説明

新規殺虫性アシルアミノベンズアミド誘導体

【課題】殺虫剤として優れた殺虫効果を示す新規なアミド類を提供すること。
【解決手段】具体例として、下記反応で得られる化合物が例示される。


及び殺虫剤としてのそれの利用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規なアミド類及びその殺虫剤としての利用に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1〜9には、ベンズアミド類が殺虫剤として有用であることが記載されている。
【特許文献1】PCT国際公開WO 2005/021488パンフレット
【特許文献2】PCT国際公開WO 2005/073165パンフレット
【特許文献3】PCT国際公開WO 2006/137376パンフレット
【特許文献4】PCT国際公開WO 2006/137395パンフレット
【特許文献5】PCT国際公開WO 2007/128410パンフレット
【特許文献6】PCT国際公開WO 2008/000438パンフレット
【特許文献7】特開 2006−306771公報
【特許文献8】特開 2006−225340公報
【特許文献9】特開 2006−302617公報
【発明の開示】
【0003】
本発明者らは、殺虫剤としてより高い効果を示し且つより高い安全性を示す新規化合物を創製すべく鋭意研究を行った結果、今回、優れた殺虫活性を有する下記式(I)で表される新規なアミド類を見出した。
【0004】
【化34】

式中、
Vは下記の芳香環式基のいずれかを示し、
【0005】
【化35】

Dは式(I)の
【0006】
【化36】

部分との結合位置を示し、
Eは、式(I)の
【0007】
【化37】

部分との結合位置を示し、
Qは、下記の芳香環式基のいずれかを示し、
【0008】
【化38】

及びGは、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子を示し、
乃至X及びY乃至Yは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいハロアルキル、置換されてもよいアルコキシ、置換されてもよいハロアルコキシ、シアノ又はニトロを示し、
及びYは、それぞれ独立してハロゲン、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいハロアルキル、置換されてもよいアルコキシ、置換されてもよいハロアルコキシ、置換されてもよいアルキルチオ、置換されてもよいアルキルスルフィニル、置換されてもよいアルキルスルホニル、置換されてもよいハロアルキルチオ、置換されてもよいハロアルキルスルフィニル、置換されてもよいハロアルキルスルホニル、シアノ又はニトロを示し、
Jは、
【0009】
【化39】

を示し、
は、パーフルオロアルキルを示し、
は、水素、ハロゲン、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいハロアルキル、置換されてもよいフェニル又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基を示し、
は、水酸基、シアノ、アジド、ハロゲン、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいハロアルキル、OR、SR、NR、N(R)NR、N(R)OR、次式で表される置換基
【0010】
【化40】

【0011】
【化41】

【0012】
【化42】

又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基を示し、ただし、J及びJがパーフルオロアルキルであって、且つJが水酸基又はハロゲンである場合を除く、
は、水素、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいハロアルキル、置換されてもよいアルコキシ、置換されてもよいハロアルコキシ、置換されてもよいフェニル又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基を示し、
及びRは、それぞれ独立して水素、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいハロアルキル、置換されてもよいアルキルカルボニル、置換されてもよいハロアルキルカルボニル、置換されてもよいアルコキシカルボニル又は置換されてもよいハロアルコキシカルボニルを示し、
は、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいハロアルキル、任意に置換されてもよいアルコキシアルキル、任意に置換されてもよいアルキルチオアルキル、置換されてもよいアルケニル、置換されてもよいアルキニル、置換されてもよいフェニル、任意に置換されてもよいアラルキル、置換されてもよいイミニル、置換されてもよいアルキルカルボニル、置換されてもよいハロアルキルカルボニル、置換されてもよいフェニルカルボニル、置換されてもよいアルキルスルホニル、置換されてもよいハロアルキルスルホニル、置換されてもよいフェニルスルホニル、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の任意に置換されてもよい複素環式基アルキレン又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基カルボニルを示し、
は、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいハロアルキル、任意に置換されてもよいアルコキシアルキル、任意に置換されてもよいハロアルコキシアルキル、任意に置換されてもよいアルキルチオアルキル、任意に置換されてもよいハロアルキルチオアルキル、置換されてもよいアルケニル、置換されてもよいアルキニル、置換されてもよいフェニル、任意に置換されてもよいアラルキル、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の任意に置換されてもよい複素環式基アルキレンを示し、
、R及びRは、それぞれ独立して水素、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいハロアルキル、任意に置換されてもよいアルコキシアルキル、任意に置換されてもよいハロアルコキシアルキル、任意に置換されてもよいアルキルチオアルキル、任意に置換されてもよいハロアルキルチオアルキル、置換されてもよいアルケニル、置換されてもよいアルキニル、置換されてもよいフェニル、任意に置換されてもよいアラルキル、置換されてもよいアルキルスルホニル、置換されてもよいハロアルキルスルホニル、置換されてもよいフェニルスルホニル、、置換されてもよいアルキルカルボニル、置換されてもよいハロアルキルカルボニル、置換されてもよいフェニルカルボニル、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の任意に置換されてもよい複素環式基アルキレン又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基カルボニルを示し、
またRとRはそれらの結合する窒素原子と一緒になって環式アミノ基を形成してもよく、該環中には酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基を含んでいてもよく、
は、置換されてもよいアルキル又は置換されてもよいハロアルキルを示し、そして
10は、水素、置換されてもよいアルキル又は置換されてもよいハロアルキルを示す。
【0013】
本発明の式(I)の化合物は、例えば下記製法(a)、(b)及び(c)により得ることができる。
【0014】
製法(a):
【0015】
【化43】

式中、R11はハロゲン又は基
【0016】
【化44】

(Lは、アルキルスルホニル又はフェニルスルホニルを示す)を示し、
〜R、V、Q、J及びJ前記と同義である(ただし、V中のDは、式(a−I)の
【0017】
【化45】

部分との結合位置を示し、Eは、式(a−I)の
【0018】
【化46】

部分との結合位置を示す)、
で表される化合物を、
【0019】
【化47】

式中、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はその塩、例えば、リチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、マグネシウムブロマイド等を示し、Jは前記と同義である、
で表される化合物と反応させる方法。
【0020】
製法(b):
【0021】
【化48】

式中、R、R、V、J,J,J及びQは前記と同義である(ただし、V中のDは、式(b−I)の
【0022】
【化49】

部分との結合位置を示し、Eは、式(b−I)の
【0023】
【化50】

部分との結合位置を示す)
で表される化合物を、
【0024】
【化51】

式中、Rは前記と同義であり、Halはハロゲンを示す、
で表される化合物と反応させる方法。
【0025】
製法(c):
【0026】
【化52】

式中、R、J,J,J及びQは前記と同義である、
で表される化合物を、
【0027】
【化53】

式中、R、R、V及びHalは前記と同義である(ただし、V中のDは、式(c−II)の
【0028】
【化54】

部分との結合位置を示し、Eは、式(c−II)の
【0029】
【化55】

部分との結合位置を示す)、
で表される化合物と反応させる方法。
【0030】
本発明によれば、前記式(I)のアミド類は強力な殺虫作用を示す。
【0031】
本発明の式(I)の化合物は、本願出願日前公知のPCT国際公開WO2005/073165−A1号に概念上、一部包含されるが、驚くべきことに、本発明化合物と類似する構造を有する化合物に比較して格別顕著な殺虫作用を現す。
【0032】
本明細書において、「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を示し、好ましくはフッ素、塩素又は臭素を示す。
【0033】
「アルキル」は、例えば、メチル、エチル、n(ノルマル)−もしくはiso(イソ)−プロピル、n−、iso−、sec(セカンダリー)−もしくはtert(ターシャリー)−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル等の直鎖状又は分枝状のC1−12アルキルを示し、好ましくはC1−6アルキルを、より好ましくはC1−4アルキルを示す。
【0034】
「アルキレン」は、上記「アルキル」から水素原子を1つ除いた二価の基を示す。
【0035】
「ハロアルキル」、「ハロアルコキシ」、「ハルアルキルチオ」、「ハロアルキルスルフィニル」、「ハロアルキルスルホニル」、「アルコキシ」、「アルキルチオ」、「アルキルスルフィニル」及び「アルキルスルホニル」における各アルキル部分は、上記「アルキル」で説明したと同様のものを例示することができる。
【0036】
「ハロアルキル」、「ハロアルコキシ」、「ハルアルキルチオ」、「ハロアルキルスルフィニル」及び「ハロアルキルスルホニル」における各ハロゲン部分は、上記「ハロゲン」で説明したと同様のものを例示することができる。
【0037】
「5員または6員の複素環式基」は、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含むものであり、例えばチエニル、フリル、ピロリル、ピロリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピペリジニル、モルホリニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルを挙げることができ、特にはピロリル、ピロリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピペリジニル、モルホリニルを挙げることができる。
【0038】
複素環上に置換し得る置換基としては、ニトロ、シアノ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ハロアルキル、例えばトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ヘプタフルオロイソプロピルが好適なものとして挙げられる。
【0039】
本発明の式(I)の化合物において、
Vが下記の芳香環式基のいずれかを示し、
【0040】
【化56】

Dが式(I)の
【0041】
【化57】

部分との結合位置を示し、
Eが式(I)の
【0042】
【化58】

部分との結合位置を示し、
Qが、下記の芳香環式基のいずれかを示し、
【0043】
【化59】

及びGが、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子を示し、
乃至X及びY乃至Yが、それぞれ独立して水素、ハロゲン、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいC−Cアルコキシ、置換されてもよいC−Cハロアルコキシ、シアノ又はニトロを示し、
及びYが、それぞれ独立してハロゲン、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいC−Cアルコキシ、置換されてもよいC−Cハロアルコキシ、置換されてもよいC−Cアルキルチオ、置換されてもよいアルキルスルフィニル、置換されてもよいC−Cアルキルスルホニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルチオ、置換されてもよいC−Cハロアルキルスルフィニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルスルホニル、シアノ又はニトロを示し、
Jが、
【0044】
【化60】

を示し、
が、C−Cパーフルオロアルキルを示し、
が、水素、ハロゲン、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいフェニル又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基を示し、
が、水酸基、シアノ、アジド、ハロゲン、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、OR、SR、NR、N(R)NR、N(R)OR、次式で表される置換基
【0045】
【化61】

【0046】
【化62】

【0047】
【化63】

又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基を示し、ただし、J及びJがパーフルオロアルキルであって、且つJが水酸基又はハロゲンである場合を除く、
が、水素、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいC−Cアルコキシ、置換されてもよいC−Cハロアルコキシ、置換されてもよいフェニル又はN、O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基を示し、
及びRが、それぞれ独立して水素、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいC−Cアルキルカルボニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルカルボニル、置換されてもよいC−Cアルコキシカルボニル又は置換されてもよいC−Cハロアルコキシカルボニルを示し、
が、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルコキシC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルキルチオC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cアルケニル、置換されてもよいC−Cアルキニル、置換されてもよいフェニル、任意に置換されてもよいC−C12アラルキル、置換されてもよいC−Cイミニル、置換されてもよいC−Cアルキルカルボニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルカルボニル、置換されてもよいフェニルカルボニル、置換されてもよいC−Cアルキルスルホニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルスルホニル、置換されてもよいフェニルスルホニル、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の任意に置換されてもよい複素環式基C−Cアルキレン又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基カルボニルを示し、
が、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルコキシC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CハロアルコキシC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cアルキルチオにより置換された置換されてもよいC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CハロアルキルチオC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cアルケニル、置換されてもよいC−Cアルキニル、置換されてもよいフェニル、任意に置換されてもよいC−C12アラルキル、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の任意に置換されてもよい複素環式基C−Cアルキレンを示し、
、R及びRが、それぞれ独立して水素、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルコキシC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CハロアルコキシC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルキルチオC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CハロアルキルチオC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cアルケニル、置換されてもよいC−Cアルキニル、置換されてもよいフェニル、任意に置換されてもよいC−C12アラルキル、置換されてもよいC−Cアルキルスルホニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルスルホニル、置換されてもよいフェニルスルホニル、置換されてもよいC−Cアルキルカルボニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルカルボニル、置換されてもよいフェニルカルボニル、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の任意に置換されてもよい複素環式基C−Cアルキレン又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基カルボニルを示し、
またRとRがそれらの結合する窒素原子と一緒になって3員乃至7員の環式アミノ基を形成してもよく、該環中には酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基を含んでいてもよく、
が、置換されてもよいC−Cアルキル又は置換されてもよいC−Cハロアルキルを示し、そして
10が、水素、置換されてもよいC−Cアルキル又は置換されてもよいC−Cハロアルキルを示す場合の化合物を好適なものとして挙げることができる。
【0048】
中でも、式(I)の化合物において、
Vが下記の芳香環式基のいずれかを示し、
【0049】
【化64】

Dが式(I)の
【0050】
【化65】

部分との結合位置を示し、
Eが式(I)の
【0051】
【化66】

部分との結合位置を示し、
Qが、下記の芳香環式基のいずれかを示し、
【0052】
【化67】

及びGが、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子を示し、
乃至X及びY乃至Yが、それぞれ独立して水素、ハロゲン、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいC−Cアルコキシ、置換されてもよいC−Cハロアルコキシ、シアノ又はニトロを示し、
及びYが、それぞれ独立してハロゲン、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいC−Cアルコキシ、置換されてもよいC−Cハロアルコキシ、置換されてもよいC−Cアルキルチオ、置換されてもよいC−Cアルキルスルフィニル、置換されてもよいC−Cアルキルスルホニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルチオ、置換されてもよいC−Cハロアルキルスルフィニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルスルホニル、シアノ又はニトロを示し、
Jが、
【0053】
【化68】

を示し、
が、C−Cパーフルオロアルキルを示し、
が、水素、ハロゲン、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいフェニル又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基を示し、
が、水酸基、シアノ、アジド、ハロゲン、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、OR、SR、NR、N(R)NR、N(R)OR、次式で表される置換基
【0054】
【化69】

【0055】
【化70】

【0056】
【化71】

又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基を示し、ただし、J及びJがパーフルオロアルキルであって、且つJが水酸基又はハロゲンである場合を除く、
が、水素、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいC−Cアルコキシ、置換されてもよいC−Cハロアルコキシ、置換されてもよいフェニル又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基を示し、
及びRが、それぞれ独立して水素、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいC−Cアルキルカルボニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルカルボニル、置換されてもよいC−Cアルコキシカルボニル又は置換されてもよいC−Cハロアルコキシカルボニルを示し、
が、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルコキシC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルキルチオC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cアルケニル、置換されてもよいC−Cアルキニル、置換されてもよいフェニル、任意に置換されてもよいC−C10アラルキル、置換されてもよいC−Cイミニル、置換されてもよいC−Cアルキルカルボニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルカルボニル、置換されてもよいフェニルカルボニル、置換されてもよいC−Cアルキルスルホニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルスルホニル、置換されてもよいフェニルスルホニル、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の任意に置換されてもよい複素環式基C−Cアルキレン又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基カルボニルを示し、
が、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルコキシC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CハロアルコキシC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルキルチオC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CハロアルキルチオC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cアルケニル、置換されてもよいC−Cアルキニル、置換されてもよいフェニル、任意に置換されてもよいC−C10アラルキル、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の任意に置換されてもよい複素環式基C−Cアルキレンを示し、
、R及びRが、それぞれ独立して水素、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルコキシC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CハロアルコキシC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルキルチオC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CハロアルキルチオC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cアルケニル、置換されてもよいC−Cアルキニル、置換されてもよいフェニル、任意に置換されてもよいC−C10アラルキル、置換されてもよいC−Cアルキルスルホニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルスルホニル、置換されてもよいフェニルスルホニル、置換されてもよいC−Cアルキルカルボニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルカルボニル、置換されてもよいフェニルカルボニル、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の任意に置換されてもよい複素環式基C−Cアルキレン又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基カルボニルを示し、
またRとRがそれらの結合する窒素原子と一緒になって3員乃至7員の環式アミノ基を形成してもよく、該環中には酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基を含んでいてもよく、
が、置換されてもよいC−Cアルキル又は置換されてもよいC−Cハロアルキルを示し、そして
10が、水素、置換されてもよいC−Cアルキル又は置換されてもよいC−Cハロアルキルを示す場合の化合物が特に好適である。
【0057】
前記製法(a)は、出発原料として例えば、2−(4−{[(3−{[(2−クロロピリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]アミノ}−3,5−ジメチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネートと4−ブロモ−1H−ピラゾールを用いる場合、下記の反応式で表すことができる。
【0058】
【化72】

前記製法(b)は、出発原料として例えば、2−クロロピリジン−3−カルボニル クロライドと3−アミノ−N−{4−[2−(4−ブロモ−1H−ピラゾル−1−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル]−2,6−ジメチルフェニル}ベンズアミドを用いる場合、下記の反応式で表すことができる。
【0059】
【化73】

