枝鎖の炭化水素基を表す。例えば用語「C3−7−シクロアルケニル」は、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル及びシクロヘプタトリエニルを含む。
【0112】
アリール:
本明細書で使用する用語「アリール」は、単独で又は他のラジカルとの組み合わせのいずれかで、芳香族、飽和又は不飽和であってもよい第二の5又は6員の炭素環式基とさらに縮合していてもよい、6個の炭素原子を含む、炭素環式の芳香族の単環式の基を表す。アリールは、非限定的に、フェニル、インダニル、インデニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル及びジヒドロナフチルを含む。より好ましくは、本明細書で使用する用語「アリール」は、単独で又は他の基との組み合わせのいずれかで、フェニル又はナフチル、最も好ましくはフェニルを表す。
【0113】
「アリールC1−6アルキル」は、−CH−フェニル、−CH−CH−フェニル等のような、少なくとも一つのアルキル水素原子がアリール部分で置き換えられている、C1−6アルキルを意味する。
【0114】
ヘテロアリール:
「ヘテロアリール」は、5〜10員でかつ、−C(=O)−、−S(=O)−及び−S(=O)−を含むN、O、Sより選択される少なくとも一つのヘテロ原子を有し、少なくとも1個の炭素原子を含み、そして単環式及び二環式の環を含む、芳香族の複素環を意味し、そしてここで、N及びSヘテロ原子は場合により酸化されていてもよく、そしてNヘテロ原子は場合により第四級であってもよい。代表的なヘテロアリールは、(非限定的に)フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、アザインドリル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル及びキナゾリニルを含む。
【0115】
ヘテロ環
「ヘテロ環」(本明細書において「複素環」とも称される)は、飽和、不飽和又は芳香族のいずれかであり、そして−C(=O)−、−S(=O)−及び−S(=O)−を含むN、O、Sより独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、5〜7員の単環式、又は7〜14員の多環式のヘテロ環を意味し、そしてここでN及びSヘテロ原子は場合により酸化されていてもよく、そしてNヘテロ原子は場合により第四級であってもよく、任意の上記ヘテロ環が、ベンゼン環ならびに三環式(及びさらに多い)複素環と縮合している二環式の環を含む。ヘテロ環は、任意のヘテロ原子又は炭素原子を介して結合することができる。ヘテロ環は、上記と同義のヘテロアリールを含む。したがって、上記羅列した芳香族ヘテロアリールに加え、ヘテロ環はまた(非限定的に)モルホリニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペリジニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル等を含む。
【0116】
加えて、プロドラッグもまた、本発明の文脈の範囲内に含まれる。プロドラッグは、この種のプロドラッグが患者に投与されるときに、インビボで構造(I)の化合物を遊離する任意の共有結合した担体である。プロドラッグは通常、官能基を修飾する(その修飾が日常的な操作によって又はインビボで切断され、親化合物を産生するような方法で)ことによって調製される。プロドラッグは、例えば、ヒドロキシ、アミン又は酸基が、患者に投与されたときに開裂してヒドロキシ、アミン又は酸基を形成する任意の基に結合している本発明の化合物を含む。したがって、プロドラッグの代表例は、(非限定的に)構造(I)の化合物のアルコール及びアミン官能基の酢酸、ギ酸及び安息香酸誘導体を含む。さらに、カルボン酸(−COOH)の場合、例えばメチルエステル、エチルエステル等のようなエステルを使用することができる。
【0117】
立体異性体に関して、構造(I)の化合物は、キラル中心を有することができ、そしてラセミ化合物、ラセミ混合物として、そして個々のエナンチオマー又はジアステレオマーとして生じることができる。全てのこのような異性体は、それらの混合物を含み、本発明の範囲に含まれる。
【0118】
本発明の化合物は、完全なアモルファスから完全な結晶性に至るまで、固体状態の連続体で存在することができる。さらにまた、構造(I)の化合物の結晶形の幾つかは多形として存在することができ、それは本発明に含まれる。加えて、構造(I)の化合物の幾つかは、水又は他の有機溶媒により溶媒和物を形成することもできる。用語「溶媒和物」は、本明細書において、本発明の化合物及び一つ以上の薬学的に許容され得る溶媒分子を含む、分子複合体を記載するために用いられる。そのような溶媒和物は、本発明の範囲内に同様に含まれる。
【0119】
本発明はまた、一つ以上の原子が同じ原子番号を有するが異なる原子質量を有する原子と置き換えられている、構造(I)の全ての薬学的に許容され得る同位体標識化合物を含む。例は、水素についてH及びH、炭素について11C、13C及び14C、塩素について36Cl、フッ素について18F、ヨウ素について123I及び125I、窒素について13N及び15Nならびに硫黄について35Sを含む。
【0120】
本発明の化合物は、その全ての多形、プロドラッグ、異性体(光学、幾何及び互変異性体を含む)、塩、溶媒和物及び同位体を含む、定義されたとおりの構造(I)の化合物を含む。
【0121】
一実施態様において、本発明のGPR119アゴニストは、様々な疾患及び病状を有する対象の処置に使用することができる。
【0122】
一実施態様において、本発明のGPR119アゴニストは、GPR119の活性を調節することにより作用を受ける疾患及び病状の処置に使用することができる。
【0123】
一実施態様において、本発明のGPR119アゴニストは、糖尿病、特に2型糖尿病又は1型糖尿病の処置に使用することができる。
【0124】
一実施態様において、本発明のGPR119アゴニストは、肥満の処置に使用することができる。
【0125】
もう一つの実施態様では、本発明のGPR119アゴニストは、1型糖尿病、2型糖尿病、血糖コントロール不良、インスリン抵抗性、高血糖症、高脂血症、高コレステロール血症(hypercholesterinemia)、脂質異常症、シンドロームX、代謝症候群、肥満、高血圧、慢性全身性炎症、網膜症、ニューロパシー、ネフロパシー、アテローム性動脈硬化症、内皮障害及び骨粗鬆症、関節リウマチ又は変形性関節炎のような骨に関連した病状の処置に使用することができる。
【0126】
もう一つの実施態様では、本発明のGPR119アゴニストは、耐糖能異常、空腹時血糖異常、グルコースインスリン抵抗性及び/又は2型糖尿病への代謝症候群の進行を処置するか、減速するか、遅延させるか又は逆転させるために用いることができる。
【0127】
もう一つの実施態様では、本発明のGPR119アゴニストは、血糖コントロールの処置もしくは改善及び/又は空腹時血糖、食後のグルコース及び/もしくはグリコシル化ヘモグロビンHbA1cの減少に用いることができる。
【0128】
もう一つの実施態様では、本発明のGPR119アゴニストは、糖尿病の合併症、例えば白内障ならびにネフロパシー、網膜症、ニューロパシー、組織虚血、糖尿病性足病変、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、急性冠症候群、不安定狭心症、安定狭心症、卒中、末梢動脈閉塞性疾患、心筋症、心不全、心拍障害及び血管再狭窄のような細少及び大血管疾患からなる群より選択される病状又は障害の防止、進行の減速、遅延又は処置に用いることができる。
【0129】
もう一つの実施態様では、本発明のGPR119アゴニストは、体重及び/もしくは体脂肪の減少、又は体重及び/もしくは体脂肪の増加の防止、又は体重及び/もしくは体脂肪の減少の促進に用いることができる。
【0130】
もう一つの実施態様では、本発明のGPR119アゴニストは、膵臓β細胞の変性及び/もしくは膵臓β細胞機能の減退の防止、減速、遅延もしくは処置、及び/又は膵臓β細胞機能の改善及び/もしくは回復、及び/又は膵臓インスリン分泌機能の回復に用いることができる。
【0131】
もう一つの実施態様では、本発明のGPR119アゴニストは、インスリン感受性の維持及び/もしくは改善、及び/又は高インスリン血症及び/もしくはインスリン抵抗性の治療もしくは予防に用いることができる。
【0132】
加えて、本発明の化合物は、一つ以上の追加の治療剤、特に先に示された病状及び疾患の治療及び/又は予防に適している治療剤と組み合わせることが有用でありうる。一つ以上の本発明の化合物と組み合わせるのに適切であろう追加の治療剤は、インスリン及びインスリン類似体、スルホニル尿素(例えばグリベンクラミド、グリメピリド、トルブタミド)、メグリチニド(例えばナテグリニド、ミチグリニド)、ビグアニド(特にメトホルミン)、チアゾリジンジオンを含むPPARモジュレーター(例えばピオグリタゾン、リボグリタゾン)、DPP−4阻害剤(例えばアログリプチン、リナグリプチン)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例えばアカルボーズ、ミグリトール、ボグリボーズ)、GLP−1類似体(例えばエキセニチド、リラグルチド)、SGLT−2阻害剤(例えばダパグリフロジン、レモグリフロジン、セルグリフロジン)、アミリン類似体(例えばプラムリンチド)及びインクレチン模倣剤を含む。
【0133】