前記製法(c)は、出発原料として例えば、3−{[(2−クロロピリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}ベンゾイル クロライドと4−[2−(4−ブロモ−1H−ピラゾル−1−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル]−2,6−ジメチルアニリンを用いる場合、下記の反応式で表すことができる。
【0060】
【化74】

【0061】
上記製法(a)は、特開平8−311036、Journal of Fluorine Chemistry 121(2003)141−146又はJournal of the American Chemical Society 111(1989)1455−1465記載の方法に従って実施することができる。
【0062】
上記製法(a)において原料として用いられる式(a−I)の化合物は新規であり、代表例は、
2−(4−{[(3−{[(2−クロロピリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]アミノ}−3,5−ジメチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
2−(3,5−ジブロモ−4−{[(3−{[(2−クロロピリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
1−(4−{[(3−{[(2−クロロピリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]アミノ}−3,5−ジメチルフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル メタンスルホネート、
1−(4−{[(3−{[(2−クロロピリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]アミノ}−3,5−ジメチルフェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル メタンスルホネート、
1−(4−{[(3−{[(2−クロロピリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]アミノ}−3,5−ジメチルフェニル)−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
2−(4−{[(3−{[(2−クロロピリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}−2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}−3,5−ジメチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
2−(4−{[(3−{[(2−フルオロピリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]アミノ}−3,5−ジメチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
2−(4−{[(3−{[(2−クロロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]アミノ}−3,5−ジメチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
2−(4−{[(3−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]アミノ}−3,5−ジメチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
2−(4−{[(3−{[(3−クロロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]アミノ}−3,5−ジメチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
2−(4−{[(3−{[(3−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]アミノ}−3,5−ジメチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
2−(4−{[(3−{[(4−クロロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]アミノ}−3,5−ジメチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
2−(4−{[(3−{[(4−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]アミノ}−3,5−ジメチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
2−(4−{[(3−{[(2,6−ジクロロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]アミノ}−3,5−ジメチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
2−(4−{[(3−{[(2,6−ジフルオロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]アミノ}−3,5−ジメチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
等を挙げることができる。
【0063】
上記製法(a)において原料として用いられる式(r−I)の化合物の代表例として、
ナトリウムシアニド、ナトリウムアジド、メチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムブロマイド、ナトリウムメトキサイド、メタノール、ナトリウムエトキサイド、エタノール、ナトリウムエテノレート、ナトリウムフェノキサイド、フェノール、ナトリウムチオメトキサイド、チオエメノール、ナトリウムチオエトキサイド、チオエタノール、ナトリウムチオフェノキサイド、チオフェノール、ジメチルアミンナトリウム、ジメチルアミン、(1,3−ジメトキシ−1,3−ジオキソプロパン−2−イル)ナトリウム、(1−シアノ−2−メトキシ−2−オキソエチル)ナトリウム、ジシアノメチルナトリウム、ピラゾイルナトリウム、ピラゾール、4−クロロピラゾイルナトリウム、4−クロロピラゾール、4−ブロモピラゾイルナトリウム、4−ブロモピラゾール、3,5−ビストリフルオロメチルピラゾイルナトリウム、3,5−ビストリフルオロメチルピラゾール、ピロリジンナトリウム、ピロリジン、ピペリジンナトリウム、ピペリジン、モルホリンナトリウム、モルホリン等が挙げられる。
【0064】
上記製法(a)の反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、
エーテル類、例えば、エチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DGM)等;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド(HMPA)等;スルホン、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等;および塩基、例えば、ピリジン、
等を挙げることができる。
【0065】
製法(a)は、酸結合剤の存在下で行うことができ、斯かる酸結合剤としては、無機塩基としてアルカリ金属並びにアルカリ土類金属の、水素化物、水酸化物、炭酸塩及び重炭酸塩等、例えば、水素化ナトリウム、水素化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等;無機アルカリ金属アミド類、例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド、
等を挙げることができる。
【0066】
製法(a)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。
一般には、約−10〜約100℃、好ましくは、約0〜約30℃の間で実施できる。
また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
【0067】
製法(a)を実施するにあたっては、例えば、式(a−I)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばDMF中、1.0モル量乃至1.2モル量の式(r−I)の化合物を、反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0068】
上記製法(a)において原料として用いられる式(a−I)の化合物は、下記式
【0069】
【化75】

式中、R〜R、V、Q、J及びJは前記と同義である(ただし、V中のDは、式(a−II)の
【0070】
【化76】

部分との結合位置を示し、Eは、式(a−II)の
【0071】
【化77】

部分との結合位置を示す)、
で表される化合物を下記式
【0072】
【化78】

式中、L及びHalは前記と同義である、
で表される化合物またはハロゲン化剤と、常法に従って反応させることによって容易に得ることができる。
【0073】
上記式(a−II)の化合物の代表例として、公知のものを含むが
2−クロロ−N−(3−{[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]カルバモイル}フェニル)ピリジン−3−カルボキシアミド、
2−クロロ−N−(3−{[2,6−ジブロモ−4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)フェニル]カルバモイル}フェニル)ピリジン−3−カルボキシアミド、
2−クロロ−N−(3−{[2,6−ジメチル−4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)フェニル]カルバモイル}フェニル)ピリジン−3−カルボキシアミド、
2−クロロ−N−(3−{[2,6−ジメチル−4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)フェニル]カルバモイル}フェニル)ピリジン−3−カルボキシアミド、
2−クロロ−N−(3−{[2,6−ジメチル−4−(1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)フェニル]カルバモイル}フェニル)ピリジン−3−カルボキシアミド、
2−クロロ−N−(2−フルオロ−3−{[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]カルバモイル}フェニル)ピリジン−3−カルボキシアミド、
2−フルオロ−N−(3−{[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]カルバモイル}フェニル)ピリジン−3−カルボキシアミド、
2−クロロ−N−(3−{[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]カルバモイル}フェニル)ベンズアミド、
2−フルオロ−N−(3−{[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]カルバモイル}フェニル)ベンズアミド、
3−クロロ−N−(3−{[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]カルバモイル}フェニル)ベンズアミド、
3−フルオロ−N−(3−{[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]カルバモイル}フェニル)ベンズアミド、
4−クロロ−N−(3−{[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]カルバモイル}フェニル)ベンズアミド、
4−フルオロ−N−(3−{[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]カルバモイル}フェニル)ベンズアミド、
2,6−ジフルオロ−N−(3−{[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]カルバモイル}フェニル)ベンズアミド、
等を挙げることができる。
【0074】
上記式(r−III)の化合物の代表例として、
メタンスルホニルクロライド、トリフルオロメタンスルホニルクロライド、4−トリフルオロメチルスルホニルクロライド、
等を挙げることができる。
【0075】
上記式(a−II)の化合物から(a−I)の化合物への反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、
脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロルベンゼン、ジクロロベンゼン等;エーテル類、例えば、エチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DGM)等;ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチル−イソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)等;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、
アクリロニトリル等;エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸アミル等;酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド(HMPA)等;
スルホン、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等;および塩基、例えば、ピリジン等を挙げることができる。
【0076】
上記式(a−II)の化合物から(a−I)の化合物への反応は、酸結合剤の存在下で行うことができ、斯かる酸結合剤としては、無機塩基としてアルカリ金属並びにアルカリ土類金属の、水素化物、水酸化物、炭酸塩及び重炭酸塩等、例えば、
水素化ナトリウム、水素化リチウム、
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等;
無機アルカリ金属アミド類、例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド等;第3級アミン類、ジアルキルアミノアニリン類及びピリジン類、例えば、トリエチルアミン、1,1,4,4−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)等;有機リチウム化合物、例えば、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、フェニルリチウム、ジメチルカッパ−リチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムシクロヘキシルイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、n−ブチルリチウム・DABCO、n−ブチルリチウム・DBU、n−ブチルリチウム・TMEDA等を挙げることができる。
【0077】
上記式(a−II)の化合物から(a−I)の化合物への反応は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。一般には、約−20〜約100℃、好ましくは、約−10〜約50℃の間で実施できる。
【0078】
また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
【0079】
上記式(a−II)の化合物から(a−I)の化合物への反応を実施するにあたっては、例えば、式(a−II)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばジクロロメタン中、2モル量乃至3モル量の式(r−III)の化合物を、例えばトリエチルアミン存在下で反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0080】
前記式(a−II)の化合物は、下記式
【0081】
【化79】

式中、R、R、V、Q、J及びJは前記と同義である(ただし、V中のDは、式(a−III)の
【0082】
【化80】

部分との結合位置を示し、Eは、式(a−III)の
【0083】
【化81】

部分との結合位置を示す)、
で表される化合物を前記式(r−II)の化合物と反応させることによって容易に得ることができる。
【0084】
上記式(a−III)の化合物の代表例として、公知のものを含むが
3−アミノ−N−[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]ベンズアミド、
3−アミノ−N−[2,6−ジブロモ−4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)フェニル]ベンズアミド、
3−アミノ−2−フルオロ−N−[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]ベンズアミド、
3−アミノ−N−[2,6−ジメチル−4−(2,2,2−トリフルオロ−2−ヒドロキシエチル)フェニル]ベンズアミド、
3−アミノ−N−[2,6−ジメチル−4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)フェニル]ベンズアミド、
3−アミノ−N−[2,6−ジメチル−4−(1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキプロパン−2−イル)フェニル]ベンズアミド、
等を挙げることができる。
【0085】
上記式(r−II)の化合物は公知であるが、代表例として、
2−クロロピリジン−3−カルボニルクロライド、
2−フルオロピリジン−3−カルボニルクロライド、
2−クロロベンゾイルクロライド、
2−フルオロベンゾイルクロライド、
3−クロロベンゾイルクロライド、
3−フルオロベンゾイルクロライド、
4−クロロベンゾイルクロライド、
4−フルオロベンゾイルクロライド、
2,6−ジフルオロベンゾイルクロライド、
等を挙げることができる。
【0086】
上記式(a−III)の化合物から(a−II)の化合物への反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、
脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロルベンゼン、ジクロロベンゼン等;エーテル類、例えば、エチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DGM)等;ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチル−イソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)等;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、
アクリロニトリル等;エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸アミル等;酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド(HMPA)等;
スルホン、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等;および塩基、例えば、ピリジン等を挙げることができる。
【0087】
上記式(a−III)の化合物から(a−II)の化合物への反応は、酸結合剤の存在下で行うことができ、斯かる酸結合剤としては、無機塩基としてアルカリ金属並びにアルカリ土類金属の、水素化物、水酸化物、炭酸塩及び重炭酸塩等、例えば、
水素化ナトリウム、水素化リチウム、
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等;
無機アルカリ金属アミド類、例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド等;第3級アミン類、ジアルキルアミノアニリン類及びピリジン類、例えば、トリエチルアミン、1,1,4,4−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)等;有機リチウム化合物、例えば、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、フェニルリチウム、ジメチルカッパ−リチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムシクロヘキシルイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、n−ブチルリチウム・DABCO、n−ブチルリチウム・DBU、n−ブチルリチウム・TMEDA等を挙げることができる。
【0088】
上記式(a−III)の化合物から(a−II)の化合物への反応は、相間移動触媒を用いる方法によっても実施することができる。その際に使用される希釈剤の例としては、水;脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等;エーテル類例えば、エチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル等;を挙げることができる。
【0089】
相間移動触媒の例としては、4級イオン類、例えば、テトラメチルアンモニウム ブロマイド、テトラプロピルアンモニウム ブロマイド、テトラブチルアンモニウム ブロマイド、テトラブチルアンモニウム ビススルフェイト、テトラブチルアンモニウム ヨーダイド、トリオクチルメチルアンモニウム クロライド、ベンジルトリエチルアンモニウム ブロマイド、ブチルピリジニウム ブロマイド、ヘプチルピリジニウム ブロマイド、ベンジルトリエチルアンモニウム クロライド等;
クラウンエーテル類、例えば、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、18−クラウン−6等;
クリプタンド類、例えば[2.2.2]−クリプテート、[2.1.1]−クリプテート、[2.2.1]−クリプテート、[2.2.B]−クリプテート、[2O2O2S−クリプテート、[3.2.2]−クリプテート等を挙げることができる。
【0090】
上記式(a−III)の化合物から(a−II)の化合物への反応は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。一般には、約−20〜約100℃、好ましくは、約−10〜約50℃の間で実施できる。
【0091】
また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
【0092】
上記式(a−III)の化合物から(a−II)の化合物への反応を実施するにあたっては、例えば、式(a−III)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばテトラヒドロフラン中、1モル量乃至1.5モル量の式(r−II)の化合物を、例えばピリジン存在下で反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0093】
前記式(a−III)の化合物は、下記式
【0094】
【化82】

式中、R、V、Q、J及びJは前記と同義である(ただし、V中のDは、式(a−IV)の
【0095】
【化83】

部分との結合位置を示し、Eは、式(a−IV)の
【0096】
【化84】

部分との結合位置を示す)、
で表される化合物を適当な還元剤と反応させることによって容易に得ることができる。
【0097】
上記式(a−IV)の化合物の代表例として、公知のものを含むが
N−[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]−3−ニトロベンズアミド、
N−[2,6−ジブロモ−4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)フェニル]−3−ニトロベンズアミド、
2−フルオロ−N−[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]−3−ニトロベンズアミド、
N−[2,6−ジメチル−4−(2,2,2−トリフルオロ−2−ヒドロキシエチル)フェニル]−3−ニトロベンズアミド、
N−[2,6−ジメチル−4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)フェニル]−3−ニトロベンズアミド、
N−[2,6−ジメチル−4−(1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキプロパン−2−イル)フェニル]−3−ニトロベンズアミド、
等を挙げることができる。
【0098】
上記式(a−IV)の化合物から(a−III)の化合物への反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、水;エーテル類、例えば、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DGM)等; アルコ−ル類、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール等;
等を挙げることができる。
【0099】
上記式(a−IV)の化合物から(a−III)の化合物への反応は、酸触媒の存在下で行うことができ、斯かる酸触媒の例としては、有機酸類、例えば、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等、
等を挙げることができる。
【0100】
上記式(a−IV)の化合物から(a−III)の化合物への反応は、適当な還元剤の存在下で行うことができ、斯かる還元剤の例としては、リチウムアルミニウムハイドライド、ナトリウムボロンハイドライドとニッケルクロライド、鉄と酢酸、塩酸と塩化第二スズ、
等を挙げることができる。
【0101】
上記式(a−IV)の化合物から(a−III)の化合物への反応は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。
【0102】
一般には、約−20〜約150℃、好ましくは、約0〜約100℃の間で実施できる。
また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
【0103】
上記式(a−IV)の化合物から(a−III)の化合物への反応を実施するにあたっては、例えば、式(a−IV)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばエタノール中、例えば3モル量乃至4モル量の塩化第二スズを、濃塩酸存在下で反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0104】
前記式(a−IV)の化合物は、下記式
【0105】
【化85】