本発明のもう一つの実施態様では、一つ以上のGPR119受容体アゴニストを含む医薬組成物が開示される。投与目的で、本発明の化合物は、医薬組成物として調製することができる。本発明の医薬組成物は、本発明のGPR119受容体アゴニスト及び薬学的に許容され得る担体及び/又は希釈剤を含む。本GPR119受容体アゴニストは、組成物中、特定の障害を処置するのに効果的である量、すなわち、GPR119受容体アゴニスト活性を達成するのに十分な量で、そして、好ましくは患者に対して許容され得る毒性を有し存在する。適切な濃度及び投与量は、当業者が容易に決定することができる。
【0134】
薬学的に許容され得る担体及び/又は希釈剤は、当業者によく知られている。溶液として調製される組成物の場合、許容され得る担体及び/又は希釈剤は、食塩水及び滅菌水を含み、そして場合により抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬及び他の一般的な添加剤を含むことができる。組成物はまた、GPR119受容体アゴニストに加えて、希釈剤、分散剤及び界面活性剤、結合剤及び潤滑剤を含有する丸薬、カプセル剤、顆粒剤又は錠剤として調製することもできる。当業者は、適当な方法で、そして、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, Gennaro, Ed., Mack Publishing Co., Easton, PA 1990において開示されるもののような認められた慣例に従って、GPR119受容体アゴニストをさらに処方することができる。
【0135】
他の実施形態では、本発明は、上記及び下記に記載されている様々な疾患及び/又は病状、特に肥満及び糖尿病ならびに上で示したような関連病状を処置する方法を提供する。そのような方法は、患者に病状を処置するのに十分な量の本発明の化合物を投与することを含む。この文脈において、「処置する」とは、予防投与を含む。このような方法は、好ましくは上で示したように医薬組成物の形での、本発明のGPR119受容体アゴニストの全身投与を含む。本明細書において、全身投与は、経口及び非経口投与の方法を含む。
【0136】
1日当たりの適切な一般式(I)の化合物の投与量の幅は、通常患者の体重1kg当たり0.001〜10mg、好ましくは0.01〜8mgである。各々の投与単位は、好都合には0.1〜1000mgの、本発明による化合物を含むことができる。
【0137】
実際の治療的に有効な量又は治療用量は当然、患者の年齢及び体重、投与の経路並びに疾患の重篤度のような、当業者に知られている要因に依存する。いずれにせよ、組合せは、患者の固有の病状に基づいて治療有効量を送達することができる投与量及び方法で投与されるであろう。
【0138】
経口投与のために、GPR119受容体アゴニストの適切な医薬品組成物は、粉末剤、顆粒剤、丸薬、錠剤、トローチ剤、チューズ、ゲル剤及びカプセル剤ならびに液剤、シロップ剤、懸濁液剤、エリキシル剤及びエマルジョン剤を含む。本発明の化合物はまた、即溶性の、即崩壊性の剤形で用いることもできる。これらの組成物はまた、抗酸化剤、香味料、防腐剤、懸濁剤、増粘剤及び乳化剤、着色剤、香料及び他の薬学的に許容され得る添加剤を含むこともできる。経口投与のための製剤は、即時放出又は調節放出されるように処方することができ、ここで、調節放出は遅延性、持続性、パルス化、制御化、標的化、及びプログラム化された放出を含む。
【0139】
非経口投与のために、本発明の化合物は、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮下又は他の注射もしくは注入を介して、血流、筋肉又は内部臓器に直接投与される。非経口製剤は、GPR119受容体アゴニストに加えて、緩衝剤、抗酸化剤、静菌薬、塩類、炭水化物及び注射において一般的に使用される他の添加剤を含むことができる水性注射液で調製することができる。非経口投与は、即時放出又は調節放出(例えば注入されたか移植されたデポ剤)でもよい。
【0140】
本発明の化合物は、局所的に、(皮内)皮膚に又は経皮で、皮膚又は粘膜に投与することもできる。典型的製剤は、ゲル、ヒドロゲル、ローション剤、液剤、クリーム、軟膏、ドレッシング、フォーム、スキンパッチ、ウェーハ、インプラント及びミクロエマルジョンを含む。本発明の化合物は、例えば、乾燥粉末、エアロゾルスプレー、又は液滴として、吸入又は鼻腔内投与を介して投与することもできる。本発明の化合物のための投与の付加的な経路は、膣内及び直腸内(坐薬、膣座薬又は浣腸によって)そして眼及び耳を含む。
【0141】
以下の実施例は、限定ではなく説明のために設けられる。要約すると、本発明のGPR119受容体アゴニストは、以下の実施例において開示される一般的な方法によって合成し、そして分析することができる。
【0142】
実施例
試料の分析のためのHPLC法
保持時間、t、分
分析的HPLC−MS方法1
プラットフォーム:Agilent 1100 series:オートサンプラー、UV検出器(220nM及び254nM)、MS検出器(APCI)を装備;
HPLCカラム:Phenomenex Synergi:MAX-RP、2.0×50mmカラム;
HPLC勾配:1.0mL/分、2.5分間で水中10%アセトニトリル〜水中90%アセトニトリル、90%を1分間維持。アセトニトリル及び水は共に0.025%のTFAを有する。
【0143】
分析的HPLC−MS方法2
プラットフォーム:Agilent 1100 series:オートサンプラー、UV検出器(220nM及び254nM)、MS検出器(APCI)を装備;
HPLCカラム:Phenomenex Synergi:MAX-RP、2.0×50mmカラム;
HPLC勾配:1.0mL/分、13.5分間で水中5%アセトニトリル〜水中95%アセトニトリル、95%を2分間維持。アセトニトリル及び水は共に0.025%のTFAを有する。
【0144】
分析的HPLC−MS方法3
プラットフォーム:Agilent 1100 series:オートサンプラー、UV検出器(220nM及び254nM)、MS検出器(エレクトロスプレー)を装備;
HPLCカラム:XTerra MS、C18、5μ、3.0×250mmカラム;
HPLC勾配:1.0mL/分、46分間で水中10%アセトニトリル〜水中90%アセトニトリル、99%アセトニトリルに急に上げ、99%を8.04分間維持。アセトニトリル及び水は共に0.025%のTFAを有する。
【0145】
分析的HPLC−MS方法4
プラットフォーム:Agilent 1100 series:オートサンプラー、UV検出器(220nM及び254nM)、MS検出器(エレクトロスプレー)を装備;
HPLCカラム:Waters XBridge 5μ C18 110A、3.0×100mm;
HPLC勾配:1.5mL/分、9.86分間で水中5%アセトニトリル〜水中90%アセトニトリル、0.1分で水中90%アセトニトリル〜水中95%アセトニトリル、95%を1.19分間維持。アセトニトリル及び水は共に0.04%のNHOHを有する。
【0146】
分析的HPLC−MS方法5
プラットフォーム:Gilson 215オートサンプラー、30℃に保持されたDionex Thermostatted Column Compartment TCC-100、Dionex PDA-100 Photodiode Array Detector(220nm及び254nm)、Dionex P680 HPLCポンプ、Thermo Finnigan MSQ single quad Mass Spectrometer(APCI);
HPLCカラム:Phenomenex Gemini 5μ C18 110A、3.0×100mm;
HPLC勾配:1.5mL/分、9.86分間で水中5%アセトニトリル〜水中90%アセトニトリル、0.1分で水中90%アセトニトリル〜水中95%アセトニトリル、95%を1.19分間維持。アセトニトリル及び水は共に0.04%のNHOHを有する。
【0147】
分析的HPLC−MS方法6
プラットフォーム:Agilent 1100 series:オートサンプラー、UV検出器(220nM及び254nM)、MS検出器(APCI)を装備;
HPLCカラム:Phenomenex Synergi:MAX-RP、2.0×50mmカラム;
HPLC勾配:6.43分間でA中5%のB〜95%のB、総実行時間9.17分。A=水中10mM NHOH、B=75%MeOH、25% AcN
【0148】
分取HPLC−MS
プラットフォーム:Gilson 215オートサンプラー/フラクションコレクター、UV検出器及びPE Sciex API150EX mass 検出器を備えたShimadzu HPLC;
HPLCカラム:BHK ODS-O/B、5μ、30×75mm
HPLC勾配:35mL/分、7分で水中10%アセトニトリル〜100%アセトニトリル、100%アセトニトリルを3分間維持、0.025%のTFAを有する。
【0149】
キラルHPLC
プラットフォーム:Dionex P680A及びP680Pポンプ、Dionex PAD 100 photodiode array detector、Jasco CD 2095 plus キラル検出器、Gilson 215 liquid handler。
分析カラムは0.46×25cm、5μm;分取カラムは2×25cm、5μm。
【0150】
DCM−ジクロロメタン
TFA−トリフルオロ酢酸
DMA−N,N−ジメチルアセトアミド
【0151】
実施例1
2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
【化14】


工程1A:2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(1−1)
THF 100mL中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(1.18g、10mmol)の溶液に、ボランテトラヒドロフラン錯体(1M溶液60mL、6当量)を加え、混合物を5時間加熱還流した。反応物を室温に放冷した後、水を徐々に加え、溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出物を、重炭酸ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。残留物をシリカゲルで精製(溶離剤:DCM中15%メタノール)して、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン1−1を0.17g得た。
【0152】
実施例2
4−[6−(2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化15】


工程2A:4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(2a)
DCM 200mL中の4−ヒドロキシル−ピペリジン(8.1g、80mmol)及びトリエチルアミン(11.2mL、1当量)の溶液に、クロロギ酸イソプロピル(トルエン中の1M溶液80mL、1当量)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、重炭酸飽和溶液でクエンチし、DCMで2回抽出した。合わせた抽出物を、重炭酸飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させて2aを得た。
【0153】
工程2B:4−(6−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(2b)
THF 10mL中の2a(0.76g,4.06mmol)の溶液に、室温で、カリウムtert−ブトキシド(0.65g、1.4当量)を加えた。得られた混合物を、室温で30分間撹拌し、次に4,6−ジクロロピリミジン(0.8g、1.3当量)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次に溶媒を窒素流下で除去した。残留物をDCMで溶かし、フラッシュクロマトグラフィーで精製(ヘキサン中0〜40%酢酸エチル及び0.1% TEAで溶離)して、2bを0.51g得た(収率42%)。
【0154】
工程2C:4−[6−(2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(2−1)
2b(100mg、0.33mmol)、カリウムtert−ブトキシド(0.1g、2.7当量)、1−1(0.35mmol、1.05当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(32mg、0.1当量)、トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロホウ酸(40mg、0.4当量)及びジオキサン(1mL)の混合物を、密閉バイアル中で80℃で18時間加熱した。反応物を室温に冷ました後、THFを加えて、混合物を濾過した。濾液を窒素流下で濃縮し、残留物をTHF 1mLで溶かし、分取HPLCにより精製して、2−1を得た。
【0155】
以下の化合物をこの手順に従って調製した。
【表3】

【0156】
実施例3
4−[6−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化16】


工程3A:4−(6−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3a)
THF 20mL中の4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.1g、15.5mmol)及びカリウムtert−ブトキシド(1.74g、1当量)の溶液に、0℃で、4,6−ジクロロピリミジン(2.3g、1当量)を加えた。反応混合物を1時間撹拌し、次に飽和重炭酸ナトリウムの溶液を加えた。水層を、酢酸エチルで2回抽出し、合わせた抽出物を飽和重炭酸ナトリウムの溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させた。残留物をシリカゲルで精製(溶離剤:ヘキサン中20%酢酸エチル)して、3aを2.49g(収率51%)得た。
【0157】
工程3B:4−[6−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3b)
5−ブロモインドリン(60mg、0.3mmol)及びカリウムtert−ブトキシド(0.1g、3当量)を、ジオキサン(1mL)中で5分間撹拌した。3a(0.1g、1.05当量)を加え、混合物を80℃で72時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をTHFに溶解し、分取HPLCにより精製して、3bを得た。
【0158】
工程3C:4 4−[6−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3−1)
3bをDCM(10mL)で溶かし、TFA(3mL)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、次に窒素流下で濃縮した。残留物(32mg、0.065mmol)をDCM(1mL)で溶かし、トリエチルアミン(0.2mL、22当量)を加えた。クロロギ酸ジイソプロピル(1M溶液0.1mL、1.5当量)を加え、混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を窒素流下で除去し、残留物を分取HPLCにより精製して、3−1を得た;LCMS 463.3 (MH+)、t=7.18(方法4)
【0159】
実施例4
4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化17】


工程4A:4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4a)
DMF 10mL中の水素化ナトリウム(0.25g、2当量)の懸濁液に、5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(0.63g、1当量)を加えた。混合物を、室温で10分間撹拌し、次に3a(1g、3.19mmol)を加えた。得られた混合物を80℃に18時間加熱した。反応混合物を次に室温に放冷し、ブライン(200mL)を加えた。溶液をDCMで2回(200mL、次に50mL)抽出した。合わせた抽出物を、ブライン(2×50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、油状物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10〜100%酢酸エチル及び0.1% TEAで溶離)により精製して、4aを0.61g(収率40%)得た;LCMS 475.2(MH+)。
【0160】
工程4B:5−メタンスルホニル−1−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(4b)
DCM 8mL中の4a(0.55g)の溶液に、トリフルオロ酢酸(3mL、33当量)を室温で加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次に溶媒及び過剰量のトリフルオロ酢酸を窒素流下で除去して、4bを0.57g得た。
【0161】
工程4C:4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(4−1)
DCM 1mL中の4b(0.12mmol)及びトリエチルアミン(0.2mL、12当量)の溶液に、クロロギ酸イソプロピル(1.3当量)を加えた。混合物を室温で22時間撹拌し、溶媒体積を窒素流下で0.7mLに削減した。残留物を分取HPLCにより精製して、4−1を得た;LCMS 461.2(MH+)。
【0162】
以下の化合物を、最後の工程で対応する求電子試薬を用いて、この手順に従って調製した。
【表4】