式中、R、Q、J及びJは前記と同義である、
で表される化合物を、下記式
【0106】
【化86】

式中、V及びHalは前記と同義である(ただし、V中のDは、式(r−IV)の
【0107】
【化87】

部分との結合位置を示し、Eは、式(r−IV)の
【0108】
【化88】

部分との結合位置を示す)、
で表される化合物と反応させることにより得ることができる。
【0109】
上記式(a−V)の化合物の代表例として、公知のものを含むが
2−(4−アミノ−フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール、
2−(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール、
2−(4−アミノ−3,5−ジブロモフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール、
1−(4−アミノ−フェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、
1−(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、
1−(4−アミノ−3,5−ジブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、
1−(4−アミノ−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエタノール、
1−(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエタノール、
1−(4−アミノ−3,5−ジブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエタノール、
2−(4−アミノ−フェニル)−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オール、
2−(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オール、
2−(4−アミノ−3,5−ジブロモフェニル)−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オール、
等を挙げることができる。
【0110】
上記式(r−IV)の化合物の代表例として、
3−ニトロベンゾイルクロライド
等を挙げることができる。
【0111】
上記式(a−V)の化合物から(a−IV)の化合物への反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、
脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロルベンゼン、ジクロロベンゼン等;エーテル類、例えば、エチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DGM)等;ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチル−イソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)等;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、
アクリロニトリル等;エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸アミル等;酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド(HMPA)等;
スルホン、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等;および塩基、例えば、ピリジン等を挙げることができる。
【0112】
上記式(a−V)の化合物から(a−IV)の化合物への反応は、酸結合剤の存在下で行うことができ、斯かる酸結合剤としては、無機塩基としてアルカリ金属並びにアルカリ土類金属の、水素化物、水酸化物、炭酸塩及び重炭酸塩等、例えば、
水素化ナトリウム、水素化リチウム、
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等;
無機アルカリ金属アミド類、例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド等;第3級アミン類、ジアルキルアミノアニリン類及びピリジン類、例えば、トリエチルアミン、1,1,4,4−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)等;有機リチウム化合物、例えば、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、フェニルリチウム、ジメチルカッパ−リチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムシクロヘキシルイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、n−ブチルリチウム・DABCO、n−ブチルリチウム・DBU、n−ブチルリチウム・TMEDA等を挙げることができる。
【0113】
上記式(a−V)の化合物から(a−IV)の化合物への反応は、相間移動触媒を用いる方法によっても実施することができる。その際に使用される希釈剤の例としては、水;脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等;エーテル類例えば、エチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル等;を挙げることができる。
【0114】
相間移動触媒の例としては、4級イオン類、例えば、テトラメチルアンモニウム ブロマイド、テトラプロピルアンモニウム ブロマイド、テトラブチルアンモニウム ブロマイド、テトラブチルアンモニウム ビススルフェイト、テトラブチルアンモニウム ヨーダイド、トリオクチルメチルアンモニウム クロライド、ベンジルトリエチルアンモニウム ブロマイド、ブチルピリジニウム ブロマイド、ヘプチルピリジニウム ブロマイド、ベンジルトリエチルアンモニウム クロライド等;
クラウンエーテル類、例えば、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、18−クラウン−6等;
クリプタンド類、例えば[2.2.2]−クリプテート、[2.1.1]−クリプテート、[2.2.1]−クリプテート、[2.2.B]−クリプテート、[2O2O2S−クリプテート、[3.2.2]−クリプテート等を挙げることができる。
【0115】
上記式(a−V)の化合物から(a−IV)の化合物への反応は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。一般には、約−20〜約100℃、好ましくは、約−10〜約50℃の間で実施できる。
また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
【0116】
上記式(a−V)の化合物から(a−IV)の化合物への反応を実施するにあたっては、例えば、式(a−V)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばテトラヒドロフラン中、1モル量乃至1.5モル量の式(r−IV)の化合物を、例えばピリジン存在下で反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0117】
前記式(a−V)の化合物は下記製法(d)及び(e)により得ることができる。
【0118】
製法(d):
【0119】
【化89】

式中、R及びQは前記と同義である、
で表される化合物を、下記式
【0120】
【化90】

式中、J及びJは前記と同義である、
で表される化合物と、必要であれば酸触媒存在下、反応させる方法。
【0121】
製法(e):
【0122】
【化91】

式中、Q、J及びJは前記と同義である、
で表される化合物を適当な還元剤を反応させる方法。
【0123】
製法(d)における原料の式(d−I)の化合物は、公知の化合物であるが、代表例として、
アニリン、
2,6−ジメチルアニリン、
2,6−ジブロモアニリン、
等を挙げることができる。
【0124】
製法(d)における原料の式(r−V)の化合物は、公知の化合物であるが、代表例として、
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オン、
1,1,1,3,3,4,4,4−オクタフルオロブタン−2−オン、
1,1,1,2,2,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン−3−オン、
等を挙げることができる。
【0125】
製法(d)は、WO2005/073165及びWO2006/137395記載の方法に従って行うことができる。
【0126】
上記製法(d)の反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、ジクロロベンゼン等;エーテル類、例えば、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DGM)等;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、
等を挙げることができる。
【0127】
製法(d)は、酸触媒の存在下で行うことができ、
斯かる酸触媒の例としては、鉱酸類、例えば、
塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、亜硫酸水素ナトリウム等;有機酸類、例えば、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等;有機アミン塩酸塩、例えば、ピリジン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩等;アミンスルホン酸塩、例えば、ピリジンp−トルエンスルホン酸塩、トリエチルアミンp−トルエンスルホン酸塩
等を挙げることができる。
【0128】
製法(d)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。
一般には、約50〜約140℃、好ましくは、約60〜約120℃の間で実施できる。
また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
【0129】
製法(d)を実施するにあたっては、例えば、式(d−I)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばトルエン中、1モル量乃至1.5モル量の式(r−V)の化合物を、酸触媒存在下で反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0130】
前記製法(e)における式(e−I)の化合物の代表例は、公知のものを含むが
1−(4−ニトロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、
1−(3,5−ジメチル−4−ニトロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、
2−(4−ニトロフェニル)−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オール、
2−(3,5−ジメチル−4−ニトロフェニル)−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オール、
1−(4−ニトロフェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエタノール、
1−(3,5−ジメチル−4−ニトロフェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエタノール、
等を挙げることができる。
【0131】
前記製法(e)は、前記式(a−IV)の化合物から式(a−III)の化合物への合成方法に準じて行うことができる。
【0132】
前記製法(e)の原料の式(e−I)の化合物は、下記式
【0133】
【化92】

式中、Q及びJは前記と同義である、
で表される化合物を、下記式
【0134】
【化93】

式中、Meはメチルを示し、Jは前記と同義である、
で表される化合物と反させる方法。
【0135】
前記式(e−II)の化合物はの代表例は、公知のものを含むが
4−ニトロベンズアルデヒド、
3,5−ジメチル−4−ニトロベンズアルデヒド、
1−(4−ニトロフェニル)エタノン、
1−(3,5−ジメチル−4−ニトロフェニル)エタノン、
(4−ニトロフェニル)(フェニル)メタノン、
(3,5−ジメチル−4−ニトロフェニル)(フェニル)メタノン、
等をあげることができる。
【0136】
前記式(r−VI)の代表例は、
トリメチル(トリフルオロメチル)シラン、トリフルオロメチルスルフィニルベンゼン、トリフルオロメチルスルホニルベンゼン
等を挙げることができる。
【0137】
上記式(e−II)の化合物から式(e−I)の化合物への反応は、Tetrahedron 56(2000)7613−7632、Journal of Fluorine Chemistry 112(2001)123−131、Synlett 2006,112−114、Organic Letters 2003(5)3253−3256記載の方法に従って行うことができる。
【0138】
上記式(e−II)の化合物から式(e−I)の化合物への反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロルベンゼン、ジクロロベンゼン等;エーテル類、例えば、エチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DGM)等;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等;エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸アミル等;酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド(HMPA)等;スルホン、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等;
等を挙げることができる。
【0139】
上記式(e−II)の化合物から式(e−I)の化合物への反応は、触媒の存在下で行うことができ、斯かる触媒の例としては、テトラブチルアンモニウムフルオライド、テトラエチルアンモニウムフルオライド、フッ化カリウム、
等を挙げることができる。
【0140】
上記式(e−II)の化合物から式(e−I)の化合物への反応は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。
【0141】
一般には、約−20〜約100℃、好ましくは、約0〜約50℃の間で実施できる。
また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
【0142】
上記式(e−II)の化合物から式(e−I)の化合物への反応を実施するにあたっては、例えば、式(e−II)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばジクロロメタン中、1モル量乃至2モル量の式(r−VI)の化合物を、上記触媒存在下で反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0143】
前記式(e−II)の化合物は製法(f)、製法(g)及び製法(o)により得ることができる。
【0144】
製法(f):
【0145】
【化94】

式中、Q及びHalは前記と同義である、
で表される化合物と、下記式
【0146】
【化95】

式中、Jは前記と同義である、
で表される化合物と反応させる方法。
【0147】
製法(g):
【0148】
【化96】

式中、Q及びJは前記と同義である、
で表される化合物を酸化する方法。
【0149】
前記製法(f)における式(f−I)の化合物は公知であるが、代表例は、
4−ニトロベンゾイルクロライド、
4−ニトロベンゾイルブロマイド、
3,5−ジメチル−4−ニトロベンゾイルクロライド、
3,5−ジメチル−4−ニトロベンゾイルブロマイド、
等を挙げることができる。
【0150】
前記製法(f)における式(r−VII)の代表例は、
フェニルボロン酸、
4−クロロ−フェニルボロン酸、
等を挙げることができる。
【0151】
前記製法(f)はTetrahedron Letters 44(2003)271−273、ibid 40(1999)3057−3060及びTetrahedron 62(2006)11675−11678記載の方法に従って行うことができる。
【0152】
上記製法(f)の反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、水;脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロルベンゼン、ジクロロベンゼン等;エーテル類、例えば、エチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、
ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DGM)等;ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチル−イソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)等;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等;アルコ−ル類、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール等;エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸アミル等;酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド(HMPA)等;スルホン、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等;および塩基、例えば、ピリジン、
等を挙げることができる。
【0153】
製法(f)は、pH緩衝剤の存在下で行うことができ、斯かるpH緩衝剤としては、無機塩基としてアルカリ金属並びにアルカリ土類金属の、リン酸塩及び硫酸塩等、例えば、
リン酸三カリウム、等を挙げることができる。
【0154】
製法(f)は、触媒の存在下で行うことができ、斯かる触媒の例としては、
ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、
等を挙げることができる。
【0155】
製法(f)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。
一般には、約0〜約150℃、好ましくは、約50〜約120℃の間で実施できる。
また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
【0156】
製法(f)を実施するにあたっては、例えば、式(r−VII)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばトルエン中、1モル量乃至1.2モル量の式(f−I)の化合物を、上記pH緩衝剤及び触媒存在下で反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0157】
前記製法(g)における式(g−I)の化合物の代表例は、公知であるが
(4−ニトロフェニル)メタノール、
1−(4−ニトロフェニル)エタノール、
(4−ニトロフェニル)(フェニル)メタノール、
等を挙げることができる。
【0158】
上記製法(g)の反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、水;脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロルベンゼン、ジクロロベンゼン等;ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチル−イソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)等;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等;
エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸アミル等;酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド(HMPA)等;スルホン、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等;および
塩基、例えば、ピリジン等を挙げることができる。
【0159】
製法(g)は、酸化剤の存在下で行うことができ、斯かる酸化剤の例としては、
クロム酸、ピリジウムクロム酸、過ヨウ素酸、二酸化マンガン、過マンガン酸カリウム
等が挙げられる。
【0160】
製法(g)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。
一般には、約−60〜約100℃、好ましくは、約−20〜約50℃の間で実施できる。
また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
【0161】
製法(g)を実施するにあたっては、例えば、式(g−I)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばジクロロメタン中、1モル量乃至2モル量の酸化剤を反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0162】
前記製法(g)における原料の式(g−I)の化合物は製法(h)及び製法(i)により得ることができる。
【0163】
製法(o):
【0164】
【化97】

式中、Jは前記と同義である、
で表されるか化合物を適当な酸化剤、例えばクロム酸と反応させることによって得ることができる。
【0165】
製法(h):
【0166】
【化98】

式中、Qは前記と同義である、
で表される化合物と、下記式
【0167】
【化99】

式中、M及びJは前記と同義である、
で表される化合物を反応させる方法。
【0168】
製法(i):
【0169】
【化100】

式中、Qは前記と同義である、
で表される化合物を還元する方法。
【0170】
前記製法(h)における原料の式(h−I)の化合物の代表例は、
4−ニトロベンズアルデヒド、
3,5−ジニトロ−4−ニトロベンズアルデヒド、
等が挙げられる。
【0171】
前記製法(h)における原料の式(r−VIII)の化合物は公知であるが、代表例は、
メチルマグネシウムブロマイド、
エチルマグネシウムブロマイド、
フェニルマグネシウムブロマイド、
等が挙げられる。
【0172】
前記製法(h)は、有機合成では一般的なグリニア反応の常法に従って行うことができる。
【0173】
前記製法(i)における原料の式(i−I)の化合物の代表例は、
4−ニトロベンゼンカルボン酸、
3,5−ジニトロ−4−ニトロベンゼンカルボン酸、
等が挙げられる。
【0174】
上記製法(i)の反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、エーテル類、例えば、エチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DGM)等;
等を挙げることができる。
【0175】
製法(i)は、還元剤の存在下で行うことができ、斯かる還元剤としては、ジボラン、
等が挙げられる。
【0176】
製法(i)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。
一般には、約−20〜約100℃、好ましくは、約0〜約50℃の間で実施できる。
また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
【0177】
製法(i)を実施するにあたっては、例えば、式(i−I)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばテトラヒドロフラン中、1モル量乃至1.2モル量の上記還元剤で反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0178】
前記製法(i)の原料の式(i−I)の化合物は、下記式
【0179】
【化101】

式中、Qは前記と同義である、
で表される化合物を酸化することにより得ることができる。
【0180】
前記式(i−II)の化合物は、公知であるが、代表例は、
1−メチル−4−ニトロベンゼン、
1,3,5−トリメチル−4−ニトロベンゼン、
等が挙げられる。
【0181】
上記式(i−II)の化合物から式(i−I)の化合物への反応は、US 6455528 B1に記載の方法に従って行うことができる。
【0182】
上記式(i−II)の化合物から式(i−I)の化合物への反応は、酸化剤の存在下で行うことができ、斯かる酸化剤の例としては、
クロム酸、ピリジウムクロム酸、過ヨウ素酸、過マンガン酸カリウム
等が挙げられる。
【0183】
上記式(i−II)の化合物から式(i−I)の化合物への反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、水;アルコ−ル類、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール等;
等を挙げることができる。
【0184】
上記式(i−II)の化合物から式(i−I)の化合物への反応は、酸触媒の存在下で行うことができ、斯かる酸触媒の例としては、有機酸類、例えば、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸等;
等を挙げることができる。
【0185】
上記式(i−II)の化合物から式(i−I)の化合物への反応は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。一般には、約50〜約100℃、好ましくは、約60〜約80℃の間で実施できる。
【0186】
また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
【0187】
上記式(i−II)の化合物から式(i−I)の化合物への反応を実施するにあたっては、例えば、式(i−II)の化合物1モルに対し、希釈剤例えば酢酸、イソプロパノール中、3モル量乃至3.5モル量の上記酸化剤を反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0188】
製法(b)における原料の式(b−I)の化合物は新規であり、代表例としては
3−アミノ−N−{4−[1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1H−ピラゾル−1−イル)プロパン−2−イル]−2,6−ジメチルフェニル}ベンズアミド、
3−アミノ−N−{2,6−ジブロモ−[1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1H−ピラゾル−1−イル)プロパン−2−イル]フェニル}ベンズアミド、
3−アミノ−N−{2,6−ジメチル−[2,2,2−トリフルオロ−1−(1H−ピラゾル−1−イル)エチル]フェニル}ベンズアミド、
3−アミノ−N−{2,6−ジメチル−4−[2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−1−(1H−ピラゾル−1−イル)エチル]フェニル}ベンズアミド、
等が挙げられる。
【0189】
前記製法(b)は、前記式(a−III)の化合物から前記式(a−II)の化合物を合成する方法に準じて行うことができる。
【0190】
製法(b)における原料の式(b−I)の化合物は、下記式
【0191】
【化102】

式中、R、V、Q、J、J及びJは前記と同義である(ただし、V中のDは、式(b−II)の
【0192】
【化103】

部分との結合位置を示し、Eは、式(b−II)の
【0193】
【化104】

部分との結合位置を示す)、
で表される化合物を適当な還元剤と反応させることで得られる。
【0194】
前記式(b−II)の化合物は新規であり、代表例として、
3−ニトロ−N−{4−[1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1H−ピラゾル−1−イル)プロパン−2−イル]−2,6−ジメチルフェニル}ベンズアミド、
3−ニトロ−N−{2,6−ジブロモ−[1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1H−ピラゾル−1−イル)プロパン−2−イル]フェニル}ベンズアミド、
3−ニトロ−N−{2,6−ジメチル−[2,2,2−トリフルオロ−1−(1H−ピラゾル−1−イル)エチル]フェニル}ベンズアミド、
3−ニトロ−N−{2,6−ジメチル−4−[2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−1−(1H−ピラゾル−1−イル)エチル]フェニル}ベンズアミド、
等が挙げられる。
【0195】
上記式(b−II)の化合物から式(b−I)の化合物への反応は、前記式(a−IV)の化合物から式(a−III)の化合物への反応に準じて行うことができる。
【0196】
前記式(b−II)の化合物は、製法(j)及び製法(k)により得ることができる。
【0197】
製法(j):
【0198】
【化105】

式中、R、V、Q、J、J及びLは前記と同義である(ただし、V中のDは、式(j−I)の
【0199】
【化106】

部分との結合位置を示し、Eは、式(j−I)の
【0200】
【化107】

部分との結合位置を示す)、
で表される化合物を前記式(r−I)の化合物と反応させる方法。
【0201】
製法(k):
【0202】
【化108】

式中、R、Q、J、J及びJは前記と同義である、
で表される化合物と前記式(r−IV)の化合物と反応させる方法。
【0203】
前記製法(j)における原料の(j−I)の化合物は新規であり、代表例として、
2−(3,5−ジメチル−4−{[(3−ニトロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
2−(3,5−ジメチル−4−{[(3−ニトロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
1−(3,5−ジメチル−4−{[(3−ニトロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル メタンスルホネート、
2−(3,5−ジメチル−4−{[(3−ニトロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
1−(3,5−ジメチル−4−{[(3−ニトロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル メタンスルホネート、
等が挙げられる。
【0204】
前記製法(j)は、前記製法(a)に準じて行うことができる。
【0205】
前記製法(k)における原料の(k−I)の化合物は新規であり、代表例として、
4−[1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1H−ピラゾル−1−イル)プロパン−2−イル]−2,6−ジメチルアニリン、
2,6−ジブロモ−4−[1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1H−ピラゾル−1−イル)プロパン−2−イル]アニリン、
2,6−ジメチル−4−[2,2,2−トリフルオロ−1−(1H−ピラゾル−1−イル)エチル]アニリン、
2,6−ジメチル−4−[1,1,1−トリフルオロ−2−(1H−ピラゾル−1−イル)プロパン−2−イル]アニリン、
2,6−ジメチル−4−[2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−1−(1H−ピラゾル−1−イル)エチル]アニリン、
4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルアニリン、
等が挙げられる。
【0206】
前記製法(k)は、前記式(a−V)の化合物から式(a−IV)の化合物を合成する方法に準じて行うことができる。
【0207】
前記製法(k)における原料の式(k−I)の化合物は製法(l)及び製法(m)により得ることができる。
【0208】
製法(l):
【0209】
【化109】

式中、R、Q、J、J及びJは前記と同義である、
で表される化合物をt−ブトキシカルボニル基を脱保護する方法。
【0210】
製法(m):
【0211】
【化110】

式中、R、Q、J及びJは前記と同義である、
で表される化合物を前記式(r−I)の化合物と反応させる方法。
【0212】
上記製法(l)における式(l−I)の化合物は新規であり、代表例としては、
t−ブチル {4−[1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1H−ピラゾル−1−イル)プロパン−2−イル]−2,6−ジメチルフェニル}カーバメート、
t−ブチル {4−[1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1H−ピラゾル−1−イル)プロパン−2−イル]フェニル}カーバメート、
t−ブチル {2,6−ジメチル−4−[2,2,2−トリフルオロ−1−(1H−ピラゾル−1−イル)エチル]フェニル}カーバメート、
t−ブチル {4−[2,2,2−トリフルオロ−1−(1H−ピラゾル−1−イル)エチル]フェニル}カーバメート、
t−ブチル {2,6−ジメチル−4−[1,1,1−トリフルオロ−2−(1H−ピラゾル−1−イル)プロパン−2−イル]フェニル}カーバメート、
t−ブチル {4−[1,1,1−トリフルオロ−2−(1H−ピラゾル−1−イル)プロパン−2−イル]フェニル}カーバメート、
t−ブチル {2,6−ジメチル−4−[2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−1−(1H−ピラゾル−1−イル)エチル]フェニル}カーバメート、
t−ブチル {4−[2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−1−(1H−ピラゾル−1−イル)エチル]フェニル}カーバメート、
等を挙げることができる。
【0213】
前記製法(l)の反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、水;エーテル類、例えば、エチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DGM)等;ケトン類、例えば、アセトン等;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等;アルコ−ル類、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール等;酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド(HMPA)等;スルホン、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等;
等を挙げることができる。
【0214】
前記製法(l)は、酸触媒の存在下で行うことができ、
斯かる酸触媒の例としては、鉱酸類、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、亜硫酸水素ナトリウム等;有機酸類、例えば、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等;有機アミン塩酸塩、例えば、ピリジン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩等;アミンスルホン酸塩、例えば、ピリジンp−トルエンスルホン酸塩、トリエチルアミンp−トルエンスルホン酸塩等を挙げることができる。
【0215】
前記製法(l)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。
一般には、約0〜約100℃、好ましくは、約30〜約80℃の間で実施できる。
また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
【0216】
前記製法(l)を実施するにあたっては、例えば、式(l−I)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばテトラヒドロフラン中、4モル量乃至5モル量の塩化水素水を反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0217】
前記製法(m)における原料の式(m−I)は、公知の化合物であるが、代表例として、
4−(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルアニリン、
4−(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン−2−イル)アニリン、
等が挙げられる。
【0218】
前記製法(m)における原料の式(r−I)は、公知の化合物であるが、代表例として、
ナトリムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド、等が挙げられる。
【0219】
上記製法(m)の反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、水;エーテル類、例えば、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DGM)等;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等;アルコ−ル類、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール等;
酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド(HMPA)等;スルホン、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スホラン等;および塩基、例えば、ピリジン等を挙げることができる。
【0220】
製法(m)は、酸結合剤の存在下で行うことができ、斯かる酸結合剤としては、無機塩基としてアルカリ金属並びにアルカリ土類金属の、水素化物、水酸化物、炭酸塩及び重炭酸塩等、例えば、水素化ナトリウム、水素化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等;無機アルカリ金属アミド類、例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド等;
挙げることができる。
【0221】
製法(m)は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。
一般には、約0〜約100℃、好ましくは、約20〜約80℃の間で実施できる。
また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
【0222】
製法(m)を実施するにあたっては、例えば、式(m−I)の化合物1モルに対し、希釈剤例えば対応するアルコール中、4モル量乃至5モル量の式(r−I)の化合物を、上記塩基存在下で反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0223】
前記式(k−I)の化合物に適当なハロゲン化剤を反応させ、Q上のY及びYを水素からハロゲンに置換することができる。
【0224】
前記式(k−I)の化合物のハロゲン化反応は適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォリックトリアミド(HMPA)等;スルホン、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等;および有機酸類、例えば、酢酸、
等を挙げることができる。
【0225】
前記式(k−I)の化合物のハロゲン化反応は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。一般には、約0〜約100℃、好ましくは、約20〜約80℃の間で実施できる。
また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
【0226】
前記式(k−I)の化合物のハロゲン化反応を実施するにあたっては、例えば、式(k−I)の化合物1モルに対し、希釈剤例えば酢酸中、2モル量のハロゲン化剤、例えば、N−ブロモスクシンイミドやN−ヨードスクシンイミド等を反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0227】
前記製法(l)の原料の式(l−I)の化合物は、下記式
【0228】
【化111】

式中、R、Q、J、J及びLは前記と同義である、
で表される化合物を前記式(r−I)の化合物と反応させることによって得られる。
【0229】
前記式(l−II)の化合物は新規であり、その代表例として、
2−{4−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−3,5−ジメチルフェニル}−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
2−{4−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
1−{4−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−3,5−ジメチルフェニル}−2,2,2−トリフルオロエチル メタンスルホネート、
1−{4−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}−2,2,2−トリフルオロエチル メタンスルホネート、
2−{4−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−3,5−ジメチルフェニル}−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
2−{4−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート、
1−{4−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]−3,5−ジメチルフェニル}−2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル メタンスルホネート、
1−{4−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}−2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル メタンスルホネート、
等が挙げられる。
【0230】
前記式(l−II)の化合物から式(l−I)の化合物の合成は、前記製法(a)に準じて行うことができる。
【0231】
前記式(l−II)の化合物は、下記式
【0232】
【化112】

式中、R、Q、J及びJは前記と同義である、
で表される化合物を前記式(r−III)の化合物と反応させることにより得ることができる。
【0233】
前記式(l−III)の化合物は新規であり、代表例として、
t−ブチル[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]カーバメート、
t−ブチル[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)フェニル]カーバメート、
t−ブチル[2,6−ジメチル−4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)フェニル]カーバメート、
t−ブチル[4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)フェニル]カーバメート、
t−ブチル[2,6−ジメチル−4−(1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)フェニル]カーバメート、
t−ブチル[4−(1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)フェニル]カーバメート、
t−ブチル[2,6−ジメチル−4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)フェニル]カーバメート、
t−ブチル[4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)フェニル]カーバメート、
等を挙げることができる。
【0234】
前記式(l−III)の化合物から式(l−II)の化合物の合成は、前記式(a−II)の化合物から式(a−I)の化合物の合成方法に準じて行うことができる。
【0235】
前記式(l−III)の化合物は、前記式(a−V)の化合物をジt−ブトキシカーボネート又はt−ブトキシカルボニルクロライドと反応させることにより得ることができる。
【0236】
前記製法(m)の原料の式(m−I)の化合物は、前記式(d−I)の化合物と下記式
【0237】
【化113】

式中、J及びJは前記と同義である、
で表される化合物と反応させることにより得られる。
【0238】
上記式(r−IX)の式の化合物は、公知であるが、代表例として、
1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−2−ヨードプロパン、
等が挙げられる。
【0239】
前記式(d−I)及び(r−IX)の化合物からの式(m−I)の化合物の合成は、特開2001−288129A記載の方法に従って行うことができる。
【0240】
前記製法(c)の原料の式(c−II)の化合物は、下記式
【0241】
【化114】

式中、R、R及びVは前記と同義である(ただし、V中のDは、式(c−III)の
【0242】
【化115】

部分との結合位置を示し、Eは、式(c−III)の
【化116】

部分との結合位置を示す)、
で表される化合物とハロゲン化剤と反応させることにより得られる。
【0243】
前記式(c−III)の化合物は公知であるが、代表例として、
3−{[(2−クロロピリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}ベンゼンカルボン酸、
3−{[(2−フルオロピリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}ベンゼンカルボン酸、
3−{[(2−クロロフェニル)カルボニル]アミノ}ベンゼンカルボン酸
3−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}ベンゼンカルボン酸
3−{[(3−クロロフェニル)カルボニル]アミノ}ベンゼンカルボン酸
3−{[(3−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}ベンゼンカルボン酸
3−{[(4−クロロフェニル)カルボニル]アミノ}ベンゼンカルボン酸
3−{[(4−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}ベンゼンカルボン酸
等を挙げることができる。
【0244】
式(c−III)の化合物から式(c−II)の化合物を得る製法は、適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等を挙げることができる。
【0245】
上記反応はハロゲン化剤としてチオニルクロライド、チオニルブロマイドなどを用い、触媒としてDMF等を加え実施することができる。
【0246】
上記反応は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。一般には約0〜約200℃、好ましくは、室温〜約150℃の間で実施できる。また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもできる。
【0247】
上記反応を実施するにあたっては、例えば、式(c−III)の化合物1モルに対し、希釈剤例えば1,2−ジクロロエタン中、触媒量のDMFを加えたのちチオニルクロライドと反応させることによって一般式(c−II)の目的化合物を得ることができる。
【0248】
前記式(c−III)の化合物は、下記式
【0249】
【化117】

式中、R、R及びVは前記と同義であり(ただし、V中のDは、式(c−IV)の
【0250】
【化118】

部分との結合位置を示し、Eは、式(c−IV)の
【0251】
【化119】

部分との結合位置を示す)、MはC1〜4アルキルを示す、
で表される化合物を常法に従って、加水分解することによって容易に得ることができる。
【0252】
前記式(c−IV)の化合物は公知であるが、代表例として、
メチル 3−{[(2−クロロピリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}ベンゾエート、
メチル 3−{[(2−フルオロピリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}ベンゾエート、
メチル 3−{[(2−クロロフェニル)カルボニル]アミノ}ベンゾエート、
メチル 3−{[(2−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}ベンゾエート、
メチル 3−{[(3−クロロフェニル)カルボニル]アミノ}ベンゾエート、
メチル 3−{[(3−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}ベンゾエート、
メチル 3−{[(4−クロロフェニル)カルボニル]アミノ}ベンゾエート、
メチル 3−{[(4−フルオロフェニル)カルボニル]アミノ}ベンゾエート、
等を挙げることができる。
【0253】
式(c−IV)の化合物の加水分解による式(c−III)の化合物の製法は、適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、水:エーテル類、例えば、エチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、等;アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール等;を挙げることができる。
【0254】
上記反応は、無機塩基としてアルカリ金属並びにアルカリ土類金属の、水酸化物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等、または無機酸類として塩酸、硫酸などを用いて実施する。
【0255】
上記反応は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。一般には、約0〜約200℃、好ましくは、室温〜約150℃の間で実施できる。また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもでき、上記反応を実施するにあたっては、例えば、式(c−IV)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばエタノールと水の混合溶媒中、水酸化カリウムと反応させることによって一般式(c−III)の目的化合物を得ることができる。
【0256】
前記式(c−IV)の化合物は、下記式
【0257】
【化120】

式中、R、V及びMは前記と同義である(ただし、V中のDは、式(c−V)の
【0258】
【化121】

部分との結合位置を示し、Eは、式(c−V)の
【0259】
【化122】

部分との結合位置を示す)、
で表される化合物と前記式(r−II)の化合物を常法に従って、反応させることによって容易に得ることができる。
【0260】
前記式(c−V)の化合物は公知であるが、代表例として、
メチル 3−アミノベンゾエート、
等が挙げられる。
【0261】
前記式(c−V)の化合物と式(r−II)の化合物との反応は、適当な希釈剤中で実施することができ、その際に使用される希釈剤の例としては、脂肪族、環脂肪族、芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等;
エーテル類、例えば、エチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DGM)等;
ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチル−イソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)等;
ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等;
エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸アミル等を挙げることができる。
【0262】
上記反応は、塩基の存在下に行うことができ、斯かる塩基としては、無機塩基としてアルカリ金属の、水酸化物、炭酸塩及び重炭酸塩等、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等、有機塩基としてアルコラート、第3級アミン類、ジアルキルアミノアニリン類及びピリジン類、例えば、トリエチルアミン、1,1,4,4−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)等;を挙げることができる。
【0263】
上記反応は、相間移動触媒を用いる方法によっても実施することができる。その際に使用される希釈剤の例としては、水;脂肪族、環脂肪族および芳香族炭化水素類(場合によっては塩素化されてもよい)例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等;エーテル類例えば、エチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル等;を挙げることができる。
【0264】
相間移動触媒の例としては、4級イオン類、例えば、テトラメチルアンモニウム ブロマイド、テトラプロピルアンモニウム ブロマイド、テトラブチルアンモニウム ブロマイド、テトラブチルアンモニウム ビススルフェイト、テトラブチルアンモニウム ヨーダイド、トリオクチルメチルアンモニウム クロライド、ベンジルトリエチルアンモニウム ブロマイド、ブチルピリジニウム ブロマイド、ヘプチルピリジニウム ブロマイド、ベンジルトリエチルアンモニウム クロライド等;
クラウンエーテル類、例えば、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、18−クラウン−6等;
クリプタンド類、例えば[2.2.2]−クリプテート、[2.1.1]−クリプテート、[2.2.1]−クリプテート、[2.2.B]−クリプテート、[2O2O2S]−クリプテート、[3.2.2]−クリプテート等を挙げることができる。
【0265】
上記反応は、実質的に広い温度範囲内において実施することができる。一般には、約−40〜約200℃、好ましくは、約−20〜約110℃の間で実施できる。また、該反応は常圧の下で行うことが望ましいが、加圧または減圧下で操作することもでき上記反応を実施するにあたっては、例えば、式(c−V)の化合物1モルに対し、希釈剤例えばTHF中、1モル量乃至若干の過剰量の式(r−II)の化合物を、ピリジン存在下で反応させることによって目的化合物を得ることができる。
【0266】
前記式(I)の化合物においてG及びGを硫黄原子に置換するには、前記式(I)、(b−II)、(b−I)又は(c−IV)の化合物とローソン試薬(XX)を反応させることに得ることができる。
【0267】
前記式(I)の化合物において、水素以外のRおよびRを導入するには、前記式(I)、(b−II)、(l−I)又は(c−IV)等の化合物と下記式
【0268】
【化123】

式中、LはR又はRを表し、Halは前記と同義である、
で表される化合物と適当な塩基存在下、反応させることにより得ることができ、
または、
次式
【0269】
【化124】

式中、R12はアルキルを示す、
表される化合物を適当な希釈剤、例えば酢酸、ギ酸中、適当な還元剤、例えば、ナトリウムボロハイドライド、ナトリウムボロシアノハイドライド等で還元的アルキル化することによっても得ることができる。
【0270】
本発明の式(I)の化合物中のVがV2〜V5である場合、以下の方法でを合成することができる。それぞれについてスキーム1〜5で示す。
【0271】
VがV2の場合:スキーム1、
【0272】
【化125】

(式中、Halはハロゲンを表し、ブロモ、クロロが好適である。また、Q、J〜J、Hal、R及びRは前記と同義である)
つまり、上記式(V2−I)の化合物、例えば6−クロロピリジン−2−カルボン酸、6−ブロモピリジン−2−カルボン酸等をあげることができる、を適当なハロゲン化剤と処理して、上記式(V2−II)の化合物とし、前述の式(k−I)の化合物と反応させ上記式(V2−III)の化合物とする。前記式(V2−III)の化合物のハロゲンをアミンで置換して上記式(V2−IV)の化合物とし、前記製法(b)に従って、本発明の式(I)に含まれる式(V2−V)を合成することができる。
【0273】
VがV3の場合:スキーム2及び3、
スキーム2、
【0274】
【化126】