【0163】
実施例5
4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸シクロブチルエステル
【化18】


工程5A:4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸シクロブチルエステル(5−1)
DCM 1mL中のシクロブタノール(0.48mmol、4当量)及びトリエチルアミン(0.3mL、4.4当量)の溶液に、4−ニトロクロロギ酸フェニル(0.1g、4.2当量)を加え、混合物を室温で17時間撹拌した。この溶液を次に4b(0.12mmol)を含有するバイアルに加え、反応混合物を室温で5時間撹拌した。溶媒体積を、窒素流下で0.7mLに削減し、残留物を分取HPLCにより精製して、5−1を得た;LCMS 473.4(MH+)。
【0164】
以下の化合物を、対応する出発アルコールを用いて、この手順に従って調製した。
【表5】

【0165】
実施例6
4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化19】


工程6A:1−(6−クロロ−ピリミジン−4−イル)−5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(6a)
DMF 10mL中の水素化ナトリウム(0.24g、1.5当量)の懸濁液に、0℃で、5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(0.8g、4.05mmol)を加えた。混合物を0℃で10分間撹拌し、次に4,6−ピリミジンジクロリド(0.8g、1当量)を加えた。得られた混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を次にブライン(100mL)でクエンチし、酢酸エチル(100mL、次に3×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を3連続カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中25〜100%酢酸エチル及び0.1%TEAで溶離)により精製して、6aを0.51g(収率41%)得た。
【0166】
工程6B:4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(6b)
6a(0.4g、1.29mmol)、4−アミノ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.4g、1.5当量)、DMA(5mL)及び炭酸カリウム(0.4g、2.2当量)の混合物を、80℃で42時間加熱した。反応混合物を室温に放冷した後、ブライン100mLを加え、混合物を酢酸エチルで2回(100mL及び30mL)抽出した。合わせた抽出物を、ブライン(2×50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、DMA中の6bの溶液を得た。
【0167】
工程6C:[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イル]−ピペリジン−4−イル−アミン(6c)
上で得た6bの溶液を、DCM 5mLで希釈し、トリフルオロ酢酸(5mL、60当量)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次に窒素流下で一晩濃縮し分取HPLCで精製し、6cを104mg(17%)得た。
【0168】
工程6D:4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(6−1)
DCM 1mL中の6c(104mg、0.21mmol)及びトリエチルアミン(0.1mL、3.3当量)の溶液に、クロロギ酸イソプロピル(0.24mL、1.1当量)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。粗混合物を、シリカに注ぎ、酢酸エチル/ヘキサンで溶離して、次にシリカゲルカラムのクロマトグラフィー(ヘキサン中の25〜100%酢酸エチル及び0.1% TEAで溶離)に付し、最後に分取HPLCにより精製して、6−1を得た;LC−MS 460.4(MH+)、t=4.50(方法4)。EC50:611nM。
【0169】
実施例7
4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化20】


工程7A:(1−ベンジル−ピペリジン−4−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(7a)
DCM 10mL中の1−ベンジル−ピペリジン−4−イルアミン(0.5mL、2.6mmol)及びトリエチルアミン(0.5mL、1.3当量)の溶液に、二炭酸ジ−tert−ブチル(0.6g、1.04当量)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。それを次にDCMで希釈し、飽和重炭酸(2mL)の溶液及びブライン(2mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、7aを固体として得て、これを更に精製することなく次の工程で用いた。
【0170】
工程7B:(1−ベンジル−ピペリジン−4−イル)−メチル−アミン(7b)
THF(10mL)中のLAH(0.5g、5当量)の懸濁液に、7aを加え、混合物を72時間還流した。反応物を室温に放冷した後、水0.5mL、1M水酸化ナトリウム1mL及び水1.5mLを、徐々に連続的に加えた。酢酸エチルを加え、混合物を濾過した。溶媒を除去して、7b 0.36g(両工程で66%)を油状物として得て、これを更に精製することなく次の工程で用いた。
【0171】
工程7C:(1−ベンジル−ピペリジン−4−イル)−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イル]−アミン(7c)
DMA 1mL中の7b(0.14g、2.1当量)、6a(0.1g、0.3mmol)及び炭酸カリウム(0.1g、2.2当量)の混合物を、90℃に48時間加熱し、次に室温に冷まして、DCM(2mL)及びブライン(2mL)で希釈した。層を分離し、水層をDCM(2×2mL)で抽出した。合わせた抽出物を、ブライン(2×50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物をアセトニトリルで希釈し、分取HPLCにより精製して、7cを得た。
【0172】
工程7D:[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イル]−ピペリジン−4−イル−アミン(7d)
7cをDCM(2mL)に溶かした。ジイソプロピルエチルアミン(0.6mL、11当量)及びクロロギ酸1−クロロエチル(0.2mL、5.7当量)を加えた。反応混合物を室温で22時間撹拌した。溶媒を次に窒素流下で蒸発させ、残留物をメタノール中に溶解し、50℃で3時間加熱した。溶媒を窒素流下で除去し、残留物を分取HPLCにより精製して、7dを25mg(15%)得た。
【0173】
工程7E:4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(7−1)
7dを、DCM(1mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.1mL、14当量)を加えた。クロロギ酸イソプロピル(トルエン中の1M溶液0.1mL、2当量)を加え、反応混合物を室温で17時間撹拌した。溶液を蒸発させ、分取HPLCにより精製して、7−1を得た;LC−MS 474.0(MH+)、t=5.21(方法5)。EC50:69nM。
【0174】
実施例8
4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−5−メトキシ−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化21】


工程8A:4−(6−クロロ−5−メトキシ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(8a)
THF 18mL中の2a(3.18g、17mmol)の溶液に、室温で、カリウムtert−ブトキシド(2.06g、1.2当量)を加えた。得られた混合物を室温で30分間撹拌し、次に4,6−ジクロロ−5−メトキシ−ピリミジン(3g、17mmol)を加えた。反応混合物を室温で8時間撹拌し、次に溶媒を蒸発させた。残留物をDCMで溶かし、シリカゲルで精製(ヘキサン中25%酢酸エチルで溶離)して、8aを3.64g(収率65%)得た。
【0175】
工程8B:4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−5−メトキシ−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(8−1)
8a(49mg、0.15mmol)、炭酸セシウム(0.11g、2当量)、5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(35mg、1.2当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(31mg、0.1当量)、トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロホウ酸(37mg、0.8当量)及びジオキサン(1.5mL)の混合物を、90℃で4時間加熱した。混合物を室温に冷まし、ジオキサンを加え、そして混合物を濾過し、DCMで洗浄した。濾液を窒素流下で濃縮し、残留物をTHF 1mLに溶かし、分取HPLCにより精製して、8−1を得た;LCMS 491.2(MH+)、t=5.35(方法6)。EC50:201nM。
【0176】
実施例9
4−[5−メチル−6−(5−ニトロ−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化22】