(式中、Q、J〜J及びR〜Rは前記と同義である)
特許文献(WO2007−051560公開パンフレット)に記載の式(V3−I)の化合物を、前述の製法(c)に従って式(k−I)の化合物と反応させて本発明の式(I)に含まれる式(V3−II)を得ることができる。
【0275】
スキーム3、
【0276】
【化127】

(式中、Q、J〜J、Hal、R及びRは前記と同義である)
特許文献(WO2007−051560公開パンフレット)に記載の方法に従って、式(V3−III)の化合物から式(V3−V)に変換し、製法(c)に従って式(k−I)の化合物と反応させ、t−ブトキサイドを脱保護して式(V3−IV)とする。最後、前記製法(b)に従って、式(V3−IV)の化合物と前記式(r−II)の化合物を反応させて本発明の式(I)に含まれる式(V3−II)を得ることができる。
【0277】
VがV4の場合:スキーム4、
【0278】
【化128】

(式中、Q、J〜J、Hal、R及びRは前記と同義である)
公知化合物である式(V4−I)の化合物を常法に従って式(V4−II)の化合物とした後、前述の製法(k)及び(b)に従って、本発明の式(I)に含まれる式(V4−V)を得ることができる。
【0279】
VがV5である場合:スキーム5
【0280】
【化129】

(式中、Q、J〜J、Hal、R及びRは前記と同義である)
公知化合物である式(V5−I)の化合物を常法に従って、ニトロ化、エステルの加水分解をして式(V5−III)の化合物とした後、前述の製法(k)及び(b)に従って、本発明の式(I)に含まれる式(V5−VII)を得ることができる。
【0281】
本発明の式(I)の化合物中、V上の置換基Xをフッ素にするには以下の方法で行うことができる。つまり、前記製法(a)及び(b)における式(a−III)及び(b−II)の化合物でXがクロロである化合物を適当な溶媒中、例えばDMF等、適当なフッ素試薬、例えばフッ化カリウム等と反応されることとで、クロロをフッ素置換し、その後は前記製法(b)に従って、本発明の式(I)の化合物を得ることができる。上記反応の具体例をスキーム6及び7に示す。
【0282】
スキーム6:
【0283】
【化130】

【0284】
スキーム7:
【0285】
【化131】

【0286】
本発明の式(I)の化合物を合成する上で有用な中間体、つまり前記式(a−I)、(a−III)、(a−IV)、(a−V)、(b−I)、(c−I)、(j−I)、(k−I)、(l−I)、(l−II)及び(l−III)に含まれる化合物をここで、以下の式(II)にまとめる。
【0287】
式(II)
【0288】
【化132】

式中、R13は水素、置換されてもよいアルキルオキシカルボニル、置換されてもよいフェニルオキシカルボニル、置換されてもよいアラルキルオキシカルボニル、基
【0289】
【化133】

(式中、V及びX〜Xは前記と同義である(ただし、V中のDは、上記基の
【0290】
【化134】

部分との結合位置を示し、Eは、上記基の
【0291】
【化135】

部分との結合位置を示す))、
又は基
【0292】
【化136】

(式中、V、X〜X及びRは前記と同義である)
を示し、
14はJ又は基
【0293】
【化137】

(式中、Lは前記と同義である)を示し、そして
、Q及びJ〜Jは前記と同義である、
ただしJ及びJがパーフルオロアルキルであって、且つJが水酸基又はハロゲンである場合を除く、
で表される化合物。
【0294】
本発明の式(I)の化合物は強力な殺虫作用を現す。従って、本発明の式(I)の化合物は殺虫剤として使用することができる。そして、本発明の式(I)の活性化合物は、栽培植物に対し薬害を与えることなく、有害昆虫に対し的確な防除効果を発揮する。また、本発明の化合物は、広範な種々の害虫、例えば、有害な吸汁性昆虫、咀しゃく性昆虫およびその他の植物寄生害虫、貯蔵害虫、衛生害虫等の防除のために使用することができ、それらの駆除撲滅のために適用することができる。
【0295】
そのような害虫類の例としては、以下の如き害虫類を例示することができる。
【0296】
昆虫類として、
鞘翅目害虫、例えば、
アズキゾウムシ(Callosobruchus Chinensis)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)、オオニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctomaculata)、トビイロムナボソコメツキ(Agriotes ogurae fuscicollis)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)、コロラドポテトビートル(Leptinotarsa decemlineata)、コーンルートワーム類(Diabrotica spp.)、マツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus endai)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus);
鱗翅目害虫、例えば、
マイマイガ(Lymantria dispar)、オビカレハ(Malacosoma
neustria)、モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、ヨーロッパアワノメイガ(Ostrinia nubilalis)、スジマダラメイガ(Cadra cautella)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、コドリンガ(Cydia pomonella)、カブラヤガ(Agrotis segetum)、ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)、コナガ(Plutella xylostella)、ニセアメリカタバコガ(Heliothis virescens)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella);
半翅目害虫、例えば、
ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanone
nsis)、モモアカアブラムシ(Myzus persicas)、ヨーロッパリンゴアブラムシ(Aphis pomi)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis erysimi)、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)、アオカメムシ類(Nezara spp.)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、キジラミ類(Psylla spp.);
アザミウマ目害虫、例えば、
ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ミカンキイロアザミウマ(Franklinella occidentalis);
直翅目害虫、例えば、
チャバネゴキブリ(Blatella germanica)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、アフリカケラ(Gryllotalpa africana)、トノサマバッタ(Locusta migratoria);
等翅目害虫、例えば、
ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus);
双翅目害虫、例えば、
イエバエ(Musca domestica)、ネツタイシマカ(Aedes aegypti)、タネバエ(Delia platura)、アカイエカ(Culex pipiens pallens)、シナハマダラカ(Anopheles sinensis)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)
等を挙げることができる。また、
ダニ類として、例えば、
ニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)、ナミハダニ(Tetranychus urticae)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi)、ホコリダニ類(Tarsonemus spp.)
等を挙げることができる。さらに、
センチュウ類として、例えば、
サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus xylophilus)、イネシンガレセンチュウ(Aphelenchoides besseyi)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、ネグサレセンチュウ(Pratylenchus spp.)
等を挙げることができる。
【0297】
更に、獣医学の分野において、本発明の新規化合物を種々の有害な動物寄生虫(内部および外部寄生虫)、例えば、昆虫類およびぜん虫に対して有効に使用することができる。そのような動物寄生虫の例としては、以下の如き害虫を例示することができる。
【0298】
昆虫類としては、例えば、
ウマバエ類(Gasterophilus spp.)、サシバエ類(Stomoxys spp.)、ハジラミ類(Trichodectes spp.)、サシガメ類(Rhodnius spp.)、イヌノミ(Ctenocephalides canis)、トコジラミ(Cimx lectularius)
等を挙げることができる。
【0299】
ダニ類としては、例えば、
カズキダニ類(Ornithodoros spp.)、マダニ類(Ixodes spp.)、オウシマダニ類(Boophilus spp.)
等を挙げることができる。
【0300】
本発明ではこれらすべてを包含する害虫類に対する殺虫作用を有する物質を殺虫剤と呼ぶことがある。
【0301】
本発明の活性化合物は、殺虫剤として使用する場合、通常の製剤形態にすることができる。製剤形態としては、例えば、液剤、エマルジョン、水和材、粒状水和剤、懸濁剤、粉剤、泡沫剤、ペースト、錠剤、粒剤、エアゾール、活性化合物侵潤−天然及び合成物、マイクロカプセル、種子用被覆剤、燃焼装置を備えた製剤(例えば、燃焼装置としては、くん蒸及び煙霧カートリッジ、かん、コイルなど)、ULV[コールドミスト(cold mist)、ウオームミスト(warm mist)]等を挙げることができる。
【0302】
これらの製剤はそれ自体既知の方法で製造することができる。例えば、活性化合物を、展開剤、即ち、液体の希釈剤又は担体;液体ガス希釈剤又は担体;固体の希釈剤又は担体と、そして場合によっては界面活性剤、即ち、乳化剤及び/又は分散剤及び/又は泡沫形成剤等と共に混合することによって製造することができる。
【0303】
展開剤として水を用いる場合には、例えば有機溶媒をまた補助溶媒として使用することができる。
【0304】
液体希釈剤又は担体としては、例えば、芳香族炭化水素類(例えば、キシレン、トルエン、アルキルナフタレン等)、クロル化芳香族又はクロル化脂肪族炭化水素類(例えば、クロロベンゼン類、塩化エチレン類、塩化メチレン類)、脂肪族炭化水素類(例えば、シクロヘキサン等、パラフィン類(例えば鉱油留分類))、アルコール類(例えば、ブタノール、グルコール及びそれらのエーテル、エステル等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、強極性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)、水などを挙げることができる。
【0305】
液化ガス希釈剤又は担体は、常温常圧ではガスであるもの、例えば、ブラン、プロパン、窒素ガス、二酸化炭素、ハロゲン化炭化水素類のようなエアゾール噴射剤を挙げることができる。
【0306】
固体希釈剤としては、例えば、粉砕天然鉱物(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルガイド、モンモリロナイト又は珪藻土等)、粉砕合成鉱物(例えば、高分散ケイ酸、アルミナ、ケイ酸塩等)などを挙げることができる。
【0307】
粒剤のための固体担体としては、例えば、粉砕且つ分別された岩石(例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石、白雲石等)、無機又は有機物粉の合成粒、有機物質(例えば、おがくず、ココやしの実のから、とうもろこしの穂軸、タバコの茎等)の細粒体などを挙げることができる。
【0308】
乳化剤及び/又は泡沫剤としては、例えば、非イオン及び陰イオン乳化剤[例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル(例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル)、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アリールスルホン酸塩等]、アルブミン加水分解生成物などを挙げることができる。
【0309】
分散剤としては、例えば、リグニンサルフアイト廃液、メチルセルオースが包含される。
【0310】
固着剤も、製剤(粉剤、粒剤、乳剤)に使用することができ、該固着剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、天然又は合成ポリマー(例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコールそしてポリビニルアセテート等)などを挙げることができる。
【0311】
着色剤を使用することもでき、該着色剤としては、例えば、無機顔料(例えば、酸化鉄、酸化チタン、プルシアンブルーなど)、アリザリン染料、アゾ染料又は金属フタロシアニン染料のような有機染料、そして更に、鉄、マンガン、ボロン、銅、コバルト、モリブデン、亜鉛の塩のような微量要素を挙げることができる。
【0312】
該製剤は、一般には、前記活性成分を0.1〜95重量%、好ましくは0.5〜90重量%の範囲内の量で含有することができる。
【0313】
本発明の式(I)活性化合物は、それらの商業上有用な製剤形態で及びそれらの製剤から調製された使用形態で、他の活性化合物、例えば、殺虫剤、毒餌、殺菌剤、殺ダニ剤、殺センチュウ剤、殺カビ剤、生長調製剤、除草剤などとの混合剤として存在することもできる。ここで、上記殺虫剤としては、例えば、有機リン剤、カーバメート剤、カーボキシレート系薬剤、クロル化炭化水素系薬剤、微生物より生産される殺虫性物質などを挙げることができる。
【0314】
更に、本発明の式(I)の活性化合物は、協力剤との混合剤としても存在することができ、かかる製剤及び使用形態は商業上有用なものを挙げることができる。該協力剤はそれ自体活性である必要はなく、活性化合物の作用を増強する化合物である。
【0315】
本発明の式(I)の活性化合物の商業上有用な使用形態における含有量は広い範囲内で変えることができる。
【0316】
本発明の式(I)の活性化合物の実際の使用上の濃度は、例えば、0.0000001〜100重量%、好ましくは、0.00001〜1重量%の範囲内とすることができる。
【0317】
本発明の式(I)の活性化合物は使用形態に適合した通常の方法で使用することができる。
【0318】
本発明の式(I)の活性化合物は、衛生害虫、貯蔵物に対する害虫に使用するに際して、石灰物質上のアルカリに対する有効な安定性を有しており、しかも木材及び土壌における優れた残効性を示す。
【0319】
本発明の式(I)の活性化合物は、温血動物に対して低毒性であって安全に使用することができる。
【実施例】
【0320】
次に、実際例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれのみに限定されるべきものではない。
【0321】
合成例1
N−[3−({4−[2−(3−ブロモ−1H−ピラゾール−1−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル]−2,6−ジメチルフェニル}カルバモイル) フェニル]−2−クロロピリジン−3−カルボキサミド(No.2−76)の合成。
【0322】
ステップ1. N−[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]−3−ニトロベンズアミドの合成。
【0323】
【化138】

2−(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール(5.39g)とピリジン(2.0ml)をTHF(150ml)中に溶解し、3−ニトロベンゾイルクロライド(2.53g)を室温で少しづつ加えた。一晩攪拌した後に水とtBuOMeを加えた。有機層を分離し、水層をtBuOMeで抽出した。有機層は希塩酸で洗浄し、溶媒を減圧下で留去した。残渣にTHFと水酸化ナトリウム水溶液(10%)を加え、1時間攪拌した。混合物はtBuOMeで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、減圧下溶媒を留去し、粗生成物として表記化合物(8.00g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.60(1H,s),2.36(6H,s),3.49(1H,s),7.49(2H,s),7.75(1H,t),8.30(1H,d),8.46(1H,d),8.75(1H,s)。
【0324】
ステップ2. 3−アミノ−N−[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]ベンズアミドの合成。
【0325】
【化139】

N−[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]−3−ニトロベンズアミド(8.00g)をエタノール中(150ml)に溶解し、塩化スズ(II)二水和物(16.5g)と濃塩酸(15ml)を室温で加えた。反応溶液は4時間加熱還流した。溶媒を減圧下留去し、炭酸ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加えた。不溶物をセライトでろ過し、ろ液を酢酸エチルで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後溶媒を減圧下留去した。シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し表記化合物(4.50g,60%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.29(6H,s),5.10(1H,br s),6.87(1H,d),7.10−7.52(9H,m)。
【0326】
ステップ3. 2−クロロ−N−(3−{[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]カルバモイル}フェニル)ピリジン−3−カルボキサミドの合成。
【0327】
【化140】

3−アミノ−N−[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]ベンズアミド(4.50g)をTHF(50ml)中に溶解し、ピリジン(2.0ml)と2−クロロニコチン酸クロリド(2.53g)を氷冷下加えた。一晩攪拌した後、溶媒を減圧下留去した。残渣はシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、表記化合物(5.57g,92%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.05(1H,br s),2.31(6H,s),7.26−7.56(5H,m),7.76(1H,d),7.94(1H,dd),8.05(1H,d),8.26(1H,s),8.48(1H,dd),8.77(1H,s),10.14(1H,s)。
【0328】
ステップ4. 2−(4−{[(3−{[(2−クロロピリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]アミノ}−3,5−ジメチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−イルメタンスルホナートの合成。
【0329】
【化141】

2−クロロ−N−(3−{[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,6−ジメチルフェニル]カルバモイル}フェニル)ピリジン−3−カルボキサミド(4.50g)とトリエチルアミン(3.45ml)を塩化メチレン中(50ml)に溶解し、メタンスルホニルクロリド(1.60ml)を室温で加えた。一晩攪拌した後、水を加えた。これを酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧下留去した。残渣はシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、表記化合物(3.74g,72%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.28(6H,s),3.27(3H,s),7.30−7.37(1H,m),7.41−7.52(3H,m),7.65−7.74(2H,m),7.86(1H,d),8.04(1H,d),8.20(1H,s),8.43−8.49(1H,m),8.65(1H,s)。
【0330】
ステップ5. N−[3−({4−[2−(3−ブロモ−1H−ピラゾール−1−イル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル]−2,6−ジメチルフェニル}カルバモイル)フェニル]−2−クロロピリジン−3−カルボキサミドの合成。
【0331】
【化142】

2−(4−{[(3−{[(2−クロロピリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]アミノ}−3,5−ジメチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−イルメタンスルホナート(0.10g)と3−ブロモピリジン(28mg)をDMF(1.5ml)中に溶解し、水素化ナトリウム(in oil,10mg)を氷冷下加えた。4時間攪拌した後、水を加えた。これを酢酸エチルで抽出し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧下留去した。残渣はシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、表記化合物(76mg,70%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.31(6H,s),6.45(1H,d),7.16(2H,s),7.36−7.64(4H,m),7.74(1H,d),7.86(1H,d),8.14−8.22(1H,m),8.29(1H,s),8.44−8.55(2H,m)。
【0332】
合成例2
2−クロロ−N−{3−[(2−エチル−4−{1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−[4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパン−2−イル}−6−メチルフェニル)カルバモイル]フェニル}ピリジン−3−カルボキサミド(No.2−105)の合成。
【0333】
ステップ1. 2−(4−アミノ−3−エチル−5−メチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オールの合成。
【0334】
【化143】

2−エチル−6−メチルアニリン(25.45g)と1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オン水和物(50g)の混合物にp−トルエンスルホン酸一水和物(0.54g)を加え、4時間、加熱還流した。反応液を室温まで冷やし、酢酸エチルに溶解させた。この酢酸エチル溶液を水、飽和炭酸水素水、で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別後、溶媒を減圧下留去することで、粗生成物を得た。その組成生物をヘキサン‐酢酸エチルの混合溶媒で洗浄し、2−(4−アミノ−3−エチル−5−メチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール(36.7g)を得た。
H−NMR(CDCl):1.26(3H,t),2.20(3H,s),2.54(2H,q),3.32(1H,s),3.78(2H,s),7.25(2H,s)。
【0335】
ステップ2. N−[2−エチル−4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−6−メチルフェニル]−3−ニトロベンズアミドの合成。
【0336】
【化144】

2−(4−アミノ−3−エチル−5−メチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール(10.2g)とピリジン(5.6g)をTHFに溶解させた。この溶液に3−ニトロベンゾイルクロリド(12.8g)を溶かしたTHF溶液を氷冷下、滴下した。滴下終了後、室温に戻し、6時間攪拌した。反応溶液を水に注ぎ、TBMEで2回抽出した。合わせた有機層を2規定塩酸で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をTHFに溶解して、2規定の水酸化ナトリウム水溶液(60ml)を加え、1時間室温で攪拌した。反応溶液を水で希釈して、TBMEで2回抽出した。合わせた有機層を水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧下留去して、N−[2−エチル−4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−6−メチルフェニル]−3−ニトロベンズアミド(15.0g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.20(3H,t),2.30(3H,s),2.66(2H,q),4.19(1H,s),7.49(2H,s),7.69−7.74(2H,m),8.27(1H,d),8.44(1H,d),8.74(1H,dd)。
【0337】
ステップ3. 2−(3−エチル−5−メチル−4−{[(3−ニトロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネートの合成。
【0338】
【化145】

N−[2−エチル−4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−6−メチルフェニル]−3−ニトロベンズアミド(9.40g)とトリエチルアミン(4.65g)をジクロロメタンに溶解させた。この溶液に、メタンスルホニルクロライド(5.02g)を滴下した。滴下終了後、室温で2時間攪拌した。反応溶液を減圧下、溶媒を留去した。得られた残渣に酢酸エチルを加えた。酢酸エチル溶液を2規定塩酸で、洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤をろ別後、溶媒を減圧下留去して、目的物である2−(3−エチル−5−メチル−4−{[(3−ニトロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート(11.8g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.18(3H,t),2.26(3H,s),2.64(2H,q),3.26(3H,s),7.44(1H,s),7.52(1H,s),7.64(1H,dd),7.99(1H,s),8.21(1H,d),8.39(1H,d),8.73(1H,s)。
【0339】
ステップ4. N−(2−エチル−4−{1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−[4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパン−2−イル}−6−メチルフェニル)−3−ニトロベンズアミド
の合成。
【0340】
【化146】

2−(3−エチル−5−メチル−4−{[(3−ニトロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル メタンスルホネート(0.40g)をアセトニトリルに溶解させた。この溶液に、4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール(0.11g)および炭酸カリウム(0.13g)を加え、70℃で1時間加熱攪拌した。室温に戻した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別して、溶媒を減圧下留去して、組成生物を得た。得られた組成生物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、N−(2−エチル−4−{1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−[4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパン−2−イル}−6−メチルフェニル)−3−ニトロベンズアミド(0.35g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.19(3H,t),2.34(3H,s),2.68(2H,q),7.16(2H,s),7.50(1H,s),7.77(1H,dd),7.87(1H,s),7.95(1H,s),8.30(1H,d),8.48(1H,d),8.75(1H,s)。
【0341】
ステップ5.
3−アミノ−N−(2−エチル−4−{1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−[4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパン−2−イル}−6−メチルフェニル)ベンズアミドの合成。
【0342】
【化147】

N−(2−エチル−4−{1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−[4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパン−2−イル}−6−メチルフェニル)−3−ニトロベンズアミド(0.34g)をエタノールに溶解させた。この溶液に、塩化すず(II)六水和物(0.42g)濃塩酸(1ml)を加え、70℃で4時間過熱攪拌した。室温に戻し、酢酸エチルおよび水を加えた。激しく攪拌しながら炭酸カリウムを加えていき、中和させた。その混合物をセライトろ過し、有機層を分離した。さらに、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別し、溶媒を減圧下留去して、3−アミノ−N−(2−エチル−4−{1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−[4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパン−2−イル}−6−メチルフェニル)ベンズアミド(0.26g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.16(5H,t),2.31(3H,s),2.65(2H,q),3.87(2H,br s),6.88(1H,d),7.13(2H,s),7.19−7.30(3H,m),7.39(1H,s),7.85(1H,s),7.93(1H,s)。
【0343】
ステップ6.
2−クロロ−N−{3−[(2−エチル−4−{1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−[4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパン−2−イル}−6−メチルフェニル)カルバモイル]フェニル}ピリジン−3−カルボキサミドの合成。
【0344】
【化148】

3−アミノ−N−(2−エチル−4−{1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−[4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパン−2−イル}−6−メチルフェニル)ベンズアミド(0.20g)とピリジン(0.04g)をTHFに溶解させた。この溶液に2−クロロピリジン−3−カルボニル クロライド(0.07g)を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別し、溶媒を減圧下留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、2−クロロ−N−{3−[(2−エチル−4−{1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−[4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパン−2−イル}−6−メチルフェニル)カルバモイル]フェニル}ピリジン−3−カルボキサミド(0.25g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.14(3H,t),2.27(3H,s),2.64(2H,q),7.12(2H,s),7.31−7.37(1H,m),7.47(1H,t),7.69(1H,d),7.81−7.94(4H,m),8.03(1H,d),8.29(1H,s),8.44(1H,d),8.86(1H,br s)。
【0345】
合成例3. N−{3−[(4−{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル}−2,6−ジメチルフェニル)カルバモイル]フェニル}−2−クロロピリジン−3−カルボキサミド(No.2−123)の合成。
【0346】
ステップ1. 3,5−ジメチル−4−ニトロ安息香酸の合成。
【0347】
【化149】

酸化クロム(VI)(10.0g)を溶解させた酢酸溶液に1,3,5−トリメチル−2−ニトロベンゼン(5.00g)の酢酸溶液を70℃で滴下した。滴下終了後、同様の温度で、30分間加熱攪拌した。イソプロパノール(11ml)を加え、さらに50℃で30分間加熱攪拌した。この溶液に水を注ぎ、氷冷した。生じた結晶をろ取して、酢酸エチルに溶解させ、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別して、溶媒を減圧下留去することで粗生成物を得た。その粗生成物をヘキサンで洗浄することで、3,5−ジメチル−4−ニトロ安息香酸(1.40g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.37(3H,s),7.89(1H,s)。
【0348】
ステップ2. (3,5−ジメチル−4−ニトロフェニル)メタノールの合成。
【0349】
【化150】

アルゴン雰囲気下、3,5−ジメチル−4−ニトロ安息香酸(1.39g)をTHFに溶解させた。氷冷下、0.9規定のジボランのTHF溶液を滴下した。滴下終了後、同様の温度で、30分間攪拌した後、室温に戻し、さらに終夜攪拌した。水とTHFの混合溶媒を、氷冷下、発泡が収まるまで徐々に加えた。この混合液を水に注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤をろ別して、溶媒を減圧下留去して、(3,5−ジメチル−4−ニトロフェニル)メタノール(1.17g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.79(1H,t),2.32(3H,s),4.68(1H,d),7.13(1H,s)。
【0350】
ステップ3. 3,5−ジメチル−4−ニトロベンズアルデヒドの合成。
【0351】
【化151】

(3,5−ジメチル−4−ニトロフェニル)メタノール(1.10g)をジクロロメタンに溶解させた。この溶液に、二酸化マンガン(5.28g)を加え、6時間加熱還流した。室温に戻した後、沈殿物をろ過した。溶媒を減圧下留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、3,5−ジメチル−4−ニトロベンズアルデヒド(0.79g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.39(6H,s),7.66(2H,s),10.00(1H,s)。
【0352】
ステップ4. (3,5−ジメチル−4−ニトロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノールの合成。
【0353】
【化152】

3,5−ジメチル−4−ニトロベンズアルデヒド(2.33g)とトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(2.22g)をTHFに溶解させた。この溶液に、氷冷下、1規定のTBAFのTHF溶液(1.3ml)を滴下した。滴下終了後、室温に戻し、終夜攪拌した。この溶液に6規定の塩酸(6ml)を加え、2時間攪拌した。この溶液に炭酸水素ナトリウムを発泡が収まるまで加えて、中和した。この溶液を水に注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤をろ別して、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、(3,5−ジメチル−4−ニトロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノール(3.36g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.34(6H,s),4.08−4.16(1H,m),5.05−4.97(1H,m),7.26(2H,s)。
【0354】
ステップ5. 1−(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノールの合成。
【0355】
【化153】

(3,5−ジメチル−4−ニトロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノール(3.36g)をメタノールに溶解させ、それに塩化ニッケル(II)六水和物(4.81g)を加えた。この反応混合物に氷冷下、テトラヒドロほう酸ナトリウム(1.53g)を徐々に加えた。加え終わったら、室温に戻し、3時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルおよび水を加えた。激しく攪拌しながら、沈殿物がなくなるまで徐々にアンモニア水を加えた。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ取し、溶媒を減圧下留去して、1−(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノール(2.49g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.19(6H,s),2.44(1H,d),3.69(2H,s),4.88−4.80(1H,m),7.03(2H,s)。
【0356】
ステップ6. N−[2,6−ジメチル−4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)フェニル]−3−ニトロベンズアミドの合成。
【0357】
【化154】

1−(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノール(2.49g)とピリジン(1.80g)をTHFに溶解させた。この溶液に3−ニトロベンゾイルクロリド(2.11g)を溶かしたTHF溶液を氷冷下、滴下した。滴下終了後、室温に戻し、2時間攪拌した。反応溶液を水に注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を2規定塩酸で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤をろ別した。溶媒を減圧下留去し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、N−[2,6−ジメチル−4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)フェニル]−3−ニトロベンズアミド(3.60g)を得た。
H−NMR(DMSO−d6)δ:2.21(6H,s),5.06−5.15(1H,m),6.82(1H,d),7.26(2H,s),7.86(1H,t),8.43−8.48(2H,m),8.81(1H,dd),10.18(1H,s)。
【0358】
ステップ7. N−[4−(1−クロロ−2,2,2−トリフルオロエチル)−2,6−ジメチルフェニル]−3−ニトロベンズアミドの合成。
【0359】
【化155】

N−[2,6−ジメチル−4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)フェニル]−3−ニトロベンズアミド(1.00g)とピリジン(0.22g)をジクロロエタンに溶解させた。この溶液に、塩化チオニル(0.65g)を加え、70℃で6時間加熱攪拌した。室温に戻した後、溶媒を減圧下留去した。残渣に酢酸エチルを加え、2規定の塩酸で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤をろ取して、溶媒を減圧下留去して、N−[4−(1−クロロ−2,2,2−トリフルオロエチル)−2,6−ジメチルフェニル]−3−ニトロベンズアミドの粗生成物(0.93g)を得た。この粗生成物をこれ以上精製することなく次の反応に用いた。
【0360】
ステップ8. N−(4−{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−2,6−ジメチルフェニル)−3−ニトロベンズアミドの合成
【0361】
【化156】

N−[4−(1−クロロ−2,2,2−トリフルオロエチル)−2,6−ジメチルフェニル]−3−ニトロベンズアミド(0.50g)と3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール(0.29g)をアセトニトリルに溶解させた。この溶液に、炭酸カリウム(0.21g)を加え、60℃で1.5時間加熱攪拌した。室温に戻した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を注いだ。酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤をろ取して、溶媒を減圧下留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、N−(4−{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−2,6−ジメチルフェニル)−3−ニトロベンズアミド(0.49g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.33(6H,s),5.80(1H,q),6.98(1H,s),7.46(3H,s),7.49(3H,s),7.74(1H,dd),8.29(1H,d),8.45(1H,d),8.74(1H,s)。
【0362】
ステップ9. 3−アミノ−N−(4−{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−2,6−ジメチルフェニル)ベンズアミドの合成。
【0363】
【化157】

N−(4−{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−2,6−ジメチルフェニル)−3−ニトロベンズアミド(0.45g)をエタノールに溶解させた。この溶液に、塩化すず(II)六水和物(0.57g)と濃塩酸(1ml)を加え、60℃で4時間過熱攪拌した。室温に戻し、酢酸エチルおよび水を加えた。激しく攪拌しながら炭酸カリウムを加えていき、中和させた。その混合物をセライトろ過し、有機層を分離した。さらに、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別し、溶媒を減圧下留去して、3−アミノ−N−(4−{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−2,6−ジメチルフェニル)ベンズアミド(0.39g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.30(6H,s),3.85(2H,s),5.78(1H,q),6.86(1H,d),6.96(1H,s),7.19−7.33(4H,m),7.43(2H,s)。
【0364】
ステップ10. N−{3−[(4−{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル}−2,6−ジメチルフェニル)カルバモイル]フェニル}−2−クロロピリジン−3−カルボキサミドの合成。
【0365】
【化158】

3−アミノ−N−(4−{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−2,6−ジメチルフェニル)ベンズアミド(0.12g)とピリジン(0.03g)をTHFに溶解させた。この溶液に2−クロロピリジン−3−カルボニル クロライド(0.04g)を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別し、溶媒を減圧下留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、N−{3−[(4−{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル}−2,6−ジメチルフェニル)カルバモイル]フェニル}−2−クロロピリジン−3−カルボキサミド(0.13g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.28(6H,s),5.79(1H,q),6.97(1H,s),7.35−7.50(4H,m),7.68−7.81(3H,m),8.11(1H,d),8.26(1H,s),8.47−8.59(2H,m)。
【0366】
合成例4
2−クロロ−N−[3−({2,6−ジブロモ−4−[1−(4−クロロフェニル)−1−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル]フェニル}カルバモイル)フェニル]ピリジン−3−カルボキサミド(No.2−73)の合成。
【0367】
ステップ1.(4−クロロフェニル)(4−ニトロフェニル)メタノンの合成。
【0368】
【化159】

4−クロロフェニルホウ酸(3.00g)、4−ニトロベンゾイルクロリド(4.27g)、リン酸カリウム水和物(6.52g)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.27g)とトルエン(60ml)を混合し、アルゴン気流下100℃で6時間加熱した。水と酢酸エチルを加え、有機層を分離し、水層から抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧下留去した。残渣はシリカゲルクロマトグラフィーで精製し表記化合物(3.52g,70%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.51(2H,d),7.76(2H,d),7.92(2H,d),8.35(2H,d)。
【0369】
ステップ2. [1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4−ニトロフェニル)エトキシ](トリメチル)シランの合成。
【0370】
【化160】

(4−クロロフェニル)(4−ニトロフェニル)メタノン(3.03g)をDMF(40ml)中に溶解し、酢酸リチウム(76mg)とトリフルオロメチルトリメチルシラン(2.57ml)を氷冷下で加えた。反応液は室温で一晩攪拌し、水を加えた。これを酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧下留去した。残渣はシリカゲルクロマトグラフィーで精製し表記化合物(4.11g,88%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:−0.01(9H,s),7.29(2H,d),7.34(2H,d),7.58(2H,d),8.19(2H,d)。
【0371】
ステップ3. 4−{1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}アニリンの合成。
【0372】
【化161】

塩化ニッケル(II)6水和物(1.19g)をメタノール中(70ml)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(0.57g)を室温で加えた。30分攪拌した後、これに[1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4−ニトロフェニル)エトキシ](トリメチル)シラン(4.04g)を加え、氷水で冷却した。さらに、水素化ホウ素ナトリウム(1.51g)を少しづつ加え、1時間攪拌した。溶媒を減圧下除去し、アンモニア水と酢酸エチルを加え、不溶物をセライトでろ過した。ろ液は有機層を分離し、水層から抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧下留去して、粗生成物として表記化合物(3.20g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:−0.06(9H,s),3.74(2H,s),6.61(2H,d),7.11(2H,d),7.28(2H,d),7.36(2H,d)。
【0373】
ステップ4. tert−ブチル {4−[1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル]フェニル}カーバメートの合成。
【0374】
【化162】