工程9A:4−(6−クロロ−5−メチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(9a)
THF 200mL中の4,6−ジクロロ−5−メチル−ピリミジン(8.15g、50mmol)の溶液に、4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(10g、1当量)及びカリウムtert−ブトキシド(6.1g、1.2当量)を0℃で加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、次にNHCl飽和溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、粗9aを得た。
【0177】
工程9B:4−(6−クロロ−5−メチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(9b)
9aを、ジオキサン(60mL)中のHClの4M溶液に溶解した。溶液を室温で3時間撹拌し、溶媒を除去した。残留物をDCM 200mL及びトルエン40mLに溶かし、0℃に冷却した。クロロギ酸イソプロピル(トルエン中の1M溶液60mL、1.2当量)及びジイソプロピルエチルアミン(24mL)を加えた。混合物を36時間撹拌し、1M HCl(3×100mL)、水100mL及びブライン100mLで洗浄した。溶媒を蒸発させ、残留物をヘキサン50mLに溶かし、0℃で冷却し、2時間撹拌して沈殿物を得て、これを濾過し、ヘキサンで洗浄した。9bを2.89g得た。濾液を濃縮し、IPAで再結晶した。幾分の明黄色の結晶を得て、濾過し、IPAで洗浄して、9bを3.38g得た。濾液を濃縮し、シリカゲルで精製(溶離剤:ヘキサン中の20%酢酸エチル)して、9bを2.2g得た。9bの全収率:8.47g(54%)。
【0178】
工程9C:4−[5−メチル−6−(5−ニトロ−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(9−1)
水素化ナトリウム(油中60%懸濁液16mg、2当量)を、DMF1mL中の9b(63mg、0.2mmol)及び5−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(41mg、1.05当量)の混合物に加えた。混合物を90℃で2時間加熱した。反応物を室温に放冷し、水10mLに注いだ。溶液を酢酸エチルで3回抽出し、乾燥し、濃縮した。残留物をメタノール及びジクロロメタンで溶かし、分取HPLCにより精製して、9−1を得た。
【0179】
4−[6−(2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)−5−メチル−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル 9−2を同様の手順で調製した。LCMS 398.2(MH+)、t=3.56(方法2)。EC50:312nM。
【0180】
実施例10
4−[2−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル及び4−[4−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリジン−2−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化23】


工程10A:4−(2−クロロ−ピリジン−4−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(10a)及び4−(4−クロロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(10b)
DMF 2mL中の2,4−ジクロロピリジン(0.52g、3.5mmol)を、DMF8mL中の水素化ナトリウム(油中60%、0.16g、3当量)及び2a(0.55g、3mmol)の懸濁液に加えた。混合物を90℃で加熱した。混合物を室温に放冷し、水を加えて過剰な水素化ナトリウムをクエンチし、溶液を酢酸エチルで2回抽出し、重炭酸ナトリウム飽和溶液で洗浄し、乾燥させ、蒸発させた。粗物質を、シリカゲルにより精製(溶離剤:ヘキサン中の20%、次に50%酢酸エチル)して、10a及び10b(より極性の高い生成物0.55g及びより極性の低い生成物84mg)を得た。
【0181】
工程10B:4−[4−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリジン−2−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(10−2)及び4−[2−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリジン−2−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(10−1)
次に各生成物(10a及び10b)(30mg、0.1mmol)をDMFで別々に溶かし、5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(20mg、1当量)を加えた。この混合物に、水素化ナトリウム(油中60%、6mg、1.5当量)を加え、反応混合物を90℃で1時間加熱した。次に室温で反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルと水で分液した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。粗生成物(10−1及び10−2)を、分取HPLCで精製した。10−1については、LCMS 460.1(MH+)。t=4.72(方法2)、EC50:588nM、そして、10−2については、LCMS 460.2(MH+)。t=5.21(方法6)。
【0182】
実施例11
4−[4−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−[1,3,5]トリアジン−2−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化24】


工程11A:1−(4−クロロ−[1,3,5]トリアジン−2−イル)−5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(11a)
5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(79mg、0.4mmol)をジオキサン(2mL)に溶解した。2,4−ジクロロ−[1,3,5]トリアジン(60mg、1当量)、酢酸パラジウム(11mg、5%モル)、(+/−)binap(15mg、8%モル)及び炭酸セシウム(131mg、1当量)を加え、反応混合物を100℃で4時間加熱した。混合物を室温に冷まし、水を加えた。混合物をセライトを通して濾過し、ジオキサンで3回洗浄した。回収した濾液を蒸発乾固して、11a(104mg)を得て、これを更に精製することなく次の工程で用いた。
【0183】
工程11B:4−[4−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−[1,3,5]トリアジン−2−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(11−1)
11aをTHFに溶解した。4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(40mg、1当量)及びカリウムtert−ブトキシド(22mg、1当量)を加え、混合物を室温で3時間撹拌し、次に水でクエンチした。混合物を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させ、残留物をメタノール及びジクロロメタンに溶かし、分取HPLCにより精製して、11−1を得た。LCMS 476.2(MH+)、t=3.68(方法6)。
【0184】
実施例12
4−[2−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル及び4−[4−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−2−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化25】


工程12A:4−(2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(12a)及び4−(4−クロロ−ピリミジン−2−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(12b)
2,4−ジクロロ−ピリミジン(2.3g)を0℃で、THF 20mL中の2a(3.1g、1当量)及びカリウムtert−ブトキシド(1.74g、1当量)の溶液に加えた。混合物を1時間撹拌し、次に水でクエンチした。生成物を酢酸エチルで2回抽出し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させ、残留物をメタノール及びジクロロメタンで溶かし、シリカゲルで精製(溶離剤:ヘキサン中の20%酢酸エチル)して、12a及び12bの混合物を得た。これを直接次の工程で用いた。
【0185】
工程12B:4−[2−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(12−1)及び4−[4−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−2−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(12−2)
12a及び12bの混合物0.19g(0.6mmol)を、ジオキサン(3mL)に、5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(0.12g、1当量)、炭酸セシウム(0.19g、1当量)、酢酸パラジウム(16mg、3%モル)及び(+/−)−binap(22mg、6%モル)とともに溶解した。混合物を100℃で4時間加熱し、室温に冷まし、セライトを通して濾過し、DCMで洗浄した。有機層を回収し、蒸発乾固した。残留物をメタノール及びDCMに溶解し、分取HPLCにより精製して、12−1及び12−2を得た;12−1については、LCMS 475.2(MH+)、t=4.58(方法6)、12−2については、LCMS 475.2(MH+)、t=5.55(方法6)。
【0186】
実施例13
4−[5−フルオロ−6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化26】


工程13A:4−[5−フルオロ−6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(13−1)
4a(43mg、0.09mmol)を、N−フルオロベンゼンスルホンイミド(62mg、0.2mmol)を含むDCE 1mL中に溶解した。混合物を2日間75℃で撹拌し、次に溶媒を減圧下で蒸発させた。粗物質をメタノール中の20% DCM中に溶解し、分取HPLCにより精製して、13−1を得た;LCMS 493.1(MH+)、t=5.21(方法5)。EC50:382nM。
【0187】
実施例14
4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−2−メチル−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化27】


工程14A:4−(6−クロロ−2−メチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(14a)
4,6−ジクロロ−2−メチル−ピリミジン(163mg、1mmol)をTHF 4mL中に溶解した。THF 2mL中のtBuOK(112mg、1mmol)及び2a(187mg、1mmol)の溶液を、室温で徐々に加えた。混合物を室温で8時間撹拌し、NHClの飽和溶液でクエンチした。混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を単離し、乾燥させ、濾過し、蒸発させて、14aを100mg得た。
【0188】
工程14B:4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−2−メチル−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(14−1)
14a(100mg)を5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(0.3mmol)及びNaH(0.3mmol)を含むDMFに溶解した。混合物を90℃で4時間加熱した。室温に冷ました後、混合物を酢酸エチル及び水で希釈した。有機層を飽和NaHCO溶液で洗浄し、単離し、蒸発させ、分取HPLCにより精製して、14−1を得た。LCMS 475.1(MH+)。
【0189】
以下の化合物を、第1工程で対応するジクロロピリミジンを用いて、この手順に従って調製した:
【表6】

【0190】
実施例15
3−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化28】


工程15A:3−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(15−1)
DMF 1mL中のNaH(30mg、0.75mmol)の懸濁液に、3−ヒドロキシ−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(74mg、0.43mmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。6a(0.1g、0.32mmol)を加え、混合物を80℃で21時間加熱した。混合物を室温に冷まし、DCM(4mL)及びブライン(4mL)を加えた。層を分離し、水層をDCM(3×3mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を分取HPLCにより精製して、15−1を得た。LCMS 447.1(MH+)、t=7.27(方法2)、10μMで22%の刺激。
【0191】
(R)−3−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル 15−2もまたこの手順に従って調製した。LCMS 461.1(MH+)、t=6.21(方法2)。10μMで26%の刺激。
【0192】
実施例16
4−{[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イル]−メチル−アミノ}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化29】


工程16A:4−{[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イル]−メチル−アミノ}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(16−1)
6b(80mg、0.17mmol)、NaH(75mg、1.87mmol)及びDMF(1mL)の混合物を、室温で30分間撹拌した。ヨウ化メチル(0.025mL、0.4mmol)を加え、混合物を密閉バイアル中90℃で18時間加熱した。室温に冷ました後、DCM(4mL)及びブライン(4mL)を加えた。層を分離し、水層をDCM(3×3mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ、濾過し、蒸発させ、分取HPLCにより精製して、16−1を得た。LCMS 488.4(MH+)。
【0193】
対応するアルキル化剤(NB:NaI(1当量)を、臭化アリルアルキル化反応の添加剤として用いて、以下の化合物をこの手順に従って調製した:
【表7】

【0194】
実施例17
4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化30】


工程17A:4−(6−クロロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(17a)
DCM 90mL中の4,6−ジクロロ−ピリミジン(8.9g、59.7mmol)及びトリエチルアミン(11mL、78.9mmol)の溶液に、0℃で、4−アミノ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4.89g、24.4mmol)を加えた。混合物を室温で3日間撹拌し、減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:0.1%トリエチルアミンを含有するヘキサン中の0〜50%EtOAc)で精製して、17aを3.09g(40%)得た。
【0195】
工程17B:4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(17b)
DMF 40mL中のNaH(0.62g、15.5mmol、60% NaH)の溶液に、5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(1.9g、9.63mmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。17a(3.09g、9.88mmol)をDMF中に加え、混合物を85℃で17時間加熱した。室温に冷ました後、ブライン(200mL)を加え、混合物をDCM(200mL、次に3×500mL)で抽出した。合わせた抽出物を、ブライン(3×100mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:0.1%トリエチルアミンを含有するヘキサン中の25〜100%EtOAc)により精製して、17bを2.83g(62%)得た。
【0196】
工程17C:4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(17−1)
DCM 5mL中の17b(0.28g、0.59mmol)の溶液に、TFA(5mL、64.9mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、次にそれを蒸発させた。残留物をメタノール中に溶解し、重炭酸樹脂を加えた。混合物を1時間撹拌し、濾過し、溶媒を蒸発させた。
【0197】
残留物をTHF(5mL)及びトリエチルアミン(0.5mL、3.59mmol)に溶かした。クロロギ酸イソプロピル(トルエン中の1M、0.65mL、0.65mmol)を加え、混合物を室温で17時間撹拌した。それを次に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:0.1%トリエチルアミンを含有するヘキサン中の25〜100% EtOAc)により精製して、17−1を0.24g(87%)得た。t=5.21(方法5)。EC50:611nM。
【0198】
実施例18
4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化31】


工程18A:4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(18a)
DCM 25mL中の4−(N−Bocアミノ)ピペリジン(2.61g、13mmol)及びトリエチルアミン(3mL、21.5mmol)の溶液に、クロロギ酸イソプロピル(トルエン中の1M、13.1mL、13.1mmol)を加えた。混合物を室温で20時間撹拌した。それを次にNaHCOの飽和溶液(50mL)、続いてブライン(50mL)で洗浄した。溶液を乾燥させ、濾過し、蒸発させて、18aを3.26g(87%)得た。
【0199】
工程18B:4−アミノ−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(18b)
DCM 10mL中の18a(3.26g、11.37mmol)の溶液に、TFA(5mL、64.9mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、溶媒を蒸発させた。残留物をDCM中に溶解し、NaHCOの飽和溶液及び1N NaOHをpHが8になるまで加えた。層を分離し、水層を3:1 DCM:IPA(3×40mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、乾燥させ、濾過し、蒸発させて、18bを1.89g(89%)得た。
【0200】
工程18C:4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(18−1)
DMF 15mL中の18b(1.1g、5.9mmol)、6a(1.5g、4.84mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(3mL、18.1mmol)の混合物を、80℃で17時間、そして90℃で24時間加熱した。混合物をDCM 100mLで希釈し、ブライン(3×50mL)で洗浄し、抽出物を乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中50〜100%酢酸エチル及び0.1%TEAで溶離)により精製し、最後に分取HPLCにより精製して、18−1を0.3g(14%)得た。t=5.21(方法5)。EC50:611nM。
【0201】
実施例19
1−[6−(1−イソプロポキシカルボニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−カルボン酸
【化32】


工程19A:2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−カルボン酸メチルエステル(19a)
酢酸10mL中の1H−インドール−5−カルボン酸メチルエステル(1g、5.71mmol)の溶液に、0℃で、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.08g、17.18mmol)を5分間かけて加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。水(3mL)を加え、すべての溶媒を減圧下で除去した。残留物を酢酸エチル(150mL)及び飽和NaHCO(150mL)中に溶解した。層を分離し、水層を酢酸エチル(3×75mL)で抽出した。合わせた抽出物を、ブライン(150mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン+0.1%トリエチルアミン中の0〜50%酢酸エチル)により精製して、19aを0.99g(99%)得た。
【0202】
工程19B:1−[6−(1−tert−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−カルボン酸(19b)
NaH(0.15g、3.75mmol、60%分散液)に、0℃で、DMF 5mL中の19a(0.3g、0.95mmol)を加えた。混合物を80℃で16時間撹拌した。混合物を分液漏斗に注ぎ、DCM(50mL)、ブライン(50mL)及び0.19M HCl(20mL)を加えた。層を分離し、水層をDCM(3×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を、ブライン(2×50mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を分取HPLCにより精製して、19bを65mg(25%)得た。
【0203】
工程19C:1−[6−(1−イソプロポキシカルボニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−カルボン酸(19c)
DCM 1.5mL中の19b(65mg、0.37mmol)の溶液に、TFA(1.5mL、19.5mmol)を加え、反応物を室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮して19cを得た。
【0204】
工程19D:1−[6−(1−イソプロポキシカルボニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−カルボン酸(19−1)
19cをトリエチルアミン(3.59mmol)0.5mLを含有するTHF 1mL中に溶解した。クロロギ酸イソプロピル(トルエン中の1M、2.25mL、2.25mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。水(1mL)、続いてNaBH(0.5g、13.2mmol)を加え、混合物を2分間超音波処理し、室温で1時間撹拌した。THFを減圧下で除去し、水性混合物を1N HClで酸性化し、DCM(3×10mL)で抽出し、合わせた抽出物をブライン(10mL)で洗浄した。溶液を乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を分取HPLCにより精製して、19−1(t=3.0、方法5)と、少量の4−[6−(5−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル 19−2とを得た。t=5.21(方法5)。
【0205】
実施例20
4−[6−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化33】