4−{1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}アニリン(0.67g)をTHF(25ml)中に溶解し、トリエチルアミン(0.28ml)、二炭酸ジ−tert−ブチル(0.62ml)と4−ジメチルアミノピリジン(22mg)を室温で加えた。反応液は一晩攪拌し、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1.0M/THF,2.51ml)を加え、さらに5時間攪拌した。塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧下留去した。残渣はシリカゲルクロマトグラフィーで精製し表記化合物(0.34g,47%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.44(9H,s),2.92(1H,s),6.51(1H,br s),7.23(2H,s),7.31(2H,d),7.38(2H,d),7.45(2H,d)。
【0375】
ステップ5. tert−ブチル{4−[1−クロロ−1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル]フェニル}カーバメートの合成。
【0376】
【化163】

tert−ブチル {4−[1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル]フェニル}カーバメート(0.34g)をトルエン中(20ml)に溶解し、ピリジン(0.14ml)と塩化チオニル(0.12ml)を加えた。反応液は70℃で8時間加熱した。炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分離した。水層は酢酸エチルで抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧下留去して、粗生成物として表記化合物(0.25g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.53(9H,s),6.54(2H,s),7.32(2H,d),7.36(4H,s),7.42(2H,d)。
【0377】
ステップ6. tert−ブチル{4−[1−(4−クロロフェニル)−1−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル]フェニル}カーバメートの合成。
【0378】
【化164】

tert−ブチル{4−[1−クロロ−1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル]フェニル}カーバメート(0.25g)、4−クロロピラゾール塩酸塩(99mg)、炭酸カリウム(0.20g)とヨウ化カリウム(10mg)をアセトニトリル(5ml)中で混合し、これを80℃で3時間加熱した。室温に冷却後、不溶物をろ過し、溶媒を減圧下留去した。残渣はシリカゲルクロマトグラフィーで精製し表記化合物(0.25g,86%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.52(9H,s),6.57(1H,s),6.96−7.04(4H,m),7.11(1H,s),7.33−7.42(4H,m),7.64(1H,s)。
【0379】
7. 4−[1−(4−クロロフェニル)−1−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル]アニリンの合成。
【0380】
【化165】

tert−ブチル{4−[1−(4−クロロフェニル)−1−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル]フェニル}カーバメート(0.25g)をエタノール中(5ml)に溶解し、濃塩酸(1ml)を加えた。反応液は50℃で4時間加熱した。溶媒を減圧下留去した後、炭酸ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分離した。水層は酢酸エチルで抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧下留去した。残渣はシリカゲルクロマトグラフィーで精製し表記化合物(0.15g,75%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:6.40(2H,br s),6.65(2H,d),6.88(2H,d),6.96(2H,d),7.11(1H,s),7.34(2H,d),7.64(1H,s)。
【0381】
ステップ8. 2,6−ジブロモ−4−[1−(4−クロロフェニル)−1−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル]アニリンの合成。
【0382】
【化166】

2,6−ジブロモ−4−[1−(4−クロロフェニル)−1−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル]アニリンの合成。
【0383】
4−[1−(4−クロロフェニル)−1−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル]アニリン(0.15g)をDMF(3ml)中に溶解し、N−ブロモコハク酸イミド(0.15g)を加えた。反応液は60℃で1時間加熱した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧下留去した。残渣はシリカゲルクロマトグラフィーで精製し表記化合物(0.18g,87%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:4.81(2H,s),6.98(2H,d),7.11(2H,s),7.17(1H,s),7.39(2H,d),7.65(1H,s)。
【0384】
ステップ9. N−{2,6−ジブロモ−4−[1−(4−クロロフェニル)−1−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル]フェニル}−3−ニトロベンズアミドの合成。
【0385】
【化167】

2,6−ジブロモ−4−[1−(4−クロロフェニル)−1−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル]アニリン(0.17g)と3−ニトロベンゾイルクロリド(0.13g)の混合物にピリジン(0.25ml)を加えた。反応混合物は100℃で5時間加熱した。水を加え、酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧下留去した。残渣はシリカゲルクロマトグラフィーで精製し表記化合物(0.096g,44%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.09(2H,d),7.23(1H,s),7.35(2H,s),7.45(2H,d),7.68(1H,s),7.69(1H,s),7.76(1H,t),8.29−8.34(1H,m),8.45−8.51(1H,m),8.79(1H,s)。
【0386】
ステップ10. 3−アミノ−N−{2,6−ジブロモ−4−[1−(4−クロロフェニル)−1−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル]フェニル}ベンズアミドの合成。
【0387】
【化168】

N−{2,6−ジブロモ−4−[1−(4−クロロフェニル)−1−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル]フェニル}−3−ニトロベンズアミド(96mg)をエタノール中(3ml)に溶解し、塩化スズ(II)二水和物(0.13g)と濃塩酸(0.5ml)を加えた。反応液は4時間加熱還流した。溶媒を減圧下留去し、炭酸ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加えた。不溶物をセライトでろ過し、ろ液を酢酸エチルで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後溶媒を減圧下留去した。シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し表記化合物(90mg,98%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:3.88(2H,br s),6.86−6.92(1H,m),7.07(2H,d),7.22(1H,s),7.24−7.30(3H,m),7.32(2H,s),7.43(2H,d),7.58(1H,s),7.66(1H,s)。
【0388】
ステップ11. 2−クロロ−N−[3−({2,6−ジブロモ−4−[1−(4−クロロフェニル)−1−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル]フェニル}カルバモイル)フェニル]ピリジン−3−カルボキサミドの合成。
【0389】
【化169】

3−アミノ−N−{2,6−ジブロモ−4−[1−(4−クロロフェニル)−1−(4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル]フェニル}ベンズアミド(90mg)とピリジン(0.016ml)をTHF中(2ml)に溶解し、2−クロロニコチン酸クロリド(31mg)を室温で加えた。一晩攪拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後溶媒を減圧下留去した。シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し表記化合物(90mg,83%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.08(2H,d),7.22(1H,s),7.34(2H,s),7.42−7.45(3H,m),7.57(1H,t),7.67(1H,s),7.72−7.82(2H,m),7.93(1H,d),8.20−8.30(2H,m),8.37(1H,s),8.55(1H,d)。
【0390】
合成例5
N−[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシプロパン−2−イル)−2,6−ジヨードフェニル]−3−[(フェニルカルボニル)アミノ]ベンツアミドの合成。
【0391】
ステップ1. 4−(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン−2−イル)アニリンの合成。
【0392】
【化170】

TBME(75ml)と水(100ml)の混合溶液に、アニリン(6.96g)、Na(15.61g)、NaHCO(7.53g)および硫酸水素テトラブチルアンモニウム(3g)を加えた。この混合溶液にヨウ化ヘプタフルオロイソプロピル(26.53g)を滴下し、室温で2時間攪拌した。有機層を0.75N塩酸(65ml)および飽和NaHCOで洗浄した後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)に付し、目的の4−(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン−2−イル)アニリン(18g)を得た。 収率92% ND20 1.4167。
【0393】
ステップ2. 4−(1,1,1,2,3,3,3−へプタフルオロプロパン−2−イル)−2,6−ジヨードアニリンの合成。
【0394】
【化171】

4−(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン−2−イル)アニリン(22.91g)を酢酸に溶解し、N−ヨードスクシンイミド(39.48g)を少しずつ加えた。60℃で1時間攪拌した後、溶媒を減圧下留去し、水を加えた。ヘキサンで抽出した後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=14:1)に付し、目的の4−(1,1,1,2,3,3,3−へプタフルオロプロパン−2−イル)−2,6−ジヨードアニリン(33.17g)を得た。 収率74% mp72−75℃。
【0395】
ステップ3. 4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシプロパン−2−イル)−2,6−ジヨードアニリンの合成。
【0396】
【化172】

4−(1,1,1,2,3,3,3−へプタフルオロプロパン−2−イル)−2,6−ジヨードアニリン(2g)のメタノール溶液に、ナトリウムメトキシド(0.84g)を加えた。室温で一晩攪拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。 溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=18:1)に付し、目的の4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシプロパン−2−イル)−2,6−ジヨードアニリン(1.88g)を得た。収率92% mp57−59℃。
【0397】
ステップ4. N−[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシプロパン−2−イル)−2,6−ジヨードフェニル]−3−ニトロベンズアミドの合成。
【0398】
【化173】

4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシプロパン−2−イル)−2,6−ジヨードアニリン(1.95g)および3−ニトロベンゾイルクロリド(1.38g)をピリジンに溶解し、3時間加熱還流した。冷後、水を加え酢酸エチルで抽出した。溶媒を留去後、エタノール加え、30%NaOH(2ml)を加えた後、室温で1時間攪拌した。水を加え酢酸エチルで抽出した後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:2)に付し、目的のN−[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシプロパン−2−イル)−2,6−ジヨードフェニル]−3−ニトロベンズアミド(1.86g)を得た。収率74% mp214−218℃。
【0399】
ステップ5. 3−アミノ−N−[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシプロパン−2−イル)−2,6−ジヨードフェニル]ベンズアミドの合成。
【0400】
【化174】

N−[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシプロパン−2−イル)−2,6−ジヨードフェニル]−3−ニトロベンズアミド(1.86g)および塩化第一スズ(2.09g)をエタノールに溶解した後、濃塩酸(3ml)を加え、80℃で1時間加熱した。冷後、水を加えKCOでアルカリ性とした後、酢酸エチルを加えた。析出した不溶物をセライトを用いて濾去し、有機層を分取し、NaSOで乾燥させた。減圧下溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)に付し、目的の3−アミノ−N−[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシプロパン−2−イル)−2,6−ジヨードフェニル]ベンズアミド(1.7g)を得た。 収率96% mp189−191℃。
【0401】
ステップ6. N−[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシプロパン−2−イル)−2,6−ジヨードフェニル]−3−[(フェニルカルボニル)アミノ]ベンズアミドの合成。
【0402】
【化175】

3−アミノ−N−[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシプロパン−2−イル)−2,6−ジヨードフェニル]ベンズアミド(100mg)およびピリジン(25mg)をTHFに溶解し、ベンゾイルクロリド(44mg)を滴下した。室温で1時間攪拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)に付し、目的のN−[4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシプロパン−2−イル)−2,6−ジヨードフェニル]−3−[(フェニルカルボニル)アミノ]ベンズアミド(100mg)を得た。 収率86% mp128−141℃。
【0403】
上記合成例と同様の方法により、また前記に詳細に説明した方法に従って、得られる本発明の式(I)の化合物及び中間体、並びに物性値を表1〜表12に示す。また上記合成例で得られた各化合物も、それぞせ対応する表に示す。
【0404】
【表1】







【0405】
【表2】









【0406】
【表3】


【0407】
【表4】


【0408】
【表5】

【0409】
【表6】

【0410】
【表7】

【0411】
【表8】

【0412】
【表9】

【0413】
【表10】

【0414】
【表11】







【0415】
【表12】















【0416】
生物試験例1:ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)幼虫に対する試験
供試薬液の調製
溶剤:ジメチルホルムアミド 3重量部
乳化剤:ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 1重量部
適当な活性化合物の調合物を作るために、活性化合物1重量部を上記量の乳化剤を含有する上記量の溶剤と混合し、その混合物を水で所定濃度まで希釈した。
【0417】
試験方法
サツマイモの葉を所定濃度の水希釈した供試薬液に浸漬し、薬液の風乾後、直径9cmのシャーレに入れ、ハスモンヨトウ3令幼虫を10頭放ち、25℃の定温室に置き、2日及び4日後にサツマイモの葉を追加し、6日後又は7日後に死虫数を調べ殺虫率を算出した。
【0418】
本試験では1区2シャーレの結果を平均した。
【0419】
試験結果
上記生物試験例1において、代表例として、前記化合物No.1−108、1−109、1−110、1−111、1−125、1−128、1−129、1−130、2−1、2−2、2−6、2−24、2−30、2−31、2−32、2−33、2−34、2−35、2−36、2−37、2−38、2−39、2−40、2−41、2−44、2−55、2−59、2−61、2−62、2−63、2−762−77、2−82、2−83、2−87、2−95、2−99、2−100、2−104、2−105、2−106、2−107、2−115、2−116、2−118、2−120、2−123、2−128、2−133、2−134、2−142、2−143、2−144、2−145、2−147、2−149、2−154、2−170、2−180、4−5の化合物が6日後、有効成分濃度100ppmで殺虫率100%の防除効果を現し、No.1−63、1−79、1−80、1−83、1−84、1−85、1−104、2−51、2−84、2−98、2−103、2−108、2−109、2−124、2−125、2−153の化合物が7日後、有効成分濃度100ppmで殺虫率100%の防除効果を現した。
【0420】
生物試験例2:ナミハダニ(Tetranychus urticae)に対する試験(散布試験)
【0421】
試験方法
直径6cmのポットに栽培した本葉2枚展開期のインゲンの葉に、ナミハダニの成虫を50〜100頭接種し、1日後に上記で調製した活性化合物の所定濃度の水希釈液を、スプレーガンを用いて充分量散布した。散布後温室内に置いて6日後又は7日後に殺ダニ率を算出した。
【0422】
試験結果
代表例として、前記化合物No.2−1、2−6、2−24、2−42、2−51、2−55、2−62、2−82、2−83、2−145、4−5の化合物が6日後、有効成分濃度100ppmで殺ダニ率100%の防除効果を現し、No.1−27、1−28、1−40、1−60、1−61、1−64、2−84の化合物が7日後、有効成分濃度100ppmで殺ダニ率100%の防除効果を現した。
【0423】
生物試験例3:ウリハムシ(Aulacophora femoralis)に対する試験(散布試験)
【0424】
試験方法
キュウリ葉を上記で調製した活性化合物の所定濃度の水希釈液に浸漬し、薬液の風乾後、滅菌消毒した黒土土壌を入れたプラスチックカップに入れ、ウリハムシ2令幼虫を5頭放虫した。6日後又は7日後に死虫数を調べ、殺虫率を算出した。
【0425】
試験結果
代表例として、前記化合物No.1−105、1−108、1−109、1−128、1−129、1−130、2−1、2−2、2−6、2−7、2−24、2−31、2−32、2−33、2−34、2−41、2−44、2−55、2−59、2−61、2−62、2−63、2−82、2−83、2−87、2−100、2−104、2−105、2−116、2−128、2−133、2−134、2−143、2−144、2−145、2−147、2−180、4−5の化合物が、6日後、有効成分濃度100ppmで殺虫率100%の防除効果を現し、No.1−25、1−26、1−27、1−28、1−40、1−59、1−60、1−61、1−79、1−83、1−84、1−85、2−103、2−108、2−109、2−119、2−153の化合物が、7日後、有効成分濃度100ppmで殺虫率100%の防除効果を現した。
【0426】
生物試験例4:ネコノミ(Ctenocephalides felis)に対する試験
供試薬液の調製
溶剤:ジメチルスルホキシド
適当な活性化合物の調合物を作るために、活性化合物10mgを上記溶剤0.5mlに溶解し、その混合物を家畜の血液で所定濃度まで希釈する。
【0427】
試験方法
約10から15頭のネコノミ成虫を容器内に準備する。上記で調製された化合物を含む血液溶液を入れた専用の容器をパラフィルで覆い、パラフィルム面を下にしてこれをノミ用容器の上に設置する。血液の溶液を37度に保温し、ノミの容器は室温とする。一定時間経過した後、ネコノミの致死率を求める。その際、100%は、すべてのネコノミが死んだことを意味して、0%はすべて生存していることを意味する。
【0428】
試験結果
上記生物試験において、前記化合物No.1−25、1−26、1−27、1−40、1−59、1−60、1−111、2−24、2−32、2−33、2−34、2−40、2−41、2−42、2−44、2−51、2−55、2−59、2−61、2−62、2−63、2−77、2−82、2−83、2−84、2−87、2−103、2−104、2−105、2−108、2−109、2−113、2−133、2−142、2−144、2−146、2−148、2−151、4−5の化合物が、有効成分濃度100ppmで90%以上の殺虫活性を示した。
【0429】
生物試験例5:オウシマダニ(Boophilus microplus)に対する試験
供試薬液の調製
溶剤:ジメチルスルホキシド
適当な活性化合物の調合物を作るために、活性化合物10mgを上記溶剤0.5mlに溶解し、その混合物を水で所定濃度まで希釈する。
【0430】
試験方法
5頭のオウシマダニ飽血雌成虫の腹部へ、上記で調製された化合物溶液を注射する。オウシマダニをシャーレに移し、一定期間、飼育器の中で飼育する。
【0431】
一定時間経過した後、オウシマダニの致死率を求めた。その際、100%は、産卵した卵がすべて孵化しなかったことを意味し、0%はすべての卵が孵化したことを意味する。
【0432】
試験結果
上記生物試験において、前記化合物No.1−6、1−24、1−25、1−26、1−27、1−40、1−59、1−60、1−61、1−80、1−111、1−118、2−2、2−3、2−6、2−7、2−24、2−30、2−32、2−33、2−34、2−35、2−36、2−37、2−38、2−39、2−40、2−41、2−42、2−44、2−51、2−55、2−59、2−61、2−62、2−63、2−76、2−77、2−82、2−83、2−84、2−87、2−98、2−100、2−103、2−104、2−105、2−108、2−109、2−113、2−115、2−116、2−118、2−119、2−120、2−124、2−125、2−133、2−142、2−143、2−144、2−145、2−146、2−148、2−151、2−153、2−161、4−5、5−4、5−5、5−6の化合物が、有効成分濃度20μg/animalで100%の殺虫活性を示した。
【0433】
生物試験例6:ヒツジキンバエ(Lucillia cuprina)に対する試験
供試薬液の調製
溶剤:ジメチルスルホキシド
適当な活性化合物の調合物を作るために、活性化合物10mgを上記溶剤0.5mlに溶解し、その混合物を水で所定濃度まで希釈する。
【0434】
試験方法
1立方センチメートルの馬ひき肉と上記で調製された化合物水溶液0.5mlの入っている試験管へ、約20から30頭のヒツジキンバエの幼虫を入れる。
【0435】
一定時間経過した後、ヒツジキンバエの致死率の割合を測定する。その際、100%は、すべてのヒツジキンバエが死んだことを意味して、0%はすべて生存していることを意味する。
【0436】
試験結果
上記生物試験において、前記化合物No.1−6、1−24、1−25、1−26、1−27、1−40、1−59、1−60、1−61、1−80、1−111、2−6、2−24、2−30、2−32、2−33、2−34、2−36、2−37、2−38、2−39、2−40、2−41、2−42、2−44、2−51、2−55、2−59、2−61、2−62、2−63、2−82、2−83、2−84、2−87、2−98、2−99、2−100、2−105、2−108、2−109、2−113、2−115、2−118、2−119、2−125、2−133、2−144、2−145、2−151、4−5、5−5の化合物が、有効成分濃度100ppmで100%の殺虫活性を示した。
【0437】
生物試験例7:イエバエ(Musca domestica)に対する試験
供試薬液の調製
溶剤:ジメチルスルホキシド
適当な活性化合物の調合物を作るために、活性化合物10mgを上記溶剤0.5mlに溶解し、その混合物を水で所定濃度まで希釈する。
【0438】
試験方法
試験の準備段階として、一定の大きさのスポンジに砂糖と上記で調製された化合物水溶液の混合物を染み込ませて、試験容器中に置く。10頭のイエバエの成虫を容器へ入れて、通気用の穴をあけた蓋をする。
【0439】
一定時間経過した後、イエバエの致死率の割合を測定する。その際、100%は、すべてのイエバエが死んだことを意味して、0%はすべて生存していることを意味する。
【0440】
試験結果
上記生物試験において、前記化合物No.1−40、1−59、1−60、1−80、2−32、2−33、2−34、2−61、2−62、2−63、2−82、2−105の化合物が、有効成分濃度100ppmで100%の殺虫活性を示した。
【0441】
製剤例1(粒剤)
本発明化合物(No.1−1)10部、ベントナイト(モンモリロナイト)30部、タルク(滑石)58部及びリグニンスルホン酸塩2部の混合物に、水25部を加え、良く捏化し、押し出し式造粒機により10〜40メッシュの粒状とし、40〜50℃で乾燥して粒剤とする。
【0442】
製剤例2(粒剤)
0.2〜2mmの範囲内の粒径分布を有する粘土鉱物粒95部を回転混合機に入れ、回転下、液体希釈剤とともに本発明化合物(No.1−1)5部を噴霧し均等にしめらせた後、40〜50℃で乾燥して粒剤とする。
【0443】
製剤例3(乳剤)
本発明化合物(No.1−1)30部、キシレン55部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル8部及びアルキルベンゼンスルホン酸カルシウム7部を混合攪拌して乳剤とする。
【0444】
製剤例4(水和剤)
本発明化合物(No.1−1)15部、ホワイトカーボン(含水無晶形酸化ケイ素微粉末)と粉末クレーとの混合物(1:5)80部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部及びアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物3部を粉砕混合し、水和剤とする。
【0445】
製剤例5(水和顆粒)
本発明化合物(No.1−1)20部、リグニンスルホン酸ナトリウム塩30部及びベントナイト15部、焼成ケイソウ土粉末35部を充分に混合し、水を加え、0.3mmのスクリーンで押し出し乾燥して、水和顆粒とする。
【産業上の利用可能性】
【0446】
本発明の新規なアミド類は前記の実施例に示したとおり、殺虫剤として優れた殺虫作用を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I):
【化1】