工程20A:5−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(20a)
5−クロロ−1,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−オン(78mg、0.46mmol)を、THF(1.5mL)に溶解した。BH(THF中の1M、0.92mL、0.92mmol)を加え、混合物を60℃で3時間撹拌した。混合物を室温に冷まし、THFで希釈し、1N HClでクエンチした.混合物を2N NaOHで塩基性になるまで処理し、エーテルで抽出した。有機抽出物を乾燥させ、濾過し、蒸発させて、20aを得た。
【0206】
工程20B:4−[6−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(20−1)
20a(36mg、0.23mmol)を、NaH(60%懸濁液、9.6mg、0.24mmol)を含有するDMF(1.5mL)に溶解した。3a(75mg、0.24mmol)を徐々に加えた。混合物を90℃で8時間撹拌し、次に室温に冷まし、酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCOで洗浄した。有機層を単離し、乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を分取HPLCにより精製して、20−1を得た。LCMS 432.1(MH+)。t=5.21(方法5)。EC50:751nM。
【0207】
実施例21
4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸1−(2−フルオロ−ベンジル)−ピロリジン−3−イルエステル
【化34】


工程21A:4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸1−tert−ブトキシカルボニル−ピロリジン−3−イルエステル(21a)
3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.37g、2mmol)を、トリエチルアミン(0.28mL、2mmol)を含有するDCM 4mL中に溶解した。4−ニトロ−ベンゾイルクロリド(0.4g、2mmol)を加え、混合物を室温で12時間撹拌した。それを次にDCMで希釈し、飽和NaHCO(3×20mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を、トリエチルアミン(0.36mL、2.6mmol)を含有するDCM(4mL)中に溶解し、4b(0.49g、1.3mmol)を加えた。混合物を室温で8時間撹拌し、DCMで希釈し、飽和NaHCOで洗浄した。有機層を蒸発させて、21aを得た。LCMS 588.2(MH+)。
【0208】
工程21B:4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸ピロリジン−3−イルエステル(21b)
21aを、DCM 2.5mL中に溶解し、TFA 2.5mLを加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、次に蒸発させ、粗物質をDCMに溶解し、飽和NaHCO(3×10mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させて、21bを得た。
【0209】
工程21C:4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸 1−(2−フルオロ−ベンジル)−ピロリジン−3−イルエステル(21−1)
2−フルオロ−ベンズアルデヒド(11μL、0.1mmol)を、21b(49mg、0.1mmol)及びNaBH(OAc)(30mg、0.14mmol)を含有するDCE 1mL中に溶解した。混合物を室温で8時間撹拌し、次にDCMで希釈し、飽和NaHCOでクエンチした。有機層を飽和NaHCO、続いてブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を分取HPLCにより精製して、21−1を得た。LCMS 596.2(MH+)。
【0210】
以下の化合物を、最後の工程で、対応するアルデヒドを用いて、この手順に従って調製した:
【表8】

【0211】
実施例22
4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸アゼチジン−3−イルエステル
【化35】


工程22A:4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸1−tert−ブトキシカルボニル−アゼチジン−3−イルエステル(22a)
3−ヒドロキシ−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.17g、1mmol)を、トリエチルアミン(0.28mL、2mmol)を含有するDCM 3mL中に溶解した。4−ニトロ−ベンゾイルクロリド(0.2g、1mmol)を加え、混合物を室温で12時間撹拌した。5分の1の溶液を4b(75mg、0.2mmol)と反応させた。混合物を室温で8時間撹拌し、DCMで希釈し、飽和NaHCOで洗浄した。有機層を蒸発させて、粗22aを得た。LCMS 574.2(MH+)。
【0212】
工程22B:4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸アゼチジン−3−イルエステル(22−1)
22aの半分をDCM 2.5mLに溶解し、TFA 2.5mLを加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、次に蒸発させた。粗物質を分取HPLCにより精製して、22−1を得た。LCMS 474.1(MH+)。
【0213】
以下の化合物を、対応する出発物質アルコールを用いて、この手順に従って調製した:
【表9】

【0214】
実施例23
4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸ピロリジン−3−イルエステル
【化36】


工程23A:4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸1−ベンジル−ピロリジン−3−イルエステル(23a)
対応する出発物質アルコールを用いて、工程22Aに従って23a(LCMS 578.2(MH+))を調製した。
【0215】
工程23B:4−[6−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸ピロリジン−3−イルエステル(23−1)
エタノール3mL中の23a(0.2mmol)及びPd/C 30mgを、水素圧60psi下で12時間撹拌した。懸濁液をエタノールを用いてセライト上で濾過し、蒸発させ、分取HPLCにより精製して、23−1を得た。LCMS 488.1(MH+)。t=5.21(方法5)。
【0216】
実施例24
4−[5−シアノ−2−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル及び4−[3−シアノ−4−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリジン−2−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
【化37】


工程24A:4−[5−ブロモ−2−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(24a)及び4−[3−ブロモ−4−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリジン−2−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(24b)
アセトニトリル2mL中の10a(0.15g、0.5mmol)の溶液に、臭素(0.1mL、1.95mmol)を加えた。混合物を室温で6時間撹拌し、次に蒸発させた。残留物を、DMF 1mL中のNaH(油中60%、9mg、0.22mmol)及び5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(43mg、0.22mmol)の予め撹拌した懸濁液に加えた。混合物を90℃で12時間撹拌し、水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、蒸発させた。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン中の20%酢酸エチル)により精製して、24a及び24b(より極性の低い生成物80mg及びより極性の高い生成物55mg)を得た。
【0217】
工程24B:4−[5−シアノ−2−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(24−1)及び4−[3−シアノ−4−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリジン−2−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(24−2)
24a(50mg、0.09mmol)を、CuCN(9mg、0.1mmol)を含有するDMF(0.5mL)中に溶解し、90℃で8時間加熱した。CuCN(18mg、0.2mmol)を加え、加熱をさらに40時間続けた。混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和NaHCO及びブラインで洗浄した。有機層を単離し、乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を分取HPLCにより精製して、24−1を得た。LCMS 485.1(MH+)。10μMで54%の刺激。
【0218】
4−[3−シアノ−4−(5−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル)−ピリジン−2−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(24−2)を同様に得た。
【0219】
実施例25
インビボOGTT方法
9〜13週齢の体重250g〜350gのオスのSprague Dawleyラット又は9週齢の体重300g〜450gのオスのZucker Diabetic Fattyラットを一晩、16時間絶食させた。ゼロ時間に血液をtail-nick法を用いて回収し、グルコメーター(Bayer HealthCare)を用いてグルコースを測定した。次に、動物に直ちにビヒクル(80%ラブラソール、Gattefosse、France)又は3、10もしくは30mg/kgの本発明によるGPR119アゴニスト(経口、体積2mL/kg)のいずれかを与えた。30分後、血中グルコースを、グルコースボーラス投与(経口、2g/kg、体積6mL/kg)の前に再度測定した。血中グルコースを、次にグルコースボーラス後10、20、30、60、90、120及び180分にに測定した。
【0220】
実施例26
cAMPアッセイ方法
ヒトGPR119受容体を発現する細胞からの、cAMP蓄積の定量的検出を、Perkin Elmer’s LANCE cAMP-384 Kit(Cat#AD0264)を用いて、製造業者のプロトコルに従って実行した。簡潔に言うと、ヒトGPR119受容体(メチオニン1をアミノ酸配列MKTIIALSYIFCLVFADYKDDDDAで置き換え、そしてT327及びS329をアラニンに代えた)の突然変異型を安定的に発現するHEK293細胞を、細胞培養培地(DMEM、10%熱不活性化ウシ胎仔血清、50 I.U./mLペニシリン、50μg/mLストレプトマイシン、10mM HEPES、20μg/mL G418硫酸塩)中で、50〜70%の密集度に培養した。アッセイの日、GPR119安定HEK293細胞を組織培養プレートから取り除き、そして1000細胞/ウェルを、20分間37℃で、様々な濃度の試験化合物とともにインキュベートした。cAMP−特異的な抗体を含む検出緩衝液(50mM HEPES、10mM 塩化カルシウム、0.35% Triton X-100、1mg/mL BSA)を次に全てのウェルに加え、そしてそのまま暗所で10分間、室温で平衡化した。平衡化し次第、ユウロピウム標識cAMPトレーサー錯体を含む検出緩衝液を、全てのウェルに加え、そしてそのまま1時間室温で反応させた。1時間後、結合したユウロピウム標識cAMPトレーサーを、Perkin Elmer ViewLuxを用いて測定した。各々のウェルで生成したcAMPの量は、標準曲線から導出した。
【0221】
EC50値を決定することができない幾つかの化合物については、有効性は単一の濃度(10μM)で導出し刺激%の値を得る。
【0222】
実施例27
単離したラット膵島におけるインスリン分泌アッセイ
ラット膵島を単離し、そしてそのまま11mMグルコースを含むRPMI細胞培養培地(10%FBS、50I.U./mLペニシリン、50μg/mLストレプトマイシン、10mM HEPES)中で一晩再生させた。一晩37℃、5%CO/95%空気でインキュベートした後、膵島を、5mMグルコースを含有する1×Krebes Ringes HEPES緩衝液(118mM NaCl、4.8mM KCl、2.5mM CaCl、1.2mM MgSO、20mM HEPES、0.1% BSA、pHをNaOHで7.4に調整した)で5回徹底的に洗浄した。膵島を、アッセイの開始前に、5mM グルコースを含有する1×KRH中、37℃でそのまま30分間プレインキュベートした。
【0223】
試験化合物は、膵島アッセイの開始時に最終グルコース濃度が8.3mMとなるように、適切な濃度のグルコースを含む1×KRH中で希釈した。ゼロ時において、化合物溶液をウェル中の膵島に加え、最終体積2.4mLの8.3mMグルコースを含有する1×KRHを得て、そしてそのまま37℃でインキュベートした。上清のアリコートを、様々な時点で取り出し、そして市販されているインスリンRIAキット(Linco Research Labs)を用いてインスリンについてアッセイした。
【0224】
アッセイに続いてすぐさま、膵島を24ウェルプレートから取り出し、グルコースを含まない1×KRH 1mLを含む別々の1.5mLエピンドルフチューブ(epindorf tubes)に入れ、そして次に氷上に置いた。上清を取り出す前に膵島を5分間沈降させ、そして300μLの酸/エタノールを各々のチューブに加えた。次いで短く超音波処理したチューブを−20℃で少なくとも24時間貯蔵し、総インスリン含量をアッセイした。定量化目的のために、刺激されたインスリン分泌の量は、アッセイウェル中の全インスリンの割合として表される。
【0225】
言うまでもなく、本発明の特定の実施態様が説明のために本明細書に記載されているが、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができる。したがって、本発明は添付された請求の範囲によるほかは制限されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化38】


[式中、
、X、X及びXは、独立して、−N−又は−C(R)−であり;
及びYは、独立して、−N−又は−C(R)−であり;
Aは、−O−又は−N(R)−であり;
は、RAlk、アリール−C1−4アルキル、ヘテロ環−C1−4アルキル、−C(=O)R、−CO、−SO、−C(=O)N(R、−C(=S)N(R、アリール又はヘテロ環であり、ここで各RAlk、アルキル、アリール及びヘテロ環は、互いに独立して、Rから選択される1〜4個の置換基で場合により置換されており;
は、出現ごとに独立して、C1−4アルキル、F、ヒドロキシ又はC1−4アルキル−O−であり;
は、出現ごとに独立して、H、ハロゲン、CN、C1−4アルキル、C1−4アルキル−O−又はC1−4アルキル−S−であり;
は、出現ごとに独立して、H、ハロゲン又はC1−4アルキルであり;
は、出現ごとに独立して、H、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、RAlk、ハロC1−4アルキル、−NO、−C(=O)R、−CO、−C(=O)N(R、−SON(R、−S(=O)R、−S(=O)、C1−6アルキル−O−、ハロC1−4アルキル−O−、−N(R、C1−6アルキル−S−、アリール、アリール−C1−6アルキル、ヘテロ環、ヘテロ環−C1−6アルキル、−NRC(=O)R、−NRC(=O)N(R、−NRC(=O)OR、−NRC(=NR)N(R又は−NRS(=O)N(Rであり、ここで各RAlk、アルキル、アリール及びヘテロ環は、互いに独立して、Rから選択される1〜5個の置換基で場合により置換されており;
は、RAlk、ヘテロ環、ヘテロ環−C1−3−アルキル又はアリールであり、ここで各RAlk、アルキル、ヘテロ環及びアリールは、互いに独立して、Rから選択される1〜4個の置換基で場合により置換されており;
は、出現ごとに独立して、H又はRAlkであり、ここで各RAlkは、互いに独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、−N(R、C1−4アルキル−O−及び−COから選択される1〜4個の置換基で場合により置換されており;
は、出現ごとに独立して、H又はC1−4アルキルであり;
は、出現ごとに独立して、シアノ、ヒドロキシ、RAlk、アリール、アリール−C1−3−アルキル、ヘテロ環、ハロゲン、オキソ、C1−4ハロアルキル、−NO、−C(=O)H、−CO、−OC(=O)RAlk、−C(=O)N(R、−SON(R、−S(=O)RAlk、−S(=O)Alk、C1−6アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、−N(R、−SR、−NRC(=O)RAlk、−NRC(=O)ORAlk又は−NRC(=O)N(Rであり、ここで各RAlk、アルキル、アリール及びヘテロ環は、互いに独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、−N(R、C1−4アルキル−O−、−NRCO、−NRSO及び−COから選択される1〜4個の置換基で場合により置換されており;
Alkは、出現ごとに独立して、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−3−アルキル、C4−8−シクロアルケニル又はC4−8−シクロアルケニル−C1−3−アルキルであり;
mは、0、1又は2であり;
nは、0、1又は2であり;
pは、0又は1であり;そして
qは、0、1又は2である]の化合物(そのあらゆる互変異性体及び立体異性体を含む)、又はその塩、又はその溶媒和物もしくは水和物。
【請求項2】
Aが−O−である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Aが−N(R)−であり、ここでRが請求項1に定義したとおりである、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
が、C1−6アルキル、アリール−C1−4アルキル、ヘテロ環−C1−4アルキル、アリール又はヘテロ環であり、ここで各アルキル、アリール及びヘテロ環が、互いに独立して、Rから選択される1〜4個の置換基で場合により置換されており、ここでRが請求項1で定義したとおりである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
が−C(=O)R、−CO又は−C(=O)N(Rであり、ここでRが請求項1に定義したとおりである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
が−COであり、ここでRが請求項1に定義したとおりである、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
がC1−6アルキルである、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
nが0である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
p及びqが1である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の薬学的に許容され得る塩。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩及び1つ以上の薬学的に許容され得る担体及び/もしくは希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を患者に投与することを特徴とする、それを必要とする患者におけるGPR119酵素の活性を調節することにより作用を受ける疾患又は病状を処置する方法。
【請求項13】
治療有効量の請求項1〜9いずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を、治療有効量の1つ以上の追加の治療剤と組み合わせて患者に投与する工程を含む、それを必要とする患者におけるGPR119の活性を調節することより作用を受ける疾患又は病状を処置する方法。
【請求項14】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩及び1つ以上の追加の治療剤を、場合により1つ以上の薬学的に許容され得る担体及び/又は希釈剤と一緒に含む医薬組成物。

【公表番号】特表2012−530758(P2012−530758A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516707(P2012−516707)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【国際出願番号】PCT/EP2010/058874
【国際公開番号】WO2010/149685
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【出願人】(511311945)ニューロクライン・バイオサイエンシズ・インコーポレーテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】NEUROCRINE BIOSCIENCES,INC.
【Fターム(参考)】