式中、
Vは下記の芳香環式基のいずれかを示し、
【化2】

Dは式(I)の
【化3】

部分との結合位置を示し、
Eは、式(I)の
【化4】

部分との結合位置を示し、
Qは、下記の芳香環式基のいずれかを示し、
【化5】

及びGは、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子を示し、
乃至X及びY乃至Yは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいハロアルキル、置換されてもよいアルコキシ、置換されてもよいハロアルコキシ、シアノ又はニトロを示し、
及びYは、それぞれ独立してハロゲン、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいハロアルキル、置換されてもよいアルコキシ、置換されてもよいハロアルコキシ、置換されてもよいアルキルチオ、置換されてもよいアルキルスルフィニル、置換されてもよいアルキルスルホニル、置換されてもよいハロアルキルチオ、置換されてもよいハロアルキルスルフィニル、置換されてもよいハロアルキルスルホニル、シアノ又はニトロを示し、
Jは、
【化6】

を示し、
は、パーフルオロアルキルを示し、
は、水素、ハロゲン、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいハロアルキル、置換されてもよいフェニル又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基を示し、
は、水酸基、シアノ、アジド、ハロゲン、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいハロアルキル、OR、SR、NR、N(R)NR、N(R)OR、次式で表される置換基
【化7】

【化8】

【化9】

又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基を示し、ただし、J及びJがパーフルオロアルキルであって、且つJが水酸基又はハロゲンである場合を除く、
は、水素、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいハロアルキル、置換されてもよいアルコキシ、置換されてもよいハロアルコキシ、置換されてもよいフェニル又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基を示し、
及びRは、それぞれ独立して水素、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいハロアルキル、置換されてもよいアルキルカルボニル、置換されてもよいハロアルキルカルボニル、置換されてもよいアルコキシカルボニル又は置換されてもよいハロアルコキシカルボニルを示し、
は、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいハロアルキル、任意に置換されてもよいアルコキシアルキル、任意に置換されてもよいアルキルチオアルキル、置換されてもよいアルケニル、置換されてもよいアルキニル、置換されてもよいフェニル、任意に置換されてもよいアラルキル、置換されてもよいイミニル、置換されてもよいアルキルカルボニル、置換されてもよいハロアルキルカルボニル、置換されてもよいフェニルカルボニル、置換されてもよいアルキルスルホニル、置換されてもよいハロアルキルスルホニル、置換されてもよいフェニルスルホニル、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の任意に置換されてもよい複素環式基アルキレン又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基カルボニルを示し、
は、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいハロアルキル、任意に置換されてもよいアルコキシアルキル、任意に置換されてもよいハロアルコキシアルキル、任意に置換されてもよいアルキルチオアルキル、任意に置換されてもよいハロアルキルチオアルキル、置換されてもよいアルケニル、置換されてもよいアルキニル、置換されてもよいフェニル、任意に置換されてもよいアラルキル、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の任意に置換されてもよい複素環式基アルキレンを示し、
、R及びRは、それぞれ独立して水素、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいハロアルキル、任意に置換されてもよいアルコキシアルキル、任意に置換されてもよいハロアルコキシアルキル、任意に置換されてもよいアルキルチオアルキル、任意に置換されてもよいハロアルキルチオアルキル、置換されてもよいアルケニル、置換されてもよいアルキニル、置換されてもよいフェニル、任意に置換されてもよいアラルキル、置換されてもよいアルキルスルホニル、置換されてもよいハロアルキルスルホニル、置換されてもよいフェニルスルホニル、置換されてもよいアルキルカルボニル、置換されてもよいハロアルキルカルボニル、置換されてもよいフェニルカルボニル、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の任意に置換されてもよい複素環式基アルキレン又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基カルボニルを示し、
またRとRはそれらの結合する窒素原子と一緒になって環式アミノ基を形成してもよく、該環中には酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基を含んでいてもよく、
は、置換されてもよいアルキル又は置換されてもよいハロアルキルを示し、そして
10は、水素、置換されてもよいアルキル又は置換されてもよいハロアルキルを示す、
で表されるアミド類。
【請求項2】
Vが下記の芳香環式基のいずれかを示し、
【化10】

Dが式(I)の
【化11】

部分との結合位置を示し、
Eが式(I)の
【化12】

部分との結合位置を示し、
Qが、下記の芳香環式基のいずれかを示し、
【化13】

及びGが、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子を示し、
乃至X及びY乃至Yが、それぞれ独立して水素、ハロゲン、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいC−Cアルコキシ、置換されてもよいC−Cハロアルコキシ、シアノ又はニトロを示し、
及びYが、それぞれ独立してハロゲン、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいC−Cアルコキシ、置換されてもよいC−Cハロアルコキシ、置換されてもよいC−Cアルキルチオ、置換されてもよいアルキルスルフィニル、置換されてもよいC−Cアルキルスルホニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルチオ、置換されてもよいC−Cハロアルキルスルフィニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルスルホニル、シアノ又はニトロを示し、
Jが、
【化14】

を示し、
が、C−Cパーフルオロアルキルを示し、
が、水素、ハロゲン、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいフェニル又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基を示し、
が、水酸基、シアノ、アジド、ハロゲン、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、OR、SR、NR、N(R)NR、N(R)OR、次式で表される置換基
【化15】

【化16】

【化17】

又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基を示し、ただし、J及びJがパーフルオロアルキルであって、且つJが水酸基又はハロゲンである場合を除く、
が、水素、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいC−Cアルコキシ、置換されてもよいC−Cハロアルコキシ、置換されてもよいフェニル又はN、O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基を示し、
及びRが、それぞれ独立して水素、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいC−Cアルキルカルボニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルカルボニル、置換されてもよいC−Cアルコキシカルボニル又は置換されてもよいC−Cハロアルコキシカルボニルを示し、
が、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルコキシC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルキルチオC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cアルケニル、置換されてもよいC−Cアルキニル、置換されてもよいフェニル、任意に置換されてもよいC−C12アラルキル、置換されてもよいC−Cイミニル、置換されてもよいC−Cアルキルカルボニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルカルボニル、置換されてもよいフェニルカルボニル、置換されてもよいC−Cアルキルスルホニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルスルホニル、置換されてもよいフェニルスルホニル、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の任意に置換されてもよい複素環式基C−Cアルキレン又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基カルボニルを示し、
が、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルコキシC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CハロアルコキシC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cアルキルチオにより置換された置換されてもよいC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CハロアルキルチオC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cアルケニル、置換されてもよいC−Cアルキニル、置換されてもよいフェニル、任意に置換されてもよいC−C12アラルキル、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の任意に置換されてもよい複素環式基C−Cアルキレンを示し、
、R及びRが、それぞれ独立して水素、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルコキシC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CハロアルコキシC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルキルチオC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CハロアルキルチオC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cアルケニル、置換されてもよいC−Cアルキニル、置換されてもよいフェニル、任意に置換されてもよいC−C12アラルキル、置換されてもよいC−Cアルキルスルホニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルスルホニル、置換されてもよいフェニルスルホニル、置換されてもよいC−Cアルキルカルボニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルカルボニル、置換されてもよいフェニルカルボニル、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の任意に置換されてもよい複素環式基C−Cアルキレン又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基カルボニルを示し、
またRとRがそれらの結合する窒素原子と一緒になって3員乃至7員の環式アミノ基を形成してもよく、該環中には酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基を含んでいてもよく、
が、置換されてもよいC−Cアルキル又は置換されてもよいC−Cハロアルキルを示し、そして
10が、水素、置換されてもよいC−Cアルキル又は置換されてもよいC−Cハロアルキルを示す請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Vが下記の芳香環式基のいずれかを示し、
【化18】

Dが式(I)の
【化19】

部分との結合位置を示し、
Eが式(I)の
【化20】

部分との結合位置を示し、
Qが、下記の芳香環式基のいずれかを示し、
【化21】

及びGが、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子を示し、
乃至X及びY乃至Yが、それぞれ独立して水素、ハロゲン、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいC−Cアルコキシ、置換されてもよいC−Cハロアルコキシ、シアノ又はニトロを示し、
及びYが、それぞれ独立してハロゲン、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいC−Cアルコキシ、置換されてもよいC−Cハロアルコキシ、置換されてもよいC−Cアルキルチオ、置換されてもよいC−Cアルキルスルフィニル、置換されてもよいC−Cアルキルスルホニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルチオ、置換されてもよいC−Cハロアルキルスルフィニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルスルホニル、シアノ又はニトロを示し、
Jが、
【化22】

を示し、
が、C−Cパーフルオロアルキルを示し、
が、水素、ハロゲン、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいフェニル又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基を示し、
が、水酸基、シアノ、アジド、ハロゲン、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、OR、SR、NR、N(R)NR、N(R)OR、次式で表される置換基
【化23】

【化24】

【化25】

又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基を示し、ただし、J及びJがパーフルオロアルキルであって、且つJが水酸基又はハロゲンである場合を除く、
が、水素、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいC−Cアルコキシ、置換されてもよいC−Cハロアルコキシ、置換されてもよいフェニル又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基を示し、
及びRが、それぞれ独立して水素、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、置換されてもよいC−Cアルキルカルボニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルカルボニル、置換されてもよいC−Cアルコキシカルボニル又は置換されてもよいC−Cハロアルコキシカルボニルを示し、
が、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルコキシC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルキルチオC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cアルケニル、置換されてもよいC−Cアルキニル、置換されてもよいフェニル、任意に置換されてもよいC−C10アラルキル、置換されてもよいC−Cイミニル、置換されてもよいC−Cアルキルカルボニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルカルボニル、置換されてもよいフェニルカルボニル、置換されてもよいC−Cアルキルスルホニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルスルホニル、置換されてもよいフェニルスルホニル、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の任意に置換されてもよい複素環式基C−Cアルキレン又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基カルボニルを示し、
が、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルコキシC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CハロアルコキシC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルキルチオC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CハロアルキルチオC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cアルケニル、置換されてもよいC−Cアルキニル、置換されてもよいフェニル、任意に置換されてもよいC−C10アラルキル、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の任意に置換されてもよい複素環式基C−Cアルキレンを示し、
、R及びRが、それぞれ独立して水素、置換されてもよいC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cハロアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルコキシC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CハロアルコキシC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CアルキルチオC−Cアルキル、任意に置換されてもよいC−CハロアルキルチオC−Cアルキル、置換されてもよいC−Cアルケニル、置換されてもよいC−Cアルキニル、置換されてもよいフェニル、任意に置換されてもよいC−C10アラルキル、置換されてもよいC−Cアルキルスルホニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルスルホニル、置換されてもよいフェニルスルホニル、置換されてもよいC−Cアルキルカルボニル、置換されてもよいC−Cハロアルキルカルボニル、置換されてもよいフェニルカルボニル、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基、N,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の任意に置換されてもよい複素環式基C−Cアルキレン又はN,O及びSよりなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の置換されてもよい複素環式基カルボニルを示し、
またRとRがそれらの結合する窒素原子と一緒になって3員乃至7員の環式アミノ基を形成してもよく、該環中には酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基を含んでいてもよく、
が、置換されてもよいC−Cアルキル又は置換されてもよいC−Cハロアルキルを示し、そして
10が、水素、置換されてもよいC−Cアルキル又は置換されてもよいC−Cハロアルキルを示す請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の化合物を有効成分として含有する殺虫剤。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の化合物を有効成分として含有する動物寄生虫防除剤。
【請求項6】
下記式(II):
【化26】

式中、R13は水素、置換されてもよいアルキルオキシカルボニル、置換されてもよいフェニルオキシカルボニル、置換されてもよいアラルキルオキシカルボニル、基
【化27】

(式中、V及びX〜Xは請求項1と同義である(ただし、V中のDは、上記基の
【化28】

部分との結合位置を示し、Eは、上記基の
【化29】

部分との結合位置を示す))、
又は基
【化30】

(式中、V、X〜X及びRは請求項1と同義である(ただし、V中のDは、上記基の
【化31】

部分との結合位置を示し、Eは、上記基の
【化32】

部分との結合位置を示す))
を示し、
14はJ又は基
【化33】

(式中、Lはアルキルスルホニル又はフェニルスルホニルを示す)を示し、そして
、Q及びJ〜Jは請求項1と同義である、
ただしJ及びJがパーフルオロアルキルであって、且つJが水酸基又はハロゲンである場合を除く、
で表される化合物。

【公開番号】特開2010−37311(P2010−37311A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−205273(P2008−205273)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】